JP2004156454A - オイルレベルセンサの故障判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルレベルセンサの故障を迅速かつ適正に判定することができるオイルレベルセンサの故障判定装置を提供する。
【解決手段】エンジン3のオイルパン6に貯留されたエンジンオイルEOのオイルレベルOLを検出するオイルレベルセンサ7の故障判定装置1であって、エンジン3が所定の運転状態にあるときにオイルレベルセンサ7で検出されるべき所定の基準結果をあらかじめ設定する基準結果設定手段2と、エンジン3の運転状態を検出する運転状態検出手段2と、エンジン3が所定の運転状態である場合において、オイルレベルセンサ7で所定の基準結果が検出されないときに、オイルレベルセンサ7が故障していると判定する故障判定手段2と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン3のオイルパン6に貯留されたエンジンオイルEOのオイルレベルOLを検出するオイルレベルセンサ7の故障判定装置1であって、エンジン3が所定の運転状態にあるときにオイルレベルセンサ7で検出されるべき所定の基準結果をあらかじめ設定する基準結果設定手段2と、エンジン3の運転状態を検出する運転状態検出手段2と、エンジン3が所定の運転状態である場合において、オイルレベルセンサ7で所定の基準結果が検出されないときに、オイルレベルセンサ7が故障していると判定する故障判定手段2と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のオイルパンに貯留されたエンジンオイルのオイルレベルを検出するオイルレベルセンサの故障判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関には、その作動の際の潤滑作用や冷却作用などのために、エンジンオイルが用いられている。エンジンオイルは一般に、内燃機関の底部に設けられたオイルパンに貯留されており、内燃機関の始動と同時に、それによって駆動されるオイルポンプで吸い上げられ、内燃機関の各構成部分に送られる。その後、エンジンオイルは、内燃機関内のオイル循環流路を通って、再びオイルパンに戻される。このように、内燃機関の運転中、エンジンオイルは内燃機関内を循環する。
【0003】
このようなエンジンオイルは、上記作用が適切に行われるために、内燃機関の排気量などに応じた適正な所定範囲内の量(以下「適正量」という)に、常時保たれていることが必要である。一方、エンジンオイルは、内燃機関内を循環する際に、シリンダ内で混合気に混ざり、これとともに燃焼されることなどによって徐々に減少する。そのため、内燃機関内のエンジンオイルが適正量であるか否かを監視する必要があり、そのための機器として、オイルレベルセンサがオイルパンなどに取り付けられている。
【0004】
オイルレベルセンサは一般に、フロート式のものであり、オイルパン内のエンジンオイルのオイルレベル、すなわちエンジンオイルの液面の高さを検出し、その検出結果に基づいて、エンジンオイルが適正量であるか否かが判別される。具体的には、オイルレベルセンサは、オイルパン内のエンジンオイルに浮かべられるフロートと、このフロートの昇降に応じて、それぞれON/OFF切り替えされる上限スイッチおよび下限スイッチとを有している。上限スイッチは、エンジンオイルが所定の上限レベル以上になったときに、例えば、OFFからONに切り替えられる一方、下限スイッチは、エンジンオイルが所定の下限レベル以下になったときに、OFFからONに切り替えられるようになっている。したがって、例えばオイルパン内のエンジンオイルが減少し、そのオイルレベルが下限レベル以下に下降すると、下限スイッチがON状態になることによって、エンジンオイルが適正量よりも少ないことが検出される。また、エンジンオイルの交換や補充により、オイルパン内のエンジンオイルが増加し、そのオイルレベルが上限レベル以上に上昇すると、上限スイッチがON状態になることによって、エンジンオイル量が十分であることが検出される。
【0005】
このようなオイルレベルセンサでは、エンジンオイルが適正量であるか否かを検出することが可能であるものの、オイルレベルセンサ自体が、スイッチの固着などによって故障してしまうと、オイルレベルを誤検出してしまうおそれがあり、エンジンオイルが適正量であるか否かが不明となることで、運転者への警告などを適切に行えないことがある。そのため、オイルレベルセンサが故障しているか否かを監視する必要があり、車両用の内燃機関に適用されたオイルレベルセンサの故障判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この故障判定装置は、走行中の車両の速度に応じて、走行距離を表すパラメータ(以下「走行距離パラメータ」という)を積算するとともに、その間の停車回数をカウントし、走行距離パラメータの積算値および停車回数のカウント値(以下「停車カウント値」という)に応じて、オイルレベルセンサの故障を判定する。より具体的には、車両の走行時に、オイルレベルセンサの前記上限スイッチおよび下限スイッチがいずれもOFF状態に維持されたまま、走行距離パラメータが所定値以上になり、かつ、停車カウント値が所定回数以上であるときに、オイルレベルセンサが故障であると判定する。上述した条件の成立によってオイルレベルセンサの故障が判定されるのは、次の理由からである。
【0007】
すなわち、車両の走行時には一般に、オイルパン内のエンジンオイルの液面が揺れることによって、上限スイッチおよび下限スイッチの少なくとも一方の出力が、一時的にOFFからONに変化する。したがって、車両が十分な距離、具体的には200〜500kmを走行したにもかかわらず、上限スイッチおよび下限スイッチがいずれもOFF状態に維持されたままであるときには、両スイッチの少なくとも一方が故障していると判定することが可能である。他方、車両が高速道路などで長距離を高速走行する場合には、エンジンオイルの液面がほとんど揺れないこともあるため、そのような状況で、車両の走行距離だけで故障判定を行った場合の誤判定を回避するために、車両の停車が所定回数、具体的には5回になったことを条件として、オイルレベルセンサを故障と判定するようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−163923号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このようなオイルレベルセンサの故障判定装置では、前述したように、車両が長距離を走行しかつ停車回数が所定回数に達しなければ、オイルレベルセンサの故障を判定することができない。つまり、オイルレベルセンサが故障している場合、その故障を判定するのに、内燃機関の始動時から非常に長い時間がかかってしまう。また、オイルレベルセンサが故障していることで、エンジンオイルが適正量よりも少ないことが運転者に報知されないまま、内燃機関が長時間運転されるおそれがあり、その場合には、エンジンオイルの不足によって、十分な潤滑作用を得られなくなってしまう。
【0010】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、オイルレベルセンサの故障を迅速かつ適正に判定することができるオイルレベルセンサの故障判定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るオイルレベルセンサの故障判定装置は、内燃機関(実施形態における(以下、本項において同じ)エンジン3)のオイルパン6に貯留されたエンジンオイルEOのオイルレベルOLを検出するオイルレベルセンサ7の故障判定装置1であって、内燃機関3が所定の運転状態(図7のステップ41〜43、ステップ41および46、図8のステップ51〜53)にあるときにオイルレベルセンサ7で検出されるべき所定の基準結果(下限スイッチ7bのON/OFF状態、上限スイッチ7aのOFF状態)をあらかじめ設定する基準結果設定手段(ECU2)と、内燃機関3の運転状態を検出する運転状態検出手段(ECU2)と、内燃機関3が所定の運転状態である場合において、オイルレベルセンサ7で所定の基準結果が検出されていないときに、オイルレベルセンサ7が故障していると判定する故障判定手段(ECU2、図7のステップ45、48、図8のステップ55)と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、基準結果設定手段により、内燃機関が所定の運転状態にあるときにオイルレベルセンサで検出されるべき所定の基準結果を、あらかじめ設定する。そして、内燃機関が所定の運転状態である場合において、オイルレベルセンサで所定の基準結果が得られないときに、故障判定手段により、オイルレベルセンサが故障していると判定する。つまり、本発明は、従来のような車両の長距離走行ではなく、内燃機関がある特定の運転状態にあるときには、エンジンオイルがその運転状態に対応するオイルレベル状態にあるので、オイルレベルセンサが正常であれば、そのようなオイルレベル状態を表す検出結果が得られるはずである。したがって、所定の運転状態で得られるべき検出結果を所定の基準結果として設定するとともに、内燃機関が実際に所定の運転状態である場合において、オイルレベルセンサによりそのような基準結果が検出されていないときに、オイルレベルセンサが故障しているとの判定を適正に行うことができる。以上のように、本発明によれば、内燃機関が実際に所定の運転状態にありさえすれば、従来と異なり、車両の長距離走行および複数の停車回数を条件とすることなく、オイルレベルセンサの故障を直ちに判定することができる。
【0013】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1のオイルレベルセンサの故障判定装置において、運転状態検出手段2は、内燃機関3の回転数(エンジン回転数NE)を検出する回転数検出手段(ECU2、クランク角センサ9)を有し、所定の運転状態は、検出された内燃機関3の回転数NEが所定の回転数(第1回転数NREF1)以上の状態であり(図7のステップ42:YES)、所定の基準結果は、オイルレベルセンサ7で検出されたオイルレベルOLが所定の下限レベル(図2の第2下限レベルOLL2)以下である(図7のステップ44:NO)ことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、所定の運転状態として、内燃機関の回転数が所定の回転数以上であり、この運転状態に対応する所定の基準結果として、オイルレベルセンサで検出されるべきオイルレベルが所定の下限レベル以下であることが設定される。一般に、内燃機関が高回転で運転されると、オイルパン内のエンジンオイルが多量に吸い上げられ、内燃機関の各構成部分に送られることにより、オイルレベルが大きく下降する。このことから、内燃機関の所定の運転状態およびオイルレベルセンサの所定の基準結果を上記のように設定するとともに、所定の下限レベルを適切に設定することにより、内燃機関の実際の回転数が所定の回転数以上の場合において検出されたオイルレベルが下限レベル以下でないときに、オイルレベルセンサが故障していると判定することができる。
【0015】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1のオイルレベルセンサの故障判定装置において、所定の運転状態は、内燃機関3の停止後に所定時間が経過した状態であり(図7のステップ46:YES)、所定の基準結果は、オイルレベルセンサ7で検出されたオイルレベルOLが所定の下限レベル(第1下限レベルOLL1)を上回っていることである(図7のステップ47:NO)ことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、所定の運転状態として、内燃機関の停止後に所定時間が経過し、この運転状態に対応する所定の基準結果として、オイルレベルセンサで検出されるべきオイルレベルが所定の下限レベルを上回っていることが設定される。一般に、内燃機関の停止後に所定時間が経過すると、内燃機関の各構成部分に送られていたエンジンオイルがオイルパンに戻されることによって、オイルレベルが上昇する。このことから、内燃機関の所定の運転状態およびオイルレベルセンサの所定の基準結果を上記のように設定するとともに、所定の下限レベルを適切に設定することにより、内燃機関の停止後に所定時間が経過した場合において検出されたオイルレベルが所定の下限レベルを上回っていないときに、オイルレベルセンサが故障していると判定することができる。
【0017】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1のオイルレベルセンサの故障判定装置において、運転状態検出手段2は、内燃機関3の回転数NEを検出する回転数検出手段2、9を有し、所定の運転状態は、検出された内燃機関3の回転数NEが所定の回転数(第2回転数NREF2)以上の状態であり(図8のステップ52:YES)、所定の基準結果は、オイルレベルセンサ7で検出されたオイルレベルOLが所定の上限レベル(図2の第2上限レベルOLH2)を下回っていることである(図8のステップ54:NO)ことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、所定の運転状態として、内燃機関の回転数が所定の回転数以上であり、この運転状態に対応する所定の基準結果として、オイルレベルセンサで検出されるべきオイルレベルが所定の上限レベルを下回っていることが設定される。一般に、エンジンオイルの交換や補充により、オイルパン内のオイルレベルは、交換や補充前よりも上昇し、所定の上限レベル付近に位置する。この状態から、内燃機関が運転されると、上記請求項2と同様の理由から、オイルレベルが下降する。このことから、内燃機関の所定の運転状態およびオイルレベルセンサの所定の基準結果を上記のように設定するとともに、所定の上限レベルを適切に設定することにより、内燃機関の実際の回転数が所定の回転数以上の場合において検出されたオイルレベルが上限レベルを下回っていないときに、オイルレベルセンサが故障していると判定することができる。
【0019】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項2または4のオイルレベルセンサの故障判定装置において、運転状態検出手段2は、エンジンオイルEOの温度TOILを検出するオイル温度検出手段(オイル温度センサ8)をさらに有し、所定の運転状態は、エンジンオイルEOの温度TOILが所定のオイル温度(所定温度TREF)以下である状態(図7のステップ43:YES、図8のステップ53:YES)をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、オイルレベルセンサの故障判定のために、内燃機関の上記所定の運転状態に、内燃機関の上記回転数の条件に加えて、エンジンオイルの温度が所定のオイル温度以下であるという条件が含まれる。これにより、エンジンオイルの温度上昇に伴う膨張がオイルレベルセンサの検出結果に及ぼす影響を補償でき、これに起因する誤判定を回避しながら、オイルレベルセンサの故障をより一層適正に判定することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明によるオイルレベルセンサの故障判定装置(以下、単に「故障判定装置」という)、およびこれを適用した内燃機関の概略構成を示している。同図に示すように、この故障判定装置1は、ECU2を備えており、このECU2は、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態に応じて、後述する処理を実行する。
【0022】
エンジン3は、例えば前輪駆動式の車両4に搭載された4サイクル・ガソリンエンジンである。エンジン3のエンジン本体5の下部は、オイルパン6になっており、オイルパン6には、エンジンオイルEOが貯留されている。エンジンオイルEOは、エンジン3の運転時、それにより駆動されるオイルポンプ(図示せず)によって、エンジン3の各構成部分に送られ、これらの潤滑作用や冷却作用などを行う。また、エンジンオイルEOは、エンジン3の各構成部分に送られた後、戻し流路(図示せず)を介して、オイルパン6に戻され、エンジン3内を循環する。
【0023】
オイルパン6には、エンジンオイルEOのオイルレベルOLを検出するためのオイルレベルセンサ7が取り付けられている。オイルレベルセンサ7は、上限スイッチ7aおよび下限スイッチ7bで構成されており、図2に示すように、これらはいずれも、フロート7cを有するフロート式のものである。上限スイッチ7aは、オイルレベルOLが所定の第1上限レベルOLH1を上回ったときにON信号を出力し、それよりも低い所定の第2上限レベルOLH2を下回ったときにOFF信号を出力するように構成されている。同様に、下限スイッチ7bは、オイルレベルOLが、上記第2上限レベルOLH2よりも低い所定の第1下限レベルOLL1を上回ったときにOFF信号を出力し、それよりも低い所定の第2下限レベルOLL2を下回ったときにON信号を出力する。これらの上・下限スイッチ7a、7bのON/OFF信号は、ECU2に送られる。
【0024】
オイルパン6にはさらに、エンジンオイルEOの温度(以下「オイル温度」という)TOILを検出するオイル温度センサ8(オイル温度検出手段)が設けられており、その検出信号はECU2に出力される。
【0025】
また、エンジン3のクランクシャフト3aには、クランク角センサ9(回転数検出手段)が設けられている。クランク角センサ9は、クランクシャフト3aの回転に伴い、所定のクランク角(例えば30度)ごとに、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。ECU2は、このCRK信号に基づいて、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
【0026】
さらに、車両4の走行状態検出手段として、従動輪である左右の後輪(図示せず)には、それらの車輪速度VL、VRを検出する左右の車輪速度センサ10L、10Rが、車両4の所定の部位には、車両4の左右方向および前後方向の傾斜角度(以下それぞれ「左右傾斜角度ALR」および「登降坂角度AFR」という)をそれぞれ検出する左右傾斜センサ11および前後傾斜センサ12が設けられており、それらの検出信号はECU2に出力される。
【0027】
また、ECU2には、エンジン水温センサ13から、エンジン3のシリンダブロック内を循環する冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを表す検出信号が出力される。また、ECU2には、図示しない警告ランプや表示器などを有する警告表示装置14が接続されており、ECU2から出力された信号に基づいて、エンジンオイルに関する警告を運転者に報知する。
【0028】
また、車両4のダッシュボード(図示せず)には、リセットスイッチ15が設けられている。リセットスイッチ15は、エンジンオイルを交換したときに運転者などによって操作されるものであり、その操作状態に応じたON/OFF信号がECU2に出力される。
【0029】
ECU2は、本実施形態において、基準結果設定手段、運転状態検出手段、故障判定手段および回転数検出手段を構成するものである。ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROMなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。前述した各種センサ7〜13からの検出信号はそれぞれ、I/OインターフェースでA/D変換や整形がなされた後、CPUに入力される。
【0030】
CPUは、これらの入力信号に応じて、エンジン3の運転状態や車両4の走行状態を判別するとともに、その判別結果に応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに従って、以下のような制御処理を実行する。
【0031】
次に、図3〜図10を参照しながら、エンジンオイルのオイルレベル判定処理について説明する。図3は、オイルレベル判定処理のメインフローである。本処理は、所定時間(例えば1秒)ごとに実行される。なお、以下の説明では、ROMにあらかじめ記憶されている固定値については、その先頭に「#」を付し、更新される他の変数と区別するものとする。まず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、リセットスイッチ入力処理が実行される。
【0032】
このリセットスイッチ入力処理は、リセットスイッチ15が所定時間、ONされた状態が継続したときに、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「1」にセットする処理である。図4に示すように、本処理ではまず、ステップ11において、リセットスイッチ15がON状態であるか否かを判別する。また、エンジンオイルの交換時には一般に、オイルレベルセンサ7の上限スイッチ7aがON状態になる程度に、すなわちオイルレベルOLが第1上限レベルOLH1を若干上回る程度に、多量のエンジンオイルEOがオイルパン6に貯留される。なお、このような交換に加えて、エンジンオイルEOが不足した場合に補充する場合も、オイルレベルOLが第1上限レベルOLH1を若干上回る程度に補充される。
【0033】
上記ステップ11の判別結果がNOで、リセットスイッチ15が押されていないときには、ダウンカウントタイマであるリセットタイマTOILRSTを、所定時間#TMOILRST(例えば10秒)にセットするとともに(ステップ12)、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「0」にセットし、本処理を終了する。一方、ステップ11の判別結果がYESで、リセットスイッチ15が押されているときには、ステップ14で、リセットタイマTOILRSTが値0であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわちリセットスイッチ15が押された状態が、所定時間#TMOILRST継続したときには、オイル交換がなされたことを表すためにオイル交換判定フラグF_OILRSTを「1」にセットし(ステップ15)、本処理を終了する。なお、説明は省略するが、オイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」にセットされたときには、エンジンオイルEOの劣化などを判定するために用いられる各種のパラメータなどがリセットされる。
【0034】
一方、ステップ14の判別結果がNOで、リセットスイッチ15のON状態が所定時間#TMOILRST継続していないときには、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「0」にセットし(ステップ13)、本処理を終了する。
【0035】
次に、ステップ2に進み、オイルレベル判定処理を実行する。図5に示すように、本処理ではまず、オイルレベルセンサの故障判定処理を実行する。この故障判定処理は、上述したオイルレベルセンサ7の故障判定を行うものであり、より具体的には、図6に示すように、下限スイッチ7bの故障判定(ステップ31)および上限スイッチ7aの故障判定(ステップ32)をそれぞれ行う。また、これら上限スイッチ7aおよび下限スイッチ7bの故障判定では、各スイッチ7a、7bの検出結果と、エンジン3が所定の運転状態にあるときに検出されるべき、ECU2に設定された所定の基準結果と比較することによって、各スイッチ7a、7bが故障しているか否かが判定される。
【0036】
図7は、下限スイッチ7bの故障判定処理のフローチャートを示している。なお、本処理において設定される後述の下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSW、および下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWはいずれも、「0」に初期設定されている。
【0037】
本処理ではまず、ステップ41において、エンジン3が停止しているか否かを判別する。この判別結果がNOで、エンジン3が運転中であるときには、ステップ42に進み、エンジン回転数NEが所定の第1回転数#NREF1(例えば5000rpm)以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ43に進み、オイル温度TOILが所定温度#TREF(例えば80℃)以下であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ44に進み、下限スイッチ7bがOFF状態であるか否かを判別する。そして、この判別結果がYESのときには、下限スイッチ7bがOFF側(上側)に固着した状態で故障(以下「OFF側固着故障」という)しているとして、下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSWを「1」にセットし(ステップ45)、本処理を終了する。
【0038】
このように、下限スイッチ7bがOFF側固着故障していると判定できるのは、以下の理由からである。すなわち、一般に、エンジン3が高回転で運転されると、オイルパン6内のエンジンオイルEOが、多量に吸い上げられ、エンジン3の各構成部分に送られることにより、オイルレベルOLが大きく下降する。またこの場合、エンジンオイルEOのオイル温度TOILが所定温度#TREF以下であれば、エンジンオイルEOはほとんど膨張することがない。これらのことから、上記ステップ42および43の運転条件が成立している状態(所定の運転状態)では、下限スイッチ7bが正常であれば、オイルレベルOLの下降に伴い、ON状態(基準結果)になっているはずである。したがって、上記ステップ44の判別結果がYESで、下限スイッチ7bがOFF状態であるときには、下限スイッチ7bがOFF側固着故障していると判定することができる。
【0039】
また、前記ステップ44の判別結果がNOで、下限スイッチ7bがON状態であるときには、下限スイッチ7bが正常であるとして、本処理を終了する。なお、上記運転条件が成立しないときには(ステップ42または43:NO)、下限スイッチ7bの故障判定の実行条件が成立していないとして、そのまま本処理を終了する。
【0040】
前記ステップ41の判別結果がYESで、エンジン3が停止しているときには、ステップ46に進み、エンジン3の停止後、所定時間(例えば5分)経過したか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ47に進み、下限スイッチ7bがON状態であるか否かを判別する。そして、この判別結果がYESのときには、下限スイッチ7bがON側(下側)に固着した状態で故障(以下「ON側固着故障」という)しているとして、下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWを「1」にセットし(ステップ48)、本処理を終了する。
【0041】
このように、下限スイッチ7bがON側固着故障していると判定できるのは、以下の理由からである。すなわち、一般に、エンジン3の停止後に比較的長い時間が経過すると、エンジン3の各構成部分に送られていたエンジンオイルEOがオイルパン6に戻されることによって、オイルレベルOLが上昇する。このことから、上記ステップ46の運転条件が成立している状態(所定の運転状態)では、下限スイッチ7bが正常であれば、オイルレベルOLの上昇に伴い、OFF状態(基準結果)になっているはずである。したがって、上記ステップ47の判別結果がYESで、下限スイッチ7bがON状態であるときには、下限スイッチ7bがON側固着故障していると判定することができる。
【0042】
また、前記ステップ47の判別結果がNOで、下限スイッチ7bがOFF状態であるときには、下限スイッチ7bが正常であるとして、本処理を終了する。なお、上記運転条件が成立しないときには(ステップ46:NO)、下限スイッチ7bの故障判定の実行条件が成立していないとして、そのまま本処理を終了する。
【0043】
図8は、上限スイッチ7aの故障判定処理のフローチャートを示している。なお、本処理において設定される後述の上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWは、「0」に初期設定されている。
【0044】
本処理ではまず、ステップ51において、エンジン3が停止しているか否かを判別する。この判別結果がYESで、エンジン3が停止しているときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ51の判別結果がNOで、エンジン3が運転中であるときには、ステップ52に進み、エンジン回転数NEが、前記第1回転数#NREF1よりも低い所定の第2回転数#NREF2(例えば3000rpm)以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、前記ステップ43と同様に、オイル温度TOILが所定温度#TREF以下であるか否かを判別する(ステップ53)。この判別結果がYESのときには、ステップ54に進み、上限スイッチ7aがON状態であるか否かを判別する。そして、この判別結果がYESのときには、上限スイッチ7aがON側固着故障しているとして、上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWを「1」にセットし(ステップ55)、本処理を終了する。
【0045】
このように、上限スイッチ7aがON側固着故障していると判定できるのは、以下の理由からである。すなわち、一般に、エンジンオイルEOの交換や補充により、オイルパン6内のオイルレベルOLは、交換や補充前よりも上昇し、第1上限レベルOLH1を若干上回る程度に位置する。この状態から、エンジン3が比較的高回転で運転され、かつ、オイル温度TOILが所定温度#TREF以下であると、前述した下限スイッチ7aのOFF側固着の故障判定の場合と同様の理由から、エンジンオイルEOがほとんど膨張することなく、オイルレベルOLが下降する。このことから、上記ステップ52および53の運転条件が成立している状態(所定の運転状態)では、上限スイッチ7aが正常であれば、オイルレベルOLの下降に伴い、OFF状態(基準結果)になっているはずである。したがって、上記ステップ54の判別結果がYESで、上限スイッチ7aがON状態であるときには、上限スイッチ7aがON側固着故障していると判定することができる。
【0046】
以上のようにして、図5のオイルレベル判定処理において、オイルレベルセンサ7の故障判定処理(ステップ21)を実行した後、ステップ22に進み、オイルレベル検出の実行判定処理を実行する。この処理では、車両4が走行あるいは停止している路面の状態などに応じて、オイルレベルセンサ7によるオイルレベルOLの検出を実行してよいか否かを判定する。オイルレベルセンサ7によるオイルレベル検出を実行すべきでないとき、すなわちオイルレベル検出を禁止すべきであるときには、オイルレベル検出禁止フラグF_STPが「1」にセットされる。一方、オイルレベルOLの検出が許可されたときには、オイルレベル検出禁止フラグF_STPが「0」にセットされる。そして、本処理の終了後、ステップ23に進む。
【0047】
このステップ23では、上記ステップ22で設定されたオイルレベル検出禁止フラグF_STPが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、オイルレベル検出が禁止されているときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ23の判別結果がNOで、オイルレベル検出が許可されているときには、ステップ24に進み、断線フラグF_OLSWCDISが「1」であるか否かを判別する。
【0048】
この断線フラグF_OLSWCDISは、例えばオイルレベルセンサ7の図示しないカプラが外れたり、回路が断線したりすることなどで、オイルレベルセンサ7から適正な電圧が出力されていないときに、「1」にセットされるものである。したがって、ステップ24の判別結果がYESのときには、オイルレベル判定を適正に行えないとして、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ24の判別結果がNOであるときには、ステップ25に進む。
【0049】
このステップ25では、下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわち図7の前記ステップ48において、下限スイッチ7bがON側固着故障していると判定されているときには、後述する下限オイルレベル判定処理を実行することなく、本処理を終了する。一方、ステップ25の判別結果がNOで、下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWが「1」でないときには、ステップ26に進み、下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSWが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわち図7の前記ステップ45において、下限スイッチ7bがOFF側固着故障していると判定されているときには、上記と同様に、下限オイルレベル判定処理を実行することなく、本処理を終了する。一方、ステップ26の判別結果がNOで、下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSWが「1」でないときには、ステップ27に進み、下限オイルレベル判定処理を実行する。
【0050】
図9は、下限オイルレベル判定処理を示している。本処理は、下限スイッチ7bのON/OFF状態に応じて、オイルレベルOLが、エンジンオイルの交換が必要な程度まで下降しているか否かを判定する処理である。同図に示すように、本処理ではまず、ステップ71において、図示しないイグニッションスイッチがONされてから、所定時間#TMOILL(例えば10分)が経過したか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ72に進み、エンジン3が所定の定常運転状態であるか否かを判別する。この定常運転状態とは、例えばスロットル弁開度、車速、エンジン回転数NEおよびエンジン水温TWなどが、それぞれの所定の範囲内にある運転状態である。
【0051】
ステップ72の判別結果がYESで、エンジン3が定常運転状態であるときには、ステップ73に進み、エンジンオイルEOのオイル温度TOILが、所定の下限温度#TOILL(例えば0℃)より高く、かつ、上限温度#TOILH(例えば130℃)より低いか否かを判別する。この判別は次の理由による。すなわち、通常、オイル温度TOILが下限温度#TOILLよりも低いときには、エンジンオイルEOの粘度が高く、オイルレベルセンサ7のフロート7cが固着しやすくなることで、オイルレベルOLを誤検出するおそれがある。一方、オイル温度TOILが上限温度#TOILHよりも高いときには、エンジンオイルEOが膨張することで、この場合も、オイルレベルOLを誤検出するおそれがあるからである。
【0052】
ステップ73の判別結果がYESで、#TOILL<TOIL<#TOILHであるときには、ステップ74に進み、オイルレベル下限フラグF_LOWERが「1」であるか否かを判別する。このオイルレベル下限フラグF_LOWERは、オイルレベルセンサ7の下限スイッチ7bがON状態のときに、「1」にセットされるフラグである。より具体的には、図2に示すように、エンジンオイルEOのオイルレベルOLが第2下限レベルOLL2を下回っている状態、あるいは、オイルレベルOLが第2下限レベルOLL2を一旦下回った後、第1下限レベルOLL1以下に留まっているときに、オイルレベル下限フラグF_LOWERが「1」に保持される。
【0053】
ステップ74の判別結果がYESで、オイルレベル下限フラグF_LOWERが「1」であるときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWを値1だけインクリメントする(ステップ75)。次いで、ステップ76において、下限オイルレベルカウンタCOILLOWの値が、そのリミット値#CNTLOW(例えば50回)を上回っているか否かを判別する。この判別結果がYESで、COILLOW>#CNTLOWであるときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWを、そのリミット値#CNTLOWにセットした(ステップ77)後、後述するステップ81に進む。また、ステップ76の判別結果がNOのときには、ステップ77をスキップしてステップ81に進む。
【0054】
一方、上記ステップ74の判別結果がNOで、オイルレベル下限フラグF_LOWERが「1」でないときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWを値1だけディクリメントする(ステップ78)。次いで、下限オイルレベルカウンタCOILLOWの値が0を下回ったか否かを判別し(ステップ79)、その判別結果がYESのときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWを値0にセットした(ステップ80)後、後述するステップ81に進む。また、ステップ79の判別結果がNOのときには、ステップ80をスキップしてステップ81に進む。
【0055】
このステップ81では、下限オイルレベルカウンタCOILLOWの値が、所定の警告実行判定値#CNTLON(例えば50)よりも小さいか否かを判別する。この判別結果がNOで、下限オイルレベルカウンタCOILLOWが警告実行判定値#CNTLON以上であるときには、オイルレベルOLが、エンジンオイルの交換や補充が必要な程度まで下降しているとして、その旨を報知するために、オイルレベル警告フラグF_OLWARを「1」にセットするとともに(ステップ82)、その警告を行ったことを表すオイルレベル警告済みフラグF_OLWARBを「1」にセットし(ステップ83)、本処理を終了する。上記ステップ82で、オイルレベル警告フラグF_OLWARが「1」にセットされることにより、後述するオイルレベル警告処理において、警告表示装置14の警告ランプが点灯される。なお、オイルレベル警告済みフラグF_OLWARBは、バックアップRAMに記憶されるようになっており、エンジン3の停止後も、そのフラグ値が保持される。
【0056】
一方、ステップ81の判別結果がYESで、COILLOW<#CNTLONのときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWの値が、所定の警告解除判定値#CNTLOFF(例えば20)よりも大きいか否かを判別する(ステップ84)。この判別結果がYESのときには、そのまま本処理を終了し、上記ステップ82で「1」にセットしたオイルレベル警告フラグF_OLWARを保持する。一方、ステップ84の判別結果がNOで、COILLOW≦#CNTLOFFであるときには、エンジンオイルEOの交換や補充により、オイルレベルOLが上昇しているとして、オイルレベル警告フラグF_OLWARを「0」にリセットし(ステップ85)、本処理を終了する。これに応じて、点灯中の警告ランプが消灯される。
【0057】
次いで、図5に戻り、前記ステップ27に続くステップ28において、上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわち前述した図8の前記ステップ55において、上限スイッチ7aがON側固着故障していると判定されているときには、後述する上限オイルレベル判定処理を実行することなく、本処理を終了する。一方、ステップ28の判別結果がNOで、上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWが「1」でないときには、ステップ29に進み、上限オイルレベル判定処理を実行する。
【0058】
図10は、この上限オイルレベル判定処理を示している。本処理は、上限スイッチ7aのON/OFF状態に応じて、オイルレベルOLが十分に高いレベルにあって、十分な量のエンジンオイルEOが補充されたか否かを判定する処理である。本処理は、所定時間(例えば100ミリ秒)ごとに実行される。同図に示すように、本処理ではまず、ステップ91において、イグニッションスイッチがONされてから、図9の前記ステップ71の所定時間#TMOILLよりも短い所定時間#TMOILU(例えば1秒)が経過したか否かを判別する。この判別結果がYESで、イグニッションスイッチのON時から、所定時間#TMOILUが経過したときには、上限オイルレベルカウンタCOLUPPERを値0にセットし(ステップ92)、本処理を終了する。
【0059】
一方、ステップ91の判別結果がNOであるとき、すなわちエンジン3がクランキング中であるときには、ステップ93に進み、シフトレバーの位置がPポジションであるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、エンジン水温TWが所定の温度範囲、具体的には下限温度#TWOILUPL(例えば−30℃)より高く、かつ、上限温度#TWOILUPH(例えば100℃)より低いか否かを判別する(ステップ94)。この判別結果がYESで、エンジン水温TWが、#TWOILUPL<TW<#TWOILUPHであるときには、エンジン水温TWが上限オイルレベル判定に適した温度範囲内にあるとして、ステップ95に進む。
【0060】
このステップ95では、エンジン回転数NEが、アイドル回転数#NEOILUPP(例えば800rpm)よりも低いか否かを判別する。この判別結果がYESで、NE<#NEOILUPPであるときには、オイルレベル上限フラグF_UPPERが「1」であるか否かを判別する(ステップ96)。このオイルレベル上限フラグF_UPPERは、オイルレベルセンサ7の上限スイッチ7aがON状態のときに、「1」にセットされるフラグである。より具体的には、図2に示すように、エンジンオイルEOのオイルレベルOLが第1上限レベルOLH1を上回っている状態、あるいは、オイルレベルOLが第1上限レベルOLH1を上回った後、第2上限レベルOLH2以上に留まっているときに、オイルレベル上限フラグF_UPPERが「1」に保持される。
【0061】
ステップ96の判別結果がYESで、オイルレベル上限フラグF_UPPERが「1」であるときには、ステップ97に進み、前述したオイルレベル警告済みフラグF_OLWARBが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわち図9の下限オイルレベル判定処理でオイルレベルの低下に伴って警告がなされているときには、上限オイルレベルカウンタCOLUPPERを値1だけインクリメントする(ステップ98)。次いで、ステップ99に進み、上限オイルレベルカウンタCOLUPPERが、所定の判定値#CNTUPPER(例えば7回)以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、COLUPPER≧#CNTUPPERであるときには、オイルレベルOLが十分に高いレベルに確実に回復し、十分な量のエンジンオイルEOが補充されたとして、オイルレベル警告済みフラグF_OLWARBを「0」にリセットして(ステップ100)、本処理を終了する。一方、ステップ99の判別結果がNOで、COLUPPER<#CNTUPPERであるときには、そのまま本処理を終了する。
【0062】
一方、上記ステップ93〜97のいずれかの判別結果がNOであるときには、上限オイルレベルカウンタCOLUPPERを値0にセットし(ステップ92)、本処理を終了する。
【0063】
図3に戻り、前記ステップ2のオイルレベル判定処理に続くステップ3では、オイルレベル警告処理を実行する。本処理では、ステップ2のオイルレベル判定処理において設定された各種フラグに基づき、警告表示装置14を介して、以下のような警告を行う。
【0064】
具体的には、図7の下限スイッチ故障判定処理において、下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSW、あるいは下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWが「1」にセットされている場合には(ステップ45、48)、オイルレベルセンサ7の下限スイッチ7bがOFF側固着故障あるいはON側固着故障している旨の警告表示が行われる。また、図8の上限スイッチ故障判定処理において、上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWが「1」にセットされている場合には(ステップ55)、上限スイッチ7aがON側固着故障している旨の警告表示が行われる。なお、図5のステップ24で判別される断線フラグF_OLSWCDISが「1」にセットされている場合には、オイルレベルセンサ7がカプラ外れや回路断線によって故障している旨の警告表示が行われる。
【0065】
また、前述したように、図9の下限オイルレベル判定処理において、オイルレベル警告フラグF_OLWARが「1」にセットされている場合には(ステップ82)、警告ランプを点灯させる。その後、オイルレベル警告フラグF_OLWARが「0」にリセットされたときには(ステップ85)、警告ランプを消灯させる。なお、警告ランプの点灯の際には、これとともに、エンジンオイルの交換や補充を促す旨の警告メッセージを表示するようにしてもよい。
【0066】
さらに、図9のステップ83でセットされるオイルレベル警告済みフラグF_OLWARBは、エンジン3の停止後も保持されているため、エンジン始動時に、オイルレベル警告済みフラグF_OLWARBが「1」であるときには、イグニッションスイッチがONされてから所定時間(例えば10秒)、警告ランプが点灯され、その後、消灯される。
【0067】
以上のようなオイルレベル警告処理(ステップ3)の終了後、ステップ4において、図4のステップ13あるいは15でセットされるオイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「0」にリセットした(ステップ5)後、NOのときにはそのまま、本処理を終了する。このように、このオイル交換判定フラグF_OILRSTは、エンジンオイルが交換された直後にのみ「1」にセットされる。
【0068】
以上詳述したように、本実施形態によれば、エンジン3が所定の運転状態であるときにオイルレベルセンサ7で得られるべき検出結果(基準結果)が、エンジン3が実際に所定の運転状態である場合に得られていないときに、オイルレベルセンサ7が故障していると判定するので、エンジン3が実際に所定の運転状態にありさえすれば、従来と異なり、車両の長距離走行および複数の停車回数を条件とすることなく、オイルレベルセンサ7の故障を迅速かつ適正に判定することができる。
【0069】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。実施形態では、本発明を自動車などの車両のエンジンに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種の産業機器や船外機などのエンジンに適用することも可能である。また、実施形態で示した故障判定装置1やエンジン3の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のオイルレベルセンサの故障判定装置は、オイルレベルセンサの故障を迅速かつ適正に判定することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるオイルレベルセンサの故障判定装置およびこれを適用した内燃機関を示す概略構成図である。
【図2】オイルレベルセンサの上限スイッチおよび下限スイッチを模式的に示すとともに、これらのスイッチのON/OFF切替えを説明するための説明図である。
【図3】エンジンオイルのオイルレベル判定のメイン処理を示すフローチャートである。
【図4】リセットスイッチ入力処理のフローチャートである。
【図5】オイルレベル判定処理のフローチャートである。
【図6】オイルレベルセンサの故障判定処理のフローチャートである。
【図7】下限スイッチ故障判定処理のフローチャートである。
【図8】上限スイッチ故障判定処理のフローチャートである。
【図9】下限オイルレベル判定処理のフローチャートである。
【図10】上限オイルレベル判定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 オイルレベルセンサの故障判定装置
2 ECU(基準結果設定手段、運転状態検出手段、
故障判定手段および回転数検出手段)
3 内燃機関
4 車両
5 エンジン本体
6 オイルパン
7 オイルレベルセンサ
8 オイル温度センサ(オイル温度検出手段)
9 クランク角センサ(回転数検出手段)
14 警告表示装置
EO エンジンオイル
OL オイルレベル
OLH1 第1上限レベル
OLH2 第2上限レベル
OLL1 第1下限レベル
OLL2 第2下限レベル
F_NFLOWSW 下限スイッチON故障フラグ
F_FFLOWSW 下限スイッチOFF故障フラグ
F_NFUPSW 上限スイッチON故障フラグ
#TOILH 上限温度
#TOILL 下限温度
TOIL オイル温度
NE エンジン回転数
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のオイルパンに貯留されたエンジンオイルのオイルレベルを検出するオイルレベルセンサの故障判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関には、その作動の際の潤滑作用や冷却作用などのために、エンジンオイルが用いられている。エンジンオイルは一般に、内燃機関の底部に設けられたオイルパンに貯留されており、内燃機関の始動と同時に、それによって駆動されるオイルポンプで吸い上げられ、内燃機関の各構成部分に送られる。その後、エンジンオイルは、内燃機関内のオイル循環流路を通って、再びオイルパンに戻される。このように、内燃機関の運転中、エンジンオイルは内燃機関内を循環する。
【0003】
このようなエンジンオイルは、上記作用が適切に行われるために、内燃機関の排気量などに応じた適正な所定範囲内の量(以下「適正量」という)に、常時保たれていることが必要である。一方、エンジンオイルは、内燃機関内を循環する際に、シリンダ内で混合気に混ざり、これとともに燃焼されることなどによって徐々に減少する。そのため、内燃機関内のエンジンオイルが適正量であるか否かを監視する必要があり、そのための機器として、オイルレベルセンサがオイルパンなどに取り付けられている。
【0004】
オイルレベルセンサは一般に、フロート式のものであり、オイルパン内のエンジンオイルのオイルレベル、すなわちエンジンオイルの液面の高さを検出し、その検出結果に基づいて、エンジンオイルが適正量であるか否かが判別される。具体的には、オイルレベルセンサは、オイルパン内のエンジンオイルに浮かべられるフロートと、このフロートの昇降に応じて、それぞれON/OFF切り替えされる上限スイッチおよび下限スイッチとを有している。上限スイッチは、エンジンオイルが所定の上限レベル以上になったときに、例えば、OFFからONに切り替えられる一方、下限スイッチは、エンジンオイルが所定の下限レベル以下になったときに、OFFからONに切り替えられるようになっている。したがって、例えばオイルパン内のエンジンオイルが減少し、そのオイルレベルが下限レベル以下に下降すると、下限スイッチがON状態になることによって、エンジンオイルが適正量よりも少ないことが検出される。また、エンジンオイルの交換や補充により、オイルパン内のエンジンオイルが増加し、そのオイルレベルが上限レベル以上に上昇すると、上限スイッチがON状態になることによって、エンジンオイル量が十分であることが検出される。
【0005】
このようなオイルレベルセンサでは、エンジンオイルが適正量であるか否かを検出することが可能であるものの、オイルレベルセンサ自体が、スイッチの固着などによって故障してしまうと、オイルレベルを誤検出してしまうおそれがあり、エンジンオイルが適正量であるか否かが不明となることで、運転者への警告などを適切に行えないことがある。そのため、オイルレベルセンサが故障しているか否かを監視する必要があり、車両用の内燃機関に適用されたオイルレベルセンサの故障判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この故障判定装置は、走行中の車両の速度に応じて、走行距離を表すパラメータ(以下「走行距離パラメータ」という)を積算するとともに、その間の停車回数をカウントし、走行距離パラメータの積算値および停車回数のカウント値(以下「停車カウント値」という)に応じて、オイルレベルセンサの故障を判定する。より具体的には、車両の走行時に、オイルレベルセンサの前記上限スイッチおよび下限スイッチがいずれもOFF状態に維持されたまま、走行距離パラメータが所定値以上になり、かつ、停車カウント値が所定回数以上であるときに、オイルレベルセンサが故障であると判定する。上述した条件の成立によってオイルレベルセンサの故障が判定されるのは、次の理由からである。
【0007】
すなわち、車両の走行時には一般に、オイルパン内のエンジンオイルの液面が揺れることによって、上限スイッチおよび下限スイッチの少なくとも一方の出力が、一時的にOFFからONに変化する。したがって、車両が十分な距離、具体的には200〜500kmを走行したにもかかわらず、上限スイッチおよび下限スイッチがいずれもOFF状態に維持されたままであるときには、両スイッチの少なくとも一方が故障していると判定することが可能である。他方、車両が高速道路などで長距離を高速走行する場合には、エンジンオイルの液面がほとんど揺れないこともあるため、そのような状況で、車両の走行距離だけで故障判定を行った場合の誤判定を回避するために、車両の停車が所定回数、具体的には5回になったことを条件として、オイルレベルセンサを故障と判定するようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−163923号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このようなオイルレベルセンサの故障判定装置では、前述したように、車両が長距離を走行しかつ停車回数が所定回数に達しなければ、オイルレベルセンサの故障を判定することができない。つまり、オイルレベルセンサが故障している場合、その故障を判定するのに、内燃機関の始動時から非常に長い時間がかかってしまう。また、オイルレベルセンサが故障していることで、エンジンオイルが適正量よりも少ないことが運転者に報知されないまま、内燃機関が長時間運転されるおそれがあり、その場合には、エンジンオイルの不足によって、十分な潤滑作用を得られなくなってしまう。
【0010】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、オイルレベルセンサの故障を迅速かつ適正に判定することができるオイルレベルセンサの故障判定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るオイルレベルセンサの故障判定装置は、内燃機関(実施形態における(以下、本項において同じ)エンジン3)のオイルパン6に貯留されたエンジンオイルEOのオイルレベルOLを検出するオイルレベルセンサ7の故障判定装置1であって、内燃機関3が所定の運転状態(図7のステップ41〜43、ステップ41および46、図8のステップ51〜53)にあるときにオイルレベルセンサ7で検出されるべき所定の基準結果(下限スイッチ7bのON/OFF状態、上限スイッチ7aのOFF状態)をあらかじめ設定する基準結果設定手段(ECU2)と、内燃機関3の運転状態を検出する運転状態検出手段(ECU2)と、内燃機関3が所定の運転状態である場合において、オイルレベルセンサ7で所定の基準結果が検出されていないときに、オイルレベルセンサ7が故障していると判定する故障判定手段(ECU2、図7のステップ45、48、図8のステップ55)と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、基準結果設定手段により、内燃機関が所定の運転状態にあるときにオイルレベルセンサで検出されるべき所定の基準結果を、あらかじめ設定する。そして、内燃機関が所定の運転状態である場合において、オイルレベルセンサで所定の基準結果が得られないときに、故障判定手段により、オイルレベルセンサが故障していると判定する。つまり、本発明は、従来のような車両の長距離走行ではなく、内燃機関がある特定の運転状態にあるときには、エンジンオイルがその運転状態に対応するオイルレベル状態にあるので、オイルレベルセンサが正常であれば、そのようなオイルレベル状態を表す検出結果が得られるはずである。したがって、所定の運転状態で得られるべき検出結果を所定の基準結果として設定するとともに、内燃機関が実際に所定の運転状態である場合において、オイルレベルセンサによりそのような基準結果が検出されていないときに、オイルレベルセンサが故障しているとの判定を適正に行うことができる。以上のように、本発明によれば、内燃機関が実際に所定の運転状態にありさえすれば、従来と異なり、車両の長距離走行および複数の停車回数を条件とすることなく、オイルレベルセンサの故障を直ちに判定することができる。
【0013】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1のオイルレベルセンサの故障判定装置において、運転状態検出手段2は、内燃機関3の回転数(エンジン回転数NE)を検出する回転数検出手段(ECU2、クランク角センサ9)を有し、所定の運転状態は、検出された内燃機関3の回転数NEが所定の回転数(第1回転数NREF1)以上の状態であり(図7のステップ42:YES)、所定の基準結果は、オイルレベルセンサ7で検出されたオイルレベルOLが所定の下限レベル(図2の第2下限レベルOLL2)以下である(図7のステップ44:NO)ことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、所定の運転状態として、内燃機関の回転数が所定の回転数以上であり、この運転状態に対応する所定の基準結果として、オイルレベルセンサで検出されるべきオイルレベルが所定の下限レベル以下であることが設定される。一般に、内燃機関が高回転で運転されると、オイルパン内のエンジンオイルが多量に吸い上げられ、内燃機関の各構成部分に送られることにより、オイルレベルが大きく下降する。このことから、内燃機関の所定の運転状態およびオイルレベルセンサの所定の基準結果を上記のように設定するとともに、所定の下限レベルを適切に設定することにより、内燃機関の実際の回転数が所定の回転数以上の場合において検出されたオイルレベルが下限レベル以下でないときに、オイルレベルセンサが故障していると判定することができる。
【0015】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1のオイルレベルセンサの故障判定装置において、所定の運転状態は、内燃機関3の停止後に所定時間が経過した状態であり(図7のステップ46:YES)、所定の基準結果は、オイルレベルセンサ7で検出されたオイルレベルOLが所定の下限レベル(第1下限レベルOLL1)を上回っていることである(図7のステップ47:NO)ことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、所定の運転状態として、内燃機関の停止後に所定時間が経過し、この運転状態に対応する所定の基準結果として、オイルレベルセンサで検出されるべきオイルレベルが所定の下限レベルを上回っていることが設定される。一般に、内燃機関の停止後に所定時間が経過すると、内燃機関の各構成部分に送られていたエンジンオイルがオイルパンに戻されることによって、オイルレベルが上昇する。このことから、内燃機関の所定の運転状態およびオイルレベルセンサの所定の基準結果を上記のように設定するとともに、所定の下限レベルを適切に設定することにより、内燃機関の停止後に所定時間が経過した場合において検出されたオイルレベルが所定の下限レベルを上回っていないときに、オイルレベルセンサが故障していると判定することができる。
【0017】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1のオイルレベルセンサの故障判定装置において、運転状態検出手段2は、内燃機関3の回転数NEを検出する回転数検出手段2、9を有し、所定の運転状態は、検出された内燃機関3の回転数NEが所定の回転数(第2回転数NREF2)以上の状態であり(図8のステップ52:YES)、所定の基準結果は、オイルレベルセンサ7で検出されたオイルレベルOLが所定の上限レベル(図2の第2上限レベルOLH2)を下回っていることである(図8のステップ54:NO)ことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、所定の運転状態として、内燃機関の回転数が所定の回転数以上であり、この運転状態に対応する所定の基準結果として、オイルレベルセンサで検出されるべきオイルレベルが所定の上限レベルを下回っていることが設定される。一般に、エンジンオイルの交換や補充により、オイルパン内のオイルレベルは、交換や補充前よりも上昇し、所定の上限レベル付近に位置する。この状態から、内燃機関が運転されると、上記請求項2と同様の理由から、オイルレベルが下降する。このことから、内燃機関の所定の運転状態およびオイルレベルセンサの所定の基準結果を上記のように設定するとともに、所定の上限レベルを適切に設定することにより、内燃機関の実際の回転数が所定の回転数以上の場合において検出されたオイルレベルが上限レベルを下回っていないときに、オイルレベルセンサが故障していると判定することができる。
【0019】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項2または4のオイルレベルセンサの故障判定装置において、運転状態検出手段2は、エンジンオイルEOの温度TOILを検出するオイル温度検出手段(オイル温度センサ8)をさらに有し、所定の運転状態は、エンジンオイルEOの温度TOILが所定のオイル温度(所定温度TREF)以下である状態(図7のステップ43:YES、図8のステップ53:YES)をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、オイルレベルセンサの故障判定のために、内燃機関の上記所定の運転状態に、内燃機関の上記回転数の条件に加えて、エンジンオイルの温度が所定のオイル温度以下であるという条件が含まれる。これにより、エンジンオイルの温度上昇に伴う膨張がオイルレベルセンサの検出結果に及ぼす影響を補償でき、これに起因する誤判定を回避しながら、オイルレベルセンサの故障をより一層適正に判定することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明によるオイルレベルセンサの故障判定装置(以下、単に「故障判定装置」という)、およびこれを適用した内燃機関の概略構成を示している。同図に示すように、この故障判定装置1は、ECU2を備えており、このECU2は、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態に応じて、後述する処理を実行する。
【0022】
エンジン3は、例えば前輪駆動式の車両4に搭載された4サイクル・ガソリンエンジンである。エンジン3のエンジン本体5の下部は、オイルパン6になっており、オイルパン6には、エンジンオイルEOが貯留されている。エンジンオイルEOは、エンジン3の運転時、それにより駆動されるオイルポンプ(図示せず)によって、エンジン3の各構成部分に送られ、これらの潤滑作用や冷却作用などを行う。また、エンジンオイルEOは、エンジン3の各構成部分に送られた後、戻し流路(図示せず)を介して、オイルパン6に戻され、エンジン3内を循環する。
【0023】
オイルパン6には、エンジンオイルEOのオイルレベルOLを検出するためのオイルレベルセンサ7が取り付けられている。オイルレベルセンサ7は、上限スイッチ7aおよび下限スイッチ7bで構成されており、図2に示すように、これらはいずれも、フロート7cを有するフロート式のものである。上限スイッチ7aは、オイルレベルOLが所定の第1上限レベルOLH1を上回ったときにON信号を出力し、それよりも低い所定の第2上限レベルOLH2を下回ったときにOFF信号を出力するように構成されている。同様に、下限スイッチ7bは、オイルレベルOLが、上記第2上限レベルOLH2よりも低い所定の第1下限レベルOLL1を上回ったときにOFF信号を出力し、それよりも低い所定の第2下限レベルOLL2を下回ったときにON信号を出力する。これらの上・下限スイッチ7a、7bのON/OFF信号は、ECU2に送られる。
【0024】
オイルパン6にはさらに、エンジンオイルEOの温度(以下「オイル温度」という)TOILを検出するオイル温度センサ8(オイル温度検出手段)が設けられており、その検出信号はECU2に出力される。
【0025】
また、エンジン3のクランクシャフト3aには、クランク角センサ9(回転数検出手段)が設けられている。クランク角センサ9は、クランクシャフト3aの回転に伴い、所定のクランク角(例えば30度)ごとに、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。ECU2は、このCRK信号に基づいて、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
【0026】
さらに、車両4の走行状態検出手段として、従動輪である左右の後輪(図示せず)には、それらの車輪速度VL、VRを検出する左右の車輪速度センサ10L、10Rが、車両4の所定の部位には、車両4の左右方向および前後方向の傾斜角度(以下それぞれ「左右傾斜角度ALR」および「登降坂角度AFR」という)をそれぞれ検出する左右傾斜センサ11および前後傾斜センサ12が設けられており、それらの検出信号はECU2に出力される。
【0027】
また、ECU2には、エンジン水温センサ13から、エンジン3のシリンダブロック内を循環する冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを表す検出信号が出力される。また、ECU2には、図示しない警告ランプや表示器などを有する警告表示装置14が接続されており、ECU2から出力された信号に基づいて、エンジンオイルに関する警告を運転者に報知する。
【0028】
また、車両4のダッシュボード(図示せず)には、リセットスイッチ15が設けられている。リセットスイッチ15は、エンジンオイルを交換したときに運転者などによって操作されるものであり、その操作状態に応じたON/OFF信号がECU2に出力される。
【0029】
ECU2は、本実施形態において、基準結果設定手段、運転状態検出手段、故障判定手段および回転数検出手段を構成するものである。ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROMなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。前述した各種センサ7〜13からの検出信号はそれぞれ、I/OインターフェースでA/D変換や整形がなされた後、CPUに入力される。
【0030】
CPUは、これらの入力信号に応じて、エンジン3の運転状態や車両4の走行状態を判別するとともに、その判別結果に応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに従って、以下のような制御処理を実行する。
【0031】
次に、図3〜図10を参照しながら、エンジンオイルのオイルレベル判定処理について説明する。図3は、オイルレベル判定処理のメインフローである。本処理は、所定時間(例えば1秒)ごとに実行される。なお、以下の説明では、ROMにあらかじめ記憶されている固定値については、その先頭に「#」を付し、更新される他の変数と区別するものとする。まず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、リセットスイッチ入力処理が実行される。
【0032】
このリセットスイッチ入力処理は、リセットスイッチ15が所定時間、ONされた状態が継続したときに、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「1」にセットする処理である。図4に示すように、本処理ではまず、ステップ11において、リセットスイッチ15がON状態であるか否かを判別する。また、エンジンオイルの交換時には一般に、オイルレベルセンサ7の上限スイッチ7aがON状態になる程度に、すなわちオイルレベルOLが第1上限レベルOLH1を若干上回る程度に、多量のエンジンオイルEOがオイルパン6に貯留される。なお、このような交換に加えて、エンジンオイルEOが不足した場合に補充する場合も、オイルレベルOLが第1上限レベルOLH1を若干上回る程度に補充される。
【0033】
上記ステップ11の判別結果がNOで、リセットスイッチ15が押されていないときには、ダウンカウントタイマであるリセットタイマTOILRSTを、所定時間#TMOILRST(例えば10秒)にセットするとともに(ステップ12)、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「0」にセットし、本処理を終了する。一方、ステップ11の判別結果がYESで、リセットスイッチ15が押されているときには、ステップ14で、リセットタイマTOILRSTが値0であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわちリセットスイッチ15が押された状態が、所定時間#TMOILRST継続したときには、オイル交換がなされたことを表すためにオイル交換判定フラグF_OILRSTを「1」にセットし(ステップ15)、本処理を終了する。なお、説明は省略するが、オイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」にセットされたときには、エンジンオイルEOの劣化などを判定するために用いられる各種のパラメータなどがリセットされる。
【0034】
一方、ステップ14の判別結果がNOで、リセットスイッチ15のON状態が所定時間#TMOILRST継続していないときには、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「0」にセットし(ステップ13)、本処理を終了する。
【0035】
次に、ステップ2に進み、オイルレベル判定処理を実行する。図5に示すように、本処理ではまず、オイルレベルセンサの故障判定処理を実行する。この故障判定処理は、上述したオイルレベルセンサ7の故障判定を行うものであり、より具体的には、図6に示すように、下限スイッチ7bの故障判定(ステップ31)および上限スイッチ7aの故障判定(ステップ32)をそれぞれ行う。また、これら上限スイッチ7aおよび下限スイッチ7bの故障判定では、各スイッチ7a、7bの検出結果と、エンジン3が所定の運転状態にあるときに検出されるべき、ECU2に設定された所定の基準結果と比較することによって、各スイッチ7a、7bが故障しているか否かが判定される。
【0036】
図7は、下限スイッチ7bの故障判定処理のフローチャートを示している。なお、本処理において設定される後述の下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSW、および下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWはいずれも、「0」に初期設定されている。
【0037】
本処理ではまず、ステップ41において、エンジン3が停止しているか否かを判別する。この判別結果がNOで、エンジン3が運転中であるときには、ステップ42に進み、エンジン回転数NEが所定の第1回転数#NREF1(例えば5000rpm)以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ43に進み、オイル温度TOILが所定温度#TREF(例えば80℃)以下であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ44に進み、下限スイッチ7bがOFF状態であるか否かを判別する。そして、この判別結果がYESのときには、下限スイッチ7bがOFF側(上側)に固着した状態で故障(以下「OFF側固着故障」という)しているとして、下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSWを「1」にセットし(ステップ45)、本処理を終了する。
【0038】
このように、下限スイッチ7bがOFF側固着故障していると判定できるのは、以下の理由からである。すなわち、一般に、エンジン3が高回転で運転されると、オイルパン6内のエンジンオイルEOが、多量に吸い上げられ、エンジン3の各構成部分に送られることにより、オイルレベルOLが大きく下降する。またこの場合、エンジンオイルEOのオイル温度TOILが所定温度#TREF以下であれば、エンジンオイルEOはほとんど膨張することがない。これらのことから、上記ステップ42および43の運転条件が成立している状態(所定の運転状態)では、下限スイッチ7bが正常であれば、オイルレベルOLの下降に伴い、ON状態(基準結果)になっているはずである。したがって、上記ステップ44の判別結果がYESで、下限スイッチ7bがOFF状態であるときには、下限スイッチ7bがOFF側固着故障していると判定することができる。
【0039】
また、前記ステップ44の判別結果がNOで、下限スイッチ7bがON状態であるときには、下限スイッチ7bが正常であるとして、本処理を終了する。なお、上記運転条件が成立しないときには(ステップ42または43:NO)、下限スイッチ7bの故障判定の実行条件が成立していないとして、そのまま本処理を終了する。
【0040】
前記ステップ41の判別結果がYESで、エンジン3が停止しているときには、ステップ46に進み、エンジン3の停止後、所定時間(例えば5分)経過したか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ47に進み、下限スイッチ7bがON状態であるか否かを判別する。そして、この判別結果がYESのときには、下限スイッチ7bがON側(下側)に固着した状態で故障(以下「ON側固着故障」という)しているとして、下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWを「1」にセットし(ステップ48)、本処理を終了する。
【0041】
このように、下限スイッチ7bがON側固着故障していると判定できるのは、以下の理由からである。すなわち、一般に、エンジン3の停止後に比較的長い時間が経過すると、エンジン3の各構成部分に送られていたエンジンオイルEOがオイルパン6に戻されることによって、オイルレベルOLが上昇する。このことから、上記ステップ46の運転条件が成立している状態(所定の運転状態)では、下限スイッチ7bが正常であれば、オイルレベルOLの上昇に伴い、OFF状態(基準結果)になっているはずである。したがって、上記ステップ47の判別結果がYESで、下限スイッチ7bがON状態であるときには、下限スイッチ7bがON側固着故障していると判定することができる。
【0042】
また、前記ステップ47の判別結果がNOで、下限スイッチ7bがOFF状態であるときには、下限スイッチ7bが正常であるとして、本処理を終了する。なお、上記運転条件が成立しないときには(ステップ46:NO)、下限スイッチ7bの故障判定の実行条件が成立していないとして、そのまま本処理を終了する。
【0043】
図8は、上限スイッチ7aの故障判定処理のフローチャートを示している。なお、本処理において設定される後述の上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWは、「0」に初期設定されている。
【0044】
本処理ではまず、ステップ51において、エンジン3が停止しているか否かを判別する。この判別結果がYESで、エンジン3が停止しているときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ51の判別結果がNOで、エンジン3が運転中であるときには、ステップ52に進み、エンジン回転数NEが、前記第1回転数#NREF1よりも低い所定の第2回転数#NREF2(例えば3000rpm)以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、前記ステップ43と同様に、オイル温度TOILが所定温度#TREF以下であるか否かを判別する(ステップ53)。この判別結果がYESのときには、ステップ54に進み、上限スイッチ7aがON状態であるか否かを判別する。そして、この判別結果がYESのときには、上限スイッチ7aがON側固着故障しているとして、上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWを「1」にセットし(ステップ55)、本処理を終了する。
【0045】
このように、上限スイッチ7aがON側固着故障していると判定できるのは、以下の理由からである。すなわち、一般に、エンジンオイルEOの交換や補充により、オイルパン6内のオイルレベルOLは、交換や補充前よりも上昇し、第1上限レベルOLH1を若干上回る程度に位置する。この状態から、エンジン3が比較的高回転で運転され、かつ、オイル温度TOILが所定温度#TREF以下であると、前述した下限スイッチ7aのOFF側固着の故障判定の場合と同様の理由から、エンジンオイルEOがほとんど膨張することなく、オイルレベルOLが下降する。このことから、上記ステップ52および53の運転条件が成立している状態(所定の運転状態)では、上限スイッチ7aが正常であれば、オイルレベルOLの下降に伴い、OFF状態(基準結果)になっているはずである。したがって、上記ステップ54の判別結果がYESで、上限スイッチ7aがON状態であるときには、上限スイッチ7aがON側固着故障していると判定することができる。
【0046】
以上のようにして、図5のオイルレベル判定処理において、オイルレベルセンサ7の故障判定処理(ステップ21)を実行した後、ステップ22に進み、オイルレベル検出の実行判定処理を実行する。この処理では、車両4が走行あるいは停止している路面の状態などに応じて、オイルレベルセンサ7によるオイルレベルOLの検出を実行してよいか否かを判定する。オイルレベルセンサ7によるオイルレベル検出を実行すべきでないとき、すなわちオイルレベル検出を禁止すべきであるときには、オイルレベル検出禁止フラグF_STPが「1」にセットされる。一方、オイルレベルOLの検出が許可されたときには、オイルレベル検出禁止フラグF_STPが「0」にセットされる。そして、本処理の終了後、ステップ23に進む。
【0047】
このステップ23では、上記ステップ22で設定されたオイルレベル検出禁止フラグF_STPが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、オイルレベル検出が禁止されているときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ23の判別結果がNOで、オイルレベル検出が許可されているときには、ステップ24に進み、断線フラグF_OLSWCDISが「1」であるか否かを判別する。
【0048】
この断線フラグF_OLSWCDISは、例えばオイルレベルセンサ7の図示しないカプラが外れたり、回路が断線したりすることなどで、オイルレベルセンサ7から適正な電圧が出力されていないときに、「1」にセットされるものである。したがって、ステップ24の判別結果がYESのときには、オイルレベル判定を適正に行えないとして、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ24の判別結果がNOであるときには、ステップ25に進む。
【0049】
このステップ25では、下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわち図7の前記ステップ48において、下限スイッチ7bがON側固着故障していると判定されているときには、後述する下限オイルレベル判定処理を実行することなく、本処理を終了する。一方、ステップ25の判別結果がNOで、下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWが「1」でないときには、ステップ26に進み、下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSWが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわち図7の前記ステップ45において、下限スイッチ7bがOFF側固着故障していると判定されているときには、上記と同様に、下限オイルレベル判定処理を実行することなく、本処理を終了する。一方、ステップ26の判別結果がNOで、下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSWが「1」でないときには、ステップ27に進み、下限オイルレベル判定処理を実行する。
【0050】
図9は、下限オイルレベル判定処理を示している。本処理は、下限スイッチ7bのON/OFF状態に応じて、オイルレベルOLが、エンジンオイルの交換が必要な程度まで下降しているか否かを判定する処理である。同図に示すように、本処理ではまず、ステップ71において、図示しないイグニッションスイッチがONされてから、所定時間#TMOILL(例えば10分)が経過したか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ72に進み、エンジン3が所定の定常運転状態であるか否かを判別する。この定常運転状態とは、例えばスロットル弁開度、車速、エンジン回転数NEおよびエンジン水温TWなどが、それぞれの所定の範囲内にある運転状態である。
【0051】
ステップ72の判別結果がYESで、エンジン3が定常運転状態であるときには、ステップ73に進み、エンジンオイルEOのオイル温度TOILが、所定の下限温度#TOILL(例えば0℃)より高く、かつ、上限温度#TOILH(例えば130℃)より低いか否かを判別する。この判別は次の理由による。すなわち、通常、オイル温度TOILが下限温度#TOILLよりも低いときには、エンジンオイルEOの粘度が高く、オイルレベルセンサ7のフロート7cが固着しやすくなることで、オイルレベルOLを誤検出するおそれがある。一方、オイル温度TOILが上限温度#TOILHよりも高いときには、エンジンオイルEOが膨張することで、この場合も、オイルレベルOLを誤検出するおそれがあるからである。
【0052】
ステップ73の判別結果がYESで、#TOILL<TOIL<#TOILHであるときには、ステップ74に進み、オイルレベル下限フラグF_LOWERが「1」であるか否かを判別する。このオイルレベル下限フラグF_LOWERは、オイルレベルセンサ7の下限スイッチ7bがON状態のときに、「1」にセットされるフラグである。より具体的には、図2に示すように、エンジンオイルEOのオイルレベルOLが第2下限レベルOLL2を下回っている状態、あるいは、オイルレベルOLが第2下限レベルOLL2を一旦下回った後、第1下限レベルOLL1以下に留まっているときに、オイルレベル下限フラグF_LOWERが「1」に保持される。
【0053】
ステップ74の判別結果がYESで、オイルレベル下限フラグF_LOWERが「1」であるときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWを値1だけインクリメントする(ステップ75)。次いで、ステップ76において、下限オイルレベルカウンタCOILLOWの値が、そのリミット値#CNTLOW(例えば50回)を上回っているか否かを判別する。この判別結果がYESで、COILLOW>#CNTLOWであるときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWを、そのリミット値#CNTLOWにセットした(ステップ77)後、後述するステップ81に進む。また、ステップ76の判別結果がNOのときには、ステップ77をスキップしてステップ81に進む。
【0054】
一方、上記ステップ74の判別結果がNOで、オイルレベル下限フラグF_LOWERが「1」でないときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWを値1だけディクリメントする(ステップ78)。次いで、下限オイルレベルカウンタCOILLOWの値が0を下回ったか否かを判別し(ステップ79)、その判別結果がYESのときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWを値0にセットした(ステップ80)後、後述するステップ81に進む。また、ステップ79の判別結果がNOのときには、ステップ80をスキップしてステップ81に進む。
【0055】
このステップ81では、下限オイルレベルカウンタCOILLOWの値が、所定の警告実行判定値#CNTLON(例えば50)よりも小さいか否かを判別する。この判別結果がNOで、下限オイルレベルカウンタCOILLOWが警告実行判定値#CNTLON以上であるときには、オイルレベルOLが、エンジンオイルの交換や補充が必要な程度まで下降しているとして、その旨を報知するために、オイルレベル警告フラグF_OLWARを「1」にセットするとともに(ステップ82)、その警告を行ったことを表すオイルレベル警告済みフラグF_OLWARBを「1」にセットし(ステップ83)、本処理を終了する。上記ステップ82で、オイルレベル警告フラグF_OLWARが「1」にセットされることにより、後述するオイルレベル警告処理において、警告表示装置14の警告ランプが点灯される。なお、オイルレベル警告済みフラグF_OLWARBは、バックアップRAMに記憶されるようになっており、エンジン3の停止後も、そのフラグ値が保持される。
【0056】
一方、ステップ81の判別結果がYESで、COILLOW<#CNTLONのときには、下限オイルレベルカウンタCOILLOWの値が、所定の警告解除判定値#CNTLOFF(例えば20)よりも大きいか否かを判別する(ステップ84)。この判別結果がYESのときには、そのまま本処理を終了し、上記ステップ82で「1」にセットしたオイルレベル警告フラグF_OLWARを保持する。一方、ステップ84の判別結果がNOで、COILLOW≦#CNTLOFFであるときには、エンジンオイルEOの交換や補充により、オイルレベルOLが上昇しているとして、オイルレベル警告フラグF_OLWARを「0」にリセットし(ステップ85)、本処理を終了する。これに応じて、点灯中の警告ランプが消灯される。
【0057】
次いで、図5に戻り、前記ステップ27に続くステップ28において、上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわち前述した図8の前記ステップ55において、上限スイッチ7aがON側固着故障していると判定されているときには、後述する上限オイルレベル判定処理を実行することなく、本処理を終了する。一方、ステップ28の判別結果がNOで、上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWが「1」でないときには、ステップ29に進み、上限オイルレベル判定処理を実行する。
【0058】
図10は、この上限オイルレベル判定処理を示している。本処理は、上限スイッチ7aのON/OFF状態に応じて、オイルレベルOLが十分に高いレベルにあって、十分な量のエンジンオイルEOが補充されたか否かを判定する処理である。本処理は、所定時間(例えば100ミリ秒)ごとに実行される。同図に示すように、本処理ではまず、ステップ91において、イグニッションスイッチがONされてから、図9の前記ステップ71の所定時間#TMOILLよりも短い所定時間#TMOILU(例えば1秒)が経過したか否かを判別する。この判別結果がYESで、イグニッションスイッチのON時から、所定時間#TMOILUが経過したときには、上限オイルレベルカウンタCOLUPPERを値0にセットし(ステップ92)、本処理を終了する。
【0059】
一方、ステップ91の判別結果がNOであるとき、すなわちエンジン3がクランキング中であるときには、ステップ93に進み、シフトレバーの位置がPポジションであるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、エンジン水温TWが所定の温度範囲、具体的には下限温度#TWOILUPL(例えば−30℃)より高く、かつ、上限温度#TWOILUPH(例えば100℃)より低いか否かを判別する(ステップ94)。この判別結果がYESで、エンジン水温TWが、#TWOILUPL<TW<#TWOILUPHであるときには、エンジン水温TWが上限オイルレベル判定に適した温度範囲内にあるとして、ステップ95に進む。
【0060】
このステップ95では、エンジン回転数NEが、アイドル回転数#NEOILUPP(例えば800rpm)よりも低いか否かを判別する。この判別結果がYESで、NE<#NEOILUPPであるときには、オイルレベル上限フラグF_UPPERが「1」であるか否かを判別する(ステップ96)。このオイルレベル上限フラグF_UPPERは、オイルレベルセンサ7の上限スイッチ7aがON状態のときに、「1」にセットされるフラグである。より具体的には、図2に示すように、エンジンオイルEOのオイルレベルOLが第1上限レベルOLH1を上回っている状態、あるいは、オイルレベルOLが第1上限レベルOLH1を上回った後、第2上限レベルOLH2以上に留まっているときに、オイルレベル上限フラグF_UPPERが「1」に保持される。
【0061】
ステップ96の判別結果がYESで、オイルレベル上限フラグF_UPPERが「1」であるときには、ステップ97に進み、前述したオイルレベル警告済みフラグF_OLWARBが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのとき、すなわち図9の下限オイルレベル判定処理でオイルレベルの低下に伴って警告がなされているときには、上限オイルレベルカウンタCOLUPPERを値1だけインクリメントする(ステップ98)。次いで、ステップ99に進み、上限オイルレベルカウンタCOLUPPERが、所定の判定値#CNTUPPER(例えば7回)以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、COLUPPER≧#CNTUPPERであるときには、オイルレベルOLが十分に高いレベルに確実に回復し、十分な量のエンジンオイルEOが補充されたとして、オイルレベル警告済みフラグF_OLWARBを「0」にリセットして(ステップ100)、本処理を終了する。一方、ステップ99の判別結果がNOで、COLUPPER<#CNTUPPERであるときには、そのまま本処理を終了する。
【0062】
一方、上記ステップ93〜97のいずれかの判別結果がNOであるときには、上限オイルレベルカウンタCOLUPPERを値0にセットし(ステップ92)、本処理を終了する。
【0063】
図3に戻り、前記ステップ2のオイルレベル判定処理に続くステップ3では、オイルレベル警告処理を実行する。本処理では、ステップ2のオイルレベル判定処理において設定された各種フラグに基づき、警告表示装置14を介して、以下のような警告を行う。
【0064】
具体的には、図7の下限スイッチ故障判定処理において、下限スイッチOFF故障フラグF_FFLOWSW、あるいは下限スイッチON故障フラグF_NFLOWSWが「1」にセットされている場合には(ステップ45、48)、オイルレベルセンサ7の下限スイッチ7bがOFF側固着故障あるいはON側固着故障している旨の警告表示が行われる。また、図8の上限スイッチ故障判定処理において、上限スイッチON故障フラグF_NFUPSWが「1」にセットされている場合には(ステップ55)、上限スイッチ7aがON側固着故障している旨の警告表示が行われる。なお、図5のステップ24で判別される断線フラグF_OLSWCDISが「1」にセットされている場合には、オイルレベルセンサ7がカプラ外れや回路断線によって故障している旨の警告表示が行われる。
【0065】
また、前述したように、図9の下限オイルレベル判定処理において、オイルレベル警告フラグF_OLWARが「1」にセットされている場合には(ステップ82)、警告ランプを点灯させる。その後、オイルレベル警告フラグF_OLWARが「0」にリセットされたときには(ステップ85)、警告ランプを消灯させる。なお、警告ランプの点灯の際には、これとともに、エンジンオイルの交換や補充を促す旨の警告メッセージを表示するようにしてもよい。
【0066】
さらに、図9のステップ83でセットされるオイルレベル警告済みフラグF_OLWARBは、エンジン3の停止後も保持されているため、エンジン始動時に、オイルレベル警告済みフラグF_OLWARBが「1」であるときには、イグニッションスイッチがONされてから所定時間(例えば10秒)、警告ランプが点灯され、その後、消灯される。
【0067】
以上のようなオイルレベル警告処理(ステップ3)の終了後、ステップ4において、図4のステップ13あるいは15でセットされるオイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「0」にリセットした(ステップ5)後、NOのときにはそのまま、本処理を終了する。このように、このオイル交換判定フラグF_OILRSTは、エンジンオイルが交換された直後にのみ「1」にセットされる。
【0068】
以上詳述したように、本実施形態によれば、エンジン3が所定の運転状態であるときにオイルレベルセンサ7で得られるべき検出結果(基準結果)が、エンジン3が実際に所定の運転状態である場合に得られていないときに、オイルレベルセンサ7が故障していると判定するので、エンジン3が実際に所定の運転状態にありさえすれば、従来と異なり、車両の長距離走行および複数の停車回数を条件とすることなく、オイルレベルセンサ7の故障を迅速かつ適正に判定することができる。
【0069】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。実施形態では、本発明を自動車などの車両のエンジンに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種の産業機器や船外機などのエンジンに適用することも可能である。また、実施形態で示した故障判定装置1やエンジン3の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のオイルレベルセンサの故障判定装置は、オイルレベルセンサの故障を迅速かつ適正に判定することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるオイルレベルセンサの故障判定装置およびこれを適用した内燃機関を示す概略構成図である。
【図2】オイルレベルセンサの上限スイッチおよび下限スイッチを模式的に示すとともに、これらのスイッチのON/OFF切替えを説明するための説明図である。
【図3】エンジンオイルのオイルレベル判定のメイン処理を示すフローチャートである。
【図4】リセットスイッチ入力処理のフローチャートである。
【図5】オイルレベル判定処理のフローチャートである。
【図6】オイルレベルセンサの故障判定処理のフローチャートである。
【図7】下限スイッチ故障判定処理のフローチャートである。
【図8】上限スイッチ故障判定処理のフローチャートである。
【図9】下限オイルレベル判定処理のフローチャートである。
【図10】上限オイルレベル判定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 オイルレベルセンサの故障判定装置
2 ECU(基準結果設定手段、運転状態検出手段、
故障判定手段および回転数検出手段)
3 内燃機関
4 車両
5 エンジン本体
6 オイルパン
7 オイルレベルセンサ
8 オイル温度センサ(オイル温度検出手段)
9 クランク角センサ(回転数検出手段)
14 警告表示装置
EO エンジンオイル
OL オイルレベル
OLH1 第1上限レベル
OLH2 第2上限レベル
OLL1 第1下限レベル
OLL2 第2下限レベル
F_NFLOWSW 下限スイッチON故障フラグ
F_FFLOWSW 下限スイッチOFF故障フラグ
F_NFUPSW 上限スイッチON故障フラグ
#TOILH 上限温度
#TOILL 下限温度
TOIL オイル温度
NE エンジン回転数
Claims (5)
- 内燃機関のオイルパンに貯留されたエンジンオイルのオイルレベルを検出するオイルレベルセンサの故障判定装置であって、
前記内燃機関が所定の運転状態にあるときに前記オイルレベルセンサで検出されるべき所定の基準結果をあらかじめ設定する基準結果設定手段と、
前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記内燃機関が前記所定の運転状態である場合において、前記オイルレベルセンサで前記所定の基準結果が検出されていないときに、前記オイルレベルセンサが故障していると判定する故障判定手段と、
を備えていることを特徴とするオイルレベルセンサの故障判定装置。 - 前記運転状態検出手段は、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を有し、
前記所定の運転状態は、前記検出された内燃機関の回転数が所定の回転数以上の状態であり、
前記所定の基準結果は、前記オイルレベルセンサで検出されたオイルレベルが所定の下限レベル以下であることを特徴とする請求項1に記載のオイルレベルセンサの故障判定装置。 - 前記所定の運転状態は、前記内燃機関の停止後に所定時間が経過した状態であり、
前記所定の基準結果は、前記オイルレベルセンサで検出されたオイルレベルが所定の下限レベルを上回っていることであることを特徴とする請求項1に記載のオイルレベルセンサの故障判定装置。 - 前記運転状態検出手段は、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を有し、
前記所定の運転状態は、前記検出された内燃機関の回転数が所定の回転数以上の状態であり、
前記所定の基準結果は、前記オイルレベルセンサで検出されたオイルレベルが所定の上限レベルを下回っていることであることを特徴とする請求項1に記載のオイルレベルセンサの故障判定装置。 - 前記運転状態検出手段は、前記エンジンオイルの温度を検出するオイル温度検出手段をさらに有し、
前記所定の運転状態は、前記エンジンオイルの温度が所定のオイル温度以下である状態をさらに含むことを特徴とする請求項2または4に記載のオイルレベルセンサの故障判定装置。
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