JP2004165960A - 半導体集積回路装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】擬似ロックを防止し、かつ広い動作周波数範囲で高精度に遅延時間が調整された遅延クロックを生成する。
【解決手段】ロック用遅延回路3は、複数の遅延素子31 〜3n が直列接続された構成からなり、制御電圧CNTLに基づいて分周器出力クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。出力用遅延回路3aも複数の遅延素子3a1 〜3an が直列接続された構成からなり、制御電圧CNTLに基づいて基本クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。電流セレクタ9は、半導体集積回路装置に設けられたバイアス電流設定レジスタなどに設定された電流セレクト信号に基づいてバイアス電流回路8が生成する複数の電流値から、動作周波数に応じたバイアス電流を選択し、遅延素子31 〜3n ,3a1 〜3anにそれぞれ供給し、広い周波数範囲で擬似ロックを防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】ロック用遅延回路3は、複数の遅延素子31 〜3n が直列接続された構成からなり、制御電圧CNTLに基づいて分周器出力クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。出力用遅延回路3aも複数の遅延素子3a1 〜3an が直列接続された構成からなり、制御電圧CNTLに基づいて基本クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。電流セレクタ9は、半導体集積回路装置に設けられたバイアス電流設定レジスタなどに設定された電流セレクト信号に基づいてバイアス電流回路8が生成する複数の電流値から、動作周波数に応じたバイアス電流を選択し、遅延素子31 〜3n ,3a1 〜3anにそれぞれ供給し、広い周波数範囲で擬似ロックを防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置における遅延クロックの生成技術に関し、特に、DLL(Delay Locked Loop)回路の擬似ロック防止に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、デジタルカメラなどにおけるサンプリングクロックの調整用として、DLL回路が広く知られている。
【0003】
このDLL回路は、クロックの遅延時間を電源電圧、温度、デバイスばらつきなどによらず、外部クロックの1周期分遅らせるように働くフィードバックループである。
【0004】
クロックの遅延時間を高精度で調整することを要するシステムでは、1周期目のみにロック点を限定する必要がある。なぜならば、2、3周期目に擬似ロックすると、タイミング調整の最小単位は2、3倍に悪くなってしまうためである。
【0005】
この場合、DLL回路は、1/2分周器、遅延素子、位相比較器、チャージポンプ、およびループフィルタなどで構成される。入力となる基本クロックは1/2分周器に入力され、周期を2倍にして遅延素子へ出力し、また位相比較器へはインバータを介して出力する。
【0006】
遅延素子では、制御電圧端子に与えられた電圧(以下、制御電圧という)で所定の時間だけ遅延したクロック(以下、遅延クロックという)として出力される。制御電圧を上げると遅延時間が短くなり、下げると長くなる。
【0007】
そこでフィードバックループにより制御電圧を制御し、ちょうど外部クロックの1周期分遅らせたところでフィードバックループが収束するように設計する。1周期分遅れの検出は基本クロック、および遅延クロックのたとえばライジングエッジ同士を位相比較することにより行う。
【0008】
すなわち、基本クロックに対してロックしたい遅延時間より遅延クロックが遅い場合にはUPパルスを、またその逆の場合はDOWNパルスをチャージポンプに与える。なお、位相比較はフォーリングエッジを用いても同様に行える。
【0009】
チャージポンプは位相比較器の出力であるUPおよびDOWNパルスに応じて、それぞれ充電および放電電流をパルス状に発生させ、それらの電流をループフィルタで時間積分させて制御電圧を作り出す。
【0010】
UPおよびDOWNパルスがどちらも出なくなると、遅延クロックが基本クロック1周期分遅延した状態になり、この状態でループは安定する。ただし、ループ内の遅延素子(以下、ロック用遅延素子という)は基本クロックに対して1/2分周されたクロックで動作しており、所望の周波数ではない。
【0011】
そこで、基本クロックと同周波数で高精度にタイミング調整されたクロックを得るために、ロック用遅延素子と同構成の遅延素子(出力用遅延素子)を用意し、それに基本クロックと同周波数のクロックを入力し、ループで生成された制御電圧を与えていた。
【0012】
出力用遅延素子の段数を選択することにより、基本クロックと同周波数のクロックを高精度でタイミング調整できる。また、出力用遅延素子を複数個用意することにより、複数のクロックを高精度でタイミング調整することができる。
【0013】
このような構成のDLL回路においては、たとえば、遅延素子にバイアス電流を流すことによりロック領域を拡大し、擬似ロックを防止しているものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0014】
この場合のDLL回路における擬似ロック防止技術を述べる。
【0015】
基本クロックを1/2分周して極性を反転させたクロックを位相比較器に入力することにより、1,3,5周期・・・の各遅延時間になるまでUPおよびDOWNパルスが発生し、上記の周期まで遅延時間が引き込まれるとUPおよびDOWNパルスが発生しない状態になり引き込まれたことになる。
【0016】
基本クロックに対する遅延クロックの遅延時間が、この状態の付近でずれてもUPおよびDOWNパルスの発生によりこの状態に引き戻される。ここで、この状態をロック点と定義する。
【0017】
また、隣接するロック点の中間にあたる遅延時間においてUPおよびDOWNパルス発生の切り換わりが生じ、この境界で収束先のロック点が異なる。ここで、あるロック点に対し、その点に収束できる遅延時間の範囲をロック領域と定義する。
【0018】
たとえば、ロック点1周期に対してロック領域0〜2周期の関係を持つ場合、1/2分周にすることでロック領域が2倍になり、極性を反転することによりロック点がロック領域の1/2分シフトし、その結果、より広いロック領域となる。
【0019】
また、確実に1周期目にロックさせるためには、ロック用遅延素子の遅延時間最大値および最小値を1周期目のロック領域に収めればよい。
【0020】
さらに、遅延素子には、あるバイアス電流を遅延素子に供給するバイアス電流部が設けられている。これにより、制御電圧が0Vでも遅延素子は動作することになり、遅延時間最大値は有限値を持つことになる。この遅延時間最大値をロック領域上限未満に設定することにより、制御電圧が0V、あるいはそれに近い低電圧値になった場合の擬似ロックを防止している。
【0021】
【特許文献1】
特願2002−61681号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなDLL回路による遅延クロックの生成技術では、次のような問題点があることが本発明者により見い出された。
【0023】
すなわち、前述した遅延素子にバイアス電流を流す技術では、遅延時間がばらつき幅を持ってしまうために、遅延時間に上限を設定しているとはいえ、擬似ロックが発生するおそれが生じ、動作周波数範囲を狭めてしまうという問題がある。
【0024】
このばらつき要因としては、電源電圧、温度、デバイスなどがあるが、特に電源電圧の影響が強く、電源電圧が大きいほど比例して遅延時間が大きくなってしまうことになる。
【0025】
また、遅延時間の最大値は、バイアス電流と反比例の関係を持つので、たとえば、10MHz程度に合わせて遅延素子のバイアス電流を設定したとして、たとえば、40MHz程度で動作を行った際には、遅延時間が擬似ロック点での動作となり、広い動作周波数範囲を必要とする場合の正常動作の保証ができない恐れがある。
【0026】
本発明の目的は、擬似ロックを防止し、かつ広い動作周波数範囲で高精度に遅延時間が調整された遅延クロックを生成することのできる半導体集積回路装置を提供することにある。
【0027】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)基本クロックを分周し、パルス幅を前記基本クロックの1周期に固定した分周器出力クロックを出力するパルス幅固定分周器と、該パルス幅固定分周器から出力された分周器出力クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを生成する第1の遅延回路と、分周器出力クロックと遅延クロックとを比較し、分周器出力クロックに対する遅延クロックの遅延時間が基本クロックの1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、該電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部とを含み、第1の遅延回路は、互いに直列接続された複数の遅延素子を有し、それら複数の遅延素子における基本単位は、インバータへ流れ込む電源電流が、制御電圧で制御される電流源とバイアス電圧で制御される電流源との和で決められ、動作周波数に応じてバイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にするバイアス電流設定部を備えたものである。
【0029】
また、本願のその他の発明の概要を簡単に示す。
(2)基本クロックを分周し、パルス幅を前記基本クロックの1周期に固定した分周器出力クロックを出力するパルス幅固定分周器と、該パルス幅固定分周器から出力された分周器出力クロックをある時間だけ遅延させたロック用遅延クロックを生成する第1の遅延回路と、分周器出力クロックとロック用遅延クロックとを比較し、分周器出力クロックに対する前記遅延クロックの遅延時間が前記基本クロックの1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、該位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、該電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部と、基本クロックをある時間だけ遅延させた出力用遅延クロックを生成する第2の遅延回路とを含み、第1、および第2の遅延回路は、互いに直列接続された複数の遅延素子を有し、それら複数の遅延素子における基本単位は、インバータへ流れ込む電源電流が、制御電圧で制御される電流源とバイアス電圧で制御される電流源との和で決められ、動作周波数に応じてバイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にするバイアス電流設定部を備えたものである。
(3)前記第1項、または前記第2項において、電源電圧に依存して前記バイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にする電源電圧補償バイアス電流部を設けたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施の形態によるDLL回路のブロック図、図2は、図1のDLL回路に設けられたロック用遅延回路における遅延素子、ならびにバイアス電流回路の構成を示す回路図、図3は、図2の遅延素子における遅延時間のばらつきを示した説明図、図4は、図1のDLL回路におけるロック点の変化を示した説明図、図5は、図1のDLL回路における周波数とバイアス電流との関係を示した説明図、図6は、本発明の一実施の形態による電源電圧に依存性を持たせるバイアス電流を生成するバイアス電流回路の一例を示した基本回路図、図7は、図1のDLL回路に設けられたバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路の一例を示す回路図、図8は、図1のDLL回路に設けられたバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路の他の例を示す回路図、図9は、動作周波数範囲を広くする場合に生じる問題を示した説明図、図10は、図1のDLL回路を用いて構成されたデジタルカメラシステムのブロック図、図11は、図10におけるデジタルカメラシステムのクロック、および信号タイミングチャートである。
【0032】
本実施の形態において、半導体集積回路装置に設けられたDLL回路1は、図1に示すように、パルス幅固定分周器(1/2分周器)2、ロック用遅延回路(第1の遅延回路)3、出力用遅延回路(第2の遅延回路)3a、位相比較器4、チャージポンプ(電流生成部)5、ループフィルタ(制御電圧生成部)6、インバータ7、バイアス電流回路(バイアス電流設定部、第1の電流回路)8、電流セレクタ(バイアス電流設定部、第1の電流セレクタ部)9、ならびにセレクタ9a,9bなどから構成されている。
【0033】
パルス幅固定分周器2には、基本クロックが入力される。その出力部には、ロック用遅延回路3の入力部、およびインバータ7の入力部がそれぞれ接続される。パルス幅固定分周器2は、該基本クロックを1周期分のパルス幅を有しつつ、周期をその分周比倍したクロックを生成する。本実施の形態の場合、1/2分周器を用いることから分周比は2となる。以下の説明では、パルス幅固定分周器として1/2分周器をもとに説明する。
【0034】
ロック用遅延回路3は、複数の遅延素子31 〜3n が直列接続された構成からなる。ロック用遅延回路3の出力は、位相比較器4の一方の入力部が接続される。
【0035】
このロック用遅延回路3には、ループフィルタ6の出力である制御電圧CNTLが印加される。ロック用遅延回路3は、制御電圧CNTLに基づいて分周器出力クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。
【0036】
位相比較器4の他方の入力部には、インバータ7の出力部が接続されている。インバータ7は、パルス幅固定分周器2から出力された1/2分周器出力クロックの反転信号を出力する。
【0037】
位相比較器4は、インバータ7を介して入力される1/2分周器出力クロックの反転信号とロック用遅延回路3から出力される遅延クロックとの位相差からUPパルス、DOWNパルスを生成する。
【0038】
位相比較器4から出力されるUPパルス、DOWNパルスは、チャージポンプ5に出力されるように接続される。チャージポンプ5は、UPパルス、またはDOWNパルスに応じて、充電電流、あるいは放電電流をパルス状にそれぞれ発生させる。
【0039】
ループフィルタ6は、チャージポンプ5が発生した充電電流、放電電流を時間積分して制御電圧CNTLを生成し、ロック用遅延回路3、および出力用遅延回路3aに印加する。
【0040】
位相比較器4からUPパルス、DOWNパルスが出なくなると、遅延クロックが基本クロックの1周期分遅延した状態となり、ループは安定し、ロック状態となる。
【0041】
出力用遅延回路3aには、基本クロックが入力されており、ループフィルタ6の制御電圧CNTLが印加される。出力用遅延回路3aも複数の遅延素子3a1 〜3an が直列接続された構成からなり、制御電圧CNTLに基づいて基本クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。
【0042】
バイアス電流回路8は、動作周波数に応じて電流値が異なるバイアス電流を生成し、ロック用遅延回路3、および出力用遅延回路3aにそれぞれ供給する。電流セレクタ9は、半導体集積回路装置に設けられたバイアス電流設定レジスタ(レジスタ)BR(図2)などに設定された電流セレクト信号に基づいてバイアス電流回路8が生成する電流値を任意に設定する。
【0043】
セレクタ(第1のクロック選択部)9aは、半導体集積回路装置に設けられたレジスタなどに設定されたセレクトデータに基づいて、ロック用遅延回路3の任意のタップ端子から出力される遅延クロックを選択してロック用遅延クロックとして出力する。
【0044】
よって、セレクタ9aによって微調整されたロック用遅延クロックを位相比較器4に入力することによって、ロック用遅延クロックにおける遅延時間の選択精度を任意に変えることができる。
【0045】
さらに、セレクタ(第2のクロック選択部)9bは、半導体集積回路装置に設けられたレジスタなどに設定されたセレクトデータに基づいて、出力用遅延回路3aの任意のタップ端子から出力される出力用遅延クロックを選択して出力する。
【0046】
これにより、出力用遅延回路3aの任意のタップから出力された遅延クロックをセレクタ9bによって選択することにより、出力用遅延クロックの遅延時間を高精度に調整することができる。
【0047】
ここで、ロック用遅延回路3における遅延素子31 、ならびにバイアス電流回路8の回路構成について、図2を用いて説明する。ここでは、遅延素子31 の基本単位について説明するが、遅延素子32 〜3n ,3a1 〜3an についても同様の回路構成であるので説明は省略する。
【0048】
遅延素子31 は、インバータ10,11、PチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)のトランジスタ12〜15、NチャネルMOSのトランジスタ16〜19、およびクロックドインバータ20から構成されている。
【0049】
インバータ10とインバータ11とは直列接続されている。インバータ10は、並列接続されたトランジスタ12,13、および並列接続されたトランジスタ16,17を介して電源電圧、およびグランド(基準電位)にそれぞれ接続されている。
【0050】
インバータ11は、並列接続されたトランジスタ14,15、ならびに並列接続されたトランジスタ18,19を介して電源電圧、およびグランドにそれぞれ接続されている。
【0051】
このインバータ11の出力部には、クロックドインバータ20の入力部が接続されており、該クロックドインバータ20の出力部はタップ端子となっている。そして、基本単位毎に、タップ端子から微調整されたロック用遅延クロックが出力される。
【0052】
トランジスタ16,18のゲートには、ループフィルタ6から出力される制御電圧CNTLがそれぞれ入力されている。トランジスタ12,14のゲートには、制御電圧CNTLBがそれぞれ入力される。
【0053】
制御電圧CNTLBは、PチャネルMOSのトランジスタT1、およびNチャネルMOSのトランジスタT2からなるカレントミラー回路CCによって制御電圧CNTLから生成する。
【0054】
トランジスタT1,T2は、電源電圧とグランドとの間に直列接続されており、トランジスタT1のゲートには、トランジスタT2の一方の接続部、およびトランジスタ12,14のゲートがそれぞれ接続されている。トランジスタT2のゲートには、トランジスタ16,18のゲートがそれぞれ接続されている。
【0055】
このカレントミラー回路CCにより、トランジスタ16,18のドレイン−ソース電流とトランジスタ12,14のドレイン−ソース電流とを常に等しくする。
【0056】
また、トランジスタ13,15のゲートには、バイアス電圧BIASPがそれぞれ入力され、トランジスタ17,19のゲートには、バイアス電圧BIASNがそれぞれ入力される。
【0057】
バイアス電圧BIASP、およびバイアス電圧BIASNは、後述するバイアス電流回路8が生成した定電流から生成し、トランジスタ13,15のドレイン−ソース電流とトランジスタ17,19のドレイン−ソース電流とを常に等しく、かつ一定とする。
【0058】
そして、遅延素子31 は、トランジスタ12,14,16,18の制御電圧CNTL,CNTLBによってインバータ10,11の電流を変化させて遅延時間を制御する。
【0059】
トランジスタ13,15,17,19はバイアス用トランジスタであり、バイアス電圧BIASP,BIASNに応じて定電流源として働き、制御電圧CNTLが0Vの場合でもインバータ8,9に定電流成分があるため、遅延時間に上限をもたせることができる。
【0060】
さらに、バイアス電流回路8の回路構成について説明する。
【0061】
バイアス電流回路8は、トランジスタ21,221 〜22n ,23〜25、およびスイッチ261〜26n によってカレントミラー回路が構成されている。トランジスタ21,221 〜22n ,23はPチャネルMOSからなり、トランジスタ24,25はNチャネルMOSからなる。
【0062】
トランジスタ21,24は、電源電圧とグランドとの間にそれぞれ直列接続されており、トランジスタ221 〜22n の一方の接続部には、電源電圧が接続されている。
【0063】
これらトランジスタ221 〜22n のゲートには、スイッチ261 〜26n の一方の接続部がそれぞれ接続されており、該スイッチ261 〜26n の他方の接続部、およびトランジスタ23のゲートと他方の接続部とがそれぞれグランドに接続されて定電流源となっている。
【0064】
スイッチ261 〜26n の制御端子には電流セレクタ9が接続されている。これらスイッチ261 〜26n は、該電流セレクタ9から出力される電流セレクト信号に基づいてON/OFF制御される。
【0065】
また、スイッチ261 〜26n が接続されたトランジスタ221 〜22n は、ゲートサイズ(たとえば、ゲート幅)が、たとえば、1:2:4・・・といった2進数の電流比を持つように設定されている。
【0066】
トランジスタ21の他方の接続部には、該トランジスタ21のゲートが接続されており、バイアス電圧BIASPが出力される。トランジスタ221 〜22n の他方の接続部には、トランジスタ24,25のゲートが接続されており、バイアス電圧BIASNが出力される。
【0067】
このように、カレントミラー回路構成における前段のトランジスタ221 〜22n のいずれか1つを電流セレクタ9の電流セレクト信号により選択することにより、バイアス電流の電流値を調整する。
【0068】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0069】
図3は、遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )における遅延時間のばらつきを示した図である。図3においては、横軸に制御時間、縦軸に遅延時間をそれぞれ示している。
【0070】
また、制御電圧CNTLが0Vでの遅延時間のばらつきの最大値をTOPMAX、その最小値をTOPMIN、制御電圧CNTLが電源電圧での遅延時間の最大値をBOTMAX、その最小値をBOTMINと定義する。
【0071】
制御電圧CNTLが0Vの時、遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )は、バイアス電流回路8のバイアス電流のみで充放電動作するために、遅延時間の最大値は、バイアス電流と反比例の関係を持つ。よって、バイアス電流を周波数に応じて変換させることにより、広範囲の周波数領域でDLL回路1が動作可能となる。
【0072】
擬似ロックが生じない条件としては、パルス幅固定分周器2を1/2分周器とした場合(図3より)、
BOTMAX<T<TOPMIN (式1)
TOPMAX<2T (式2)
が成立することが必要である。ここで、Tは想定する入力クロックの周期である。
【0073】
入力クロック1周期Tでロックするためには、式1を満たすことが必要である。さらに、ロック領域上限未満に遅延時間最大値を設定するためには、式2を満たすことが必要である。これらの条件を満たすようにバイアス電流回路8に与えられるバイアス電流を設定する。
【0074】
このバイアス電流の設定について説明する。
【0075】
まず、外部からバイアス電流設定レジスタBRに設定データを設定する。それにより、バイアス電流設定レジスタBRから電流セレクト信号が出力される。スイッチ261 〜26n の制御端子に出力される。
【0076】
スイッチ261 〜26n は、電流セレクト信号を受けて、ON/OFF動作する。そして、スイッチ261 〜26n のいずれかONさせることにより、カレントミラー回路の前段を構成するトランジスタ221 〜22n のいずれか1つを動作させ、周波数に応じて最適なゲートサイズのトランジスタを選択することにより、遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )に供給するバイアス電流値を設定することができる。
【0077】
なお、図2ではPチャネルMOSのトランジスタ221 〜22n のゲートサイズを制御する例を示したが、NチャネルMOSのトランジスタであっても同じ機能を実現できることは明白である。
【0078】
図4は、DLL回路1におけるロック点の変化を示した図、図5は、周波数とバイアス電流との関係を示した図である。
【0079】
図4においては、上方から下方にかけて、入力クロックを5MHz毎に分割した際の周波数MHz、擬似ロック点(3T)ns、ロック領域の上限(2T)ns、および正常ロック点(T)nsをそれぞれ示している。
【0080】
また、図5では、たとえば、周波数を5MHz毎に分割し、各領域に対応するバイアス電流を相対比として表している。
【0081】
たとえば、10MHz〜15MHzの領域では、TOPMAX、TOPMIN、およびBOTMAXは次のように求められる。
【0082】
TOPMAX、式2および図4より決まる。2Tは15MHzでの133.3nsが最小であるから、TOPMAX<133.3nsと設定すればよい。TOPMINは、式1、および図5より決まる。Tは10MHzでの100nsが最大であるから、TOPMIN>100nsと設定すればよい。
【0083】
よって、10MHz〜15MHzの領域で遅延時間最大値が100ns以上133.3ns未満になるようにバイアス電流を設定すればよい。なお、BOTMAXも同様に、Tは15MHzでの66.7nsが最小であるから、BOTMAX<66.7nsと設定すればよい。
【0084】
他の領域も同様に求められる。遅延時間最大値は、バイアス電流と反比例の関係を持つことから、上記方法で求めたTOPMAX、およびTOPMINの領域間の相対比から決められる。
【0085】
たとえば、15MHz〜20MHzの領域では、10MHz〜15MHzの領域に対して、TOPMAXは100/133.3倍、TOPMINは66.7/100倍となる。
【0086】
よって、その逆数であるバイアス電流は、1.33〜1.5倍に設定すればよい。他の領域も同様に求められ、これらのバイアス電流を実現するためのトランジスタのゲートサイズ比を整数で表すと、図5の右端のようになる。
【0087】
また、バイアス電流は、図6に示すように、抵抗Rを用いて電源電圧依存性を持たせることもできる。
【0088】
遅延時間最大値は、各々の遅延素子と充放電時間と比例関係を持ち、その充放電時間はクロック振幅に比例する。よって電源電圧が大きくなるにつれてクロック振幅も大きくなるため、遅延時間最大値は電源電圧に比例して増加することになるが、電源電圧に依存してバイアス電流を増加させることにより遅延時間の増大を抑制することができる。
【0089】
この場合、図6(a)に示すように、トランジスタT3,T4からなるカレントミラー回路において、電源電圧とダイオード接続されたトランジスタT3との間に抵抗Rが接続されている。
【0090】
さらに、図6(b)に示すように、トランジスタT5,T6からなるカレントミラー回路を加えて、バンドギャップ回路などをもとにしたバイアス電流I0に、抵抗Rを用いて電源電圧依存性を持たせ合わせた電流IRを加え合わせることもできる。
【0091】
このとき、
VDD=IR×R+Vds (式3)
I=IR+I0
=(VDD/R)−(Vds/R)+I0 (式4)
と表され、抵抗Rの抵抗値を適切に選択することにより、電流Iに電源電圧依存性の度合いを制御することができる。ここで、VDD=電源電圧、Vds=トランジスタT3のドレイン−ソース間電圧である。
【0092】
式4より、電源電圧が大きくなると電流Iは大きくなり、その結果、遅延時間が小さくなる。よって、遅延時間最大値のばらつきを小さくすることができる。
【0093】
図7は、DLL回路1(図1)に、抵抗Rによりバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路(電源電圧補償バイアス電流部、第2の電流回路)8aの説明図である。
【0094】
バイアス電流回路8aは、抵抗271 〜27n 、スイッチ281 〜28n 、およびトランジスタ29から構成されている。スイッチ281 〜28n の一方の接続部には、電源電圧が接続されており、該スイッチ281 〜28n の他方の接続部には、抵抗271 〜27n の一方の接続部がそれぞれ接続されている。
【0095】
抵抗271 〜27n の他方の接続部には、ダイオード接続されたトランジスタ29、および遅延素子に設けられたバイアス用トランジスタであるトランジスタ30のゲートがそれぞれ接続されており、該トランジスタ29,30の他方の接続部にはグランドが接続されている。
【0096】
また、トランジスタ30の一方の接続部には、遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )が接続されており、このトランジスタ30を介して遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )にバイアス電流が流れる。
【0097】
このバイアス電流回路8aによるバイアス電流は、電流セレクタ(電源電圧補償バイアス電流部、第2の電流セレクタ部)9cによって設定される。電流セレクタ9cは、半導体集積回路装置に設けられた抵抗値設定レジスタ(レジスタ)RRによって設定される。
【0098】
バイアス電流を設定する際には、外部から抵抗値設定レジスタRRに設定データを設定する。それにより、抵抗値設定レジスタRRから抵抗値セレクト信号が出力される。
【0099】
スイッチ281 〜28n は、その抵抗値セレクト信号を受けて、ON/OFF動作して抵抗281 〜28n から任意の抵抗を選択し、合成抵抗値rを生成する。たとえば、選択した抵抗の数をmとすると総抵抗値RaはRa=r/mとなる。このように、抵抗281 〜28n を適切に選択することにより、電源電圧依存性の度合いを制御しながら、電源電圧に依存したバイアス電流を生成することができる。
【0100】
さらに、図7では、抵抗271 〜27n を並列接続した場合について記載したが、図8に示すように、抵抗271 〜27n を直列接続するようにしてもよい。
【0101】
この場合、スイッチ281 〜28n の一方の接続部には、電源電圧が接続されており、該スイッチ281 〜28n の他方の接続部は、直列接続された抵抗271 〜27n の一方の接続部にそれぞれ接続されている点が異なっており、その他の接続構成は、図7と同様となっている。図8の構成においては、選択した抵抗の数をmとすると総抵抗値RaはRa=r×mとなる。
【0102】
図9は、動作周波数範囲を広くする場合に生じる問題を示した図である。
【0103】
遅延時間最大値は、バイアス電流と反比例の関係を持つ。たとえば、10MHz〜40MHzの広い動作周波数範囲が必要な場合、図示するように、10MHzに合わせて遅延素子のバイアス電流を設定しても、そのまま40MHzで動作を行なうと遅延時間75nsで擬似ロック点を持つため、正常動作を保証することができないことになる。
【0104】
一方、本発明のDLL回路1では、電源電圧に依存してバイアス電流を生成することができるので、遅延時間最大値のばらつきを低減することができ、広範囲の周波数領域で擬似ロックを回避することができる。
【0105】
ここで、DLL回路1をデジタルカメラシステムに用いた場合について説明する。
【0106】
図10は、デジタルカメラシステムにおける画像前処理部のブロックである。この画像処理部は、各画素から取り込んだ信号レベルと基準となる黒レベルとをそれぞれ交互にサンプリングし、それらを比較することにより信号レベルを決定する。
【0107】
画像前処理部は、撮像素子31、CDS(差電圧検出部)32、PGA(差電圧増幅部)33、A/D変換器34、ロジック回路35、タイミング発生器36、DSP37、ならびにDLL回路1などから構成される。
【0108】
これらCDS32、PGA33、A/D変換器34、ロジック回路35、タイミング発生器36、およびDLL回路1などは、1チップ化した半導体集積回路装置Hから構成されている。
【0109】
撮像素子31は、たとえばCCDなどからなり、レンズによって結像した映像を電圧信号に変換する。この撮像素子31は、基準となる黒レベルと取り込んだ信号レベルとを交互に出力する。
【0110】
撮像素子31には、CDS32が接続されている。CDS32は、相関二重サンプリング回路であり、撮像素子31から出力される黒レベルと信号レベルとをDLL(Correlated Double Sampling)回路1から出力される遅延クロックSPBLK,SPSIGに同期してサンプリングし、その差信号を出力する。
【0111】
CDS32が検出した差信号は、PGA33で増幅し、A/D変換器34でデジタル値に変換して出力される。このA/D変換器34には、DSP37が接続されている。DSP37は、A/D変換器34から出力されたデジタルデータを処理する。
【0112】
ロジック回路35には、DLL回路1が接続されている。このロジック回路35には、バイアス電流設定レジスタBR(図2)、およびセレクタ9a,9bの選択先を設定するレジスタが設けられている。
【0113】
タイミング発生器36には、DLL回路1が接続されている。このタイミング発生器36は、外部入力された外部クロックから、DLL回路1に供給する基本クロックなどを生成して出力する。
【0114】
DLL回路1は、入力された基本クロックから遅延クロックSPSIG,SPBLKなどを生成する。さらに、DLL回路1は、遅延クロックSPSIG,SPBLKとは異なる遅延時間の遅延クロックもそれぞれ生成しており、これら遅延クロックは、サンプリングクロックとしてPGA33、A/D変換器34、および撮像素子31などに供給されている。
【0115】
ここで、DLL回路1を用いたデジタルカメラシステムの画像前処理部の動作について、図11のタイミングチャートを用いて説明する。
【0116】
図11においては、上方から下方にかけて、撮像素子31から出力される出力信号CDSIN、タイミング発生器36から出力される基本クロック、DLL回路1から出力される遅延クロックSPBLK,SPSIGにおける信号およびクロックタイミングをそれぞれ示している。
【0117】
撮像素子31は、リセットゲートパルスを出力した後、黒レベルと信号レベルを順次出力する。CDS32には、サンプリングクロックとしてSPSIG,SPBLKがそれぞれ入力される。
【0118】
そして、CDS32は、入力された黒レベルを、DLL回路1から出力された遅延クロックSPBLKからある時間だけ遅延された遅延クロックSPBLKのフォーリングエッジに同期してサンプリングする。
【0119】
ここで、前述したように、撮像素子31からは、リセットゲートパルスが出力された後、続けて黒レベルの電気信号が出力されるため、十分に整定しない期間(たとえば、基本クロックのタイミングなど)にサンプリングした場合、正しい黒レベルが得られないことになる。
【0120】
その後、CDS32は、入力された信号レベルの電気信号をDLL回路1によって基本クロックからある時間だけ遅延されたスレーブ遅延クロックSPSIGのフォーリングエッジに同期してサンプリングする。
【0121】
この場合においても、撮像素子31からは、黒レベルが出力された後、続けて信号レベルが出力されるので十分に整定しない期間(たとえば、基本クロックのタイミングなど)にサンプリングした場合、正しい信号レベルが得られないことになる。
【0122】
CDS32によってサンプリングされた黒レベルと色レベルとの差信号は、PGA33によって増幅され、A/D変換器34に出力されてデジタルデータに変換された後、DSP37によって処理される。
【0123】
それにより、本実施の形態によれば、DLL回路1により、広範囲の動作周波数領域で使用しても、擬似ロックすることなく、高精度なサンプリングクロックを生成することができる。
【0124】
また、DLL回路1をデジタルカメラシステムなどに用いることにより、高精度なサンプリングクロックを広範囲の動作周波数にも対応して生成することができるので、該デジタルカメラシステムなどの性能を向上することができる。
【0125】
さらに、本実施の形態においては、DLL回路1に、動作周波数に応じてバイアス電流を生成するバイアス電流回路8、または抵抗によりバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路8aを設けた場合について記載したが、たとえば、DLL回路1には、図12に示すように、動作周波数に応じたバイアス電流を生成するバイアス電流回路と電源電圧依存性を持たせたバイアス電流の生成するバイアス電流回路と有したバイアス電流回路(バイアス電流設定部、電源電圧補償バイアス電流部、第1、および第2の電流回路)8bを設けるようにしてもよい。ここで、図12のバイアス電流回路8bは、バイアス電流回路8,8aを模式的に示した図である。
【0126】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0127】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0128】
(1)バイアス電圧で制御される電流源の電流値に電源電圧依存性を持たせたことにより、広い動作周波数領域において擬似ロックを防止するとともに、遅延クロックを微調整することにより高精度な遅延クロックを生成することができる。
【0129】
(2)また、バイアス電圧で制御される電流源の電流値を動作周波数に応じて可変にして、広い動作周波数領域において擬似ロックを防止するとともに、遅延クロックを微調整することにより高精度な遅延クロックを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるDLL回路のブロック図である。
【図2】図1のDLL回路に設けられたロック用遅延回路における遅延素子、ならびにバイアス電流回路の構成を示す回路図である。
【図3】図2の遅延素子における遅延時間のばらつきを示した説明図である。
【図4】図1のDLL回路におけるロック点の変化を示した説明図である。
【図5】図1のDLL回路における周波数とバイアス電流との関係を示した説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態による電源電圧に依存性を持たせるバイアス電流を生成するバイアス電流回路の一例を示した基本回路図である。
【図7】図1のDLL回路に設けられたバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路の一例を示す回路図である。
【図8】図1のDLL回路に設けられたバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路の他の例を示す回路図である。
【図9】動作周波数範囲を広くする場合に生じる問題を示した図である。
【図10】図1のDLL回路を用いて構成されたデジタルカメラシステムのブロック図である。
【図11】図10におけるデジタルカメラシステムのクロック、および信号タイミングチャートである。
【図12】本発明の他の実施の形態によるDLL回路に設けられたバイアス電流回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 DLL回路
2 パルス幅固定分周器
3 ロック用遅延回路(第1の遅延回路)
31 〜3n 遅延素子
3a 出力用遅延回路(第2の遅延回路)
3a1 〜3an 遅延素子
4 位相比較器
5 チャージポンプ(電流生成部)
6 ループフィルタ(制御電圧生成部)
7 インバータ
8 バイアス電流回路(バイアス電流設定部、第1の電流回路)
8a バイアス電流回路(電源電圧補償バイアス電流部、第2の電流回路)
8b バイアス電流回路(バイアス電流設定部、電源電圧補償バイアス電流部、第1、および第2の電流回路)
9 電流セレクタ(バイアス電流設定部、第1の電流セレクタ部)
9a セレクタ(第1のクロック選択部)
9b セレクタ(第2のクロック選択部)
9c 電流セレクタ(電源電圧補償バイアス電流部、第2の電流セレクタ部)
10,11 インバータ
12〜19 トランジスタ
20 クロックドインバータ
21,221 〜22n ,23〜25 トランジスタ
261〜26n スイッチ
271 〜27n 抵抗
281 〜28n スイッチ
29,30 トランジスタ
31 撮像素子
32 CDS(差電圧検出部)
33 PGA(差電圧増幅部)
34 A/D変換器
35 ロジック回路
36 タイミング発生器
37 DSP
CNTL 制御電圧
BR、RR バイアス電流設定レジスタ(レジスタ)
CC カレントミラー回路
BIASP,BIASN バイアス電圧
T1〜T6 トランジスタ
H 半導体集積回路装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置における遅延クロックの生成技術に関し、特に、DLL(Delay Locked Loop)回路の擬似ロック防止に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、デジタルカメラなどにおけるサンプリングクロックの調整用として、DLL回路が広く知られている。
【0003】
このDLL回路は、クロックの遅延時間を電源電圧、温度、デバイスばらつきなどによらず、外部クロックの1周期分遅らせるように働くフィードバックループである。
【0004】
クロックの遅延時間を高精度で調整することを要するシステムでは、1周期目のみにロック点を限定する必要がある。なぜならば、2、3周期目に擬似ロックすると、タイミング調整の最小単位は2、3倍に悪くなってしまうためである。
【0005】
この場合、DLL回路は、1/2分周器、遅延素子、位相比較器、チャージポンプ、およびループフィルタなどで構成される。入力となる基本クロックは1/2分周器に入力され、周期を2倍にして遅延素子へ出力し、また位相比較器へはインバータを介して出力する。
【0006】
遅延素子では、制御電圧端子に与えられた電圧(以下、制御電圧という)で所定の時間だけ遅延したクロック(以下、遅延クロックという)として出力される。制御電圧を上げると遅延時間が短くなり、下げると長くなる。
【0007】
そこでフィードバックループにより制御電圧を制御し、ちょうど外部クロックの1周期分遅らせたところでフィードバックループが収束するように設計する。1周期分遅れの検出は基本クロック、および遅延クロックのたとえばライジングエッジ同士を位相比較することにより行う。
【0008】
すなわち、基本クロックに対してロックしたい遅延時間より遅延クロックが遅い場合にはUPパルスを、またその逆の場合はDOWNパルスをチャージポンプに与える。なお、位相比較はフォーリングエッジを用いても同様に行える。
【0009】
チャージポンプは位相比較器の出力であるUPおよびDOWNパルスに応じて、それぞれ充電および放電電流をパルス状に発生させ、それらの電流をループフィルタで時間積分させて制御電圧を作り出す。
【0010】
UPおよびDOWNパルスがどちらも出なくなると、遅延クロックが基本クロック1周期分遅延した状態になり、この状態でループは安定する。ただし、ループ内の遅延素子(以下、ロック用遅延素子という)は基本クロックに対して1/2分周されたクロックで動作しており、所望の周波数ではない。
【0011】
そこで、基本クロックと同周波数で高精度にタイミング調整されたクロックを得るために、ロック用遅延素子と同構成の遅延素子(出力用遅延素子)を用意し、それに基本クロックと同周波数のクロックを入力し、ループで生成された制御電圧を与えていた。
【0012】
出力用遅延素子の段数を選択することにより、基本クロックと同周波数のクロックを高精度でタイミング調整できる。また、出力用遅延素子を複数個用意することにより、複数のクロックを高精度でタイミング調整することができる。
【0013】
このような構成のDLL回路においては、たとえば、遅延素子にバイアス電流を流すことによりロック領域を拡大し、擬似ロックを防止しているものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0014】
この場合のDLL回路における擬似ロック防止技術を述べる。
【0015】
基本クロックを1/2分周して極性を反転させたクロックを位相比較器に入力することにより、1,3,5周期・・・の各遅延時間になるまでUPおよびDOWNパルスが発生し、上記の周期まで遅延時間が引き込まれるとUPおよびDOWNパルスが発生しない状態になり引き込まれたことになる。
【0016】
基本クロックに対する遅延クロックの遅延時間が、この状態の付近でずれてもUPおよびDOWNパルスの発生によりこの状態に引き戻される。ここで、この状態をロック点と定義する。
【0017】
また、隣接するロック点の中間にあたる遅延時間においてUPおよびDOWNパルス発生の切り換わりが生じ、この境界で収束先のロック点が異なる。ここで、あるロック点に対し、その点に収束できる遅延時間の範囲をロック領域と定義する。
【0018】
たとえば、ロック点1周期に対してロック領域0〜2周期の関係を持つ場合、1/2分周にすることでロック領域が2倍になり、極性を反転することによりロック点がロック領域の1/2分シフトし、その結果、より広いロック領域となる。
【0019】
また、確実に1周期目にロックさせるためには、ロック用遅延素子の遅延時間最大値および最小値を1周期目のロック領域に収めればよい。
【0020】
さらに、遅延素子には、あるバイアス電流を遅延素子に供給するバイアス電流部が設けられている。これにより、制御電圧が0Vでも遅延素子は動作することになり、遅延時間最大値は有限値を持つことになる。この遅延時間最大値をロック領域上限未満に設定することにより、制御電圧が0V、あるいはそれに近い低電圧値になった場合の擬似ロックを防止している。
【0021】
【特許文献1】
特願2002−61681号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなDLL回路による遅延クロックの生成技術では、次のような問題点があることが本発明者により見い出された。
【0023】
すなわち、前述した遅延素子にバイアス電流を流す技術では、遅延時間がばらつき幅を持ってしまうために、遅延時間に上限を設定しているとはいえ、擬似ロックが発生するおそれが生じ、動作周波数範囲を狭めてしまうという問題がある。
【0024】
このばらつき要因としては、電源電圧、温度、デバイスなどがあるが、特に電源電圧の影響が強く、電源電圧が大きいほど比例して遅延時間が大きくなってしまうことになる。
【0025】
また、遅延時間の最大値は、バイアス電流と反比例の関係を持つので、たとえば、10MHz程度に合わせて遅延素子のバイアス電流を設定したとして、たとえば、40MHz程度で動作を行った際には、遅延時間が擬似ロック点での動作となり、広い動作周波数範囲を必要とする場合の正常動作の保証ができない恐れがある。
【0026】
本発明の目的は、擬似ロックを防止し、かつ広い動作周波数範囲で高精度に遅延時間が調整された遅延クロックを生成することのできる半導体集積回路装置を提供することにある。
【0027】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)基本クロックを分周し、パルス幅を前記基本クロックの1周期に固定した分周器出力クロックを出力するパルス幅固定分周器と、該パルス幅固定分周器から出力された分周器出力クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを生成する第1の遅延回路と、分周器出力クロックと遅延クロックとを比較し、分周器出力クロックに対する遅延クロックの遅延時間が基本クロックの1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、該電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部とを含み、第1の遅延回路は、互いに直列接続された複数の遅延素子を有し、それら複数の遅延素子における基本単位は、インバータへ流れ込む電源電流が、制御電圧で制御される電流源とバイアス電圧で制御される電流源との和で決められ、動作周波数に応じてバイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にするバイアス電流設定部を備えたものである。
【0029】
また、本願のその他の発明の概要を簡単に示す。
(2)基本クロックを分周し、パルス幅を前記基本クロックの1周期に固定した分周器出力クロックを出力するパルス幅固定分周器と、該パルス幅固定分周器から出力された分周器出力クロックをある時間だけ遅延させたロック用遅延クロックを生成する第1の遅延回路と、分周器出力クロックとロック用遅延クロックとを比較し、分周器出力クロックに対する前記遅延クロックの遅延時間が前記基本クロックの1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、該位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、該電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部と、基本クロックをある時間だけ遅延させた出力用遅延クロックを生成する第2の遅延回路とを含み、第1、および第2の遅延回路は、互いに直列接続された複数の遅延素子を有し、それら複数の遅延素子における基本単位は、インバータへ流れ込む電源電流が、制御電圧で制御される電流源とバイアス電圧で制御される電流源との和で決められ、動作周波数に応じてバイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にするバイアス電流設定部を備えたものである。
(3)前記第1項、または前記第2項において、電源電圧に依存して前記バイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にする電源電圧補償バイアス電流部を設けたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施の形態によるDLL回路のブロック図、図2は、図1のDLL回路に設けられたロック用遅延回路における遅延素子、ならびにバイアス電流回路の構成を示す回路図、図3は、図2の遅延素子における遅延時間のばらつきを示した説明図、図4は、図1のDLL回路におけるロック点の変化を示した説明図、図5は、図1のDLL回路における周波数とバイアス電流との関係を示した説明図、図6は、本発明の一実施の形態による電源電圧に依存性を持たせるバイアス電流を生成するバイアス電流回路の一例を示した基本回路図、図7は、図1のDLL回路に設けられたバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路の一例を示す回路図、図8は、図1のDLL回路に設けられたバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路の他の例を示す回路図、図9は、動作周波数範囲を広くする場合に生じる問題を示した説明図、図10は、図1のDLL回路を用いて構成されたデジタルカメラシステムのブロック図、図11は、図10におけるデジタルカメラシステムのクロック、および信号タイミングチャートである。
【0032】
本実施の形態において、半導体集積回路装置に設けられたDLL回路1は、図1に示すように、パルス幅固定分周器(1/2分周器)2、ロック用遅延回路(第1の遅延回路)3、出力用遅延回路(第2の遅延回路)3a、位相比較器4、チャージポンプ(電流生成部)5、ループフィルタ(制御電圧生成部)6、インバータ7、バイアス電流回路(バイアス電流設定部、第1の電流回路)8、電流セレクタ(バイアス電流設定部、第1の電流セレクタ部)9、ならびにセレクタ9a,9bなどから構成されている。
【0033】
パルス幅固定分周器2には、基本クロックが入力される。その出力部には、ロック用遅延回路3の入力部、およびインバータ7の入力部がそれぞれ接続される。パルス幅固定分周器2は、該基本クロックを1周期分のパルス幅を有しつつ、周期をその分周比倍したクロックを生成する。本実施の形態の場合、1/2分周器を用いることから分周比は2となる。以下の説明では、パルス幅固定分周器として1/2分周器をもとに説明する。
【0034】
ロック用遅延回路3は、複数の遅延素子31 〜3n が直列接続された構成からなる。ロック用遅延回路3の出力は、位相比較器4の一方の入力部が接続される。
【0035】
このロック用遅延回路3には、ループフィルタ6の出力である制御電圧CNTLが印加される。ロック用遅延回路3は、制御電圧CNTLに基づいて分周器出力クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。
【0036】
位相比較器4の他方の入力部には、インバータ7の出力部が接続されている。インバータ7は、パルス幅固定分周器2から出力された1/2分周器出力クロックの反転信号を出力する。
【0037】
位相比較器4は、インバータ7を介して入力される1/2分周器出力クロックの反転信号とロック用遅延回路3から出力される遅延クロックとの位相差からUPパルス、DOWNパルスを生成する。
【0038】
位相比較器4から出力されるUPパルス、DOWNパルスは、チャージポンプ5に出力されるように接続される。チャージポンプ5は、UPパルス、またはDOWNパルスに応じて、充電電流、あるいは放電電流をパルス状にそれぞれ発生させる。
【0039】
ループフィルタ6は、チャージポンプ5が発生した充電電流、放電電流を時間積分して制御電圧CNTLを生成し、ロック用遅延回路3、および出力用遅延回路3aに印加する。
【0040】
位相比較器4からUPパルス、DOWNパルスが出なくなると、遅延クロックが基本クロックの1周期分遅延した状態となり、ループは安定し、ロック状態となる。
【0041】
出力用遅延回路3aには、基本クロックが入力されており、ループフィルタ6の制御電圧CNTLが印加される。出力用遅延回路3aも複数の遅延素子3a1 〜3an が直列接続された構成からなり、制御電圧CNTLに基づいて基本クロックをある時間だけ遅延した遅延クロックを出力する。
【0042】
バイアス電流回路8は、動作周波数に応じて電流値が異なるバイアス電流を生成し、ロック用遅延回路3、および出力用遅延回路3aにそれぞれ供給する。電流セレクタ9は、半導体集積回路装置に設けられたバイアス電流設定レジスタ(レジスタ)BR(図2)などに設定された電流セレクト信号に基づいてバイアス電流回路8が生成する電流値を任意に設定する。
【0043】
セレクタ(第1のクロック選択部)9aは、半導体集積回路装置に設けられたレジスタなどに設定されたセレクトデータに基づいて、ロック用遅延回路3の任意のタップ端子から出力される遅延クロックを選択してロック用遅延クロックとして出力する。
【0044】
よって、セレクタ9aによって微調整されたロック用遅延クロックを位相比較器4に入力することによって、ロック用遅延クロックにおける遅延時間の選択精度を任意に変えることができる。
【0045】
さらに、セレクタ(第2のクロック選択部)9bは、半導体集積回路装置に設けられたレジスタなどに設定されたセレクトデータに基づいて、出力用遅延回路3aの任意のタップ端子から出力される出力用遅延クロックを選択して出力する。
【0046】
これにより、出力用遅延回路3aの任意のタップから出力された遅延クロックをセレクタ9bによって選択することにより、出力用遅延クロックの遅延時間を高精度に調整することができる。
【0047】
ここで、ロック用遅延回路3における遅延素子31 、ならびにバイアス電流回路8の回路構成について、図2を用いて説明する。ここでは、遅延素子31 の基本単位について説明するが、遅延素子32 〜3n ,3a1 〜3an についても同様の回路構成であるので説明は省略する。
【0048】
遅延素子31 は、インバータ10,11、PチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)のトランジスタ12〜15、NチャネルMOSのトランジスタ16〜19、およびクロックドインバータ20から構成されている。
【0049】
インバータ10とインバータ11とは直列接続されている。インバータ10は、並列接続されたトランジスタ12,13、および並列接続されたトランジスタ16,17を介して電源電圧、およびグランド(基準電位)にそれぞれ接続されている。
【0050】
インバータ11は、並列接続されたトランジスタ14,15、ならびに並列接続されたトランジスタ18,19を介して電源電圧、およびグランドにそれぞれ接続されている。
【0051】
このインバータ11の出力部には、クロックドインバータ20の入力部が接続されており、該クロックドインバータ20の出力部はタップ端子となっている。そして、基本単位毎に、タップ端子から微調整されたロック用遅延クロックが出力される。
【0052】
トランジスタ16,18のゲートには、ループフィルタ6から出力される制御電圧CNTLがそれぞれ入力されている。トランジスタ12,14のゲートには、制御電圧CNTLBがそれぞれ入力される。
【0053】
制御電圧CNTLBは、PチャネルMOSのトランジスタT1、およびNチャネルMOSのトランジスタT2からなるカレントミラー回路CCによって制御電圧CNTLから生成する。
【0054】
トランジスタT1,T2は、電源電圧とグランドとの間に直列接続されており、トランジスタT1のゲートには、トランジスタT2の一方の接続部、およびトランジスタ12,14のゲートがそれぞれ接続されている。トランジスタT2のゲートには、トランジスタ16,18のゲートがそれぞれ接続されている。
【0055】
このカレントミラー回路CCにより、トランジスタ16,18のドレイン−ソース電流とトランジスタ12,14のドレイン−ソース電流とを常に等しくする。
【0056】
また、トランジスタ13,15のゲートには、バイアス電圧BIASPがそれぞれ入力され、トランジスタ17,19のゲートには、バイアス電圧BIASNがそれぞれ入力される。
【0057】
バイアス電圧BIASP、およびバイアス電圧BIASNは、後述するバイアス電流回路8が生成した定電流から生成し、トランジスタ13,15のドレイン−ソース電流とトランジスタ17,19のドレイン−ソース電流とを常に等しく、かつ一定とする。
【0058】
そして、遅延素子31 は、トランジスタ12,14,16,18の制御電圧CNTL,CNTLBによってインバータ10,11の電流を変化させて遅延時間を制御する。
【0059】
トランジスタ13,15,17,19はバイアス用トランジスタであり、バイアス電圧BIASP,BIASNに応じて定電流源として働き、制御電圧CNTLが0Vの場合でもインバータ8,9に定電流成分があるため、遅延時間に上限をもたせることができる。
【0060】
さらに、バイアス電流回路8の回路構成について説明する。
【0061】
バイアス電流回路8は、トランジスタ21,221 〜22n ,23〜25、およびスイッチ261〜26n によってカレントミラー回路が構成されている。トランジスタ21,221 〜22n ,23はPチャネルMOSからなり、トランジスタ24,25はNチャネルMOSからなる。
【0062】
トランジスタ21,24は、電源電圧とグランドとの間にそれぞれ直列接続されており、トランジスタ221 〜22n の一方の接続部には、電源電圧が接続されている。
【0063】
これらトランジスタ221 〜22n のゲートには、スイッチ261 〜26n の一方の接続部がそれぞれ接続されており、該スイッチ261 〜26n の他方の接続部、およびトランジスタ23のゲートと他方の接続部とがそれぞれグランドに接続されて定電流源となっている。
【0064】
スイッチ261 〜26n の制御端子には電流セレクタ9が接続されている。これらスイッチ261 〜26n は、該電流セレクタ9から出力される電流セレクト信号に基づいてON/OFF制御される。
【0065】
また、スイッチ261 〜26n が接続されたトランジスタ221 〜22n は、ゲートサイズ(たとえば、ゲート幅)が、たとえば、1:2:4・・・といった2進数の電流比を持つように設定されている。
【0066】
トランジスタ21の他方の接続部には、該トランジスタ21のゲートが接続されており、バイアス電圧BIASPが出力される。トランジスタ221 〜22n の他方の接続部には、トランジスタ24,25のゲートが接続されており、バイアス電圧BIASNが出力される。
【0067】
このように、カレントミラー回路構成における前段のトランジスタ221 〜22n のいずれか1つを電流セレクタ9の電流セレクト信号により選択することにより、バイアス電流の電流値を調整する。
【0068】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0069】
図3は、遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )における遅延時間のばらつきを示した図である。図3においては、横軸に制御時間、縦軸に遅延時間をそれぞれ示している。
【0070】
また、制御電圧CNTLが0Vでの遅延時間のばらつきの最大値をTOPMAX、その最小値をTOPMIN、制御電圧CNTLが電源電圧での遅延時間の最大値をBOTMAX、その最小値をBOTMINと定義する。
【0071】
制御電圧CNTLが0Vの時、遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )は、バイアス電流回路8のバイアス電流のみで充放電動作するために、遅延時間の最大値は、バイアス電流と反比例の関係を持つ。よって、バイアス電流を周波数に応じて変換させることにより、広範囲の周波数領域でDLL回路1が動作可能となる。
【0072】
擬似ロックが生じない条件としては、パルス幅固定分周器2を1/2分周器とした場合(図3より)、
BOTMAX<T<TOPMIN (式1)
TOPMAX<2T (式2)
が成立することが必要である。ここで、Tは想定する入力クロックの周期である。
【0073】
入力クロック1周期Tでロックするためには、式1を満たすことが必要である。さらに、ロック領域上限未満に遅延時間最大値を設定するためには、式2を満たすことが必要である。これらの条件を満たすようにバイアス電流回路8に与えられるバイアス電流を設定する。
【0074】
このバイアス電流の設定について説明する。
【0075】
まず、外部からバイアス電流設定レジスタBRに設定データを設定する。それにより、バイアス電流設定レジスタBRから電流セレクト信号が出力される。スイッチ261 〜26n の制御端子に出力される。
【0076】
スイッチ261 〜26n は、電流セレクト信号を受けて、ON/OFF動作する。そして、スイッチ261 〜26n のいずれかONさせることにより、カレントミラー回路の前段を構成するトランジスタ221 〜22n のいずれか1つを動作させ、周波数に応じて最適なゲートサイズのトランジスタを選択することにより、遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )に供給するバイアス電流値を設定することができる。
【0077】
なお、図2ではPチャネルMOSのトランジスタ221 〜22n のゲートサイズを制御する例を示したが、NチャネルMOSのトランジスタであっても同じ機能を実現できることは明白である。
【0078】
図4は、DLL回路1におけるロック点の変化を示した図、図5は、周波数とバイアス電流との関係を示した図である。
【0079】
図4においては、上方から下方にかけて、入力クロックを5MHz毎に分割した際の周波数MHz、擬似ロック点(3T)ns、ロック領域の上限(2T)ns、および正常ロック点(T)nsをそれぞれ示している。
【0080】
また、図5では、たとえば、周波数を5MHz毎に分割し、各領域に対応するバイアス電流を相対比として表している。
【0081】
たとえば、10MHz〜15MHzの領域では、TOPMAX、TOPMIN、およびBOTMAXは次のように求められる。
【0082】
TOPMAX、式2および図4より決まる。2Tは15MHzでの133.3nsが最小であるから、TOPMAX<133.3nsと設定すればよい。TOPMINは、式1、および図5より決まる。Tは10MHzでの100nsが最大であるから、TOPMIN>100nsと設定すればよい。
【0083】
よって、10MHz〜15MHzの領域で遅延時間最大値が100ns以上133.3ns未満になるようにバイアス電流を設定すればよい。なお、BOTMAXも同様に、Tは15MHzでの66.7nsが最小であるから、BOTMAX<66.7nsと設定すればよい。
【0084】
他の領域も同様に求められる。遅延時間最大値は、バイアス電流と反比例の関係を持つことから、上記方法で求めたTOPMAX、およびTOPMINの領域間の相対比から決められる。
【0085】
たとえば、15MHz〜20MHzの領域では、10MHz〜15MHzの領域に対して、TOPMAXは100/133.3倍、TOPMINは66.7/100倍となる。
【0086】
よって、その逆数であるバイアス電流は、1.33〜1.5倍に設定すればよい。他の領域も同様に求められ、これらのバイアス電流を実現するためのトランジスタのゲートサイズ比を整数で表すと、図5の右端のようになる。
【0087】
また、バイアス電流は、図6に示すように、抵抗Rを用いて電源電圧依存性を持たせることもできる。
【0088】
遅延時間最大値は、各々の遅延素子と充放電時間と比例関係を持ち、その充放電時間はクロック振幅に比例する。よって電源電圧が大きくなるにつれてクロック振幅も大きくなるため、遅延時間最大値は電源電圧に比例して増加することになるが、電源電圧に依存してバイアス電流を増加させることにより遅延時間の増大を抑制することができる。
【0089】
この場合、図6(a)に示すように、トランジスタT3,T4からなるカレントミラー回路において、電源電圧とダイオード接続されたトランジスタT3との間に抵抗Rが接続されている。
【0090】
さらに、図6(b)に示すように、トランジスタT5,T6からなるカレントミラー回路を加えて、バンドギャップ回路などをもとにしたバイアス電流I0に、抵抗Rを用いて電源電圧依存性を持たせ合わせた電流IRを加え合わせることもできる。
【0091】
このとき、
VDD=IR×R+Vds (式3)
I=IR+I0
=(VDD/R)−(Vds/R)+I0 (式4)
と表され、抵抗Rの抵抗値を適切に選択することにより、電流Iに電源電圧依存性の度合いを制御することができる。ここで、VDD=電源電圧、Vds=トランジスタT3のドレイン−ソース間電圧である。
【0092】
式4より、電源電圧が大きくなると電流Iは大きくなり、その結果、遅延時間が小さくなる。よって、遅延時間最大値のばらつきを小さくすることができる。
【0093】
図7は、DLL回路1(図1)に、抵抗Rによりバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路(電源電圧補償バイアス電流部、第2の電流回路)8aの説明図である。
【0094】
バイアス電流回路8aは、抵抗271 〜27n 、スイッチ281 〜28n 、およびトランジスタ29から構成されている。スイッチ281 〜28n の一方の接続部には、電源電圧が接続されており、該スイッチ281 〜28n の他方の接続部には、抵抗271 〜27n の一方の接続部がそれぞれ接続されている。
【0095】
抵抗271 〜27n の他方の接続部には、ダイオード接続されたトランジスタ29、および遅延素子に設けられたバイアス用トランジスタであるトランジスタ30のゲートがそれぞれ接続されており、該トランジスタ29,30の他方の接続部にはグランドが接続されている。
【0096】
また、トランジスタ30の一方の接続部には、遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )が接続されており、このトランジスタ30を介して遅延素子31 (〜3n ,3a1 〜3an )にバイアス電流が流れる。
【0097】
このバイアス電流回路8aによるバイアス電流は、電流セレクタ(電源電圧補償バイアス電流部、第2の電流セレクタ部)9cによって設定される。電流セレクタ9cは、半導体集積回路装置に設けられた抵抗値設定レジスタ(レジスタ)RRによって設定される。
【0098】
バイアス電流を設定する際には、外部から抵抗値設定レジスタRRに設定データを設定する。それにより、抵抗値設定レジスタRRから抵抗値セレクト信号が出力される。
【0099】
スイッチ281 〜28n は、その抵抗値セレクト信号を受けて、ON/OFF動作して抵抗281 〜28n から任意の抵抗を選択し、合成抵抗値rを生成する。たとえば、選択した抵抗の数をmとすると総抵抗値RaはRa=r/mとなる。このように、抵抗281 〜28n を適切に選択することにより、電源電圧依存性の度合いを制御しながら、電源電圧に依存したバイアス電流を生成することができる。
【0100】
さらに、図7では、抵抗271 〜27n を並列接続した場合について記載したが、図8に示すように、抵抗271 〜27n を直列接続するようにしてもよい。
【0101】
この場合、スイッチ281 〜28n の一方の接続部には、電源電圧が接続されており、該スイッチ281 〜28n の他方の接続部は、直列接続された抵抗271 〜27n の一方の接続部にそれぞれ接続されている点が異なっており、その他の接続構成は、図7と同様となっている。図8の構成においては、選択した抵抗の数をmとすると総抵抗値RaはRa=r×mとなる。
【0102】
図9は、動作周波数範囲を広くする場合に生じる問題を示した図である。
【0103】
遅延時間最大値は、バイアス電流と反比例の関係を持つ。たとえば、10MHz〜40MHzの広い動作周波数範囲が必要な場合、図示するように、10MHzに合わせて遅延素子のバイアス電流を設定しても、そのまま40MHzで動作を行なうと遅延時間75nsで擬似ロック点を持つため、正常動作を保証することができないことになる。
【0104】
一方、本発明のDLL回路1では、電源電圧に依存してバイアス電流を生成することができるので、遅延時間最大値のばらつきを低減することができ、広範囲の周波数領域で擬似ロックを回避することができる。
【0105】
ここで、DLL回路1をデジタルカメラシステムに用いた場合について説明する。
【0106】
図10は、デジタルカメラシステムにおける画像前処理部のブロックである。この画像処理部は、各画素から取り込んだ信号レベルと基準となる黒レベルとをそれぞれ交互にサンプリングし、それらを比較することにより信号レベルを決定する。
【0107】
画像前処理部は、撮像素子31、CDS(差電圧検出部)32、PGA(差電圧増幅部)33、A/D変換器34、ロジック回路35、タイミング発生器36、DSP37、ならびにDLL回路1などから構成される。
【0108】
これらCDS32、PGA33、A/D変換器34、ロジック回路35、タイミング発生器36、およびDLL回路1などは、1チップ化した半導体集積回路装置Hから構成されている。
【0109】
撮像素子31は、たとえばCCDなどからなり、レンズによって結像した映像を電圧信号に変換する。この撮像素子31は、基準となる黒レベルと取り込んだ信号レベルとを交互に出力する。
【0110】
撮像素子31には、CDS32が接続されている。CDS32は、相関二重サンプリング回路であり、撮像素子31から出力される黒レベルと信号レベルとをDLL(Correlated Double Sampling)回路1から出力される遅延クロックSPBLK,SPSIGに同期してサンプリングし、その差信号を出力する。
【0111】
CDS32が検出した差信号は、PGA33で増幅し、A/D変換器34でデジタル値に変換して出力される。このA/D変換器34には、DSP37が接続されている。DSP37は、A/D変換器34から出力されたデジタルデータを処理する。
【0112】
ロジック回路35には、DLL回路1が接続されている。このロジック回路35には、バイアス電流設定レジスタBR(図2)、およびセレクタ9a,9bの選択先を設定するレジスタが設けられている。
【0113】
タイミング発生器36には、DLL回路1が接続されている。このタイミング発生器36は、外部入力された外部クロックから、DLL回路1に供給する基本クロックなどを生成して出力する。
【0114】
DLL回路1は、入力された基本クロックから遅延クロックSPSIG,SPBLKなどを生成する。さらに、DLL回路1は、遅延クロックSPSIG,SPBLKとは異なる遅延時間の遅延クロックもそれぞれ生成しており、これら遅延クロックは、サンプリングクロックとしてPGA33、A/D変換器34、および撮像素子31などに供給されている。
【0115】
ここで、DLL回路1を用いたデジタルカメラシステムの画像前処理部の動作について、図11のタイミングチャートを用いて説明する。
【0116】
図11においては、上方から下方にかけて、撮像素子31から出力される出力信号CDSIN、タイミング発生器36から出力される基本クロック、DLL回路1から出力される遅延クロックSPBLK,SPSIGにおける信号およびクロックタイミングをそれぞれ示している。
【0117】
撮像素子31は、リセットゲートパルスを出力した後、黒レベルと信号レベルを順次出力する。CDS32には、サンプリングクロックとしてSPSIG,SPBLKがそれぞれ入力される。
【0118】
そして、CDS32は、入力された黒レベルを、DLL回路1から出力された遅延クロックSPBLKからある時間だけ遅延された遅延クロックSPBLKのフォーリングエッジに同期してサンプリングする。
【0119】
ここで、前述したように、撮像素子31からは、リセットゲートパルスが出力された後、続けて黒レベルの電気信号が出力されるため、十分に整定しない期間(たとえば、基本クロックのタイミングなど)にサンプリングした場合、正しい黒レベルが得られないことになる。
【0120】
その後、CDS32は、入力された信号レベルの電気信号をDLL回路1によって基本クロックからある時間だけ遅延されたスレーブ遅延クロックSPSIGのフォーリングエッジに同期してサンプリングする。
【0121】
この場合においても、撮像素子31からは、黒レベルが出力された後、続けて信号レベルが出力されるので十分に整定しない期間(たとえば、基本クロックのタイミングなど)にサンプリングした場合、正しい信号レベルが得られないことになる。
【0122】
CDS32によってサンプリングされた黒レベルと色レベルとの差信号は、PGA33によって増幅され、A/D変換器34に出力されてデジタルデータに変換された後、DSP37によって処理される。
【0123】
それにより、本実施の形態によれば、DLL回路1により、広範囲の動作周波数領域で使用しても、擬似ロックすることなく、高精度なサンプリングクロックを生成することができる。
【0124】
また、DLL回路1をデジタルカメラシステムなどに用いることにより、高精度なサンプリングクロックを広範囲の動作周波数にも対応して生成することができるので、該デジタルカメラシステムなどの性能を向上することができる。
【0125】
さらに、本実施の形態においては、DLL回路1に、動作周波数に応じてバイアス電流を生成するバイアス電流回路8、または抵抗によりバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路8aを設けた場合について記載したが、たとえば、DLL回路1には、図12に示すように、動作周波数に応じたバイアス電流を生成するバイアス電流回路と電源電圧依存性を持たせたバイアス電流の生成するバイアス電流回路と有したバイアス電流回路(バイアス電流設定部、電源電圧補償バイアス電流部、第1、および第2の電流回路)8bを設けるようにしてもよい。ここで、図12のバイアス電流回路8bは、バイアス電流回路8,8aを模式的に示した図である。
【0126】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0127】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0128】
(1)バイアス電圧で制御される電流源の電流値に電源電圧依存性を持たせたことにより、広い動作周波数領域において擬似ロックを防止するとともに、遅延クロックを微調整することにより高精度な遅延クロックを生成することができる。
【0129】
(2)また、バイアス電圧で制御される電流源の電流値を動作周波数に応じて可変にして、広い動作周波数領域において擬似ロックを防止するとともに、遅延クロックを微調整することにより高精度な遅延クロックを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるDLL回路のブロック図である。
【図2】図1のDLL回路に設けられたロック用遅延回路における遅延素子、ならびにバイアス電流回路の構成を示す回路図である。
【図3】図2の遅延素子における遅延時間のばらつきを示した説明図である。
【図4】図1のDLL回路におけるロック点の変化を示した説明図である。
【図5】図1のDLL回路における周波数とバイアス電流との関係を示した説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態による電源電圧に依存性を持たせるバイアス電流を生成するバイアス電流回路の一例を示した基本回路図である。
【図7】図1のDLL回路に設けられたバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路の一例を示す回路図である。
【図8】図1のDLL回路に設けられたバイアス電流に電源電圧依存性を持たせたバイアス電流回路の他の例を示す回路図である。
【図9】動作周波数範囲を広くする場合に生じる問題を示した図である。
【図10】図1のDLL回路を用いて構成されたデジタルカメラシステムのブロック図である。
【図11】図10におけるデジタルカメラシステムのクロック、および信号タイミングチャートである。
【図12】本発明の他の実施の形態によるDLL回路に設けられたバイアス電流回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 DLL回路
2 パルス幅固定分周器
3 ロック用遅延回路(第1の遅延回路)
31 〜3n 遅延素子
3a 出力用遅延回路(第2の遅延回路)
3a1 〜3an 遅延素子
4 位相比較器
5 チャージポンプ(電流生成部)
6 ループフィルタ(制御電圧生成部)
7 インバータ
8 バイアス電流回路(バイアス電流設定部、第1の電流回路)
8a バイアス電流回路(電源電圧補償バイアス電流部、第2の電流回路)
8b バイアス電流回路(バイアス電流設定部、電源電圧補償バイアス電流部、第1、および第2の電流回路)
9 電流セレクタ(バイアス電流設定部、第1の電流セレクタ部)
9a セレクタ(第1のクロック選択部)
9b セレクタ(第2のクロック選択部)
9c 電流セレクタ(電源電圧補償バイアス電流部、第2の電流セレクタ部)
10,11 インバータ
12〜19 トランジスタ
20 クロックドインバータ
21,221 〜22n ,23〜25 トランジスタ
261〜26n スイッチ
271 〜27n 抵抗
281 〜28n スイッチ
29,30 トランジスタ
31 撮像素子
32 CDS(差電圧検出部)
33 PGA(差電圧増幅部)
34 A/D変換器
35 ロジック回路
36 タイミング発生器
37 DSP
CNTL 制御電圧
BR、RR バイアス電流設定レジスタ(レジスタ)
CC カレントミラー回路
BIASP,BIASN バイアス電圧
T1〜T6 トランジスタ
H 半導体集積回路装置
Claims (10)
- 基本クロックを分周し、パルス幅を前記基本クロックの1周期に固定した分周器出力クロックを出力するパルス幅固定分周器と、
前記パルス幅固定分周器から出力された分周器出力クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを生成する第1の遅延回路と、
前記分周器出力クロックと前記遅延クロックとを比較し、前記分周器出力クロックに対する前記遅延クロックの遅延時間が前記基本クロックの1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、
前記電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部とを含み、
前記第1の遅延回路は、互いに直列接続された複数の遅延素子を有し、前記複数の遅延素子における基本単位は、インバータへ流れ込む電源電流が、前記制御電圧で制御される電流源とバイアス電圧で制御される電流源との和で決められ、
動作周波数に応じて前記バイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にするバイアス電流設定部を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1記載の半導体集積回路装置において、任意の前記遅延素子から出力される前記遅延クロックをセレクトデータに基づいて選択し、遅延微調整クロックとして出力するクロック選択部を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
- 基本クロックを分周し、パルス幅を前記基本クロックの1周期に固定した分周器出力クロックを出力するパルス幅固定分周器と、
前記パルス幅固定分周器から出力された分周器出力クロックをある時間だけ遅延させたロック用遅延クロックを生成する第1の遅延回路と、
前記分周器出力クロックと前記ロック用遅延クロックとを比較し、前記分周器出力クロックに対する前記遅延クロックの遅延時間が前記基本クロックの1周期より大きい場合UPパルス信号を、小さい場合DOWNパルス信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較器より出力されるUP、およびDOWNパルス信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、
前記電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部と、
前記基本クロックをある時間だけ遅延させた出力用遅延クロックを生成する第2の遅延回路とを含み、
前記第1、および第2の遅延回路は、互いに直列接続された複数の遅延素子を有し、前記複数の遅延素子における基本単位は、インバータへ流れ込む電源電流が、前記制御電圧で制御される電流源とバイアス電圧で制御される電流源との和で決められ、
動作周波数に応じて前記バイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にするバイアス電流設定部を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項3記載の半導体集積回路装置において、
前記第1の遅延回路の任意の遅延素子から出力されるロック用遅延クロックをセレクトデータに基づいて選択し、微調整ロック用クロックとして出力する第1のクロック選択部と、
前記第2の遅延回路の任意の遅延素子から出力される出力用遅延クロックをセレクトデータに基づいて選択し、微調整出力用クロックとして出力する第2のクロック選択部とを備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置において、
前記バイアス電流設定部が、
複数の電流源用電流を生成する第1の電流回路と、
制御信号に基づいて、前記第1の電流回路が生成した複数の電流源用電流から、任意の電流値を選択し、前記バイアス電圧で制御される電流源の電流として出力する第1の電流セレクタ部とよりなることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置において、前記第1の電流セレクタに入力する制御信号を、動作周波数に応じて設定するレジスタを設けたことを特徴とする半導体集積回路装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置において、電源電圧に依存して前記バイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にする電源電圧補償バイアス電流部を設けたことを特徴とする半導体集積回路装置。
- 請求項7記載の半導体集積回路装置において、
前記電源電圧補償バイアス電流部が、
電源電圧に依存して複数の電流源用電流を生成する第2の電流回路と、
制御信号に基づいて、前記第2の電流回路が生成した複数の電流源用電流から、任意の電流値を選択し、前記バイアス電圧で制御される電流源の電流として出力する第2の電流セレクタ部とよりなることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項7または8記載の半導体集積回路装置において、前記第2の電流セレクタに入力する制御信号を設定し、前記バイアス電圧で制御される電流源の電流の電源電圧依存度合いを調整するレジスタを設けたことを特徴とする半導体集積回路装置。
- 分周器と、
前記分周器から出力された分周器出力クロックをある時間だけ遅延させた遅延クロックを生成する遅延回路と、
前記分周器出力クロックと前記遅延クロックとを比較し、比較結果に従った比較結果信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較器より出力される比較結果信号に対応して、充放電電流を生成する電流生成部と、
前記電流生成部が生成した充放電電流を電圧に変換し、制御電圧を生成する制御電圧生成部とを含み、
前記遅延回路は、互いに直列接続された複数の遅延素子を有し、前記複数の遅延素子のそれぞれは、前記制御電圧で制御される電流源とバイアス電圧で制御される電流源との和に従った電流が供給され、その遅延量が供給される電流に従って決定される遅延素子を有し、
動作周波数に応じて前記バイアス電圧で制御される電流源の電流の値を可変にするバイアス電流設定部を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
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