JP2004165180A - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リード端子における高周波信号の伝送特性を向上させることのできる半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置を提供すること。
【解決手段】半導体素子収納用パッケージは、上面に形成された凹部1aの底面に半導体素子4を載置する載置部1bが形成された樹脂製の基体1と、基体1の側壁部1cを貫通して設けられた複数のリード端子2とを具備し、複数のリード端子2は、高周波信号伝送用のリード端子2aおよびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子2bを含んでおり、高周波信号伝送用のリード端子2aは、側壁部1cの内部に基体1の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部2dが形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体素子収納用パッケージは、上面に形成された凹部1aの底面に半導体素子4を載置する載置部1bが形成された樹脂製の基体1と、基体1の側壁部1cを貫通して設けられた複数のリード端子2とを具備し、複数のリード端子2は、高周波信号伝送用のリード端子2aおよびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子2bを含んでおり、高周波信号伝送用のリード端子2aは、側壁部1cの内部に基体1の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部2dが形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC,LSI等の半導体集積回路素子や半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子などの半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子24を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、パッケージともいう)は、セラミック製のものの他にエポキシ樹脂等の樹脂から成るものが用いられている。樹脂から成り上面に半導体素子24を収容する凹部21aが形成されたパッケージを図10に示す。同図に示すように、パッケージは、上面に形成された凹部21aの底面の略中央部に半導体素子24を載置するための載置部21bを有し、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリフェニレンサルファイト(PPS)や液晶ポリマー(LCP)等のエンジニアリングプラスチック等の電気的に絶縁性の樹脂から成る基体21と、基体21の側壁部21cを貫通するとともに両端が側壁部21cの内外に突出するように取着され、側壁部21cの外側に突出する一端が外部電気回路に電気的に接続される複数のリード端子22と、側壁部21cの上面に封止材を介して取着されて内側を気密に封止する蓋体26とから主に構成されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0003】
そして、基体21の載置部21b上にシリコン(Si)等から成る基板上に搭載された半導体素子24が載置固定されるとともに、側壁部21cの内側にリード端子22の一端部が固定される棚部23が基体21と一体で形成され、リード端子22の上面は棚部23の上面と略面一となっているとともに棚部23の上面で露出するようにして固定され、リード端子22の一端部に半導体素子24の各電極をボンディングワイヤ等の電気的接続手段25を介して電気的に接続させ、しかる後、側壁部21cの上面に蓋体26を樹脂接着剤等の封止材を介して接合し、基体21と蓋体26とから成る容器内部に半導体素子24を収容することによって、製品としての半導体装置が完成する。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−198455号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のパッケージおよび半導体装置においては、リード端子22で伝送される高周波信号がGHz帯域となると、リード端子22において反射損失や透過損失等の伝送損失が大きくなり、高周波信号を効率よく伝送できなくなるという問題点が生じていた。
【0006】
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、半導体素子作動時にリード端子における高周波信号の伝送特性を向上させることのできるパッケージおよび半導体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に形成された凹部の底面に半導体素子を載置する載置部が形成された樹脂製の基体と、該基体の側壁部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記複数のリード端子は、高周波信号伝送用のリード端子およびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子を含んでおり、前記高周波信号伝送用のリード端子は、前記側壁部の内部に前記基体の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、複数のリード端子は高周波信号伝送用のリード端子およびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子を含んでおり、高周波信号伝送用のリード端子は側壁部の内部に基体の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部が形成されていることから、リード端子の基体の側壁部外側の部位の強度を確保するとともに、基体の側壁部内側の部位のインピーダンスを所定のものに整合させることができ、また樹脂製の基体を良好に成型することができる。その結果、リード端子の強度の信頼性を確保するとともに、リード端子における高周波信号の伝送特性を良好なものとすることができる。
【0009】
本発明の半導体素子収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記基体は、前記高周波信号伝送用のリード端子の下方の部位に接地用の金属板が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、基体は高周波信号伝送用のリード端子の下方の部位に接地用の金属板が設けられていることから、高周波信号伝送用のリード端子に対する接地電位が強化されるとともに高周波信号伝送用のリード端子を伝送する高周波信号のインピータンス値をより特性インピータンス値に近い値とすることができる。その結果、高周波信号の反射損失等の伝送損失が発生するのを抑制することができ、リード端子における高周波信号の伝送特性をより良好なものとすることができる。
【0011】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、該半導体素子を覆う樹脂とを具備したことを特徴とする。
【0013】
本発明の半導体装置は、これらの構成により、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高性能で信頼性の高いものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置を以下に詳細に説明する。本発明のパッケージは、図1に示すように、上面に形成された凹部1aの底面の略中央部に半導体素子4を載置するための鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金や鉄−ニッケル−コバルト(Co)合金等の金属からなる載置部1bを有し、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、PPSやLCP等のエンジニアリングプラスチック等から成る基体1と、基体1の側壁部1cに一端部が埋め込まれ、外側に突出する他端部が外部電気回路に電気的に接続されるFe−Ni合金やFe−Ni−Co合金等の金属からなる複数のリード端子2とから主に構成されている。また、凹部1aの底面でリード端子2の一端部が固定される部位は、基体1と一体で形成された棚部3となっている。
【0015】
本発明のパッケージは、上面に形成された凹部1aの底面に半導体素子4を載置する載置部1bが形成された樹脂製の基体1と、基体1の側壁部1cを貫通して設けられた複数のリード端子2とを具備し、複数のリード端子2は、高周波信号伝送用のリード端子2aおよびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子2bを含んでおり、高周波信号伝送用のリード端子2aは、側壁部1cの内部に基体1の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部2dが形成されている。
【0016】
本発明の基体1は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、PPSやLCP等のエンジニアリングプラスチック等から成り、トランスファモールド成型法またはインジェクションモールド成型法によって製作される。
【0017】
リード端子2はFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、Fe−Ni−Co合金等から成るインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって作製される。リード端子2の基体1への取着は、基体1をトランスファモールド成型法またはインジェクションモールド成型法により形成する際に予め金型内の所定位置にリード端子2をセットしておくことによって、棚部3の上面に一端部が固定され、他端部が側壁部1cの外側に突出した状態で一体的に取着される。
【0018】
そして、リード端子2の側壁部1c内側の一端部の上面は、棚部3の上面と略面一とされており、棚部3の上面で露出している。これにより、リード端子2の一端部の上面にボンディングワイヤ等の電気的接続手段5を電気的に接続する際、電気的接続手段5と接続されるリード端子2の一端部が棚部3の上面に固定されているため、電気的接続手段5との接続作業が容易なものとなり、半導体素子4と外部電気回路とを電気的接続手段5およびリード端子2を介して確実に電気的に接続させることができる。
【0019】
このリード端子2は、その露出する表面に良導電性で耐蝕性に優れたNiやAu等の金属をメッキ法により所定厚み(0.1〜20μm)に被着させておくのがよく、リード端子2の酸化腐蝕を有効に防止できるとともに、リード端子2と電気的接続手段5との接続およびリード端子2と外部電気回路との接続を信頼性の高いものとなすことができる。
【0020】
さらに、基体1の側壁部1c上には樹脂接着剤等から成る封止材を介して、ガラス、セラミックス、金属、樹脂等の板部材から成る蓋体6が接合され、蓋体6で凹部1aの内側を塞ぐことよって基体1と蓋体6とで構成される容器内に半導体素子4が収納される。
【0021】
なお、封止材としては、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等を主成分とした比較的強度および耐熱性の高い樹脂接着剤を用いるのが良い。封止材がエポキシ樹脂から成る場合、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジアルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂に、アミン系硬化剤やイミダゾール系硬化剤、酸無水物硬化剤等の硬化剤を添加したものを用いる。また、封止材は、基体1または蓋体6との熱膨脹係数差が30×10-6/℃以下であるのが好ましく、封止材と基体1または蓋体6との熱応力を軽減し、封止材と基体1または蓋体6との間の剥離を確実に防止することができる。
【0022】
本発明において、複数のリード端子2は、高周波信号伝送用のリード端子2aおよびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子2bを含んでおり、リード端子2aは、側壁部1cの内部に基体1の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部2dが形成されている。そして、リード端子2aとその両側に配置されたリード端子2bとはコプレーナ構造を形成している。
【0023】
この構成により、リード端子2aの半導体素子4に接続される一端部は、特性インピーダンスに略整合されて高周波信号を効率よく伝送させることができる。また、リード端子2aの外部電気回路に接続される他端部は幅広となっているため、外部電気回路への接続時等に折れ等の破損が生じるの防止できる。また、リード端子2aの凹部1aで露出している一端部が幅狭部となっていることで、リード端子2aの凹部1aで露出している部位を特性インピーダンスに略整合させた状態とし、半導体素子4を入出力する高周波信号を効率よく伝送させることができる。
【0024】
また、図2に示すように、リード端子2は側壁部1cより外側に突出した部位が、側壁部1cの外面近傍で約90°の角度で下方に折り曲げられているのが良い。さらに、図3に示すように、リード端子2は側壁部1cより外側に突出した部位が90°より若干大きな所定角度で下方に折り曲げられ、さらにリード端子2の他端部が基体1の下面に略平行になるようにして所定角度で外側に折り曲げられているのが良い。このような構成により、リード端子2の他端部を外部電気回路基板の上面に載置するだけで、外部電気回路に接続するとともに外部電気回路基板に実装することでき、外部電気回路基板への実装の作業性が向上する。
【0025】
また、図4に示すように、リード端子2は基体1内部で所定角度で下方に折り曲げられ、さらに他端部の下面と基体1の下面とが略面一となるように所定角度で外側に折り曲げられているのが良い。これにより、リード端子2の他端部を外部電気回路基板の上面に載置するだけで、外部電気回路に接続されるとともに外部電気回路基板に実装することができ、外部電気回路基板への実装の作業性が向上する。また、リード端子2が側壁部1cより外側にほとんど突出しないことから、さらなるパッケージの小型化が可能となる。さらに、リード端子2がエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、PPSやLCP等のエンジニアリングプラスチック等の空気よりも比誘電率が大きな材料により覆われるため、リード端子2間の静電容量を大きくすることができ、その結果、リード端子2aにおけるインピータンスの上昇を抑えて、リード端子2aのインピーダンスを特性インピーダンスに略整合することができ、リード端子2aで伝送される高周波信号の伝送効率をより向上させることができる。
【0026】
高周波信号伝送用のリード端子2aの凹部1aの棚部3で露出している部位の幅A(図1)は0.1〜0.4mmがよく、0.1mm未満の場合、棚部3で露出すべきリード端子2が棚部3の樹脂の廻り込みにより露出しなくなることがある。0.4mmを超える場合、所定のインピータンス値に整合させるのが困難となり、特にGHz帯域の高周波信号を効率良く伝送できなくなる。
【0027】
リード端子2aの側壁部1c外側の部位の幅Bは0.5〜5mmがよい。0.5mm未満の場合、パッケージを外部電気回路基板に実装する際に、リード端子2aが大きく変形し折れ等の破損が生じ易くなる。5mmを超える場合、リード端子2aの幅が大きくなるため、それに伴ってパッケージを大型化しなければならず、近時のパッケージの小型化傾向に反することとなる。
【0028】
また、接地用のリード端子2bの幅Cは0.5〜5mmがよく、0.5mm未満の場合、パッケージを外部電気回路基板に実装する際にリード端子2bが大きく変形し折れ等の破損が生じ易くなる。5mmを超える場合、リード端子2bの幅が大きくなり、それに伴ってパッケージを大型化しなければならず、近時のパッケージの小型化傾向に反することとなるとともに、リード端子2bと基体1との熱膨張差が大きくなり、その熱膨張差によって基体1に加わる歪みが大きくなって、リード端子2bが基体1から剥離したり、基体1にクラック等の破損が生じる。
【0029】
また、リード端子2aとリード端子2bとの間の間隔Dは0.1〜2mmがよい。0.1mm未満の場合、間隔Dが狭くなりすぎて、リード端子2aとリード端子2bとの間に樹脂を充填できなくなり、リード端子2aにおけるインピーダンスを所定値に整合させるのが困難となるとともに、基体1を良好に成型できなくなる。2mmを超える場合、リード端子2aにおけるインピーダンスを所定値に整合させるのが困難となり、特にGHz帯域の高周波信号を効率良く伝送できなくなる。
【0030】
本発明において、基体1は、高周波信号伝送用のリード端子2aの下方の部位に接地用の金属板7が設けられていることが好ましい。これにより、リード端子2aに対する接地電位を強化するとともにリード端子2aを伝送する高周波信号のインピータンス値をより特性インピータンス値に近い値とすることができ、高周波信号の反射損失等の伝送損失が発生するのを抑制し、リード端子2aにおける高周波信号の伝送特性をより良好なものとすることができる。
【0031】
金属板7は、Fe−Ni−Co合金等の金属から成るもの、またはセラミックス等の絶縁板の表面にタングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn)等のメタライズ層が形成されたもの、またはPPSやLCP等のエンジニアリングプラスチック,ガラスエポキシ樹脂等から成る板状体の表面に銅(Cu)メッキ層やNiメッキ層等の金属メッキ層を形成したものなどから成る。この金属板7は、絶縁体である基体1の樹脂を介してリード端子2aと所定の間隔をもって、基体1中に設置されていても良く、また、基体1の下面に貼着されていても良い。
【0032】
この金属板7は、例えば図9に示すように基体1をトランスファモールド成型法またはインジェクションモールド成型法により形成する際に、予め金型内の所定位置にリード端子2aと同様に金属板7をセットしておくことによって、リード端子2aは棚部3の上面に一端部が固定され他端部が側壁部1cの外側に突出し、金属板7はリード端子2aの下方に樹脂を介して所定の間隔をもって配置される。
【0033】
また、リード端子2aとその下方の金属板7との間の間隔E(図6〜図9)、即ちリード端子2aと金属板7との間の樹脂の厚さは、0.5〜2mmがよい。0.5mm未満の場合、間隔Eが狭くなりすぎて、リード端子2aの下方に樹脂を充填するのが困難になったり、充填できても基体1の内部にボイドが発生する等の問題が発生し易い。2mmを超える場合、リード端子2aを伝送する高周波信号のインピータンス値を特性インピータンス値に近づけることが困難になり、高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生し、特にGHz帯域の高周波信号を効率良く伝送できなくなる。
【0034】
なお、図6〜図8の構成のものは、それぞれ図2〜図4のものにおいてリード端子2aの下方に金属板7を設けたものであり、金属板7は基体1の下面に形成された凹部の天井面に貼着された構成であり、金属板7の下方は空間になっている。これらの構成のものは、基体1を成型した後に基体1の下面に貼着することができ、製造が容易なものとなる。また、基体1の体積が小さくなるので、パッケージが軽量化されるとともに低コストに製造することができる。
【0035】
かくして、本発明のパッケージは、基体1の載置部1bに基板に搭載した半導体素子4を載置固定し、半導体素子4の各電極を所定のリード端子2に電気的接続手段5を介して電気的に接続し、しかる後、基体1の側壁部1cの上面に蓋体6を封止材を介して接合し、基体1と蓋体6とから成る容器内部に半導体素子4を収納することによって、製品としての半導体装置となる。
【0036】
【実施例】
本発明の光半導体装置の実施例を以下に説明する。
【0037】
(実施例1)
図1,図10に示した本発明の半導体装置および従来の半導体装置を、オルソクレゾールノボラック型エポキシ系熱硬化性樹脂を用いたトランスファモールド成型法により以下のように作製した。
【0038】
まず、上面に形成された凹部1aの底面に半導体素子4を載置する載置部1bが形成され、外形寸法が縦9mm×横13mm×高さ3mmで、側壁部1cの厚みが2mm、底部の厚みが1mmの略直方体状の樹脂製の基体1と、基体1の側壁部1cを貫通して設けられたリード端子2とからなり、高周波信号伝送用のリード端子2aの凹部1aで露出している一端部の幅Aを0.3mm、リード端子2aの側壁部1c外側の部位の幅Bを0.5mm、リード端子2aと接地用のリード端子2bとの間の間隔Dを0.3mmとし、リード端子2bの幅Cを0.4,0.5,1,2,5,6,10(mm)とした合計7種類のサンプルを各10個作製した。
【0039】
これらのサンプルを温度サイクル試験装置(株式会社タバイエスペック製「TSA−201S」)内にセットし、温度サイクル(−40℃〜85℃)を1サイクル(7時間)加えた。そして、基体1とリード端子2bとの間に剥離、クラック等が発生したものを不良品とした。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1より、幅Cが5mmを超える場合は基体1とリード端子2bとの間に剥離またはクラックが生じた。
【0042】
次に、リード端子2aの側壁部1c外側の部位の幅Bを0.5mm、リード端子2aとリード端子2bとの間の間隔Dを0.3mmとし、リード端子2aの凹部1aで露出している一端部の幅Aを0.05,0.1,0.15,0.3,0.4,0.5,0.7(mm)の7種とし、リード端子2bの幅Cを0.4,0.5,1,2,5(mm)の5種とした合計35種類のサンプルを各10個作製した。これらのサンプルのリード端子2aの一端部に5GHzの高周波信号を入力して、その反射損失および透過損失を測定した。そして、反射損失が−15dB以上、または透過損失が−1dB以下であるものを不良品とした。また、リード端子2aが樹脂の廻り込みにより露出しないものも不良品とした。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
表2より、幅Aが0.4mmを超える場合、また幅Cが0.5mm未満の場合、反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。また、幅Aが0.1mm未満では、樹脂の廻り込みによりリード端子2aが露出しない不良品が発生した。
【0045】
次に、幅Aを0.4mm、幅Cを5mm、リード端子2aの側壁部1c外側の部位の幅Bを0.5mmとし、リード端子2aとリード端子2bとの間の間隔Dを0.05,0.1,0.3,0.5,1,2,3(mm)とした合計7種類のサンプルを各10個作製した。これらのサンプルのリード端子2aの一端部に5GHzの高周波信号を入力して、その反射損失および透過損失を測定した。そして、反射損失が−15dB以上、または透過損失が−1dB以下であるものを不良品とした。その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
表3より、間隔Dが0.1mm未満の場合、または2mmを超える場合、反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。間隔Dが0.1mm未満の場合は、リード端子2aとリード端子2bとの間に樹脂が充填されないために反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。
【0048】
次に、幅Aを0.4mm、幅Cを5mm、間隔Dを0.1mmとし、幅Bを0.15,0.3,0.4,0.5,1,3(mm)とした合計6種類のサンプルを各10個作製し、これらのサンプルのリード端子2aの側壁部1c外側の部位を外部電気回路基板の電極に接続し、接続時にリード端子2aに折れ等の破断が生じたものを不良品とした。その結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
表4より、幅Bが0.5mm未満の場合、外部電気回路基板への接続時にリード端子2aに折れ等の破断が生じた不良品が発生した。0.5mm以上では、リード端子2aに折れ等の破断は生じなかったが、5mmを超えると近時のパッケージの小型化傾向に反することとなり不適当であった。
【0051】
(実施例2)
図5,図10に示した本発明の半導体装置および従来の半導体装置を、上記実施例1と同様にして以下のように作製した。
【0052】
まず、凹部1aの底面に半導体素子4を載置する載置部1bが形成され、外形寸法が縦9mm×横13mm×高さ3mmで、側壁部1cの厚みが2mm、底部の厚みが1mmの略直方体状の樹脂製の基体1と、基体1の側壁部1cを貫通して設けられたリード端子2とからなり、幅Aを0.3mm、幅Bを0.5mm、間隔Dを0.3mmとし、幅Cを0.4,0.5,1,2,5,6,10(mm)とした合計7種類のサンプルを各10個作製した。このとき、全てのサンプルにおいて、図6に示すように、リード端子2a,2bの下方に、Fe−Ni−Co合金から成る縦3mm×横10mm×厚さ0.25mmの金属板7を、間隔Eが1mmでもって設置した。
【0053】
これらのサンプルを温度サイクル試験装置(株式会社タバイエスペック製「TSA−201S」)内にセットし、温度サイクル(−40℃〜85℃)を1サイクル(7時間)加えた。そして、基体1とリード端子2bとの間に剥離、クラック等が発生したものを不良品とした。その結果を表5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
表5より、幅Cが5mmを超える場合は基体1とリード端子2bとの間に剥離またはクラックが生じた。
【0056】
次に、幅Bを0.5mm、間隔Dを0.3mmとし、幅Aを0.05,0.1,0.15,0.3,0.4,0.5,0.7(mm)の7種とし、幅Cを0.4,0.5,1,2,5(mm)の5種とした合計35種類のサンプルを各10個作製した。このとき、全てのサンプルにおいて、上記と同様にして金属板7を設置した。
【0057】
これらのサンプルのリード端子2aの一端部に5GHzの高周波信号を入力して、その反射損失および透過損失を測定した。そして、反射損失が−15dB以上、または透過損失が−1dB以下であるものを不良品とした。また、リード端子2aが樹脂の廻り込みにより露出しないものも不良品とした。その結果を表6に示す。
【0058】
【表6】
【0059】
表6より、幅Aが0.4mmを超える場合、また幅Cが0.5mm未満の場合、反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。また、幅Aが0.1mm未満では、樹脂の廻り込みによりリード端子2aが露出しない不良品が発生した。
【0060】
次に、幅Aを0.4mm、幅Cを5mm、幅Bを0.5mmとし、間隔Dを0.05,0.1,0.3,0.5,1,2,3(mm)とした合計7種類のサンプルを各10個作製した。このとき、全てのサンプルにおいて、上記と同様にして金属板7を設置した。
【0061】
これらのサンプルのリード端子2aの一端部に5GHzの高周波信号を入力して、その反射損失および透過損失を測定した。そして、反射損失が−15dB以上、または透過損失が−1dB以下であるものを不良品とした。その結果を表7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】
表7より、間隔Dが0.1mm未満の場合、または2mmを超える場合、反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。間隔Dが0.1mm未満の場合は、リード端子2aとリード端子2bとの間に樹脂が充填されないために反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。
【0064】
次に、幅Aを0.4mm、幅Cを5mm、間隔Dを0.1mmとし、幅Bを0.15,0.3,0.4,0.5,1,3(mm)とした合計6種類のサンプルを各10個作製した。このとき、全てのサンプルにおいて、上記と同様にして金属板7を設置した。
【0065】
これらのサンプルのリード端子2aの側壁部1c外側の部位を外部電気回路基板の電極に接続し、接続時にリード端子2aに折れ等の破断が生じたものを不良品とした。その結果を表8に示す。
【0066】
【表8】
【0067】
表8より、幅Bが0.5mm未満の場合、外部電気回路基板への接続時にリード端子2aに折れ等の破断が生じた不良品が発生した。0.5mm以上では、リード端子2aに折れ等の破断は生じなかったが、5mmを超えると近時のパッケージの小型化傾向に反することとなり不適当であった。
【0068】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、半導体装置において、蓋体6を設ける代わりに半導体素子4を樹脂で覆ってもよい。この場合、樹脂は、凹部1aに充填されていてもよいし、半導体素子4を覆うだけであってもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に形成された凹部の底面に半導体素子を載置する載置部が形成された樹脂製の基体と、基体の側壁部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備し、複数のリード端子は、高周波信号伝送用のリード端子およびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子を含んでおり、高周波信号伝送用のリード端子は、側壁部の内部に基体の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部が形成されていることにより、リード端子の側壁部外側の部位の強度を確保するとともに、側壁部内側の部位のインピーダンスを所定値に整合させることができ、また樹脂製の基体を良好に成型することができる。その結果、リード端子の強度の信頼性を確保するとともに、リード端子における高周波信号の伝送特性を良好なものとすることができる。
【0070】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは基体は高周波信号伝送用のリード端子の下方の部位に接地用の金属板が設けられていることから、高周波信号伝送用のリード端子に対する接地電位が強化されるとともに高周波信号伝送用のリード端子を伝送する高周波信号のインピータンス値をより特性インピータンス値に近い値とすることができる。その結果、高周波信号の反射損失等の伝送損失が発生するのを抑制することができ、リード端子における高周波信号の伝送特性をより良好なものとすることができる。
【0071】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともに複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高性能で信頼性の高いものとなる。
【0072】
また、本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともに複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、半導体素子を覆う樹脂とを具備したことにより、本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高性能で信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す平面図である。
【図2】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す断面図である。
【図3】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図6】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図7】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図8】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図9】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図10】従来の半導体素子収納用パッケージの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:凹部
1c:側壁部
2:リード端子
2a:高周波信号伝送用のリード端子
2b:接地用のリード端子
4:半導体素子
6:蓋体
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC,LSI等の半導体集積回路素子や半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子などの半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子24を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、パッケージともいう)は、セラミック製のものの他にエポキシ樹脂等の樹脂から成るものが用いられている。樹脂から成り上面に半導体素子24を収容する凹部21aが形成されたパッケージを図10に示す。同図に示すように、パッケージは、上面に形成された凹部21aの底面の略中央部に半導体素子24を載置するための載置部21bを有し、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリフェニレンサルファイト(PPS)や液晶ポリマー(LCP)等のエンジニアリングプラスチック等の電気的に絶縁性の樹脂から成る基体21と、基体21の側壁部21cを貫通するとともに両端が側壁部21cの内外に突出するように取着され、側壁部21cの外側に突出する一端が外部電気回路に電気的に接続される複数のリード端子22と、側壁部21cの上面に封止材を介して取着されて内側を気密に封止する蓋体26とから主に構成されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0003】
そして、基体21の載置部21b上にシリコン(Si)等から成る基板上に搭載された半導体素子24が載置固定されるとともに、側壁部21cの内側にリード端子22の一端部が固定される棚部23が基体21と一体で形成され、リード端子22の上面は棚部23の上面と略面一となっているとともに棚部23の上面で露出するようにして固定され、リード端子22の一端部に半導体素子24の各電極をボンディングワイヤ等の電気的接続手段25を介して電気的に接続させ、しかる後、側壁部21cの上面に蓋体26を樹脂接着剤等の封止材を介して接合し、基体21と蓋体26とから成る容器内部に半導体素子24を収容することによって、製品としての半導体装置が完成する。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−198455号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のパッケージおよび半導体装置においては、リード端子22で伝送される高周波信号がGHz帯域となると、リード端子22において反射損失や透過損失等の伝送損失が大きくなり、高周波信号を効率よく伝送できなくなるという問題点が生じていた。
【0006】
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、半導体素子作動時にリード端子における高周波信号の伝送特性を向上させることのできるパッケージおよび半導体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に形成された凹部の底面に半導体素子を載置する載置部が形成された樹脂製の基体と、該基体の側壁部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記複数のリード端子は、高周波信号伝送用のリード端子およびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子を含んでおり、前記高周波信号伝送用のリード端子は、前記側壁部の内部に前記基体の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、複数のリード端子は高周波信号伝送用のリード端子およびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子を含んでおり、高周波信号伝送用のリード端子は側壁部の内部に基体の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部が形成されていることから、リード端子の基体の側壁部外側の部位の強度を確保するとともに、基体の側壁部内側の部位のインピーダンスを所定のものに整合させることができ、また樹脂製の基体を良好に成型することができる。その結果、リード端子の強度の信頼性を確保するとともに、リード端子における高周波信号の伝送特性を良好なものとすることができる。
【0009】
本発明の半導体素子収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記基体は、前記高周波信号伝送用のリード端子の下方の部位に接地用の金属板が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、基体は高周波信号伝送用のリード端子の下方の部位に接地用の金属板が設けられていることから、高周波信号伝送用のリード端子に対する接地電位が強化されるとともに高周波信号伝送用のリード端子を伝送する高周波信号のインピータンス値をより特性インピータンス値に近い値とすることができる。その結果、高周波信号の反射損失等の伝送損失が発生するのを抑制することができ、リード端子における高周波信号の伝送特性をより良好なものとすることができる。
【0011】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、該半導体素子を覆う樹脂とを具備したことを特徴とする。
【0013】
本発明の半導体装置は、これらの構成により、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高性能で信頼性の高いものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置を以下に詳細に説明する。本発明のパッケージは、図1に示すように、上面に形成された凹部1aの底面の略中央部に半導体素子4を載置するための鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金や鉄−ニッケル−コバルト(Co)合金等の金属からなる載置部1bを有し、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、PPSやLCP等のエンジニアリングプラスチック等から成る基体1と、基体1の側壁部1cに一端部が埋め込まれ、外側に突出する他端部が外部電気回路に電気的に接続されるFe−Ni合金やFe−Ni−Co合金等の金属からなる複数のリード端子2とから主に構成されている。また、凹部1aの底面でリード端子2の一端部が固定される部位は、基体1と一体で形成された棚部3となっている。
【0015】
本発明のパッケージは、上面に形成された凹部1aの底面に半導体素子4を載置する載置部1bが形成された樹脂製の基体1と、基体1の側壁部1cを貫通して設けられた複数のリード端子2とを具備し、複数のリード端子2は、高周波信号伝送用のリード端子2aおよびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子2bを含んでおり、高周波信号伝送用のリード端子2aは、側壁部1cの内部に基体1の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部2dが形成されている。
【0016】
本発明の基体1は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、PPSやLCP等のエンジニアリングプラスチック等から成り、トランスファモールド成型法またはインジェクションモールド成型法によって製作される。
【0017】
リード端子2はFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、Fe−Ni−Co合金等から成るインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって作製される。リード端子2の基体1への取着は、基体1をトランスファモールド成型法またはインジェクションモールド成型法により形成する際に予め金型内の所定位置にリード端子2をセットしておくことによって、棚部3の上面に一端部が固定され、他端部が側壁部1cの外側に突出した状態で一体的に取着される。
【0018】
そして、リード端子2の側壁部1c内側の一端部の上面は、棚部3の上面と略面一とされており、棚部3の上面で露出している。これにより、リード端子2の一端部の上面にボンディングワイヤ等の電気的接続手段5を電気的に接続する際、電気的接続手段5と接続されるリード端子2の一端部が棚部3の上面に固定されているため、電気的接続手段5との接続作業が容易なものとなり、半導体素子4と外部電気回路とを電気的接続手段5およびリード端子2を介して確実に電気的に接続させることができる。
【0019】
このリード端子2は、その露出する表面に良導電性で耐蝕性に優れたNiやAu等の金属をメッキ法により所定厚み(0.1〜20μm)に被着させておくのがよく、リード端子2の酸化腐蝕を有効に防止できるとともに、リード端子2と電気的接続手段5との接続およびリード端子2と外部電気回路との接続を信頼性の高いものとなすことができる。
【0020】
さらに、基体1の側壁部1c上には樹脂接着剤等から成る封止材を介して、ガラス、セラミックス、金属、樹脂等の板部材から成る蓋体6が接合され、蓋体6で凹部1aの内側を塞ぐことよって基体1と蓋体6とで構成される容器内に半導体素子4が収納される。
【0021】
なお、封止材としては、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等を主成分とした比較的強度および耐熱性の高い樹脂接着剤を用いるのが良い。封止材がエポキシ樹脂から成る場合、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジアルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂に、アミン系硬化剤やイミダゾール系硬化剤、酸無水物硬化剤等の硬化剤を添加したものを用いる。また、封止材は、基体1または蓋体6との熱膨脹係数差が30×10-6/℃以下であるのが好ましく、封止材と基体1または蓋体6との熱応力を軽減し、封止材と基体1または蓋体6との間の剥離を確実に防止することができる。
【0022】
本発明において、複数のリード端子2は、高周波信号伝送用のリード端子2aおよびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子2bを含んでおり、リード端子2aは、側壁部1cの内部に基体1の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部2dが形成されている。そして、リード端子2aとその両側に配置されたリード端子2bとはコプレーナ構造を形成している。
【0023】
この構成により、リード端子2aの半導体素子4に接続される一端部は、特性インピーダンスに略整合されて高周波信号を効率よく伝送させることができる。また、リード端子2aの外部電気回路に接続される他端部は幅広となっているため、外部電気回路への接続時等に折れ等の破損が生じるの防止できる。また、リード端子2aの凹部1aで露出している一端部が幅狭部となっていることで、リード端子2aの凹部1aで露出している部位を特性インピーダンスに略整合させた状態とし、半導体素子4を入出力する高周波信号を効率よく伝送させることができる。
【0024】
また、図2に示すように、リード端子2は側壁部1cより外側に突出した部位が、側壁部1cの外面近傍で約90°の角度で下方に折り曲げられているのが良い。さらに、図3に示すように、リード端子2は側壁部1cより外側に突出した部位が90°より若干大きな所定角度で下方に折り曲げられ、さらにリード端子2の他端部が基体1の下面に略平行になるようにして所定角度で外側に折り曲げられているのが良い。このような構成により、リード端子2の他端部を外部電気回路基板の上面に載置するだけで、外部電気回路に接続するとともに外部電気回路基板に実装することでき、外部電気回路基板への実装の作業性が向上する。
【0025】
また、図4に示すように、リード端子2は基体1内部で所定角度で下方に折り曲げられ、さらに他端部の下面と基体1の下面とが略面一となるように所定角度で外側に折り曲げられているのが良い。これにより、リード端子2の他端部を外部電気回路基板の上面に載置するだけで、外部電気回路に接続されるとともに外部電気回路基板に実装することができ、外部電気回路基板への実装の作業性が向上する。また、リード端子2が側壁部1cより外側にほとんど突出しないことから、さらなるパッケージの小型化が可能となる。さらに、リード端子2がエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、PPSやLCP等のエンジニアリングプラスチック等の空気よりも比誘電率が大きな材料により覆われるため、リード端子2間の静電容量を大きくすることができ、その結果、リード端子2aにおけるインピータンスの上昇を抑えて、リード端子2aのインピーダンスを特性インピーダンスに略整合することができ、リード端子2aで伝送される高周波信号の伝送効率をより向上させることができる。
【0026】
高周波信号伝送用のリード端子2aの凹部1aの棚部3で露出している部位の幅A(図1)は0.1〜0.4mmがよく、0.1mm未満の場合、棚部3で露出すべきリード端子2が棚部3の樹脂の廻り込みにより露出しなくなることがある。0.4mmを超える場合、所定のインピータンス値に整合させるのが困難となり、特にGHz帯域の高周波信号を効率良く伝送できなくなる。
【0027】
リード端子2aの側壁部1c外側の部位の幅Bは0.5〜5mmがよい。0.5mm未満の場合、パッケージを外部電気回路基板に実装する際に、リード端子2aが大きく変形し折れ等の破損が生じ易くなる。5mmを超える場合、リード端子2aの幅が大きくなるため、それに伴ってパッケージを大型化しなければならず、近時のパッケージの小型化傾向に反することとなる。
【0028】
また、接地用のリード端子2bの幅Cは0.5〜5mmがよく、0.5mm未満の場合、パッケージを外部電気回路基板に実装する際にリード端子2bが大きく変形し折れ等の破損が生じ易くなる。5mmを超える場合、リード端子2bの幅が大きくなり、それに伴ってパッケージを大型化しなければならず、近時のパッケージの小型化傾向に反することとなるとともに、リード端子2bと基体1との熱膨張差が大きくなり、その熱膨張差によって基体1に加わる歪みが大きくなって、リード端子2bが基体1から剥離したり、基体1にクラック等の破損が生じる。
【0029】
また、リード端子2aとリード端子2bとの間の間隔Dは0.1〜2mmがよい。0.1mm未満の場合、間隔Dが狭くなりすぎて、リード端子2aとリード端子2bとの間に樹脂を充填できなくなり、リード端子2aにおけるインピーダンスを所定値に整合させるのが困難となるとともに、基体1を良好に成型できなくなる。2mmを超える場合、リード端子2aにおけるインピーダンスを所定値に整合させるのが困難となり、特にGHz帯域の高周波信号を効率良く伝送できなくなる。
【0030】
本発明において、基体1は、高周波信号伝送用のリード端子2aの下方の部位に接地用の金属板7が設けられていることが好ましい。これにより、リード端子2aに対する接地電位を強化するとともにリード端子2aを伝送する高周波信号のインピータンス値をより特性インピータンス値に近い値とすることができ、高周波信号の反射損失等の伝送損失が発生するのを抑制し、リード端子2aにおける高周波信号の伝送特性をより良好なものとすることができる。
【0031】
金属板7は、Fe−Ni−Co合金等の金属から成るもの、またはセラミックス等の絶縁板の表面にタングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn)等のメタライズ層が形成されたもの、またはPPSやLCP等のエンジニアリングプラスチック,ガラスエポキシ樹脂等から成る板状体の表面に銅(Cu)メッキ層やNiメッキ層等の金属メッキ層を形成したものなどから成る。この金属板7は、絶縁体である基体1の樹脂を介してリード端子2aと所定の間隔をもって、基体1中に設置されていても良く、また、基体1の下面に貼着されていても良い。
【0032】
この金属板7は、例えば図9に示すように基体1をトランスファモールド成型法またはインジェクションモールド成型法により形成する際に、予め金型内の所定位置にリード端子2aと同様に金属板7をセットしておくことによって、リード端子2aは棚部3の上面に一端部が固定され他端部が側壁部1cの外側に突出し、金属板7はリード端子2aの下方に樹脂を介して所定の間隔をもって配置される。
【0033】
また、リード端子2aとその下方の金属板7との間の間隔E(図6〜図9)、即ちリード端子2aと金属板7との間の樹脂の厚さは、0.5〜2mmがよい。0.5mm未満の場合、間隔Eが狭くなりすぎて、リード端子2aの下方に樹脂を充填するのが困難になったり、充填できても基体1の内部にボイドが発生する等の問題が発生し易い。2mmを超える場合、リード端子2aを伝送する高周波信号のインピータンス値を特性インピータンス値に近づけることが困難になり、高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生し、特にGHz帯域の高周波信号を効率良く伝送できなくなる。
【0034】
なお、図6〜図8の構成のものは、それぞれ図2〜図4のものにおいてリード端子2aの下方に金属板7を設けたものであり、金属板7は基体1の下面に形成された凹部の天井面に貼着された構成であり、金属板7の下方は空間になっている。これらの構成のものは、基体1を成型した後に基体1の下面に貼着することができ、製造が容易なものとなる。また、基体1の体積が小さくなるので、パッケージが軽量化されるとともに低コストに製造することができる。
【0035】
かくして、本発明のパッケージは、基体1の載置部1bに基板に搭載した半導体素子4を載置固定し、半導体素子4の各電極を所定のリード端子2に電気的接続手段5を介して電気的に接続し、しかる後、基体1の側壁部1cの上面に蓋体6を封止材を介して接合し、基体1と蓋体6とから成る容器内部に半導体素子4を収納することによって、製品としての半導体装置となる。
【0036】
【実施例】
本発明の光半導体装置の実施例を以下に説明する。
【0037】
(実施例1)
図1,図10に示した本発明の半導体装置および従来の半導体装置を、オルソクレゾールノボラック型エポキシ系熱硬化性樹脂を用いたトランスファモールド成型法により以下のように作製した。
【0038】
まず、上面に形成された凹部1aの底面に半導体素子4を載置する載置部1bが形成され、外形寸法が縦9mm×横13mm×高さ3mmで、側壁部1cの厚みが2mm、底部の厚みが1mmの略直方体状の樹脂製の基体1と、基体1の側壁部1cを貫通して設けられたリード端子2とからなり、高周波信号伝送用のリード端子2aの凹部1aで露出している一端部の幅Aを0.3mm、リード端子2aの側壁部1c外側の部位の幅Bを0.5mm、リード端子2aと接地用のリード端子2bとの間の間隔Dを0.3mmとし、リード端子2bの幅Cを0.4,0.5,1,2,5,6,10(mm)とした合計7種類のサンプルを各10個作製した。
【0039】
これらのサンプルを温度サイクル試験装置(株式会社タバイエスペック製「TSA−201S」)内にセットし、温度サイクル(−40℃〜85℃)を1サイクル(7時間)加えた。そして、基体1とリード端子2bとの間に剥離、クラック等が発生したものを不良品とした。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1より、幅Cが5mmを超える場合は基体1とリード端子2bとの間に剥離またはクラックが生じた。
【0042】
次に、リード端子2aの側壁部1c外側の部位の幅Bを0.5mm、リード端子2aとリード端子2bとの間の間隔Dを0.3mmとし、リード端子2aの凹部1aで露出している一端部の幅Aを0.05,0.1,0.15,0.3,0.4,0.5,0.7(mm)の7種とし、リード端子2bの幅Cを0.4,0.5,1,2,5(mm)の5種とした合計35種類のサンプルを各10個作製した。これらのサンプルのリード端子2aの一端部に5GHzの高周波信号を入力して、その反射損失および透過損失を測定した。そして、反射損失が−15dB以上、または透過損失が−1dB以下であるものを不良品とした。また、リード端子2aが樹脂の廻り込みにより露出しないものも不良品とした。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
表2より、幅Aが0.4mmを超える場合、また幅Cが0.5mm未満の場合、反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。また、幅Aが0.1mm未満では、樹脂の廻り込みによりリード端子2aが露出しない不良品が発生した。
【0045】
次に、幅Aを0.4mm、幅Cを5mm、リード端子2aの側壁部1c外側の部位の幅Bを0.5mmとし、リード端子2aとリード端子2bとの間の間隔Dを0.05,0.1,0.3,0.5,1,2,3(mm)とした合計7種類のサンプルを各10個作製した。これらのサンプルのリード端子2aの一端部に5GHzの高周波信号を入力して、その反射損失および透過損失を測定した。そして、反射損失が−15dB以上、または透過損失が−1dB以下であるものを不良品とした。その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
表3より、間隔Dが0.1mm未満の場合、または2mmを超える場合、反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。間隔Dが0.1mm未満の場合は、リード端子2aとリード端子2bとの間に樹脂が充填されないために反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。
【0048】
次に、幅Aを0.4mm、幅Cを5mm、間隔Dを0.1mmとし、幅Bを0.15,0.3,0.4,0.5,1,3(mm)とした合計6種類のサンプルを各10個作製し、これらのサンプルのリード端子2aの側壁部1c外側の部位を外部電気回路基板の電極に接続し、接続時にリード端子2aに折れ等の破断が生じたものを不良品とした。その結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
表4より、幅Bが0.5mm未満の場合、外部電気回路基板への接続時にリード端子2aに折れ等の破断が生じた不良品が発生した。0.5mm以上では、リード端子2aに折れ等の破断は生じなかったが、5mmを超えると近時のパッケージの小型化傾向に反することとなり不適当であった。
【0051】
(実施例2)
図5,図10に示した本発明の半導体装置および従来の半導体装置を、上記実施例1と同様にして以下のように作製した。
【0052】
まず、凹部1aの底面に半導体素子4を載置する載置部1bが形成され、外形寸法が縦9mm×横13mm×高さ3mmで、側壁部1cの厚みが2mm、底部の厚みが1mmの略直方体状の樹脂製の基体1と、基体1の側壁部1cを貫通して設けられたリード端子2とからなり、幅Aを0.3mm、幅Bを0.5mm、間隔Dを0.3mmとし、幅Cを0.4,0.5,1,2,5,6,10(mm)とした合計7種類のサンプルを各10個作製した。このとき、全てのサンプルにおいて、図6に示すように、リード端子2a,2bの下方に、Fe−Ni−Co合金から成る縦3mm×横10mm×厚さ0.25mmの金属板7を、間隔Eが1mmでもって設置した。
【0053】
これらのサンプルを温度サイクル試験装置(株式会社タバイエスペック製「TSA−201S」)内にセットし、温度サイクル(−40℃〜85℃)を1サイクル(7時間)加えた。そして、基体1とリード端子2bとの間に剥離、クラック等が発生したものを不良品とした。その結果を表5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
表5より、幅Cが5mmを超える場合は基体1とリード端子2bとの間に剥離またはクラックが生じた。
【0056】
次に、幅Bを0.5mm、間隔Dを0.3mmとし、幅Aを0.05,0.1,0.15,0.3,0.4,0.5,0.7(mm)の7種とし、幅Cを0.4,0.5,1,2,5(mm)の5種とした合計35種類のサンプルを各10個作製した。このとき、全てのサンプルにおいて、上記と同様にして金属板7を設置した。
【0057】
これらのサンプルのリード端子2aの一端部に5GHzの高周波信号を入力して、その反射損失および透過損失を測定した。そして、反射損失が−15dB以上、または透過損失が−1dB以下であるものを不良品とした。また、リード端子2aが樹脂の廻り込みにより露出しないものも不良品とした。その結果を表6に示す。
【0058】
【表6】
【0059】
表6より、幅Aが0.4mmを超える場合、また幅Cが0.5mm未満の場合、反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。また、幅Aが0.1mm未満では、樹脂の廻り込みによりリード端子2aが露出しない不良品が発生した。
【0060】
次に、幅Aを0.4mm、幅Cを5mm、幅Bを0.5mmとし、間隔Dを0.05,0.1,0.3,0.5,1,2,3(mm)とした合計7種類のサンプルを各10個作製した。このとき、全てのサンプルにおいて、上記と同様にして金属板7を設置した。
【0061】
これらのサンプルのリード端子2aの一端部に5GHzの高周波信号を入力して、その反射損失および透過損失を測定した。そして、反射損失が−15dB以上、または透過損失が−1dB以下であるものを不良品とした。その結果を表7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】
表7より、間隔Dが0.1mm未満の場合、または2mmを超える場合、反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。間隔Dが0.1mm未満の場合は、リード端子2aとリード端子2bとの間に樹脂が充填されないために反射損失または透過損失を満足しない不良品が発生した。
【0064】
次に、幅Aを0.4mm、幅Cを5mm、間隔Dを0.1mmとし、幅Bを0.15,0.3,0.4,0.5,1,3(mm)とした合計6種類のサンプルを各10個作製した。このとき、全てのサンプルにおいて、上記と同様にして金属板7を設置した。
【0065】
これらのサンプルのリード端子2aの側壁部1c外側の部位を外部電気回路基板の電極に接続し、接続時にリード端子2aに折れ等の破断が生じたものを不良品とした。その結果を表8に示す。
【0066】
【表8】
【0067】
表8より、幅Bが0.5mm未満の場合、外部電気回路基板への接続時にリード端子2aに折れ等の破断が生じた不良品が発生した。0.5mm以上では、リード端子2aに折れ等の破断は生じなかったが、5mmを超えると近時のパッケージの小型化傾向に反することとなり不適当であった。
【0068】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、半導体装置において、蓋体6を設ける代わりに半導体素子4を樹脂で覆ってもよい。この場合、樹脂は、凹部1aに充填されていてもよいし、半導体素子4を覆うだけであってもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に形成された凹部の底面に半導体素子を載置する載置部が形成された樹脂製の基体と、基体の側壁部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備し、複数のリード端子は、高周波信号伝送用のリード端子およびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子を含んでおり、高周波信号伝送用のリード端子は、側壁部の内部に基体の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部が形成されていることにより、リード端子の側壁部外側の部位の強度を確保するとともに、側壁部内側の部位のインピーダンスを所定値に整合させることができ、また樹脂製の基体を良好に成型することができる。その結果、リード端子の強度の信頼性を確保するとともに、リード端子における高周波信号の伝送特性を良好なものとすることができる。
【0070】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは基体は高周波信号伝送用のリード端子の下方の部位に接地用の金属板が設けられていることから、高周波信号伝送用のリード端子に対する接地電位が強化されるとともに高周波信号伝送用のリード端子を伝送する高周波信号のインピータンス値をより特性インピータンス値に近い値とすることができる。その結果、高周波信号の反射損失等の伝送損失が発生するのを抑制することができ、リード端子における高周波信号の伝送特性をより良好なものとすることができる。
【0071】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともに複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高性能で信頼性の高いものとなる。
【0072】
また、本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともに複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、半導体素子を覆う樹脂とを具備したことにより、本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高性能で信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す平面図である。
【図2】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す断面図である。
【図3】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図6】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図7】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図8】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図9】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図10】従来の半導体素子収納用パッケージの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:凹部
1c:側壁部
2:リード端子
2a:高周波信号伝送用のリード端子
2b:接地用のリード端子
4:半導体素子
6:蓋体
Claims (4)
- 上面に形成された凹部の底面に半導体素子を載置する載置部が形成された樹脂製の基体と、該基体の側壁部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記複数のリード端子は、高周波信号伝送用のリード端子およびその両側に略等間隔をもって設けられた接地用のリード端子を含んでおり、前記高周波信号伝送用のリード端子は、前記側壁部の内部に前記基体の外側に向かって漸次幅が広くなっている拡幅部が形成されていることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
- 前記基体は、前記高周波信号伝送用のリード端子の下方の部位に接地用の金属板が設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項1または請求項2記載の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする半導体装置。
- 請求項1または請求項2記載の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記複数のリード端子に電気的に接続された半導体素子と、該半導体素子を覆う樹脂とを具備したことを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002312879A JP2004165180A (ja) | 2002-09-27 | 2002-10-28 | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002312879A Pending JP2004165180A (ja) | 2002-09-27 | 2002-10-28 | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 |
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JP (1) | JP2004165180A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007201362A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Kyocera Corp | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 |
-
2002
- 2002-10-28 JP JP2002312879A patent/JP2004165180A/ja active Pending
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