JP2004157269A - 光量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】軸方向の長さ及び直径方向の寸法を小さくすることができ、且つ、出力を向上させることのできる、小型の駆動手段を備えた光量制御装置において、良好なFナンバー精度が得られる光量制御装置を提供すること。
【構成】外側磁極部及び内側磁極部を具備するステータとから成る第1の駆動手段と、ロータとコイル及びステータとから成る第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段の構成要素である前記ロータと前記第2の駆動手段の構成要素である前記ロータと連結して回動可能な出力手段と、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を保持する第1の地板と、前記出力手段の回動に連動して前記第1の地板に設けられた開口部の通過光量を制御する遮光部材と、前記遮光部材を回動可能に支持する第2の地板とを備え、前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置を調整可能に構成する。
【選択図】 図1
【構成】外側磁極部及び内側磁極部を具備するステータとから成る第1の駆動手段と、ロータとコイル及びステータとから成る第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段の構成要素である前記ロータと前記第2の駆動手段の構成要素である前記ロータと連結して回動可能な出力手段と、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を保持する第1の地板と、前記出力手段の回動に連動して前記第1の地板に設けられた開口部の通過光量を制御する遮光部材と、前記遮光部材を回動可能に支持する第2の地板とを備え、前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置を調整可能に構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀塩カメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮影装置に用いられる光量制御装置に関するもので、特に超小型に構成した駆動装置を用いる光量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13に従来の小型円筒形状のステッピングモータを示す。
【0003】
図13(a)において、ボビン101にステータコイル105が同心状に巻回され、ボビン101は2個のステータヨーク106で軸方向から挟持固定されており、且つ、ステータヨーク106にはボビン101の内径面円周方向にステータ歯106aと106bが交互に配置され、ケース103にはステータ歯106a又は106bと一体のステータヨーク106が固定されて、ステータ102が構成されている。
【0004】
2組のケース103の一方にはフランジ115と軸受108が固定され、他方のケース103には他の軸受108が固定されている。ロータ109はロータ軸110に固定されたロータ磁石111から成り、ロータ磁石111は、ステータ102のステータヨーク106と放射状の空隙部を形成している。そして、ロータ軸110は2個の軸受108の間に回転可能に支持されている。
【0005】
又、1個のコイルで駆動するステッピングモータとしては、時計で多く用いられている図14に示すものがある。図14において、201は永久磁石から成るロータ、202,203はステータ、204はコイルである。
【0006】
しかしながら、図13(a)に示す上記従来の小型のステッピングモータは、ロータ109の外周にケース103、ボビン101、ステータコイル105、ステータヨーク106が同心状に配置されているため、モータの外形寸法が大きくなってしまうという不都合がある。
【0007】
又、ステータコイル105への通電により発生する磁束は、図13(b)に示すように、主としてステータ歯106aの端面106a1とステータ歯106bの端面106b1とを通過するため、ロータ磁石111に効果的に作用せず、モータの出力が高くならないという不都合もある。図14に示すものに関しても、ステータ202とステータ203のギャップが小さいところにコイル204への通電で発生する磁束が集中し、効果的にマグネットに作用しないという不都合がある。
【0008】
又、複数個のステッピングモータをレンズ鏡筒の周囲に配置したレンズ鏡筒及び絞りシャッタの駆動装置が特公平06−64281号にて提案されている。これは、略コ字形状のステータをロータに対して相対向に配置して成るステッピングモータを鏡筒の周囲に複数個配置し、各々のステッピングモータをレンズ移動機構や絞りシャッタ駆動機構の駆動装置としたもので、撮影レンズ装置、特に鏡筒径方向の小型化を狙ったものである。
【0009】
しかしながら、特公平06−64281号のステッピングモータは、略コ字形状のステータのコイルへの通電で発生する磁束には、漏れ磁束が多く発生してマグネットに効果的に作用しない。そのため、小型のままでは大きいトルクを引き出せないという矛盾がある。
【0010】
このような問題を解決したモータがCFO12034US及び特開平09−331666号にて提案されている。上記モータは、円周方向に等分割して異なる極に交互に着磁された永久磁石から成るロータを円筒形状に形成し、該ロータの軸方向に第1のコイル、ロータ及び第2のコイルを順に配置し、第1のコイルにより励磁される第1の外側磁極及び第1の内側磁極をそれぞれロータの外周面及び内周面に対向させ、第2のコイルにより励磁される第2の外側磁極及び第2の内側磁極をそれぞれロータの外周面及び内周面に対向させるように構成したものであり、ロータ軸である回転軸が円筒形状の永久磁石から取り出されている。
【0011】
このような構成のモータは、出力が高く、該モータの外形寸法を小さいものとすることができ、マグネットを薄くすることにより第1の外側磁極と第1の内側磁極の間の距離及び第2の外側磁極と第2の内側磁極の間の距離を結果的に小さくでき、磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。これによれば、第1のコイル及び第2のコイルに流す電流が少なくても、多くの磁束を発生させることができる。その反面、軸方向の長さが長くなり、カメラや鏡筒内で光軸と平行となるように配置して、絞り羽根やシャッタ、レンズ等を駆動するために用いようとした場合、他のレンズの配置の邪魔になったり、他の構造物を切り欠かなければならなかったりするという不都合があった。
【0012】
そこで、このような問題を解決したものとして、特開2001−298938号に記載の駆動伝達装置が提案されている。これは、円周方向に等分割して異なる極に交互に着磁された永久磁石から成るロータを円筒形状に形成し、該ロータの軸方向にコイル、ロータを順に配置し、コイルにより励磁される外側磁極及び内側磁極をそれぞれロータの外周面及び内周面に対向させるように構成した駆動装置を2つ備え、この2つの駆動装置を軸方向が平行になるように並べて配置し、一方の駆動装置のロータに設けられたギア部と他方の駆動装置のロータに設けられたギア部とに噛み合うギア部を備えた出力手段とで構成されるものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開2001−298938号に記載の駆動伝達装置を用いて絞り羽根等を駆動させる場合、各構成部品に含まれる様々な誤差要因(各部品の加工誤差、各部品の組み付け誤差等)のために、絞り羽根の停止位置が設計位置からずれてしまうことが多い。この結果、必要とするFナンバー精度(絞り開口量)が得られないという欠点があった。
【0014】
一方、ステッピングモータを用いた光量調節装置で、前記誤差問題を解決したものが特開2002−139766にて提案されている。これは、ステッピングモータを装置本体に対してステッピングモータのロータ回転中心回りで取り付け位置調節を可能としたもので、ロータの回転停止位置、つまいは絞り羽根の停止位置が調節でき、各部品に誤差要因が含まれていても良好なFナンバー精度が得られるものである。
【0015】
しかしながら、上記の特開2002−139766号の光量調節装置においても、上記で説明したCFO12034US及び特開平09−331666号のモータと同様に、モータの軸方向の長さが長いため、カメラの鏡筒内に配置した場合、他のレンズの配置の邪魔になったり、他の構造物を切り欠かなければならなかったりするという欠点は変わらない。
【0016】
従って、本発明の第1の目的は、軸方向の長さ及び直径方向の寸法を小さくすることができ、且つ、出力を向上させることのできる、小型の駆動手段を備えた光量制御装置において、良好なFナンバー精度が得られる光量制御装置を提供することにある。
【0017】
又、本発明の第2の目的は、上記第1の目的を達成するとともに、装置が大型化することなく、簡単な構成で良好なFナンバー精度が得られる光量制御装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備えるロータと、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイルと、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに、前記コイルにより励磁される外側磁極部及び内側磁極部を具備するステータとから成る第1の駆動手段と、周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備えるロータと、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイルと、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに前記コイルにより励磁される外側磁極部及び内側磁極部を具備するステータとから成る第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段の構成要素である前記ロータと前記第2の駆動手段の構成要素である前記ロータと連結して回動可能な出力手段と、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を保持する第1の地板と、前記出力手段の回動に連動して前記第1の地板に設けられた開口部の通過光量を制御する遮光部材と、前記遮光部材を回動可能に支持する第2の地板とを備え、前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置を調整可能に構成した光量制御装置とするものである。
【0019】
上記請求項1に記載の構成によれば、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の外径は、マグネット部の径にステータの磁極を対向させるだけの大きさがあれば良く、又、平行に配置される第1の駆動手段及び第2の駆動手段の軸方向長さは、マグネット部の長さにコイルの長さを加えた程度にできる。又、コイルにより発生する磁束は外側磁極と内側磁極との間にあるマグネット部を横切って効果的に作用する構成にしている。更に、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を保持する前記第1の地板に対する遮光部材の支持位置を調整可能な構成にしている。
【0020】
同じく上記第1の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置調整により、前記出力手段により駆動される前記遮光部材の停止位置を調整可能とした請求項1に記載の光量制御装置とするものである。
【0021】
上記請求項2に記載の構成によれば、前記遮光部材の開口量を調整可能な構成にしている。
【0022】
又、前記第2の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、前記第2の地板は、前記遮光部材の光軸方向の抜け止めとなる遮光部材保持手段を前記第1の地板に固定する際に、前記遮光部材保持手段と前記第1の地板との間に挟まれて、前記第1の地板に固定される請求項1〜2に記載の光量制御装置とするものである。
【0023】
上記請求項3に記載の構成によれば、装置が大型化することなく、簡単な構成で開口量調整後の前記第2の地板の固定を可能にしている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1〜図12は本発明の実施の一形態に係る図であり、詳しくは、図1は光量制御装置の分解斜視図、図2は光量制御装置の絞り羽根が開放状態にある時の正面図、図3は光量制御装置の絞り羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時の正面図、図4は光量制御装置の絞り羽根が閉鎖状態にある時の正面図、図5は光量制御装置の絞り羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時に開口量調整をして開口量を増やした時の正面図、図6は光量制御装置の絞り羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時に開口量調整をして開口量を減らした時の正面図、図7は第1の駆動手段及び第2の駆動手段を含む図1の光量制御装置の部分断面図(図3のA−A断面図)、図8は図1の光量制御装置の別の部分断面図(図3のB−B断面図)である。又、図9〜図12は第1の駆動手段と第2の駆動手段とから成る駆動装置のマグネットとステータの位相関係を各動作段階毎に示す断面図である。
【0026】
図1〜図12において、1は第1の駆動手段の構成要素である軟磁性材料から成るステータであり、該ステータ1は外筒及びドーナツ状の天板で構成されている。該ステータ1の外筒はその先端部が櫛歯形状の外側磁極部1a,1b,1c,1dを形成している。該外側磁極部1a,1b,1c,1dは後述のマグネット5の外周面に対し所定の隙間をもって対向している。2は円筒形状のコイルであり、該コイル2はボビン3に巻き付けられている。該コイル2及び該ボビン3は、その外径が後述のマグネット5の外径とほぼ同じ寸法となっている。
【0027】
4は円筒形状の補助ステータであり、該補助ステータ4の一端には内側磁極部4aが形成されており、他端には該内側磁極部4aよりも外径の小さい小径部4bが形成され、該小径部4bは前記コイル2が巻き付けられた前記ボビン3を後述のマグネット5と同心位置になるように間に挟んで前記ステータ1の天板にかしめ等により固定される。該内側磁極部4aは後述のマグネット5の内周面に対し所定の隙間をもって対向している。又、補助ステータ4には軸穴部4cが形成されている。
【0028】
尚、前記ステータ1と該補助ステータ4とは別部品を一体的になるよう固定しているが、これらを同一部品として一体的に構成しても良い。
【0029】
5は円筒形状のマグネットであり、図9〜図12に示すように、該マグネット5は、その外周表面及び内周表面を円周方向にn分割して(本実施の形態では8分割して)S極及びN極が交互に着磁された着磁部を有する。該マグネット5は、例えば射出成形により形成されるプラスチックマグネット材料により形成することができる。これにより、円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くしたマグネットを構成することができるとともに、圧入による組み立てでも割れが発生することがない。
【0030】
6はロータであり、前記マグネット5に圧入固定される。該ロータ6には、軸心部に回転軸6a及び回転軸6bが設けられるとともに、リンク突起部6c及び6dが一体的に形成されている。前記回転軸6aは前記補助ステータ4の軸穴部4cによって回転可能に支持され、前記回転軸6bは後述の地板13の軸穴13aによって回転可能に支持されている。該リンク突起部6c及び6dは2つの突起の内壁で形成される溝が後述する駆動伝達リング14と嵌合する。尚、前記マグネット5と該ロータ6とは別部品で一体的になるよう圧入固定しているが、これらを同一部品として一体的に構成しても良い。
【0031】
前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dは、それぞれが前記マグネット5の着磁に関して同位相になるように、円周方向に360/(n/2)度、即ち90度ずつずれて形成されている。
【0032】
以上のようなステータ1、コイル2、ボビン3、補助ステータ4、マグネット5、ロータ6により第1の駆動手段が構成されている。
【0033】
同様に、図1〜図12において、7は第2の駆動手段の構成要素である軟磁性材料から成るステータであり、該ステータ7は外筒及びドーナツ状の天板で構成されている。該ステータ7の外筒はその先端部が櫛歯形状の外側磁極部7a,7b,7c,7dを形成している。該外側磁極部7a,7b,7c,7dは後述のマグネット11の外周面に対し所定の隙間をもって対向している。8は円筒形状のコイルであり、該コイル8はボビン9に巻き付けられている。該コイル8及び該ボビン9はその外径が後述のマグネット11の外径とほぼ同じ寸法となっている。
【0034】
10は円筒形状の補助ステータであり、該補助ステータ10の一端には内側磁極部10aが形成されており、他端には該内側磁極部10aよりも外径の小さい小径部10bが形成され、該小径部10bは前記コイル8が巻き付けられた前記ボビン9を後述のマグネット11と同心位置になるように間に挟んで前記ステータ7の天板にかしめ等により固定される。該内側磁極部10aは後述のマグネット11の内周面に対し所定の隙間をもって対向している。又、補助ステータ10には軸穴部10cが形成されている。尚、前記ステータ7と該補助ステータ10とは別部品を一体的になるよう固定しているが、これらを同一部品として一体的に構成しても良い。
【0035】
11は円筒形状のマグネットであり、図9〜図12に示すように、該マグネット11は、その外周表面及び内周表面を円周方向にn分割して(本実施の形態では8分割して)S極及びN極が交互に着磁された着磁部を有する。該マグネット11は、例えば射出成形により形成されるプラスチックマグネット材料により形成することができる。これにより、円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くしたマグネットを構成することができるとともに、圧入による組み立てでも割れが発生することがない。
【0036】
12はロータであり、前記マグネット11に圧入固定される。該ロータ12には、軸心部に回転軸12a及び回転軸12bが設けられるとともに、リンク突起部12c及び12dが一体的に形成されている。前記回転軸12aは、前記補助ステータ10の軸穴部10cによって回転可能に支持され、前記回転軸12bは、後述の地板13の軸穴13bによって回転可能に支持されている。前記リンク突起部12c及び12dは、2つの突起の内壁で形成される溝が後述する駆動伝達リング14と嵌合する。尚、前記マグネット11とロータ12とは別部品で一体的になるよう圧入固定しているが、これらを同一部品として一体的に構成してもよい。
【0037】
前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dは、それぞれが前記マグネット11の着磁に関して同位相になるように、円周方向に360/(n/2)度、即ち90度ずつずれて形成されている。
【0038】
以上のようなステータ7、コイル8、ボビン9、補助ステータ10、マグネット11、ロータ12により、第2の駆動手段が構成されている。
【0039】
13は中央に開口部13eが形成された地板であり、130は同じく中央に開口部を持つリング形状の開口量調整リングである。開口量調整リング130は、前記地板13の嵌合部13jに外径部130aが嵌合して光軸中心に回転可能に取り付けられ、後で説明する開口量調整後に前記地板13に固定される。14は前記地板13の嵌合部13kに開口部14eが嵌合して光軸中心に回転可能に取り付けられる駆動伝達リングである。この取り付けの際、駆動伝達リング14は、前記地板13の断面が円弧状のレール面13l(図7参照)に当接する。
【0040】
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段は、それぞれその構成要素である前記ステータ1及び前記ステータ7が公知の方法(例えば接着やビス止め等)により前記地板13の保持部13c及び保持部13dに取り付けることにより固定される。その際、第1の駆動手段のロータ6の回転軸6bが前記地板13の軸穴13aに嵌合され、該第2の駆動手段のロータ12の回転軸12bが前記地板13の軸穴13bに嵌合され、両ロータ6,12はそれぞれ圧入固定される前記マグネット5及び前記マグネット11と共に回転可能に保持されることになる。
【0041】
前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段はそれらの軸方向が平行の状態で前記地板13に前記駆動伝達リング14の回転軸を挟んで対向する位置に配置されており、前記第1の駆動手段のロータ6に一体的に形成された前記リンク突起部6c及び6dの内壁で形成される溝が前記駆動伝達リング14のリンク腕部14a上に設けられたリンク突起14cと嵌合し、該第2の駆動手段のロータ12に一体的に形成された前記リンク突起部12c及び12dの内壁で形成される溝が前記駆動伝達リング14のリンク腕部14b上に設けられたリンク突起14dと嵌合する(図2参照)。これにより、前記第1の駆動手段のマグネット5と前記第2の駆動手段のマグネット10は、前記駆動伝達リング14を介して互いに連動して駆動されるようにリンク連結されている。このとき、前記マグネット5の着磁位相と前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dの関係は、前記マグネット10の着磁位相と前記ステータ7の外側磁極7a,7b,7c,7dの関係に対して180/n度、即ち22.5度ずれて配置される。前記駆動伝達リング14は、連動して駆動する前記第1の駆動手段及び該第2の駆動手段それぞれによって回転駆動される。その様子は後述する。
【0042】
前記開口量調整リング130は、その中央開口部が前記駆動伝達リング14の外径より大きく形成され、前記駆動伝達リング14のリンク腕部14a,14bが出ている所は軸方向高さを低くすることで前記駆動伝達リング14に当接しないようになっている(図7及び図8参照)。
【0043】
又、前記開口量調整リング130は前記駆動伝達リング14と回転中心が一致している。
【0044】
15,16,17,18,19,20は絞り羽根であり、これらの絞り羽根15〜20には軸穴15a,16a,17a,18a,19a,20aが形成されており、これらの軸穴は前記開口量調整リング130に形成された突起130f,130g,130h,130i,130j,130kにそれぞれ回転可能に嵌合している。又、前記絞り羽根15,16,17,18,19,20にはカム溝15b,16b,17b,18b,19b,20bが形成されており、これらのカム溝は、前記駆動伝達リング14に形成された突起14f,14g,14h,14i,14j,14kに摺動可能に嵌合している。従って、駆動伝達リング14を回転させて前記絞り羽根15,16,17,18,19,20をそれぞれ軸穴15a,16a,17a,18a,19a,20aを中心に回転させることにより、図1に示す光量制御装置における前記地板13の開口部13eの通過光量を変化させるように構成されている。
【0045】
21は中央に開口部21aが設けられた羽根押え板であり、前記絞り羽根15〜20及び前記駆動伝達リング14及び前記開口量調整リング130を間に挟んで前記地板13に固定され、該絞り羽根15〜20及び該駆動伝達リング14を回転可能に保持して光軸方向の抜け止めの役割を果たす。その際、位置決め穴21b,21cがそれぞれ前記地板13の位置決めダボ13f,13gに嵌合することで位置決めされ、ネジ止め部21d,21eは前記開口量調整リング130の腕部130b,130cを間に挟みながら前記地板13のネジ穴部13h,13iにネジ止め固定される。
【0046】
よって、前記開口量調整リング130は、前記羽根押え板21を地板にネジ止めすることで、同時に固定される。従って、前記開口量調整リング130に専用のネジ止め部を設ける必要がなく、スペース効率が良いため小型化になるとともに、コストダウンにも繋がる。又、前記開口量調整リング130を回転調整する際は、ネジを若干緩めた状態で調整し、調整後にネジを本締めすれば良い。ここで、ネジが前記開口量調整リング130の調整範囲内で腕部130b,130cに当接しないように、腕部130b,130cにはそれぞれ長穴130d,130eが開けられている。
【0047】
図2〜図4は光量制御装置の前記駆動装置を駆動したときの前記駆動伝達リング14の回転による前記絞り羽根15〜20の状態の変化を表した図であり、前述したように、図2は開放状態にある時の正面図、図3は開放状態と閉鎖状態の中間の状態にあるときの正面図、図4は閉鎖状態にあるときの正面図である。これらの図は何れも前記羽根押え板21を省略して見易くしている。
【0048】
図2〜図4に示すように、前記第1の駆動手段の前記ロータ6と前記駆動伝達リング14とのリンク連結部を前記絞り羽根15の回転中心と前記絞り羽根20の回転中心との間のスペースに構成し、前記第2の駆動手段の前記ロータ12と該駆動伝達リング14とのリンク連結部を前記絞り羽根17の回転中心と前記絞り羽根18の回転中心との間のスペースに構成したため、光量制御装置のデッドスペースに有効的に駆動手段をレイアウト可能となり、各駆動手段は勿論、該装置についても、光軸と平行方向の寸法のみならず、直径方向の寸法を小さくすることができる。
【0049】
前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1d及び前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dは、軸(6a,6b,12a,12b)と平行方向に延出する歯により構成されている。これにより、駆動手段の直径を最小限にし得る磁極の構成が可能となる。つまり、外側磁極部を半径方向に延びる凹凸で形成するとその分駆動手段の直径が大きくなってしまうが、本実施の形態では、軸と平行方向に延出する歯により外側磁極部を構成しているので、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段の直径を最小限に抑えることができる。
【0050】
又、前記地板13の開口部13eを遮らないように前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段が配置されているが、それらの直径を最小限に抑えることで、光量制御装置そのものの外径も小さく抑えることが可能となる。
【0051】
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段とも、軸方向の長さはマグネットの長さとコイルの長さを加えただけの長さでほぼ決まるため、軸方向の高さ(長さ)が非常に低いアクチエータとして構成することができる。又、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段は軸方向に平行に配置してあるので、前記絞り羽根15〜20を駆動するアクチエータとして光軸と平行方向の寸法を短く構成することができ、従って、図1のように光量制御装置のアクチュエータとして用いる場合に、他のレンズや構造物に対して邪魔にならない構成を実現することができる。
【0052】
前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1d及び前記補助ステータ4の内側磁極部4aは、前記マグネット5の一端側の外周面及び内周面に対向して該マグネット5の一端側を挟み込むように設けられる。同様に前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7d及び前記補助ステータ10の内側磁極部10aは、前記マグネット11の一端側の外周面及び内周面に対向して該マグネット11の一端側を挟み込むように設けられる。
【0053】
前記ステータ1の外側磁極部及び前記補助ステータ4の間にコイル2及びボビン3が設けられ、該コイル2に通電されることによりステータ1及び補助ステータ4が励磁される。同様に、前記ステータ7の外側磁極部及び前記補助ステータ10の間にコイル8及びボビン9が設けられ、該コイル8に通電されることによりステータ7及び補助ステータ10が励磁される。
【0054】
従って、コイル2により発生する磁束は、前記外側磁極部1a,1b,1c,1d及び前記補助ステータ4の内側磁極部4aの間に配置されるマグネット5を横切るので、該マグネット5に効果的に作用する。又、前記コイル8により発生する磁束は、前記外側磁極部7a,7b,7c,7d及び前記補助ステータ10の内側磁極部10aの間に配置されるマグネット11を横切るので、該マグネット11に効果的に作用する。こうして、第1駆動手段及び第2の駆動手段から成るアクチュエータの出力を高めることができる。
【0055】
前記第1の駆動手段の内側磁極部4aは、前記コイル2の内径よりも大きな外径を有し、前記第2の駆動手段の内側磁極部10aは前記コイル8の内径よりも大きな外径を有している(図7参照)ことで、コイルの内径を小さくして、該コイルの占有する体積を大きくしても、前記第1の駆動手段の外側磁極部1a〜1dと内側磁極部4aとの距離及び該第2の駆動手段の外側磁極部7a〜7dと内側磁極部10aとの距離を小さく構成することが可能になる。これにより、コイル側から見た磁気抵抗が小さくなるので、小さな電力によっても多くの磁束を発生させることが可能となり、駆動手段の出力を向上させることができる。
【0056】
図9〜図12は前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段とを主たる構成要素とする駆動装置に具備されるマグネットとステータの位相関係を各動作段階で示す断面図であり、各図とも(a)は第1の駆動手段を、(b)は第2の駆動手段をそれぞれ示している。
【0057】
図9〜図12において、第1の駆動手段のマグネット5の着磁位相とステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dとの関係は、第2の駆動手段のマグネット11の着磁位相とステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dとの関係に対して、180/n度、即ち22.5度ずれて配置されている。これは前記マグネット5と前記マグネット11が前記駆動伝達リング14にリンク連結された状態で位相関係が互いに異なるように、前記ステータ1及び前記ステータ7がそれぞれ前記地板13の保持部13c及び保持部13dに位置決め固定される構成となっている。
【0058】
次に、前記駆動伝達リング14が前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段によって駆動される様子を説明する。
【0059】
図9の状態は、第1の駆動手段のコイル2に対して正通電することにより、ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dをN極とし、前記補助ステータ4の内側磁極部4aをS極とし、同時に第2の駆動手段のコイル8に対して逆通電することにより、前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dをS極とし、前記補助ステータ10の内側磁極部10aをN極とした場合を示す。
【0060】
前記マグネット5の外周表面のS極に着磁された着磁部がステータ1の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生する(図9の時計方向)とともに、前記マグネット11の外周表面のN極に着磁された着磁部がステータ7の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生し(図9の反時計方向)、該マグネット5及び該マグネット11はそれぞれに固定されているロータ6及びロータ12が駆動伝達リング14を介してリンク連結されているので、図9の状態でバランスを保って静止する。この状態は、図2に示すように、光量制御装置の絞り羽根15〜20が地板13の開口部13eを開放する状態にあり、ここで、該駆動伝達リング14は該地板13に設けられる不図示のストッパーに当接している。
【0061】
次に、図9の状態から、前記第1の駆動手段のコイル2への正通電を維持しながら、即ち前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dをN極とし、前記補助ステータ4の内側磁極部4aをS極としながら、前記第2の駆動手段のコイル8への通電を正通電に切り換えると、前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dはN極に励磁され、前記補助ステータ10の内側磁極部10aはS極に励磁され、前記マグネット11は外周表面のS極に着磁された着磁部が前記ステータ7の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生し、図中時計方向に回転を始める。前記マグネット5及び前記マグネット11は、それぞれに固定されているロータ6及びロータ12が駆動伝達リング14を介してリンク連結されているので、前記マグネット11の時計方向の回転に伴い前記駆動伝達リング14は反時計方向へと回転し、前記マグネット5は、時計方向に回転する。そして、図10に示す状態でバランスを保って静止する。この状態は、図9の状態から前記マグネット5及び前記マグネット11がそれぞれ時計方向に22.5度回転した状態である。
【0062】
次に、図10の状態から前記第2の駆動手段のコイル8への正通電を維持しながら、即ち、前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dをN極とし、前記補助ステータ10の内側磁極部10aをS極としながら、前記第1の駆動手段の前記コイル2への通電を逆通電に切り換えると、前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dはS極に励磁され、前記補助ステータ4の内側磁極部4aはN極に励磁され、前記マグネット5は外周表面のN極に着磁された着磁部がステータ1の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生し、図中時計方向に回転を始める。
【0063】
前記マグネット5及び前記マグネット11は、それぞれに固定されているロータ6及びロータ12が駆動伝達リング14を介してリンク連結されているので、前記マグネット5の時計方向の回転に伴い前記駆動伝達リング14は半時計方向へと回転し、前記マグネット11は時計方向に回転する。そして、図11に示す状態でバランスを保って静止する。この状態は、図10の状態から前記マグネット5及び前記マグネット11がそれぞれ時計方向に22.5度回転した状態である。
【0064】
ここで、図3に示す状態、即ち前記絞り羽根15〜20が中間絞り位置にある状態は、図10の状態と図11の状態の中間位置に対応する。尚、この位置で安定的に停止さるには、前記第2の駆動手段のコイル8にのみ正通電させて前記第1の駆動手段のコイル2への通電を止める、即ち前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dをN極とし、前記補助ステータ10の内側磁極部10aをS極とすることで可能となる。
【0065】
次に、図11の状態から、前記第1の駆動手段のコイル2への逆通電を維持しながら、即ち前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dをS極とし、前記補助ステータ4の内側磁極部4aをN極としながら、前記第2の駆動手段の前記コイル8への通電を逆通電に切り換えると、前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dはS極に励磁され、前記補助ステータ10の内側磁極部10aはN極に励磁され、前記マグネット11は外周表面のN極に着磁された着磁部が前記ステータ7の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生し、図中時計方向に回転を始める。
【0066】
前記マグネット5及び前記マグネット11は、それぞれに固定されているロータ6及びロータ12が駆動伝達リング14を介してリンク連結されているので、前記マグネット11の時計方向の回転に伴い前記駆動伝達リング14は半時計方向へと回転し、前記マグネット5は時計方向に回転する。そして、図12に示す状態でバランスを保って静止する。この状態は図11の状態から前記マグネット5及び前記マグネット11がそれぞれ時計方向に22.5度回転した状態である。又、この状態は、図4に示す様に光量制御装置の絞り羽根15〜20が地板13の開口部13eを閉鎖する状態にあり、ここで、前記駆動伝達リング14は該地板13に設けられる不図示のストッパーに当接している。
【0067】
上記のようにコイル2及びコイル8への通電方向を順次切り換えていくことにより、リンク連結されている前記マグネット5、前記マグネット11、前記駆動伝達リング14は同時に回転し、通電位相に応じた位置へと順次回転することになる。ここで、マグネットの回転角は2相励磁でステップ駆動するためには少なくとも(180/n)度以上回転する必要があり、又、リンク連結により駆動伝達リング14が回転するためにはマグネットの回転角は最低でも180度未満にする必要がある。本実施の形態では、開放状態から閉鎖状態までを3パルスで駆動する構成とした。即ち、前記マグネット5及び前記マグネット11の回転角は
(180/n)×3=67.5度
とした(n=8極)。
【0068】
次に、前記開口量調整リング130を回転調整することで、前記絞り羽根15〜20で決められる開口量が所定の値になるように調整する様子を説明する。
【0069】
図5の状態は、図3の状態即ち前記絞り羽根15〜20が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時に、開口量調整をして開口量を増やした時の正面図である。図は前記羽根押え板21を省略して見易くしている。
【0070】
各構成部品に含まれる様々な誤差要因(各部品の加工誤差、各部品の組み付け誤差等)により、絞り羽根の停止位置が設計位置からずれて本来の開口量よりも少ない時、前記開口量調整リング130を図3の状態から半時計方向に回転させると、前記絞り羽根15〜20は開き方向に回動して開口量が増える。図5の状態は、前記開口量調整リング130をその腕部130b,130cが前記地板のストッパー部に当接するまで半時計方向に回転させた状態である。
【0071】
同様に図6の状態は、図3の状態即ち前記絞り羽根15〜20が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時に、開口量調整をして開口量を減らした時の正面図である。図は同じく前記羽根押え板21を省略して見易くしている。各構成部品に含まれる様々な誤差要因(各部品の加工誤差、各部品の組み付け誤差等)により、絞り羽根の停止位置が設計位置からずれて本来の開口量よりも多い時、前記開口量調整リング130を図3の状態から時計方向に回転させると、前記絞り羽根15〜20は閉じ方向に回動して開口量が減る。図6の状態は、前記開口量調整リング130をその腕部130b,130cが前記地板のストッパー部に当接するまで時計方向に回動させた状態である。
【0072】
上記のように開口量を調整した後は、前述したように前記羽根押え板21のビス止めを本締めすることで、前記開口量調整リング130は調整位置で前記地板13に固定される。
【0073】
尚、図5及び図6の状態は、調整の様子を分かり易く説明するために前記開口量調整リング130の調整回転角を多目に取ってある。
【0074】
以上のように、前記羽根15〜20の回転軸を備える前記開口量調整リング130を前記地板13上で前記駆動伝達リング14の回転中心回りに回転させることで、前記羽根15〜20の回転中心が移動するため、前記羽根15〜20が均等に回転して開口量が変化する。これにより各構成部品に含まれる様々な誤差要因による絞り羽根の停止位置ズレを微調整可能となり、良好なFナンバー精度を得ることができる。
【0075】
ここで、以上ような構成の光量制御装置に備わる駆動装置が超小型化になる上で最適な構成であることについて説明する。
【0076】
本実施の形態の光量制御装置の駆動装置の基本構成について述べると、第1に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段のマグネットを中空の円筒形状に形成していることであり、第2に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段のマグネットの外周面及び内周面を周方向にn分割して異なる極に交互に着磁していることであり、第3に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段共に軸方向にコイルとマグネットを順に配置していることであり、第4に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段ともにコイルにより励磁されるステータの外側磁極部及び内側磁極部をそれぞれマグネットの外周面及び内周面に対向させていることであり、第5に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の外側磁極部を軸と平行方向に延出する歯により構成していることであり、第6に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段を駆動伝達リングの回転軸を挟んで対向位置に平行に配置していることであり、第7に、第1の駆動手段のマグネットと第2の駆動手段のマグネットを駆動伝達リングを介してリンク連結していることである。
【0077】
上記第1の駆動手段及び第2の駆動手段の径は、マグネットの径にステータの磁極を対向させるだけの大きさがあれば良く、又、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の軸方向の長さはマグネットの長さにコイルの長さを加えた程度の長さがあれば良いことになる。このため、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の大きさは、マグネット及びコイルの径と長さによって決まるもので、該マグネット及びコイルの径と長さをそれぞれ非常に小さくすれば、第1の駆動手段及び第2の駆動手段を超小型にすることができるものである。このとき、マグネット及びコイルの径と長さをそれぞれ非常に小さくすると、第1の駆動手段及び第2の駆動手段としての精度を維持することが難しくなるが、これはマグネットを中空の円筒形状に形成し、この中空の円筒形状に形成されたマグネットの外周面及び内周面にステータの外側磁極部及び内側磁極部を対向させるという単純な構造により、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の精度の問題を解決している。
【0078】
又、前記地板13の開口部13eを遮らないように第1の駆動手段及び第2の駆動手段を配置してあるが、それらの直径を最小限に抑えることができることで、光量制御装置そのものの直径も小さく抑えることができる。
【0079】
更に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段を軸方向に平行に配置していることで、絞り羽根を駆動するアクチュエータとして光軸と平行方向に関して短く、他のレンズや構造物に対して邪魔にならないように構成できる。
【0080】
又、第1の駆動手段のマグネットと第2の駆動手段のマグネットを駆動伝達リングを介してリンク連結していることで、駆動音が静かで双方向の回転が可能な駆動装置とすることが可能となる。
【0081】
更に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段を駆動伝達リングの回転軸を挟んで対向する位置に配置していることで、発生する回転トルクを効率的に駆動伝達リングに伝達可能となる。
【0082】
前述したように、前記マグネット5の着磁位相と前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dとの関係は、前記マグネット11の着磁位相と前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dとの関係に対して180/n度、即ち「n=8」とした本実施の形態では22.5度ずれて配置する必要がある。そこで、前記ロータ6と前記駆動伝達リング14及び前記ロータ12と該駆動伝達リング14をリンク連結するだけで位相関係が180/n度ずれて配置されるように、前記ステータ1及び前記ステータ7が前記地板13の保持部13c及び保持部13dに位置決め固定される構成とした。これにより、組立時に着磁位相合わせの必要がなくなり、組立作業効率が一段と高まる。
【0083】
次に、本発明と本実施の形態との対応について説明する。
【0084】
上記実施の一形態において、図1、図7、図9〜図12のマグネット5が本発明の第1の駆動手段のマグネット部に相当し、図1〜図7のロータ6と前記マグネット5が本発明の第1の駆動手段のロータに相当し、図1及び図7のコイル2が本発明の第1の駆動手段のコイルに相当し、図1、図7、図9〜図12のステータ1及び補助ステータ4が本発明の第1の駆動手段のステータに相当し、図1、図7、図9〜図12のステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dが本発明の第1の駆動手段のステータの外側磁極部に相当する。
【0085】
又、図1、図7、図9〜図12の補助ステータ4の内側磁極部4aが本発明の第1の駆動手段のステータの内側磁極部に相当し、図1、図7、図9〜図12のマグネット11が本発明の第2の駆動手段のマグネット部に相当し、図1〜図7のロータ12とマグネット11が本発明の第2の駆動手段のロータに相当し、図1及び図7のコイル8が本発明の第2の駆動手段のコイルに相当し、図1、図7、図9〜図12のステータ7及び補助ステータ10が本発明の第2の駆動手段のステータに相当し、図1、図7及び図9〜図12のステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dが本発明の第2の駆動手段のステータの外側磁極部に相当する。
【0086】
更に、図1、図7、図9〜図12の補助ステータ10の内側磁極部10aが本発明の第2の駆動手段のステータの内側磁極部に相当し、図1〜図8の駆動伝達リング14が本発明の出力手段に相当し、図1〜図8の地板13が本発明の第1の地板に相当し、図1〜図8の絞り羽根15,16,17,18,19,20が本発明の遮光部材に相当し、図1〜図8の開口量調整リング130が本発明の第2の地板に相当し、図1、図7及び図8の羽根押え板21が本発明の遮光部材保持手段に相当する。
【0087】
以上が実施の形態の各構成と本発明の各構成の対応関係であるが、本発明はこれら実施の形態に限定されるものではなく、請求項で示した機能又は実施の形態が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても良いことは言うまでもない。
【0088】
次に、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0089】
上記の実施の形態においては、第1の駆動手段と第2の駆動手段を駆動伝達リング14を介してリンク連結しているが、ギアによる連結であっても良い。その場合、ロータ6、ロータ12及び駆動伝達リング14にギアを設ければ良い。
【0090】
又、上記の実施の形態においては、第1の駆動手段と第2の駆動手段を、図1等に示すように、それぞれの回転軸の方向が平行で該回転軸方向と直交する方向から見て重なる位置に並置しているが、必ずしも重なる位置でなくても良く、例えば前記地板13の光軸方向前後に配置するようにしても良い。その場合、前記地板13の光軸方向前後に配置されるであろう鏡筒の逃げ部を従来の約半分の高さで済ませることが可能となる。
【0091】
又、上記実施の形態では、6枚の絞り羽根15〜20を具備した例を述べているが、これに限定されるものではなく、図2において、例えば15,17,19若しくは16,18,20の3枚の絞り羽根としても良い。更には、16,19の2枚以上の絞り羽根としても良い。但し、このような場合、開口部13eを開閉する必要性から、その形状や大きさを実施の形態とは変える必要があることは言うまでもない。
【0092】
又、上記の実施の形態では、開口量調整リング130に回転軸となる突起130f,130g,130h,130i,130j,130kを設け、絞り羽根15〜20には突起130f,130g,130h,130i,130j,130kに嵌合する軸穴15a,16a,17a,18a,19a,20aを設けたが、開口量調整リング130に回転軸穴を設け、絞り羽根に回転軸となる突起を付けて良い。
【0093】
更に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段によって構成する駆動装置は絞り羽根を駆動するためのアクチュエータとして用いたが、他の用途、例えばレンズ駆動のためのカム筒等を回転させる等にも使用可能であり、高出力で直径が小さく且つ軸方向の長さも短いという利点を持った駆動装置として有用なものとなる。
【0094】
【発明の効果】
最後に、本発明の各請求項の構成と上記実施の一形態における構成の対応関係を明示しつつ、その効果について改めてまとめて説明する。
【0095】
1)周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部(マグネット5)を備えるロータ(マグネット5及びロータ6)と、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイル2と、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに、前記コイル2により励磁される外側磁極部1a〜1d及び内側磁極部4aを具備するステータ(ステータ1及び補助ステータ4)とから成る第1の駆動手段と、周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部(マグネット11)を備えるロータ(マグネット11及びロータ12)と、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイル8と、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに、前記コイル8により励磁される外側磁極部7a〜7d及び内側磁極部10aを具備するステータ(ステータ7、補助ステータ10)とから成る第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段の構成要素である前記ロータと前記第2の駆動手段の構成要素であるロータとに連結して回動する出力手段(駆動伝達リング14)と、前記前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を保持する第1の地板(地板13)と、前記出力手段の回動に連動して、前記第1の地板に設けられた開口部13eの通過光量を制御する遮光部材(絞り羽根15〜20)と、前記遮光部材を回動可能に支持する第2の地板(開口量調整リング130)とを備え、前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置を調整可能にした光量制御装置としている。
【0096】
よって、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の外径は、マグネット部の径にステータの磁極を対向させるだけの大きさがあれば良いことから、直径方向の寸法を小さくすることができ、又、平行に配置される第1の駆動手段及び第2の駆動手段の軸方向の長さは、マグネット部の長さにコイルの長さを加えた程度にできることから該軸方向の長さを小さくすることができる。
【0097】
更に、コイルにより発生する磁束は外側磁極と内側磁極との間にあるマグネット部を横切って効果的に作用することから、小さな直径でも高い出力が得られる。又、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を保持する前記第1の地板に対する遮光部材の支持位置を調整可能な構成にしているので、第1の地板上から見た遮光部材の回転中心位置を直接動かすことができ、各構成部品に含まれる様々な誤差要因(各部品の加工誤差、各部品の組み付け誤差等)による遮光部材の口径精度(開口量)を調整可能となり、良好なFナンバー精度を得ることができる。
【0098】
2)上記1)の構成に加えて、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段との相対位置調整により、前記出力手段により駆動される前記遮光部材の停止位置を調整可能とした構成にしている。よって、上記1)の効果と同様に、良好なFナンバー精度を得ることができる。
【0099】
3)上記1)、上記2)の構成に加えて、前記第2の地板は、前記遮光部材の光軸方向の抜け止めとなる遮光部材保持手段を前記第1の地板に固定する際に、前記遮光部材保持手段と前記第1の地板との間に挟まれて、前記第1の地板に固定される構成にしている。よって、上記1)、上記2)の効果に加え、装置が大型化することなく、簡単な構成で良好なFナンバー精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光量制御装置の分解斜視図である。
【図2】本発明に係る光量制御装置の羽根が開放状態にあるときの正面図である。
【図3】本発明に係る光量制御装置の羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にあるときの正面図である。
【図4】本発明に係る光量制御装置の羽根が閉鎖状態にあるときの正面図である。
【図5】本発明に係る光量制御装置の羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にあるときに開口量調整をして開口量を増やしたときの正面図である。
【図6】本発明に係る光量制御装置の羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にあるときに開口量調整をして開口量を減らしたときの正面図である。
【図7】本発明に係る第1の駆動手段及び第2の駆動手段を含む光量制御装置の断面図(図3のA−A断面図)である。
【図8】本発明に係る光量制御装置の別の断面図(図3のB−B断面図)である。
【図9】本発明に係る第1の駆動手段と第2の駆動手段とから成る駆動装置のマグネットとステータの位相関係を示す断面図である。
【図10】図9の状態からコイル通電を切り換えて各マグネットを22.5度回転させた状態を示す断面図である。
【図11】図10の状態からコイル通電を切り換えて各マグネットを更に22.5度回転させた状態を示す断面図である。
【図12】図11の状態からコイル通電を切り換えて各マグネットを更に22.5度回転させた状態を示す断面図である。
【図13】従来のステッピングモータの構成例及びステータを通過する磁束の状態を示す断面図である。
【図14】従来のステッピングモータのための構成例を示す図である。
【符号の説明】
1,7 ステータ
2,8 コイル
3,9 ボビン
4,10 補助ステータ
5,11 マグネット
6,12 ロータ
13 地板(第1の地板)
13e 開口部
130 開口量調整リング(第2の地板)
14 駆動伝達リング(出力手段)
15〜20 絞り羽根(遮光部材)
21 羽根押え板
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀塩カメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮影装置に用いられる光量制御装置に関するもので、特に超小型に構成した駆動装置を用いる光量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13に従来の小型円筒形状のステッピングモータを示す。
【0003】
図13(a)において、ボビン101にステータコイル105が同心状に巻回され、ボビン101は2個のステータヨーク106で軸方向から挟持固定されており、且つ、ステータヨーク106にはボビン101の内径面円周方向にステータ歯106aと106bが交互に配置され、ケース103にはステータ歯106a又は106bと一体のステータヨーク106が固定されて、ステータ102が構成されている。
【0004】
2組のケース103の一方にはフランジ115と軸受108が固定され、他方のケース103には他の軸受108が固定されている。ロータ109はロータ軸110に固定されたロータ磁石111から成り、ロータ磁石111は、ステータ102のステータヨーク106と放射状の空隙部を形成している。そして、ロータ軸110は2個の軸受108の間に回転可能に支持されている。
【0005】
又、1個のコイルで駆動するステッピングモータとしては、時計で多く用いられている図14に示すものがある。図14において、201は永久磁石から成るロータ、202,203はステータ、204はコイルである。
【0006】
しかしながら、図13(a)に示す上記従来の小型のステッピングモータは、ロータ109の外周にケース103、ボビン101、ステータコイル105、ステータヨーク106が同心状に配置されているため、モータの外形寸法が大きくなってしまうという不都合がある。
【0007】
又、ステータコイル105への通電により発生する磁束は、図13(b)に示すように、主としてステータ歯106aの端面106a1とステータ歯106bの端面106b1とを通過するため、ロータ磁石111に効果的に作用せず、モータの出力が高くならないという不都合もある。図14に示すものに関しても、ステータ202とステータ203のギャップが小さいところにコイル204への通電で発生する磁束が集中し、効果的にマグネットに作用しないという不都合がある。
【0008】
又、複数個のステッピングモータをレンズ鏡筒の周囲に配置したレンズ鏡筒及び絞りシャッタの駆動装置が特公平06−64281号にて提案されている。これは、略コ字形状のステータをロータに対して相対向に配置して成るステッピングモータを鏡筒の周囲に複数個配置し、各々のステッピングモータをレンズ移動機構や絞りシャッタ駆動機構の駆動装置としたもので、撮影レンズ装置、特に鏡筒径方向の小型化を狙ったものである。
【0009】
しかしながら、特公平06−64281号のステッピングモータは、略コ字形状のステータのコイルへの通電で発生する磁束には、漏れ磁束が多く発生してマグネットに効果的に作用しない。そのため、小型のままでは大きいトルクを引き出せないという矛盾がある。
【0010】
このような問題を解決したモータがCFO12034US及び特開平09−331666号にて提案されている。上記モータは、円周方向に等分割して異なる極に交互に着磁された永久磁石から成るロータを円筒形状に形成し、該ロータの軸方向に第1のコイル、ロータ及び第2のコイルを順に配置し、第1のコイルにより励磁される第1の外側磁極及び第1の内側磁極をそれぞれロータの外周面及び内周面に対向させ、第2のコイルにより励磁される第2の外側磁極及び第2の内側磁極をそれぞれロータの外周面及び内周面に対向させるように構成したものであり、ロータ軸である回転軸が円筒形状の永久磁石から取り出されている。
【0011】
このような構成のモータは、出力が高く、該モータの外形寸法を小さいものとすることができ、マグネットを薄くすることにより第1の外側磁極と第1の内側磁極の間の距離及び第2の外側磁極と第2の内側磁極の間の距離を結果的に小さくでき、磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。これによれば、第1のコイル及び第2のコイルに流す電流が少なくても、多くの磁束を発生させることができる。その反面、軸方向の長さが長くなり、カメラや鏡筒内で光軸と平行となるように配置して、絞り羽根やシャッタ、レンズ等を駆動するために用いようとした場合、他のレンズの配置の邪魔になったり、他の構造物を切り欠かなければならなかったりするという不都合があった。
【0012】
そこで、このような問題を解決したものとして、特開2001−298938号に記載の駆動伝達装置が提案されている。これは、円周方向に等分割して異なる極に交互に着磁された永久磁石から成るロータを円筒形状に形成し、該ロータの軸方向にコイル、ロータを順に配置し、コイルにより励磁される外側磁極及び内側磁極をそれぞれロータの外周面及び内周面に対向させるように構成した駆動装置を2つ備え、この2つの駆動装置を軸方向が平行になるように並べて配置し、一方の駆動装置のロータに設けられたギア部と他方の駆動装置のロータに設けられたギア部とに噛み合うギア部を備えた出力手段とで構成されるものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開2001−298938号に記載の駆動伝達装置を用いて絞り羽根等を駆動させる場合、各構成部品に含まれる様々な誤差要因(各部品の加工誤差、各部品の組み付け誤差等)のために、絞り羽根の停止位置が設計位置からずれてしまうことが多い。この結果、必要とするFナンバー精度(絞り開口量)が得られないという欠点があった。
【0014】
一方、ステッピングモータを用いた光量調節装置で、前記誤差問題を解決したものが特開2002−139766にて提案されている。これは、ステッピングモータを装置本体に対してステッピングモータのロータ回転中心回りで取り付け位置調節を可能としたもので、ロータの回転停止位置、つまいは絞り羽根の停止位置が調節でき、各部品に誤差要因が含まれていても良好なFナンバー精度が得られるものである。
【0015】
しかしながら、上記の特開2002−139766号の光量調節装置においても、上記で説明したCFO12034US及び特開平09−331666号のモータと同様に、モータの軸方向の長さが長いため、カメラの鏡筒内に配置した場合、他のレンズの配置の邪魔になったり、他の構造物を切り欠かなければならなかったりするという欠点は変わらない。
【0016】
従って、本発明の第1の目的は、軸方向の長さ及び直径方向の寸法を小さくすることができ、且つ、出力を向上させることのできる、小型の駆動手段を備えた光量制御装置において、良好なFナンバー精度が得られる光量制御装置を提供することにある。
【0017】
又、本発明の第2の目的は、上記第1の目的を達成するとともに、装置が大型化することなく、簡単な構成で良好なFナンバー精度が得られる光量制御装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備えるロータと、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイルと、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに、前記コイルにより励磁される外側磁極部及び内側磁極部を具備するステータとから成る第1の駆動手段と、周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備えるロータと、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイルと、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに前記コイルにより励磁される外側磁極部及び内側磁極部を具備するステータとから成る第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段の構成要素である前記ロータと前記第2の駆動手段の構成要素である前記ロータと連結して回動可能な出力手段と、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を保持する第1の地板と、前記出力手段の回動に連動して前記第1の地板に設けられた開口部の通過光量を制御する遮光部材と、前記遮光部材を回動可能に支持する第2の地板とを備え、前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置を調整可能に構成した光量制御装置とするものである。
【0019】
上記請求項1に記載の構成によれば、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の外径は、マグネット部の径にステータの磁極を対向させるだけの大きさがあれば良く、又、平行に配置される第1の駆動手段及び第2の駆動手段の軸方向長さは、マグネット部の長さにコイルの長さを加えた程度にできる。又、コイルにより発生する磁束は外側磁極と内側磁極との間にあるマグネット部を横切って効果的に作用する構成にしている。更に、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を保持する前記第1の地板に対する遮光部材の支持位置を調整可能な構成にしている。
【0020】
同じく上記第1の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置調整により、前記出力手段により駆動される前記遮光部材の停止位置を調整可能とした請求項1に記載の光量制御装置とするものである。
【0021】
上記請求項2に記載の構成によれば、前記遮光部材の開口量を調整可能な構成にしている。
【0022】
又、前記第2の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、前記第2の地板は、前記遮光部材の光軸方向の抜け止めとなる遮光部材保持手段を前記第1の地板に固定する際に、前記遮光部材保持手段と前記第1の地板との間に挟まれて、前記第1の地板に固定される請求項1〜2に記載の光量制御装置とするものである。
【0023】
上記請求項3に記載の構成によれば、装置が大型化することなく、簡単な構成で開口量調整後の前記第2の地板の固定を可能にしている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1〜図12は本発明の実施の一形態に係る図であり、詳しくは、図1は光量制御装置の分解斜視図、図2は光量制御装置の絞り羽根が開放状態にある時の正面図、図3は光量制御装置の絞り羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時の正面図、図4は光量制御装置の絞り羽根が閉鎖状態にある時の正面図、図5は光量制御装置の絞り羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時に開口量調整をして開口量を増やした時の正面図、図6は光量制御装置の絞り羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時に開口量調整をして開口量を減らした時の正面図、図7は第1の駆動手段及び第2の駆動手段を含む図1の光量制御装置の部分断面図(図3のA−A断面図)、図8は図1の光量制御装置の別の部分断面図(図3のB−B断面図)である。又、図9〜図12は第1の駆動手段と第2の駆動手段とから成る駆動装置のマグネットとステータの位相関係を各動作段階毎に示す断面図である。
【0026】
図1〜図12において、1は第1の駆動手段の構成要素である軟磁性材料から成るステータであり、該ステータ1は外筒及びドーナツ状の天板で構成されている。該ステータ1の外筒はその先端部が櫛歯形状の外側磁極部1a,1b,1c,1dを形成している。該外側磁極部1a,1b,1c,1dは後述のマグネット5の外周面に対し所定の隙間をもって対向している。2は円筒形状のコイルであり、該コイル2はボビン3に巻き付けられている。該コイル2及び該ボビン3は、その外径が後述のマグネット5の外径とほぼ同じ寸法となっている。
【0027】
4は円筒形状の補助ステータであり、該補助ステータ4の一端には内側磁極部4aが形成されており、他端には該内側磁極部4aよりも外径の小さい小径部4bが形成され、該小径部4bは前記コイル2が巻き付けられた前記ボビン3を後述のマグネット5と同心位置になるように間に挟んで前記ステータ1の天板にかしめ等により固定される。該内側磁極部4aは後述のマグネット5の内周面に対し所定の隙間をもって対向している。又、補助ステータ4には軸穴部4cが形成されている。
【0028】
尚、前記ステータ1と該補助ステータ4とは別部品を一体的になるよう固定しているが、これらを同一部品として一体的に構成しても良い。
【0029】
5は円筒形状のマグネットであり、図9〜図12に示すように、該マグネット5は、その外周表面及び内周表面を円周方向にn分割して(本実施の形態では8分割して)S極及びN極が交互に着磁された着磁部を有する。該マグネット5は、例えば射出成形により形成されるプラスチックマグネット材料により形成することができる。これにより、円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くしたマグネットを構成することができるとともに、圧入による組み立てでも割れが発生することがない。
【0030】
6はロータであり、前記マグネット5に圧入固定される。該ロータ6には、軸心部に回転軸6a及び回転軸6bが設けられるとともに、リンク突起部6c及び6dが一体的に形成されている。前記回転軸6aは前記補助ステータ4の軸穴部4cによって回転可能に支持され、前記回転軸6bは後述の地板13の軸穴13aによって回転可能に支持されている。該リンク突起部6c及び6dは2つの突起の内壁で形成される溝が後述する駆動伝達リング14と嵌合する。尚、前記マグネット5と該ロータ6とは別部品で一体的になるよう圧入固定しているが、これらを同一部品として一体的に構成しても良い。
【0031】
前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dは、それぞれが前記マグネット5の着磁に関して同位相になるように、円周方向に360/(n/2)度、即ち90度ずつずれて形成されている。
【0032】
以上のようなステータ1、コイル2、ボビン3、補助ステータ4、マグネット5、ロータ6により第1の駆動手段が構成されている。
【0033】
同様に、図1〜図12において、7は第2の駆動手段の構成要素である軟磁性材料から成るステータであり、該ステータ7は外筒及びドーナツ状の天板で構成されている。該ステータ7の外筒はその先端部が櫛歯形状の外側磁極部7a,7b,7c,7dを形成している。該外側磁極部7a,7b,7c,7dは後述のマグネット11の外周面に対し所定の隙間をもって対向している。8は円筒形状のコイルであり、該コイル8はボビン9に巻き付けられている。該コイル8及び該ボビン9はその外径が後述のマグネット11の外径とほぼ同じ寸法となっている。
【0034】
10は円筒形状の補助ステータであり、該補助ステータ10の一端には内側磁極部10aが形成されており、他端には該内側磁極部10aよりも外径の小さい小径部10bが形成され、該小径部10bは前記コイル8が巻き付けられた前記ボビン9を後述のマグネット11と同心位置になるように間に挟んで前記ステータ7の天板にかしめ等により固定される。該内側磁極部10aは後述のマグネット11の内周面に対し所定の隙間をもって対向している。又、補助ステータ10には軸穴部10cが形成されている。尚、前記ステータ7と該補助ステータ10とは別部品を一体的になるよう固定しているが、これらを同一部品として一体的に構成しても良い。
【0035】
11は円筒形状のマグネットであり、図9〜図12に示すように、該マグネット11は、その外周表面及び内周表面を円周方向にn分割して(本実施の形態では8分割して)S極及びN極が交互に着磁された着磁部を有する。該マグネット11は、例えば射出成形により形成されるプラスチックマグネット材料により形成することができる。これにより、円筒形状の半径方向の厚さを非常に薄くしたマグネットを構成することができるとともに、圧入による組み立てでも割れが発生することがない。
【0036】
12はロータであり、前記マグネット11に圧入固定される。該ロータ12には、軸心部に回転軸12a及び回転軸12bが設けられるとともに、リンク突起部12c及び12dが一体的に形成されている。前記回転軸12aは、前記補助ステータ10の軸穴部10cによって回転可能に支持され、前記回転軸12bは、後述の地板13の軸穴13bによって回転可能に支持されている。前記リンク突起部12c及び12dは、2つの突起の内壁で形成される溝が後述する駆動伝達リング14と嵌合する。尚、前記マグネット11とロータ12とは別部品で一体的になるよう圧入固定しているが、これらを同一部品として一体的に構成してもよい。
【0037】
前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dは、それぞれが前記マグネット11の着磁に関して同位相になるように、円周方向に360/(n/2)度、即ち90度ずつずれて形成されている。
【0038】
以上のようなステータ7、コイル8、ボビン9、補助ステータ10、マグネット11、ロータ12により、第2の駆動手段が構成されている。
【0039】
13は中央に開口部13eが形成された地板であり、130は同じく中央に開口部を持つリング形状の開口量調整リングである。開口量調整リング130は、前記地板13の嵌合部13jに外径部130aが嵌合して光軸中心に回転可能に取り付けられ、後で説明する開口量調整後に前記地板13に固定される。14は前記地板13の嵌合部13kに開口部14eが嵌合して光軸中心に回転可能に取り付けられる駆動伝達リングである。この取り付けの際、駆動伝達リング14は、前記地板13の断面が円弧状のレール面13l(図7参照)に当接する。
【0040】
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段は、それぞれその構成要素である前記ステータ1及び前記ステータ7が公知の方法(例えば接着やビス止め等)により前記地板13の保持部13c及び保持部13dに取り付けることにより固定される。その際、第1の駆動手段のロータ6の回転軸6bが前記地板13の軸穴13aに嵌合され、該第2の駆動手段のロータ12の回転軸12bが前記地板13の軸穴13bに嵌合され、両ロータ6,12はそれぞれ圧入固定される前記マグネット5及び前記マグネット11と共に回転可能に保持されることになる。
【0041】
前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段はそれらの軸方向が平行の状態で前記地板13に前記駆動伝達リング14の回転軸を挟んで対向する位置に配置されており、前記第1の駆動手段のロータ6に一体的に形成された前記リンク突起部6c及び6dの内壁で形成される溝が前記駆動伝達リング14のリンク腕部14a上に設けられたリンク突起14cと嵌合し、該第2の駆動手段のロータ12に一体的に形成された前記リンク突起部12c及び12dの内壁で形成される溝が前記駆動伝達リング14のリンク腕部14b上に設けられたリンク突起14dと嵌合する(図2参照)。これにより、前記第1の駆動手段のマグネット5と前記第2の駆動手段のマグネット10は、前記駆動伝達リング14を介して互いに連動して駆動されるようにリンク連結されている。このとき、前記マグネット5の着磁位相と前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dの関係は、前記マグネット10の着磁位相と前記ステータ7の外側磁極7a,7b,7c,7dの関係に対して180/n度、即ち22.5度ずれて配置される。前記駆動伝達リング14は、連動して駆動する前記第1の駆動手段及び該第2の駆動手段それぞれによって回転駆動される。その様子は後述する。
【0042】
前記開口量調整リング130は、その中央開口部が前記駆動伝達リング14の外径より大きく形成され、前記駆動伝達リング14のリンク腕部14a,14bが出ている所は軸方向高さを低くすることで前記駆動伝達リング14に当接しないようになっている(図7及び図8参照)。
【0043】
又、前記開口量調整リング130は前記駆動伝達リング14と回転中心が一致している。
【0044】
15,16,17,18,19,20は絞り羽根であり、これらの絞り羽根15〜20には軸穴15a,16a,17a,18a,19a,20aが形成されており、これらの軸穴は前記開口量調整リング130に形成された突起130f,130g,130h,130i,130j,130kにそれぞれ回転可能に嵌合している。又、前記絞り羽根15,16,17,18,19,20にはカム溝15b,16b,17b,18b,19b,20bが形成されており、これらのカム溝は、前記駆動伝達リング14に形成された突起14f,14g,14h,14i,14j,14kに摺動可能に嵌合している。従って、駆動伝達リング14を回転させて前記絞り羽根15,16,17,18,19,20をそれぞれ軸穴15a,16a,17a,18a,19a,20aを中心に回転させることにより、図1に示す光量制御装置における前記地板13の開口部13eの通過光量を変化させるように構成されている。
【0045】
21は中央に開口部21aが設けられた羽根押え板であり、前記絞り羽根15〜20及び前記駆動伝達リング14及び前記開口量調整リング130を間に挟んで前記地板13に固定され、該絞り羽根15〜20及び該駆動伝達リング14を回転可能に保持して光軸方向の抜け止めの役割を果たす。その際、位置決め穴21b,21cがそれぞれ前記地板13の位置決めダボ13f,13gに嵌合することで位置決めされ、ネジ止め部21d,21eは前記開口量調整リング130の腕部130b,130cを間に挟みながら前記地板13のネジ穴部13h,13iにネジ止め固定される。
【0046】
よって、前記開口量調整リング130は、前記羽根押え板21を地板にネジ止めすることで、同時に固定される。従って、前記開口量調整リング130に専用のネジ止め部を設ける必要がなく、スペース効率が良いため小型化になるとともに、コストダウンにも繋がる。又、前記開口量調整リング130を回転調整する際は、ネジを若干緩めた状態で調整し、調整後にネジを本締めすれば良い。ここで、ネジが前記開口量調整リング130の調整範囲内で腕部130b,130cに当接しないように、腕部130b,130cにはそれぞれ長穴130d,130eが開けられている。
【0047】
図2〜図4は光量制御装置の前記駆動装置を駆動したときの前記駆動伝達リング14の回転による前記絞り羽根15〜20の状態の変化を表した図であり、前述したように、図2は開放状態にある時の正面図、図3は開放状態と閉鎖状態の中間の状態にあるときの正面図、図4は閉鎖状態にあるときの正面図である。これらの図は何れも前記羽根押え板21を省略して見易くしている。
【0048】
図2〜図4に示すように、前記第1の駆動手段の前記ロータ6と前記駆動伝達リング14とのリンク連結部を前記絞り羽根15の回転中心と前記絞り羽根20の回転中心との間のスペースに構成し、前記第2の駆動手段の前記ロータ12と該駆動伝達リング14とのリンク連結部を前記絞り羽根17の回転中心と前記絞り羽根18の回転中心との間のスペースに構成したため、光量制御装置のデッドスペースに有効的に駆動手段をレイアウト可能となり、各駆動手段は勿論、該装置についても、光軸と平行方向の寸法のみならず、直径方向の寸法を小さくすることができる。
【0049】
前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1d及び前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dは、軸(6a,6b,12a,12b)と平行方向に延出する歯により構成されている。これにより、駆動手段の直径を最小限にし得る磁極の構成が可能となる。つまり、外側磁極部を半径方向に延びる凹凸で形成するとその分駆動手段の直径が大きくなってしまうが、本実施の形態では、軸と平行方向に延出する歯により外側磁極部を構成しているので、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段の直径を最小限に抑えることができる。
【0050】
又、前記地板13の開口部13eを遮らないように前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段が配置されているが、それらの直径を最小限に抑えることで、光量制御装置そのものの外径も小さく抑えることが可能となる。
【0051】
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段とも、軸方向の長さはマグネットの長さとコイルの長さを加えただけの長さでほぼ決まるため、軸方向の高さ(長さ)が非常に低いアクチエータとして構成することができる。又、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段は軸方向に平行に配置してあるので、前記絞り羽根15〜20を駆動するアクチエータとして光軸と平行方向の寸法を短く構成することができ、従って、図1のように光量制御装置のアクチュエータとして用いる場合に、他のレンズや構造物に対して邪魔にならない構成を実現することができる。
【0052】
前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1d及び前記補助ステータ4の内側磁極部4aは、前記マグネット5の一端側の外周面及び内周面に対向して該マグネット5の一端側を挟み込むように設けられる。同様に前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7d及び前記補助ステータ10の内側磁極部10aは、前記マグネット11の一端側の外周面及び内周面に対向して該マグネット11の一端側を挟み込むように設けられる。
【0053】
前記ステータ1の外側磁極部及び前記補助ステータ4の間にコイル2及びボビン3が設けられ、該コイル2に通電されることによりステータ1及び補助ステータ4が励磁される。同様に、前記ステータ7の外側磁極部及び前記補助ステータ10の間にコイル8及びボビン9が設けられ、該コイル8に通電されることによりステータ7及び補助ステータ10が励磁される。
【0054】
従って、コイル2により発生する磁束は、前記外側磁極部1a,1b,1c,1d及び前記補助ステータ4の内側磁極部4aの間に配置されるマグネット5を横切るので、該マグネット5に効果的に作用する。又、前記コイル8により発生する磁束は、前記外側磁極部7a,7b,7c,7d及び前記補助ステータ10の内側磁極部10aの間に配置されるマグネット11を横切るので、該マグネット11に効果的に作用する。こうして、第1駆動手段及び第2の駆動手段から成るアクチュエータの出力を高めることができる。
【0055】
前記第1の駆動手段の内側磁極部4aは、前記コイル2の内径よりも大きな外径を有し、前記第2の駆動手段の内側磁極部10aは前記コイル8の内径よりも大きな外径を有している(図7参照)ことで、コイルの内径を小さくして、該コイルの占有する体積を大きくしても、前記第1の駆動手段の外側磁極部1a〜1dと内側磁極部4aとの距離及び該第2の駆動手段の外側磁極部7a〜7dと内側磁極部10aとの距離を小さく構成することが可能になる。これにより、コイル側から見た磁気抵抗が小さくなるので、小さな電力によっても多くの磁束を発生させることが可能となり、駆動手段の出力を向上させることができる。
【0056】
図9〜図12は前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段とを主たる構成要素とする駆動装置に具備されるマグネットとステータの位相関係を各動作段階で示す断面図であり、各図とも(a)は第1の駆動手段を、(b)は第2の駆動手段をそれぞれ示している。
【0057】
図9〜図12において、第1の駆動手段のマグネット5の着磁位相とステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dとの関係は、第2の駆動手段のマグネット11の着磁位相とステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dとの関係に対して、180/n度、即ち22.5度ずれて配置されている。これは前記マグネット5と前記マグネット11が前記駆動伝達リング14にリンク連結された状態で位相関係が互いに異なるように、前記ステータ1及び前記ステータ7がそれぞれ前記地板13の保持部13c及び保持部13dに位置決め固定される構成となっている。
【0058】
次に、前記駆動伝達リング14が前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段によって駆動される様子を説明する。
【0059】
図9の状態は、第1の駆動手段のコイル2に対して正通電することにより、ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dをN極とし、前記補助ステータ4の内側磁極部4aをS極とし、同時に第2の駆動手段のコイル8に対して逆通電することにより、前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dをS極とし、前記補助ステータ10の内側磁極部10aをN極とした場合を示す。
【0060】
前記マグネット5の外周表面のS極に着磁された着磁部がステータ1の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生する(図9の時計方向)とともに、前記マグネット11の外周表面のN極に着磁された着磁部がステータ7の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生し(図9の反時計方向)、該マグネット5及び該マグネット11はそれぞれに固定されているロータ6及びロータ12が駆動伝達リング14を介してリンク連結されているので、図9の状態でバランスを保って静止する。この状態は、図2に示すように、光量制御装置の絞り羽根15〜20が地板13の開口部13eを開放する状態にあり、ここで、該駆動伝達リング14は該地板13に設けられる不図示のストッパーに当接している。
【0061】
次に、図9の状態から、前記第1の駆動手段のコイル2への正通電を維持しながら、即ち前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dをN極とし、前記補助ステータ4の内側磁極部4aをS極としながら、前記第2の駆動手段のコイル8への通電を正通電に切り換えると、前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dはN極に励磁され、前記補助ステータ10の内側磁極部10aはS極に励磁され、前記マグネット11は外周表面のS極に着磁された着磁部が前記ステータ7の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生し、図中時計方向に回転を始める。前記マグネット5及び前記マグネット11は、それぞれに固定されているロータ6及びロータ12が駆動伝達リング14を介してリンク連結されているので、前記マグネット11の時計方向の回転に伴い前記駆動伝達リング14は反時計方向へと回転し、前記マグネット5は、時計方向に回転する。そして、図10に示す状態でバランスを保って静止する。この状態は、図9の状態から前記マグネット5及び前記マグネット11がそれぞれ時計方向に22.5度回転した状態である。
【0062】
次に、図10の状態から前記第2の駆動手段のコイル8への正通電を維持しながら、即ち、前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dをN極とし、前記補助ステータ10の内側磁極部10aをS極としながら、前記第1の駆動手段の前記コイル2への通電を逆通電に切り換えると、前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dはS極に励磁され、前記補助ステータ4の内側磁極部4aはN極に励磁され、前記マグネット5は外周表面のN極に着磁された着磁部がステータ1の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生し、図中時計方向に回転を始める。
【0063】
前記マグネット5及び前記マグネット11は、それぞれに固定されているロータ6及びロータ12が駆動伝達リング14を介してリンク連結されているので、前記マグネット5の時計方向の回転に伴い前記駆動伝達リング14は半時計方向へと回転し、前記マグネット11は時計方向に回転する。そして、図11に示す状態でバランスを保って静止する。この状態は、図10の状態から前記マグネット5及び前記マグネット11がそれぞれ時計方向に22.5度回転した状態である。
【0064】
ここで、図3に示す状態、即ち前記絞り羽根15〜20が中間絞り位置にある状態は、図10の状態と図11の状態の中間位置に対応する。尚、この位置で安定的に停止さるには、前記第2の駆動手段のコイル8にのみ正通電させて前記第1の駆動手段のコイル2への通電を止める、即ち前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dをN極とし、前記補助ステータ10の内側磁極部10aをS極とすることで可能となる。
【0065】
次に、図11の状態から、前記第1の駆動手段のコイル2への逆通電を維持しながら、即ち前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dをS極とし、前記補助ステータ4の内側磁極部4aをN極としながら、前記第2の駆動手段の前記コイル8への通電を逆通電に切り換えると、前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dはS極に励磁され、前記補助ステータ10の内側磁極部10aはN極に励磁され、前記マグネット11は外周表面のN極に着磁された着磁部が前記ステータ7の外側磁極部の中心に向かう回転力が発生し、図中時計方向に回転を始める。
【0066】
前記マグネット5及び前記マグネット11は、それぞれに固定されているロータ6及びロータ12が駆動伝達リング14を介してリンク連結されているので、前記マグネット11の時計方向の回転に伴い前記駆動伝達リング14は半時計方向へと回転し、前記マグネット5は時計方向に回転する。そして、図12に示す状態でバランスを保って静止する。この状態は図11の状態から前記マグネット5及び前記マグネット11がそれぞれ時計方向に22.5度回転した状態である。又、この状態は、図4に示す様に光量制御装置の絞り羽根15〜20が地板13の開口部13eを閉鎖する状態にあり、ここで、前記駆動伝達リング14は該地板13に設けられる不図示のストッパーに当接している。
【0067】
上記のようにコイル2及びコイル8への通電方向を順次切り換えていくことにより、リンク連結されている前記マグネット5、前記マグネット11、前記駆動伝達リング14は同時に回転し、通電位相に応じた位置へと順次回転することになる。ここで、マグネットの回転角は2相励磁でステップ駆動するためには少なくとも(180/n)度以上回転する必要があり、又、リンク連結により駆動伝達リング14が回転するためにはマグネットの回転角は最低でも180度未満にする必要がある。本実施の形態では、開放状態から閉鎖状態までを3パルスで駆動する構成とした。即ち、前記マグネット5及び前記マグネット11の回転角は
(180/n)×3=67.5度
とした(n=8極)。
【0068】
次に、前記開口量調整リング130を回転調整することで、前記絞り羽根15〜20で決められる開口量が所定の値になるように調整する様子を説明する。
【0069】
図5の状態は、図3の状態即ち前記絞り羽根15〜20が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時に、開口量調整をして開口量を増やした時の正面図である。図は前記羽根押え板21を省略して見易くしている。
【0070】
各構成部品に含まれる様々な誤差要因(各部品の加工誤差、各部品の組み付け誤差等)により、絞り羽根の停止位置が設計位置からずれて本来の開口量よりも少ない時、前記開口量調整リング130を図3の状態から半時計方向に回転させると、前記絞り羽根15〜20は開き方向に回動して開口量が増える。図5の状態は、前記開口量調整リング130をその腕部130b,130cが前記地板のストッパー部に当接するまで半時計方向に回転させた状態である。
【0071】
同様に図6の状態は、図3の状態即ち前記絞り羽根15〜20が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にある時に、開口量調整をして開口量を減らした時の正面図である。図は同じく前記羽根押え板21を省略して見易くしている。各構成部品に含まれる様々な誤差要因(各部品の加工誤差、各部品の組み付け誤差等)により、絞り羽根の停止位置が設計位置からずれて本来の開口量よりも多い時、前記開口量調整リング130を図3の状態から時計方向に回転させると、前記絞り羽根15〜20は閉じ方向に回動して開口量が減る。図6の状態は、前記開口量調整リング130をその腕部130b,130cが前記地板のストッパー部に当接するまで時計方向に回動させた状態である。
【0072】
上記のように開口量を調整した後は、前述したように前記羽根押え板21のビス止めを本締めすることで、前記開口量調整リング130は調整位置で前記地板13に固定される。
【0073】
尚、図5及び図6の状態は、調整の様子を分かり易く説明するために前記開口量調整リング130の調整回転角を多目に取ってある。
【0074】
以上のように、前記羽根15〜20の回転軸を備える前記開口量調整リング130を前記地板13上で前記駆動伝達リング14の回転中心回りに回転させることで、前記羽根15〜20の回転中心が移動するため、前記羽根15〜20が均等に回転して開口量が変化する。これにより各構成部品に含まれる様々な誤差要因による絞り羽根の停止位置ズレを微調整可能となり、良好なFナンバー精度を得ることができる。
【0075】
ここで、以上ような構成の光量制御装置に備わる駆動装置が超小型化になる上で最適な構成であることについて説明する。
【0076】
本実施の形態の光量制御装置の駆動装置の基本構成について述べると、第1に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段のマグネットを中空の円筒形状に形成していることであり、第2に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段のマグネットの外周面及び内周面を周方向にn分割して異なる極に交互に着磁していることであり、第3に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段共に軸方向にコイルとマグネットを順に配置していることであり、第4に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段ともにコイルにより励磁されるステータの外側磁極部及び内側磁極部をそれぞれマグネットの外周面及び内周面に対向させていることであり、第5に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の外側磁極部を軸と平行方向に延出する歯により構成していることであり、第6に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段を駆動伝達リングの回転軸を挟んで対向位置に平行に配置していることであり、第7に、第1の駆動手段のマグネットと第2の駆動手段のマグネットを駆動伝達リングを介してリンク連結していることである。
【0077】
上記第1の駆動手段及び第2の駆動手段の径は、マグネットの径にステータの磁極を対向させるだけの大きさがあれば良く、又、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の軸方向の長さはマグネットの長さにコイルの長さを加えた程度の長さがあれば良いことになる。このため、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の大きさは、マグネット及びコイルの径と長さによって決まるもので、該マグネット及びコイルの径と長さをそれぞれ非常に小さくすれば、第1の駆動手段及び第2の駆動手段を超小型にすることができるものである。このとき、マグネット及びコイルの径と長さをそれぞれ非常に小さくすると、第1の駆動手段及び第2の駆動手段としての精度を維持することが難しくなるが、これはマグネットを中空の円筒形状に形成し、この中空の円筒形状に形成されたマグネットの外周面及び内周面にステータの外側磁極部及び内側磁極部を対向させるという単純な構造により、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の精度の問題を解決している。
【0078】
又、前記地板13の開口部13eを遮らないように第1の駆動手段及び第2の駆動手段を配置してあるが、それらの直径を最小限に抑えることができることで、光量制御装置そのものの直径も小さく抑えることができる。
【0079】
更に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段を軸方向に平行に配置していることで、絞り羽根を駆動するアクチュエータとして光軸と平行方向に関して短く、他のレンズや構造物に対して邪魔にならないように構成できる。
【0080】
又、第1の駆動手段のマグネットと第2の駆動手段のマグネットを駆動伝達リングを介してリンク連結していることで、駆動音が静かで双方向の回転が可能な駆動装置とすることが可能となる。
【0081】
更に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段を駆動伝達リングの回転軸を挟んで対向する位置に配置していることで、発生する回転トルクを効率的に駆動伝達リングに伝達可能となる。
【0082】
前述したように、前記マグネット5の着磁位相と前記ステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dとの関係は、前記マグネット11の着磁位相と前記ステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dとの関係に対して180/n度、即ち「n=8」とした本実施の形態では22.5度ずれて配置する必要がある。そこで、前記ロータ6と前記駆動伝達リング14及び前記ロータ12と該駆動伝達リング14をリンク連結するだけで位相関係が180/n度ずれて配置されるように、前記ステータ1及び前記ステータ7が前記地板13の保持部13c及び保持部13dに位置決め固定される構成とした。これにより、組立時に着磁位相合わせの必要がなくなり、組立作業効率が一段と高まる。
【0083】
次に、本発明と本実施の形態との対応について説明する。
【0084】
上記実施の一形態において、図1、図7、図9〜図12のマグネット5が本発明の第1の駆動手段のマグネット部に相当し、図1〜図7のロータ6と前記マグネット5が本発明の第1の駆動手段のロータに相当し、図1及び図7のコイル2が本発明の第1の駆動手段のコイルに相当し、図1、図7、図9〜図12のステータ1及び補助ステータ4が本発明の第1の駆動手段のステータに相当し、図1、図7、図9〜図12のステータ1の外側磁極部1a,1b,1c,1dが本発明の第1の駆動手段のステータの外側磁極部に相当する。
【0085】
又、図1、図7、図9〜図12の補助ステータ4の内側磁極部4aが本発明の第1の駆動手段のステータの内側磁極部に相当し、図1、図7、図9〜図12のマグネット11が本発明の第2の駆動手段のマグネット部に相当し、図1〜図7のロータ12とマグネット11が本発明の第2の駆動手段のロータに相当し、図1及び図7のコイル8が本発明の第2の駆動手段のコイルに相当し、図1、図7、図9〜図12のステータ7及び補助ステータ10が本発明の第2の駆動手段のステータに相当し、図1、図7及び図9〜図12のステータ7の外側磁極部7a,7b,7c,7dが本発明の第2の駆動手段のステータの外側磁極部に相当する。
【0086】
更に、図1、図7、図9〜図12の補助ステータ10の内側磁極部10aが本発明の第2の駆動手段のステータの内側磁極部に相当し、図1〜図8の駆動伝達リング14が本発明の出力手段に相当し、図1〜図8の地板13が本発明の第1の地板に相当し、図1〜図8の絞り羽根15,16,17,18,19,20が本発明の遮光部材に相当し、図1〜図8の開口量調整リング130が本発明の第2の地板に相当し、図1、図7及び図8の羽根押え板21が本発明の遮光部材保持手段に相当する。
【0087】
以上が実施の形態の各構成と本発明の各構成の対応関係であるが、本発明はこれら実施の形態に限定されるものではなく、請求項で示した機能又は実施の形態が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても良いことは言うまでもない。
【0088】
次に、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0089】
上記の実施の形態においては、第1の駆動手段と第2の駆動手段を駆動伝達リング14を介してリンク連結しているが、ギアによる連結であっても良い。その場合、ロータ6、ロータ12及び駆動伝達リング14にギアを設ければ良い。
【0090】
又、上記の実施の形態においては、第1の駆動手段と第2の駆動手段を、図1等に示すように、それぞれの回転軸の方向が平行で該回転軸方向と直交する方向から見て重なる位置に並置しているが、必ずしも重なる位置でなくても良く、例えば前記地板13の光軸方向前後に配置するようにしても良い。その場合、前記地板13の光軸方向前後に配置されるであろう鏡筒の逃げ部を従来の約半分の高さで済ませることが可能となる。
【0091】
又、上記実施の形態では、6枚の絞り羽根15〜20を具備した例を述べているが、これに限定されるものではなく、図2において、例えば15,17,19若しくは16,18,20の3枚の絞り羽根としても良い。更には、16,19の2枚以上の絞り羽根としても良い。但し、このような場合、開口部13eを開閉する必要性から、その形状や大きさを実施の形態とは変える必要があることは言うまでもない。
【0092】
又、上記の実施の形態では、開口量調整リング130に回転軸となる突起130f,130g,130h,130i,130j,130kを設け、絞り羽根15〜20には突起130f,130g,130h,130i,130j,130kに嵌合する軸穴15a,16a,17a,18a,19a,20aを設けたが、開口量調整リング130に回転軸穴を設け、絞り羽根に回転軸となる突起を付けて良い。
【0093】
更に、第1の駆動手段及び第2の駆動手段によって構成する駆動装置は絞り羽根を駆動するためのアクチュエータとして用いたが、他の用途、例えばレンズ駆動のためのカム筒等を回転させる等にも使用可能であり、高出力で直径が小さく且つ軸方向の長さも短いという利点を持った駆動装置として有用なものとなる。
【0094】
【発明の効果】
最後に、本発明の各請求項の構成と上記実施の一形態における構成の対応関係を明示しつつ、その効果について改めてまとめて説明する。
【0095】
1)周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部(マグネット5)を備えるロータ(マグネット5及びロータ6)と、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイル2と、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに、前記コイル2により励磁される外側磁極部1a〜1d及び内側磁極部4aを具備するステータ(ステータ1及び補助ステータ4)とから成る第1の駆動手段と、周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部(マグネット11)を備えるロータ(マグネット11及びロータ12)と、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイル8と、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに、前記コイル8により励磁される外側磁極部7a〜7d及び内側磁極部10aを具備するステータ(ステータ7、補助ステータ10)とから成る第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段の構成要素である前記ロータと前記第2の駆動手段の構成要素であるロータとに連結して回動する出力手段(駆動伝達リング14)と、前記前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を保持する第1の地板(地板13)と、前記出力手段の回動に連動して、前記第1の地板に設けられた開口部13eの通過光量を制御する遮光部材(絞り羽根15〜20)と、前記遮光部材を回動可能に支持する第2の地板(開口量調整リング130)とを備え、前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置を調整可能にした光量制御装置としている。
【0096】
よって、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の外径は、マグネット部の径にステータの磁極を対向させるだけの大きさがあれば良いことから、直径方向の寸法を小さくすることができ、又、平行に配置される第1の駆動手段及び第2の駆動手段の軸方向の長さは、マグネット部の長さにコイルの長さを加えた程度にできることから該軸方向の長さを小さくすることができる。
【0097】
更に、コイルにより発生する磁束は外側磁極と内側磁極との間にあるマグネット部を横切って効果的に作用することから、小さな直径でも高い出力が得られる。又、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を保持する前記第1の地板に対する遮光部材の支持位置を調整可能な構成にしているので、第1の地板上から見た遮光部材の回転中心位置を直接動かすことができ、各構成部品に含まれる様々な誤差要因(各部品の加工誤差、各部品の組み付け誤差等)による遮光部材の口径精度(開口量)を調整可能となり、良好なFナンバー精度を得ることができる。
【0098】
2)上記1)の構成に加えて、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段との相対位置調整により、前記出力手段により駆動される前記遮光部材の停止位置を調整可能とした構成にしている。よって、上記1)の効果と同様に、良好なFナンバー精度を得ることができる。
【0099】
3)上記1)、上記2)の構成に加えて、前記第2の地板は、前記遮光部材の光軸方向の抜け止めとなる遮光部材保持手段を前記第1の地板に固定する際に、前記遮光部材保持手段と前記第1の地板との間に挟まれて、前記第1の地板に固定される構成にしている。よって、上記1)、上記2)の効果に加え、装置が大型化することなく、簡単な構成で良好なFナンバー精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光量制御装置の分解斜視図である。
【図2】本発明に係る光量制御装置の羽根が開放状態にあるときの正面図である。
【図3】本発明に係る光量制御装置の羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にあるときの正面図である。
【図4】本発明に係る光量制御装置の羽根が閉鎖状態にあるときの正面図である。
【図5】本発明に係る光量制御装置の羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にあるときに開口量調整をして開口量を増やしたときの正面図である。
【図6】本発明に係る光量制御装置の羽根が開放状態と閉鎖状態の中間の状態にあるときに開口量調整をして開口量を減らしたときの正面図である。
【図7】本発明に係る第1の駆動手段及び第2の駆動手段を含む光量制御装置の断面図(図3のA−A断面図)である。
【図8】本発明に係る光量制御装置の別の断面図(図3のB−B断面図)である。
【図9】本発明に係る第1の駆動手段と第2の駆動手段とから成る駆動装置のマグネットとステータの位相関係を示す断面図である。
【図10】図9の状態からコイル通電を切り換えて各マグネットを22.5度回転させた状態を示す断面図である。
【図11】図10の状態からコイル通電を切り換えて各マグネットを更に22.5度回転させた状態を示す断面図である。
【図12】図11の状態からコイル通電を切り換えて各マグネットを更に22.5度回転させた状態を示す断面図である。
【図13】従来のステッピングモータの構成例及びステータを通過する磁束の状態を示す断面図である。
【図14】従来のステッピングモータのための構成例を示す図である。
【符号の説明】
1,7 ステータ
2,8 コイル
3,9 ボビン
4,10 補助ステータ
5,11 マグネット
6,12 ロータ
13 地板(第1の地板)
13e 開口部
130 開口量調整リング(第2の地板)
14 駆動伝達リング(出力手段)
15〜20 絞り羽根(遮光部材)
21 羽根押え板
Claims (3)
- 周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備えるロータと、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイルと、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに前記コイルにより励磁される外側磁極部及び内側磁極部を具備するステータとから成る第1の駆動手段と、
周方向に分割して異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネット部を備えるロータと、前記マグネット部の軸方向に配置されるコイルと、前記マグネット部の外周面及び内周面のそれぞれに対向するとともに前記コイルにより励磁される外側磁極部及び内側磁極部を具備するステータとから成る第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段の構成要素である前記ロータと前記第2の駆動手段の構成要素である前記ロータと連結して回動可能な出力手段と、
前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を保持する第1の地板と、
前記出力手段の回動に連動して前記第1の地板に設けられた開口部の通過光量を制御する遮光部材と、
前記遮光部材を回動可能に支持する第2の地板とを備え、
前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置を調整可能に構成したことを特徴とする光量制御装置。 - 前記第1の地板と前記第2の地板との相対位置調整により、前記出力手段により駆動される前記遮光部材の停止位置を調整可能としたことを特徴とする請求項1記載の光量制御装置。
- 前記第2の地板は、前記遮光部材の光軸方向の抜け止めとなる遮光部材保持手段を前記第1の地板に固定する際に、前記遮光部材保持手段と前記第1の地板との間に挟まれて前記第1の地板に固定されることを特徴とする請求項1又は2記載の光量制御装置。
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