JP2004163833A - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被写体像を撮影するための撮像レンズ系12と、この撮像レンズ系12の合焦範囲を外れた手前側に合焦した投影レンズ系36を用いて光源32の発光を被写体方向に投影する警告投影部31とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に固定焦点のレンズ光学系を有するカメラ等に好適な撮像装置及び撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被写界深度を充分に大きく設定することでレンズ光学系の焦点調節機構を不要とした固定焦点式のカメラがある。この種のカメラでは、例えば、“撮影可能範囲1[m]〜∞”といったように予め最低限の合焦状態も得られない近景の範囲をカメラ本体や取扱い説明書に数値で表示している。したがって、この種のカメラのユーザは、被写体との距離を目測してその範囲を外れるように(上記例では1m以上離れる。)撮影位置を移動する必要がある。
【0003】
また、この種のカメラで、レンズ光学系の一部を切換えることにより、マクロ撮影も可能としたものもあり、マクロ撮影の機能を選択することで、花や昆虫などの接写撮影を楽しめるようになる。
【0004】
一般に固定焦点式のカメラでは、上述した如くユーザ自らがそのカメラ固有の合焦範囲を把握しておかなければならない。
【0005】
加えて、上記したマクロ撮影機能を備えた固定焦点式のカメラでは、マクロ撮影の機能を設定しているか否かにより合焦範囲が大きく異なるので、撮影時には当該機能の設定の有無も併せて把握しておかなければならない。
【0006】
ところで、ファインダ光学系と撮影光学系とが別体になっていてパノラマ撮影とマクロ撮影とが可能なカメラで、パノラマ撮影とマクロ撮影とを同時に設定した場合に自動的に撮影を禁止するようにしたものが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
この提案のカメラは、マクロ撮影時にファインダ光学系で見える視野と撮影光学系で撮影しようとする視野のずれ(=パララックス)、特に上下方向のずれが大きいため、画面の上下端を部分的にマスクして撮影しないパノラマ撮影ではユーザの意図する構図の被写体像が撮影されないものとして、その撮影を禁止するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平06−194732号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した如く固定焦点式のカメラは、ユーザがそのカメラ固有の合焦範囲を把握しておかなければならないことに加え、特にマクロ撮影機能を備えたものでは、その機能の設定の有無も併せて把握しておかなければならない。
【0009】
そのため、例えば観光地でレンズ付きフィルムを購入した場合も含めて、ユーザが初めて使用するカメラで至近側の合焦が得られない範囲を把握しないままに撮影を行なった場合、合焦範囲をはずれた、所謂ピンボケの画像が得られる可能性がある。
【0010】
また、上述した特許文献1は、パララックスを考慮してパノラマ撮影とマクロ撮影の同時設定による撮影を自動的に禁止するようにしたものである。したがって、固定焦点式のカメラにこの特許文献1の技術を適用したとしても、パノラマ撮影とマクロ撮影を同時設定していなければ、至近側で合焦範囲をはずれた、所謂ピンボケの画像を撮影してしまう可能性は依然としてなくならない。
【0011】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、自動合焦のための制御動作を全く行なわない固定焦点式の撮像装置で、ユーザがその装置固有の合焦範囲を把握しておらずとも、特に至近側のピンボケとなる撮影距離を容易に認識し、失敗なく撮影することが可能な撮像装置及び撮像方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、被写体像を撮影するための撮像レンズ系と、この撮像レンズ系の合焦範囲を外れた範囲で合焦する投影レンズ系を用いて光源の発光を上記被写体方向に投影する警告投影手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】
このような構成とすれば、自動合焦のための制御動作を全く行なわない固定焦点式の撮像装置で、ユーザがその装置固有の合焦範囲を把握しておらずとも、特に至近側のピンボケとなる撮影距離を容易に認識し、失敗なく撮影することが可能となる。
【0014】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記警告投影手段は、上記撮像レンズ系を用いる撮像時に投影を停止することを特徴とする。
【0015】
このような構成とすれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、光源の発光を撮影画像中に写し込んでしまうのを確実に防止できる。
【0016】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記警告投影手段は、上記撮像レンズ系で撮影する被写体に対応して投影の輝度及び色の少なくとも一方を変更することを特徴とする。
【0017】
このような構成とすれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、被写体の色や明るさに対応して常に投影の有無をユーザに確実に認識させることができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記警告投影手段は、撮像レンズ系の合焦範囲外を意味する警告画像を投影することを特徴とする。
【0019】
このような構成とすれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、撮像レンズ系の合焦範囲外を意味する、例えば文字や記号、シンボルマーク等、ユーザがより理解し易い形態で警告画像を投影することで、ピンボケとなる状態をより容易にユーザに認識させることができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記撮像レンズ系及び投影レンズ系はそれぞれ焦点距離の可変機構を有し、上記警告投影手段は、上記撮像レンズ系の焦点距離に対応して投影レンズ系の焦点距離を可変して合焦位置を移動させることを特徴とする。
【0021】
このような構成とすれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、多焦点レンズを有する装置でも、その時点で選択している焦点距離に対応して正しく警告のための投影位置を移動させることができる。
【0022】
請求項6記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記撮像レンズ系は焦点距離の可変機構を有し、少なくともマクロ撮影用の焦点距離の可変機構を有することを特徴とする。
【0023】
このような構成とすれば、上記請求項5記載の発明の作用に加えて、特に合焦範囲が大変狭いマクロ撮影に際して有効に活用できる。
【0024】
請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、上記警告投影手段は、上記撮像レンズ系がマクロ撮影用の焦点距離となっている状態では投影を停止することを特徴とする。
【0025】
このような構成とすれば、上記請求項6記載の発明の作用に加えて、マクロ撮影時の合焦範囲は通常撮影時の合焦範囲から外れた合焦できない範囲がほぼ同じであり、マクロ撮影時の合焦範囲から外れる範囲は狭いため、マクロ撮影時には上記投影を停止し、代わって他の警告ランプやモニタ部での報知を行なうものとして、マクロ撮影の合焦位置の注意を促すことも有効となる。
【0026】
請求項8記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、装置本体が保持されている縦横位置を検出する検出手段と、上記投影画像の投影方向を回転する回転手段とをさらに具備し、上記警告投影手段は、上記検出手段の検出結果に対応して上記回転手段により上記投影画像の投影方向を回転させることを特徴とする。
【0027】
このような構成とすれば、上記請求項4記載の発明の作用に加えて、その時点で装置本体が保持されている縦横位置に対応して投影内容が常に正しい向きで提示されるため、ユーザが認識し易い。
【0028】
請求項9記載の発明は、被写体像を撮影するための撮像レンズ系の合焦範囲を外れた範囲で合焦する投影レンズ系を用い、光源の発光を上記被写体方向に投影する警告投影手段を有したことを特徴とする。
【0029】
このような方法とすれば、自動合焦のための制御動作を全く行なわない固定焦点式の撮像装置で、ユーザがその装置固有の合焦範囲を把握しておらずとも、特に至近側のピンボケとなる撮影距離を容易に認識し、失敗なく撮影することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下本発明を固定焦点式のデジタルスチルカメラに適用した場合の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0031】
図1はその回路構成を示すもので、10がデジタルスチルカメラである。このデジタルスチルカメラ10は、基本モードとして撮影モードと再生モードとを切換えて設定可能である。撮影モードでのモニタリング状態においては、モータ(M)11の駆動により絞り位置が移動される固定焦点式のレンズ光学系12の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD13が、タイミング発生器(TG)14、垂直ドライバ15によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1フレーム分出力する。
【0032】
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド(S/H)回路16でサンプルホールドされ、A/D変換器17でデジタルデータに変換されてカラープロセス回路18へ出力される。
【0033】
このカラープロセス回路18は、A/D変換器17から送られてくる画像のデジタルデータに対する画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行ない、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを生成してDMA(Direct Memory Access)コントローラ19に出力する。
【0034】
DMAコントローラ19は、カラープロセス回路18の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、同じくカラープロセス回路18からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ19内部のバッファに書込み、DRAMインタフェース(I/F)20を介してバッファメモリとして使用されるDRAM21にDMA転送出力する。
【0035】
制御部22は、このデジタルスチルカメラ10全体の動作制御を司るべく、CPUと動作プログラムを記憶したROM、ワークメモリとしてのRAM等から構成されるものであり、上記輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインタフェース20を介してDRAM21より読出し、VRAMコントローラ23を介してVRAM24に書込む。
【0036】
デジタルビデオエンコーダ25は、上記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ23を介してVRAM24より定期的に読出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部26に出力する。
【0037】
この表示部26は、例えばバックライト付のカラー液晶表示パネルとその駆動回路とで構成され、デジタルスチルカメラ10本体の背面側に固定的に配設されて、撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ25からのビデオ信号に基づいた表示を行なうことで、その時点でCCD13での撮像によりVRAMコントローラ23から取込んでいる画像情報に基づく画像を表示することとなる。
【0038】
このように表示部26にその時点での画像をモニタ画像としてリアルタイムに表示させている状態で、静止画撮影を行ないたいタイミングでキー入力部27を構成する複数のキー中のシャッタキーを操作すると、トリガ信号を発生する。
【0039】
制御部22は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD13から取込んでいる1フレーム分の輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送の終了後、直ちにCCD13からDRAM21への経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
【0040】
この記録保存の状態では、制御部22がDRAM21に書込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインタフェース20を介してY,Cb,Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読出してJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)回路28に書込み、このJPEG回路28でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
【0041】
そして、得た符号データを1フレームのデータファイルとして該JPEG回路28から読出し、このデジタルスチルカメラ10の記録媒体として着脱自在に装着される、不揮発性メモリであるフラッシュメモリを封入したメモリカード29に書込む。
【0042】
そして、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びメモリカード29への全圧縮データの書込み終了に伴なって、制御部22はCCD13からDRAM21への経路を再び起動する。
【0043】
なお、制御部22にはさらに、警告制御部30及び縦横センサ37が接続される。
警告制御部30は、制御部22の制御の下に、警告投影部31を構成する投影ランプ32を点灯駆動する一方で、モータ(M)33を回転駆動する。
【0044】
警告投影部31は、投影ランプ32とモータ33の他に、リフレクタ34、投影パネル35、及び投影レンズ系36を有する。
【0045】
投影ランプ32は、LED(発光ダイオード)やEL(エレクトロルミネセンス)等で構成するもので、警告制御部30の駆動により光源である投影ランプ32が点灯すると、その発光はリフレクタ34で反射されて投影パネル35を透過し、投影レンズ系36により被写体方向に投射される。
【0046】
投影パネル35は、固定焦点式である上記レンズ光学系12の合焦範囲を外れた、特に至近側に投影する警告画像を透明フィルムに形成したものであり、モータ33の駆動によりその投影内容が90°単位で回転する。
【0047】
投影レンズ系36は、上記レンズ光学系12の合焦範囲を外れた至近側に合焦するべく設定されており、上記投影ランプ32の発光により投影パネル35を透過して得られる警告画像を上記レンズ光学系12の合焦範囲を外れた至近側位置に拡大して結像させる。
【0048】
縦横センサ37は、このデジタルスチルカメラ10のホールド状態、すなわち横位置であるか、縦位置であるか、また縦位置であれば本体のシャッタキー及びグリップが設けられた側が上であるか、下であるかを検出し、その検出結果を上記制御部22へ出力する。
【0049】
また、上記キー入力部27は、上述したシャッタキーの他に、電源キー、基本モードである撮影(REC)モードと再生(PLAY)モードとを切換えるモード切換えキー、ストロボの発光モードを選択設定するストロボモードキー、各種メニュー項目を表示させる「メニュー」キー、画像や各種詳細モードの選択、メニュー選択項目の指定等のために上下左右各方向を指示するための十字キー、この十字キーの中央部に配置され、その時点で選択されている内容を指示設定する「セット」キー、上記表示部26での表示をオン/オフするディスプレイキー等から構成され、それらのキー操作に伴なう信号は直接制御部22へ送出される。
【0050】
さらに、ここでは図示しないが、このデジタルスチルカメラ10には光学ファインダも備えるものとし、ユーザはモニタ表示部である表示部26または光学ファインダにより被写体を視認した上で上記シャッタキーの操作により撮影を実行する。
【0051】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図2は、電源を投入してから撮影を実行するまでの一連の処理の流れを示すものであり、デジタルスチルカメラ10内の動作については制御部22がその制御を司る。
【0052】
処理当初にはキー入力部27の電源キーの操作により電源が投入されるのを待機し(ステップA01)、電源が投入されたと判断した時点で警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32を点灯させる(ステップA02)。
【0053】
これにより、レンズ光学系12の合焦範囲を外れた至近側の特定距離の空間に、上記投影パネル35に形成されている警告画像が拡大して投影される。
【0054】
このデジタルスチルカメラ10のユーザは、モニタ表示部である表示部26か、または光学ファインダを視認して、被写体上に警告画像が投影されているか否か、すなわち該警告映像が見えるか否かを判断する(ステップA03)。
【0055】
図3は、警告画像WIが被写体Sに投影された状態を例示するものである。ここでは、光源である投影ランプ32からの光が投影パネル35を透過することで、投影パネル35に形成されている警告画像WIが投影レンズ系36により被写体S上に投影されている。
【0056】
投影レンズ系36は、上述した如くレンズ光学系12の合焦範囲を外れた至近側で結像するように設定されている。したがって、同図に示すように被写体Sに警告画像WIが投影されている状態では、被写体Sに合焦することができず、撮影で得られる画像はピンボケとなることを示している。
【0057】
そのためこのデジタルスチルカメラ10を保持するユーザは、被写体S上に警告画像WIが視認できると判断した場合にのみ、被写体Sに警告画像WIが投影されなくなるように一旦被写体Sから離れ(ステップA04)、あらためて被写体Sを撮影するべく構図を決定する(ステップA05)。
【0058】
デジタルスチルカメラ10内では、制御部22がキー入力部27のシャッタキーの操作があるのを待機するもので(ステップA06)、シャッタキーが操作されたと判断した時点で、直ちに警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止させ(ステップA07)、それから撮影動作を実行し、得られる画像データをメモリカード29に記録して(ステップA08)、以上で一連の処理を終える。
【0059】
このように、自動合焦のための制御動作を全く行なわない固定焦点式のレンズ光学系12を有するデジタルスチルカメラ10で、ユーザがレンズ光学系12の合焦範囲を正確に把握しておらずとも、被写体Sに警告画像WIが投影されているのが見えるか、見えないかによって、至近側のピンボケとなる撮影距離を容易に認識し、失敗なく撮影することが可能となる。
【0060】
加えて、実際の撮影時には投影ランプ32の点灯を一時的に停止し、被写体Sへの警告画像WIの投影を停止するようにしたため、意図的あるいは間違って合焦範囲を外れた至近側にある被写体Sを撮影した場合であっても、実際の撮影画像中に警告画像WIを写し込んでしまうことはあり得ない。
【0061】
なお、上記実施形態では、電源投入後に警告投影部31の投影ランプ32を点灯駆動するものとして説明したが、特定周期で間欠的に点灯するべく点滅駆動するものとしてもよく、そうすることでよりユーザへの視認性を高めることができると共に、電力消費を抑制して容量が制限されているデジタルスチルカメラ10の電源となる電池を有効に利用できる。
【0062】
(第2の実施形態)
以下本発明を固定焦点式のデジタルスチルカメラに適用した場合の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0063】
なお、その回路構成については、上記図1に示したものと基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を用いるものとして、その図示及び説明は省略する。
【0064】
また、ここではキー入力部27のシャッタキーが2段階のストロークで動作し、一般的に「半押し」と表現されている第1段階の操作状態でAE(自動露光)処理を始めとする撮影の準備を行ない、一般的に「全押し」と表現されている、より強く押圧操作した第2段階の操作状態で撮影を実行するものとする。
【0065】
加えて、上記警告投影部31の投影ランプ32は、例えばR(赤),G(緑),B(青)の3個の発光ダイオードからなっており、標準では例えば3個同時に点灯することで混色して白色光を発するが、警告制御部30の制御に基づいて個々の点灯/消灯と点灯時の輝度調整を行なうことにより任意の色や明るさに可変できるものとする。
【0066】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図4は、電源を投入してから撮影を実行するまでの一連の処理の流れを示すものであり、デジタルスチルカメラ10内の動作については制御部22がその制御を司る。
【0067】
処理当初にはキー入力部27の電源キーの操作により電源が投入されるのを待機し(ステップB01)、電源が投入されたと判断した時点で次にキー入力部27のシャッタキーが半押し操作されるのを待機する(ステップB02)。
【0068】
そして、キー入力部27のシャッタキーが半押し操作されたと判断した時点で、警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32を標準状態の白色光を発するように点灯させ(ステップB03)、合わせてその時点でCCD13により撮像している被写体の中心部の色と明るさとを画像データから検出して(ステップB04)、その検出結果により投影ランプ32での発光の色の明るさを調整する(ステップB05)。
【0069】
これは、例えば被写体の中心位置が明るい白であった場合に、警告投影部31で赤色光を発することにより、赤い警告画像が近距離にある被写体上に投影されるようにするもので、そのような色と明るさの対応は予めテーブル化して制御部22の動作プログラム中に記憶しておくものとする。
【0070】
この状態でデジタルスチルカメラ10のユーザが、モニタ表示部である表示部26か、または光学ファインダを視認して、被写体上に警告画像が投影されているか否か、すなわち該警告映像が見えるか否かを判断する(ステップB06)。
【0071】
被写体上に警告画像が見えると判断した場合にのみ、該ユーザは被写体Sに警告画像WIが投影されなくなるように一旦被写体Sから離れ(ステップB07)、あらためて被写体Sを撮影するべく構図を決定する(ステップB08)。
【0072】
デジタルスチルカメラ10内では、制御部22がキー入力部27のシャッタキーの全押し操作があったか否か(ステップB09)、半押し操作状態が維持されているか否か(ステップB10)を繰返し判断することで、該シャッタキーの半押し状態が維持されたまま、さらに全押し操作されるのを待機する。
【0073】
しかして、上記ステップB07,B08での処理のようにユーザが撮影位置を変更するなどによってシャッタキーの半押し操作状態が解除された場合、上記ステップB10でこれを判断し、警告制御部30による警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止した上で(ステップB11)、再び上記ステップB02からの処理に戻る。
【0074】
そして、上記ステップB09でシャッタキーが全押し操作されたと判断した時点で、直ちに警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止させ(ステップB12)、それから撮影動作を実行し、得られる画像データをメモリカード29に記録して(ステップB13)、以上で一連の処理を終える。
【0075】
このように、警告投影部31で被写体Sに投影する警告画像WIの明るさ及び色の少なくとも一方を、被写体Sの明るさ及び色に対応して可変することにより、常に投影された警告画像WIの有無をデジタルスチルカメラ10のユーザに確実に認識させることができる。
【0076】
(第3の実施形態)
以下本発明を固定焦点式のデジタルスチルカメラに適用した場合の第3の実施形態について図面を参照して説明する。
【0077】
なお、その回路構成については、上記図1に示したものと基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を用いるものとして、その図示及び説明は省略する。
【0078】
また、ここではキー入力部27のシャッタキーが2段階のストロークで動作し、一般的に「半押し」と表現されている第1段階の操作状態でAE(自動露光)処理を始めとする撮影の準備を行ない、一般的に「全押し」と表現されている、より強く押圧操作した第2段階の操作状態で撮影を実行するものとする。
【0079】
加えて、レンズ光学系12は、通常の撮影範囲とは別に、一部のレンズの撮影光軸上の位置の切換えにより、通常の撮影範囲を大きく外れた、ごく至近側の一部範囲でのみ合焦するマクロ撮影を選択可能であるものとする。
【0080】
ここでは、被写体からの距離が6cm〜30cmの範囲がマクロ撮影範囲で、30[cm]〜∞が通常の撮影範囲とする。
【0081】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図5は、電源を投入してから撮影を実行するまでの一連の処理の流れを示すものであり、デジタルスチルカメラ10内の動作については制御部22がその制御を司る。
【0082】
処理当初にはキー入力部27の電源キーの操作により電源が投入されるのを待機し(ステップC01)、電源が投入されたと判断した時点で次にマクロ撮影と通常撮影のいずれか一方を切換え選択した上で(ステップC02)、キー入力部27のシャッタキーが半押し操作されるのを待機する(ステップC03)。
【0083】
そして、キー入力部27のシャッタキーが半押し操作されたと判断した時点で、マクロ撮影が選択されているか否か判断する(ステップC04)。
【0084】
ここで、マクロ撮影が選択されておらず、通常撮影であると判断した場合には、警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32を点灯させ(ステップC05)、その上でデジタルスチルカメラ10のユーザが、モニタ表示部である表示部26か、または光学ファインダを視認して、被写体上に警告画像が投影されているか否か、すなわち該警告映像が見えるか否かを判断する(ステップC06)。
【0085】
被写体上に警告画像が見えると判断した場合にのみ、該ユーザは被写体Sに警告画像WIが投影されなくなるように一旦被写体Sから離れ(ステップC07)、あらためて被写体Sを撮影するべく構図を決定する(ステップC08)。
【0086】
また、上記ステップC04でマクロ撮影が選択されていると判断した場合には、通常の撮影範囲外はマクロ撮影範囲であるとして、警告制御部30による警告投影部31の投影ランプ32の点灯を行なわず(ステップC09)、その上でデジタルスチルカメラ10のユーザにより被写体Sの構図の決定させる(ステップC10)。
【0087】
この際、投影ランプ32の点灯に代えて、他の警告ランプやモニタ部である表示部26での表示を用いた報知を行なうものとして、マクロ撮影の合焦位置の注意を促すものとしてもよい。
【0088】
その後、デジタルスチルカメラ10内では、制御部22がキー入力部27のシャッタキーの全押し操作があったか否か(ステップC11)、半押し操作状態が維持されているか否か(ステップC12)を繰返し判断することで、該シャッタキーの半押し状態が維持されたまま、さらに全押し操作されるのを待機する。
【0089】
しかして、シャッタキーの半押し操作状態が解除された場合、上記ステップC12でこれを判断し、警告制御部30による警告投影部31の投影ランプ32を点灯させている場合には確実にこれを停止した上で(ステップC13)、再び上記ステップC03からの処理に戻る。
【0090】
そして、上記ステップC11でシャッタキーが全押し操作されたと判断した時点で、直ちに警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32を点灯させている場合にはこれを停止させ(ステップC14)、それから撮影動作を実行し、得られる画像データをメモリカード29に記録して(ステップC15)、以上で一連の処理を終える。
【0091】
このように、レンズ光学系12がマクロ撮影用の焦点距離に選択されている状態では、警告制御部30による警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止し、警告画像WIの被写体Sへの投影を行なわないものとした。
【0092】
これは、マクロ撮影時の合焦範囲と通常撮影時の合焦範囲から外れた合焦できない範囲がほぼ同じであり、マクロ撮影時の合焦範囲から外れる範囲は狭いためである。
【0093】
このとき、マクロ撮影時にあえて警告画像WIの投影を停止し、代わって他の警告ランプや表示部26での表示による報知を行なうものとして、マクロ撮影の合焦位置の注意を促すものとしてもよい。
【0094】
また、上記ステップC05で投影ランプ32を点灯させて被写体上に投影される警告画像の内容は、マクロ撮影への切換えを促す内容にしてもよい。
【0095】
(第4の実施形態)
以下本発明を固定焦点式のデジタルスチルカメラに適用した場合の第4の実施形態について図面を参照して説明する。
【0096】
なお、その回路構成については、上記図1に示したものと基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を用いるものとして、その図示及び説明は省略する。
【0097】
また、ここではキー入力部27のシャッタキーが2段階のストロークで動作し、一般的に「半押し」と表現されている第1段階の操作状態でAE(自動露光)処理を始めとする撮影の準備を行ない、一般的に「全押し」と表現されている、より強く押圧操作した第2段階の操作状態で撮影を実行するものとする。
【0098】
加えて、レンズ光学系12は、通常の撮影範囲とは別に、一部のレンズの撮影光軸上の位置の切換えにより、通常の撮影範囲を大きく外れた、ごく至近側の一部範囲でのみ合焦するマクロ撮影を選択可能であるものとする。
【0099】
ここでは、被写体からの距離が6[cm]〜30[cm]の範囲がマクロ撮影範囲で、30[cm]〜∞が通常の撮影範囲とする。
【0100】
これに対応して警告投影部31の投影レンズ系36も、通常の撮影範囲の合焦範囲を外れた至近側に合焦する一方で、切換操作によりマクロ撮影の合焦範囲を外れた至近側に合焦させることが可能であるものとする。
【0101】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図6は、電源を投入してから撮影を実行するまでの一連の処理の流れを示すものであり、デジタルスチルカメラ10内の動作については制御部22がその制御を司る。
【0102】
処理当初にはキー入力部27の電源キーの操作により電源が投入されるのを待機し(ステップD01)、電源が投入されたと判断した時点で次にマクロ撮影と通常撮影のいずれか一方を切換え選択した上で(ステップD02)、キー入力部27のシャッタキーが半押し操作されるのを待機する(ステップD03)。
【0103】
そして、キー入力部27のシャッタキーが半押し操作されたと判断した時点で、マクロ撮影が選択されているか否か判断する(ステップD04)。
【0104】
ここで、マクロ撮影が選択されておらず、通常撮影であると判断した場合には、警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32を点灯させる(ステップD06)。
【0105】
一方、マクロ撮影が選択されていると判断した場合には、警告投影部31の投影レンズ系36を、マクロ撮影の焦点距離に対応する合焦範囲から外れたさらに至近側に合焦させた状態で、投影ランプ32を点灯させる(ステップD05)。
【0106】
このように、その時点で選択している撮影状態に対応して合焦範囲を外れた至近側で警告画像WIが被写体Sに投影されるよう投影ランプ32を点灯させた上で、デジタルスチルカメラ10のユーザが、モニタ表示部である表示部26か、または光学ファインダを視認して、被写体上に警告画像が投影されているか否か、すなわち該警告映像が見えるか否かを判断する(ステップD07)。
【0107】
被写体上に警告画像が見えると判断した場合にのみ、該ユーザは被写体Sに警告画像WIが投影されなくなるように一旦被写体Sから離れ(ステップD08)、あらためて被写体Sを撮影するべく構図を決定する(ステップD09)。
【0108】
その後、デジタルスチルカメラ10内では、制御部22がキー入力部27のシャッタキーの全押し操作があったか否か(ステップD10)、半押し操作状態が維持されているか否か(ステップD11)を繰返し判断することで、該シャッタキーの半押し状態が維持されたまま、さらに全押し操作されるのを待機する。
【0109】
しかして、シャッタキーの半押し操作状態が解除された場合、上記ステップD11でこれを判断し、警告制御部30による警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止した上で(ステップD12)、再び上記ステップD03からの処理に戻る。
【0110】
そして、上記ステップD10でシャッタキーが全押し操作されたと判断した時点で、直ちに警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止させ(ステップD13)、それから撮影動作を実行し、得られる画像データをメモリカード29に記録して(ステップD14)、以上で一連の処理を終える。
【0111】
このように、レンズ光学系12が通常の焦点距離に加えてマクロ撮影用の焦点距離に切換える可変機構を有する場合には、その時点で選択されている焦点距離に対応して警告投影部31の投影レンズ系36の合焦位置も移動させることで、特に合焦範囲が大変狭いマクロ撮影にも対応して警告画像WIを被写体Sへ正確に投影することができる。よって、マクロ撮影においても合焦範囲を外れた場合(つまり被写体に6[cm]より近い場合)にも、ユーザに確実に認識させることができる。
【0112】
また、ステップD06で投影ランプ32を点灯させて被写体上に投影される警告画像の内容は、マクロ撮影への切換を促す内容にしてもよい。
【0113】
(第5の実施形態)
以下本発明を固定焦点式のデジタルスチルカメラに適用した場合の第5の実施形態について図面を参照して説明する。
【0114】
なお、その回路構成については、上記図1に示したものと基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を用いるものとして、その図示及び説明は省略する。
【0115】
また、ここではキー入力部27のシャッタキーが2段階のストロークで動作し、一般的に「半押し」と表現されている第1段階の操作状態でAE(自動露光)処理を始めとする撮影の準備を行ない、一般的に「全押し」と表現されている、より強く押圧操作した第2段階の操作状態で撮影を実行するものとする。
【0116】
加えてレンズ光学系12は、一部のレンズの撮影光軸上の位置の切換えにより、複数の焦点距離、例えばマクロ撮影用と標準用、及び望遠用の計3点を選択可能であるものとする。
【0117】
これに対応して警告投影部31の投影レンズ系36も、レンズ光学系12での切換え動作に連動してそれぞれの焦点距離での合焦範囲を外れた至近側に合焦することが可能であるものとする。
【0118】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図7は、電源を投入してから撮影を実行するまでの一連の処理の流れを示すものであり、デジタルスチルカメラ10内の動作については制御部22がその制御を司る。
【0119】
処理当初にはキー入力部27の電源キーの操作により電源が投入されるのを待機し(ステップE01)、電源が投入されたと判断した時点で次にユーザによりレンズ光学系12をマクロ撮影用を含む複数の焦点距離のうちのいずれかに切換え選択させる(ステップE02)。
【0120】
この選択された内容に合わせて警告投影部31の投影レンズ系36も、その時点で選択されているレンズ光学系12の焦点距離の合焦範囲を外れる至近側で合焦するように切換え選択され(ステップE03)、この状態でキー入力部27のシャッタキーが半押し操作されるのを待機する(ステップE04)。
【0121】
そして、キー入力部27のシャッタキーが半押し操作されたと判断した時点で、警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32を点灯させる(ステップE05)。
【0122】
このように、その時点で選択している焦点距離に対応して合焦範囲を外れた至近側で警告画像WIが被写体Sに投影されるよう投影ランプ32を点灯させた上で、デジタルスチルカメラ10のユーザが、モニタ表示部である表示部26か、または光学ファインダを視認して、被写体上に警告画像が投影されているか否か、すなわち該警告映像が見えるか否かを判断する(ステップE06)。
【0123】
被写体上に警告画像が見えると判断した場合にのみ、該ユーザは被写体Sに警告画像WIが投影されなくなるように一旦被写体Sから離れ(ステップE07)、あらためて被写体Sを撮影するべく構図を決定する(ステップE08)。
【0124】
その後、デジタルスチルカメラ10内では、制御部22がキー入力部27のシャッタキーの全押し操作があったか否か(ステップE09)、半押し操作状態が維持されているか否か(ステップE10)を繰返し判断することで、該シャッタキーの半押し状態が維持されたまま、さらに全押し操作されるのを待機する。
【0125】
しかして、シャッタキーの半押し操作状態が解除された場合、上記ステップE10でこれを判断し、警告制御部30による警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止した上で(ステップE11)、再び上記ステップE04からの処理に戻る。
【0126】
そして、上記ステップE09でシャッタキーが全押し操作されたと判断した時点で、直ちに警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止させ(ステップE12)、それから撮影動作を実行し、得られる画像データをメモリカード29に記録して(ステップE13)、以上で一連の処理を終える。
【0127】
このように、2焦点レンズや多焦点レンズのようにレンズ光学系12が複数の焦点距離の可変機構を有する場合には、その時点で選択されている焦点距離の合焦範囲を外れた至近側の位置に対応して警告投影部31の投影レンズ系36の合焦位置を移動させることで、常に正しく警告画像WIを被写体Sに投影させることができる。よって、レンズ光学系12が複数の焦点距離に切り換えられた場合でも、合焦範囲を外れたことをユーザに確実に認識させることができる。
【0128】
特に、レンズ光学系12が上述した如くマクロ撮影用の焦点距離の可変機構を有している場合には、合焦範囲が大変狭いマクロ撮影に際して警告画像WIの被写体Sへの投影をより有効に活用できる。
【0129】
(第6の実施形態)
以下本発明を固定焦点式のデジタルスチルカメラに適用した場合の第6の実施形態について図面を参照して説明する。
【0130】
なお、その回路構成については、上記図1に示したものと基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を用いるものとして、その図示及び説明は省略する。
【0131】
また、ここではキー入力部27のシャッタキーが2段階のストロークで動作し、一般的に「半押し」と表現されている第1段階の操作状態でAE(自動露光)処理を始めとする撮影の準備を行ない、一般的に「全押し」と表現されている、より強く押圧操作した第2段階の操作状態で撮影を実行するものとする。
【0132】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図8は、電源を投入してから撮影を実行するまでの一連の処理の流れを示すものであり、デジタルスチルカメラ10内の動作については制御部22がその制御を司る。
【0133】
処理当初にはキー入力部27の電源キーの操作により電源が投入されるのを待機し(ステップF01)、電源が投入されたと判断した時点で次に縦横センサ37の検出信号により、その時点でこのデジタルスチルカメラ10がユーザにより縦位置に保持されているか否かを判断する(ステップF02)。
【0134】
ここで、縦横センサ37の検出信号によりデジタルスチルカメラ10が縦に保持されていると判断した場合にのみ、該検出信号の内容によりデジタルスチルカメラ10が右または左に略90°回転して縦位置で保持されているものとし、その回転方向に対応してモータ33により投影パネル35を回転駆動させる(ステップF03)。
【0135】
その後、キー入力部27のシャッタキーが半押し操作されるのを待機する(ステップF04)。キー入力部27のシャッタキーが半押し操作されたと判断した時点で、警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32を点灯させる(ステップF05)。
【0136】
このように、合焦範囲を外れた至近側で警告画像WIが被写体Sに投影されるよう投影ランプ32を点灯させた上で、デジタルスチルカメラ10のユーザが、モニタ表示部である表示部26か、または光学ファインダを視認して、被写体上に警告画像が投影されているか否か、すなわち該警告映像が見えるか否かを判断する(ステップF06)。
【0137】
被写体上に警告画像が見えると判断した場合にのみ、該ユーザは被写体Sに警告画像WIが投影されなくなるように一旦被写体Sから離れ(ステップF07)、あらためて被写体Sを撮影するべく構図を決定する(ステップF08)。
【0138】
その後、デジタルスチルカメラ10内では、制御部22がキー入力部27のシャッタキーの全押し操作があったか否か(ステップF09)、半押し操作状態が維持されているか否か(ステップF10)を繰返し判断することで、該シャッタキーの半押し状態が維持されたまま、さらに全押し操作されるのを待機する。
【0139】
しかして、シャッタキーの半押し操作状態が解除された場合、上記ステップF10でこれを判断し、警告制御部30による警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止した上で(ステップF11)、再び上記ステップF04からの処理に戻る。
【0140】
そして、上記ステップF09でシャッタキーが全押し操作されたと判断した時点で、直ちに警告制御部30により警告投影部31の投影ランプ32の点灯を停止させ(ステップF12)、それから撮影動作を実行し、得られる画像データをメモリカード29に記録して(ステップF13)、以上で一連の処理を終える。
【0141】
このように、その時点でデジタルスチルカメラ10が保持されている縦横位置に対応して投影パネル35をモータ33により回転駆動し、警告画像WIが常に正しい向きでユーザに提示されるようにしたため、例えば上記図3に示した如く警告画像WIが文字や記号等を含む場合であってもユーザがその内容を認識し易くなる。
【0142】
もちろん、上記のように縦横センサ37の検出信号によりデジタルスチルカメラ10が縦位置に保持されているか否かを判断することは、上記第1の実施形態乃至第5の実施形態においても同様に行なうことができることは言うまでもない。
【0143】
なお、上記第6の実施形態では、縦横センサ37の検出信号によりデジタルスチルカメラ10が縦位置に保持されているか否かを判断するようにしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えばキー入力部27のシャッタキーとして横位置で撮影する場合に操作するシャッタキーと、縦位置で撮影する場合に操作するシャッタキーとを別に設け、そのいずれかが半押し操作されたと判断した時点で操作されたシャッタキーに対応して上記投影パネル35をモータ33により回転駆動させるものとしてもよい。
【0144】
また、上記投影パネル35は、透明フィルムに警告画像WIを投影するための光像を形成したものとして説明したが、透過型の液晶表示パネルで構成し、その時点でのデジタルスチルカメラ10の保持方向によって該液晶表示パネルに表示する警告画像WIの内容を可変するものとしてもよく、そうすることでモータ33による回転駆動機構の構成を省くことができる。
【0145】
なお、上記第1乃至第6の実施形態では、例えば図3で示したような投影パネル35に形成された警告画像WIを被写体Sに投影するものとして説明したが、例えば赤色光のような単なる警告を表す光線ではなく、このように具体的に文字や記号、シンボルマーク等を用いて撮像レンズ系の合焦範囲外を意味する警告画像を投影することとした。
【0146】
そのため、その画像を見たユーザは即座に警告の内容からピンボケとなる状態を理解することができ、速やかにそのような状態を回避するべく対処できる。
【0147】
図9は、上記図3で示した警告画像WIに代わる他の警告画像を例示するものであり、図9(A)は「マクロ撮影へ」の移行を文字により表現したもの、図9(B)は一般にマクロ撮影を意味する花のシンボルマークを用いてマクロ撮影への移行を促すものである。
【0148】
これら図9(A),(B)の警告映像は共に、上記第3の実施形態の図5のステップC05や、上記第4の実施形態の図6のステップD06において通常の合焦範囲での撮影を選択している状態から、ピンボケとなる虞が大きいためにマクロ撮影への移行を促す場合に特に有効であるものと考えられる。
【0149】
また、図10は、そのような他の撮影状態への移行を促すのではなく、単にそのままでは適正なピントでの撮影が行なえないことを示すものであり、図10(A)は人物を表すシンボルマークに「×」印を組み合わせたもの、図10(B)はカメラを表すシンボルマークに交通標識の「禁止」を意味する記号を組み合わせたものである。
【0150】
このような警告画像を用いることで、より直感的に認識できるようにデジタルスチルカメラ10のユーザにピンボケとなる状態を警告することができる。
【0151】
なお、上記第1乃至第6の実施形態はいずれも本発明をデジタルスチルカメラに適用した場合について説明したものであるが、本発明はこれに限らず、銀塩フィルムを使用するカメラ、ビデオムービーカメラ、あるいはカメラ機能を有する携帯電話機等にも適用可能であることは言及するまでもない。
【0152】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0153】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0154】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、自動合焦のための制御動作を全く行なわない固定焦点式の撮像装置で、ユーザがその装置固有の合焦範囲を把握しておらずとも、特に至近側のピンボケとなる撮影距離を容易に認識し、失敗なく撮影することが可能となる。
【0155】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、光源の発光を撮影画像中に写し込んでしまうのを確実に防止できる。
【0156】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、被写体の色や明るさに対応して常に投影の有無をユーザに確実に認識させることができる。
【0157】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、撮像レンズ系の合焦範囲外を意味する、例えば文字や記号、シンボルマーク等、ユーザがより理解し易い形態で警告画像を投影することで、ピンボケとなる状態をより容易にユーザに認識させることができる。
【0158】
請求項5記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、多焦点レンズを有する装置でも、その時点で選択している焦点距離に対応して正しく警告のための投影位置を移動させることができる。
【0159】
請求項6記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、特に合焦範囲が大変狭いマクロ撮影に際して有効に活用できる。
【0160】
請求項7記載の発明によれば、上記請求項6記載の発明の効果に加えて、マクロ撮影時の合焦範囲は通常撮影時の合焦範囲から外れた合焦できない範囲がほぼ同じであり、マクロ撮影時の合焦範囲から外れる範囲は狭いため、マクロ撮影時には上記投影を停止し、代わって他の警告ランプやモニタ部での報知を行なうものとして、マクロ撮影の合焦位置の注意を促すことも有効となる。
【0161】
請求項8記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の効果に加えて、その時点で装置本体が保持されている縦横位置に対応して投影内容が常に正しい向きで提示されるため、ユーザが認識し易い。
【0162】
請求項9記載の発明によれば、自動合焦のための制御動作を全く行なわない固定焦点式の撮像装置で、ユーザがその装置固有の合焦範囲を把握しておらずとも、特に至近側のピンボケとなる撮影距離を容易に認識し、失敗なく撮影することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの回路構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態に係る撮影時の処理内容を示すフローチャート。
【図3】同実施形態に係る被写体への近距離警告投影状態を例示する斜視図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る撮影時の処理内容を示すフローチャート。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る撮影時の処理内容を示すフローチャート。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る撮影時の処理内容を示すフローチャート。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る撮影時の処理内容を示すフローチャート。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る撮影時の処理内容を示すフローチャート。
【図9】上記各実施形態に係る他の近距離警告投影画像を例示する図。
【図10】上記各実施形態に係る他の近距離警告投影画像を例示する図。
【符号の説明】
10…デジタルスチルカメラ
11…モータ(M)
12…レンズ光学系
13…CCD
14…タイミング発生器(TG)
15…垂直ドライバ
16…サンプルホールド(S/H)回路
17…A/D変換器
18…カラープロセス回路
19…DMAコントローラ
20…DRAMインタフェース(I/F)
21…DRAM
22…制御部
23…VRAMコントローラ
24…VRAM
25…デジタルビデオエンコーダ
26…表示部
27…キー入力部
28…JPEG回路
29…メモリカード
30…警告制御部
31…警告投影部
32…投影ランプ
33…モータ(M)
34…リフレクタ
35…投影パネル
36…投影レンズ系
37…縦横センサ
S…被写体
WI…警告画像
Claims (9)
- 被写体像を撮影するための撮像レンズ系と、
この撮像レンズ系の合焦範囲を外れた範囲で合焦する投影レンズ系を用いて光源の発光を上記被写体方向に投影する警告投影手段と
を具備したことを特徴とする撮像装置。 - 上記警告投影手段は、上記撮像レンズ系を用いる撮像時に投影を停止することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 上記警告投影手段は、上記撮像レンズ系で撮影する被写体に対応して投影の輝度及び色の少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 上記警告投影手段は、撮像レンズ系の合焦範囲外を意味する警告画像を投影することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 上記撮像レンズ系及び投影レンズ系はそれぞれ焦点距離の可変機構を有し、
上記警告投影手段は、上記撮像レンズ系の焦点距離に対応して投影レンズ系の焦点距離を可変して合焦位置を移動させる
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 上記撮像レンズ系は焦点距離の可変機構を有し、少なくともマクロ撮影用の焦点距離の可変機構を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 上記警告投影手段は、上記撮像レンズ系がマクロ撮影用の焦点距離となっている状態では投影を停止することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
- 装置本体が保持されている縦横位置を検出する検出手段と、
上記投影画像の投影方向を回転する回転手段と
をさらに具備し、
上記警告投影手段は、上記検出手段の検出結果に対応して上記回転手段により上記投影画像の投影方向を回転させる
ことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。 - 被写体像を撮影するための撮像レンズ系の合焦範囲を外れた範囲で合焦する投影レンズ系を用い、光源の発光を上記被写体方向に投影する警告投影手段を有したことを特徴とする撮像方法。
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