JP2004155777A - C型慢性肝炎治療剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイト(ミゾリビン) 、あるいは4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを有効成分として併用することを特徴とするC型慢性肝炎治療剤であり、さらに具体的には、ミゾリビンの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であることを特徴とするC型慢性肝炎治療剤。
【選択図】 選択図なし
Description
(1)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日あたり300mg相当以上であることを特徴とするC型慢性肝炎治療剤、
(2)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを有効成分として併用し、4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であることを特徴するC型慢性肝炎治療剤、
(3)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であり、かつインターフェロンαの投与量が成人1日あたり300万国際単位以上1,000万国際単位以下である(2)に記載のC型慢性肝炎治療剤、
(4)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトが経口投与用製剤または注射用製剤の形態である(2)または(3)に記載のC型慢性肝炎治療剤、
(5)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを併用することを特徴とするC型慢性肝炎の治療方法、
(6)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを有効成分として併用し、4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であることを特徴するC型慢性肝炎の治療方法、
(7)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であり、かつインターフェロンαの投与量が成人1日あたり300万国際単位以上1,000万国際単位以下である(6)に記載のC型慢性肝炎治療方法、
(8)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトが経口投与用製剤または注射用製剤の形態である(6)または(7)の記載のC型慢性肝炎治療方法、
(9)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを併用することを特徴とするBVDV増殖抑制剤、
(10)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを有効成分として併用し、4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であることを特徴する(9)記載のBVDV増殖抑制剤
(11)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であり、かつインターフェロンαの投与量が成人1日あたり300万国際単位以上1,000万国際単位以下である(9)または(10)に記載のBVDV増殖抑制剤、
(12)4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトが経口投与用製剤または注射用製剤の形態である(9)〜(11)のいずれかに記載のBVDV増殖抑制剤、に関する。
前述したように、ミゾリビンの抗ウィルス作用はウィルス種によって異なり、有効な場合と無効な場合がある(J.Antibiotics,27,(10),775(1974)、特開昭48-56894号公報、特開平5-310578号公報等)。
しかし、本発明者らは全く意外なことに、ミゾリビンは、C型肝炎ウィルスの近縁ウィルスであるウシ下痢症ウィルス(以下、BVDV;Bovine viral diarrhea virus)に対して、2〜10μMの添加で抗ウィルス作用を示すことを見出し、さらにその作用は、インターフェロンαと併用することにより、ミゾリビン単独およびインターフェロンα単独の作用に比し、相乗的に増強されることを見出した。現在、C型肝炎ウィルスに対する抗ウィルス作用を直接評価できる細胞培養系はなく、その代替ウィルスとして同じフラビウィルス科に属するBVDVが用いられている。リバビリンは、このBVDVの評価系でインターフェロンαとの併用増強作用を示し、臨床において始めて、インターフェロンα併用投与におけるC型肝炎に対する有用性が確認されている(レベトールカプセル:医薬品インタビューフォーム,シェリング・プラウ株式会社(2001年12月作成))。ミゾリビンもこのBVDVの評価系でインターフェロンαとの併用で増強作用を示すことから、臨床において、そのインターフェロンα併用投与においてC型慢性肝炎に対する有用性が期待できる。
よって、溶血性貧血を合併しているC型慢性肝炎患者や、赤血球が減少しているC型慢性肝炎患者等には、本発明のC型慢性肝炎治療剤は特に有用である。また、心疾患を合併しているC型慢性肝炎患者にも有用である。
また、本発明はリバビリンとインターフェロンαとの併用投与により改善がみられないC型慢性肝炎患者にも有用である。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたもので、C型慢性肝炎治療を必要とする患者において、ミゾリビン投与、あるいはミゾリビンとインターフェロンαとの併用投与できるC型慢性肝炎治療剤に関するものである。
C型慢性肝炎の遺伝子型には、インターフェロン不応型の1型、4型、5型、6型とインターフェロン反応型の2型、3型が知られているが、本発明の治療剤は、インターフェロン不応型に、好ましくは1b型に対しても効果を発揮しうる。
本発明の併用治療を実施するに際してインターフェロンαは週1回、週3回、1日おき、または連日に投与することができ、投与量は成人1000万国際単位以下の用量が好ましく、より好ましい投与用量は、300万国際単位以上900万国際単位以下である。この場合、投与用量または投与期間の減少により、インターフェロンαの副作用の減少が期待できる。投与間隔が長くなる場合、インターフェロンαの投与量は、好ましい範囲内において、適宜増加させる等の調整をすることも可能である。インターフェロンαの通常の副作用は、Schering Corporation(Kenilworth,N.J.)により、1994年10月に発行された、INTRON-A Interferon α-2b(組換え)用の添付書類に挙げられている。主には、インフルエンザ様症状(例えば、発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、疲労感など)、および中枢神経系に関連する症状(例えば、鬱症状、感覚異常、集中障害など)である。
具体的には、ミゾリビンを水性溶媒に溶解させることによってエアゾール用液剤や注射剤を製造することができる。例えば、ミゾリビンの液剤中における濃度は水性溶媒に対して、0.1〜10 W/V %、好ましくは1〜10 W/V %程度になるよう調整し、特に注射剤については調製後滅菌または除菌処理して製剤とすればよい。この水性溶媒としては、例えば、注射用蒸留水、滅菌精製水等が例示される。さらに、通常液剤に適宜選択して用いられる添加剤、例えば、pH調整用の緩衝剤(例えば、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、酢酸緩衝液等)、等張化剤(例えば、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール,グルコース、塩化ナトリウム等)、安定化剤(例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩等)、防腐殺菌剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸エステル類、ベンジルアルコール、パラクロルメタキシノール、クロルクレゾール、フェネチルアルコール、ソルビン酸またはその塩、チメロサール、クロロブタノール等)、キレート剤(例えば、エデト酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、縮合リン酸ナトリウム等)、粘稠剤(例えば、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等)等を通常使用される添加量で配合添加することができる。
ミゾリビンとインターフェロンαを併用投与する場合において、併用効果をより高めるためには、ミゾリビンの血中濃度のピークが従来用途(例えば腎移植における拒否反応の抑制)における150mgの1回投与より高いことが好ましい(3μg/mL以上)。そのため、ミゾリビンを経口投与する場合は、1日の投与回数は3回以下、好ましくは2回以下、さらに好ましくは1回である。また、併用効果を高めるにはミゾリビンおよびインターフェロンαの血中濃度のピークが同時期であることが望ましく、その方法としてミゾリビンを経口投与し、インターフェロンを静脈内、皮下あるいは筋肉内に注射する場合は、ミゾリビンを先に経口投与しておくことが例示される。ミゾリビンの血中濃度ピークをインターフェロンの血中濃度ピークにあわせる手段としては、例えば、インターフェロンを注射する1〜2時間前にミゾリビンを経口服用する手段が挙げられる。
ミゾリビンとインターフェロンαそれぞれの適切な投与量や投与間隔を設定するにあたっては、制御された臨床試験により決定され得る。
1. 以前に治療されたことがない患者、
2. 以前にインターフェロン単独またはインターフェロンα/リバビリン併用で治療され、その後再発した患者、
3. 以前のインターフェロン単独またはインターフェロンα/リバビリン併用治療に対して反応しなかった患者等、
を評価の対象とすることが好ましい。
尚、本発明におけるミゾリビンとインターフェロンαを併用することにより、C型肝炎を治療するに際しては、ミゾリビンとインターフェロンαが、別々の製剤となったものを投与する他に、配合剤として、一度に投与する方法もありうる。
たとえば、ミゾリビン300mgと、インターフェロンα1000万国際単位以下の配合剤を注射用水1mlに溶解し、皮下投与する方法が挙げられる。配合剤とした場合、両薬剤が同時に血中でピークに達するという効果が得られやすくなる。
ミゾリビンとインターフェロンαの相乗効果実証試験
抗BVDV活性は、Tetra Color ONE法により測定した。具体的には、96 well plateに、BVDVと牛腎臓由来細胞株(以下、MDBK (Madin-Darby bovine kidney)細胞)を均一に懸濁(2×105 cell/mL, MOI=0.03)した液を添加したのち、段階希釈した単独薬剤または薬剤混合液をただちに添加した。3日後にTetra Color ONE法によりMDBK細胞の生存率を定量し、各薬剤濃度の単独および併用での抗BVDV活性(以下、阻害率)を求めた。その阻害率より、単独での阻害率の和と併用での阻害率との比(以下、阻害率比)を、また、併用効果の解析(isobologram analysis) によるCI(combination index)値を下記の式より算出した。なお、本試験は細胞毒性のない濃度範囲で実施された。
以上の結果を表2に示す。
以上の結果を表3に示す。
リバビリンとインターフェロンαの相乗効果との比較試験
ミゾリビンと同様の方法で試験した結果を表4、5に示す。なお、インターフェロンαはヒト組み換えインターフェロンα-2b(バイオケミカルラボラトリーズ)を用いた。
無水乳酸 126mg
結晶セルロース 20mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 10mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
Claims (12)
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトを有効成分として含み、投与量が成人1日あたり300mg相当以上であることを特徴とするC型慢性肝炎治療剤。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを有効成分として併用し、4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であることを特徴するC型慢性肝炎治療剤。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であり、かつインターフェロンαの投与量が成人1日あたり300万国際単位以上1,000万国際単位以下である請求項2に記載のC型慢性肝炎治療剤。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトが経口投与用製剤または注射用製剤の形態である請求項2または3に記載のC型慢性肝炎治療剤。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを併用することを特徴とするC型慢性肝炎の治療方法。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを有効成分として併用し、4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であることを特徴するC型慢性肝炎の治療方法。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であり、かつインターフェロンαの投与量が成人1日あたり300万国際単位以上1,000万国際単位以下である請求項6に記載のC型慢性肝炎治療方法。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトが経口投与用製剤または注射用製剤の形態である請求項6または7の記載のC型慢性肝炎治療方法。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを併用することを特徴とするBVDV増殖抑制剤。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトとインターフェロンαを有効成分として併用し、4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であることを特徴する請求項9記載のBVDV増殖抑制剤。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトの投与量が成人1日当り300mg相当量以上であり、かつインターフェロンαの投与量が1日あたり300万国際単位以上1,000万国際単位以下である請求項9または10に記載のBVDV増殖抑制剤。
- 4‐カルバモイル‐1‐β‐D‐リボフラノシル‐イミダゾリウム‐5‐オレイトが経口投与用製剤または注射用製剤の形態である請求項9〜11のいずれかに記載のBVDV増殖抑制剤。
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