JP2004163510A - 吸音性成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】人の可聴領域の波長の音に対する吸音作用が優れた吸音性成形体の提供。
【解決手段】(A)成分のセルロースアセテート繊維の細片、(B)成分のポリウレタンフォームの細片、及び(C)成分のウレタン樹脂系接着剤を混合し、圧縮成型して得られる吸音性成形体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸音性成形体、吸音性積層体及びそれらを用いた自動車用内装材料等に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、車両用や住宅用吸音・遮音材料、あるいは高速道路の遮音壁用吸音材として、主に無機材料としては、グラスウール、ロックウール、アルミ繊維、軽量発泡コンクリート、多孔質セラミック等が使用されており、有機材料としては、発泡ウレタンのような高分子発泡体をイソシアネートのような接着剤で積層したものが主に自動車用天井材として使用され、有機材料からなる繊維状体のものを用いた吸音パネルも実用化されている。
【0003】
しかし、施工性改善、人体への障害の防止、環境保護、資源の効率的利用のための廃棄物処理の容易性や再利用の可能性といった点からは、満足できる吸音材は得られなかった。
【0004】
更には、人の可聴音域の中でも400〜1000ヘルツの音域は、人の発生音域に重なるため、通常の音域よりも聴覚が鋭敏に感じ取り、この音域が含まれる騒音に対しては疲労を感じ易いので、この音域の騒音を効率的に吸音する素材が求められていたが満足するものはなかった。
【0005】
関連する先行技術として、特開平8−87278号公報、同8−87279号公報、同10−77562号公報、同10−110370号公報が知られている。
【0006】
特開平8−87278号公報には、多孔質吸音体から構成された吸音シートで外表面に近いほど吸音層の気孔率が大きくなるような吸音シートが開示されている。この発明によれば、吸音効果は向上するものの、構成が複雑になり、実用性に乏しかった。
【0007】
特開平8−87279号公報には、吸音周波数領域が異なる吸音材を積層することにより、吸音周波数領域を均一化させる技術が開示されている。しかし、この発明では、異なる吸音周波数領域の吸音材を製造し、積層する工程が必要であるため、生産性が低かった。
【0008】
特開平10−77562号公報及び同10−110370号公報には、繊維状体からなる吸音材の技術が開示されている。これらの発明では、2種類以上の繊維で構成され、構成繊維の一部が熱融着している吸音材が開示されている。しかし、このような構造をとるためには、繊維を中心層と表層の2層構造(芯/鞘構造)とする必要があることから、繊維の製造に際して特別な装置が必要であり、一般的ではなかった。
【0009】
上記した4件の発明には、いずれも廃材等を使用することは開示されていない。
【0010】
特開平8−84982号公報には、自動車、建築物からなる廃材を細かく粉砕したものとバインダーを混合し、空気が流通可能な網状物(金網、パンチングメタル等)に挟み、熱風を通過させて加熱成形する廃棄物のリサイクル法が開示され、吸音材等として適用できることが記載されている。しかし、細かな粉砕物を挟む金網やパンチングメタルの網目は非常に小さなものとなり、その結果、吸音性能が劣ることが予想され、具体的な吸音効果についての開示も全くない。
【0011】
特開平7−205169号公報には、自動車、建築物からなる廃材を粉砕し、繊維状のバインダーを混合、水中にて均一分散させた後、脱水加熱を行い、更に加熱加圧成形する成形防音材の製造方法が開示されている。しかし、この方法は製造工程が複雑である点が問題であるほか、得られた成形防音材の具体的な防音効果についての開示も全くない。
【0012】
特開平3−7739号公報には、ポリウレタンの媒材の破砕物にジオールとイソシアネートからなるプレポリマーをバインダーで添加混合した上、加熱加圧成形する技術が開示されているが、吸音効果についての開示もない。
【0013】
本発明の課題は、特に人の可聴周波数帯における吸音性が優れている吸音材料、吸音積層体、それらを用いた自動車用内装材料等を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記課題の解決手段として、(A)有機又は無機繊維状体の細片、及び(B)有機又は無機多孔質体の細片を含む吸音性成形体を提供する。
【0015】
本発明でいう「繊維状体」とは、有機又は無機繊維を含む成形体をいい、この成形体の形状、大きさ等は特に制限されるものではない。
【0016】
本発明でいう「細片」とは、繊維状体に対して、機械的手段等を加えて破砕、切断、解砕又は粉砕したもの、製造加工時に生じる破片のように当初から細片として存在しているもの、細片に成形したもの等が含まれる。細片の形状や大きさは特に制限されるものではないが、最大長さが20mm以下であるものが好ましい。
【0017】
請求項21の発明は、他の解決手段として、上記の吸音性成形体と、発泡体を含む2層以上が積層された吸音性積層体を提供する。
【0018】
上記の吸音性成形体又は吸音性積層体は、自動車用内装材料、建築材料及び吸音性構造体として適用できる。なお、「吸音性構造体」における「構造体」とは、用途に応じた平面又は立体形状を有するものの意味であり、パネル状、筺状等の所望形状のものを含む。
【0019】
本発明でいう「吸音」は、音の大きさを減少させるように作用させる性質であり、音を遮断するだけの遮音作用とは異なる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の吸音性成形体に含まれる(A)成分の有機繊維状体の細片は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然高分子、半合成高分子等からなるものを挙げることができる。
【0021】
熱可塑性合成高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン樹脂、アイオノマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメチルメタアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体等のエチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン共重合体、AS樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン等を挙げることができる。
【0022】
熱硬化性合成高分子としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。天然高分子としては、セルロース、綿、絹、羊毛、麻等を挙げることができる。半合成繊維としては、硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸・プロピオン酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース、エチルセルロース等を挙げることができる。
【0023】
無機繊維状物の細片としては、グラスウール、ロックウール、アルミ繊維、ボロン繊維等からなるものを挙げることができる。
【0024】
(A)成分として熱可塑性合成高分子を用いる場合は、融点が高いものが好ましい。熱可塑性合成高分子は融点が低いものが多く、成形時において、圧縮成形処理等で加熱されたときに変形し、繊維状物の形状がそのまま保たれない恐れがあり、吸音性能に悪影響を及ぼすことがある。
【0025】
(A)成分として熱可塑性合成高分子を用いる場合、ポリエチレンテレフタレート樹脂やナイロン6樹脂程度の耐熱性を備えているものが好ましい。しかし、原料として廃棄物を利用するとの観点からは、より融点の低い熱可塑性高分子化合物(例えば、ポリエチレン樹脂、エチレン系共重合体樹脂)を用いることもでき、その場合には、前記熱可塑性高分子化合物の融点及び(A)成分中の含有量を調整することが望ましい。
【0026】
低融点の熱可塑性高分子化合物を用いる場合、融点が80〜110℃の範囲のものを用い、(A)成分中の含有量は、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
【0027】
(A)成分として低融点の熱可塑性高分子化合物を用いる場合、前記高分子化合物の融点及び含有量に応じて、圧縮成形処理における加熱温度及び加熱時間を調整することが望ましい。なお、(A)成分として低融点の熱可塑性高分子化合物を用い、圧縮成形処理における加熱温度及び加熱時間を調整することにより、前記高分子化合物が溶融して結合剤乃至接着剤としての作用もなすため、(C)成分の結合剤を不要とするか、又は使用量を減少できることができると共に、残部の(A)成分の作用により、吸音性能が損なわれることがない。
【0028】
(A)成分としては、吸音性能を高めるためには剛性が高いことが好ましく、このような観点から、半合成高分子であるセルロースアセテート繊維が好ましい。
【0029】
セルロースアセテート繊維は、セルロースジアセテート繊維とセルローストリアセテート繊維があるが、セルロースジアセテート繊維が好ましい。セルロースジアセテート繊維は、天然繊維に比べると疎水性が高いが、合成繊維に比べると疎水性は低く、適度な吸湿性と疎水性を有している。このため、適度に吸湿した水分自体が吸音性能を高めるように作用するので好ましい。
【0030】
(A)成分としてセルロースアセテート繊維を用いる場合は、アセテートフィラメント(長繊維)、アセテートフィラメントを集束したアセテートトウ、アセテートステープル(短繊維)を含むものが好ましい。これらの繊維には、捲縮はあってもなくても良いが、通気性、保湿性の点からは、捲縮があるアセテートステープルが好ましい。
【0031】
セルロースアセテート繊維としては、ステープル工場等の屑繊維、たばこフィルター工場の屑フィルター等の廃材を用いることができ、フィルターごとに繊維長さが切り揃えられており、セルロースジアセテート繊維を原料としていることから、屑フィルタが好ましい。これらのセルロースアセテート繊維は、吸音性成形体中における分散性を高めるため、カード等でよく解して使用することが好ましい。
【0032】
たばこ用の屑フィルターを用いた場合には、フィルターを形成している紙(たばこフィルターの巻紙)が(A)成分に含まれることになるが、このような紙成分は少なくとも(A)成分の80質量%未満であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、特に好ましくは10〜20質量%、最も好ましくは12〜18質量%である。
【0033】
原料に起因する紙の含有量が大きい場合、紙の除去操作をしたり、別途、紙を含まない(A)成分を添加したりすることもできるが、ごみの減量化及び資源の有効利用の観点からは、余り高い吸音性能が要求されないような用途に適用するため製造原料として、例えば、吸音性よりも断熱性の要求の方が高いような用途の製造原料として適用しても良い。
【0034】
(A)成分は、短繊維、長繊維又はこれらの混合物を含むものにすることができる。
【0035】
(A)成分の細片の大きさ(繊維の場合は繊維長さ)は、分散性を高め、かつ吸音性能を高めるため、最大長さは20mm以下が好ましく、1〜20mmがより好ましく、5〜20mmが更に好ましく、10〜20mmが特に好ましく、10〜15mmが最も好ましい。
【0036】
本発明でいう最大長さは、加熱成形を行った面を既知の画像取り込み装置で撮影し、画像処理装置等で二次元処理した場合における島部(ドメイン)の長径の最大値を示す。
【0037】
(A)成分の繊度は特に制限されないが、好ましくは1.5〜10デニール、より好ましくは2〜8デニール、更に好ましくは2.5〜5デニールの範囲から選択することができ、繊度の異なるものを混合して使用しても良い。
【0038】
(A)成分の断面形状は特に制限されないが、吸音性能の点と、廃棄物としてのたばこフィルターを使用できることから、Y字型が好ましい。
【0039】
(A)成分は、原料に由来する成分が含まれていても良く、例えば、産業廃棄物等として処分される、天然繊維の反毛、落綿、繊維屑等の産業廃棄物を含んでいても良いし、当然合成繊維の繊維屑を含んでいても良い。
【0040】
本発明の吸音性成形体に含まれる(B)成分は、有機又は無機多孔質体である。多孔質体に含まれる空隙は、独立していても良いし、連続していても良い。(B)成分の無機多孔質体としては、木炭を含む活性炭、軽石、発泡コンクリート、焼結粘土等を挙げることができる。有機多孔質体としては、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等の発泡体を挙げることができる。
【0041】
(B)成分の多孔質体発泡体としては、無機発泡体のみからなるよりも、少なくとも有機発泡体、特に高分子発泡体が用いられていることが好ましい。無機発泡体からのみからなると、(A)成分と(B)成分の一体化が困難となり、得られた吸音性成形体の強度が実用的範囲から外れてしまう。
【0042】
(B)成分として、無機発泡体を有機発泡体と混合して使用する場合は、無機発泡体は発泡体全体の20質量%以下にすることが、一体化の点で有利である。
【0043】
高分子発泡体としては、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン等の熱可塑性高分子の発泡体も用いることができるが、熱硬化性樹脂からなる発泡体を用いた方が、吸音性能の点でより好ましい効果が得られる。これは繊維状体の場合ほどではないが、熱可塑性高分子発泡体は、成形時において、圧縮成形処理等で加熱されたときに変形し、空隙比率が減少することがあり、音波領域全域の吸音性能を損ないやすい。
【0044】
特に好適な熱硬化性高分子発泡体としては、発泡ポリウレタン(ウレタンフォーム)が挙げられ、特にポリオールとイソシアネートの反応発泡体である軟質ポリウレタンフォームからなるものが好適である。(A)成分と(B)成分とを強固に一体化させるために接着剤を用いた場合に、接着剤との親和性、濡れ性が、発泡ポリウレタンは優れているほか、吸音性成形体に対して、強度、硬度、耐久性を付与することができるので好ましい。
【0045】
(B)成分の原料となるポリウレタンフォームは、例えば、発泡工程で出る屑、ウレタンフォーミングのトリミング耳、荷物等の緩衝材として使用されたもの、家具等に充填材として使用されたものも用いることができる。家電製品、特に冷蔵庫等の廃棄された製品から回収されたウレタン破砕物、圧縮ウレタンチップも用いることができる。例えば冷蔵庫であれば、手分解で断熱材を選別し、風力でウレタンを選別し、破砕機でこれらを細片状にするが、これらの破砕物も用いることができるし、これらを適度に圧縮してできた圧縮ウレタンチップを用いることもできる。
【0046】
(B)成分の密度は、0.015〜0.03g/cmの範囲が好ましく、0.015〜0.025g/cmの範囲がより好ましく、0.015〜0.02g/cmの範囲が更に好ましい。
【0047】
(B)成分をポリウレタンフォームとする場合は、ポリウレタンフォーム成形体が、切断、破砕、解砕、粉砕等の手段により機械的に細片化されたものを用いることができるほか、細片状に成形したものを用いることもできる。
【0048】
(B)成分の細片の形状は特に制限されるものではないが、最大長さが20mm以下であることが好ましく、5〜20mmであることがより好ましく、10〜15mmであることが更に好ましい。
【0049】
最大長さが20mm以下であると、吸音性成形体中における分散性を高めることができると共に、成形時における復元性が抑制されるので、成形性が向上され、成形体にしたときの吸音性能の偏在が抑制される。下限値を5mm以上にした場合、(A)成分と(B)成分との混合性が良く、吸音性能が偏在することが抑制されるため好ましい。
【0050】
(A)成分と(B)成分の含有割合は、吸音性能を高めるため、(A)成分が好ましくは80〜20質量%、より好ましくは70〜30質量%、更に好ましくは60〜40質量%、特に好ましくは45〜55質量%であり、(B)成分が好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%、更に好ましくは40〜60質量%、特に好ましくは55〜45質量%である。
【0051】
(A)成分の含有割合が80質量%以下で、(B)成分の含有割合が20質量%以上であると、(A)及び(B)成分を均一に混合することができ、結合剤との混合性も良いので、成形性が向上する。また、(A)成分の含有割合が20質量%以上で、(B)成分の含有割合が80質量%以下であると、吸音性能を高めることができるので、吸音材として好適な性能を保持できる。(A)成分と(B)成分の含有量が上記範囲内であると、これらの材料から得られる成形体の吸音性と、強度及び硬度とをバランス良く付与することができる。
【0052】
本発明の吸音性成形体は、(A)成分と(B)成分が一体化されており、一体化を補う材料として、(C)成分の結合剤を併用することができる。結合剤は、粘着性のあるものであれば特に制限されないが、特に接着剤が好ましい。
【0053】
接着剤としては、酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、セルロース系、オレフィン樹脂系、エポキシ樹脂系、ニトリルゴム系、ウレタン樹脂系等の親水性高分子系並びに疎水性高分子系接着剤を挙げることができる。
【0054】
これらの中でも、成形体にしたときに十分な引張強度、曲げ強度及び適度な硬度を得るため、エポキシ樹脂系、ニトリルゴム系、ウレタン樹脂系等の疎水性高分子系接着剤が好ましく、最も好ましいものはウレタン樹脂系接着剤である。
【0055】
ウレタン樹脂系接着剤の合成に用いるポリオールとしては、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等を挙げることができ、ポリエーテルポリオール系のものが好ましい。これらのポリエーテルポリオールは、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、エタノールアミン等のアミン類を出発原料とし、これにエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを開環重合したものが用いられる。ポリオールは、数平均分子量が200〜10,000の範囲のものが好ましい。ウレタン樹脂系接着剤の合成に用いるイソシアネートとしては、芳香族イソシアネート、代表的にはTDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)等を挙げることができる。
【0056】
結合剤(接着剤)の含有割合は、(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対し、10〜30質量部が好ましく、15〜30質量部がより好ましく、20〜25質量部が更に好ましい。10質量部以上の場合、(A)成分と(B)成分との充分な結合強度を維持でき、30質量部以下の場合、優れた吸音性能を維持できる。
【0057】
本発明の吸音性成形体には、必要に応じて助剤として、活性炭のような多孔質粒状体、紙片や不織布片のような天然繊維細片を添加することができる。たばこフィルターに活性炭が含まれているものの場合、そのフィルタ屑をそのまま用いることができる。特に紙片を添加した場合は吸音性能に影響を与えることなく、成形体の体積を増加させることができる。
【0058】
助剤の配合量は、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対し、5〜20質量部が好ましく、7〜18質量部がより好ましく、10〜15質量部が更に好ましい。
【0059】
本発明の吸音性成形体は、(A)成分の繊維状体と(B)成分の多孔質体とを、それぞれ個別に細片化し、混合した後、又は両成分を混合した状態で破砕等の手段により細片化した後、必要に応じて接着剤や他の助剤を混合し、成形して得ることができる。
【0060】
(A)及び(B)成分の細片化に用いる破砕機は、回転式破砕機、反毛式破砕機等を用いることができる。
【0061】
成形は、所望形状の容器に(A)、(B)成分及び必要に応じて(C)成分からなる成形材料を混合して充填する方法、又は所望形状に圧縮成形する方法を適用できる。
【0062】
所望形状の容器は特に制限されるものではなく、木製、プラスチック製、金属製、セラミックス製等のものを用いることができるほか、(A)及び(B)成分を含む上記成形材料から得られたものであっても良い。
【0063】
圧縮成型法を適用する場合の条件は、(A)及び(B)成分の割合、成形体の大きさ、厚み等と接着剤の種類により若干の差異があるが、例えば、30cm×30cm×10cm程度の成形体の場合には、温度80〜110℃、圧力98〜980kPa(1〜10kg/cm)、時間3〜10分で行う。
【0064】
成形体の密度は、0.05〜0.2g/cmの範囲が好ましく、0.08〜0.18g/cmの範囲がより好ましく、0.12〜0.18g/cmの範囲が更に好ましい。密度が前記範囲内にあれば、軽量性と共に、吸音性、強度、硬度を満足させることができる。
【0065】
成形体の形状は、シート状、平板状、立方体状、直方体状、柱状、球状等の用途に応じた所望形状にすることができる。
【0066】
本発明の吸音性成形体の製造法としては、モールド製法、スライス製法等を適用することができるが、モールド製法により得られた成形体の方が、高比重のものの場合、600Hz以上の周波数領域での吸音率が良い。
【0067】
本発明の吸音性成形体が優れた吸音性能、特に人の可聴領域の音において優れた吸音性能を発揮する理由は、次のとおりであると推測される。吸音性成形体を構成する(A)成分及び(B)成分の形状は均一ではないため、粉末に比べると均一分散性が劣り、部分的には一方の成分が若干偏在した状態でランダムに分散されている。このため、人間の可聴範囲の音域に含まれる音波エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換するに際して、(A)成分と(B)成分のランダムな分散状態が、逆に相乗的に相互作用することで、音波エネルギーの吸収能力が高められる結果、吸音性能が高められるものと思われる。
【0068】
本発明の吸音性成形体は、垂直入射吸音測定法(JIS A1405)に従って測定した400ヘルツでの垂直入射吸音率を0.2以上にすることができ、好ましくは0.4以上にすることができる。更に、400〜1000ヘルツでの垂直入射吸音率を0.4以上にすることができ、好ましくは400〜550ヘルツでの垂直入射吸音率を0.4以上にすることができる。
【0069】
本発明の吸音性積層体は、上記した吸音性成形体と、発泡体を含む2層以上が積層されたものである。各層間は、上記した接着剤等で結合されている。
【0070】
積層体に含まれる発泡体は、(B)成分と同様な成分からなるものを用いることができる。吸音性成形体と発泡体の形状、大きさは、用途に応じて決定することができる。発泡体は、それぞれ異なる厚さのもの、異なる密度のものが組み合わされて、2以上が積層されていても良い。
【0071】
吸音性成形体と発泡体の積層順序は、規則性があっても良いし、ランダムであっても良く、それぞれが1層又は2層以上積層されていても良い。例えば、吸音性成形体と発泡体とが交互に積層されていても良いし、中間層が発泡体で、その両側に吸音性成形体が積層されていても良いし、中間層が吸音性成形体で、その両側に発泡体が積層されていても良い。
【0072】
積層体の一方又は両方の面には、支持層及び/又は保護層が積層されていても良い。
【0073】
支持層とは、金属板、プラスチック板、木板、セラミックス板、織布、不織布、厚紙、紙等からなるものであり、例えば自動車の天井面、室内の壁面等に積層体を取り付ける際、それらとの接着面を形成する層である。
【0074】
保護層とは、例えば自動車の天井面、室内の壁面等に積層体を取り付ける際、室内側に面した層であり、支持層と同一の材料から形成することができるが、吸音性能を高める観点からは、織布、不織布等が好ましい。
【0075】
吸音性積層体の例としては、密度0.10g/cm程度のものを吸音面側に設置し、それよりも密度の小さなものを背面側に組み合わせたものを挙げることができる。この場合、2層目の密度が小さなものの方が、吸音性能が優れている。
【0076】
このように異なる密度のものを2層以上積層した場合、例えば、吸音面側に厚み10mm程度の密度0.10g/cmの吸音性成形体を配置し、その背面に、厚み25mmの密度0.15g/cmの吸音性成形体を配置したものと、全体を厚み35mmで密度0.10g/cmのものにしたものと比較すると、積層体の方が強度や剛性が優れているので、より広範囲な用途に適用できるので好ましい。
【0077】
本発明の吸音性成形体又は吸音性積層体は、自動車用内装材料、建築材料、吸音性構造体等に適用できる。
【0078】
自動車の天井材に適用する場合は、吸音性成形体又は吸音性積層体を天井面に配置し、吸音性成形体の表面にホットメルトパウダーやホットメルトフィルムを塗布し、更に不織布、織物等の保護層となる材料を積層した後、加熱成形することにより、所望の深絞り形状(深さ150mm程度)にすることができる。この場合、保護層としては、織布、不織布が好適であり、塩化ビニル等の合成皮革の場合は吸音性能が損なわれる。
【0079】
その他、住宅、事務所、工場、作業所、あるいはコンプレッサー、モーター、空調機の室外熱交換器部の壁面や天井材、間仕切り壁、パーテーション用、室内装飾材料等に適用できる。本発明の吸音性成形体又は吸音性積層体は、遮音ではなく、吸音作用をするものであるため、前記のようなパーテーションのような使用形態であっても、優れた吸音性能を発揮できる。
【0080】
屋外において使用する場合や、工場内又は作業所内等で使用する場合は、硬いものとの接触が多いことが予想されるため、保護層としてパンチングメタルを用いることもできる。パンチングメタルを用いた場合には、全体に占めるパンチ(穴)面積の割合を、好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上にすることで、保護機能と吸音性能の両方を得ることができる。このような場合、更に支持層側にディンプルシートを貼ることにより、500Hz前後の周波数帯での吸音性能が向上され、1.5kHz以上での高周波領域での吸音性能が向上される。
【0081】
吸音性成形体の構成材料として、セルロースアセテート繊維を用いた場合は、セルロースアセテートが吸水しても膨潤しないので、吸湿性が求められる内装用途に適している。例えば、車両や室内の天井材として適用した場合には、使用時に変形したりせず、空気中の水分を吸収保持できるので、吸湿材として結露防止機能や調湿機能等を発揮できるほか、吸湿自体により、即ち水分を保持することにより、更に吸音性能を高めることができる。
【0082】
本発明の吸音性成形体は、製造原料として有害成分を含むものでなければ、多少の不純物を含んでいても良いため、廃棄物を製造原料とすることができる。更に、本発明の吸音性成形体は、使用後であっても廃棄することなく、洗浄、破砕機等による細片化の後、必要に応じて接着剤を添加して再成形することで、再利用することができる。このため、本発明の吸音性成形体は、ごみの減量化及び資源の再利用の両面から優れている。
【0083】
更に本発明の吸音性成形体及び吸音性積層体は、吸音作用と共に断熱作用を発揮することができるので、各種用途における断熱材としても適用できる。
【0084】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例及び比較例における測定方法は下記のとおりである。
(1)吸音性能
実施例及び比較例で得られた成形体を、JIS A1405:1998音響−インピーダンス管による吸音率及びインピーダンスの測定−定在波比法に従って測定した。
【0085】
サンプルの大きさは、JIS A1405の6.1.2参考の記述に従い、低周波側(作動周波数100〜800Hz)については、直径100mmの円形に切り取った厚み35mmのものを用い、高周波側(作動周波数800〜5000Hz以上)については、直径29mmの円形に切り取った厚み35mmのものを用いた。サンプルの切り出しは、吸音性成形体を成形する場合の加圧方向が音波の入射方向になるように行った。
【0086】
吸音率は、JIS A1405:1998の3.1垂直入射吸音率に定められたαであり、JISのαの算出方法に従って求めた。測定環境は、23℃、60%RHで行った。測定は3回行い、これらの平均を取った。結果を表1に示す。
(2)通気性
実施例及び比較例で得られた成形体を厚み3mm、直径100mmの円盤状に切り取ったものを、図1に示すような上下の透明プラスチック管で挟み込んだものを測定装置とした。この測定装置の下部透明プラスチック管に設けた穴から火の付いたタバコを入れ、上部透明プラスチック管から煙が出るまでの時間(秒)を測定した。なお、成形体の周囲と上下のプラスチック管との接続部分を含む側面は、透明な防水性粘着テープを巻き付けて、煙が漏れないようにした。結果を表1に示す。
【0087】
実施例1
(A)成分として、繊度3デニールの捲縮を有するジアセテートトウのプレーンたばこ用フィルター(活性炭を含まないたばこ用フィルター)の破砕屑を用いた。このフィルターは紙(フィルターの巻紙)が一本当たり0.09グラム、ジアセテートトウが0.55グラムであった。巻紙の重量割合は14質量%である。
【0088】
(A)成分50質量%と、(B)成分としてグリセリンのプロピレンオキサイド付加体(分子量3,500)とTDI(トリレンジイソシアネート)から製造した軟質ポリウレタンフォーム成形体(5cm×10cm×20cm;密度0.020g/cm)50質量%とを混合した後、刃渡り600mmの回転式破砕機(浅井製作所製)を用い、最大長さが20mm以下になるように破砕して細片にした。
【0089】
前記混合物1480gに対し、グリセリンのプロピレンオキサイド付加体(分子量3,500)と、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)から製造した湿気硬化型ポリウレタン系接着剤(商品名リボンデックス,トーケン樹脂化学(株)製)220gを加えて均一に混合し、吸音性材料を得た。
【0090】
この吸音性材料を成形容積30cm×30cm×3.5cmの圧縮成型機に投入し、水蒸気を加えて、温度105℃、圧力392kPa(4kg/cm)の条件下、2分間かけて成形し、密度0.10g/cm、厚み35mmの本発明の吸音性成形体を得た。この成形体について吸音率と通気性を測定した。
【0091】
実施例2
(A)成分である繊度3デニールの捲縮を有するたばこ用セルロースジアセテートトウの屑であるジアセテートステープル70質量%と、(B)成分であるグリセリンのプロピレンオキサイド付加体(分子量3,500)とTDI(トリレンジイソシアネート)から製造した軟質ポリウレタンフォーム成形体(5cm×10cm×20cm;密度0.020g/cm)30質量%とを混合した後、刃渡り600mmの回転式破砕機(浅井製作所製)を用い、最大長さが20mm以下になるように破砕して細片にした。
【0092】
前記混合物1480gに対し、グリセリンのプロピレンオキサイド付加体(分子量3,500)と、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)から製造した湿気硬化型ポリウレタン系接着剤(商品名リボンデックス,トーケン樹脂化学(株)製)220gを加えて均一に混合し、吸音性材料を得た。
【0093】
次に、前記吸音性材料を、成形容積30cm×30cm×10cmの圧縮成型機に投入し、水蒸気を加えて、温度105℃、圧力490kPa(5kg/cm)の条件下、2分間かけて成形し、密度0.20g/cmの本発明の吸音性成形体を得た。この成形体について吸音率と通気性を測定した。
【0094】
実施例3
実施例1と同じ(A)成分50質量%と(B)成分50質量%とを、別々に回転式破砕機で破砕して、最大長さの平均が7mmの細片にした後、混合した。
【0095】
前記混合物100質量部に対し、最大長さが7mmになるように粉砕した紙片5質量部を加え、均一に混合し、更にこの混合物1215gに実施例1と同じ湿気硬化型ポリウレタン系接着剤135gを加えて、吸音性材料を得た。
【0096】
この吸音用材料を用い、実施例1と同じ条件で成形して、本発明の吸音性成形体(密度0.15g/cm)を得た。この成形体について吸音率と通気性を測定した。
【0097】
実施例4
実施例1と同じ(A)成分50質量%と(B)成分50質量%の混合物100質量部に対し、硬化剤を配合したエポキシ系接着剤(商品名エピコート,シェル社製)30質量部を添加し、均一に混合して、吸音性材料を得た後、実施例2と同様にして成形し、密度0.20g/cmの本発明の吸音性成形体を得た。この成形体について吸音率と通気性を測定した。
【0098】
実施例5
実施例1で得られた吸音性成形体を厚さ15mmに切り出した、これらを直径100mm、直径29mmに切り出し、吸音性試験を行った。この成形体について吸音率と通気性を測定した。
【0099】
実施例6
実施例1と同じジアセテートステープル50質量%と、密度0.02g/cmのポリスチレンフォーム成形体(5cm×10cm×20cm)50質量%を用いた他は実施例1と同様にして、本発明の吸音性成形体を得た。成形体の密度は0.10g/cmであった。この成形体について吸音率と通気性を測定した。
【0100】
実施例7
実施例1の吸音性成形体密度(0.10g/cm)を10mmの厚みに切り出したものと、実施例2の吸音性成形体(密度0.20g/cm)を25mmの厚みに切り出したものを用い、これらを接着剤により一体化して、吸音性積層体(総厚み35mm)を得た。この吸音性積層体について、密度0.10g/cmの層を吸音面として吸音率を測定した。この積層体について吸音率を測定した。この成形体について吸音率と通気性を測定した。
【0101】
実施例8
実施例1の吸音性成形体(0.10g/cm)を10mmの厚みに切り出したものと、実施例3の吸音性成形体(密度0.15g/cm)を25mmの厚みに切り出したものを用い、これらを接着剤により一体化した。吸音性積層体(総厚み35mm)を得た。この吸音性積層体について、密度0.10g/cmの層を吸音面として吸音率を測定した。この積層体について吸音率を測定した。
【0102】
比較例1
実施例1と同じ(A)成分のみを用い、実施例1と同様にして最大長さが約12mmになるように破砕した。この破砕物と実施例1と同じ湿気硬化型ポリウレタン系接着剤製を用い、実施例2と同様にして成形体を得た。成形体の密度は0.10g/cmであった。この成形体について吸音率と通気性を測定した。
【0103】
比較例2
実施例2のジアセテートステープルを用い、トリアセチンを用いて加圧することにより、密度0.1g/cm、厚み10mmに固めた成形体を得た。この成形体と、支持層として用いたポリスチレン発泡体(密度0.02g/cm、厚み25mm)とを接着剤により積層一体化した。この積層体について吸音率を測定した。
【0104】
【表1】
Figure 2004163510
【0105】
実施例1〜8の吸音性成形体及び吸音性積層体は、400〜1000Hzにおける吸音性能が優れていた。更に実施例1〜6の吸音性成形体は、比較例1、2と同じか又は大きな密度であるにも拘わらず、通気性が非常に良かった。
【0106】
【発明の効果】
本発明の吸音性成形体及び吸音性積層体は、特に人の可聴音域の中でも400〜1000Hzの領域における吸音性能が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】通気性の測定装置の説明図。

Claims (26)

  1. (A)有機又は無機繊維状体の細片、及び(B)有機又は無機多孔質体の細片を含む吸音性成形体。
  2. (A)有機又は無機繊維状体の細片、(B)有機又は無機多孔質体の細片、及び(C)結合剤を含む吸音性成形体。
  3. (A)成分の有機繊維状体が熱可塑性ではない高分子繊維を含むものである請求項1又は2記載の吸音性成形体。
  4. (A)成分の有機繊維状体がセルロースアセテート繊維を含むものである請求項1又は2記載の吸音性成形体。
  5. (A)成分が短繊維及び/又は長繊維を含むもので、細片が、最大長さ20mm以下のものである請求項1〜4のいずれか1記載の吸音性成形体。
  6. (A)成分の有機繊維状体がセルロースアセテート繊維を含むものであり、セルロースアセテート繊維が、たばこ用フィルターに由来するものである請求項1〜5のいずれか1記載の吸音性成形体。
  7. (A)成分が紙を含むものである請求項1〜6のいずれか1記載の吸音性成形体。
  8. 紙がたばこ用フィルターに由来するものである請求項7記載の吸音性成形体。
  9. (B)成分の多孔質体が高分子発泡体を含むものである請求項1〜8のいずれか1記載の吸音性成形体。
  10. (B)成分の多孔質体がポリウレタンフォームを含むものである請求項1〜9のいずれか1記載の吸音性成形体。
  11. (B)成分の多孔質体の細片が、最大長さが20mm以下のものである請求項1〜10のいずれか1記載の吸音性成形体。
  12. (B)成分の多孔質体の細片が、ウレタンフォーミングのトリミング耳又は廃棄断熱材の再生品からなる請求項1〜11のいずれか1記載の吸音性成形体。
  13. (A)成分の含有量が80〜20質量%で、(B)成分の含有量が20〜80質量%である請求項1〜12のいずれか1記載の吸音性成形体。
  14. (A)成分中、紙の含有量が80質量%未満である請求項13記載の吸音性成形体。
  15. (C)成分の結合剤の含有量が、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して、10〜30質量部である請求項1〜14のいずれか1記載の吸音性成形体。
  16. 密度が0.05〜0.2g/cmである請求項1〜15のいずれか1記載の吸音性成形体。
  17. 垂直入射吸音測定法(JIS A1405)に従って測定した630ヘルツでの垂直入射吸音率が0.2以上である請求項1〜16のいずれか1記載の吸音性成形体。
  18. 垂直入射吸音測定法(JIS A1405)に従って測定した630ヘルツでの垂直入射吸音率が0.4以上である請求項1〜16のいずれか1記載の吸音性成形体。
  19. 垂直入射吸音測定法(JIS A1405)に従って測定した400〜1000ヘルツでの垂直入射吸音率が0.4以上である請求項1〜16のいずれか1記載の吸音性成形体。
  20. 垂直入射吸音測定法(JIS A1405)に従って測定した550〜800ヘルツでの垂直入射吸音率が0.4以上である請求項1〜16のいずれか1記載の吸音性成形体。
  21. 請求項1〜20のいずれか1記載の吸音性成形体と、発泡体を含む2層以上が積層された吸音性積層体。
  22. 吸音性成形体と発泡体を含む2層以上の積層体の一方又は両方の面に、支持層及び/又は保護層を有している請求項21記載の吸音性積層体。
  23. 中間層が発泡体層で、その両側に吸音性成形体層を有している請求項22記載の吸音性積層体。
  24. 請求項1〜20のいずれか1記載の吸音性成形体又は請求項21〜23のいずれか1記載の吸音性積層体を用いた自動車用内装材料。
  25. 請求項1〜20のいずれか1記載の吸音性成形体又は請求項21〜23のいずれか1記載の吸音性積層体を用いた建築材料。
  26. 請求項1〜20のいずれか1記載の吸音性成形体又は請求項21〜23のいずれか1記載の吸音性積層体を用いた吸音性構造体。
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