JP2004159463A - コンデンサ自動充電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源電圧を平滑化するためのコンデンサを電源装置からの給電開始時および再給電開始時に自動的に充電し、コンデンサが電源装置からの突入電流により機能しなくなることを適確に防止するとともに、従来の手操作を不要として効率化を図ったコンデンサ自動充電装置を提供する。
【解決手段】給電開始時または再給電開始時に電源装置3がオン状態になって、電源装置3からの給電が開始されると、電流制限回路15で制限された電流でコンデンサ収容箱7のコンデンサ73を充電し、給電開始時から所定の遅延時間の後に投入切断監視回路11はスルー回路13をオン状態に制御し、このスルー回路により電流制限回路15を短絡して電源装置3からの電源電圧をスルー回路13を介してコンデンサ73に直接的に供給するとともに、コンデンサ73を通信設備(負荷装置)9にスルー回路13を介して直接的に接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】給電開始時または再給電開始時に電源装置3がオン状態になって、電源装置3からの給電が開始されると、電流制限回路15で制限された電流でコンデンサ収容箱7のコンデンサ73を充電し、給電開始時から所定の遅延時間の後に投入切断監視回路11はスルー回路13をオン状態に制御し、このスルー回路により電流制限回路15を短絡して電源装置3からの電源電圧をスルー回路13を介してコンデンサ73に直接的に供給するとともに、コンデンサ73を通信設備(負荷装置)9にスルー回路13を介して直接的に接続する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子交換機などの通信設備に電源電圧を供給する通信用の電源装置の平滑用のコンデンサを電源装置の給電開始時および再給電開始時に自動的に充電するコンデンサ自動充電装置に関し、更に詳しくは、電源装置からケーブルを介して接続される負荷装置側においてコンデンサ収容箱内に収容されて設けられ、電源装置から負荷装置に供給される電源電圧を平滑化するためのコンデンサを電源装置からの給電開始時および再給電開始時に自動的に充電するコンデンサ自動充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の通信用の電源装置、コンデンサ収容箱および通信設備(負荷装置)は、従来、図6に示すように接続され、コンデンサ収容箱7に収容された例えば1装置当り60万μFのような大容量のコンデンサにより負荷装置である通信設備9に対する電源電圧の平滑化を図っている。
【0003】
図6に示すように、通信用電源装置60は、整流回路61と保護回路63から構成され、この通信用電源装置60からの電源電圧がコンデンサ収容箱7のコンデンサおよび通信設備9の負荷装置に供給されるようになっているが、通信用電源装置60の投入時、すなわち給電開始時や停電後などの再給電開始時には、通信用電源装置60からコンデンサ収容箱7のコンデンサに過大な突入電流が流れ、この過大な突入電流によりコンデンサ収容箱7のコンデンサ用に設けられているヒューズが焼損し、コンデンサ収容箱7が機能しなくなったり、通信用電源装置60が破損するということがある。
【0004】
そこで、従来は、通信用電源装置60の投入時には、コンデンサ収容箱7のコンデンサに過大な突入電流が流れないように手操作による回路接続手順によりコンデンサ収容箱7のコンデンサへの充電電流の供給を行っている。
【0005】
具体的には、ショートバーで短絡された抵抗を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサを通信用電源装置60に接続するように構成しておく。そして、通信用電源装置60の投入時には、手操作によりショートバーを外し、抵抗を介して通信用電源装置60からの電源電圧をコンデンサ収容箱7のコンデンサに供給し、これによりコンデンサを徐々に充電し、突入電流がコンデンサ収容箱7のコンデンサに流れないようにしている。そして、コンデンサに充電された電圧が例えば数分後に所定の電圧以上になってから、ショートバーを接続して抵抗を短絡し、スルー状態にするようにしている。
【0006】
コンデンサ収容箱7のコンデンサに通信用電源装置60から突入電流が流れる場合において、通信用電源装置60の供給電流に十分な余裕がない場合には、通信用電源装置60からの給電開始時の突入電流の影響により供給電圧の立ち上がり特性が例えば図の二点鎖線で示すように急峻にならずなだらかになるため、同一系統の通信設備9の電源回路が一定時間後に電圧異常(低下)を検出して停止する場合もある。なお、図5において、実線で示す特性は、正常な場合の供給電圧の立ち上がり特性であり、この正常時の立ち上がり特性に比較して突入電流がある場合には、図5において時間差Tとして示すような供給電圧の立ち上がり遅れが発生する。
【0007】
従来の技術では、突入電流の発生を抑止する回路は電源装置内にあり、電源投入時に負荷設備に流れ出す過大電流を抑止することで、電源装置自体の破壊や焼損の恐れを未然防止することを目的としていた(特許文献1)。
【0008】
また、従来の技術では、負荷電流の大きさを一定以内に抑える技術であり、通信用電源装置の供給電流に充分な余裕が無い場合は、給電開始時の突入電流の影響により供給電圧の立ち上がり特性が急峻にならずなだらかになるため、同一系の通信設備の電源回路が一定時間後に電圧異常(電圧低下)を検出して停止する恐れがある(特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−15015号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平5−274061号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来は、通信用電源装置60の投入時の過大な突入電流を防止するために、手操作による回路接続手順によりコンデンサ収容箱7のコンデンサへの充電電流の供給を行っているため、電源投入時の度に多大な手間がかかり、非効率的であるという問題がある。
【0012】
また、運用開始後に突発的な停電または通信用電源装置60の故障などにより通信用電源装置60からの給電が停止し、その後、停電が回復するかまたは通信用電源装置60の故障が直って、通信用電源装置60からの再給電が開始された再給電開始時において、手操作による回路接続手順を正規に行うことができない場合には、通信用電源装置60からコンデンサ収容箱7のコンデンサに過大な突入電流が流れてしまい、この過大な突入電流によりコンデンサ収容箱7のコンデンサ用に設けられているヒューズが焼損し、コンデンサ収容箱7が機能しなくなったり、通信用電源装置60が破損するという問題がある。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電源装置から負荷装置に供給される電源電圧を平滑化するために設けられているコンデンサを電源装置からの給電開始時および再給電開始時に自動的に充電し、コンデンサが電源装置からの突入電流により機能しなくなることを適確に防止するとともに、従来の手操作を不要として効率化を図ったコンデンサ自動充電装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、電源装置からケーブルを介して接続される負荷装置側に設けられ、電源装置から負荷装置に供給される電源電圧を平滑化するためのコンデンサを電源装置からの給電開始時および再給電開始時に自動的に充電するコンデンサ自動充電装置であって、電源装置からの電源電圧をコンデンサに供給すべく電源装置とコンデンサとの間に接続され、電源装置のオフ時、給電開始時点および再給電開始時点では電源装置からの電源電圧がコンデンサに直接供給されないようにオフ状態になっているスルー回路と、このスルー回路に並列に接続され、電源装置からコンデンサに突入電流が流れないように電源装置からコンデンサに流れる電流を制限し、この制限された電流でコンデンサを充電する電流制限回路と、電源装置からの電源電圧を監視すべく電源装置に接続され、電源装置がオン状態になって、電源装置からの給電が開始されると、所定の遅延時間の後、作動し、前記スルー回路をオン状態に制御し、このスルー回路により前記電流制限回路を短絡して電源装置からの電源電圧をスルー回路を介してコンデンサに直接的に供給するように制御する投入切断監視回路とを有することを要旨とする。
【0015】
請求項1記載の本発明にあっては、給電開始時または再給電開始時に電源装置がオン状態になって、電源装置からの給電が開始されると、電流制限回路で制限された電流でコンデンサを充電し、給電開始時から所定の遅延時間の後にスルー回路をオン状態に制御し、このスルー回路により電流制限回路を短絡して電源装置からの電源電圧をスルー回路を介してコンデンサに直接的に供給するとともに、コンデンサを負荷装置にスルー回路を介して直接的に接続するため、電源装置の投入時における手操作による回路接続処理を従来のように行う必要がなく、多大な手間を不要として効率化を図ることができるとともに、電源を投入した場合の給電開始時や停電後の再給電開始時にコンデンサに過大な突入電流が流れることが防止され、コンデンサ用のヒューズが焼損して機能しなくなったり、電源装置が破損するということがなくなり、また電源を急速に立ち上げることができる。
【0016】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記所定の遅延時間が、電源装置から電流制限回路を介して電源電圧によりコンデンサに所定の電圧が充電されるまでの時間であることを要旨とする。
【0017】
請求項2記載の本発明にあっては、所定の遅延時間がコンデンサに所定の電圧が充電されるまでの時間であるため、コンデンサが所定の電圧に充電されてからスルー回路で電流制限回路を短絡して電源装置がスルー回路を介してコンデンサに直接的に接続され、電源装置からコンデンサに突入電流が流れることがない。
【0018】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の発明において、前記スルー回路が、オン−オフ開閉するスイッチを有することを要旨とする。
【0019】
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記電流制限回路が、抵抗を有することを要旨とする。
【0020】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記投入切断監視回路が、前記所定の遅延時間に対応する遅延動作を行うタイマリレーを有することを要旨とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、一実施形態に係るコンデンサ自動充電装置の構成を示すブロック図である。同図に示すコンデンサ自動充電装置1は、複数の通信設備(負荷装置)9にヒューズ5を介して電源電圧を供給する電源装置3の負荷装置側にヒューズ5を介して接続され、このコンデンサ自動充電装置1を介して電源装置3からの電源電圧がコンデンサ収容箱7に供給されるようになっている。コンデンサ収容箱7は、電源電圧を平滑化するための複数のコンデンサ73を有し、この複数のコンデンサ73はヒューズ71を介してコンデンサ自動充電装置1に接続されている。なお、電源装置3は、例えば−48Vの電源電圧を出力するものである。
【0022】
コンデンサ自動充電装置1は、タイマ回路を有する投入切断監視回路11、スルー回路13および電流制限回路15から構成されている。スルー回路13は、電源装置3からの電源電圧をヒューズ5を介して直接コンデンサ収容箱7に供給したり、この電源電圧の供給を遮断する例えばオン−オフ開閉スイッチから構成されている。
【0023】
投入切断監視回路11は、電源装置3からのヒューズ5を介して通信設備9に供給される電源電圧を監視し、この電源電圧が所定の電圧値以下に低下すると、スルー回路13に対して開放指示し、スルー回路13のオン−オフ開閉スイッチをオフ状態に制御する。また、投入切断監視回路11は、電源電圧を監視し、この電源電圧が所定の電圧値以下から所定の電圧値以上に回復すると、所定の遅延時間である突入電流制御タイミングをもって電流制限回路15を制御するようになっている。
【0024】
また、電流制限回路15は、具体的には抵抗で構成され、コンデンサ収容箱7に収容されている複数のコンデンサ73に電源装置3からの突入電流が流れないように電源装置3から複数のコンデンサ73に流れる電流を制限しながらプリチャージを行う。
【0025】
図2は、図1に示すコンデンサ自動充電装置1の詳細な回路構成を示す回路図である。同図に示すように、投入切断監視回路11は、グランド(GND)と−48Vの電源電圧との間に接続されたタイマリレー(RL1)111、このタイマリレー111の巻線に並列に接続され、タイマリレー111の巻線による逆電圧を防止する逆電圧防止用ダイオード113、グランドと−48Vの電源電圧との間に直列接続されたタイマリレー111のメーク接点111aとスルーリレー(RL2)115、このスルーリレー115の巻線に並列に接続され、スルーリレー115の巻線による逆電圧を防止する逆電圧防止用ダイオード117、およびグランドと−48Vの電源電圧との間に直列接続された抵抗119と発光ダイオードからなる運転中表示ランプ121とスルーリレー115のメーク接点115dの直列回路から接続されている。
【0026】
タイマリレー111は、電源装置3が投入されて電源装置3から給電が開始されると、この給電開始から所定の遅延時間の後に作動する遅延リレーである。なお、この所定の遅延時間は、電源装置3から電流制限回路15の抵抗を介して電源電圧により所定の電圧が充電されるまでの時間であり、例えば10〜60秒である。
【0027】
電流制限回路15は、並列接続された2個の抵抗131,132から構成され、この両抵抗131,132は−48Vの電源電圧とコンデンサ収容箱7との間に接続され、これにより電源装置3からの電源電圧は抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給され、電源電圧によりコンデンサ73に供給される充電電流は抵抗131,132により制限され、これにより突入電流がコンデンサ73に流れないようになっている。なお、抵抗131,132の抵抗値はそれぞれ例えば50Ω程度である。
【0028】
スルー回路13は、並列接続されたスルーリレー115の3個のメーク接点115a,115b,115cから構成され、これらのメーク接点115a,115b,115cは−48Vの電源電圧とコンデンサ収容箱7との間に接続され、これにより電流制限回路15の抵抗131,132を短絡するようになっている。
【0029】
また、−48Vの電源電圧とコンデンサ収容箱7との間にはUP型ショートバー18が接続され、このUP型ショートバー18を外して開放することにより、−48Vの電源電圧がコンデンサ収容箱7に供給されないようになっている。
【0030】
更に、図2に示すコンデンサ自動充電装置1は、スルーリレー115のブレーク接点115eからなる警報回路19を有し、この警報回路19から警報信号が例えば図示しないメンテナンスルームなどに送信され、警報が発せられるようになっている。
【0031】
次に、以上のように構成される本実施形態のコンデンサ自動充電装置1の作用について図3および図4に示すフローチャートも参照しながら説明する。
【0032】
まず、図3に示すフローチャートを参照して、給電開始時の作用について説明する。
【0033】
電源装置3がオフ状態にある場合には、図2に示す投入切断監視回路11のタイマリレー111およびスルーリレー115は作動してなく、オフ状態にあり、それらの各メーク接点は開いており、各ブレーク接点は閉じている。従って、この状態では、電流制限回路15の抵抗131,132はスルーリレー115のメーク接点115a,115b,115cによって短絡されず、電源装置3がヒューズ5、抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に接続されている。すなわち、コンデンサ収容箱7のコンデンサ73は、電流制限回路15の抵抗131,132を介して複数の通信設備9に接続されるとともに、抵抗131,132、ヒューズ5を介して電源装置3に接続されている。
【0034】
このような状態において、電源装置3のスイッチなどが投入され、電源装置3からの給電が開始すると、電源装置3からの−48Vの電源電圧は図5において実線で示すように急峻に立ち上がり、ヒューズ5を介して複数の通信設備9に供給されるとともに、コンデンサ自動充電装置1に供給される。
【0035】
コンデンサ自動充電装置1においては、電源装置3からの電源電圧は、投入切断監視回路11で監視されるとともに、また電源電圧は電流制限回路15の抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給され、コンデンサ73は電源電圧により抵抗131,132を介した制限電流を供給され、コンデンサ73への定電流充電が制限電流により開始される。
【0036】
更に詳しくは、この給電開始時において、投入切断監視回路11では、電源装置3からの電源電圧は、タイマリレー(RL1)111に供給され、タイマリレー(RL1)111はタイマ動作、すなわち遅延動作を開始して、タイマのタイムアップ待ち状態にあり、そのメーク接点111aは開いた状態にある(図3のステップS11)。従って、スルーリレー(RL2)115は動作してなく、オフ状態にあり、そのメーク接点115a,115b,115cも開いていて、電流制限回路15の抵抗131,132を短絡していなく、電源装置3からの電源電圧が抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給され、これによりコンデンサ73は制限電流で充電開始する。
【0037】
投入切断監視回路11のタイマリレー(RL1)111がタイマ動作を開始し、コンデンサ収容箱7のコンデンサ73の充電電圧が所定の電圧値に達したと思われる所定の遅延時間、例えば10〜60秒が経過すると、タイマリレー(RL1)111によるタイマ動作は終了し、タイマリレー(RL1)111は動作する(ステップS13)。
【0038】
タイマリレー(RL1)111が動作すると、そのメーク接点111aが閉じ、これによりスルーリレー(RL2)115が動作して、スルー回路13にあるスルーリレー(RL2)115のメーク接点115a,115b,115cが閉じ、これにより電流制限回路15の抵抗131,132を短絡し、電源装置3の−48Vの電源電圧をメーク接点115a,115b,115cを介して直接的にコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給する(ステップS15)。
【0039】
また、スルーリレー(RL2)115が動作すると、そのメーク接点115dも閉じ、これによりグランドから抵抗119、運転中表示ランプ121、メーク接点115dの経路を介して電源装置3の電源電圧に電流が流れて、運転中表示ランプ121が点灯(ON)し、運転中であることを表示する(ステップS17)。なお、スルーリレー(RL2)115が動作すると、そのブレーク接点115eが開き、これにより警報回路19の警報信号の出力をオフ(OFF)状態にする(ステップS19)。
【0040】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、上述したように電源装置3から給電が行われている場合に突発的な停電または電源装置3の故障などにより電源装置3による給電が停止した場合の切断処理について説明する。
【0041】
電源装置3の給電が停止すると、電源装置3の電源電圧が低下し、この低下に合わせてコンデンサ収容箱7のコンデンサ73は放電する。そして、給電停止から所定時間経過するとともに電源電圧も所定の電圧値以下に低下すると、タイマリレー(RL1)111は復旧し、そのメーク接点111aは開く(ステップS21)。
【0042】
タイマリレー(RL1)111のメーク接点111aが開くと、スルーリレー(RL2)115も復旧し、そのメーク接点115a,115b,115cも開き、抵抗131,132の短絡を解除する(ステップS23)。また、スルーリレー(RL2)115の復旧でメーク接点115dが開き、ブレーク接点115eが閉じるが、このメーク接点115dの開放により運転中表示ランプ121はオフとなり(ステップS25)、またメーク接点115dの閉成により警報回路19から警報信号が出力され、これにより電源装置3の給電停止が報知される(ステップS27)。
【0043】
このような電源装置3の給電停止から、停電が回復するかまたは電源装置3の故障が直って、電源装置3から再給電が開始される場合には、タイマリレー(RL1)111およびスルーリレー(RL2)115は両方とも復旧してオフ状態にあるため、スルー回路13のメーク接点115a,115b,115cはすべて開放状態にあり、電流制限回路15の抵抗131,132は短絡されてなく、電源装置3からの再給電電圧は電流制限回路15の抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給されるため、コンデンサ73には突入電流は流れず、抵抗131,132を介して制限電流がコンデンサ73への充電が行われる。なお、再給電開始時の動作は、図3のフローチャートを参照して行った説明と同じであるので、これ以上の説明は省略する。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、給電開始時または再給電開始時に電源装置がオン状態になって、電源装置からの給電が開始されると、電流制限回路で制限された電流でコンデンサを充電し、給電開始時から所定の遅延時間の後にスルー回路をオン状態に制御し、このスルー回路により電流制限回路を短絡して電源装置からの電源電圧をスルー回路を介してコンデンサに直接的に供給するとともに、コンデンサを負荷装置にスルー回路を介して直接的に接続するので、電源装置の投入時における手操作による回路接続処理を従来のように行う必要がなく、多大な手間を不要として効率化を図ることができるとともに、電源を投入した場合の給電開始時や停電後の再給電開始時にコンデンサに過大な突入電流が流れることが防止され、コンデンサ用のヒューズが焼損して機能しなくなったり、電源装置が破損するということがなくなり、また電源を急速に立ち上げることができる。
【0045】
また、本発明によれば、所定の遅延時間がコンデンサに所定の電圧が充電されるまでの時間であるので、コンデンサが所定の電圧に充電されてからスルー回路で電流制限回路を短絡して電源装置がスルー回路を介してコンデンサに直接的に接続され、電源装置からコンデンサに突入電流が流れることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンデンサ自動充電装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施形態のコンデンサ自動充電装置の詳細な回路構成を示す回路図である。
【図3】図1、図2に示す実施形態のコンデンサ自動充電装置の作用を示すフローチャートである。
【図4】図1、図2に示す実施形態のコンデンサ自動充電装置の別の作用を示すフローチャートである。
【図5】電源装置から出力される電源電圧の時間経過に対する正常な立ち上がり特性と突入電流がある場合の立ち上がり特性を示すグラフである。
【図6】従来の通信用の電源装置、コンデンサ収容箱および通信設備(負荷装置)の接続関係とコンデンサ収容箱への過大な突入電流による問題を説明するための図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ自動充電装置
3 電源装置
7 コンデンサ収容箱
9 通信設備(負荷装置)
11 投入切断監視回路
13 スルー回路
15 電流制限回路
19 警報回路
73 コンデンサ
111 タイマリレー(RL1)
111a タイマリレー(RL1)のメーク接点
115 スルーリレー(RL2)
115a,115b,115c,115d スルーリレー(RL2)のメーク接点
115e スルーリレー(RL2)のブレーク接点
121 運転中表示ランプ
131,132 抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子交換機などの通信設備に電源電圧を供給する通信用の電源装置の平滑用のコンデンサを電源装置の給電開始時および再給電開始時に自動的に充電するコンデンサ自動充電装置に関し、更に詳しくは、電源装置からケーブルを介して接続される負荷装置側においてコンデンサ収容箱内に収容されて設けられ、電源装置から負荷装置に供給される電源電圧を平滑化するためのコンデンサを電源装置からの給電開始時および再給電開始時に自動的に充電するコンデンサ自動充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の通信用の電源装置、コンデンサ収容箱および通信設備(負荷装置)は、従来、図6に示すように接続され、コンデンサ収容箱7に収容された例えば1装置当り60万μFのような大容量のコンデンサにより負荷装置である通信設備9に対する電源電圧の平滑化を図っている。
【0003】
図6に示すように、通信用電源装置60は、整流回路61と保護回路63から構成され、この通信用電源装置60からの電源電圧がコンデンサ収容箱7のコンデンサおよび通信設備9の負荷装置に供給されるようになっているが、通信用電源装置60の投入時、すなわち給電開始時や停電後などの再給電開始時には、通信用電源装置60からコンデンサ収容箱7のコンデンサに過大な突入電流が流れ、この過大な突入電流によりコンデンサ収容箱7のコンデンサ用に設けられているヒューズが焼損し、コンデンサ収容箱7が機能しなくなったり、通信用電源装置60が破損するということがある。
【0004】
そこで、従来は、通信用電源装置60の投入時には、コンデンサ収容箱7のコンデンサに過大な突入電流が流れないように手操作による回路接続手順によりコンデンサ収容箱7のコンデンサへの充電電流の供給を行っている。
【0005】
具体的には、ショートバーで短絡された抵抗を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサを通信用電源装置60に接続するように構成しておく。そして、通信用電源装置60の投入時には、手操作によりショートバーを外し、抵抗を介して通信用電源装置60からの電源電圧をコンデンサ収容箱7のコンデンサに供給し、これによりコンデンサを徐々に充電し、突入電流がコンデンサ収容箱7のコンデンサに流れないようにしている。そして、コンデンサに充電された電圧が例えば数分後に所定の電圧以上になってから、ショートバーを接続して抵抗を短絡し、スルー状態にするようにしている。
【0006】
コンデンサ収容箱7のコンデンサに通信用電源装置60から突入電流が流れる場合において、通信用電源装置60の供給電流に十分な余裕がない場合には、通信用電源装置60からの給電開始時の突入電流の影響により供給電圧の立ち上がり特性が例えば図の二点鎖線で示すように急峻にならずなだらかになるため、同一系統の通信設備9の電源回路が一定時間後に電圧異常(低下)を検出して停止する場合もある。なお、図5において、実線で示す特性は、正常な場合の供給電圧の立ち上がり特性であり、この正常時の立ち上がり特性に比較して突入電流がある場合には、図5において時間差Tとして示すような供給電圧の立ち上がり遅れが発生する。
【0007】
従来の技術では、突入電流の発生を抑止する回路は電源装置内にあり、電源投入時に負荷設備に流れ出す過大電流を抑止することで、電源装置自体の破壊や焼損の恐れを未然防止することを目的としていた(特許文献1)。
【0008】
また、従来の技術では、負荷電流の大きさを一定以内に抑える技術であり、通信用電源装置の供給電流に充分な余裕が無い場合は、給電開始時の突入電流の影響により供給電圧の立ち上がり特性が急峻にならずなだらかになるため、同一系の通信設備の電源回路が一定時間後に電圧異常(電圧低下)を検出して停止する恐れがある(特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−15015号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平5−274061号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来は、通信用電源装置60の投入時の過大な突入電流を防止するために、手操作による回路接続手順によりコンデンサ収容箱7のコンデンサへの充電電流の供給を行っているため、電源投入時の度に多大な手間がかかり、非効率的であるという問題がある。
【0012】
また、運用開始後に突発的な停電または通信用電源装置60の故障などにより通信用電源装置60からの給電が停止し、その後、停電が回復するかまたは通信用電源装置60の故障が直って、通信用電源装置60からの再給電が開始された再給電開始時において、手操作による回路接続手順を正規に行うことができない場合には、通信用電源装置60からコンデンサ収容箱7のコンデンサに過大な突入電流が流れてしまい、この過大な突入電流によりコンデンサ収容箱7のコンデンサ用に設けられているヒューズが焼損し、コンデンサ収容箱7が機能しなくなったり、通信用電源装置60が破損するという問題がある。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電源装置から負荷装置に供給される電源電圧を平滑化するために設けられているコンデンサを電源装置からの給電開始時および再給電開始時に自動的に充電し、コンデンサが電源装置からの突入電流により機能しなくなることを適確に防止するとともに、従来の手操作を不要として効率化を図ったコンデンサ自動充電装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、電源装置からケーブルを介して接続される負荷装置側に設けられ、電源装置から負荷装置に供給される電源電圧を平滑化するためのコンデンサを電源装置からの給電開始時および再給電開始時に自動的に充電するコンデンサ自動充電装置であって、電源装置からの電源電圧をコンデンサに供給すべく電源装置とコンデンサとの間に接続され、電源装置のオフ時、給電開始時点および再給電開始時点では電源装置からの電源電圧がコンデンサに直接供給されないようにオフ状態になっているスルー回路と、このスルー回路に並列に接続され、電源装置からコンデンサに突入電流が流れないように電源装置からコンデンサに流れる電流を制限し、この制限された電流でコンデンサを充電する電流制限回路と、電源装置からの電源電圧を監視すべく電源装置に接続され、電源装置がオン状態になって、電源装置からの給電が開始されると、所定の遅延時間の後、作動し、前記スルー回路をオン状態に制御し、このスルー回路により前記電流制限回路を短絡して電源装置からの電源電圧をスルー回路を介してコンデンサに直接的に供給するように制御する投入切断監視回路とを有することを要旨とする。
【0015】
請求項1記載の本発明にあっては、給電開始時または再給電開始時に電源装置がオン状態になって、電源装置からの給電が開始されると、電流制限回路で制限された電流でコンデンサを充電し、給電開始時から所定の遅延時間の後にスルー回路をオン状態に制御し、このスルー回路により電流制限回路を短絡して電源装置からの電源電圧をスルー回路を介してコンデンサに直接的に供給するとともに、コンデンサを負荷装置にスルー回路を介して直接的に接続するため、電源装置の投入時における手操作による回路接続処理を従来のように行う必要がなく、多大な手間を不要として効率化を図ることができるとともに、電源を投入した場合の給電開始時や停電後の再給電開始時にコンデンサに過大な突入電流が流れることが防止され、コンデンサ用のヒューズが焼損して機能しなくなったり、電源装置が破損するということがなくなり、また電源を急速に立ち上げることができる。
【0016】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記所定の遅延時間が、電源装置から電流制限回路を介して電源電圧によりコンデンサに所定の電圧が充電されるまでの時間であることを要旨とする。
【0017】
請求項2記載の本発明にあっては、所定の遅延時間がコンデンサに所定の電圧が充電されるまでの時間であるため、コンデンサが所定の電圧に充電されてからスルー回路で電流制限回路を短絡して電源装置がスルー回路を介してコンデンサに直接的に接続され、電源装置からコンデンサに突入電流が流れることがない。
【0018】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の発明において、前記スルー回路が、オン−オフ開閉するスイッチを有することを要旨とする。
【0019】
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記電流制限回路が、抵抗を有することを要旨とする。
【0020】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記投入切断監視回路が、前記所定の遅延時間に対応する遅延動作を行うタイマリレーを有することを要旨とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、一実施形態に係るコンデンサ自動充電装置の構成を示すブロック図である。同図に示すコンデンサ自動充電装置1は、複数の通信設備(負荷装置)9にヒューズ5を介して電源電圧を供給する電源装置3の負荷装置側にヒューズ5を介して接続され、このコンデンサ自動充電装置1を介して電源装置3からの電源電圧がコンデンサ収容箱7に供給されるようになっている。コンデンサ収容箱7は、電源電圧を平滑化するための複数のコンデンサ73を有し、この複数のコンデンサ73はヒューズ71を介してコンデンサ自動充電装置1に接続されている。なお、電源装置3は、例えば−48Vの電源電圧を出力するものである。
【0022】
コンデンサ自動充電装置1は、タイマ回路を有する投入切断監視回路11、スルー回路13および電流制限回路15から構成されている。スルー回路13は、電源装置3からの電源電圧をヒューズ5を介して直接コンデンサ収容箱7に供給したり、この電源電圧の供給を遮断する例えばオン−オフ開閉スイッチから構成されている。
【0023】
投入切断監視回路11は、電源装置3からのヒューズ5を介して通信設備9に供給される電源電圧を監視し、この電源電圧が所定の電圧値以下に低下すると、スルー回路13に対して開放指示し、スルー回路13のオン−オフ開閉スイッチをオフ状態に制御する。また、投入切断監視回路11は、電源電圧を監視し、この電源電圧が所定の電圧値以下から所定の電圧値以上に回復すると、所定の遅延時間である突入電流制御タイミングをもって電流制限回路15を制御するようになっている。
【0024】
また、電流制限回路15は、具体的には抵抗で構成され、コンデンサ収容箱7に収容されている複数のコンデンサ73に電源装置3からの突入電流が流れないように電源装置3から複数のコンデンサ73に流れる電流を制限しながらプリチャージを行う。
【0025】
図2は、図1に示すコンデンサ自動充電装置1の詳細な回路構成を示す回路図である。同図に示すように、投入切断監視回路11は、グランド(GND)と−48Vの電源電圧との間に接続されたタイマリレー(RL1)111、このタイマリレー111の巻線に並列に接続され、タイマリレー111の巻線による逆電圧を防止する逆電圧防止用ダイオード113、グランドと−48Vの電源電圧との間に直列接続されたタイマリレー111のメーク接点111aとスルーリレー(RL2)115、このスルーリレー115の巻線に並列に接続され、スルーリレー115の巻線による逆電圧を防止する逆電圧防止用ダイオード117、およびグランドと−48Vの電源電圧との間に直列接続された抵抗119と発光ダイオードからなる運転中表示ランプ121とスルーリレー115のメーク接点115dの直列回路から接続されている。
【0026】
タイマリレー111は、電源装置3が投入されて電源装置3から給電が開始されると、この給電開始から所定の遅延時間の後に作動する遅延リレーである。なお、この所定の遅延時間は、電源装置3から電流制限回路15の抵抗を介して電源電圧により所定の電圧が充電されるまでの時間であり、例えば10〜60秒である。
【0027】
電流制限回路15は、並列接続された2個の抵抗131,132から構成され、この両抵抗131,132は−48Vの電源電圧とコンデンサ収容箱7との間に接続され、これにより電源装置3からの電源電圧は抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給され、電源電圧によりコンデンサ73に供給される充電電流は抵抗131,132により制限され、これにより突入電流がコンデンサ73に流れないようになっている。なお、抵抗131,132の抵抗値はそれぞれ例えば50Ω程度である。
【0028】
スルー回路13は、並列接続されたスルーリレー115の3個のメーク接点115a,115b,115cから構成され、これらのメーク接点115a,115b,115cは−48Vの電源電圧とコンデンサ収容箱7との間に接続され、これにより電流制限回路15の抵抗131,132を短絡するようになっている。
【0029】
また、−48Vの電源電圧とコンデンサ収容箱7との間にはUP型ショートバー18が接続され、このUP型ショートバー18を外して開放することにより、−48Vの電源電圧がコンデンサ収容箱7に供給されないようになっている。
【0030】
更に、図2に示すコンデンサ自動充電装置1は、スルーリレー115のブレーク接点115eからなる警報回路19を有し、この警報回路19から警報信号が例えば図示しないメンテナンスルームなどに送信され、警報が発せられるようになっている。
【0031】
次に、以上のように構成される本実施形態のコンデンサ自動充電装置1の作用について図3および図4に示すフローチャートも参照しながら説明する。
【0032】
まず、図3に示すフローチャートを参照して、給電開始時の作用について説明する。
【0033】
電源装置3がオフ状態にある場合には、図2に示す投入切断監視回路11のタイマリレー111およびスルーリレー115は作動してなく、オフ状態にあり、それらの各メーク接点は開いており、各ブレーク接点は閉じている。従って、この状態では、電流制限回路15の抵抗131,132はスルーリレー115のメーク接点115a,115b,115cによって短絡されず、電源装置3がヒューズ5、抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に接続されている。すなわち、コンデンサ収容箱7のコンデンサ73は、電流制限回路15の抵抗131,132を介して複数の通信設備9に接続されるとともに、抵抗131,132、ヒューズ5を介して電源装置3に接続されている。
【0034】
このような状態において、電源装置3のスイッチなどが投入され、電源装置3からの給電が開始すると、電源装置3からの−48Vの電源電圧は図5において実線で示すように急峻に立ち上がり、ヒューズ5を介して複数の通信設備9に供給されるとともに、コンデンサ自動充電装置1に供給される。
【0035】
コンデンサ自動充電装置1においては、電源装置3からの電源電圧は、投入切断監視回路11で監視されるとともに、また電源電圧は電流制限回路15の抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給され、コンデンサ73は電源電圧により抵抗131,132を介した制限電流を供給され、コンデンサ73への定電流充電が制限電流により開始される。
【0036】
更に詳しくは、この給電開始時において、投入切断監視回路11では、電源装置3からの電源電圧は、タイマリレー(RL1)111に供給され、タイマリレー(RL1)111はタイマ動作、すなわち遅延動作を開始して、タイマのタイムアップ待ち状態にあり、そのメーク接点111aは開いた状態にある(図3のステップS11)。従って、スルーリレー(RL2)115は動作してなく、オフ状態にあり、そのメーク接点115a,115b,115cも開いていて、電流制限回路15の抵抗131,132を短絡していなく、電源装置3からの電源電圧が抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給され、これによりコンデンサ73は制限電流で充電開始する。
【0037】
投入切断監視回路11のタイマリレー(RL1)111がタイマ動作を開始し、コンデンサ収容箱7のコンデンサ73の充電電圧が所定の電圧値に達したと思われる所定の遅延時間、例えば10〜60秒が経過すると、タイマリレー(RL1)111によるタイマ動作は終了し、タイマリレー(RL1)111は動作する(ステップS13)。
【0038】
タイマリレー(RL1)111が動作すると、そのメーク接点111aが閉じ、これによりスルーリレー(RL2)115が動作して、スルー回路13にあるスルーリレー(RL2)115のメーク接点115a,115b,115cが閉じ、これにより電流制限回路15の抵抗131,132を短絡し、電源装置3の−48Vの電源電圧をメーク接点115a,115b,115cを介して直接的にコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給する(ステップS15)。
【0039】
また、スルーリレー(RL2)115が動作すると、そのメーク接点115dも閉じ、これによりグランドから抵抗119、運転中表示ランプ121、メーク接点115dの経路を介して電源装置3の電源電圧に電流が流れて、運転中表示ランプ121が点灯(ON)し、運転中であることを表示する(ステップS17)。なお、スルーリレー(RL2)115が動作すると、そのブレーク接点115eが開き、これにより警報回路19の警報信号の出力をオフ(OFF)状態にする(ステップS19)。
【0040】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、上述したように電源装置3から給電が行われている場合に突発的な停電または電源装置3の故障などにより電源装置3による給電が停止した場合の切断処理について説明する。
【0041】
電源装置3の給電が停止すると、電源装置3の電源電圧が低下し、この低下に合わせてコンデンサ収容箱7のコンデンサ73は放電する。そして、給電停止から所定時間経過するとともに電源電圧も所定の電圧値以下に低下すると、タイマリレー(RL1)111は復旧し、そのメーク接点111aは開く(ステップS21)。
【0042】
タイマリレー(RL1)111のメーク接点111aが開くと、スルーリレー(RL2)115も復旧し、そのメーク接点115a,115b,115cも開き、抵抗131,132の短絡を解除する(ステップS23)。また、スルーリレー(RL2)115の復旧でメーク接点115dが開き、ブレーク接点115eが閉じるが、このメーク接点115dの開放により運転中表示ランプ121はオフとなり(ステップS25)、またメーク接点115dの閉成により警報回路19から警報信号が出力され、これにより電源装置3の給電停止が報知される(ステップS27)。
【0043】
このような電源装置3の給電停止から、停電が回復するかまたは電源装置3の故障が直って、電源装置3から再給電が開始される場合には、タイマリレー(RL1)111およびスルーリレー(RL2)115は両方とも復旧してオフ状態にあるため、スルー回路13のメーク接点115a,115b,115cはすべて開放状態にあり、電流制限回路15の抵抗131,132は短絡されてなく、電源装置3からの再給電電圧は電流制限回路15の抵抗131,132を介してコンデンサ収容箱7のコンデンサ73に供給されるため、コンデンサ73には突入電流は流れず、抵抗131,132を介して制限電流がコンデンサ73への充電が行われる。なお、再給電開始時の動作は、図3のフローチャートを参照して行った説明と同じであるので、これ以上の説明は省略する。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、給電開始時または再給電開始時に電源装置がオン状態になって、電源装置からの給電が開始されると、電流制限回路で制限された電流でコンデンサを充電し、給電開始時から所定の遅延時間の後にスルー回路をオン状態に制御し、このスルー回路により電流制限回路を短絡して電源装置からの電源電圧をスルー回路を介してコンデンサに直接的に供給するとともに、コンデンサを負荷装置にスルー回路を介して直接的に接続するので、電源装置の投入時における手操作による回路接続処理を従来のように行う必要がなく、多大な手間を不要として効率化を図ることができるとともに、電源を投入した場合の給電開始時や停電後の再給電開始時にコンデンサに過大な突入電流が流れることが防止され、コンデンサ用のヒューズが焼損して機能しなくなったり、電源装置が破損するということがなくなり、また電源を急速に立ち上げることができる。
【0045】
また、本発明によれば、所定の遅延時間がコンデンサに所定の電圧が充電されるまでの時間であるので、コンデンサが所定の電圧に充電されてからスルー回路で電流制限回路を短絡して電源装置がスルー回路を介してコンデンサに直接的に接続され、電源装置からコンデンサに突入電流が流れることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンデンサ自動充電装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施形態のコンデンサ自動充電装置の詳細な回路構成を示す回路図である。
【図3】図1、図2に示す実施形態のコンデンサ自動充電装置の作用を示すフローチャートである。
【図4】図1、図2に示す実施形態のコンデンサ自動充電装置の別の作用を示すフローチャートである。
【図5】電源装置から出力される電源電圧の時間経過に対する正常な立ち上がり特性と突入電流がある場合の立ち上がり特性を示すグラフである。
【図6】従来の通信用の電源装置、コンデンサ収容箱および通信設備(負荷装置)の接続関係とコンデンサ収容箱への過大な突入電流による問題を説明するための図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ自動充電装置
3 電源装置
7 コンデンサ収容箱
9 通信設備(負荷装置)
11 投入切断監視回路
13 スルー回路
15 電流制限回路
19 警報回路
73 コンデンサ
111 タイマリレー(RL1)
111a タイマリレー(RL1)のメーク接点
115 スルーリレー(RL2)
115a,115b,115c,115d スルーリレー(RL2)のメーク接点
115e スルーリレー(RL2)のブレーク接点
121 運転中表示ランプ
131,132 抵抗
Claims (5)
- 電源装置からケーブルを介して接続される負荷装置側に設けられ、電源装置から負荷装置に供給される電源電圧を平滑化するためのコンデンサを電源装置からの給電開始時および再給電開始時に自動的に充電するコンデンサ自動充電装置であって、
電源装置からの電源電圧をコンデンサに供給すべく電源装置とコンデンサとの間に接続され、電源装置のオフ時、給電開始時点および再給電開始時点では電源装置からの電源電圧がコンデンサに直接供給されないようにオフ状態になっているスルー回路と、
このスルー回路に並列に接続され、電源装置からコンデンサに突入電流が流れないように電源装置からコンデンサに流れる電流を制限し、この制限された電流でコンデンサを充電する電流制限回路と、
電源装置からの電源電圧を監視すべく電源装置に接続され、電源装置がオン状態になって、電源装置からの給電が開始されると、所定の遅延時間の後、作動し、前記スルー回路をオン状態に制御し、このスルー回路により前記電流制限回路を短絡して電源装置からの電源電圧をスルー回路を介してコンデンサに直接的に供給するように制御する投入切断監視回路と
を有することを特徴とするコンデンサ自動充電装置。 - 前記所定の遅延時間は、電源装置から電流制限回路を介して電源電圧によりコンデンサに所定の電圧が充電されるまでの時間であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ自動充電装置。
- 前記スルー回路は、オン−オフ開閉するスイッチを有することを特徴とする請求項1または2記載のコンデンサ自動充電装置。
- 前記電流制限回路は、抵抗を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンデンサ自動充電装置。
- 前記投入切断監視回路は、前記所定の遅延時間に対応する遅延動作を行うタイマリレーを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンデンサ自動充電装置。
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Cited By (2)
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JP2009240097A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Mitsubishi Motors Corp | プリチャージ回路装置、電源回路装置、電気装置 |
CN101969192A (zh) * | 2010-09-09 | 2011-02-09 | 惠州Tcl移动通信有限公司 | 一种用于保护usb供电设备的通信终端 |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002324406A patent/JP2004159463A/ja active Pending
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