JP2004162157A - 洗浄液再生装置を備えた洗浄システム - Google Patents
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Abstract
【課題】塗装に最適な異物除去を可能にするのと相俟って洗浄液の浄化して再利用を計ることができる洗浄システムを得る。
【解決手段】洗浄液Dを、洗浄槽1、抜き取口2、洗浄液再生装置5、および、洗浄機4のそれぞれを通るようにしたループ内に対抗流6をもって循環させ、洗浄槽1内を通過するとき、被洗浄物Aを該対抗流6に抗して移動させながら超音波洗浄を施し、引続いて超音波すすぎ洗いを行なうとともに、抜き取口2、洗浄液再生装置5、および、洗浄機4の入口までの浄化、再生系統を通過するとき、汚濁した洗浄液を洗浄液再生装置5により、多段階に、しかも連続的に浄化、処理を行なわせて清澄な洗浄液を再生できる手段を備えることによって解決を計った。
【選択図】 図1
【解決手段】洗浄液Dを、洗浄槽1、抜き取口2、洗浄液再生装置5、および、洗浄機4のそれぞれを通るようにしたループ内に対抗流6をもって循環させ、洗浄槽1内を通過するとき、被洗浄物Aを該対抗流6に抗して移動させながら超音波洗浄を施し、引続いて超音波すすぎ洗いを行なうとともに、抜き取口2、洗浄液再生装置5、および、洗浄機4の入口までの浄化、再生系統を通過するとき、汚濁した洗浄液を洗浄液再生装置5により、多段階に、しかも連続的に浄化、処理を行なわせて清澄な洗浄液を再生できる手段を備えることによって解決を計った。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造ラインにおける塗装工程の前段階で施される自動車ボディ等の被洗浄物表面に付着している鉄粉、砂塵、繊維、ほこり、ごみ、油脂等の異物を取り除く被洗浄物の洗浄システムに関するものである。この被洗浄物の表面前処理は、塗装後の被洗浄物表面に凹凸ができて品質低下、不良品の発生を防ぐために、塗装工程の前段階で被洗浄物表面に付着している前記異物を充分取り除いたのち塗装を施す必要不可欠な重要工程である。
【0002】
【従来の技術】
従来、塗装工程の前処理の一つとして、自動車ボディ等の被洗浄物を洗浄槽に浸漬けしてその表面に付着している異物を取り除くことが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、異物によって汚濁した洗浄槽内の洗浄液は、公害防止、製造コストの観点から実用化されている各種液体濾過装置(例えば、特許文献2参照)によりきれいに浄化され放流、ないしは再利用が計られている。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録公報第2601174号公報(第3頁、第1図)
【特許文献1】
特開平5−293315号公報(第4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記洗浄システムは、静止した洗浄液の中で被洗浄物を洗浄するものであるのみならず、洗浄液を浄化、再利用するものではないから、実用上、汚濁した洗浄液を廃棄しなければならず、また、周知の液体濾過装置を使用する場合でも濾過装置は、順次、汚濁してくる洗浄液の影響をまともに受けて濾過器エレメントの目詰まりを起こし頻繁に交換、または逆洗しなければならず、洗浄システムの運転を停止してメンテナンスを行なったり、ランニングコストが嵩ばったり、さらには、前記産業廃液問題、使用済み濾過エレメントの産業廃棄物問題を招来していた。
【0005】
この発明は、以上述べたような従来の諸問題のうち、ことに洗浄液の浄化、再利用を有効に達成できるようにし、また、濾過器エレメントの目詰まりを少なくし、交換頻度を下げ、交換時に迫られる運転の中断を解消し、連続的に洗浄液に取り込まれた異物等を浄化、洗浄液の再生をも行なう効率良い、低コストで運転でき、塗装のためめの確実な前処理ができる洗浄液再生装置を備えた洗浄システムを得るために創案されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題、目的を達成するために、この発明に係る洗浄液再生装置を備えた洗浄システムは、予洗領域、本洗領域、すすぎ領域の三つの領域をもつ洗浄槽と、該洗浄槽の底部に設けた洗浄液を排出する抜取り口と、該本洗領域に設けた圧縮空気噴射装置と、該すすぎ領域に設けた洗浄機と、および、前記抜取り口と洗浄機との間に配設した洗浄液再生装置とから成り、洗浄槽に満たした該洗浄液に対向流を付与して流動させるとともに、洗浄液を抜取り口から洗浄液再生装置を経由して洗浄機から洗浄槽へ循環させるようにし、洗浄液中に浸漬けした被洗浄物を高い相対速度のもとに該対向流と接触させ、かつ該洗浄液を連続的に清澄な洗浄液に浄化しながら被洗浄物表面に付着している異物を除去するようにした洗浄システムを提供することにより解決を計ろうとするものである。
【0007】
またこの発明には、前記洗浄液再生装置を、サイクロンもしくはサイクロンと組合わされるフィルター等の多段濾過要素から構成し、浄化処理機能を連続的に長時間維持するようにした態様が含まれる。
【0008】
さらにまたこの発明には、洗浄槽内に満たした洗浄液に対し該抜取り口から洗浄液再生装置を経由して洗浄機から洗浄槽へ循環するようにした洗浄液の流れ、および、圧縮空気噴射装置の噴射流により被洗浄物の進行方向と逆向きの対向流を付与するようにした態様も含まれる。
【0009】
またさらにこの発明には、前記洗浄機の直前にラインミキサーを付設して洗浄液中に多量の気泡を混合し、被洗浄物の超音波すすぎ洗い、ならびに洗浄効果を高めるようにした態様も含んでいる。
【0010】
他方、上述の課題、目的を達成するために、この発明には、洗浄機の入口直前に、該洗浄機の入口に接続される出口管と、洗浄液処理装置から洗浄液を受け入れる入口管と、多孔隔壁で劃成される混合室、該混合室に空気を導入する空気管、および該混合室に封入した金属切粉とからなり、洗浄液が混合室を通過する過程で前記洗浄液中に多量の気泡を混合させるラインミキサーを提供することにより洗浄効果を高めるようにしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。この発明に係る洗浄液再生装置を備えた洗浄システムは、洗浄槽1と、該洗浄槽の底部に設けた汚濁した洗浄液を排出する抜き取口2と、該本洗領域に設けた圧縮空気噴射装置3と、該すすぎ領域に設けた洗浄機4と、および、前記抜き取口と洗浄機との間に配設した洗浄液再生装置5とから成る。洗浄槽1は、被洗浄物Aの表面に付着している異物Bを除去しやすくするための予洗領域11、前記異物を超音波洗浄する本洗領域12、異物除去後の被洗浄物表面に洗浄液を高圧噴射するすすぎ領域13の三つの領域により構成されている。洗浄槽1内に満たされる洗浄液Dは圧縮空気噴射装置3から噴射される圧縮空気噴流、洗浄機4から噴射される高圧洗浄液流、洗浄槽の底部に設けた抜き取口から汚濁した洗浄液を排出する際に生ずる吸引流により、常時、被洗浄物を移送させるコンベアの進行方向7とは逆向きの対抗流6となって流動するようにしている。
【0012】
本洗領域12にはその両側に圧縮空気噴射装置3が設けられている。この圧縮空気噴射装置は圧縮機Cから送られてくる圧縮空気を洗浄液を介して被洗浄物表面に対して略45°方向の角度で噴射させ、被洗浄物表面に付着している異物を超音波洗浄により除去する。すすぎ領域13には、洗浄機4が設けられ、この洗浄機のヘッダー41を介して洗浄液を被洗浄物表面に高圧噴射し、洗浄後の被洗浄物表面をすすぎ洗いする。このすすぎ効果を高めるためには、ヘッダー41の直前にラインミキサー8を付設することが好ましい。ラインミキサーは洗浄液に多量の空気を混合させ、超音波すすぎ洗いを施すものであり、被洗浄物の洗浄、すすぎ洗い効果を格段に高める。混合した気泡は、被洗浄物に到達する前に消滅しないようラインミキサーと高圧噴射手段との距離を極力短かく設定しなければならない。
【0013】
洗浄液再生装置5は、洗浄槽の抜き取口2と洗浄機4との間に配設され、洗浄液Dを循環させるループを形成する。洗浄機から洗浄槽に入った洗浄液は、対向流6をもって洗浄液再生装置2に向かって流れ、導管57を経て当該洗浄液再生装置に入り、ループ内を循環する。洗浄液はその循環中、浸漬けした被洗浄物Aの表面に付着している異物Bを予洗、洗浄を行い、引き続いて洗浄機によりすすぎ洗いを行った後、洗浄液再生装置内に導かれ、ここで清澄な洗浄液に浄化される。すなわち、異物除去と洗浄液浄化が連続的に継続、維持される。
【0014】
前記洗浄液再生装置5は、サイクロンを用いたプレフィルター51、内部が堰58、59によって区切られたタンク52、フィルターもしくはサイクロンと組合わされるフィルター等の濾過機53の分離要素から構成され、前記各機器、洗浄機および洗浄槽はそれぞれ導管、開閉弁、洗浄ポンプ54,濾過ポンプ55、珪藻土ポンプ56等によって接続され、異物Bを含んだ汚濁洗浄液を連続的、かつ多段階に浄化され、清澄な洗浄液を得ている。
【0015】
プレフィルター51は、図3に示すようにサイクロンを利用したものである。異物Bを含んだ汚濁した洗浄液がプレフィルター入口Eからサイクロン内に入ると、渦巻流となって異物を遠心力で放射方向に分離しながら排出管Gの排出管入口Hからプレフィルター出口Fに向け、通り抜ける。分離された異物は、サイクロン周壁に沿って下降しブロー管Iから外部に排出される。異物はここで大部分が分離、除去されるので第二段目の分離工程である濾過機53の濾過分離負荷を極度に軽減させる効果を生む。
【0016】
濾過機53は、濾過精度の要求により簡易交換できるカートリッジ型、高精度な設置型、逆洗型等様々なものが選択される。この実施例における濾過機を図4に示す。これは、ミクロンオーダーの濾過精度に対応したもので、周知の濾過機、すなわち、コイルスプリングJの濾過要素と図示しない珪藻土要素を組み合わせたものを用いている。前述の洗浄液再生装置5の運転開始に先駆けて珪藻土ポンプ56を駆動して珪藻土をコイルスプリング表面に付着させ、微細な異物をその珪藻土に捕捉させようとするものである。55は濾過ポンプ、Kは濾過機入口、Lは濾過機出口、Mはブロー管、59は攪拌機である。運転中に目詰まりが起こると、前記コイルスプリングを機械的に若干開いて異物を珪藻土と共に系外に排出させる。この種の周知の濾過機を単段で用いると早期に目詰まりを起こすが、本発明では、前述のようにプレフィルターと組み合わせて多段階に処理させるようにしているので、99%前後をプレフィルターで除去してしまう結果、目詰まりを起こす迄の時間は、従来のものの百分の一前後に軽減される効果が出ている。
【0017】
前記洗浄液再生装置5の運転は、洗浄ポンプ54を駆動して新しい洗浄液D、もしくは浄化処理済みの洗浄液をラインミキサー8、洗浄機4を通じて洗浄槽内1に満たすことから始まる。そののち洗浄液Dは、前述したように被洗浄物を移送させるコンベアの進行方向7とは逆向きの対抗流6となって流動しながら洗浄液再生装置5を含み循環し始める。コンベアにより、被洗浄物はまず予洗領域11に入り異物を除去しやすくするための予洗が施される。次いで、本洗領域12に入り前記異物を超音波洗浄し、最後にすすぎ領域13に進んで被洗浄物表面のすすぎ洗いを完了させる。異物除去後の汚れた洗浄液は、導管57を経てプレフィルター51に送られ、そこで洗浄液中の異物の大部分が第一段目分離として遠心分離され、タンク52に収容される。この洗浄液には微細な汚れが残っているため、濾過ポンプ55を駆動してタンク52から濾過機53へ送給され、そこで第二段目分離として精度の高い濾過が行われる。濾過機で清澄に浄化され洗浄液は洗浄ポンプ54により導管、開閉弁を通って再び洗浄機4に送られ、浄化された洗浄液として再利用される。
【0018】
次にラインミキサー8の構成を図5により説明する。ラインミキサーは洗浄機の入口に接続される出口管81、洗浄液再生装置から洗浄液を受け入れる入口管82、ならびに混合室に空気を導入する空気管83を備えており、その内部には、多孔隔壁85で劃成される混合室84が設けられている。該混合室内にはステンレス切粉、セラミック粒、活性炭のようなポーラス材86が封入され、ここに導かれた洗浄液がポーラス材と激しく衝突して乱流となり、そこに入ってくる空気と攪拌されながらこの混合室を通過する過程で瞬時に大量の気泡が混合される。この気泡を含んだ洗浄液は、洗浄後の被洗浄物表面を超音波すすぎ洗いし、高いすすぎ効果を得る。
【0019】
【発明の効果】
この発明は、次のような効果を奏し従来の問題点をことごとく解消することができる。
イ.洗浄液中に浸漬けした被洗浄物を高い相対速度のもとに対抗流と接触させながら洗浄を行うようにし、また汚濁した該洗浄液を洗浄液再生装置に送給、循環させて清澄な洗浄液に浄化するようにしたので、連続的、かつ塗装に最適な異物除去ができるのと相俟って洗浄液の浄化、再利用の要求を満足させることができる。
ロ.また、異物の除去ならびにすすぎを、洗浄液中に圧縮空気を併用して超音波洗浄を行うようにしたので高い洗浄、すすぎ効果を得ることができる。
ハ.さらにまた、汚濁した該洗浄液を多段階に浄化、処理するようにしたので濾過能力を大きく設定することができ、運転停止時間、濾過エレメントの目詰まりを少なくし、交換頻度を下げ、ランニングコストの低下をもたらし、さらには、交換に際して使用済み濾過器エレメントの産業廃棄物問題を極小とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】洗浄システムの概略側面図。
【図2】図1の洗浄槽の概略平面図。
【図3】(a)はプレフィルターの縦断面図、(b)は(a)のX−X線に
沿う端面図。
【図4】(a)は濾過器の縦断面図、(b)は(a)のY−Y線に沿う概略
端面図。
【図5】ラインミキサー概略断面図。
【符号の説明】
1…洗浄槽
2…抜き取口
3…圧縮空気噴射装置
4…洗浄機
5…洗浄液再生装置
51…プレフィルター
52…タンク
53…濾過機
6…対向流
7…コンベアの進行方向
8…ラインミキサー
A…被洗浄物
B…異物
C…圧縮機
D…洗浄液
E…プレフィルター入口
F…プレフィルター出口
G…排出管
H…排出管入口
I…ブロー管
J…コイルスプリング
K…濾過機入口
L…濾過機出口
M…ブロー管
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造ラインにおける塗装工程の前段階で施される自動車ボディ等の被洗浄物表面に付着している鉄粉、砂塵、繊維、ほこり、ごみ、油脂等の異物を取り除く被洗浄物の洗浄システムに関するものである。この被洗浄物の表面前処理は、塗装後の被洗浄物表面に凹凸ができて品質低下、不良品の発生を防ぐために、塗装工程の前段階で被洗浄物表面に付着している前記異物を充分取り除いたのち塗装を施す必要不可欠な重要工程である。
【0002】
【従来の技術】
従来、塗装工程の前処理の一つとして、自動車ボディ等の被洗浄物を洗浄槽に浸漬けしてその表面に付着している異物を取り除くことが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、異物によって汚濁した洗浄槽内の洗浄液は、公害防止、製造コストの観点から実用化されている各種液体濾過装置(例えば、特許文献2参照)によりきれいに浄化され放流、ないしは再利用が計られている。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録公報第2601174号公報(第3頁、第1図)
【特許文献1】
特開平5−293315号公報(第4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記洗浄システムは、静止した洗浄液の中で被洗浄物を洗浄するものであるのみならず、洗浄液を浄化、再利用するものではないから、実用上、汚濁した洗浄液を廃棄しなければならず、また、周知の液体濾過装置を使用する場合でも濾過装置は、順次、汚濁してくる洗浄液の影響をまともに受けて濾過器エレメントの目詰まりを起こし頻繁に交換、または逆洗しなければならず、洗浄システムの運転を停止してメンテナンスを行なったり、ランニングコストが嵩ばったり、さらには、前記産業廃液問題、使用済み濾過エレメントの産業廃棄物問題を招来していた。
【0005】
この発明は、以上述べたような従来の諸問題のうち、ことに洗浄液の浄化、再利用を有効に達成できるようにし、また、濾過器エレメントの目詰まりを少なくし、交換頻度を下げ、交換時に迫られる運転の中断を解消し、連続的に洗浄液に取り込まれた異物等を浄化、洗浄液の再生をも行なう効率良い、低コストで運転でき、塗装のためめの確実な前処理ができる洗浄液再生装置を備えた洗浄システムを得るために創案されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題、目的を達成するために、この発明に係る洗浄液再生装置を備えた洗浄システムは、予洗領域、本洗領域、すすぎ領域の三つの領域をもつ洗浄槽と、該洗浄槽の底部に設けた洗浄液を排出する抜取り口と、該本洗領域に設けた圧縮空気噴射装置と、該すすぎ領域に設けた洗浄機と、および、前記抜取り口と洗浄機との間に配設した洗浄液再生装置とから成り、洗浄槽に満たした該洗浄液に対向流を付与して流動させるとともに、洗浄液を抜取り口から洗浄液再生装置を経由して洗浄機から洗浄槽へ循環させるようにし、洗浄液中に浸漬けした被洗浄物を高い相対速度のもとに該対向流と接触させ、かつ該洗浄液を連続的に清澄な洗浄液に浄化しながら被洗浄物表面に付着している異物を除去するようにした洗浄システムを提供することにより解決を計ろうとするものである。
【0007】
またこの発明には、前記洗浄液再生装置を、サイクロンもしくはサイクロンと組合わされるフィルター等の多段濾過要素から構成し、浄化処理機能を連続的に長時間維持するようにした態様が含まれる。
【0008】
さらにまたこの発明には、洗浄槽内に満たした洗浄液に対し該抜取り口から洗浄液再生装置を経由して洗浄機から洗浄槽へ循環するようにした洗浄液の流れ、および、圧縮空気噴射装置の噴射流により被洗浄物の進行方向と逆向きの対向流を付与するようにした態様も含まれる。
【0009】
またさらにこの発明には、前記洗浄機の直前にラインミキサーを付設して洗浄液中に多量の気泡を混合し、被洗浄物の超音波すすぎ洗い、ならびに洗浄効果を高めるようにした態様も含んでいる。
【0010】
他方、上述の課題、目的を達成するために、この発明には、洗浄機の入口直前に、該洗浄機の入口に接続される出口管と、洗浄液処理装置から洗浄液を受け入れる入口管と、多孔隔壁で劃成される混合室、該混合室に空気を導入する空気管、および該混合室に封入した金属切粉とからなり、洗浄液が混合室を通過する過程で前記洗浄液中に多量の気泡を混合させるラインミキサーを提供することにより洗浄効果を高めるようにしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。この発明に係る洗浄液再生装置を備えた洗浄システムは、洗浄槽1と、該洗浄槽の底部に設けた汚濁した洗浄液を排出する抜き取口2と、該本洗領域に設けた圧縮空気噴射装置3と、該すすぎ領域に設けた洗浄機4と、および、前記抜き取口と洗浄機との間に配設した洗浄液再生装置5とから成る。洗浄槽1は、被洗浄物Aの表面に付着している異物Bを除去しやすくするための予洗領域11、前記異物を超音波洗浄する本洗領域12、異物除去後の被洗浄物表面に洗浄液を高圧噴射するすすぎ領域13の三つの領域により構成されている。洗浄槽1内に満たされる洗浄液Dは圧縮空気噴射装置3から噴射される圧縮空気噴流、洗浄機4から噴射される高圧洗浄液流、洗浄槽の底部に設けた抜き取口から汚濁した洗浄液を排出する際に生ずる吸引流により、常時、被洗浄物を移送させるコンベアの進行方向7とは逆向きの対抗流6となって流動するようにしている。
【0012】
本洗領域12にはその両側に圧縮空気噴射装置3が設けられている。この圧縮空気噴射装置は圧縮機Cから送られてくる圧縮空気を洗浄液を介して被洗浄物表面に対して略45°方向の角度で噴射させ、被洗浄物表面に付着している異物を超音波洗浄により除去する。すすぎ領域13には、洗浄機4が設けられ、この洗浄機のヘッダー41を介して洗浄液を被洗浄物表面に高圧噴射し、洗浄後の被洗浄物表面をすすぎ洗いする。このすすぎ効果を高めるためには、ヘッダー41の直前にラインミキサー8を付設することが好ましい。ラインミキサーは洗浄液に多量の空気を混合させ、超音波すすぎ洗いを施すものであり、被洗浄物の洗浄、すすぎ洗い効果を格段に高める。混合した気泡は、被洗浄物に到達する前に消滅しないようラインミキサーと高圧噴射手段との距離を極力短かく設定しなければならない。
【0013】
洗浄液再生装置5は、洗浄槽の抜き取口2と洗浄機4との間に配設され、洗浄液Dを循環させるループを形成する。洗浄機から洗浄槽に入った洗浄液は、対向流6をもって洗浄液再生装置2に向かって流れ、導管57を経て当該洗浄液再生装置に入り、ループ内を循環する。洗浄液はその循環中、浸漬けした被洗浄物Aの表面に付着している異物Bを予洗、洗浄を行い、引き続いて洗浄機によりすすぎ洗いを行った後、洗浄液再生装置内に導かれ、ここで清澄な洗浄液に浄化される。すなわち、異物除去と洗浄液浄化が連続的に継続、維持される。
【0014】
前記洗浄液再生装置5は、サイクロンを用いたプレフィルター51、内部が堰58、59によって区切られたタンク52、フィルターもしくはサイクロンと組合わされるフィルター等の濾過機53の分離要素から構成され、前記各機器、洗浄機および洗浄槽はそれぞれ導管、開閉弁、洗浄ポンプ54,濾過ポンプ55、珪藻土ポンプ56等によって接続され、異物Bを含んだ汚濁洗浄液を連続的、かつ多段階に浄化され、清澄な洗浄液を得ている。
【0015】
プレフィルター51は、図3に示すようにサイクロンを利用したものである。異物Bを含んだ汚濁した洗浄液がプレフィルター入口Eからサイクロン内に入ると、渦巻流となって異物を遠心力で放射方向に分離しながら排出管Gの排出管入口Hからプレフィルター出口Fに向け、通り抜ける。分離された異物は、サイクロン周壁に沿って下降しブロー管Iから外部に排出される。異物はここで大部分が分離、除去されるので第二段目の分離工程である濾過機53の濾過分離負荷を極度に軽減させる効果を生む。
【0016】
濾過機53は、濾過精度の要求により簡易交換できるカートリッジ型、高精度な設置型、逆洗型等様々なものが選択される。この実施例における濾過機を図4に示す。これは、ミクロンオーダーの濾過精度に対応したもので、周知の濾過機、すなわち、コイルスプリングJの濾過要素と図示しない珪藻土要素を組み合わせたものを用いている。前述の洗浄液再生装置5の運転開始に先駆けて珪藻土ポンプ56を駆動して珪藻土をコイルスプリング表面に付着させ、微細な異物をその珪藻土に捕捉させようとするものである。55は濾過ポンプ、Kは濾過機入口、Lは濾過機出口、Mはブロー管、59は攪拌機である。運転中に目詰まりが起こると、前記コイルスプリングを機械的に若干開いて異物を珪藻土と共に系外に排出させる。この種の周知の濾過機を単段で用いると早期に目詰まりを起こすが、本発明では、前述のようにプレフィルターと組み合わせて多段階に処理させるようにしているので、99%前後をプレフィルターで除去してしまう結果、目詰まりを起こす迄の時間は、従来のものの百分の一前後に軽減される効果が出ている。
【0017】
前記洗浄液再生装置5の運転は、洗浄ポンプ54を駆動して新しい洗浄液D、もしくは浄化処理済みの洗浄液をラインミキサー8、洗浄機4を通じて洗浄槽内1に満たすことから始まる。そののち洗浄液Dは、前述したように被洗浄物を移送させるコンベアの進行方向7とは逆向きの対抗流6となって流動しながら洗浄液再生装置5を含み循環し始める。コンベアにより、被洗浄物はまず予洗領域11に入り異物を除去しやすくするための予洗が施される。次いで、本洗領域12に入り前記異物を超音波洗浄し、最後にすすぎ領域13に進んで被洗浄物表面のすすぎ洗いを完了させる。異物除去後の汚れた洗浄液は、導管57を経てプレフィルター51に送られ、そこで洗浄液中の異物の大部分が第一段目分離として遠心分離され、タンク52に収容される。この洗浄液には微細な汚れが残っているため、濾過ポンプ55を駆動してタンク52から濾過機53へ送給され、そこで第二段目分離として精度の高い濾過が行われる。濾過機で清澄に浄化され洗浄液は洗浄ポンプ54により導管、開閉弁を通って再び洗浄機4に送られ、浄化された洗浄液として再利用される。
【0018】
次にラインミキサー8の構成を図5により説明する。ラインミキサーは洗浄機の入口に接続される出口管81、洗浄液再生装置から洗浄液を受け入れる入口管82、ならびに混合室に空気を導入する空気管83を備えており、その内部には、多孔隔壁85で劃成される混合室84が設けられている。該混合室内にはステンレス切粉、セラミック粒、活性炭のようなポーラス材86が封入され、ここに導かれた洗浄液がポーラス材と激しく衝突して乱流となり、そこに入ってくる空気と攪拌されながらこの混合室を通過する過程で瞬時に大量の気泡が混合される。この気泡を含んだ洗浄液は、洗浄後の被洗浄物表面を超音波すすぎ洗いし、高いすすぎ効果を得る。
【0019】
【発明の効果】
この発明は、次のような効果を奏し従来の問題点をことごとく解消することができる。
イ.洗浄液中に浸漬けした被洗浄物を高い相対速度のもとに対抗流と接触させながら洗浄を行うようにし、また汚濁した該洗浄液を洗浄液再生装置に送給、循環させて清澄な洗浄液に浄化するようにしたので、連続的、かつ塗装に最適な異物除去ができるのと相俟って洗浄液の浄化、再利用の要求を満足させることができる。
ロ.また、異物の除去ならびにすすぎを、洗浄液中に圧縮空気を併用して超音波洗浄を行うようにしたので高い洗浄、すすぎ効果を得ることができる。
ハ.さらにまた、汚濁した該洗浄液を多段階に浄化、処理するようにしたので濾過能力を大きく設定することができ、運転停止時間、濾過エレメントの目詰まりを少なくし、交換頻度を下げ、ランニングコストの低下をもたらし、さらには、交換に際して使用済み濾過器エレメントの産業廃棄物問題を極小とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】洗浄システムの概略側面図。
【図2】図1の洗浄槽の概略平面図。
【図3】(a)はプレフィルターの縦断面図、(b)は(a)のX−X線に
沿う端面図。
【図4】(a)は濾過器の縦断面図、(b)は(a)のY−Y線に沿う概略
端面図。
【図5】ラインミキサー概略断面図。
【符号の説明】
1…洗浄槽
2…抜き取口
3…圧縮空気噴射装置
4…洗浄機
5…洗浄液再生装置
51…プレフィルター
52…タンク
53…濾過機
6…対向流
7…コンベアの進行方向
8…ラインミキサー
A…被洗浄物
B…異物
C…圧縮機
D…洗浄液
E…プレフィルター入口
F…プレフィルター出口
G…排出管
H…排出管入口
I…ブロー管
J…コイルスプリング
K…濾過機入口
L…濾過機出口
M…ブロー管
Claims (5)
- 予洗領域、本洗領域、すすぎ領域の三つの領域をもつ洗浄槽と、該洗浄槽の底部に設けた洗浄液を排出する抜取り口と、該本洗領域に設けた圧縮空気噴射装置と、該すすぎ領域に設けた洗浄機と、および、前記抜取り口と洗浄機との間に配設した洗浄液再生装置とから成り、洗浄槽に満たした該洗浄液に対向流を付与して流動させるとともに、洗浄液を抜取り口から洗浄液再生装置を経由して洗浄機から洗浄槽へ循環させるようにし、洗浄液中に浸漬けした被洗浄物を高い相対速度のもとに該対向流と接触させ、かつ該洗浄液を連続的に清澄な洗浄液に浄化しながら被洗浄物表面に付着している異物を除去するようにした洗浄液再生装置を備えた洗浄システム。
- 前記洗浄液再生装置は、サイクロンもしくはサイクロンと組合わされるフィルター等の多段濾過要素から構成し、浄化処理機能を連続的に維持するようにしたことを特長とする請求項1記載の洗浄液再生装置を備えた洗浄システム。
- 洗浄槽内に満たした洗浄液の対向流は、該抜取り口から洗浄液再生装置を経由して洗浄機から洗浄槽へ循環するようにした洗浄液の流れ、および圧縮空気噴射装置の噴射流により付与するようにしたことを特長とする請求項1乃至2いづれか1項記載の被洗浄物の洗浄システム。
- 前記洗浄機の直前にラインミキサーを付設して洗浄液中に多量の気泡を混合し、被洗浄物の超音波すすぎ洗い、ならびに洗浄効果を高めるようにした請求項1乃至3いづれか1項記載の洗浄液再生装置を備えた洗浄システム。
- 洗浄機の入口に接続される出口管と、洗浄液処理装置から洗浄液を受け入れる入口管と、多孔隔壁で劃成される混合室、該混合室に空気を導入する空気管、および該混合室に封入した金属切粉とからなり、洗浄液が混合室を通過する過程で前記洗浄液中に大量の気泡を混合させることを特長とするラインミキサー。
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JP2002364435A JP2004162157A (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 洗浄液再生装置を備えた洗浄システム |
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WO2009104365A1 (ja) * | 2008-02-20 | 2009-08-27 | 株式会社industria | 処理槽における処理液濾過装置及び濾過方法 |
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2002
- 2002-11-13 JP JP2002364435A patent/JP2004162157A/ja active Pending
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