JP2004158588A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機物の除去処理等の面内均一性を向上させることができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】除去液ノズル7から基板Wに対して除去液を供給する前に、裏面側液ノズル11から基板Wの裏面に対して温調済の純水を供給する。除去液ノズル7から供給される除去液の温度と裏面側液ノズル11から吐出される純水の温度との温度差は20℃以内とされている。温調済の純水を基板Wの裏面に供給して基板Wの温度を除去液の温度に近づけることにより、基板Wの表面を流れる除去液の温度が基板Wの全面においてほぼ均一となり、除去液の温度依存性が大きい場合であっても、ポリマー等の有機物の除去処理の面内均一性を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に付着した有機物、例えばレジスト膜をマスクとして基板の表面に存在する薄膜をドライエッチングすることによって生成されたポリマーを除去液によって除去する基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程においては半導体ウエハなどの基板上に形成されたアルミニウムや銅などの金属の薄膜(金属膜)が、パターン化されたレジスト膜をマスクとしてエッチングされて半導体素子の配線とされる工程がある。
【0003】
このエッチング工程は例えばRIE(Reactive Ion Etching/反応性イオンエッチング)等の、ドライエッチングにより実行される。
【0004】
このようなドライエッチングで使用される反応性イオンのパワーは極めて強いことから、金属膜のエッチングが完了する時点においてはレジスト膜も一定の割合で変化し、その一部がポリマー等の反応生成物に変質して金属膜の側壁に堆積する。この反応生成物は後続するレジスト除去工程では除去されないことから、レジスト除去工程を実行する前または後に、この反応生成物を除去する必要がある。
【0005】
このため、従来、ドライエッチング工程の後またはレジスト除去工程の後には、反応生成物を除去する作用を有する除去液を基板に対して供給することにより、金属膜の側壁に堆積した反応生成物を除去した後、この基板を純水で洗浄し、さらにこの純水を振り切り乾燥する反応生成物の除去処理を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−124502号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した除去液は温度依存性が高く数℃異なるだけでポリマー除去性能に有意差が生じることもある。このため、除去液にはその種類ごとに使用適正温度が定められており、その温度に温調した除去液を基板に対して供給するようにしている。
【0008】
しかしながら、基板表面に供給された除去液は、着液地点においては適正温度であるものの表面を流れて拡がる過程において温度が次第に変化する。このため、着液地点から遠ざかるほど適正温度から大きく外れた除去液が作用することとなり、その結果ポリマー除去処理の面内均一性が維持できず、いわゆる処理ムラが生じるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、有機物の除去処理等の面内均一性を向上させることができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に付着した有機物を、該有機物の除去液によって除去する基板処理装置において、有機物が付着した基板を保持して回転する保持回転手段と、前記保持回転手段に保持された基板の表面に前記除去液を供給する除去液供給手段と、前記除去液供給手段から供給される前記除去液の温度と前記保持回転手段に保持された基板の温度との温度差が所定の範囲内となるように前記基板の温度を温調する温調手段と、を備える。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明にかかる基板処理装置において、前記温調手段に、前記保持回転手段に保持された基板の裏面に流体を供給する流体供給手段と、前記流体の温度を調整する温調器と、を含ませている。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明にかかる基板処理装置において、前記除去液供給手段が除去液を供給する前に、前記保持回転手段によって回転される基板の裏面に前記流体を供給するように前記流体供給手段を制御する制御手段をさらに備える。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明にかかる基板処理装置において、前記温調器に、前記除去液供給手段から供給される前記除去液の温度と前記流体の温度との温度差が20℃以内となるように前記流体の温度を調整させている。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明にかかる基板処理装置において、基板に付着した前記有機物を、基板上に形成されたレジスト膜が変質して生じた反応生成物としている。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明にかかる基板処理装置において、前記反応生成物を、前記レジスト膜をマスクとして基板の表面に存在する薄膜をドライエッチングすることによって生成されたポリマーとしている。
【0016】
また、請求項7の発明は、基板に処理液を供給して所定の処理を行う基板処理装置において、基板を保持して回転する保持回転手段と、前記保持回転手段に保持された基板の表面に前記処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理液供給手段から供給される前記処理液の温度と前記保持回転手段に保持された基板の温度との温度差が所定の範囲内となるように前記基板の温度を温調する温調手段と、を備える。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下の実施形態において、基板とは半導体基板であり、より詳しくはシリコン基板である。また、当該基板は薄膜を有する。該薄膜は金属膜または絶縁膜である。金属膜を構成する金属としては銅やアルミニウム、チタン、タングステンおよび、これらの混合物がある。絶縁膜としては前記金属の酸化膜や窒化膜およびシリコン酸化膜やシリコン窒化膜、有機絶縁膜、低誘電体層間絶縁膜がある。なお、ここでいう薄膜とは、薄膜が形成された基板に対して垂直方向の断面において高さ寸法が底部の長さより短いものはもちろん、高さ寸法が底部の長さより長いものも含む。従って、基板上で部分的に形成されている膜や配線など、基板に向って見たとき線状や島状に存在するものも薄膜に含まれる。
【0018】
この薄膜を、パターン化されたレジスト膜をマスクとしてドライエッチングする工程を経た基板にはドライエッチングによってレジストや薄膜に由来する反応生成物であるポリマーが生成されている。
【0019】
以下の実施形態における基板処理とは、基板から有機物を除去する有機物除去処理、またはレジスト膜が変質して生じた反応生成物を基板から除去する反応生成物除去処理である。より具体的には、前記ポリマーが生成された基板からポリマーを除去するポリマー除去処理である。
【0020】
また、以下、基板から脱落したポリマーを汚染物質と表記する場合もある。
【0021】
また、以下の実施形態における除去液とはポリマー除去液である。ポリマー除去液はポリマーのみを選択的に除去する液であり、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等、有機アミンを含む有機アミン系除去液、フッ化アンモンを含むフッ化アンモン系除去液、無機系の除去液がある。
【0022】
有機アミン系の除去液としてはモノエタノールアミンと水とアロマティックトリオールとの混合溶液、2−(2−アミノエトキシ)エタノールとヒドロキシアミンとカテコールとの混合溶液、アルカノールアミンと水とジアルキルスルホキシドとヒドロキシアミンとアミン系防食剤の混合溶液、アルカノールアミンとグライコールエーテルと水との混合溶液、ジメチルスルホキシドとヒドロキシアミンとトリエチレンテトラミンとピロカテコールと水の混合溶液、水とヒドロキシアミンとピロガロールとの混合溶液、2−アミノエタノールとエーテル類と糖アルコール類との混合溶液、2−(2−アミノエトキシ)エタノールとNとN−ジメチルアセトアセトアミドと水とトリエタノールアミンとの混合溶液がある。
【0023】
フッ化アンモン系の除去液としては、有機アルカリと糖アルコールと水との混合溶液、フッ素化合物と有機カルボン酸と酸・アミド系溶剤との混合溶液、アルキルアミドと水とフッ化アンモンとの混合溶液、ジメチルスルホキシドと2−アミノエタノールと有機アルカリ水溶液と芳香族炭化水素との混合溶液、ジメチルスルホキシドとフッ化アンモンと水との混合溶液、フッ化アンモンとトリエタノールアミンとペンタメチルジエチレントリアミンとイミノジ酢酸と水の混合溶液、グリコールと硫酸アルキルと有機塩と有機酸と無機塩の混合溶液、アミドと有機塩と有機酸と無機塩との混合溶液、アミドと有機塩と有機酸と無機塩との混合溶液がある。
【0024】
無機系の除去液としては水と燐酸誘導体との混合溶液がある。
【0025】
<1.第1実施形態>
以下、図面を参照しつつ本発明にかかる基板処理装置の実施形態について説明する。図1、図2は基板処理装置1の構成を示す図である。なお、図1は図2のI−I断面図であるが、便宜上一部ハッチングを省略している。基板処理装置1は図1に示すように断面が略コの字状で、上面視では図2のように中央部分に開口を有する略リング状のカップ3と、図1のようにカップ3の開口を通じて鉛直方向に立設され、基板Wを保持して回転する保持回転手段5と、保持回転手段5に保持されている基板Wに対して除去液を供給する除去液ノズル7と、同じく保持回転手段5に保持されている基板Wに対して純水を供給する純水ノズル9とを有する。また、基板処理装置1は保持回転手段5に保持されている基板Wの裏面に対して温調した純水や除去液を供給する裏面側液ノズル11および温調した窒素ガスを供給する裏面側ガスノズル12も有する。
【0026】
カップ3は底部に複数の排出口4を有する。そして、基板Wに供給された液体の剰余分はカップ3の内壁を伝って排出口4に至り、該排出口4から装置外に排出される。
【0027】
保持回転手段5は不図示の機枠に固定され、鉛直方向に配された駆動軸を有するスピンモータ13とスピンモータ13の駆動軸に固定されたスピン軸14と、スピン軸14の頂部に設けられた基板保持部材としてのバキュームチャック15とを有する。バキュームチャック15は上面に基板を吸着する吸着面を有し、吸着面は上面視で基板Wの面積よりも小さい。第1実施形態ではバキュームチャックは略円柱状部材であり、上部の吸着面は円形である。このバキュームチャック15は上面の吸着面に不図示の吸着孔を有し、該吸着孔からエアを吸引する。そして、バキュームチャック15上に載置された基板Wは前記吸着孔からのエアの吸引により保持される。このようにバキュームチャック15は基板Wの裏面のみと接触して基板Wを保持している。このような保持回転手段5ではバキュームチャック15上に載置された基板Wをバキュームチャック15による吸着で保持し、スピンモータ13を駆動することで前記バキュームチャック15上に保持した基板Wを鉛直方向に沿った軸71を回転中心として回転させる。
【0028】
除去液ノズル7は、不図示の機枠に固定され、鉛直方向に配された駆動軸を有する第1回動モータ17と第1回動モータ17の駆動軸に固定された第1回動軸19と、第1回動軸19の頂部に接続された第1アーム21とを有する。第1アーム21の先端には除去液ノズル本体23が設けられている。除去液ノズル本体23には軸線方向が基板Wの上面に向かう第1通孔29が開けられ、第1通孔29には第1チューブ27が接続されている。また、第1通孔29内には第1通孔29内を通過する除去液と接触する位置に第1振動子25が設けられている。
【0029】
第1回動モータ17が第1アーム21を軸73を中心に矢印79のように回動させると、除去液ノズル本体23が保持回転手段5に保持されている基板Wと平行に移動する。また、第1通孔29は第1アーム21が軸73を中心に矢印79のように回動したとき、図2のように第1通孔29から噴射される除去液81の基板Wに対する到達点が基板Wの回転中心Cを通って矢印85のように円弧状に基板Wを移動するように設けられている。
【0030】
なお、除去液ノズル7は基板Wの表面を含む面に対して交わる方向に除去液を噴射する。すなわち、除去液ノズル7から噴射される除去液の方向と基板表面とがなす角は0度より大きく90度以下である。換言すると基板Wに対して除去液ノズル7は直交方向または斜め上方から除去液を噴射する。なお、好ましくは前記噴射される除去液の方向と基板表面とがなす角は30度以上60度以下で、より好ましくは45度である。
【0031】
第1チューブ27は第1通孔29に対して除去液を供給する。第1振動子25は後述の発振器67からの電気信号により振動し、第1通孔29を通る除去液に対して超音波を付与する。このような除去液ノズル7では第1回動モータ17が第1回動軸19を回動させることにより、第1アーム21が軸73を中心に回動する。これにより、図2のように除去液ノズル7から噴射される除去液81の基板Wに対する到達点は基板Wの回転中心Cを通って矢印85のように円弧状に基板Wを移動する。そして基板Wに対しては超音波が付与された除去液を供給することができる。
【0032】
純水ノズル9は、不図示の機枠に固定され、鉛直方向に配された駆動軸を有する第2回動モータ31と第2回動モータ31の駆動軸に固定された第2回動軸33と、第2回動軸33の頂部に接続された第2アーム35とを有する。第2アーム35の先端には純水ノズル本体37が設けられている。純水ノズル本体37には軸線方向が基板Wの上面に向かう第2通孔43が開けられ、第2通孔43には第2チューブ41が接続されている。また、第2通孔43内には第2通孔43内を通過する純水と接触する位置に第2振動子39が設けられている。
【0033】
第2回動モータ31が第2アーム35を軸75を中心に矢印77のように回動させると、純水ノズル本体37が保持回転手段5に保持されている基板Wと平行に移動する。また、第2通孔43は第2アーム35が軸75を中心に矢印77のように回動したとき、図2のように第2通孔43から噴射される純水83の基板Wに対する到達点が基板Wの回転中心Cを通って矢印87のように円弧状に基板Wを移動するように設けられている。
【0034】
なお、純水ノズル9は基板Wの表面を含む面に対して交わる方向に純水を噴射する。すなわち、純水ノズル9から噴射される純水の方向と基板表面とがなす角は0度より大きく90度以下である。換言すると基板Wに対して純水ノズル7は直交方向または斜め上方から純水を噴射する。なお、好ましくは前記噴射される純水の方向と基板表面とがなす角は30度以上60度以下で、より好ましくは45度である。
【0035】
第2チューブ41は第2通孔43に対して純水を供給する。第2振動子39は後述の発振器67からの電気信号により振動し、第2通孔43を通る純水に対して超音波を付与する。このような純水ノズル9では第2回動モータ31が第2回動軸33を回動させることにより、第2アーム35が軸75を中心に回動する。これにより、図2のように純水ノズル9から噴射される純水83の基板Wに対する到達点は基板Wの回転中心Cを通って矢印87のように円弧状に基板Wを移動する。そして基板Wに対しては超音波が付与された純水を供給することができる。
【0036】
裏面側液ノズル11はカップ3を貫通して基板Wの裏面に向って略鉛直方向に伸びる管状の部材で、後述の裏面純水弁65を通じて純水が供給される。これによって、裏面側液ノズル11から基板Wの裏面に対して純水を噴射することができる。また、裏面側液ノズル11には後述の裏面除去液弁153を通じて除去液が供給される。これによって、裏面側液ノズル11から基板Wの裏面に対して除去液を噴射することができる。
【0037】
裏面側ガスノズル12もカップ3を貫通して基板Wの裏面に向って略鉛直方向に伸びる管状の部材で、後述の裏面ガス弁165を通じて窒素ガスが供給される。これによって、裏面側ガスノズル12から基板Wの裏面に対して窒素ガスを噴射することができる。
【0038】
次に図3に従って、除去液ノズル7および裏面側液ノズル11への除去液供給系89、純水ノズル9および裏面側液ノズル11への純水供給系91、並びに裏面側ガスノズル12へのガス供給系92について説明する。除去液供給系89は装置外の除去液源45から除去液を汲み出す除去液ポンプ47と、除去液ポンプ47によって汲み出された除去液を所定温度に加熱または冷却することで除去液の温度を調節する温調器51と、温調器51で温度調節された除去液から汚染物質をフィルタリングするフィルタ49と、フィルタリングされた除去液の除去液ノズル7への流路を開閉する除去液ノズル弁53とを有する。このような構成によって除去液供給系89は温調器51によって所定温度に温度調節され、フィルタ49で清浄化された除去液を除去液ノズル7に供給できる。
【0039】
また、除去液供給系89は、温調器51によって温度調節された除去液の裏面側液ノズル11への流路を開閉する裏面除去液弁153を有する。裏面除去液弁153を開放することにより、温調器51で温調されフィルタ49で清浄化された除去液を裏面側液ノズル11へ供給し、保持回転手段5に保持された基板Wの裏面に対して裏面側液ノズル11から温調済の除去液を供給することができる。
【0040】
純水供給系91は装置外の純水源55から純水を汲み出す純水ポンプ57と、純水ポンプ57によって汲み出された純水を所定温度に加熱または冷却することで純水の温度を調節する温調器61と、温調器61によって温度調節された純水から汚染物質をフィルタリングするフィルタ59と、フィルタリングされた純水の純水ノズル9への流路を開閉する純水ノズル弁63とを有する。このような構成によって純水供給系91は温調器61によって所定温度に温度調節され、フィルタ59で清浄化された純水を純水ノズル9に供給できる。
【0041】
また、純水供給系91は、温調器61によって温度調節された純水の裏面側液ノズル11への流路を開閉する裏面純水弁65を有する。裏面純水弁65を開放することにより、温調器61で温調されフィルタ59で清浄化された純水を裏面側液ノズル11へ供給し、保持回転手段5に保持された基板Wの裏面に対して裏面側液ノズル11から温調済の純水を供給することができる。
【0042】
ガス供給系92は、装置外の窒素ガス源155(例えば工場内の窒素配管等)から窒素ガス(N)を送給する窒素ガスポンプ157と、窒素ガスポンプ157から送給される窒素ガスを所定温度に加熱または冷却することで窒素ガスの温度を調節する温調器161と、温調器161によって温度調節された窒素ガスの裏面側ガスノズル12への流路を開閉する裏面ガス弁165とを有する。裏面ガス弁165を開放することにより、温調器161で温調された窒素ガスを裏面側ガスノズル12へ供給し、保持回転手段5に保持された基板Wの裏面に対して裏面側ガスノズル12から温調済の窒素ガスを供給することができる。なお、温調器51,61,161としては例えば石英ヒーター、電熱ヒーター、ペルチェ素子、恒温槽等の種々の公知の温調機器を使用することができる。また、温調器51,61,161のそれぞれは温調対象となる流体の温度を計測する温度計測器も備えている。
【0043】
次に同じく図3に従って超音波付与手段93について説明する。超音波付与手段93は除去液ノズル7内に設けられた第1振動子25と第1振動子25に対して電気信号を送信して第1振動子25を振動させる発振器67とを有する。このような構成によって、超音波付与手段93は除去液ノズル7から基板Wに供給されるべき除去液に超音波を付与する。また、超音波付与手段93は純水ノズル9内に設けられた第2振動子39を有し、第2振動子39は発振器67から送信される電気信号によって振動する。このような構成によって超音波付与手段93は純水ノズル9から基板Wに供給されるべき純水に超音波を付与する。
【0044】
このように超音波を付与した除去液または超音波を付与した純水を基板Wに供給できるので、反応生成物の除去をより迅速に行うことができ、スループットが向上する。なお、除去液、純水のいずれかに超音波を付与するだけでスループットが向上するが、除去液、純水の両方に超音波を付与すればより迅速に反応生成物の除去を行え、スループットが向上する。
【0045】
次に図4に従って、基板処理装置1のハード構成について説明する。制御手段69にはスピンモータ13、第1回動モータ17、第2回動モータ31、発振器67、除去液ポンプ47、純水ポンプ57、除去液ノズル弁53、純水ノズル弁63、裏面純水弁65、温調器51、温調器61、裏面除去液弁153、窒素ガスポンプ157、温調器161、裏面ガス弁165が接続されており、制御手段69は後述の基板処理方法のとおりにこれら接続されているものを制御する。
【0046】
次に、上記構成を有する基板処理装置1による基板処理方法について説明する。図5は、基板処理装置1における基板処理手順を示すフローチャートである。基板処理手順の概略は、レジスト膜をマスクとして基板の表面に存在する薄膜をドライエッチングするときに生成された反応生成物であるポリマーが付着した基板にその反応生成物を除去する作用を有する除去液を供給することにより、金属膜の側壁に堆積した反応生成物を除去した後、この基板を純水で洗浄し、さらにこの純水を振り切り乾燥するというものである。ここで、本実施形態では、基板Wに除去液を供給するのに先立って、基板Wの裏面に温度調整がなされた流体を供給することにより除去液ノズル7から供給される除去液の温度と保持回転手段5に保持された基板Wの温度とが近くなるようにしている。
【0047】
まず、装置外の搬送ロボットによってドライエッチング工程後の反応生成物が付着した基板Wが搬入され、保持回転手段5のバキュームチャック15上に載置される。バキュームチャック15はその基板Wを吸着保持する。次に、制御手段69がスピンモータ13を駆動して基板Wを所定の回転数にて回転させる(ステップS1)。そして、制御手段69が純水ポンプ57および温調器61を駆動して温調済の純水を裏面側液ノズル11に向って送出させるとともに、裏面純水弁65を開状態にして裏面側液ノズル11から回転する基板Wの裏面に対して温調済純水を供給させる(ステップS2)。
【0048】
ここで、温調器61は除去液ノズル7から供給される除去液の温度と裏面側液ノズル11から吐出される純水の温度との温度差が20℃以内となるように純水の温度を調整している。より具体的には、除去液にはその種類ごとに使用適正温度が定められており、温調器51は除去液が当該使用適正温度となるような温度調節を行っている。そして、制御手段69からの制御信号に従って、温調器61は純水の温度が温調器51によって温調される除去液の温度(ここでは上記使用適正温度)から20℃より大きく乖離しないように純水の温調を行うのである。
【0049】
このような温調済の純水を保持回転手段5に保持された基板Wの裏面に対して供給することにより、基板Wの温度も除去液ノズル7から供給される除去液の温度に次第に近づく。また、保持回転手段5によって回転される基板Wの裏面に対して温調済の純水を供給するため、速やかに基板Wの温度と除去液の温度とを近づけることができる。
【0050】
基板Wの裏面に対して温調済純水を供給してから所定時間が経過した後、制御手段69が、第1回動モータ17を回動させて除去液ノズル7を回動させる。また、それと同時に制御手段69は除去液ポンプ47を駆動させることで除去液を除去液ノズル7に向って送出させるとともに、除去液ノズル弁53を開状態にして除去液ノズル7から基板Wに対して除去液を供給させる。これらにより、除去液ノズル7から供給される除去液は基板Wへの到達点が図2の矢印85のように基板W表面を含む水平面において、基板Wの回転中心Cを通り、少なくとも異なる2点で基板Wの端縁と交わる円弧上を移動するように基板W上に供給される。このようにして、除去液供給工程(ステップS3)が実行される。なお、除去液供給工程においても温調済純水の供給を続行する方が好ましい。
【0051】
また、除去液供給工程において制御手段69は発振器67から除去液ノズル7内の第1振動子25に電気信号を発信させて第1振動子25を振動させるようにしても良い。これにより、除去液ノズル7から供給される除去液には超音波が付与される。このため、基板Wに付着している反応生成物には超音波振動が加えられて基板Wから剥離しやすくなる。
【0052】
除去液供給工程を所定時間行った後に、制御手段69は除去液ノズル7がカップ3の上方から退避した状態にて第1回動モータ17の駆動を停止させる。また、制御手段69は除去液ノズル弁53を閉状態にし、除去液ポンプ47の駆動も停止して除去液ノズル7からの除去液の供給を停止させる。また、除去液に超音波を付与している場合には、制御手段69は発振器67から第1振動子25への電気信号の発信を停止させる。さらに、制御手段69は裏面純水弁65を閉止して裏面側液ノズル11からの温調済純水の供給も停止させる。
【0053】
以上の除去液供給工程においては、基板Wの温度が除去液ノズル7から供給される除去液の温度に近いため、着液した除去液が基板Wの表面を流れる過程においても除去液温度がほとんど変化しない。このため、除去液の温度は基板Wの全面においてほぼ均一となり、除去液の温度依存性が大きい場合であっても、ポリマー除去処理の面内均一性を向上させることができるのである。
【0054】
ところで、除去液ノズル7から供給される除去液の温度と裏面側液ノズル11から吐出される純水の温度との温度差を20℃以内としているのは次のような理由による。すなわち、除去液の温度と純水の温度との温度差が20℃を超えると、その純水によって温調される基板Wの温度と除去液の温度との温度差も大きくなる。その結果、着液した除去液が基板Wの表面を流れる過程において除去液温度が大きく変化し、基板W表面の除去液の温度分布にムラが生じ、ポリマー除去処理の面内均一性が損なわれるのである。このために、除去液の温度と純水の温度との温度差を20℃以内としているのであり、より均一な処理を行うためには当該温度差が10℃以内が好ましく、除去液ノズル7から供給される除去液の温度と裏面側液ノズル11から吐出される純水の温度とが等温であることが最も好ましい。
【0055】
次に、所定時間の除去液供給工程が終了した時点で、制御手段69は基板Wへの除去液の供給を停止させる一方で、引き続きスピンモータ13を回転させ、基板Wを回転させた状態を維持する。これにより、除去液振切り工程(ステップS4)が実行される。この除去液振切り工程において基板Wは500rpm以上で回転され、好ましくは1000rpmから4000rpmで回転される。また、回転を維持する時間は少なくとも1秒以上、好ましくは2〜5秒である。
【0056】
このように、基板Wに対する除去液の供給を停止した状態で基板Wが回転する状態を維持するので基板W上の除去液は遠心力によって基板W上から振切られる。また、基板Wは水平状態に保持された状態で回転されるので除去液は均一に基板Wから振切られる。このため基板Wの面内均一性が維持される。また、バキュームチャック15は基板Wの裏面のみと接触していることから基板Wの端縁と接触している部材が無い。このため、基板Wの上面から基板Wの外側に向って水平方向に振切られる除去液の進行を妨げるものが無いので基板Wから除去液が振切られるために必要な時間が短くなる。よって、スループットを向上させることができる。また、保持回転手段5は唯1枚の基板Wを保持するだけであるので、容易に基板Wの回転数を上げることができる。このため、基板Wから除去液が振切られるために必要な時間が短くなる。よって、スループットを向上させることができる。
【0057】
次に、除去液振切り工程が終了した後、制御手段69が第2回動モータ31を回動させて純水ノズル9を回動させる。また、制御手段69は純水ポンプ57を駆動させることで純水を純水ノズル9に向って送出させるとともに、純水ノズル弁63を開状態にし、純水ノズル9から純水を供給させる。これらにより、純水ノズル9から供給される純水は基板Wへの到達点が図2の矢印87が示すように基板W表面を含む水平面において、基板Wの回転中心Cを通り、少なくとも異なる2点で基板Wの端縁と交わる円弧上を移動するように基板W上に供給される。このようにして、純水供給工程(ステップS5)が実行される。
【0058】
なお、純水供給工程において制御手段69が発振器67から純水ノズル9内の第2振動子39に電気信号を発信させて第2振動子39を振動させるようにしても良い。これにより、純水ノズル9から供給される純水には超音波が付与される。このため、基板Wに付着している反応生成物には超音波振動が加えられ基板Wから取れやすくなる。また、制御手段69は裏面純水弁65を開状態にして裏面側液ノズル11から基板Wの裏面に対して純水を供給させ、基板Wの裏面も洗浄する。
【0059】
所定時間経過後に制御手段69は純水ノズル9がカップ3の上方から退避した状態にて第2回動モータ31の駆動を停止させる。また、制御手段69は純水ノズル弁63を閉状態にし、純水ポンプ57の駆動も停止して純水ノズル9からの純水の供給を停止させる。また、純水に超音波を付与している場合には、制御手段69は発振器67から第2振動子39への電気信号の発信を停止させる。
【0060】
所定時間の純水供給工程が終了した時点で、制御手段69は基板Wへの純水の供給を停止する一方で、引き続きスピンモータ13を回転させ、基板Wを回転させた状態を維持する。これにより、純水振切り工程(ステップS6)が実行される。このようにして基板Wに除去液および純水が供給されることによって反応生成物が除去される。そして、制御手段69がスピンモータ13の駆動を停止して基板Wの回転を停止する(ステップS7)。
【0061】
以上述べたように、第1実施形態では、温調済の純水を基板Wの裏面に供給して基板Wの温度を除去液の温度に近づけることにより、基板Wの表面を流れる除去液の温度が基板Wの全面においてほぼ均一となり、除去液の温度依存性が大きい場合であっても、ポリマー除去処理の面内均一性を向上させることができる。そして、ポリマー除去処理の面内均一性を維持するために、除去液ノズル7から供給される除去液の温度と裏面側液ノズル11から吐出される純水の温度との温度差を20℃以内としている。
【0062】
なお、基板Wの温調を行うために使用できる媒体は純水に限定されるものではなく、例えば除去液自体であっても良いし、窒素ガスを使用しても良い。具体的には、制御手段69が除去液ポンプ47および温調器51を駆動して温調済の除去液を裏面側液ノズル11に向って送出させるとともに、裏面除去液弁153を開状態にして裏面側液ノズル11から基板Wの裏面に対して温調済除去液を供給させるようにしても良い。このようにすれば、除去液ノズル7から供給される除去液と同じく温調器51によって温調された除去液が裏面側液ノズル11から基板Wの裏面に対して供給されることとなるため、除去液ノズル7から供給される除去液の温度と裏面側液ノズル11から吐出される除去液の温度との温度差はほとんど無い。よって、容易に基板Wの温度を除去液の温度に近づけることができ、ポリマー除去処理の面内均一性を向上させることができる。
【0063】
また、制御手段69が窒素ガスポンプ157および温調器161を駆動して温調済の窒素ガスを裏面側ガスノズル12に向って送出させるとともに、裏面ガス弁165を開状態にして裏面側ガスノズル12から基板Wの裏面に対して温調済窒素ガスを供給させるようにしても良い。この場合、除去液ノズル7から供給される除去液の温度と裏面側ガスノズル12から吐出される窒素ガスの温度との温度差を20℃以内としておく。このようにしても、基板Wの温度を除去液の温度に近づけることができ、基板Wの表面を流れる除去液の温度が基板Wの全面においてほぼ均一となり、除去液の温度依存性が大きい場合であっても、ポリマー除去処理の面内均一性を向上させることができる。
【0064】
なお、温調の媒体としてガスを使用する場合には、窒素ガスに限定されるものではなく、反応性に乏しい不活性ガスであれば良く、例えばアルゴンガス等を使用することもできる。もっとも、消費コストの観点からは、安価でかつ不活性な窒素ガスを使用するのが好ましい。
【0065】
以上を集約すると、保持回転手段5に保持された基板Wの裏面に対して温調済の流体を供給して基板Wの温度を除去液ノズル7から供給される除去液の温度に近づける構成であれば、ポリマー除去処理の面内均一性を向上させることができるのである。そして、ポリマー除去処理の面内均一性を維持するために、除去液ノズル7から供給される除去液の温度と上記温調済流体の温度との温度差を20℃以内としているのである。
【0066】
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態の基板処理装置2の構成を示す側面図である。第2実施形態の基板処理装置2が第1実施形態の基板処理装置1と相違するのは、保持回転手段5の一部並びに裏面側液ノズル11および裏面側ガスノズル12を設けていない点であり、残余の点については同一であるため同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
基板処理装置2の基板保持部材としてのバキュームチャック115は上面に基板を吸着する吸着面を有し、吸着面は上面視で基板Wの平面サイズと略同一である。第2実施形態でもバキュームチャック115は略円柱状部材であり、上部の吸着面は円形である。このバキュームチャック115は上面の吸着面に不図示の吸着孔を有し、該吸着孔からエアを吸引する。そして、第1実施形態と同様に、バキュームチャック115上に載置された基板Wは前記吸着孔からのエアの吸引により保持される。このようにバキュームチャック115は基板Wの裏面のみと接触して基板Wを保持している。第2実施形態の保持回転手段5でもバキュームチャック115上に載置された基板Wをバキュームチャック115による吸着で保持し、スピンモータ13を駆動することで前記バキュームチャック115上に保持した基板Wを鉛直方向に沿った軸71を回転中心として回転させることができる。
【0068】
第2実施形態では、バキュームチャック115の内部に温調器116および図示省略の測温手段を内蔵している。ここでの温調器116としては例えば複数のペルチェ素子からなるペルチェモジュールを使用することができる。温調器116の昇温または降温はバキュームチャック115を介して基板Wに伝導され、バキュームチャック115に吸着保持した基板Wを昇温または降温させる。温調器116および上記測温手段は制御手段69と電気的に接続されており、制御手段69からの指示に従ってバキュームチャック115に吸着保持した基板Wを所定の温度に温調することができる。
【0069】
このような構成を有する第2実施形態の基板処理装置2による基板処理方法は第1実施形態(図5)と概ね同じである。相違点は、ステップS1において基板Wの裏面に対して温調済純水を供給するのに代えて、温調器116によって基板Wを温調して除去液の温度に近づけている点である。このときに、温調器116は除去液ノズル7から供給される除去液の温度と基板Wの温度との温度差が20℃以内となるように基板Wの温度を調整している。その後のステップS2以降の処理工程は第1実施形態と同じである。
【0070】
このようにしても、温調器116によって基板Wの温度を除去液の温度に近づけることにより、基板Wの表面を流れる除去液の温度が基板Wの全面においてほぼ均一となり、除去液の温度依存性が大きい場合であっても、ポリマー除去処理の面内均一性を向上させることができる。
【0071】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、基板Wの温調は流体を媒介とすることやバキュームチャック115に内蔵された温調器116によることに限定されるものではなく、例えばハロゲンランプからの光照射等、保持回転手段5に保持された基板Wの温度調節が可能な機構であれば種々の機構を採用することができる。
【0072】
また、上記実施形態においては、レジスト膜をマスクとして基板の表面に存在する薄膜をドライエッチングするドライエッチング工程を経た基板に対して、ドライエッチング時に生成された反応生成物であるポリマーを除去するようにしていたが、本発明はドライエッチング時に生成されたポリマーが存在する基板から前記ポリマーを除去することに限定されるものではない。
【0073】
例えば、本発明はプラズマアッシングの際に生成されたポリマーを基板から除去する場合も含む。よって、本発明は、必ずしもドライエッチングとは限らない各種処理において、レジストに起因して生成されたポリマーを基板から除去する場合も含む。
【0074】
また、本発明は、ドライエッチングや、プラズマアッシングによる処理で生成されるポリマーだけを除去することに限定されるものではなく、レジストに由来する各種反応生成物を基板から除去する場合も含む。
【0075】
また、本発明ではレジストに由来する反応生成物を基板から除去することに限らず、レジストそのものを基板から除去する場合も含む。
【0076】
例えば、レジストが塗布され、該レジストに配線パターン等の模様が露光され、該レジストが現像され、該レジストの下層に対して下層処理(例えば下層としての薄膜に対するエッチング)が施された基板を対象とし、下層処理が終了して、不要になったレジスト膜を除去する場合も含まれる。
【0077】
なお、この場合、不要になったレジスト膜を除去するのと同時に、レジスト膜が変質して生じた反応生成物があればこれも同時に除去できるので、スループットが向上するとともに、コストを削減できる。例えば、上記下層処理において、下層である薄膜に対してドライエッチングを施した場合は反応生成物も生成される。よって、ドライエッチング時に下層をマスクすることに供されたレジスト膜そのもの、および、レジスト膜が変質して生じた反応生成物も同時に除去できる。
【0078】
また、本発明はレジストに由来する反応生成物やレジストそのものを基板から除去することに限らず、レジストに由来しない有機物、例えば人体から発塵した微細な汚染物質などを該有機物の除去液によって基板から除去することも含む。
【0079】
また、本発明は、有機物を除去液によって除去する基板処理装置だけでなく、温度依存性の大きな処理液を基板に供給して所定の処理を行う種々の基板処理装置において適用可能である。例えば、基板表面に形成された薄膜を該薄膜のエッチング液によってエッチング処理を行う基板処理装置にも適用することができる。この場合、基板の温度をエッチング液の温度に近づけることにより、基板の表面を流れるエッチング液の温度が基板の全面においてほぼ均一となり、エッチング液の温度依存性が大きい場合であっても、エッチング処理の面内均一性を向上させることができる。
【0080】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、除去液供給手段から供給される除去液の温度と保持回転手段に保持された基板の温度との温度差が所定の範囲内となるように基板の温度を温調するため、基板の表面を流れる除去液の温度が基板全面においてほぼ均一となり、有機物の除去処理の面内均一性を向上させることができる。
【0081】
また、請求項2の発明によれば、温調手段が保持回転手段に保持された基板の裏面に流体を供給する流体供給手段と、その流体の温度を調整する温調器とを含むため、流体を媒体として基板の温度を容易に温調することができる。
【0082】
また、請求項3の発明によれば、除去液を供給する前に、回転される基板の裏面に流体を供給するため、速やかに基板の温度を除去液の温度に近づけることができる。
【0083】
また、請求項4の発明によれば、除去液供給手段から供給される除去液の温度と流体の温度との温度差が20℃以内となるように流体の温度を調整するため、基板の温度を除去液の温度に容易に近づけることができる。
【0084】
また、請求項5の発明によれば、基板に付着した有機物が基板上に形成されたレジスト膜が変質して生じた反応生成物であるため、反応生成物の除去処理の面内均一性を向上させることができる。
【0085】
また、請求項6の発明によれば、反応生成物がレジスト膜をマスクとして基板の表面に存在する薄膜をドライエッチングすることによって生成されたポリマーであるため、ポリマーの除去処理の面内均一性を向上させることができる。
【0086】
また、請求項7の発明によれば、処理液供給手段から供給される処理液の温度と保持回転手段に保持された基板の温度との温度差が所定の範囲内となるように基板の温度を温調するため、基板の表面を流れる処理液の温度が基板全面においてほぼ均一となり、処理の面内均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる基板処理装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1の基板処理装置の平面図である。
【図3】図1の基板処理装置の配管図である。
【図4】図1の基板処理装置のハード構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図1の基板処理装置における基板処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態の基板処理装置の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1,2 基板処理装置
5 保持回転手段
7 除去液ノズル
9 純水ノズル
11 裏面側液ノズル
12 裏面側ガスノズル
47 除去液ポンプ
51,61,161 温調器
53 除去液ノズル弁
57 純水ポンプ
63 純水ノズル弁
65 裏面純水弁
69 制御手段
153 裏面除去液弁
157 窒素ガスポンプ
165 裏面ガス弁
W 基板

Claims (7)

  1. 基板に付着した有機物を、該有機物の除去液によって除去する基板処理装置であって、
    有機物が付着した基板を保持して回転する保持回転手段と、
    前記保持回転手段に保持された基板の表面に前記除去液を供給する除去液供給手段と、
    前記除去液供給手段から供給される前記除去液の温度と前記保持回転手段に保持された基板の温度との温度差が所定の範囲内となるように前記基板の温度を温調する温調手段と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1記載の基板処理装置において、
    前記温調手段は、
    前記保持回転手段に保持された基板の裏面に流体を供給する流体供給手段と、
    前記流体の温度を調整する温調器と、
    を含むことを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項2記載の基板処理装置において、
    前記除去液供給手段が除去液を供給する前に、前記保持回転手段によって回転される基板の裏面に前記流体を供給するように前記流体供給手段を制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項2または請求項3記載の基板処理装置において、
    前記温調器は、前記除去液供給手段から供給される前記除去液の温度と前記流体の温度との温度差が20℃以内となるように前記流体の温度を調整することを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板処理装置において、
    基板に付着した前記有機物は、基板上に形成されたレジスト膜が変質して生じた反応生成物であることを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項5記載の基板処理装置において、
    前記反応生成物は、前記レジスト膜をマスクとして基板の表面に存在する薄膜をドライエッチングすることによって生成されたポリマーであることを特徴とする基板処理装置。
  7. 基板に処理液を供給して所定の処理を行う基板処理装置であって、
    基板を保持して回転する保持回転手段と、
    前記保持回転手段に保持された基板の表面に前記処理液を供給する処理液供給手段と、
    前記処理液供給手段から供給される前記処理液の温度と前記保持回転手段に保持された基板の温度との温度差が所定の範囲内となるように前記基板の温度を温調する温調手段と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
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