JP2004160492A - 冷間圧延における板形状制御方法 - Google Patents

冷間圧延における板形状制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧延機出側に設置された形状検出器の出力からモデルを介して荷重、ベンダーの変更量を算出して両者の非干渉な形状制御を実現する、冷間圧延における板形状制御方法を提供する。
【解決手段】圧延機出側に配置された板形状検出器5により板片幅について板幅方向に独立な少なくとも3箇所の張力を測定する。2箇所の張力から求めた張力差とロール幅方向に均一な荷重が加わったときに実現される板クラウンとを関連づけるモデル式によって、前記張力差の任意の2組の実測値が目標値に一致する板クラウンの変更量を算出し、圧延荷重およびロールベンディング力のいずれか1つもしくは両方を調整して板形状制御を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の圧延機の中で当該圧延機出側に形状検出器を具備した冷間圧延機による冷間圧延における板形状制御方法に関し、特に、板形状を定量的に表す張力差と圧延条件を結びつける関数を用いて、板形状から圧延条件変更量を算出し、その算出値を基に板形状制御を行う、冷間圧延における板形状制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷間圧延の形状変化は、短周期変化と長周期変化に分類される。短周期の変化の例としては、速度の急激な変化や原板の短周期な硬度変動起因の荷重変動によって引き起こされる形状変化がある。長周期の変化は、定常偏差と言い換えてもよいが、その例としては、サーマルクラウンの成長代や原板クラウン変化などによる形状変化がある。
【0003】
短周期の形状変化に対しては、圧延機出側に設置された形状検出器などのセンサーからのフィードバック制御では補償することは不可能であるので、圧延機内で検出・補償することが必要となる。その技術の代表的なものとしては、以下のようなものがある。
【0004】
(1)圧延中の圧延荷重を検出し、圧延材と作業ロ−ルの間の幅方向荷重分布が一様と仮定した場合に実現される幅方向板厚分布と、圧延条件の関係をモデル化し、圧延荷重の実測値を代入してベンダーの変更代を算出し、幅方向板厚分布を修正する技術がある。これは、圧延機仕様・板幅・ロールシフト量・圧延荷重等の条件を用いて、当該圧延機出側の圧延材の板形状(クラウン)に対する当該スタンドの荷重・ロールベンディング力の影響係数を算出し、式(1)に従って形状を一定に保つ技術である。
ΔC=C×ΔP+C×ΔF …(1)
但しΔCは任意の定義点におけるクラウン変化量、C、Cはそれぞれモデルから算出されるクラウンに及ぼす圧延荷重およびロールベンディング力の影響係数、ΔPは圧延荷重の変化量、ΔFはロールベンディング力の変化量である。影響係数は当該圧延材が圧延される前に予め算出しておくのが良い。圧延中のある時点で形状が良好でクラウンを変更する必要が無い場合にはΔC=0となるので、式(1)は圧延荷重およびロールベンディング力のみの関数となり、何かの外乱によって圧延荷重が変化した場合に、その影響を打ち消すようにロールベンディング力を変化させることによって、そのある時点での形状を維持することが可能となる。この方法によれば計算式が非常に単純なので圧延荷重の変化を検知したとほぼ同時にベンダーを動かすことが可能であり、短周期の形状変化補償に適する方法である(特許文献1参照)。
【0005】
一方、長周期の形状変化(定常偏差)補償に関しては、
(2)板形状を4次関数で近似して板形状のパターンを認識した上で、数式モデルを介して中間ロールシフト量、ロールベンディング力、圧下位置等を補正する方法(非特許文献1参照)や、
(3)オペレータの目視による監視で、板形状が乱れた時にベンダー値を補正する方法がある。
【0006】
従来の技術ではロールベンディング力を変化させた場合、板厚が瞬間的に変化するが、板厚変動起因の張力変動に伴って板厚が元に戻るという現象が起こっていた。しかし、形状の変化が緩やかであればベンダーの急激な操作は必要ないため、ロールベンディング力を変化させることによる板厚変動は問題にならなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開昭57−177818号公報
【非特許文献1】
日本鉄鋼協会共同研究会圧延理論部会編、「板圧延の理論と実際」、社団法人日本鉄鋼協会、昭和59年9月1日発行、p309〜312
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
短周期の形状変化を補償する技術(1)に関しては、荷重が変化した際にその変化代をベンダーによって補償することは確かに可能であり、圧延機出側形状が定常偏差のない良好な形状となるような圧延条件でロックオンされているのであれば問題ない。しかし、この技術は現状の形状を維持するように制御端を操作する技術であり、元々不良な形状に圧延している状態でロックオンされると、良好な形状にすることはできない。この方法で長周期の形状変化を補償するためには式(1)のΔCを算出しなければならないが、現在ΔCを定量的に評価する手段は無い。
【0009】
長周期の形状変化(定常偏差)補償は短周期補償と比較して時間的な猶予は存在するが、形状不良を見つけた場合にはできうる限り素早くその不良を取り除く方が望ましい。その点、上記の(2)に関しては実測形状から所望の形状にするための圧延条件の変更量を算出するので定常偏差を除去することは可能であるが、繰り返し計算が必要であるため、圧延条件を修正するまでに時間がかかり、オンラインモデルとしては最適であるとは言えない。上記(3)のオペレータの監視に関しては、人間の感覚に頼る作業であり、個人の能力に依存し、将来に亘って確保できる技術とは言えない。
【0010】
以上のように、従来技術では、形状の定常偏差を短周期で取り除くことは不可能である。形状が目標値になっていないからといって無理にロールベンディング力を変化させると板厚変動が生じ、短周期の形状制御は逆に板厚変動等を引き起こしかねない。近年、需要家の板形状に対する要求も厳しくなっており、また、コスト削減が必須となっている状況から、定常偏差を高応答に取り除く技術が必要とされている。そのためには、ロールベンディング力を変化させたときにも板厚変化が生じないように、圧延荷重とロールベンディング力の変化のバランスを考慮でき、定常偏差も取り除くことが可能な技術が必要となる。
【0011】
そこで、本発明は、板形状の定常偏差を高応答に取り除くことができ、所望の板厚・形状を得るための圧延条件の変更量を実測張力からモデルを介して繰り返し計算なしで直接推定することができ、板形状の乱れを高精度に補償することができ、そのため、歩留向上と、低コストでの冷間圧延を実現することができる、冷間圧延における板形状制御方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記したような従来法の問題点を有利に解決するためのものであり、その要旨は下記のとおりである。
(1) 圧延機出側に配置された板形状検出器により板片幅について板幅方向に独立な少なくとも3箇所の張力を測定する、冷間圧延における板形状制御方法において、2箇所の張力から求めた張力差とロール幅方向に均一な荷重が加わったときに実現される板クラウンとを関連づけるモデル式によって、前記張力差の任意の2組の実測値が目標値に一致する板クラウンの変更量を算出し、圧延荷重およびロールベンディング力のいずれか1つもしくは両方を調整して板形状制御を行うことを特徴とする、冷間圧延における板形状制御方法。
(2) 前記モデル式として、下記式を用いることを特徴とする、上記(1)に記載の冷間圧延における板形状制御方法。
=a×b (g1(k1))+c
=a×b (g2(k2))+c
但し、T、Tはそれぞれ前記張力差である。圧延材とワークロール間の幅方向荷重分布が一様であるときに実現されるクラウンをC、入側クラウンをC、当該圧延機出側板幅中央板厚をh、当該圧延機入側板幅中央板厚をHとすると、g(k)、g(k)は、当該位置のクラウン比率の変化k=(C/h−CH1/H)、k=(C/h−CH2/H)、h、H、w(板幅)、およびNcδ(中間ロールシフト量)の関数である。a、b、c、a、bおよびcはそれぞれ、h、H、w、およびNcδの関数である。
関数g(k)、g(k)は、それぞれk、kの高次多項式または累乗式で表わされる。係数a、b、c、a、b、cは、h、H、w、Ncδの高次多項式、累乗式または定数で表わされる。これらの式または定数は、実機、ラボ実験または数値実験で求めることができる。例えば、数値実験では、ある圧延機について関数g(k)の式を求める際、あらかじめ式の形を決め、分割モデルによる集束計算によって、入側板厚、出側板厚、ロールシフト量、板幅……を変数として取り得る変数範囲で種々の解(板形状、張力等)を得る。この結果を、例えば、板幅ごとに、横軸にクラウン比率変化、縦軸に張力を取ってプロットし、回帰式を求めて関数または係数を決定する。
(3)前記2組の張力差として、板幅中心位置の張力と板端の張力との差λ、および板幅中心位置の張力と板幅中心位置から板端までを1としたときの板幅中心位置から1/√2の割合の位置の張力との差λを推定するモデル式を用いることを特徴とする、上記(1)または(2)記載の冷間圧延における板形状制御方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記の従来技術(1)を応用して定常偏差を短周期で除去する技術を創出したものである。長周期変化(定常偏差)の補償では、ある時点での形状が所望の形状となっていないことを意味しており、形状を変化させることが必要となるのでΔC≠0である。更に、短周期の形状制御を行うとロールベンディング力変化に起因して板幅中央板厚の変化が生じるが、板厚変化は式(1)と同様に考えて式(2)で表すことが可能である。
Δh=h×ΔP+h×ΔF …(2)
ここで、h、hは板幅中央板厚に及ぼす圧延荷重およびロールベンディング力の影響係数である。h、hはC、Cと定義点が異なるだけと考えれば、C、Cを算出したモデルによって算出可能であることが分かる。板幅中央板厚は当該圧延機出側で測定するか、マスフロー一定則等で推定すれば、目標板厚との差を得ることができる。元々板厚が目標値であれば外乱によって板厚が変化した際の式(2)の板厚の必要変更量はΔhそのものであり、目標値でない場合はその分余分に補正すれば良い。いずれにしろ、Δhは算出することが可能である。ここで、式(1)と式(2)で未知数はΔC、ΔP、ΔFである。板厚を目標値にすると共に目標形状を得るためには式(1)、式(2)が成り立つ条件のΔP、ΔFを求め、それらの値を実現できるように圧下装置、ベンダーを操作する必要があるのでΔCを定量的に求める必要があり、当該圧延機出側に設置された形状検出器で検出される張力分布と板形状を結びつけるモデルが必要となる。
【0014】
通常の冷間圧延では板幅方向のメタルフローは少ないので形状変化とクラウン変化はほぼ同義とみなしても良い。冷間タンデム圧延機の最終スタンド出側に設置されている形状検出器は板形状を張力分布として捉える方式が多く、一般に、板幅中心線を境界とする片側半分(中心線を含んでもよい)だけで、少なくとも3箇所の張力を測定してその張力差を出力する。形状制御は、板幅中心線に対し対称に行なう。例えば、ワークサイドとドライブサイドのロールベンディング力を変化させる。なお、形状検出器を最終スタンド以外のスタンドの出側に配置してもよい。この場合、形状検出器の設置してある直前のスタンドで形状制御を行う。
【0015】
ここでは、板形状を表す代表値としてしばしば用いられるλ、λで検討する。発明者らは形状検出器で検出される張力差とクラウンに式(3)、式(4)の関係があることを知見した。
λ=a×b (g2(k2))+c …(3)
λ=a×b (g4(k4))+c …(4)
但しg(k)、g(k)はクラウン比率の変化の関数とし、g(k)=f2−1(h,H,w,Ncδ)×k、g(k)=f4−1(h,H,w,Ncδ)×kである。a、aはHの関数、b、bは定数、c=f2−2(h,H,w,Ncδ)、c=f4−2(h,H,w,Ncδ)である。f2−1、f4−1、f2−2およびf4−2は括弧内に示す変数の関数であり、hは当該圧延機の板幅中心位置の出側板厚、Hは当該圧延機の板幅中心位置の入側板厚、wは板幅、Ncδは中間ロールシフト量である。今回はこのようにa、a、c、c、f2−1、f4−1、f2−2およびf4−2を関数としたが、それぞれ定数としても良いし、今回よりも多くの圧延条件で表現しても良い。また、ミルによって特性や要求される精度が異なるので、それに応じてパラメータを検討すれば良い。クラウン比率変化は、出側の板クラウンを出側板厚で除した値と入側クラウンを入側板厚で除した値の差である。上記関数および定数は、前述のg(k)、g(k)、および係数a、b……と同様にして求めることができる。
【0016】
今、繰り返し計算なしに解析的にクラウン変化を算出したいので、出側板クラウンとしては、当該圧延条件下の均一荷重板クラウンとする。均一荷重板クラウンは、ロールに幅方向に均一な荷重が加わったときに実現される板クラウンであり、解析的に値を得ることが可能である。入側板クラウンは、測定が可能であれば測定するのが望ましいが、検出端が無い場合には、冷延では幅方向へのメタルフローが少ないため、大きな誤差とはならないので原板のクラウンを測定しておき、原板クラウンから圧下率分の補正を行えば良い。
【0017】
入側板厚や出側板厚は、検出端があればその値を用いれば良いが、無い場合には検出端がある場所からマスフロー一定則で算出する方法が代表的である。板幅は、測定できるのであれば、測定値を用いる方が良いが、冷延では板幅変動は少ないので設定値を用いても問題ない。中間ロールシフト量については、実績値がマグネスケール(登録商標)等で測定されているならばその値を用いれば良いが、シフト量が設定値から大きくずれることはまず考えられないので、実績値が分からない場合には設定値を用いても問題ない。
【0018】
ロールプロフィールとしては、例えばロール胴長方向に多項式や累乗の形で表現するなどがある。より精度良く張力と形状の関係を捉えるようとする場合には、上記クラウン比率の変化とλ、λの関係をより厳密に捉えればよく、例えば張力のモデル式を高次式にしたり、今回クラウン比率の変化の1次式で表現した累乗部をクラウン比率の変化の高次多項式にしたり累乗の形にする方法もある。また、モデル式に他の圧延条件を加えて高精度化することも可能である。但し、このモデル式で注意を要するのはλ、λの値から逆算される2つのクラウンは正確には等しくないということである。しかし、一般的な圧延で得られる板を考えた場合にはλ、λから逆算される2つのクラウンに大きな差はないことが確認できたので、予め決めたどちらか一方のクラウンを用いるか、平均値を使用するか、重みをつけてC、Cからそれらの代表値を求めるなどすれば問題とはならないことを確認した。
【0019】
一般に、張力差に対しては圧延中にある値もしくはある値以下にしたいという目標値が存在する。張力差が大きすぎると板破断を誘発してしまうからである。λ、λ両者の値がある一定値以下であれば形状も良好である。張力差の目標値と現状の張力差との差をΔλ、Δλとし、現状の形状と張力差が目標値となるときの形状の差をΔCとすると、式(3)式(4)は式(5)、式(6)となる。
Δλ=a×b (g2(Δk2)) …(5)
Δλ=a×b (g4(Δk4)) …(6)
但し、Δk、Δkは当該位置のクラウン比率変化であり、Δk=(ΔC/h−CH2/H)、Δk=(ΔC/h−CH4/H)である。上記式(5)、式(6)から厳密には2つのΔCが算出されるが上述のような処理を行えば問題ない。現状の張力差と目標張力差は既知であるので、目標形状にするためのクラウン変化ΔCは上記式から逆算することが可能である。張力からΔCが算出されたとき式(1)(既出)
ΔC=C×ΔP+C×ΔF …(1)
の中で未知数はΔPおよびΔFである。
【0020】
一方、上述したように圧延荷重およびロールベンディング力を変更すると板厚にも影響を及ぼすので圧延荷重およびロールベンディング力が変化した時の板厚の変化量も定量的に評価しなければならない。板厚変化量は式(2)(既出)で表される。
Δh=h×ΔP+h×ΔF …(2)
従って式(1)、式(2)による連立方程式を解けばクラウン変更量ΔC、板厚変更量Δhを実現するために変更すべき圧延荷重の変更量ΔPおよびロールベンディング力の変更量ΔFを求めることが可能となる。この連立方程式を解くということは、即ち圧延荷重とロールベンディング力との非干渉制御を実現していることになり、目標板厚、目標形状に対して圧延荷重およびロールベンディング力の変更が互いに外乱となることもなく、高精度に制御できる状態となる。この技術により、従来よりも短周期で形状の定常偏差を除去することが可能となる。上記結果に基づき、圧下装置により圧延荷重を、ロールベンダーによりロールベンディング力をそれぞれ調整する。
【0021】
これまで張力差についてはλ、λのみで検討してきた。しかし、板形状の変化は様々であり、その時に生じる張力変化はλ、λの箇所に限る訳ではないので、それら以外の張力差を用いてもロールプロフィールの推定は原理的にも可能である。例えば図1に示したように板幅中央部、板端、板幅中央を0とし板端を1としたときに1/√2で表される点の3箇所の張力を測定した場合でも、張力差の算出方法は3通りあり、どれを使ってもそれらの張力差に関して式(3)、式(4)のモデル式を予め作成しておけば同様の効果が得られる。もちろん、張力の測定個所を全く別の場所に変更しても良い。但し、モデル化する張力差は板全体の張力変化を表すことができる場所の張力が良いので、近い場所の3箇所の張力差よりも、ある程度間隔を開けた3点であることが望ましい。その意味ではλ、λは板全体の張力変化を捉える代表値として望ましい値であると言える。
【0022】
上記実施の形態では、クラウンに及ぼす中間ロールシフトの影響は考慮していないが、中間ロールを圧延中に変化させるのであれば考慮した方が形状制御に対しては望ましい。
【0023】
【実施例】
オンラインでリアルタイムに張力差を測定し、本モデルを用いて形状制御を実施した。試験には図2に示す実機6Hi5スタンドタンデム冷間圧延機を用いた。図中1a、1bはワークロール、2a、2bは中間ロール、3a、3bはバックアップロール、4は潤滑油ノズル、5は形状検出器である。最終スタンド出側から0.5m離れたところに板幅中央板厚を測定できるX線方式の板厚計、1.5m離れたところには接触式の形状検出器が設置されており、連続的に板厚および張力差λ、λの値を測定した。ロールディメンジョンは上下ワークロールは直径約420mm、胴長1600mm、上下中間ロールは直径約480mm、胴長1600mm、上下バックアップロールは直径が約1100mm、胴長1600mmであり、全てのロールにクラウンは付与していない。1本目のコイルに対しては圧延開始前に、2本目以降のコイルについては先行材圧延時に次コイルのクラウンおよび板厚に及ぼす圧延荷重およびロールベンディング力の影響係数を算出し、接合部通過後にその影響係数を用いて制御を行った。形状が良好な状態で荷重変動が生じたときにはモデル式(1)でΔC=0となるようにベンダーを用いて形状を補償した。張力差(定常偏差)については目標値に対して5%の張力差が生じたときにモデル式(3)、式(4)によってクラウンの変更量を推定し、モデル式(1)、式(2)によって板厚を目標板厚に維持したまま形状を変更した。ワークロール組み替え直後から10本の圧延材に対して当制御を使用した。圧延材の板幅は889mmから1398mm、目標板厚は最終スタンド出側で1.44mmから2.00mmで鋼種はすべて普通鋼であった。すべての圧延材に対して目標のλを50N/mm、λを30N/mmとした。圧延開始から4〜5本目位まではサーマルクラウンの成長段階のためにλ、λの値は変動しやすい状態であったが、モデル式(1)〜式(4)を用いることによって目標に対してλを±8%以内、λを±5.5%以内に抑えることが可能であった。また荷重変動に起因した形状変化に対してはλ、λ共に目標に対して±3%以内に抑えることが可能であった。同様に板厚についても調査したところ、すべてのコイルに対して全長に亘って±20μm内に収まっていることを確認した。
【0024】
【発明の効果】
本発明の冷間圧延方法によれば、高精度に形状の良好な圧延材を得ることができるため、歩留向上、通板トラブルレス等が実現でき、製造コストの低減、生産性向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】張力の実測箇所・推定箇所の板幅方向位置を示す図である。
【図2】形状制御モデルの効果を確認するための圧延実験で使用した圧延機の概略図である。
【符号の説明】
1a、1b:ワークロール
2a、2b:中間ロール
3a、3b:バックアップロール
4 :潤滑油供給ノズル
5 :形状検出器

Claims (3)

  1. 圧延機出側に配置された板形状検出器により板片幅について板幅方向に独立な少なくとも3箇所の張力を測定する、冷間圧延における板形状制御方法において、2箇所の張力から求めた張力差とロール幅方向に均一な荷重が加わったときに実現される板クラウンとを関連づけるモデル式によって、前記張力差の任意の2組の実測値が目標値に一致する板クラウンの変更量を算出し、圧延荷重およびロールベンディング力のいずれか1つもしくは両方を調整して板形状制御を行うことを特徴とする、冷間圧延における板形状制御方法。
  2. 前記モデル式として、下記式を用いることを特徴とする、請求項1記載の冷間圧延における板形状制御方法。
    =a×b (g1(k1))+c
    =a×b (g2(k2))+c
    但し、T、Tはそれぞれ前記張力差である。圧延材とワークロール間の幅方向荷重分布が一様であるときに実現されるクラウンをC、入側クラウンをC、当該圧延機出側板幅中央板厚をh、当該圧延機入側板幅中央板厚をHとすると、g(k)、g(k)は、当該位置のクラウン比率の変化k=(C/h−CH1/H)、k=(C/h−CH2/H)、h、H、w(板幅)およびNcδ(中間ロールシフト量)の関数である。a、b、c、a、bおよびcは、それぞれh、H、wおよびNcδの関数である。
  3. 前記2組の張力差として、板幅中心位置の張力と板端の張力との差λ、および板幅中心位置の張力と板幅中心位置から板端までを1としたときの板幅中心位置から1/√2の割合の位置の張力との差λを推定するモデル式を用いることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の冷間圧延における板形状制御方法。
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