JP2019208382A - 果実の香りを強化及び/又は向上させる方法 - Google Patents

果実の香りを強化及び/又は向上させる方法 Download PDF

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福代 田中
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Keiki Okazaki
圭毅 岡▲崎▼
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Fumiyo Hayakawa
文代 早川
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Abstract

【課題】果実の香りを強化及び/又は向上させる方法の提供。【解決手段】果実と揮発したアルコールとを接触させる工程を含む、果実の香りを強化及び/又は向上させる方法。果実が、リンゴ又はモモであり、また、アルコールが、エタノール、ヘキサノール又は2−メチルブタノールである、果実の香りを強化及び/又は向上させる方法。果実と、揮発したアルコールとを接触させる工程が、CA貯蔵と同時及び/又はCA貯蔵の後、及び/又は、エチレン作用阻害剤であるガス状の1−メチルシクロプロペンを果実と接触させる処理(1−MCP処理)と同時及び/又は1−MCP処理の後に行われる、果実の香りを強化及び/又は向上させる方法。【選択図】なし

Description

本発明は、果実の香りを強化及び/又は向上させる方法に関する。
CA貯蔵や1−MCP(エチレン阻害剤)処理は、エチレンの働きを抑制することで硬度等を高く保つことができるため、果実の新鮮な食感が長く保たれると同時に、長期貯蔵や輸送を可能とし、リンゴ等において広く利用されている技術である。しかし、香気成分の多くは生成時にエチレンに依存するため、エチレン活性の抑制は香気成分の生成を抑制する。このため、CA貯蔵や1−MCP処理をした果実は香りに乏しいことが課題であった。また、エチレンの生成が少ない品種においては同様に、硬い食感と引き換えに香りが乏しい場合が多い。このように、香気成分の生成と硬度の維持という、相反する方向性のエチレンの働きが求められるため、リンゴやモモをはじめとする果物の風味と貯蔵性を両立させる有効な手段は見つかっていない。
果実にアルコールを添加すると対応するエステルが生成することは果実の香気成分の代謝経路研究により知られている。しかしながら、エチレン活性が不足した条件で香りが弱い状態にある果実にアルコールを用いて香りを強化する方法の検討、ましてや実際にヒトの臭覚によってその香りがどう評価されたかについての報告は、ない。また、生成した香気成分の組成や、官能特性の経時的な変化も報告されていない。
リンゴにはアルコール類、アルデヒド類、エステル類、芳香族化合物、テルペノイドなどに属する多様な香気成分が含まれるが、リンゴの香気成分の特徴は,軽くフルーティな香調の脂肪酸エステルの多さにあり、重要な香気成分として、エチルエステル類、酢酸エステル類(特に酢酸ヘキシル)が挙げられている(田中・立木著、(2016)化学、Apea, 2015)。ふじにおいては、2−メチル酪酸エチル、酢酸2−メチルブチル(Am4)、2−メチルブタノール(2MB)が重要かつ特徴的であると報告されている(Komthong, P. et al., 2006, Tanaka et al., 2015)。また、人気のあるみつ入りリンゴではエチルエステル類を多量に発生し、これが高い嗜好性の要因であることが知られている(田中ら、食科工(2016))。このため、香気成分のうち、特に酪酸エチル(E4)、2−メチル酪酸エチル(Em4)、酢酸2−メチルブチル(Am4)、ヘキサン酸エチル(E6)、酢酸ヘキシル(H2)の発生量を強化、向上又は回復させることが望まれている。
モモは果肉が柔らかい特性があるため、完熟すると傷みやすく完熟よりかなり早い段階で収穫され流通に回っている。近年は高級食材として輸出量も増加しているが、損傷による経済的損失は避けられない。そこで、果肉が固い品種の開発が進み、硬肉種といわれるまなみ、おどろき、さくらなどの品種が注目されるようになってきた。これらの品種ではオーキシンの抑制がエチレンの生合成の抑制につながり果肉の硬度を維持することができ、流通過程での損傷を避けられるだけでなく、コリコリした食感を有する個性的な品種として期待が高まっているが、一方で、エチレン生成が少ないことにより香りが弱いことも知られている。
田中福代、立木美保著、「リンゴの香りの化学」、CHEMISTRY化学、2016年10月Vol. 71 田中福代ら著、「りんごみつ入り果の官能特性と香味成分プロファイルおよびその形成メカニズム」、日本食品科学工学会誌、第63巻第3号、2016年3月
本発明は、エチレンが不足する環境にあって抑制されている果実の香りを強化及び/又は向上させ、果実の硬度や味を損なうことなく、香りを高めることを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究の末、果実と揮発したアルコール類とを接触させることにより、果実の香りを強化及び/又は向上させる方法を見出した。
すなわち、本発明の要旨は以下である。
[1]果実と揮発したアルコールとを接触させる工程を含む、果実の香りを変化させる方法。
[2]果実が、リンゴ又はモモである、[1]記載の方法。
[3]アルコールが、エタノール、ヘキサノール又は2−メチルブタノールである、[2]記載の方法。
[4]リンゴが、ふじ、王林、ジョナゴールド又は秋映である、[1]〜[3]のいずれか一項記載の方法。
[5]揮発したアルコールと接触させる工程が、CA貯蔵と同時及び/又はCA貯蔵の後、及び/又は1−MCP処理と同時及び/又は1−MCP処理の後に行われる、[1]〜[4]のいずれか一項記載方法。
本発明によれば、収穫後エチレン生成が少ないことによる未熟、又はCA貯蔵や1−MCP処理の実施によってエチレン活性が抑制された状態であっても、香りが変化、復元又は強化され、あるいは特定の香りをデザインし、香りの品質が向上した果実が得られる。
図1は、実施例1−1において対照実験により得られた、ふじ及び王林の質量分析の結果を示す。 図2は、実施例1−2において本願発明により得られた、ふじ、王林、ジョナゴールド、秋映の質量分析の結果を示す。 図2は、実施例1−2において本願発明により得られた、ふじ、王林、ジョナゴールド、秋映の質量分析の結果を示す。 図2は、実施例1−2において本願発明により得られた、ふじ、王林、ジョナゴールド、秋映の質量分析の結果を示す。 図2は、実施例1−2において本願発明により得られた、ふじ、王林、ジョナゴールド、秋映の質量分析の結果を示す。 図3Aは、実施例2において本願発明により得られた、リンゴの質量分析の結果を示す。 図3Bは、実施例2において本願発明により得られた、リンゴの質量分析の結果を示す。 図3Cは、実施例2において本願発明により得られた、リンゴの質量分析の結果を示す。 図4は、実施例3において本願発明により得られた、リンゴの質量分析及び硬度測定の結果を示す。 図5Aは、実施例4において本願発明により得られた、リンゴの官能評価及び質量分析の結果を示す。 図5Bは、実施例4において本願発明により得られた、リンゴの官能評価及び質量分析の結果を示す。 図5Cは、実施例4において本願発明により得られた、リンゴの官能評価及び質量分析の結果を示す。 図5Dは、実施例4において本願発明により得られた、リンゴの官能評価の結果を示す。 図5Eは、実施例4において本願発明により得られた、リンゴの官能評価の結果を示す。 図5Fは、実施例4において本願発明により得られた、リンゴの官能評価の結果を示す。 図6は、実施例5において本願発明により得られた、モモの質量分析の結果を示す。 図6は、実施例5において本願発明により得られた、モモの質量分析の結果を示す。 図6は、実施例5において本願発明により得られた、モモの質量分析の結果を示す。 図6は、実施例5において本願発明により得られた、モモの質量分析の結果を示す。
本発明は、果実の香りを強化及び/又は向上させる方法に関する。
本発明における果実は、液果のうち、食用になるもの、いわゆるくだものであればよい。果実としては、メロン、マンゴー、スイカ、オレンジ、ミカン、グレープフルーツ、レモン、パイナップル、ブドウ、リンゴ、モモ、ナシ、バナナ、サクランボ、カキ、イチゴ、イチジク、スモモ、ビワ、キウイ又はウメなどが挙げられるが、特に限定はない。好ましくは、果実はリンゴ又はモモである。リンゴとしては、ふじ、王林、ジョナゴールド、秋映、あいかの香り、あかぎ、茜、安祈世、あずさ、アルプスの乙女、印度、おいらせ、かんき、北紅、紅の夢、恋空、紅玉、昂林、国光、こみつ、美丘、さんさ、シナノスイート、シナノ、シナノレッド、シナノピッコロ、秋陽、スターキング・デリシャス、スリムレッド、世界一、千秋、大紅栄、高嶺、千雪、つがる、夏明、ひめかみ、弘前ふじ、ピンクむつ、ピンクレディー、ファーストレディー、紅いわて、紅将軍、紅ロマン、ほおずり、北斗、ほのか、未希ライフ、ミニふじ、やたか、由香里、ゆめあかり、夢ひかり又は陽光などが挙げられるが、特に限定はない。モモとしては、まなみ、まどか、さくら、おどろき、白鳳、浅間白桃、加納岩白桃、一宮白桃、あかつき、幸茜、甲斐黄桃、黄金桃、黄貴妃などが挙げられるが、特に限定はない。
本発明に用いるアルコールとしては、エタノール、ヘキサノール、2−メチルブタノール、2−(E)−ヘキセノール、又はそれらの混合物などが挙げられるが、特に限定はない。ヘキサノールは、例えば1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール又は2−エチル−1−ブタノールなどでよい。また、これらの混合物としては、例えばヘキサノール5%を含むエタノール、又は2−メチルブタノール:ヘキサノール=2:1の混合物を5〜10%含むエタノールが挙げられる。みつ入りリンゴのような甘い香りを高めるためには、エタノールが好ましい。リンゴの甘い香りや新鮮な香りを高めるためには、2−メチルブタノールが好ましい。また、リンゴにヘキサノール、例えば1−ヘキサノールを接触させると、直後は新鮮なリンゴの香りが高まるが、経時的に甘い香りが増す。アルコール混合物を使用する場合は、エタノールをベースにするのが良く、これに種々のアルコールを加えることで特徴ある香りを持続的に保つことができる。本発明の一実施態様において、ふじの香りを構成するためには、2−メチルブタノールをエタノールに対して10%以下の比率で混合して使用するとよい。
本発明における果実と揮発したアルコールとを接触させる工程は、CA貯蔵と同時及び/又はCA貯蔵の後、及び/又は1−MCP処理と同時及び/又は1−MCP処理の後に行われるとよい。ただし、未熟な果実、例えば収穫後1週間以内に消費又は加工される未熟な果実の場合は、収穫後直ちに果実と揮発したアルコールとを接触させてもよい。
CA貯蔵とは、空気調製をした貯蔵のことであり、空気中の酸素濃度を低下させ、窒素、二酸化炭素濃度を高めることにより、貯蔵される青果物の呼吸を最小限に抑制し、鮮度の低下をおさえる貯蔵方法である。本発明におけるCA貯蔵は、例えば−2〜4℃、好ましくは−1〜1℃、より好ましくは0℃に設定されるが、特に限定はない。
1−MCP処理とは、エチレン作用阻害剤であるガス状の1−メチルシクロプロペンを果実と接触させる処理をいう。本発明における1−MCP処理は、例えば0℃〜室温、好ましくは1℃〜室温、より好ましくは4℃に設定されるが、特に限定はない。
揮発したアルコールと接触させる工程は、例えばアルコールを繊維にしみこませて、果実の容器内に設置するとよい。果実体積(比重を1と計算する)に対するアルコールの割合は、0.0001〜5%、好ましくは0.0005〜1%、より好ましくは0.01〜0.2%アルコールであればよい。単一成分を使用するとき、果実体積に対して、例えばエタノールでは0.1〜0.5%、2−メチルブタノールでは0.02〜0.1%、1−ヘキサノールでは0.01〜0.05%であればよい。果実体積に対する容器容積の割合は、例えばリンゴの場合には、リンゴの2〜10倍、好ましくは2〜8倍、より好ましくは4〜6倍の容積の容器であればよい。容器容積に対するアルコールの容量割合は、0.00001〜0.1%、好ましくは 0.0001〜0.08%、より好ましくは0.001〜0.05%であればよい。果実が新鮮である場合には、接触させるアルコールのガスが高濃度にすぎると、果実が損傷するので好ましくない。しかしながら、例えば1−MCP処理した果実や4ヶ月以上貯蔵した果実に使用するアルコールであれば、新鮮な果実に使用するアルコールより約5倍高濃度であっても、果実を損傷することはないであろう。リンゴの甘い香りを強調するためには、エタノールのみを果実体積の1%以下、好ましくは0.02〜0.5%、より好ましくは0.05〜0.5%の比率で容器内に設置して、揮発させることにより接触させるとよい。
容器は、ガラス製や発泡スチロール製の容器であってもよく、好ましくはふたを備える。容器は、短期間であれば密閉してもよいが、長期間維持する場合は小さい通気口を設けていてもよい。段ボール箱は、アルコールが揮散するので、効率において好ましくない。
本発明における果実と揮発したアルコールとの接触時間は、前記容器内において、効果を認めるためには30分以上、より持続性を高めるためには12時間以上、さらに持続性を高めるためには20日間以上、よりさらに持続性を高めるためには42日間以上であってもよい。
アルコール類を含侵する資材は、繊維のほか、市販のアルコール徐放剤(例えば、ネオヘースタン(商標)、アンチモールド(商標)等)を使用することもできる。
揮発させたアルコール類が果実に吸収された後も、容器の密閉を保つことにより(通気口は有してもよい)、香気成分の減少を防ぐことができる。
果実をアルコールと接触させる工程は、例えば0℃〜室温、好ましくは0〜10℃、より好ましくは0〜5℃、最も好ましくは0〜4℃で行われる。
本発明によれば、本発明により得られた果実を、香りを強化及び/又は向上させたのちに、通気性の高い箱に移した場合であっても、徐々に香気成分は減少するものの、1週間程度は対照より強い香りを保つことができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<香気成分の収集>
4℃の冷蔵室内で、1.2L容のガラス製密閉容器に果実1個(220から300g)、及び揮発性成分捕集剤(MonoTrap TD(登録商標))1個を90分間静置することを基本とした。実験遂行上、条件に変更を加えた場合は別途記載する。
<分析装置>
GC−MS:Agilent 5973(アジレント・テクノロジー社製)
GCカラム:DB−Wax(60m length;0.25mm i.d.;0.25μm df)ただし1-1のみ30m length
<分析条件>
分析温度は、オーブンを40℃で1分間保持後、4℃/分で240℃まで昇温させ8分間保持した。
キャリアガス流量:27cm/分(コンスタントフロー)
質量分析計:m/zが20〜400の範囲をスキャン
イオン化電圧:70eV
実施例1 CA貯蔵又は1−MCP処理により香気成分が低下したリンゴ(ふじ、王林、ジョナゴールド及び秋映)に揮発させたアルコール類を接触させることによりリンゴらしい香り成分(エステル類)を付与する実験
<試料>
1−1 揮発させたアルコールと接触させる工程を含まない処理(対照)
同一果樹園で生産されたリンゴ(ふじ、王林)について、普通冷蔵、1-MCP処理後冷蔵、CA貯蔵の香気成分への効果を比較した。普通貯蔵は大気組成の貯蔵庫で0℃にて貯蔵した。CA貯蔵のリンゴは収穫から3週間普通貯蔵条件で保管した後、CA貯蔵庫(空気組成は二酸化炭素1.5%、酸素2.2%)に移し、0℃で貯蔵した。1−MCP処理は、リンゴの収穫後スマートフレッシュ(商標)(アグロフレッシュ・ジャパン合同会社)から発生させ、室温で24時間処理し、そののち0℃にて冷蔵保管した。6ヶ月後、質量分析により香気成分を測定した。
1−2 揮発させたアルコールと接触させる工程を含む処理
同じ果樹園で生産され、普通冷蔵、CA貯蔵、又は1−MCP処理された4品種のリンゴ(ふじ、王林、秋映、ジョナゴールド)を入手し、実験まで4℃で普通冷蔵した。1.2L容の密閉容器(ガラス製、蓋ポリプロピレン)内に、230から330gのリンゴを設置し、揮発させたアルコール(エタノール、1−ヘキサノール)と接触させた。アルコール類はそれぞれ100μLを繊維に含ませ、果実に液体アルコールが直接触れないように設置した。24時間後に繊維を取り出し、容器のふたを軽く緩めて貯蔵した。処理終了時、処理後4日目、及び7日目に質量分析により、香気成分を測定した。
<結果>
1−1
ふじ、王林とも普通冷蔵のリンゴに比べて、CA貯蔵又は1−MCP処理したリンゴは香気成分の量及び種類ともに、少なかった。特に、エチルエステルの減少が著しかった。処理後4日目の質量分析の結果を図1に示す。
1−2
テストしたすべての品種で、揮発させたアルコール類と接触させたことにより、普通冷蔵、CA貯蔵、及び1−MCP処理されたリンゴのいずれも、エタノールを添加した場合はエチルエステルが増加し、1−ヘキサノールを添加した場合はヘキシルエステルが増加した。これは、エタノールより1-ヘキサノールのほうが反応速度が速いためヘキシルエステル類の生成(特に酢酸ヘキシル、H2) が優先されることの表れである。品種ごとの特徴を見ると、ふじでは効果が高く、いずれの処理においても香りの強化が顕著であった。特に、エタノールを添加すると、ほかのアルコール由来のエステル比率が低下し、エチルエステルのみが強調されるクロマトグラムとなった。すなわち、CA貯蔵後又は1−MCP処理後のふじであっても、揮発させたエタノールを接触させることにより、みつ入りふじのような、華やかな甘いかおりのリンゴのクロマトグラムを再現することができた。
王林は極めてエチレン生成量が多い品種であるため、CA貯蔵や1−MCP処理の効果は半年を経過すると効果を失い、香気成分が回復し始めたが、エタノールを添加することで、エチルエステル類の中でも特に嗅覚での閾値が小さく好感度の高い成分ヘキサン酸エチル(E6)が高まった。ヘキサノールの添加では、酢酸ヘキシル(H2)が増加した。
ジョナゴールドはエチルエステル類の生成が極めて少ない品種であるが、甘い香りを呈するヘキサン酸エチル(E6)を生成しており、全体的な香りの強さは増強が推定される。また、1−ヘキサノール添加により添加前になかったエチルエステル類が生成していることから、β-酸化過程を通じてエチルエステルを生成したと推定される。
秋映はふじと同様に添加したアルコールに対応するエステルの増加が明快にみられた。
以上より、エチレンが抑制された果実を揮発させたアルコールと接触させることにより失われた香りを強化できることがあきらかとなった。また、果実と揮発させたアルコールとを接触させることにより、その種類に対応したエステルが生成すること、アルコールからエステルの代謝過程には品種による特性があることから、アルコールと品種の組み合わせにより多様な香りを構成することが可能であることが明らかとなった。処理後4日目のそれぞれの場合の質量分析の結果を図2に示す。
実施例2 リンゴ(ふじ)に様々な種類の揮発したアルコール及びその混合物を接触させ、香気成分の特徴を比較する実験
CA貯蔵したふじ(260〜330g)を、1.2L容のガラス容器内に、エタノール、1−ヘキサノール、2−(E)ヘキセノールの100μLをそれぞれ単独に含浸させた繊維とともに、静置した。この繊維を24時間後に取り除き、ふたを緩めて貯蔵し経時的にガラス容器中のガス成分を分析した。接触工程後4日目の質量分析の結果を、図3Aに示す。
続いて、エタノールと1−ヘキサノールの混合比が9:1、8:2、7:3の混合物についても同様に処理した。これらについて、経時変化を計測した。接触工程後4日目の質量分析の結果を、図3Bに示す。
さらに、2−メチルブタノール100μL、エタノール:2−メチルブタノール:1−ヘキサノール=180:10:10の混合物100μL、エタノール200μL、1−ヘキサノール50μLについても同様に処理し、2日後(エタノールのみ7日後)に香気成分の分析を行った。結果を、図3Cに示す。
<結果>
ふじに2−(E)ヘキセノールを接触させた場合では、処理終了時は2−(E)−ヘキセノールが多量に検出されたが、図3Aに示されるように、4日後にはほとんどがヘキサノールを経て、酢酸ヘキシル(H2)などヘキシルエステルに変換されたと推定できる。また、ヘキサノール添加では生じないヘキセニルエステル類がみられ、独特のエステル組成を示した。
エタノールと1−ヘキサノールの配合比率を7:3から9:1まで変化させた場合では、生成するエステルの組成はいずれもヘキシルエステルが大部分であった。1−ヘキサノールのほうがエタノールより反応速度が高いことによるものと考えられる。よって、1−ヘキサノールを利用するときは、少量あればよいことが分かった。
ふじの特徴香は2−メチルブタノールに由来する2−メチル酪酸エチル(Em4)、酢酸2−メチルブチル(Am4)である。そこで、エタノール、2−メチルブタノール、1−ヘキサノールの混合物を用いて、ふじらしい香りの再現を試みた。前述のようにヘキサノールは少量でよいことから、2−メチルブタノールと1−ヘキサノールの1:1混合物に対し、9倍量のエタノールと混合して使用したところ、Em4、Am4を含み、リンゴらしい香りの酢酸ヘキシル(H2)、甘い香りを呈するヘキサン酸エチル(E6)をバランスよく含む構成となった。すなわち、エタノール、2−メチルブタノール、1−ヘキサノールの混合物は、ふじらしい香りを構成することができることが明らかとなった。
実施例3 42日間にわたって、リンゴを揮発したアルコール類と接触させて、香りを確認する実験
10kg用発砲スチロール製リンゴ箱(24L容量)に、18果のリンゴ(ふじ、全部で約4.8kg)をいれた。また、エタノールを含浸させたアルコール徐放剤であるネオヘースタン2本及びヘキサノール200μLを含侵する繊維を、箱にいれた。対照としてアルコール資材を入れないリンゴを用意した。そのまま、33日間4℃にて冷蔵し、5、14、33日後にリンゴが発する香気成分を分析した。33日後にリンゴを発泡スチロール箱から取り出し、さらに5kg用段ボール箱(17L容量)に移し、アルコールを放出するネオヘースタンと初めのヘキサノールを含ませた繊維を取り除いた状態で4℃で貯蔵した。9日後(処理後42日後)に香気成分を分析したのち、10日後に貫入式硬度計で硬度を測定した。質量分析の結果及び果肉硬度の結果を、図4に示す。なお、33日後にネオヘースタンからはエタノールの放出は続いていたものの、繊維中のヘキサノールはほぼ揮散していた。その結果、アルコール含侵資材と同梱している期間の香気成分は対照より多く、特に嗜好性の高いエチルエステル類濃度が維持された。酢酸ヘキシルは33日後にはやや減少したが、対照より高い濃度を維持した。アルコール資材の入った箱から取り出したあとも9日間はエチルエステル類や酢酸ヘキシルの濃度は対照より高かった。ヒト嗅覚に感度の高いエチルエステル類やリンゴらしい香りの酢酸ヘキシルに富むリンゴは、対照に比べて甘くリンゴらしい香りが強いと推測できる。アルコール処理、対照の平均硬度は同等で、アルコール処理による老化の進行は認められなかった。
実施例4 各種配合のアルコール類に接触させたリンゴの香りの特徴を官能評価で比較する実験
リンゴはふじ(240〜300g)を供試し、容器は1.2L容のものを使用して、揮発させたアルコールの接触は24時間とした。各処理は同日に2反復で行った。アルコールの組成の違いや、同一組成の経時変化を解析した。経時変化を評価する場合は、評価日に合わせて処理開始日を調整した。
官能評価は農研機構食品研究部門のリンゴの官能評価経験を有する訓練パネル10名により実施した。非破壊のリンゴを供試し、香りかぎにより、全員がすべての個体について、全体的な香りの強さ、フレッシュなリンゴの香り、甘いリンゴの香り、異臭の4項目について評価した。評価のスケールは、全く感じない(0)、容易に感知できる(4)、これ以上はおそらくない(8)までの9段階尺度により行った。
<処理に用いたアルコール>
(1)エタノール200μLを添加し、1、2、7、14日後に評価を行った。結果を図5Aに示す。
(2)1−ヘキサノールを20μL添加し、1、2、7、14日後に評価を行った。結果を図5Bに示す。
(3)2−メチルブタノール20又は100μLを添加し、2日後に評価を行った。結果を図5Cに示す。
(4)エタノール:1−ヘキサノールを195:5の比率で200μL添加し、1、2、7、14日後に評価を行った。結果を図5Dに示す。
(5)エタノール:1−ヘキサノールを195:5の比率で200μL又は400μL、180:20の比率で200μL、495:5の比率で500μL添加し、2日後に評価を行った。結果を図5Eに示す。
(6)エタノール:2−メチルブタノール:1−ヘキサノールを180:10:10、150:40:10の比率で200μL、又は180:10:10の比率で400μL添加し、2日後に評価した。結果を図5Fに示す。
<結果>
エタノール200μLを添加した場合、全体的な香りの強さ、甘いリンゴの香り、フレッシュなリンゴの香りのいずれも14日間を通して無添加を上回った。特に甘いリンゴの香りの増強効果が高かったが、14日後にはフレッシュなリンゴの香りも高まった。フレッシュな香りの増強効果は特定の香気成分濃度からの説明は難しく、共存する複数の香気成分の相互作用を考慮する必要があると推定される。また、エチルエステルは減衰が小さいことや、嗅覚における閾値が小さいために、時間が経過しても感覚で検知できるものと考えられる。
1−ヘキサノールの場合も3項目とも無添加より高まったが、特にフレッシュなリンゴの香りを高める効果があった。香りの強度は総じて初期に強かったものの直線的に低下し、14日後には無添加とほぼ同等まで低下した。これはヘキサノールの代謝が早く、酢酸ヘキシル等が急速に失われていくことによると推定される。
2−メチルブタノールを単独で使用した場合は、20μLではフレッシュなリンゴの香りは抑えられ、甘いりんごの香りは上昇した。100μL添加では、新鮮なリンゴの香りの抑制はなく、リンゴの甘い香りは20μL添加の場合よりもさらに強化された。
エタノールと1−ヘキサノールの混合物を用いると、全体的な香りの強さ、甘いリンゴの香り、フレッシュなリンゴの香りのいずれも14日間を通じて無添加を上回り、またエタノールや1−ヘキサノールを単独で添加した時を上回った。フレッシュなリンゴの香りは、初期より後期に高まった。これらから、1−ヘキサノールをエタノールと混合して使用すると、香気が強く長く維持できることが分かった。
エタノールとヘキサノールの混合比率や添加量を変化させるとき、エタノールの量が増すと甘いリンゴの香りが、ヘキサノールの量が増すとフレッシュなリンゴの香りが強化された。全量を500μLにすると、200μLの時と同程度となり、添加量の増加で香りを高めることには上限があることが示された。また、エタノールとヘキサノールの比率を変化させると、エタノールの比率が高まると甘く、ヘキサノールの比率が高まるとフレッシュな香りのバランスが高まった。
エタノールとヘキサノール、さらに2−メチルブタノールを使用した場合は、添加量400μLのときに全体的な香りの強さや、甘い香りの強さが最大であった。また、2−メチルブタノールを追加することで、200μLの添加でも新鮮なリンゴの香りの評価が高まり、香りのバランスが向上し、ふじらしい香りの特性を呈した。
このように、1−ヘキサノールや2−メチルブタノールの配合比率を調整すると甘いリンゴの香りとフレッシュなリンゴの香りのバランスや品種の特徴を演出するなどのデザインが可能となる。
実施例5 モモにアルコールを接触させる実験
モモ果実1個(250〜300g、一宮白桃のみ350g)を1.2Lのガラス密閉容器中にエタノール200μLを含む繊維とともに20℃で静置した。12時間後に繊維を取り出し、香気成分を90分捕集し、分析を行った。結果を図6に示す。品種は、日川白鳳、一宮白桃、浅間白桃、黄貴妃、及びまなみ(硬肉種)を用いた。
<結果>
いずれの品種も揮発したエタノールと接触させることによりエチルエステル類が増加した。特にオクタン酸エチルの増加が顕著であった。
実施例6 アルコールを接触させたモモの香りの特徴を官能評価で評価する実験
実施例5と同様にモモを準備した。ただし、エタノールの添加量は検定を進めながら調整した。添加量を表1に示す。官能評価はモモの評価経験を有する実施例4と同じパネル7人で行った。評価項目は「桃らしい香り」、「熟した果実の香り」、「花様の香り」、「ココナッツ様の香り」、「杏仁豆腐の香り」とし、150点満点の連続尺度で評価した。
<結果>
5品種のモモを用いて実施した結果、いずれも熟した果実の香りが高まった。エタノール500μLを用いた日川白鳳の場合は、熟した果実の香りは約3倍以上に高まり、花様の香り、杏仁豆腐の香りも増加したが、桃らしい香り、ココナッツ様の香りは低下した。エタノール200μLを利用した白鳳でも、日川白鳳と似た傾向を示したがその変化は小さかった。浅間白桃では25、50μLのエタノールを試したところ50μLのほうがやや熟した果実の香り、花様の香り、ココナッツ様の香りが強かったが大きな差はなかった。桃らしい香りはアルコール無添加のほうが強かった。一宮白桃では50μLを添加することにより、熟した果実の香りが高まったほか、ココナッツ様の香り、杏仁豆腐の香りも高まった。桃らしい香りと花様の香りは変化がなかった。黄肉種の黄貴妃では20μLで十分な効果があり、評価したすべての項目が高まった。これらのことから、エタノールは1果につき20μLでも効果があることが分かった。エタノールはエチルエステル類(ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル等)を生成することにより、熟した果実の香りを醸す。しかしながら、桃らしい香りの鍵となる香気成分はラクトン類であることが知られており、過剰のエタノール添加により大量に生成したエチルエステル類の香りが強すぎると桃らしさを大きく損ねる結果となる。また、多量のエタノールがラクトン類の生成と競合する可能性もある。品種や果実の状態によりエタノールの効果の発現は異なると推定されるため一概に断定できないが、通常の品種では50μL程度を上限に添加するのがよい。ただし、硬肉種ではこれより多く添加しても悪影響は少ないと推定する。

Claims (5)

  1. 果実と揮発したアルコールとを接触させる工程を含む、果実の香りを変化させる方法。
  2. 果実が、リンゴ又はモモである、請求項1記載の方法。
  3. アルコールが、エタノール、ヘキサノール又は2−メチルブタノールである、請求項2記載の方法。
  4. リンゴが、ふじ、王林、ジョナゴールド又は秋映である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 揮発したアルコールと接触させる工程が、CA貯蔵と同時及び/又はCA貯蔵の後、及び/又は1−MCP処理と同時及び/又は1−MCP処理の後に行われる、請求項1〜4のいずれか一項記載方法。
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