JP2004153896A - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Akio Toba
章夫 鳥羽
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Abstract

【課題】可動子の可動範囲を長くし、冷却構造の簡素化や小型化、コストの低減が可能なリニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】レール状で長手方向に所定間隔にて並ぶ複数の突起107を有する固定子片101〜104と、各固定子片にそれぞれ集中的に巻回されたコイル108〜111と、ブリッジ105とを有し、かつ、各固定子片が互いにほぼ平行に配置されてそれらの内面に突起107が形成された固定子100と、各固定子片によって包囲される空間内に配置されて各固定子片の長手方向に沿って移動可能であり、かつ、前記突起107にほぼ一定距離を隔てて対向するN極、S極の磁極201が各固定子片の長手方向に沿って交互に着磁されている可動子200と、を備える。各固定子片の突起107と、これに対向する磁極201との位置関係が、隣接する固定子片に対しその長手方向に沿って順次ずれるように配置する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長手方向に複数の突起が形成され、かつ、コイルが集中的に巻回された複数の固定子片からなる固定子と、前記突起に対向する複数の磁極を有する可動子とを備え、前記コイルに通流することにより可動子を固定子片の長手方向に沿って直線的に移動させるようにしたリニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は第1の従来技術を示すもので、固定コイル型3相リニアアクチュエータと呼ばれているものである。
図12において、可動子60と固定子70とは平均的に一定距離を介して対向しており、可動子60は図示されていない支持具(いわゆるリニアガイド)に沿って移動可能である。
【0003】
可動子60は、コア61と多数の磁極62とから構成されており、これらの磁極62はS極、N極が交互に着磁されて固定子70の突起73との対向面に配置されている。なお、可動子の構造は、固定子70の突起73の配列方向に沿ってN極、S極が交互に配置されていれば、図示例に限定されない。
【0004】
一方、固定子70は、バックヨーク71により結合された主極72が並び、主極72の上端部にはそれぞれ突起73が設けられている。また、各主極72を取り巻くようにコイル74が集中的に巻回されており、これらのコイル74は主極間のスロットに配置されている。なお、主極72、突起73、コイル74から成る部分は各相ごとに設けられ、U相、V相、W相のコイル74が順番に配置されている。
【0005】
その動作を説明すると、例えば、図12において固定子70のU相コイルにU相突起がN極となるように電流を流せば、このU相突起に可動子60の磁極62のS極が吸引される。次にU相コイルの電流をゼロとしてW相コイルにW相突起がS極となるように電流を流せば、W相突起に磁極62のN極が吸引される力が発生し、可動子60は水平方向に直線移動する。
このような動作をU,V,W相について連続的に繰り返すことによって可動子60には図のx方向に沿った連続的な推力が発生し、リニアアクチュエータとして動作する。
【0006】
次に、図13は第2の従来技術を示しており、可動コイル型3相リニアアクチュエータまたはハイブリッド型リニアパルスモータと呼ばれている。
図13において、レール状の固定子90はバックヨーク91上に等間隔で並ぶ突起92を2列備えており、各列の突起92は側面から見た位置が互いに完全にずれている。
【0007】
上記突起の上面から平均的に一定距離を介して可動子80が対向しており、この可動子80の固定子90との対向面にも突起83が設けられている。これらの突起83は3本の主極82の先端部にあり、各主極82はバックヨーク81によって結合されている。また、バックヨーク81及び主極82はそれぞれ形状の等しい2つの部位からなっており、これら2つの部位はバックヨーク81の部分で両者に密着する磁石85を介して連結され、各部位の突起83は固定子90側の2列の突起92にそれぞれ対向している。磁石85の着磁方向は、この磁石85が連結されているバックヨーク81の側面に直交する方向である。
なお、3本の主極82には、U,V,W相のコイル84がそれぞれ巻回されている。
【0008】
上述した第2の従来技術は一般に良く知られており、その動作原理は、例えば後述する非特許文献1に記載されているため、ここでは説明を省略する。
【0009】
更に、第3の従来技術として固定コイル型2相リニアアクチュエータと呼ばれるものがある。このアクチュエータは、後述する特許文献1により公知となっており、固定子に永久磁石を取り付けて可動子の推力を増強している。
また、この従来技術は、可動子の可動方向に沿った長さが、同方向に沿った固定子の長さに対して同程度以上であることや、可動距離が比較的短いと共に位置決め用途向きの小型アクチュエータであることが特徴となっている。
【0010】
上述した各従来技術では、可動子に取り付けた位置検出器(例えばリニアエンコーダ)によって得られる可動子の位置情報に基づいて固定子または可動子のコイルへ電流を通流することにより、可動子位置を一層正確に制御することができる。
また、電流をパルス的に切り替えるのではなく、例えば多相正弦波交流のような連続的な波形とすることにより、可動子の推力を平滑化することが可能であると共に、第1または第2の従来技術では、相数は3に限られず2以上の任意の整数とすることも可能である。
【0011】
【非特許文献1】
白木・宮尾共著,「図解・リニアサーボモータとシステム設計」,総合電子出版,p.115−118
【特許文献1】
特許第1495069号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、リニアアクチュエータとしては種々のものが提供されているが、各従来技術にはそれぞれ次のような問題がある。
まず、第1の従来技術では、固定子70の全体にコイル74を配置しなければならない一方、推力発生に寄与するのは可動子60が対向している部位だけである。このため、固定子70が長くなるに従ってコイル74の量が増大し、しかもその内の大部分は推力発生に寄与していない。よって、コスト高、重量増加を招くほか、コイル74の数だけ冷却や放熱のための機構を設けなくてはならないといった問題がある。
【0013】
第2の従来技術では、可動子80のコイル84に電流を流すためのケーブルを設ける必要があるため、配線等の点で機構が複雑になる。また、比較的小型な可動子にて電流通流による損失が発生するため放熱が難しく、冷却構造が複雑化、大型化するといった問題がある。
【0014】
更に、第3の従来技術では、コイルを固定子側に集中的に設置できるというメリットがあるものの、可動子長が固定子長よりも長いため、可動範囲が長い用途に向かない。また、相数を推力平滑化に有利な3以上とすることができないという問題もある。
【0015】
そこで本発明は、可動範囲を長くできると共に、冷却構造の簡素化や小型化、コストの低減が可能なリニアアクチュエータを提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、レール状で長手方向に所定間隔にて並ぶ複数の突起を有する磁性体からなるK(Kは3以上の整数)個の固定子片と、これらの固定子片を磁化するために各固定子片にそれぞれ集中的に巻回されたコイルと、各固定子片を磁気的に結合するブリッジと、を有し、かつ、各固定子片が互いにほぼ平行に配置されて各固定子片の内面に前記突起が形成された固定子と、
各固定子片によって包囲される空間内に配置されて各固定子片の長手方向に沿って移動可能であり、かつ、前記突起にほぼ一定距離を隔てて対向するN極、S極の磁極が各固定子片の長手方向に沿って配置されている可動子と、を備え、
各固定子片の前記突起と、これに対向する前記可動子の磁極との位置関係が、隣接する固定子片に対しその長手方向に沿って順次ずれるように配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、レール状で長手方向に所定間隔にて並ぶ複数の突起を有する磁性体からなるK個の固定子片と、これらの固定子片を磁化するために各固定子片にそれぞれ集中的に巻回されたコイルと、各固定子片を磁気的に結合するブリッジと、を有し、かつ、各固定子片が互いにほぼ平行に配置されて各固定子片の外面に前記突起が形成された固定子と、
各固定子片を包囲するように配置されて各固定子片の長手方向に沿って移動可能であり、かつ、前記突起にほぼ一定距離を隔てて対向するN極、S極の磁極が各固定子片の長手方向に沿って配置されている可動子と、を備え、
各固定子片の前記突起と、これに対向する前記可動子の磁極との位置関係が、隣接する固定子片に対しその長手方向に沿って順次ずれるように配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載したリニアアクチュエータにおいて、
前記突起及び磁極の相互の対向面を円筒面上に配置したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は請求項1に係る本発明の第1実施形態を示す斜視図であり、100は固定子、200は可動子である。
【0020】
固定子100は、長手方向に沿って複数の突起107が内面にそれぞれ形成された磁性体からなる長尺の固定子片101,102,103,104を互いに平行にして四方に配置すると共に、これらをブリッジ105により連結して構成され、固定子片101,102,103,104のブリッジ105近傍には、それぞれコイル108,109,110,111が集中的に巻回されている。
固定子片101,102,103,104の内側には可動子200が直線的に移動するための空間が保有されており、前記ブリッジ105の中心には可動子200の移動方向に沿って通孔106が形成されている。
【0021】
一方、可動子200は軸方向に沿ってN極、S極が交互に着磁された複数の磁極201と、固定子100の通孔106に貫通する軸部202とから構成されており、前記磁極201は、固定子100の内部空間において突起107に対しほぼ一定距離を隔てて対向するようになっている。
ここで、磁極201は可動子200の表面のみに着磁されたものであっても良い。
【0022】
次に、固定子100の突起107の配置について、図2、図3を参照しつつ説明する。なお、図2は固定子100の固定子片101,102だけに着目して図示したものであり、図3は固定子片103,104だけに着目して図示したものである。
【0023】
まず、図2に示す固定子片101,102において、固定子片101の突起107と固定子片102の突起107とは、突起107のピッチをTとすると固定子片101,102の長手方向に沿ってT/2ずれている。なお、突起107の幅はT/2である。
また、図3に示す固定子片103,104においても、固定子片103の突起107と固定子片104の突起107とは固定子片101,102の長手方向に沿ってT/2ずれているが、固定子片103の突起107は固定子片101の突起107に対してT/4ずれ、固定子片104の突起107は固定子片102の突起107に対してT/4ずれている。
ここで、可動子200の磁極201の幅は、突起107の幅に等しくT/2であり、同一極性の磁極201のピッチは突起107のピッチTに等しい。
【0024】
このため、すべての固定子片101〜104について見ると、各固定子片101〜104の突起107は、隣接する固定子片に対しその長手方向に沿って順次ずれるように配置されている。
【0025】
次いで、この実施形態の動作を説明する。
図2(a)の状態において、コイル108,109に通流して固定子片101がN極、固定子片102がS極となるように励磁すると、可動子200のS極は固定子片101の突起107に、可動子200のN極は固定子片102の突起107にそれぞれ吸引されるため、可動子200は図の左方向に移動して図2(b)の状態となる。
【0026】
この時、図3に示す固定子片103,104のコイル110,111に通流して固定子片103がN極、固定子片104がS極となるように励磁すると、可動子200のS極は固定子片103の突起107に、可動子200のN極は固定子片104の突起107にそれぞれ吸引されるため、可動子200は図の左方向に移動して図2(c)の状態となる。
【0027】
次に、コイル108,109に、図2(a)とは逆方向に通流することにより、可動子200は図2(d)の位置に移動し、その後、コイル110,111及びコイル108,109を交互に励磁すれば可動子200を図の左方向に連続的に移動させることができる。
なお、コイル108〜111に流す電流は、パルス状あるいは正弦波状の電流である。
【0028】
上記のように、本実施形態によれば、固定子の全体にコイルを配置したり可動子にコイルを配置する必要がないため、従来のようにコイル量の増大によるコスト高や重量増加、冷却機構の複雑化、配線の煩雑化を招くおそれがない。
また、可動子長が固定子長よりも短くて済むため、可動範囲を長く確保することができる。
更に、固定子100によって可動子200を包囲するような立体的な構造であるから、リニアアクチュエータの空間利用率が向上して小型化が図れると共に、可動子200の上下左右からの磁気的吸引力の相殺により、軸受け等の機構部に対する負担も小さくなる。
【0029】
次に、図4、図5は請求項1に係る本発明の第2実施形態の主要部を示している。
図4において、112は固定子、113,114,115は紙面の表裏方向に沿って長尺に形成された固定子片、116は固定子片113,114,115の内面にその長手方向に沿って所定のピッチで複数配置された突起、203は紙面の表裏方向に沿って長尺に形成されたほぼ三角柱状の可動子、204は前記突起116に対しほぼ一定距離を隔てて対向するように配置された磁極、205は可動子203の軸部である。
図示されていないが、固定子片113,114,115は紙面の表裏方向に沿った一端で磁性体からなるブリッジにより連結され、かつ、このブリッジ近傍において、固定子片113,114,115にはコイルがそれぞれ集中的に巻回されている。
【0030】
図5は固定子片113,114,115の突起116及び可動子203の磁極204の位置関係を示した図であり、突起116のピッチをT(突起116の幅をT/2)とすると、固定子片113,114,115の突起116は、それぞれ隣接する固定子片に対し長手方向に沿って順次、T/3ずつずれており、各磁極204の幅はT/2に等しくなっている。なお、同一極性の磁極204のピッチは突起116のピッチTに等しい。
【0031】
このような構成において、例えば固定子片113のコイルに通流すると固定子片113が所定の極性に磁化されて可動子203に対する磁気的吸引力が働き、可動子203は固定子片113の長手方向に移動する。このとき、他の固定子片114,115はブリッジを介して固定子片113と磁気的に結合されているので、固定子片114,115と可動子203との間にも可動子203を移動させる推力が発生する。
以後、固定子片114,115のコイルに順次、通流することにより、可動子203を図4における紙面の表裏方向(図5の左右方向)に連続的に移動させることができる。
【0032】
この実施形態においても、第1実施形態と同様にコストの低減や軽量化、冷却機構及び配線の簡素化が可能であると共に、可動子203の可動範囲を長く確保することができる。
また、リニアアクチュエータの空間利用率向上による小型化や、可動子203に対する磁気的吸引力の相殺により、機構部の負担軽減が可能である。
【0033】
次に、図6、図7は請求項1に係る本発明の第3実施形態の主要部を示す正面図である。
図6において、117は固定子、118〜122は紙面の表裏方向に沿って長尺に形成された固定子片、123は固定子片118〜122の内面にその長手方向に沿って所定のピッチで複数配置された突起、206は紙面の表裏方向に沿って長尺に形成されたほぼ五角柱状の可動子、207は前記突起123に対しほぼ一定距離を隔てて対向するように配置された磁極、208は可動子206の軸部である。
図示されていないが、固定子片118〜122は紙面の表裏方向に沿った一端で磁性体からなるブリッジにより連結され、かつ、このブリッジ近傍において、固定子片118〜122にはコイルがそれぞれ集中的に巻回されている。
【0034】
図7に示すように、この実施形態における固定子片118〜122の突起123は、それぞれ隣接する固定子片に対し長手方向に沿って順次、T/5(Tは突起123のピッチ)ずつずれており(突起123の幅はT/2)、可動子206の磁極207の幅はT/2となっている。
【0035】
上記構成において、例えば固定子片118のコイルに通流すると固定子片118が所定の極性に磁化されて可動子206に対する磁気的吸引力が働き、可動子206は固定子片118の長手方向に移動する。このとき、他の固定子片119〜122はブリッジを介して固定子片118と磁気的に結合されているので、これらの固定子片119〜122と可動子206との間にも可動子206を移動させる推力が発生する。
以後、固定子片119〜122のコイルに順次、通流することにより、可動子206を図6における紙面の表裏方向(図7の左右方向)に連続的に移動させることができる。
【0036】
この実施形態においても、第1,第2実施形態と同様の効果を得ることができ、特に固定子片の数の増加によって可動子206を一層円滑に直線移動させることができる。
【0037】
次いで、図8は請求項2に係る本発明の第4実施形態を示している。この実施形態は、第1実施形態における固定子と可動子との位置関係を逆転させ、固定子を内側に配置し、その外側に可動子を配置した構造に相当する。
【0038】
すなわち、図8において、固定子124は、長手方向に沿って複数の突起129が外面にそれぞれ形成された磁性体からなる長尺の固定子片125,126,127,128を互いに平行にして四方に配置すると共にこれらをブリッジ130により連結して構成され、固定子片125,126,127,128のブリッジ130近傍には、それぞれコイル131,132,133,134が集中的に巻回されている。
また、固定子片125,126,127,128の外側には、ほぼ四角筒状の可動子209が配置されており、この可動子209を構成する可動子片210,211,212,213の前記突起129に対向する面には、N極、S極を軸方向に沿って交互に着磁してなる複数の磁極214が突起129に対しほぼ一定の距離を隔てて配置されている。
【0039】
図8(b)に示すように、固定子片125の突起129と固定子片126の突起129とは、突起129のピッチをTとすると長手方向に沿ってT/2ずれている。なお、突起129の幅はT/2である。
また、図示されていないが、他の固定子片127,128においても、固定子片127の突起129と固定子片128の突起129とは長手方向に沿ってT/2ずれており、固定子片127の突起129は固定子片125の突起129に対してT/4ずれ、固定子片128の突起129は固定子片126の突起129に対してT/4ずれている。
すなわち、この実施形態でも、各固定子片125〜128の突起129は、隣接する固定子片に対しその長手方向に沿って順次ずれるように配置されている。
【0040】
ここで、可動子209の磁極214の幅は、突起129の幅に等しくT/2である。なお、可動子片210,211,212,213の磁極214の配列は何れも同一であり、例えば図8(b)に示す磁極214の左端からN極,S極,N極,……と交互に着磁されている。
【0041】
この実施形態の動作は、基本的に第1実施形態と同一であり、コイル131,132の組、コイル133,134の組に交互に通流することによって、図2と同様の原理で可動子209を固定子片125〜128の長手方向に沿って連続的に移動させることができる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
なお、図示されていないが、固定子片の数は4つに限られず、3以上の任意の整数であれば良く、固定子片の数に対応させて可動子も多角筒状に形成すればよい。
【0043】
次に、図9は請求項3に係る本発明の第5実施形態を示している。この実施形態は、請求項1に記載した発明の他の実施形態に相当する。
通常、この種のリニアアクチュエータでは、可動子がその長手方向の両端部で支持具により支持されているが、支持具のガタに起因して可動子が軸周りに僅かに回動するようなガタ(以下、回動ガタという)を生じる場合がある。
【0044】
このような場合、図1,図4,図6のように可動子と固定子片との対向面が平面であると、可動子の軸周りの回動によって可動子の磁極と固定子片の突起との間の空隙長が変化するため、磁気特性が安定しないという不都合がある。 また、回動ガタが大きい場合には、可動子の磁極と固定子片の突起とが接触してしまうこともある。
本実施形態は、これらの問題を解決するものである。
【0045】
図9において、135は固定子、136〜139は紙面の表裏方向に沿って長尺に形成された固定子片、140は固定子片136〜139の内面にその長手方向に沿って所定のピッチで複数配置された突起、215は紙面の表裏方向に沿って長尺に形成された円柱状または円筒状の可動子、216は前記突起140に対しほぼ一定距離を隔てて対向するように配置された磁極、217は可動子215の軸部である。
図示されていないが、固定子片136〜139は紙面の表裏方向に沿った一端で磁性体からなるブリッジにより連結され、かつ、このブリッジ近傍において、固定子片136〜139にはコイルがそれぞれ集中的に巻回されている。
【0046】
図示するように、この実施形態では、可動子215の軸に直交する磁極216の断面外形が円形であり、磁極216の外周面の曲率に合致するように固定子片136〜139の内面(突起140の磁極対向面)も湾曲している。言い換えれば、固定子135及び可動子215相互の対向面(突起140及び磁極216の対向面)が円筒面上に配置されている。
このため、可動子215がその軸周りに回動したとしても、磁極216と突起140との間の空隙長は変化せず、また、両者が接触しない構造となっている。
これにより、可動子215の支持具に回動ガタがある場合にも突起140との間の空隙長を一定に保ち、可動子215と固定子135との接触を防止することができる。
【0047】
なお、本実施形態において、固定子片136〜139の突起140の構造や可動子215の着磁状態、並びにリニアアクチュエータとしての動作原理は、前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
また、図9では固定子135が4相の場合について示してあるが、第2,第3実施形態のように3以上の任意の相数とすることができ、何れにしても、固定子及び可動子相互の対向面を円筒面上に配置すればよい。
【0048】
次いで、図10は請求項3に係る本発明の第6実施形態を示しており、この実施形態は、請求項2に記載した発明の他の実施形態に相当する。
本実施形態も、第5実施形態と同様の観点から、固定子の突起及び可動子の磁極の対向面を円筒面上に配置したものである。
【0049】
図10において、218は円筒状の可動子、219〜222は可動子218の周方向4カ所において紙面の表裏方向に長尺に形成された可動子片、223は可動子片219〜222の内面に形成された磁極、141は可動子218の内側に配置された固定子、142〜145は固定子141の周方向4カ所において紙面の表裏方向に長尺に形成された固定子片、146は固定子片142〜145の外面にその長手方向に沿って配置された突起である。固定子片142〜145の突起146と可動子片219〜222の磁極223とは、ほぼ一定距離を隔てて対向している。
図示されていないが、固定子片142〜145は紙面の表裏方向に沿った一端で磁性体からなるブリッジにより連結され、かつ、このブリッジ近傍において、固定子片142〜145にはコイルがそれぞれ集中的に巻回されている。
【0050】
この実施形態においても、固定子141及び可動子218相互の対向面(突起146及び磁極223の対向面)が円筒面上に配置されており、可動子218がその軸周りに回動したとしても、磁極223と突起146との間の空隙長は変化せず、両者が接触することはない。
従って、可動子218の支持具に回動ガタがある場合にも突起146との間の空隙長を一定に保ち、可動子218と固定子片141との接触を防止することができる。
【0051】
本実施形態において、固定子片142〜145の突起146の構造や可動子片219〜222の着磁状態、リニアアクチュエータとしての動作原理は、前述した第4実施形態と同様であるため説明を省略する。
また、固定子141及び可動子218は、4相に限らず3以上の任意の相数であればよい。
【0052】
なお、上記各実施形態において、可動子を支持してこれを直線的に移動させるための機構としては、周知のリニアガイド等を利用することができる。
【0053】
更に各実施形態では、固定子側の突起及び可動子側の磁極とも、各々の長手方向が可動子の移動方向に対して垂直である場合につき説明したが、突起及び磁極の一方または両方を僅かにスキューさせることによってコギングトルクを低減することができる。
また、各実施形態では示されていないが、可動子位置を検出するセンサを設け、これによって得られる可動子の位置情報を用いてフィードバック制御系を構成すれば、可動子位置を高精度に制御することができる。
【0054】
なお、上記各実施形態では、可動子の磁極位置に対して各固定子片の突起位置を長手方向に沿って順次ずらす構成を想定しているが、例えば各可動子片の磁極位置をずらして各固定子片の突起位置を揃えたり、あるいは、可動子、固定子両方にてそれぞれの片の位置をずらす等の方法をとっても、本質的に同様の効果を得ることができる。
【0055】
前述した各実施形態では、可動子にN極とS極とが交互に着磁されている例を説明したが、本発明における可動子の構成はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明では、可動子の磁極が1つ以上のN極及びS極からなり、かつ、前記N極及びS極の何れかに固定子片の突起と正対する磁極があるときに、当該磁極に隣接する他極性の磁極の固定子対向面の全部または一部が突起相互間の溝部に対向するように配置されていれば良いので、以下に述べるような各種の構造が考えられる。
【0056】
これを図11に基づいて説明する。まず、図11(a)は前述した各実施形態のように可動子にN極とS極とが交互に配置されている例である。この図11(a)においてN極、S極のうち幾つかを除去し、例えば図11(b)のような構成にした場合、N極群は固定子片の突起に対向して偏在し、S極群は突起相互間の溝部に対向して偏在するため、可動子の推力は図11(a)の場合に比べて減少するものの、動作上、特に支障はない。
更に、図11(c)のように可動子のコアの中央部に永久磁石を嵌め込み、コアの歯部を磁極として用いることもできる。このように複数の磁極をコアの歯部によって置き換え、1つまたは少数の永久磁石をコアに嵌め込んで元の複数の永久磁石と同等の機能を持たせる構成は、いわゆるハイブリッド形ステッピングモータにおいて広く実用化されている。
【0057】
また、前述した各実施形態では、図11(a)のように固定子片の突起のピッチTと可動子側の磁極のピッチPとが等しい場合(P=T)について説明したが、これらは原理的にはP/2<T<2Pの範囲で設定可能である。すなわち、T≠Pの場合でも、N極及びS極のうち一方に固定子片の突起に正対する磁極があるときに、当該磁極に隣接する他極性の磁極の固定子片対向面の全部または一部が突起相互間の溝部に対向するように配置されていれば良い。
図11(d)はP>Tの場合であって、可動子のほぼ中央のN極が固定子片の突起に正対し、当該N極に隣接するS極の固定子片対向面の大部分が突起相互間の溝部に対向している例である。この場合、個々の磁極が突起と揃おうとする力が分散するので、可動子の推力は若干低下するが、コギングトルクを大幅に低減させることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、可動子や固定子の全範囲にコイルを配置する必要がなく、固定子に集中的にコイルを巻回することにより、冷却を容易にして冷却、放熱構造の簡素化を達成することができる。また、可動子側にコイルを設けない構造にできるため、可動子の可動範囲を長くすることができ、安価で実用的なリニアアクチュエータを構成することが可能である。
更に、固定子及び可動子の一方が他方を包囲するような立体的な構造であるから、空間利用率が向上して小型化が図れると共に、可動子に対する磁気的吸引力の相殺により、軸受け等の機構部に対する負担を小さくして装置全体の長寿命化、信頼性向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の動作を説明するための固定子及び可動子の側面図である。
【図3】第1実施形態の動作を説明するための固定子及び可動子の側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態の主要部を示す正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態における固定子片の突起及び可動子の磁極の位置関係を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態の主要部を示す正面図である。
【図7】本発明の第3実施形態における固定子片の突起及び可動子の磁極の位置関係を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態の主要部を示す正面図及び側面図である。
【図9】本発明の第5実施形態の模式的な正面図である。
【図10】本発明の第6実施形態の模式的な正面図である。
【図11】本発明における可動子の磁極と固定子片の突起との位置関係を示す模式図である。
【図12】第1の従来技術を示す図である。
【図13】第2の従来技術を示す図である。
【符号の説明】
100,112,117,124,135,141:固定子
101〜104,113〜115,118〜122,125〜128,136〜139,142〜145:固定子片
105,130:ブリッジ
106:通孔
107,116,123,140,146:突起
108〜111,131〜134:コイル
200,203,206,209,215,218:可動子
201,204,207,214,216,223:磁極
202,205,208,217:軸部
210〜213,219〜222:可動子片

Claims (3)

  1. レール状で長手方向に所定間隔にて並ぶ複数の突起を有する磁性体からなるK(Kは3以上の整数)個の固定子片と、これらの固定子片を磁化するために各固定子片にそれぞれ集中的に巻回されたコイルと、各固定子片を磁気的に結合するブリッジと、を有し、かつ、各固定子片が互いにほぼ平行に配置されて各固定子片の内面に前記突起が形成された固定子と、
    各固定子片によって包囲される空間内に配置されて各固定子片の長手方向に沿って移動可能であり、かつ、前記突起にほぼ一定距離を隔てて対向するN極、S極の磁極が各固定子片の長手方向に沿って配置されている可動子と、
    を備え、
    各固定子片の前記突起と、これに対向する前記可動子の磁極との位置関係が、隣接する固定子片に対しその長手方向に沿って順次ずれるように配置されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. レール状で長手方向に所定間隔にて並ぶ複数の突起を有する磁性体からなるK(Kは3以上の整数)個の固定子片と、これらの固定子片を磁化するために各固定子片にそれぞれ集中的に巻回されたコイルと、各固定子片を磁気的に結合するブリッジと、を有し、かつ、各固定子片が互いにほぼ平行に配置されて各固定子片の外面に前記突起が形成された固定子と、
    各固定子片を包囲するように配置されて各固定子片の長手方向に沿って移動可能であり、かつ、前記突起にほぼ一定距離を隔てて対向するN極、S極の磁極が各固定子片の長手方向に沿って配置されている可動子と、
    を備え、
    各固定子片の前記突起と、これに対向する前記可動子の磁極との位置関係が、隣接する固定子片に対しその長手方向に沿って順次ずれるように配置されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  3. 請求項1または2に記載したリニアアクチュエータにおいて、
    前記突起及び磁極の相互の対向面を円筒面上に配置したことを特徴とするリニアアクチュエータ。
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