JP2004156971A - 試薬容器および自動分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器および自動分析装置を提供すること。
【解決手段】開口部3を有する容器本体2と、一端に設けられ開口部3を閉塞する蓋部材7と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片8bと、容器本体2の開口部3から離れた位置に形成された突起部4に、ピン6を有したヒンジガイド5を介して回動自在に装着されるレバー8とを備え、ヒンジガイド5およびレバー8(挟持爪8a)を、容器本体2の材料よりも硬度および剛性が高い材料にて形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】開口部3を有する容器本体2と、一端に設けられ開口部3を閉塞する蓋部材7と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片8bと、容器本体2の開口部3から離れた位置に形成された突起部4に、ピン6を有したヒンジガイド5を介して回動自在に装着されるレバー8とを備え、ヒンジガイド5およびレバー8(挟持爪8a)を、容器本体2の材料よりも硬度および剛性が高い材料にて形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、試薬容器および自動分析装置に関し、さらに詳しくは、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器および自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動分析装置においては、試薬が入っている試薬容器は、試薬庫内に回転動作可能に設けられた載置台上に円周状に複数本配置され収納されているのが一般的である。試薬の分注が必要な場合には、上記載置台を回転させ、その分注点に試薬容器を移動させてから、試薬プローブをその試薬容器内に降下させ、必要量の試薬を吸引するように構成されている。また、上記試薬庫は、試薬容器を開栓したままで保存する場合には、試薬の質的劣化を防止するために、ほぼ5〜10℃に保冷されているのが一般的である。
【0003】
しかしながら、低温では、試薬容器の周囲が低湿度になるため、試薬が蒸発し、その濃度が変化してしまうという欠点がある。また、試薬庫内に複数の異種試薬を設置した場合、試薬内のたとえば酸の成分が蒸発し、他の試薬を変質させたり、試薬庫内部を発錆させるなどの欠点がある。これら試薬の蒸発等を防止・軽減するために、試薬容器の蓋(たとえば、特許文献1参照)や、自動分析装置(たとえば、特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
図7は、従来の試薬容器を示す斜視図、図8は、従来の試薬容器の蓋を示す分解斜視図、図9は、蓋を閉めた状態を示す断面図、図10は、蓋を開けた状態を示す断面図である。すなわち、これら図7〜図10に示すように、この試薬容器101の蓋103は、開口108を有する頂壁107と、柔軟な材料で作製され、前記頂壁107から下方へ延在し、かつ容器上に滑り込み密閉的に係合するようになったねじなしの内壁を有したスカート部109と、前記開口108を密閉するための密閉位置を有し、第1位置(密閉位置、図9参照)と第2位置(非密閉位置、図10参照)との間を動く細長いアーム106と、前記アーム106を第1位置の方へ押しつけるためのバイアス装置110とを備えて構成されている。なお、キャップ102は、試薬容器101を輸送、取り扱い中に密閉しておくためのものであり、密閉ワッシャ111は、第1位置における密閉度を保つ部材である。ピン106aは、アーム106の回動中心であり、穴112に挿通されている。
【0005】
また、図11は、従来の自動分析装置の要部を示す拡大断面図である。この自動分析装置は、複数種類の試薬を収容する複数の試薬容器201を円周上に配列載置する回動可能な載置台202と、この載置台202に載置された複数の試薬容器201を試薬の質的劣化を防ぐために冷却状態で保持する冷却室を有するとともに分注プローブ203が通過する開口204を有する格納ケース205と、試薬容器201の開口部201aを試薬の成分の蒸発を防ぐために閉塞する移動自在の蓋206を選択的に開放する蓋開放装置207と、前記載置台202に載置された試薬容器201の位置を検出する第1のセンサと、試薬容器201に収容されている試薬の種類を検出する第2のセンサと、これら第1および第2のセンサからの信号を受けて、所望の試薬を収納した試薬容器201を分注位置に位置決めするように前記載置台202を回動させた後、前記蓋開放装置207を駆動して当該試薬容器201の蓋206の開放に同期して前記分注プローブ203を格納ケース205の開口204を経て降下させて蓋206が開放されている試薬容器201内に侵入させる制御装置とを備えたものである。
【0006】
また、中蓋208には、蓋206を有した開閉用レバー209が支点210にて回動するように設けられており、この開閉用レバー209は、上下に回動するレバー211の先端部が当接することにより回動し、蓋206が開閉するように形成されている。
【0007】
また、上述した試薬庫は、装置全体を小型化するために比較的コンパクトに構成されている場合が多く、また1つの分析項目に対して複数の試薬を必要とする場合も多いため、試薬庫内には複数の試薬容器が高密度状態でセットされている。したがって、試薬容器は、試薬庫内でのスペース効率を高めるため、図12〜図14に示すような形状のものが一般的に広く用いられている(たとえば、特許文献3参照)。
【0008】
ここで、図12は、従来の試薬容器を示す正面図、図13は、従来の試薬容器を示す平面図、図14は、従来の試薬容器を示す側面図である。試薬容器301は、平面形状がほぼ台形となっており、開口部302、図示しないキャップを装着するためのねじ部303、つまみ部304を備えている。このような試薬容器301は、コンタミネーションや衛生上の問題から、使い回しは行わずに使い捨てにしている場合が多いため、試薬容器301を安価に製作する必要がある。したがって、上述した試薬容器101,201,301は、プラスチック材料のブロー一体型成型品が広く用いられている。その材質としては、試薬成分に影響を与え難いポリエチレンやポリプロピレンが用いられていることが多い。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−294354号公報
【特許文献2】
実公平2−17341号公報
【特許文献3】
登録意匠918680号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7〜図10に示された従来技術にあっては、支点(ピン106a,穴112)は、試薬容器101に配置せず、蓋103に配置しているため、当該支点と作用点(蓋としての密閉パッキン111)の距離が短くなっている。したがって、作用点(蓋としての密閉パッキン111)を大きく開こうとすると、力点を支点の近くにし、大きな力で大きなストロークを力点にかけなければならず、力点を動かす機構が軽量小型化できず、効率が悪いという課題があった。
【0011】
また、図11に示された従来技術にあっては、試薬容器201と、蒸発防止用の蓋206が一対のみの組み合わせとして構成されておらず、蓋206が新たに載せ替えた試薬容器201に対しても使用される構成となっているため、試薬容器201の開口201aの上面に付着した試薬液が、新たに載せ替えた試薬容器201の開口201aに付着し、コンタミネーションを起こすおそれがあるという課題があった。
【0012】
また、ポリエチレンやポリプロピレンによるブロー一体型成型で製作された従来の試薬容器は、その肉厚をあまり厚くできず、また硬さも比較的柔らかく、剛性も低いのが通常である。したがって、このような試薬容器に、上述のような蓋開閉機構の支点を配置したとしても、蓋開閉時にかかる力学的負荷に耐えられず、部分変形するなどして円滑な開閉動作ができないとともに、蓋と試薬容器の開口部に隙間ができるなどして、試薬の蒸発防止効果が低下するおそれがあるという課題があった。
【0013】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置用試薬容器を提供することを目的とする。
【0014】
また、この発明は、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、第1の発明による試薬容器は、開口部を有する容器本体と、一端に設けられ前記開口部を閉塞する蓋部材と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片と、前記容器本体の前記開口部から離れた位置にヒンジガイドを介して回動自在に装着される回動支点部とを有するレバーとを備え、少なくとも前記ヒンジガイドおよび前記レバーの回動支点部を、前記容器本体の材料よりも硬度および剛性が高い材料にて形成したことを特徴とする。
【0016】
また、第2の発明による試薬容器は、上記第1の発明による試薬容器において、容器本体は硬度および剛性が高くない樹脂材料にてブロー一体型成型により形成され、ヒンジガイドは前記容器本体よりも硬度および剛性が高い樹脂材料にて射出成型により形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、第3の発明による試薬容器は、開口部を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に装着され、当該容器本体の開口部と連通する開口部と、当該開口部から離れる方向に延在させたアーム部材とを有するキャップと、一端に設けられ前記開口部を閉塞する蓋部材と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片と、前記アーム部材の反開口部側の端部に回動自在に装着される回動支点部とを有するレバーとを備え、少なくとも前記アーム部材および前記レバーの回動支点部を、前記容器本体の材料よりも硬度および剛性が高い材料にて形成したことを特徴とする。
【0018】
また、第4の発明による自動分析装置は、開口部を有する容器本体と、一端に設けられ前記開口部を閉塞する蓋部材と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片と、前記容器本体の前記開口部から離れた位置に回動自在に装着される回動支点部とを有するレバーとを備えた試薬容器を円周状に複数配列載置し回動自在に形成された載置台と、前記載置台に載置された前記試薬容器を一定温度で格納する格納ケースと、前記試薬容器の開口部を閉塞する前記蓋部材を選択的に開放する蓋開放装置と、前記載置台に載置された試薬容器の位置を検出する位置検知センサと、前記試薬容器に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサと、前記各センサからの信号を受けて前記載置台を回動させ、所望の試薬容器を分注位置に位置決めした後、前記蓋開放装置を駆動して前記レバーの被押圧片を押圧することにより前記蓋部材を開放するとともに、これに同期させて分注用のプローブを降下させ、当該試薬容器内に進入させる制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる試薬容器および自動分析装置の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかる試薬容器を示す正面図、図2は、試薬容器を示す組立正面図、図3は、試薬容器を示す平面図、図4は、自動分析装置を示す断面図である。図1〜図3に示すように、試薬容器1は、上部に開口部3と突起部4を有した容器本体2と、この突起部4に装着され一対のピン6を有したヒンジガイド5と、先端部に前記開口部3を閉塞可能な蓋部材7を有し、ヒンジガイド5のピン6によって回動自在に軸支されたレバー8とを備えている。
レバー8には、ヒンジガイド5のピン6を回動自在に挟持する一対の挟持爪8aが設けられている。また、レバー8の後端部には、後述する自動分析装置のスライド軸21によって下方に押圧される被押圧片8bが設けられている。
【0021】
すなわち、蓋部材7を開く際には、後述するスライド軸21によって被押圧片8bが下方に押圧され、当該部分が力点となり、レバー8は挟持爪8aで挟持されたピン6を支点(回動中心)として回動し、蓋部材7が作用点として持ち上がる構成となっている。
【0022】
容器本体2は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような硬度が低く、剛性がさほど高くない材料にてブロー一体型成型により形成されている。また、ヒンジガイド5は、硬度が比較的大きく、剛性も比較的高いプラスチック材料(たとえば、ABS樹脂やポリカーボネート等)にて射出成型により形成されている。なお、このヒンジガイド5は、金属にて形成することもできる。蓋部材7は、開口部3を閉塞したときの密閉性を高め、試薬液の蒸発防止を図るために、たとえばゴムやスポンジ等の弾性部材にて形成されている。
【0023】
つぎに上記試薬容器1を適用する自動分析装置について図4に基づいて説明する。同図に示すように、自動分析装置は、回動可能に形成され複数の試薬容器1を円周状に配列載置する載置台9と、この載置台9に載置された複数の試薬容器1を一定温度(たとえば、5〜10℃に保冷)で格納する格納ケース10と、試薬容器1の開口部3を閉塞する蓋部材7を選択的に開放する蓋開放装置20と、前記載置台9に載置された試薬容器1の位置を検出する位置検知センサ(図示せず)と、試薬容器1に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサ(図示せず)と、前記各センサからの信号を受けて前記載置台9を回動させ、所望の試薬容器1を分注位置に位置決めした後、前記蓋開放装置20を駆動して蓋部材7を開放するとともに、これに同期させてプローブ30を降下させ、試薬容器1内に進入させる制御装置(図示せず)とを備えている。
【0024】
格納ケース10は、試薬庫11と、開口部12aを有した蓋12とから構成されている。また、載置台9は軸受13によって回転自在に支持された軸14に連結され、回転可能に形成されている。この軸14はギヤ15を備え、このギヤ15はモータ16に連結されたギヤ17と噛み合っている。すなわち、この載置台9は、図示しない制御装置の指令によりモータ16が動作し、ギヤ17,15を介した軸14が回転することにより、所定量回動するように構成されている。
【0025】
蓋開放装置20は、格納ケース10内に設けられ、試薬容器1のレバー8の被押圧片8bを下方に押圧するためのスライド軸21と、このスライド軸21を連結部22を介して上下動させるロータリー式のソレノイド23と、スライド軸21を案内するガイド24とから構成されている。
【0026】
つぎに動作について説明する。自動分析装置の載置台9には、複数種類の分析項目を分析するために、項目の異なる試薬の入った試薬容器1が載置されている。選択された分析項目に対応した試薬容器1がプローブ30の真下に配置されるように、図示しない制御装置により指令を出してモータ16を駆動し、ギヤ17,15を介して軸14を回転させ、載置台9を所定量回転させる。
【0027】
すなわち、選択された試薬容器1がプローブ30の真下に配置されたら、モータ16の動作を止めるとともに、ソレノイド23に通電してガイド軸21を下降させ、試薬容器1のレバー8の被押圧片8bを下方に押圧する。これにより、レバー8は、ピン6を回動中心として回動し、蓋部材7が持ち上がり、試薬容器1の開口部3が開放される。そして、図示しない駆動装置によりプローブ30を下降させ、試薬容器1の開口部3から内部に進入させ、試薬を吸引する。
【0028】
そして、吸引動作の終了したプローブ30は、図示しない駆動装置により上昇する。これと同時に、ソレノイド23に通電してガイド軸21を上昇させる。すると、ガイド軸21の下端部がレバー8の被押圧片8bから離れるので、レバー8はガイド軸21の押圧力から解放され、自重で蓋部材7が下がり、試薬容器1の開口部3がこの蓋部材7によって再び閉塞される。これにより、試薬容器1内の試薬の蒸発が防止される。なお、プローブ30によって吸引された試薬は、図示しない反応容器に吐出され、分析される。このような動作を繰り返すことにより、複数種類の分析項目につき、連続分析が可能となる。
【0029】
以上のように、この実施の形態1にかかる試薬容器1および自動分析装置によれば、簡易な構成となっているので、容易かつ安価に作製できるとともに、試薬容器1の開口部3が蓋部材7によって確実に閉塞されるので、試薬の蒸発・変質を防止することができる。
【0030】
また、各試薬容器1毎に蓋部材7が設けられているので、コンタミネーションの発生を防止できる。さらに、支点(ピン6)と作用点(蓋部材7)の距離を大きくとれ、かつ、支点の近傍に力点(被押圧片8b)がとれるので、小さな力およびストロークでレバー8を回動でき、効率よく蓋部材7を開口部3に対して開閉できる。
【0031】
また、蓋部材7の開閉時に力学的負荷のかかるヒンジガイド5を、硬度が比較的大きく、剛性も比較的高いプラスチック材料にて形成したので、当該部分の変形等を防止でき、開口部3閉塞時における隙間発生を防止できる。これにより、試薬容器1の開口部3が蓋部材7によって確実に閉塞され、試薬の蒸発・変質を防止することができる。したがって、長期間、安定した分析結果を得ることができる。
【0032】
また、自動分析装置は、試薬吸引時のプローブ30の進退動作と、蓋部材7の開閉動作とが同期するように構成されているので、多項目の試薬分析を効率良く行うことができる。また、蓋開放装置20もソレノイド23とスライド軸21とを組み合わせた簡易な構成としてあるので、容易かつ安価に作製することができる。
【0033】
なお、上記実施の形態1においては、スライド軸21の駆動手段としてソレノイド23を用いるものとして説明したが、これに限定されず、たとえば、モータにより駆動してもよい。また、試薬容器1の形状も図示例のもの(ほぼ扇形)に限定されず、矩形あるいは三角形等であってもよい。また、ヒンジガイド5は、突起部4に装着するものとして説明したが、これに限定されず、たとえば容器本体2の側面に上から被せるように装着してもよい。
【0034】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2にかかる試薬容器を示す正面図、図6は、試薬容器を示す平面図である。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
【0035】
本実施の形態2は、蓋部材7を備えたレバー8の開閉機構(ヒンジガイド5に相当する部分)を、上記実施の形態1のように容器本体2に設けるのではなく、開口部3に装着されるキャップ40に設けたものである。すなわち、上面に開口部を有するキャップ40の側面からほぼ水平に延設したアーム部41の先端部(開口部3から離れた位置)にピン6を一体的に設け、このピン6を挟持爪8aで挟持することによりレバー8を回動自在に形成し、キャップ40の開口部を蓋部材7によって開閉可能に構成したものである。
【0036】
キャップ40、アーム部41およびピン6は、硬度が比較的大きく、剛性も比較的高いプラスチック材料(たとえば、ABS樹脂やポリカーボネート等)にて射出成型により形成されている。なお、これらを金属にて形成してもよい。その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0037】
以上のように、この実施の形態2にかかる試薬容器1によれば、簡易な構成となっているので、容易かつ安価に作製できるとともに、試薬容器1の開口部3が蓋部材7によって確実に閉塞されるので、試薬の蒸発・変質を防止することができる。
【0038】
また、各試薬容器1毎に蓋部材7が設けられているので、コンタミネーションの発生を防止できる。さらに、キャップ40に延設したアーム部41の先端部(開口部3から離れた位置)にピン6を一体的に設けたので、支点(ピン6)と作用点(蓋部材7)の距離を大きくとれ、かつ、支点の近傍に力点(被押圧片8b)がとれるので、小さな力およびストロークでレバー8を回動でき、効率よく蓋部材7を開口部3に対して開閉できる。
【0039】
また、蓋部材7の開閉時に力学的負荷のかかるアーム部41およびピン6を、硬度が比較的大きく、剛性も比較的高いプラスチック材料にて形成したので、当該部分の変形等を防止でき、開口部3閉塞時における隙間発生を防止できる。これにより、試薬容器1の開口部3が蓋部材7によって確実に閉塞され、試薬の蒸発・変質を防止することができる。したがって、長期間、安定した分析結果を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置用の試薬容器を提供することができる。また、この発明によれば、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる試薬容器を示す正面図である。
【図2】試薬容器を示す組立正面図である。
【図3】試薬容器を示す平面図である。
【図4】自動分析装置を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2にかかる試薬容器を示す正面図である。
【図6】試薬容器を示す平面図である。
【図7】従来の試薬容器を示す斜視図である。
【図8】従来の試薬容器の蓋を示す分解斜視図である。
【図9】蓋を閉めた状態を示す断面図である。
【図10】蓋を開けた状態を示す断面図である。
【図11】従来の自動分析装置の要部を示す拡大断面図である。
【図12】従来の試薬容器を示す正面図である。
【図13】従来の試薬容器を示す平面図である。
【図14】従来の試薬容器を示す側面図である。
【符号の説明】
1 試薬容器
2 容器本体
3 開口部
4 突起部
5 ヒンジガイド
6 ピン
7 蓋部材
8 レバー
8a 挟持爪
8b 被押圧片
9 載置台
10 格納ケース
11 試薬庫
12 蓋
12a 開口部
13 軸受
14 軸
15、17 ギヤ
16 モータ
20 蓋開放装置
21 スライド軸
22 連結部
23 ソレノイド
24 ガイド
30 プローブ
40 キャップ
41 アーム部
【発明の属する技術分野】
この発明は、試薬容器および自動分析装置に関し、さらに詳しくは、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器および自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動分析装置においては、試薬が入っている試薬容器は、試薬庫内に回転動作可能に設けられた載置台上に円周状に複数本配置され収納されているのが一般的である。試薬の分注が必要な場合には、上記載置台を回転させ、その分注点に試薬容器を移動させてから、試薬プローブをその試薬容器内に降下させ、必要量の試薬を吸引するように構成されている。また、上記試薬庫は、試薬容器を開栓したままで保存する場合には、試薬の質的劣化を防止するために、ほぼ5〜10℃に保冷されているのが一般的である。
【0003】
しかしながら、低温では、試薬容器の周囲が低湿度になるため、試薬が蒸発し、その濃度が変化してしまうという欠点がある。また、試薬庫内に複数の異種試薬を設置した場合、試薬内のたとえば酸の成分が蒸発し、他の試薬を変質させたり、試薬庫内部を発錆させるなどの欠点がある。これら試薬の蒸発等を防止・軽減するために、試薬容器の蓋(たとえば、特許文献1参照)や、自動分析装置(たとえば、特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
図7は、従来の試薬容器を示す斜視図、図8は、従来の試薬容器の蓋を示す分解斜視図、図9は、蓋を閉めた状態を示す断面図、図10は、蓋を開けた状態を示す断面図である。すなわち、これら図7〜図10に示すように、この試薬容器101の蓋103は、開口108を有する頂壁107と、柔軟な材料で作製され、前記頂壁107から下方へ延在し、かつ容器上に滑り込み密閉的に係合するようになったねじなしの内壁を有したスカート部109と、前記開口108を密閉するための密閉位置を有し、第1位置(密閉位置、図9参照)と第2位置(非密閉位置、図10参照)との間を動く細長いアーム106と、前記アーム106を第1位置の方へ押しつけるためのバイアス装置110とを備えて構成されている。なお、キャップ102は、試薬容器101を輸送、取り扱い中に密閉しておくためのものであり、密閉ワッシャ111は、第1位置における密閉度を保つ部材である。ピン106aは、アーム106の回動中心であり、穴112に挿通されている。
【0005】
また、図11は、従来の自動分析装置の要部を示す拡大断面図である。この自動分析装置は、複数種類の試薬を収容する複数の試薬容器201を円周上に配列載置する回動可能な載置台202と、この載置台202に載置された複数の試薬容器201を試薬の質的劣化を防ぐために冷却状態で保持する冷却室を有するとともに分注プローブ203が通過する開口204を有する格納ケース205と、試薬容器201の開口部201aを試薬の成分の蒸発を防ぐために閉塞する移動自在の蓋206を選択的に開放する蓋開放装置207と、前記載置台202に載置された試薬容器201の位置を検出する第1のセンサと、試薬容器201に収容されている試薬の種類を検出する第2のセンサと、これら第1および第2のセンサからの信号を受けて、所望の試薬を収納した試薬容器201を分注位置に位置決めするように前記載置台202を回動させた後、前記蓋開放装置207を駆動して当該試薬容器201の蓋206の開放に同期して前記分注プローブ203を格納ケース205の開口204を経て降下させて蓋206が開放されている試薬容器201内に侵入させる制御装置とを備えたものである。
【0006】
また、中蓋208には、蓋206を有した開閉用レバー209が支点210にて回動するように設けられており、この開閉用レバー209は、上下に回動するレバー211の先端部が当接することにより回動し、蓋206が開閉するように形成されている。
【0007】
また、上述した試薬庫は、装置全体を小型化するために比較的コンパクトに構成されている場合が多く、また1つの分析項目に対して複数の試薬を必要とする場合も多いため、試薬庫内には複数の試薬容器が高密度状態でセットされている。したがって、試薬容器は、試薬庫内でのスペース効率を高めるため、図12〜図14に示すような形状のものが一般的に広く用いられている(たとえば、特許文献3参照)。
【0008】
ここで、図12は、従来の試薬容器を示す正面図、図13は、従来の試薬容器を示す平面図、図14は、従来の試薬容器を示す側面図である。試薬容器301は、平面形状がほぼ台形となっており、開口部302、図示しないキャップを装着するためのねじ部303、つまみ部304を備えている。このような試薬容器301は、コンタミネーションや衛生上の問題から、使い回しは行わずに使い捨てにしている場合が多いため、試薬容器301を安価に製作する必要がある。したがって、上述した試薬容器101,201,301は、プラスチック材料のブロー一体型成型品が広く用いられている。その材質としては、試薬成分に影響を与え難いポリエチレンやポリプロピレンが用いられていることが多い。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−294354号公報
【特許文献2】
実公平2−17341号公報
【特許文献3】
登録意匠918680号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7〜図10に示された従来技術にあっては、支点(ピン106a,穴112)は、試薬容器101に配置せず、蓋103に配置しているため、当該支点と作用点(蓋としての密閉パッキン111)の距離が短くなっている。したがって、作用点(蓋としての密閉パッキン111)を大きく開こうとすると、力点を支点の近くにし、大きな力で大きなストロークを力点にかけなければならず、力点を動かす機構が軽量小型化できず、効率が悪いという課題があった。
【0011】
また、図11に示された従来技術にあっては、試薬容器201と、蒸発防止用の蓋206が一対のみの組み合わせとして構成されておらず、蓋206が新たに載せ替えた試薬容器201に対しても使用される構成となっているため、試薬容器201の開口201aの上面に付着した試薬液が、新たに載せ替えた試薬容器201の開口201aに付着し、コンタミネーションを起こすおそれがあるという課題があった。
【0012】
また、ポリエチレンやポリプロピレンによるブロー一体型成型で製作された従来の試薬容器は、その肉厚をあまり厚くできず、また硬さも比較的柔らかく、剛性も低いのが通常である。したがって、このような試薬容器に、上述のような蓋開閉機構の支点を配置したとしても、蓋開閉時にかかる力学的負荷に耐えられず、部分変形するなどして円滑な開閉動作ができないとともに、蓋と試薬容器の開口部に隙間ができるなどして、試薬の蒸発防止効果が低下するおそれがあるという課題があった。
【0013】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置用試薬容器を提供することを目的とする。
【0014】
また、この発明は、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、第1の発明による試薬容器は、開口部を有する容器本体と、一端に設けられ前記開口部を閉塞する蓋部材と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片と、前記容器本体の前記開口部から離れた位置にヒンジガイドを介して回動自在に装着される回動支点部とを有するレバーとを備え、少なくとも前記ヒンジガイドおよび前記レバーの回動支点部を、前記容器本体の材料よりも硬度および剛性が高い材料にて形成したことを特徴とする。
【0016】
また、第2の発明による試薬容器は、上記第1の発明による試薬容器において、容器本体は硬度および剛性が高くない樹脂材料にてブロー一体型成型により形成され、ヒンジガイドは前記容器本体よりも硬度および剛性が高い樹脂材料にて射出成型により形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、第3の発明による試薬容器は、開口部を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に装着され、当該容器本体の開口部と連通する開口部と、当該開口部から離れる方向に延在させたアーム部材とを有するキャップと、一端に設けられ前記開口部を閉塞する蓋部材と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片と、前記アーム部材の反開口部側の端部に回動自在に装着される回動支点部とを有するレバーとを備え、少なくとも前記アーム部材および前記レバーの回動支点部を、前記容器本体の材料よりも硬度および剛性が高い材料にて形成したことを特徴とする。
【0018】
また、第4の発明による自動分析装置は、開口部を有する容器本体と、一端に設けられ前記開口部を閉塞する蓋部材と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片と、前記容器本体の前記開口部から離れた位置に回動自在に装着される回動支点部とを有するレバーとを備えた試薬容器を円周状に複数配列載置し回動自在に形成された載置台と、前記載置台に載置された前記試薬容器を一定温度で格納する格納ケースと、前記試薬容器の開口部を閉塞する前記蓋部材を選択的に開放する蓋開放装置と、前記載置台に載置された試薬容器の位置を検出する位置検知センサと、前記試薬容器に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサと、前記各センサからの信号を受けて前記載置台を回動させ、所望の試薬容器を分注位置に位置決めした後、前記蓋開放装置を駆動して前記レバーの被押圧片を押圧することにより前記蓋部材を開放するとともに、これに同期させて分注用のプローブを降下させ、当該試薬容器内に進入させる制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる試薬容器および自動分析装置の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかる試薬容器を示す正面図、図2は、試薬容器を示す組立正面図、図3は、試薬容器を示す平面図、図4は、自動分析装置を示す断面図である。図1〜図3に示すように、試薬容器1は、上部に開口部3と突起部4を有した容器本体2と、この突起部4に装着され一対のピン6を有したヒンジガイド5と、先端部に前記開口部3を閉塞可能な蓋部材7を有し、ヒンジガイド5のピン6によって回動自在に軸支されたレバー8とを備えている。
レバー8には、ヒンジガイド5のピン6を回動自在に挟持する一対の挟持爪8aが設けられている。また、レバー8の後端部には、後述する自動分析装置のスライド軸21によって下方に押圧される被押圧片8bが設けられている。
【0021】
すなわち、蓋部材7を開く際には、後述するスライド軸21によって被押圧片8bが下方に押圧され、当該部分が力点となり、レバー8は挟持爪8aで挟持されたピン6を支点(回動中心)として回動し、蓋部材7が作用点として持ち上がる構成となっている。
【0022】
容器本体2は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンのような硬度が低く、剛性がさほど高くない材料にてブロー一体型成型により形成されている。また、ヒンジガイド5は、硬度が比較的大きく、剛性も比較的高いプラスチック材料(たとえば、ABS樹脂やポリカーボネート等)にて射出成型により形成されている。なお、このヒンジガイド5は、金属にて形成することもできる。蓋部材7は、開口部3を閉塞したときの密閉性を高め、試薬液の蒸発防止を図るために、たとえばゴムやスポンジ等の弾性部材にて形成されている。
【0023】
つぎに上記試薬容器1を適用する自動分析装置について図4に基づいて説明する。同図に示すように、自動分析装置は、回動可能に形成され複数の試薬容器1を円周状に配列載置する載置台9と、この載置台9に載置された複数の試薬容器1を一定温度(たとえば、5〜10℃に保冷)で格納する格納ケース10と、試薬容器1の開口部3を閉塞する蓋部材7を選択的に開放する蓋開放装置20と、前記載置台9に載置された試薬容器1の位置を検出する位置検知センサ(図示せず)と、試薬容器1に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサ(図示せず)と、前記各センサからの信号を受けて前記載置台9を回動させ、所望の試薬容器1を分注位置に位置決めした後、前記蓋開放装置20を駆動して蓋部材7を開放するとともに、これに同期させてプローブ30を降下させ、試薬容器1内に進入させる制御装置(図示せず)とを備えている。
【0024】
格納ケース10は、試薬庫11と、開口部12aを有した蓋12とから構成されている。また、載置台9は軸受13によって回転自在に支持された軸14に連結され、回転可能に形成されている。この軸14はギヤ15を備え、このギヤ15はモータ16に連結されたギヤ17と噛み合っている。すなわち、この載置台9は、図示しない制御装置の指令によりモータ16が動作し、ギヤ17,15を介した軸14が回転することにより、所定量回動するように構成されている。
【0025】
蓋開放装置20は、格納ケース10内に設けられ、試薬容器1のレバー8の被押圧片8bを下方に押圧するためのスライド軸21と、このスライド軸21を連結部22を介して上下動させるロータリー式のソレノイド23と、スライド軸21を案内するガイド24とから構成されている。
【0026】
つぎに動作について説明する。自動分析装置の載置台9には、複数種類の分析項目を分析するために、項目の異なる試薬の入った試薬容器1が載置されている。選択された分析項目に対応した試薬容器1がプローブ30の真下に配置されるように、図示しない制御装置により指令を出してモータ16を駆動し、ギヤ17,15を介して軸14を回転させ、載置台9を所定量回転させる。
【0027】
すなわち、選択された試薬容器1がプローブ30の真下に配置されたら、モータ16の動作を止めるとともに、ソレノイド23に通電してガイド軸21を下降させ、試薬容器1のレバー8の被押圧片8bを下方に押圧する。これにより、レバー8は、ピン6を回動中心として回動し、蓋部材7が持ち上がり、試薬容器1の開口部3が開放される。そして、図示しない駆動装置によりプローブ30を下降させ、試薬容器1の開口部3から内部に進入させ、試薬を吸引する。
【0028】
そして、吸引動作の終了したプローブ30は、図示しない駆動装置により上昇する。これと同時に、ソレノイド23に通電してガイド軸21を上昇させる。すると、ガイド軸21の下端部がレバー8の被押圧片8bから離れるので、レバー8はガイド軸21の押圧力から解放され、自重で蓋部材7が下がり、試薬容器1の開口部3がこの蓋部材7によって再び閉塞される。これにより、試薬容器1内の試薬の蒸発が防止される。なお、プローブ30によって吸引された試薬は、図示しない反応容器に吐出され、分析される。このような動作を繰り返すことにより、複数種類の分析項目につき、連続分析が可能となる。
【0029】
以上のように、この実施の形態1にかかる試薬容器1および自動分析装置によれば、簡易な構成となっているので、容易かつ安価に作製できるとともに、試薬容器1の開口部3が蓋部材7によって確実に閉塞されるので、試薬の蒸発・変質を防止することができる。
【0030】
また、各試薬容器1毎に蓋部材7が設けられているので、コンタミネーションの発生を防止できる。さらに、支点(ピン6)と作用点(蓋部材7)の距離を大きくとれ、かつ、支点の近傍に力点(被押圧片8b)がとれるので、小さな力およびストロークでレバー8を回動でき、効率よく蓋部材7を開口部3に対して開閉できる。
【0031】
また、蓋部材7の開閉時に力学的負荷のかかるヒンジガイド5を、硬度が比較的大きく、剛性も比較的高いプラスチック材料にて形成したので、当該部分の変形等を防止でき、開口部3閉塞時における隙間発生を防止できる。これにより、試薬容器1の開口部3が蓋部材7によって確実に閉塞され、試薬の蒸発・変質を防止することができる。したがって、長期間、安定した分析結果を得ることができる。
【0032】
また、自動分析装置は、試薬吸引時のプローブ30の進退動作と、蓋部材7の開閉動作とが同期するように構成されているので、多項目の試薬分析を効率良く行うことができる。また、蓋開放装置20もソレノイド23とスライド軸21とを組み合わせた簡易な構成としてあるので、容易かつ安価に作製することができる。
【0033】
なお、上記実施の形態1においては、スライド軸21の駆動手段としてソレノイド23を用いるものとして説明したが、これに限定されず、たとえば、モータにより駆動してもよい。また、試薬容器1の形状も図示例のもの(ほぼ扇形)に限定されず、矩形あるいは三角形等であってもよい。また、ヒンジガイド5は、突起部4に装着するものとして説明したが、これに限定されず、たとえば容器本体2の側面に上から被せるように装着してもよい。
【0034】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2にかかる試薬容器を示す正面図、図6は、試薬容器を示す平面図である。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
【0035】
本実施の形態2は、蓋部材7を備えたレバー8の開閉機構(ヒンジガイド5に相当する部分)を、上記実施の形態1のように容器本体2に設けるのではなく、開口部3に装着されるキャップ40に設けたものである。すなわち、上面に開口部を有するキャップ40の側面からほぼ水平に延設したアーム部41の先端部(開口部3から離れた位置)にピン6を一体的に設け、このピン6を挟持爪8aで挟持することによりレバー8を回動自在に形成し、キャップ40の開口部を蓋部材7によって開閉可能に構成したものである。
【0036】
キャップ40、アーム部41およびピン6は、硬度が比較的大きく、剛性も比較的高いプラスチック材料(たとえば、ABS樹脂やポリカーボネート等)にて射出成型により形成されている。なお、これらを金属にて形成してもよい。その他の構成および基本動作は、上記実施の形態1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0037】
以上のように、この実施の形態2にかかる試薬容器1によれば、簡易な構成となっているので、容易かつ安価に作製できるとともに、試薬容器1の開口部3が蓋部材7によって確実に閉塞されるので、試薬の蒸発・変質を防止することができる。
【0038】
また、各試薬容器1毎に蓋部材7が設けられているので、コンタミネーションの発生を防止できる。さらに、キャップ40に延設したアーム部41の先端部(開口部3から離れた位置)にピン6を一体的に設けたので、支点(ピン6)と作用点(蓋部材7)の距離を大きくとれ、かつ、支点の近傍に力点(被押圧片8b)がとれるので、小さな力およびストロークでレバー8を回動でき、効率よく蓋部材7を開口部3に対して開閉できる。
【0039】
また、蓋部材7の開閉時に力学的負荷のかかるアーム部41およびピン6を、硬度が比較的大きく、剛性も比較的高いプラスチック材料にて形成したので、当該部分の変形等を防止でき、開口部3閉塞時における隙間発生を防止できる。これにより、試薬容器1の開口部3が蓋部材7によって確実に閉塞され、試薬の蒸発・変質を防止することができる。したがって、長期間、安定した分析結果を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置用の試薬容器を提供することができる。また、この発明によれば、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる試薬容器を示す正面図である。
【図2】試薬容器を示す組立正面図である。
【図3】試薬容器を示す平面図である。
【図4】自動分析装置を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2にかかる試薬容器を示す正面図である。
【図6】試薬容器を示す平面図である。
【図7】従来の試薬容器を示す斜視図である。
【図8】従来の試薬容器の蓋を示す分解斜視図である。
【図9】蓋を閉めた状態を示す断面図である。
【図10】蓋を開けた状態を示す断面図である。
【図11】従来の自動分析装置の要部を示す拡大断面図である。
【図12】従来の試薬容器を示す正面図である。
【図13】従来の試薬容器を示す平面図である。
【図14】従来の試薬容器を示す側面図である。
【符号の説明】
1 試薬容器
2 容器本体
3 開口部
4 突起部
5 ヒンジガイド
6 ピン
7 蓋部材
8 レバー
8a 挟持爪
8b 被押圧片
9 載置台
10 格納ケース
11 試薬庫
12 蓋
12a 開口部
13 軸受
14 軸
15、17 ギヤ
16 モータ
20 蓋開放装置
21 スライド軸
22 連結部
23 ソレノイド
24 ガイド
30 プローブ
40 キャップ
41 アーム部
Claims (4)
- 開口部を有する容器本体と、
一端に設けられ前記開口部を閉塞する蓋部材と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片と、前記容器本体の前記開口部から離れた位置にヒンジガイドを介して回動自在に装着される回動支点部とを有するレバーと、
を備え、
少なくとも前記ヒンジガイドおよび前記レバーの回動支点部を、前記容器本体の材料よりも硬度および剛性が高い材料にて形成したことを特徴とする試薬容器。 - 容器本体は硬度および剛性が高くない樹脂材料にてブロー一体型成型により形成され、ヒンジガイドは前記容器本体よりも硬度および剛性が高い樹脂材料にて射出成型により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の試薬容器。
- 開口部を有する容器本体と、
前記容器本体の開口部に装着され、当該容器本体の開口部と連通する開口部と、当該開口部から離れる方向に延在させたアーム部材とを有するキャップと、
一端に設けられ前記開口部を閉塞する蓋部材と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片と、前記アーム部材の反開口部側の端部に回動自在に装着される回動支点部とを有するレバーと、
を備え、
少なくとも前記アーム部材および前記レバーの回動支点部を、前記容器本体の材料よりも硬度および剛性が高い材料にて形成したことを特徴とする試薬容器。 - 開口部を有する容器本体と、一端に設けられ前記開口部を閉塞する蓋部材と、他端に設けられ外部から押圧される被押圧片と、前記容器本体の前記開口部から離れた位置に回動自在に装着される回動支点部とを有するレバーとを備えた試薬容器を円周状に複数配列載置し回動自在に形成された載置台と、
前記載置台に載置された前記試薬容器を一定温度で格納する格納ケースと、
前記試薬容器の開口部を閉塞する前記蓋部材を選択的に開放する蓋開放装置と、
前記載置台に載置された試薬容器の位置を検出する位置検知センサと、
前記試薬容器に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサと、
前記各センサからの信号を受けて前記載置台を回動させ、所望の試薬容器を分注位置に位置決めした後、前記蓋開放装置を駆動して前記レバーの被押圧片を押圧することにより前記蓋部材を開放するとともに、これに同期させて分注用のプローブを降下させ、当該試薬容器内に進入させる制御装置とを備えたことを特徴とする自動分析装置。
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