JP2004158316A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体ハウジング12の空洞部12d内に装着される一体型ゴム栓14に、端子収容室12aと連通する貫通穴14bを設け、かつ、一体型ゴム栓14の外周面にリブ14aを設ける。そして、一体型ゴム栓14の挿入側端面には最外周に位置する貫通穴14bと外周面との間に切込溝14cを設け、一体型ゴム栓14のリブ14aが空洞部12dの周壁12cに圧接されることで、一体型ゴム栓14の挿入側先端に付加される押圧力を切込溝14cで吸収して、一体型ゴム栓14の貫通穴14bを端子収容室12aとピッチずれなく直線状に貫通させるようにしている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は防水コネクタに関し、詳しくは、一体型ゴム栓の変形によって貫通穴と端子収容室との間にピッチずれが生じるのを防止するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、防水コネクタとして複数の電線挿通経路を一括して防水するために、一体型ゴム栓を使用したものが知られている(特許文献1)。このような防水コネクタ1は、図6(A)に示すように、複数の端子収容室2aが形成されたコネクタハウジング2の背面側に、周壁2bに囲まれた空洞部2cを備えている。そして、この空洞部2cの内面には、弾性的に密着可能なリブ3aが外周に周設された一体型ゴム栓3が装着されている。一体型ゴム栓3は、各端子収容室2aの配置に対応した貫通穴3bが設けられ、この貫通穴3bを通して電線Wの端末に取り付けられた端子金具Tを各端子収容室2a内に挿入すると共に、貫通穴3bの内周部を電線W外周に弾性的に密着させることで、電線Wとの間の防水を図るようにしている。更に、周壁2bの後端面には、空洞部2cに装着された一体型ゴム栓3を保持するためのリヤホルダー4が装着されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−17507号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の一体型ゴム栓3を用いる防水コネクタ1においては、図6(B)に示すように、一体型ゴム栓3をコネクタハウジング2の空洞部2c内に挿入したとき、一体型ゴム栓3が空洞部2cの内壁部によって縮径方向に押圧された状態となる。この押圧作用により、特に外周近くの貫通穴3bが内方へピッチずれした状態となるため、貫通穴3bの中心軸と端子収容室2aの中心軸にズレが生じる可能性がある。このような位置ズレが生じると、貫通穴3bを通して端子収容室2a内に端子金具Tを挿入する場合、端子金具Tの先端部が端子収容室2aの入り口の隔壁部に当接して変形等を生じるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、一体型ゴム栓の装着に伴ってこの一体型ゴム栓に縮径方向の押圧力が作用した場合においても、端子収容室に対する貫通穴の中心軸のピッチずれを最小限に止めることができるようにすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の端子収容室の背面側に周壁に囲まれた空洞部を設けた本体ハウジングと、該本体ハウジングの空洞部の周壁に外嵌して上記空洞部を閉鎖するリヤホルダーと、該リヤホルダーの内面側に突設されて上記空洞部内に押し込まれる一体型ゴム栓とを備え、
上記リヤホルダーおよび一体型ゴム栓に上記端子収容室と連通する貫通穴を設け、かつ、上記一体型ゴム栓の外周面にリブを設けている一方、一体型ゴム栓の挿入側端面には最外周に位置する上記貫通穴と外周面との間に切込溝を設け、
上記一体型ゴム栓のリブが上記空洞部の周壁に圧接されることで、該一体型ゴム栓の挿入側先端に付加される押圧力を上記切込溝で吸収して、一体型ゴム栓の貫通穴を端子収容室とピッチずれなく直線状に貫通させていることを特徴とする防水コネクタを提供している。
【0007】
上記構成によれば、一体型ゴム栓が本体ハウジングの空洞部に押し込まれることによって縮径方向の押圧力を受けた場合、一体型ゴム栓の挿入先端面に設けた切込溝の溝幅が縮まることによって、その押圧力を吸収することができる。このため、切込溝の内側に配置された貫通穴に対する上記押圧力の影響を最小限に止めることができ、よって端子収容室との間にピッチずれが生じるのを防止することができる。
【0008】
上記切込溝は一体型ゴム栓に環状に設けるのが好ましい。このようにすれば、一体ゴム栓の挿入先端における外周に近接する位置に配された各貫通穴に対する押圧力の影響を均等に軽減することができる。また、空洞部の内周面に密着するリブの圧接力に偏りが生じるのを防止できる。
【0009】
また、上記本体ハウジングの空洞部にインナーハウジングを収容すると共に、該インナーハウジングに設けた貫通穴を上記本体ハウジングの端子収容室および上記一体型ゴム栓とリヤホルダーの貫通穴とに直線状に連通させるようにしてもよい。成型上の都合等によりコネクタハウジングを本体ハウジングとインナーハウジングに分割構成したコネクタにおいては、インナーハウジングに設けた貫通穴を通して端子金具を本体ハウジングの端子収容室へ導入することとなる。このような場合においても、インナーハウジングの貫通穴が端子収容室および上記一体型ゴム栓とリヤホルダーの貫通穴とに直線状に連通しているので、端子金具の挿入操作を円滑に行うことができる。
【0010】
更に、電線端末に接続した端子金具を上記リヤホルダー、一体型ゴム栓およびインナーハウジングの貫通穴を通し、上記インナーハウジングの貫通穴に設けた係止部で上記端子金具の被係止部を係止し、該端子金具の先端部を本体ハウジングの端子収容室に収容している。上記のように一体型ゴム栓は、切込溝によって端子収容室との間のピッチずれが解消されることにより、リヤホルダーを装着した状態で端子金具をリヤホルダーの貫通穴から、一体型ゴム栓およびインナーハウジングを通して本体ハウジングの端子収容室に作業性よく挿入することができる。そして端子金具は、インナーハウジングに設けた係止部により確実に係止保持することができる。
【0011】
また、上記一体型ゴム栓は弾性を有するエラストマーで成形すると共に上記リヤホルダーを剛性を有する合成樹脂で成形し、該リヤホルダーと上記一体型ゴム栓とは弾性樹脂と合成樹脂とを二色成形することで一体的に設けるようにするのが好ましい。このようにすれば、一体型ゴム栓の成形時にリヤホルダーと一体化されるので、組立ての手間を軽減できると共に、これらに形成される貫通穴のピッチずれを防止でき、リヤホルダーを通しての端子金具の挿入初期段階から端子金具の正規の挿入軌道を確保することができる。
なお、リヤホルダーの内面に突設すべき一体型ゴム栓は、二色成形の他に、別個に成形したものを接着したり、凹凸嵌合することで一体化するようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の防水コネクタ10は、図1に示すように、合成樹脂製の本体ハウジング12およびインナーハウジング13との2体構造からなるハウジング11と、複数の電線Wを一括して挿通可能な一体型ゴム栓14と、本体ハウジング12の背面側に装着されるリヤホルダー15と、電線Wの端末に取り付けられて本体ハウジング12内に収容される端子金具Tとからなっている。
【0013】
本体ハウジング12は、前後方向に貫通して複数段、複数列にわたって設けた端子収容室12aを備え、前面側には相手側コネクタ(図示せず)の雄タブを受け入れるために前面に開放したタブ挿入口12bを備えている。本体ハウジング12の背面側には、周壁12cを後方へ一体的に延出して、その周壁12cに囲まれた空洞部12dを形成し、この空洞部12dをインナーハウジング13および一体型ゴム栓14の収容部としている。空洞部12dは本体ハウジング12に形成された複数の各端子収容室12aの後部に連通している。
【0014】
インナーハウジング13は空洞部12dの奥部分に内嵌され、内嵌状態において空洞部12dの後部に一体型ゴム栓14を装着可能なスペースを残している。このインナーハウジング13には、本体ハウジング12の各端子収容室12aと連通する貫通穴13aが形成され、貫通穴13aの内面部には端子金具Tの被係止部Taと係合して端子金具Tを抜け止め保持するための係止部13bを形成している。図5においては、係止部13bとして端子金具Tの挿入方向に向かって方持ち梁状に突出するランスと、被係止部Taとして端子金具Tの接続部後端の顎部として示したが、端子金具Tを抜け止め保持できれば、係止突起と係止孔、凹部と凸部等の適宜係止手段を採用可能である。
【0015】
一体型ゴム栓14は図2(A)(B)に示すように、弾性を有するエラストマーにより空洞部12dに対応して方形板状に形成されている。一体型ゴム栓14の外周には外方へ突出する複数本の環状のリブ14aが一体的に周設され、図3に示すように、空洞部12d内に一体型ゴム栓14を挿入したときリブ14aが空洞部12dの周壁12c内周に弾性的に圧接されるようになっている。また、一体型ゴム栓14には各端子収容室12aに連通するように、各端子収容室12aおよびインナーハウジング13の貫通穴13aの配置に対応して、前後方向に貫通する複数の貫通穴14bを形成している。この貫通穴14bの内径は、電線Wの外周に対し弾性的に密着可能な径とされ、内周面を凹凸が連続する形状としている。
更に、一体型ゴム栓14の挿入側端面には、最外周に位置する貫通穴14bと外周面との間において一体型ゴム栓14の背面側に向かって切り込まれた切込溝14cを形成している。切込溝14cは断面略V字状の先細り形状とし、最外周の貫通穴14bを取り囲むようにして環状に設けている。この切込溝14cによって一体型ゴム栓14の挿入側端面は、最外周の貫通穴14bと、リブ14aが形成された外周面とが分断され、環状のリブ14aが縮径する方向に押圧されたとき、その押圧力を切込溝14cによって吸収可能としている。
【0016】
リヤホルダー15は、図1、図2(A)(B)に示すように、本体ハウジング12と同様に合成樹脂にて形成され、本体ハウジング12の空洞部12dを閉鎖するように周壁12cの背面部に外嵌可能なキャップ状とされている。リヤホルダー15の外周部15aと本体ハウジング12の周壁12cには、図3に示すように、凹凸係合するロック部16を設けて、リヤホルダー15を周壁12cに係止固定可能としている。また、リヤホルダー15の基部15bには一体型ゴム栓14の各貫通穴14bに対応して、端子金具Tを挿通可能な貫通穴15cを形成している。
【0017】
本実施形態においては、弾性樹脂からなる一体型ゴム栓14と、剛性を有する合成樹脂からなるリヤホルダー15とを互いの貫通穴14b、15cを連通させた状態で二色成形により一体化している。これにより、一体型ゴム栓14の背面側はリヤホルダー15の基部15b内面に密着一体化しているので、一体型ゴム栓14を空洞部12d内に挿入して外周のリブ14aが内方へ押圧されても貫通穴14bがピッチずれすることはない。
【0018】
また、本体ハウジング12には、図5に示すように、端子収容室12a内に挿入された端子金具Tからリヤホルダー15を通して外部へ導出される電線Wを保護すると共に、電線Wを横出し方向に案内するためのコネクタカバー17を装着可能としている。
【0019】
次に、上記構成からなる防水コネクタ10の作用について説明する。
図3に示すように、本体ハウジング12の空洞部12d内にインナーハウジング13を挿入して、貫通穴13aを端子収容室12aに連通する状態とする。次いで、リヤホルダー15に一体化された一体型ゴム栓14を空洞部12d内に挿入することで外周のリブ14aを周壁12cの内周に圧接させて、空洞部12dとの間の水密性を確保する。このとき、一体型ゴム栓14のリブ14aが周壁12cの内周面から縮径方向に押圧されるため、これに伴って特に外周付近に位置する貫通穴14bがこの押圧力の影響でピッチずれする状況となっている。しかしながら、一体型ゴム栓14における挿入側端面には切込溝14cが形成されているため、図4(A)(B)に示すように、リブ14aが縮径方向の押圧力を受けても、この切込溝14cの間隔が縮まることによってその押圧力を吸収することができる。よって、外周付近に位置する貫通穴14bへの影響は殆どなく、ピッチずれが生じるのを防止できる。
【0020】
一方、一体型ゴム栓14の基部側においては、リヤホルダー15と一体成形されているため、リブ14aの縮径に伴う押圧力の影響によって貫通穴14bのピッチずれを生じることはない。このようにして、空洞部12d内への一体型ゴム栓14の挿入が完了すると同時に、リヤホルダー15の外周部15aが周壁12cに外嵌され、ロック部16によって係止保持される。これにより、リヤホルダー15から端子収容室12aへ至るまで、貫通穴15c、14b、13aを介して端子金具Tの挿入経路が直線状に連通した状態となる。
【0021】
次いで、図5に示すように、リヤホルダー15の貫通穴15cから電線W端末の端子金具Tを挿入する。すると、端子金具Tは一体型ゴム栓14の貫通穴14bを拡開しながら挿入されインナーハウジング13の貫通穴13aを通過して端子収容室12a内へ挿入される。端子金具Tの挿入操作に際しては、端子収容室12aに至る各貫通穴13a、14b、15cがピッチずれすることなく直線状に連通しているので、端子金具Tの挿入操作を円滑に行うことができる。そして、定位置まで挿入されたとき、インナーハウジング13の係止部13bが端子金具Tの被係止部Taに係合することで端子金具Tは抜け止め状態に保持される一方、電線Wは貫通穴14bの縮径方向の弾圧力によって水密状態で保持される。更に、必要に応じて本体ハウジング12から導出される電線Wを保護すると共に、電線Wの引き出し方向を横方向へ案内するためのコネクタカバー17を背面側から被せて固定することもできる。
【0022】
なお、上記実施形態においては、ハウジング11を本体ハウジング12とインナーハウジング13の2体構造にした例を示したが、両者一体のハウジングにも同様に適用可能である。また、一体型ゴム栓14の挿入端面に形成した切込溝14cを連続した環状に形成した例を示したが、断続的な切込溝14cであってもよい。更に、一体型ゴム栓14とリヤホルダー15を二色成形により一体化した例を示したが、接着、凹凸嵌合により一体化してもよい。また、端子金具Tとして雌端子を用いた雌コネクタの例を示したが、雄端子を用いた雄コネクタにも同様に適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明では、一体型ゴム栓の挿入側端面において最外周に位置する貫通穴と外周面との間に切込溝を設けたので、本体ハウジングの空洞部内に一体型ゴム栓を挿入したときに一体型ゴム栓の外周が受ける押圧力を吸収することができる。よって、一体型ゴム栓の貫通穴の配列にピッチずれを生じることがなく、一体型ゴム栓を通しての端子収容室内への端子金具の挿入作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防水コネクタの実施形態の分解断面図である。
【図2】(A)は一体型ゴム栓とリヤホルダーの正面図、(B)はX−X断面図である。
【図3】本体ハウジング、インナーハウジング、一体型ゴム栓およびリヤホルダーの組み付け状態の断面図である。
【図4】(A)は一体型ゴム栓を本体ハウジングの空洞部へ挿入する途中段階の要部断面図、(B)は完全挿入状態の要部断面図である。
【図5】端子収容室へ端子金具を挿入した状態の断面図である。
【図6】(A)は従来例の断面図、(B)は従来例の問題点の概略断面図である。
【符号の説明】
T 端子金具
Ta 被係止部
W 電線
10 防水コネクタ
12 本体ハウジング
12a 端子収容室
12c 周壁
12d 空洞部
13 インナーハウジング
13a 貫通穴
13b 係止部
14 一体型ゴム栓
14a リブ
14b 貫通穴
14c 切込溝
15 リヤホルダー
15c 貫通穴
Claims (5)
- 複数の端子収容室の背面側に周壁に囲まれた空洞部を設けた本体ハウジングと、該本体ハウジングの空洞部の周壁に外嵌して上記空洞部を閉鎖するリヤホルダーと、該リヤホルダーの内面側に突設されて上記空洞部内に押し込まれる一体型ゴム栓とを備え、
上記リヤホルダーおよび一体型ゴム栓に上記端子収容室と連通する貫通穴を設け、かつ、上記一体型ゴム栓の外周面にリブを設けている一方、一体型ゴム栓の挿入側端面には最外周に位置する上記貫通穴と外周面との間に切込溝を設け、
上記一体型ゴム栓のリブが上記空洞部の周壁に圧接されることで、該一体型ゴム栓の挿入側先端に付加される押圧力を上記切込溝で吸収して、一体型ゴム栓の貫通穴を端子収容室とピッチずれなく直線状に貫通させていることを特徴とする防水コネクタ。 - 上記切込溝は一体型ゴム栓に環状に設けている請求項1に記載の防水コネクタ。
- 上記本体ハウジングの空洞部にインナーハウジングを収容すると共に、該インナーハウジングに設けた貫通穴を上記本体ハウジングの端子収容室および上記一体型ゴム栓とリヤホルダーの貫通穴とに直線状に連通させている請求項1または請求項2に記載の防水コネクタ。
- 電線端末に接続した端子金具を上記リヤホルダー、一体型ゴム栓およびインナーハウジングの貫通穴を通し、上記インナーハウジングの貫通穴に設けた係止部で上記端子金具の被係止部を係止し、該端子金具の先端部を本体ハウジングの端子収容室に収容している請求項3に記載の防水コネクタ。
- 上記一体型ゴム栓は弾性を有するエラストマーで成形すると共に上記リヤホルダーを剛性を有する合成樹脂で成形し、該リヤホルダーと上記一体型ゴム栓とは弾性樹脂と合成樹脂とを二色成形することで一体的に設けている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の防水コネクタ。
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CN101270865A (zh) | 灯泡插座 |
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