JP2004154013A - 高重合度オリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】野生型のコージビオースホスホリラーゼより重合度の大きいコージオリゴ糖を生成する能力を有する新規酵素と、当該酵素をコードするDNAと、当該酵素を産生する微生物を栄養培地中で培養し、産生した酵素を培養物中から採取する酵素の製造方法により解決する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高重合度のオリゴ糖を生成するコージビオースホスホリラーゼに関し、更に詳細には、無機質のリン酸及び/又はその塩(以下、不都合が生じない限り、本明細書を通じて「無機リン酸」と略称する。)の存在下コージビオースを分解してD−グルコースとβ−D−グルコース−1リン酸及び/又はその塩(以下、不都合が生じない限り、本明細書を通じて「β−D−グルコース−1リン酸」と略称する。)を生成し、また、逆に、β−D−グルコース−1リン酸とD−グルコースからコージビオースと無機リン酸を生成する作用を示す酵素コージビオースホスホリラーゼのアミノ酸配列中のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換させることによって、高重合度オリゴ糖の生成が高まったコージビオースホスホリラーゼに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−304882号公報
【非特許文献1】
『酵素ハンドブック』朝倉書店(1982年)
【非特許文献2】
ジャーナル・オブ・バイオサイエンス・アンド・バイオエンジニアリング(JOURNAL OF BIOSCIENCE AND BIOENGINEERING)、第92巻、第2号、第177乃至182頁、2001年
【非特許文献3】
ジャーナル・オブ・アプライド・グリコサイエンス(JOURNAL OF APPLIED GLYCOSCIENCE)、第48巻、第4号、第413頁、2001年
【0003】
近年、マルトース、トレハロースなどのオリゴ糖とその機能が注目され、これらオリゴ糖の多様な生産方法が各方面から広く検討されるようになってきた。これらオリゴ糖を生産する方法としてマルトースホスホリラーゼ、トレハロースホスホリラーゼ、スクロースホスホリラーゼ、セロビオースホスホリラーゼ、ラミナリビオースホスホリラーゼなど種々のホスホリラーゼの利用が知られている。これらホスホリラーゼとその作用については非特許文献1にまとめられている。しかしながら、当時、コージビオースを生成しうるホスホリラーゼは学術的にも未報告で、その存在さえ知られておらず、その提供が望まれていた。
【0004】
斯かる状況下、本発明者等は、当時、未知のコージビオースホスホリラーゼを求めて、その酵素を産生する微生物を広く検索し、その結果、特許文献1に開示されているように、サーモアナエロビウム(Thermoanaerobium)に属する微生物サーモアナエロビウム・ブロッキイ(Thermoanaerobium brockii)(ATCC 35047)が、新規酵素コージビオースホスホリラーゼを産生することを見いだし、下記の理化学的性質を有することを明らかにするとともに、その製造方法を確立した。
(1) 作用
(a)無機リン酸存在下でコージビオースを分解してD−グルコースおよびβ−D−グルコース−1リン酸を生成する。
(b)β−D−グルコース−1リン酸とD−グルコースとからコージビオースと無機リン酸を生成し、さらにβ−D−グルコース−1リン酸を糖供与体として、他の糖質にグルコース基の転移を触媒する。
(2) 分子量
SDS−ゲル電気泳動法で、83,000±5,000ダルトン
(3) 等電点
アンフォライン含有電気泳動法で、pI4.4±0.5
(4) 至適温度
pH5.5、30分間反応で65℃付近
(5) 至適pH
60℃、30分間反応でpH5.5付近
(6) 温度安定性
pH5.5、1時間保持の条件で65℃付近まで安定
(7) pH安定性
4℃、24時間保持の条件でpH約5.5乃至10.0
【0005】
さらに、このコージビオースホスホリラーゼが配列表における配列番号3に記載の塩基配列にコードされており、配列表における配列番号4に記載のアミノ酸配列を有することも見いだした。また、本酵素をβ−D−グルコース−1リン酸を糖供与体として各種糖質共存下で作用させることにより得られるグルコ転移糖含有糖質並びに該糖質を含有せしめた組成物の製造方法を確立した。
【0006】
コージビオースホスホリラーゼは、β−D−グルコース−1リン酸とD−グルコースとからコージビオースと無機リン酸を生成するだけでなく、反応中に生成したコージビオースが基質となって、グルコース重合度が3のコージトリオースを生成し、さらに、反応が進行してグルコース重合度が4乃至7のコージテトラオース、コージペンタオース、コージヘキサオース、コージヘプタオースを生成することが、非特許文献2に報告されている。また、これらコージオリゴ糖のうち、コージビオース、コージトリオース、コージテトラオースは還元力が低く、還元性オリゴ糖にもかかわらずメイラード反応性は弱く、100℃で4時間の条件でpH3乃至5の範囲で安定であり、う蝕原性菌によって酸醗酵されなかったことや、コージトリオース及びコージテトラオースはグリコシダーゼや小腸粘膜酵素によってほとんど分解されなかったことが非特許文献3に報告されている。このように、コージビオースホスホリラーゼは、コージビオースだけでなく、グルコース重合度が3乃至7のコージオリゴ糖を生産するために有用な酵素であり、生産されるこれらオリゴ糖は、低い還元性、弱いメイラード反応性、高い安定性、非う蝕原性、難消化性など食品、化粧品、医薬品など用途に期待される糖質である。しかしながら、本コージビオースホスホリラーゼによるコージオリゴ糖生成においては、グルコース重合度が7のコージヘプタオースまでの重合度のコージオリゴ糖が報告されているのみで、さらに高い重合度のコージオリゴ糖は生成しないか、または少量しか生成しないと考えられており、高重合度のコージオリゴ糖を製造するためには、従来のコージビオースホスホリラーゼによるコージオリゴ糖生成反応よりも、高い重合度のコージオリゴ糖の生成を可能とする新しいコージビオースホスホリラーゼの実現が望まれていた。
【0007】
酵素はタンパク質から出来上がっており、酵素が示す諸特性はその酵素タンパク質のアミノ酸一次配列に起因しており、酵素の触媒作用も、酵素のアミノ酸一次配列やその一次配列で形成される高次構造によって生み出されることは一般的に認識されているところである。現在では、遺伝子操作技術を用いて、酵素タンパク質をコードするDNAをクローニングし、DNA配列を解読することにより、一義的に酵素タンパク質のアミノ酸配列を決定することができる。また、遺伝子DNAの塩基配列中の塩基を他の塩基に人為的に置換し、コードされるアミノ酸残基を変え、他のアミノ酸残基に置換した変異酵素タンパク質を作製することが可能であり、いくつかの酵素タンパク質においては、人為的に遺伝子変異を与えることによって、触媒作用に変化がもたらされた酵素や耐熱性が向上した酵素などが得られている。しかしながら、コージビオースホスホリラーゼにおいては、高い重合度のコージオリゴ糖の生成を可能とする酵素が望まれていたものの、その高重合度オリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼは実現していなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
斯かる状況に鑑み、本発明の課題は、コージビオースホスホリラーゼのアミノ酸配列中のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換させることによって、グルコース重合度が高いコージオリゴ糖の生成を可能とならしめる高重合度オリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼとその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明者等は、先ず、サーモアナエロビウム・ブロッキイ ATCC 35047由来の、配列表における配列番号3に記載の塩基配列を有するコージビオースホスホリラーゼ遺伝子DNAをそのアミノ酸配列を変えることなく変異させ制限酵素切断部位などを導入し、それを大腸菌での発現プラスミドベクターpKK223−3に組換え、配列表における配列番号5に記載の塩基配列を有するコージビオースホスホリラーゼ高産生組換えプラスミドを作製した。次いで、得られた組換えプラスミドからコージビオースホスホリラーゼ遺伝子DNAを取り出し、試験管内でランダムにDNA変異を与え、様々なアミノ酸置換が起こっているコージビオースホスホリラーゼ遺伝子DNA混合物を作製した。その変異DNAを組換えプラスミドに戻した後、大腸菌に形質転換して、変異コージビオースホスホリラーゼ遺伝子ライブラリーを作製した。次に、得られた遺伝子ライブラリーから組換え大腸菌を単離し、培養し、得られた培養菌体から変異コージビオースホスホリラーゼを抽出し、それをβ−D−グルコース−1リン酸とD−グルコースとを含む溶液に作用させ、その生成物を分析することによって、高重合度のコージオリゴ糖を生成する変異コージビオースホスホリラーゼ産生形質転換体をスクリーニングした。その結果、目的とする形質転換株を1株得ることができた。さらに、その形質転換体から組換えDNAを抽出し、DNAの塩基配列を決定したところ、該DNAは配列表における配列番号2に記載の塩基配列を有しており、ランダム変異前の配列表における配列番号5に記載の塩基配列と異同を調べたところ、第2,027番目の塩基であるGがAに変異し、その変異によって配列表における配列番号4に記載のアミノ酸配列の第676番目のアミノ酸残基であるSer(セリン)が、配列表における配列番号2の塩基配列に併記したアミノ酸配列に見られるとおり、Asn(アスパラギン)に置換していたことがわかった。
【0010】
得られた高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼ産生組換え体を培養したところ、当該コージビオースホスホリラーゼは組換え大腸菌内で高発現し容易に製造できることがわかった。得られた高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼの諸特性を調べて、アミノ酸配列に変異がないコージビオースホスホリラーゼ(本明細書では、野生型コージビオースホスホリラーゼと略することもある。)のものと比較したところ、至適pH、至適温度、pH安定性、熱安定性については、野生型コージビオースホスホリラーゼと相違がないものの、生成するコージオリゴ糖のグルコース重合度については、野生型コージビオースホスホリラーゼによる生成コージオリゴ糖が重合度9以下であるのに対して、本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼはグルコース重合度14もの高い重合度のコージオリゴ糖を生成することがわかった。
【0011】
本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼはグルコース重合度の高いコージオリゴ糖を生成する特性を有することから、当該酵素を用いることによって、従来の野生型コージビオースホスホリラーゼでは生成させることができなかったグルコース重合度が10以上の高重合度コージオリゴ糖を生成せしめることができ、また、生成するコージオリゴ糖の平均グルコース重合度も高いため、本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼは、高重合度のコージオリゴ糖などの糖質製造において有利に利用できる。
【0012】
次に実験により本発明をさらに具体的に説明する。
【0013】
【実験1】
<コージビオースホスホリラーゼ遺伝子を有する組換えプラスミドの作製>
配列表における配列番号6に示す50塩基の合成DNAと配列表における配列番号7に示す42塩基の合成DNAとを常法に従ってT4ポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化した後、その混合液を常法に従って熱処理して両DNAをアニーリングした。予め、制限酵素EcoRIと制限酵素PstIとで切断したプラスミドpKK223−3(ファルマシア社販売)と、アニーリングした合成DNAとを混合した後、DNAライゲーション・キット(宝酒造株式会社販売)を用いて連結し、大腸菌JM109に形質転換することによって、pKK223−3のEcoRI切断部位とPstI切断部位の間に合成DNAを挿入して新たにSacI切断部位とSpeI切断部位を有するプラスミドpKSS2を得た。
【0014】
特許文献1に記載のコージビオースホスホリラーゼ遺伝子を含む組換えプラスミドpTKP1を鋳型として、配列表における配列番号8に示す塩基配列を有するプライマー1と、配列表における配列番号9に示す塩基配列を有するプライマー2とを用いて、Pyrobest DNAポリメラーゼ(宝酒造株式会社販売)をPCR酵素として、DNA Thermal Cycler PJ2000(パーキン・エルマ社製造)を用いて、95℃で1分間保持した後、98℃で20秒と72℃で4分30秒のサイクルを25回した後、72℃で10分間保持することで、コージビオースホスホリラーゼ遺伝子を含むDNAをPCR増幅した。このPCR増幅したDNAを常法に従って精製した後、制限酵素SacIと制限酵素SpeIとで切断し、予め、同じ酵素で切断したプラスミドpKSS2と混合し、DNAライゲーション・キット(宝酒造株式会社販売)を用いて連結し、大腸菌JM109に形質転換することによって、pKSS2のSacI切断部位とSpeI切断部位の間にコージビオースホスホリラーゼ遺伝子を有し、且つ、配列表における配列番号3に記載の塩基配列において、第1番目のMet(メチオニン)をコードする塩基配列GTGがATGに置換したコージビオースホスホリラーゼ遺伝子を有する組換えプラスミドpKBK14を得た。
【0015】
コージビオースホスホリラーゼ遺伝子を有する組換えプラスミドpKBK14を鋳型として、配列表における配列番号10に示す塩基配列を有するプライマー3と、配列表における配列番号11に示す塩基配列を有するプライマー4とを用いて、先に記述したPCR法でコージビオースホスホリラーゼのN−末端側をコードし、且つ、XhoI切断部位が導入されたDNAを増幅した。別途、組換えプラスミドpKBK14を鋳型として、配列表における配列番号12に示す塩基配列を有するプライマー5と、配列表における配列番号13に示す塩基配列を有するプライマー6とを用いて、同様にPCR法でコージビオースホスホリラーゼのC−末端側をコードし、且つ、XhoI切断部位が導入されたDNAを増幅した。得られたコージビオースホスホリラーゼのN−末端側をコードするDNAと、コージビオースホスホリラーゼのC−末端側をコードするDNAとを混合し、その混合物を鋳型として、配列表における配列番号8に示す塩基配列を有するプライマー1と、配列表における配列番号9に示す塩基配列を有するプライマー2とを用いて、同様にPCR法でコージビオースホスホリラーゼの全域をコードし、且つ、XhoI切断部位が導入されたDNAを増幅した。この増幅したDNAを上記と同様に操作しpKSS2のSacI切断部位とSpeI切断部位の間に挿入し、組換えプラスミドpKBK14Xを得た。
【0016】
次いで、組換えプラスミドpKBK14Xを鋳型として、配列表における配列番号10に示す塩基配列を有するプライマー3と、配列表における配列番号14に示す塩基配列を有するプライマー7とを用いて、先に記述したPCR法でコージビオースホスホリラーゼのN−末端側をコードし、且つ、KpnI切断部位が導入されたDNAを増幅した。別途、組換えプラスミドpKBK14Xを鋳型として、配列表における配列番号12に示す塩基配列を有するプライマー5と、配列表における配列番号15に示す塩基配列を有するプライマー8とを用いて、同様にPCR法でコージビオースホスホリラーゼのC−末端側をコードし、且つ、KpnI切断部位が導入されたDNAを増幅した。得られたコージビオースホスホリラーゼのN−末端側をコードするDNAと、コージビオースホスホリラーゼのC−末端側をコードするDNAとを混合し、その混合物を鋳型として、配列表における配列番号8に示す塩基配列を有するプライマー1と、配列表における配列番号9に示す塩基配列を有するプライマー2とを用いて、同様にPCR法でコージビオースホスホリラーゼの全域をコードし、且つ、KpnI切断部位が導入されたDNAを増幅した。この増幅したDNAを上記と同様に操作しpKSS2のSacI切断部位とSpeI切断部位の間に挿入し、組換えプラスミドpKBK14XKを得た。このようにして得られた組換えプラスミドpKBK14XKを通常のジデオキシ法により分析したところ、配列表における配列番号5に記載の塩基配列を有していた。配列表における配列番号3に記載の塩基配列及びアミノ酸配列と異同を調べたところ、コードするアミノ酸配列は同一で、即ち、配列表における配列番号3に記載のアミノ酸配列中の第1番目のMet(メチオニン)をコードする塩基配列GTGが同じくMetをコードする塩基配列ATGに置換しており、且つ、第269番目のSer(セリン)をコードする塩基配列TCAが同じくSerをコードする塩基配列TCGに置換していることによりXhoI切断部位(CTCGAG)が導入され、第700番目のThr(スレオニン)をコードする塩基配列ACAが同じくThrをコードする塩基配列ACCに置換していることによりKpnI切断部位(GGTACC)が導入されたコージビオースホスホリラーゼ遺伝子であることが判明した。本プラスミドを大腸菌JM109に形質転換して得られた形質転換体を『KBK14XK』と名付けた。
【0017】
【実験2】
<コージビオースホスホリラーゼ遺伝子への変異導入>
組換えプラスミドpKBK14XKを制限酵素SacIと制限酵素SpeIとで切断し、コージビオースホスホリラーゼ遺伝子を含むDNA断片を常法に従って精製した後、このDNAを鋳型として、配列表における配列番号13に示す塩基配列を有するプライマー6と配列表における配列番号14に示す塩基配列を有するプライマー7とを用い、PCR変異キット(商品名『GeneMorph PCR Mutagenesis Kit』、ストラタジーン社販売)を用い、そのキットに添付されていたプロトコールに従って、コージビオースホスホリラーゼ遺伝子DNAにランダムな変異を導入した。変異処理したDNAを制限酵素XhoIと制限酵素KpnIとで切断した後、ランダム変異が導入された約1.3KbpのDNA断片を常法に従って精製した。別途、pKBK14XKを同じ制限酵素で切断した後、約5.6KbpDNA断片を常法に従って精製した後、DNAライゲーション・キット(宝酒造株式会社販売)を用いて上記の変異導入された約1.3KbpのDNA断片と連結し、大腸菌JM109に形質転換することによって、コージビオースホスホリラーゼ遺伝子にランダムな変異が導入された組換えプラスミドを有する組換え大腸菌ライブラリーを作製した。
【0018】
【実験3】
<高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼのスクリーニング>
実験2の方法で作製した組換え大腸菌ライブラリーを用いて、1%トリプトン(バクト社製造)、0.5%酵母エキス(バクト社製造)、1%塩化ナトリウム、100μg/mlアンピシリンNa塩、及び1.5%寒天を含む培養プレート上で組換え大腸菌をコロニーとして分離し、この分離したコロニーのうち、1,330個を別々に同じ培地組成のスラント培地に移植し37℃で24時間培養した。培養した菌体を1白金耳採り、1.6%トリプトン、1%酵母エキス(バクト社製造)、0.5%塩化ナトリウム、及び、100μg/mlアンピシリンNa塩からなる液体培地(5ml)が入った試験管に移植し、37℃で24時間振とう培養した。得られた培養液の1mlを、0.4mg/mlリゾチーム及び50mM酢酸緩衝液(pH6.0)からなる水溶液(3ml)が入った試験管に加え、37℃で3時間振とうし溶菌した後、60℃で1時間保持して熱処理し、水冷後、50mM酢酸緩衝液で4倍に希釈し、試験酵素液を調製した。200mMβ−D−グルコース−1リン酸、100mMD−グルコース及び50mM酢酸緩衝液(pH5.5)を含む水溶液50μlに酵素液50μlを加えて60℃で16時間反応させた後、反応液を薄層クロマトグラフィー法(TLC)に供した。TLCは、薄層プレートとしてキーゼルゲル60(メルク社製造;アルミプレート、20×20cm)を用い、展開溶媒に1−ブタノール:ピリジン:水=6:4:1(容積比)を用いて、室温で2回展開した後、20v/v%硫酸−メタノール溶液を噴霧し、110℃で約10分間加熱して発色させることによって行った。対照として、ランダム変異が導入されていないプラスミドpKBK14XKを有する組換え大腸菌『KBK14XK』を同様に、培養し、酵素調製し、反応させてTLCを行った。TLCで移動度の小さなスポットが濃く発色した、即ち、グルコース重合度の高いオリゴ糖が比較的に多量生成した酵素液を選ぶことによって、高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼを産生する組換え大腸菌を1次選抜したところ、試験した1,330コロニーのうち、54コロニーに由来する組換え大腸菌株が選抜できた。次いで、これら組換え大腸菌株及び対照のKBK14XK株を上記と同様に培養し、培養液5mlを遠心分離(15,000rpm、5分間)して菌体を回収し、得られた菌体を50mM酢酸緩衝液(pH5.5)8mlに懸濁し、菌体破砕装置(商品名『UH−600』、エスエムティー社製造)を用いて超音波処理して菌体を破砕した後、60℃で1時間保持して熱処理して、2次選抜試験の酵素液を調製した。それぞれの酵素液のコージビオースホスホリラーゼ活性を測定した後、最終濃度200mMβ−D−グルコース−1リン酸、100mMD−グルコース、50mM酢酸緩衝液(pH5.5)含有基質溶液にβ−D−グルコース−1リン酸1g当たり10単位の酵素液を作用させ、60℃で24時間反応させた。100℃で10分間熱処理して酵素を失活させ、孔径0.45μmのフィルターで濾過し、その濾過液を電気透析器(商品名『MICRO ACILYER G0』、旭化成株式会社製造)で脱塩した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法で糖組成を分析した。HPLCカラムはTSK−GEL AMIDE 80カラム(東ソー株式会社製)を用い、カラム温度40℃で、溶出溶媒が60v/v%アセトニトリルで流速1ml/分の条件で通液し、示差屈折計(商品名『RI−8020』、東ソー株式会社製造)を用いて検出した。その結果、試験した56株のうち、1株(スクリーニング番号KB1−42)のコージビオースホスホリラーゼ反応生成物が、図1のHPLCクロマトグラム(KB1−42株)及び図2のHPLCクロマトグラム(対照のKBK14XK株)に示すように、対照のKBK14XK(野生型コージビオースホスホリラーゼ)の生成物と比べ、溶出時間が約9分以降の高分子コージオリゴ糖を著量生成していることがわかった。このKB1−42株を最終的にスクリーニング選択株として選抜し、高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼ変異組換え体として『KB1−42』と名付けた。
【0019】
なお、コージビオースホスホリラーゼの活性は次のようにして測定する。基質として1.0w/v%コージビオースを含む20mMマッキルベイン緩衝液(pH5.5)2mlに酵素液0.2mlを加え、60℃で30分間反応させた後、反応液0.5mlを100℃、10分間加熱し反応を停止させる。この反応停止液にD−グルコースオキシダーゼ/パーオキシダーゼ試薬0.5mlを添加、攪拌し、40℃で30分間放置した後、5N塩酸2.5mlを添加、攪拌し、525nmにおける吸光度を測定する。酵素活性1単位は、前記反応条件下で、1分間当たり1μmolのD−グルコースを生成する酵素量とする。
【0020】
【実験4】
<DNA分析>
実験3の方法で得た組換え体KB1−42株を常法に従い、100μg/mlアンピシリンナトリウム塩を含むL−ブロス培地(pH7.0)に植菌し、37℃で24時間回転振とう培養した。培養終了後、遠心分離により培養物から菌体を採取し、通常のアルカリ−SDS法により組換えDNAを抽出した。この組換えDNAの塩基配列を、通常のジデオキシ法により分析したところ、配列表における配列番号2に示す塩基配列のDNAを含んでおり、配列表における配列番号1に示すアミノ酸配列をコードしていることが判明した。ランダム変異前のKBK14XK株由来の野生型コージビオースホスホリラーゼ遺伝子である配列表における配列番号5に示す塩基配列及び配列表における配列番号4に示すアミノ酸配列と異同を調べたところ、本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼ遺伝子の塩基配列は、第2,027番目の塩基であるGがAに変異し、その変異によって第676番目のアミノ酸残基であるSer(セリン)がAsn(アスパラギン)に置換していることがわかった。
【0021】
【実験5】
<高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼの産生>
16g/lポリペプトン、10g/l酵母エキス及び塩化ナトリウムを含む水溶液を500ml容三角フラスコに100ml入れ、オートクレーブで121℃で15分間処理し、冷却し、無菌的にpH7.0に調整した後、アンピシリンナトリウム塩10mgを無菌的に添加して液体培地を調製した。この液体培地に実験3の方法で得た組換え体KB1−42を接種し、27℃で約24時間回転振とう培養したものを種培養液とした。次に、5g/lデキストリン、20g/l酵母エキス、20g/lポリペプトン及び1g/lリン酸1水素ナトリウムを含む水溶液をpH7.0に調整し、10l容ジャーファメンターに7l入れ、120℃で20分間加熱処理し、冷却した後、アンピシリンナトリウム塩700mgを無菌的に添加して液体培地を調製し、種培養液を70ml接種し、27℃で約24時間通気攪拌培養した。この培養物を、常法にしたがい、遠心分離(10,000rpm、30分間)して湿重量約195gの菌体を回収し、それを10mMリン酸緩衝液(pH7.0)670mlに懸濁し、リゾチーム270mgを加えて37℃で1時間静置した後、菌体破砕装置(商品名『UH−600』、エスエムティー社製造)を用いて超音波処理して菌体を破砕した。それを60℃で1時間熱処理し、冷却後、遠心分離(10,000rpm、30分間)して不溶物を除去し、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に対して48時間透析し、再度、遠心分離して不溶物を除去して、酵素液約750mlを得た。酵素液のコージビオースホスホリラーゼ活性を測定したところ、菌体湿重量1g当たりに換算すると約75.4単位の当該酵素が産生されていた。
【0022】
第一の対照として、実験1の方法で得た野生型コージビオースホスホリラーゼ産生組換え体KBK14XK株を、上述の場合と同一条件で、培養し、培養菌体(約220g)から菌体破砕物の上清を採取し、透析して酵素液を調製し、コージビオースホスホリラーゼ活性を測定したところ、酵素産生は菌体湿重量1g当たり約445単位であった。第二の対照として、遺伝子供与体であるサーモアナエロビウム・ブロッキイ ATCC 35047を特許文献1に記載の方法に準じて、温度60℃、約40時間嫌気培養し、培養液約40lを遠心分離して採取した湿重量92gの培養菌体を上述と同一の条件で処理して、酵素液を調製した。酵素液のコージビオースホスホリラーゼ活性を測定したところ、遺伝子供与体であるサーモアナエロビウム・ブロッキイ ATCC 35047の酵素産生は菌体湿重量1g当たり約42.5単位であった。本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼ産生組換え体KB1−42株の酵素活性産生能は、第一の対照のKBK14XK株のものと比較して低い値であるものの、遺伝子供与体のサーモアナエロビウム・ブロッキイ ATCC 35047株のものと比較して有意に高い産生能であることがわかった。
【0023】
【実験6】
<コージオリゴ糖生成>
濃度200mMβ−D−グルコース−1リン酸、濃度12.5mMD−グルコース、及び10mM酢酸緩衝液(pH5.5)を含む水溶液に、実験5の方法で得た本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼをβ−D−グルコース−1リン酸1g当たり20単位加え、60℃で24時間反応した後、100℃で10分間熱処理して反応を停止した。反応液を孔径0.45μmのフィルターで濾過し、その濾過液を電気透析器(商品名『MICRO ACILYER G0』、旭化成株式会社製造)で脱塩した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法で糖を分離し、直接、質量分析計(商品名『LCQ Advantage』、サーモクエスト社製造)に導入して、分離した糖質を質量分析した。対照として、実験5の方法で得た組換え体KBK14XK株由来の野生型コージビオースホスホリラーゼを用いて、同一条件で反応し分析した。HPLCカラムはMCIGEL CK04SSカラム(三菱化学株式会社製造)を用い、カラム温度85℃で、溶出溶媒が水で流速0.4ml/分の条件で通液し、示差屈折計(商品名『RI−8020』、東ソー株式会社製造)を用いて検出した。質量分析は、HPLCの示差屈折計を、直接、質量分析計の試料導入口に繋いで、HPLCから溶出した糖液を質量分析計のイオン化室に入れエレクトロスプレー法でイオン化し、イオントラップ型分析計でイオン化した糖質の質量を測定することによって行った。標準糖質として、D−グルコース、特許文献1に方法に準じて調製したコージビオース、非特許文献2に記載の方法に準じて調製したコージトリオース及びコージテトラオースを用いた。
【0024】
HPLCのクロマトグラムを、図3(本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼによる生成物)及び図4(対照の野生型コージビオースホスホリラーゼによる生成物)に示した。本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼによる生成物のHPLCクロマトグラムには、溶出時間約23.6分乃至約61.2分に14個のピークが検出された。一方、対照の野生型コージビオースホスホリラーゼによる生成物のHPLCクロマトグラムには、溶出時間約29.7分乃至約61.2分に9個のピークしか検出されなかった。また、標準糖質のグルコース、コージビオース、コージトリオース、及び、コージテトラオースは、図3及び図4の溶出時間約61.2分、約57.0分、約53.1分、約47.5分のそれぞれのピークと一致した。さらに、質量分析計の分析によって、溶出時間約23.6分乃至約61.2分に溶出する14個のピークの糖質は、溶出時間の長いピークの順に、グルコース、コージビオース、コージトリオース、コージテトラオース、コージペンタオース、コージヘキサオース、コージヘプタオース、コージオクタオース、コージノナオース、コージデカオース、コージウンデカオース、コージドデカオース、コージトリスカイデカオース、コージテトラカイデカオースそれぞれの質量と一致する質量を有することがわかった。以上のことから、本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼによって生成した一連の糖質は、グルコース、コージビオース、コージトリオース、コージテトラオース、コージペンタオース、コージヘキサオース、コージヘプタオース、コージオクタオース、コージノナオース、コージデカオース、コージウンデカオース、コージドデカオース、コージトリスカイデカオース、コージテトラカイデカオースのグルコース重合度が14までのコージオリゴ糖であり、一方、対照の野生型コージビオースホスホリラーゼによって生成した一連の糖質は、グルコース、コージビオース、コージトリオース、コージテトラオース、コージペンタオース、コージヘキサオース、コージヘプタオース、コージオクタオース、コージノナオースのグルコース重合度が9までのコージオリゴ糖であることがわかった
【0025】
【実験7】
<高分子コージオリゴ糖生成>
濃度200mMβ−D−グルコース−1リン酸、濃度12.5乃至200mMD−グルコース、及び10mM酢酸緩衝液(pH5.5)を含む水溶液に、実験5の方法で得た本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼをβ−D−グルコース−1リン酸1g当たり20単位加え、60℃で24時間反応した後、100℃で10分間熱処理して反応を停止した。反応液を、実験6と同じ方法で処理し、HPLC分析し、D−グルコース及びコージオリゴ糖の組成を求めた。対照として、実験5の方法で得た組換え体KBK14XK株由来の野生型コージビオースホスホリラーゼを用いて、同一条件で反応し分析した。また、糖組成中、D−グルコースを除くコージオリゴ糖について、組成とグルコース重合度から、コージオリゴ糖の平均グルコース重合度も算出した。これらの結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
表1の結果から明らかなように、本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼを用いた反応では、β−D−グルコース−1リン酸200mM及びD−グルコース12.5乃至33mMの基質濃度条件でグルコース重合度が14のコージテトラカイデカオースまでのコージオリゴ糖が生成し、β−D−グルコース−1リン酸200mM及びD−グルコース50mMの基質濃度条件でグルコース重合度が12のコージドデカオースまでのコージオリゴ糖が生成し、β−D−グルコース−1リン酸200mM及びD−グルコース100mMの基質濃度条件でグルコース重合度が9のコージノナオースまでのコージオリゴ糖が生成し、β−D−グルコース−1リン酸200mM及びD−グルコース200mMの基質濃度条件でグルコース重合度が8のコージオクタオースまでのコージオリゴ糖が生成する一方、対照の野生型コージビオースホスホリラーゼを用いた反応では、β−D−グルコース−1リン酸200mM及びD−グルコース12.5乃至33mMの基質濃度条件でグルコース重合度が9のコージノナオースまでのコージオリゴ糖が生成し、β−D−グルコース−1リン酸200mM及びD−グルコース50mMの基質濃度条件でグルコース重合度が8のコージオクタオースまでのコージオリゴ糖が生成し、β−D−グルコース−1リン酸200mM及びD−グルコース100mMの基質濃度条件でグルコース重合度が7のコージへプタオースまでのコージオリゴ糖が生成し、β−D−グルコース−1リン酸200mM及びD−グルコース200mMの基質濃度条件でグルコース重合度が6のコージヘキサオースまでのコージオリゴ糖が生成することがわかり、本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼは、対照の野生型コージビオースホスホリラーゼと比べ、グルコース重合度の大きいコージオリゴ糖を生成することが判明した。また、対照の野生型コージビオースホスホリラーゼはグルコース重合度9までのコージオリゴ糖しか生成しなかったのに対して、本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼは、グルコース重合度14までのコージオリゴ糖を生成することも判明した。更に、生成したコージオリゴ糖の平均グルコース重合度について調べたところ、対照の野生型コージビオースホスホリラーゼでは平均グルコース重合度2.9乃至5.3であり、且つ、基質D−グルコース濃度が12.5乃至25mMの条件で平均グルコース重合度がほぼ一定の5.3にとどまるのに対して、本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼでは平均グルコース重合度3.2乃至7.4であり、且つ、基質D−グルコース濃度が低いほど平均グルコース重合度は高く、基質D−グルコース濃度が12.5乃至50mMの条件で平均グルコース重合度が7.4乃至5.7で、対照の野生型コージビオースホスホリラーゼでの最高値である5.3を上回ることが判明した。
【0028】
以上の実験の結果は、本来、コージビオースホスホリラーゼを産生する微生物から該酵素遺伝子をクローン化し、それに人為的な変異を与え、DNAの塩基を置換することによって、それがコードするアミノ酸残基を置換し、適当なベクターに組換え、適当な宿主に形質転換し組換え微生物を得、その組換え微生物を培養し、アミノ酸置換した酵素を生産させ採取することによって、本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼを製造できることを示している。本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼは、従来のアミノ酸置換のない野生型コージビオースホスホリラーゼでは生成することができなかった高重合度コージオリゴ糖、特にグルコース重合度が10乃至14のコージオリゴ糖を生成することができ、その生成するコージオリゴ糖の平均グルコース重合度も6又は7以上も可能であるため、高重合度のコージオリゴ糖の生産に有利に利用できることを示している。
【0029】
【発明の効果】
叙上のように本発明は、組換えDNA技術を利用し、コージビオースホスホリラーゼ遺伝子DNAに変異を与え、コードするアミノ酸残基を置換し、これまで得ることができなかった高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼを作製するものである。本発明の高重合度コージオリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼは、高重合度のコージオリゴ糖の生産能が高く、更に組換え微生物からの酵素生産も高い。したがって、本発明の酵素を利用すれば、高重合度のコージオリゴ糖を大量且つ安価に製造できることから、本発明は、食品、化粧品、医薬品分野のみならず、農水畜産業や、化学工業等の産業界に貢献すること誠に多大な意義ある発明といえる。
【0030】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコージビオースホスホリラーゼをβ−D−グルコース−1リン酸とD−グルコースに作用させた反応生成物のHPLCクロマトグラムを示す図である。
【図2】野生型コージビオースホスホリラーゼをβ−D−グルコース−1リン酸とD−グルコースに作用させた反応生成物のHPLCクロマトグラムを示す図である。
【図3】本発明のコージビオースホスホリラーゼをβ−D−グルコース−1リン酸とD−グルコースに作用させた反応生成物のHPLCクロマトグラムを示す図である。
【図4】野生型コージビオースホスホリラーゼをβ−D−グルコース−1リン酸とD−グルコースに作用させた反応生成物のHPLCクロマトグラムを示す図である。
Claims (3)
- β−D−グルコース−1リン酸とD−グルコースとの混合溶液に作用させた際、グルコース重合度が10乃至14のコージオリゴ糖を含む高重合度コージオリゴ糖の生成能を有する配列表における配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する高重合度オリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼ。
- 請求項1に記載の高重合度オリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼをコードする配列表における配列番号2に記載の塩基配列又はその塩基配列に相補的な塩基配列を含むDNA。
- 請求項2に記載の高重合度オリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼをコードするDNAを適宜の宿主に導入してなる形質転換体を栄養培地に培養し、培養物から産生した高重合度オリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼを採取することを特徴とする高重合度オリゴ糖生成コージビオースホスホリラーゼの製造方法。
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