JP2004159959A - ミシンの針棒排油装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動の高速化に対応したミシンの針棒排油装置を提供する。
【解決手段】針棒用の軸受け下端に隣接する油吸収部材と、該油吸収部材に接続され主軸の回転に連動して油を吸引する排油管とを備え、針棒に供給された余剰の油をミシン底部の油溜りに戻すミシンの針棒排油装置において、排油管の先端部を幅広にすると共に上方に向けて開口させ、油吸収部材を幅広にして該排油管の幅広部に挿入し、排油管の中途を中空にした。これにより、針棒用の軸受け下端との隣接部分を増やすことができる。また油吸収部材によって吸収された排油管先端部の排油は排油管の中空部を通じてミシン底部の油溜りに戻される。
【選択図】 図１
【解決手段】針棒用の軸受け下端に隣接する油吸収部材と、該油吸収部材に接続され主軸の回転に連動して油を吸引する排油管とを備え、針棒に供給された余剰の油をミシン底部の油溜りに戻すミシンの針棒排油装置において、排油管の先端部を幅広にすると共に上方に向けて開口させ、油吸収部材を幅広にして該排油管の幅広部に挿入し、排油管の中途を中空にした。これにより、針棒用の軸受け下端との隣接部分を増やすことができる。また油吸収部材によって吸収された排油管先端部の排油は排油管の中空部を通じてミシン底部の油溜りに戻される。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、針棒に供給された余剰の油をミシン底部の油溜りに戻すミシンの針棒排油装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のミシンの針棒排油装置では、針棒用軸受け下端の一部に隣接する油吸収部材（油芯）と該油吸収部材に接続された吸引用の排油管とで針棒の排油が行われていた（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
【特許文献１】
実公平６−１０９５５号公報（第３頁左欄、第５図）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のミシンの針棒排油装置では、油吸収部材となる油芯が針棒用軸受け下端の一部に隣接しているだけであって、ミシン駆動が高速化されると排油処理が間に合わなくなり、生地積載面への油飛散が発生していた。また油吸収部材となる油芯が排油管の内部深くまで挿入されているため、ミシン主軸の回転に連動して油を吸引する際に排油が排油管内に留まってしまい、排油の吸引能率が悪くなっていた。
従って、本発明の課題は、駆動の高速化に対応したミシンの針棒排油装置を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、針棒用の軸受け下端に隣接する油吸収部材と、該油吸収部材に接続され主軸の回転に連動して油を吸引する排油管とを備え、針棒に供給された余剰の油をミシン底部の油溜りに戻すミシンの針棒排油装置において、排油管の先端部を幅広にすると共に上方に向けて開口させ、油吸収部材を幅広にして該排油管の幅広部に挿入し、排油管の中途を中空にしたことを特徴とする。
【０００６】
【作用】
本発明によれば、排油管の先端部を幅広にすると共に上方に向けて開口させ、その幅広部に油吸収部材を挿入するようにしたので、針棒用の軸受け下端との隣接部分を増やすことができる。また油吸収部材によって吸収された排油管先端部の排油は排油管の中空部を通じてミシン底部の油溜りに戻される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。針棒１はミシン頭部ＭＨに圧入された軸受け２にスライド可能に支持される。針３を固定した針留め４は針留め案内５に介装されてネジ６で針棒１の下端に固定される。軸受け２の下端は、図１に示されるように、ミシン頭部ＭＨより突出している。針棒１の上端には、図２に示されるように、コ字状の平行案内溝７ａを有するガイド部７が設けられている。このガイド部７はピン８を介して針振りクランク９に連結されている。
【０００８】
針振りクランク９はクランク軸１０にネジ１１で固定され、クランク軸１０はミシン機枠に圧入されたブッシュ１２，１２に回転可能に支持される。なおブッシュ１２，１２間にはクランク腕１３が配置されている。このクランク腕１３はミシンアーム部ＭＡ内に配置され、その先端は二股の形状となっている。このクランク腕１３もクランク軸１０にネジ１４で固定され、クランク腕１３の二股部はピン１５を介して針振りロッド１６に連結されている。針振りロッド１６は主軸１７の偏心部に周設されている。
【０００９】
ミシンアーム部ＭＡとミシン頭部ＭＨは共に密室で区分されており、油芯１８は両部ＭＡ，ＭＨに連通している。油芯１８の先端は、図３に示されるように、針棒１の近傍まで突出され、ミシンアーム部ＭＡで飛散する油の一部が油芯１８を介して針棒１に供給される。ミシン頭部ＭＨ内に溜まる余剰の油は、排油孔１９を通じてミシン底部の油溜り２０に戻される。
【００１０】
軸受け２の下端には排油管２１が配置されている。この排油管２１はネジ２２でミシンアームＭＡの側面に固定され、トロコイドポンプ２３の吸引管２４は排油管２１に接続されている。トロコイドポンプ２３のギヤ部２３ａは、図４に示されるように、主軸１７のギヤ部に係合されており、主軸１７が回転するとトロコイドポンプ２３が作動するようになっている。また排油管２１は、図５に示されるように、先端を幅広にすると共に上方に向けて開口させている。排油管２１の幅広部２１ａにはフェルト２５が挿入されている。このフェルト２５は横方に幅広となっており、軸受け２下端の一部は幅広のフェルト２５で覆われる。排油管２１の幅広部以外は中空にしている。
【００１１】
本実施の形態では、排油管に接続される油吸引部材として、トコロイドポンプが示されているが、これに限定されるだけでなく、例えば、ギアポンプや噴流式ポンプ（エジエクター装置）を採用しても構わない。
【００１２】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、油吸収部材と針棒用の軸受け下端との隣接部分を増やすことができるので、針棒の上下運動によって生じる余剰の油を適切に吸収できる。これにより生地積載面への油飛散を防止することができる。また、この時、油吸収部材により吸収された排油管先端部の排油は排油管の中空部を通じてミシン底部の油溜りに戻されるので、排油の吸引効率を低下させることなくミシン駆動の高速化に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るミシンの針棒排油装置の正面図である。
【図２】同装置の要部と針棒機構との部品展開図である。
【図３】同装置の要部を示す部分断面図である。
【図４】同装置に適用の油吸引部材を示す部分断面図である。
【図５】同装置における排油管の要部を示す略平面図である。
【符号の説明】
１ 針棒
２ 軸受け
１７ 主軸
２１ 排油管
２１ａ 幅広部
２５ フェルト（油吸収部材）
【産業上の利用分野】
本発明は、針棒に供給された余剰の油をミシン底部の油溜りに戻すミシンの針棒排油装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のミシンの針棒排油装置では、針棒用軸受け下端の一部に隣接する油吸収部材（油芯）と該油吸収部材に接続された吸引用の排油管とで針棒の排油が行われていた（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
【特許文献１】
実公平６−１０９５５号公報（第３頁左欄、第５図）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のミシンの針棒排油装置では、油吸収部材となる油芯が針棒用軸受け下端の一部に隣接しているだけであって、ミシン駆動が高速化されると排油処理が間に合わなくなり、生地積載面への油飛散が発生していた。また油吸収部材となる油芯が排油管の内部深くまで挿入されているため、ミシン主軸の回転に連動して油を吸引する際に排油が排油管内に留まってしまい、排油の吸引能率が悪くなっていた。
従って、本発明の課題は、駆動の高速化に対応したミシンの針棒排油装置を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、針棒用の軸受け下端に隣接する油吸収部材と、該油吸収部材に接続され主軸の回転に連動して油を吸引する排油管とを備え、針棒に供給された余剰の油をミシン底部の油溜りに戻すミシンの針棒排油装置において、排油管の先端部を幅広にすると共に上方に向けて開口させ、油吸収部材を幅広にして該排油管の幅広部に挿入し、排油管の中途を中空にしたことを特徴とする。
【０００６】
【作用】
本発明によれば、排油管の先端部を幅広にすると共に上方に向けて開口させ、その幅広部に油吸収部材を挿入するようにしたので、針棒用の軸受け下端との隣接部分を増やすことができる。また油吸収部材によって吸収された排油管先端部の排油は排油管の中空部を通じてミシン底部の油溜りに戻される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。針棒１はミシン頭部ＭＨに圧入された軸受け２にスライド可能に支持される。針３を固定した針留め４は針留め案内５に介装されてネジ６で針棒１の下端に固定される。軸受け２の下端は、図１に示されるように、ミシン頭部ＭＨより突出している。針棒１の上端には、図２に示されるように、コ字状の平行案内溝７ａを有するガイド部７が設けられている。このガイド部７はピン８を介して針振りクランク９に連結されている。
【０００８】
針振りクランク９はクランク軸１０にネジ１１で固定され、クランク軸１０はミシン機枠に圧入されたブッシュ１２，１２に回転可能に支持される。なおブッシュ１２，１２間にはクランク腕１３が配置されている。このクランク腕１３はミシンアーム部ＭＡ内に配置され、その先端は二股の形状となっている。このクランク腕１３もクランク軸１０にネジ１４で固定され、クランク腕１３の二股部はピン１５を介して針振りロッド１６に連結されている。針振りロッド１６は主軸１７の偏心部に周設されている。
【０００９】
ミシンアーム部ＭＡとミシン頭部ＭＨは共に密室で区分されており、油芯１８は両部ＭＡ，ＭＨに連通している。油芯１８の先端は、図３に示されるように、針棒１の近傍まで突出され、ミシンアーム部ＭＡで飛散する油の一部が油芯１８を介して針棒１に供給される。ミシン頭部ＭＨ内に溜まる余剰の油は、排油孔１９を通じてミシン底部の油溜り２０に戻される。
【００１０】
軸受け２の下端には排油管２１が配置されている。この排油管２１はネジ２２でミシンアームＭＡの側面に固定され、トロコイドポンプ２３の吸引管２４は排油管２１に接続されている。トロコイドポンプ２３のギヤ部２３ａは、図４に示されるように、主軸１７のギヤ部に係合されており、主軸１７が回転するとトロコイドポンプ２３が作動するようになっている。また排油管２１は、図５に示されるように、先端を幅広にすると共に上方に向けて開口させている。排油管２１の幅広部２１ａにはフェルト２５が挿入されている。このフェルト２５は横方に幅広となっており、軸受け２下端の一部は幅広のフェルト２５で覆われる。排油管２１の幅広部以外は中空にしている。
【００１１】
本実施の形態では、排油管に接続される油吸引部材として、トコロイドポンプが示されているが、これに限定されるだけでなく、例えば、ギアポンプや噴流式ポンプ（エジエクター装置）を採用しても構わない。
【００１２】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、油吸収部材と針棒用の軸受け下端との隣接部分を増やすことができるので、針棒の上下運動によって生じる余剰の油を適切に吸収できる。これにより生地積載面への油飛散を防止することができる。また、この時、油吸収部材により吸収された排油管先端部の排油は排油管の中空部を通じてミシン底部の油溜りに戻されるので、排油の吸引効率を低下させることなくミシン駆動の高速化に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るミシンの針棒排油装置の正面図である。
【図２】同装置の要部と針棒機構との部品展開図である。
【図３】同装置の要部を示す部分断面図である。
【図４】同装置に適用の油吸引部材を示す部分断面図である。
【図５】同装置における排油管の要部を示す略平面図である。
【符号の説明】
１ 針棒
２ 軸受け
１７ 主軸
２１ 排油管
２１ａ 幅広部
２５ フェルト（油吸収部材）
Claims (1)
- 針棒用の軸受け下端に隣接する油吸収部材と、該油吸収部材に接続され主軸の回転に連動して油を吸引する排油管とを備え、針棒に供給された余剰の油をミシン底部の油溜りに戻すミシンの針棒排油装置において、排油管の先端部を幅広にすると共に上方に向けて開口させ、油吸収部材を幅広にして該排油管の幅広部に挿入し、排油管の中途を中空にしたことを特徴とするミシンの針棒排油装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002330329A JP2004159959A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | ミシンの針棒排油装置 |
| CNB021542856A CN100417761C (zh) | 2002-11-14 | 2002-12-19 | 缝纫机的针杆排油装置 |
| TW92131745A TW200415281A (en) | 2002-11-14 | 2003-11-13 | Discharge device of lubricating oil for needle bar of sewing machine |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002330329A JP2004159959A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | ミシンの針棒排油装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004159959A true JP2004159959A (ja) | 2004-06-10 |
Family
ID=32808056
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002330329A Pending JP2004159959A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | ミシンの針棒排油装置 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004159959A (ja) |
| CN (1) | CN100417761C (ja) |
| TW (1) | TW200415281A (ja) |
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| CN106436076B (zh) * | 2016-12-27 | 2020-05-05 | 杰克缝纫机股份有限公司 | 缝纫机上弯针机构的排油结构 |
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| JP2000167286A (ja) * | 1998-12-08 | 2000-06-20 | Yamato Sewing Mach Co Ltd | ミシン |
| JP4198812B2 (ja) * | 1999-02-08 | 2008-12-17 | Ｊｕｋｉ株式会社 | 水平釜の給油装置 |
| CN2483412Y (zh) * | 2001-06-19 | 2002-03-27 | 浙江中捷缝纫机有限公司 | 曲折缝缝纫机自动加油装置 |
-
2002
- 2002-11-14 JP JP2002330329A patent/JP2004159959A/ja active Pending
- 2002-12-19 CN CNB021542856A patent/CN100417761C/zh not_active Expired - Fee Related
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2003
- 2003-11-13 TW TW92131745A patent/TW200415281A/zh unknown
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| CN100417761C (zh) | 2008-09-10 |
| CN1500929A (zh) | 2004-06-02 |
| TW200415281A (en) | 2004-08-16 |
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Legal Events
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Effective date: 20050928 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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Effective date: 20070521 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070821 |
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| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071018 |
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| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071113 |