JP2004161697A - アルコールの酸化的α−スルホニルオキシ化法および含窒素複素環化合物のワンポット合成法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルコールから直接α−スルホニルオキシカルボニル化合物およびワンポットで含窒素複素環化合物を得る方法が望まれている。
【解決手段】アルコールにスルホン酸およびヨードソベンゼンを反応させることにより、アルコールを酸化的にα−スルホニルオキシ化することができる。この新しい反応により、アルコールから直接α−スルホニルオキシカルボニル化合物およびワンポットで含窒素複素環化合物を得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】アルコールにスルホン酸およびヨードソベンゼンを反応させることにより、アルコールを酸化的にα−スルホニルオキシ化することができる。この新しい反応により、アルコールから直接α−スルホニルオキシカルボニル化合物およびワンポットで含窒素複素環化合物を得ることができる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明はアルコールを酸化的にα−スルホニルオキシ化する方法およびアルコールから含窒素複素環化合物を合成する方法に関するもので、医農薬の合成を始めとする幅広い有機合成の分野において利用される含窒素複素環化合物の合成および複素環化合物の有用な合成中間体となるα−スルホニルオキシカルボニル化合物の合成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
α−スルホニルオキシカルボニル化合物は複素環合成のための有用な合成中間体として多方面で利用されている。カルボニル化合物のα−スルホニルオキシ化剤としてはp−ニトロベンゼンスルホニルぺルオキシドが利用されている。また、[ヒドロキシ(メタンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼン(HMIB)、[ヒドロキシ(p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼン(HNIB)、[ヒドロキシ(p−トルエンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼン(HTIB)などの超原子価ヨウ素化合物を用いる方法もある。
【0003】
近年、これらのスルホニルオキシ化剤を事前に合成することなく、系内で発生させ反応に利用する方法が研究されている。例えば、クロロホルム溶液中、ヨードソベンゼンとメタンスルホン酸を系内で反応させ、β−ジケトン、β−ケトエステルのα−メタンスルホニルオキシ化反応が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。また、マイクロ波を利用し、(ジアセトキシヨード)ベンゼンとp−トルエンスルホン酸を用いたカルボニル化合物のα−スルホニルオキシ化反応が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
そして、医薬品、農薬などの基本骨格となる含窒素複素環化合物は上記の方法で生成したα−スルホニルオキシカルボニル化合物を用いて合成できる。例えば、α−トシルオキシカルボニル化合物にチオウレアを作用させることによりチアゾール誘導体が合成できる(例えば、非特許文献3参照)。また、カルボニル化合物からα−スルホニルオキシ化を経由して含窒素複素環化合物をワンポットで合成する方法も報告されている(例えば、非特許文献4参照)。
【0005】
【非特許文献1】ロバート・M・モリアリティ(R. M. Moriarty)、外4名、「テトラヘドロン(Tetrahedron)」、1988年、 第44巻、p. 1603−1607
【非特許文献2】ジョン・チャン・リー(J. C. Lee)、外1名、「シンレット(Synlett)」、2001年、p. 234−235
【非特許文献3】ロバート・M・モリアリティ(R. M. Moriarty)、外5名、「シンセシス(Synthesis)」、1992年、p. 845−846
【非特許文献4】オム・プラカシュ(O. Prakash)、外2名、「ジャーナルオブケミカルソサイエティパーキントランサクション1(Journal of Chemical Society, Perkin Transaction 1)」、1992年、p. 707−709
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルコールを出発物質としたα−スルホニルオキシカルボニル化合物の合成法はこれまでに報告されていない。上記に挙げたようにα−スルホニルオキシカルボニル化合物あるいはそれを用いる含窒素複素環化合物の合成には出発物質としてカルボニル化合物を用いなければならない。したがって、アルコールを出発物質とする場合、アルコールをアルデヒドあるいはケトンに酸化して用いる必要がある。一般的にカルボニル化合物はアルコールと比べ高価である。そのため、アルコールからα−スルホニルオキシカルボニル化合物を直接得る方法およびアルコールからα−スルホニルオキシ化合物を経由して含窒素複素環化合物をワンポットで合成する方法の開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。本発明は、アルコールをα−スルホニルオキシカルボニル化合物に直接変換する酸化的α−スルホニルオキシ化法であって、また、アルコールから含窒素複素環化合物をワンポットで合成する方法である。
【0008】
すなわち、本発明におけるアルコールの酸化的α−スルホニルオキシ化法は下記反応式1
【0009】
【化6】
(ただし、R1はアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、p−ニトロフェニル基、p−トリル基、10−カンホリル基の中から選択され、R2、R3はそれぞれ独立に水素、置換されていても良いアルキル基、脂環、芳香環、複素環から選択される)で示すことができる。ここで使用する溶媒はエーテル、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムおよびその他の有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒から適宜選択される。
【0010】
また、本発明におけるアルコールからα−スルホニルオキシカルボニル化合物を経由する含窒素複素環化合物のワンポット合成法は下記反応式2
【0011】
【化7】
(ただし、R1はアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、p−ニトロフェニル基、p−トリル基、10−カンホリル基の中から選択され、R2、R3、R4はそれぞれ独立に置換されていても良いアルキル基、脂環、芳香環、複素環から選択され、XはO、S、NH、Seから選択される)で示すことができる。ここで使用する溶媒はエーテル、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムおよびその他の有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒から適宜選択される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の代表的な例としてp−トルエンスルホン酸を用いるアルコールの酸化的α−スルホニルオキシ化反応を示す。
【0013】
【化8】
【0014】
【表1】
上記反応式3により出発物質が第1級アルコール、第2級アルコールに関らず、α−スルホニルオキシカルボニル化合物を合成することができ、アルコールをアルデヒドあるいはケトンに酸化することなくα−スルホニルオキシカルボニル化合物を直接合成することができる。また、上記反応式3により得られたα−スルホニルオキシカルボニル化合物はアミド化合物を用いて含窒素複素環化合物を合成することができる。
【0015】
下記反応式4に、α−フェニルエタノールを出発物質とし、チオアセトアミドを用いる含窒素複素環化合物のワンポット合成法を示す。
【0016】
【化9】
【0017】
上記反応式4によりアルコールをアルデヒドあるいはケトンに酸化することなくα−スルホニルオキシカルボニル化合物を経由し含窒素複素環化合物をワンポットで合成することができる。
【0018】
上記のように、本発明はアルコールをカルボニル化合物に酸化することなく、直接α−スルホニルオキシカルボニル化合物を、さらにワンポットで含窒素複素環化合物を合成することができる。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の好ましい実施例を記載するが、これは例示であり、本発明を制限するものではない。
【0020】
実施例1 アルコールのα−スルホニルオキシ化法
アセトニトリル10mlにα−フェニルエタノール(1.0mmol)を溶解させ、そこにp−トルエンスルホン酸一水和物(2.5mmol)とヨードソベンゼン(3.0mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、1.5時間還流した。次いで水洗し、クロロホルムで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧下、エバポレーターで濃縮後、TLC(エキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、α−トシルオキシアセトフェノンを収率96%で得た。
【0021】
以下に得られたα−トシルオキシアセトフェノンの物性値を示す。
mp: 90℃
IR(KBr): 1715, 1360, 1180, 820, 750, 680cm−1
1H NMR(400MHz, CDCl3): δ=2.45(s, 3H), 5.27(s, 2H), 7.35(d, J=8.0Hz, 2H), 7.47(t, J=7.5Hz, 2H), 7.61(t, J=7.5Hz, 1H), 7.85(t, 4H)
【0022】
実施例2 アルコールから含窒素複素環化合物のワンポット合成法
アセトニトリル10mlにα−フェニルエタノール(1.0mmol)を溶解させ、そこにp−トルエンスルホン酸一水和物(2.5mmol)とヨードソベンゼン(3.0mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、1.5時間還流した。0℃にてトリエチルアミン(2.0mmol)をゆっくり滴下し、10分間攪拌、さらに室温で10分間攪拌した。次いで、炭酸カリウム(1.2mmol)とチオアセトアミド(1.2mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、5時間還流した。炭酸水素ナトリウムでクエンチした後、クロロホルムで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧下、エバポレーターで濃縮後、TLC(エキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、2−メチル−4−フェニルチアゾールを収率52%で得た。
【0023】
以下に得られた2−メチル−4−フェニルチアゾールの物性値を示す。
mp: 64℃
1H NMR(400MHz, CDCl3): δ=2.78(s, 3H), 7.31(s,1H), 7.32(t, 1H), 7.41(t, 2H), 7.87(d, 2H)
【0024】
【発明の効果】
上記のように、本発明はアルコールから医薬品、農薬などの基本骨格となる含窒素複素環化合物のワンポット合成法およびその有用な合成中間体であるα−スルホニルオキシカルボニル化合物を直接合成する方法を提供するものである。本発明により、従来必要であったカルボニル化合物を利用することなく、容易に合成することができる。したがって、本発明は極めて有用な酸化的α−スルホニルオキシ化法であり、また、アルコールから直接α−スルホニルオキシカルボニル化合物およびワンポットで含窒素複素環化合物を合成する新しい方法である。
【発明の属する分野】
本発明はアルコールを酸化的にα−スルホニルオキシ化する方法およびアルコールから含窒素複素環化合物を合成する方法に関するもので、医農薬の合成を始めとする幅広い有機合成の分野において利用される含窒素複素環化合物の合成および複素環化合物の有用な合成中間体となるα−スルホニルオキシカルボニル化合物の合成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
α−スルホニルオキシカルボニル化合物は複素環合成のための有用な合成中間体として多方面で利用されている。カルボニル化合物のα−スルホニルオキシ化剤としてはp−ニトロベンゼンスルホニルぺルオキシドが利用されている。また、[ヒドロキシ(メタンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼン(HMIB)、[ヒドロキシ(p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼン(HNIB)、[ヒドロキシ(p−トルエンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼン(HTIB)などの超原子価ヨウ素化合物を用いる方法もある。
【0003】
近年、これらのスルホニルオキシ化剤を事前に合成することなく、系内で発生させ反応に利用する方法が研究されている。例えば、クロロホルム溶液中、ヨードソベンゼンとメタンスルホン酸を系内で反応させ、β−ジケトン、β−ケトエステルのα−メタンスルホニルオキシ化反応が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。また、マイクロ波を利用し、(ジアセトキシヨード)ベンゼンとp−トルエンスルホン酸を用いたカルボニル化合物のα−スルホニルオキシ化反応が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
そして、医薬品、農薬などの基本骨格となる含窒素複素環化合物は上記の方法で生成したα−スルホニルオキシカルボニル化合物を用いて合成できる。例えば、α−トシルオキシカルボニル化合物にチオウレアを作用させることによりチアゾール誘導体が合成できる(例えば、非特許文献3参照)。また、カルボニル化合物からα−スルホニルオキシ化を経由して含窒素複素環化合物をワンポットで合成する方法も報告されている(例えば、非特許文献4参照)。
【0005】
【非特許文献1】ロバート・M・モリアリティ(R. M. Moriarty)、外4名、「テトラヘドロン(Tetrahedron)」、1988年、 第44巻、p. 1603−1607
【非特許文献2】ジョン・チャン・リー(J. C. Lee)、外1名、「シンレット(Synlett)」、2001年、p. 234−235
【非特許文献3】ロバート・M・モリアリティ(R. M. Moriarty)、外5名、「シンセシス(Synthesis)」、1992年、p. 845−846
【非特許文献4】オム・プラカシュ(O. Prakash)、外2名、「ジャーナルオブケミカルソサイエティパーキントランサクション1(Journal of Chemical Society, Perkin Transaction 1)」、1992年、p. 707−709
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルコールを出発物質としたα−スルホニルオキシカルボニル化合物の合成法はこれまでに報告されていない。上記に挙げたようにα−スルホニルオキシカルボニル化合物あるいはそれを用いる含窒素複素環化合物の合成には出発物質としてカルボニル化合物を用いなければならない。したがって、アルコールを出発物質とする場合、アルコールをアルデヒドあるいはケトンに酸化して用いる必要がある。一般的にカルボニル化合物はアルコールと比べ高価である。そのため、アルコールからα−スルホニルオキシカルボニル化合物を直接得る方法およびアルコールからα−スルホニルオキシ化合物を経由して含窒素複素環化合物をワンポットで合成する方法の開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。本発明は、アルコールをα−スルホニルオキシカルボニル化合物に直接変換する酸化的α−スルホニルオキシ化法であって、また、アルコールから含窒素複素環化合物をワンポットで合成する方法である。
【0008】
すなわち、本発明におけるアルコールの酸化的α−スルホニルオキシ化法は下記反応式1
【0009】
【化6】
(ただし、R1はアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、p−ニトロフェニル基、p−トリル基、10−カンホリル基の中から選択され、R2、R3はそれぞれ独立に水素、置換されていても良いアルキル基、脂環、芳香環、複素環から選択される)で示すことができる。ここで使用する溶媒はエーテル、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムおよびその他の有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒から適宜選択される。
【0010】
また、本発明におけるアルコールからα−スルホニルオキシカルボニル化合物を経由する含窒素複素環化合物のワンポット合成法は下記反応式2
【0011】
【化7】
(ただし、R1はアルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、p−ニトロフェニル基、p−トリル基、10−カンホリル基の中から選択され、R2、R3、R4はそれぞれ独立に置換されていても良いアルキル基、脂環、芳香環、複素環から選択され、XはO、S、NH、Seから選択される)で示すことができる。ここで使用する溶媒はエーテル、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムおよびその他の有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒から適宜選択される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の代表的な例としてp−トルエンスルホン酸を用いるアルコールの酸化的α−スルホニルオキシ化反応を示す。
【0013】
【化8】
【0014】
【表1】
上記反応式3により出発物質が第1級アルコール、第2級アルコールに関らず、α−スルホニルオキシカルボニル化合物を合成することができ、アルコールをアルデヒドあるいはケトンに酸化することなくα−スルホニルオキシカルボニル化合物を直接合成することができる。また、上記反応式3により得られたα−スルホニルオキシカルボニル化合物はアミド化合物を用いて含窒素複素環化合物を合成することができる。
【0015】
下記反応式4に、α−フェニルエタノールを出発物質とし、チオアセトアミドを用いる含窒素複素環化合物のワンポット合成法を示す。
【0016】
【化9】
【0017】
上記反応式4によりアルコールをアルデヒドあるいはケトンに酸化することなくα−スルホニルオキシカルボニル化合物を経由し含窒素複素環化合物をワンポットで合成することができる。
【0018】
上記のように、本発明はアルコールをカルボニル化合物に酸化することなく、直接α−スルホニルオキシカルボニル化合物を、さらにワンポットで含窒素複素環化合物を合成することができる。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の好ましい実施例を記載するが、これは例示であり、本発明を制限するものではない。
【0020】
実施例1 アルコールのα−スルホニルオキシ化法
アセトニトリル10mlにα−フェニルエタノール(1.0mmol)を溶解させ、そこにp−トルエンスルホン酸一水和物(2.5mmol)とヨードソベンゼン(3.0mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、1.5時間還流した。次いで水洗し、クロロホルムで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧下、エバポレーターで濃縮後、TLC(エキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、α−トシルオキシアセトフェノンを収率96%で得た。
【0021】
以下に得られたα−トシルオキシアセトフェノンの物性値を示す。
mp: 90℃
IR(KBr): 1715, 1360, 1180, 820, 750, 680cm−1
1H NMR(400MHz, CDCl3): δ=2.45(s, 3H), 5.27(s, 2H), 7.35(d, J=8.0Hz, 2H), 7.47(t, J=7.5Hz, 2H), 7.61(t, J=7.5Hz, 1H), 7.85(t, 4H)
【0022】
実施例2 アルコールから含窒素複素環化合物のワンポット合成法
アセトニトリル10mlにα−フェニルエタノール(1.0mmol)を溶解させ、そこにp−トルエンスルホン酸一水和物(2.5mmol)とヨードソベンゼン(3.0mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、1.5時間還流した。0℃にてトリエチルアミン(2.0mmol)をゆっくり滴下し、10分間攪拌、さらに室温で10分間攪拌した。次いで、炭酸カリウム(1.2mmol)とチオアセトアミド(1.2mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、5時間還流した。炭酸水素ナトリウムでクエンチした後、クロロホルムで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、減圧下、エバポレーターで濃縮後、TLC(エキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、2−メチル−4−フェニルチアゾールを収率52%で得た。
【0023】
以下に得られた2−メチル−4−フェニルチアゾールの物性値を示す。
mp: 64℃
1H NMR(400MHz, CDCl3): δ=2.78(s, 3H), 7.31(s,1H), 7.32(t, 1H), 7.41(t, 2H), 7.87(d, 2H)
【0024】
【発明の効果】
上記のように、本発明はアルコールから医薬品、農薬などの基本骨格となる含窒素複素環化合物のワンポット合成法およびその有用な合成中間体であるα−スルホニルオキシカルボニル化合物を直接合成する方法を提供するものである。本発明により、従来必要であったカルボニル化合物を利用することなく、容易に合成することができる。したがって、本発明は極めて有用な酸化的α−スルホニルオキシ化法であり、また、アルコールから直接α−スルホニルオキシカルボニル化合物およびワンポットで含窒素複素環化合物を合成する新しい方法である。
Claims (2)
- 下記構造式
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002330744A JP2004161697A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | アルコールの酸化的α−スルホニルオキシ化法および含窒素複素環化合物のワンポット合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002330744A JP2004161697A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | アルコールの酸化的α−スルホニルオキシ化法および含窒素複素環化合物のワンポット合成法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004161697A true JP2004161697A (ja) | 2004-06-10 |
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ID=32808347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002330744A Withdrawn JP2004161697A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | アルコールの酸化的α−スルホニルオキシ化法および含窒素複素環化合物のワンポット合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004161697A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009515924A (ja) * | 2005-11-16 | 2009-04-16 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | Thocの新規製造方法 |
-
2002
- 2002-11-14 JP JP2002330744A patent/JP2004161697A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009515924A (ja) * | 2005-11-16 | 2009-04-16 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | Thocの新規製造方法 |
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