JP2004156017A - カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物、およびこれを含有する化粧料、並びにこれらの連続発光方法 - Google Patents
カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物、およびこれを含有する化粧料、並びにこれらの連続発光方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】カルシウム結合型発光蛋白質であるイクオリン、クライチン、オベリン、マイトロコミン、ミネオプシンおよびベルボインからなる群から選択される天然由来または組換え蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物、およびこの吸水性高分子ゲル組成物を含有する化粧料、並びにこれらにカルシウムイオンを含む水を接触または浸透させることにより達成される連続発光方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物、およびこれを含有する化粧料、並びにこれらにカルシウムイオンを含む水を接触または浸透させることにより達成される連続発光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カルシウム結合型発光蛋白質は微量のカルシウムイオン(10−8mole/liter 以上)と接触するだけで瞬間発光するため、長時間連続的に発光させることはできなかった。例えば、イクオリンはカルシウムイオンと接触すると5秒以内に発光が終わる(例えば、非特許文献1参照)。そのためたとえ、カルシウム結合型発光蛋白質を単独で化粧料に含有させてもカルシウムイオンと接触すると直ちに瞬間発光をしてしまい、それ以降化粧料が発光することはない。
一方、長時間連続発光させる手段として、化学発光を利用することが考えられる。化学発光は、溶液中で長時間連続発光させることが比較的容易である。しかし、化学発光に関与する試薬(有機化合物及び無機化合物)や発光増強に関与する試薬(有機化合物)には、そのほとんどに発ガン性に関わる物質あるいは毒性に関わる発光基質が含まれる。例えば、ルミノール発光反応に使用されるトリシアン銅(I)酸カリウムは有毒なシアン化合物であり、反応pHは水酸化ナトリウムを用いた強アルカリ系であり危険である。また、活性酸素の供給源として、10%以上の高濃度である過酸化水素水を使用することも、生体には問題がある。また、ピロガロール(1,2,3−トリヒドロキシベンゼン)を用いた化学発光反応では、それ自身有毒である。化学発光の色を変える為や発光時間の持続のために使用されている増感剤フルオレセン化合物やローダミン関連化合物ローダミンB及びローダミンB6は発ガン性の指摘がされている(例えば、非特許文献2参照)。これらの増感剤すべてについて、発ガン性を有することが証明されているわけではないが、すべて芳香族化合物であり毒性は容易に推定できる。
そこで、生体に使用しても安全な生物発光系による簡易で長時間連続発光可能な部材の提供が強く望まれている。
【0003】
【非特許文献1】
今井一洋編集,「生物発光と化学発光 基礎と実験」,廣川書店,1989年,P.36−49
【非特許文献2】Bassam, Z. Shakhashiri著(池本勲訳),「教師のためのケミカルデモンストレーション2:化学発光/錯体」丸善株式会社,1997年,P.55−65
【0004】
【発明が解決しようとする課題】生物発光による長時間連続発光可能な吸水性高分子ゲル組成物、およびこれを含有する化粧料、並びに生物発光による長時間連続発光方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物である。また本発明は、カルシウム結合型発光蛋白質であるイクオリン、クライチン、オベリン、マイトロコミン、ミネオプシンおよびベルボインからなる群から選択される天然由来または組換え蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物である。
本発明は、前記吸水性高分子ゲル組成物を含有する化粧料である。
さらに本発明は、前記吸水性高分子ゲル組成物およびこれを含有する化粧料に、カルシウムイオンを含む水を接触または浸透させることにより達成される連続発光方法である。
また本発明は、前記吸水性高分子ゲル組成物の凍結乾燥物である。
さらに本発明は、吸水性高分子ゲル組成物にカルシウム結合型発光蛋白質を含む溶液を浸透させることで分散させた後に、凍結乾燥させることを特徴とするカルシウム結合型発光蛋白質の保存方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物である。カルシウム結合型発光蛋白質としては、イクオリン、クライチン、オベリン、マイトロコミン、ミネオプシンおよびベルボインが好ましく、イクオリンが特に好ましい。これらのカルシウム結合型発光蛋白質は、天然由来であると組換え蛋白質であるとを問わないが、大量生産を行う観点から、培養が比較的容易な組換え蛋白質であることが好ましい。また、後述するように化粧料やアミューズメント等の用途を目的とするので、生体に使用しても安全なようにこれらのカルシウム結合型発光蛋白質は粗精製物であるよりも、高純度精製物であることが好ましい。なお、カルシウム結合型発光蛋白質の培養方法および高純度精製物への精製方法については、組換えイクオリンを例として実施例において詳細に記載をしたので、これを参考に行えば当業者であれば容易に実施可能である。また、イクオリン以外のカルシウム結合型発光蛋白質についても、公知の方法により入手可能である。
【0007】
本発明における吸水性高分子ゲル組成物は、カルシウム結合型発光蛋白質が通過可能な細孔サイズを有するものであり、かつ、カルシウム結合型発光蛋白質による発光を確認可能な透明ゲル組成物であれば特に制限されるものではない。
カルシウム結合型発光蛋白質を分散させるためには、この分子が通過可能な細孔サイズを有する吸水性高分子ゲル組成物を用いる必要がある。例えば、球状イクオリンは短軸方向に約20×10−10m(メートル)、長軸方向に約30×10−10mの分子サイズである。一般に知られている吸水性高分子ゲルは、微細な細孔の吸水性高分子ゲルを除き、カルシウム結合型発光蛋白質が通過可能な細孔サイズを有している。また、カルシウムイオンはカルシウム結合型発光蛋白質よりもイオン半径が小さいため、カルシウム結合型発光蛋白質が通過可能であれば、吸水性高分子ゲル組成物の細孔を容易に通過できる。
本発明における吸水性高分子ゲル組成物が不透明であっても、論理的にはカルシウム結合型発光蛋白質により連続発光させることは可能である。しかし、それでは目視による確認を行えないため、本発明における吸水性高分子ゲル組成物はカルシウム結合型発光蛋白質による連続発光を確認可能な透明ゲル組成物であることが好ましい。透明ゲル組成物であれば、塊状のゲル組成物のどの部位(表面に近い部位でなのか、中心に近い部位でなのか)で発光現象が起こっているのかを目視で確認することも可能である。すなわち、カルシウム結合型発光蛋白質が吸水性高分子ゲル組成物に分散していることを確認することができる。また、発明における吸水性高分子ゲル組成物は、透明であれば無色であると有色であるとを問わない。
【0008】
本発明における吸水性高分子ゲル組成物は、原料面から分類すると、でんぷん系、セルロース系、合成高分子系に分けられ、その何れを用いてもよい。合成高分子系には、ポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリオキシエチレン系があり、その何れを用いてもよい。好ましくは、ポリオキシエチレン系の吸水性高分子ゲル組成物である。
また、本発明における吸水性高分子ゲル組成物は、イオン基または親水基の種類から分類すると、アニオン系、カチオン系、両性系、非イオン系に分けられ、その何れを用いてもよい。アニオン系は、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、アクリル酸グラフト系、アクリル酸共重合系、その他に分けられ、その何れを用いてもよい。カチオン系は、4級アンモニウム塩系、その他に分けられ、その何れを用いてもよい。非イオン系は、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリオキシエチレン系、その他に分けられ、その何れを用いてもよい。非イオン系では、好ましくはポリオキシエチレン系の吸水性高分子ゲル組成物である。
これらの本発明における吸水性高分子ゲル組成物は、その多くが市販されており、また、特許公開公報、非特許文献により文献公知であるので、当業者であれば容易に入手可能である。
【0009】
吸水性高分子ゲル組成物の細孔サイズ、吸水性高分子ゲル組成物に分散させるカルシウム結合型発光蛋白質の量をコントロールすることにより、暗闇では勿論、明るい場所でも肉眼で確認できる程に吸水性高分子ゲル組成物を連続的に発光させることができる。
【0010】
本発明のカルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物は、カルシウムイオンを含まない水とカルシウム結合型発光蛋白質との混合物を吸水性高分子ゲル組成物に吸収させることにより得られる。カルシウムイオンを含まない水とカルシウム結合型発光蛋白質との割合を変えること、吸水性高分子ゲル組成物とこれに吸収させる(カルシウムイオンを含まない水とカルシウム結合型発光蛋白質との)混合物との割合を変えることにより、吸水性高分子ゲル組成物に分散するカルシウム結合型発光蛋白質の状態および量並びに含有水分量を変えることができる。
また、カルシウムイオンを含まない水とカルシウム結合型発光蛋白質との混合物を吸水性高分子ゲル組成物に吸収させた後に、減圧乾燥等により適度の水を除去することによっても、含有水分量を変えることができる。
【0011】
本発明の吸水性高分子ゲル組成物は、塊状のゲル組成物であると、パウダー状のゲル組成物(例えば、該塊状のゲル組成物を粉砕して得られる。)であると、また塊状のゲル組成物を加工して得られる特殊な形状のゲル組成物であるとを問わない。塊状のゲル組成物にカルシウム結合型発光蛋白質を分散させてからパウダー状のゲル組成物や特殊な形状のゲル組成物にしてもよく、また逆に、パウダー状のゲル組成物や特殊な形状のゲル組成物にしてからカルシウム結合型発光蛋白質を分散させてもよい。例えば、後述の表1に示したように、1.2M硫安を含むイクオリン溶液を凍結乾燥処理しても、その活性が保持されることは明らかである。また、生分解性能が高く化粧用素材として用いられているセルロース系のセルフローTA25(商品名:チッソ社製)のパウダーは、イクオリンとの混合時にほとんど発光活性がないことが明らかである。この結果から、凍結乾燥させたイクオリンを調製した後に、パウダー粒子と混合させることで、さらにイクオリンを安定化させ、かつカルシウムイオンとの反応を制御することが可能であることがわかる。なお、パウダー粒子は微細なものであることが好ましい。パウダー状のゲル組成物は、他の材料に練り込んだり、混ぜたりし易いので、化粧料用、アミューズメント用および玩具用に特に適している。また、特殊な形状のゲル組成物は、アミューズメント用および玩具用に特に適している。
【0012】
本発明のカルシウム結合型発光蛋白質の保存方法は、吸水性高分子ゲル組成物にカルシウム結合型発光蛋白質を含む溶液を浸透させることで分散させた後に、凍結乾燥させることを特徴とするものである。そのうち、パウダー状の吸水性高分子ゲル組成物を用いることが好ましい。
また、本発明の凍結乾燥物は、カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物を凍結乾燥させたものである。具体的には、カルシウム結合型発光蛋白質がイクオリン、クライチン、オベリン、マイトロコミン、ミネオプシンおよびベルボインからなる群から選択される天然由来または組換え蛋白質である凍結乾燥物である。
【0013】
本発明の連続発光方法は、カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物に、カルシウムイオンを含む水を接触または浸透させることにより達成されるものである。
カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物に、カルシウムイオンを含む水を接触させる。このカルシウムイオンを含む水が吸水性高分子ゲル組成物にその細孔を通って浸透する過程で、まずゲル組成物の表面でカルシウム結合型発光蛋白質とカルシウムイオンが接触することにより発光現象が起こる。この発光現象が終了すると、他のカルシウムイオンが吸水性高分子ゲル組成物の奥に存在するイクオリンと次に接触し、また発光現象が起こる。この繰り返しにより、カルシウムイオンを含む水が吸水性高分子ゲル組成物にその細孔を通って浸透するに従い、連続して発光現象が起こり、本発明のカルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物は連続的に発光する。
本発明のカルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物をアミューズメント用および玩具用として使用する場合には、使用時にカルシウムイオンを含む水(例えば、水道水)を添加することにより、連続発光が始まる。また、化粧料に使用する場合には、汗や人体表面に存在する微量のカルシウムイオンにより連続発光する。
【0014】
カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物に接触または浸透させる水のカルシウムイオン濃度が大きい場合には、発光強度は大きくなるけれども連続発光時間が短くなる。逆に、カルシウムイオン濃度が小さい場合には、発光強度は大きくなるけれども連続発光時間は長くなる。また、連続発光時間はそのままで発光強度を大きくしたい場合には、吸水性高分子ゲル組成物中のカルシウム結合型発光蛋白質濃度を大きくし、かつ、接触または浸透させる水のカルシウムイオン濃度もそれに応じて大きくすればよい。さらには、カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物を揉むことで、連続発光時間は短くなるが、発光強度は大きくなる。
【0015】
さらに本発明のカルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、他の任意成分を適宜配合することができる。配合しうる任意成分としては、粉体、希釈剤、ゲル化剤、粘度調整剤、油剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、水溶性成分、美容成分、香料等などが挙げられる。
このようにして得られたカルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物は、化粧料中に配合することができる。本発明のカルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物が配合される化粧料の具体的な例としては、口紅、口紅オーバーコート、クリーム、乳液、化粧水、クレンジング、ファンデーション、ほほ紅、白粉、アイカラー、アイブロウ、アイライナー、マスカラ、リップクリーム、整髪料、メイクアップリムーバー、シャンプー、リンスなどがあり、また化粧料の形態としては、クリーム状、ゲル状、乳液状、液状、固形状等が挙げられる。
【0016】
本発明の吸水性高分子ゲル組成物およびこれを含有する化粧料は、生物発光による長時間連続発光が可能である。また、生物発光を利用するものであるから、化学発光を利用するものに比べ、人体への影響は少なく安全である。
したがって本発明の吸水性高分子ゲル組成物は、アミューズメント、玩具に安心して(安全に)利用することが可能であり、かつ、長時間連続して発光させることが可能である。また、発光を開始させる際に、身近に存在する水道水を利用することが可能であるので、利便性においても優れるものである。
また本発明の吸水性高分子ゲル組成物は、口紅、口紅オーバーコート、クリーム、乳液、化粧水、クレンジング、ファンデーション、ほほ紅、白粉、アイカラー、アイブロウ、アイライナー、マスカラ、リップクリーム、整髪料、メイクアップリムーバー等の化粧料に配合することにより、人体への影響が少なく安全でありながら、汗や人体表面に存在するカルシウムイオンにより連続発光する化粧品を提供することができる。
【0017】
【実施例】
実施例1 イクオリンの製造
1)組換えアポイクオリンの大腸菌での発現
大腸菌においてアポイクオリンを発現させるために、イクオリン遺伝子を包含するpAQ440(特開昭61−135586号公報)から構築した、アポイクオリン遺伝子発現ベクターpiP−HE(特開平1−132397号公報)を用いた。宿主として大腸菌WA802株を使用し、常法によりpiP−HEで該菌株を形質転換した。得られた形質転換株を30℃で一晩培養後、アンピシリン(50μg/ml)を含有する50mlのLB液体培地(水1リットルあたり、バクトトリプトン10g、イーストイクストラクト5g、塩化ナトリウム5g、pH7.2)に植菌し、さらに30℃で8時間培養した。次いで、その培養物を新たなLB液体培地2Lに添加し、37℃で一昼夜(18時間)培養した。培養後、菌体と培養液を低速遠心分離(5000×g)によって分離した。菌体および培養液はともに発現したアポイクオリンを含むためそれぞれ保存し、イクオリンの精製出発材料とした。
【0018】
2)菌体からのイクオリンの精製
集菌した菌体を、還元剤であるジチオスレイトール(和光純薬社製)200mgを含む400mlの50mM Tris−HCl,10mM EDTA,pH7.6の緩衝液中に懸濁させ、氷冷下において超音波破砕装置で2分間処理して菌体を破砕し、12000×gで20分間遠心後、上澄み液を集めた。得られた上澄み液に化学合成したセレンテラジンを産生アポイクオリンの1.2倍のモル濃度になるように少量のメタノールに溶かしこみ、4℃で5時間以上放置した。この上澄み液を直ちに、20mM Tris−HCl,10mM EDTA,pH7.6の緩衝液で平衡化したQ−セファロースカラム(ファルマシア製、直径2cm×10cm)に添加してイクオリンを吸着させ、カラムから溶液の280nmでの吸光度が0.05以下になるまで20mM Tris−HCl,10mM EDTA,0.1M NaCl,pH7.6でカラムを洗浄した。そして、カラムに吸着したアポイクオリンとイクオリン画分を0.1M−NaCl〜0.4M−NaClの直線濃度勾配で溶出させた。
【0019】
再生イクオリンと未再生のアポイクオリンとの分離は、疎水性クロマトグラフィーであるブチルセファロース4ファーストフローゲルを用いて行った。即ち、Q−セファロースカラムからのオレンジ色の溶出液を、硫酸アンモニウムの最終濃度が2Mになるように調整した。次いで、不溶画分を遠心分離によって除去し、その上澄み液を、2M−硫酸アンモニウムを含有する20mM Tris−HCl,10mM EDTA,pH7.6で平衡化したブチルセファロース4ファーストフローカラム(ファルマシア社、カラムサイズ:直径2cm×8cm)に通し、硫酸アンモニウム濃度1Mまで直線濃度勾配により溶出し、発光活性を有するオレンジ色の再生イクオリン画分を収集した。
一方、未再生のアポイクオリンは、20mM Tris−HCl,10mM EDTA,pH7.6でのみ溶出された。再生イクオリン画分について、還元状態で12%ポリアクリルアミドゲルを用いたSDS−PAGEによる分析を行った。その結果、精製画分について分子量25kDa蛋白質に相当する単一バンドが検出され、その純度はデンシトメーターでの測定では98%以上であった。菌体からのイクオリンの回収率は約80%で、80mgの高純度イクオリンを得た。
【0020】
3)培養液からのイクオリンの精製
培養液からの高純度アポイクオリンの精製は、特開平1−132397号公報に記載の方法に従って実施した。即ち、培養液を酸性化処理してpH5以下にし、4℃で放置した。白色沈殿となったアポイクオリンを遠心分離によって単離し、これを還元剤を含む上述の緩衝液に溶解させた。そして菌体からのイクオリンの精製工程と同様にイクオリンへの再生後、Q−セファロ−スカラムクロマト法、ブチルセファロース4ファーストフローカラムクロマト法を用いて、純度98%以上のイクオリンを取得した。得られた精製イクオリンについて、還元状態で12%ポリアクリルアミドゲルを用いたSDS−PAGEによる分析を行った結果、分子量25kDa蛋白質に相当する単一バンドが検出され、その純度はデンシトメーターでの測定では98%以上であった。培養液より得られたアポイクオリン50mgから高純度イクオリン45mgを得た。
【0021】
実施例2
ポリメタアクリル酸で架橋させたポリオキシエチレンのゲル組成物の小片(4×4×2 mm: 0.037 g)に、実施例1で得た高純度イクオリン溶液 20 μl(イクオリン濃度:2.0 mg/ml、2 mM Tris−HCl/0.4 mM EDTA/0.24 M 硫安)を上層した。室温で15分以上放置し、高純度イクオリン溶液をゲル組成物の小片に吸収させて、高純度イクオリンが分散した吸水性高分子ゲル組成物の小片を調製した。この高純度イクオリンが分散した吸水性高分子ゲル組成物の小片は、−80℃から30℃で保存可能であった。長期保存は、4℃以下で、最低3ヶ月保存可能であった。保存可能か否かは、室温以下の温度で保存しておいたものについては、室温に戻してから、室温で保存しておいたものについてはそのまま、以下の実施例3に記載の方法により、連続的な青色の発光を肉眼で観察できるか否かによって、判断した。
【0022】
実施例3
実施例2で調製した高純度イクオリンが分散した吸水性高分子ゲル組成物の小片を、0.001 mM以下のカルシウムイオンを含む水道水に10秒以内で浸漬させた。瞬間の青色発光を観察した後、ゲル組成物の小片が完全に水道水を吸水する前に、直ちに水道水からゲル組成物の小片を回収した。このゲル組成物の小片を暗所に移したところ、連続的な青色の発光を肉眼で観察できた。
また、このゲル組成物の小片を揉む事により、より強く連続発光させることができた。この場合、揉まない場合に比べ、発光時間は短くなった。
実施例2に記載の通り吸水性高分子ゲル組成物中のイクオリン濃度が小さいにも関わらず、最低15分は肉眼で連続的な青色の発光を確認できた。
【0023】
実施例4 イクオリン−吸水ゲルの凍結乾燥物を調製する方法
表1に記載した市販各種パウダー状の吸水性高分子ゲル組成物(以下パウダー状の吸水性高分子ゲル組成物を単に「吸水ゲル」という。)50mgを、イムノアッセイ用チューブ (75×12mm、ヌンク社製:カタログ番号475477)に移し、実施例1の操作を繰り返すことで得た高純度イクオリン140μgを含む 50 μl溶液を、吸水ゲル上に上層し、室温で30分間放置しゆっくりと吸水ゲルに浸透させた。浸透させた直後の発光を、チューブごとアトー社製のルミノメーター モデルAB2200で測定した。明らかに、表1記載のようにイクオリンを吸水ゲルに浸透させた時点で、吸水ゲル未処理の場合と同じように微弱な連続発光が検出された。次に凍結乾燥させるべく、イクオリン−吸水ゲルを含むチューブを、−80℃で10分間放置して凍結を行い、常法により凍結乾燥装置(東京理科社製、フリーズドライヤーFD−81)で6時間凍結乾燥を行った。凍結乾燥直後のイクオリン−吸水ゲル凍結乾燥物の発光量を測定したが、発光装置のバックグランド値と同じ値を示し、ほとんど発光は検出されなかった(表1)。すなわち、イクオリン−吸水ゲル溶液から水を除去することで、発光反応の制御が可能となった。安定な保存方法として有効であった。
【表1】
【0024】
実施例5 イクオリン−吸水ゲルの膨潤複合体を調製する方法
白色粉体である実施例4で得られたイクオリン−吸水ゲル凍結乾燥物の全量を乳鉢でよくかき混ぜほぐした後、10 mM EDTA を含む30 mM Tris−HCl (pH7.6) 緩衝液2mlを加え、室温(20から30℃)で、 60分間放置して、吸水ゲルの膨潤をはかった。すなわち、緩衝液を吸収させた。その結果、イクオリン−吸水ゲルの凍結乾燥物が膨潤した物(以下「イクオリン−吸水ゲル膨潤複合体」という。)を得た。膨潤直後に、イクオリン−吸水ゲル膨潤複合体について、その発光量を同様に測定した。その結果、イクオリンを吸水ゲルに浸透させた時に比べ、明らかに強い連続発光が観察された(表1)。これは、吸水ゲルの製造過程で吸水ゲル自身に不純物として含まれていた微量のカルシウムイオンが、吸水ゲルが膨潤する過程で吸水ゲルより放出され、これがイクオリンと反応して発光した可能性がある。イクオリン−吸水ゲル膨潤複合体の性状を表1に示した。イクオリン−吸水ゲル膨潤複合体は、吸水ゲルの分子サイズにより様々な性状を示す。したがって、吸水ゲルを適宜選択することで様々な使用目的に対応することが可能である。
【0025】
実施例6 イクオリン−吸水ゲル膨潤複合体の発光測定
次に、イクオリン−吸水ゲル膨潤複合体に過剰なカルシウムを添加することにより、イクオリンの発光特性である瞬間発光(Imax)を測定した。
具体的には、実施例5の方法で調製した0.1mlのイクオリン−吸水ゲル膨潤複合体を、調製時(0時間)の溶液と48時間室温(20から30℃)で放置した後の溶液に、0.3mlの50mM塩化カルシウム溶液(30 mM Tris−HCl、 pH7.6)を添加し、瞬間発光量(Imax)をアトー社製のルミノメーター モデルAB2200で測定した。その結果を表1に示した。明らかに、本来イクオリンの持つ瞬間発光のパターンを示し、その発光量も十分に保持していた。一方、コントロールとして用いた吸水ゲル未処理且つイクオリンの安定化剤である高濃度硫安の非存在下サンプルでは、イクオリンは著しく活性が低下していた。このことにより、吸水ゲル添加および凍結乾燥処理する方法は、安定化剤である高濃度(0.5M以上)硫安の存在下でイクオリンを溶液状態で保存する通常行われる方法と同様に、イクオリンの安定的保存方法として有効であることが明らかとなった。したがって、イクオリン−吸水ゲルの凍結乾燥物および膨潤複合体は、固体粉末による保存およびカルシウムによる瞬間発光のための固体素材としても提供できることが明らかとなった。
【0026】
実施例7 イクオリン−吸水ゲルの凍結乾燥物の長期保存試験
イクオリン−吸水ゲルの凍結乾燥物を、4℃および−80℃の各々の温度で保存した。これらを室温に戻した後、その一部を抜き出して実施例6に記載の方法によって測定し、その瞬間発光量から活性を算出した。その結果、4℃では保存開始から3ヶ月経過しても、−80℃では保存開始から6ヶ月経過しても、90%以上の活性保持が認められ、安定的長期保存可能であることを確認した。このことから、イクオリン−吸水ゲルの凍結乾燥物を、カルシウムイオンの存在下にイクオリンを連続発光させる固体素材としても提供できることが明らかとなった。
【0027】
実施例8 セルロース系吸水ゲル−粉末イクオリン混合物の調製と発光
イクオリン25mgを含む1.2M硫安3.5mlを凍結乾燥させて、黄色粉末状のイクオリンを得た。次いで、これを乳鉢で微細化させた後、セルフローTA25(商品名:チッソ社製)25gとよく混合させ、セルロース系吸水ゲル−粉末イクオリン混合物を調製した。セルロース系吸水ゲル−粉末イクオリン混合物を暗所にて、水道水の入った容器内に振り掛けたところ、イクオリンパウダー単独では30秒以内で発光が終わるのに対して、5分以上の十分な発光を肉眼で確認できた。すなわち、セルロース系吸水ゲル−粉末イクオリン混合物は、固体でありながらイクオリン−吸水ゲル膨潤複合体と同等な性能を有することを確認することができた。
【0028】
【発明の効果】
本発明の吸水性高分子ゲル組成物およびこれを含有する化粧料は、生物発光による長時間連続発光が可能である。また、生物発光を利用するものであるから、化学発光を利用するものに比べ、人体への影響は少なく安全である。
Claims (9)
- カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物。
- 請求項1記載のカルシウム結合型発光蛋白質がイクオリン、クライチン、オベリン、マイトロコミン、ミネオプシンおよびベルボインからなる群から選択される天然由来または組換え蛋白質である吸水性高分子ゲル組成物。
- 請求項1または2記載の吸水性高分子ゲル組成物に、カルシウムイオンを含む水を接触または浸透させることにより達成される連続発光方法。
- カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物を含有する化粧料。
- 請求項4記載のカルシウム結合型発光蛋白質がイクオリン、クライチン、オベリン、マイトロコミン、ミネオプシンおよびベルボインからなる群から選択される天然由来または組換え蛋白質である吸水性高分子ゲル組成物を含有する化粧料。
- 請求項4または5記載の化粧料に、カルシウムイオンを含む水を接触または浸透させることにより達成される連続発光方法。
- 吸水性高分子ゲル組成物にカルシウム結合型発光蛋白質を含む溶液を浸透させることで分散させた後に、凍結乾燥させることを特徴とする、カルシウム結合型発光蛋白質の保存方法。
- カルシウム結合型発光蛋白質が分散している吸水性高分子ゲル組成物の凍結乾燥物。
- 請求項8記載のカルシウム結合型発光蛋白質がイクオリン、クライチン、オベリン、マイトロコミン、ミネオプシンおよびベルボインからなる群から選択される天然由来または組換え蛋白質である凍結乾燥物。
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