JP2009530141A - 印刷機又は印刷機のための電気機械 - Google Patents

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Abstract

本発明は、印刷機又は印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械(1、2、210)に関するものであり、電気機械は一次部品(3、4、222、212、213)と二次部品(5、6、224)を有している。電気機械(1、2、210)は円板状の空隙を形成するために円板状の一次部品(3、4、222、212、213)と円板状の二次部品(5、6、224)を有し、又は円筒状の空隙を形成するために円筒状の一次部品(3、4、212、213)と円筒状の二次部品(5、6、224)を有し、リニアモータ用として利用可能な一次部品が、円筒状の一次部品(3、4、222、212、213)を構成するためにも用いられている。

Description

本発明は、印刷機又は特に印刷機における駆動装置のための電気機械に関する。電気機械は一次部品と二次部品を有し、両部品はいずれも円形の輪郭を有している。印刷機の例えば胴やローラ(以下においては胴とも呼ぶ)を駆動する電気機械として、従来、特にダイレクトドライブが用いられている。かかるダイレクトドライブは、一次部品と二次部品の間に円筒状の空隙を有している。この種の電気機械の半径が大きくなればなる程、そのことは前記電気機械により生成すべきモーメント力にとって一層有利になる。特に印刷機の場合、大きなモーメントを印加することができる電気機械を使用すると好ましい。更に特別にコンパクトな設計形態を有する電気機械を使用するとよい。従来、電気機械に関するこれら両方の要求事項はしばしば相反するものである。
本発明の課題は、コンパクトな構造を有するだけでなく、高いモーメント力の生成のためにも利用可能である電気機械を提供することにある。
この課題は、請求項1に記載の構成要件を備える電気機械によって解決される。電気機械のその他の好適な実施形態は、従属請求項2から12に記載の構成要件から明らかである。課せられた課題の更に別の解決は、請求項13に記載の構成要件を備える印刷機において得られる。印刷機のその他の好適な実施形態は、従属請求項14と17に記載の構成要件から明らかである。
印刷機における駆動装置のために利用可能である電気機械は、一次部品と二次部品を有している。印刷機は、例えば輪転印刷機、フレキソ印刷機又はこれに類するものである。電気機械は、円板状の一次部品と円板状の二次部品を有するように構成されている。円板状の一次部品と円板状の二次部品は、それによって円板状の空隙を一次部品と二次部品の間に形成するように相互に配置されている。電気機械の円板状の構造が、電気機械の円筒状の構造と異なっているのは、依然として回転運動を電気機械によって実行可能であるが、磁界は空隙を介して回転軸へと向かう半径方向の方向づけを受けるのではなく、電気機械の回転軸と平行に方向づけを受けることによる。このように構成された円板状の電気機械は、円軌道上に拘束されるリニアモータに比肩することが可能である。一次部品は通電可能な巻線を有し、この巻線は、円板形状に関して円板の外側領域をなしている一次部品の領域に配置されるとよい。このようにして大きなモーメントを実現可能である。同様のことは、二次部品を構成する各部分についても当てはまる。二次部品は、例えば一次部品の巻線と同じ半径領域で二次部品に位置決めされた永久磁石を有している。二次部品が、永久磁石に代えて、磁界を案内するための手段だけを有し、この手段が歯構造を有しているときには、この歯構造も、電磁場を生成するために設けられた一次部品の部分に歯構造が向かい合うように、二次部品で位置決めされる。
別の実施形態では、電気機械は一次部品がセグメントを有するように形成される。セグメントは、電流を通電させる巻線を有する。セグメントの1つの好適な実施形態では、これらセグメントはリニアモータの一次部品である。このような種類の一次部品は、長方形の輪郭を有しているのが通常である。
電気機械の別の実施形態では、セグメントは多角形状に配置され、多角形状の配置によって特に円形の輪郭が形成される。このような構成により、電気機械の空隙の円板状の構成を形成することが可能である。
電気機械は、円板状の空隙を形成すべく、円板状の一次部品と円板状の二次部品を有する円板形状のような形式ばかりでなく、円筒状の空隙を形成するために円筒状の一次部品と円筒状の二次部品を有し、リニアモータ用として利用可能な一次部品が、円筒状の一次部品を構成するために用いられる電気機械としても具体化可能である。
電気機械が円板状の一次部品と円板状の二次部品を有しているとき、円板状の一次部品と円板状の二次部品は、それによって円板状の空隙が一次部品と二次部品の間に形成されるように相互に配置される。電気機械の円板状の構造が、電気機械の円筒状の構造と異なっているのは、依然として回転運動を電気機械によって実行可能であるが、磁界は空隙を介して回転軸へと向かう半径方向の方向づけを受けるのではなく、電気機械の回転軸と平行に方向づけを受けることによる。このように構成された円板状の電気機械は、円軌道上に拘束されるリニアモータに比肩することが可能である。
電気機械は特に同期機の型式をもつものである。
1つの実施形態では、
a)電気機械の一次部品は一次部品セグメントを有し、および/又は
b)電気機械の二次部品は二次部品セグメントを有し、
特に、一次部品セグメントは巻線を有し、リニアモータ用として利用可能な一次部品が、特に円板状の一次部品を構成するためにも用いられる。
即ち一次部品は通電可能な巻線を有し、該巻線は、円板形状に関して円板の外側領域をなす、一次部品の領域に配置されているとよい。このようにして大きなモーメントを実現できる。同様のことは、二次部品を構成する各部分にも当てはまる。二次部品は、例えば一次部品の巻線と同じ半径領域で二次部品に位置決めされた永久磁石を有している。二次部品が、永久磁石に代えて、磁界を案内するための手段だけを有し、この手段が歯構造を有しているときには、この歯構造も、電磁場を生成するために設けられている一次部品の部分に歯構造が向かい合うように、二次部品で位置決めされる。
円板状の設計形態は極めてコンパクトな構造を可能にする。このようなコンパクトな構造は、胴と、胴を支持する側壁との間で電気機械を位置決め可能にする。側壁は、胴又はそのシャフトのための支持部材としての役目を果たす。
更に、リニアモータで利用するために設けることが可能な一次部品を使用することは、電気機械のフレキシブルな構造を可能にする。このことは、特に電気リニアモータのこの種の一次部品が個別組立又は個別接続のために設けられているという理由によって実現されるものである。
電気機械の円板状の構成、又はその結果として生じる一次部品又は二次部品の円形の輪郭および多角形状の位置決めによる相応のセグメントの円形の配置は、電気機械の空隙の領域に関わる事柄である。例えばハウジングを備える電気機械は、該ハウジングに関し円形、長方形或いはそれ以外の形状を有する、様々な輪郭と構成形態を有し得る。
電気機械の一次部品を構成するための1つ又は複数の一次部品セグメントは、特に、独自の電気接続部を有している。更に個々の一次部品セグメントは、例えばネジ結合、クランプ結合等の取外し可能な連結部を介して、容易に組み立てたり解体したりできる。そのために一次部品セグメントは、特にネジを挿通するための穴を有している。一次部品セグメントの別の実施形態では、一次部品セグメントは独自の埋込部を有している。即ち、一次部品セグメントの積層薄板に敷設される巻線が埋め込まれる。これはリニアモータの一次部品に典型的である。
ステータとロータが各々1つの構成部品である古典的な電気機械とは異なり、この電気機械は複数のリニアモータの部品から構成された一次部品を有するという利点がある。このとき一次部品又は二次部品のセグメントをなすリニアモータコンポーネントは、例えば好ましくは任意の、好ましくは小さすぎない胴の直径部に取り付けることができる。二次部品は例えば可動部品に取り付けられ、この可動部品は回転可能な構成部品である。その場合、一次部品はこれに対して定置の構成部品へ相応に取り付けられる。
それにより、電気機械を複数の個別セグメントから構成可能であるという利点がある。このとき電気機械の空隙は、円板状又は円筒状の何れかに構成されていてよい。
一次部品のセグメント、即ち一次部品セグメントは電気機械の能動部品であり、上に説明したように、従来式のリニアモータのものに匹敵していると望ましい。このような従来式のリニアモータは、例えば直線状或いは直方体として構成されていてよい。電気機械の出力を高めるために、交差指型式が意図されていてもよい。
電気機械が大きい直径を有し、それが>1m或いは>2mおよびそれ以上のメートルの直径であるとき、特に円筒形に構成されたモータでは、損失を増やしすぎることなく、従来式のリニアモータ二次部品(直線状、直方体)も使用できる。その理由は、弦の形成に基づく空隙変化が、電気機械の出力に有意な影響を及ぼさないからである。
出力収量を最適化すべく、従来式のリニアモータの一次部品の1つの好適な変形例では、湾曲した形状を備えるように一次部品セグメントを形成することが可能である。湾曲した形状は、特に、空隙のほうを向いている一次部品セグメントの側に当てはまる。湾曲した形状により、電気機械の円筒状の構造が簡単な方法で可能となる。湾曲した形状は、特に一次部品セグメントの積層薄板が湾曲した形状を有していることによって実現される。複数の一次部品セグメントを湾曲した形状に並置することで、円形状が生ずる。
電気機械の二次部品は受動部品として形成可能であり、二次部品も直径の大きさと構造形態(円筒状又は円板状)に依存して、一次部品に準じて湾曲している。
電気機械の出力を高めおよび/又は一次部品と二次部品の間で外方に向かって作用する吸引力を中性化すべく、円板状の空隙を備える電気機械は所謂交差指として構成できる。
更に、電気機械の放出可能な出力を高めおよび/又は「始動」、「高速運転」等の機能を区分するために、異なる直径部又は半径部に取り付けられた、異なる一次部品セグメントから構成できる。その結果として、一次部品セグメントとその付属の二次部品の互いに入れ子状になった配置が得られる。
電気機械の二次部品は一体的に構成されていてよく、或いは多部分で、即ちセグメント化された状態で構成されていてよい。
電気機械のモジュール形式のセグメント化された構造は、フレキシブルで低コストな計画作成だけでなく、フレキシブルで低コストな製造、組立および解体も可能にする。電気機械の出力を後から高め或いは下げることができるのも好ましい。このことは、少なくとも1つの追加の一次部品セグメントを追加的に組立および接続することによって達成される。一次部品セグメントを1つ取り外すことで、出力を低減できる。一次部品セグメントは各々別々に支持体に取り付けることができ、一次部品セグメントは独自の電気接続部を有し得るので、交換部品を使う際も簡単かつ安価な補修が可能である。
特にフレキソ印刷機である印刷機は、上述の電気機械の使用によりコンパクトになる。更に、多くの一次部品セグメント又は少ない一次部品セグメントを使用することで、様々な印刷機の必要性に合わせて電気機械の出力を簡単に適合化することができる。
電気機械は、胴、特に印刷胴を駆動するために設けられ、支持部材に対して支承されたシャフトが設けられ、支持部材は特に電気機械の一次部品又は二次部品のモーメント支柱である。支持部材は側壁として形成可能であり、支持部材は胴のシャフトを支承するための軸受を有しているとよい。
電気機械は、支持部材と胴の間で位置決めるとよい。胴が2つの支持部材により支承されている場合には、支持部材と胴の間に各々少なくとも1つの電気機械を設けることができる。2つの支持部材がある場合、1つの電気機械だけを使用することも可能である。
別の実施形態では、電気機械は、胴と反対を向いているほうの支持部材の側で位置決めされている。
以下において、本発明による電気機械の上記以外のさまざまな実施形態について説明するが、これらの実施形態には部分的に既に上で触れたものもある。
電気機械は、一次部品が一次部品セグメントを有しおよび/又は二次部品が二次部品セグメントを有しているように構成可能であり、特に一次部品セグメントは巻線を有し、リニアモータ用として利用可能な一次部品が、特に円板状の一次部品を構成するためにも用いられる。リニアモータ用として利用可能な一次部品は、一次部品セグメントである。一般に、一次部品セグメントは独自の電気接続部、埋込部および一次部品セグメントを取り付けるための手段のうち少なくとも1つを有しているとよい。
1つ又は複数の一次部品セグメントが、電気機械の一次部品を構成する。
独自の電気接続部は、取外し可能な電気接触部を構成する装置を有しているとよい。このような種類の接触部は、例えばクランプ接触部、ねじ込み接触部等である。
容易な組立のために、1つ又は複数の一次部品セグメントは支持装置としての支持体に取り付け可能である。二次部品セグメントも別の支持装置へ取外し可能に、或いは取外し不能に取り付け可能である。
1つの好適な実施形態では、支持装置は、電気機械の可動部品を案内するための案内装置としても使用される。可動部品は一次部品と二次部品の何れかである。一次部品に関しては、一次部品セグメントは各々単独で又は群として、案内装置により案内され得る。
上記のように、セグメントの配置、特に一次部品セグメントの配置によって、円形の輪郭が生じる。従って一次部品セグメントおよび/又は二次部品セグメントは、例えば多角形状に配置され、多角形状の配置により円形の輪郭が生じている。
1つの好適な実施形態では、電気機械の一次部品は多角状の円形に構成され、二次部品は一次部品に比べ改善された円形を示す。その結果電気機械の高調波特性を不要に劣化させることなく、リニアモータの一次部品を一次部品セグメントとして利用可能となる。
別の実施形態では、一次部品セグメントは積層薄板を有し、積層薄板は巻線を収容するための溝を有し、これらの溝は特に互いに平行に配置される。
二次部品は、特に円形の構成につながるように角度オフセットをもって相並んで位置決めされた永久磁石を有するように構成されていてよい。
安価な二次部品を製造可能とすべく、電気機械は特に同期機として構成することも可能であり、一次部品は第1の磁界を生成するための第1の手段を有すると共に二次部品は磁界を案内するための手段を有し、一次部品は別の磁界を生成するための少なくとも1つの別の手段を有し、特に第1の磁界を生成するための第1の手段は、第1の磁界と別の磁界との重ね合わせが可能であるように、別の磁界を生成するための別の手段に対して配置される。そのため、磁界を案内する二次部品側の手段は歯構造を有している。
円周へ全面的に一次部品セグメントを装備しなくてもよい電気機械については、二次部品が永久磁石を有しておらず、或いは電気巻線を有していない電気機械の型式が好適である。但し二次部品は、磁界を案内するための手段を有している。この型式は安価であるという利点があり、又は、永久磁石を装備している従来式の同期リニアモータ二次部品のしばしば望ましくない磁界を回避できるという利点がある。それによって組立を簡素化できる。以下においては、全周にわたって全面的に一次部品セグメントを装備している一次部品の場合にも適用可能なこの型式について説明する。
この型式の電気機械では、一次部品は、磁界を生成する2つの手段を有するように形成されている。二次部品には、磁界を生成する手段はない。即ち一次部品は、磁界を生成する第1の手段と、磁界を生成する別の手段とを有し、磁界を生成する第1の手段には交流電圧又は交流を供給可能である。第1の磁界である磁界を生成する第1の手段は、例えば巻線である。励起磁界である磁界を生成する別の手段は、別の磁界即ち少なくとも1つの第2の磁界を生成可能な手段である。別の磁界を生成する磁界励起は、作動時に変化しない、即ち一定であるのが好ましい。このような別の磁界を生成する別の手段は、例えば一定の電流が供給される、又は供給可能である永久磁石又は巻線である。別の磁界を生成する別の手段は、交番磁界励起を生成する多数の別の手段を有しているとよい。
第1の磁界を生成するための第1の手段は例えばコイル巻線であり、コイルから出ていく、又はコイルへと入っていく第1の磁界は、別の磁界を生成するための少なくとも2つの別の手段が第1の磁界の磁界領域に位置し、それによって両方の磁界の相互作用が成立するように、別の磁界を生成する別の手段(第2の手段および/又は第3の手段等)に対し誘導される。別の磁界を生成する別の手段は、各々互いに反対向きの多数の磁化方向を有しているのが好ましく、それによって交番磁化が行われる構造が成立する。
即ち、一次部品と二次部品を有し、一次部品は第1の磁界を生成する第1の手段を有すると共に、二次部品は磁界を案内する手段を有している電気機械は、一次部品が少なくとも2つの別の磁界を生成する少なくとも2つの別の手段を有するように構成され、第1の磁界を生成する第1の手段は、第1の磁界と別の磁界との重ね合わせが可能となるよう、別の磁界を生成する別の手段に対し配置される。
電気機械のこの種の構造は、電気機械の二次部品が磁界を生成する能動的な手段を有していないという利点を有している。このような種類の電気機械の二次部品は、磁界を案内する手段を有しているにすぎず、従って簡単かつ安価に製作できる。二次部品は、渦電流を回避すべく、例えば積層化された状態で形成される。
一次部品と二次部品の設計的な構造に関し、軟鉄部品を利用可能であると望ましい。このような部品の積層化は渦電流を低減する。別の実施形態では、軟鉄部品は中実に、および/又は所謂粉末プレス部品として形成されていてもよい。
この機械型式は、電気機械が一次部品および二次部品を有し、一次部品は第1の磁界を生成するための第1の手段を有するとともに、更に、別の磁界を生成する別の手段を有しているようにも形成可能である。第1の手段は巻線であり、別の手段は少なくとも1つの永久磁石である。別の手段は特に多数の手段、即ち多数の永久磁石である。本発明による電気機械のこのような構成では、磁界を生成する全ての手段が一次部品にある。二次部品は磁界を案内する手段を有しているにすぎず、例えば一次部品に対して方向づけされた表面に好ましくは歯付き構造を有するように形成されている。この手段は、特に、例えば積層薄板のような鉄を含有する手段である。
二次部品および/又は一次部品は、例えばこれらが歯を有するように形成される。二次部品の歯ピッチと、一次部品の歯ピッチ又は磁石ピッチは等しくても、異なっていてもよい。例えば等ピッチの場合、モータ位相巻線が群分けされ、他のモータ位相巻線の別のコイル群に対し360°/mのオフセットで配置される。記号「m」は位相又は位相巻線の数を表す。二次部品の歯のピッチ(Tau_Sek)は機械の磁極ピッチ(Tau_p)を規定するものであり、Tau_zahn、sek=2*Tau_pの式が成り立つ。
電気機械の1つの実施形態では、二次部品の歯ピッチは、例えば一次部品の磁極ピッチの整数倍である。或いは電気機械は、二次部品の歯ピッチが一次部品の磁極ピッチの整数倍ではないように構成することも可能である。
永久磁石は一次部品へ統合可能であり、それにより、コイル(巻線)と磁石(永久磁石)が電気機械の同一の部品(一次部品)に格納されることになる。ショートステータ型式については、公知のモータ原理と比べたとき、はるかに少ない磁性材料しか必要ない。二次部品は唯一の鉄製リアクションレールで構成すると好ましい。
電気機械の更に別の好適な実施形態では、軟磁性の磁気回路区域に埋設され、磁界を生成するための別の手段(例えば永久磁石)は、磁束を集中させるように配置される。磁束集中型の配置は、電気機械の高い磁気的な有効能力を可能にする。埋設とは、磁界が出ていくほうの永久磁石の側に軟磁性材料が全面的又は部分的に後続しているような、軟磁性材料における永久磁石の位置決めを意味している。
電気機械の更に別の実施形態では、その二次部品は磁気的な保磁をするための少なくとも1つの手段を有している。この手段は、例えば積層薄板を有する。更に二次部品は、二次部品に磁気の発生源がないように構成されているとよい。磁気の発生源は、例えば永久磁石或いは通電される(電気が通電される)巻線等である。
別の実施形態では、二次部品は、一次部品のほうを向いた歯を有するように形成されている。従って主磁束は二次部品の内部で歯を介して、および場合により存在している保磁子を介して、案内される。歯を介して磁束が案内される場合、磁束は例えば各1本の歯だけを介して、又は少なくとも2本の歯を介して案内可能である。
第1の磁界を生成する第1の手段は、上記のように、通電可能な巻線であるとよい。機械の通電可能な巻線は、1つ又は複数の位相巻線(例えばU、V、W)で構成されている。各々の位相巻線は1つ又は複数のコイルで成り立っている。コイルの好適な実施形態は、各々1本の歯に巻き付けられた集中巻のコイルであることを特徴とし(歯巻きコイル)、歯は1つ又は複数の極又は永久磁石を支持する。このとき歯巻きコイルは巻線の少なくとも1つの部分である。コイルは、個別のコイル又は分割されたコイルとして形成されてもよい。巻線の利点は、例えば交流によって変化する磁界を、巻線を用いて簡単な方法で生成可能なことである。電気機械は、例えば複数の巻線又はコイルを有するように形成することも可能であり、これらの巻線に三相電力源の各々異なる相を通電可能である。
電気機械は、二次部品が、相互にピッチ間隔Tau_Sekをおいて配置された歯を有するように形成することもできる。電気機械の一次部品は、相互にピッチ間隔Tau_Primをおいて配置された多数の手段で具体化された(例えば多数の永久磁石)、励起磁界を生成する第2の手段を含んでいる。
電気機械の1つの実施形態は、Tau_SekとTau_Primの間の関係を次式によって表現できることを特徴としている。
Tau_Sek=n*Tau_Prim ここでn=1、2、3、・・・
即ち、Tau_Sekは、Tau_Primの整数倍によって表現できる。
電気機械の別の実施形態では、Tau_SekとTau_Primの間の関係を次式、
Tau_Sek≠n*Tau_Prim ここでn=1、2、3、・・・
によって表せる。即ち、Tau_Sekは、Tau_Primの整数倍ではない。
上記の如く、電気機械の別の実施形態は、少なくとも1つの第2の磁界を生成するための別の手段として永久磁石を有している。これら永久磁石は、各々異なる方向へ励起磁界を生成するように一次部品に配置されると好ましい。
永久磁石の配置に関する1つの実施形態では、各々の永久磁石の磁化方向が平行ではあるが交互に反対を向いている。
電気機械の別の実施形態では、電気機械は1つの一次部品と2つの二次部品を有する。一次部品は、両二次部品間に配置されている。この構造は、有効磁束によって形成される磁気回路が、一次部品と両方の二次部品を介して閉じるように構成されている。
電気機械の別の実施形態では、電気機械は2つの一次部品と1つの二次部品を備える。二次部品は、両一次部品間に配置されている。これら一次部品と二次部品は、有効磁束により形成される磁気回路が両方の一次部品と二次部品を介して閉じるように構成できる。
但しこれらの一次部品と二次部品は、有効磁束によって形成される磁気回路が各々1つの一次部品と共通の二次部品を介して閉じるようにようにも構成可能である。
以下、本発明による電気機械の実施形態の例と、印刷機での利用法を説明する。
図1は、バスシステム205と、印刷胴201と、印刷胴201を駆動する電気機械202と、別の胴を駆動する別の電気機械203と、電気機械202、203用の電流コンバータ204とを有する、従来技術に基づく印刷機200、特にフレキソ印刷機を示す。
図2は、円板状の空隙を備える円板状の電気機械210を示す。この機械は一次部品セグメント212を備える。一次部品セグメント212は支持装置214によって案内される。支持装置214は、ガイドレール216と、その上で案内されるキャリッジ218とを有する。キャリッジ218は、一次部品セグメント212と機械的に結合されている。図示しないスペーサを介して、一次部品セグメント212は各々互いに間隔をおき得る。各一次部品セグメント212は独自の電気接続部220を有する。一次部品セグメント212は、一次部品222を構成する役目を果たす。一次部品には二次部品224が付属している。二次部品224は回転対称な鉄製リアクション部品として構成可能であり、二次部品224は1部分で構成可能であり、又は多部分、即ちセグメント化された状態で構成可能である。一次部品セグメント212は直線状のリニアモータステータから構成され、円形に配置されるのが好ましい。その結果として電気機械の円周が生じる。図2は、直線状のステータ部材と回転対称な二次部品からなる環状のトルクモータを示している。
図3は、図2の電気機械に類似する電気機械を部分図で示し、電気機械(210)は少ない一次部品セグメント212を有し、二次部品224は永久磁石226も有している。図2では、永久磁石は一次部品セグメント212に統合されている。図3では破線232によって、別の円板状の電気機械についての位置も示している。この図示しない別の円板状の電気機械は、図示している円板状の電気機械210よりも大きい円周を有している。図示しない円板状の電気機械の内側円周は、図示する電気機械210の外側円周よりも小さく選択でき、その結果両者をほぼ同じ平面で位置決め可能となし得る。
図4は、円筒状の基本形状をもつ電気機械の部分図を断面図として示す。二次部品224は永久磁石226を有している。一次部品222は直線状の一次部品セグメント212を有し、該一次部品セグメントは連結部材230によって相互に連結されている。一次部品セグメント212の直線状の形成形態によって、異なる空隙厚み228、229が生じている。一次部品セグメント212の中心部では、空隙229は、広い空隙228が生じている直線状の一次部品セグメント212の外側領域よりも狭くなっている。
図5は、図4と異なり、湾曲した一次部品213を示す。円弧状の湾曲により、一次部品222と二次部品224の間の空隙229は、一次部品セグメント213に関わりなく等しい。
駆動すべき構成部品が比較的大きい直径を持つ場合、セグメント化された一次部品セグメントを有する電気機械は、例えば次のような利点を提供する。
モジュール形式の構造による機械出力のスケーリング可能性。1つ又は複数の電流コンバータへ一次部品を直列接続、並列接続、又は個別接続を変更することによるフレキシブルな計画作成が可能。
大型の電気機械に比べたときの電気機械の低い製造コスト。簡単な(および既存の)生産手段で大量の個数を製造可能な「標準コンポーネント」を使用可能であるため。
設備製造者の下での、又は現場での、簡単かつ低コストな機械の組立。
図6と図7は印刷機200を簡略化して示す。印刷機200は、シャフト206によって回転可能に支承された印刷胴201を備える。この支承は支持部材207により行われる。支持部材207は、シャフト206のための軸受を有する側壁である。本発明による電気モータは、支持部材207と印刷胴201の間に位置決め可能であるように、狭い幅で構成できる。このような図示した位置242の他、電気機械のシャフト端部208の領域にある別の位置240又は241および243も可能であるが、図示していない。
図6は、円板状の実施形態における電気機械210を示し、二次部品224、即ち受動部品が印刷胴201と機械的に結合されている。一次部品222、即ち能動部品は、支持部材207と機械的に結合されている。このことは、電気接続部を支持している一次部品が定置であるという利点がある。
図7は円筒状の実施形態における電気機械210を示し、二次部品224、即ち受動部品が印刷胴201と機械的に結合されている。一次部品222、即ち能動部品は、支持部材207と機械的に結合されている。このことは、電気接続部を支持している一次部品222が定置であるという利点がある。この円筒状に構成された電気機械は、アウターロータ型として構成されている。図4と図5に示す電気機械では、一次部品セグメントが外側円周に設けられている。図7では、一次部品セグメントは空隙に関して電気機械の内側円周にある。従って、電気機械を多種多様なバリエーションで構成可能である。
図8は電気機械1を示す。電気機械1は、一次部品3と円弧状の二次部品5を有する。二次部品は円をなすように閉じ、その様子は図示していない。一次部品3は巻線9と永久磁石17を有している。第1の二重矢印11は長手方向を表し、別の二重矢印は横方向13を表している。第3の二重矢印によって法線15が規定され、この法線は空隙平面19を基準とするものであり、空隙平面19は図8には示していない。一方、空隙平面19は図9に示してある。矢印によって、図10および図9が対象とする側面図7を示唆している。電気機械1は、接続ケーブル16を介して接続された電流コンバータ14によって作動可能なリニアモータである。
以下においては、二次部品も一次部品も図面の表示を簡略化するために常に直線状に形成されている。本発明による電気機械では、一次部品又は二次部品は常に円形又は円板形又は円筒形に形成されている。
このとき、一次部品又は二次部品のセグメントは直線状に形成されるか、或いは湾曲して形成されていてよい。
図9は電気機械1を示す。一次部品3は積層薄板として形成され、一次部品3は巻線9を備える。巻線9は位相巻線であり、交流を通電可能である。図9は1つの時点の電流の方向を示している。このときの方向を、・23又は×25により表している。積層されて形成された一次部品3は、二次部品5の方を向いている側に永久磁石17を有している。永久磁石17は、その磁化が法線15の方向で交代するように、一次部品に取り付けられている。即ち磁石(永久磁石)は、上方(一次部品3のほうに向かう)と下方(二次部品5のほうに向かう)のほうを向く磁界を交互に生成する。即ちNS永久磁石(N−S)27(磁化方向が二次部品のほうを向く)が、SN永久磁石(S−N)29(磁化方向が一次部品のほうを向く)と交互に配されている。一次部品3と二次部品5の間には、作用空隙21が存在する。この作用空隙21は、空隙平面19を通って広がっている。本例ではリニアマシンである電気機械1の運動は、長手方向11の方向へ行われる。このとき、一次部品3が定置で二次部品5が動くか、又は、二次部品5が定置で一次部品3が二次部品5の上を通って動くことができる。巻線9は第1の磁界を生成する第1の手段であり、永久磁石17は別の磁界を生成する別の手段である。図9は、電気機械1の横方向磁束の形成形態を示す。横方向磁束の形成形態では、二次部品5は例えば支持体31と横梁33を有するように形成されている。少なくとも横梁33は積層されて形成されている。この積層化は、湾曲した長手方向11に薄板が連続して接するように行われている。横梁33は支持体31の上に例えば接着、ろう付け又は溶接され、或いはこれらの取り付け方法の相互の組み合わせで結合されている。積層化は渦電流を回避するために有効である。不都合な渦電流現象がさほど強く発生しない場合(例えば電気的な基本周波数が十分に低い用途のとき)には、積層化を省略して低コストな中実部品を用いることができる。
図10は一次部品3と二次部品5を部分図で示す。この図10は、一次部品3内で磁界がどのように分布するかを模式的に示す。ここでは、図8の側面7に対応する側面図の形を選択している。図10は、巻線10の1つの巻回を示す。更に、一次部品3と二次部品5が各セクションに分割可能である様子を示している。一次部品は一次セクション47、49、51および53を有し、これら一次セクション47、49、51および53は永久磁石27、29に関わるものである。このとき各セクションは、永久磁石27と29の磁化方向に応じて磁束が二次部品5から離れるように延びているか、又は二次部品5へ近づくように延びている領域である。この推移を矢印41、43で示している。巻線10と鎖交する全ての磁束の総計が鎖交磁束Ψを形成する。鎖交磁束は、二次部品5を介して磁気的な保磁子を構成できる磁石によって主として生成される。異なる長さの磁束矢印は、各磁石について巻線(コイル)と鎖交する磁束を示している。二次部品5も、存在している横梁33に応じてセクションを有している。即ちこれらの二次セクション55、57、59および61は、横梁33が存在している区域、又は存在していない区域に対応している。横梁33にて磁束を案内可能である。磁束の案内は、本例では、図示するX軸63に対し鉛直に行われる。即ち、磁束は図面が示す紙面に対し垂直に延び、これはY軸65に相当している。X軸とY軸に対し垂直にZ軸が延び、その結果全ての軸は互いに垂直に延びている。例えばNS永久磁石27によって惹起される励起磁束は、横梁33と一次部品3を介して、セクション55との関連で、セクション47で閉じる。この際一次部品3は、例えば第1のNS永久磁石27(N−S永久磁石)の後側に、反対方向に磁化されることでSN永久磁石29となっている別の永久磁石を有している。但しこの永久磁石29は、背後に位置しているので図10には示していない。横梁33が永久磁石27、29と向かい合う位置に、細い空隙35ができている。横梁33のない隣接する位置には、更に別の空隙37ができている。空隙35と37が等しくないことにより、セクション47、51と49、53では、永久磁石27と29によって異なる強さの磁束41と43が生成される。結果的に生じる磁束39は、全ての磁束41と43の総和として生じる。
図11は、時間的に巻線10の電流がゼロ通過を有している時点で、および一次部品3と二次部品5の位置について、励起磁束41、43を示している。励起磁束又は巻線で誘導される電圧およびその際に具体化される通電されたモータの出力の、位置依存的な推移を図10に示す。図10に示す二次部品の位置X=0では負の鎖交磁束Ψが生じ、図11に示す位置X=τMでは正の磁束Ψが生じている。即ち図11は、二次部品5を位置X=τMで示している。即ち二次部品5が磁極ピッチ1つ分だけ動くと、コイル(巻線10)の磁束鎖交39が負の値から正の値へ次第に変化する。変化がどのように推移するかは、磁石の幅、空隙、歯の幅(横梁33の幅)等の幾何学パラメータによって影響を及ぼすことができる。1つの好適な実施形態では、できるだけ正弦波形の変化を追求する。
図12は、鎖交磁束Ψ、その結果として生じる誘導電圧Uiおよび位相巻線/巻線の電気出力Pelstrを、時間的な推移で3つのグラフとして示す。時間的推移は、電圧の位相位置の表示により表している。磁束Ψの推移は、例えば永久磁石により生成可能な磁界90の推移も反映している。位相巻線の最善の力形成のためには、電圧が誘導される位相で電流が流れていなくてはならない。更に位置X=0とX=τMが示され、これらの位置は、図示した別の磁束Ψの推移、電圧Uiおよび電気出力Pelstrと共に、図10と図11の記号表記に関わるものである。電気出力をプロットする第3のグラフを見ると、一定の出力(〜力)のために、モータ位相巻線の数mが2を超えおよび/又は2つと等しくなければならないことが明らかである。3つの位相巻線を選択するとよい。3相のコンバータは、2相や多相のものよりも少ない半導体素子しか必要としないからである。
図13は技術的な原理を示し、力Fの生成を図示している。リニアモータの長手方向における力形成を若干解り易くすべく、補助モデルを用いる。永久磁石27は、これに付属する外套面の電流で置換している。即ち永久磁石27は、例えば直方体によって仮想的に表すことができ、この直方体69の側面に、図示の如く電流が流れる。つまりモデル71では、永久磁石27は巻線によって表示でき、このモデルでは、巻線内部の電流の方向を・23と×25によって示している。図面2Dでは、磁石を等価電流の導体断面にまで簡略化している。そして、一次部品の側面図で磁石をこのように代用すると、次に続くような構造が得られる。巻線9により生成される磁界は、磁束誘導片としての役目をする横梁33の個所で、空隙21に集中する。この個所の磁気抵抗が最低だからである。即ち仮想的な導体が位相巻線コイルの磁界に位置し、一方では磁界を強め、他方では磁界を弱める。この導体は磁界の強さが低い領域へと「逸れて」いき、このことは、一次部品に作用する力Fの方向により図13に示している。このような関係は、電流、磁界および力Fが直角をなすという「右手の法則」で説明される。図13に示す一次部品3と二次部品5の相互の位置X=τM/2の際、位相巻線電流、即ち巻線9を通る電流が最大値に達する。
図14は、横方向磁束リニアモータ1の幾何学形態と、永久磁石17により生成される励起磁束88を模式的に示す。有効磁束は、運動方向(11)に対して横向きに方向づけられた平面(106)で案内される。有効磁束は、コイル9と結合又は鎖交している磁束である。このように方向づけられた有効磁束が、横方向磁束の磁気回路を形成する。
図14の励起磁界88は1つの別の磁界であり、又は複数の別の磁界である。リニアモータ1は積層化された一次部品3と積層化された二次部品5を備える。積層薄板の積み重ね方向が原理的に示している。永久磁石17の磁化方向94は矢印で図示している。一次部品の可能な運動方向は長手方向11である。
図15は、一次部品4と二次部品6を示す。一次部品4と二次部品6が電気機械2を構成し、電気機械2は長手方向磁束の構造を有している。長手方向磁束の構造は、特に磁界が一次部品又は二次部品の運動方向に対して横向きに閉じるのではなく、一次部品の運動方向、又は二次部品の運動方向に沿って閉じることを特徴としている。平面108で案内される磁束が有効磁束であり、平面108は運動方向11と平行に向いている。有効磁束は、コイル9と結合されている磁束である。このように方向づけられた有効磁束が、長手方向磁束の磁気回路を形成する。
二次部品6は、図15では支持体32の領域でも横梁34の領域でも積層されて形成されている。空隙平面における磁石の構造は、横方向磁束の構造とは異なり、市松模様にではなく帯状に形成されている。磁石は、長手方向磁束の態様では、横梁(磁束誘導片)と実質的に平行に方向づけられている。但し力の波打ちを低減するために、磁石は一種の斜め姿勢で適確に位置決めされていてよい。
別の好適な実施形態では、二次部品6は、モータ幅全体にわたり相前後して積層された薄板から製作される。この薄板では、支持体32と歯75は1つの部分で成っている。薄板を相前後して積層することで、横梁34を備える二次部品の歯付き構造が生じる。積層の仕方を図13に示す。二次部品は、例えば長手方向で多部分から構成されていてよく、それにより、1つの二次部品6が後続する二次部品に接するようになっている。但し、運動方向で接するこの別の二次部品は、図15には図示していない。更に図15は永久磁石を示している。永久磁石はN−S永久磁石28又はS−N永久磁石30である。これらの永久磁石は、例えば一次部品4の積層薄板幅77の全体にわたって延びている。
図16は、図15の電気機械2の発展例を示す。ここで一次部品4は、磁極片79を備えている。磁極片79は、永久磁石28、30のための載置面を拡張している。この結果電気機械2の力の収量を増大できる。永久磁石を位置決めするための面積を拡大することで、巻線9を一次部品に挿入可能な領域が狭められるので、一次部品4が巻付体81を有するように形成すると好ましい。巻付体81は磁極片79だけでなく巻付ネック84を有している。巻付ネック84の周りに巻線9を巻付け、引き続き一次部品4内へ差込可能である。巻付体81はラグ83により一次部品で保持するのが好ましい。図16は、巻線9をモータの位相巻線Uとして示す。他のモータ位相巻線(例えばVとW)も、同様に構成された一次部品4により構成できるが、図示はしていない。図示の位置の際、永久磁石28と30は励起磁束86を生成し、その総体がコイル9の磁束鎖交Ψを形成する。図16から明らかな如く、有効磁束をなす励起磁束86は長手方向磁束の磁気回路を形成する。
図17は、長手方向磁束の磁気回路を備えるリニアモータ2を示す。これは図16に対応する。これに加えて、図17では別の磁界92の分布を、図面中で下方にずらした図に示している。この別の磁界92は、永久磁石17によって惹起される励起磁界である。
図18は電気機械2の別の実施例を示し、この電気機械は3つの位相巻線U、VおよびWを備えるように構成可能である。各位相巻線は、3相電源の1つの位相について設けられている。必要な位相ずれは、位相巻線相互の幾何学的なオフセットにより実現される。ここでは幾何学的なオフセットΔxは、図示する3相機械では電気的に120°に相当している。図18が図17に対して異なっているのは、例えば各々の位相巻線U、VおよびWに巻線の1つの歯巻きコイル9が付属しているだけでなく、その2つの歯巻きコイル12および14も、各位相巻線U、VおよびWに付属していることによる。
図19はリニアモータの形態の電気機械2を示し、ここでは永久磁石として歯内磁石18を使用している。同じく永久磁石でもある歯内磁石18は、例えば積層された軟鉄材料96の間にある。歯内磁石18により生成される別の磁界86は、矢印付きの線で表示している。永久磁石18の磁化方向94も同じく矢印で図示している。歯内磁石18は歯98の実質的に中央に位置決めされ、歯巻きコイル9のコイル軸100と実質的に平行に延びている。歯98は歯巻きコイル9で取り囲まれている。図19は、上半分では幾何学的な構造を示し、下半分では励起磁界88の推移を示している。励起磁界88は、歯内磁石18により生成される別の磁界である。このとき励起磁界88は、磁束集中部102の作用を明らかに示している。磁束集中部は磁気回路の幾何学形態により規定される。このときの影響量は、例えば磁石の寸法や薄板断面の寸法等である。歯内磁石18の磁化方向94(歯内磁石は永久磁石である)は、主として空隙105の空隙平面と平行である。
図19に示す電気機械2の二次部品6の歯ピッチは、一次部品4の磁石ピッチの整数倍にはなっていない。このことは、歯ピッチ又は磁石ピッチが一定でない場合には、特に平均値について当てはまる。
コイル9は1つおよび/又は複数の位相で通電可能である。個々のモータ位相へのコイルの割当は、一次部品4と二次部品6の間の選択された歯ピッチ比率に応じて決まる。図19は、一次部品4の歯98に関し、二次部品6の歯99とは異なる歯ピッチを示す。この場合、一次部品と二次部品の等しい歯ピッチ用としても、等しくない歯ピッチ用としても多相電気機械を具体化できる。等しい歯ピッチは、例えば図14や図18に示す。
図20が図19と異なっているのは、基本的に、歯内磁石に代えて、ヨーク形磁石20が別の磁界を生成するための別の手段として使用していることによる。ヨーク形磁石20は永久磁石でもあり、ヨーク104の領域に位置決めされている。ヨーク104は各々の歯98を結合する役目をする。図19と比較したときの磁石の位置決めに基づいて、図20では別の励起磁界88が生じる。
図21は、横方向磁束の磁気回路115を備える一次部品3と、長手方向磁束の磁気回路117を備える一次部品4との対比を模式的に示している。一次部品3、4は、特に、永久磁石を一次部品に有する、本図には示さない永久励磁式の同期モータの一次部品3、4であり、永久磁石は同じく本図には示していない。磁束Φは各々記号でのみ図示している。例えば通電可能な巻線のように磁束Φを生成するための別の手段も、図面を見やすくするため図示していない。可能な運動方向11は矢印で表している。各一次部品3と4に付属する二次部品は、図21には図示していない。ここでは、一次部品3と4が積層化されている場合、その形成形態は、各々の磁気回路115と117の方向づけに依存して決まることも示している。横方向磁束の磁気回路115では、励起磁束Φは、主として運動方向11に対して横向きに方向づけられた平面で閉じている。一次部品3、4の積層化のために使用されるモータ薄板は磁束平面に準じ、例えば一次部品3の長手方向に積み重ねられ、このとき長手方向とは運動方向11における一次部品3の方向である。
図22は電気機械2aおよび2bの対比を示し、両方の電気機械2a、2bはリニアモータである。電気機械2aは歯98を有する一次部品4aを有し、各々1つの歯98に、各々異なる磁化方向94を有する永久磁石17が取り付けられている。永久磁石17は、空隙105のほうを向いている一次部品の側に取り付けられている。永久磁石17の磁化方向94は主として空隙平面に対して垂直である。
図22では、歯98の回りに各々歯巻きコイル9が巻き付けられている。そして各歯98が反対向きの磁化方向94をもつ永久磁石17を有しているので、二次部品6に対し相対的に一次部品4aが動くときに交番磁束が生じる。即ち電気機械2aは交番磁束構造を有している。(磁気的な)励起磁界を生起する役目をする永久磁石17により、一次部品4aに対する二次部品6の相対運動時に、磁気回路で交番磁界が生成される。つまり個々の永久磁石17の磁化方向94は、歯の付いた二次部品6の運動により、コイルを支持している一次部品4aの磁気回路区域で交番磁束が生成されるように方向づけられている。
図22の電気機械2bも、歯98を有する一次部品4bを有している。電気機械2aとは異なり、電気機械2bでは、歯98はただ1つの永久磁石17しか各々の歯98について有していない。永久磁石17は磁化方向94を有しているので、各々の歯98に1つの磁化方向94しか付属していない。電気機械2bは、歯98が複数の永久磁石を有するようにも構成可能であるが、これらの永久磁石は歯98に関して同じ磁化方向を有している。この変形例は図22では明示的には示していない。電気機械2bでは、歯98とともに一次部品4bで磁化方向94も交代する。即ち、各々の歯は交互に異なる磁化方向94を有している。そして歯98が反対向きの磁化方向94をもつ永久磁石17を有しているので、二次部品6に対して相対的に一次部品4bが動くときに定常磁束が生じる。即ち電気機械2bは定常磁束構造を有している。(磁気的な)励起磁界を生起する役目をする永久磁石17により、一次部品4bに対する二次部品6の相対運動時に、磁気回路で定常磁界が生成される。個々の永久磁石17の磁化方向94は、図22の電気機械2bでは、歯の付いた二次部品6の運動により、コイルを支持している一次部品4bの磁気回路区域で定常磁束が生成されるように方向づけられ、定常磁束はその方向を変化させず、最大値と最小値の間で周期的に振動する。
図22或いは図19では、一次部品および二次部品の間で力作用を実現可能である構造が選択されている。図23は、一次部品4と2つの二次部品6aおよび6bとを有する電気機械の構造を示している。即ち力作用は、ただ1つの一次部品4と2つの二次部品6aおよび6bとの間で生じる。その結果、生成可能な力はほぼ2倍になる。図23のリニアモータの一次部品3の歯98は各々2つの磁極片79を有し、各々の磁極片79に1つの二次部品6a又は6bが向き合っている。このような図23に示す電気機械2の実施形態は、図19の電気機械2の一種の発展形である。このとき二次部品の両側への配置は、永久磁石17が軟磁性材料119に埋設されている、図23に示すような一次部品4の実施形態に限定されるものではない。磁極片に永久磁石を有している一次部品も形成可能である。但し、このような種類の実施形態は図23には示していない。
図24は、2つの一次部品4aおよび4bと、ただ1つの付属の二次部品6とを有する電気機械2の構造を示している。即ち力作用は、ただ1つの二次部品6と2つの一次部品4aおよび4bとの間で生じる。その結果、生成可能な力はほぼ2倍になる。図23のリニアモータ2の二次部品の歯3は、各々一次部品4aおよび4bへと向かう両側での方向づけを有している。即ち各々の一次部品4aおよび4bに、一方の二次部品5の歯33が付属している。このような図24に示す電気機械2の実施形態は、図19の電気機械2の一種の発展形である。このとき一次部品4aおよび4bの両側への配置は、永久磁石17が軟磁性材料119に埋設されている、図23に示すような一次部品4aの実施形態に限定されるものではない。例えば図17のように、磁極片に永久磁石を有している一次部品も形成可能である。但し、このような種類の実施形態は図24には示していない。
図25は、2つの一次部品3aおよび3bと1つの二次部品5とを有する電気機械1における磁界の推移を一例として示している。一次部品3aおよび3bは、永久磁石17と巻線9を有している。図25では、一次部品の破線で示す巻線9を通る電流によって生じる磁束86が図示されている。図25に示す磁束86では、永久磁石によって惹起される磁束は考慮していない。
印刷機である。 円板状の電気機械である。 円板状の電気機械を示す部分図である。 直線状の一次部品セグメントを備える円筒状の電気機械を横断面で示す部分図である。 湾曲した一次部品セグメントを備える円筒状の電気機械を横断面で示す部分図である。 印刷胴を駆動するための円板状の電気機械の位置である。 印刷胴を駆動するための円筒状の電気機械の位置である。 リニアモータの原理図である。 一次部品に永久磁石を備えているリニアモータである。 リニアモータにおける磁界の第1の推移である。 リニアモータにおける磁界の第2の推移である。 磁束、誘導される電圧および出力の時間的推移である。 力の推移を示す図である。 横方向磁束の方向づけを有するリニアモータの幾何学形態と磁界図である。 長手方向磁束の方向づけを有するリニアモータの斜視図である。 磁極片を有する一次部品を備えたリニアモータである。 長手方向磁束の方向づけを有するリニアモータの幾何学形態と磁界図である。 異なる位相の異なる位相巻線を備えるリニアモータである。 磁束集中型の歯形磁石を備えるリニアモータの幾何学形態と磁界図である。 磁束集中型のヨーク形磁石を備えるリニアモータの幾何学形態と磁界図である。 横方向磁束の磁気回路を備える一次部品と、長手方向磁束の磁気回路を備える一次部品とを対比した図である。 交番磁束構造を備える電気機械と、定常磁束構造を備える電気機械を対比した図である。 二次部品が両側に配置されている電気機械である。 一次部品が両側に配置されている電気機械である。 電流によって惹起される横方向磁束の磁気回路構造の磁界の推移である。
符号の説明
1、2、210 電気機械、3、4、130、212、213、222 一次部品、5、6、224 二次部品、1、10、12、14、17、18、20、27〜30 磁界生成手段、17、226 永久磁石、31〜34、99 磁界案内手段、212、213 一次部品セグメント、222、200 印刷機、201 胴、206 シャフト、207 支持部材、214 支持装置

Claims (17)

  1. 印刷機(200)の胴(201)を駆動するための、一次部品(3、4、222、212、213)と二次部品(5、6、224)を有している電気機械(1、2、210)において、
    電気機械(1、2、210)は、円板状の空隙を形成するために円板状の一次部品(3、4、222、212、213)と円板状の二次部品(5、6、224)を有し、又は
    電気機械(1、2、210)は、円筒状の空隙を形成するために円筒状の一次部品(3、4、222、212、213)と円筒状の二次部品(5、6、224)を有し、
    リニアモータ用として利用可能な一次部品が、円筒状の一次部品(3、4、222、212、213)を形成するためにも使用されることを特徴とする電気機械。
  2. 一次部品(3、4、212、213)は一次部品セグメント(212、213)および/又は二次部品(5、6、224)は二次部品セグメント(5、6、224)を有し、特に一次部品セグメント(212、213)は巻線を有し、リニアモータ用として利用可能な一次部品が、特に円板状の一次部品(222)を形成するためにも使用されることを特徴とする請求項1記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  3. 一次部品セグメント(212、213)は独自の電気接続部(220)を有し、電気接続部は特に取外し可能な電気接触部を構成する装置を有していることを特徴とする請求項2記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  4. 一次部品セグメント(212、213)又は二次部品セグメント(5、6、224)は支持装置(214)に取外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  5. 一次部品セグメント(212、213)および/又は二次部品セグメント(5、6、224)は多角形状に配置され、多角形状の配置によって特に円形の輪郭が形成されていることを特徴とする請求項2から4の1つに記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  6. 二次部品(5、6、224)および/又は一次部品(3、4、212、213)は円形の輪郭を有していることを特徴とする、請求項1から5の1つに記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  7. 二次部品(5、6、224)の円形の輪郭は一次部品(3、4、212、213)の円形の輪郭よりも円形に近いことを特徴とする請求項1又は6記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  8. 一次部品セグメント(212、213)は積層薄板を有し、該積層薄板は巻線を収容するための溝を有し、該溝は特に互いに平行に配置されていることを特徴とする請求項2から7の1つに記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  9. 二次部品(5、6、224)は角度オフセットをなすように相並んで位置決めされた永久磁石(17、226)を有していることを特徴とする請求項1から10の1つに記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  10. 電気機械は特に同期機であり、一次部品(3、4、130)は第1の磁界を生成するための第1の手段(9、10、12、14)として巻線を有し、二次部品(5、6、120)は磁界を案内するための手段(31、32、33、34、99)を有し、一次部品(3、4、130)は別の磁界を生成するための少なくとも1つの別の手段(17、18、20、27、28、29、30)を有し、特に第1の磁界を生成するための第1の手段(9)は、第1の磁界と別の磁界との重ね合わせが可能であるように、別の磁界を生成するための別の手段(17、18、20、27、28、29、30)に対して配置されていることを特徴とする請求項1から9の1つに記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  11. 磁界を案内するための二次部品側の手段は歯構造を有していることを特徴とする、請求項10に記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  12. 一次部品セグメント(212、213)を案内するための案内装置(214)が設けられていることを特徴とする、請求項2から11の1つに記載の印刷機(200)の胴(201)を駆動するための電気機械。
  13. 特にフレキソ印刷機(200)である印刷機(200)において、
    前記印刷機(200)は請求項1から12の1つに記載の電気機械(1、2、210)を有していることを特徴とする印刷機。
  14. 電気機械(1、2、210)は胴(201)を駆動するために、特に印刷胴を駆動するために設けられ、支持部材(207)に対して支承されたシャフト(206)が設けられ、支持部材(207)は特に電気機械(1、2、210)の一次部品(222)又は二次部品(224)のモーメント支柱であることを特徴とする請求項13記載の印刷機。
  15. 電気機械(1、2、210)は支持部材(207)と胴(201)の間で位置決めされていることを特徴とする請求項13又は14記載の印刷機。
  16. 胴(201)は2つの支持部材(207)によって支承され、支持部材(207)と胴(201)の間に各々少なくとも1つの電気機械(1、2、210)が位置決めされていることを特徴とする請求項13から15の1つに記載の印刷機。
  17. 電気機械(1、2、210)は胴(201)と反対を向いているほうの支持部材(207)の側に位置決めされていることを特徴とする請求項13から16の1つに記載の印刷機。
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