JP2004160296A - 膜形成装置及び膜形成方法、電気光学装置、並びに電子機器 - Google Patents

膜形成装置及び膜形成方法、電気光学装置、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】輝度、発光色のムラの発生を抑えた電気光学素子を形成する膜形成装置及び膜形成方法等を提供する。
【解決手段】加熱機構3上に載置された基板2の表面に対向する平面部6bを有する板体6を備えてなり、基板2上に塗布された液体材料の乾燥時に、平面部6bと基板2の表面との間に一定の間隔dを維持しつつ、基板2の表面を覆う制御部材5を備える。板体6には、複数の貫通孔7が穿設されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜形成装置及び膜形成方法、電気光学装置、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと表記する)装置等の電気光学装置の開発が加速している。特に、有機EL装置における発光材料としては、一般に高分子系と低分子系の有機EL材料とに分類されており、その中でも高分子系材料については、インクジェット法による有機EL素子の製造方法が多々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
上記のような有機EL素子の製造方法では、インクジェット法により有機EL材料を含有する液体材料を基板上に吐出した後、乾燥装置(例えば、特許文献2参照。)により基板上に塗布された液体材料を乾燥させ、発光層等の薄膜層を形成することが一般的である。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−54270号公報
【特許文献2】
特開2002−26113号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、以下のような問題点を有していた。
インクジェット法による有機EL材料の塗布方法では、直径がμmオーダーの液滴を高解像度で吐出、塗布することができるものの、基板上に吐出された微小液体の乾燥は極めて速く、更に、基板上の塗布領域における端(上端、下端、右端、左端)では、画素領域に塗布された微小液体(液体材料)から蒸発した溶媒分子分圧が低いため、一般的に速く乾きはじめる。また、TFT素子によるアクティブ駆動を行う場合、TFT素子領域や、配線等の形状、配置の関係上、画素配置がX,Y方向ともに等間隔にできない場合があり、各画素上に塗布された液滴の周囲で局所的な蒸発溶媒分子分圧差が生じる。即ち、このような画素上に塗布された有機材料液体の乾燥時間の差が、画素内、画素間での有機薄膜の膜厚ムラを引き起こし、更には、この膜厚ムラが、輝度ムラ、発光色ムラ等の表示ムラの原因となるという問題があった。
また、基板上に塗布された微小液体を通常の乾燥装置を使用して乾燥させた場合、微小液体の表面付近から硬化を開始するので、微小液体内部の溶媒が外部に放出されにくくなる。これにより、乾燥後に得られる有機薄膜の表面に、細かな凹凸部やピンホールが発生するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、輝度、発光色のムラの発生を抑えた電気光学素子を形成する膜形成装置及び膜形成方法等を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の膜形成装置においては、基板上に塗布された、膜形成成分を含有する液体材料を乾燥させることにより膜を形成する膜形成装置において、載置された前記基板を加熱する加熱機構と、前記基板の表面に対向する平面部を有し、前記平面部と前記基板の表面との間に間隔を維持しつつ、前記基板の表面を覆い、前記液体材料に含有する溶媒の蒸散を制御する制御部材を備えることを特徴としている。
上記の膜形成装置によれば、基板の表面上に制御部材が設置されることにより微小空間が形成されているので、基板上に液体材料を吐出した後、加熱機構による加熱によって該液体材料から蒸発する溶媒の分子分圧は、略均一となる。即ち、膜形成領域毎で膜形成成分の乾燥時間の差が小さくなるので、平坦な薄膜を形成することが可能となり、画素内、画素間での薄膜の膜厚ムラを抑えることができる。更に、微小液体全体が均一に硬化するので、乾燥後に得られる有機薄膜の表面に、細かな凹凸部やピンホールの発生を抑制させることが可能となる。
【0007】
本発明の膜形成装置においては、前記制御部材は、前記平面部に複数の貫通孔が穿設された板体であることを特徴としている。
これによれば、制御部材を容易に形成することができるとともに、複数の貫通孔から効率良く溶媒を放出させることが可能であるので、薄膜の平坦化を効率良く実施することができる。
【0008】
本発明の膜形成装置においては、前記制御部材は、少なくとも2枚以上の前記板体を、一定の間隔を開けて重層させることを特徴としている。
これによれば、効率良く、更に、基板表面全体で均一に溶媒を放出させることが可能であるので、薄膜の平坦化を更に効率良く実施することができる。
【0009】
本発明の膜形成装置においては、前記貫通孔は、前記平面部における穿設位置によって、開口形状が異なり、また、前記平面部において、外郭部よりも中心部に密に穿設されることを特徴としている。
これによれば、効率良く、基板表面全体で均一に溶媒を放出させるために最適な貫通孔を設定することが可能であるので、薄膜の平坦化を更に効率良く実施することができる。
【0010】
本発明の膜形成装置においては、前記平面部と前記基板の表面との間隔は、0.5〜1.5mmの範囲に設定されることを特徴としている。
これによれば、基板の表面上に、最適な微小空間を形成することができるので、基板上に液体材料を吐出した後、該液体材料から蒸発する溶媒の分子分圧をより一層効率的に均一にすることができる。
【0011】
本発明の膜形成装置においては、前記制御部材は、前記基板上に塗布された前記液体材料から蒸散する前記溶媒を排出する排気機構を備えることを特徴としている。
これによれば、基板上において、液体材料から蒸発する溶媒の分子分圧を効率的に均一にするとともに、溶媒を効率的に排出することができる。
【0012】本発明の膜形成方法においては、基板上に、膜形成成分を含有する液体材料を吐出する膜形成方法において、前記液体材料を吐出した後、前記基板の表面上の一部若しくは全体を、該表面から一定間隔で離間され、且つ、複数の貫通孔が穿設された部材で覆い、前記基板を加熱して前記液体材料に含有する溶媒を蒸散させ、前記部材によって前記溶媒の蒸散を制御することを特徴としている。
上記の膜形成方法によれば、基板の表面上を一定間隔で離間された部材で覆うので、基板と部材間に形成された微小空間内において、基板上の塗布領域毎による液体材料から蒸発する溶媒分子分圧の差を小さくすることで、液体材料の乾燥時間の差が小さくなり、画素内、画素間での有機薄膜の膜厚ムラを抑えることができる。更に、微小液体全体が均一に硬化するので、乾燥後に得られる有機薄膜の表面に、細かな凹凸部やピンホールの発生を抑制させることが可能となる。
【0013】
本発明の膜形成方法においては、前記部材には、排気手段を備えてなり、
前記排気手段により、蒸散した前記溶媒を前記基板上から排出させることを特徴としている。
これによれば、基板上に蒸散した溶媒を効率良く排出することができるので、更に効率良く、基板上の塗布領域毎による溶媒の分子分圧の差を小さくすることが可能となる。
【0014】
本発明の電気光学装置においては、上記の膜形成装置を用いて製造されたことを特徴としており、更には、本発明の電子機器は、前記電気光学装置を備えていることを特徴としている。
これらの電気光学装置及び電子機器によれば、輝度、発光色のムラの発生を抑えたものとすることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る膜形成装置及び膜形成方法、電気光学装置、並びに電子機器の実施形態を、図1乃至図7を参照して説明する。これらの図面は、いずれも概略図であり、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせている。
【0016】
〔第1実施形態〕
第1実施形態として、本発明の膜形成装置について説明する。
なお、本実施形態における膜形成装置は、インクジェット方式による塗布装置(インクジェット装置)により、特に、有機EL装置を形成する際の乾燥工程に採用されるものとして説明する。この場合、インクジェット装置は、画素を形成する有機物からなる正孔注入層材料並びに発光材料を溶媒に溶解又は分散させたインク組成物(液体材料)を、インクジェットヘッドから吐出させて透明電極上にパターニング塗布し、正孔注入/輸送層並びに発光層を形成する装置である。特に、以下の実施形態においては、発光層を形成するものとし、例えば、赤色、緑色、青色に発光するポリフルオレン系材料を用いて、赤色発光層用インク組成物、緑色発光層用インク組成物、青色発光層用インク組成物の3種類を調製し使用する。この場合、インク溶媒としては、例えばシクロヘキシルベンゼン等が好適に用いられる。
【0017】
図1に、膜形成装置1の概略的な断面図を示す。
膜形成装置1は、基板2を載置して、該基板2を加熱する加熱機構3と、基板2上に、一定距離離間して設けられた制御部材5とを備えてなる。基板2上には、上述したように、例えば発光層を形成するための有機EL材料を含有したインク組成物がインクジェット装置によって塗布されている。
【0018】加熱機構3は、基板2全体を載置することが可能な大きさを有する平面部を備えた加熱装置であり、例えばホットプレートが好適に用いられる。なお、加熱機構3の種類としては、このホットプレートに限定するものではなく、セラミックヒータ等の加熱装置でもよい。また、不図示であるが、基板2の載置部には、真空吸着機構、又はチャック機構等の基板保持機構が備えられており、加熱時の基板2の振動を防止している。
【0019】
制御部材5は、基板2の表面を覆い、基板2上にインク組成物に含有する溶媒の蒸散を制御するものであり、固定枠5aを介して、複数(図中では3枚)の板体6により形成されている。板体6には、複数の貫通孔7が穿設されている。板体6の平面部において貫通孔7を穿設する位置は、例えば、図2(a)に示すように、X,Y方向にそれぞれ同一の間隔L1を有する位置とすることもできる。
【0020】
また、図2(b)に示すように、X,Y方向において、板体6の最外郭部では比較的広い間隔L2とし、その内側部では間隔L2よりも狭い間隔L3とし、更に、板体6上の中心部では、間隔L3よりも狭い間隔L4とするなど、板体6の平面部において貫通孔7の形成間隔を異ならせても好適に使用することができる。更には、貫通孔7の全ての口径を、図2(a)及び図2(b)に示したように、同一径とせず、図2(c)に示すように、X,Y方向において、板体6の最外郭部では比較的小さな口径D1とし、その内側部では口径D1よりも大きい口径D2とし、更に、板体6上の中心部では、口径D2よりも大きい口径D3とするなど、板体6の平面部において貫通孔7の口径を異ならせても好適に使用することができる。なお、図2において、貫通孔7の開口形状をすべて円形としたが、本発明では、これに限定するものでなく、多角形としてもよい。
【0021】
また、本実施形態では、図1に示すように、板体6を3段に重ね、更に、直接向かい合う板体6同士においては、それぞれの板体6の平面部に形成された貫通孔7の位置が互いにずれた位置とする構成としているが、本発明では、これに限定されないのは勿論である。制御部材5としては、例えば、単に板体6を一枚のみの構成としても構わないし、更に、複数の板体6のそれぞれに形成される貫通孔7の形成位置や設置数、又は開口形状が異なっていても構わない。
【0022】
板体6の平面部の表面積は、特に限定するものではないが、例えば、基板2の平面部の表面積よりも大きく、基板2を完全に覆う程度の大きさとすることが好ましい。また、板体6の材質は、アルミニウム合金やステンレススチール等の金属材料が好適に用いられ、更に、板体6の平面部には、インク組成物の蒸発成分による腐食を防止するために、コーティング加工等の表面処理を施しても良い。
【0023】
更に、制御部材5における、基板2に直接対向する板体6の平面部6bと、基板2の表面2aとの間隔dは、微小間隔であることが好ましく、特に、間隔dを0.5〜1.5mmの範囲に設定することが望ましい。なお、制御部材5の加熱機構3に対する設置方法は、不図示であるが、加熱機構3の外周部に制御部材5の駆動機構を設けて、制御部材5を可動自在とし、間隔dを適宜自動調整する方法も採用できるが、特に、限定するものではない。
【0024】
以下、上記構成から成る膜形成装置1による乾燥工程について説明する。
膜形成装置1に搬送される前の基板2には、インクジェット装置によって、発光層を形成するための有機EL材料を含有したインク組成物が塗布され、基板2上の所定の領域に、液体状の膜が形成されている。そして、基板2上に塗布されたインク組成物を、本実施形態の膜形成装置1によって、インク組成物に含有する溶媒が蒸発させて乾燥させ、有機EL材料のみの発光層を形成させる。
【0025】
まず、上記基板2を加熱機構3上に載置させ、固定維持させる。その後、基板2に直接対向する板体6の平面部6bと、基板2の表面2aとの間隔dが約0.8mm程度となるように、基板2上に制御部材5を設置する。制御部材5の設置が完了した後、加熱機構3を稼働させて基板2の加熱を開始する。加熱機構3による加熱に際し、加熱温度や加熱時間等の加熱条件は、基板2の大きさや形成する発光層の所望の形状等によって適宜決定される。なお、図1では、不図示であるが、膜形成装置1を構成する加熱機構3や制御部材5の全体をチャンバの内部に設置することで、加熱時のチャンバ内の雰囲気条件(例えば、雰囲気ガスや、雰囲気圧力等)を制御し、乾燥処理を好適に実施し、大気中のガスによる発光層の汚染を抑止させることも可能である。
【0026】
加熱機構3による基板2の加熱時では、基板2と制御部材5との間に形成されている空間が微小空間S(図1参照)であること、また、基板2上に形成された液体状膜から蒸発する溶媒が、制御部材5の板体6に形成されている貫通孔7から効率的に蒸発していくことにより、前記溶媒の分子分圧が、基板2上の全面に渡って略均一となり、高い値に維持させることが可能となる。この場合、図2(b)と図2(c)とに示したような板体6を採用することにより、制御部材5を通過して放出される溶媒は、板体6の中心部からより多く放出される。即ち、制御部材5の外郭部において、板体6の外郭部から放出される溶媒の量と、制御部材5を通過せずに制御部材5の外周部から漏れ出す溶媒の量とを合わせた量が、板体6の中心部から放出される量とほぼ同等とすることができるので、基板2上全体において、効率良く溶媒の分子分圧を均一とし、高い値とすることが可能となる。
【0027】
図3に、一発光層の断面形状の比較図を示す。図3では、下層基板10上にバンク11が形成されており、更に該バンク11間に発光層12が形成される。本実施形態では、上記の作用により、発光層の各形成領域の有機EL材料の乾燥時間の差が小さくなることから、図3(a)及び図3(b)に示す従来の発光層形状と比較して、図3(c)に示すように、平坦な発光層を形成することが可能となり、画素内、画素間での有機薄膜の膜厚ムラを抑えることができる。
【0028】
このように、上記の膜形成装置によれば、加熱機構3に載置された基板2の表面上に制御部材5が設置されることにより、微小空間Sが形成され、且つ、制御部材5の板体6に形成された貫通孔7により効率良く溶媒が放出されるので、発光層の各形成領域によって蒸発する溶媒の分子分圧が略均一となる。即ち、発光層の各形成領域の有機EL材料の乾燥時間の差が小さくなるので、平坦な発光層を形成することが可能となる。更に、微小空間Sにおける溶媒の分子分圧が高い状態に維持されることから、液体状膜は、該液体状膜全体から効率良く硬化を開始するので、乾燥後に得られる有機薄膜の表面に、細かな凹凸部やピンホールが発生することを抑止することが可能となる。従って、画素内、画素間での有機薄膜の膜厚ムラを抑えることができ、輝度ムラ、発光色ムラ等の表示ムラの発生を抑えた電気光学装置を製造することが可能となる。
【0029】
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2の実施形態における膜形成装置を示す図であり、本図中において、図1と同一構成のものには、同一の符号を付している。
本実施形態における膜形成装置では、基本的な構成は図1に示す第1の実施形態と同様であるが、制御部材5に排気機構20を備えることを特徴としている。
【0030】
排気機構20は、基板2に対向する面とは反対側の面となる板体6の表面全体を覆うように設けられた排気容器21と、該排気容器21の中心に位置する上面に設けられた排気口22と、不図示であるが、排気口22に連結される吸引ポンプ等の排気装置とから構成されている。
【0031】
上記の膜形成装置によれば、制御部材5に排気機構20を設置することによって、基板2の表面上、即ち微小空間Sにおいて、強制的に一定の気流を発生させるので、更に効率的に、発光層の各形成領域によって蒸発する溶媒の分子分圧を略均一とすることが可能となる。従って、更に効率良く平坦な発光層を形成することが可能となり、また、乾燥後に得られる有機薄膜の表面に、細かな凹凸部やピンホールが発生することを更に効率良く抑止することが可能となる。
【0032】
〔第3実施形態〕
図5は、本実施形態に係る電気光学装置の一例である有機EL装置(EL表示装置)の配線構造を示す模式図である。
EL表示装置30は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス方式のEL表示装置である。
【0033】
図5に示すように、EL表示装置30は、複数の走査線101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103…とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101…と信号線102…の各交点付近に、画素領域A…が設けられている。
【0034】
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
【0035】
更に、画素領域A各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から共有される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT123(駆動用電子素子)と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに当該電源線103から駆動電流が流れ込む陽極40(陽極電極、図6参照)と、この陽極40と陰極50(陰極電極、図6参照)との間に挟み込まれた機能層110(図6参照)とが設けられている。陽極40と陰極50と機能層110により、発光素子が構成されている。
【0036】
このEL表示装置30によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して、電源線103から陽極40に電流が流れ、更に、機能層110を介して陰極50に電流が流れる。機能層110は、これを流れる電流量に応じて発光する。そこで、発光はそれぞれ陽極40…ごとにオン・オフを制御されるから、陽極40は画素電極となっている。
【0037】
次に、機能層110の概略構成について、図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態の機能層110の概略構成を説明するための概念図である。機能層110は、基板31上に形成される陽極40と、該陽極40と陰極50に挟まれる多層構造を備えており、陽極40側から順に、正孔注入層70、有機EL層60(発光層)、及び電子注入層52とを備えている。
【0038】
陽極40は、印加された電圧によって、正孔を有機EL層60に向けて注入する機能を有する。陽極40を形成するための材料としては、光透過性と導電性を兼ね備えた公知の材料を採用することができる。例えば、金属酸化物が挙げられるが、特に、本実施形態では、インジウム錫酸化物(ITO)、もしくは、金属酸化物に亜鉛(Zn)を含有した材料、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー(登録商標))(出光興産社製)を採用する。
【0039】
正孔注入層70は、特に、有機EL層60の発光効率、寿命などの素子特性を向上させる機能を有する。正孔注入層70を形成するための材料としては、例えば、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など、または、それらのドーピング体などが採用できる。例えば、ポリチオフェン誘導体では、PEDOTにPSS(ポリスチレンスルフォン酸)をドープしたPEDOT:PSSが採用できる。より具体的な一例を挙げれば、その一種であるバイトロン−P(Bytron−P:バイエル社製)などを好適に用いることができる。
【0040】
また、正孔注入層に代えて正孔輸送層を形成しても良く、さらに正孔注入層と正孔輸送層を両方形成するようにしても良い。その場合、正孔輸送層を形成するための材料は、正孔を輸送できれば周知のどのような正孔輸送材料であっても良く、例えば、そのような材料として、アミン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、スターバスト系などに分類される有機材料が種々知られている。正孔注入層と正孔輸送層を両方形成する場合には、例えば、正孔輸送層の形成に先立って、正孔注入層を陽極側に形成し、その上に正孔輸送層を形成するのが好ましい。このように正孔輸送層を正孔注入層とともに形成することにより、駆動電圧の上昇を制御することができるとともに、駆動寿命(半減期)を長くすることが可能となる。
【0041】
有機EL層60では、陽極40から正孔注入層70を経て注入された正孔と、陰極50からの注入された電子とが結合して蛍光を発生させる構成が形成されている。有機EL層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を用いることができる。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料、例えば、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の材料をドープして用いることもできる。
【0042】
陰極50は、陽極40の対向電極として、電子を有機EL層60に注入する機能を備える。封止側発光型のEL表示装置の場合は、有機EL層60から発光する光を陰極50側から取り出すので、光透過性を備える必要がある。この場合は、光透過性であって、仕事関数が低い材料から構成される。
【0043】
陰極50を形成する材料としては、例えば、カルシウム金属又はカルシウムを主成分とする合金を有機EL層60側に積層して第1の陰極層とし、該第1の陰極層の上層にアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金、もしくは銀又は銀−マグネシウム合金などを積層して第2の陰極層とした積層体を採用することができる。なお、第2の陰極層は、第1の陰極層を覆って、酸素や水分などとの化学反応から保護するとともに、陰極50の導電性を高めるために設けられる。従って、単層構造でも良く、また、金属材料に限るものではない。
【0044】
〔第4の実施形態〕
以下、第3実施形態の電気光学装置を備えた電子機器の具体例について、図7に基づいて説明する。
図7(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図7(a)において、符号210は携帯電話本体を示し、符号211は前記の電気光学装置を用いた表示部を示している。
図7(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図7(b)において、符号220は時計本体を示し、符号221は前記の電気光学装置を用いた表示部を示している。
図7は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図7(c)において、符号230は情報処理装置、符号231はキーボードなどの入力部、符号233は前記の電気光学装置を用いた表示部、符号232は情報処理装置本体を示している。
【0045】
図7(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、第3の実施形態の電気光学装置を用いた表示部を備えたもの、即ち、輝度、発光色のムラの発生を抑えているという特徴を有するので、表示特性、信頼性が向上した電子機器となる。
これらの電子機器を製造するには、第3の実施形態の電気光学装置を、携帯電話、携帯型情報処理装置、腕時計型電子機器などの各種電子機器の表示部に組み込むことにより製造される。
【0046】
以上、本発明の実施形態による膜形成装置及び膜形成方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。
【0047】
例えば、第1及び第2の実施形態で示した膜形成装置は、有機EL装置を製造する一連の工程において、塗布装置であるインクジェット装置とは別に、独立した装置(例えば、クラスタツールを構成する一装置)として説明したが、本発明では、これに限定されるものではない。例えば、上記のインクジェット装置に直接設置することもあり得るし、塗布工程以外の別工程で使用される装置に搭載しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る膜形成装置を示す断面図である。
【図2】板体に穿設される貫通孔の例を示す平面図である。
【図3】発光層の形状を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態に係る膜形成装置を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態に係る電気光学装置を示す概略図である。
【図6】図5の電気光学装置に係る機能層を示す概略断面図である。
【図7】第4の実施形態に係る電子機器の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・膜形成装置、2・・・基板、3・・・加熱機構、5・・・制御部材、6・・・板体、6b・・・平面部、7・・・貫通孔、20・・・排気機構

Claims (11)

  1. 基板上に塗布された、膜形成成分を含有する液体材料を乾燥させることにより膜を形成する膜形成装置において、
    載置された前記基板を加熱する加熱機構と、
    前記基板の表面に対向する平面部を有し、前記平面部と前記基板の表面との間に間隔を維持しつつ、前記基板の表面を覆い、前記液体材料に含有する溶媒の蒸散を制御する制御部材を備えることを特徴とする膜形成装置。
  2. 前記制御部材は、前記平面部に複数の貫通孔が穿設された板体であることを特徴とする請求項1記載の膜形成装置。
  3. 前記制御部材は、少なくとも2枚以上の前記板体を、一定の間隔を開けて重層させることを特徴とする請求項2記載の膜形成装置。
  4. 前記貫通孔は、前記平面部における穿設位置によって、開口形状が異なることを特徴とする請求項2記載の膜形成装置。
  5. 前記貫通孔は、前記平面部において、外郭部よりも中心部に密に穿設されることを特徴とする請求項2記載の膜形成装置。
  6. 前記平面部と前記基板の表面との間隔は、0.5〜1.5mmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1記載の膜形成装置。
  7. 前記制御部材は、前記基板上に塗布された前記液体材料から蒸散する前記溶媒を排出する排気機構を備えることを特徴とする請求項1記載の膜形成装置。
  8. 基板上に、膜形成成分を含有する液体材料を吐出する膜形成方法において、
    前記液体材料を吐出した後、前記基板の表面上の一部若しくは全体を、該表面から一定間隔で離間され、且つ、複数の貫通孔が穿設された部材で覆い、
    前記基板を加熱して前記液体材料に含有する溶媒を蒸散させ、
    前記部材によって前記溶媒の蒸散を制御することを特徴とする膜形成方法。
  9. 前記部材には、排気手段を備えてなり、
    前記排気手段により、蒸散した前記溶媒を前記基板上から排出させることを特徴とする請求項8記載の膜形成方法。
  10. 請求項1から7のいずれか一項に記載の膜形成装置を用いて製造されたことを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項10記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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