JP2004156340A - 路面凍結防止装置 - Google Patents

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JP2004156340A
JP2004156340A JP2002323912A JP2002323912A JP2004156340A JP 2004156340 A JP2004156340 A JP 2004156340A JP 2002323912 A JP2002323912 A JP 2002323912A JP 2002323912 A JP2002323912 A JP 2002323912A JP 2004156340 A JP2004156340 A JP 2004156340A
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Satoru Ishikawa
悟 石川
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ISHIKAWA FUDOSAN KANTEI JIMUSH
ISHIKAWA FUDOSAN KANTEI JIMUSHO KK
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ISHIKAWA FUDOSAN KANTEI JIMUSH
ISHIKAWA FUDOSAN KANTEI JIMUSHO KK
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Abstract

【課題】低コストかつ効率的に路面凍結防止を図る路面凍結防止装置を提供する。
【解決手段】路面下に所定深さまで埋設される中空導熱体11を含み、導熱体11の下部と上部にそれぞれ地熱吸収孔12および地熱放出孔13を有する。中空導熱体11の下端部に沈下を防止するための下蓋体14が配置されるとともに、その上端部に道路の強度を確保するための上蓋体15が配置される。中空導熱体11の上端部に断熱材16が挿着される。導熱体11の下部の地熱吸収孔12から吸収された地熱は中空導熱体11内部を上昇して、上部の地熱放出孔13から放出される。断熱材16により地熱を広範囲に拡散させ、地熱を効率よく路面に伝達する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雪国地方において路面凍結等による交通事故の防止対策として極めて有効な路面凍結防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
北海道や雪国地方では特に12月〜3月期に路面凍結と積雪とによる交通事故が多発し、交通人身事故も多い。その対策として、坂道などをロードヒーティングして交通事故防止対策を講じている。一方、いわゆるスタッドレスタイヤの性能もかなり向上してきており、スタッドレスタイヤの装備による対策で一定の効果を揚げることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
スタッドレスタイヤによる対策は一定の効果が得られるものの、路面凍結自体を解消するものではない。この種の寒冷地においてロードヒーティングを止め、他の対策を講じないとスリップ等による事故が急増することになり、事実上ロードヒーティングを止めることはできない。しかしながら、ロードヒーティングを実施するには、極めて高額の工事費用を要する上、実使用にあたり電気、ガスその他のエネルギー費用は膨大なものとなる。
【0004】
本発明はかかる実情に鑑み、低コストかつ効率的に路面凍結防止を図る路面凍結防止装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の路面凍結防止装置は、路面下に所定深さまで埋設される中空導熱体を含み、該導熱体の下部と上部にそれぞれ地熱吸収孔および地熱放出孔を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の路面凍結防止装置において、前記中空導熱体の下端部に沈下を防止するための下蓋体が配置されるとともに、その上端部に道路の強度を確保するための上蓋体が配置されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の路面凍結防止装置において、前記中空導熱体の少なくとも上端部に断熱材が挿着されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の路面凍結防止装置において、複数の前記中空導熱体が一体的に配置構成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、中空導熱体が路面下に所定深さまで埋設され、該導熱体の下部の地熱吸収孔から吸収された地熱は中空導熱体内部を上昇して、上部の地熱放出孔から放出される。その場合、中空導熱体の上端部に挿着された断熱材により地熱を広範囲に拡散させ、地熱を効率よく路面に伝達する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基き、本発明による路面凍結防止装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、この実施形態における路面凍結防止装置10を示している。路面凍結防止装置10は、路面(この例ではアスファルト100が敷設されている)下に所定深さまで埋設される中空導熱体11を含む。後述するように中空導熱体11は下部から地熱を吸収して、上部から放出するようになっている。
【0011】
中空導熱体11は典型的には合成樹脂(塩化ビニール等)製のパイプ材からなり、地中に鉛直に埋設される。中空導熱体11の具体的寸法として、たとえば直径300mm、全長4mとするが、これらの数値に限定されるものではない。
【0012】
中空導熱体11の下部と上部にそれぞれ地熱吸収孔12および地熱放出孔13を有する。これらの地熱吸収孔12および地熱放出孔13はこの実施形態では、中空導熱体11の長手方向に沿って形成された複数のスリット12a,13aでなる。スリット12a,13aは中空導熱体11の円周方向に所定ピッチで配設され、かつ中空導熱体11の長手方向に多段に形成される。
【0013】
なお、スリット12a(あるいはスリット13a)は図2の図示例のように、たとえば千鳥状になるように上下段で円周方向にずれて配設される。地熱吸収孔12および地熱放出孔13の形成領域(長さ)Lは、好適には中空導熱体11の下部と上部でL=1.5mの範囲である。
【0014】
また、路面凍結防止装置10において、中空導熱体11の下端部にその沈下を防止するための下蓋体14が配置されるとともに、その上端部には道路の強度を確保するための上蓋体15が配置される。下蓋体14および上蓋体15はたとえば鉄筋コンクリート板でなり、その具体的寸法として、直径450mmとする。また、下蓋体14および上蓋体15の厚さは、50〜100mmとするが、道路の状態もしくは種類に応じて変わり、たとえば歩道用の場合50mm、車道用の場合100mm程度が好適である。
【0015】
また、中空導熱体11の少なくとも上端部に断熱材16が挿着される。断熱材16は上蓋体15と接着され、両者は一体構成される。
【0016】
上記の場合、図1に示すように中空導熱体11の周囲に適度な量の小砂利17を埋め込むようにするとよい。このように小砂利17を埋めることで、地中の粘土質が地熱吸収孔12あるいは地熱放出孔13から中空導熱体11内部に侵入するのを防ぎ、また地熱放出孔13からの地熱の放出拡散を促進させることができる。
【0017】
つぎに、路面凍結防止装置10を設置する概略工程を説明する。
まず、路面凍結防止装置10を設置すべき道路のアスファルト100を切り抜き、その切抜き部分にこの例では少なくとも直径450mm、深さ4mの穴を掘り込む。この場合、汎用の建柱車(好適には電柱設置用車)を用いて、簡単かつ的確に所定のパイプ埋込み穴を掘ることができる。この際、振動や騒音がなく、効率よく掘削工事を行なうことができる。
【0018】
つぎに、パイプ埋込み穴の底に下蓋体14を設置する。下蓋体14上にセンタ合わせして、中空導熱体11をパイプ埋込み穴の中心部に設置する。そして、中空導熱体11の周囲に小砂利17を入れて“てん圧”しながら埋め戻す。さらに、断熱材16を組み込んだ上蓋体15を中空導熱体11の上端部に固定し、切り抜いておいたアスファルト100をその上に被せることで路面凍結防止装置10が設置される。
【0019】
図1のように路面下に埋設された路面凍結防止装置10において、中空導熱体11の内部に地熱吸収孔12を介して地熱が吸収される。この場合、中空導熱体11の周囲の広い範囲から地熱を効率よく吸収することができる。吸収された地熱は図1の矢印のように中空導熱体11内部を上昇し、地熱放出孔1から放出される。
【0020】
この場合、中空導熱体11の上端部に断熱材16が挿着されているため、図1の矢印のように中空導熱体11の周囲の広い範囲に地熱を効率よく放出することができる。このように地熱を地面に引き出すことにより路面温度を高め、路面上の積雪を融かし、融けた雪が凍結するのを防止する。たとえば図3のように路面凍結防止装置10(中空導熱体11)を配設することにより、その周囲に融雪凍結防止範囲Pが得られる。
【0021】
ちなみに、わが国では地下2.5m以上の深さの地温は、気温−20℃の地域でも年間を通じて+11〜12℃程度あり、この地熱を地面に引き出すことで路面温度を−1〜+1℃以上に保つことができる。路面温度を高めることにより坂道やビル影等のスリップ事故、あるいは歩道における歩行者の滑り転倒事故を防ぎ、冬季における雪道全体の交通事故の減少削減に高い効果を発揮する。この場合、電気、ガスあるいは石油等の人工的エネルギーを利用しないため、実質的に費用がかからず、また路面凍結防止装置10の使用による大気汚染等の心配が全くない。
【0022】
なお、一定の深さ以上になると、地区により地下水が中空導熱体11内に溜まることがあるが、地下水の温度も地熱と同様に年間と通して+11〜12℃程度であるため、熱伝導作用には変化はない。
【0023】
ここで、本発明による路面凍結防止装置10の変形例を説明する。
上記実施形態では直径300mmの単一の中空導熱体11を用いる例を説明したが、複数の中空導熱体11が一体的に配置構成されるものでもよい。図4は、2本以上の中空導熱体11を用いて路面凍結防止装置10を構成する例を示している。図示例のように2〜4本の中空導熱体11が一体的に配置構成される。
【0024】
このように複数の中空導熱体11を用いる場合には、各中空導熱体11の直径は典型的には150mmとする。これらの例のように中空導熱体11の太さによって地熱の上昇速度が変わるため、設置する地質や地盤等に応じて適宜組み合せることにより地熱を効率的に吸収、放出することができる。
【0025】
上記のように本発明を好適な実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態にのみ限定されるものでなく、本発明の範囲内で地質、地盤、地域等において必要に応じて適宜変更等が可能である。
たとえば、地熱吸収孔12あるいは地熱放出孔13はスリット状でなく、丸穴等であってもい。また、上記実施形態における具体的数値例等は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更、設定可能であり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。さらに、本発明装置は、道路あるいは歩道等ばかりでなく、屋外スポーツ施設等に対しても有効に適用可能であり、融雪凍結防止に極めて優れた効果を持つ。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、中空導熱体の下部の地熱吸収孔から吸収された地熱は中空導熱体内部を上昇して、上部の地熱放出孔から放出される。その場合、中空導熱体の上端部に挿着された断熱材により地熱を広範囲に拡散させ、地熱を効率よく路面に伝達する。これにより路面温度を高め、道路におけるスリップ事故や歩行者の滑り転倒事故を防ぎ、冬季における雪道全体の交通事故の減少削減に高い効果を発揮する。人工的エネルギーを利用しないため、実質的に費用がかからず、大気汚染等の心配が全くない等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による路面凍結防止装置の実施形態を示す側面図である。
【図2】本発明による路面凍結防止装置の実施形態に係るスリットの構成例を示す(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明による路面凍結防止装置の作用を示す平面図である。
【図4】本発明による路面凍結防止装置の変形例を示すそれぞれ斜視図である。
【符号の説明】
10 路面凍結防止装置
11 中空導熱体
12 地熱吸収孔
13 地熱放出孔
14 下蓋体
15 上蓋体
16 断熱材
17 小砂利
100 アスファルト

Claims (4)

  1. 路面下に所定深さまで埋設される中空導熱体を含み、該導熱体の下部と上部にそれぞれ地熱吸収孔および地熱放出孔を有することを特徴とする路面凍結防止装置。
  2. 前記中空導熱体の下端部に沈下を防止するための下蓋体が配置されるとともに、その上端部に道路の強度を確保するための上蓋体が配置されることを特徴とする請求項1に記載の路面凍結防止装置。
  3. 前記中空導熱体の少なくとも上端部に断熱材が挿着されることを特徴とする請求項1または2に記載の路面凍結防止装置。
  4. 複数の前記中空導熱体が一体的に配置構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の路面凍結防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102238239B1 (ko) * 2020-07-14 2021-04-08 박경수 도로 결빙 방지용 발열관 및 이를 이용한 도로 결빙 방지 구조

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