JP2004157438A - 光接続装置、光回路および光電子混載回路 - Google Patents
光接続装置、光回路および光電子混載回路 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】光信号のパワー分岐機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供する。
【解決手段】光信号が一端31から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路21中に他端32が挿入され、一端31への光信号を他端32まで伝搬して光導波路21へ導波する光ピン(光接続装置)30において、他端32に反射面32a,32bを形成し、異なる少なくとも2方向の光導波路21へ反射面32a,32bで反射して導波するようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】光信号が一端31から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路21中に他端32が挿入され、一端31への光信号を他端32まで伝搬して光導波路21へ導波する光ピン(光接続装置)30において、他端32に反射面32a,32bを形成し、異なる少なくとも2方向の光導波路21へ反射面32a,32bで反射して導波するようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光通信分野で使用される光接続装置に係るものであり、特に、基板に対して平行に光信号を伝搬させる光導波路と、基板上に実装され、基板に対して垂直に光信号を入出力する発光素子・受光素子などの光学素子とを光学的に結合する光接続装置に関し、また、この光接続装置を用いた光回路および光電子混載回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータをはじめとする情報処理装置の情報処理量は増大の一途をたどっている。この情報処理量の増大に伴って、情報処理装置を構成する基板内部や基板間における配線数、基板上の電子素子間における配線数も増加しており、電子回路実装の高密度化が要求されている。しかしながら、金属を用いた電気配線では、配線間における信号の相互干渉の問題や、配線距離の長尺化による信号の伝搬遅延の問題などが深刻になってしまう。
【0003】
この電気配線に起因した諸問題を解決するための手法として、光配線を利用した光接続装置が注目されている。光信号の伝達には信号の相互干渉の問題がなく、並列処理が可能なため、光接続装置は情報の大量伝送に適している。この場合、基板内における光配線は、いわゆる光回路によって実現される。つまり、基板上に実装した発光素子から受光素子への光信号の伝送を光導波路によって媒介させる。
【0004】
しかしながら、光回路では、光導波路と発光素子・受光素子とを光学的に結合(光接続)させなければならないため、精密な位置合わせ(調心)が必要となる。この光接続は、単純な接触で導通する電子回路の電気接続に比べると容易なものではない。電子素子とプリント配線(電気導波路)とを電子回路基板上で電気接続する場合には、電子素子のピンをプリント配線基板に挿入し、プリント配線基板に電子素子をハンダ付けするように、光接続の場合にも、この簡便な挿入固定を採用することが望ましい。このような挿入固定による光接続では、電子素子のピンになぞらえて光ピン(光接続装置)と呼ばれるものが使用される。光ピンは、例えば下記の非特許文献1に記載されているように、光導波路を貫通する貫通孔に例えば光ファイバを挿入して光接続を行うものである。
【0005】
【非特許文献1】
「光SMT向けスルーホールへの光ピン挿入実験」
Optics Japan 2001 講演予稿集、6pD1
【0006】
図14は従来の光接続装置を用いた光回路の構成を示す図であり、光回路の側面透視図を表している。
図14において、110は電子素子、111はレーザダイオード(以下、LDと略す)、112はLD111を駆動する発光IC,113はフォトダイオード(以下、PDと略す)、114はPD113の電気出力を電子素子110に供給する受光ICである。LD111および発光IC112から発光素子が、PD113および受光IC114から発光素子が構成されており、電子素子110はこれらの発光素子、受光素子を備えている。
【0007】
また、図14において、120はプリント配線基板、121はプリント配線基板120内部に形成した光導波路、121zは光導波路121の光軸、122,123はプリント配線基板120の上面から光導波路121を貫通するように形成した貫通孔である。
【0008】
さらに、図14において、130は分布屈折率型の光ファイバを用いて製造した光ピン、130yは光ピン130の光軸、131は光ピン130の一端、132は光ピン130の他端に加工した反射面である。なお、光軸121zと平行にZ軸を、光軸130yと平行にY軸を、光軸121zおよび光軸130yと垂直にX軸をとっている。
【0009】
図14のプリント配線基板120には、光導波路121を分割するように、貫通孔122,123が形成されている。また、光ピン130には、光ファイバの他端を斜め加工して、反射面132が形成されている。そして、反射面132が光導波路121中に存在するように、光ピン130を貫通孔122,123に挿入して、電子素子110とプリント配線基板120とをハンダ付けしている。
【0010】
次に動作について説明する。
図14の光接続装置において、電子素子110の電気信号は発光IC112を介してLD111で光信号に変換される。LD111の光信号は、貫通孔122に挿入した光ピン130へ一端131から入射すると、光軸130yの負の方向に沿って光ピン130のコア内部を進行し、反射面132で反射される。この反射面132の反射によって、光信号は光軸130yの負の方向から光軸121zの正の方向へ90度光路変換され、光ピン130のクラッドを透過して光導波路121へ出射する。
【0011】
また、図14の光接続装置において、反射面132で反射して光軸121zの正の方向へ光導波路121のコア内部を伝搬した光信号は、貫通孔123に到達する。この光信号は、貫通孔123に挿入した光ピン130のクラッドを透過後、反射面132で反射される。この反射面132の反射によって、光信号は光軸121zの正の方向から光軸130yの正の方向へ90度光路変換され、光ピン130のコア内部を伝搬して一端131からPD113へ出射する。そして、光信号はPD113で電気信号に変換され、受光IC114を介して電子素子110に供給される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光接続装置は以上のように構成されているので、光ファイバの他端を単純に斜め加工して反射面を形成し、この反射面によって光接続を行っているため、貫通孔で分割された両側の光導波路に対して光信号をパワー分岐できないという課題があった。
【0013】
また、従来の光接続装置は、光導波路を進行する光信号の一部のパワーだけを光路変換し、残りのパワーを光導波路中へそのまま進行させるタッピング機能が実現できないという課題があった。
【0014】
このため、光導波路に沿って多数の貫通孔を形成し、タッピング機能によって各貫通孔の光ピンに光パワーを徐々に与えていく1対nの並列処理が不可能になってしまう。なぜなら、プリント配線基板上に配置する光導波路の上下クラッド厚さは40μm,コア厚は50μmと想定されるため、従来の光ピン(クラッド直径125μm、コア直径50μm)の場合、その実装深さ位置を変えると、光ピンの先端部がプリント配線基板に衝突し、折れてしまう可能性が大きい。
【0015】
つまり、従来の光接続装置では、光接続に自由度を持たせることが不可能である。
【0016】
この発明は以上の課題を解決するためになされたものであり、光信号のパワー分岐機能やタッピング機能を実現して光接続に自由度を持たせ、1対nの並列処理を可能とする光接続装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、この発明は、光接続装置を用いた光回路および光電子混載回路を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の光接続装置は、光信号が一端から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、一端への光信号を他端まで伝搬して光導波路へ導波する光接続装置において、他端に反射面を形成し、異なる少なくとも2方向の光導波路へ反射面で反射して導波するようにしたものである。
このようにすることで、各光導波路に対して、光接続装置内を伝搬する光信号を分岐することができる。
【0019】
請求項2記載の光接続装置は、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように光導波路中に他端を挿入した光接続装置において、光導波路中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を他端に形成するようにしたものである。
このようにすることで、一方の光導波路から伝搬した光波を他方の光導波路と光接続装置とに対して分岐することができる。
【0020】
請求項3記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、V字断面形状に2枚の反射面が形成されるようにしたものである。
このようにすることで、2方向の光導波路への光信号の分岐や、光導波路および受光素子への光信号の分岐を行うことができる。
【0021】
請求項4記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、四角錐状に4枚の反射面が形成されるようにしたものである。
このようにすることで、4方向の光導波路への光信号の分岐や、光導波路および受光素子への光信号の分岐を行うことができる。
【0022】
請求項5記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、円錐状に反射面が形成されるようにしたものである。
このようにすることで、発散する方向の光導波路への光信号の分岐や、光導波路および受光素子への光信号の分岐を行うことができる。
【0023】
請求項6記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、少なくとも2つの反射面を備え、反射面のなす角度が60度から120度までの間にあるようにしたものである。
このようにすることで、反射面での光信号の反射方向を適当に変化させることができる。
【0024】
請求項7記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、光信号を反射するための金属膜が反射面に蒸着されるようにしたものである。
このようにすることで、反射面の反射率を改善し、損失の要因となる透過光を減少できる。
【0025】
請求項8記載の光回路は、光信号が一端から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、一端への光信号を他端まで伝搬させ、この光信号を、他端に形成した反射面で異なる少なくとも2方向の光導波路に対して導波する光接続装置と、光導波路が一方の面に設置され、光接続装置が挿入され、他方の面から光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、入力された電気信号を光信号に変換して光接続装置へ出射する発光素子とを備えるようにしたものである。
このようにすることで、各光導波路に対して、光接続装置を伝搬する光信号を分岐することができる。
【0026】
請求項9記載の光回路は、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように光導波路中に他端が挿入され、光導波路中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を他端に形成した光接続装置と、光導波路が一方の面に設置され、光接続装置が挿入され、他方の面から光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、光接続装置から受信した光信号を電気信号に変換する受光素子とを備えるようにしたものである。
このようにすることで、一方の光導波路から伝搬した光波を他方の光導波路と光接続装置とに対して分岐することができる。
【0027】
請求項10記載の光回路は、複数個の貫通孔が基板に形成されるとともに、貫通孔と同数だけ受光素子が基板に実装され、貫通孔と同数の光接続装置が貫通孔の各々に挿入されるようにしたものである。
このようにすることで、各光接続装置の順番に応じて光信号が順次タッピングされ、貫通孔上に実装された各受光素子でそれぞれ受光させることができる。
【0028】
請求項11記載の光電子混載回路は、請求項9または請求項10記載の光回路と、光回路の基板の他方の面に設置され、電気信号が伝搬する電気導波路と、光接続装置の基板の他方の面に実装され、電気導波路を介して電気信号をやりとりする電子素子とを備え、電子素子は、光回路の発光素子または受光素子と電気信号をやりとりするようにしたものである。
このようにすることで、電気信号の情報量に応じて、電気信号を光信号として光回路でやりとりすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態の各図面における同一符号は同一または相当する構成を示している。
【0030】
実施の形態1.
図2はこの発明の実施の形態1による光接続装置を用いた光回路の構成を示す図であり、光回路の側面透視図を表している。また、図3は図2においてLDからの光信号が光導波路へ結合されるまでの様子を示す図であり、図4は図2において光導波路中の光信号がPDへ結合されるまでの様子を示す図である。図3(a),図4(a)は図2の光回路の側面透視図、図3(b),図4(b)は図2の光回路の上面透視図である。
【0031】
図2〜4において、10は電子素子、11はレーザダイオード(以下、LDと略す)、12はLD11を駆動する発光IC,13はフォトダイオード(以下、PDと略す)、14はPD13の電気出力を電子素子10に供給する受光ICである。LD11および発光IC12から発光素子が、PD13および受光IC14から発光素子が構成されており、電子素子10はこれらの発光素子、受光素子を備えている。
【0032】
また、図2〜4において、20はプリント配線基板(基板)、21はプリント配線基板20内部に形成した光導波路、21zは光導波路21の光軸、22,23はプリント配線基板20の上面から光導波路21を貫通するように形成した貫通孔である。
【0033】
さらに、図2〜4において、30は分布屈折率型の光ファイバを用いて製造した光接続装置としての光ピン、30yは光ピン30の光軸、31は光ピン30の一端、32は凹部が加工された光ピン30の他端である。他端32の凹部は、2つの反射面32a,32bを備えている。また、図3,4のL1〜L6は光信号である。なお、光軸21zと平行にZ軸を、光軸30yと平行にY軸を、光軸21zおよび光軸30yと垂直にX軸をとっている。
【0034】
図2〜4のプリント配線基板20には、光導波路21を分割するように、貫通孔22,23が形成されている。また、光ピン30には、光ファイバの他端32を斜め加工して、反射面32a,32bからなる凹部が形成されている。そして、貫通孔22側では、凹部の反射面32a,32bが光導波路21中に存在するように、また、貫通孔23側では、光導波路21中の一部を反射面32a,32bで遮るように、光ピン30を貫通孔22,23に挿入して、電子素子10とプリント配線基板20とをハンダ付けしている。
【0035】
なお、図2〜4に示すように、反射面32a,32bは、光軸21z,30yを含む平面で切断したときの切断面形状がV字断面形状となるように、反射面32a,32bを他端32に斜め加工して凹部としている。
【0036】
次に動作について説明する。
図2,3の光回路において、電子素子10の電気信号は発光IC12を介してLD11で光信号に変換される。LD11の光信号L1は、貫通孔22に挿入した光ピン30へ一端31から入射すると、光軸30yの負の方向に沿って光ピン30のコア内部を進行し、凹部の反射面32a,32bで反射される。これらの反射面32a,32bの反射によって、光信号L1の一部は光軸30yの負の方向から光軸21zの正の方向へ、また、光信号L1の残りは光軸30yの負の方向から光軸21zの負の方向へそれぞれ90度光路変換され、光信号L2,L3として、光ピン30のクラッドを透過して光導波路21へ出射する。
【0037】
また、図2,4の光接続装置において、光軸21zの正の方向へ光導波路21のコア内部を伝搬する光信号L4は、貫通孔23に到達する。この光信号L4は、貫通孔23に挿入した光ピン30のクラッドを透過後、貫通孔23の反射面32bでその一部が反射され、残りは反射面32bに遮られることなく、光信号L6として光軸21zの正の方向へ光導波路21をそのまま進行する。反射面32bの反射によって、光信号L4の一部は光軸21zの正の方向から光軸30yの負の方向へ90度光路変換されて光信号L5となり、光ピン30のコア内部を伝搬して一端31からPD13へ出射する。そして、光信号はPD13で電気信号に変換され、受光IC14を介して電子素子10に供給される。
【0038】
このように、この実施の形態1の光接続装置を用いた光回路では、光ピン30内部を光軸30yの負の方向に沿って伝搬する光信号L1を光軸21zの正方向と負方向とへ反射面32a,32bで反射するようにしているので、LD11からの光信号L1を光信号L2と光信号L3とにパワー分岐することができる。
【0039】
また、光導波路21内部を光軸21zの正の方向に沿って伝搬する光信号L4を光軸21zの正方向へ凹部の反射面32bで反射するとともに、反射面32a,32bで遮ることなく、光軸21zの正の方向へ光導波路21をそのまま伝搬させるようにしているので、光導波路21の光信号L4を光信号L5と光信号L6とにパワー分岐してタッピング機能を実現している。もちろん、光導波路21内部を光軸21zの負の方向に沿って伝搬する光信号であれば、光軸21zの正方向へ反射面32aで反射し、反射面32a,32bで遮ることなく、光軸21zの負の方向へ光導波路21をそのまま伝搬させるように動作する。
【0040】
図5はこの実施の形態1による光接続装置の光結合特性を光線追跡法で解析した結果を示す図であり、矩形断面の光導波路からなる光ピン30を伝搬する光信号L1が貫通孔22で分割された両側の光導波路21へ光信号L2,L3としてパワー分岐される際(送信側)の光線軌跡の一例を示している。ここでは、反射面32a,32bのなす角度を90度としてある。図5から、光ピン30を伝搬する光信号L1は、貫通孔22で分割された両側の光導波路21に対して、反射面32a,32bによってパワー分岐されている様子が分かる。
【0041】
図6は送信側における光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。図6の横軸は位置ずれ量[μm]であり、縦軸は光結合効率[dB]である。ここで、横軸の位置ずれ量とは、光ピン30のコアにおける反射面32a,32bの中心と、貫通孔22に隣接する光導波路21のコア部の中心とが同一直線上にある場合を原点(ゼロ)とし、図2〜4のY軸方向に対して光ピン30が原点より上側に実装された場合をプラス(+)の値、原点より下側に実装された場合をマイナス(−)の値として、原点からの位置ずれの大きさを表す数値である。一方、縦軸の光結合効率とは、LD11出力の光信号のパワーを0dB(100%)とし、貫通孔22両側の光導波路21内に配置した検出器で検出される光信号の割合を示している。
【0042】
図6から、光ピン30を位置ずれなく実装した場合も、原点から位置ずれして実装された場合のどちらであっても、貫通孔22で分割された両側の光導波路21へ均等に光パワーが分岐されていることが分かる。
【0043】
また、この場合の光ピン30による光結合効率は最大−4.8〜−5dB程度であり、LD11から出射したパワー0dBの光信号は単純に半分(−3dB)にパワー分岐されておらず、損失が発生していることが分かる。これは主に、光ピン30の反射面32a,32bに到達した光信号が全反射条件を満たさないためであり、反射面32a,32bで透過光が生じて損失の要因となっているからである。そこで、この損失を低減するために、Au(金)などの金属膜を反射面32a,32bに蒸着し、反射面32a,32bの反射率を100%近くまでに改善した場合について次に説明する。
【0044】
図7は反射面32a,32bに金属膜を蒸着した場合の送信側での光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。図7では、光結合効率の向上を全体的に確認することができ、最大の光結合効率は理想値にほぼ近い数値が得られている。以上の結果から、反射面32a,32bに金属膜を蒸着することで、反射面32a,32bの反射率を改善し、損失の要因となる透過光を減少でき、光接続装置の光結合効率を向上できることが分かる。
【0045】
なお、図6,7において、最大光結合効率から1dBダウンの光結合効率までを、Y軸方向における光ピン30の位置ずれ量の許容値と考えると、この許容値は±20μm程度あり、実装可能な範囲内にある。
【0046】
図8はこの実施の形態1による光接続装置の光結合特性を光線追跡法で解析した結果を示す図であり、光導波路21を伝搬する光信号L4の一部のパワーが貫通孔23の反射面32bで光ピン30に分岐される際(受信側)の光線軌跡の一例を示している。図5の場合と同様に、ここでの反射面32a,32bのなす角度は90度である。
【0047】
図8を見ると分かるように、光導波路21を伝搬してきた光信号L4が貫通孔23に到達すると、光信号L4の一部のパワーは反射面32bで90度光路変換され、光信号L5として光ピン30内を伝搬し、光信号L4の残りのパワーは反射面32a,32bに遮られることなく通過し、光信号L6として光導波路21をそのまま伝搬している。すなわち、図5から、光ピン30のタッピング機能を確認することができる。このタッピングの割合は、光導波路21の大きさと反射面32a,32bの大きさとが定まると、貫通孔23に対する光ピン30の位置ずれ量(実装深さ位置、あるいは光ピン長さ)を変化させることによって調整可能である。
【0048】
図9,10は受信側における光結合特性の解析結果を定量的にそれぞれ示す図であり、図9は反射面32a,32bに金属膜を蒸着していない場合、図10はAu(金)などの金属膜を反射面32a,32bに蒸着した場合である。図6,7の場合と同様に、横軸は位置ずれ量[μm]、縦軸は光結合効率(光ピン30および光導波路21内に配置した検出器で検出される光信号の割合)[dB]を表している。
【0049】
図9,10から、光ピン30の位置ずれ量を調整することで、反射面32a,32bが光導波路21を遮る割合を変化させ、光ピン30に分岐する光信号L5と、光導波路21をそのまま伝搬させる光信号L6との割合、すなわちタッピングの割合を調整できることが分かる。また、図9の解析結果と図10の解析結果とを比較すると、同じ位置ずれ量の値に対して、金属膜を蒸着した図10の場合の方が光ピン30に対する光結合効率が良く、また、光結合効率の変化も緩やかにすることができる。よって、図5〜7のパワー分岐の場合と同様に、タッピング機能を実現する場合にも、反射面32a,32bに金属膜を蒸着することが望ましい。
【0050】
なお、図5〜7,図8〜10では、反射面32a,32bのなす角度を90度とした場合の解析結果であったが、タッピングの効率などにもよるものの(光導波路21の大きさと反射面32a,32bの大きさとが決まると、反射面32a,32bのなす角度を大きくするほど光導波路21をそのまま進行する光信号の割合が大きくなり、逆に、反射面32a,32bのなす角度を小さくするほど光ピン30へ分岐される光信号の割合が大きくなる)、反射面32a,32bのなす角度を60度〜120度程度とすることで、反射面32a,32bでの光信号の反射方向を適当に変化させることができ、パワー分岐機能やタッピング機能を調整するのに有効である。
【0051】
さらに、この実施の形態1の光接続装置を用いると、次の図11に示すように、1対nの並列処理が可能になっている。
図11はこの発明の実施の形態1による光接続装置を用いた光回路の構成を示す図であり、光ピン30を並列に多数配置して1対nの並列処理を行う場合の一例を示している。図11において、光導波路21中を伝搬する光信号は、伝搬方向に配置された貫通孔23〜26の各光ピン30の順番に応じて順次タッピングされ、貫通孔23〜26上に実装された各PD13でそれぞれ受光される。
【0052】
このように、光導波路21に対して複数の貫通孔23〜26を形成し、貫通孔23〜26に挿入した各光ピン30で光導波路21中の光信号を順次タッピングして各受光素子13に受光させるようにしているので、1対nの並列処理を実現することができる。
【0053】
以上の説明では、光ピン30の凹部は、2つの反射面32a,32bからなるものとして説明してきたが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば以下のようなバリエーションを採用することもできる。
【0054】
図12は光接続装置の第1のバリエーションを説明するための図であり、図12(a)は光ピンの斜視透視図、図12(b)は図12(a)の光接続装置を用いた光回路の上面透視図である。
【0055】
図12(a),(b)において、80は第1のバリエーションによる光ピン、81は光ピン80の一端、82は四角錐状の凹部が斜め加工された光ピン80の他端、82n,82e,82s,82wは光ピン80の凹部を四角錐状に構成する4つの反射面、27は光導波路21と交差するプリント配線基板20の光導波路、27xは光導波路27の光軸、28は光導波路21と光導波路27とが交差する領域に設けられた貫通孔である。
【0056】
図12(a)では、図2〜4の光ピン30の反射面32a,32bに相当する反射面82e,82wに加えて、反射面82n,82sを光ピン80の他端82に加工している。このため、光ピン80は光軸80yの負の方向に沿って内部を伝搬する光信号を、互いに直交する光軸21z,27xの正負各2方向へ90度光路変換し、貫通孔28で各々2つに分割された光導波路21,27へ4分岐することが可能になっている。
【0057】
図13は光接続装置の第2のバリエーションを説明するための図であり、図13(a)は光接続装置の斜視透視図、図13(b)は図13(a)の光接続装置を用いた光回路の上面透視図である。
【0058】
図13(a),(b)において、90は第2のバリエーションによる光ピン、91は光ピン90の一端、92は円錐状の凹部が斜め加工された光ピン90の他端、92cは光ピン90の凹部を円錐状に構成する反射面、27は光導波路21と交差するプリント配線基板20の光導波路、27xは光導波路27の光軸、29は光導波路21と光導波路27とが交差する領域に設けられた貫通孔である。
【0059】
図13の光ピン90は、反射面を円錐状にした反射面92cによって凹部が構成されており(例えば光ピン30の反射面32a,32bを直線状にし、この直線状の反射面32a,32bを光軸30y回りに回転させると反射面92cになる)、光軸90yと直交する全方向に対して、光軸90yの負の方向へ沿って内部を伝搬する光信号を発散状に光路変換する。したがって、光ピン90は、少なくとも2本の光導波路21,27が交差するプリント配線基板20において、光導波路21,27同士が交差する領域での光パワー分岐、タッピング機能を実現可能にしている。特に、反射面92cは、光軸90y回りの回転体であるため、貫通孔29へ挿入する際に、光軸90y回りの方向性を考慮する必要がなく、この点で他の光ピン30,80よりも有効である。
【0060】
なお、以上の説明で示した光ピン30,80,90としては、コアおよびクラッドを有し、その光軸と直交する平面で切断するとコアおよびクラッドが円形の切断面となる光ファイバを用いて製造しても良いし、また別に、コアおよびクラッドを有し、その光軸と直交する平面で切断するとコアおよびクラッドが矩形の切断面となる光導波路を採用しても良く、光ピン(光接続装置)の製造材料としては以上の2通りのものが考えられる。実用性から言えば、光ピンの製造材料には光ファイバが有効と考えられる。
【0061】
また、光ピン30,80,90の凹部の加工方法は以下の3通りである。
<2つの反射面の場合>
刃先角度が所定の角度(例えば90度)を有する回転ブレードを使用し、その刃先に光ファイバの先端を近づけ、V字状の切り目をいれる。
<円錐形状の反射面の場合>
回転ドリル刃を光ファイバ先端に光軸90yに沿って近づけることによって、錐のように加工する。
<4つの反射面の場合>
上記の二方法では加工が困難なため、別の方法を採用する。すなわち、先端が所定の反射面82n,82e,82s,82wになるように加工された刃先をヒータによって加熱し、プラスチック光ファイバからなる光ピンの先端に、加熱した刃先を光軸に沿って押し付けて加工する。
以上、製造材料の観点から2通り(光ファイバまたは光導波路)のものが、凹部の形状・加工方法(V字断面形状、四角錐状、円錐状)の観点から3通りのものが挙げられ、全ての組み合わせから6通りの光ピンが考えられる。
【0062】
さらに、光ピン30,80,90の他端32,82,92の凹部の形状は、異なる少なくとも2方向の光導波路21へ光信号を反射して導波でき、また、光導波路21中の光信号の一部を反射して取り込み、光導波路21中の光信号の残りを光導波路21中をそのまま伝搬できれば、この実施の形態1で示した形状に限定されるものではない。
【0063】
さらに、この実施の形態1による光ピン(光接続装置)を用いた光回路において、プリント配線基板20に電気を導通するプリント配線(電気導波路)を配置し、このプリント配線を介して電気信号をやりとりする他の電子素子も実装した光電子混載回路を構成するようにしても良い。光ピンを用いることで、光接続を容易に行うことができ、並列処理可能で、信号の相互干渉の問題がない光信号を使って、情報を大量伝送することができるようになる。
【0064】
以上のように、この実施の形態1によれば、光信号が一端31から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路21中に他端32が挿入され、一端31への光信号を他端32まで伝搬して光導波路21へ導波する光ピン(光接続装置)30において、他端32に反射面32a,32bを形成し、異なる少なくとも2方向の光導波路21へ反射面32a,32bで反射して導波するようにしたので、パワー分岐機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン30を提供することができる。
【0065】
また、この実施の形態1によれば、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端31から出射するように光導波路21中に他端32を挿入した光ピン30(光接続装置)において、光導波路21中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路21中をそのまま伝搬させるように反射面32a,32bを他端32に形成するようにしたので、タッピング機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン30を提供することができる。
【0066】
さらに、この実施の形態1によれば、V字断面形状に2枚の反射面32a,32bが形成されるようにしたので、簡単な構成で、2方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン30を提供することができる。
【0067】
さらに、この実施の形態1によれば、四角錐状に4枚の反射面82n,82e,82s,82wが形成されるようにしたので、4方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン80を提供することができる。
【0068】
さらに、この実施の形態1によれば、円錐状に反射面92cが形成されるようにしたので、光軸90y回りの方向性を考慮する必要がなく、発散する方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン90を提供することができる。
【0069】
さらに、この実施の形態1によれば、少なくとも2つの反射面32a,32bを備え、反射面32a,32bのなす角度が60度から120度までの間にあるようにしたので、パワー分岐機能やタッピング機能を調整することができる。
【0070】
さらに、この実施の形態1によれば、光信号を反射するための金属膜が反射面32a,32b,82n,82e,82s,82w,92cに蒸着されるようにしたので、光結合効率を改善することができる。
【0071】
さらに、この実施の形態1によれば、光信号が一端31から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路21中に他端32が挿入され、一端31への光信号を他端32まで伝搬させ、この光信号を、他端32に形成した反射面32a,32bで異なる少なくとも2方向の光導波路21に対して導波する光ピン30と、光導波路21が一方の面に設置され、光ピン30が挿入され、他方の面から光導波路21を貫通して貫通孔22が形成された基板20と、入力された電気信号を光信号に変換して光ピン30へ出射するLD11,発光IC12とを備えるようにしたので、パワー分岐機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光回路を提供することができる。
【0072】
さらに、この実施の形態1によれば、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端31から出射するように光導波路21中に他端32が挿入され、光導波路21中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路21中をそのまま伝搬させるように反射面32a,32bを他端32に形成した光ピン30と、光導波路21が一方の面に設置され、光ピン30が挿入され、他方の面から光導波路21を貫通して貫通孔23が形成された基板20と、光ピン30から受信した光信号を電気信号に変換するPD13,受光IC14とを備えるようにしたので、タッピング機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光回路を提供することができる。
【0073】
さらに、この実施の形態1によれば、複数個の貫通孔23〜26が基板20に形成されるとともに、貫通孔23〜26と同数だけPD13,受光IC14が基板20に実装され、貫通孔23〜26と同数の光ピン30が貫通孔23〜26の各々に挿入されるようにしたので、1対n並列処理を実現することができる。
【0074】
さらに、この実施の形態1によれば、この実施の形態1による光回路と、光回路の基板20の他方の面に設置され、電気信号が伝搬する電気導波路と、光ピン30の基板20の他方の面に実装され、電気導波路を介して電気信号をやりとりする電子素子10とを備え、電子素子10は、光回路のLD11,発光IC12またはPD13,受光IC14と電気信号をやりとりするようにしたので、並列処理が可能で、信号の相互干渉の問題がない光信号によって、情報を大量伝送することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、光信号が一端から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、一端への光信号を他端まで伝搬して光導波路へ導波する光接続装置において、他端に反射面を形成し、異なる少なくとも2方向の光導波路へ反射面で反射して導波するようにしたので、パワー分岐機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0076】
請求項2記載の発明によれば、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように光導波路中に他端を挿入した光接続装置において、光導波路中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を他端に形成するようにしたので、タッピング機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0077】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、V字断面形状に2枚の反射面が形成されるようにしたので、簡単な構成で、2方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0078】
請求項4記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、四角錐状に4枚の反射面が形成されるようにしたので、4方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0079】
請求項5記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、円錐状に反射面が形成されるようにしたので、光軸回りの方向性を考慮する必要がなく、発散する方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0080】
請求項6記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、少なくとも2つの反射面を備え、反射面のなす角度が60度から120度までの間にあるようにしたので、パワー分岐機能やタッピング機能を調整することができる。
【0081】
請求項7記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、光信号を反射するための金属膜が反射面に蒸着されるようにしたので、光結合効率を改善することができる。
【0082】
請求項8記載の発明によれば、光信号が一端から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、一端への光信号を他端まで伝搬させ、この光信号を、他端に形成した反射面で異なる少なくとも2方向の光導波路に対して導波する光接続装置と、光導波路が一方の面に設置され、光接続装置が挿入され、他方の面から光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、入力された電気信号を光信号に変換して光接続装置へ出射する発光素子とを備えるようにしたので、パワー分岐機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光回路を提供することができる。
【0083】
請求項9記載の発明によれば、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように光導波路中に他端が挿入され、光導波路中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を他端に形成した光接続装置と、光導波路が一方の面に設置され、光接続装置が挿入され、他方の面から光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、光接続装置から受信した光信号を電気信号に変換する受光素子とを備えるようにしたので、タッピング機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光回路を提供することができる。
【0084】
請求項10記載の発明によれば、複数個の貫通孔が基板に形成されるとともに、貫通孔と同数だけ受光素子が基板に実装され、貫通孔と同数の光接続装置が貫通孔の各々に挿入されるようにしたので、1対n並列処理を実現することができる。
【0085】
請求項11記載の発明によれば、請求項9または請求項10記載の光回路と、光回路の基板の他方の面に設置され、電気信号が伝搬する電気導波路と、光接続装置の基板の他方の面に実装され、電気導波路を介して電気信号をやりとりする電子素子とを備え、電子素子は、光回路の発光素子または受光素子と電気信号をやりとりするようにしたので、並列処理が可能で、信号の相互干渉の問題がない光信号によって、情報を大量伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光接続装置の全体構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1による光接続装置を用いた光回路の構成を示す図である。
【図3】図2においてLDからの光信号が光導波路へ結合されるまでの様子を示す図である。
【図4】図2において光導波路中の光信号がPDへ結合されるまでの様子を示す図である。
【図5】この実施の形態1による光接続装置の光結合特性を光線追跡法で解析した結果を示す図である。
【図6】送信側における光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。
【図7】反射面に金属膜を蒸着した場合の送信側での光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。
【図8】この実施の形態1による光接続装置の光結合特性を光線追跡法で解析した結果を示す図である。
【図9】受信側における光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。
【図10】反射面に金属膜を蒸着した場合の受信側での光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1による光接続装置を用いた光回路の構成を示す図である。
【図12】光接続装置の第1のバリエーションを説明するための図である。
【図13】光接続装置の第2のバリエーションを説明するための図である。
【図14】従来の光接続装置を用いた光回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
21 光導波路
30 光接続装置(光ピン)
31 一端
32 他端
32a,32b 反射面
【発明の属する技術分野】
この発明は、光通信分野で使用される光接続装置に係るものであり、特に、基板に対して平行に光信号を伝搬させる光導波路と、基板上に実装され、基板に対して垂直に光信号を入出力する発光素子・受光素子などの光学素子とを光学的に結合する光接続装置に関し、また、この光接続装置を用いた光回路および光電子混載回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータをはじめとする情報処理装置の情報処理量は増大の一途をたどっている。この情報処理量の増大に伴って、情報処理装置を構成する基板内部や基板間における配線数、基板上の電子素子間における配線数も増加しており、電子回路実装の高密度化が要求されている。しかしながら、金属を用いた電気配線では、配線間における信号の相互干渉の問題や、配線距離の長尺化による信号の伝搬遅延の問題などが深刻になってしまう。
【0003】
この電気配線に起因した諸問題を解決するための手法として、光配線を利用した光接続装置が注目されている。光信号の伝達には信号の相互干渉の問題がなく、並列処理が可能なため、光接続装置は情報の大量伝送に適している。この場合、基板内における光配線は、いわゆる光回路によって実現される。つまり、基板上に実装した発光素子から受光素子への光信号の伝送を光導波路によって媒介させる。
【0004】
しかしながら、光回路では、光導波路と発光素子・受光素子とを光学的に結合(光接続)させなければならないため、精密な位置合わせ(調心)が必要となる。この光接続は、単純な接触で導通する電子回路の電気接続に比べると容易なものではない。電子素子とプリント配線(電気導波路)とを電子回路基板上で電気接続する場合には、電子素子のピンをプリント配線基板に挿入し、プリント配線基板に電子素子をハンダ付けするように、光接続の場合にも、この簡便な挿入固定を採用することが望ましい。このような挿入固定による光接続では、電子素子のピンになぞらえて光ピン(光接続装置)と呼ばれるものが使用される。光ピンは、例えば下記の非特許文献1に記載されているように、光導波路を貫通する貫通孔に例えば光ファイバを挿入して光接続を行うものである。
【0005】
【非特許文献1】
「光SMT向けスルーホールへの光ピン挿入実験」
Optics Japan 2001 講演予稿集、6pD1
【0006】
図14は従来の光接続装置を用いた光回路の構成を示す図であり、光回路の側面透視図を表している。
図14において、110は電子素子、111はレーザダイオード(以下、LDと略す)、112はLD111を駆動する発光IC,113はフォトダイオード(以下、PDと略す)、114はPD113の電気出力を電子素子110に供給する受光ICである。LD111および発光IC112から発光素子が、PD113および受光IC114から発光素子が構成されており、電子素子110はこれらの発光素子、受光素子を備えている。
【0007】
また、図14において、120はプリント配線基板、121はプリント配線基板120内部に形成した光導波路、121zは光導波路121の光軸、122,123はプリント配線基板120の上面から光導波路121を貫通するように形成した貫通孔である。
【0008】
さらに、図14において、130は分布屈折率型の光ファイバを用いて製造した光ピン、130yは光ピン130の光軸、131は光ピン130の一端、132は光ピン130の他端に加工した反射面である。なお、光軸121zと平行にZ軸を、光軸130yと平行にY軸を、光軸121zおよび光軸130yと垂直にX軸をとっている。
【0009】
図14のプリント配線基板120には、光導波路121を分割するように、貫通孔122,123が形成されている。また、光ピン130には、光ファイバの他端を斜め加工して、反射面132が形成されている。そして、反射面132が光導波路121中に存在するように、光ピン130を貫通孔122,123に挿入して、電子素子110とプリント配線基板120とをハンダ付けしている。
【0010】
次に動作について説明する。
図14の光接続装置において、電子素子110の電気信号は発光IC112を介してLD111で光信号に変換される。LD111の光信号は、貫通孔122に挿入した光ピン130へ一端131から入射すると、光軸130yの負の方向に沿って光ピン130のコア内部を進行し、反射面132で反射される。この反射面132の反射によって、光信号は光軸130yの負の方向から光軸121zの正の方向へ90度光路変換され、光ピン130のクラッドを透過して光導波路121へ出射する。
【0011】
また、図14の光接続装置において、反射面132で反射して光軸121zの正の方向へ光導波路121のコア内部を伝搬した光信号は、貫通孔123に到達する。この光信号は、貫通孔123に挿入した光ピン130のクラッドを透過後、反射面132で反射される。この反射面132の反射によって、光信号は光軸121zの正の方向から光軸130yの正の方向へ90度光路変換され、光ピン130のコア内部を伝搬して一端131からPD113へ出射する。そして、光信号はPD113で電気信号に変換され、受光IC114を介して電子素子110に供給される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光接続装置は以上のように構成されているので、光ファイバの他端を単純に斜め加工して反射面を形成し、この反射面によって光接続を行っているため、貫通孔で分割された両側の光導波路に対して光信号をパワー分岐できないという課題があった。
【0013】
また、従来の光接続装置は、光導波路を進行する光信号の一部のパワーだけを光路変換し、残りのパワーを光導波路中へそのまま進行させるタッピング機能が実現できないという課題があった。
【0014】
このため、光導波路に沿って多数の貫通孔を形成し、タッピング機能によって各貫通孔の光ピンに光パワーを徐々に与えていく1対nの並列処理が不可能になってしまう。なぜなら、プリント配線基板上に配置する光導波路の上下クラッド厚さは40μm,コア厚は50μmと想定されるため、従来の光ピン(クラッド直径125μm、コア直径50μm)の場合、その実装深さ位置を変えると、光ピンの先端部がプリント配線基板に衝突し、折れてしまう可能性が大きい。
【0015】
つまり、従来の光接続装置では、光接続に自由度を持たせることが不可能である。
【0016】
この発明は以上の課題を解決するためになされたものであり、光信号のパワー分岐機能やタッピング機能を実現して光接続に自由度を持たせ、1対nの並列処理を可能とする光接続装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、この発明は、光接続装置を用いた光回路および光電子混載回路を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の光接続装置は、光信号が一端から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、一端への光信号を他端まで伝搬して光導波路へ導波する光接続装置において、他端に反射面を形成し、異なる少なくとも2方向の光導波路へ反射面で反射して導波するようにしたものである。
このようにすることで、各光導波路に対して、光接続装置内を伝搬する光信号を分岐することができる。
【0019】
請求項2記載の光接続装置は、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように光導波路中に他端を挿入した光接続装置において、光導波路中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を他端に形成するようにしたものである。
このようにすることで、一方の光導波路から伝搬した光波を他方の光導波路と光接続装置とに対して分岐することができる。
【0020】
請求項3記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、V字断面形状に2枚の反射面が形成されるようにしたものである。
このようにすることで、2方向の光導波路への光信号の分岐や、光導波路および受光素子への光信号の分岐を行うことができる。
【0021】
請求項4記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、四角錐状に4枚の反射面が形成されるようにしたものである。
このようにすることで、4方向の光導波路への光信号の分岐や、光導波路および受光素子への光信号の分岐を行うことができる。
【0022】
請求項5記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、円錐状に反射面が形成されるようにしたものである。
このようにすることで、発散する方向の光導波路への光信号の分岐や、光導波路および受光素子への光信号の分岐を行うことができる。
【0023】
請求項6記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、少なくとも2つの反射面を備え、反射面のなす角度が60度から120度までの間にあるようにしたものである。
このようにすることで、反射面での光信号の反射方向を適当に変化させることができる。
【0024】
請求項7記載の光接続装置は、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、光信号を反射するための金属膜が反射面に蒸着されるようにしたものである。
このようにすることで、反射面の反射率を改善し、損失の要因となる透過光を減少できる。
【0025】
請求項8記載の光回路は、光信号が一端から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、一端への光信号を他端まで伝搬させ、この光信号を、他端に形成した反射面で異なる少なくとも2方向の光導波路に対して導波する光接続装置と、光導波路が一方の面に設置され、光接続装置が挿入され、他方の面から光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、入力された電気信号を光信号に変換して光接続装置へ出射する発光素子とを備えるようにしたものである。
このようにすることで、各光導波路に対して、光接続装置を伝搬する光信号を分岐することができる。
【0026】
請求項9記載の光回路は、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように光導波路中に他端が挿入され、光導波路中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を他端に形成した光接続装置と、光導波路が一方の面に設置され、光接続装置が挿入され、他方の面から光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、光接続装置から受信した光信号を電気信号に変換する受光素子とを備えるようにしたものである。
このようにすることで、一方の光導波路から伝搬した光波を他方の光導波路と光接続装置とに対して分岐することができる。
【0027】
請求項10記載の光回路は、複数個の貫通孔が基板に形成されるとともに、貫通孔と同数だけ受光素子が基板に実装され、貫通孔と同数の光接続装置が貫通孔の各々に挿入されるようにしたものである。
このようにすることで、各光接続装置の順番に応じて光信号が順次タッピングされ、貫通孔上に実装された各受光素子でそれぞれ受光させることができる。
【0028】
請求項11記載の光電子混載回路は、請求項9または請求項10記載の光回路と、光回路の基板の他方の面に設置され、電気信号が伝搬する電気導波路と、光接続装置の基板の他方の面に実装され、電気導波路を介して電気信号をやりとりする電子素子とを備え、電子素子は、光回路の発光素子または受光素子と電気信号をやりとりするようにしたものである。
このようにすることで、電気信号の情報量に応じて、電気信号を光信号として光回路でやりとりすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態の各図面における同一符号は同一または相当する構成を示している。
【0030】
実施の形態1.
図2はこの発明の実施の形態1による光接続装置を用いた光回路の構成を示す図であり、光回路の側面透視図を表している。また、図3は図2においてLDからの光信号が光導波路へ結合されるまでの様子を示す図であり、図4は図2において光導波路中の光信号がPDへ結合されるまでの様子を示す図である。図3(a),図4(a)は図2の光回路の側面透視図、図3(b),図4(b)は図2の光回路の上面透視図である。
【0031】
図2〜4において、10は電子素子、11はレーザダイオード(以下、LDと略す)、12はLD11を駆動する発光IC,13はフォトダイオード(以下、PDと略す)、14はPD13の電気出力を電子素子10に供給する受光ICである。LD11および発光IC12から発光素子が、PD13および受光IC14から発光素子が構成されており、電子素子10はこれらの発光素子、受光素子を備えている。
【0032】
また、図2〜4において、20はプリント配線基板(基板)、21はプリント配線基板20内部に形成した光導波路、21zは光導波路21の光軸、22,23はプリント配線基板20の上面から光導波路21を貫通するように形成した貫通孔である。
【0033】
さらに、図2〜4において、30は分布屈折率型の光ファイバを用いて製造した光接続装置としての光ピン、30yは光ピン30の光軸、31は光ピン30の一端、32は凹部が加工された光ピン30の他端である。他端32の凹部は、2つの反射面32a,32bを備えている。また、図3,4のL1〜L6は光信号である。なお、光軸21zと平行にZ軸を、光軸30yと平行にY軸を、光軸21zおよび光軸30yと垂直にX軸をとっている。
【0034】
図2〜4のプリント配線基板20には、光導波路21を分割するように、貫通孔22,23が形成されている。また、光ピン30には、光ファイバの他端32を斜め加工して、反射面32a,32bからなる凹部が形成されている。そして、貫通孔22側では、凹部の反射面32a,32bが光導波路21中に存在するように、また、貫通孔23側では、光導波路21中の一部を反射面32a,32bで遮るように、光ピン30を貫通孔22,23に挿入して、電子素子10とプリント配線基板20とをハンダ付けしている。
【0035】
なお、図2〜4に示すように、反射面32a,32bは、光軸21z,30yを含む平面で切断したときの切断面形状がV字断面形状となるように、反射面32a,32bを他端32に斜め加工して凹部としている。
【0036】
次に動作について説明する。
図2,3の光回路において、電子素子10の電気信号は発光IC12を介してLD11で光信号に変換される。LD11の光信号L1は、貫通孔22に挿入した光ピン30へ一端31から入射すると、光軸30yの負の方向に沿って光ピン30のコア内部を進行し、凹部の反射面32a,32bで反射される。これらの反射面32a,32bの反射によって、光信号L1の一部は光軸30yの負の方向から光軸21zの正の方向へ、また、光信号L1の残りは光軸30yの負の方向から光軸21zの負の方向へそれぞれ90度光路変換され、光信号L2,L3として、光ピン30のクラッドを透過して光導波路21へ出射する。
【0037】
また、図2,4の光接続装置において、光軸21zの正の方向へ光導波路21のコア内部を伝搬する光信号L4は、貫通孔23に到達する。この光信号L4は、貫通孔23に挿入した光ピン30のクラッドを透過後、貫通孔23の反射面32bでその一部が反射され、残りは反射面32bに遮られることなく、光信号L6として光軸21zの正の方向へ光導波路21をそのまま進行する。反射面32bの反射によって、光信号L4の一部は光軸21zの正の方向から光軸30yの負の方向へ90度光路変換されて光信号L5となり、光ピン30のコア内部を伝搬して一端31からPD13へ出射する。そして、光信号はPD13で電気信号に変換され、受光IC14を介して電子素子10に供給される。
【0038】
このように、この実施の形態1の光接続装置を用いた光回路では、光ピン30内部を光軸30yの負の方向に沿って伝搬する光信号L1を光軸21zの正方向と負方向とへ反射面32a,32bで反射するようにしているので、LD11からの光信号L1を光信号L2と光信号L3とにパワー分岐することができる。
【0039】
また、光導波路21内部を光軸21zの正の方向に沿って伝搬する光信号L4を光軸21zの正方向へ凹部の反射面32bで反射するとともに、反射面32a,32bで遮ることなく、光軸21zの正の方向へ光導波路21をそのまま伝搬させるようにしているので、光導波路21の光信号L4を光信号L5と光信号L6とにパワー分岐してタッピング機能を実現している。もちろん、光導波路21内部を光軸21zの負の方向に沿って伝搬する光信号であれば、光軸21zの正方向へ反射面32aで反射し、反射面32a,32bで遮ることなく、光軸21zの負の方向へ光導波路21をそのまま伝搬させるように動作する。
【0040】
図5はこの実施の形態1による光接続装置の光結合特性を光線追跡法で解析した結果を示す図であり、矩形断面の光導波路からなる光ピン30を伝搬する光信号L1が貫通孔22で分割された両側の光導波路21へ光信号L2,L3としてパワー分岐される際(送信側)の光線軌跡の一例を示している。ここでは、反射面32a,32bのなす角度を90度としてある。図5から、光ピン30を伝搬する光信号L1は、貫通孔22で分割された両側の光導波路21に対して、反射面32a,32bによってパワー分岐されている様子が分かる。
【0041】
図6は送信側における光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。図6の横軸は位置ずれ量[μm]であり、縦軸は光結合効率[dB]である。ここで、横軸の位置ずれ量とは、光ピン30のコアにおける反射面32a,32bの中心と、貫通孔22に隣接する光導波路21のコア部の中心とが同一直線上にある場合を原点(ゼロ)とし、図2〜4のY軸方向に対して光ピン30が原点より上側に実装された場合をプラス(+)の値、原点より下側に実装された場合をマイナス(−)の値として、原点からの位置ずれの大きさを表す数値である。一方、縦軸の光結合効率とは、LD11出力の光信号のパワーを0dB(100%)とし、貫通孔22両側の光導波路21内に配置した検出器で検出される光信号の割合を示している。
【0042】
図6から、光ピン30を位置ずれなく実装した場合も、原点から位置ずれして実装された場合のどちらであっても、貫通孔22で分割された両側の光導波路21へ均等に光パワーが分岐されていることが分かる。
【0043】
また、この場合の光ピン30による光結合効率は最大−4.8〜−5dB程度であり、LD11から出射したパワー0dBの光信号は単純に半分(−3dB)にパワー分岐されておらず、損失が発生していることが分かる。これは主に、光ピン30の反射面32a,32bに到達した光信号が全反射条件を満たさないためであり、反射面32a,32bで透過光が生じて損失の要因となっているからである。そこで、この損失を低減するために、Au(金)などの金属膜を反射面32a,32bに蒸着し、反射面32a,32bの反射率を100%近くまでに改善した場合について次に説明する。
【0044】
図7は反射面32a,32bに金属膜を蒸着した場合の送信側での光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。図7では、光結合効率の向上を全体的に確認することができ、最大の光結合効率は理想値にほぼ近い数値が得られている。以上の結果から、反射面32a,32bに金属膜を蒸着することで、反射面32a,32bの反射率を改善し、損失の要因となる透過光を減少でき、光接続装置の光結合効率を向上できることが分かる。
【0045】
なお、図6,7において、最大光結合効率から1dBダウンの光結合効率までを、Y軸方向における光ピン30の位置ずれ量の許容値と考えると、この許容値は±20μm程度あり、実装可能な範囲内にある。
【0046】
図8はこの実施の形態1による光接続装置の光結合特性を光線追跡法で解析した結果を示す図であり、光導波路21を伝搬する光信号L4の一部のパワーが貫通孔23の反射面32bで光ピン30に分岐される際(受信側)の光線軌跡の一例を示している。図5の場合と同様に、ここでの反射面32a,32bのなす角度は90度である。
【0047】
図8を見ると分かるように、光導波路21を伝搬してきた光信号L4が貫通孔23に到達すると、光信号L4の一部のパワーは反射面32bで90度光路変換され、光信号L5として光ピン30内を伝搬し、光信号L4の残りのパワーは反射面32a,32bに遮られることなく通過し、光信号L6として光導波路21をそのまま伝搬している。すなわち、図5から、光ピン30のタッピング機能を確認することができる。このタッピングの割合は、光導波路21の大きさと反射面32a,32bの大きさとが定まると、貫通孔23に対する光ピン30の位置ずれ量(実装深さ位置、あるいは光ピン長さ)を変化させることによって調整可能である。
【0048】
図9,10は受信側における光結合特性の解析結果を定量的にそれぞれ示す図であり、図9は反射面32a,32bに金属膜を蒸着していない場合、図10はAu(金)などの金属膜を反射面32a,32bに蒸着した場合である。図6,7の場合と同様に、横軸は位置ずれ量[μm]、縦軸は光結合効率(光ピン30および光導波路21内に配置した検出器で検出される光信号の割合)[dB]を表している。
【0049】
図9,10から、光ピン30の位置ずれ量を調整することで、反射面32a,32bが光導波路21を遮る割合を変化させ、光ピン30に分岐する光信号L5と、光導波路21をそのまま伝搬させる光信号L6との割合、すなわちタッピングの割合を調整できることが分かる。また、図9の解析結果と図10の解析結果とを比較すると、同じ位置ずれ量の値に対して、金属膜を蒸着した図10の場合の方が光ピン30に対する光結合効率が良く、また、光結合効率の変化も緩やかにすることができる。よって、図5〜7のパワー分岐の場合と同様に、タッピング機能を実現する場合にも、反射面32a,32bに金属膜を蒸着することが望ましい。
【0050】
なお、図5〜7,図8〜10では、反射面32a,32bのなす角度を90度とした場合の解析結果であったが、タッピングの効率などにもよるものの(光導波路21の大きさと反射面32a,32bの大きさとが決まると、反射面32a,32bのなす角度を大きくするほど光導波路21をそのまま進行する光信号の割合が大きくなり、逆に、反射面32a,32bのなす角度を小さくするほど光ピン30へ分岐される光信号の割合が大きくなる)、反射面32a,32bのなす角度を60度〜120度程度とすることで、反射面32a,32bでの光信号の反射方向を適当に変化させることができ、パワー分岐機能やタッピング機能を調整するのに有効である。
【0051】
さらに、この実施の形態1の光接続装置を用いると、次の図11に示すように、1対nの並列処理が可能になっている。
図11はこの発明の実施の形態1による光接続装置を用いた光回路の構成を示す図であり、光ピン30を並列に多数配置して1対nの並列処理を行う場合の一例を示している。図11において、光導波路21中を伝搬する光信号は、伝搬方向に配置された貫通孔23〜26の各光ピン30の順番に応じて順次タッピングされ、貫通孔23〜26上に実装された各PD13でそれぞれ受光される。
【0052】
このように、光導波路21に対して複数の貫通孔23〜26を形成し、貫通孔23〜26に挿入した各光ピン30で光導波路21中の光信号を順次タッピングして各受光素子13に受光させるようにしているので、1対nの並列処理を実現することができる。
【0053】
以上の説明では、光ピン30の凹部は、2つの反射面32a,32bからなるものとして説明してきたが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば以下のようなバリエーションを採用することもできる。
【0054】
図12は光接続装置の第1のバリエーションを説明するための図であり、図12(a)は光ピンの斜視透視図、図12(b)は図12(a)の光接続装置を用いた光回路の上面透視図である。
【0055】
図12(a),(b)において、80は第1のバリエーションによる光ピン、81は光ピン80の一端、82は四角錐状の凹部が斜め加工された光ピン80の他端、82n,82e,82s,82wは光ピン80の凹部を四角錐状に構成する4つの反射面、27は光導波路21と交差するプリント配線基板20の光導波路、27xは光導波路27の光軸、28は光導波路21と光導波路27とが交差する領域に設けられた貫通孔である。
【0056】
図12(a)では、図2〜4の光ピン30の反射面32a,32bに相当する反射面82e,82wに加えて、反射面82n,82sを光ピン80の他端82に加工している。このため、光ピン80は光軸80yの負の方向に沿って内部を伝搬する光信号を、互いに直交する光軸21z,27xの正負各2方向へ90度光路変換し、貫通孔28で各々2つに分割された光導波路21,27へ4分岐することが可能になっている。
【0057】
図13は光接続装置の第2のバリエーションを説明するための図であり、図13(a)は光接続装置の斜視透視図、図13(b)は図13(a)の光接続装置を用いた光回路の上面透視図である。
【0058】
図13(a),(b)において、90は第2のバリエーションによる光ピン、91は光ピン90の一端、92は円錐状の凹部が斜め加工された光ピン90の他端、92cは光ピン90の凹部を円錐状に構成する反射面、27は光導波路21と交差するプリント配線基板20の光導波路、27xは光導波路27の光軸、29は光導波路21と光導波路27とが交差する領域に設けられた貫通孔である。
【0059】
図13の光ピン90は、反射面を円錐状にした反射面92cによって凹部が構成されており(例えば光ピン30の反射面32a,32bを直線状にし、この直線状の反射面32a,32bを光軸30y回りに回転させると反射面92cになる)、光軸90yと直交する全方向に対して、光軸90yの負の方向へ沿って内部を伝搬する光信号を発散状に光路変換する。したがって、光ピン90は、少なくとも2本の光導波路21,27が交差するプリント配線基板20において、光導波路21,27同士が交差する領域での光パワー分岐、タッピング機能を実現可能にしている。特に、反射面92cは、光軸90y回りの回転体であるため、貫通孔29へ挿入する際に、光軸90y回りの方向性を考慮する必要がなく、この点で他の光ピン30,80よりも有効である。
【0060】
なお、以上の説明で示した光ピン30,80,90としては、コアおよびクラッドを有し、その光軸と直交する平面で切断するとコアおよびクラッドが円形の切断面となる光ファイバを用いて製造しても良いし、また別に、コアおよびクラッドを有し、その光軸と直交する平面で切断するとコアおよびクラッドが矩形の切断面となる光導波路を採用しても良く、光ピン(光接続装置)の製造材料としては以上の2通りのものが考えられる。実用性から言えば、光ピンの製造材料には光ファイバが有効と考えられる。
【0061】
また、光ピン30,80,90の凹部の加工方法は以下の3通りである。
<2つの反射面の場合>
刃先角度が所定の角度(例えば90度)を有する回転ブレードを使用し、その刃先に光ファイバの先端を近づけ、V字状の切り目をいれる。
<円錐形状の反射面の場合>
回転ドリル刃を光ファイバ先端に光軸90yに沿って近づけることによって、錐のように加工する。
<4つの反射面の場合>
上記の二方法では加工が困難なため、別の方法を採用する。すなわち、先端が所定の反射面82n,82e,82s,82wになるように加工された刃先をヒータによって加熱し、プラスチック光ファイバからなる光ピンの先端に、加熱した刃先を光軸に沿って押し付けて加工する。
以上、製造材料の観点から2通り(光ファイバまたは光導波路)のものが、凹部の形状・加工方法(V字断面形状、四角錐状、円錐状)の観点から3通りのものが挙げられ、全ての組み合わせから6通りの光ピンが考えられる。
【0062】
さらに、光ピン30,80,90の他端32,82,92の凹部の形状は、異なる少なくとも2方向の光導波路21へ光信号を反射して導波でき、また、光導波路21中の光信号の一部を反射して取り込み、光導波路21中の光信号の残りを光導波路21中をそのまま伝搬できれば、この実施の形態1で示した形状に限定されるものではない。
【0063】
さらに、この実施の形態1による光ピン(光接続装置)を用いた光回路において、プリント配線基板20に電気を導通するプリント配線(電気導波路)を配置し、このプリント配線を介して電気信号をやりとりする他の電子素子も実装した光電子混載回路を構成するようにしても良い。光ピンを用いることで、光接続を容易に行うことができ、並列処理可能で、信号の相互干渉の問題がない光信号を使って、情報を大量伝送することができるようになる。
【0064】
以上のように、この実施の形態1によれば、光信号が一端31から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路21中に他端32が挿入され、一端31への光信号を他端32まで伝搬して光導波路21へ導波する光ピン(光接続装置)30において、他端32に反射面32a,32bを形成し、異なる少なくとも2方向の光導波路21へ反射面32a,32bで反射して導波するようにしたので、パワー分岐機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン30を提供することができる。
【0065】
また、この実施の形態1によれば、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端31から出射するように光導波路21中に他端32を挿入した光ピン30(光接続装置)において、光導波路21中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路21中をそのまま伝搬させるように反射面32a,32bを他端32に形成するようにしたので、タッピング機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン30を提供することができる。
【0066】
さらに、この実施の形態1によれば、V字断面形状に2枚の反射面32a,32bが形成されるようにしたので、簡単な構成で、2方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン30を提供することができる。
【0067】
さらに、この実施の形態1によれば、四角錐状に4枚の反射面82n,82e,82s,82wが形成されるようにしたので、4方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン80を提供することができる。
【0068】
さらに、この実施の形態1によれば、円錐状に反射面92cが形成されるようにしたので、光軸90y回りの方向性を考慮する必要がなく、発散する方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光ピン90を提供することができる。
【0069】
さらに、この実施の形態1によれば、少なくとも2つの反射面32a,32bを備え、反射面32a,32bのなす角度が60度から120度までの間にあるようにしたので、パワー分岐機能やタッピング機能を調整することができる。
【0070】
さらに、この実施の形態1によれば、光信号を反射するための金属膜が反射面32a,32b,82n,82e,82s,82w,92cに蒸着されるようにしたので、光結合効率を改善することができる。
【0071】
さらに、この実施の形態1によれば、光信号が一端31から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路21中に他端32が挿入され、一端31への光信号を他端32まで伝搬させ、この光信号を、他端32に形成した反射面32a,32bで異なる少なくとも2方向の光導波路21に対して導波する光ピン30と、光導波路21が一方の面に設置され、光ピン30が挿入され、他方の面から光導波路21を貫通して貫通孔22が形成された基板20と、入力された電気信号を光信号に変換して光ピン30へ出射するLD11,発光IC12とを備えるようにしたので、パワー分岐機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光回路を提供することができる。
【0072】
さらに、この実施の形態1によれば、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端31から出射するように光導波路21中に他端32が挿入され、光導波路21中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路21中をそのまま伝搬させるように反射面32a,32bを他端32に形成した光ピン30と、光導波路21が一方の面に設置され、光ピン30が挿入され、他方の面から光導波路21を貫通して貫通孔23が形成された基板20と、光ピン30から受信した光信号を電気信号に変換するPD13,受光IC14とを備えるようにしたので、タッピング機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光回路を提供することができる。
【0073】
さらに、この実施の形態1によれば、複数個の貫通孔23〜26が基板20に形成されるとともに、貫通孔23〜26と同数だけPD13,受光IC14が基板20に実装され、貫通孔23〜26と同数の光ピン30が貫通孔23〜26の各々に挿入されるようにしたので、1対n並列処理を実現することができる。
【0074】
さらに、この実施の形態1によれば、この実施の形態1による光回路と、光回路の基板20の他方の面に設置され、電気信号が伝搬する電気導波路と、光ピン30の基板20の他方の面に実装され、電気導波路を介して電気信号をやりとりする電子素子10とを備え、電子素子10は、光回路のLD11,発光IC12またはPD13,受光IC14と電気信号をやりとりするようにしたので、並列処理が可能で、信号の相互干渉の問題がない光信号によって、情報を大量伝送することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、光信号が一端から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、一端への光信号を他端まで伝搬して光導波路へ導波する光接続装置において、他端に反射面を形成し、異なる少なくとも2方向の光導波路へ反射面で反射して導波するようにしたので、パワー分岐機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0076】
請求項2記載の発明によれば、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように光導波路中に他端を挿入した光接続装置において、光導波路中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を他端に形成するようにしたので、タッピング機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0077】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、V字断面形状に2枚の反射面が形成されるようにしたので、簡単な構成で、2方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0078】
請求項4記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、四角錐状に4枚の反射面が形成されるようにしたので、4方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0079】
請求項5記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、円錐状に反射面が形成されるようにしたので、光軸回りの方向性を考慮する必要がなく、発散する方向へのパワー分岐機能とタッピング機能とを実現し、光接続に自由度を持たせた光接続装置を提供することができる。
【0080】
請求項6記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、少なくとも2つの反射面を備え、反射面のなす角度が60度から120度までの間にあるようにしたので、パワー分岐機能やタッピング機能を調整することができる。
【0081】
請求項7記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光接続装置において、光信号を反射するための金属膜が反射面に蒸着されるようにしたので、光結合効率を改善することができる。
【0082】
請求項8記載の発明によれば、光信号が一端から入射されるとともに、光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、一端への光信号を他端まで伝搬させ、この光信号を、他端に形成した反射面で異なる少なくとも2方向の光導波路に対して導波する光接続装置と、光導波路が一方の面に設置され、光接続装置が挿入され、他方の面から光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、入力された電気信号を光信号に変換して光接続装置へ出射する発光素子とを備えるようにしたので、パワー分岐機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光回路を提供することができる。
【0083】
請求項9記載の発明によれば、光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように光導波路中に他端が挿入され、光導波路中の光信号の一部を反射して取り込むとともに、光信号の残りを光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を他端に形成した光接続装置と、光導波路が一方の面に設置され、光接続装置が挿入され、他方の面から光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、光接続装置から受信した光信号を電気信号に変換する受光素子とを備えるようにしたので、タッピング機能を実現し、光接続に自由度を持たせた光回路を提供することができる。
【0084】
請求項10記載の発明によれば、複数個の貫通孔が基板に形成されるとともに、貫通孔と同数だけ受光素子が基板に実装され、貫通孔と同数の光接続装置が貫通孔の各々に挿入されるようにしたので、1対n並列処理を実現することができる。
【0085】
請求項11記載の発明によれば、請求項9または請求項10記載の光回路と、光回路の基板の他方の面に設置され、電気信号が伝搬する電気導波路と、光接続装置の基板の他方の面に実装され、電気導波路を介して電気信号をやりとりする電子素子とを備え、電子素子は、光回路の発光素子または受光素子と電気信号をやりとりするようにしたので、並列処理が可能で、信号の相互干渉の問題がない光信号によって、情報を大量伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光接続装置の全体構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1による光接続装置を用いた光回路の構成を示す図である。
【図3】図2においてLDからの光信号が光導波路へ結合されるまでの様子を示す図である。
【図4】図2において光導波路中の光信号がPDへ結合されるまでの様子を示す図である。
【図5】この実施の形態1による光接続装置の光結合特性を光線追跡法で解析した結果を示す図である。
【図6】送信側における光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。
【図7】反射面に金属膜を蒸着した場合の送信側での光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。
【図8】この実施の形態1による光接続装置の光結合特性を光線追跡法で解析した結果を示す図である。
【図9】受信側における光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。
【図10】反射面に金属膜を蒸着した場合の受信側での光結合特性の解析結果を定量的に示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1による光接続装置を用いた光回路の構成を示す図である。
【図12】光接続装置の第1のバリエーションを説明するための図である。
【図13】光接続装置の第2のバリエーションを説明するための図である。
【図14】従来の光接続装置を用いた光回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
21 光導波路
30 光接続装置(光ピン)
31 一端
32 他端
32a,32b 反射面
Claims (11)
- 光信号が一端から入射されるとともに、上記光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、上記一端への上記光信号を上記他端まで伝搬して上記光導波路へ導波する光接続装置において、
上記他端に反射面を形成し、異なる少なくとも2方向の上記光導波路へ上記反射面で反射して導波することを特徴とする光接続装置。 - 光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように上記光導波路中に上記他端を挿入した光接続装置において、
上記光導波路中の上記光信号の一部を反射して取り込むとともに、上記光信号の残りを上記光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を他端に形成することを特徴とする光接続装置。 - V字断面形状に2枚の反射面が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光接続装置。
- 四角錐状に4枚の反射面が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光接続装置。
- 円錐状に反射面が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光接続装置。
- 少なくとも2つの反射面を備え、上記反射面のなす角度が60度から120度までの間にあることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光接続装置。
- 光信号を反射するための金属膜が反射面に蒸着されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光接続装置。
- 光信号が一端から入射されるとともに、上記光信号が伝搬する光導波路中に他端が挿入され、上記一端への上記光信号を上記他端まで伝搬させ、この光信号を、上記他端に形成した反射面で異なる少なくとも2方向の上記光導波路に対して導波する光接続装置と、
上記光導波路が一方の面に設置され、上記光接続装置が挿入され、他方の面から上記光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、
入力された電気信号を上記光信号に変換して上記光接続装置へ出射する発光素子とを備えることを特徴とする光回路。 - 光導波路を伝搬する光信号を取り込んで一端から出射するように上記光導波路中に上記他端が挿入され、上記光導波路中の上記光信号の一部を反射して取り込むとともに、上記光信号の残りを上記光導波路中をそのまま伝搬させるように反射面を上記他端に形成した光接続装置と、
上記光導波路が一方の面に設置され、上記光接続装置が挿入され、他方の面から上記光導波路を貫通して貫通孔が形成された基板と、
上記光接続装置から受信した光信号を上記電気信号に変換して出力する受光素子とを備えることを特徴とする光回路。 - 複数個の貫通孔が基板に形成されるとともに、上記貫通孔と同数だけ受光素子が上記基板に実装され、上記貫通孔と同数の光接続装置が上記貫通孔の各々に挿入されることを特徴とする請求項9記載の光回路。
- 請求項9または請求項10記載の光回路と、
上記光回路の基板の他方の面に設置され、電気信号が伝搬する電気導波路と、上記光接続装置の基板の他方の面に実装され、上記電気導波路を介して電気信号をやりとりする電子素子とを備え、
上記電子素子は、上記光回路の発光素子または受光素子による上記電気信号をやりとりすることを特徴とする光電子混載回路。
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