JP2004154822A - 溶湯処理方法、溶湯処理装置及び坩堝炉 - Google Patents

溶湯処理方法、溶湯処理装置及び坩堝炉 Download PDF

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Abstract

【課題】微細化した処理ガスを溶湯中に短時間で均一に分散でき、しかも、溶湯の回転流が発生させず、フラックスも不要になって、処理の効率化が図れる溶湯処理方法、溶湯処理装置及び坩堝炉を提供する。
【解決手段】溶湯処理方法は、上から下に向けて溶湯を流し、該溶湯流の下流側で処理ガスの気泡を導入し、該気泡を前記溶湯流の流れに逆らって上昇させることを特徴とし、溶湯処理装置は、坩堝内を仕切り壁で仕切ることにより溶湯を上から下に向けて流すための溶湯流路を形成し、該溶湯流路の下流側に処理ガス導入部を設けたことを特徴し、坩堝炉は、溶解用坩堝と保持用坩堝とを備えた坩堝炉において、前記保持用坩堝内を仕切り壁で仕切ることにより溶湯を上から下に向けて流すための溶湯流路と溶湯汲み出し部とを形成し、前記溶湯流路の下流側に処理ガス導入部を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶湯に吸収された水素ガス等のガス及び溶解時の溶解材料による酸化物等の溶湯介在物を除去するための溶湯処理方法、溶湯処理装置及び坩堝炉
に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶湯処理方法としては、アルゴン、窒素などの不活性ガスをランスパイプを通じて溶湯中に吹き込むことにより、水素ガスを拡散させると共に溶湯介在物を浮上分離させて除去する方法がある。また、不活性ガスを高速回転するインペラ(回転翼)から噴出させ、不活性ガスの気泡を微細化させて溶湯中に吹き込んで除去する回転脱ガス処理法がある。更に、ハロゲン化物など(主として六塩化エタン)、溶湯中で塩素ガスを放出する脱ガス用フラックスや、NaCl、KCl,NaF等を主成分とし少量のNaSiF、NaSO等が加えられた脱滓用フラックスを用いて除去する方法等が行われている。
【0003】
そして、かかる溶湯処理は、溶解後の溶湯を受けて保持する溶解保持部で溶湯中に不活性ガスを吹き込んだり、溶解と保持を兼ねる黒鉛坩堝炉内で数時間毎に断続的にフラックス処理を行ったり、回転脱ガス装置をセットして脱ガス処理を加えることにより行われている(例えば、特許公報1参照。)。
【0004】
なお、処理された溶湯は必要に応じて成分調整、鎮静、温度調整等の工程を経て鋳造される。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−91350号公報(全頁、全図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ランスパイプを用いてガスを吹き込む方法では、微細化した溶湯処理ガスを広く均一に分散させる必要があるので、処理に時間がかかるという問題があった。また、回転脱ガス処理法では、インペラの高速回転により短時間で処理可能になるが、インペラを一方向に回転させることによる旋回流によっていわゆる溶湯の共回り現象が発生し、その結果、溶湯の回転流によって酸化物等の溶湯介在物の懸濁や容器の耐火壁の侵食を引き起こす等の問題があった。更に、フラックス処理による方法では、粒状フラックスを溶湯表面に散布した後、溶湯を攪拌具で攪拌して滓(ノロ)を分離させる必要があるので、高温下で有毒性の塩素ガスの発生を伴う好ましくない環境での作業が強いられるという問題があった。
【0007】
本発明は、微細化した処理ガスを溶湯中に短時間で均一に分散させることができ、しかも、溶湯の回転流を発生させず、フラックスも不要になって、処理の効率化を図ることができる溶湯処理方法、溶湯処理装置及び坩堝炉を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の溶湯処理方法、溶湯処理装置及び坩堝炉は、以下のような特徴を有する。
【0009】
溶湯処理方法は、上から下に向けて溶湯を流し、該溶湯流の下流側で処理ガスの気泡を導入し、該気泡を前記溶湯流の流れに逆らって上昇させることを特徴とする。
【0010】
溶湯処理装置は、坩堝内を仕切り壁で仕切ることにより溶湯を上から下に向けて流すための溶湯流路を形成し、該溶湯流路の下流側に処理ガス導入部を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、溶湯処理装置には、前記溶湯流路を流れる溶湯を濾過するフィルターを設けるのが望ましい。
【0012】
坩堝炉は、溶解用坩堝と保持用坩堝とを備えた坩堝炉において、前記保持用坩堝内を仕切り壁で仕切ることにより溶湯を上から下に向けて流すための溶湯流路と溶湯汲み出し部とを形成し、前記溶湯流路の下流側に処理ガス導入部を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、坩堝炉には、前記溶湯流路を流れる溶湯を濾過するフィルターを設けるのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施形態1>
図1は溶湯処理装置Aを備えた坩堝炉(溶解保持炉)を示し、該坩堝炉は、アルミニウムインゴット、返り材等の溶解材料aの予熱タワー1と、該予熱タワー1の直下に設置された溶解用坩堝炉(黒鉛坩堝炉)2と、該溶解用坩堝炉2に並置した保持用坩堝炉(黒鉛坩堝炉)3とを主構成要素として備え、溶解用坩堝炉2から保持用坩堝炉3内への配湯を連続的に行い溶湯の汲み出しを保持用堝炉3側から行う構成になっている。
【0015】
また、溶湯処理装置Aは、後述のように溶湯流路と処理ガス導入部とを備えている。
【0016】
溶解用坩堝炉2は第1炉本体4と該炉本体4内に第1坩堝台5を介し設置された溶解用坩堝6を備え、該坩堝6の周囲には、第1炉本体4との間に第1周隙7が形成され、該周隙7は上記炉本体4の側壁下部に設置の燃焼ガス供給部(図示省略)から供給される燃焼ガスの上昇通路となる。
【0017】
保持用坩堝炉3は第2炉本体8と該炉本体内8に第2坩堝台9を介し設置された保持用坩堝10とを備え、該坩堝10の周囲には、第2周隙11が形成され、該周隙11は第2炉本体8の側壁下部に設置の燃焼ガス供給部(図示省略)から供給される燃焼ガスの上昇通路となり、その上端側は黒鉛坩堝10の押さえ蓋12により閉じられ、外気から遮断されている。坩堝台5,9は坩堝6,10の底部からの加熱を可能にするために、筒状にして側部に燃焼ガスの流通口5a,9aを備えていることが好ましい。
【0018】
炉本体8,9は断熱材、例えばセラミック系の断熱材で内張りが施されており、その境界部の側壁は共用され、共用側壁13に、第1と第2の周隙7,11を連通させるための連通部14が形成されている。
【0019】
溶解用坩堝6と保持用坩堝10とは、前者坩堝6の胴部に設けた溢流タイプの排出口15並びに該排出口15に接続する、例えば樋形の移送部16を介し接続され、溶湯17を前者坩堝6内から排出口15を溢流させながら移送部16を経て後者坩堝10内に連続的に移送できる構成になっている。溶湯17の連続的移送は、坩堝6,10内の液面のヘッド差を利用して行われる。溶解用坩堝6の胴部に対する排出口15の形成位置は、該坩堝6内に常時滞留させる溶湯17の液量ひいては液面高さを考慮し、選択決定すればよい。また、溶解用坩堝6では材料が底部に滞留した溶湯17によって連続的に溶かされるので、材料の融点に近い温度、一般的には600〜650℃の低温に維持できることになり、水素ガスの吸収を抑制することができ、また、燃焼ガスが直接地金に当たるのが回避されて酸化物の生成を抑制でき、更に、黒鉛坩堝の材質がアルミニウム溶湯と反応しないことにより溶湯介在物の混入を抑制できる等溶湯の品質向上が図れる。
【0020】
移送部16は保持用坩堝10の液面上方位置まで延設されている。移送部16は連通部14内を流通する燃焼排ガス中に晒され、燃焼排ガスによる加熱を受け、移送中に於ける溶湯の温度降下を防止できる構成になっている。
【0021】
保持用坩堝10内は耐火仕切り壁18で仕切られて溶湯流路19と汲み出し部20とが形成され、耐火仕切り壁18の下端と保持用坩堝10の底部との間には連通口21が形成されている。溶湯流路19は、溶解坩堝6からの溶湯17を受湯し、該溶湯17を上から下に向けて流して連通口21を通して汲み出し部20に移流させる構成になっている。
【0022】
溶湯流路19には処理ガス供給部(図示省略)に接続された処理ガス管32が配管され、処理ガス管32の下端(溶湯流路19の下流側)には処理ガス導入部33が設けられている。該処理ガス導入部33は、先端が閉塞した円筒形のガス導入体33aの開口側(基端側)を処理ガス管32の下端に接続して形成され、ガス導入体33aは溶湯流に逆らって気泡を吹き出させるために通気量が0,10l/min以上のポーラスプラグ等の多孔質セラミックス材で成形されている。
【0023】
処理ガスとしては、アルゴン、窒素ガス等の不活性ガスの他に、塩素ガス等の活性ガスや、活性ガスと不活性ガスとの混合ガスを採用することができる。
【0024】
溶湯流路19内の受湯溶湯及び溶湯流路19内で各種の溶湯処理を経て、連通孔21を通じて汲み出し部20に移湯した保持用坩堝10内の溶湯は、保持用坩堝炉3に設置された燃焼ガスによる加熱を受けて所定の鋳造温度まで上昇し、鋳造に使用される。
【0025】
坩堝6,10からは亀裂等を通じ溶湯が漏れることがあり、漏出溶湯を炉外に排出するために、例えば共用側壁13の下端部と第2炉本体8の側壁下端部とに、ドレン排出口22,23が形成されている。
【0026】
溶解用坩堝2の炉本体4は無蓋有底筒形であり、その上端には筒形の予熱タワー1が2段重ね状態且つ同心状に設置され、該タワー1の下端は溶解用坩堝6の上端の上方で、該坩堝6内に向けて開口し、該タワー1を通じアルミニウムインゴット、返り材等の溶解材料aを坩堝6内に投入できる構成になっている。
【0027】
第1炉本体4内の第1周隙7の上端側は予熱タワー1内に、溶解用坩堝6の上端と予熱タワー1の下端との間の環状空隙24を介し連通され、燃焼排ガスを予熱タワー1内に予熱源として供給できる構成になっている。
【0028】
予熱タワー1には、胴部と上端とに溶解材料aの投入口25,26があり、該投入口25,26にはそれぞれ開閉蓋27,28が備えられ、上端の開閉蓋28には、燃焼排ガスの排気口29が設けられている。排出口29の形成は、燃焼排ガスをドラフト効果により周隙7内から環状空隙24を経て予熱タワー1内に上昇気流として導くために必要である。開閉蓋25,26の開閉は駆動装置を備えた自動開閉機構(図示省略)により行うことができる。
【0029】
溶解用坩堝6の取り替えや該坩堝6内の残湯汲み出し等を行うために予熱タワー1は、円筒形の鉄皮ケースの内側を断熱耐火材で内張りして形成され、図1に示す2段重ねの位置より適宜移動させることができる構成になっている。予熱タワー1は台車30で支持され、該台車30は第1炉本体4に支持固定されたガイドレール31上を走行可能であり、該レール31上での台車30の走行により、予熱タワー1を第1炉本体4との2段重ねの位置から2段重ねが解かれる位置まで、移動できる構成になっている。
【0030】
溶解保持炉の平常運転時は、第1炉本体4の底部からその内部に供給された燃焼ガスは溶解用坩堝6を加熱しつつ第1周隙7内を上昇し燃焼排ガスとなって第1周隙7上端から環状空隙24を経て予熱タワー1内に入り、予熱タワー1内の溶解材料aと熱交換し予熱源として有効利用され、上端開閉蓋28の排気口29を経て炉外に排出される。
【0031】
一方、第2炉本体8の底部からその内部に供給された燃焼ガスは保持用坩堝10を加熱しつつ第2周隙内を上昇し燃焼排ガスとなって第2周隙11の上端部から連通部14を経て第1周隙7内に入り先の燃焼排ガスと合流し、この燃焼排ガスもまた予熱タワー1内の溶解材料aの予熱源として有効利用される。また上記燃焼排ガスは連通部14の通過中に移送部16ひいては移送途中の溶湯を加熱し、該溶湯の温度降下を防止するための加熱源としても有効利用される。
【0032】
溶解材料aは、溶解用坩堝6の溶湯17内に浸漬されている下端部のものから順に溶解され、溶解が進むにつれて自重降下し溶湯内に浸漬して行き、溶湯内には溶解材料aの一部が固体アルミとして常に存在する。
【0033】
溶解用坩堝6内の溶湯17は、溶解材料aの溶解量に見合う量がヘッド差によって排出口15を溢流しつつ移送部16を経て保持用坩堝10の溶湯流路19内に連続的に移送され、連続的配湯が可能になる。また溢流による連続的配湯であるので溶解用坩堝6内は、常に一定量の溶湯17で満たされる。
【0034】
上述のように溶湯流路19と処理ガス導入部33とを備えた溶湯処理装置Aでは、以下のようにして溶湯処理が行われる。
【0035】
溶解用坩堝6から移送部16を通って溶湯流路19に流入する溶湯17は、溶湯流路19を上から下方に向けて流れた後、連通口21を通って汲み出し部20に流入する。一方、溶湯流路19の下流側に位置する処理ガス導入部33のガス導入体33aから噴出する処理ガスの気泡は、自身の浮力によって溶湯流路19の溶湯の流れに逆らって上昇し、溶湯流の衝撃を受けながら微細化されることによって溶湯と処理ガスとのミキシングが行われ、処理ガスの微細気泡と溶湯とが均一に混ざり合うことによって水素ガスが拡散して除去され、溶湯介在物を浮上分離させる。また、かかる溶湯処理は連続して流れる溶湯流の中で行われるので、溶湯の連続処理が可能となって処理効率を向上させることができると共に、後記するように処理ガスで処理された清浄な溶湯を、汲み出し部20に連続供給するので、次の鋳造作業を中断することなく連続操業を行うことができる。また、溶解用及び保持用坩堝6,10は黒鉛坩堝であるので、低温溶解によって含有水素量を低値にでき、溶湯処理効率が更に向上する。なお、処理ガスで処理された清浄な溶湯は、連通口21を通って汲み出し部20に流れ込む。
【0036】
溶湯処理効果は、溶湯流路への溶湯供給速度、処理ガスの供給量等によって変化するが、処理ガス管32にガス圧力計を取り付け、ガス圧力調整器やガス流量調節器で調整できる。また、溶湯流路での溶湯流の流速は、例えば溶湯流路の横断面積や連通口の開口面積を変更することにより調整できる。
【0037】
なお、溶湯流路での溶湯の流れが止まった場合でも、ガス導入体33aから処理ガスを常に吹き出すようにしてガス導入体33aの目詰まりを防止する。
【0038】
また、図2(b)のように、溶湯処理装置Aの溶湯流路19のうち処理ガス導入部33の下方には、溶湯を濾過するための網状のフィルターFを設けるようにしても良い。
【0039】
溶解後の溶湯の中に酸化物等の介在物が多い場合、水素ガスは溶湯処理ガスにより十分に除去されるものの、酸化物等の溶湯介在物は溶湯処理ガスのみでは十分に除去できないことがあるので、かかる場合にはフィルターFを設けるのは有効である。
【0040】
溶湯介在物は被溶解材の表面状態、大きさ、汚れや油の付き具合、返り材、溶解時の酸化度合いにより大きく異なり、溶湯介在物量の簡易的評価法としてはKモールド法が用いられるが、K値(K10値)が10以上もあるような溶湯介在物量が多い場合、フィルターで溶湯を濾過することにより溶湯処理ガスでは処理しきれない溶湯介在物を除去でき、K値を大幅に低下させることができる。
【0041】
該フィルターFは耐火繊維で形成された筒状の成形体F1の下端側の開口部にネットF2を張設して成る笊タイプのものであり、ネット材としては、ガラス質、シリカ質、炭化珪素質、ジルコン質、ジルコニア質等を採用でき、網目開口の一辺のサイズは1〜5mmが好ましい。フィルターFには係止鍔F3が形成され、該係止鍔F3を保持用坩堝10及び耐火仕切り壁18の係止してフィルターFが溶湯流路19に取り付けられる。なお、フィルターFのネットF2の位置は、処理ガス導入部33の上方であっても良い。
【0042】
図3は、移送部16から保持用坩堝10内に流入する溶湯の受湯区域を囲むように耐火仕切り壁18を配設した例を示している。
【0043】
図4は笊タイプのフィルターFを他の形態の保持用坩堝10に配設した例を示している。
【0044】
図5は耐火繊維で形成された板状の成形体F1の下端側の開口部にネットF2を張設したラケットタイプのフィルターFを示し、該フィルターFは耐火仕切り壁18に設けられたガイド18aによって上下動自在に配設され、上方に引き抜いて交換可能できてフィルターFの維持管理が容易になっている。
<実施形態2>
図6のように反射タイプの直火焚式溶解兼保持炉では溶湯の溶解と保持を行う溶解保持室10Aを備え、該溶解保持兼用室10Aに溶湯処理装置Aが設けられている。溶解した溶湯は斜めの炉床34を流れて溶解保持室10Aに流入するようになっている。溶解保持室の底面からは耐火仕切り壁18が立設されて溶解保持室10A内に溶湯流路19が形成され、耐火垂れ壁35によって汲み出し部20が形成されている。溶湯流路19の下流側には処理ガス導入部33が設けられている。
【0045】
なお、図中の符号36は材料投入溶解室であって、バーナー37の炎が材料に直接当たって加熱し、また、溶解保持室10Aの上部に設けられたバーナー38の炎を溶解保持室10A内の溶湯の湯面に直接当てて該溶湯を必要温度にまで上昇させる。
【0046】
そして、溶解した溶湯は耐火仕切り壁18をオーバフローして溶湯流路19に入った後、耐火垂れ壁35の下方の連通口21を通って汲み出し部20に流入し、上述のように溶湯流路19での溶湯の流れと処理ガスの気泡の浮力を利用して溶湯処理が行われる。
【0047】
なお、耐火仕切り壁18は、溶解保持室17の維持管理を考慮して溶解保持室17に着脱自在に設けるのが好ましい。
【0048】
以上のように本発明の溶湯処理装置Aは、清浄化された溶湯を速やかに鋳造工程に移すための汲み出し部20を有する保持用坩堝炉10や溶解保持室10Aの一部に設けるのが望ましい。また、本発明の溶湯処理方法及びその装置は、種々の溶解保持炉に適用することができる。
【0049】
次に、図1及び図2に示す溶湯処理装置Aを備えた坩堝炉による溶湯処理(実施例)と、上述したフラックス処理と回転脱ガス処理の両方を実施した坩堝炉による溶湯処理(比較例)とを比較した。
(1)実施例の概要は、次の通りである。
【0050】
Figure 2004154822
(2)比較例の概要は、次の通りである。
【0051】
可傾式坩堝で溶解し、定置式坩堝で保持して溶湯処理を行った。
【0052】
保持坩堝の容量 350kg/ch
保持温度 740℃
処理 NaCl系の脱滓用フラックスを添加して溶湯を約2分間充分に攪拌して除滓した後、回転脱ガス装置をセットしてアルゴンガスを約5分間吹き込み処理した。
(3)処理の結果を表1に示す。図7に示すように含有水素量は溶解温度が高くなるに従って多くなるが、実施例では黒鉛坩堝炉での低温溶解によって含有水素量は低値となり、更に溶湯処理装置Aで処理することにより比較例(従来法)に較べて同等若しくはそれ以上の効果があることが判明した。すなわち、水素ガス量(ml/100g)および溶湯介在物量(K10値)を溶湯処理の前後で比較すると、実施例によれば、水素ガス量は0.23から0.13に低減し、溶湯介在物量は1.4から0.4に低減し、従来の回転脱ガス装置による溶湯処理と同等又はそれ以上の効果があることが判明した。
【0053】
【表1】
Figure 2004154822
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、溶湯の自然な流れと処理ガスの浮力とを利用して溶湯処理を行うので、強制的に溶湯の回転流を発生させなくても短時間で効率的な処理ができ、また、連続的な処理が可能になる。更に、インペラ回転部等の駆動部が不要であるので、取扱が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の坩堝炉の実施形態を示す断面図である。
【図2】(a)は本発明の溶湯処理装置の実施形態の斜視図、(b)はフィルターを有する溶湯処理装置の実施形態の断面図である。
【図3】(a)は本発明の溶湯処理装置の実施形態を示す断面図、(b)は同実施形態の平面図である。
【図4】(a)は本発明の溶湯処理装置の実施形態を示す断面図、(b)は同実施形態の平面図である。
【図5】本発明の溶湯処理装置の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の溶解保持室を備えた坩堝炉の実施形態を示す断面図である。
【図7】水素溶解量と溶解温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 保持用坩堝
17 溶湯
18 耐火仕切り壁
19 溶湯流路
21 連通口
33 処理ガス導入部

Claims (5)

  1. 上から下に向けて溶湯を流し、該溶湯流の下流側で処理ガスの気泡を導入し、該気泡を前記溶湯流の流れに逆らって上昇させることを特徴とする溶湯処理方法。
  2. 坩堝内を仕切り壁で仕切ることにより溶湯を上から下に向けて流すための溶湯流路を形成し、該溶湯流路の下流側に処理ガス導入部を設けたことを特徴とする溶湯処理装置。
  3. 前記溶湯流路を流れる溶湯を濾過するフィルターを設けたことを特徴とする請求項2に記載の溶湯処理装置。
  4. 溶解用坩堝と保持用坩堝とを備えた坩堝炉において、前記保持用坩堝内を仕切り壁で仕切ることにより溶湯を上から下に向けて流すための溶湯流路と溶湯汲み出し部とを形成し、前記溶湯流路の下流側に処理ガス導入部を設けたことを特徴とする坩堝炉。
  5. 前記溶湯流路を流れる溶湯を濾過するフィルターを設けたことを特徴とする請求項4に記載の溶湯処理装置。
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JP2012002492A (ja) * 2010-05-20 2012-01-05 Nippon Crucible Co Ltd 有価金属回収装置

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