JP2004159519A - 熟成方法および熟成室 - Google Patents
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Abstract
【課題】青果物を食べ頃に提供するための熟成あるいは追熟処理を生産地や流通過程においてせず、実際に青果物を食する購入者が適度に熟成した青果物を入手し得る熟成室および熟成方法を提供する。
【解決手段】取出口を有し青果物などの農産物を収納する容器と、前記容器内に所定のガスを噴出するガス噴出手段と、前記ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御手段と、前記容器内の温度を制御する温度制御手段とを具備することを特徴とする熟成室を用い、青果物を熟成させる。
【選択図】 図2
【解決手段】取出口を有し青果物などの農産物を収納する容器と、前記容器内に所定のガスを噴出するガス噴出手段と、前記ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御手段と、前記容器内の温度を制御する温度制御手段とを具備することを特徴とする熟成室を用い、青果物を熟成させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、青果物を含む農産物の保管を目的とする保管庫または冷蔵庫の一部として使用され、特に青果物の熟成を促進させる熟成室、および熟成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
バナナ、キウイ、トマトおよびメロンなどの多くの青果物を含む農産物は、収穫後の流通過程において生じ得る傷などを抑制し、購入者・消費者が消費する時点で適度な熟成度を有することが求められる。そのため、特に青果物は、未熟な状態で収穫され、その後の流通過程の中で熟成を進める「追熟」と呼ばれる処理が行われている。
【0003】
この「追熟」は、収穫後の青果物を単に放置するだけでも進行するが、その速度が速すぎると販売時または購入時に青果物が傷んでしまい、その速度が遅すぎると青果物は未熟状態のままで消費者の手に渡ってしまう。すなわち、いずれの場合にも商品価値を下げてしまうという問題がある。したがって、収穫した青果物が消費者の手に渡る際に最適の熟成度を有するように、追熟速度をコントロールしながら出荷管理が行われているのである。
【0004】
この追熟処理に通常使用されているのがエチレンであり、収穫された未熟の青果物はコンテナ、テントまたは倉庫などに収納された状態でエチレンとの接触により追熟される。しかし、コンテナまたは倉庫のような大きな収納場所にエチレンを導入する場合、生産地で出荷容器に納められた状態で青果物にエチレンを均等に接触させることが困難なことがある。また、出荷容器から青果物を取り出して追熟処理を行った後、再度容器に詰める場合、手間がかかりコストが高くなってしまうという問題がある。
【0005】
ここで、「追熟」に関する従来技術を簡単に説明すると、特許文献1においては、硫酸アルミニウムなどの無機酸素酸塩、マンガンなどの多原子価金属、および二酸化珪素などのエタノール担持体を含む組成物を用い、エタノールの脱水反応により生成するエチレン、およびエタノールの酸化反応によって生成するアセトアルデヒドを熟成のためのガスとして用いる方法が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−103212号公報
【0007】
しかし、この熟成方法においては、前記組成物を含む容器を設置する温度環境およびガス放出量などの変動因子が存在するため、反応速度を調節することが困難であり、容器内のガス濃度をコントロールすることができず、熟成の速度が不安定になるという問題がある。さらに、前記容器を長期間使用した場合、前記組成物に含まれる無機酸素酸塩および多価金属が、容器内に共存するガス成分または反応中間物による被毒を受け、エタノールからエチレンまたはアセトアルデヒドへの変換効率が低下するという問題もある。
【0008】
また、特許文献2においては、農産物を抑圧処理および緩和処理に供する保存・熟成方法が開示されている。具体的には、−0.1〜−10℃の氷温と呼ばれる温度域で保管することによって、農産物にストレスを与え、さらに前記農産物を高多湿の生理活性空気に触れさせることにより、果肉の腐敗、軟化および崩壊などを防ぎながら、熟成または追熟を行うという。
【0009】
【特許文献2】
特開平11−75680号公報
【0010】
しかし、この方法は、農産物を数ヶ月単位の長期間保存する場合に新鮮味を失うことなく旨味を出させることを目的とするため、保管する場合には有効であるものの、比較的短時間における熟成効果には効果が期待できないという問題がある。さらに、低温障害を発生するような青果物に関しては、氷温条件でのストレスそのもので青果物の品質が劣化してしまうという問題もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上述のように従来から行われている青果物の流通過程における追熟処理を省略し、収穫後の新鮮な青果物をできるだけ早く購入者・消費者の手元に到達させるとともに、購入者・消費者が自らの嗜好などに合わせて簡便に熟成を行って、適宜食べ頃の青果物を入手することを可能にすることを目的とする。すなわち、本発明の目的は、例えば一般家庭においても容易に使用することができ、簡単な構成を有する青果物用熟成室、および青果物の熟成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、農産物を所定のガス雰囲気下に曝露しながら雰囲気温度を変化させることにより、前記農産物を熟成させる工程を含むことを特徴とする熟成方法を提供する。
また、本発明は、取出口を有し農産物を収納する容器と、前記容器内に所定のガスを噴出するガス噴出手段と、前記ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御手段と、前記容器内の温度を制御する温度制御手段とを具備することを特徴とする熟成室を提供する。
【0013】
前記熟成室は、さらにガス除去手段を具備するのが好ましい。
さらに、前記熟成室は、前記容器内のガス濃度を検知するガス検知手段を具備し、前記ガス噴出量制御手段が、前記ガス検知手段によって検知したガス濃度に応じて前記ガスの噴出量を制御するのが好ましい。
【0014】
また、前記温度制御手段が、前記容器内の温度を検知する温度センサと、前記温度センサからのデータに基づいて通電量が制御される熱電半導体とで構成された熱電素子モジュールであるのが好ましい。
前記熱電素子モジュールは、前記容器内で熱の授受を行う吸放熱板を有し、前記吸放熱板の前記容器内部側の表面が凹凸形状を有するのが好ましい。
【0015】
また、前記所定のガスは、エチレン、アセトアルデヒドおよびエタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
また、前記熟成室は、農産物の種類に応じてあらかじめ決められたガスの貯蔵手段複数個と、前記ガス噴出手段に特定のガスを選択的に噴出させるガス選択手段とを具備するのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
(1)熟成方法
本発明は、所定のガス雰囲気下において雰囲気温度を変化させることを特徴とする農産物の熟成方法を提供する。
この方法においては、例えば青果物などを一定の容積を有する容器に収納し、特定のガス雰囲気下に暴露しながら前記容器内の温度を変化させる。これにより、特定のガスとの接触が誘引する生理作用の活性化に基づく熟成効果に加えて、青果物の保管温度を向上させることによる呼吸量の増加にともなう成長促進効果が得られ、温度変動を非常に小さくすることができ、一定の保管温度にて青果物を熟成または追熟させることが可能となる。
【0017】
具体的には、青果物などを、その成長および熟成を促進させるような特定のガス雰囲気下に保管し、加温することによって成長を促進させることができる。また、温度変動を小さくすることによって、青果物などへのストレスを小さくし、その品質を低下させることなく迅速に熟成または追熟を行うことができる。
ここで、本明細書においていう農産物とは、熟成を経てその商品価値が向上し得る物をいい、典型的な例としては、例えばトマト、ナス、バナナ、リンゴ、オレンジ、イチゴ、キウイフルーツ、メロン、モモ、ナシ、ブドウおよびかぼちゃなどの青果物が挙げられる。以下においては、青果物に代表させて本発明を説明することもある。
【0018】
所定のガスは青果物の種類などによって異なるが、エチレン、アセトアルデヒドおよびエタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。これらは、熟成の対象となる青果物の種類に応じて適宜選択すればよく、混合ガスを用いてもよい。
例えばキウイフルーツの場合にはエタノール、エチレンおよびアセトアルデヒドいずれのガスに対しても感応し、いちごはアセトアルデヒドには感応するがエチレンにはほとんど感応しない。また、柿はエタノール、アセトアルデヒドには感応するもののエチレンには感応せず、ナスはエチレンに、トマトはアセトアルデヒドに良く感応する。
これらのガスは、種々の青果物において青果物内部での熟成に係わる生化学反応を刺激し、同時に青果物の呼吸量を増大させることで熟成あるいは追熟反応を促進させるといった作用を有する。
【0019】
ここで、青果物を保管する容器内の特定ガスのガス濃度としてはエチレンについては1〜1000ppm、好ましくは1〜100ppm、アセトアルデヒドについては1〜5000ppm、好ましくは1〜200ppm、エタノールについては1〜10000ppm、好ましくは10〜100ppmである。
さらに、温度雰囲気は、凍結や熱による変性といった現象が発生しない領域であれば問題はないが、熟成あるいは追熟させる青果物に合わせて5〜25℃の範囲が好ましい。
【0020】
(2)熟成室
つぎに、本発明は上記熟成方法を実施するために用いることのできる熟成室であって、取出口を有し農産物を収納する容器と、前記容器内に所定のガスを噴出するガス噴出手段と、前記ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御手段と、前記容器内の温度を制御する温度制御手段とを具備することを特徴とする熟成室を提供する。これにより、収納された青果物を簡便に適切な特定ガス濃度雰囲気下に保管することができ、さらには温度変動が非常に小さいため青果物が受けるストレスを少なくすることができる。また、加温による青果物の呼吸量増加に起因する成長促進効果を、特定ガスの効果とともに与えることによって、迅速に熟成または追熟を行うことができる。
【0021】
取出口を有し農産物を収納する容器について、取出口はメロン程度の大きさの果物が入る大きさであれば問題はなく、縦開き方式でも横開き方式でもよい。ただし、容器内部の密閉性を確保するためにゴムパッキンなどを用いるのが好ましい。
また、容器内の圧力が著しく上がることはないため、容器については特に構造的な制約は発生しない。ただし、伝熱特性に優れるという理由から内側は金属製であるのが好ましく、これに対して、外側(外装)は熱伝導に劣る樹脂製であるのが好ましい。なお、果物が接する容器の底部は金属製であるのが好ましい。例えば、ペルチェ素子の吸放熱板を直接用いることができる。
【0022】
容器内に所定のガスを噴出するガス噴出手段は、青果物を収納する容器の外部にあるガス貯蔵部から、配管を用いて容器内部にガスを導く方式であればよく、圧縮ガスの状態で圧力容器内に貯蔵された状態よりガスを放出する方式を用いるのが好ましい。
ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御手段としては、例えば金属製の耐圧容器に充填されたガスを容器内に導く配管途中に、絞り機構を備えたシステムが考えられ、電気的に弁を開いたり絞ったりする電磁弁や流量制御用のバルブなどを用いることができる。
【0023】
容器内の温度を制御する温度制御手段としては、従来公知のものを用いることができるが、なかでも、前記容器内の温度を検知する温度センサと、前記温度センサからのデータに基づいて通電量が制御される熱電半導体とで構成された熱電素子モジュールを温度制御手段として用いるのが好ましい。
これにより、青果物が保管されている容器内の温度を一定に保つことができ、さらには精密な温度制御が可能なために青果物の熟成度合いを観察しながら調整することが可能となる。また、青果物を収納する容器をコンパクト化できるという効果も奏する。
【0024】
ここで、前記温度制御手段によって設定される温度は凍結や熱による変性といった現象が発生しない領域であれば問題はないが、上述のように、熟成または追熟させる青果物に合わせて5〜25℃の範囲が好ましい。
また、熟成速度をさらに加速するために段階的に設定温度を変化させ収納されている青果物にストレスを与えることも可能であるが、品質の低下が起こらない範囲での温度変動条件であることが望ましい。さらに、熟成室を加温するための方法としては、冷媒を循環させる圧縮機を用いた冷蔵庫などの冷凍システムの温熱部を熱源としてもよい。
【0025】
前記熱電素子モジュールは、前記容器内で熱の授受を行う吸放熱板を有し、前記吸放熱板の前記容器内部側の表面が凹凸形状を有するのが好ましい。凹凸形状は、多数の溝を設けることにより構成してもよい。また、ドット状に形成されたもの、波状に形成された凹凸形状であっても構わない。
これにより、容器内の温度を一定に保つための熱の授受を行う吸放熱板表面と容器内部に収納される青果物表面との間に隙間が設けられ、容器内に導入される特定ガスが青果物と接触する面積が増大し、均等に青果物を熟成あるいは追熟することが可能となる。
【0026】
本発明に係る熟成室は、さらにガス除去手段を具備するのが好ましい。
これにより、高濃度の特定ガス雰囲気下における熟成または追熟が完了した後に青果物を取り出す際にも、本発明に係る熟成室を使用する人が容器中の特定ガスを吸い込むなどの危険が無く、安全な状態で使用することができる。
前記ガス除去手段としては、触媒によって化学的にガスを除去する装置、または物理的にガスを排出する装置などを用いることができる。前者としては、活性炭、ゼオライト、酸化マンガン、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などの吸着材料による吸着作用、光触媒もしくは金属触媒による分解作用、または加熱による熱分解などを用いるものなどが挙げられ、特に限定されるものではない。
また、紫外線ランプと光触媒材料とで構成されるガス除去手段や、ヒータとヒータの表面を被覆する金属触媒とで構成されたガス除去手段を用いることもでき、加熱による熱分解によってガスを除去することができる。
【0027】
さらに、前記熟成室は、前記容器内のガス濃度を検知するガス検知手段を具備し、前記ガス噴出量制御手段が、前記ガス検知手段によって検知したガス濃度に応じて前記ガスの噴出量を制御するのが好ましい。これにより、青果物を収納した容器内における特定のガス濃度を監視しながら一定の特定ガス濃度雰囲気下に保管することができる。
ここで、特定のガスとして混合ガスを容器内に噴出する場合のために、各々のガスに対して最適化した検知特性を有するガス検知手段複数個を用いてもよい。また、単一のガス検知手段を用い、動作温度を変更させたり、ガスの総量を検知する方法を採用しても構わない。
【0028】
例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムまたは酸化タングステンを主成分とし、添加金属触媒として白金、ニッケル、鉄、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、コバルト、クロムまたはマンガンなどを含む酸化物半導体を用いたガスセンサを利用することができる。また、ガスの種類に応じて、当業者であればガスセンサのガス選択性を高めることができる。
【0029】
また、本発明に係る熟成室は、農産物の種類に応じてあらかじめ決められたガスの貯蔵手段複数個と、前記ガス噴出手段に特定のガスを選択的に噴出させるガス選択手段とを具備するのが好ましい。このガス選択手段は、複数個のガス貯蔵部の少なくとも1個を選択するボタン式の入力部などであるのが、操作上好ましい。このような方式によれば、一般家庭における主婦などでも容易に本発明に係る熟成室を用い、本発明に係る熟成方法を実施することができる。
以下、本発明に係る熟成方法および熟成室について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0030】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る熟成室の構成を示す概略断面図である。図1に示すように、実施の形態1に係る熟成室は、青果物を収納する容器1、青果物を出し入れする取出口である開閉扉2、容器内の特定ガスの濃度を検知するためのガスセンサ3、ガスセンサからの情報から特定ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御部4、特定ガスを貯蔵しておくための耐圧性に優れたガス貯蔵部5、特定ガスの噴出量を調節するための電磁弁6aおよび6b、特定ガスが噴出されるガス噴出口7aおよび7bを有する。
【0031】
動作原理としては、容器1内に青果物を収納した後、熟成を促進させるために特定のガス濃度を設定し、そのときにガスセンサ3が示す出力電圧値をガス噴出量制御部4に記憶させる。青果物が収納された容器1内のガス濃度が設定濃度に達していない場合には、ガス噴出量制御部4からの指令に従って電磁弁6aおよび6bが開かれ、特定のガスが高圧状態で封入されているガス貯蔵部5より導かれ、ガス噴出口7aおよび7bより注入される。濃度が設定値となるとともに、再びガス噴出量制御部4より指令が出され、電磁弁6aが閉じられて噴出は停止する。このような過程を繰り返すことで容器1内の特定ガス濃度は一定値を保たれる。
【0032】
実施の形態2
図2は、本発明の実施の形態2に係る熟成室の構成を示す概略断面図である。図2に示すように、実施の形態2に係る熟成室は、実施の形態1と同様に、青果物を収納する容器1、青果物を出し入れする取出口である開閉扉2、容器内の特定ガスの濃度を検知するためのガスセンサ3、ガスセンサからの情報から特定ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御部4、特定ガスを貯蔵しておくための耐圧性に優れたガス貯蔵部5、特定ガスの噴出量を調節するための電磁弁6aおよび6b、特定ガスが噴出するガス噴出口7aおよび7bを有する。
さらに、実施の形態2に係る熟成室は、吸放熱板8、熱電素子9、熱交換フィン10、熱電素子9に電流を流すための電源11、温度センサ12、熱電素子に流す電流値を制御する制御装置13、および台脚14を具備する。吸放熱板8、熱電素子9および熱交換フィン10が熱電素子モジュールを構成する。
【0033】
動作原理としては、容器1内に青果物を収納した後、熟成を促進させるために容器1内の温度を収納した青果物に適した温度に設定し、そのときに温度センサ12が示す電圧値を制御装置13に記憶させる。制御装置13がその値に基づいて熱電素子9に電流を流すように電源11に指令することにより、容器1内温度は設定値に維持されることとなる。容器1内の温度が設定値より低い場合には吸放熱板8を通して加熱され、設定値より高い場合には逆に吸熱される。
ここで、さらに容器1内には特定ガスが導入されることになるが、この過程は実施の形態1に記した内容と同じである。このように青果物が収納された容器1内部は温度と特定のガス濃度が制御された環境となり、青果物の熟成または追熟が効率よく行われる。
【0034】
実施の形態3
図3は、本発明の実施の形態3に係る熟成室の構成を示す概略断面図である。図3に示すように、実施の形態3に係る熟成室は、実施の形態2と同様に、青果物を収納する容器1、青果物を出し入れする取出口である開閉扉2、容器内の特定ガスの濃度を検知するためのガスセンサ3、ガスセンサからの情報から特定ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御部4、特定ガスを貯蔵しておくための耐圧性に優れたガス貯蔵部5、特定ガスの噴出量を調節するための電磁弁6aおよび6b、特定ガスが噴出れるガス噴出口7aおよび7b、吸放熱板8、熱電素子9、熱交換フィン10、熱電素子9に電流を流すための電源11、温度センサ12、熱電素子に流す電流値を制御する制御装置13、ならびに台脚14を具備する。
【0035】
さらに実施の形態3に係る熟成室は、吸着剤が担持されたハニカム構造体15とファン16とで構成されるガス除去手段を具備する。容器1内外の空気の流れを矢印で表している。
青果物の熟成または追熟を行なうために、容器1内の特定のガス濃度は条件によっては100ppmを超える濃度が設定される。この状態において青果物を容器1内から取り出す前に、ファン16を作動させて容器1内の空気を吸着剤が担持されたハニカム構造体15に送り込む。矢印で示すように、前記ハニカム構造体15を特定のガスが空気の流れに従って通過するたびに、ハニカム構造体15に担持された吸着剤によって吸着除去され、容器中の特定のガス濃度が低下する。そして、一定の濃度以下になった時点でファン16を停止して容器1内の青果物を安全に取り出すことができる。
【0036】
実施の形態4
図4は、本発明に係る熟成室の前面図を表す。図4に示すように、実施の形態4に係る熟成室には、ガス選択手段として、青果物選択ボタン18、熟成時間設定ダイヤル19、熟成温度設定ダイヤル20、およびガス濃度設定ダイヤル21を具備する。青果物の種類によっては特定のガスのみに反応するものもあり、選択ボタンで分けることによって適用可能な青果物を増やすことができる。
これら青果物各種の情報を取り込んで、選択ボタンとして設置することにより熟成に関する知識を持たない利用者に対しても簡便に操作することができる。また、青果物ごとの選択ボタンの他にもガス種毎の選択ボタンであっても構わない。
【0037】
実施の形態5
図5の(1)は、本発明に係る熟成室に用いる熱電素子モジュールの一実施の形態の概略断面図である。図5の(2)は、図5の(1)の部分Xの拡大図である。熱電素子モジュールの吸放熱板22において、容器側の表面には多数の溝が設けられて凹凸形状が形成されている。容器内の温度が設定温度より高い場合には冷却面となり、凹凸構造によって表面積が増大したことにより熱交換の効率が向上する。また、容器内の温度が設定温度より低い場合には加熱面となり、容器内の温度を上昇させることができる。さらに、凹凸構造に基づく効果は熱交換効率の向上だけではなく、青果物と吸放熱板22との間に間隙ができることによって容器内に存在する特定のガスとの接触面が増え、青果物個体内での均一な熟成あるいは追熟を行なうことができる。
【0038】
【実施例】
以下において、図2に示す熟成器を用いて本発明に係る熟成方法を実施した。
《実施例1》
容積20リットルの容器内にキウイフルーツを5個収納した。容器内のエチレンガス濃度を100ppmに設定し、室温状態にて保管し、3日後に容器から取り出した。容器内に収納する以前と比較して甘味が増し、果肉が柔らかくなっていた。
【0039】
《比較例1》
容積20リットルの容器内にキウイフルーツを収納し、室温状態にて保管した。実施例1と同様に3日後に容器から取り出したが、容器内に収納する以前と比較して果肉はまだ硬い部分が残存し、酸味も残っていた。
【0040】
《実施例2》
容積20リットルの容器内に緑色と黄色の部分が多いトマトを5個収納した。容器内のアセトアルデヒドガス濃度を10ppmに設定し、容器内の温度は10℃に設定した。5日後に容器内よりトマトを取り出したところほとんどの部分で赤色が濃くなり、果肉も赤色になり完熟状態となっていた。容器内収納前後におけるリコピンの含有量を測定したところ8μg/gから100μg/gまで増加していた。
【0041】
《比較例2》
容積20リットルの容器内に実施例2とほぼ同様の色相を呈するトマトを5個収納した。容器を室温状態にて放置し、5日後に容器内よりトマトを取り出したところ色相としては全体的にオレンジと黄色が分布している状態であった。試験前後におけるリコピンの含有量を測定したところ10μg/gから30μg/gまで増加していた。
【0042】
《実施例3》
容積10リットルの容器内に柿を5個収納した。容器内のエタノールガス濃度を100ppmに設定し、容器内の温度は20℃に設定した。3日後に容器内より柿を取り出したところ柿全体がつややかなオレンジ色を呈し、渋みが消えて果肉も柔らかくなり熟成が進んでいるのが確認された。
【0043】
《実施例4》
容積10リットルの容器内にバナナを3本収納した。容器内のエチレンガス濃度を200ppmに設定し、容器内の温度は20℃に設定した。3日後に容器内よりバナナを取り出したところバナナの表皮にたくさんの黒い斑点が確認され追熟効果が確認された。
【0044】
《実施例5》
容積10リットルの容器内に、先端がわずかに赤く、全体的にベージュ色を呈するイチゴを20個収納した。容器内のアセトアルデヒドガス濃度を5ppm、エタノールのガス濃度を30ppmに設定し、容器内の温度は20℃に設定した。3日後に容器内よりいちごを取り出したところイチゴ全体が真っ赤になり完熟状態が観測された。試験前後における糖分も平均して40mg/gから80mg/gまで増加していた。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、青果物の流通過程において行われる「追熟」処理を省略し、収穫後の新鮮な青果物を購入者の手元において簡便に熟成あるいは追熟させ、青果物購入者の嗜好に合わせた食べ頃の青果物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る熟成室の概略断面図
【図2】本発明の実施の形態1に係る熟成室の概略断面図
【図3】本発明の実施の形態1に係る熟成室の概略断面図
【図4】本発明の熟成室の前面を示す図
【図5】本発明に係る熟成室に用いる熱電素子モジュールの一実施の形態の断面図
【符号の説明】
1 容器
2 開閉扉
3 ガスセンサ
4 ガス噴出量制御部
5 ガス貯蔵部
6a、6b 電磁弁
7a、7b ガス噴出口
8 吸放熱板
9 熱電素子
10 熱交換フィン
11 電源
12 温度センサ
13 制御装置
14 台脚
15 ハニカム構造体
16 ファン
18 青果物選択ボタン
19 熟成時間設定ダイヤル
20 熟成温度設定ダイヤル
21 ガス濃度設定ダイヤル
22 吸放熱板
【発明の属する技術分野】
本発明は、青果物を含む農産物の保管を目的とする保管庫または冷蔵庫の一部として使用され、特に青果物の熟成を促進させる熟成室、および熟成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
バナナ、キウイ、トマトおよびメロンなどの多くの青果物を含む農産物は、収穫後の流通過程において生じ得る傷などを抑制し、購入者・消費者が消費する時点で適度な熟成度を有することが求められる。そのため、特に青果物は、未熟な状態で収穫され、その後の流通過程の中で熟成を進める「追熟」と呼ばれる処理が行われている。
【0003】
この「追熟」は、収穫後の青果物を単に放置するだけでも進行するが、その速度が速すぎると販売時または購入時に青果物が傷んでしまい、その速度が遅すぎると青果物は未熟状態のままで消費者の手に渡ってしまう。すなわち、いずれの場合にも商品価値を下げてしまうという問題がある。したがって、収穫した青果物が消費者の手に渡る際に最適の熟成度を有するように、追熟速度をコントロールしながら出荷管理が行われているのである。
【0004】
この追熟処理に通常使用されているのがエチレンであり、収穫された未熟の青果物はコンテナ、テントまたは倉庫などに収納された状態でエチレンとの接触により追熟される。しかし、コンテナまたは倉庫のような大きな収納場所にエチレンを導入する場合、生産地で出荷容器に納められた状態で青果物にエチレンを均等に接触させることが困難なことがある。また、出荷容器から青果物を取り出して追熟処理を行った後、再度容器に詰める場合、手間がかかりコストが高くなってしまうという問題がある。
【0005】
ここで、「追熟」に関する従来技術を簡単に説明すると、特許文献1においては、硫酸アルミニウムなどの無機酸素酸塩、マンガンなどの多原子価金属、および二酸化珪素などのエタノール担持体を含む組成物を用い、エタノールの脱水反応により生成するエチレン、およびエタノールの酸化反応によって生成するアセトアルデヒドを熟成のためのガスとして用いる方法が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−103212号公報
【0007】
しかし、この熟成方法においては、前記組成物を含む容器を設置する温度環境およびガス放出量などの変動因子が存在するため、反応速度を調節することが困難であり、容器内のガス濃度をコントロールすることができず、熟成の速度が不安定になるという問題がある。さらに、前記容器を長期間使用した場合、前記組成物に含まれる無機酸素酸塩および多価金属が、容器内に共存するガス成分または反応中間物による被毒を受け、エタノールからエチレンまたはアセトアルデヒドへの変換効率が低下するという問題もある。
【0008】
また、特許文献2においては、農産物を抑圧処理および緩和処理に供する保存・熟成方法が開示されている。具体的には、−0.1〜−10℃の氷温と呼ばれる温度域で保管することによって、農産物にストレスを与え、さらに前記農産物を高多湿の生理活性空気に触れさせることにより、果肉の腐敗、軟化および崩壊などを防ぎながら、熟成または追熟を行うという。
【0009】
【特許文献2】
特開平11−75680号公報
【0010】
しかし、この方法は、農産物を数ヶ月単位の長期間保存する場合に新鮮味を失うことなく旨味を出させることを目的とするため、保管する場合には有効であるものの、比較的短時間における熟成効果には効果が期待できないという問題がある。さらに、低温障害を発生するような青果物に関しては、氷温条件でのストレスそのもので青果物の品質が劣化してしまうという問題もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上述のように従来から行われている青果物の流通過程における追熟処理を省略し、収穫後の新鮮な青果物をできるだけ早く購入者・消費者の手元に到達させるとともに、購入者・消費者が自らの嗜好などに合わせて簡便に熟成を行って、適宜食べ頃の青果物を入手することを可能にすることを目的とする。すなわち、本発明の目的は、例えば一般家庭においても容易に使用することができ、簡単な構成を有する青果物用熟成室、および青果物の熟成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、農産物を所定のガス雰囲気下に曝露しながら雰囲気温度を変化させることにより、前記農産物を熟成させる工程を含むことを特徴とする熟成方法を提供する。
また、本発明は、取出口を有し農産物を収納する容器と、前記容器内に所定のガスを噴出するガス噴出手段と、前記ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御手段と、前記容器内の温度を制御する温度制御手段とを具備することを特徴とする熟成室を提供する。
【0013】
前記熟成室は、さらにガス除去手段を具備するのが好ましい。
さらに、前記熟成室は、前記容器内のガス濃度を検知するガス検知手段を具備し、前記ガス噴出量制御手段が、前記ガス検知手段によって検知したガス濃度に応じて前記ガスの噴出量を制御するのが好ましい。
【0014】
また、前記温度制御手段が、前記容器内の温度を検知する温度センサと、前記温度センサからのデータに基づいて通電量が制御される熱電半導体とで構成された熱電素子モジュールであるのが好ましい。
前記熱電素子モジュールは、前記容器内で熱の授受を行う吸放熱板を有し、前記吸放熱板の前記容器内部側の表面が凹凸形状を有するのが好ましい。
【0015】
また、前記所定のガスは、エチレン、アセトアルデヒドおよびエタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
また、前記熟成室は、農産物の種類に応じてあらかじめ決められたガスの貯蔵手段複数個と、前記ガス噴出手段に特定のガスを選択的に噴出させるガス選択手段とを具備するのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
(1)熟成方法
本発明は、所定のガス雰囲気下において雰囲気温度を変化させることを特徴とする農産物の熟成方法を提供する。
この方法においては、例えば青果物などを一定の容積を有する容器に収納し、特定のガス雰囲気下に暴露しながら前記容器内の温度を変化させる。これにより、特定のガスとの接触が誘引する生理作用の活性化に基づく熟成効果に加えて、青果物の保管温度を向上させることによる呼吸量の増加にともなう成長促進効果が得られ、温度変動を非常に小さくすることができ、一定の保管温度にて青果物を熟成または追熟させることが可能となる。
【0017】
具体的には、青果物などを、その成長および熟成を促進させるような特定のガス雰囲気下に保管し、加温することによって成長を促進させることができる。また、温度変動を小さくすることによって、青果物などへのストレスを小さくし、その品質を低下させることなく迅速に熟成または追熟を行うことができる。
ここで、本明細書においていう農産物とは、熟成を経てその商品価値が向上し得る物をいい、典型的な例としては、例えばトマト、ナス、バナナ、リンゴ、オレンジ、イチゴ、キウイフルーツ、メロン、モモ、ナシ、ブドウおよびかぼちゃなどの青果物が挙げられる。以下においては、青果物に代表させて本発明を説明することもある。
【0018】
所定のガスは青果物の種類などによって異なるが、エチレン、アセトアルデヒドおよびエタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。これらは、熟成の対象となる青果物の種類に応じて適宜選択すればよく、混合ガスを用いてもよい。
例えばキウイフルーツの場合にはエタノール、エチレンおよびアセトアルデヒドいずれのガスに対しても感応し、いちごはアセトアルデヒドには感応するがエチレンにはほとんど感応しない。また、柿はエタノール、アセトアルデヒドには感応するもののエチレンには感応せず、ナスはエチレンに、トマトはアセトアルデヒドに良く感応する。
これらのガスは、種々の青果物において青果物内部での熟成に係わる生化学反応を刺激し、同時に青果物の呼吸量を増大させることで熟成あるいは追熟反応を促進させるといった作用を有する。
【0019】
ここで、青果物を保管する容器内の特定ガスのガス濃度としてはエチレンについては1〜1000ppm、好ましくは1〜100ppm、アセトアルデヒドについては1〜5000ppm、好ましくは1〜200ppm、エタノールについては1〜10000ppm、好ましくは10〜100ppmである。
さらに、温度雰囲気は、凍結や熱による変性といった現象が発生しない領域であれば問題はないが、熟成あるいは追熟させる青果物に合わせて5〜25℃の範囲が好ましい。
【0020】
(2)熟成室
つぎに、本発明は上記熟成方法を実施するために用いることのできる熟成室であって、取出口を有し農産物を収納する容器と、前記容器内に所定のガスを噴出するガス噴出手段と、前記ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御手段と、前記容器内の温度を制御する温度制御手段とを具備することを特徴とする熟成室を提供する。これにより、収納された青果物を簡便に適切な特定ガス濃度雰囲気下に保管することができ、さらには温度変動が非常に小さいため青果物が受けるストレスを少なくすることができる。また、加温による青果物の呼吸量増加に起因する成長促進効果を、特定ガスの効果とともに与えることによって、迅速に熟成または追熟を行うことができる。
【0021】
取出口を有し農産物を収納する容器について、取出口はメロン程度の大きさの果物が入る大きさであれば問題はなく、縦開き方式でも横開き方式でもよい。ただし、容器内部の密閉性を確保するためにゴムパッキンなどを用いるのが好ましい。
また、容器内の圧力が著しく上がることはないため、容器については特に構造的な制約は発生しない。ただし、伝熱特性に優れるという理由から内側は金属製であるのが好ましく、これに対して、外側(外装)は熱伝導に劣る樹脂製であるのが好ましい。なお、果物が接する容器の底部は金属製であるのが好ましい。例えば、ペルチェ素子の吸放熱板を直接用いることができる。
【0022】
容器内に所定のガスを噴出するガス噴出手段は、青果物を収納する容器の外部にあるガス貯蔵部から、配管を用いて容器内部にガスを導く方式であればよく、圧縮ガスの状態で圧力容器内に貯蔵された状態よりガスを放出する方式を用いるのが好ましい。
ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御手段としては、例えば金属製の耐圧容器に充填されたガスを容器内に導く配管途中に、絞り機構を備えたシステムが考えられ、電気的に弁を開いたり絞ったりする電磁弁や流量制御用のバルブなどを用いることができる。
【0023】
容器内の温度を制御する温度制御手段としては、従来公知のものを用いることができるが、なかでも、前記容器内の温度を検知する温度センサと、前記温度センサからのデータに基づいて通電量が制御される熱電半導体とで構成された熱電素子モジュールを温度制御手段として用いるのが好ましい。
これにより、青果物が保管されている容器内の温度を一定に保つことができ、さらには精密な温度制御が可能なために青果物の熟成度合いを観察しながら調整することが可能となる。また、青果物を収納する容器をコンパクト化できるという効果も奏する。
【0024】
ここで、前記温度制御手段によって設定される温度は凍結や熱による変性といった現象が発生しない領域であれば問題はないが、上述のように、熟成または追熟させる青果物に合わせて5〜25℃の範囲が好ましい。
また、熟成速度をさらに加速するために段階的に設定温度を変化させ収納されている青果物にストレスを与えることも可能であるが、品質の低下が起こらない範囲での温度変動条件であることが望ましい。さらに、熟成室を加温するための方法としては、冷媒を循環させる圧縮機を用いた冷蔵庫などの冷凍システムの温熱部を熱源としてもよい。
【0025】
前記熱電素子モジュールは、前記容器内で熱の授受を行う吸放熱板を有し、前記吸放熱板の前記容器内部側の表面が凹凸形状を有するのが好ましい。凹凸形状は、多数の溝を設けることにより構成してもよい。また、ドット状に形成されたもの、波状に形成された凹凸形状であっても構わない。
これにより、容器内の温度を一定に保つための熱の授受を行う吸放熱板表面と容器内部に収納される青果物表面との間に隙間が設けられ、容器内に導入される特定ガスが青果物と接触する面積が増大し、均等に青果物を熟成あるいは追熟することが可能となる。
【0026】
本発明に係る熟成室は、さらにガス除去手段を具備するのが好ましい。
これにより、高濃度の特定ガス雰囲気下における熟成または追熟が完了した後に青果物を取り出す際にも、本発明に係る熟成室を使用する人が容器中の特定ガスを吸い込むなどの危険が無く、安全な状態で使用することができる。
前記ガス除去手段としては、触媒によって化学的にガスを除去する装置、または物理的にガスを排出する装置などを用いることができる。前者としては、活性炭、ゼオライト、酸化マンガン、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などの吸着材料による吸着作用、光触媒もしくは金属触媒による分解作用、または加熱による熱分解などを用いるものなどが挙げられ、特に限定されるものではない。
また、紫外線ランプと光触媒材料とで構成されるガス除去手段や、ヒータとヒータの表面を被覆する金属触媒とで構成されたガス除去手段を用いることもでき、加熱による熱分解によってガスを除去することができる。
【0027】
さらに、前記熟成室は、前記容器内のガス濃度を検知するガス検知手段を具備し、前記ガス噴出量制御手段が、前記ガス検知手段によって検知したガス濃度に応じて前記ガスの噴出量を制御するのが好ましい。これにより、青果物を収納した容器内における特定のガス濃度を監視しながら一定の特定ガス濃度雰囲気下に保管することができる。
ここで、特定のガスとして混合ガスを容器内に噴出する場合のために、各々のガスに対して最適化した検知特性を有するガス検知手段複数個を用いてもよい。また、単一のガス検知手段を用い、動作温度を変更させたり、ガスの総量を検知する方法を採用しても構わない。
【0028】
例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムまたは酸化タングステンを主成分とし、添加金属触媒として白金、ニッケル、鉄、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、コバルト、クロムまたはマンガンなどを含む酸化物半導体を用いたガスセンサを利用することができる。また、ガスの種類に応じて、当業者であればガスセンサのガス選択性を高めることができる。
【0029】
また、本発明に係る熟成室は、農産物の種類に応じてあらかじめ決められたガスの貯蔵手段複数個と、前記ガス噴出手段に特定のガスを選択的に噴出させるガス選択手段とを具備するのが好ましい。このガス選択手段は、複数個のガス貯蔵部の少なくとも1個を選択するボタン式の入力部などであるのが、操作上好ましい。このような方式によれば、一般家庭における主婦などでも容易に本発明に係る熟成室を用い、本発明に係る熟成方法を実施することができる。
以下、本発明に係る熟成方法および熟成室について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0030】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る熟成室の構成を示す概略断面図である。図1に示すように、実施の形態1に係る熟成室は、青果物を収納する容器1、青果物を出し入れする取出口である開閉扉2、容器内の特定ガスの濃度を検知するためのガスセンサ3、ガスセンサからの情報から特定ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御部4、特定ガスを貯蔵しておくための耐圧性に優れたガス貯蔵部5、特定ガスの噴出量を調節するための電磁弁6aおよび6b、特定ガスが噴出されるガス噴出口7aおよび7bを有する。
【0031】
動作原理としては、容器1内に青果物を収納した後、熟成を促進させるために特定のガス濃度を設定し、そのときにガスセンサ3が示す出力電圧値をガス噴出量制御部4に記憶させる。青果物が収納された容器1内のガス濃度が設定濃度に達していない場合には、ガス噴出量制御部4からの指令に従って電磁弁6aおよび6bが開かれ、特定のガスが高圧状態で封入されているガス貯蔵部5より導かれ、ガス噴出口7aおよび7bより注入される。濃度が設定値となるとともに、再びガス噴出量制御部4より指令が出され、電磁弁6aが閉じられて噴出は停止する。このような過程を繰り返すことで容器1内の特定ガス濃度は一定値を保たれる。
【0032】
実施の形態2
図2は、本発明の実施の形態2に係る熟成室の構成を示す概略断面図である。図2に示すように、実施の形態2に係る熟成室は、実施の形態1と同様に、青果物を収納する容器1、青果物を出し入れする取出口である開閉扉2、容器内の特定ガスの濃度を検知するためのガスセンサ3、ガスセンサからの情報から特定ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御部4、特定ガスを貯蔵しておくための耐圧性に優れたガス貯蔵部5、特定ガスの噴出量を調節するための電磁弁6aおよび6b、特定ガスが噴出するガス噴出口7aおよび7bを有する。
さらに、実施の形態2に係る熟成室は、吸放熱板8、熱電素子9、熱交換フィン10、熱電素子9に電流を流すための電源11、温度センサ12、熱電素子に流す電流値を制御する制御装置13、および台脚14を具備する。吸放熱板8、熱電素子9および熱交換フィン10が熱電素子モジュールを構成する。
【0033】
動作原理としては、容器1内に青果物を収納した後、熟成を促進させるために容器1内の温度を収納した青果物に適した温度に設定し、そのときに温度センサ12が示す電圧値を制御装置13に記憶させる。制御装置13がその値に基づいて熱電素子9に電流を流すように電源11に指令することにより、容器1内温度は設定値に維持されることとなる。容器1内の温度が設定値より低い場合には吸放熱板8を通して加熱され、設定値より高い場合には逆に吸熱される。
ここで、さらに容器1内には特定ガスが導入されることになるが、この過程は実施の形態1に記した内容と同じである。このように青果物が収納された容器1内部は温度と特定のガス濃度が制御された環境となり、青果物の熟成または追熟が効率よく行われる。
【0034】
実施の形態3
図3は、本発明の実施の形態3に係る熟成室の構成を示す概略断面図である。図3に示すように、実施の形態3に係る熟成室は、実施の形態2と同様に、青果物を収納する容器1、青果物を出し入れする取出口である開閉扉2、容器内の特定ガスの濃度を検知するためのガスセンサ3、ガスセンサからの情報から特定ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御部4、特定ガスを貯蔵しておくための耐圧性に優れたガス貯蔵部5、特定ガスの噴出量を調節するための電磁弁6aおよび6b、特定ガスが噴出れるガス噴出口7aおよび7b、吸放熱板8、熱電素子9、熱交換フィン10、熱電素子9に電流を流すための電源11、温度センサ12、熱電素子に流す電流値を制御する制御装置13、ならびに台脚14を具備する。
【0035】
さらに実施の形態3に係る熟成室は、吸着剤が担持されたハニカム構造体15とファン16とで構成されるガス除去手段を具備する。容器1内外の空気の流れを矢印で表している。
青果物の熟成または追熟を行なうために、容器1内の特定のガス濃度は条件によっては100ppmを超える濃度が設定される。この状態において青果物を容器1内から取り出す前に、ファン16を作動させて容器1内の空気を吸着剤が担持されたハニカム構造体15に送り込む。矢印で示すように、前記ハニカム構造体15を特定のガスが空気の流れに従って通過するたびに、ハニカム構造体15に担持された吸着剤によって吸着除去され、容器中の特定のガス濃度が低下する。そして、一定の濃度以下になった時点でファン16を停止して容器1内の青果物を安全に取り出すことができる。
【0036】
実施の形態4
図4は、本発明に係る熟成室の前面図を表す。図4に示すように、実施の形態4に係る熟成室には、ガス選択手段として、青果物選択ボタン18、熟成時間設定ダイヤル19、熟成温度設定ダイヤル20、およびガス濃度設定ダイヤル21を具備する。青果物の種類によっては特定のガスのみに反応するものもあり、選択ボタンで分けることによって適用可能な青果物を増やすことができる。
これら青果物各種の情報を取り込んで、選択ボタンとして設置することにより熟成に関する知識を持たない利用者に対しても簡便に操作することができる。また、青果物ごとの選択ボタンの他にもガス種毎の選択ボタンであっても構わない。
【0037】
実施の形態5
図5の(1)は、本発明に係る熟成室に用いる熱電素子モジュールの一実施の形態の概略断面図である。図5の(2)は、図5の(1)の部分Xの拡大図である。熱電素子モジュールの吸放熱板22において、容器側の表面には多数の溝が設けられて凹凸形状が形成されている。容器内の温度が設定温度より高い場合には冷却面となり、凹凸構造によって表面積が増大したことにより熱交換の効率が向上する。また、容器内の温度が設定温度より低い場合には加熱面となり、容器内の温度を上昇させることができる。さらに、凹凸構造に基づく効果は熱交換効率の向上だけではなく、青果物と吸放熱板22との間に間隙ができることによって容器内に存在する特定のガスとの接触面が増え、青果物個体内での均一な熟成あるいは追熟を行なうことができる。
【0038】
【実施例】
以下において、図2に示す熟成器を用いて本発明に係る熟成方法を実施した。
《実施例1》
容積20リットルの容器内にキウイフルーツを5個収納した。容器内のエチレンガス濃度を100ppmに設定し、室温状態にて保管し、3日後に容器から取り出した。容器内に収納する以前と比較して甘味が増し、果肉が柔らかくなっていた。
【0039】
《比較例1》
容積20リットルの容器内にキウイフルーツを収納し、室温状態にて保管した。実施例1と同様に3日後に容器から取り出したが、容器内に収納する以前と比較して果肉はまだ硬い部分が残存し、酸味も残っていた。
【0040】
《実施例2》
容積20リットルの容器内に緑色と黄色の部分が多いトマトを5個収納した。容器内のアセトアルデヒドガス濃度を10ppmに設定し、容器内の温度は10℃に設定した。5日後に容器内よりトマトを取り出したところほとんどの部分で赤色が濃くなり、果肉も赤色になり完熟状態となっていた。容器内収納前後におけるリコピンの含有量を測定したところ8μg/gから100μg/gまで増加していた。
【0041】
《比較例2》
容積20リットルの容器内に実施例2とほぼ同様の色相を呈するトマトを5個収納した。容器を室温状態にて放置し、5日後に容器内よりトマトを取り出したところ色相としては全体的にオレンジと黄色が分布している状態であった。試験前後におけるリコピンの含有量を測定したところ10μg/gから30μg/gまで増加していた。
【0042】
《実施例3》
容積10リットルの容器内に柿を5個収納した。容器内のエタノールガス濃度を100ppmに設定し、容器内の温度は20℃に設定した。3日後に容器内より柿を取り出したところ柿全体がつややかなオレンジ色を呈し、渋みが消えて果肉も柔らかくなり熟成が進んでいるのが確認された。
【0043】
《実施例4》
容積10リットルの容器内にバナナを3本収納した。容器内のエチレンガス濃度を200ppmに設定し、容器内の温度は20℃に設定した。3日後に容器内よりバナナを取り出したところバナナの表皮にたくさんの黒い斑点が確認され追熟効果が確認された。
【0044】
《実施例5》
容積10リットルの容器内に、先端がわずかに赤く、全体的にベージュ色を呈するイチゴを20個収納した。容器内のアセトアルデヒドガス濃度を5ppm、エタノールのガス濃度を30ppmに設定し、容器内の温度は20℃に設定した。3日後に容器内よりいちごを取り出したところイチゴ全体が真っ赤になり完熟状態が観測された。試験前後における糖分も平均して40mg/gから80mg/gまで増加していた。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、青果物の流通過程において行われる「追熟」処理を省略し、収穫後の新鮮な青果物を購入者の手元において簡便に熟成あるいは追熟させ、青果物購入者の嗜好に合わせた食べ頃の青果物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る熟成室の概略断面図
【図2】本発明の実施の形態1に係る熟成室の概略断面図
【図3】本発明の実施の形態1に係る熟成室の概略断面図
【図4】本発明の熟成室の前面を示す図
【図5】本発明に係る熟成室に用いる熱電素子モジュールの一実施の形態の断面図
【符号の説明】
1 容器
2 開閉扉
3 ガスセンサ
4 ガス噴出量制御部
5 ガス貯蔵部
6a、6b 電磁弁
7a、7b ガス噴出口
8 吸放熱板
9 熱電素子
10 熱交換フィン
11 電源
12 温度センサ
13 制御装置
14 台脚
15 ハニカム構造体
16 ファン
18 青果物選択ボタン
19 熟成時間設定ダイヤル
20 熟成温度設定ダイヤル
21 ガス濃度設定ダイヤル
22 吸放熱板
Claims (9)
- 所定のガス雰囲気下において、雰囲気温度を変化させることによって農産物を熟成させる工程を含むことを特徴とする熟成方法。
- 前記所定のガスが、エチレン、アセトアルデヒドおよびエタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の熟成方法。
- 取出口を有し農産物を収納する容器と、前記容器内に所定のガスを噴出するガス噴出手段と、前記ガスの噴出量を制御するガス噴出量制御手段と、前記容器内の温度を制御する温度制御手段とを具備することを特徴とする熟成室。
- さらにガス除去手段を具備することを特徴とする請求項3記載の熟成室。
- 前記容器内のガス濃度を検知するガス検知手段を具備し、前記ガス噴出量制御手段が、前記ガス検知手段によって検知したガス濃度に応じて前記ガスの噴出量を制御することを特徴とする請求項3または4記載の熟成室。
- 前記温度制御手段が、前記容器内の温度を検知する温度センサと、前記温度センサからのデータに基づいて通電量が制御される熱電半導体とで構成された熱電素子モジュールであることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の熟成室。
- 前記熱電素子モジュールが、前記容器内で熱の授受を行う吸放熱板を有し、前記吸放熱板の前記容器内部側の表面が凹凸形状を有することを特徴とする請求項6記載の熟成室。
- 前記特定のガスが、エチレン、アセトアルデヒドおよびエタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の熟成室。
- 前記農産物の種類に応じてあらかじめ決められたガスの貯蔵手段複数個と、前記ガス噴出手段に特定のガスを選択的に噴出させるガス選択手段とを具備することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の熟成室。
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