JP2004158865A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 強度低下や寸法増大を抑えながら、バイアホールの接地インダクタンスを低減できる半導体装置の製造方法およびMMICを提供する。
【解決手段】 このマイクロ波帯用増幅器GaAsMMICは、その接地電極8が、3個のバイアホール11からなるバイアホール群12を有し、この3個のバイアホール11は、その内側に充填されたメッキ金属10aが近接されて形成され、その相互作用によって高周波的な電磁界結合が発生して、接地インダクタンスが低減された。
【選択図】 図2
【解決手段】 このマイクロ波帯用増幅器GaAsMMICは、その接地電極8が、3個のバイアホール11からなるバイアホール群12を有し、この3個のバイアホール11は、その内側に充填されたメッキ金属10aが近接されて形成され、その相互作用によって高周波的な電磁界結合が発生して、接地インダクタンスが低減された。
【選択図】 図2
Description
この発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、マイクロ波,ミリ波帯用に用いられるMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)等に好適な半導体装置の製造方法に関する。
バイアホールは、接地インダクタンスを低減できるから、MMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)の利得向上、安定性の向上といった観点から、化合物半導体MMICの必須の技術となっている。
例えば、半導体表面からバイアホールを形成する技術が、特開平7−135210号公報に開示されている。この従来の技術を、図28に示したマイクロ波帯用GaAsHBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)MMICに応用した場合を、一例にとり、詳細に説明する。
図28は、従来の技術を用いて、半導体装置であるマイクロ波帯用増幅器GaAsHBT-MMICに応用した場合の構造を示す平面図である。
図28に示すように、このマイクロ波帯用増幅器GaAsMMICは、第1のHBT素子101aと、第2のHBT素子101bと、第3のHBT素子101cと、MIM(メタル・インシュレータ・メタル)キャパシタ102と、スパイラルインダクタ103と、抵抗素子104と、入力パッド電極105と、出力用パッド電極106と、HBT素子制御用パッド電極107a,107bと、接地電極108からなる。
上記第1HBT素子101aの近傍の接地電極108に、上記従来の技術のバイアホール製造方法を適用できる。
図29〜図32は、上記文献に開示されている従来の半導体装置の製造工程を順に示している。
この製造工程は、まず、図29の断面図に示すように、接地電極108およびエミッタ電極111を形成し、エアブリッジ配線用パターンを有する第1のレジスト膜112を形成する。次に、第1の給電層113を、全面に形成する。
続いて、図30の断面図に示すように、バイアホール用のパターンを有する第2のレジスト膜114を形成する。続いて、図31の断面図に示すように、第2のレジスト膜114をマスクにして、上記第1の給電層113および基板115をエッチングし、バイアホール116を形成する。
続いて、図32の断面図に示すように、第2の給電層117を形成し、さらに、所定のパターンを有する第3のレジスト膜118をマスクとして電解メッキを行って、エアブリッジ配線119およびバイアホール116内の配線を一体化する。
次に、図33の断面図に示すように、上記基板115を支持基板(図示せず)に貼り付けた状態で、上記基板115の裏面を上記バイアホール116内のメッキ金属が露出する程度までエッチングし、さらに、全面に裏面電極120を形成して、図28に示すような化合物半導体MMICを完成させる。
特開平7−135210号公報
しかし、上記従来の技術では、エアブリッジ配線119で繋がれた各々の接地電極108には、単体のバイアホール116しか形成されていない。このため、バイアホール116の開口面積を変えずに、より接地インダクタンスを低減するには、バイアホール116の内に、より厚い金属膜をメッキする必要がある。
しかしながら、上記従来の技術では、エアブリッジ配線119を、バイアホール116内の金属膜と同時に、メッキし形成するので、エアブリッジ配線119をなすメッキ金属膜の厚さも厚くなってしまう。このため、第3のレジスト膜118も厚膜のネガレジストとすることが必要となる。
ところが、この第3のレジスト膜118に、厚膜のネガレジストを使用すると、アライメント精度が劣化する、細線パターンの開口が得にくいという問題が生じる。
したがって、エアブリッジ配線のように、アライメント精度が必要で、細線が必要な配線パターンには、厚膜のネガレジストの使用は適さない。その結果、バイアホール116内のメッキ金属厚を厚くできないこととなり、上記従来の技術では、バイアホールの接地インダクタンスの低減には限界がある。
そこで、エアブリッジ配線119をバイアホール116形成前に予め形成することも考えられる。
しかし、1個のバイアホール116の接地インダクタンスを低減するには、メッキ金属の厚膜化が必要であるから、エアブリッジ配線をなすメッキ金属膜厚とバイアホール116近傍のメッキ金属膜厚が大きく異なることとなる。このため、基板115の表面上での段差が大きくなり、上記支持基板に貼り付けた状態で基板115の裏面をエッチングする際、半導体基板115の一部に外力が集中する。その結果、半導体基板が割れたり、傾いてしまいエッチング後の基板厚の精度が出ないという問題点がある。
また、接地インダクタンスを低減するために、バイアホールの開口面積を大きくすると、MMICチップ面積の増大をもたらすこととなって、小型化に支障となる。
そこで、この発明の目的は、強度低下や寸法増大を抑えながら、バイアホールの接地インダクタンスを低減できる半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明の半導体装置の製造方法は、化合物半導体基板の一方の面に、接地電極を有する半導体装置を形成すると共に、上記化合物半導体基板にバイアホールを形成し、上記バイアホールを介して、上記半導体装置の上記接地電極と上記化合物半導体基板の他方の面上に設けられた電極とを導通するようにした半導体装置の製造方法において、
上記バイアホール内壁にメッキ金属層を形成する工程は、
上記バイアホールの開口部を含む、所定の開口を有する第1のレジストマスクを形成する第1の工程と、
上記第1のレジストマスクおよび上記半導体基板の上記一方の面の全面に金属膜を形成する工程と、
上記第1のレジストマスクの開口と略同じ寸法の開口を有し、上記第1のレジストマスクと同材質の第2のレジストマスクを形成する第2の工程とを含む。
上記バイアホール内壁にメッキ金属層を形成する工程は、
上記バイアホールの開口部を含む、所定の開口を有する第1のレジストマスクを形成する第1の工程と、
上記第1のレジストマスクおよび上記半導体基板の上記一方の面の全面に金属膜を形成する工程と、
上記第1のレジストマスクの開口と略同じ寸法の開口を有し、上記第1のレジストマスクと同材質の第2のレジストマスクを形成する第2の工程とを含む。
この発明の半導体装置の製造方法によれば、第1の工程で形成した第1のレジストマスク上に、上記第1のレジストマスクの開口と略同じ寸法の開口を有する第2のレジストマスクを形成するから、第2のレジストマスクとして比較的薄いレジストを使用しても、厚膜メッキすることが可能となる。しかも、薄いレジストを使用可能なことから、アライメント精度が劣化しない,細線の開口が精度良く得られるという効果がある。また、第1,第2のレジストマスクとして同種のレジストを使用するので、製造工程の工賃の上昇を最小限に抑制できる。
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記第1のレジストマスクと上記第2のレジストマスクを、日本ゼオン株式会社製ZPN1100レジストで形成する。
この実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記第1のレジストマスクと上記第2のレジストマスクとして採用した日本ゼオン社製ZPN1100レジストは、ベーク温度によって開口形状を変化させることができる上に、有機溶剤への耐性を変えることができる。
この発明の半導体装置の製造方法によれば、第1の工程で形成した第1のレジストマスク上に、上記第1のレジストマスクの開口と略同じ寸法の開口を有する第2のレジストマスクを形成するから、第2のレジストマスクとして比較的薄いレジストを使用しても、厚膜メッキすることが可能となる。しかも、薄いレジストを使用可能なことから、アライメント精度が劣化しない,細線の開口が精度良く得られるという効果がある。また、第1,第2のレジストマスクとして同種のレジストを使用するので、製造工程の工賃の上昇を最小限に抑制できる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基いて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1の平面図に、この発明の第1の実施の形態による半導体装置であるマイクロ波帯用増幅器GaAsMMICの構造を示す。この第1実施形態のマイクロ波帯用増幅器GaAsMMICは、第1のHBT素子1aと、第2のHBT素子1bと、第3のHBT素子1cと、MIMキャパシタ2と、スパイラルインダクタ3、抵抗素子4と、入力パッド電極5と、出力用パッド電極6と、HBT素子制御用パッド電極7a,7b、および接地電極8からなる。
図1の平面図に、この発明の第1の実施の形態による半導体装置であるマイクロ波帯用増幅器GaAsMMICの構造を示す。この第1実施形態のマイクロ波帯用増幅器GaAsMMICは、第1のHBT素子1aと、第2のHBT素子1bと、第3のHBT素子1cと、MIMキャパシタ2と、スパイラルインダクタ3、抵抗素子4と、入力パッド電極5と、出力用パッド電極6と、HBT素子制御用パッド電極7a,7b、および接地電極8からなる。
図2に、上記第1のHBT素子1aの接地電極8付近の断面を示す。図2に示すように、接地電極8は、下層接地電極9と上層接地電極10からなり、接地電極8には、3個のバイアホール11からなるバイアホール群12が形成されている。上層接地電極10から延びているメッキ金属10aは、上記3個のバイアホール11内に充填されていて、このメッキ金属10aは裏面電極13に接続されている。図1に示した各接地電極8は、この図2に示した接地電極8と同様の構造になっている。
図2に示すように、第1のHBT素子1aが有する複数のエミッタ電極14,14間を接続する空中配線15は、下層接地電極9に接続されるように形成され、この下層接地電極9から3つのバイアホール11からなるバイアホール群12内のメッキ金属10aを経由して、裏面電極13に接続されている。
この図2に示した第1のHBT素子1aの接地電極の構造は、図1に示した第2のHBT素子1b,第3のHBT素子1cも同様である。また、図1に示したその他の受動素子においても、接地が必要な受動素子(例えば、MIMキャパシタ2やスパイラルインダクタ3)は、図2に示したHBT素子1aと同様に、空中配線15が、接地電極8とバイアホール群12によって、裏面電極13に接続されている。
次に、図3〜図7を順に参照して、この発明の半導体装置の製造方法の実施形態として、図2に示す第1のHBT素子1aの接地電極の製造工程を説明する。
まず、図3に断面を示すように、厚さ600μmのGaAs基板16上に、複数のエミッタ電極14,14と、この複数のエミッタ電極14,14間を接続する空中配線15を形成する。なお、この基板16上には、あらかじめ下層接地電極9が形成されている。また、図3では、図を簡便化するために、エミッタ電極以外の電極を図示していない。
次に、図4に示すように、基板16上にポジレジストを塗布することによって、図2のバイアホール群12を形成する領域よりも若干開口面積の大きいレジストパターン17を形成する。次に、上記レジストパターン17上に、ポジレジストを塗布し、バイアホールを形成するレジストパターン18を形成し、ドライエッチングの耐性を高めるために、約90℃のポストベークを施す。
ところで、図2に示したバイアホール群12は、3個のバイアホール11からなり、各バイアホール11の開口形状は矩形であり、この矩形の開口は、短辺の寸法を13μmとし、長辺の寸法を65μmとした。図2の断面図および図1の平面図にも示すように、各バイアホール11は、長辺と直交して延びる短辺が延びる方向に3個ずつ並列に配置した。また、各バイアホール11間の間隔は13μmとした。
ここで、このバイアホール群12を形成する領域より若干開口面積の大きいレジストパターン17を形成する利点を説明する。
バイアホール群12を形成するためのレジストパターン18としては、長時間のエッチングを行うことができるように、厚膜レジストを使用する。しかし、このレジストパターン18を厚膜化すると、レジストパターン18が大面積の時に、レジストパターン18は、そのパターン形成中および形成後に、熱的な影響によってレジスト内部の応力が発生して変形する。このように、レジストパターン18が変形すると、バイアホールの開口寸法は、設計値に対して著しく拡大するという問題がおこる。
このレジストパターン18の変形は、レジストパターン18が厚膜で大面積であるほど、下地である基板16あるいは絶縁膜との接触面積が大きくなり、基板16あるいは絶縁膜と上記レジストパターン18との間の応力が大きくなるのが原因と考えられている。
この問題点を解決するためには、基板16とレジストパターン18との間の応力を低減する必要がある。そして、この応力を低減させるためには、基板16とレジストパターン18との接触面積を減らすことが効果的である。
我々が行った実験結果から、この実施形態のように、レジストパターン18の下地層として、他のレジストパターン17を形成することによって、レジストパターン18と基板16との間の応力を低減でき、レジストパターン18の変形を低減できることが分かった。
この実施の形態の製造方法では、レジストパターン17としては、住友化学社製PFI−25Aレジストを使用し、レジストパターン18としては、クラリアントジャパン社製AZP4903レジストを使用した。この住友化学社製PFI−25Aレジストは、その開口断面が熱等の外的要因により変形することなく、安定に形成することが可能で、上記レジストパターン17上にクラリアントジャパン社製AZP4903レジストからなるレジストパターン18を安定に塗布することが可能である。
また、クラリアントジャパン社製AZP4903からなるレジストパターン18は、半導体基板16との密着性が高いので、ドライエッチングによるサイドエッチングの影響を受け難い。このため、レジストパターン18の開口が狭い場合でも、マスクとしてのレジストパターン18の開口寸法に近いバイアホール11の開口幅を得ることが可能になる。
次に、バイアホール群12を形成する領域でのレジストパターン18をエッチングマスクにして、ICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置によって、ドライエッチングを行って、GaAs基板16をエッチングする。これにより、図5に示すように、3つのバイアホール11を形成する。この3つのバイアホール11がバイアホール群12を構成している。
このときのICPエッチング装置のエッチング条件は、混合ガスとして、Cl2(40sccm)+SiCl4(40sccm)を使用し、エッチング室の圧力を30Torrとし、基板温度条件を20℃として、エッチング時間を30分間とした。
このとき、バイアホ−ル11の基板全面における平均開口寸法(短辺×長辺)は、14μm×65μmであり、深さは約110μmであった。
上記工程で、ドライエッチング用のエッチングマスクを、レジストパターン17とレジストパターン18とからなる構造とすることによって、レジストパターン18の変形を最小限に抑制することができる。これにより、バイアホール11は、短辺方向の開口寸法において、上記エッチングマスクの開口寸法から約1μm程度のシフト量に低減できた。
また、レジストパターン18を約90℃でポストベークすることによって、GaAs基板16の材料であるGaAsとの選択比を大きく取ることができ、30分間のドライエッチングが可能となり、バイアホール11の深さを110μmと深くすることができた。
このGaAs基板16を裏面エッチングした後のGaAs基板16の厚さは、このバイアホール11の深さによって決定される。また、裏面エッチング後のGaAs基板16の強度を考慮すると、GaAs基板16の厚さは厚い方が好ましい。このことから、このバイアホール11は、深くエッチングすることが求められる。
次に、図6に示すように、メッキ保護用のレジストパターン19をネガレジストで形成し、このメッキ保護用のレジストパターン19は、メッキ時に、必要のない部分にメッキされることを防止するものである。
次に、全面に、メッキ給電用のTi/Auメタル給電層20を、スパッタにより全面に形成する。このとき、上記メッキ給電用のTi/Auメタル給電層20は、各々のバイアホール11の内壁にもスパッタされる。
次に、上層接地電極10を形成するためのレジストパターン21をネガレジストで形成する。次に、レジストパターンパターン21をマスクとして、電解メッキを行って、上層接地電極10を形成し、下層接地電極9と上層接地電極10とを一体化する。
ここで、バイアホール11の内壁は、Ti/Auメタル給電層20で覆われているから、この内壁のメタル給電層20は、上層接地電極10をメッキ形成する際のメッキ金属によって、メッキされる。そして、このメッキは、GaAs基板16上におけるバイアホール11の開口部がメッキ金属によって完全に閉塞するまで行う。
この実施の形態では、上層接地電極10のメッキ厚さが、約15μmのときに、バイアホール11のGaAs基板16上における開口部がメッキ金属で完全に閉塞された。
この実施の形態では、アスペクト比が非常に高いバイアホール11を形成しているので、上記メッキ時に、バイアホール11の開口部を完全に閉塞する必要がある。メッキ時間が短くて、バイアホール11の開口部が、メッキ金属でもって、完全に閉塞されていない場合には、バイアホール11の底に十分に厚いメッキ金属が形成できないことになる。この不完全な閉塞の場合、その後の、GaAs基板16の裏面エッチング工程において、裏面エッチングが過多になった場合に、裏面エッチングによって、バイアホール11の底のメッキ金属が消耗して、エッチング領域がメッキ金属を貫通してしまう。
上記裏面エッチングによるエッチング領域が、上記バイアホール11の底のメッキ金属を貫通すると、バイアホール11底に裏面電極13が形成されず、接地電極8の接地抵抗が増加するという問題が生じる。
また、上記バイアホール11の底のメッキ金属が、上記エッチングによって貫通された箇所から、GaAs基板16の表面に、実装時のダイボンド材が染み出して、GaAs基板16上に形成されたMMICを汚染するなどのMMICの実装不良が発生する。
したがって、上記メッキ時に、上記メッキ金属によって、GaAs基板16におけるバイアホール11の開口部を閉塞する必要があり、裏面エッチングの精度を向上させる必要がある。このためには、GaAs基板16の表面段差を低減する必要がある。そして、このためには、バイアホール11の開口の短辺の寸法を20μm以下にすることが有効である。
次に、図6に示すレジストパターン21を酸素アッシングして、レジストパターン21上のメッキ液による変質層を取り除き、アセトンなどの有機洗浄でレジストパターン21を剥離する。
次に、図7に示すように、メッキ給電用のTi/Auメタル給電層20をヨウ素系エッチャント,リン酸系エッチャントでエッチングする。次に、剥離液などにより、メッキ保護用のレジストパターン19を剥離する。
ここでは、メッキ保護用のレジストパターン19と、上層接地電極10を形成するためのレジストパターン21とを、ネガレジストで形成したが、その理由は、バイアホール11内のレジスト材を完全に除去するためである。
また、メッキ保護用のレジストパターン19については、上記レジストパターン19上にメタル給電層20を形成する必要があるので、図6に示すような順テーパ形状の開口断面が必要である。そこで、この実施形態では、レジストパターン19およびレジストパターン21として、日本ゼオン社製ZPN1100レジストを使用した。この日本ゼオン社製ZPN1100レジストによれば、120℃以上のベークによって、順テーパ形状の開口断面が得られる。
また、上層接地電極10を形成するためのレジストパターン21をアセトンなどの有機洗浄で剥離するので、メッキ保護用のレジストパターン19は有機溶剤に対する耐性が必要である。上記日本ゼオン社製ZPN1100レジスト(レジストパターン19)は、210℃でのベーク後、UV(ウルトラバイオレット)光を照射することによって、有機溶剤に対して耐性を確保でき、かつ、剥離液では容易に剥離できるという特徴を併せ持っている。
また、上層接地電極10を形成するためのレジストパターン21は、アセトンなどの有機洗浄による剥離が必要である。これに対し、上記日本ゼオン社製ZPN1100レジストは、ベーク温度90℃以下では、容易にアセトンなどの有機洗浄による剥離ができるという特徴がある。
また、メッキ保護用のレジストパターン19と、上層接地電極10を形成するためのレジストパターン21とを、同じレジスト材とすることによって、工程全体に占めるレジストの種類の増加を最低限に抑えることができる。また、特殊な剥離液を必要としないために、工程に要する費用の上昇を最小限に抑制できる。
次に、図2に示すように、上記GaAs基板16を支持基板(図示せず)に貼り付けた状態で、GaAs基板16の裏面をバイアホール11内の上層接地電極10用のメッキ金属10aが露出する程度までエッチングする。
さらに、全面に裏面電極13を形成して、MMICを完成させる。このとき、基板16の厚さは、約100μmであった。
さらに、このMMICをセラミック基板に実装した。ダイボンド材には銀ペーストを使用した。バイアホール11の開口部が上層接地電極10形成するためのメッキメタル10aによって完全に閉塞されているので、上記銀ペーストがバイアホール11内を通ってMMIC表面に染み出すといった実装不良は発生しなかった。
この実施の形態のバイアホール群12を配置した接地電極8の接地インダクタンスを、上記MMICと同時に形成したテストエレメントグループから測定した。その結果、接地インダクタンスは、8.5pH(ピコ・ヘンリー)であった。
一方、同面積の接地電極を形成できる単独のバイアホール(開口寸法65μm×65μm)を形成した接地電極の接地インダクタンスを上記MMICと同時に形成したテストエレメントグループから測定した。その結果、接地インダクタンス13.5pHであった。
この測定結果は、従来の単独のバイアホールの接地電極と比較して、単に、バイアホールを並列に配置した効果だけではないと考えられる。すなわち、この実施形態のように、微細なバイアホール11,11,11が近接して形成されるバイアホール群12を備えたことで、微細なバイアホール11内のメッキ金属10aが近接して形成されることとなり、その相互作用によって高周波的な電磁界結合が発生して、インダクタンスをより低減させたものと考えられる。
この実施形態によれば、微細な3個のバイアホール11からなるバイアホール群12を含んだ接地電極8を用いることによって、MMICの面積を変更することなく、約37%だけ接地インダクタンス低減することができた。この結果、この実施の形態のMMIC(図1参照)の2GHzにおけるゲインは、単独のバイアホールを配置した接地電極を有する従来技術のMMICと比較し、3dB向上した。
なお、この第1実施形態のMMICが有する接地電極8は、上述の製造方法によるものに限らず、上記電磁界結合によって接地インダクタンスを低減できる効果を得ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図9,図10を参照して、この発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態は、図9の平面図および図10の断面図に示すように、GaAs基板30に形成されたX個のバイアホール31からなる1つのバイアホール群32を備えている。上記X個のバイアホール31は、長方形の開口を有し、その開口の長辺と直交する方向に、各長辺が対向するように隣接して配列されている。そして、このX個のバイアホール31には、接地電極33をなす金属33aが充填されている。この金属33aはGaAs基板30の裏面に形成された裏面電極34に接続されている。このバイアホール31,接地電極33以外の構成は、例えば、前述の第1実施形態と同様であってよい。
次に、図9,図10を参照して、この発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態は、図9の平面図および図10の断面図に示すように、GaAs基板30に形成されたX個のバイアホール31からなる1つのバイアホール群32を備えている。上記X個のバイアホール31は、長方形の開口を有し、その開口の長辺と直交する方向に、各長辺が対向するように隣接して配列されている。そして、このX個のバイアホール31には、接地電極33をなす金属33aが充填されている。この金属33aはGaAs基板30の裏面に形成された裏面電極34に接続されている。このバイアホール31,接地電極33以外の構成は、例えば、前述の第1実施形態と同様であってよい。
(実験例)
この第2実施形態において、上記バイアホール群32に含まれるバイアホール31の個数Xをパラメータとした接地電極33のテストエレメントグループを作製し、その接地電極33のインダクタンスを測定した。
この第2実施形態において、上記バイアホール群32に含まれるバイアホール31の個数Xをパラメータとした接地電極33のテストエレメントグループを作製し、その接地電極33のインダクタンスを測定した。
なお、上記バイアホール31の単体の開口寸法は、短辺×長辺が、13μm×65μmとした、また、各々バイアホール31間の対向する長辺間の距離を13μmとした。接地電極33は、バイアホール31の長辺方向の寸法を75μmとし、短辺方向の寸法を、{5μm+(13μm×X個)+[13μm×(X個−1)]+5μm}とした。このときのXは、バイアホール群32に含まれるGaAs基板30上に開口を有するバイアホール31の個数Xである。
また、接地電極33のメッキ金属の厚さは、12μmとした。また、最終的に、GaAs基板30の裏面をGaAs基板厚さ100μmまでエッチングし、裏面電極34としては、Auメッキ金属を厚さ20μmだけメッキした。
図8に、上記バイアホール群32に含まれるバイアホール31の個数Xをパラメータとした、テストエレメントグループの接地電極33の接地インダクタンス実測値を示す。図8に示すように、バイアホール群32が単独の1個のバイアホール31からなる場合の接地電極のインダクタンスに比べて、バイアホール群32が2個のバイアホール31を含む接地電極のインダクタンスは、50%以下に低減できていることが分かる。
これは、バイアホール群32に含まれるバイアホール31の個数が、単に1個から、その2倍の2個に増加しただけの効果では説明がつかない。つまり、バイアホール31内のメッキ金属33aが近接して形成されるので、電磁界結合により、インダクタンスを低減させる効果があると考えられる。
しかし、図8に示すように、バイアホール31の個数が3個までは、単にバイアホールの個数Xが増えた効果以上の電磁界結合によるインダクタンスの低減効果があることが分かったが、個数Xが4個以上ではそれが顕著に表れなかった。
なお、追加の実験によれば、この電磁界結合と思われる効果は、バイアホール単体のGaAs基板上における開口寸法、接地電極メッキメタル厚さ、基板厚さに依存しなかった。バイアホール群に含まれるバイアホールの数が増加するほど、接地電極の大きさが大きくなることを考慮すると、バイアホール群に含まれるバイアホールの数は、2個あるいは3個がより望ましい。
(第3の実施の形態)
次に、図12および図13を参照して、この発明の第3実施形態が備える接地電極43とバイアホール群42の構造を説明する。この第3実施形態では、GaAs基板40に2つのバイアホール41,41が形成され、この2つのバイアホール41がバイアホール群42を構成している。また、接地電極43は、上記GaAs基板40上に、矩形状に形成されて、上記バイアホール群42を覆い、バイアホール41内に充填された金属43aを含んでいる。また、GaAs基板40の裏面には裏面電極44が形成され、この裏面電極44は、上記バイアホール41内に充填された金属(メッキメタル)43aに接続されている。このバイアホール41,接地電極43以外の構成は、例えば、前述の第1実施形態と同様であってよい。
次に、図12および図13を参照して、この発明の第3実施形態が備える接地電極43とバイアホール群42の構造を説明する。この第3実施形態では、GaAs基板40に2つのバイアホール41,41が形成され、この2つのバイアホール41がバイアホール群42を構成している。また、接地電極43は、上記GaAs基板40上に、矩形状に形成されて、上記バイアホール群42を覆い、バイアホール41内に充填された金属43aを含んでいる。また、GaAs基板40の裏面には裏面電極44が形成され、この裏面電極44は、上記バイアホール41内に充填された金属(メッキメタル)43aに接続されている。このバイアホール41,接地電極43以外の構成は、例えば、前述の第1実施形態と同様であってよい。
(実験例)
この第3実施形態において、上記2個のバイアホール41の短辺方向の間隔をパラメータにしたテストエレメントグループを作製し、その接地電極43のインダクタンスを測定した。
この第3実施形態において、上記2個のバイアホール41の短辺方向の間隔をパラメータにしたテストエレメントグループを作製し、その接地電極43のインダクタンスを測定した。
なお、図12の平面図に示すように、バイアホール41単体の開口寸法は、短辺×長辺を13μm×65μmとした。また、バイアホール41間の間隔を、パラメータYμmとした。また、接地電極43は、バイアホール41の長辺方向の寸法を75μmとし、バイアホール41の短辺方向の寸法を、{5μm+13μm+Yμm+13μm+5μm}とした。このときの寸法Yμmは、2個のバイアホール41の対向する長辺間の距離である。また、接地電極43のメッキメタル厚さを、12μmとした。また、最終的に、GaAs基板40の裏面をエッチングし、GaAs基板40の厚さを100μmとし、裏面電極44としては、Auメッキメタルを厚さ20μmだけメッキした。
図11に、2個のバイアホール41の対向する長辺間の距離Yμmをパラメータにしたテストエレメントグループのインダクタンス実測値を示す。
図11に示すように、2個のバイアホール41間の距離Yを、20μm未満にすることによって、接地電極43のインダクタンス低減に、特別に大きな効果があるが分かる。これは、距離Yを20μm未満にすることで、GaAs基板43内で、2個のバイアホール41内のメッキメタル43aが非常に近接して、電磁界的な結合がかなり強くなっている状態であると考えられる。
一方、2個のバイアホール41間の距離Yを、20μm以上50μm以下に設定した場合には、接地電極43のインダクタンスは、バイアホール41間の距離に対する依存が比較的薄くなる。この実験結果から、このような距離Yでは、各バイアホール41内のメッキメタル43a間の電磁界的な結合が弱くなっている状態であると考えられる。しかしながら、この電磁界結合によるインダクタンスの低減効果は、インダクタンスの絶対値としては十分であり、かつ、バイアホール41間の距離Yの依存性が小さいので、この領域(20μm〜50μm)では、距離Yの設定を自由にできるというメリットをもたらす。
さらに、上記2個のバイアホール41の間の距離Yを60μm以上に設定すると、2つのバイアホール41内の金属(メッキメタル)43a間の電磁界結合がほとんどなくなり、インダクタンスの低減に関して、複数のバイアホール41を配置するというメリットはなくなると考えられる。
(第4の実施の形態)
次に、図14の平面図に、この発明の実施形態としてのミリ波帯用高調波ミキサGaAsMMIC半導体装置の構造を示す。この半導体装置は、マイクロストリップ線路を用い、先端短絡スタブ接続点である接地電極に特徴がある。
次に、図14の平面図に、この発明の実施形態としてのミリ波帯用高調波ミキサGaAsMMIC半導体装置の構造を示す。この半導体装置は、マイクロストリップ線路を用い、先端短絡スタブ接続点である接地電極に特徴がある。
この第4実施形態のGaAsMMICは、図14に示すように、ダイオードの極性をそれぞれ逆にして並列接続したアンチパラレルダイオード(APDP)51と先端短絡スタブ52と先端開放スタブ53と第1の伝送線路54と第2の伝送線路55と中間周波信号用の伝送線路56と高周波信号用伝送線路57とプローブ用電極58と局発信号用伝送線路59、およびMIMキャパシタ60からなる。例えば、上記先端短絡スタブ52は、その先端が接地電極パッド61と、2個のバイアホール62からなるバイアホール群63を介して、裏面電極50(図20参照)と一体化形成されている。
次に、図15〜図20の断面図を順に参照して、この実施形態の半導体装置が有するバイアホール群63および接地電極パッド61の周辺領域における製造方法を説明する。
図15に、上記先端短絡スタブ52の一部と、その先端部をのみを示す。この図15に示した状態では、裏面電極50およびバイアホール62を配置した接地電極パッド61,プローブ用電極58以外は形成されている。図15に示すように、厚さ600μmのGaAs基板64上に、先端短絡スタブ52が形成され、この先端短絡スタブ上および上記基板64上には、絶縁膜65が形成されている。
次に、図16に示すように、ポジレジスト塗布し、バイアホール群を形成する領域より若干開口面積の大きいレジストパターン66を形成する。
引き続き、上記レジストパターン66上に、ポジレジストを塗布し、バイアホールを形成するためのレジストパターン67を形成し、ドライエッチングの耐性を高めるために、約110℃のポストエキスポージャベーク(PEB)を施す。
上述したバイアホール群63は、図14に示すように、2個のバイアホール62からなり、各バイアホール62の開口は、矩形(長方形)とし、その短辺×長辺を20μm×60μmとした。また、各バイアホール62は、その開口の短辺が延在する方向つまり長辺に直交する方向に、各長辺が対向するように並列に配置されている。また、各バイアホール62の対向する長辺間の距離を20μmとした。
上記したように、このバイアホール群63を形成する領域よりも、若干、開口面積の大きいレジストパターン66を形成する利点を次に述べる。
バイアホール62を形成するためのレジストパターン67は、長時間のエッチングが行えるように、厚膜レジストを使用する。しかし、このレジストパターン67は、厚膜化したために、レジストパターン67が大面積となると、そのレジストパターン67の形成中および形成後に、熱的な影響によって、レジスト内部の応力により変形する。
このレジストパターン67が変形すると、バイアホール62の開口寸法が設計値に対して著しく拡大してしまう。これは、厚膜のレジストパターン67が大面積なほど、下地である基板64あるいは絶縁膜との接触する面積が大きくなり、基板64あるいは絶縁膜と上記レジストパターン67との間の応力が大きくなるのが原因と考えている。したがって、このレジストパターン67が変形しないようにするためには、基板64とレジストパターン67との応力を低減する必要がある。上記レジストパターン67の応力を低減させるには、基板64とレジストパターン67との接触面積を減らすのが効果的である。
我々の実験の結果、レジストパターン67の下地として他のレジストを使用することによって、応力を低減でき、レジストパターン67の変形を低減できることが分かった。
この実施の形態では、レジストパターン66として東京応化工業社製OFPR800 150CPレジストを使用し、レジストパターン67として、クラリアントジャパン社製AZP4903レジストを使用した。この東京応化工業社製OFPR800 150CPレジストは、過剰露光,過剰現像することによって、レジストパターン66の形状を順テーパ形状の開口断面形状を得ることが容易なので、レジストパターン67との応力を効果的に緩和することが可能になる。また、クラリアントジャパン社製AZP4903レジストの特徴は上述した通りである。
次に、バイアホール群63を形成する領域でのレジストパターン67をマスクにし、ICPエッチング装置によってGaAs基板64をドライエッチングして、図17に示すように、2つのバイアホール62をそれぞれ形成する。
このときのICPエッチング装置のエッチング条件は、Cl2(40sccm)+SiCl4(40sccm)混合ガスを使用し、エッチング室の圧力を30Torrとし、基板温度が20℃の条件で、エッチング時間が30分間である。
ここで、バイアホ−ル62は、基板64の全面における平均開口寸法を、短辺×長辺を20μm×60μmとし、深さを約125μmとした。上記エッチング工程で、ドライエッチング用のマスクとして、レジストパターン66とレジストパターン67との二層構造を取ることによって、レジストパターン67とレジストパターン66との間の応力を効果的に緩和でき、レジストパターン67の形状が変化することを防いで、バイアホール62の開口寸法を、レジストマスク67の開口寸法とほぼ同じにサイズに形成することができた。
こうして、バイアホール62の開口寸法を、レジストマスク67の開口寸法に対して、シフト無く形成できることによって、バイアホール62のインダクタンスを設計値通りの値にすることができ、所望の特性をもつMMIC半導体装置を製造でき、歩留り向上へ繋がる。
また、レジストパターン66を、約110℃でPEB(ポストエクスポージャベーク)することによって、GaAs基板64の材料であるGaAsとの選択比をある程度大きく取ることができる。これにより、バイアホール62を形成するための30分間のドライエッチングが可能となり、バイアホール62の深さを125μmと深くすることができた。ちなみに、バイアホール62の深さは、GaAs基板64のエッチング後のGaAs基板64厚を決定するので、基板64の強度を考慮すると深くエッチングする必要がある。
そして、上記ドライエッチングの後、レジストパターン66およびレジストパターン67は、剥離液などにより剥離する。
続いて、図18に示すように、メッキ時に、必要のない部分にメッキされるのを防止するために、絶縁膜65,基板64の上に、メッキ保護用のレジストパターン68をネガレジストで形成する。その後、全面に、メッキ給電用のTi/Auメタル給電層69をスパッタにより全面に形成し、再び、接地電極パッド61を形成するためのレジストパターン70をネガレジストで形成する。
次に、接地電極パッド61を形成するためのレジストパターン70をマスクとして、電解メッキを行って、接地電極パッド61を形成し、この接地電極パッド61を先端短絡スタブ52と接続する。なお、この第4実施形態では、上記接地電極パッド61と同時にプローブ用電極パッド58が一体化形成されている。
また、上記バイアホール62の内壁に、メッキ給電用のTi/Auメタル給電層69がスパッタされているので、上記電解メッキによって接地電極パッド61をメッキ形成する時に、バイアホール62の内壁はメッキ金属によりメッキされる。
この第4実施形態では、前述の実施形態と同様に、バイアホール62の開口部が完全に閉塞するまで、電解メッキを続ける。この第4実施形態では、接地電極パッド61のメッキ厚さが約20μmとすることで、バイアホール62の開口部が完全に閉塞した。
次に、図18に示す接地電極パッド61とプローブ用電極58を形成するためのレジストパターン70を酸素アッシングし、レジストパターン70のメッキ液による変質層を取り除き、アセトンなどの有機洗浄で剥離する。
次に、メッキ給電用のTi/Auメタル給電層69をヨウ素系エッチャント,リン酸系エッチャントでエッチングする。次に、剥離液などによりメッキ保護用のレジストパターン68を剥離する。これにより、図19に示す構造となる。
この実施形態では、図18に示すメッキ保護用のレジストパターン68と接地電極パッド61を形成するためのレジストパターン70を、ネガレジストで形成したが、これは、バイアホール62内のレジスト材を完全に除去するためである。
次に、図20に示すように、GaAs基板64を支持基板に貼り付けた状態で、GaAs基板64の裏面を、バイアホール62内にメッキされたメタル給電層69が露出する程度までエッチングする。さらに、GaAs基板64の裏面全面に裏面電極50を形成し、この裏面電極50を、バイアホール62内のメッキ金属61aと接続し、MMICを完成させる。このとき、GaAs基板64の厚さは約100μmであった。
さらに、このMMICをセラミック基板に実装した。ダイボンド材には銀ペーストを使用した。この実施形態によれば、バイアホール62がメッキ金属61aで充填されていることから、銀ペーストが染み出すなどの実装不良はなかった。
この第4実施形態のバイアホール群63を有する接地電極パッド61の接地インダクタンスを、上記MMICと同時に形成したテストエレメントグループから測定した。その結果、11pH(ピコヘンリー)であり、従来の単一バイアホールを有する接地電極に比べて、十分に低減できた。
この実施形態のミリ波帯用高調波ミキサMMICに、1GHzの中間周波信号を入力し、出力として60GHzの高周波信号を取り出すアップコンバータとして機能させた時の特性を測定した。その結果、実使用の中間周波信号の入力電力範囲で、従来の構成と比較して、2dB以上の高周波信号の出力電力を得ることができた。これは、この実施形態の接地電極パッド61を先端短絡スタブ52に用いたことによって、接地インダクタンスを所望の値にすることができ、かつ、十分に低減できたことによって、この実施形態のMMICからなるミキサは、変換損が十分小さく、出力が向上したものと考えられる。
(第5の実施の形態)
次に、図21の平面図に、この発明の第5実施形態の半導体装置であるミリ波帯用増幅器GaAsMMICの構造を示す。
次に、図21の平面図に、この発明の第5実施形態の半導体装置であるミリ波帯用増幅器GaAsMMICの構造を示す。
図21に示すように、この実施の形態のGaAsMMICは、第1の伝送線路71と、第2の伝送線路72と、HBT素子73と、バイアホール群74と、高周波プローブ用パッド電極75と、MIMキャパシタ76と、抵抗素子77と、先端開放スタブ78と、先端短絡用伝送線路79などからなる。
図22に、上記ミリ波帯用GaAsMMICのHBT素子73の周辺部分のみを拡大した平面構造を示し、図23の断面図に、HBT素子73の周辺部分の断面構造を示す。
この実施の形態のGaAsMMICのHBT素子73は、図22に示すように、2個の単体HBT素子73a,73bからなる。このHBT素子73a,73bは、それぞれ、1本のエミッタ電極81を有する。
単体のHBT素子73a,73bは、それぞれ、1本のエミッタ電極81と2本のベース電極82と、2本のコレクタ電極83から構成される。
図23に示すように、この2個の単体HBT素子73a,73bは、それぞれのエミッタ電極81が、エミッタ配線85で接続されている。また、図22に示すように、それぞれのベース電極82が、ベース配線86で接続されている。また、図22に示すように、それぞれのコレクタ電極83が、コレクタ配線87によって接続されている。これにより、HBT素子73aと73bは、並列に接続されている。
また、HBT素子73は、2個のバイアホール84からなるバイアホール群74と、単体HBT素子73aと73bとの間に配置された2個の素子間バイアホール88,88からなる素子間バイアホール群89とを有している。
また、図23に示すように、単体HBT素子73a,73bの2本のエミッタ電極81間を接続するエミッタ配線85は、接地電極91と素子間接地電極92とに一体化形成されている。この接地電極91は、裏面電極90に接続する2個のバイアホール84からなるバイアホール群74を有する。また、上記素子間接地電極92は、裏面電極90に接続する2個の素子間バイアホール88からなる素子間バイアホール群89を有する。
また、エミッタ配線85は、ポリイミドパターン93によって、ベース電極82およびコレクタ電極83に対して、空間的に分離されている。
次に、図24〜図27の断面図を順に参照して、この第5実施形態の製造方法をさらに詳細に説明する。
まず、図24に示すように、厚さ600μmのGaAs基板80上に、階段形状の2つのメサ80A,80Bが形成され、このメサ80A,80Bに、それぞれ、エミッタ電極81とベース電極82とコレクタ電極83および、ベース配線,コレクタ配線が形成される。
次に、図25に示すように、上記基板80のメサ80A,80B上に、ポリイミドを塗布し、エミッタ電極81上を除いて、単体HBT素子全体を覆うようなポリイミドパターン93を形成する。その後、熱処理を行うことによって、このポリイミドパターン93の断面形状を滑らかにする。次に、ポジレジストを塗布し、バイアホール84を形成するためのレジストパターン94を形成する。
次に、ドライエッチングの耐性を高めるために、レジストパターン94に対して、約110℃のポストエクスポージャベーク(PEB)を施す。
ところで、上記バイアホール群74は、それぞれ、2個のバイアホール84からなり、各バイアホール84の開口寸法は、短辺×長辺を10μm×60μmの矩形とした。また、各バイアホール84は、その開口の短辺が延在する方向(すなわち長辺と直交する方向)に、2個並列に配置されて、長辺同士が対向している。また、各2個のバイアホール84は、その対向する2つの長辺間の距離を10μmとした。
また、上記素子間のバイアホール88の開口は、その短辺×長辺の寸法を、10μm×20μmとした。また、各素子間バイアホール88は、その開口の短辺が延在する方向に2個並列に配置して、その長辺同士を対向させた。また、各素子間バイアホール88,88の対向する長辺間の距離を10μmとした。
ところで、上記ポリイミドパターン93を形成する理由を、次に説明する。このポリイミドパターン93の存在によって、レジストパターン94用のポジレジストをポリイミドパターン93上に溜めることができる。これにより、素子間バイアホール群89を形成する領域でのレジストパターン94厚さを厚くすることができ、他の領域を薄くすることができる。したがって、レジストパターン94内の応力が小さくなり、レジストパターン94の形成中、および形成後のレジストパターン94の変形を抑制できる。その上、ドライエッチング時間を長くすることができる。
これにより、素子間バイアホール88,88は、その開口寸法はレジストパターン94に対してシフトが少なく、深さが深いバイアホール開口形状を得ることができる。
次に、バイアホール群74,素子間バイアホール群89を形成する領域でのレジストパターン94をマスクにし、ICPエッチング装置により、ドライエッチングすることによって、図26に示すように、バイアホール84,素子間バイアホール88をそれぞれ形成する。
このときのICPのエッチング条件としては、Cl2(40sccm)+SiCl4(40sccm)混合ガスを使用し、エッチング室の圧力を30Torrとし、基板温度20℃の条件で、エッチング時間を30分間とした。
ここで、バイアホール84の基板全面における平均開口寸法は、短辺×長辺が11μm×60μmであり、深さは約90μmであった。また、素子間バイアホールの基板全面における平均開口寸法は、短辺×長辺が11μm×20μmであり、深さは約80μmであった。
また、上記エッチング工程において、ドライエッチング用のマスクを、ポリイミドパターン93とレジストパターン94との二層構造としたことによって、バイアホール84および素子間バイアホール88は、その開口寸法において、短辺方向にのみ、マスクの開口寸法から約1μm程度のシフト量に低減できた。
特に、素子間バイアホール88については、単体HBT素子73a,73bに近接しているために、マスクサイズからのシフト量が少ないことは重要である。また、レジストパターン94を、約110℃でPEB(ポストエキスポージャベーク)することによって、基板80の材料であるGaAsとの選択比を大きく取ることができ、30分間のドライエッチングが可能となる。これにより、素子間バイアホール88の深さを80μmと深くすることができた。バイアホールの深さは、基板80のエッチング後の基板80の厚さを決定するので、基板80の強度を考慮すると、バイアホールを深くエッチングすることが望まれている。
上記ドライエッチングの後、レジストパターン94を剥離液などで除去する。このとき、ポリイミドパターン93は、専用剥離液以外では除去できないので、図26に示すように、単体のHBT素子73a,73bを覆った状態で残る。
次に、図27に示すように、メッキ時に必要のない部分にメッキされるのを防止するために、メッキ保護用のレジストパターン95をネガレジストで形成する。その後、全面に、メッキ給電用のTi/Auメタル給電層(図示せず)を回転基板ホルダを使用した真空蒸着法によって全面に形成し、再び、上記レジストパターン95上に、エミッタ配線85,接地電極91,素子間接地電極92を形成するためのレジストパターン96をネガレジストで形成する。ここで、メッキ給電用のTi/Auメタル給電層を形成するのに、真空蒸着法を用いたことによって、スパッタ法に比べて、メッキ保護用のレジストパターン95に与えるダメージを低減できるという効果がある。
次に、レジストパターン96をマスクとして電解メッキを行い、エミッタ配線85,接地電極91,素子間接地電極92を形成する。これにより、エミッタ電極81とエミッタ配線85を一体化する。また、接地電極91で各バイアホール84を接続し、素子間接地電極92で、各素子間バイアホール88を接続し一体化する。
この電解メッキ時に、各バイアホール84,素子間バイアホール88のそれぞれの開口部が完全に閉塞するまで、メッキを続ける。この第5実施形態では、接地電極91,92のメッキ厚さが、約12μmでもって、各バイアホール84,素子間バイアホール88の開口部が完全に閉塞した。
ここで、この各バイアホール84,素子間バイアホール88の開口部を完全に閉塞しないと、各バイアホール84,素子間バイアホール88の底に裏面電極90が形成されない場合がある。この場合、接地インダクタンスが高くなる特性不良や、各バイアホール84,88を介したダイボンド材の染み出しによる実装不良等の問題が発生する。
なお、各バイアホール84,素子間バイアホール88の開口部を閉塞して、基板80の表面の段差を低減するには、バイアホール84,88の開口寸法を20μm以下にすることが有効である。
次に、図27に示すレジストパターン96およびレジストパターン95を剥離する。
次に、図23に示すように、上記基板80を支持基板(図示せず)に貼り付けた状態で、上記基板80の裏面を、素子間バイアホール88内のメッキ金属92aが露出する程度までエッチングし、さらに、裏面全面に裏面電極90を形成して、この実施形態のMMICを完成させる。このとき、基板80の厚さは約80μmであった。
さらに、このMMICを、セラミック基板に実装した。ダイボンド材には銀ペーストを使用した。この第5実施形態では、バイアホール84,88の開口部がメッキ金属91a,92aによって完全に閉塞されているので、銀ペーストがバイアホール84,88内から染み出してMMIC表面に回り込むといった実装不良は発生しなかった。
この第5実施形態のバイアホール群74を有する接地電極91および素子間バイアホール群89を有する素子間接地電極92のインダクタンスを上記MMICと同時に形成したテストエレメントグループから測定した。その結果、バイアホール群74を有する接地電極91の接地インダクタンスは12pHであった。また、素子間バイアホール群89を有する接地電極92の接地インダクタンスは、35pHであった。
また、単体HBT素子73aと73bからなるHBT素子73としての接地インダクタンスは、単体HBT素子73aと73bの中心間の間隔を55μmとして、約8pHであった。これにより、この第5実施形態のMMICの60GHzでの小信号でのゲインは、約15dBと非常に高い値が得られた。
なお、上記素子間バイアホール群89を3個の素子間バイアホール88で構成した場合には、HBT素子の接地インダクタンスは、単体HBT素子中心間の間隔を75μmとしたときに、9pHであった。また、上記素子間バイアホール89を4個の素子間バイアホール88で構成した場合には、HBT素子の接地インダクタンスは、単体HBT素子中心間の間隔を95μmとしたときに、8pHであった。
この第5実施形態のように、複数の3端子能動素子間の接地電極91,92が、上記のような複数のバイアホール84,88を有するように形成することは、単体のHBT素子73a,73bの中心間の間隔が広がったにもかかわらず、接地インダクタンスの増加を最小限に抑制できる効果がある。しかも、このように、発熱体である単体HBT素子73a,73bの中心間の間隔を広げるということは、熱抵抗の低減に繋がり、HBT素子73ひいては、MMICの信頼性をより向上できるという効果がある。
例えば、マイクロ波帯用の増幅器に使用されるHBT素子は、約20kA/cm2程度の電流密度で動作したときに、その所望の特性を満足することができるが、ミリ波帯用の増幅器においては、約100kA/cm2程度の高電流密度で動作させて、はじめて、その所望の特性を満足させることが可能となる。このように、ミリ波帯用のHBT素子は、マイクロ波帯用のHBT素子の約5倍の電流密度で動作させるので、従来においては、上記ミリ波帯用のHBT素子それぞれの内部のジャンクション温度が上昇し、故障が発生していた。
そこで、上記ジャンクション温度の低減には、それぞれのHBT素子の中心間隔を広げることによって、それぞれのHBT素子から発生する熱の相互作用を低減させることが必要となる。
従来、実際に、例えば、特開平8−279562号公報には、複数のHBT素子の間にバイアホールを設け、インダクタンスを低減すると共に、熱抵抗を低減することが記載されている。
しかし、ミリ波帯用MMICのように、非常に高い周波数での使用においては、HBT素子間に単体のバイアホールを形成しただけではインダクタンスの低減は十分ではなく、熱抵抗の低減においても、裏面電極からの放熱に関し、MMICとパッケージ材の間に介在するダイボンド材の熱抵抗が高いために、結局は、ミリ波帯においては実使用には耐えられなかった。
そこで、裏面電極からの放熱に頼ることなく、ジャンクション温度を低減するには、発熱体であるHBT素子の素子中心間隔をより広げることが必要であり、かつ、上記HBT素子の素子中心間隔を広げたことによるインダクタンスを低減する必要があった。
そこで、この第5実施形態によれば、十分に実使用に耐えうるようにHBT素子の素子中心距離を広げても、適切なバイアホール群を配置することによって、インダクタンスの増加を最小限にまで低減することが可能となる。
ミリ波帯用HBT素子のように、良好な高周波特性を得るために、高電流密度動作が必要な素子では、低い接地インダクタンスと、低い熱抵抗の実現が不可欠であり、この実施の形態のような構成が有利である。
(第6の実施の形態)
次に、図34の平面図に、この発明の第6の実施形態の半導体装置であるマイクロ波帯あるいは準マイクロ波帯用増幅器GaAsMMICの構造を示す。この第6の実施形態のマイクロ波帯あるいは準マイクロ波帯用増幅器GaAsMMICは、第1のHBT素子201と、第2のHBT素子202と、第3のHBT素子203とを備える。また、この第6実施形態は、MIMキャパシタ204と、スパイラルインダクタ205と、抵抗素子206と、入力パッド電極207と、出力用パッド電極208と、HBT素子制御用パッド電極209a,209b,209cおよび接地電極221からなる。
次に、図34の平面図に、この発明の第6の実施形態の半導体装置であるマイクロ波帯あるいは準マイクロ波帯用増幅器GaAsMMICの構造を示す。この第6の実施形態のマイクロ波帯あるいは準マイクロ波帯用増幅器GaAsMMICは、第1のHBT素子201と、第2のHBT素子202と、第3のHBT素子203とを備える。また、この第6実施形態は、MIMキャパシタ204と、スパイラルインダクタ205と、抵抗素子206と、入力パッド電極207と、出力用パッド電極208と、HBT素子制御用パッド電極209a,209b,209cおよび接地電極221からなる。
次に、図35に、この第6実施形態が備える第2のHBT素子202の周辺部分のみを拡大した平面構造を示し、図36に、上記第2のHBT素子202の周辺部のみを拡大した断面構造を示す。
図36に示すように、この第6実施形態が有する第2のHBT素子202は、2個の単体HBT素子202aと202bからなる。この単体HBT素子202a,202bは、それぞれ1本のエミッタ電極211を有する。
なお、この第6実施形態においては、第2のHBT素子202が、2個の単体HBT素子からなる一例を示したが、上記単体HBT素子数は用途により最適な単体HBT素子数が選択される。本実施形態では、説明の簡単化のために第2のHBT素子202が最小個数である2個の単体HBT素子からなる一例で説明する。
図35および図36に示すように、上記単体のHBT素子202a,202bは、それぞれ、1本のエミッタ電極211と、2本のベース電極212と、2本のコレクタ電極213とから構成される。
図36に示すように、上記第2のHBT素子202では、エミッタ配線215と素子間接地電極222でもって、単体HBT素子202aのエミッタ電極211が、単体HBT素子202bのエミッタ電極211に接続されている。また、図35に示すように、単体HBT素子202a,202bのそれぞれのベース電極212,212は、ベース配線242で接続されている。また、単体HBT素子202a,202bのそれぞれのコレクタ電極213,213は、コレクタ配線243によって接続されている。これらのエミッタ配線215,ベース配線242,コレクタ配線243により、単体HBT素子202aと202bは、並列に接続されている。
また、この第2のHBT素子202は、半導体基板としてのGaAs基板200に形成された長方形のバイアホール214,214を有する。この長方形のバイアホール214は、その内周面214Aに金属膜としてのメッキ金属膜301が形成され、このメッキ金属膜301は、バイアホール214内からGaAs基板200上に開口している長方形の開口部300を有する。また、上記GaAs基板200は、単体HBT素子202aと202bとの間に形成された素子間長方形バイアホール218を有する。この素子間長方形バイアホール218は、その内周面218Aに素子間接地電極222に連なるメッキ金属膜301が形成され、このメッキ金属膜301は、バイアホール218内からGaAs基板200上に開口している長方形の開口部305を有する。図35,図36に示すように、上記長方形の開口部300,305の短辺300A,305Aの寸法をW300,W305とした。
図36に示すように、単体HBT素子202a,202bの2本のエミッタ電極211,211間を接続するエミッタ配線215は、接地電極221と素子間接地電極222とに一体化するように形成されている。この接地電極221は、長方形のバイアホール214を貫通するメッキ金属膜301でもって、裏面電極220に接続している。また、上記素子間接地電極222は、長方形バイアホール218を貫通するメッキ金属膜301でもって、裏面電極220に接続している。
また、エミッタ配線215は、ポリイミドパターン223によって、ベース電極212とコレクタ電極213に対して、空間的に分離されている。この実施形態では、上記接地電極221のほぼ中央と素子間接地電極222のほぼ中央に各1個のバイアホール214,218を配置した。
次に、図37〜40の断面図を順に参照して、この第6実施形態の製造方法を更に詳細に説明する。
まず、図37に示すように、厚さ600μmのGaAs基板200上に、階段形状の2つのメサ200Aおよび200Bを形成する。そして、このメサ200A,200Bの突出部200Aa,200Bbの突出部200Aaa,200Bbb上に、それぞれ、エミッタ電極211,211を形成し、突出部200Aa,200Bb上にベース電極212,212を形成する。また、上記突出部200Aa,200Bbの両脇のメサ200A,200Bに、コレクタ電極213,213を形成する。
さらに、メサ200Aに形成されたベース電極212とメサ200Bに形成されたベース電極212とを接続するベース配線242を形成し、メサ200Aに形成されたコレクタ電極213とメサ200Bに形成されたコレクタ電極213とを接続するコレクタ配線243を形成する。
次に、図38に示すように、上記GaAs基板200のメサ200A,200B上にポリイミドを塗布し、エミッタ電極211上を除いて、単体HBT素子202a,202bの全体を覆うようなポリイミドパターン223を形成する。その後、熱処理を行うことによって、ポリイミドパターン223の断面形状を滑らかにする。次にポジレジストを塗布し、バイアホール214,218を形成するためのレジストパターン224を形成する。
次に、ドライエッチングの耐性を高めるために、レジストパターン224に対して、約110℃のポストエクスポージャベーク(PEB)を施す。
この実施形態では、上記バイアホール形成用のレジストパターン224の開口寸法を、25μm×40μmの長方形とした。
次に、レジストパターン224をマスクにし、ICPエッチング装置によりドライエッチングすることによって、図39に示すように、長方形バイアホール214,214および素子間長方形バイアホール218を形成する。
このときのICPエッチング装置のエッチング条件は、Cl2(50sccm)+SiCl4(30sccm)混合ガスを使用し、エッチング室の圧力を30Torrとし、基板温度20℃の条件で、エッチング時間を25分間とした。
このエッチングによる長方形バイアホ−ル214の開口寸法としては、基板200の全面における平均開口寸法が、28μm×43μmであり、その深さは約150μmであった。また、素子間長方形バイアホ−ル218のGaAs基板200の全面における開口寸法も、長方形バイアホ−ル214の開口寸法と同じであった。
上記ドライエッチングの後、レジストパターン224を剥離液などで除去する。このとき、ポリイミドパターン223は、専用剥離液以外では除去できないため、図39に示すように、単体HBT202aと202bを覆った状態で残る。
続いて、図40に示すように、メッキ保護用のレジストパターン225をネガレジストで形成し、次のメッキ時に必要のない部分にメッキされるのを防止するようにする。その後、全面にメッキ給電用のTi/Auメタル給電層(図示せず)をスパッタ法により全面に形成し、さらに、エミッタ配線215と接地電極221と素子間接地電極222を形成するためのレジストパターン226をネガレジストで形成する。
次に、上記レジストパターン226をマスクとして電界メッキを行い、エミッタ配線215と接地電極221と素子間接地電極222を形成する。これによりエミッタ電極211とエミッタ配線215を一体化する。また、接地電極221は、各バイアホール214内に同時に形成されたメッキ金属膜301に接続され、素子間接地電極222は素子間バイアホール218内に同時に形成されたメッキ金属膜301に接続され、これらメッキ金属膜301と接地電極221,素子間接地電極222とを一体化する。
このとき、上記電解メッキにおいては、各バイアホール214および素子間バイアホール218が完全に閉塞するまでメッキを続けない。この実施形態では、接地電極221のメッキ厚さを約17μmにすることにより、各バイアホール214および素子間バイアホール218内に開口部300および305を設ける。なお、ここで、各バイアホール214,218内に形成されたメッキ金属膜301が形成する開口部300,305は、各バイアホール214,218内からGaAs基板200上に開口しており、この開口部300,305の短辺300A,305Aの幅W300,W305は約3μm程度であった。
ここで、各バイアホール214および素子間バイアホール218の開口部300,305をメッキ金属膜301で完全に閉塞しないことに起因して、各バイアホール214および素子間バイアホール218の底に裏面電極220が形成されない場合がある。この場合には、接地電極221および素子間接地電極222の接地インダクタンスが高くなる特性不良が起る可能性があるが、マイクロ波帯および準マイクロ波帯での使用に関しては問題ないことを確認できた。また、上記場合、各バイアホール214,218を介したダイボンド材の染み出しによる実装不良等の問題が発生する可能性もあるが、この問題はダイボンド材に金錫合金などを使用することにより回避できる。
次に、図40に示すレジストパターン226およびレジストパターン225を剥離する。
次に、図40に示すレジストパターン226およびレジストパターン225を剥離する。
次に、図36に示すように、上記GaAs基板200を支持基板(図示せず)に貼り付けた状態で、GaAs基板200裏面をエッチングし、バイアホール214および素子間バイアホール218の周面214Aおよび218Aに形成されたメッキ金属膜301の底301Aがなくなり、周側部301Bが裏面に露出するまでエッチングする。さらに、所望の厚さまでGaAs基板200をエッチングする。更に、GaAs基板200の裏面全面に裏面電極210を厚さ20μmだけ形成して、この実施形態が備える第2のHBT素子202を完成させる。このとき、GaAs基板200の厚さは約70μmであった。
さらに、この実施形態のMMICをセラミック基板に実装した。この実装におけるダイボンド材には銀ペーストを使用した。長方形のバイアホール214,218内に形成されたメッキ金属膜301が形成する開口部300,305の短辺300A,305Aが3μmと狭いので、上記銀ペーストがGaAs基板200の裏面から開口部300,305を経由してGaAs基板200の表面へ染み出すことがなく、上記銀ペーストが第2のHBT素子202の表面に回り込むといった実装不良はなかった。
次に、この実施形態の長方形バイアホール214内からGaAs基板200上に開口部300を形成する接地電極221の接地インダクタンスを測定した。この測定では、上記第2のHBT素子202と同時に形成したテストエレメントグループにおける接地電極221を測定した。その結果、上記接地電極221の接地インダクタンスは22pHであった。
これに対し、長方形バイアホール214の開口面積とほぼ同面積の略円形(半径=20μm)の従来のバイアホールを有する接地電極の接地インダクタンスを比較例として測定したところ、47pHであった。
この測定結果は、この実施形態のように、長方形バイアホール214,218をメッキ金属膜301で完全に閉塞しない(埋め尽くさない)ことにより、長方形バイアホール214,218内のメッキ金属膜301の周側面301Bが空間を挟んで略平行に対向して近接して形成されたことに起因すると考えられる。すなわち、上記略平行に近接して対向するメッキ金属膜301の周側部301Bの相互作用によって高周波的な電磁界結合が発生して、接地電極221の接地インダクタンスを低減させたものと考えられる。
次に、図41に示す特性Bを参照して、今1つの接地インダクタンス測定実験結果を説明する。この実験では、上記長方形バイアホール214,218内にメッキ金属膜301が形成する開口部300,305の短辺300A,305Aの幅W300,W305をパラメータとして、接地電極221,222の接地インダクタンスを測定した。
なお、この実施形態では、接地電極221内の開口部300の寸法と接地電極222内の開口部305の寸法とを同一にしたから、接地電極221と222の接地インダクタンスはほぼ同一であった。したがって、以下は接地電極221について説明する。
図41では、横軸に、バイアホール214内の開口部300の短辺300Aの幅W300をとり、この幅W300を0から25μmまで変化させた。バイアホール214自体のエッチング後の開口寸法はこの実施形態と同じく、短辺×長辺を28μm×43μmとした。図41の特性Bを参照すれば明らかなように、長方形バイアホール214内の金属メッキ301の開口幅W300が7μmである場合に、最小のインダクタンス値を示すことが分かった。
また、長方形バイアホール214内の金属メッキ301が形成する開口部300の開口幅W300が0.3μmから16μmまでの広い範囲にわたり、バイアホール内が金属メッキで完全に閉塞された開口幅W300が0μmの接地電極221のインダクタンスに比べて、接地インダクタンスを低減できることが分かった。
しかし、長方形バイアホール214内の金属メッキ301の開口部300の開口幅W300が0.5μmよりも小さい場合には、開口幅W300の制御が難しくなり、バイアホール214内の開口部300の一部が閉塞することが起り、接地インダクタンスの値がばらつくことが分かり、量産性に乏しいことが分かった。また、長方形バイアホール214内の金属メッキ301が形成する開口部300の開口幅W300が10μmより大きい場合には、銀ペーストなどのより安価なダイボンド材を使用したときに、このダイボンド材がバイアホール214内の金属メッキ301が形成する開口部300を通じて、素子表面を汚染することが分かった。つまり、開口幅W300が10μmより大きい場合には、銀ペーストなどの安価なダイボンド材が使用できない可能性があることが分かった。もっとも、この問題は、裏面電極220の厚膜化により、バイアホール214の裏面を完全閉塞することによっても回避できることが分かっているが、コストが高くなる。
また、同時に作製した円形バイアホールに関しても上述の長方形バイアホールと同様の実験を行ったが、図41に特性Aで示すように、円形バイアホールは長方形バイアホールと比較して、金属メッキの開口幅(開口部直径)の依存性が少ないことが分かった。これは、円形バイアホールの場合、円形バイアホール内で対向する金属メッキが平行にならないから、相互作用によって高周波的な電磁界結合が発生しにくいからであると考えられる。
この第6実施形態によれば、略長方形のバイアホール214,218の内周面214A,218Aに形成されたメッキ金属膜301が、バイアホール214,218内からGaAs基板200上に開口する長方形の開口部300,305を有する。この長方形開口部300,305の短辺の幅W300,W305を3μmにした。これにより、接地電極221,222の接地インダクタンスを22pHにまで低減することができた。この結果、この実施の形態のMMICによれば、単独の略円形のバイアホールを配置した接地電極を有する従来技術のMMICと比較して、2GHzにおけるゲインが2dB向上した。
また、この実施形態のMMICでは、図35に示すように、略長方形のバイアホール214,218の内周面214A,218Aに形成されたメッキ金属膜301は、上記GaAs基板200上で開口部300,305を有している。つまり、単独の長方形のバイアホール214の内周面214Aにおいて、メッキ金属膜301の開口部300は、短辺300A同士が略平行でかつ近接して対向しており、長辺300B同士が略平行で、かつ、短辺300A同士よりも近接して対向している。
また、単独の長方形のバイアホール218の内周面218Aにおいて、メッキ金属膜301の開口部305は、短辺305A同士が略平行でかつ近接して対向しており、長辺305B同士が略平行で、かつ、短辺305A同士よりも近接して対向している。
このように、バイアホール214内のメッキ金属膜301が形成する開口部300において、短辺300A同士,長辺300B同士がそれぞれ略平行で、かつ近接して対向することで、単独のバイアホール214内に発生する電磁界が互いに結合することとなる。また、同様に、バイアホール218内のメッキ金属膜301が形成する開口部305において、短辺305A同士,長辺305B同士がそれぞれ略平行で、かつ、近接して対向することで、単独のバイアホール218内に発生する電磁界が互いに結合することとなる。
つまり、各バイアホール214,218の内周面214A,218Aに形成されたメッキ金属膜301は、開口部300,305内における空気を挟んで近接し、電気的接続が発生した時に、ある一個のバイアホール214,218内に発生する電磁界が結合する。この対の略平行でかつ、近接して形成された金属膜301間の相互作用による電磁界の結合がインダクタンスの低減に大きく寄与する。
また、上記実施形態において、上記略長方形のバイアホール214,218の内周面214A,218Aに形成されたメッキ金属膜301の開口部300,305の短辺300A,305Aの幅W300,W305を、3μmとし、0.5乃至10μmとしたから、バイアホール214,218の接地インダクタンスを効率よく低減できた。すなわち、上記開口部300,305の幅W300,W305を0.5μm未満にした場合には、開口部300,305の一部が閉塞するなどして、メッキ金属膜301の対向する長辺300B,305Bの内周面の面積が著しく低下し、電磁界の結合による接地インダクタンスの低減効果が希薄になる。一方、上記開口部300,305の幅W300,W305が10μmを超えると、メッキ金属膜301の対向する長辺300B,305Bの内周面間の距離が増加し、電磁界の結合による接地インダクタンスの低減効果が希薄になり、接地インダクタンスが増大する。また、上記開口部300,305の短辺300A,305Aの幅W300,W305が10μmを超えると、上記開口部300,305が貫通孔になり易い、あるいは、この貫通孔の径が大きくなり、実装時のマージンが減る。
また、この実施形態のマイクロ波帯あるいは準マイクロ波帯用増幅器のモノリシックマイクロ波集積回路によれば、接地インダクタンスが劇的に低減し、マイクロ波帯あるいは準マイクロ波帯でのゲインが向上する。また、所望の周波数帯域でのゲインが向上することによって、他の特性の設計マージンが拡大し、所望の特性全体を満足しやすいと言う効果がある。このことによって、高周波特性での不良率を劇的に激減でき、歩留り向上に繋がる。
尚、上記第6実施形態では、マイクロ波帯用の増幅器GaAsMMICを一例として説明したが、準マイクロ波帯用の増幅器GaAsMMICであってもよい。また、上記第6実施形態では、バイアホール214,218および開口部300,305を長方形にしたが、長方形以外の四角形にしてもよい。また、上記第6実施形態では、半導体装置としてHBT素子を備えたマイクロ波帯用の増幅器をなすGaAsMMICとしたが、本発明は、バイアホールにおける接地インダクタンスの低減が望まれるような高い周波数(例えば、1GHz以上)で使用する半導体装置に適用すれば有効である。
1a…第1のHBT素子、1b…第2のHBT素子、
1c…第3のHBT素子、2,60,76…MIMキャパシタ、
3…スパイラルインダクタ、4,77…抵抗素子、
5…入力パッド電極、6…出力用パッド電極、
7a…HBT素子制御用パッド電極、
7b…HBT素子制御用パッド電極、
8,43,91…接地電極、9…下層接地電極、10…上層接地電極、
11,31,41,62,84…バイアホール、
12,32,42,63,74…バイアホール群、
13,33,44,50,90…裏面電極、14,81…エミッタ電極、
15…空中配線、16,30,40,64,80…GaAs基板、
17,18,19,21,66,67,68,70,94,95,96…レジストパターン、20,69…Ti/Auメタル給電層、
51…アンチパラレルダイオード、52…先端短絡スタブ、
53,78…先端開放スタブ、54,71…第1の伝送線路、
55,72…第2の伝送線路、56…中間周波信号用の伝送線路、
57…高周波信号用の伝送線路、58,75…プローブ用電極、
59…局発信号用の伝送線路、61…接地電極パッド、65…絶縁膜、
73…HBT素子、73a…単体HBT素子、73b…単体HBT素子、
79…先端短絡用の伝送線路、82…ベース電極、83…コレクタ電極、
85…エミッタ配線、86…ベース配線、87…コレクタ配線、
88…素子間バイアホール、89…素子間バイアホール群、
92…素子間接地電極、93…ポリイミドパターン、
112…エアブリッジ用レジスト膜、113…第1の給電層、
114…バイアホール用レジスト膜、115…基板、
116…バイアホール、117…第2の給電層、
118…第3のレジスト膜、119…エアブリッジ配線、
200…GaAs基板、201…第1のHBT素子、
202…第2のHBT素子、203…第3のHBT素子、
204…MIMキャパシタ、205…スパイラルインダクタ、
206…抵抗素子、207…入力パッド電極、208…出力用パッド電極、
209a〜209c…HBT素子制御用パッド電極、
211…エミッタ電極、212…ベース電極、213…コレクタ電極、
214…長方形バイアホール、215…エミッタ配線、
242…ベース配線、243…コレクタ配線、
218…素子間長方形バイアホール、220…裏面電極、
221…接地電極、222…素子間接地電極、
223…ポリイミドパターン、224,225,226…レジストパターン、
300,305…開口部、301…メッキ金属、W300,W305…開口部の幅。
1c…第3のHBT素子、2,60,76…MIMキャパシタ、
3…スパイラルインダクタ、4,77…抵抗素子、
5…入力パッド電極、6…出力用パッド電極、
7a…HBT素子制御用パッド電極、
7b…HBT素子制御用パッド電極、
8,43,91…接地電極、9…下層接地電極、10…上層接地電極、
11,31,41,62,84…バイアホール、
12,32,42,63,74…バイアホール群、
13,33,44,50,90…裏面電極、14,81…エミッタ電極、
15…空中配線、16,30,40,64,80…GaAs基板、
17,18,19,21,66,67,68,70,94,95,96…レジストパターン、20,69…Ti/Auメタル給電層、
51…アンチパラレルダイオード、52…先端短絡スタブ、
53,78…先端開放スタブ、54,71…第1の伝送線路、
55,72…第2の伝送線路、56…中間周波信号用の伝送線路、
57…高周波信号用の伝送線路、58,75…プローブ用電極、
59…局発信号用の伝送線路、61…接地電極パッド、65…絶縁膜、
73…HBT素子、73a…単体HBT素子、73b…単体HBT素子、
79…先端短絡用の伝送線路、82…ベース電極、83…コレクタ電極、
85…エミッタ配線、86…ベース配線、87…コレクタ配線、
88…素子間バイアホール、89…素子間バイアホール群、
92…素子間接地電極、93…ポリイミドパターン、
112…エアブリッジ用レジスト膜、113…第1の給電層、
114…バイアホール用レジスト膜、115…基板、
116…バイアホール、117…第2の給電層、
118…第3のレジスト膜、119…エアブリッジ配線、
200…GaAs基板、201…第1のHBT素子、
202…第2のHBT素子、203…第3のHBT素子、
204…MIMキャパシタ、205…スパイラルインダクタ、
206…抵抗素子、207…入力パッド電極、208…出力用パッド電極、
209a〜209c…HBT素子制御用パッド電極、
211…エミッタ電極、212…ベース電極、213…コレクタ電極、
214…長方形バイアホール、215…エミッタ配線、
242…ベース配線、243…コレクタ配線、
218…素子間長方形バイアホール、220…裏面電極、
221…接地電極、222…素子間接地電極、
223…ポリイミドパターン、224,225,226…レジストパターン、
300,305…開口部、301…メッキ金属、W300,W305…開口部の幅。
Claims (2)
- 化合物半導体基板の一方の面に、接地電極を有する半導体装置を形成すると共に、上記化合物半導体基板にバイアホールを形成し、上記バイアホールを介して、上記半導体装置の上記接地電極と上記化合物半導体基板の他方の面上に設けられた電極とを導通するようにした半導体装置の製造方法において、
上記バイアホール内壁にメッキ金属層を形成する工程は、
上記バイアホールの開口部を含む、所定の開口を有する第1のレジストマスクを形成する第1の工程と、
上記第1のレジストマスクおよび上記半導体基板の上記一方の面の全面に金属膜を形成する工程と、
上記第1のレジストマスクの開口と略同じ寸法の開口を有し、上記第1のレジストマスクと同材質の第2のレジストマスクを形成する第2の工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
上記第1のレジストマスクと上記第2のレジストマスクを、日本ゼオン株式会社製ZPN1100レジストで形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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2003
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