JP2004156351A - 命綱取付用金具及び屋根構造 - Google Patents
命綱取付用金具及び屋根構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004156351A JP2004156351A JP2002324152A JP2002324152A JP2004156351A JP 2004156351 A JP2004156351 A JP 2004156351A JP 2002324152 A JP2002324152 A JP 2002324152A JP 2002324152 A JP2002324152 A JP 2002324152A JP 2004156351 A JP2004156351 A JP 2004156351A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lifeline
- roof
- bolt
- mounting bracket
- rafter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)
- Emergency Lowering Means (AREA)
Abstract
【課題】着脱の手間を省くことができ、かつ、取り付けたままの状態において屋根の美観を損ねることもなく、さらに、両流れ構造の屋根又は片流れ構造の屋根のいずれにも設置可能な命綱取付用金具と、この命綱取付用金具を備えた屋根構造を提供する。
【解決手段】命綱取付用金具1は、勾配屋根の垂木17に当接する当接面2と、当接面2から水平方向に延びる水平面3とを備え、水平面3にはボルト7が挿通するための挿通穴6が形成され、挿通穴6に下方から挿通されたボルト7が勾配屋根を貫通し、勾配屋根上に突出したボルト7の先端34には命綱が取り付けられるアイナット9が螺着される。
【選択図】 図5
【解決手段】命綱取付用金具1は、勾配屋根の垂木17に当接する当接面2と、当接面2から水平方向に延びる水平面3とを備え、水平面3にはボルト7が挿通するための挿通穴6が形成され、挿通穴6に下方から挿通されたボルト7が勾配屋根を貫通し、勾配屋根上に突出したボルト7の先端34には命綱が取り付けられるアイナット9が螺着される。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の勾配屋根に設置されて、屋根上の作業者に装着された命綱の取り付けに用いられる命綱取付用金具と、この命綱取付用金具を備えた屋根構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の勾配屋根においてその補修や改修等の作業を行う際には、作業者は屋根に取り付けられた命綱を装着して安全性を確保することが必要となってくる。従来より、勾配屋根の上においてこの命綱を引っ掛けて取り付けるための命綱取付具としては、例えば特許文献1に記載されているように、蝶番部で連結された2枚の板状部材の各々にアイボルトが固設されてなるもので、屋根の棟に板状部材を被せて、この棟をはさんで対峙する屋根両側軒先部に固定用綱を掛け渡してアイボルトを屋根の上に固定するものが知られている。また、特許文献2に示されているように、起立板を介して山形の固定用基板と命綱引掛板とが一体結合されたもので、固定用基板を勾配屋根の両側に跨らせ野地板の表面側から棟木に釘止めするものや、特許文献3に記載されているように、棟の全長にわたって設けられた断面傘型の棟飾り金物に命綱を取り付ける引っ掛け金物を被せるものも知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−312155号公報
【特許文献2】
特開平10−159286号公報
【特許文献3】
実開平6−20699号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の命綱取付具はいずれも棟を跨ぐ構造を採るため、両流れ構造の屋根にのみ取り付けることが可能で、その構造上片流れ構造の屋根には用いることができなかった。
【0005】
また、特許文献3に記載の命綱取付具では、屋根の補修作業等を行わない場合においても棟の全長にわたって設けられた棟飾り金物が屋根に突出した状態で残るため、見栄えに劣るといる問題がある。
【0006】
一方、特許文献1に記載の命綱取付具は、作業を行わないときは取り外すことが可能であるため屋根の美観を損ねることがないが、作業の度に命綱取付具を屋根に着脱する手間が必要となる。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、着脱の手間を省くことができ、かつ、取り付けたままの状態において屋根の美観を損ねることもなく、さらに、両流れ構造の屋根又は片流れ構造の屋根のいずれにも設置可能な命綱取付用金具と、この命綱取付用金具を備えた屋根構造を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、請求項1に記載の命綱取付用金具は、勾配屋根の垂木に当接する当接面と、該当接面から略水平方向に延びる水平面とを備え、前記水平面にはボルトが挿通するための挿通穴が形成され、該挿通穴に下方から挿通されたボルトが前記勾配屋根を貫通し、前記勾配屋根上に突出した前記ボルトの先端には命綱が取り付けられるアイナットが螺着されることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の命綱取付用金具は、請求項1に記載の発明において、前記当接面の下部に鈎状の係止部が設けられ、前記当接面が前記垂木の一の側面に当接するとともに、前記係止部が前記垂木の下面及び他の側面に係止することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の屋根構造は、請求項1又は請求項2の命綱取付用金具が設けられた屋根構造であって、命綱使用時には命綱が取り付けられる前記アイナットが前記ボルトの先端に螺着され、命綱不使用時には袋ナットが前記ボルトの先端に螺着されることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る命綱取付用金具を示し、この命綱取付用金具1は建物の屋根上の作業者に装着される命綱の取り付けに用いられる。
【0013】
命綱取付用金具1は1枚の長尺状の金属板からなり、命綱取付用金具1の設置時に勾配屋根の垂木の一の側面に当接する当接面2と、この当接面2の上部が屈曲されて水平方向に延びる水平面3と、当接面2の下部が水平面3と反対側に屈曲されて鈎状に形成された係止部としての係止面4とを備えている。
【0014】
当接面2には3つのネジ穴5が形成されるとともに、水平面3の中央にはボルトが挿通するための挿通穴6が形成されている。
【0015】
この命綱取付用金具1に、図2に示すように、ボルト7が挿通穴6の下方から挿通され、このボルト7の先端に上方から袋ナット37(図6参照)又は命綱を引っ掛けて取り付けるための環状部8を有するアイナット9が交換可能に螺着されて命綱取付具10となる。
【0016】
命綱取付具10は、例えば図3に示す片流れ構造の屋根に用いられる。柱材11の上部は棟木12が水平方向に架け渡されるとともに、柱材11の外側には空気層13をはさんで壁板材14が設けられ外壁を形成している。また、棟木12から図示を略す軒桁に架けて屋根パネル15が設けられている。屋根パネル15は屋根の外装となる屋根板材16と、この屋根板材16を支えるための垂木17と、水平方向に延びる補強材である横桟材18を備えている。垂木17の上部(垂木17の棟木12側)の下面19は壁板材14及びフレーム20に当たる部分が直方体状に切り欠かれている。
【0017】
また、水平方向に延びる縦端材21が屋根パネル15の垂木17の上部の端面38に当接するように配設されて、縦端材21の上方には同様に水平方向に延びる横端材22が設けられている。横端材22から縦端材21を渡って壁板材14までの外壁に当たる部分は防水鋼板23で被覆されるとともに、飾り部材24及びシール材25でカバーされている。さらに、防水鋼板23は屋根板材16の上方まで延び、雨押え受け木材26,27で支えられて、水きり部28とともに雨等が屋根から内部に浸水するのを防止している。
【0018】
このような構造の屋根に命綱取付具10を設置する際は、まず図2及び図4で示すように、命綱取付用金具1の当接面2が垂木17の一の側面39に当接し、かつ、命綱取付用金具1の係止面4が垂木17の直方体状に切り欠かれた下面19及び他の側面30に係止するように、命綱取付用金具1を配置し、当接面2に形成されたネジ穴5からネジ31を挿通させ螺着させることにより命綱取付用金具1を垂木17に直接固定する。また、水平面3の挿通穴6に下方からボルト7を挿通させ水平面3の上方から皿ばね座金32を介してナット33で締め命綱取付用金具1とボルト7とを固定した後、水平面3の上方に位置する横端材22に図示を略す貫通穴を設けてボルト7を貫通させる。このようにして屋根の外部まで貫通し突出したボルト7の先端34に、図5に示すように、パッキン35及びワッシャ36を介してアイナット9を螺着することによって、命綱取付具10が屋根に完全に固定されるとともに、命綱を引っ掛けて取り付けるための環状部8を屋根に設けることができるようになっている。なお、パッキン35を介在させることによって横端材22の図示を略す貫通穴からの浸水の防止を可能としている。
【0019】
一方、作業等を行わず環状部8の必要がないときには、図6に示すように、アイナット9を取り外してアイナット9の代わりに袋ナット37を螺着することができるようになっている。
【0020】
この実施の形態に係る命綱取付用金具1では、勾配屋根の垂木17の上部に当接する当接面2と、当接面2から略水平方向に延びる水平面3とを備え、水平面3の挿通穴6に下方から挿通されたボルト7が屋根の外部まで貫通し、屋根上に突出したボルト7の先端34に命綱が取り付けられるアイナット9が螺着されることとしたので、従来の命綱取付具のように両流れ構造の屋根の棟に跨る状態で命綱取付用金具1を取り付けることなく安定性及び強度を確保することができ、片流れ構造の屋根にも用いることが可能である。すなわち、命綱取付具10は勾配屋根の構造に左右されることなく従来の命綱取付具に比してより幅広い使用が可能となる。さらに、パネル工法による建築の場合は、屋根パネル15を吊り上げるときの吊具としても用いることができる。
【0021】
また、補修作業等の度に命綱取付用金具1の着脱を行う必要がなく、作業の際の命綱取付用金具1の着脱の手間を必要としない。
【0022】
さらに、アイナット9がボルト7の先端34に螺着されることとしたので、作業を行わず環状部8の必要がないときには、アイナット9を取り外すことができ、アイナット9の代わりに袋ナット37を螺着することができる。したがって、屋根の上での作業を行わない通常の状態では、命綱取付具10を外観上目立たせなくすることが容易に可能で、命綱取付具10を取り付けたままの状態でも屋根の美観を損ねることがない。その交換に際しても、アイナット9及び袋ナット37はネジ作用によってボルト7に取り付けられているため、その着脱及び交換作業を容易に行うことができる。
【0023】
また、本実施の形態の他の例として、例えばユニット建物におけるユニット間において命綱取付具を取り付ける場合には、図7に示す命綱取付用金具40を用いてもよい。この命綱取付用金具40は、設置時に勾配屋根の垂木の上部の端面及びユニットの金属製柱材に当接する当接面41と、この当接面41の上部が屈曲されて水平方向に延びる水平面42とを備えている。
【0024】
当接面41の下部にはボルトが挿通するための2つの挿通穴43が形成されるとともに、水平面42の中央にはボルトが挿通するための1つの挿通穴44が形成されている。
【0025】
この命綱取付用金具40を有する命綱取付具45を屋根に設置する際は、図8で示すように、命綱取付用金具40の当接面41が垂木17の上部の端面46に当接し、かつ、ユニット間において隣接する2本の柱材47に形成された図示を略す挿通穴が当接面41の挿通穴43に対向しながら当接するように命綱取付用金具40を配置し、当接面41の挿通穴43からボルト48を挿通させ柱材47の内側からナットによって締めることにより命綱取付用金具40を柱材47に直接固定する。
【0026】
また、水平面42のボルト穴44に下方からボルト7を挿通させ水平面42の上方から皿ばね座金32を介してナット33で締め命綱取付用金具40とボルト7とを固定した後、水平面42の上方に位置する横端材22に図示を略す貫通穴を設けてボルト7を貫通させる。このようにして屋根の外部まで貫通し突出したボルト7の先端34にパッキン35及びワッシャ36を介してアイナット9を螺合させて取り付ける。
【0027】
この命綱取付用金具40では、当接面41が勾配屋根の垂木17の上部の端面46に当接することとしたので、アイナット9に取り付けられた命綱が垂木17の下部方向(図8に示す矢印A方向)に引っ張られて命綱取付用金具40に荷重がかかっても、垂木17の上部の端面46に当接する当接面41に支持されるため、安定性を確保することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成したので、着脱の手間を省くことができ、かつ、取り付けたままの状態において屋根の美観を損ねることもなく、さらに、両流れ構造の屋根又は片流れ構造の屋根のいずれにも設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る命綱取付用金具を示し、(a)は命綱取付用金具の正面図であり、(b)は命綱取付用金具の右側面図であり、(c)は命綱取付用金具の平面図である。
【図2】図1の命綱取付用金具を備えた命綱取付具が屋根に設置された状態を正面から示した断面図である。
【図3】片流れ構造の屋根を側面から示した断面図である。
【図4】命綱取付具が屋根に設置される過程を説明する図である。
【図5】アイナットが螺着された命綱取付具が屋根に設置された状態を説明する図である。
【図6】袋ナットが螺着された命綱取付具が屋根に設置された状態を説明する図である。
【図7】本実施の形態の他の例としての命綱取付用金具を示し、(a)は命綱取付用金具の正面図であり、(b)は命綱取付用金具の右側面図であり、(c)は命綱取付用金具の平面図である。
【図8】図7の命綱取付具が屋根に設置された状態を説明する図である。
【符号の説明】
1、40 命綱取付用金具
2、41 当接面
3、42 水平面
4 係止面(係止部)
6、44 挿通穴
7 ボルト
9 アイナット
10、45 命綱取付具
16 屋根板材
17 垂木
19 下面
30 他の側面
34 先端
37 袋ナット
39 一の側面
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の勾配屋根に設置されて、屋根上の作業者に装着された命綱の取り付けに用いられる命綱取付用金具と、この命綱取付用金具を備えた屋根構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の勾配屋根においてその補修や改修等の作業を行う際には、作業者は屋根に取り付けられた命綱を装着して安全性を確保することが必要となってくる。従来より、勾配屋根の上においてこの命綱を引っ掛けて取り付けるための命綱取付具としては、例えば特許文献1に記載されているように、蝶番部で連結された2枚の板状部材の各々にアイボルトが固設されてなるもので、屋根の棟に板状部材を被せて、この棟をはさんで対峙する屋根両側軒先部に固定用綱を掛け渡してアイボルトを屋根の上に固定するものが知られている。また、特許文献2に示されているように、起立板を介して山形の固定用基板と命綱引掛板とが一体結合されたもので、固定用基板を勾配屋根の両側に跨らせ野地板の表面側から棟木に釘止めするものや、特許文献3に記載されているように、棟の全長にわたって設けられた断面傘型の棟飾り金物に命綱を取り付ける引っ掛け金物を被せるものも知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−312155号公報
【特許文献2】
特開平10−159286号公報
【特許文献3】
実開平6−20699号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の命綱取付具はいずれも棟を跨ぐ構造を採るため、両流れ構造の屋根にのみ取り付けることが可能で、その構造上片流れ構造の屋根には用いることができなかった。
【0005】
また、特許文献3に記載の命綱取付具では、屋根の補修作業等を行わない場合においても棟の全長にわたって設けられた棟飾り金物が屋根に突出した状態で残るため、見栄えに劣るといる問題がある。
【0006】
一方、特許文献1に記載の命綱取付具は、作業を行わないときは取り外すことが可能であるため屋根の美観を損ねることがないが、作業の度に命綱取付具を屋根に着脱する手間が必要となる。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、着脱の手間を省くことができ、かつ、取り付けたままの状態において屋根の美観を損ねることもなく、さらに、両流れ構造の屋根又は片流れ構造の屋根のいずれにも設置可能な命綱取付用金具と、この命綱取付用金具を備えた屋根構造を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、請求項1に記載の命綱取付用金具は、勾配屋根の垂木に当接する当接面と、該当接面から略水平方向に延びる水平面とを備え、前記水平面にはボルトが挿通するための挿通穴が形成され、該挿通穴に下方から挿通されたボルトが前記勾配屋根を貫通し、前記勾配屋根上に突出した前記ボルトの先端には命綱が取り付けられるアイナットが螺着されることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の命綱取付用金具は、請求項1に記載の発明において、前記当接面の下部に鈎状の係止部が設けられ、前記当接面が前記垂木の一の側面に当接するとともに、前記係止部が前記垂木の下面及び他の側面に係止することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の屋根構造は、請求項1又は請求項2の命綱取付用金具が設けられた屋根構造であって、命綱使用時には命綱が取り付けられる前記アイナットが前記ボルトの先端に螺着され、命綱不使用時には袋ナットが前記ボルトの先端に螺着されることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る命綱取付用金具を示し、この命綱取付用金具1は建物の屋根上の作業者に装着される命綱の取り付けに用いられる。
【0013】
命綱取付用金具1は1枚の長尺状の金属板からなり、命綱取付用金具1の設置時に勾配屋根の垂木の一の側面に当接する当接面2と、この当接面2の上部が屈曲されて水平方向に延びる水平面3と、当接面2の下部が水平面3と反対側に屈曲されて鈎状に形成された係止部としての係止面4とを備えている。
【0014】
当接面2には3つのネジ穴5が形成されるとともに、水平面3の中央にはボルトが挿通するための挿通穴6が形成されている。
【0015】
この命綱取付用金具1に、図2に示すように、ボルト7が挿通穴6の下方から挿通され、このボルト7の先端に上方から袋ナット37(図6参照)又は命綱を引っ掛けて取り付けるための環状部8を有するアイナット9が交換可能に螺着されて命綱取付具10となる。
【0016】
命綱取付具10は、例えば図3に示す片流れ構造の屋根に用いられる。柱材11の上部は棟木12が水平方向に架け渡されるとともに、柱材11の外側には空気層13をはさんで壁板材14が設けられ外壁を形成している。また、棟木12から図示を略す軒桁に架けて屋根パネル15が設けられている。屋根パネル15は屋根の外装となる屋根板材16と、この屋根板材16を支えるための垂木17と、水平方向に延びる補強材である横桟材18を備えている。垂木17の上部(垂木17の棟木12側)の下面19は壁板材14及びフレーム20に当たる部分が直方体状に切り欠かれている。
【0017】
また、水平方向に延びる縦端材21が屋根パネル15の垂木17の上部の端面38に当接するように配設されて、縦端材21の上方には同様に水平方向に延びる横端材22が設けられている。横端材22から縦端材21を渡って壁板材14までの外壁に当たる部分は防水鋼板23で被覆されるとともに、飾り部材24及びシール材25でカバーされている。さらに、防水鋼板23は屋根板材16の上方まで延び、雨押え受け木材26,27で支えられて、水きり部28とともに雨等が屋根から内部に浸水するのを防止している。
【0018】
このような構造の屋根に命綱取付具10を設置する際は、まず図2及び図4で示すように、命綱取付用金具1の当接面2が垂木17の一の側面39に当接し、かつ、命綱取付用金具1の係止面4が垂木17の直方体状に切り欠かれた下面19及び他の側面30に係止するように、命綱取付用金具1を配置し、当接面2に形成されたネジ穴5からネジ31を挿通させ螺着させることにより命綱取付用金具1を垂木17に直接固定する。また、水平面3の挿通穴6に下方からボルト7を挿通させ水平面3の上方から皿ばね座金32を介してナット33で締め命綱取付用金具1とボルト7とを固定した後、水平面3の上方に位置する横端材22に図示を略す貫通穴を設けてボルト7を貫通させる。このようにして屋根の外部まで貫通し突出したボルト7の先端34に、図5に示すように、パッキン35及びワッシャ36を介してアイナット9を螺着することによって、命綱取付具10が屋根に完全に固定されるとともに、命綱を引っ掛けて取り付けるための環状部8を屋根に設けることができるようになっている。なお、パッキン35を介在させることによって横端材22の図示を略す貫通穴からの浸水の防止を可能としている。
【0019】
一方、作業等を行わず環状部8の必要がないときには、図6に示すように、アイナット9を取り外してアイナット9の代わりに袋ナット37を螺着することができるようになっている。
【0020】
この実施の形態に係る命綱取付用金具1では、勾配屋根の垂木17の上部に当接する当接面2と、当接面2から略水平方向に延びる水平面3とを備え、水平面3の挿通穴6に下方から挿通されたボルト7が屋根の外部まで貫通し、屋根上に突出したボルト7の先端34に命綱が取り付けられるアイナット9が螺着されることとしたので、従来の命綱取付具のように両流れ構造の屋根の棟に跨る状態で命綱取付用金具1を取り付けることなく安定性及び強度を確保することができ、片流れ構造の屋根にも用いることが可能である。すなわち、命綱取付具10は勾配屋根の構造に左右されることなく従来の命綱取付具に比してより幅広い使用が可能となる。さらに、パネル工法による建築の場合は、屋根パネル15を吊り上げるときの吊具としても用いることができる。
【0021】
また、補修作業等の度に命綱取付用金具1の着脱を行う必要がなく、作業の際の命綱取付用金具1の着脱の手間を必要としない。
【0022】
さらに、アイナット9がボルト7の先端34に螺着されることとしたので、作業を行わず環状部8の必要がないときには、アイナット9を取り外すことができ、アイナット9の代わりに袋ナット37を螺着することができる。したがって、屋根の上での作業を行わない通常の状態では、命綱取付具10を外観上目立たせなくすることが容易に可能で、命綱取付具10を取り付けたままの状態でも屋根の美観を損ねることがない。その交換に際しても、アイナット9及び袋ナット37はネジ作用によってボルト7に取り付けられているため、その着脱及び交換作業を容易に行うことができる。
【0023】
また、本実施の形態の他の例として、例えばユニット建物におけるユニット間において命綱取付具を取り付ける場合には、図7に示す命綱取付用金具40を用いてもよい。この命綱取付用金具40は、設置時に勾配屋根の垂木の上部の端面及びユニットの金属製柱材に当接する当接面41と、この当接面41の上部が屈曲されて水平方向に延びる水平面42とを備えている。
【0024】
当接面41の下部にはボルトが挿通するための2つの挿通穴43が形成されるとともに、水平面42の中央にはボルトが挿通するための1つの挿通穴44が形成されている。
【0025】
この命綱取付用金具40を有する命綱取付具45を屋根に設置する際は、図8で示すように、命綱取付用金具40の当接面41が垂木17の上部の端面46に当接し、かつ、ユニット間において隣接する2本の柱材47に形成された図示を略す挿通穴が当接面41の挿通穴43に対向しながら当接するように命綱取付用金具40を配置し、当接面41の挿通穴43からボルト48を挿通させ柱材47の内側からナットによって締めることにより命綱取付用金具40を柱材47に直接固定する。
【0026】
また、水平面42のボルト穴44に下方からボルト7を挿通させ水平面42の上方から皿ばね座金32を介してナット33で締め命綱取付用金具40とボルト7とを固定した後、水平面42の上方に位置する横端材22に図示を略す貫通穴を設けてボルト7を貫通させる。このようにして屋根の外部まで貫通し突出したボルト7の先端34にパッキン35及びワッシャ36を介してアイナット9を螺合させて取り付ける。
【0027】
この命綱取付用金具40では、当接面41が勾配屋根の垂木17の上部の端面46に当接することとしたので、アイナット9に取り付けられた命綱が垂木17の下部方向(図8に示す矢印A方向)に引っ張られて命綱取付用金具40に荷重がかかっても、垂木17の上部の端面46に当接する当接面41に支持されるため、安定性を確保することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成したので、着脱の手間を省くことができ、かつ、取り付けたままの状態において屋根の美観を損ねることもなく、さらに、両流れ構造の屋根又は片流れ構造の屋根のいずれにも設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る命綱取付用金具を示し、(a)は命綱取付用金具の正面図であり、(b)は命綱取付用金具の右側面図であり、(c)は命綱取付用金具の平面図である。
【図2】図1の命綱取付用金具を備えた命綱取付具が屋根に設置された状態を正面から示した断面図である。
【図3】片流れ構造の屋根を側面から示した断面図である。
【図4】命綱取付具が屋根に設置される過程を説明する図である。
【図5】アイナットが螺着された命綱取付具が屋根に設置された状態を説明する図である。
【図6】袋ナットが螺着された命綱取付具が屋根に設置された状態を説明する図である。
【図7】本実施の形態の他の例としての命綱取付用金具を示し、(a)は命綱取付用金具の正面図であり、(b)は命綱取付用金具の右側面図であり、(c)は命綱取付用金具の平面図である。
【図8】図7の命綱取付具が屋根に設置された状態を説明する図である。
【符号の説明】
1、40 命綱取付用金具
2、41 当接面
3、42 水平面
4 係止面(係止部)
6、44 挿通穴
7 ボルト
9 アイナット
10、45 命綱取付具
16 屋根板材
17 垂木
19 下面
30 他の側面
34 先端
37 袋ナット
39 一の側面
Claims (3)
- 勾配屋根の垂木に当接する当接面と、該当接面から略水平方向に延びる水平面とを備え、
前記水平面にはボルトが挿通するための挿通穴が形成され、該挿通穴に下方から挿通されたボルトが前記勾配屋根を貫通し、前記勾配屋根上に突出した前記ボルトの先端には命綱が取り付けられるアイナットが螺着されることを特徴とする命綱取付用金具。 - 前記当接面の下部に鈎状の係止部が設けられ、前記当接面が前記垂木の一の側面に当接するとともに、前記係止部が前記垂木の下面及び他の側面に係止することを特徴とする請求項1に記載の命綱取付用金具。
- 請求項1又は請求項2の命綱取付用金具が設けられた屋根構造であって、
命綱使用時には命綱が取り付けられる前記アイナットが前記ボルトの先端に螺着され、命綱不使用時には袋ナットが前記ボルトの先端に螺着されることを特徴とする屋根構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002324152A JP2004156351A (ja) | 2002-11-07 | 2002-11-07 | 命綱取付用金具及び屋根構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002324152A JP2004156351A (ja) | 2002-11-07 | 2002-11-07 | 命綱取付用金具及び屋根構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004156351A true JP2004156351A (ja) | 2004-06-03 |
Family
ID=32803829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002324152A Withdrawn JP2004156351A (ja) | 2002-11-07 | 2002-11-07 | 命綱取付用金具及び屋根構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004156351A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007092307A (ja) * | 2005-09-27 | 2007-04-12 | Sekisui House Ltd | 安全帯取付具構造 |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002324152A patent/JP2004156351A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007092307A (ja) * | 2005-09-27 | 2007-04-12 | Sekisui House Ltd | 安全帯取付具構造 |
JP4506631B2 (ja) * | 2005-09-27 | 2010-07-21 | 積水ハウス株式会社 | 安全帯取付具構造 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5101856B2 (ja) | 外装構築用支持部材を用いた外装構造 | |
JP4653578B2 (ja) | 建築部材取付用金物、建築部材取付構造及び建築部材取付方法 | |
JP2004156351A (ja) | 命綱取付用金具及び屋根構造 | |
JP2011202504A (ja) | 外装構築用支持部材 | |
JP3716290B2 (ja) | カーテンウォールにおける横目地構造 | |
JP2006274618A (ja) | 太陽光利用装置の固定構造 | |
JP7432122B2 (ja) | 手摺のリフォーム方法 | |
JP7321739B2 (ja) | 建物の施工方法および低外壁面材 | |
JPH06101295A (ja) | カーテンウォールユニットにおける外装板取付構造 | |
JP2006090082A (ja) | スタータ金具及び平板状屋根の葺設方法 | |
JP7276833B2 (ja) | 外装構造、及びその施工法 | |
JP2012047007A (ja) | 支持架台の取付構造、及び外装構造 | |
JPH09221884A (ja) | 縦葺き屋根構造 | |
JP4296573B2 (ja) | 外壁構造 | |
JP2007191966A (ja) | 庇屋根ユニットの取付構造 | |
WO2011111237A1 (ja) | 中空瓦棒葺き屋根など溝板の立て折板、吊り子、キャップで側面防水された凸空間内にc字フレームを設置してフレーム内底部防水をすることによる傾斜屋根への各種構造物設置法 | |
JPH1136605A (ja) | 安全ロープ取付具及び安全ロープ取付用固定構造 | |
JPH11181949A (ja) | 軒天パネル支持構造 | |
JP2013133590A (ja) | ソーラーシステムの取付構造 | |
JP2000282635A (ja) | 屋根パネルの取付構造 | |
JP2014005682A (ja) | 設備固定装置 | |
JP2001152616A (ja) | 瓦棒葺屋根接続部用キャップとこれに装着固定する設備取付金具 | |
JP2020143550A (ja) | 外設部材を備える屋根構造 | |
JP2001012004A (ja) | 軒天井における天井パネルの取付構造 | |
JP2541182Y2 (ja) | 屋根装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050804 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070131 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070305 |