JP2006258851A - 電気光複合接続手段及びそれを備えた電気光集積素子並びに電気光混在基板 - Google Patents

電気光複合接続手段及びそれを備えた電気光集積素子並びに電気光混在基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気光混在基板に電気光集積素子を実装する際、光導波路部と接続して光を導くと共に、電子回路部とは所定の配線パターンに従って電気光集積素子と電気的に接続することが可能な電気光複合接続手段及びそれを備えた電気光集積素子並びに電気光混在基板を提供する。
【解決手段】 電気光複合接続手段1は、光伝送路を備えた光伝送部10と、電気を導通する電気導通部20とが一体に形成され、電気導通部20は、電気光混在基板Aの電子回路部Bに適宜の電気信号を伝送可能な配線パターンが形成されていることを特徴とし、電気光集積素子7、8はそのような電気光複合接続手段1を備えると共に、電気光混在基板Aは径サイズの異なる2段の挿入孔30a、30bを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気光配線分野で使用される電気光複合接続手段及びそれを備えた電気光集積素子並びに電気光混在基板に関し、さらに詳しくは、光を伝送する光伝送部と電気を導通する電気導通部とを一体に形成することで、一つの接続手段のみで電気と光双方の接続を可能とする電気光複合接続手段及びそれを備えた電気光集積素子並びに電気光混在基板に関する。
コンピュータを始めとする情報処理装置が処理する情報量は増大の一途を辿っている。これに伴い、これらの装置を構成している電子回路基板内、あるいは、基板間および素子間での配線数は益々増大し、電子回路実装のさらなる高密度化が要求されている。しかしながら、従来の金属による電気配線間では、信号の干渉や配線距離の長尺化による伝搬遅延の問題などが深刻になっている。
このような問題を解決する手段として、光配線を用いた光接続技術が注目されている。光信号の伝達には相互干渉の問題がなく、並列実装が行えるため、光接続技術は大量の情報の伝送に適している。電子回路基板内での配線は、基板上に実装した光源(発光素子)から光検出器(受光素子)へ光導波路等の光伝達手段を介して光信号を伝送する、いわゆる光回路によって置き換えることができる。光回路は、将来的に光コンピュータの実現に繋がる。
しかし、電気配線と光配線では多くの相違点がある。例えば、光配線においては、光素子と光導波路などの伝送路との接続を行う必要があるが、光の結合に際しては精密な位置合わせ(調心)が必要とされ、単純な接触で接続可能な電気接続に比べると容易でない。このため、光配線同士や光デバイスと光配線との光結合をどのように行うかが非常に重要となる。また、光信号の光路変換も重要な課題となる。光回路基板との光結合を考えると、その構成上光デバイスと光配線の光軸は互いに直交する。このため、光信号を光配線内に伝搬させる若しくは伝搬させてきた信号を受光するためには光路変換技術が不可欠となる。
この点、そのような光変換を可能とするための光ファイバを電子素子の電気ピンになぞらえて「光ピン」と称する光回路が提案されている。例えば、光導波路を貫通する孔に挿入して光接続を行なう光ピンが知られている(T.Uchida and O.Mikami,“Optical surface mount technology”,IEICE Trans.on Electron.,E80C,pp.81-87,1997参照)。
一方、特開2003−131081号公報(引用文献1)に開示されているように、光ピンの表面に、アルミ、銅、金などの導電性の高い金属膜を配することにより電気チップ108側と電子回路128側の電気配線を行なうビア接続を光結合と同時に達成するようにしたものも提案されている。その概要について図9に示す。図示された電気光配線は、電子回路基板128の上部に光導波路121が積層されて形成された電気光複合基板A上に、面型発光素子103を備えた電気チップ108が実装されている。面型発光素子103には先端に45°反射面136を備えた光ピン131が光学的に接続されている。そして、光ピン131の表面には金属膜135が配設されている。一方、光導波路121には光ピン131が挿通されるガイド穴が穿設されていると共に、このガイド穴の底部であって電子回路128に表面には電極137が配置されている。これにより、電気光複合基板A上に実装された電気チップ108の面型発光素子103によって発生する光は光ピン131によって光導波路121へ導かれ、光導波路121内を伝搬する一方、電気チップ108からの電気信号は光ピン131の表面に配設された導電性の金属膜135によって電極137へ送られ電子回路基板128に導通されるようになっている。
特開2003−131081号公報(段落番号「0055」、図3) 「光SMT向けスルーホールへの光ピン挿入実験」 Optics Japan 2001 講演予稿集、6pD1
しかしながら、上述した従来の電気光配線にあっては、電気光混在基板に光ピン挿入のための挿入穴を設ける際、その挿入穴が電気光混在基板上に電気チップを表面実装する際の電気チップと電気光混在基板とを接続する配線上に位置しないように配慮する必要があり、配線の自由度・柔軟性を下げてしまうという問題がある。また、光接続を行なう際にも、光ピンと光導波路との精密な位置合わせが必要であるという問題は残されており、実装面についてもコスト増の懸念がある。
また、引用文献1に示された光ピンは、例えば、接地端子にアース接続するような、電気チップ側と電子回路側を1:1に接続するものであり、電気チップと電子回路基板との間を様々な配線で結び、種々の電気信号を所定の回路にそれぞれ伝達されるような接続を実現するものではない。光ピンにより電気チップと電子回路基板との間を適宜配線することができれば電気配線は電子回路基板の表面のみでなく3次元的に配することができるのでさらなる高密度・小型化を実現することが期待される。
本発明は、このような点に着目することによりなされたもので、その目的は、電子回路部と光導波路部とを有して形成される電気光混在基板に電気光集積素子を実装する際、光導波路部とは光学的に接続して光を導くと共に、電子回路部とは所定の配線パターンに従って電気光集積素子と電気的に接続することにより、電気と光の双方をそれぞれ接続可能とする電気光複合接続手段を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのような電気光複合接続手段を備えた電気光集積素子を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、そのような電気光複合接続手段を効果的に電気光接続させることが可能な電気光混在基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、電子回路部と光導波路部とを有して形成される電気光混在基板の光導波路部に光を導くと共に、電子回路部に電気を導通することにより電気と光の双方をそれぞれ接続可能とする電気光複合接続手段において、光伝送路を備えた光伝送部と、電気を導通する電気導通部とが一体に形成され、電気導通部は、電気光混在基板の電子回路部に適宜の電気信号を伝送可能な配線パターンが形成されている。
本発明に係る電気光複合接続手段は、光伝送部によって光接続を行なうと共に、導電性の金属膜によって光伝送部の表面に配設された配線パターンにより電気的接続を行なわしめるものである。すなわち、光導波路と電子回路基板とを積層することにより形成される電気光混在基板に電気光集積素子を実装するに際し、電気光集積素子に例えば光ピンを設ける。この光ピンによって光導波路と電気光集積素子とが光接続される。そして、光ピンの表面に、例えば、導電性の金属膜によって配線パターンを形成する。これにより、電子回路基板の電子回路部とは適宜の配線パターンに従った電気接続が行なわれる。
このようにして電気光混在基板と電気光集積素子との電気光接続が実現される。
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の電気光複合接続手段において、光伝送部の少なくとも光入出力領域を除く表面に導電性を有する金属膜を配することにより電気導通部が形成され、それによって電気と光双方の接続を可能としたことを特徴とする。
光接続する際の光の入出射部分に金属膜による配線パターンが設けられてしまうと光接続を阻害することになるため少なくとも光の入出射部分には配線パターンを配置しないように形成する。
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の電気光複合接続手段において、光伝送部の先端側には、光の光路を変換して光導波路部に光結合するための一又は複数の反射面を備えていることを特徴とする。
光導波路に光を導く際に、例えば、光伝送部である光ピンの先端側を45°斜めカット形状、V字カット形状、十字カット形状、四角錐カット形状、円錐カット形状等にすることにより光導波路に種々の方向から光を導くことができる。
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の電気光複合接続手段において、反射面は、光伝送部の表面に配された金属膜によって形成されてなることを特徴とする。
例えば、光伝送部である光ピンの先端側を45°斜カット形状、V字カット形状等に加工して光をその面で反射させるが、そのようなカット面を反射面とする際に配線パターンを形成する導電性の金属でカット面をコーティングして鏡面状とすることで。配線パターンと反射面とを同時に形成することができる。
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気光複合接続手段において、光伝送部は、複数の光ファイバを一括して被覆した多チャンネル型の光ファイバから構成されていることを特徴とする。
光伝送部は、単独の光ファイバを用いるものの他、多チャンネンル型の光ファイバを用いることができる。このような他チャンネンル型の光ファイバを利用するとその単独のものに比べて表面積が広いことから、単独の光ファイバの場合よりも複雑な配線パターンの形成も比較的容易に行なうことが可能となる。
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、電子回路部と光導波路部とを有して形成される電気光混在基板に実装される電気光集積素子であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気光複合接続手段を備えていることを特徴とする。
電気光集積素子が上述のような電気光複合接続手段によって電気光混在基板に実装される。これによりさらなる高密度・小型化を実現することが可能となる。
上記課題を解決するために請求項7に記載の本発明は、光伝送路を備えた光伝送部と、電気を導通する電気導通部とが一体に形成された電気光複合接続手段と電気光接続される電気光混在基板において、電子回路部と光導波路部とが積層されて形成されると共に、電子回路部と光導波路部とを連通するようにして穿設された電気光複合接続手段が挿入される挿入孔を有し、挿入孔は、電子回路部に設けられた第一の挿入孔であって、電気光複合接続手段を挿入したときに電気導通部が位置すると共に、半田が介在可能な隙間を有するように形成された第一の挿入孔と、そして、光導波路部に設けられ、第一の挿入孔と連通する第二の挿入孔であって、電気光複合接続手段を挿入したときに光伝送部との光結合が行なわれる、第一の挿入孔よりも狭く形成された第二の挿入孔とを備えて形成されたことを特徴とする。
電気光複合接続手段が挿入される挿入孔の径を2段階にする。すなわち、光導波路層と電子回路基板層が積層された電気光混在基板に電気光複合接続手段を挿入して電気光接続を行なうための挿入穴を設ける。その際、電子回路基板層に穿設する挿入孔は電気光複合接続手段との間に半田が介在可能な隙間を備えることが好ましいのに対して、光導波路層に穿設される挿入孔は隙間が生じると半田が流入して光結合を阻害するおそれがある。そのため、挿入孔に電気光複合接続手段を挿入した際、電子回路基板層側の径は半田が介在可能な隙間が形成される程度の大きさにすると共に、光導波路層側の径は電気光複合接続手段が隙間なく挿入可能な径サイズとする。
本発明に係る電気光複合接続手段によれば、電子回路部と光導波路部とを有して形成される電気光混在基板に電気光集積素子を実装する際、光導波路部とは光学的に接続して光を導くと共に、電子回路部とは所定の配線パターンに従って電気光集積素子と電気的に接続することとしたので、電気配線は電子回路基板の表面のみでなく3次元的に配することが可能となる。そのため電子回路基板の配線の柔軟性を下げることなく、さらなる高密度・小型化を実現することができるという効果がある。
また、本発明に係る電気光集積素子によれば、上述したような電気光複合接続手段を備えて構成されているので、ワイヤボンディング等の電子回路基板上での接続のみならず3次元的な配線が可能となり電気光集積素子の高密度・小型化も可能となるという効果がある。
さらに、本発明に係る電気光混在基板によれば、電気光複合接続手段が挿入される挿入孔の径は、光導波路層側が狭く電子回路基板層側がそれよりも僅かに広く2段階に形成されているので半田が光導波路層側に流入することがなく光結合を阻害しないという効果がある。
本発明に係る電気光複合接続手段及びそれを備えた電気光集積素子並びに電気光混在基板について図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1(a)は本発明に係る電気光複合接続手段の一実施形態における斜視図、図1(b)はその断面図である。
図示された電気光複合接続手段1は、概略として、光伝送路を備えた光ピンから形成される光伝送部10の表面に電気を導通する電気導通部20が配設されて構成されている。
光伝送部10は、コア部10aを中心にその周囲をコア部10aよりも僅かに屈折率の高いクラッド部10bで被覆された円柱形状の光ファイバから形成される光ピンにより構成されている。そして、光伝送部10の先端部側には、斜め45°にカットすることによって形成された反射面11を備えている。光伝送部10は、光を伝送することが可能であればいかなる伝送路を備えたものであってもよく、本実施形態に示すような光ファイバの他、例えば、図4に示すような光導波路によって形成することもできる。尚、光導波路によるものについては後述する。
また、光伝送部10を構成する光ピンの形状も図示されたような円柱状のものに限ることなく角柱状や断面が矩形状又は多角形状をなしているようなものであってもよい。
光伝送部10の表面、すなわち、光ピンの表面には、導電性の金属膜により電気を導通する伝送路として動作する電気導通部20が配設されている。すなわち、電気導通部20は、電気信号を適宜所定の電子回路や電子素子等に伝送する配線パターンを形成しつつ光伝送部10の表面に配設されている。これにより、電気光複合接続手段1の表面に施された導電性の金属膜から形成される電気導通部20を介して、例えば、電子回路基板と電気光集積素子内の電気素子とが電気的に接続され、電気信号はそれに従って伝送されることになる。但し、金属膜は、光伝送部10の少なくとも光が入出射される光入出力領域を除く表面に配することが必要であることはいうまでもない。
このように、電気光複合接続手段1を用いることで、電子回路基板上に設けられるべき配線パターンは必ずしも電子回路基板の表面に設ける必要がなくなる。従って、電気光混在基板に光ピン挿入するための挿入孔を設けるに際しても、その挿入孔が電子回路基板に設けられるべき配線パターン上に位置しないように配慮する必要がなく、しかも3次元的に配置することが可能となるので、配線の自由度・柔軟性が向上する。また、電気光集積素子の小型化や低コスト化を図ることも可能となる。
一方、光伝送部10の先端側には反射面11が形成されている。これにより、全反射をくりかえしながらコア部10a内を伝送してきた光を反射面11で90°方向に反射させ、図示しない光導波路に伝送したり、その逆に、図示しない光導波路から伝送されてきた光を反射面11で90°方向に反射させてコア部10a内を伝送させることができる。反射面11は、電気導通部20を形成する際の金属膜を光伝送部10の端面にコーティングすることによって形成することができる。そのため、反射面11は、電気導通部20の形成と同時に形成することができるので製造の手間やコストも削減することも可能となる。
反射面11は、図1に示すような45°面の他、図2に示すようなV字カット形状(図2(a))、十字カット形状(図2(b))、円錐カット形状(図2(c))、四角錐カット形状図2(d)とすることもできる。これにより、光伝送部10の先端形状に応じた光路変換及び光路分岐を行なうことができる。
光伝送部10の反射面11は、例えば、ダイシングブレードやレーザを用いて光ファイバから形成される光ピンの先端をカット加工することによって形成することができる。もちろんそれ以外にも、研磨によって反射面11を形成することも可能であり、いずれの加工方法を問うものではない。
光伝送部10の表面に配設される電気導通部20を形成する金属膜は、光を反射し、電気を導通するものであればどのような素材であっても構わない。その代表的なものとしては、例えば、銅、金、アルミニウム等が挙げられる。また、光伝送部10の表面への金属膜の配設は、どのような作製方法によるものであってもよい。例えば、光伝送部10の表面全体に金属膜をコーティングした後、所望の電気配線パターン以外の部分の金属膜を適宜切除・剥離することにより作製することができる。その他のも、あらかじめ所望の電気配線パターン状に加工した金属膜を光ピンに貼付する方法でも作製可能である。
また、光伝送部10を構成する光ピンは、図1及び図2に示すような単チャネルタイプの他、多チャネルタイプを用いることもできる。図3に示すのは、多チャネルタイプの電気光複合接続手段3である。図示された電気光複合接続手段3は、光伝送部10を構成する円柱形状の光ピンが4つ連設されて形成されたものである。この電気光複合接続手段3は、4つの光伝送部10が密接して連接されているので最も右側に配置された光伝送部10と最も左側に配置された光伝送部10との表面は連続して形成されている。従って、電気光複合接続手段3は、その連続した表面全体に適宜の形状の配線パターンからなる電気導通部20を配置することができるので1つの光ピンの場合に比べて所望の配線パターンも比較的容易に形成することができる。尚、このような多チャネルタイプの電気光複合接続手段3を形成するための光伝送部10たる光ピンとしては、例えば、テープ型光ファイバを利用することができる。
次に、図4に示すのは、上述したように、光伝送部10として、光導波路を用いたものである。すなわち、図示された電気光複合接続手段2は、断面が矩形状をしたコア部10aが4つ並んで配置され、その4つのコア部10aの周囲をクラッド部10bで覆われて形成された光導波路から構成される光伝送部10を備えている。そして、光伝送部10の表面には所定の配線パターンを備えた電気導通部20が配設されている。一方、光伝送部10の下部側は45°斜面からなる反射面11が設けられている。尚、電気導通部20を設ける方法や素材等それ以外の事項はこれまで説明した実施形態のものと同様である。
上述したような電気光複合接続手段1、2、3を電気光集積素子に設ければ、それを電気光混在基板上に実装する際、電気的な接続は電気光混在基板の表面上でのみ行なわれるだけでなく3次元的に接続することが可能となり、さらなる小型化や高密度実装が可能となる。
また、そのような電気光集積素子を実装するための電気光混在基板について以下に説明する。
図5に示すのは、本発明に係る電気光複合接続手段を備えた電気光集積素子を電気光混在基板に実装した状態の一例を示す断面図である。
図示された電気光混在基板Aは、光導波路部Cの上に電子回路部を構成する電子回路基板部Bが積層されて一体に形成されており、電子回路基板部Bはさらに複数の電子回路基板B1〜B4が積層されている。そして、電気光混在基板Aには、上述した電気光複合接続手段1が挿入される挿入孔30が穿設されている。一方、電気光混在基板Aの上部表面には電気光複合接続手段1を備えた電気光集積素子7、8がそれぞれ表面実装されている。電気光集積素子7は、発光素子7aと電子素子7bを備え、これに対して電気光集積素子8は、受光素子8aと電子素子8bを備えている。そして、発光素子7a及び受光素子8aにはそれぞれ電気光複合接続手段1が光学的に光結合されていると共に、電子素子7b、8bとは電気導通部20を介して電気的に接続されている。尚、電気光混在基板Aの電子回路基板部Bは図示されたような多層でなくとも単層であっても構わない。同様に、光導波路部Cも単層でも多層でももちろん構わない。
挿入孔30は、電子回路基板部Bと光導波路部Cを貫通し、底面に位置する基板40に至る長さを有して穿設されており、電気光複合接続手段1を挿入孔30に挿入して電気光集積素子7、8を表面実装させたときに、電子回路基板部Bの位置する部分に電気光複合接続手段1の電気導通部20が位置し、光導波路部Cの位置に部分に光伝送部10の反射面11が位置するようになっている。そして、電子回路基板部Bが位置する部分の挿入孔30には、電子回路基板部Bの各電子回路基板B1〜B4と電気的に接続される電極部25が光伝送部10の表面に設けられた電気導通部20と接触可能に挿入孔30の内壁面から僅かに突出するように、又は、内壁面と面一に配置されている。これにより、電極部25と電気導通部20とが接触して、電子素子7b、8bと電子回路基板部Bがそれぞれ電気的に接続されるようになっている。この場合、電気導通部20に半田を塗布することにより電極部25部分に半田バンプ23を介在させて確実な接続を行なわしめることができる。また、半田バンプ23の他にも、例えば、クリームハンダ等を利用してもよい。
上述したような電気光混在基板Aに実装された電気光集積素子7の発光素子7aから出射された光は、電気光複合接続手段1の光伝送部10内部を伝搬し、反射面11にてその形状に応じた光路変換又は光路分岐をした後、光導波路部C内を伝搬する。また、光導波路部C内を伝搬してきた光は、反射面11にて光路変換された後、光伝送部10を伝搬し、受光素子8aへ伝搬される。
一方、電子回路基板部Bの電子回路内で生成された電気信号は、光伝送部10の表面に配設した電気導通部20を介して、所定の配線パターンに応じた伝送路を適宜選択しながら電子素子7b、8b伝送され、また、電子素子7b、8bからの電気信号も同様にして電子回路基板部Bへ伝送される。
ところで、挿入孔30の他の実施形態としては次のようなものもある。すなわち、図6に示す挿入孔30は、電気導通部20が位置する電子回路基板部B部分における径サイズが、電気光複合接続手段1を挿入した際、半田が介在可能な程度の隙間が形成されるような径サイズとされた第一の挿入孔30aと、第一の挿入孔30aと連通し、且つ、第一の挿入孔よりも小さい径サイズとされた第二の挿入孔30bであって光伝送部10との光結合が行なわれる第二の挿入孔30bを備えて形成されている。このように挿入孔30の径サイズを2段階に形成したことにより、半田が光導波路部C側に流入することが防止されるので光伝送部10と光導波路部Cとの光結合が半田によって阻害されることが防止される。
挿入孔30の作製方法の一例を図7に示す。まず、電子回路基板部Bにレーザ光50をレンズ53で集光することにより電子回路基板部Bの所定位置に照射して第一の挿入孔30aを穿設する(図7(a))。次に、第一の挿入孔30aを設けた電子回路基板部Bに光導波路部Cを積層して電気光混在基板Aとする。そして、既に電子回路基板部Bに穿設された第一の挿入孔30aからレーザ光を当て、第一の挿入孔30aよりも僅かに小さな径の第二の挿入孔30bを光導波路部Cにも設ける(図7(b))。これにより、径が僅かに異なる2段の挿入孔30が電気光混在基板Aに形成される(図7(c))。もちろん、電子回路基板部Bと光導波路部Cとに同じ径サイズで孔を穿設すれば図5に示す実施形態の挿入孔30を形成することができる。
尚、第一の挿入孔30a及び第二の挿入孔30bの作成方法は、これに限らず、同様の加工ができる方法であればいかなる方法でも構わない。例えば、エッチングによる方法等によるものであってもよい。また、穿設される孔の形状についても断面円形状のものに限るものではなく。図3、図4に示したような形状の光伝送部10を備えた電気光複合接続手段2、3のような場合にはその外形に即した形状の挿入孔30を設けるべきことはいうまでもない。
最後に、挿入孔30へ電気光複合接続手段1を挿入し、電気光集積素子7、8を電気光混在基板A上に実装する例を図8に示す。電気光複合接続手段1の光伝送部10に設けられた電気導通部20の金属膜上に半田を貼付して、挿入孔30に挿入する(図8(a))。貼付した半田は、リフローなどにより熱を与えることで、光伝送部10の電気導通部20と電子回路基板部Bの電極部25とを結合させる(図8(b))。これより、電気光集積素子7、8が実装される電気光混在基板Aの実装面以外でも電気的な接続を行なうことが可能となる。
(a)は本発明に係る電気光複合接続手段の一実施形態における斜視図、(b)はその断面図である。 (a)〜(d)は光伝送部の反射面の異なる形状を示す斜視図である。 多チャネルタイプの電気光複合接続手段を示す斜視図である。 (a)は光導波路を利用した電気光複合接続手段の斜視図、(b)はその正面図である。 電気光複合接続手段を備えた電気光集積素子を電気光混在基板に実装した状態の一例を示す断面図である。 図5と異なる形状の挿入孔を備えた電気光混在基板に電気光複合接続手段を実装した状態の一例を示す断面図である。 (a)〜(c)は挿入孔の作製過程の一例を示す説明図である。 (a)、(b)は本発明に係る電気光複合接続手段を備えた電気光集積素子の電気光混在基板上への実装を示す概略断面図である。 従来の電気光配線における実装状態を示す概略断面図である。
符号の説明
1、2、3 電気光複合接続手段
7 電気光集積素子
7a 発光素子
7b 電子素子
8 電気光集積素子
8a 受光素子
8b 電子素子
10 光伝送部
10a コア部
10b クラッド部
11 反射面
20 電気導通部
23 半田バンプ
25 電極部
30 挿入孔
30a 第一の挿入孔
30b 第二の挿入孔

Claims (7)

  1. 電子回路部と光導波路部とを有して形成される電気光混在基板の前記光導波路部に光を導くと共に、前記電子回路部に電気を導通することにより電気と光の双方をそれぞれ接続可能とする電気光複合接続手段において、
    光伝送路を備えた光伝送部と、電気を導通する電気導通部とが一体に形成され、
    前記電気導通部は、前記電気光混在基板の前記電子回路部に適宜の電気信号を伝送可能な配線パターンが形成されていることを特徴とする電気光複合接続手段。
  2. 請求項1に記載の電気光複合接続手段において、
    前記光伝送部の少なくとも光入出力領域を除く表面に導電性を有する金属膜を配することにより電気導通部が形成され、それによって電気と光双方の接続を可能としたことを特徴とする電気光複合接続手段。
  3. 請求項1又は2に記載の電気光複合接続手段において、
    前記光伝送部の先端側には、光の光路を変換して前記光導波路部に光結合するための一又は複数の反射面を備えていることを特徴とする電気光複合接続手段。
  4. 請求項3に記載の電気光複合接続手段において、
    前記反射面は、前記光伝送部の表面に配された前記金属膜によって形成されてなることを特徴とする電気光複合接続手段。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気光複合接続手段において、
    前記光伝送部は、複数の光ファイバを一括して被覆した多チャンネル型の光ファイバから構成されていることを特徴とする電気光複合接続手段。
  6. 電子回路部と光導波路部とを有して形成される電気光混在基板に実装される電気光集積素子であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気光複合接続手段を備えていることを特徴とする電気光集積素子。
  7. 光伝送路を備えた光伝送部と、電気を導通する電気導通部とが一体に形成された電気光複合接続手段と電気光接続される電気光混在基板において、
    電子回路部と光導波路部とが積層されて形成されると共に、前記電子回路部と前記光導波路部とを連通するようにして穿設された前記電気光複合接続手段が挿入される挿入孔を有し、
    前記挿入孔は、
    前記電子回路部に設けられた第一の挿入孔であって、前記電気光複合接続手段を挿入したときに前記電気導通部が位置すると共に、半田が介在可能な隙間を有するように形成された第一の挿入孔と、そして、
    前記光導波路部に設けられ、前記第一の挿入孔と連通する第二の挿入孔であって、前記電気光複合接続手段を挿入したときに前記光伝送部との光結合が行なわれる、前記第一の挿入孔よりも狭く形成された第二の挿入孔と、
    を備えて形成されたことを特徴とする電気光混在基板。
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