JP2004160345A - 美味米製造装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】炊飯して美味な米の製造装置を実現する。
【解決手段】美味米製造装置を、玄米の外表面に形成された蝋成分からなる皮膜を研削するための第1精米手段と、前記第1精米手段から送られる米粒群を粉体とともに加圧混合攪拌して油脂分を粉体に吸着させて除去するための第2精米手段と、この第2精米手段への粉体供給手段と、前記第2精米手段から送られる米粒群を高圧冷風の噴風雰囲気中で精白するとともに糠および前記粉体を米粒から分離除去する第3精米手段と、で構成して上記従来の課題を解決する。
【選択図】 図1
【解決手段】美味米製造装置を、玄米の外表面に形成された蝋成分からなる皮膜を研削するための第1精米手段と、前記第1精米手段から送られる米粒群を粉体とともに加圧混合攪拌して油脂分を粉体に吸着させて除去するための第2精米手段と、この第2精米手段への粉体供給手段と、前記第2精米手段から送られる米粒群を高圧冷風の噴風雰囲気中で精白するとともに糠および前記粉体を米粒から分離除去する第3精米手段と、で構成して上記従来の課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、美味米製造装置に関し、詳しくは、米粒を低温環境下に比較的低い圧力で精米処理しつつ併せて発生する油脂分を同時進行的に米粒から吸着するようにして美味米を製造する技術に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
図11は、玄米の構成断面図であり、図において201は玄米の外表面に形成されている皮膜で、通常は米蝋と呼ばれる蝋成分からなっている。 202は前記皮膜201の下側に形成されて、外皮糠とも称される管状細胞組織からなる糠層で、この糠層202は糊粉層203を覆っている。糊粉層23は、油脂、たんぱく、糖類を含有する粘状の糠で、アリュウロン糠とも称されている。この糊粉層203の内側には白米本体とも言える澱粉層(胚乳部)204が存在している。
【0003】
上記のような玄米は、栄養的な価値はともかくとして、ヒトが食するには特別な炊飯処理を要するうえ、食味に劣るばかりか消化性も不良である。
したがって、玄米は古くより除糠処理いわゆる精米のうえ食用に供されている。
玄米に係る精米は、米粒相互を所定の圧力したに擦りあわせることにより、比較的柔らかな性質を有する前記糊粉層203のずれを生起して、糊粉層203の剥離および分離に併せて前記皮膜201、糠層202をも取り除くことを意味している。
このような精米は、古くは石臼に始まり、現在では機械式の精米機によりなされている。
【0004】
図13および図14は、精米機の1例であり、図示のようにホッパ101の下に流量調節用のシャッタ102が設けられ、このシャッタ102の下流側に、周面に多数の分離物排出孔103a...103aを有する剥離筒103を備え、この剥離筒103内に送りロール104及び攪拌ロール105を軸106により矢符イ方向に回転自在に軸支する一方、剥離筒103の一方の排出口112には圧力調整板113が設けられている。 そして、攪拌ロール105の表面には凸条107が形成され、この凸条107の後部壁107bには噴風孔108が設けられている。不図示のブロアからの送風は軸106の中空部106aを経て噴風孔108から噴出するようになっている。 そして、精米機の多くにおいて、上述の剥離筒103は六角形状に構成され、前記凸条107を一対有している。
【0005】
このような精米機では、玄米は次のように精米処理される。 まず、ホッパ101に投入された玄米は、シャッタ102で流量調節されながら送りロール104により剥離筒103と攪拌ロール105との間に送られ、凸条107により、凸条107と剥離筒103との間で、広間隙から狭間隙に移動する。 そして、図14に示すC2とC1の寸法比に応じた圧縮作用により玄米への圧力が高められ、この状態でさらに、凸条107により所定方向に移動付勢される。 そして、このとき、当初より圧力が高くなっていること、凸条107付近の玄米粒と凸条107から離開した玄米粒との間に速度差がること、から米粒相互間においてズレ作用が生じて、これにより前記糊粉層3がずれて除糠が行われる。
【0006】
上記の状態から、再び間隙の広い箇所に移動すると、糠が凸条107の後部側に拡散され、これにより圧力が低下すると同時に噴風孔108からの風が剥離筒103の分離物排出孔103aへ吹き抜ける。そして、この風とともに糠も分離物排出孔103aから排出される。 このような除糠作業を受けながら軸方向に順次送られてきた米粒は、排出口112に達すると圧力調整板113を押し開いて外部に排出される。 ところで、糠分の排出に必要な圧力差は凸条107と剥離筒103との間隙C2とC1の寸法比により生じるが、全般的な調整は圧力調整板113の排出口112に対する押圧力の加減により行われる。 なお、近時の精米機には、精米効率を向上させるため、除糠に先立ち玄米の上記皮膜1を研削する機構を具備するものも多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の精米機では、精米効率の高度化、米の白度向上は実現できても、石臼や旧式精米機による精白米のように、本当に美味な精白米を得ることができない。 本願発明者の研究によれば、精白米にこのような差異を生じる原因は、従来の精米機では、精米作業時の摩擦熱と同じく精米時に米粒から生じる脂肪分が精白米に微妙に作用して炊飯しても、米が本来有する食味が損なわれた結果と考えられる。
【0008】
今日では、旨い米を得るための選択肢は、米の品種、産地等のいわば先天的とも言える事実にのみ限られた観すらあり、精米と炊飯時の米の食味との関係については、ほぼ等閑に付されているといっても過言ではない。 しかしながら、本願発明者の研究によれば、精米と炊飯時の米の食味との間には重要な相関関係が存在しており、精米の工夫によって、炊飯時の食味が極めて向上することが判明した。
【0009】
前述の図11に示すように、玄米は外表面に形成されている皮膜201、この下側に形成されて、外皮糠とも称される管状細胞組織からなる糠層202、この糠層202を被覆するの糊粉層203(油脂、たんぱく、糖類を含有する軟質状でアリュウロン糠とも称される)、この糊粉層203の内側に形成されている白米本体とも言える澱粉層(胚乳部)204とからなっている。 前記糊粉層203は、図12に示すように、油脂、たんぱく、糖類を含有する軟質状のアリュウロン糠を収納した多数の嚢体で形成され、また糊粉層203に包まれている澱粉層(胚乳部)204は、澱粉粒子を収納した薄い蛋白質膜により形成される多数の嚢
体から構成されている。
【0010】
そして、精米は、糊粉層203の剥離および分離に併せて前記皮膜201、糠層202をも取り除き、澱粉層(胚乳部)、すなわち白米本体を得ることを意味する。
ところが、上記従来の精米機による精米では、圧力攪拌摩擦工程時、すなわち剥離筒103と攪拌ロール105との間における米粒の擦り合わせ時に、次のような現象が不可避であり、この結果、炊飯時に真の意味での旨い飯米が得られないのである。
(イ)精米時の摩擦熱により、澱粉層(胚乳部)4の表層において澱粉粒子を包む前記嚢体の薄い蛋白質膜が変質して破損しやすい状態になり、米の水洗、炊飯時に澱粉粒子が流出して炊飯適性が損なわれ、結果として食味が低下する。
(ロ)米粒を高圧力と高速攪拌により擦り合わせるので、糊粉層3における嚢体が破壊され中の油脂分が米粒すなわち澱粉層を構成する嚢体に付着残存して食味を低下させる。また、付着残存した油脂成分を除去して精白度を上げるためにさらに精米機を高出力で駆動させる必要があり、そうすると、摩擦熱による米粒の温度上昇が加重され、前記(イ)に述べた不都合がさらに助長される。
(ハ)また、玄米における前記皮膜(米蝋層)201の存在も上記(ロ)におけると同様の問題を提する。 蝋成分からなるこの皮膜(米蝋層)201は、米粒相互の擦り合わせ時の摩擦抵抗を減少させ、糠層202、糊粉層203の剥離・除去効率を損なうため、精米作業においてより高圧を加えることになり、これに起因する高い摩擦熱により蝋分が溶けて米粒に付着する。これで、さらに摩擦抵抗が減少するから再び圧力を加えるという悪循環に陥り精米効率が低下するばかりか、摩擦熱による影響で、上記(イ)、(ロ)の問題が助長される。
この皮膜(米蝋層)による不都合を回避して精米効率を上げるために、精米の前処理として皮膜の研削工程を採用する場合がある。 しかしながら、研削工程に用いられる砥石は、金剛砂が多い。 ところが、この金剛砂の粒子における角部(切削部)の角度は鈍角であるため、切削時に発生する摩擦熱が前記と同様の不都合を生じる。
(ニ)昔ながらの石臼あるいは旧式の精米機による精白米は、炊飯により誠に美味な飯米を得られるが、上述した近時の精米機による精白米は炊飯しても往時のような旨みに欠けることが多い。 この原因は、近時の高性能精米機では、糊粉層(アリュウロン層)を根こそぎ剥離してしまい、米粒の表面には、澱粉粒子を包持する多数の蛋白質嚢体で構成される胚乳部が露出していて、しかも蛋白質嚢体が熱変質を起こしていて前記の問題を堤するから炊飯しても美味な飯米を得られないのである。 すなわち、従来技術では、糊粉層(アリュウロン層)の処理時に、そこに含まれる油脂分が流出し米粒表面に固着するがこれを除去するために、さらに加圧攪拌する結果、糊粉層(アリュウロン層)は蛋白質嚢体を含め根こそぎ除去されてしまう。 ところで、飯米の旨味は、糊粉層(アリュウロン層)における蛋白質嚢体と、デキストリンに基づくものと考えられるが、従来技術では蛋白質嚢体も除去され、デキストリンも精米時の加熱によるアミラーゼの消失、減少により生成が阻害されてしまう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、美味米製造装置を、玄米の外表面に形成された蝋成分からなる皮膜を研削するための第1精米手段と、前記第1精米手段から送られる米粒群を粉体とともに加圧混合攪拌して油脂分を粉体に吸着させて除去するための第2精米手段と、この第2精米手段への粉体供給手段と、前記第2精米手段から送られる米粒群を高圧冷風の噴風雰囲気中で精白するとともに糠および前記粉体を米粒から分離除去する第3精米手段と、で構成して、上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0012】
また、上記において、第1精米手段は攪拌筒と、表面に複数の突条を有して前記攪拌筒に挿通されて回転する攪拌ロールとを具え、前記突条のピッチは処理する米粒幅の10〜20倍の範囲に設定し、突条の高さは処理する米粒の幅の1〜2倍に設定するとともに、前記突条の後面壁は、次の突条の前面壁下端縁に接続される傾斜面で形成し、第2精米手段は処理筒とこの処理筒に挿通され処理筒内壁との間で米粒群を粉体とともに加圧混合攪拌することにより、米粒表面に発生する油脂分を前記粉体に吸着させつつ精白するための回転軸とを具え、前記第3精米手段は、外筒に挿通され中心軸に沿って通風路を有する回転軸と、回転軸に設けられた送りロールと、送りロールに隣接して回転軸上にその長手方向に設けられ前記粉体により油脂分を吸着しつつ米粒群を前記外筒内壁との間で加圧攪拌して精白するために突条と、加圧攪拌により発生する摩擦熱の冷却手段と、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物を米粒から分離するための分離手段とを、具えて構成することがある。
【0013】
前記構成において、第2精米手段の回転軸軸にはその周面に点在立設され前記処理筒内壁との間で米粒群を複数の少量群に区画しかつ米粒の長手方向を送り方向と非平行に設定し、研削により発生する油脂分を前記粉体により吸着しつつ米粒群を加圧攪拌する突起を設けることがある。
【0014】
上記いずれかの構成において、油脂分を吸着させるための粉体は、米粉又はカルシューム粉となすことがある。
【0015】
また、上記において、第3精米手段の冷却手段は、回転軸に形成される通風路を経て突条の近傍に設けられた通風口から除湿された冷風を噴出させるための除湿・冷却風供給手段で構成することがある。
【0016】
さらに、上記において除湿・冷却風供給手段は、コンプレッサーと、第3精米手段の回転軸の通路に連結されるタンクと、コンプレッサーとタンクとの間の通気管に設けられる冷却装置とを具え、前記タンクは自動排水装置を有する構成となすことがある。
【0017】
またさらに、上記いずれかの記載の美味米製造装置において、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物の分離手段は、第3精米手段の回転軸の突条近傍に設けられ、除湿・冷却風供給手段から送給される冷風を噴出させる孔部と、回転軸の通風路端の出口孔部と、第3精米手段の外筒に形成されて糠、粉体その他のきょう雑物を排出する網部とで構成するとともに、前記孔部の開口面積は外筒の端末に近くなるにつれて大きくなるように構成して、外筒の出口付近での除湿・冷却風の噴出量を孔部の他の部分より大量となるように構成することがある。
【0018】
あるいはまた、上記いずれかの構成において、第2精米手段の処理筒の内壁部は、石材で形成することがある。
【0019】
さらに、上記いずれかにおいて、第2精米手段は粉体としての米粉生成手段を具え、この米粉生成手段は第2精米手段の処理筒の一端に連結される筒体と、この筒体に回転可能に挿通され筒体内壁との間で投入される米粉原料を破砕するため周面に螺旋条部を有する回転ロールとからなり、このロール周面には中心軸と平行な平面部が複数形成される構成となすことがある。
【0020】
また、上記において、研削装置に係る攪拌筒又は突条の一部又は全部の材質は、超硬合金、バイト材、SKD、SKS、SKH、WPS等の高炭素鋼又はダイヤモンドで形成することがある。
【0021】
さらにまた、上記いずれかにおいて、研削装置に係る攪拌筒又は突条の一部又は全部に高硬度の金属又はダイヤモンド砥粒のコーティングを施すことがある。
【0022】
【発明の実施の形態】
本願発明において、美味米とは玄米の表皮、糠層、糊粉層(アリュウロン層)がきれいに除去され、しかも胚乳部は糊粉層(アリュウロン層)の蛋白質嚢体の残片により被覆されていること、そして澱粉粒子を収容して胚乳部を形成する蛋白質嚢体が精米時の摩擦熱により変質していないこと、等の条件をクリアーするものである。
【0023】
糊粉層(アリュウロン層)は、油脂、たんぱく、糖類を含有する軟質状のアリュウロン糠を収納する多数の蛋白質嚢体が積層されて形成されており、このアリュウロン糠は、飯米の旨味を阻害するから精米時にはこれを除去する必要がある。 しかしながら、アリュウロン糠を包持する蛋白質嚢体は旨味の淵源である。したがって、理想的には、精白米の表面にはアリュウロン糠がすっかり除去された空の蛋白質嚢体が残留して胚乳部(澱粉粒子層)を被覆した状態であることを要する。
【0024】
本願発明では、糊粉層(アリュウロン層)を除去剥離するに際して最下層の蛋白質嚢体を潰損あるいは上部を引きちぎるようにして、内部のアリュウロン糠のみを吸着手段により除去するようにする。 したがって、米粒の表面には、蛋白質嚢体の残片が蜂の巣状に残り、胚乳部(澱粉粒子層)を被覆している。
【0025】
本実施形態に係る美味米製造装置は、図1に示すように、玄米の外表面に形成された蝋成分からなる皮膜を研削するための第1精米手段14と、この第1精米手段14から送られる米粒群を米粉等の粉体とともに加圧混合攪拌して油脂分を粉体に吸着させつつ精米するための第2精米手段15と、この第2精米手段15で使用する粉体としての米粉を供給する米粉生成手段17と、前記第2精米手段15から送られる米粒群を高圧冷風の噴風雰囲気中で精白するとともに糠および前記粉体を米粒から分離除去する第3精米手段16と、この第3精米手段16へ高圧の除湿冷風を供給する除湿冷風供給手段18とを具えている。
【0026】
すなわち、上記美味米製造装置において、まず、第1精米手段14は玄米の外表面に形成され蝋成分からなる皮膜を超硬材により研削し、第2精米手段15において、第1精米手段14から順次送られて各米粒の長手方向が送り方向とほぼ平行となっている米粒群を複数の少量群に区画しかつ米粒の長手方向を送り方向と非平行に設定しつつ、米粒群に米粉生成手段17から米粉を供給混入して加圧攪拌し主として米粒先端の胚芽部を除去するとともに、前記第1精米手段14の動作により露出した糊粉層から滲出する油脂分を米粉に吸着させる。
次いで、皮膜および胚芽部が除去された米粒群は、第3精米手段16へ移送され加圧攪拌され米粒相互を擦り合せて糊粉層を剥離し、この際に生じる油脂分をさらに前記米粉に吸着させるとともに高圧の除湿冷風を前記除湿冷風供給手段18から連続的に供給して米粒から剥離した糠分(皮膜片、胚芽片、糊粉等)および米粉等のきょう雑物を飛散除去することにより、低温下で最終精米を実行する。
【0027】
前記第1精米手段14による玄米表皮の研削は超硬合金、バイト材、SKD、SKS、SKH、WPS等の高炭素鋼又はダイヤモンド等の超硬材によりなすようにして、米粒に必要以上の圧力を加えたり、米粒を必要以上に高速攪拌することはない。
【0028】
表皮の研削を終えた米粒における糊粉層(アリュウロン層)の除去処理に際して発生する油脂分対策として、油脂分を粉体に吸着させて米粒から除去する。粉体としては、米粉、カルシューム粉(微粒蛎殻粉)等を選択できるが、コスト、吸着性能、吸着後に肥料、飼料等への利用可能性の見地から米粉の採用が現実的である。
【0029】
吸着手段としての微粒米粉あるいは微粒蛎殻粉は、玄米の表皮研削を終了した米粒の胚芽除去処理時、すなわち第2精米手段15において米粒と混合される。胚芽処理における米粒の攪拌により糊粉層(アリュウロン層)における糊粉糠(アリュウロン糠)が露出する場合にこれに含まれる油脂分を吸着することにより米粒に塗着するのを防止するためである。 油脂分がいったん米粒に塗着すると、これを除去剥離するには米粒を高圧攪拌せざるを得ず、そうなると米粒表面に糊粉糠(アリュウロン糠)を包持していた空の蛋白質嚢体を米粒表面に残すことができず、糊粉層(アリュウロン層)のすべてを剥離することになる。すなわち、旨味成分が消失する。 また、澱粉層が露出し、しかもこの澱粉層において澱粉粒子を包持している嚢体膜が高圧攪拌による摩擦熱で変質し炊飯時に澱粉の均質なアルファ−化が困難になることが多く、美味な飯米とならない。
【0030】
第2精米手段15における胚芽処理は、米粒を少量グループに分けて行う。少量グループに分けることにより米粒を比較的低い圧力、低回転で攪拌でき、無用の摩擦熱の発生による悪影響を防止できる。さらに、少量グループに分けられた各米粒は、各米粒の長手方向が回転軸と非平行に保持されて攪拌筒内で攪拌されるから、各米粒の長手方向端部が攪拌筒内壁に接触して胚芽は効率よく剥離除去される。 また、各米粒の長手方向端部が摺接する攪拌筒内壁面を花崗岩等の石材で形成すると、石材の適度な粗面により胚芽は低圧下での低速攪拌によっても適正に剥離できる。
【0031】
第2精米手段15において胚芽の除去処理を終えた米粒は、次に送られる第3精米手段16において糠層と糊粉層(アリュウロン層)の処理を行う。 この過程で重要なのは、糊粉層(アリュウロン層)の処理である。糊粉層(アリュウロン層)は、繰り返し述べるように糊粉糠(アリュウロン糠)を包持する蛋白質嚢体が幾重にも積層されて形成されている。米粒群を加圧攪拌して積層されている蛋白質嚢体を圧潰または引き破るようにして内部の糊粉糠(アリュウロン糠)を露出させ、これを吸着手段としての微粒米粉あるいは微粒蛎殻粉に吸着させる。このようにして、積層された蛋白質嚢体は順次剥離処理されていくが、最下層、すなわち澱粉層に接している蛋白質嚢体自体は剥離せず、糊粉糠(アリュウロン糠)を露出させ、これのみを吸着手段としての微粒米粉あるいは微粒蛎殻粉に吸着させて蛋白質嚢体の内部から剥離除去する。
【0032】
米粒から剥離された糠、糊粉糠(アリュウロン糠)、これらを吸着した微粒米粉あるいは微粒蛎殻粉は、除湿冷風供給手段18からの高圧かつ冷却された噴風により米粒から分離除去される。なお、噴風には摂氏5度前後の冷風を使用して、精米処理過程における米粒の温度を摂氏65度以下に抑制する。これは、澱粉層において澱粉粒子を包持する嚢体膜は摂氏65度以上に加熱されると変質し、精白米の炊飯適性を損なうからである。
なお、第3精米手段16における精米は、除湿冷風供給手段18からの高圧噴風により低温下でなされるが、精米処理により生じる糠、油脂分を吸着した米粉等と米粒との分離も前記高圧噴風によりなされるが、その風量は精米処理過程の終端付近において最大、すなわち第3精米手段16の処理筒外に糠等とともに排出される除湿冷風の風量を処理筒終端に近くなるにつれて大きくなるようにする。
【0033】
【発明の実施例】
図面に基づいて、本願発明の1実施例を説明する。
美味米製造装置は、図1について前述したように、上段に第1精米手段14、中段に第2精米手段15、下段に第3精米手段16が配設されてなる縦型の装置で、玄米供給手段19であるホッパーから投下される玄米は、第1精米手段14において米の外表面に形成された蝋成分からなる皮膜が研削される。 皮膜研削を終えた米粒群は、次段の第2精米手段15に投下され、米粉生成手段17から第2精米手段15に投入される米粉とともに加圧混合攪拌されて油脂分を粉体に吸着させつつ精米(主として胚芽の除去)される。 第2精米手段15における処理を経た米粒群は、最下段の第3精米手段16へ投下され、高圧冷風の噴風雰囲気中で精白(主として糊粉層(アリュウロン層)の除去)され、糠および米粉が米粒から分離除去される。 除湿冷風供給手段18は、高圧の除湿冷風を噴出して第3精米手段16の低温処理を可能にする一方、糠および米粉を精白米と分離する。
【0034】
図2〜図4は、前記第1精米手段14の1実施例を示す図である。図において、19は玄米を投入するホッパ、2は流量調節用のシャッタ、3は攪拌筒であり、攪拌筒3の壁面には多数の排出孔3a...3aが形成され、攪拌筒3の内部に
は送りロール4と攪拌ロール5が軸6に同心状に装着されている。 そして、攪拌ロール5の表面には複数の突条7..7が設けられ、また、突条7の後面壁7bは、次の突条7の前面壁7aの下端縁に接続する傾斜面となっている。
【0035】
また、後面壁7bには軸6の中空部6aに連通する噴風孔8が形成されこの中空部6aには不図示のブロワ等から噴風が送風管9を介して送られるようになっている。 軸6は、不図示の駆動源によりプーリ10、ベルト11を介して回転する。 攪拌筒3の排出側には圧力調節板13を有する米粒の排出口12が設けられている。
【0036】
突条の高さHは処理する米粒の幅の1倍以上2倍以下であり、突条のピッチPは処理する米粒の幅の10倍以上20倍以下である。
【0037】
なお、上記構成に係る第1精米手段14は、本願発明者が先に開示した特許第3162147号に係る米穀処理装置を利用したものであり、その作用効果も同号特許公報に記載されるものと同一であるが、使用方法が若干異なる。
すなわち、本願では前記米穀処理装置を米粒の表皮の研削に使用する。したがって、出発対象に籾米を使用しても、処理は表皮の研削に限定し、それ以降の除糠処理は本願に係る精米装置に委ねることになる。 研削処理は、白度4程度が目安となる。前記米穀処理装置を本願発明の研削装置に採用する所以は、この装置が低圧下で米の表皮を鋭利に研削でき、米粒に摩擦熱その他によるいかなる損傷をも与えないからである。
【0038】
図5は、前記第2精米手段15に係る1実施例を示す要部断面図である。
図において、50は処理筒であり、この処理筒50にはロール60を有する回転軸40が挿通されている。前記ロール60周面には前記第1精米手段14から送管51を経て投下される表皮研削済みの米粒群を送るための送り部(スクリューコンベア)70が設けられている。そして、この送り部(スクリューコンベア)70に隣接するロール60周面には多数の突起21、21..が点在立設されていて第2精米部(主として胚芽処理)を構成している。これらの突起21は、処理筒50内壁に周設される石材22との間で米粒群を複数の少量群に区画しかつ米粒の長手方向を送り方向と非平行に設定し、各米粒の端部における胚芽部の剥離を容易にするようになっている。
【0039】
すなわち、米粒が、送り部(スクリューコンベア)70から隣接する前記第2精米部まで移送される間、米粒はその長手方向が送り方向に平行な状態に形成される。これは、その並列状態が最も抵抗を生じないからである。
そして、このような、言わば横倒しの状態で胚芽部を剥離しようとしても、胚芽部の処理筒50内壁へ摺接は思うようになされず胚芽処理の効率は芳しくない。 しかるに、本願では送り部(スクリューコンベア)70からの米粒は、第2精米部の突起21群にいたり、各突起20の規制と送り部(スクリューコンベア)70からの送り圧により、周方向で隣接する突起間にある米粒は、縦列状態すなわちロール周面に対して立つ状態になり、米粒の長手方向は送り方向と非平行になる。 このため、胚芽の剥離処理は円滑になされること、および米粒は、前記突起21により少量グループに分断されること等から、第2精米部における米粒の攪拌は低圧、低回転で実行でき摩擦熱による米粒への悪影響を回避できる。また、図5において、17は処理筒50に連結された前記米粉生成手段であり、パイプ52を経て送給される米粒を粉砕して米粉を生成する。
【0040】
図6は、前記米粉生成手段17の実施例を示す斜視図であり、この 前記米粉生成手段17は、筒状のハウジング17aと、このハウジング17aに回転可能に収納されハウジング17aの内周壁との間で米粒を粉砕する押圧ロール17bを具えた回転軸部17cとからなっている。
この米粉生成手段17は第2精米手段15の処理筒50の一端に連結される筒体17aと、この筒体17aに回転可能に挿通され筒体内壁との間で投入される米粉原料を破砕するため周面に螺旋条部17dを有する押圧ロール17bを具えた回転軸部17cとからなり、押圧ロール17b周面には中心軸と平行な平面部17eが複数形成されている。 そして、前記筒体17aの外周部には収納される前記押圧ロール17bに対応する位置に米粉原料(米粒)投入孔17fが、また、回転軸部17cに対応する位置には第1精米手段14から送給される表皮研削を完了した米粒群が投入される投入口17gが設けられている。
米粉原料(米粒)投入孔17fに投下された米粒は、平面部17eの存在により前記筒体17a内をスムーズに移動しつつ押圧ロール17bにより順次粉砕され微粉化され回転軸部17cに至り、前記投入口17gからの米粒群と一緒になり、第2精米手段15内に移送される。
【0041】
図7は、図5におけるA−A線断面図である、図において、22は、処理筒50内壁に周設される前述の石材で、ここでは花崗岩で構成されている。このように、花崗岩で内壁を形成することにより、米粒は適度な粗面に摺接して胚芽処理に適し、また摩擦熱も吸収されやすい。 胚芽の処理は、図5に示す米粉生成手段17から、油脂分吸着手段としての微細米粉を供給しつつなされる。
この微細米粉の投入により、第1精米手段14から送られる研削処理済みの米に付着した油脂分が米粒から吸着剥離される。 すなわち、第1精米手段14における研削工程では、研削動作が米粒の糊粉層(アリュウロン層)にまで及ぶことがあり、そうすると糊粉糠(アリュウロン糠)中の油脂分が滲出して米粒に付着する。 微細米粉は、滲出したこの油脂分を吸着剥離する。
【0042】
図8は、前記第3精米手段16に係る1実施例を示す要部断面図である。
第3精米手段16は、外筒52に挿通され中心軸に沿って通風路を有する回転軸41と、回転軸41に設けられた送りロール71と、送りロール71に隣接して回転軸41上にその長手方向に設けられ前記米粉により油脂分を吸着しつつ米粒群を前記外筒51内壁との間で加圧攪拌して精白するために突条31と、加圧攪拌により発生する摩擦熱の冷却手段と、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物を米粒から分離するための分離手段とを、具えている。
【0043】
さらに、52aは、糠、粉体その他のきょう雑物を米粒から分離するための分離手段の要素として前記外筒52壁面に貫通形成された網部からなる多数の排出孔、102は精米処理を終えた米粒の出口、103は圧力調整板である。
また、80はプーリ、81は不図示の駆動源による回転ベルト、90は回転軸41の通風路と後述の除湿・冷却風供給手段との連結管である。
【0044】
図9に示すように、前述の突条31は、回転軸41に巻装されるロール42の周面に回転軸41に平行に相対向して一対設けられており、突条31、31のそれぞれの脚部には通風口32、32が形成されており、回転軸41の通風路43と連通している。前記連結管90から送給される冷風は、通風路43を通過して、前記通風口32、32から噴出される間に、第3精米手段16内部を冷却するとともに、外筒52内部において発生する糠や糊粉糠(アリュウロン糠)あるいはこれらを吸着した微細米粉その他、精米処理において発生する残渣物を網部で構成される前記排出孔52aから処理筒52外部に飛散排出する。
【0045】
図10は、除湿・冷却風供給手段の1実施例の構成を示す図である。
除湿・冷却風供給手段は、コンプレッサー301と、第3精米手段16の回転軸41の通風路43に連結される高圧タンク302と、コンプレッサー301と高圧タンク302との間の通気管303に設けられる冷却装置としての冷却フィン304とを具え、前記高圧タンク302は自動排水装置を有している。 高圧タンク302内の水分は常時、自動排水装置により排水され、またコンプレッサー301で圧縮された外気は高圧タンク302への送気途中で冷却フィン304により冷却されるから、回転軸41の通風路43を通る高圧風は、除湿・冷却された状態を維持している。
以上のように、第3精米手段16における冷却手段は、前記除湿・冷却風供給手段、回転軸41の通風路43、前記通風口32、前記排出孔52aから構成されている。
また、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物の分離手段は、第3精米手段16の回転軸41の突条31脚部に設けられ、除湿・冷却風供給手段から送給される冷風を噴出させる前記孔部32と、回転軸41の通風路43端の出口孔部と、第3精米手段16の外筒52に形成されて糠、粉体その他のきょう雑物を排出する網部による前記排出孔52aで構成されている。 そして、突条31脚部に設けられた前記孔部32の開口面積は外筒52の端末(図8において左端)に近くなるにつれて大きくなるように構成して、外筒52の出口付近での除湿・冷却風の噴出量を孔部の他の部分より大量となるようにして、一気に糠その他を分離・排出するようになっている。
【0046】
第1精米手段14において図11に示す表皮1の除去を終えた米粒は、図5に示すパイプ51を経て第2精米手段15へ投下され、前述したプロセスにより胚芽の除去がなされる。
次いで、第3精米手段16において、図11に示す糠層202および糊粉層(アリュウロン層)203の剥離処理がなされる。糊粉層(アリュウロン層)203の処理時には、蛋白質嚢体に保持されている糊粉糠(アリュウロン糠)が露出し、その中の油脂分が滲出して米粒に付着する。このままの状態では、油脂分の存在により米粒の攪拌において滑動空転が発生するから、さらな
る圧力を加えて攪拌速度を上げざるを得ない。
しかしながら、本願発明では、糊粉糠(アリュウロン糠)から発生する油脂分は次々と吸着手段としての微細米粉に吸着されるから、米粒は比較的低圧かつ低回転で攪拌される。
【0047】
第3精米手段16の実施例において、回転軸41の回転数は、500rpm以下とし、外筒52内壁と対向する突条31の頂部の周速は1m/sec.以下に設定されている。 運転諸元を前記のように設定することにより、比較的低圧、低回転で米粒の攪拌が進行するので、米粒において、糠層2、糊粉層(アリュウロン層)3の剥離処理が徐々になされ、最終的に図12に示す美味米を得ることができる。
図11は、本願発に係る美味米あるいは、旧来の石臼等による精白米の一部断面図で、糊粉糠(アリュウロン糠)が除去されて内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜が澱粉層の表面を被覆している。
すなわち、図において、203は糊粉糠(アリュウロン糠)を収納する多数の蛋白質嚢体が積層して形成される糊粉層(アリュウロン層)、203aは第3精米手段16において徐々に剥離処理されて消失した糊粉糠(アリュウロン糠)を収納する多数の蛋白質嚢体を示し、203bは、澱粉粒子を保持する嚢体204aの積層による澱粉層204の表面に形成された内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜である。
【0048】
上記美味米は、澱粉粒子を保持する嚢体204aに熱変質が発生していない。これは、米粒の攪拌が比較的低圧下で低回転でなされるため、前記嚢体204aに影響するほどの摩擦熱の発生が抑制されるからである。
また、この美味米では、前述のように、米粒の外側面は糊粉糠(アリュウロン糠)が除去されて内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜によりほぼ被覆されて、炊飯時の米の旨味成分源が確保されている。このような状態を実現できるのは、精米が吸着手段により糊粉糠(アリュウロン糠)およびその油脂分を吸着しながらなされること、および、このことで米粒の攪拌が比較的低圧下で低回転でなされるから、糊粉層(アリュウロン層)を徐々に剥離して、最終的に糊粉糠(アリュウロン糠)が除去されて内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜を澱粉層204の表面に残すことができる。
ただし、低圧下で低回転とは言え、攪拌を継続すれば精米処理による剥離は澱粉層まで及ぶから、排出口102から排出される米の状態を観察して、剥離の過不足を圧力調整板103により調節して所定の美味米を実現する。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明では、吸着手段により糊粉層(アリュウロン層)の処理に伴い発生する油脂分の米粒への固着を防止しつつ米を加圧撹拌するので、この加圧撹拌は比較的低圧下、低回転でなすことができ、糊粉糠(アリュウロン糠)が除去されて内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜を澱粉層の表面に残し、しかも澱粉層に熱変質の発生しない美味な米を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る美味米製造装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本願発明に係る第1精米手段の一実施例を示す要部断面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】本願発明に係る第2精米手段の一実施例に係る要部断面図である。
【図6】米粉生成手段の一実施例に係る要部斜視図である。
【図7】図5におけるA−A線断面図である。
【図8】本願発明に係る第3精米手段の一実施例に係る要部断面図である。
【図9】図8におけるB−B線断面図である。
【図10】除湿・冷却風供給手段の1実施例の構成を示す図である。
【図11】玄米の表層部に係る断面図である。
【図12】本願発明に係る美味米の表層部に係る断面図である。
【図13】従来の精米機の要部断面図である。
【図14】図13におけるB−B線断面図である。
【発明の属する技術分野】
本願発明は、美味米製造装置に関し、詳しくは、米粒を低温環境下に比較的低い圧力で精米処理しつつ併せて発生する油脂分を同時進行的に米粒から吸着するようにして美味米を製造する技術に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
図11は、玄米の構成断面図であり、図において201は玄米の外表面に形成されている皮膜で、通常は米蝋と呼ばれる蝋成分からなっている。 202は前記皮膜201の下側に形成されて、外皮糠とも称される管状細胞組織からなる糠層で、この糠層202は糊粉層203を覆っている。糊粉層23は、油脂、たんぱく、糖類を含有する粘状の糠で、アリュウロン糠とも称されている。この糊粉層203の内側には白米本体とも言える澱粉層(胚乳部)204が存在している。
【0003】
上記のような玄米は、栄養的な価値はともかくとして、ヒトが食するには特別な炊飯処理を要するうえ、食味に劣るばかりか消化性も不良である。
したがって、玄米は古くより除糠処理いわゆる精米のうえ食用に供されている。
玄米に係る精米は、米粒相互を所定の圧力したに擦りあわせることにより、比較的柔らかな性質を有する前記糊粉層203のずれを生起して、糊粉層203の剥離および分離に併せて前記皮膜201、糠層202をも取り除くことを意味している。
このような精米は、古くは石臼に始まり、現在では機械式の精米機によりなされている。
【0004】
図13および図14は、精米機の1例であり、図示のようにホッパ101の下に流量調節用のシャッタ102が設けられ、このシャッタ102の下流側に、周面に多数の分離物排出孔103a...103aを有する剥離筒103を備え、この剥離筒103内に送りロール104及び攪拌ロール105を軸106により矢符イ方向に回転自在に軸支する一方、剥離筒103の一方の排出口112には圧力調整板113が設けられている。 そして、攪拌ロール105の表面には凸条107が形成され、この凸条107の後部壁107bには噴風孔108が設けられている。不図示のブロアからの送風は軸106の中空部106aを経て噴風孔108から噴出するようになっている。 そして、精米機の多くにおいて、上述の剥離筒103は六角形状に構成され、前記凸条107を一対有している。
【0005】
このような精米機では、玄米は次のように精米処理される。 まず、ホッパ101に投入された玄米は、シャッタ102で流量調節されながら送りロール104により剥離筒103と攪拌ロール105との間に送られ、凸条107により、凸条107と剥離筒103との間で、広間隙から狭間隙に移動する。 そして、図14に示すC2とC1の寸法比に応じた圧縮作用により玄米への圧力が高められ、この状態でさらに、凸条107により所定方向に移動付勢される。 そして、このとき、当初より圧力が高くなっていること、凸条107付近の玄米粒と凸条107から離開した玄米粒との間に速度差がること、から米粒相互間においてズレ作用が生じて、これにより前記糊粉層3がずれて除糠が行われる。
【0006】
上記の状態から、再び間隙の広い箇所に移動すると、糠が凸条107の後部側に拡散され、これにより圧力が低下すると同時に噴風孔108からの風が剥離筒103の分離物排出孔103aへ吹き抜ける。そして、この風とともに糠も分離物排出孔103aから排出される。 このような除糠作業を受けながら軸方向に順次送られてきた米粒は、排出口112に達すると圧力調整板113を押し開いて外部に排出される。 ところで、糠分の排出に必要な圧力差は凸条107と剥離筒103との間隙C2とC1の寸法比により生じるが、全般的な調整は圧力調整板113の排出口112に対する押圧力の加減により行われる。 なお、近時の精米機には、精米効率を向上させるため、除糠に先立ち玄米の上記皮膜1を研削する機構を具備するものも多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の精米機では、精米効率の高度化、米の白度向上は実現できても、石臼や旧式精米機による精白米のように、本当に美味な精白米を得ることができない。 本願発明者の研究によれば、精白米にこのような差異を生じる原因は、従来の精米機では、精米作業時の摩擦熱と同じく精米時に米粒から生じる脂肪分が精白米に微妙に作用して炊飯しても、米が本来有する食味が損なわれた結果と考えられる。
【0008】
今日では、旨い米を得るための選択肢は、米の品種、産地等のいわば先天的とも言える事実にのみ限られた観すらあり、精米と炊飯時の米の食味との関係については、ほぼ等閑に付されているといっても過言ではない。 しかしながら、本願発明者の研究によれば、精米と炊飯時の米の食味との間には重要な相関関係が存在しており、精米の工夫によって、炊飯時の食味が極めて向上することが判明した。
【0009】
前述の図11に示すように、玄米は外表面に形成されている皮膜201、この下側に形成されて、外皮糠とも称される管状細胞組織からなる糠層202、この糠層202を被覆するの糊粉層203(油脂、たんぱく、糖類を含有する軟質状でアリュウロン糠とも称される)、この糊粉層203の内側に形成されている白米本体とも言える澱粉層(胚乳部)204とからなっている。 前記糊粉層203は、図12に示すように、油脂、たんぱく、糖類を含有する軟質状のアリュウロン糠を収納した多数の嚢体で形成され、また糊粉層203に包まれている澱粉層(胚乳部)204は、澱粉粒子を収納した薄い蛋白質膜により形成される多数の嚢
体から構成されている。
【0010】
そして、精米は、糊粉層203の剥離および分離に併せて前記皮膜201、糠層202をも取り除き、澱粉層(胚乳部)、すなわち白米本体を得ることを意味する。
ところが、上記従来の精米機による精米では、圧力攪拌摩擦工程時、すなわち剥離筒103と攪拌ロール105との間における米粒の擦り合わせ時に、次のような現象が不可避であり、この結果、炊飯時に真の意味での旨い飯米が得られないのである。
(イ)精米時の摩擦熱により、澱粉層(胚乳部)4の表層において澱粉粒子を包む前記嚢体の薄い蛋白質膜が変質して破損しやすい状態になり、米の水洗、炊飯時に澱粉粒子が流出して炊飯適性が損なわれ、結果として食味が低下する。
(ロ)米粒を高圧力と高速攪拌により擦り合わせるので、糊粉層3における嚢体が破壊され中の油脂分が米粒すなわち澱粉層を構成する嚢体に付着残存して食味を低下させる。また、付着残存した油脂成分を除去して精白度を上げるためにさらに精米機を高出力で駆動させる必要があり、そうすると、摩擦熱による米粒の温度上昇が加重され、前記(イ)に述べた不都合がさらに助長される。
(ハ)また、玄米における前記皮膜(米蝋層)201の存在も上記(ロ)におけると同様の問題を提する。 蝋成分からなるこの皮膜(米蝋層)201は、米粒相互の擦り合わせ時の摩擦抵抗を減少させ、糠層202、糊粉層203の剥離・除去効率を損なうため、精米作業においてより高圧を加えることになり、これに起因する高い摩擦熱により蝋分が溶けて米粒に付着する。これで、さらに摩擦抵抗が減少するから再び圧力を加えるという悪循環に陥り精米効率が低下するばかりか、摩擦熱による影響で、上記(イ)、(ロ)の問題が助長される。
この皮膜(米蝋層)による不都合を回避して精米効率を上げるために、精米の前処理として皮膜の研削工程を採用する場合がある。 しかしながら、研削工程に用いられる砥石は、金剛砂が多い。 ところが、この金剛砂の粒子における角部(切削部)の角度は鈍角であるため、切削時に発生する摩擦熱が前記と同様の不都合を生じる。
(ニ)昔ながらの石臼あるいは旧式の精米機による精白米は、炊飯により誠に美味な飯米を得られるが、上述した近時の精米機による精白米は炊飯しても往時のような旨みに欠けることが多い。 この原因は、近時の高性能精米機では、糊粉層(アリュウロン層)を根こそぎ剥離してしまい、米粒の表面には、澱粉粒子を包持する多数の蛋白質嚢体で構成される胚乳部が露出していて、しかも蛋白質嚢体が熱変質を起こしていて前記の問題を堤するから炊飯しても美味な飯米を得られないのである。 すなわち、従来技術では、糊粉層(アリュウロン層)の処理時に、そこに含まれる油脂分が流出し米粒表面に固着するがこれを除去するために、さらに加圧攪拌する結果、糊粉層(アリュウロン層)は蛋白質嚢体を含め根こそぎ除去されてしまう。 ところで、飯米の旨味は、糊粉層(アリュウロン層)における蛋白質嚢体と、デキストリンに基づくものと考えられるが、従来技術では蛋白質嚢体も除去され、デキストリンも精米時の加熱によるアミラーゼの消失、減少により生成が阻害されてしまう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、美味米製造装置を、玄米の外表面に形成された蝋成分からなる皮膜を研削するための第1精米手段と、前記第1精米手段から送られる米粒群を粉体とともに加圧混合攪拌して油脂分を粉体に吸着させて除去するための第2精米手段と、この第2精米手段への粉体供給手段と、前記第2精米手段から送られる米粒群を高圧冷風の噴風雰囲気中で精白するとともに糠および前記粉体を米粒から分離除去する第3精米手段と、で構成して、上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0012】
また、上記において、第1精米手段は攪拌筒と、表面に複数の突条を有して前記攪拌筒に挿通されて回転する攪拌ロールとを具え、前記突条のピッチは処理する米粒幅の10〜20倍の範囲に設定し、突条の高さは処理する米粒の幅の1〜2倍に設定するとともに、前記突条の後面壁は、次の突条の前面壁下端縁に接続される傾斜面で形成し、第2精米手段は処理筒とこの処理筒に挿通され処理筒内壁との間で米粒群を粉体とともに加圧混合攪拌することにより、米粒表面に発生する油脂分を前記粉体に吸着させつつ精白するための回転軸とを具え、前記第3精米手段は、外筒に挿通され中心軸に沿って通風路を有する回転軸と、回転軸に設けられた送りロールと、送りロールに隣接して回転軸上にその長手方向に設けられ前記粉体により油脂分を吸着しつつ米粒群を前記外筒内壁との間で加圧攪拌して精白するために突条と、加圧攪拌により発生する摩擦熱の冷却手段と、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物を米粒から分離するための分離手段とを、具えて構成することがある。
【0013】
前記構成において、第2精米手段の回転軸軸にはその周面に点在立設され前記処理筒内壁との間で米粒群を複数の少量群に区画しかつ米粒の長手方向を送り方向と非平行に設定し、研削により発生する油脂分を前記粉体により吸着しつつ米粒群を加圧攪拌する突起を設けることがある。
【0014】
上記いずれかの構成において、油脂分を吸着させるための粉体は、米粉又はカルシューム粉となすことがある。
【0015】
また、上記において、第3精米手段の冷却手段は、回転軸に形成される通風路を経て突条の近傍に設けられた通風口から除湿された冷風を噴出させるための除湿・冷却風供給手段で構成することがある。
【0016】
さらに、上記において除湿・冷却風供給手段は、コンプレッサーと、第3精米手段の回転軸の通路に連結されるタンクと、コンプレッサーとタンクとの間の通気管に設けられる冷却装置とを具え、前記タンクは自動排水装置を有する構成となすことがある。
【0017】
またさらに、上記いずれかの記載の美味米製造装置において、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物の分離手段は、第3精米手段の回転軸の突条近傍に設けられ、除湿・冷却風供給手段から送給される冷風を噴出させる孔部と、回転軸の通風路端の出口孔部と、第3精米手段の外筒に形成されて糠、粉体その他のきょう雑物を排出する網部とで構成するとともに、前記孔部の開口面積は外筒の端末に近くなるにつれて大きくなるように構成して、外筒の出口付近での除湿・冷却風の噴出量を孔部の他の部分より大量となるように構成することがある。
【0018】
あるいはまた、上記いずれかの構成において、第2精米手段の処理筒の内壁部は、石材で形成することがある。
【0019】
さらに、上記いずれかにおいて、第2精米手段は粉体としての米粉生成手段を具え、この米粉生成手段は第2精米手段の処理筒の一端に連結される筒体と、この筒体に回転可能に挿通され筒体内壁との間で投入される米粉原料を破砕するため周面に螺旋条部を有する回転ロールとからなり、このロール周面には中心軸と平行な平面部が複数形成される構成となすことがある。
【0020】
また、上記において、研削装置に係る攪拌筒又は突条の一部又は全部の材質は、超硬合金、バイト材、SKD、SKS、SKH、WPS等の高炭素鋼又はダイヤモンドで形成することがある。
【0021】
さらにまた、上記いずれかにおいて、研削装置に係る攪拌筒又は突条の一部又は全部に高硬度の金属又はダイヤモンド砥粒のコーティングを施すことがある。
【0022】
【発明の実施の形態】
本願発明において、美味米とは玄米の表皮、糠層、糊粉層(アリュウロン層)がきれいに除去され、しかも胚乳部は糊粉層(アリュウロン層)の蛋白質嚢体の残片により被覆されていること、そして澱粉粒子を収容して胚乳部を形成する蛋白質嚢体が精米時の摩擦熱により変質していないこと、等の条件をクリアーするものである。
【0023】
糊粉層(アリュウロン層)は、油脂、たんぱく、糖類を含有する軟質状のアリュウロン糠を収納する多数の蛋白質嚢体が積層されて形成されており、このアリュウロン糠は、飯米の旨味を阻害するから精米時にはこれを除去する必要がある。 しかしながら、アリュウロン糠を包持する蛋白質嚢体は旨味の淵源である。したがって、理想的には、精白米の表面にはアリュウロン糠がすっかり除去された空の蛋白質嚢体が残留して胚乳部(澱粉粒子層)を被覆した状態であることを要する。
【0024】
本願発明では、糊粉層(アリュウロン層)を除去剥離するに際して最下層の蛋白質嚢体を潰損あるいは上部を引きちぎるようにして、内部のアリュウロン糠のみを吸着手段により除去するようにする。 したがって、米粒の表面には、蛋白質嚢体の残片が蜂の巣状に残り、胚乳部(澱粉粒子層)を被覆している。
【0025】
本実施形態に係る美味米製造装置は、図1に示すように、玄米の外表面に形成された蝋成分からなる皮膜を研削するための第1精米手段14と、この第1精米手段14から送られる米粒群を米粉等の粉体とともに加圧混合攪拌して油脂分を粉体に吸着させつつ精米するための第2精米手段15と、この第2精米手段15で使用する粉体としての米粉を供給する米粉生成手段17と、前記第2精米手段15から送られる米粒群を高圧冷風の噴風雰囲気中で精白するとともに糠および前記粉体を米粒から分離除去する第3精米手段16と、この第3精米手段16へ高圧の除湿冷風を供給する除湿冷風供給手段18とを具えている。
【0026】
すなわち、上記美味米製造装置において、まず、第1精米手段14は玄米の外表面に形成され蝋成分からなる皮膜を超硬材により研削し、第2精米手段15において、第1精米手段14から順次送られて各米粒の長手方向が送り方向とほぼ平行となっている米粒群を複数の少量群に区画しかつ米粒の長手方向を送り方向と非平行に設定しつつ、米粒群に米粉生成手段17から米粉を供給混入して加圧攪拌し主として米粒先端の胚芽部を除去するとともに、前記第1精米手段14の動作により露出した糊粉層から滲出する油脂分を米粉に吸着させる。
次いで、皮膜および胚芽部が除去された米粒群は、第3精米手段16へ移送され加圧攪拌され米粒相互を擦り合せて糊粉層を剥離し、この際に生じる油脂分をさらに前記米粉に吸着させるとともに高圧の除湿冷風を前記除湿冷風供給手段18から連続的に供給して米粒から剥離した糠分(皮膜片、胚芽片、糊粉等)および米粉等のきょう雑物を飛散除去することにより、低温下で最終精米を実行する。
【0027】
前記第1精米手段14による玄米表皮の研削は超硬合金、バイト材、SKD、SKS、SKH、WPS等の高炭素鋼又はダイヤモンド等の超硬材によりなすようにして、米粒に必要以上の圧力を加えたり、米粒を必要以上に高速攪拌することはない。
【0028】
表皮の研削を終えた米粒における糊粉層(アリュウロン層)の除去処理に際して発生する油脂分対策として、油脂分を粉体に吸着させて米粒から除去する。粉体としては、米粉、カルシューム粉(微粒蛎殻粉)等を選択できるが、コスト、吸着性能、吸着後に肥料、飼料等への利用可能性の見地から米粉の採用が現実的である。
【0029】
吸着手段としての微粒米粉あるいは微粒蛎殻粉は、玄米の表皮研削を終了した米粒の胚芽除去処理時、すなわち第2精米手段15において米粒と混合される。胚芽処理における米粒の攪拌により糊粉層(アリュウロン層)における糊粉糠(アリュウロン糠)が露出する場合にこれに含まれる油脂分を吸着することにより米粒に塗着するのを防止するためである。 油脂分がいったん米粒に塗着すると、これを除去剥離するには米粒を高圧攪拌せざるを得ず、そうなると米粒表面に糊粉糠(アリュウロン糠)を包持していた空の蛋白質嚢体を米粒表面に残すことができず、糊粉層(アリュウロン層)のすべてを剥離することになる。すなわち、旨味成分が消失する。 また、澱粉層が露出し、しかもこの澱粉層において澱粉粒子を包持している嚢体膜が高圧攪拌による摩擦熱で変質し炊飯時に澱粉の均質なアルファ−化が困難になることが多く、美味な飯米とならない。
【0030】
第2精米手段15における胚芽処理は、米粒を少量グループに分けて行う。少量グループに分けることにより米粒を比較的低い圧力、低回転で攪拌でき、無用の摩擦熱の発生による悪影響を防止できる。さらに、少量グループに分けられた各米粒は、各米粒の長手方向が回転軸と非平行に保持されて攪拌筒内で攪拌されるから、各米粒の長手方向端部が攪拌筒内壁に接触して胚芽は効率よく剥離除去される。 また、各米粒の長手方向端部が摺接する攪拌筒内壁面を花崗岩等の石材で形成すると、石材の適度な粗面により胚芽は低圧下での低速攪拌によっても適正に剥離できる。
【0031】
第2精米手段15において胚芽の除去処理を終えた米粒は、次に送られる第3精米手段16において糠層と糊粉層(アリュウロン層)の処理を行う。 この過程で重要なのは、糊粉層(アリュウロン層)の処理である。糊粉層(アリュウロン層)は、繰り返し述べるように糊粉糠(アリュウロン糠)を包持する蛋白質嚢体が幾重にも積層されて形成されている。米粒群を加圧攪拌して積層されている蛋白質嚢体を圧潰または引き破るようにして内部の糊粉糠(アリュウロン糠)を露出させ、これを吸着手段としての微粒米粉あるいは微粒蛎殻粉に吸着させる。このようにして、積層された蛋白質嚢体は順次剥離処理されていくが、最下層、すなわち澱粉層に接している蛋白質嚢体自体は剥離せず、糊粉糠(アリュウロン糠)を露出させ、これのみを吸着手段としての微粒米粉あるいは微粒蛎殻粉に吸着させて蛋白質嚢体の内部から剥離除去する。
【0032】
米粒から剥離された糠、糊粉糠(アリュウロン糠)、これらを吸着した微粒米粉あるいは微粒蛎殻粉は、除湿冷風供給手段18からの高圧かつ冷却された噴風により米粒から分離除去される。なお、噴風には摂氏5度前後の冷風を使用して、精米処理過程における米粒の温度を摂氏65度以下に抑制する。これは、澱粉層において澱粉粒子を包持する嚢体膜は摂氏65度以上に加熱されると変質し、精白米の炊飯適性を損なうからである。
なお、第3精米手段16における精米は、除湿冷風供給手段18からの高圧噴風により低温下でなされるが、精米処理により生じる糠、油脂分を吸着した米粉等と米粒との分離も前記高圧噴風によりなされるが、その風量は精米処理過程の終端付近において最大、すなわち第3精米手段16の処理筒外に糠等とともに排出される除湿冷風の風量を処理筒終端に近くなるにつれて大きくなるようにする。
【0033】
【発明の実施例】
図面に基づいて、本願発明の1実施例を説明する。
美味米製造装置は、図1について前述したように、上段に第1精米手段14、中段に第2精米手段15、下段に第3精米手段16が配設されてなる縦型の装置で、玄米供給手段19であるホッパーから投下される玄米は、第1精米手段14において米の外表面に形成された蝋成分からなる皮膜が研削される。 皮膜研削を終えた米粒群は、次段の第2精米手段15に投下され、米粉生成手段17から第2精米手段15に投入される米粉とともに加圧混合攪拌されて油脂分を粉体に吸着させつつ精米(主として胚芽の除去)される。 第2精米手段15における処理を経た米粒群は、最下段の第3精米手段16へ投下され、高圧冷風の噴風雰囲気中で精白(主として糊粉層(アリュウロン層)の除去)され、糠および米粉が米粒から分離除去される。 除湿冷風供給手段18は、高圧の除湿冷風を噴出して第3精米手段16の低温処理を可能にする一方、糠および米粉を精白米と分離する。
【0034】
図2〜図4は、前記第1精米手段14の1実施例を示す図である。図において、19は玄米を投入するホッパ、2は流量調節用のシャッタ、3は攪拌筒であり、攪拌筒3の壁面には多数の排出孔3a...3aが形成され、攪拌筒3の内部に
は送りロール4と攪拌ロール5が軸6に同心状に装着されている。 そして、攪拌ロール5の表面には複数の突条7..7が設けられ、また、突条7の後面壁7bは、次の突条7の前面壁7aの下端縁に接続する傾斜面となっている。
【0035】
また、後面壁7bには軸6の中空部6aに連通する噴風孔8が形成されこの中空部6aには不図示のブロワ等から噴風が送風管9を介して送られるようになっている。 軸6は、不図示の駆動源によりプーリ10、ベルト11を介して回転する。 攪拌筒3の排出側には圧力調節板13を有する米粒の排出口12が設けられている。
【0036】
突条の高さHは処理する米粒の幅の1倍以上2倍以下であり、突条のピッチPは処理する米粒の幅の10倍以上20倍以下である。
【0037】
なお、上記構成に係る第1精米手段14は、本願発明者が先に開示した特許第3162147号に係る米穀処理装置を利用したものであり、その作用効果も同号特許公報に記載されるものと同一であるが、使用方法が若干異なる。
すなわち、本願では前記米穀処理装置を米粒の表皮の研削に使用する。したがって、出発対象に籾米を使用しても、処理は表皮の研削に限定し、それ以降の除糠処理は本願に係る精米装置に委ねることになる。 研削処理は、白度4程度が目安となる。前記米穀処理装置を本願発明の研削装置に採用する所以は、この装置が低圧下で米の表皮を鋭利に研削でき、米粒に摩擦熱その他によるいかなる損傷をも与えないからである。
【0038】
図5は、前記第2精米手段15に係る1実施例を示す要部断面図である。
図において、50は処理筒であり、この処理筒50にはロール60を有する回転軸40が挿通されている。前記ロール60周面には前記第1精米手段14から送管51を経て投下される表皮研削済みの米粒群を送るための送り部(スクリューコンベア)70が設けられている。そして、この送り部(スクリューコンベア)70に隣接するロール60周面には多数の突起21、21..が点在立設されていて第2精米部(主として胚芽処理)を構成している。これらの突起21は、処理筒50内壁に周設される石材22との間で米粒群を複数の少量群に区画しかつ米粒の長手方向を送り方向と非平行に設定し、各米粒の端部における胚芽部の剥離を容易にするようになっている。
【0039】
すなわち、米粒が、送り部(スクリューコンベア)70から隣接する前記第2精米部まで移送される間、米粒はその長手方向が送り方向に平行な状態に形成される。これは、その並列状態が最も抵抗を生じないからである。
そして、このような、言わば横倒しの状態で胚芽部を剥離しようとしても、胚芽部の処理筒50内壁へ摺接は思うようになされず胚芽処理の効率は芳しくない。 しかるに、本願では送り部(スクリューコンベア)70からの米粒は、第2精米部の突起21群にいたり、各突起20の規制と送り部(スクリューコンベア)70からの送り圧により、周方向で隣接する突起間にある米粒は、縦列状態すなわちロール周面に対して立つ状態になり、米粒の長手方向は送り方向と非平行になる。 このため、胚芽の剥離処理は円滑になされること、および米粒は、前記突起21により少量グループに分断されること等から、第2精米部における米粒の攪拌は低圧、低回転で実行でき摩擦熱による米粒への悪影響を回避できる。また、図5において、17は処理筒50に連結された前記米粉生成手段であり、パイプ52を経て送給される米粒を粉砕して米粉を生成する。
【0040】
図6は、前記米粉生成手段17の実施例を示す斜視図であり、この 前記米粉生成手段17は、筒状のハウジング17aと、このハウジング17aに回転可能に収納されハウジング17aの内周壁との間で米粒を粉砕する押圧ロール17bを具えた回転軸部17cとからなっている。
この米粉生成手段17は第2精米手段15の処理筒50の一端に連結される筒体17aと、この筒体17aに回転可能に挿通され筒体内壁との間で投入される米粉原料を破砕するため周面に螺旋条部17dを有する押圧ロール17bを具えた回転軸部17cとからなり、押圧ロール17b周面には中心軸と平行な平面部17eが複数形成されている。 そして、前記筒体17aの外周部には収納される前記押圧ロール17bに対応する位置に米粉原料(米粒)投入孔17fが、また、回転軸部17cに対応する位置には第1精米手段14から送給される表皮研削を完了した米粒群が投入される投入口17gが設けられている。
米粉原料(米粒)投入孔17fに投下された米粒は、平面部17eの存在により前記筒体17a内をスムーズに移動しつつ押圧ロール17bにより順次粉砕され微粉化され回転軸部17cに至り、前記投入口17gからの米粒群と一緒になり、第2精米手段15内に移送される。
【0041】
図7は、図5におけるA−A線断面図である、図において、22は、処理筒50内壁に周設される前述の石材で、ここでは花崗岩で構成されている。このように、花崗岩で内壁を形成することにより、米粒は適度な粗面に摺接して胚芽処理に適し、また摩擦熱も吸収されやすい。 胚芽の処理は、図5に示す米粉生成手段17から、油脂分吸着手段としての微細米粉を供給しつつなされる。
この微細米粉の投入により、第1精米手段14から送られる研削処理済みの米に付着した油脂分が米粒から吸着剥離される。 すなわち、第1精米手段14における研削工程では、研削動作が米粒の糊粉層(アリュウロン層)にまで及ぶことがあり、そうすると糊粉糠(アリュウロン糠)中の油脂分が滲出して米粒に付着する。 微細米粉は、滲出したこの油脂分を吸着剥離する。
【0042】
図8は、前記第3精米手段16に係る1実施例を示す要部断面図である。
第3精米手段16は、外筒52に挿通され中心軸に沿って通風路を有する回転軸41と、回転軸41に設けられた送りロール71と、送りロール71に隣接して回転軸41上にその長手方向に設けられ前記米粉により油脂分を吸着しつつ米粒群を前記外筒51内壁との間で加圧攪拌して精白するために突条31と、加圧攪拌により発生する摩擦熱の冷却手段と、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物を米粒から分離するための分離手段とを、具えている。
【0043】
さらに、52aは、糠、粉体その他のきょう雑物を米粒から分離するための分離手段の要素として前記外筒52壁面に貫通形成された網部からなる多数の排出孔、102は精米処理を終えた米粒の出口、103は圧力調整板である。
また、80はプーリ、81は不図示の駆動源による回転ベルト、90は回転軸41の通風路と後述の除湿・冷却風供給手段との連結管である。
【0044】
図9に示すように、前述の突条31は、回転軸41に巻装されるロール42の周面に回転軸41に平行に相対向して一対設けられており、突条31、31のそれぞれの脚部には通風口32、32が形成されており、回転軸41の通風路43と連通している。前記連結管90から送給される冷風は、通風路43を通過して、前記通風口32、32から噴出される間に、第3精米手段16内部を冷却するとともに、外筒52内部において発生する糠や糊粉糠(アリュウロン糠)あるいはこれらを吸着した微細米粉その他、精米処理において発生する残渣物を網部で構成される前記排出孔52aから処理筒52外部に飛散排出する。
【0045】
図10は、除湿・冷却風供給手段の1実施例の構成を示す図である。
除湿・冷却風供給手段は、コンプレッサー301と、第3精米手段16の回転軸41の通風路43に連結される高圧タンク302と、コンプレッサー301と高圧タンク302との間の通気管303に設けられる冷却装置としての冷却フィン304とを具え、前記高圧タンク302は自動排水装置を有している。 高圧タンク302内の水分は常時、自動排水装置により排水され、またコンプレッサー301で圧縮された外気は高圧タンク302への送気途中で冷却フィン304により冷却されるから、回転軸41の通風路43を通る高圧風は、除湿・冷却された状態を維持している。
以上のように、第3精米手段16における冷却手段は、前記除湿・冷却風供給手段、回転軸41の通風路43、前記通風口32、前記排出孔52aから構成されている。
また、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物の分離手段は、第3精米手段16の回転軸41の突条31脚部に設けられ、除湿・冷却風供給手段から送給される冷風を噴出させる前記孔部32と、回転軸41の通風路43端の出口孔部と、第3精米手段16の外筒52に形成されて糠、粉体その他のきょう雑物を排出する網部による前記排出孔52aで構成されている。 そして、突条31脚部に設けられた前記孔部32の開口面積は外筒52の端末(図8において左端)に近くなるにつれて大きくなるように構成して、外筒52の出口付近での除湿・冷却風の噴出量を孔部の他の部分より大量となるようにして、一気に糠その他を分離・排出するようになっている。
【0046】
第1精米手段14において図11に示す表皮1の除去を終えた米粒は、図5に示すパイプ51を経て第2精米手段15へ投下され、前述したプロセスにより胚芽の除去がなされる。
次いで、第3精米手段16において、図11に示す糠層202および糊粉層(アリュウロン層)203の剥離処理がなされる。糊粉層(アリュウロン層)203の処理時には、蛋白質嚢体に保持されている糊粉糠(アリュウロン糠)が露出し、その中の油脂分が滲出して米粒に付着する。このままの状態では、油脂分の存在により米粒の攪拌において滑動空転が発生するから、さらな
る圧力を加えて攪拌速度を上げざるを得ない。
しかしながら、本願発明では、糊粉糠(アリュウロン糠)から発生する油脂分は次々と吸着手段としての微細米粉に吸着されるから、米粒は比較的低圧かつ低回転で攪拌される。
【0047】
第3精米手段16の実施例において、回転軸41の回転数は、500rpm以下とし、外筒52内壁と対向する突条31の頂部の周速は1m/sec.以下に設定されている。 運転諸元を前記のように設定することにより、比較的低圧、低回転で米粒の攪拌が進行するので、米粒において、糠層2、糊粉層(アリュウロン層)3の剥離処理が徐々になされ、最終的に図12に示す美味米を得ることができる。
図11は、本願発に係る美味米あるいは、旧来の石臼等による精白米の一部断面図で、糊粉糠(アリュウロン糠)が除去されて内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜が澱粉層の表面を被覆している。
すなわち、図において、203は糊粉糠(アリュウロン糠)を収納する多数の蛋白質嚢体が積層して形成される糊粉層(アリュウロン層)、203aは第3精米手段16において徐々に剥離処理されて消失した糊粉糠(アリュウロン糠)を収納する多数の蛋白質嚢体を示し、203bは、澱粉粒子を保持する嚢体204aの積層による澱粉層204の表面に形成された内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜である。
【0048】
上記美味米は、澱粉粒子を保持する嚢体204aに熱変質が発生していない。これは、米粒の攪拌が比較的低圧下で低回転でなされるため、前記嚢体204aに影響するほどの摩擦熱の発生が抑制されるからである。
また、この美味米では、前述のように、米粒の外側面は糊粉糠(アリュウロン糠)が除去されて内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜によりほぼ被覆されて、炊飯時の米の旨味成分源が確保されている。このような状態を実現できるのは、精米が吸着手段により糊粉糠(アリュウロン糠)およびその油脂分を吸着しながらなされること、および、このことで米粒の攪拌が比較的低圧下で低回転でなされるから、糊粉層(アリュウロン層)を徐々に剥離して、最終的に糊粉糠(アリュウロン糠)が除去されて内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜を澱粉層204の表面に残すことができる。
ただし、低圧下で低回転とは言え、攪拌を継続すれば精米処理による剥離は澱粉層まで及ぶから、排出口102から排出される米の状態を観察して、剥離の過不足を圧力調整板103により調節して所定の美味米を実現する。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明では、吸着手段により糊粉層(アリュウロン層)の処理に伴い発生する油脂分の米粒への固着を防止しつつ米を加圧撹拌するので、この加圧撹拌は比較的低圧下、低回転でなすことができ、糊粉糠(アリュウロン糠)が除去されて内部が空になった状態の蛋白質嚢体膜を澱粉層の表面に残し、しかも澱粉層に熱変質の発生しない美味な米を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る美味米製造装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本願発明に係る第1精米手段の一実施例を示す要部断面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】本願発明に係る第2精米手段の一実施例に係る要部断面図である。
【図6】米粉生成手段の一実施例に係る要部斜視図である。
【図7】図5におけるA−A線断面図である。
【図8】本願発明に係る第3精米手段の一実施例に係る要部断面図である。
【図9】図8におけるB−B線断面図である。
【図10】除湿・冷却風供給手段の1実施例の構成を示す図である。
【図11】玄米の表層部に係る断面図である。
【図12】本願発明に係る美味米の表層部に係る断面図である。
【図13】従来の精米機の要部断面図である。
【図14】図13におけるB−B線断面図である。
Claims (11)
- 玄米の外表面に形成された蝋成分からなる皮膜を研削するための第1精米手段と、前記第1精米手段から送られる米粒群を粉体とともに加圧混合攪拌して油脂分を粉体に吸着させて除去するための第2精米手段と、この第2精米手段への粉体供給手段と、前記第2精米手段から送られる米粒群を高圧冷風の噴風雰囲気中で精白するとともに糠および前記粉体を米粒から分離除去する第3精米手段と、を具えたことを特徴とする美味米製造装置。
- 請求項1記載の美味米製造装置において、第1精米手段は攪拌筒と、表面に複数の突条を有して前記攪拌筒に挿通されて回転する攪拌ロールとを具え、前記突条のピッチは処理する米粒幅の10〜20倍の範囲に設定し、突条の高さは処理する米粒の幅の1〜2倍に設定するとともに、前記突条の後面壁は、次の突条の前面壁下端縁に接続される傾斜面で形成し、
第2精米手段は処理筒とこの処理筒に挿通され処理筒内壁との間で米粒群を粉体とともに加圧混合攪拌することにより、米粒表面に発生する油脂分を前記粉体に吸着させつつ精白するための回転軸とを具え、
前記第3精米手段は、外筒に挿通され中心軸に沿って通風路を有する回転軸と、回転軸に設けられた送りロールと、送りロールに隣接して回転軸上にその長手方向に設けられ前記粉体により油脂分を吸着しつつ米粒群を前記外筒内壁との間で加圧攪拌して精白するために突条と、加圧攪拌により発生する摩擦熱の冷却手段と、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物を米粒から分離するための分離手段とを、具えたことを特徴とする美味米製造装置。 - 請求項2記載の美味米製造装置において、第2精米手段の回転軸軸にはその周面に点在立設され前記処理筒内壁との間で米粒群を複数の少量群に区画しかつ米粒の長手方向を送り方向と非平行に設定し、研削により発生する油脂分を前記粉体により吸着しつつ米粒群を加圧攪拌する突起を設けたことを特徴とする美味米製造装置。
- 請求項1ないし3いずれか記載の美味米製造装置において、油脂分を吸着させるための粉体は、米粉又はカルシューム粉であることを特徴とする美味米製造装置。
- 請求項2ないし4いずれか記載の美味米製造装置において、第3精米手段の冷却手段は、回転軸に形成される通風路を経て突条の近傍に設けられた通風口から除湿された冷風を噴出させるための除湿冷風供給手段であることを特徴とする美味米製造装置。
- 請求項5記載の美味米製造装置において、除湿冷風供給手段は、コンプレッサーと、第3精米手段の回転軸の通路に連結されるタンクと、コンプレッサーとタンクとの間の通気管に設けられる冷却装置とを具え、前記タンクは自動排水装置を有することを特徴とする美味米製造装置。
- 請求項2ないし6いずれか記載の美味米製造装置において、米粒から除去した糠、粉体その他のきょう雑物の分離手段は、第3精米手段の回転軸の突条近傍に設けられ、除湿冷風供給手段から送給される冷風を噴出させる孔部と、回転軸の通風路端の出口孔部と、第3精米手段の外筒に形成されて糠、粉体その他のきょう雑物を排出する網部とで構成するとともに、前記孔部の開口面積は外筒の端末に近くなるにつれて大きくなるように構成して、外筒の出口付近での除湿・冷却風の噴出量を孔部の他の部分より大量となるように構成したことを特徴とする美味米製造。
- 請求項2ないし7いずれか記載の美味米製造装置において、第2精米手段の処理筒の内壁部は、石材で形成したことを特徴とする美味米製造装置。
- 請求項1ないし3、5ないし8いずれか記載の美味米製造装置において、第2精米手段は粉体としての米粉生成手段を具え、この米粉生成手段は第2精米手段の処理筒の一端に連結される筒体と、この筒体に回転可能に挿通され筒体内壁との間で投入される米粉原料を破砕するため周面に螺旋条部を有する回転ロールとからなり、このロール周面には中心軸と平行な平面部が複数形成されていることを特徴とする美味米製造装置。
- 請求項2ないし9のいずれか記載の美味米製造装置において、研削装置に係る攪拌筒又は突条の一部又は全部の材質は、超硬合金、バイト材、SKD、SKS、SKH、WPS等の高炭素鋼又はダイヤモンドであることを特徴とする美味米製造装置。
- 請求項2ないし10いずれか記載の美味米製造装置において、研削装置に係る攪拌筒又は突条の一部又は全部に高硬度の金属又はダイヤモンド砥粒のコーティングを施したことを特徴とする美味米製造装置。
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060207 |