JP2004155846A - アクリル系重合体の精製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遷移金属錯体を重合触媒とするビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合により製造されるビニル系重合体の精製方法であって、重合体溶液中に含まれる遷移金属錯体、合成ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、及びカリウム塩からなる群より選択される1種または2種以上の成分を、濾過助剤の存在下または不存在下において、濾過により除去することを特徴とするビニル系重合体の精製方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はビニル系重合体の精製方法に関するもので、更に詳しくは原子移動ラジカル重合触媒である遷移金属錯体、及び遷移金属錯体の吸着に使用した吸着剤を重合体から濾過除去することによる精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒドロシリル化反応は官能基変換や、架橋反応等に利用され、工業的に非常に有用な反応の一つである。例えば、分子鎖の末端に官能基としてアルケニル基を有する重合体はヒドロシリル基含有化合物を硬化剤として用いることにより、架橋硬化し、耐熱性、耐久性等の優れた硬化物を与えること、また、末端にアルケニル基を有する重合体に架橋性シリル基を有するヒドロシリル基含有化合物を反応させることにより、架橋性シリル基を末端に有する重合体が製造されることが知られている。これらのヒドロシリル化反応は加熱することにより進行するが、反応をより迅速に進めるために、ヒドロシリル化触媒が添加される。このようなヒドロシリル化触媒としては、有機過酸化物やアゾ化合物等のラジカル開始剤、および遷移金属触媒が挙げられる。特に、遷移金属触媒を用いると微量の触媒でヒドロシリル化を迅速に進めることができることが知られている。
【0003】
一方、重合体の精密合成法としてリビング重合法が一般的に知られている。リビング重合により、分子量、分子量分布のコントロールが可能であるというだけでなく、末端構造が制御された重合体が得られる。従って、リビング重合は重合体末端に官能基を導入する有効な方法の一つとして挙げられる。最近、ラジカル重合においても、リビング重合が可能な重合系が見いだされ、リビングラジカル重合の研究が活発に行われている。特に原子移動ラジカル重合を利用することにより分子量分布の狭いビニル系重合体が得られる。原子移動ラジカル重合の例として有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、周期律表第8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体を触媒とする重合系が挙げられる。(例えば、Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614,Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866、あるいはSawamotoら、Macromolecules 1995,28,1721を参照)。
【0004】
原子移動ラジカル重合で製造されるビニル系重合体中には重合触媒である遷移金属錯体が残存するため、重合体の着色、物性面への影響および環境安全性等の問題が生ずる。例えば、原子移動ラジカル重合法を利用して製造された末端にアルケニル基を有するビニル系重合体においては、残存する重合触媒等がヒドロシリル化反応の触媒毒として働くためヒドロシリル化反応が阻害され、ヒドロシリル化反応を進行させるためには高価な遷移金属触媒を多量に用いる必要があるという問題が生じた。
【0005】
これらの問題を解決する手段として、原子移動ラジカル重合で得られるビニル系重合体を吸着剤に接触させ精製することが報告されている(特開平11−193307)。しかしながらヒドロシリル化反応の触媒毒を除去する為には、この際使用した吸着剤、ならびに残存する遷移金属錯体を重合体溶液から極めて低い残存量まで除去する必要がある。
【0006】
これら吸着剤、遷移金属錯体を除去する方法として、高い遠心力を有する遠心分離機が用いられている。しかしながら高粘性を有する重合体溶液から微小な無機粉末を除去する場合、粒子径によっては分離が不十分な場合もあり、結果として必要なヒドロシリル化活性が得られないこともある。また、分離した固形物の排出時に多量の軽液をロスするという問題点も挙げられる。
【0007】
先行文献に、リビングラジカル重合により得られた重合体溶液から遷移金属とその配位子を除去するにあたり、遠心分離機で除去する方法が記載されている(例えば特許文献1参照)。濾過は濾紙の目詰まりが起きて供給圧力が大きくなる場合が多く大量の処理に適さないことが記載されており、実用化技術レベルでの検討は行われていない。また、リビングラジカル重合で得られた重合体を精製するときに使用した吸着剤を濾過で除去することが記載されているものもある(例えば特許文献2参照)。しかしながら濾過装置、濾過助剤の使用に関する記載はなく、上記同様に実用化技術レベルでの検討は行われていない。
【0008】
濾過助剤を添加することの目的、効果に関しては一般に広く知られており、濾過抵抗の低減、濾材の目詰まりの防止、または高清澄度の液を得ることが記載されている(例えば非特許文献1参照)。また、濾過助剤添加方式としてプリコート方式、ボディーフィード方式についても記載されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平14−080513号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2001−323012号公報
【0011】
【非特許文献1】
化学工学便覧の濾過・圧搾の項
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
これら原子移動ラジカル重合で製造されるビニル系重合体のヒドロシリル化反応活性を維持する為には、重合体の精製に使用した吸着剤を重合体溶液から極めて低い残存量まで除去する必要があり、吸着剤のビニル系重合体からの経済的かつ効率的な分離方法の確立が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、原子移動ラジカル重合で製造されたビニル系重合体に関し、遷移金属錯体及び吸着剤の除去による重合体の精製方法について鋭意検討した結果、本発明を完成した。
【0014】
すなわち本発明は、遷移金属錯体を重合触媒とするビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合により製造されるビニル系重合体の精製方法であって、重合体溶液中に含まれる固形分を、濾過助剤の存在下で濾過することにより除去することを特徴とするビニル系重合体の精製方法である(請求項1)。本発明において、固形分が、遷移金属錯体、合成ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、及びカリウム塩からなる群より選択される1種または2種以上のものであることが好ましい(請求項2)。
また本発明において、濾過助剤として珪藻土を用いることが好ましい(請求項3)。また本発明において、濾過助剤を重合体100重量部に対し1〜10重量部添加することが好ましい(請求項4)。また本発明において、濾過助剤の平均粒子径が10〜100μmであることが好ましい(請求項5)。
また本発明において、濾過助剤を重合体溶液のスラリーに均一混合した後、濾過することが好ましい(請求項6)。また本発明において、濾過助剤を有機溶媒に分散した後、この分散液を濾過して濾材表面にプリコート層を形成した後、プリコート層を通して濾過することが好ましい(請求項7)。有機溶媒としてはトルエン及び/又はメチルシクロヘキサンが好ましい(請求項8)。
また本発明において、濾過装置としてフィルタープレスを用いることが好ましい(請求項9)。
また本発明は、上記精製方法を使用することを特徴とするビニル系重合体の製造方法に関するものである(請求項10)。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、遷移金属錯体を重合触媒とするビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合を利用して製造されるビニル系重合体の精製方法であって、重合体溶液中に含まれる遷移金属錯体、合成ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、及び酸化マグネシウムからなる群より選択される1種または2種以上の成分を濾過により除去することを特徴とするビニル系重合体の精製方法である。しかし、精製されるビニル系重合体は原子移動ラジカル重合を利用して製造されるものに限定されず、その他の製造方法により得られるビニル系重合体であってもよい。
【0016】
まず始めに原子移動ラジカル重合について述べる。本発明における原子移動ラジカル重合とは、リビングラジカル重合の一つであり、有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属を中心金属とする金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合する方法である。
【0017】
この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。
【0018】
有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤としてビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合を行うことにより、一般式(1)に示す末端構造を有するビニル系重合体が得られる。
−C(R1)(R2)(X) (1)
(式中、R1及びR2はビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基を示す。Xは塩素、臭素又はヨウ素を示す。)
原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基とともに重合を開始しない特定の反応性官能基を併せ持つ有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。このような場合、一方の主鎖末端に特定の反応性官能基を、他方の主鎖末端に一般式(1)に示す末端構造を有するビニル系重合体が得られる。このような特定の反応性官能基としては、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。これらの反応性官能基の反応性を利用して一段階又は数段階の反応を経ることによりビニル系重合体に他の適当な官能基を導入することができる。
【0019】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては限定されず、例えば、一般式(2)に示す構造を有するものが例示される。
R6R7C(X)−R8−R9−C(R5)=CH2 (2)
(式中、R5は水素、またはメチル基、R6、R7は水素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリール基、またはアラルキル、または他端において相互に連結したもの、R8は、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、R9は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
置換基R6、R7の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R6とR7は他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
【0020】
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に限定されず、例えば一般式(3)に示す構造を有するものが例示される。
R6R7C(X)−R8−R9−C(H)(R5)CH2−[Si(R11)2−b(Y)bO]m−Si(R12)3−a(Y)a (3)
(式中、R5、R6、R7、R8、R9、Xは上記に同じ、R11、R12は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R11またはR12が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする)
上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記一般式(4)のようなものが例示される。
【0021】
HO−(CH2)n−OC(O)C(H)(R)(X) (4)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)上記アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記一般式(5)のようなものが例示される。
H2N−(CH2)n−OC(O)C(H)(R)(X) (5)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
反応性官能基を1分子内に2つ以上有する重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いるのが好ましい。
【0022】
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体である。更に好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル若しくはその誘導体、1,10−フェナントロリン若しくはその誘導体、又はテトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン若しくはヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等が配位子として添加される。
【0023】
この重合において用いられるビニル系モノマーとしては特に制約はなく、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーが好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーであり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーであり、更に好ましくは、アクリル酸ブチルである。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
【0024】
重合反応は、無溶媒でも可能であるが、各種の溶媒中で行うこともできる。溶媒の種類としては特に限定されず、例えば、ベンジエン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンジエン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンジエン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらは、単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
限定はされないが、重合は0〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは、室温〜150℃の範囲である。
【0026】
次に本発明におけるビニル系重合体について記述する。
【0027】
ビニル系重合体は特に限定されないが、好ましくはビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合により製造されるものである。このようなビニル系モノマーとしては特に限定されず、既に例示されたものを用いることができる。これらのビニル系モノマーは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーが好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーであり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーであり、更に好ましくは、アクリル酸ブチルである。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。
【0028】
ビニル系重合体の分子量分布、すなわちゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比は特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.3以下である。
【0029】
ビニル系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、500〜1,000,000の範囲が好ましく、1000〜100,000がさらに好ましい。分子量が低くなりすぎるとビニル系重合体の本来の特性が発現されにくく、また逆に高くなりすぎると取扱いが困難になる。
【0030】
ビニル系重合体は分子内に反応性官能基を有していてもよい。分子内に反応性官能基を有する場合には側鎖又は分子鎖末端のいずれに存在していてもよい。反応性官能基としては特に限定されないが、例えばアルケニル基、水酸基、アミノ基、架橋性シリル基、重合性炭素−炭素二重結合基等が挙げられる。
【0031】
次にアルケニル基を有するビニル系重合体について述べる。アルケニル基を有するビニル系重合体はヒドロシリル化反応性組成物の成分として用いることができる。例えば、分子内に少なくとも一つアルケニル基を有するビニル系重合体はヒドロシリル基含有化合物を硬化剤として用いてヒドロシリル化反応を行うことにより架橋し、硬化物を与える。また、分子内に少なくとも一つアルケニル基を有するビニル系重合体に架橋性官能基を有するヒドロシラン化合物をヒドロシリル化反応させることにより、架橋性官能基を有するビニル系重合体が得られる。
アルケニル基を有するビニル系重合体は原子移動ラジカル重合を利用して製造される。
【0032】
本発明におけるアルケニル基は限定はされないが、一般式(6)で表されるものであることが好ましい。
H2C=C(R13)− (6)
(式中、R13は水素又は炭素数1〜20の有機基を示す。)
一般式(6)において、R13は水素又は炭素数1〜20の有機基である。炭素数1〜20の有機基としては特に限定されないが、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。
【0033】
アルケニル基はビニル系重合体の分子内に存在すればよいが、本発明の硬化性組成物の硬化物にゴム的な性質が特に要求される場合には、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、アルケニル基の少なくとも1個は分子鎖の末端にあることが好ましい。より好ましくは、全てのアルケニル基が分子鎖末端に有するものである。
【0034】
アルケニル基の数は特に限定されないが、より架橋性の高い硬化物を得るためには、平均して1個以上、好ましくは1.2個以上、より好ましくは1.5個以上である。
【0035】
アルケニル基を有するビニル系重合体の製造方法としては、ジエン系化合物添加法が好適に用いられる。ジエン系化合物添加法は、ビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合により得られるビニル系重合体に重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個有する化合物(以下、「ジエン系化合物」という。)を反応させることを特徴とする。
【0036】
ジエン系化合物の少なくとも2つのアルケニル基は互いに同一又は異なっていてもよい。アルケニル基としては末端アルケニル基[CH2=C(R)−R’;Rは水素又は炭素数1〜20の有機基、R’は炭素数1〜20の有機基であり、RとR’は互いに結合して環状構造を有していてもよい。]又は内部アルケニル基[R’−C(R)=C(R)−R’;Rは水素又は炭素数1〜20の有機基、R’は炭素数1〜20の有機基であり、二つのR(若しくは二つのR’)は互いに同一であってもよく異なっていてもよい。二つのRと二つのR’の二つの置換基のうちいずれか二つが互いに結合して環状構造を有していてもよい。]のいずれでもよいが、末端アルケニル基がより好ましい。Rは水素又は炭素数1〜20の有機基であるが、炭素数1〜20の有機基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。
これらの中でもRとしては水素又はメチル基が特に好ましい。
【0037】
また、ジエン系化合物のアルケニル基のうち、少なくとも2つのアルケニル基が共役していてもよい。
【0038】
ジエン系化合物の具体例としては例えば、イソプレン、ピペリレン、ブタジエン、ミルセン、1、5−ヘキサジエン、1、7−オクタジエン、1、9−デカジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセン等が挙げられるが、1、5−ヘキサジエン、1、7−オクタジエン、1、9−デカジエンが好ましい。
【0039】
ジエン系化合物の添加量は、ジエン系化合物のアルケニル基のラジカル反応性によって調節する必要がある。2つのアルケニル基の反応性に大きな差があるときには重合成長末端に対してジエン系化合物は当量又は小過剰量程度でもよいが、2つのアルケニル基の反応性が等しい又はあまり差がないときには2つのアルケニル基の両方が反応し、重合末端同士がカップリングするので、ジエン系化合物の添加量は重合体生長末端に対して過剰量であることが好ましく、好ましくは1.5倍以上、さらに好ましくは3倍以上、特に好ましくは5倍以上である。
【0040】
次にビニル系重合体の精製方法について述べる。上記の方法により得られたビニル系重合体は、重合溶媒、残存モノマー、残存ジエン系化合物、遷移金属錯体の混合物であり、これらを重合体から除去する必要がある。その中で重合溶媒、残存モノマー、残存ジエン系化合物は沸点の差はあるものの基本的に揮発性の液体であり、通常の各種蒸発操作において重合体からの分離が可能である。
【0041】
一方、重合触媒である遷移金属錯体及び遷移金属は重合体との相溶性が高く、そのまま固液分離操作を実施しても重合体に多量の遷移金属が溶解しており、これが重合体の品質に悪影響を与える場合が多い。
【0042】
本発明ではこれらの重合体に、合成ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウムのような無機系吸着剤や無機粉末を添加し遷移金属錯体の精製を行ない、引き続き濾過により重合体溶液から吸着剤の分離除去を行う。
【0043】
本発明で用いる吸着剤について説明する。本発明ではビニル系重合体溶液に、合成ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウムのような無機系吸着剤や無機粉末を添加することにより、ビニル系重合体溶液中の遷移金属錯体量を低減させることが可能である。無機系吸着剤や無機粉末は、不溶化した遷移金属錯体の凝集核として作用するだけでなく、物理的、化学的な吸着作用が期待できる。無機系吸着剤の代表的なものとして、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素等を主成分とする単独もしくはこれらを組み合わせたものがある。例えば二酸化珪素;酸化マグネシウム;シリカゲル;シリカ・アルミナ、アルミニウムシリケート;活性アルミナ;酸性白土、活性白土等の粘土系吸着剤;珪酸アルミニウムナトリウム等の含水アルミノ珪酸塩鉱物群で総称されるゼオライト系吸着剤;ドーソナイト類化合物;ハイドロタルサイト類化合物が例示される。
【0044】
アルミニウムシリケートとはケイ酸のケイ素の一部がアルミニウムに置換されたもので、軽石、フライアッシュ、カオリン、ベントナイト、活性白土、珪藻土等が知られている。この中でも、合成のアルミニウムシリケートは比表面積も大きく吸着能力が高い。合成アルミニウムシリケートとしてはキョーワード700シリーズ(協和化学製)などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0045】
ハイドロタルサイト類化合物は2価の金属(Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+等)と3価の金属(Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+等)の含水水酸化物又は前記水酸化物の水酸基の一部をハロゲンイオン,NO3 −,CO3 2−,SO4 2−,Fe(CN)6 3−,CH3CO2 −,シュウ酸イオン、サリチル酸イオン等の陰イオンに交換したものである。これらのうち2価の金属がMg2+、3価の金属がAl3+であって水酸基の一部をCO3 2−に交換したハイドロタルサイトものが好ましく、例えば合成品としてはキョーワード500シリーズ、キョーワード1000シリーズ(いずれも協和化学(株)製)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、上記ハイドロタルサイト類を焼成して得られる吸着剤も好適に使用される。そのなかでも2価の金属がMg2+、3価の金属がAl3+であるハイドロタルサイト類を焼成して得られるMgO−AlO3系固溶体が好ましく、例えばキョーワード2000(協和化学(株)製)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。本発明においてはハイドロタルサイト類の焼成品についてもハイドロタルサイト類として分類する。以上に例示した吸着剤は単体で用いても、また複数を混合して用いてもよい。
【0046】
精製に使用した吸着剤及び遷移金属錯体は引き続き重合体から除去する必要がある。これらの分離において具体的な固液分離の方式は特に制限されず遠心分離、自然沈降分離または濾過方式など種々の分離形式を適用可能であるが、本発明においては濾過方式を用いる。
【0047】
本発明の濾過方式としては、バッチ方式としてフィルタープレス、加圧ヌッチェ、加圧葉状濾過機、連続方式としてドラムフィルター等を用いることができる。その中でも分離されたケーキの洗浄、回収が容易なものとしてフィルタープレスが好ましい。
【0048】
高粘性の重合体溶液を濾過するに当たって、濾過を容易にする為に希釈溶剤を添加する事が出来る。本発明で使用する希釈溶剤を以下に例示するが、これらの溶媒に限定されるものではなく、1種または2種以上を混合して用いても良い。希釈溶媒を例示すると、脂肪族炭化水素として、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、芳香族炭化水素としてトルエン、キシレンなどが挙げられる。これらの溶媒は、重合体が溶解する範囲内では単独で用いても混合して用いても良い。
【0049】
溶媒の使用量は、通常、ビニル系重合体100重量部に対して10から1000重量部であるが、より好ましくは50〜500重量部である。10重量部未満では液粘性低下の効果が低く、逆に1000重量部以上では処理液量の増大に伴い濾過設備が大型化すること、また溶剤回収コストを考えると実際の製造プロセスとしては現実性が低くなる。
【0050】
重合体を溶媒に溶解させる装置としては特に制限はなく、例えばバッチ式では汎用の撹拌槽を、連続式ではラインミキサー等を用いることができる。
【0051】
また、液粘性を低下させる手段として処理温度を適宜調整することが可能である。濾過温度としては重合体が溶解する範囲内で適宜選択可能であるが、0〜200℃が好ましい。特に溶剤添加系で濾過を行う場合、必要以上に高温での処理を行うと濾過設備として大掛かりな耐圧を要求されるため現実的ではない。
【0052】
その他、濾過圧力の調整も有効であり、0.01MPaG〜1MPaGの範囲が好ましい。
【0053】
本発明では、濾過性を高めるために珪藻土に代表される濾過助剤を添加することができる。ここでの濾過性とは回収される濾液の清澄性、及び単位時間あたりに回収される濾液量、すなわち濾過速度を指す。
【0054】
微小な固形分を対象とした濾過の場合、汎用の濾紙あるいは樹脂繊維から構成される濾布を用いた場合、目詰まりによる処理能力の低下が発生しやすいことは良く知られた事実である。逆に目詰まり防止のため濾布孔径を大きくとると、粒子の捕捉性が低下し、濾過本来の性能を得られなくなる。
【0055】
濾過助剤はその粒子径、添加量を濾過対象により選択することで、上記の濾過速度の維持と粒子の捕捉性を両立させることが可能である。
【0056】
本発明においては、濾過助剤として珪藻土を好適に用いることができる。粒子の捕捉性と濾過速度の両立の観点から、濾過助剤としては平均粒子径10〜100μm程度のものが好ましい。
【0057】
濾過助剤の添加方式としては濾過原液に混合しておく場合、濾材表面にプリコートしておく場合、あるいはこれらを併用するケースが考えられる。特に濾布の耐久性を高める観点では、少量の濾過助剤をプリコートすることが好ましい。
【0058】
濾材表面に濾過助剤をプリコートする場合、あらかじめ濾過助剤を重合体溶液の希釈溶媒で分散しておき、その分散液を濾過することでプリコートが可能である。
【0059】
濾過助剤の添加量は濾過対象の固形物の量、液粘性などに応じ適宜選択が可能である。本発明の例では通常、重合体100重量部に対し、1〜10重量部が好ましく用いられる。10重量部を超えた範囲で濾過助剤を添加した場合、液の清澄度は変わらなくとも濾過速度が低下することもある。また、除去対象の固形分の重量に対しては、0.05〜1倍量の濾過助剤が好ましく用いられる。
【0060】
一方、プリコート濾過の場合は濾過単位面積当たりの濾過助剤量で規定することができ、通常、濾過面1m2当たり0.05〜5kgが好ましく用いられる。
0.05kg/m2以下ではプリコート層が極めて薄いため、粒子の補足性が低下する。加えて微小な粒子の濾材内部への進入が進むため、濾材の耐久性の観点からも適量ではない。逆にプリコート量が5kg/m2以上では粒子の補足性は向上するものの、プリコート層が大きな抵抗となり、濾過速度の低下を招きやすくなる。
【0061】
以上の操作を実施することにより、ビニル系重合体溶液中の遷移金属錯体及び吸着剤を極めて低い含有量まで除去することが可能になり、ビニル系重合体の精製が達成される。濾過後の清澄液は、添加した溶媒を蒸発するだけで精製されたビニル系重合体を得ることができる。
【0062】
【実施例】
以下に具体的な実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(濾過試験1) ADVANTEC製フィルタープレス120S−SL(濾過面積0.01m2/面、フレーム厚25mm、ケーキ保有量0.25L/段、ステンレス製)を用い加圧濾過テストを実施した。濾紙はADVANTEC製NA−100を用いた。濾過試験1の概略を図1に示す。
(濾過試験2) φ60mmの桐山漏斗に4μmの濾紙を取り付け、吸引瓶により減圧濾過を実施した。得られた濾液の清澄性、重合体の硬化試験を実施した。
(銅、マグネシウム、アルミニウム量測定)重合体に超高純度硝酸、超高純度硫酸を混合し、マイクロウェーブ分解した。ICP質量分析装置(横河アナリティカルシステムズ(株)製HP−4500)を用いて分解物中の残存銅量を定量し、重合体中に残存する銅量を測定した。
(硬化試験) 重合体と、分子中に平均5個のヒドロシリル基と平均5個のα−メチルスチレン基(なお、本発明におけるα−メチルスチレン基とはα−メチルスチレンのヒドロシリル化反応により形成されるケイ素上の置換基をいう)を含有する鎖状シロキサン(Si−H価:3.70mmol/g)および0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金濃度1.3×10−5mmol/μl)とを室温にて手混ぜし、組成物を得た。なお、鎖状シロキサンの使用量はアルケニル基とヒドロシリル基がモル比で1/1.5となる量、白金触媒当量はアルケニル基に対するモル比とした。
組成物の一部を130℃のホットプレート上にて空気雰囲気下でかき混ぜながら加熱し、ゲル化時間を測定した。
(製造例1) 攪拌機、ジャケット付きの250L反応機にCuBr(1.29kg)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル(11.61kg)を加え、ジャケットに温水を通水し80℃で30分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(38.50kg)、アクリル酸エチル(55.33kg)、アクリル酸メトキシエチル(45.35kg)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(3.61kg)を加え、さらに80℃で25分間撹拌した。これにトリアミンを加え、反応を開始した。反応途中トリアミンを適宜添加し、反応開始から6時間後1,7−オクタジエン(33.10kg)、トリアミンを添加して6時間撹拌を続け、重合体溶液[1]を得た。
【0063】
重合体溶液の一部を少量サンプリングし、重合体溶液に対して体積比で3倍のトルエンを加えて希釈して固形分を濾別することにより、アルケニル基末端重合体(重合体[1’])を含む溶液を得た。重合体[1’]はGPC測定(ポリスチレン換算)により数平均分子量は16962、分子量分布は1.15であり、重合体1分子当たりに導入された平均のアルケニル基の数を1H NMR分析により求めたところ、1.60個であった。
(製造例2) 製造例1で得られた重合体溶液を100℃、真空条件下で溶剤を除去した。溶剤を除去した重合体130kgにトルエン130kgを添加した後、この溶液をデラバル型遠心分離機(12800G、滞留時間2分)により固体の銅触媒を除去した。銅触媒の除去後の溶液に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)2.60kg、キョーワード700SL(協和化学製)2.60kgを加え、120℃の温度条件下4時間加熱を行った。
(製造例3) 製造例2で得られた溶液をデラバル型遠心分離機(12800G、滞留時間2分)により吸着剤を除去した。吸着剤除去後の溶液を100℃、真空条件下で溶剤を除去した。溶剤を除去した重合体100kgにN,N−ジメチルアセトアミド100kg、酢酸カリウム2.60kgを添加し、100℃で8時間加熱した。引き続き溶液を100℃、真空条件下で溶剤を除去し臭素基を含まない重合体を得た。
【0064】
この重合体100kgに吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)5.00kg、キョーワード700SL(協和化学製)5.00kgを加え、130℃の温度条件下5時間加熱を行った。
(製造例4) 攪拌機、ジャケット付きの250L反応機にCuBr(1.29kg)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル(11.61kg)を加え、ジャケットに温水を通水し80℃で30分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(38.50kg)、アクリル酸エチル(55.33kg)、アクリル酸メトキシエチル(45.35kg)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(3.61kg)を加え、さらに80℃で25分間撹拌した。これにトリアミンを加え、反応を開始した。反応途中トリアミンを適宜添加し、反応開始から6時間後1,7−オクタジエン(33.10kg)、トリアミンを添加して6時間撹拌を続け、重合体溶液[2]を得た。
【0065】
重合体溶液の一部を少量サンプリングし、重合体溶液に対して体積比で3倍のトルエンを加えて希釈して固形分を濾別することにより、アルケニル基末端重合体(重合体[2’])を含む溶液を得た。重合体[2’]はGPC測定(ポリスチレン換算)により数平均分子量は17475、分子量分布は1.14であり、重合体1分子当たりに導入された平均のアルケニル基の数を1H NMR分析により求めたところ、1.66個であった。
(製造例5) 製造例4で得られた重合体溶液を100℃、真空条件下で溶剤を除去した。溶剤を除去した重合体130kgにトルエン130kgを添加した後、この溶液をデラバル型遠心分離機(12800G、滞留時間2分)により固体の銅触媒を除去した。銅触媒の除去後の溶液に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)2.60kg、キョーワード700SL(協和化学製)2.60kgを加え、120℃の温度条件下4時間加熱を行った。
(製造例6) 製造例5で得られた溶液をデラバル型遠心分離機(12800G、滞留時間2分)により吸着剤を除去した。吸着剤除去後の溶液を170℃、真空条件下で12時間溶剤を除去した。溶剤を除去した重合体100kgにトルエン100kg、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学製)3.00kg、キョーワード700SL(協和化学製)3.00kgを加え、130℃の温度条件下5時間加熱を行った。
(実施例1) 製造例2で得られた重合体溶液と吸着剤の混合物3kg内容量約20Lの攪拌機付加圧タンクに仕込み、約15分間攪拌を行った。引き続き加圧タンクを窒素により約0.1MPaGに加圧し、(濾過試験1)に記載のフィルタープレスで加圧濾過を行った。得られた濾液を100℃の条件下1時間真空脱揮して重合体を単離した。この重合体を用いて前記硬化試験を実施したところ、白金触媒をアルケニル基に対し0.01当量添加した結果、30秒で硬化した。
(比較例1) 製造例2で得られた重合体溶液と吸着剤の混合物をデラバル型遠心分離機(12800G、滞留時間2分)により吸着剤を除去した。得られた軽液を100℃の条件下1時間真空脱揮して重合体を単離した。この重合体を用いて前記硬化試験を実施したところ、白金触媒をアルケニル基に対し0.01当量添加した結果、52秒で硬化した。
実施例1と比較例1より濾過により得られた重合体のほうが硬化試験が良好なことがわかる。
(実施例2) 製造例3で得られた重合体と吸着剤の混合物1kgに対し、トルエン2kgを添加して希釈を行った。この溶液を内容量約20Lの攪拌機付加圧タンクに仕込み、約15分間攪拌を行った。引き続き加圧タンクを窒素により約0.1MPaGに加圧し、フィルタープレスで加圧濾過を行った。濾過開始からの経過時間と回収された濾液量を測定した。次に得られた濾液を100℃の条件下1時間真空脱揮して重合体を単離した。この重合体を用いて前記硬化試験を実施したところ、白金触媒をアルケニル基に対し0.003当量添加した結果、30秒で硬化した。
(比較例2) 製造例3で得られた重合体と吸着剤の混合物70kgに対し、トルエン140kgを添加して希釈を行った。この溶液をデラバル型遠心分離機(12800G、滞留時間2分)により吸着剤を除去した。得られた軽液を100℃の条件下1時間真空脱揮して重合体を単離した。この重合体を用いて前記硬化試験を実施したところ、白金触媒をアルケニル基に対し0.007当量添加した結果、30秒で硬化した。また、重合体は濁りが激しかった。
【0066】
実施例2と比較例2より、濾過による固液分離を実施した結果、デラバル型遠心分離機より硬化試験結果が良好なことがわかる。
(実施例3) 製造例3で得られた重合体と吸着剤の混合物1kgに対し、トルエン2kgを添加して希釈を行った。この溶液を内容量約20Lの攪拌機付加圧タンクに仕込み、濾過助剤として昭和化学工業製ラヂオライト#300(平均粒子径15.1μm)を重合体100重量部に対し5重量部(吸着剤及び酢酸カリウムの合計に対し重量比で0.40倍)、すなわち5g添加し、約15分間攪拌を行った。
【0067】
引き続き加圧タンクを窒素により約0.1MPaGに加圧し、フィルタープレスで加圧濾過を行った。濾過開始からの経過時間と回収された濾液量を測定した。
(実施例4) 濾過助剤として昭和化学工業製ラヂオライト#300を重合体と吸着剤の混合物100重量部に対し10重量部(吸着剤及び酢酸カリウムの合計に対し重量比で0.79倍)用いた以外は実施例3と同様の実験を行った。
(実施例5) 濾過助剤として昭和化学工業製ラヂオライト#300を重合体と吸着剤の混合物100重量部に対し15重量部(吸着剤及び酢酸カリウムの合計に対し重量比で1.19倍)用いた以外は実施例3と同様の実験を行った。
(実施例6) 濾過助剤として昭和化学工業製ラヂオライト#800S(平均粒子径43.6μm)を重合体と吸着剤の混合物100重量部に対し5重量部(吸着剤及び酢酸カリウムの合計に対し重量比で0.40倍)用いた以外は実施例3と同様の実験を行った。
(実施例7) 濾過助剤として昭和化学工業製ラヂオライト#800Sを重合体と吸着剤の混合物100重量部に対し10重量部(吸着剤及び酢酸カリウムの合計に対し重量比で0.79倍)用いた以外は実施例3と同様の実験を行った。
【0068】
実施例2〜7の濾過時間と回収された濾液量の結果を表1及び図2にまとめる。濾過助剤の添加により濾過速度が向上していることが分かる。ただし、濾過助剤を15部添加した系では、逆に濾過速度の低下も認められる。
【0069】
【表1】
(実施例8) 製造例3で得られた重合体と吸着剤の混合物100gに対し、トルエン200gを添加して希釈を行った。この溶液に昭和化学工業製ラヂオライト#300、同#700(平均粒子径23.4μm)を各1g(重合体に対し各1重量部、吸着剤及び酢酸カリウムの合計に対し重量比で各0.08倍)添加してよく混合した。
【0070】
内径60mmの桐山漏斗に4μmの濾紙を引き、吸引瓶により濾過を行った。
濾液が濁っていたため、更に濾液を漏斗に流し込み濾過を行った。得られた濾液を100℃の条件下1時間真空脱揮して重合体を単離した。この重合体を用いて前記硬化試験を実施したところ、白金触媒をアルケニル基に対し0.0025当量添加した結果、30秒で硬化した。
(実施例9) ラヂオライト#300を3g(重合体に対し3重量部、吸着剤及び酢酸カリウムの合計に対し重量比で0.24倍)添加した以外は実施例8と同様の実験を行った。この重合体を用いて前記硬化試験を実施したところ、白金触媒をアルケニル基に対し0.0025当量添加した結果、27秒で硬化した。
(実施例10) ラヂオライト#300を10g(重合体に対し10重量部、吸着剤及び酢酸カリウムの合計に対し重量比で0.79倍)添加した以外は実施例8と同様の実験を行った。この重合体を用いて前記硬化試験を実施したところ、白金触媒をアルケニル基に対し0.0009当量添加した結果、32秒で硬化した。
(実施例11) 製造例3で得られた重合体と吸着剤の混合物100gに対し、トルエン200gを添加して希釈を行った。これとは別に昭和化学工業製ラヂオライト#300を20gとトルエン100gを良く混合した液を準備した。
【0071】
内径60mmの桐山漏斗に4μmの濾紙を引き、吸引瓶によりラヂオライト#300とトルエンの混合液の濾過を行った。約8mm厚さのケーキ層が形成された後、引き続き重合体溶液の濾過を行った。濾液は初期から清澄であった。得られた濾液を100℃の条件下1時間真空脱揮して重合体を単離した。この重合体を用いて前記硬化試験を実施したところ、白金触媒をアルケニル基に対し0.0004当量添加した結果、20秒で硬化した。
(実施例12) 濾過助剤を使用せずに実施例8と同様の実験を行った。この重合体を用いて前記硬化試験を実施したところ、白金触媒をアルケニル基に対し0.003当量添加した結果、30秒で硬化した。
【0072】
実施例8〜12の結果を表2にまとめる。濾過助剤の添加により少量の白金触媒で硬化が達成しており、固液分離が向上したことがわかる。さらにプリコート方式での濾過性能が良好なことがわかる。
【0073】
【表2】
(実施例13) 製造例6で得られた重合体溶液と吸着剤の混合物3kgを内容量約20Lの攪拌機付加圧タンクに仕込み、濾過助剤として昭和化学工業製ラヂオライト#300を重合体100重量部に対し6重量部(吸着剤及び酢酸カリウムの合計に対し重量比で1.0倍)、すなわち90g添加し、約15分間攪拌を行った。
【0074】
引き続き加圧タンクを窒素により約0.1MPaGに加圧し、フィルタープレスで加圧濾過を行った。回収された濾液を100℃、1h真空脱揮し重合体を得た。重合体に含まれる金属成分を分析した結果、Mgは2.5重量ppm以下、Alは5重量ppm以下であった。
(実施例14) 濾過助剤を添加せずに実施例10と同様の実験を行った。重合体に含まれる金属成分を分析した結果、Mgは3.3重量ppm、Alは5重量ppm以下であった。
(比較例3) 製造例6で得られた重合体溶液をデラバル型遠心分離機(12800G、滞留時間2分)により吸着剤を除去した。得られた軽液を100℃の条件下1時間真空脱揮して重合体を単離した。重合体に含まれる金属成分を分析した結果、Mgは7重量ppm、Alは11重量ppmであった。
【0075】
実施例13,14及び比較例3より、濾過のほうが吸着剤に由来する金属成分を除去する能力が優れていることが分かる。
【0076】
【表3】
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、原子移動ラジカル重合により製造されたビニル系重合体に含まれる遷移金属錯体及び吸着剤成分を効率良く除去し精製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固形分を含有した重合体溶液を濾過する装置である。
【図2】濾過助剤条件を変えたときの濾過速度の比較である。
【符号の説明】
1 濾枠
2 濾板
3 濾紙
4 20L攪拌機付加圧タンク
5 加圧用窒素
6 原液スラリー
7 濾液
Claims (10)
- 遷移金属錯体を重合触媒とするビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合により製造されるビニル系重合体の精製方法であって、重合体溶液中に含まれる固形分を、濾過助剤の存在下で濾過することにより除去することを特徴とするビニル系重合体の精製方法。
- 固形分が、遷移金属錯体、合成ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、及びカリウム塩からなる群より選択される1種または2種以上のものである請求項1記載のビニル系重合体の精製方法。
- 濾過助剤として珪藻土を用いる請求項1又は2記載のビニル系重合体の精製方法。
- 濾過助剤を重合体100重量部に対し1〜10重量部添加する請求項1〜3いずれか記載のビニル系重合体の精製方法。
- 濾過助剤の平均粒子径が10〜100μmである請求項1〜4いずれか記載のビニル系重合体の精製方法。
- 濾過助剤を重合体溶液のスラリーに均一混合した後、濾過することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のビニル系重合体の精製方法。
- 濾過助剤を有機溶媒に分散した後、この分散液を濾過して濾材表面にプリコート層を形成した後、プリコート層を通して濾過することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のビニル系重合体の精製方法。
- 有機溶媒がトルエン及び/又はメチルシクロヘキサンである請求項7記載のビニル系重合体の精製方法。
- 濾過装置としてフィルタープレスを用いる請求項1〜8いずれか記載のビニル系重合体の精製方法。
- 請求項1〜9の精製方法を使用することを特徴とするビニル系重合体の製造方法。
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