JP2004159908A - 芳香液保持体 - Google Patents

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毅 宮崎
Takashi Kato
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Abstract

【課題】芳香液保持体において、芳香が長時間持続し、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高いこと。
【解決手段】芳香液保持体1は、多孔質金属の表面に文字2「ABC」を彫り込み、周囲の多孔質部分3のみを残して、表面の一部4、側面5及び裏面6の孔を全てブラスト加工で潰したものである。芳香液は表面の多孔質部分3から沁み込ませることによって芳香液保持体1に含浸させるが、側面5と裏面6の孔が潰されているため、側面5・裏面6からの芳香液の流出が防がれる。芳香液が揮発するのは表面の多孔質部分3のみであるから、適量が揮発して香りが強すぎることもなく適度の心地良い香りを楽しむことができるとともに、芳香が長時間に亘って持続する。芳香液保持体1単体で衣服のポケットやバッグ等に入れて携行しても良いし、鎖を付けてペンダントとして首から下げても良い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携行・芳香液の補給が容易で、芳香が長期間持続し、かつ外観の装飾性も高い芳香液保持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】実開平04−051953号公報
従来、香水・エッセンシャルオイル等の芳香液の香りを携行して楽しむためには、小壜に入れて持ち歩く、図5に示されるように紙42に芳香液を染み込ませたものをケース41に入れる、等があるが、いずれも小さくするのには限界があり携行には不便である。これに対して、上記特許文献1に記載されているように、筆記の際に芳香液の香りを楽しむために、万年筆・ボールペン等のペン軸またはインク軸に吸水性の多孔質金属・ソフトセラミックス・綿あるいは紙からなる芳香液保持体を設けたり、ボールペンの口金を多孔質金属やソフトセラミックスで作製して芳香液保持体とする等の技術が開発されている。これらの多孔質金属等からなる芳香液保持体はごく小さく、キャップを被せれば筆記具として胸ポケット等に差したりして手軽に携行できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1に記載の技術においては、多孔質金属等をそのままペン軸に取付けたりボールペンの口金としているため多孔質金属等の全面から芳香液が揮発し、しかも芳香液保持体がごく小さいので、キャップを取って筆記していると比較的短時間で芳香液がなくなってしまう。また、芳香液保持体には、文字やロゴ(飾り文字・特殊な字体)、模様、さらにはホログラム等を表面に付すことによって、香りを楽しむだけでなく外観の装飾的要素も付加されて、ペンダント等のアクセサリーとしての応用も可能であるが、そのような発想は上記特許文献1には開示されていない。
【0004】
そこで、本発明は、芳香が長時間持続し、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかる芳香液保持体は、ビッカース硬さ約300以下の多孔質金属に芳香液を含浸させたものである。
【0006】
したがって、多孔質金属内に芳香液を保持して少しずつ揮発していく芳香液の香りを楽しむことができるばかりでなく、芳香液の補給も容易である。また、ビッカース硬さが約300以下と比較的軟らかい多孔質金属からなるため加工性が良く、表面に文字やロゴ、模様を刻んだりホログラムを転写したりすることができ、全体形状・大きさも自在に加工できるため、携行が容易でペンダント等のアクセサリーとしての応用も可能である。
【0007】
このようにして、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0008】
請求項2の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1の構成において、前記多孔質金属の側面・裏面の全面の孔または側面・裏面の全面の孔及び表面の一部の孔を潰したものである。
【0009】
これによって、孔を潰された部分からは芳香液は揮発しないので揮発面積が格段に減少して、時間当り揮発量が少なくなるため、芳香液が長持ちする。また、芳香液の補給の際に側面・裏面から芳香液が流出することも防ぐことができる。
【0010】
ここで、孔を潰す方法としては、ブラスト、プレス圧縮、溶融、さらには接着剤や塗料を塗る等がある。
【0011】
このようにして、芳香が長時間持続し、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0012】
請求項3の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1または請求項2の構成において、前記多孔質金属の表面を全体的に凹形状にしたものである。
【0013】
したがって、芳香液の補給時に表面の凹形状によって周囲に芳香液がこぼれにくくなり、芳香液の補給がより容易になる。
【0014】
このようにして、芳香が長時間持続し、芳香液の補給がより容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0015】
請求項4の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1つの構成において、前記多孔質金属の表面に凹凸を付けたものである。
【0016】
これによって、大きい凹凸を付けた場合には文字・ロゴ・模様等によって芳香液保持体の表面を装飾することができ、また微小な凹凸を付けることによってホログラムパターンを芳香液保持体の表面に形成することができて所定の角度から見ると芳香液保持体の表面にホログラム像が浮かび上がる。
【0017】
このようにして、芳香が長時間持続し、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0018】
請求項5の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1つの構成において、前記多孔質金属を薄板状に形成したものである。
【0019】
これによって、例えば自動車のダッシュボードの上の曲面等に屈曲させて両面テープ等でぴったりと貼り付けることができる等、フレキシビリティに富んだ芳香液保持体となる。また、薄板状の多孔質金属に文字・ロゴ・模様等を表せば、車内の装飾的効果も得られる。さらに、従来ダッシュボード等の上に芳香液の壜を置いていたのに比べて遥かにスマートで見栄えも良くなる。
【0020】
このようにして、芳香が長時間持続し、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0021】
請求項6の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1つの構成において、前記多孔質金属を携帯電話に装着し、着信時及び/または通話時に前記多孔質金属に通電するようにしたものである。
【0022】
ここで、多孔質金属の表面の孔をなるべく多めに潰して、携帯電話が待ち受け状態の時には芳香液が殆ど揮発しないようにしておく。そして、着信時や通話時には多孔質金属に通電されるので抵抗熱で多孔質金属の温度が上がり、含浸された芳香液が暖められて揮発する。したがって、着信時には着信音や振動(バイブ)とともに芳香液の香りによっても着信が知らされ、通話時には芳香液の香りを楽しみながら会話をすることができる。
【0023】
なお、折り畳み式の携帯電話の場合には、多孔質金属が装着された側と反対の側に多孔質金属の表面に蓋をする部材を設けておけば、折り畳み状態(待ち受け状態)において芳香液の余分な揮発を抑えることができてさらに良い。また、携帯電話に装着された多孔質金属の表面にも飾り文字(ロゴ)やホログラムで持ち主の名前等を表示すれば、装飾性に優れさらに付加価値の高い携帯電話となる。
【0024】
このようにして、芳香液を必要なときだけ揮発させることによって芳香が長時間持続し、多孔質金属の表面に装飾的効果を持たせることもでき、付加価値の高い携帯電話とすることができる芳香液保持体となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1について、図1を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施の形態1にかかる芳香液保持体の全体を示す斜視図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【0027】
図1に示されるように、本実施の形態1にかかる芳香液保持体1は、チタン(Ti)の微粒子の燒結体からなる多孔質金属の表面に凹凸からなる文字2「A」,「B」,「C」を彫り込み、凹凸としての文字2の周囲の多孔質部分3のみを残して、表面の一部4、側面5及び裏面6の孔を全てブラスト加工で潰したものである。チタンの微粒子の燒結は1000℃〜1300℃で行い、文字2はここでは機械加工(切削)で燒結後に彫り込んでいるが、燒結時に型で成形することもでき、燒結後にプレスで刻印することもできる。芳香液は表面の多孔質部分3から沁み込ませることによって、芳香液保持体1に含浸させる。このとき、側面5と裏面6の全面の孔が潰されているため、側面5・裏面6から芳香液が流出することを防ぐことができる。
【0028】
そして、芳香液が揮発するのは表面の多孔質部分3(文字2の部分も含む。切削加工では多孔質金属の孔は潰れない。)のみであるから、適量が揮発して香りが強すぎることもなく適度の心地良い香りを楽しむことができるとともに、芳香が長時間に亘って持続する。かかる芳香液保持体1は、大きさ・厚さを目的に応じて製造できるので、芳香液保持体1単体で衣服のポケットやバッグ・ポシェット・ポーチ等に入れて携行しても良いし、鎖を付けてペンダントとして首から下げても良いし、自動車のインパネやダッシュボードの上に接着剤・両面テープ等で貼り付けて装飾の用途も兼ねて用いても良い。
【0029】
特に、芳香液保持体1を屈曲自在な程度にまで薄板状に形成すれば、曲面状になっているダッシュボード等の上にも曲面に合わせて曲げながら接着剤・両面テープ等で貼り付けることによって密着固定させることができる。このように、ダッシュボード等の上面に厚い芳香液保持体1または薄板状の芳香液保持体1を接着することによって芳香を出すようにすれば、従来の芳香液入りの壜をダッシュボード等の上面に固定していたのに比較して遥かにスマートで見栄えも良く、さらに文字2が刻んであることによって装飾効果も得られる。
【0030】
取り分け、本実施の形態1の芳香液保持体1においては、チタン(Ti)の多孔質金属を用いていることから、金属アレルギーの人でも安心して手にしたりアクセサリーとして肌に触れさせることができる。また、チタンは熱伝導率が小さいため、ペンダント等として肌に触れたときにアルミニウムのような冷たい感触がなく、軟らかい感触を得ることができる。さらに、チタンの多孔質金属を用いていることから、光沢を有し傷が付きにくく錆びにくいチタンの特性を活かして文字2を刻む代わりにホログラム模様を転写することによって、芳香液保持体1の表面にホログラム像が浮かび上がり、より一層の装飾効果が得られる。
【0031】
このように、本実施の形態1の芳香液保持体1においては、多孔質金属としてチタン(Ti)を用いたことを特徴とするものである。
【0032】
このようにして、本実施の形態1の芳香液保持体1は、芳香が長時間持続し、携行・芳香液の補給が容易で、金属アレルギーの人も安心して取り扱うことができ、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0033】
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について、図2を参照して説明する。図2は本発明の実施の形態2にかかる芳香液保持体の断面形状を示す断面図である。
【0034】
図2に示されるように、本実施の形態2にかかる芳香液保持体11も、チタンの微粒子の燒結体からなる多孔質金属13の表面を中心が低く周囲が高くなるように凹形状14として、この凹形状14の表面に凹凸からなる文字12を彫り込み、側面15及び裏面16の孔を全てブラスト加工で潰したものである。したがって、芳香液の補給時に表面の凹形状によって周囲に芳香液がこぼれにくくなり、芳香液の補給がより容易になる。また、実施の形態1と異なり、表面14の孔が全く潰されていないので芳香液の揮発面積が大きくなり、時間当り揮発量が増加する。
【0035】
したがって、芳香液保持体11に芳香液を含浸させてバッグ等に入れて携行するうちに表面14から揮発した芳香液の蒸気がバッグ等に溜まり、物の出し入れをするためにバッグ等を開けたときに芳香液の心地良い香りがして、バッグ等の使い心地が良くなる。これは、実施の形態1の芳香液保持体1の場合でも同じであるが、本実施の形態2の芳香液保持体11の方が揮発量が多いので、同じ種類の芳香液で同様な気候の場合には、より強い香りがする。どのくらいの強さの香りのときが最も心地良く感じるかは、芳香液の種類(フローラル、グリーン、シトラス、ムスク、ラベンダー、ミント、ローズマリー等)によっても異なり、また個人差もあるので、様々な揮発面積を有する芳香液保持体を製造して試してみて、最も自分に適した芳香液保持体を選ぶのが好ましい。
【0036】
また、香りの強さと芳香液の持続性には、芳香液を含浸させる多孔質金属3,13の気孔率も影響する。本発明者らが実験したところでは、芳香液保持体としての多孔質金属3,13の気孔率は約10%〜約40%の範囲内が適しており、さらに好ましくは気孔率約20%〜約30%の範囲内が良い。
【0037】
その他の点については、本実施の形態2は実施の形態1と同様に、凹凸としての文字12やロゴ・模様等を表面14に表すことによって装飾的効果も得られ、自動車内の芳香用兼装飾用としても用いることができる。また、チタンの多孔質金属を用いているため、金属アレルギーの人でも安心して手にしたりアクセサリーとして肌に触れさせることができ、チタンは熱伝導率が小さいためペンダント等として肌に触れたときにアルミニウムのような冷たい感触がなく、軟らかい感触が得られる。さらに、光沢を有し傷が付きにくく錆びにくいチタンの特性を活かして文字12を刻む代わりにホログラム模様を転写することによって、芳香液保持体11の表面にホログラム像が浮かび上がり、より一層の装飾効果が得られる。
【0038】
このようにして、本実施の形態2の芳香液保持体11は、芳香が長時間持続し、芳香液の補給がより容易で、金属アレルギーの人も安心して取り扱うことができ、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0039】
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3について、図3を参照して説明する。図3は本発明の実施の形態3にかかる芳香液保持体を装着した折り畳み式携帯電話を開いた状態を示す斜視図である。
【0040】
図3に示されるように、本実施の形態3の芳香液保持体21は、横長の長円形板状の多孔質金属からなり、金属としてはここでもチタンを用いている。そして、芳香液保持体21を形成するチタン製多孔質金属はその全ての面、即ち側面・底面のみならず表面をもブラスト加工で全面の孔を一旦潰している。そして、表面に切削加工で文字22「A」,「B」,「C」を彫り込むことによって、僅かにこの文字22部分のみを多孔質表面として復活させている。したがって、芳香液の揮発表面積は極めて小さい。
【0041】
折り畳み式携帯電話20の操作ボタン及びマイクを備えている下部本体26のマイク近傍には、下部本体26と同じ材質(硬質プラスティック)からなる長円形のリブ23が突出して設けられており、このリブ23内に上記長円形の芳香液保持体21が装着されている。そして、下部本体26の電気配線の一部がチタン製の芳香液保持体21の両端に接続されており、着信時及び通話時に通電されるようになっている。
【0042】
一方、折り畳み式携帯電話20の表示画面とレシーバーを備えた上部本体25のレシーバー近傍には、折り畳んだ時に前記リブ23の全体を覆う位置にゴム製の蓋24が取付けられている。これによって、折り畳み式携帯電話20の折り畳み時(待ち受け状態の時)にはリブ23の全周がゴム製の蓋24で密封されるので、芳香液保持体21からの無駄な芳香液の揮発が防止される。
【0043】
この芳香液保持体21に芳香液を含浸させるには、先の細いスポイト等を用いて文字部分22から少しずつ注入するしかないが、一旦芳香液が含浸されれば長期間芳香液が持続する。上述の如く、折り畳み式携帯電話20の折り畳み時にはリブ23の全周がゴム製の蓋24で密封されるので芳香液の香りは全くしないが、折り畳み式携帯電話20を図3のように開いても、芳香液保持体21の揮発部分(多孔質表面)は文字部分22だけなので、揮発量は極少なくそのままでは香りは殆どしない。
【0044】
しかし、着信があったり、こちらから電話をかけて通話したりすると、芳香液保持体21に電流が流れて抵抗熱によって芳香液保持体21の温度が上がる。これによって、芳香液保持体21に含浸されている芳香液が暖められて揮発し、適度な香りを楽しみながら会話をすることができる。
【0045】
このようにして、本実施の形態3の芳香液保持体21は、芳香液を必要なときだけ揮発させることによって芳香が長時間持続し、多孔質金属の表面に装飾的効果を持たせることもでき、付加価値の高い携帯電話20とすることができる芳香液保持体となる。
【0046】
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4について、図4を参照して説明する。図4(a)は本発明の実施の形態4にかかる芳香液保持体を装着した折り畳み式携帯電話を開いた状態を示す斜視図、(b)は折り畳み式携帯電話を閉じた状態の芳香液保持体装着部分の断面を拡大して示す拡大断面図である。
【0047】
図4に示されるように、本実施の形態4の芳香液保持体31は、横長の楕円形板状の多孔質金属からなり、金属としてはここでもチタンを用いている。そして、芳香液保持体31を形成するチタン製多孔質金属は側面及び底面をブラスト加工で孔を潰して、表面に切削加工で文字32「A」,「B」,「C」を彫り込み、その周囲の表面33の孔もブラスト加工で潰している。かかる楕円形の芳香液保持体31が、折り畳み式携帯電話30の操作ボタン及びマイクを備えている下部本体36のマイク近傍に装着されている。そして、下部本体36の電気配線の一部がチタン製の芳香液保持体31の両端に接続されており、着信時及び通話時に通電されるようになっている。
【0048】
本実施の形態4の芳香液保持体31は多孔質表面32,32aの面積があるため、芳香液保持体31に芳香液を含浸させるのは比較的容易である。一方、折り畳み式携帯電話30の表示画面とレシーバーを備えた上部本体35のレシーバー近傍には、折り畳んだ時に芳香液保持体31の全体を覆う位置にゴム製の蓋34が埋め込まれている。これによって、折り畳み式携帯電話30の折り畳み時(待ち受け状態の時)には、図4(b)に示されるように表面の孔を潰した外周33の全周がゴム製の蓋34で密封されるので、芳香液保持体31からの無駄な芳香液の揮発が防止される。
【0049】
ここで、折り畳み式携帯電話30を図4(a)のように開くと、芳香液保持体31の揮発部分(多孔質表面)32,32aから芳香液が若干揮発して、仄かな香りがする。さらに、着信があったり、こちらから電話をかけて通話したりすると、芳香液保持体31に電流が流れて抵抗熱によって芳香液保持体31の温度が上がる。これによって、芳香液保持体31に含浸されている芳香液が暖められてより多く揮発し、適度な香りを楽しみながら会話をすることができる。
【0050】
このようにして、本実施の形態4の芳香液保持体31においては、より多くの芳香液が揮発するので実施の形態3よりは早く芳香液がなくなるが、芳香液の補給が容易なので強めの香りを好む人には最適な折り畳み式携帯電話30用の芳香液保持体となる。
【0051】
なお、折り畳み式でない携帯電話には、実施の形態3の芳香液保持体21をマイク近傍に装着すれば、蓋がなくとも待ち受け時には殆ど芳香液が揮発せず、着信時には通電によって芳香液が揮発して着信音・振動(バイブ)だけでなく香りによっても着信を知らせてくれる。そして、通話時には芳香液保持体21が鼻の近傍にくるので、通電によって芳香液が揮発して適度な香りを楽しみながら会話をすることができる。
【0052】
また、本実施の形態4の折り畳み式携帯電話の応用として、化粧用の折り畳み式コンパクトのファンデーションの着いている側に、本実施の形態4の芳香液保持体31と類似の形状の芳香液保持体(但し、表面の周囲の孔は潰さない)を装着し、鏡の着いている側に本実施の形態4の蓋34と類似の形状の蓋を取付ければ、コンパクトを折り畳んでいる時には蓋によって芳香液の揮発が防止され、コンパクトを開いて使用するときには芳香液保持体から芳香液が揮発して香りを楽しみながら化粧をすることができる。さらに、芳香液保持体に自分の名前やイニシャル等を文字やロゴで刻めば、装飾的効果も得られる。
【0053】
実施の形態5
次に、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態5にかかる芳香液保持体は、主としてカーナビゲーション装置(以下、「カーナビ」とも略する。)やカーオーディオ装置(以下、「オーディオ」とも略する。)に複数個取付けて、複数の香りの中から任意の香りを選択できるようにしたものである。
【0054】
即ち、芳香液保持体としては、実施の形態3の芳香液支持体21のように揮発面積の極少ないものを用い(但し、大きさと形状は任意のものとする。)、それぞれ異なる種類の芳香液を含浸させたものを複数個、カーナビやオーディオの本体またはその近傍のダッシュボードの上面に装着する。これらの複数個の芳香液保持体は、カーナビやオーディオの本体と電気的に接続されており、カーナビやオーディオの操作パネルにそれぞれの芳香液保持体に対応するON−OFFスイッチを設けて、スイッチをONにすると対応する芳香液保持体に通電されて抵抗熱で芳香液が暖められて揮発する。
【0055】
各ON−OFFスイッチの傍らには、対応する芳香液保持体に含浸されている芳香液の種類(フローラル、グリーン、シトラス、ミント、等)及び/または効能・特性(リラックス、眠気覚まし、甘い香り、等)が表示されている。したがって、運転者または同乗者は好みの香りのスイッチをONにすることによって、カーナビを使用しながら、またはオーディオで音楽を聴きながら、好みの香りを楽しむことができる。
【0056】
なお、2種類以上の香りを混ぜて楽しめるように、全てのON−OFFスイッチを独立としても良いし、香りが混ざらないように1つのスイッチしかONにならないように(2つ目のスイッチをONにすると、前のスイッチは自動的にOFFになる。)連動させても良い。
【0057】
このようにして、ごく簡単で小型の機構を追加するだけで見栄えも損なわず、カーナビゲーション装置やカーオーディオ装置において同時に好みの香りをも楽しむことができる芳香液保持体となる。
【0058】
上記各実施の形態においては、芳香液保持体を構成する多孔質金属としてチタンを用いた場合について説明したが、チタン以外にも銅、アルミニウム、真鍮、マグネシウム等の多孔質金属がビッカース硬さ約300以下であり、これらの多孔質金属を用いることもできる。ここで、軟らかいアルミニウムの多孔質金属にホログラム模様を転写した場合には、ホログラム模様が潰れてしまわないように表面にアルマイト処理を行う必要がある。
【0059】
また、上記各実施の形態においては、多孔質金属表面に刻まれる文字として、ごく一般的な例として普通の字体の「A」,「B」,「C」について説明したが、もっと複雑な飾り文字や特殊文字(ロゴ)、模様等を成形やプレスや切削加工で刻むことができ、これによって装飾性を一段と高めることができる。
【0060】
さらに、上記各実施の形態においては、多孔質金属の孔を潰す方法としてブラスト加工による場合のみについて説明したが、その他にもプレス圧縮、溶融、接着剤を塗布する、塗料を塗布する等の方法によることができる。特に、塗料を塗布することによって孔を潰せば、側面及び表面の一部の装飾効果が一段と高くなる。
【0061】
芳香液保持体のその他の部分の構成、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明にかかる芳香液保持体は、ビッカース硬さ約300以下の多孔質金属に芳香液を含浸させたものである。
【0063】
したがって、多孔質金属内に芳香液を保持して少しずつ揮発していく芳香液の香りを楽しむことができるばかりでなく、芳香液の補給も容易である。また、ビッカース硬さが約300以下と比較的軟らかい多孔質金属からなるため加工性が良く、表面に文字やロゴ、模様を刻んだりホログラムを転写したりすることができ、全体形状・大きさも自在に加工できるため、携行が容易でペンダント等のアクセサリーとしての応用も可能である。
【0064】
このようにして、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0065】
請求項2の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1の構成において、前記多孔質金属の側面・裏面の全面の孔または側面・裏面の全面の孔及び表面の一部の孔を潰したものである。
【0066】
これによって、孔を潰された部分からは芳香液は揮発しないので揮発面積が格段に減少して、時間当り揮発量が少なくなるため、芳香液が長持ちする。また、芳香液の補給の際に側面・裏面から芳香液が流出することも防ぐことができる。
【0067】
このようにして、芳香が長時間持続し、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0068】
請求項3の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1または請求項2の構成において、前記多孔質金属の表面を全体的に凹形状にしたものである。
【0069】
したがって、芳香液の補給時に表面の凹形状によって周囲に芳香液がこぼれにくくなり、芳香液の補給がより容易になる。
【0070】
このようにして、芳香が長時間持続し、芳香液の補給がより容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0071】
請求項4の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1つの構成において、前記多孔質金属の表面に凹凸を付けたものである。
【0072】
これによって、大きい凹凸を付けた場合には文字・ロゴ・模様等によって芳香液保持体の表面を装飾することができ、また微小な凹凸を付けることによってホログラムパターンを芳香液保持体の表面に形成することができて所定の角度から見ると芳香液保持体の表面にホログラム像が浮かび上がる。
【0073】
このようにして、芳香が長時間持続し、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0074】
請求項5の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1つの構成において、前記多孔質金属を薄板状に形成したものである。
【0075】
これによって、例えば自動車のダッシュボードの上の曲面等に屈曲させて両面テープ等でぴったりと貼り付けることができる等、フレキシビリティに富んだ芳香液保持体となる。また、薄板状の多孔質金属に文字・ロゴ・模様等を表せば、車内の装飾的効果も得られる。さらに、従来ダッシュボード等の上に芳香液の壜を置いていたのに比べて遥かにスマートで見栄えも良くなる。
【0076】
このようにして、芳香が長時間持続し、携行・芳香液の補給が容易で、アクセサリー等の装飾体としても利用価値の高い芳香液保持体となる。
【0077】
請求項6の発明にかかる芳香液保持体は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1つの構成において、前記多孔質金属を携帯電話に装着し、着信時及び/または通話時に前記多孔質金属に通電するようにしたものである。
【0078】
ここで、多孔質金属の表面の孔をなるべく多めに潰して、携帯電話が待ち受け状態の時には芳香液が殆ど揮発しないようにしておく。そして、着信時や通話時には多孔質金属に通電されるので抵抗熱で多孔質金属の温度が上がり、含浸された芳香液が暖められて揮発する。したがって、着信時には着信音や振動(バイブ)とともに芳香液の香りによっても着信が知らされ、通話時には芳香液の香りを楽しみながら会話をすることができる。
【0079】
なお、折り畳み式の携帯電話の場合には、多孔質金属が装着された側と反対の側に多孔質金属の表面に蓋をする部材を設けておけば、折り畳み状態(待ち受け状態)において芳香液の余分な揮発を抑えることができてさらに良い。また、携帯電話に装着された多孔質金属の表面にも飾り文字(ロゴ)やホログラムで持ち主の名前等を表示すれば、装飾性に優れさらに付加価値の高い携帯電話となる。
【0080】
このようにして、芳香液を必要なときだけ揮発させることによって芳香が長時間持続し、多孔質金属の表面に装飾的効果を持たせることもでき、付加価値の高い携帯電話とすることができる芳香液保持体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の実施の形態1にかかる芳香液保持体の全体を示す斜視図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態2にかかる芳香液保持体の断面形状を示す断面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態3にかかる芳香液保持体を装着した折り畳み式携帯電話を開いた状態を示す斜視図である。
【図4】図4(a)は本発明の実施の形態4にかかる芳香液保持体を装着した折り畳み式携帯電話を開いた状態を示す斜視図、(b)は折り畳み式携帯電話を閉じた状態の芳香液保持体装着部分の断面を拡大して示す拡大断面図である。
【図5】図5は従来の芳香液保持体の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 芳香液保持体
2,12,22,32 凹凸
3,13,32a 多孔質金属
4,33 表面の一部
5,15 側面
6,16 裏面
14 凹形状
20,30 携帯電話

Claims (6)

  1. ビッカース硬さ約300以下の多孔質金属に芳香液を含浸させたことを特徴とする芳香液保持体。
  2. 前記多孔質金属の側面・裏面の全面の孔または側面・裏面の全面の孔及び表面の一部の孔を潰したことを特徴とする請求項1に記載の芳香液保持体。
  3. 前記多孔質金属の表面を全体的に凹形状にしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の芳香液保持体。
  4. 前記多孔質金属の表面に凹凸を付けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1つに記載の芳香液保持体。
  5. 前記多孔質金属を薄板状に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1つに記載の芳香液保持体。
  6. 前記多孔質金属を携帯電話に装着し、着信時及び/または通話時に前記多孔質金属に通電するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1つに記載の芳香液保持体。
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