JP2004155179A - 再使用可能なアルミニウム支持体からの平版印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の印刷ジョブに同じ平版支持体を使用し、像記録層がアルカリ性化学品による処理を必要とせず、高い運転長さを与え、引っかき抵抗及び耐薬品性の如き平版印刷版材料の要求を適える平版印刷の方法を提供する。
【解決手段】研磨され、陽極酸化されたアルミニウム支持体を疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる像記録層でコーティングし、像通りに露出後処理し、親水性支持体上に疎水性印刷区域からなる平版像を有し印刷マスターとして使用される材料を得る。印刷後、アルミニウム支持体の親水性表面から疎水性印刷区域を除去することにより平版支持体を再生させる。再生された支持体を次いで次のサイクルのコーティング、露出、処理及び印刷において再使用する。算術平均中心線粗さRaとして表される0.45μmより小さい表面粗さを有する研磨され、陽極酸化されたアルミニウム支持体を使用することにより、印刷マスターの運転長さが改良される。
【選択図】なし
【解決手段】研磨され、陽極酸化されたアルミニウム支持体を疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる像記録層でコーティングし、像通りに露出後処理し、親水性支持体上に疎水性印刷区域からなる平版像を有し印刷マスターとして使用される材料を得る。印刷後、アルミニウム支持体の親水性表面から疎水性印刷区域を除去することにより平版支持体を再生させる。再生された支持体を次いで次のサイクルのコーティング、露出、処理及び印刷において再使用する。算術平均中心線粗さRaとして表される0.45μmより小さい表面粗さを有する研磨され、陽極酸化されたアルミニウム支持体を使用することにより、印刷マスターの運転長さが改良される。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷運転(press run)の後、平版支持体を再生し(recycled)そして疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる像記録層で再コーティングする平版印刷法に関する。このようにして得られた感熱性印刷版材料を次いで新しい像で露出し、処理しそして次の印刷運転における印刷マスターとして使用する。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷においては、インキ受容性(親油性)区域と水受容性(親水性)区域からなる平版像を含む印刷マスターの表面にインキ及び水性湿し水(aqueous fountain solution)が供給される。インキ付けされた像パターンは、次いでマスターの表面から圧縮可能な表面を有するブランケットシリンダーに転写される。ブランケットシリンダーから像は紙に印刷される。マスターは、典型的には、アルミニウムシートの如き寸法的に安定な支持体上に平版像(lithographic image)を担持する印刷版である。アルミニウムプレートは版と版胴(plate cylinder)の表面との位置合わせ(positional registration)を定める機械的ロックアップ機構により印刷機の版胴に固定される(secured)。印刷運転が終わった後、機械的ロックアップシステムを解除して、印刷版を除去しそして捨てることができ、そして新しい像を有する他の印刷版を配置しそして所定の位置にロックすることができる。次いで新しい印刷ジョブを開始することができる。
【0003】
印刷マスターは、一般に、各色の選択がイメージセッターを使用して製版用フイルム(graphic arts film)に転写される、いわゆるコンピュータ−ツー−フイルム法(computer−to−film method)によって得られる。処理の後、該フイルムは版前駆体(plate precursor)と呼ばれる像形成材料の露出(exposure)のためのコンタクトマスクとして使用することができ、そして版処理の後、マスターとして使用することができる印刷版が得られる。これらの段階は、通常専用の露出及び処理装置において行われ、印刷版は次いで印刷機に移されそして、印刷シリンダー自体に組み込まれたロックアップ機構を使用して印刷オペレーターにより印刷シリンダに取り付けられる。印刷シリンダの取り付けは一般に手動操作であるけれども、印刷版を配置しそして固定するためのロボット手段が開発された。
【0004】
近年において、いわゆるコンピュータ−ツー−プレート法(computer−to−plate method)が脚光を浴びている。ダイレクト−ツー−プレート法(direct−to−plate method)とも呼ばれるこの方法はフイルムの作成を回避する。何故ならばデジタルデータがいわゆるプレートセッター(plate−setter)によって版前駆体に直接移されるからである。オンプレス像形成(on−press imaging)は、版が印刷機の版胴に取り付けられている間に像が版上に露出されるダイレクト−ツー−プレート法(ダイレクト−ツー−プレスとも呼ばれる)である。オフプレス製版(off press plate making)と比較して後者の方法の主要な利点は多色印刷機の印刷ステーション間の改良された見当合わせである。
【0005】
2つのタイプのこのようなオンプレス像形成方法が知られている。第1のタイプに従えば、印刷版前駆体を印刷機に取り付け、像通りに(image−wise)露出し、場合により現像し、次いで印刷マスターとして使用し、そして最後に印刷機から除去し、そして廃棄し、かくして各像のための新しい版材料を必要とする。この技術の例は、US5,339,737に詳細に記載されているHeidelberg Druckmaschinen AG(Germany)により製造されたHeidelberg Model GTO−DIである。この方法の欠点は各印刷機運転のために新しい版を使用する必要があることであり、かくして印刷プロセスのコストを増加させることである。
【0006】
第2のタイプのオンプレス像形成システムでは、同じ平版支持体が複数の印刷運転(以後印刷サイクルと呼ぶ)において使用される。各印刷サイクルにおいて、感熱性又は感光性層を平版支持体上にコーティングして印刷版前駆体を作成し、そして像通りの露出及び場合により行う現像の後、印刷マスターを得る。印刷運転の後、印刷マスターのインキ受容区域を像消去段階(image erasing step)において平版支持体から除去し、それにより支持体を再生し、そして版胴に新しい版を取り付ける必要なしに次のサイクルのコーティング、露出及び印刷において使用することができる。このようなオンプレスコーティング及びオンプレス像形成システムの例は、例えば、US5,188,033、US5,713,287、EP−A−786337及びEP−A−802457に記載されている。後者の特許出願は、印刷部材と、均一な像記録層を適用する(apply)ための手段と、像パターンに従って該記録層を走査方式で露出させる手段と、該記録層を現像して該印刷部材上に、インキ反発性バックグラウンド上のインキ受容区域又はインキ受容性バックグラウンド上のインキ反発区域からなる像を残すための手段を具備する装置を記載している。好ましい態様に従えば、記録層は親水性結合剤中に疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
後者の構成(composition)と関連した問題は、それにより得られる印刷マスターの限定された最大運転長さである。像損耗(image wear)によるプリント品質の劣化は運転長さを典型的には最大25000枚の印刷コピーに制限する。限定された機械的頑丈さ(robustness)(引っかきを受けやすいこと)及び版クリーナー、ブランケットクリーナー及び湿し水添加剤の如き印刷化学薬品に対する限定された耐薬品性も上記した低い印刷耐久力に寄与する。従って、本発明の目的は、複数の印刷ジョブに同じ平版支持体を使用しそして像記録層がアルカリ性化学品による処理段階を必要とせずそして高い運転長さを与えそして引っかき抵抗及び耐薬品性の如き平版印刷版材料の多くの他の要求を適える平版印刷の方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法は、各印刷サイクルが一般に下記の如く定義することができる段階(a)〜(e):
(a)親水性表面を有する平版支持体を用意すること、
(b)コーティング:平版支持体上に像記録層を適用することにより印刷版前駆体を作成すること;版前駆体は本明細書では「像形成材料」とも呼ばれる、
(c)露出:像記録層を熱又は光に像通りに露出し、
(d)処理(現像とも呼ばれる):像記録層の非露出区域を平版支持体から除去することにより平版像を有する印刷マスターを作成すること、
(e)印刷:平版像にインキを供給しそして印刷機によってインキを平版像から紙に転写すること、及び
(f)平版像を平版支持体から消去すること、
を含んでなる複数の印刷サイクルからなる。
【0009】
像消去段階は本明細書ではクリーニング段階とも呼ばれる。段階(f)の後得られる再生された支持体を次いで次の印刷サイクルにおいて再使用し、ここで支持体を像記録層で再コーティングし、次いで新しい像により露出し、処理しそして次の印刷運転における印刷マスターとして使用する。同じ支持体を使用する引き続く印刷サイクルの数は少なくとも2、好ましくは20より多くそして50より多いか又は100より多くてもよいが、但し支持体上にゴースト像を残さずそして一方では支持体の平版品質も劣化させない有効な像消去方法が使用されるものとする。
【0010】
運転長さの改良は、特許請求の範囲の請求項1に記載のとおり、疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる像記録層を滑らかなアルミニウム支持体上に適用することにより実現される。滑らかなアルミニウム支持体が、疎水性熱可塑性ポリマー粒子の熱誘発合体(heat−induced coalescence)に従う版作業(plate working)のためのより高い運転長さを与えるという効果は極めて驚くべきこどてある:0.45μmより小さい算術平均中心線粗さRaにより特徴付けられる滑らかな表面が印刷期間中の像損耗の有意な減少を与える理由は十分には理解されておらず;当業者は粗い表面が滑らかな表面よりも良好な合体したポリマー粒子への接着を与えることを予想するであろう。それにもかかわらず、反対のことが観察されそして本明細書で規定されたRa値を有する滑らかな平版支持体が予想外により高い運転長さを与える。
【0011】
本発明の好ましい方法は、像の目に見える損耗なしに少なくとも30,000、更に好ましくは少なくとも60000コピーの印刷長さのために使用することができる平版印刷マスターを提供することができる。最善の態様は100000より多くのコピーの印刷長さすら可能とする。
【0012】
本発明の好ましい態様の特定の特徴は特許請求の範囲の従属項に記載されている。本発明の更なる利点及び態様は下記の記載から明らかとなるであろう。
【0013】
【発明の詳細な記述】
本発明の方法のすべての段階は、好ましくは、版製造者の代わりに、例えば印刷工場においてエンドユーザーにより行われる。上記段階は、オンプレスで、即ち、平版支持体が回転印刷機のシリンダー上に取り付けられている間に行うことができる。別法として、印刷段階(e)を除いて、1つ又はそれより多くの段階をオフプレス装置によって行うことができる。本明細書で使用される「オフプレス装置」は、印刷機に一体化されていないが印刷機のそばに配置されており、それにより印刷機が印刷している間に装置の操作を行うことができるようにした装置を定義する。例えば、露出段階(c)はオンプレス又はオフプレスで行うことができる。オンプレス露出は、露出の直後に多色印刷機における印刷マスターの完全な見当合わせを得るという利点を与える。他方、オフプレス露出法は、露出を印刷機が印刷している間に行うことができるため、オンプレス露出法よりも短いプレスダウン時間(press−dowm time)を与える。
【0014】
オンプレス露出を使用する態様では、処理は好ましくは露出された像記録層にインキ及び/又は湿し水(又は単一流体インキ(single fluid ink))を供給することにより行われる。オフプレス露出を使用する態様においては、別の処理法(以下に更に詳細に述べる)を使用することもでき又は露出された版を印刷機に取り付け、次いでインキ及び/又は湿し水(又は単一流体インキ)を供給することにより処理することができる。
【0015】
露出段階(c)及び処理段階(d)の外に、コーティング段階(b)及び/又はクリーニング段階(f)を各々オフプレス装置によって行うこともできる。このような方法では、プレスダウン時間は最小である。何故ならば、与えられた印刷運転期間中、次の印刷ジョブの像形成性材料(1つ又は複数)をオフプレス装置でコーティングすることができそして場合により露出させそして処理することもでき、そして先の印刷ジョブの材料(1つ又は複数)を、印刷機が印刷している間に、オフプレスクリーニング装置によりクリーニングしそして再コーティングすることができるからである。クリーニング、コーティング、露出及び処理のすべての段階を単一のオフプレス装置により行うことができる。
【0016】
クリーニング及び/又は処理液はコーティング段階のために使用されるのと同じ手段を使用して支持体に供給することができ、例えば、コーティング溶液、クリーニング液及び/又は処理液を適用するために単一の噴霧ヘッド又はインキジェットヘッドを使用することができる。あるいは、各々本発明の方法の段階の1つを行う異なる区域からなりそして支持体の上を引き続いて移動するヘッド、例えば、クリーニング液を供給するためのノズル及び/又はコーティング溶液を供給するためのノズル及び/又はレーザー露出ヘッド及び/又は処理液を供給するためのノズルを含んでなるヘッドを使用することにより、いくつかの段階を同時に行うことができる。
【0017】
オフプレス装置によってコーティング及び/又は露出された版の印刷機への移送及び使用された版の印刷機からクリーニング装置への移送は手で行うことができるが、より有利には、オフプレス装置を機械的移送手段によって印刷機に機械的にカップリングさせる。このような態様に従えば、平版支持体をオフプレス装置でコーティングすることができそして場合により露出させることもでき、次いで印刷機に機械的に移送しそして、印刷運転の後、使用した印刷マスターをオフプレスクリーニング装置に機械的に移送することができ、そこでコーティングを支持体から除去し、次いで支持体を次のサイクルのコーティング、露出、処理、印刷及びクリーニングにおいて再び使用することができる。移送手段は、支持体、像形成性材料又は使用された印刷マスターを1つの装置から他の装置に動かし、輸送し又は搬送することができる機構を含んでなることができる。このような機構は当該技術分野で知られておりそして版取り扱い装置において広く使用される。移送手段は、コンベヤベルト、グリッパー、吸引カップ、ローラー、チェーン等を含んでなることができる。材料を印刷機に機械的に移送するために使用される手段は、好ましくは、材料を版胴上に取り付ける機構を含む。使用された印刷マスターを印刷機からクリーニング装置に機械的に移送するために使用される手段は、好ましくは印刷マスターを版胴から除去する機構を含む。版は普通はクランプにより版胴に固定され、これに対してスリーブは版胴の上を滑らされる。
【0018】
オフプレス装置を多色印刷機と組み合わせる態様では、クリーニングされた支持体、像形成性材料又は印刷マスターの一時的貯蔵のためのバッファーとして作用する積み重ね装置を使用し、それによりすべてのカラー選択をクリーニング、コーティング、露出及び/又は処理するために単一のオフプレス装置を使用することができることが有利でありうる。本発明の方法において使用するための適当な1つ又はそれより多くのオフプレス装置を機械的移送手段又は積み重ね装置により印刷機にカップリングさせる種々の構成の更に詳細な且つ特定の態様はEP−A−1142706及び1118473に記載されている。このようなシステムは、プレスダウン時間が最小でありそして特別な熟練なしに行うことができる完全自動化作業流れを可能とする。
【0019】
平版支持体
支持体はシート状材料であることができ又はスリーブの如き円筒形要素であることができる。後者の選択においては、シートを、例えばレーザーによって円筒形形態で半田付けすることができる。このような円筒形支持体は、慣用の印刷版の如く印刷機に取り付けられる代わりに印刷機の印刷シリンダ上で滑らせることができる。
【0020】
本発明の方法で使用される支持体は、ときにはCLA(中心線平均)とも呼ばれる算術平均中心線粗さ(Ra)として表される低い表面粗さにより特徴付けられる親水性表面を有する研磨され(grained)そして陽極酸化されたアルミニウム支持体である。本明細書で使用されたRaは、ISO 4287/1(=DIN 4762)及びそれにおける参照文献において定義されている。本明細書で報告されたRa値は、非常に細い先端を有する接触針(contact stylus)を使用する機械的プロフィル法によりISO 4288及びそれにおける参考文献に従って測定された(光学的プロフィル法も知られており、このような光学的方法は系統的にISO法よりも高い値を与える)。Raを測定するために使用される装置は、Taylor Hobson LtdからのTalysurf 10であった。
【0021】
本発明の方法において使用される研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体の親水性表面のRa値は、0.45μmより低く、好ましくは0.4μmより低く、更に好ましくは0.3μmより低い。上記した低いRa値により特徴付けられる親水性表面を有する研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体は、本明細書では簡潔に「滑らかな支持体」(“smooth support”)と呼ばれる。Ra値の下限は0.05μm、好ましくは0.1μmであることができる。表面粗さの外に、支持体の陽極重量(anodic weight)(アルミニウム表面に形成されたAl2O3のg/m2)もまた運転長さに影響を与える。本発明に従えば、親水性表面に2.5g/m2より多くの酸化アルミニウムを形成することにより、与えられた粗さRaについてより高い運転長さすら得ることができる。3.0g/m2より高い値又は3.5g/m2より高い値ですらなお更に好ましい。
【0022】
アルミニウム平版支持体の研磨及び陽極酸化は周知である。本発明の方法で使用される研磨されたアルミニウム支持体は、好ましくは、電気化学的に研磨された(electrochemically grained)支持体である。研磨するために使用される酸は、例えば、硝酸であることができる。研磨するために使用される酸は好ましくは塩化水素を含んでなる。酸の混合物、例えば塩化水素と酢酸の混合物も使用することができる。
【0023】
一方で電気化学的研磨及び陽極酸化パラメーター、例えば、電極電圧、酸電解質の性質及び濃度又はパワー消費と、他方でRa及び陽極重量として得られる平版品質との間の関係は周知である。種々の製造パラメーターとRa又は陽極重量との間の関係に関する更なる詳細は、例えば、ATB MetallurgieJournalにおいて公表されるべき、F.R.Mayersによる論文“Manegement of Change in the AluminumPrinting Industry”に見いだすことができる。それ故、当業者は、研磨されたアルミニウム支持体上に滑らかな表面を形成するため又はアルミニウム陽極酸化期間中に与えられた陽極重量を形成するために必要な種々のパラメーターの設定について十分承知している。
【0024】
研磨及び陽極酸化の段階は好ましくは本発明の段階(a)の一部ではない。何故ならば、研磨及び陽極酸化は強酸及び高い電圧下の電極を使用する処置であり、それ故印刷工場の如きエンドユーザーの場所での実施には適当ではないからである。その代わりに、印刷版製造者により供給された研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体を使用するのがより好都合であり、そして平版品質、特に、研磨されそして陽極酸化された表面の表面粗さ及び陽極重量に有意に影響を与えることなく支持体から平版像を除去する像消去法を使用して本発明に従う印刷運転の後エンドユーザーにより支持体が再生されるのがより好都合である。
【0025】
場合により、再生された研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体はいわゆる回復(refreshing)段階で処理してその表面の親水性を回復させることができる。この回復段階は像消去段階の後にそして支持体上に像記録層を適用する前に、例えば、本発明の方法の段階(a)の期間中に行うことができる。回復段階は、典型的には慣用の平版印刷版を製造するのに使用される周知のアルミニウム研磨及び陽極酸化法に続くいわゆる後処理段階と同様であることができる。例えば、アルミニウム支持体は、その表面を例えば95℃の高められた温度でケイ酸ナトリウム溶液で処理することによりケイ酸塩化する(silicated)ことができる。あるいは、更に無機フッ化物を含有していてもよいリン酸塩溶液で酸化アルミニウム表面を処理することを伴うリン酸塩処理を施すことができる。更に、酸化アルミニウム表面を、有機酸及び/又はそれらの塩、例えば、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸又はそれらの塩、例えば、コハク酸塩、リン酸塩、ホスホスン酸塩、硫酸塩及びスルホン酸塩により洗浄することができる。クエン酸又はクエン酸塩溶液が好ましい。この処理は室温で行うことができ又は約30〜50℃の僅かに高められた温度で行うことができる。更なる後処理は酸化アルミニウム表面を炭酸水素塩溶液で洗浄することを含む。なお更に、酸化アルミニウム表面をポリビニルホスホン酸、ポリビニルメチルホスホン酸、ポリビニルアルコールのリン酸エステル、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、ポリビニルアルコールの硫酸エステル及びスルホン化脂肪族アルデヒドとの反応により形成されたポリビニルアルコールのアセタールで処理することができる。これらの後処理の1つ又はそれより多くを単独で又は組み合わせて行うことができることは更に明らかである。これらの処理の更に詳細な説明は、GB−A−1084070、DE−A−4423140、DE−A−4417907、EP−A−659909、EP−A−537633、DE−A−4001466、EP−A−292801、EP−A−291760及びUS−P 4458005に与えられる。
【0026】
適当な回復段階の他の態様はEP−A−1188579に記載されている。それに記載されている回復液(refreshing liquid)は、pH<7を有する水性溶液であり、そして酸性化合物、例えばクエン酸、ポリアクリル酸又は水のpHを下げることができるシリカ含有化合物を含んでなる。好ましくは、回復液は、式I
【0027】
【化1】
【0028】
式中、XはOH、O−又はポリマー主鎖である、
に従う化合物を含んでなる。
【0029】
対イオンは、pHに依存してH+又は金属カチオン、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属又は遷移金属、例えば、クロム、であることができる。式(I)に従う化合物の適当な例は、ポリビニルホスホン酸、ビニルホスホン酸とアクリル酸及び酢酸ビニルとのコポリマー、アクリルアミドイソブチレンホスホスン酸である。好ましくは、この化合物はリン酸又はリン酸塩である。
【0030】
あるいは、式(I)に従う化合物は、EP−A−1188578に記載の如く段階(e)の期間中に像を消去するために使用することができるクリーニング液に加えることもできる。このような態様では、別々の回復段階を省くことができる。
【0031】
像記録層
平版支持体上に適用される像記録層は感熱性であり、それにより普通の作業照明条件(昼光、蛍光)において多時間にわたり取り扱うことができる版前駆体を与える。像記録層は、像形成性成分としてポリマーラテックス、更に特定的には、熱誘発合体することができる疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる。適当な疎水性ポリマーの特定の例は、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリビニルカルバゾール、ポリスチレン又はそれらのコポリマーである。好ましい態様に従えば、熱可塑性ポリマーはポリスチレン少なくとも50重量%、更に好ましくはポリスチレン少なくとも60重量%を含んでなる。適当なラテックスはポリスチレン及び場合により安定剤からなる。
【0032】
機械的損傷及び印刷化学薬品、例えば、版クリーナーにおいて使用される炭化水素に対する十分な抵抗性を得るために、熱可塑性ポリマーは、好ましくは、窒素含有モノマー単位又は20より大きい溶解パラメーターにより特徴付けられるモノマーに相当する単位、例えば(メタ)アクリロニトリル、又はスルホンアミド及び/又はフタルイミドペンダント基を含んでなるモノマー単位、少なくとも5重量%、更に好ましくは少なくとも30重量%を含んでなる。このような窒素含有モノマー単位の他の適当な例は、2001年11月23日に出願されたヨーロッパ特許出願第01000657号に開示されている。疎水性熱可塑性ポリマーの特定の態様は、(メタ)アクリロニトリル及び/又はスチレンのホモポリマー又はコポリマー、例えば、1:1〜5:1(スチレン:アクリロニトリル)の重量比のスチレン及びアクリロニトリル単位からなるコポリマーである。2:1又は3:2の割合が優れた結果を与える。
【0033】
熱可塑性ポリマー粒子の重量平均分子量は5,000〜1,000,000g/モルの範囲にあることができる。疎水性粒子は好ましくは200nm以下、更に好ましくは10〜100nmの数平均粒径を有する。像記録層中に含まれる疎水性熱可塑性ポリマー粒子の量は、全体として層に対して好ましくは20重量%〜95重量%、更に好ましくは45重量%〜90重量%、最も好ましくは65重量%〜85重量%である。
【0034】
像記録層は、更に親水性結合剤、例えば、ビニルアルコール、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマーあるいは無水マレイン酸/ビニルメチルエーテルコポリマーを含んでなることができる。使用される(コ)ポリマー又は(コ)ポリマー混合物の親水性は、少なくとも60重量%の程度、好ましくは80重量%の程度に加水分解されたポリ酢酸ビニルの親水性と同じか又はそれより高いことが好ましい。カルボキシルペンダント基を有する結合剤、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸は好ましい。
【0035】
像記録層は、他の成分、例えば、追加の結合剤、界面活性剤、着色剤、現像抑制剤又は促進剤及び特に赤外線を熱に転換することができる1種又はそれより多くの化合物を含有することもできる。着色剤は好ましくは処理の後可視像を与える染料又は顔料である。特に有用な光を熱に転換する化合物は、例えば、赤外染料(infrared dyes)、カーボンブラック、金属炭化物、ホウ化物、窒化物、炭窒化物、青銅構造酸化物及び伝導性ポリマーディスパージョン、例えば、ポリピロール、ポリアニリン又はポリチオフェンディスパージョンである。アニオン性シアニン染料が好ましい。
【0036】
コーティング段階(b)
コーティング段階期間中に、像記録層は支持体の親水性表面上に適用される。適切なコーティング厚さを得るために、同じ支持体上にコーティングを数回繰り返すことが必要でありうる。コーティングは、像記録層に隣接した1つ又はそれより多くの追加の層を含むこともできる。このような追加の層は、例えば、像記録層と支持体との間の接着改良層、又は赤外線を熱に転換することができる上記化合物の1種又はそれより多くを含んでなる光吸収性層、又は処理期間中除去されるカバー層であることができる。
【0037】
コーティングは、EP1048458に記載の如きドナー材料から熱もしくは摩擦誘発転写により、又は例えばEP−A−974455及び1097811に記載の如き粉末コーティングにより、又は任意の既知のコーティング方法、例えばスピンコーティング、ディップコーティング、ロッドコーティング、ブレードコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、リバーサルロールコーティング、押出コーティング、スライドコーティング及びカーテンコーティングに従って液体溶液をコーティングすることにより適用されうる。これらのコーティング技術の概観は、書籍“Modern Coating and Drying Technology”,Edward Cohen and Edgar B.Gutoff Editors,VCH publishers,Inc,New York,NY,1992に見いだされうる。印刷技術、例えば、インキジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、又はオフセット印刷によりコーティング溶液を支持体上に適用することも可能である。EP−A−1179422に記載の如きインキジェット印刷及び特に2001年3月22日に出願された未公開EP−A−no.01000065に記載の如きバルブジェット印刷は高度に好ましい。
【0038】
最も好ましい態様に従えば、コーティング溶液は噴霧ノズルを具備するヘッドによって支持体上に噴霧される。噴霧パラメーターの好ましい値は、EP−A−1084830及び1084862に規定されている。好ましい構成では、支持体は、ドラム、例えば、印刷機の版胴の外側表面に取り付けられ、そして噴霧ヘッドはドラムが角度方向に回転している間に軸線方向に支持体に沿って並進する。
【0039】
露出段階(c)
本明細書に記載の像形成性材料は、オフプレス及びオンプレス露出に適当である。それらは、例えば、サーマルヘッド、LEDs又は赤外レーザーによって熱又は赤外線に露出させることができる。好ましくは、約700〜約1500nmの範囲の波長を有する近赤外線を放出するレーザー、例えば、半導体レーザーダイオード、Nd:YAG又はNd:YLFレーザーが使用される。必要なレーザーパワーは、像記録層の感度、スポット直径(最大強度の1/e2における現代のプレートセッターの典型的な値:10〜25μm)により決定されるレーザービームの画素滞留時間、走査速度及び露出装置の解像力(即ち、しばしばドット/インチ又はdpiで表される線形距離の単位当たりのアドレス可能な画素の数;典型的な値:1000〜4000dpi)に依存する。2つのタイプのレーザー露出装置、即ち、内部ドラム(ITD)及び外部ドラム(XTD)プレートセッターがよく使用される。熱プレートのためのITDプレートセッターは、典型的には500m/秒までの非常に高い走査速度により特徴付けられそして数ワットのレーザーパワーを必要とすることがある。約200mW〜約1Wの典型的なレーザーパワーを有する熱プレートのためのXTDプレートセッターは、例えば、0.1〜10m/秒のより低い走査速度で操作される。
【0040】
露出段階の間に発生される熱により、疎水性熱可塑性ポリマー粒子は融解し又は凝固して(coagulate)印刷マスターの印刷区域に対応する疎水性相を形成する。凝固は、熱可塑性ポリマー粒子の熱誘発合体、軟化又は溶融から生じることができる。熱可塑性疎水性ポリマー粒子の凝固温度に対する特定の上限はないが、この温度はポリマー粒子の分解温度より十分に低くあるべきである。好ましくは、凝固温度はポリマー粒子の分解が起こる温度より少なくとも10℃低い。凝固温度は好ましくは50℃より高く、更に好ましくは100℃より高い。
【0041】
処理段階(d)
処理段階の間に、像記録層は、露出された区域において像記録層を実質的に除去することなく、即ち、露出された区域のインキ受容を不十分にする程度に露出された区域に影響を与えることなく、露出されなかった区域において親水性表面から除去される。これは、例えば、水、水性液体、ゴム溶液、インキ、湿し水又は単一流体インキよりなる群から選ばれる処理液を像記録層に供給することにより達成することができる。処理の結果として、疎水性(印刷)区域と親水性(非印刷)区域からなる平版像を含む印刷マスターが得られる。処理液は、例えば、処理液で含浸されているパッドを使用することにより、手によりもしくは自動処理装置において注ぐか浸漬するか又はコーティングすることにより像形成性材料に供給することができる。更に、処理液の供給は、例えば、回転ブラシによる機械的摩擦(rubbing)と組み合わせることができる。例えば、2001年6月21日に出願されたEP−A−no.01000248に記載の装置によりる処理液の噴射又は噴霧も適当な方法である。
【0042】
処理段階は、像形成性材料が印刷機のシリンダーに取り付けられている間に、像形成性材料に上記した液体の少なくとも1種を供給することにより、好ましくは印刷機の始動期間中にインキ及び/又は湿し液(fountain liquied)を供給することにより、オンプレスで行うことができる。その態様では、段階(d)は印刷段階(e)の開始とみなすことができる。このような「隠れた処理」段階期間中、露出されなかった区域はインキ及び/又は湿し水との相互作用により支持体から除去される。好ましい態様では、湿し液(dampening liquid)を供給する湿しローラを像形成性材料上に降下させ、次いでそれにインキローラを降下させる。一般に、印刷シリンダーの約10回転の後、最初のクリアーなそして有用なプリントが得られる。このような材料を処理するための別の方法に従えば、インキローラ及び湿しローラを同時に降下させることができ又はインキローラを最初に降下させることができる。このような材料に関連して使用することができる適当な湿し液は、一般に、酸性pHを有しそしてイソプロパノールの如きアルコールを含んでなる水性液体である。
【0043】
オンプレス処理はオンプレス露出段階と組み合わせて使用することができ、又は像形成性材料はオフプレスプレートセッターにより露出させ、次いで印刷機に取り付け、そして印刷機を始動させそしてインキ及び/又は湿し水を像形成性材料に供給することにより処理することができる。
【0044】
特に湿しシステムを含まない乾式平版印刷機(driographic presses)においてオンプレス現像のためにも適当な他の現像方法は、単一流体インキを供給することにより行われる。本発明の方法において使用するのに適当な単一流体インキはUS4,045,232及びUS4,981,517に記載されている。適当な単一流体インキは、WO 00/32705に記載の如く疎水性もしくは親油性相とも呼ばれるインキ相及びポリオール相を含んでなる。単一流体インキによる現像に関する更なる情報は2001年11月15日に出願されたEP−A−no.01000633に見いだすことができる。
【0045】
オフプレスプレートセッターで露出されるとき、像形成性材料は、淡水、水性液体又はゴム溶液を供給することにより処理することもできる。ゴム溶液は、典型的には、汚染又は損傷に対して印刷版の平版像を保護することができる1種又はそれより多くの表面保護化合物を含んでなる水性液体である。このような化合物の適当な例はフイルム形成性親水性ポリマー又は界面活性剤である。ゴム溶液による現像に関する更なる情報は2002年3月6日に出願されたEP−A−no.02100226に見いだすことができる。
【0046】
現像の後、版は乾燥させそして焼き付けることができる。版は焼き付けの前に乾燥させることができ又は焼き付けプロセス自体の期間中に乾燥させる。焼き付けプロセスは、熱可塑性ポリマー粒子の凝固温度より高い温度で、例えば、100℃〜230℃で5〜40分間行うことができる。例えば、露出されそして現像された版は230℃の温度で5分間、150℃の温度で10分間又は120℃の温度で30分間焼き付けることができる。好ましい焼き付け温度は60℃より高い。焼き付けは、慣用の熱風炉中で、誘導加熱により、又は赤外もしくは紫外スペクトルにおいて発光するランプによる照射により行うことができる。好ましい態様では、像形成性材料は焼き付けゴム(baking gum)を適用することによりオフプレスで処理され、次いでオーブンで又は処理装置において一体化されていてもよい赤外ランプにより焼き付けられる。別法として、焼き付けは、版が印刷機に取り付けられている間に行うこともできる。
【0047】
クリーニング段階(f)
クリーニング段階期間中、平版像は支持体からインキ受容区域を除去することにより消去される。像消去段階は、好ましくは、先の印刷運転の平版像上にまだ存在するインキも除去する。クリーニング段階は、好ましくは、支持体の平版表面を劣化させる危険の少ないこと、更にまたインキ受容区域の有効な除去により特徴付けられるが、これらは達成するのに困難な妥協でありうる。クリーニングは、像にクリーニング液を供給することにより、例えば、クリーニング液を含有する浸漬タンク中に印刷マスターを浸漬することにより行うことができる。クリーニングは、また走査方式で、例えば、クリーニング液を像に噴射又は噴霧するためのノズルを含んでなるクリーニングヘッドを使用することによって行うこともできる。後者の態様では、コーティング段階で使用される噴霧又は噴射ヘッドと同じ噴霧又は噴射ヘッドをクリーニング段階のために使用することができる。クリーニングは乾式法によって、例えば、2001年2月14日に出願されたEP−A−no.1000015に記載の如き印刷区域を融除する(ablateing)ためのレーザーを使用することにより、又はEP−A−1080942に記載の如き(大気)プラズマを使用することにより達成することもできる。
【0048】
上記クリーニング方法は超音波処理のための手段又は機械的クリーニング手段と組み合わせることができる。支持体をクリーニングするための適当な機械的手段は、例えば、支持体を掻き取るための手段、支持体をこすり取るための手段、例えば回転ブラシ、クリーニング液で湿らせることができる布又は他の吸収性媒体である。別の機械的クリーニング方法は、空気、水又はクリーニング段階期間中に又はクリーニング段階の直後に蒸発するドライアイスペレットを噴射することを含む。好ましい態様では、最初にクリーニング液を印刷マスターに、例えば噴霧により供給し、そしてクリーニング液が平版像と相互作用することを可能とする短い期間の後、水ジェットを使用して支持体から像を除去する。
【0049】
好ましいクリーニング液は十分に有効であるべきであり、例えば、複数の印刷サイクルの後いかなるゴースト像の出現も回避することができるべきである。クリーニング液の他の好ましい特徴は、環境汚染を回避するための低い揮発性有機含有率(low volatile organic content)及びクリーニング装置のハードウエアに対する不活性であり、例えば、それは好ましくはクリーニング装置で使用されるゴム、シール又は他の材料に影響を与えない液体である。上記要求と合致する適当なクリーニング液組成物はEP−A−1118470、1118471、1118472及び1118474に開示されている。
【0050】
適当なクリーニング液は、水性液体中の有機液体のエマルションである。このエマルションの製造は、好ましくは、有機液体を水性液体と混合して該エマルションを形成するための手段を含んでなることができるオフプレス装置により、例えば、少なくとも1個の二重結合を含有する環式有機化合物、アルコール、水及び乳化剤の混合物を撹拌することにより行われる。好ましくは、本発明の方法は、例えば、エマルションを加熱して相分離を誘発することにより、エマルション(使用後の)を有機相と水性相に分離するための段階も含んでなる。このようにして得られた再生された水は、新しいエマルションを製造するため又はクリーニングの後もしくは再コーティングの前に支持体を洗浄するために使用することができる。
【0051】
【実施例】
平版支持体1〜5の製造
0.30mmの厚さ及び500mmの幅を有するアルミニウムの連続ウエブを水酸化ナトリウム10g/lを含有する水性溶液中に39℃で35秒間浸漬し、次いで脱イオン水で30秒間洗浄することによりこのウエブを脱脂した。次いでこのアルミニウムウエブを、塩酸8.1g/l及び酢酸21.7g/lを含有する混合酸水性溶液中で30℃の温度で、表1(下記)に示された如き電流密度で交流電流を使用して30秒間電気化学的に研磨した。脱イオン水で30秒洗浄した後、アルミニウムウエブをリン酸128g/lを含有する水性溶液で43℃で35秒間エッチングして汚れ(smut)を除去し、次いで脱イオン水で30秒間洗浄した。次いでアルミニウムウエブを硫酸154g/lを含有する水性溶液中で50℃の温度で、下表1に示された如き電流密度で直流電圧を使用して、30秒間陽極酸化に付し、次いで脱イオン水で30秒間洗浄しそして、ポリビニルホスホン酸2.45g/lを含有する溶液で、53℃で15秒間後処理し、脱イオン水で30秒間洗浄しそして乾燥した。
【0052】
像形成材料1〜5の製造
水中の2.61重量%コーティング溶液を下記の成分を混合することにより製造した。
【0053】
アニオン性湿潤剤で安定化された、65nmの平均粒度を有するスチレンとアクリロニトリル(重量比60/40)のラテックスコポリマー、
赤外吸収性染料IR−1、
ポリアクリル酸(Allied ColloidsからのGlascol D15、分子量2.7×107g/モル)。
【0054】
像形成性材料1〜5は、下記の如く、上記コーティング溶液をそれぞれ支持体1〜5に噴霧することにより製造された。乾燥の後、像記録層は、ラテックス600mg/m2、染料IR−1、60mg/m2、及びポリアクリル酸120mg/m2からなっていた。
【0055】
【化2】
【0056】
噴霧はドラムの外側表面に平版支持体を取り付けることにより行った。次いでコーティング溶液を、ドラムが164m/分のライン速度で回転している間に、1.5m/分の速度でシリンダーの軸線方向に移動する噴霧ノズルにより支持体上に適用した。噴霧ノズルは、Spraying Systems Belgium,Brusselsにおいて商業的に入手可能な空気支援式噴霧ノズル(air assisted spray nozzle)、タイプSUV76であり、そして、ノズルと支持体との間に40mmの距離の所に取り付けられた。噴霧溶液の流速を7ml/分に調節した。噴霧プロセス期間中、90psiの空気圧を噴霧ヘッドに対して使用した。コーティングを噴霧プロセス期間中70℃の空気温度で乾燥した。
【0057】
露出及び処理
このようにして得られた像形成材料を、330mJ/cm2及び150rpmで操作されているCreo Trendsetter(Creo,Burnaby,Canadaから入手可能なプレートセッター)で露出させた。像形成の後版をMO印刷機(Heidelberger Druckmaschinen AGから入手可能)に取り付け、そしてK+E800インキ及び湿し液として10%イソプロパノールを有する4%Combifix XLを使用して印刷ジョブを開始した。像形成性材料は、印刷機の始動期間中版に供給されたインキ及び湿し水(fountain)によりオンプレス処理された。印刷機の20回の回転の後、平版像の優れた印刷コピーを生成する印刷マスター1〜5がそれにより得られた。
【0058】
運転長さの評価
先の段階で開始された印刷運転を続けた。運転長さは、像損耗により、高品質像(200 lpi)の60%スクリーンの劣化が5%を越えるときの印刷されたコピーの数を決定することにより評価された。表1(下記)の実施例1、2及び5のデータは、与えられた陽極重量(4.8g/m2)について、運転長さはRaを減少させることにより有意に改良されることを証明する。与えられたRa(実施例2〜4:0.28μm)について、陽極重量を増加させることにより更なる改良が達成される。版5は印刷運転が停止されたときの90000コピーの後まだ像損耗を示さなかった。
【0059】
【表1】
【0060】
支持体の再生
メチルグリコール75gを脱イオン水5gと混合することによりクリーニング液を製造した。撹拌している間に、NH4Fの10重量%水性溶液20ml及び次いでHClの30重量%水性溶液1mlを加えた。
【0061】
運転長さ試験の後、Premal Sprayer Division ofPrecision Valve Corporation,New Yorkからの手動圧力噴霧器を使用して、版の平版像上にクリーニング液10ml/m2を噴霧することにより平版支持体1〜5を再生させた。クリナーを30秒間像と相互作用させ、次いで水5リットル/m2の流速で操作される慣用の高圧水によって像を消去した。最後に、再生された支持体を表面が乾燥するまで室温で加圧空気により処理した。
【0062】
このようにして得られた支持体を、上記手順とすべて同一であるコーティング、露出、処理、印刷及びクリーニングの段階の更に5サイクルにおいて再使用した。各サイクルの後、版の清浄さ(cleanliness)、コーティング品質及び印刷品質(汚れ、ゴースト像の存在)を視覚により評価した。上記印刷運転の各々はこれらのすべての基準について優れた結果を生じた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷運転(press run)の後、平版支持体を再生し(recycled)そして疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる像記録層で再コーティングする平版印刷法に関する。このようにして得られた感熱性印刷版材料を次いで新しい像で露出し、処理しそして次の印刷運転における印刷マスターとして使用する。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷においては、インキ受容性(親油性)区域と水受容性(親水性)区域からなる平版像を含む印刷マスターの表面にインキ及び水性湿し水(aqueous fountain solution)が供給される。インキ付けされた像パターンは、次いでマスターの表面から圧縮可能な表面を有するブランケットシリンダーに転写される。ブランケットシリンダーから像は紙に印刷される。マスターは、典型的には、アルミニウムシートの如き寸法的に安定な支持体上に平版像(lithographic image)を担持する印刷版である。アルミニウムプレートは版と版胴(plate cylinder)の表面との位置合わせ(positional registration)を定める機械的ロックアップ機構により印刷機の版胴に固定される(secured)。印刷運転が終わった後、機械的ロックアップシステムを解除して、印刷版を除去しそして捨てることができ、そして新しい像を有する他の印刷版を配置しそして所定の位置にロックすることができる。次いで新しい印刷ジョブを開始することができる。
【0003】
印刷マスターは、一般に、各色の選択がイメージセッターを使用して製版用フイルム(graphic arts film)に転写される、いわゆるコンピュータ−ツー−フイルム法(computer−to−film method)によって得られる。処理の後、該フイルムは版前駆体(plate precursor)と呼ばれる像形成材料の露出(exposure)のためのコンタクトマスクとして使用することができ、そして版処理の後、マスターとして使用することができる印刷版が得られる。これらの段階は、通常専用の露出及び処理装置において行われ、印刷版は次いで印刷機に移されそして、印刷シリンダー自体に組み込まれたロックアップ機構を使用して印刷オペレーターにより印刷シリンダに取り付けられる。印刷シリンダの取り付けは一般に手動操作であるけれども、印刷版を配置しそして固定するためのロボット手段が開発された。
【0004】
近年において、いわゆるコンピュータ−ツー−プレート法(computer−to−plate method)が脚光を浴びている。ダイレクト−ツー−プレート法(direct−to−plate method)とも呼ばれるこの方法はフイルムの作成を回避する。何故ならばデジタルデータがいわゆるプレートセッター(plate−setter)によって版前駆体に直接移されるからである。オンプレス像形成(on−press imaging)は、版が印刷機の版胴に取り付けられている間に像が版上に露出されるダイレクト−ツー−プレート法(ダイレクト−ツー−プレスとも呼ばれる)である。オフプレス製版(off press plate making)と比較して後者の方法の主要な利点は多色印刷機の印刷ステーション間の改良された見当合わせである。
【0005】
2つのタイプのこのようなオンプレス像形成方法が知られている。第1のタイプに従えば、印刷版前駆体を印刷機に取り付け、像通りに(image−wise)露出し、場合により現像し、次いで印刷マスターとして使用し、そして最後に印刷機から除去し、そして廃棄し、かくして各像のための新しい版材料を必要とする。この技術の例は、US5,339,737に詳細に記載されているHeidelberg Druckmaschinen AG(Germany)により製造されたHeidelberg Model GTO−DIである。この方法の欠点は各印刷機運転のために新しい版を使用する必要があることであり、かくして印刷プロセスのコストを増加させることである。
【0006】
第2のタイプのオンプレス像形成システムでは、同じ平版支持体が複数の印刷運転(以後印刷サイクルと呼ぶ)において使用される。各印刷サイクルにおいて、感熱性又は感光性層を平版支持体上にコーティングして印刷版前駆体を作成し、そして像通りの露出及び場合により行う現像の後、印刷マスターを得る。印刷運転の後、印刷マスターのインキ受容区域を像消去段階(image erasing step)において平版支持体から除去し、それにより支持体を再生し、そして版胴に新しい版を取り付ける必要なしに次のサイクルのコーティング、露出及び印刷において使用することができる。このようなオンプレスコーティング及びオンプレス像形成システムの例は、例えば、US5,188,033、US5,713,287、EP−A−786337及びEP−A−802457に記載されている。後者の特許出願は、印刷部材と、均一な像記録層を適用する(apply)ための手段と、像パターンに従って該記録層を走査方式で露出させる手段と、該記録層を現像して該印刷部材上に、インキ反発性バックグラウンド上のインキ受容区域又はインキ受容性バックグラウンド上のインキ反発区域からなる像を残すための手段を具備する装置を記載している。好ましい態様に従えば、記録層は親水性結合剤中に疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
後者の構成(composition)と関連した問題は、それにより得られる印刷マスターの限定された最大運転長さである。像損耗(image wear)によるプリント品質の劣化は運転長さを典型的には最大25000枚の印刷コピーに制限する。限定された機械的頑丈さ(robustness)(引っかきを受けやすいこと)及び版クリーナー、ブランケットクリーナー及び湿し水添加剤の如き印刷化学薬品に対する限定された耐薬品性も上記した低い印刷耐久力に寄与する。従って、本発明の目的は、複数の印刷ジョブに同じ平版支持体を使用しそして像記録層がアルカリ性化学品による処理段階を必要とせずそして高い運転長さを与えそして引っかき抵抗及び耐薬品性の如き平版印刷版材料の多くの他の要求を適える平版印刷の方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法は、各印刷サイクルが一般に下記の如く定義することができる段階(a)〜(e):
(a)親水性表面を有する平版支持体を用意すること、
(b)コーティング:平版支持体上に像記録層を適用することにより印刷版前駆体を作成すること;版前駆体は本明細書では「像形成材料」とも呼ばれる、
(c)露出:像記録層を熱又は光に像通りに露出し、
(d)処理(現像とも呼ばれる):像記録層の非露出区域を平版支持体から除去することにより平版像を有する印刷マスターを作成すること、
(e)印刷:平版像にインキを供給しそして印刷機によってインキを平版像から紙に転写すること、及び
(f)平版像を平版支持体から消去すること、
を含んでなる複数の印刷サイクルからなる。
【0009】
像消去段階は本明細書ではクリーニング段階とも呼ばれる。段階(f)の後得られる再生された支持体を次いで次の印刷サイクルにおいて再使用し、ここで支持体を像記録層で再コーティングし、次いで新しい像により露出し、処理しそして次の印刷運転における印刷マスターとして使用する。同じ支持体を使用する引き続く印刷サイクルの数は少なくとも2、好ましくは20より多くそして50より多いか又は100より多くてもよいが、但し支持体上にゴースト像を残さずそして一方では支持体の平版品質も劣化させない有効な像消去方法が使用されるものとする。
【0010】
運転長さの改良は、特許請求の範囲の請求項1に記載のとおり、疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる像記録層を滑らかなアルミニウム支持体上に適用することにより実現される。滑らかなアルミニウム支持体が、疎水性熱可塑性ポリマー粒子の熱誘発合体(heat−induced coalescence)に従う版作業(plate working)のためのより高い運転長さを与えるという効果は極めて驚くべきこどてある:0.45μmより小さい算術平均中心線粗さRaにより特徴付けられる滑らかな表面が印刷期間中の像損耗の有意な減少を与える理由は十分には理解されておらず;当業者は粗い表面が滑らかな表面よりも良好な合体したポリマー粒子への接着を与えることを予想するであろう。それにもかかわらず、反対のことが観察されそして本明細書で規定されたRa値を有する滑らかな平版支持体が予想外により高い運転長さを与える。
【0011】
本発明の好ましい方法は、像の目に見える損耗なしに少なくとも30,000、更に好ましくは少なくとも60000コピーの印刷長さのために使用することができる平版印刷マスターを提供することができる。最善の態様は100000より多くのコピーの印刷長さすら可能とする。
【0012】
本発明の好ましい態様の特定の特徴は特許請求の範囲の従属項に記載されている。本発明の更なる利点及び態様は下記の記載から明らかとなるであろう。
【0013】
【発明の詳細な記述】
本発明の方法のすべての段階は、好ましくは、版製造者の代わりに、例えば印刷工場においてエンドユーザーにより行われる。上記段階は、オンプレスで、即ち、平版支持体が回転印刷機のシリンダー上に取り付けられている間に行うことができる。別法として、印刷段階(e)を除いて、1つ又はそれより多くの段階をオフプレス装置によって行うことができる。本明細書で使用される「オフプレス装置」は、印刷機に一体化されていないが印刷機のそばに配置されており、それにより印刷機が印刷している間に装置の操作を行うことができるようにした装置を定義する。例えば、露出段階(c)はオンプレス又はオフプレスで行うことができる。オンプレス露出は、露出の直後に多色印刷機における印刷マスターの完全な見当合わせを得るという利点を与える。他方、オフプレス露出法は、露出を印刷機が印刷している間に行うことができるため、オンプレス露出法よりも短いプレスダウン時間(press−dowm time)を与える。
【0014】
オンプレス露出を使用する態様では、処理は好ましくは露出された像記録層にインキ及び/又は湿し水(又は単一流体インキ(single fluid ink))を供給することにより行われる。オフプレス露出を使用する態様においては、別の処理法(以下に更に詳細に述べる)を使用することもでき又は露出された版を印刷機に取り付け、次いでインキ及び/又は湿し水(又は単一流体インキ)を供給することにより処理することができる。
【0015】
露出段階(c)及び処理段階(d)の外に、コーティング段階(b)及び/又はクリーニング段階(f)を各々オフプレス装置によって行うこともできる。このような方法では、プレスダウン時間は最小である。何故ならば、与えられた印刷運転期間中、次の印刷ジョブの像形成性材料(1つ又は複数)をオフプレス装置でコーティングすることができそして場合により露出させそして処理することもでき、そして先の印刷ジョブの材料(1つ又は複数)を、印刷機が印刷している間に、オフプレスクリーニング装置によりクリーニングしそして再コーティングすることができるからである。クリーニング、コーティング、露出及び処理のすべての段階を単一のオフプレス装置により行うことができる。
【0016】
クリーニング及び/又は処理液はコーティング段階のために使用されるのと同じ手段を使用して支持体に供給することができ、例えば、コーティング溶液、クリーニング液及び/又は処理液を適用するために単一の噴霧ヘッド又はインキジェットヘッドを使用することができる。あるいは、各々本発明の方法の段階の1つを行う異なる区域からなりそして支持体の上を引き続いて移動するヘッド、例えば、クリーニング液を供給するためのノズル及び/又はコーティング溶液を供給するためのノズル及び/又はレーザー露出ヘッド及び/又は処理液を供給するためのノズルを含んでなるヘッドを使用することにより、いくつかの段階を同時に行うことができる。
【0017】
オフプレス装置によってコーティング及び/又は露出された版の印刷機への移送及び使用された版の印刷機からクリーニング装置への移送は手で行うことができるが、より有利には、オフプレス装置を機械的移送手段によって印刷機に機械的にカップリングさせる。このような態様に従えば、平版支持体をオフプレス装置でコーティングすることができそして場合により露出させることもでき、次いで印刷機に機械的に移送しそして、印刷運転の後、使用した印刷マスターをオフプレスクリーニング装置に機械的に移送することができ、そこでコーティングを支持体から除去し、次いで支持体を次のサイクルのコーティング、露出、処理、印刷及びクリーニングにおいて再び使用することができる。移送手段は、支持体、像形成性材料又は使用された印刷マスターを1つの装置から他の装置に動かし、輸送し又は搬送することができる機構を含んでなることができる。このような機構は当該技術分野で知られておりそして版取り扱い装置において広く使用される。移送手段は、コンベヤベルト、グリッパー、吸引カップ、ローラー、チェーン等を含んでなることができる。材料を印刷機に機械的に移送するために使用される手段は、好ましくは、材料を版胴上に取り付ける機構を含む。使用された印刷マスターを印刷機からクリーニング装置に機械的に移送するために使用される手段は、好ましくは印刷マスターを版胴から除去する機構を含む。版は普通はクランプにより版胴に固定され、これに対してスリーブは版胴の上を滑らされる。
【0018】
オフプレス装置を多色印刷機と組み合わせる態様では、クリーニングされた支持体、像形成性材料又は印刷マスターの一時的貯蔵のためのバッファーとして作用する積み重ね装置を使用し、それによりすべてのカラー選択をクリーニング、コーティング、露出及び/又は処理するために単一のオフプレス装置を使用することができることが有利でありうる。本発明の方法において使用するための適当な1つ又はそれより多くのオフプレス装置を機械的移送手段又は積み重ね装置により印刷機にカップリングさせる種々の構成の更に詳細な且つ特定の態様はEP−A−1142706及び1118473に記載されている。このようなシステムは、プレスダウン時間が最小でありそして特別な熟練なしに行うことができる完全自動化作業流れを可能とする。
【0019】
平版支持体
支持体はシート状材料であることができ又はスリーブの如き円筒形要素であることができる。後者の選択においては、シートを、例えばレーザーによって円筒形形態で半田付けすることができる。このような円筒形支持体は、慣用の印刷版の如く印刷機に取り付けられる代わりに印刷機の印刷シリンダ上で滑らせることができる。
【0020】
本発明の方法で使用される支持体は、ときにはCLA(中心線平均)とも呼ばれる算術平均中心線粗さ(Ra)として表される低い表面粗さにより特徴付けられる親水性表面を有する研磨され(grained)そして陽極酸化されたアルミニウム支持体である。本明細書で使用されたRaは、ISO 4287/1(=DIN 4762)及びそれにおける参照文献において定義されている。本明細書で報告されたRa値は、非常に細い先端を有する接触針(contact stylus)を使用する機械的プロフィル法によりISO 4288及びそれにおける参考文献に従って測定された(光学的プロフィル法も知られており、このような光学的方法は系統的にISO法よりも高い値を与える)。Raを測定するために使用される装置は、Taylor Hobson LtdからのTalysurf 10であった。
【0021】
本発明の方法において使用される研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体の親水性表面のRa値は、0.45μmより低く、好ましくは0.4μmより低く、更に好ましくは0.3μmより低い。上記した低いRa値により特徴付けられる親水性表面を有する研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体は、本明細書では簡潔に「滑らかな支持体」(“smooth support”)と呼ばれる。Ra値の下限は0.05μm、好ましくは0.1μmであることができる。表面粗さの外に、支持体の陽極重量(anodic weight)(アルミニウム表面に形成されたAl2O3のg/m2)もまた運転長さに影響を与える。本発明に従えば、親水性表面に2.5g/m2より多くの酸化アルミニウムを形成することにより、与えられた粗さRaについてより高い運転長さすら得ることができる。3.0g/m2より高い値又は3.5g/m2より高い値ですらなお更に好ましい。
【0022】
アルミニウム平版支持体の研磨及び陽極酸化は周知である。本発明の方法で使用される研磨されたアルミニウム支持体は、好ましくは、電気化学的に研磨された(electrochemically grained)支持体である。研磨するために使用される酸は、例えば、硝酸であることができる。研磨するために使用される酸は好ましくは塩化水素を含んでなる。酸の混合物、例えば塩化水素と酢酸の混合物も使用することができる。
【0023】
一方で電気化学的研磨及び陽極酸化パラメーター、例えば、電極電圧、酸電解質の性質及び濃度又はパワー消費と、他方でRa及び陽極重量として得られる平版品質との間の関係は周知である。種々の製造パラメーターとRa又は陽極重量との間の関係に関する更なる詳細は、例えば、ATB MetallurgieJournalにおいて公表されるべき、F.R.Mayersによる論文“Manegement of Change in the AluminumPrinting Industry”に見いだすことができる。それ故、当業者は、研磨されたアルミニウム支持体上に滑らかな表面を形成するため又はアルミニウム陽極酸化期間中に与えられた陽極重量を形成するために必要な種々のパラメーターの設定について十分承知している。
【0024】
研磨及び陽極酸化の段階は好ましくは本発明の段階(a)の一部ではない。何故ならば、研磨及び陽極酸化は強酸及び高い電圧下の電極を使用する処置であり、それ故印刷工場の如きエンドユーザーの場所での実施には適当ではないからである。その代わりに、印刷版製造者により供給された研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体を使用するのがより好都合であり、そして平版品質、特に、研磨されそして陽極酸化された表面の表面粗さ及び陽極重量に有意に影響を与えることなく支持体から平版像を除去する像消去法を使用して本発明に従う印刷運転の後エンドユーザーにより支持体が再生されるのがより好都合である。
【0025】
場合により、再生された研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体はいわゆる回復(refreshing)段階で処理してその表面の親水性を回復させることができる。この回復段階は像消去段階の後にそして支持体上に像記録層を適用する前に、例えば、本発明の方法の段階(a)の期間中に行うことができる。回復段階は、典型的には慣用の平版印刷版を製造するのに使用される周知のアルミニウム研磨及び陽極酸化法に続くいわゆる後処理段階と同様であることができる。例えば、アルミニウム支持体は、その表面を例えば95℃の高められた温度でケイ酸ナトリウム溶液で処理することによりケイ酸塩化する(silicated)ことができる。あるいは、更に無機フッ化物を含有していてもよいリン酸塩溶液で酸化アルミニウム表面を処理することを伴うリン酸塩処理を施すことができる。更に、酸化アルミニウム表面を、有機酸及び/又はそれらの塩、例えば、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸又はそれらの塩、例えば、コハク酸塩、リン酸塩、ホスホスン酸塩、硫酸塩及びスルホン酸塩により洗浄することができる。クエン酸又はクエン酸塩溶液が好ましい。この処理は室温で行うことができ又は約30〜50℃の僅かに高められた温度で行うことができる。更なる後処理は酸化アルミニウム表面を炭酸水素塩溶液で洗浄することを含む。なお更に、酸化アルミニウム表面をポリビニルホスホン酸、ポリビニルメチルホスホン酸、ポリビニルアルコールのリン酸エステル、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、ポリビニルアルコールの硫酸エステル及びスルホン化脂肪族アルデヒドとの反応により形成されたポリビニルアルコールのアセタールで処理することができる。これらの後処理の1つ又はそれより多くを単独で又は組み合わせて行うことができることは更に明らかである。これらの処理の更に詳細な説明は、GB−A−1084070、DE−A−4423140、DE−A−4417907、EP−A−659909、EP−A−537633、DE−A−4001466、EP−A−292801、EP−A−291760及びUS−P 4458005に与えられる。
【0026】
適当な回復段階の他の態様はEP−A−1188579に記載されている。それに記載されている回復液(refreshing liquid)は、pH<7を有する水性溶液であり、そして酸性化合物、例えばクエン酸、ポリアクリル酸又は水のpHを下げることができるシリカ含有化合物を含んでなる。好ましくは、回復液は、式I
【0027】
【化1】
【0028】
式中、XはOH、O−又はポリマー主鎖である、
に従う化合物を含んでなる。
【0029】
対イオンは、pHに依存してH+又は金属カチオン、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属又は遷移金属、例えば、クロム、であることができる。式(I)に従う化合物の適当な例は、ポリビニルホスホン酸、ビニルホスホン酸とアクリル酸及び酢酸ビニルとのコポリマー、アクリルアミドイソブチレンホスホスン酸である。好ましくは、この化合物はリン酸又はリン酸塩である。
【0030】
あるいは、式(I)に従う化合物は、EP−A−1188578に記載の如く段階(e)の期間中に像を消去するために使用することができるクリーニング液に加えることもできる。このような態様では、別々の回復段階を省くことができる。
【0031】
像記録層
平版支持体上に適用される像記録層は感熱性であり、それにより普通の作業照明条件(昼光、蛍光)において多時間にわたり取り扱うことができる版前駆体を与える。像記録層は、像形成性成分としてポリマーラテックス、更に特定的には、熱誘発合体することができる疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる。適当な疎水性ポリマーの特定の例は、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリビニルカルバゾール、ポリスチレン又はそれらのコポリマーである。好ましい態様に従えば、熱可塑性ポリマーはポリスチレン少なくとも50重量%、更に好ましくはポリスチレン少なくとも60重量%を含んでなる。適当なラテックスはポリスチレン及び場合により安定剤からなる。
【0032】
機械的損傷及び印刷化学薬品、例えば、版クリーナーにおいて使用される炭化水素に対する十分な抵抗性を得るために、熱可塑性ポリマーは、好ましくは、窒素含有モノマー単位又は20より大きい溶解パラメーターにより特徴付けられるモノマーに相当する単位、例えば(メタ)アクリロニトリル、又はスルホンアミド及び/又はフタルイミドペンダント基を含んでなるモノマー単位、少なくとも5重量%、更に好ましくは少なくとも30重量%を含んでなる。このような窒素含有モノマー単位の他の適当な例は、2001年11月23日に出願されたヨーロッパ特許出願第01000657号に開示されている。疎水性熱可塑性ポリマーの特定の態様は、(メタ)アクリロニトリル及び/又はスチレンのホモポリマー又はコポリマー、例えば、1:1〜5:1(スチレン:アクリロニトリル)の重量比のスチレン及びアクリロニトリル単位からなるコポリマーである。2:1又は3:2の割合が優れた結果を与える。
【0033】
熱可塑性ポリマー粒子の重量平均分子量は5,000〜1,000,000g/モルの範囲にあることができる。疎水性粒子は好ましくは200nm以下、更に好ましくは10〜100nmの数平均粒径を有する。像記録層中に含まれる疎水性熱可塑性ポリマー粒子の量は、全体として層に対して好ましくは20重量%〜95重量%、更に好ましくは45重量%〜90重量%、最も好ましくは65重量%〜85重量%である。
【0034】
像記録層は、更に親水性結合剤、例えば、ビニルアルコール、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマーあるいは無水マレイン酸/ビニルメチルエーテルコポリマーを含んでなることができる。使用される(コ)ポリマー又は(コ)ポリマー混合物の親水性は、少なくとも60重量%の程度、好ましくは80重量%の程度に加水分解されたポリ酢酸ビニルの親水性と同じか又はそれより高いことが好ましい。カルボキシルペンダント基を有する結合剤、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸は好ましい。
【0035】
像記録層は、他の成分、例えば、追加の結合剤、界面活性剤、着色剤、現像抑制剤又は促進剤及び特に赤外線を熱に転換することができる1種又はそれより多くの化合物を含有することもできる。着色剤は好ましくは処理の後可視像を与える染料又は顔料である。特に有用な光を熱に転換する化合物は、例えば、赤外染料(infrared dyes)、カーボンブラック、金属炭化物、ホウ化物、窒化物、炭窒化物、青銅構造酸化物及び伝導性ポリマーディスパージョン、例えば、ポリピロール、ポリアニリン又はポリチオフェンディスパージョンである。アニオン性シアニン染料が好ましい。
【0036】
コーティング段階(b)
コーティング段階期間中に、像記録層は支持体の親水性表面上に適用される。適切なコーティング厚さを得るために、同じ支持体上にコーティングを数回繰り返すことが必要でありうる。コーティングは、像記録層に隣接した1つ又はそれより多くの追加の層を含むこともできる。このような追加の層は、例えば、像記録層と支持体との間の接着改良層、又は赤外線を熱に転換することができる上記化合物の1種又はそれより多くを含んでなる光吸収性層、又は処理期間中除去されるカバー層であることができる。
【0037】
コーティングは、EP1048458に記載の如きドナー材料から熱もしくは摩擦誘発転写により、又は例えばEP−A−974455及び1097811に記載の如き粉末コーティングにより、又は任意の既知のコーティング方法、例えばスピンコーティング、ディップコーティング、ロッドコーティング、ブレードコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、リバーサルロールコーティング、押出コーティング、スライドコーティング及びカーテンコーティングに従って液体溶液をコーティングすることにより適用されうる。これらのコーティング技術の概観は、書籍“Modern Coating and Drying Technology”,Edward Cohen and Edgar B.Gutoff Editors,VCH publishers,Inc,New York,NY,1992に見いだされうる。印刷技術、例えば、インキジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、又はオフセット印刷によりコーティング溶液を支持体上に適用することも可能である。EP−A−1179422に記載の如きインキジェット印刷及び特に2001年3月22日に出願された未公開EP−A−no.01000065に記載の如きバルブジェット印刷は高度に好ましい。
【0038】
最も好ましい態様に従えば、コーティング溶液は噴霧ノズルを具備するヘッドによって支持体上に噴霧される。噴霧パラメーターの好ましい値は、EP−A−1084830及び1084862に規定されている。好ましい構成では、支持体は、ドラム、例えば、印刷機の版胴の外側表面に取り付けられ、そして噴霧ヘッドはドラムが角度方向に回転している間に軸線方向に支持体に沿って並進する。
【0039】
露出段階(c)
本明細書に記載の像形成性材料は、オフプレス及びオンプレス露出に適当である。それらは、例えば、サーマルヘッド、LEDs又は赤外レーザーによって熱又は赤外線に露出させることができる。好ましくは、約700〜約1500nmの範囲の波長を有する近赤外線を放出するレーザー、例えば、半導体レーザーダイオード、Nd:YAG又はNd:YLFレーザーが使用される。必要なレーザーパワーは、像記録層の感度、スポット直径(最大強度の1/e2における現代のプレートセッターの典型的な値:10〜25μm)により決定されるレーザービームの画素滞留時間、走査速度及び露出装置の解像力(即ち、しばしばドット/インチ又はdpiで表される線形距離の単位当たりのアドレス可能な画素の数;典型的な値:1000〜4000dpi)に依存する。2つのタイプのレーザー露出装置、即ち、内部ドラム(ITD)及び外部ドラム(XTD)プレートセッターがよく使用される。熱プレートのためのITDプレートセッターは、典型的には500m/秒までの非常に高い走査速度により特徴付けられそして数ワットのレーザーパワーを必要とすることがある。約200mW〜約1Wの典型的なレーザーパワーを有する熱プレートのためのXTDプレートセッターは、例えば、0.1〜10m/秒のより低い走査速度で操作される。
【0040】
露出段階の間に発生される熱により、疎水性熱可塑性ポリマー粒子は融解し又は凝固して(coagulate)印刷マスターの印刷区域に対応する疎水性相を形成する。凝固は、熱可塑性ポリマー粒子の熱誘発合体、軟化又は溶融から生じることができる。熱可塑性疎水性ポリマー粒子の凝固温度に対する特定の上限はないが、この温度はポリマー粒子の分解温度より十分に低くあるべきである。好ましくは、凝固温度はポリマー粒子の分解が起こる温度より少なくとも10℃低い。凝固温度は好ましくは50℃より高く、更に好ましくは100℃より高い。
【0041】
処理段階(d)
処理段階の間に、像記録層は、露出された区域において像記録層を実質的に除去することなく、即ち、露出された区域のインキ受容を不十分にする程度に露出された区域に影響を与えることなく、露出されなかった区域において親水性表面から除去される。これは、例えば、水、水性液体、ゴム溶液、インキ、湿し水又は単一流体インキよりなる群から選ばれる処理液を像記録層に供給することにより達成することができる。処理の結果として、疎水性(印刷)区域と親水性(非印刷)区域からなる平版像を含む印刷マスターが得られる。処理液は、例えば、処理液で含浸されているパッドを使用することにより、手によりもしくは自動処理装置において注ぐか浸漬するか又はコーティングすることにより像形成性材料に供給することができる。更に、処理液の供給は、例えば、回転ブラシによる機械的摩擦(rubbing)と組み合わせることができる。例えば、2001年6月21日に出願されたEP−A−no.01000248に記載の装置によりる処理液の噴射又は噴霧も適当な方法である。
【0042】
処理段階は、像形成性材料が印刷機のシリンダーに取り付けられている間に、像形成性材料に上記した液体の少なくとも1種を供給することにより、好ましくは印刷機の始動期間中にインキ及び/又は湿し液(fountain liquied)を供給することにより、オンプレスで行うことができる。その態様では、段階(d)は印刷段階(e)の開始とみなすことができる。このような「隠れた処理」段階期間中、露出されなかった区域はインキ及び/又は湿し水との相互作用により支持体から除去される。好ましい態様では、湿し液(dampening liquid)を供給する湿しローラを像形成性材料上に降下させ、次いでそれにインキローラを降下させる。一般に、印刷シリンダーの約10回転の後、最初のクリアーなそして有用なプリントが得られる。このような材料を処理するための別の方法に従えば、インキローラ及び湿しローラを同時に降下させることができ又はインキローラを最初に降下させることができる。このような材料に関連して使用することができる適当な湿し液は、一般に、酸性pHを有しそしてイソプロパノールの如きアルコールを含んでなる水性液体である。
【0043】
オンプレス処理はオンプレス露出段階と組み合わせて使用することができ、又は像形成性材料はオフプレスプレートセッターにより露出させ、次いで印刷機に取り付け、そして印刷機を始動させそしてインキ及び/又は湿し水を像形成性材料に供給することにより処理することができる。
【0044】
特に湿しシステムを含まない乾式平版印刷機(driographic presses)においてオンプレス現像のためにも適当な他の現像方法は、単一流体インキを供給することにより行われる。本発明の方法において使用するのに適当な単一流体インキはUS4,045,232及びUS4,981,517に記載されている。適当な単一流体インキは、WO 00/32705に記載の如く疎水性もしくは親油性相とも呼ばれるインキ相及びポリオール相を含んでなる。単一流体インキによる現像に関する更なる情報は2001年11月15日に出願されたEP−A−no.01000633に見いだすことができる。
【0045】
オフプレスプレートセッターで露出されるとき、像形成性材料は、淡水、水性液体又はゴム溶液を供給することにより処理することもできる。ゴム溶液は、典型的には、汚染又は損傷に対して印刷版の平版像を保護することができる1種又はそれより多くの表面保護化合物を含んでなる水性液体である。このような化合物の適当な例はフイルム形成性親水性ポリマー又は界面活性剤である。ゴム溶液による現像に関する更なる情報は2002年3月6日に出願されたEP−A−no.02100226に見いだすことができる。
【0046】
現像の後、版は乾燥させそして焼き付けることができる。版は焼き付けの前に乾燥させることができ又は焼き付けプロセス自体の期間中に乾燥させる。焼き付けプロセスは、熱可塑性ポリマー粒子の凝固温度より高い温度で、例えば、100℃〜230℃で5〜40分間行うことができる。例えば、露出されそして現像された版は230℃の温度で5分間、150℃の温度で10分間又は120℃の温度で30分間焼き付けることができる。好ましい焼き付け温度は60℃より高い。焼き付けは、慣用の熱風炉中で、誘導加熱により、又は赤外もしくは紫外スペクトルにおいて発光するランプによる照射により行うことができる。好ましい態様では、像形成性材料は焼き付けゴム(baking gum)を適用することによりオフプレスで処理され、次いでオーブンで又は処理装置において一体化されていてもよい赤外ランプにより焼き付けられる。別法として、焼き付けは、版が印刷機に取り付けられている間に行うこともできる。
【0047】
クリーニング段階(f)
クリーニング段階期間中、平版像は支持体からインキ受容区域を除去することにより消去される。像消去段階は、好ましくは、先の印刷運転の平版像上にまだ存在するインキも除去する。クリーニング段階は、好ましくは、支持体の平版表面を劣化させる危険の少ないこと、更にまたインキ受容区域の有効な除去により特徴付けられるが、これらは達成するのに困難な妥協でありうる。クリーニングは、像にクリーニング液を供給することにより、例えば、クリーニング液を含有する浸漬タンク中に印刷マスターを浸漬することにより行うことができる。クリーニングは、また走査方式で、例えば、クリーニング液を像に噴射又は噴霧するためのノズルを含んでなるクリーニングヘッドを使用することによって行うこともできる。後者の態様では、コーティング段階で使用される噴霧又は噴射ヘッドと同じ噴霧又は噴射ヘッドをクリーニング段階のために使用することができる。クリーニングは乾式法によって、例えば、2001年2月14日に出願されたEP−A−no.1000015に記載の如き印刷区域を融除する(ablateing)ためのレーザーを使用することにより、又はEP−A−1080942に記載の如き(大気)プラズマを使用することにより達成することもできる。
【0048】
上記クリーニング方法は超音波処理のための手段又は機械的クリーニング手段と組み合わせることができる。支持体をクリーニングするための適当な機械的手段は、例えば、支持体を掻き取るための手段、支持体をこすり取るための手段、例えば回転ブラシ、クリーニング液で湿らせることができる布又は他の吸収性媒体である。別の機械的クリーニング方法は、空気、水又はクリーニング段階期間中に又はクリーニング段階の直後に蒸発するドライアイスペレットを噴射することを含む。好ましい態様では、最初にクリーニング液を印刷マスターに、例えば噴霧により供給し、そしてクリーニング液が平版像と相互作用することを可能とする短い期間の後、水ジェットを使用して支持体から像を除去する。
【0049】
好ましいクリーニング液は十分に有効であるべきであり、例えば、複数の印刷サイクルの後いかなるゴースト像の出現も回避することができるべきである。クリーニング液の他の好ましい特徴は、環境汚染を回避するための低い揮発性有機含有率(low volatile organic content)及びクリーニング装置のハードウエアに対する不活性であり、例えば、それは好ましくはクリーニング装置で使用されるゴム、シール又は他の材料に影響を与えない液体である。上記要求と合致する適当なクリーニング液組成物はEP−A−1118470、1118471、1118472及び1118474に開示されている。
【0050】
適当なクリーニング液は、水性液体中の有機液体のエマルションである。このエマルションの製造は、好ましくは、有機液体を水性液体と混合して該エマルションを形成するための手段を含んでなることができるオフプレス装置により、例えば、少なくとも1個の二重結合を含有する環式有機化合物、アルコール、水及び乳化剤の混合物を撹拌することにより行われる。好ましくは、本発明の方法は、例えば、エマルションを加熱して相分離を誘発することにより、エマルション(使用後の)を有機相と水性相に分離するための段階も含んでなる。このようにして得られた再生された水は、新しいエマルションを製造するため又はクリーニングの後もしくは再コーティングの前に支持体を洗浄するために使用することができる。
【0051】
【実施例】
平版支持体1〜5の製造
0.30mmの厚さ及び500mmの幅を有するアルミニウムの連続ウエブを水酸化ナトリウム10g/lを含有する水性溶液中に39℃で35秒間浸漬し、次いで脱イオン水で30秒間洗浄することによりこのウエブを脱脂した。次いでこのアルミニウムウエブを、塩酸8.1g/l及び酢酸21.7g/lを含有する混合酸水性溶液中で30℃の温度で、表1(下記)に示された如き電流密度で交流電流を使用して30秒間電気化学的に研磨した。脱イオン水で30秒洗浄した後、アルミニウムウエブをリン酸128g/lを含有する水性溶液で43℃で35秒間エッチングして汚れ(smut)を除去し、次いで脱イオン水で30秒間洗浄した。次いでアルミニウムウエブを硫酸154g/lを含有する水性溶液中で50℃の温度で、下表1に示された如き電流密度で直流電圧を使用して、30秒間陽極酸化に付し、次いで脱イオン水で30秒間洗浄しそして、ポリビニルホスホン酸2.45g/lを含有する溶液で、53℃で15秒間後処理し、脱イオン水で30秒間洗浄しそして乾燥した。
【0052】
像形成材料1〜5の製造
水中の2.61重量%コーティング溶液を下記の成分を混合することにより製造した。
【0053】
アニオン性湿潤剤で安定化された、65nmの平均粒度を有するスチレンとアクリロニトリル(重量比60/40)のラテックスコポリマー、
赤外吸収性染料IR−1、
ポリアクリル酸(Allied ColloidsからのGlascol D15、分子量2.7×107g/モル)。
【0054】
像形成性材料1〜5は、下記の如く、上記コーティング溶液をそれぞれ支持体1〜5に噴霧することにより製造された。乾燥の後、像記録層は、ラテックス600mg/m2、染料IR−1、60mg/m2、及びポリアクリル酸120mg/m2からなっていた。
【0055】
【化2】
【0056】
噴霧はドラムの外側表面に平版支持体を取り付けることにより行った。次いでコーティング溶液を、ドラムが164m/分のライン速度で回転している間に、1.5m/分の速度でシリンダーの軸線方向に移動する噴霧ノズルにより支持体上に適用した。噴霧ノズルは、Spraying Systems Belgium,Brusselsにおいて商業的に入手可能な空気支援式噴霧ノズル(air assisted spray nozzle)、タイプSUV76であり、そして、ノズルと支持体との間に40mmの距離の所に取り付けられた。噴霧溶液の流速を7ml/分に調節した。噴霧プロセス期間中、90psiの空気圧を噴霧ヘッドに対して使用した。コーティングを噴霧プロセス期間中70℃の空気温度で乾燥した。
【0057】
露出及び処理
このようにして得られた像形成材料を、330mJ/cm2及び150rpmで操作されているCreo Trendsetter(Creo,Burnaby,Canadaから入手可能なプレートセッター)で露出させた。像形成の後版をMO印刷機(Heidelberger Druckmaschinen AGから入手可能)に取り付け、そしてK+E800インキ及び湿し液として10%イソプロパノールを有する4%Combifix XLを使用して印刷ジョブを開始した。像形成性材料は、印刷機の始動期間中版に供給されたインキ及び湿し水(fountain)によりオンプレス処理された。印刷機の20回の回転の後、平版像の優れた印刷コピーを生成する印刷マスター1〜5がそれにより得られた。
【0058】
運転長さの評価
先の段階で開始された印刷運転を続けた。運転長さは、像損耗により、高品質像(200 lpi)の60%スクリーンの劣化が5%を越えるときの印刷されたコピーの数を決定することにより評価された。表1(下記)の実施例1、2及び5のデータは、与えられた陽極重量(4.8g/m2)について、運転長さはRaを減少させることにより有意に改良されることを証明する。与えられたRa(実施例2〜4:0.28μm)について、陽極重量を増加させることにより更なる改良が達成される。版5は印刷運転が停止されたときの90000コピーの後まだ像損耗を示さなかった。
【0059】
【表1】
【0060】
支持体の再生
メチルグリコール75gを脱イオン水5gと混合することによりクリーニング液を製造した。撹拌している間に、NH4Fの10重量%水性溶液20ml及び次いでHClの30重量%水性溶液1mlを加えた。
【0061】
運転長さ試験の後、Premal Sprayer Division ofPrecision Valve Corporation,New Yorkからの手動圧力噴霧器を使用して、版の平版像上にクリーニング液10ml/m2を噴霧することにより平版支持体1〜5を再生させた。クリナーを30秒間像と相互作用させ、次いで水5リットル/m2の流速で操作される慣用の高圧水によって像を消去した。最後に、再生された支持体を表面が乾燥するまで室温で加圧空気により処理した。
【0062】
このようにして得られた支持体を、上記手順とすべて同一であるコーティング、露出、処理、印刷及びクリーニングの段階の更に5サイクルにおいて再使用した。各サイクルの後、版の清浄さ(cleanliness)、コーティング品質及び印刷品質(汚れ、ゴースト像の存在)を視覚により評価した。上記印刷運転の各々はこれらのすべての基準について優れた結果を生じた。
Claims (14)
- (a)親水性表面を有する平版支持体を用意し、
(b)疎水性熱可塑性ポリマー粒子を含んでなる像記録層を親水性表面上に適用し、
(c) 像記録層を熱又は光に像通りに露出し、それにより露出された区域において疎水性熱可塑性ポリマー粒子の合体を誘発させ、
(d)像記録層を現像し、それにより平版像を含む印刷マスターを得、
(e)印刷マスターの平版像にインキを供給しそして印刷マスターから紙にインキを転写することにより複数の印刷されたコピーを製造し、
(f)平版像を消去することにより平版支持体を再生し、
(g)段階(a)〜(e)及び場合によりまた(f)及び(g)を含んでなる次のサイクルにおいて再生された平版支持体を使用する、
段階を含んでなる平版印刷法であり、
平版支持体が、研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体であって、その親水性表面が算術平均中心線粗さRaとして表される0.45μmより小さい表面粗さを有し、そして表面において3.5g/m2より多い酸化アルミニウムを含んでなる、研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体であることを特徴とする方法。 - 段階(e)において少なくとも30000枚の印刷されたコピーを製造する請求項1に記載の方法。
- 疎水性熱可塑性ポリマー粒子が(メタ)アクリロニトリル及び/又はスチレンのホモポリマー又はコポリマーを含んでなる請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
- 疎水性熱可塑性ポリマー粒子が(メタ)アクリロニトリル及びスチレンのコポリマーを含んでなり、そして像記録層が親水性結合剤及び赤外線吸収性染料を更に含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 段階(b)〜(f)をすべて、平版支持体が回転印刷機のシリンダー上に取り付けられている間に行う請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- (i)段階(b)をオフプレス装置で行い、
(ii)段階(c)〜(e)を平版支持体が回転印刷機のシリンダー上に取り付けられている間に行い、
(iii)段階(f)を、オフプレス装置で行うか又は平版支持体が回転印刷機のシリンダー上に取り付けられている間に行う、
段階を含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - (i)段階(b)〜(c)をオフプレス装置で行い、
(ii)段階(d)〜(e)を平版支持体が回転印刷機のシリンダー上に取り付けられている間に行い、
(iii)段階(f)を、オフプレス装置で行うか又は平版支持体が回転印刷機のシリンダー上に取り付けられている間に行う、
段階を含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 像記録層にインキ及び/又は湿し液を供給することにより段階(d)を行う請求項6又は7に記載の方法。
- (i)段階(b)〜(d)をオフプレス装置で行い、
(ii)段階(e)を平版支持体が回転印刷機のシリンダー上に取り付けられている間に行い、
(iii)段階(f)を、オフプレス装置で行うか又は平版支持体が回転印刷機のシリンダー上に取り付けられている間に行う、
段階を含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - ゴム溶液を段階(d)において処理液として使用する請求項9に記載の方法。
- ゴム溶液が焼き付けゴム溶液であり、そして段階(d)と(e)との間で、熱風で加熱することにより又は赤外ランプでの照射により印刷マスターを焼き付け、そして段階(e)の間に製造される印刷されたコピーの数が100000枚より多い請求項10に記載の方法。
- 段階(b)の間に、噴霧ノズル又はインキジェットノズルにより平版支持体の親水性表面に像記録層を適用する請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- 段階(d)の間に、噴霧ノズル又はインキジェットノズルにより処理液を像記録層に適用する請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
- 段階(f)の間に、噴霧ノズル又はインキジェットノズルにより平版像にクリーニング液を適用する請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
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