JP2004153487A - スピーカ用磁気回路及びその製造法、ならびにこれを用いたスピーカ - Google Patents
スピーカ用磁気回路及びその製造法、ならびにこれを用いたスピーカ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】矩形状のボンド磁石組成物2の表面に、複数のスリット3,4を平行に形成するとともに、各スリット3,4の磁束が、常に逆方向とになるようにボンド磁石組成物を着磁してボンド磁石とし、このボンド磁石の表面に、前記各スリット3,4に沿って両側からポールピース5,6及び6,7をそれぞれ配置固定し、隣接するポールピース5,6と6,7間に形成される空隙部を、各スリット3,4の中心上に位置させて磁気ギャップ8,9としてスピーカ用磁気回路1を製造し、このスピーカ用磁気回路を使用して薄型のスピーカを得る。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種の音響機器に使用されるスピーカの磁気回路、詳しくは、焼結マグネットを使用したスピーカ用磁気回路とその製造法、ならびにこの磁気回路を使用したスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テレビやラジオなどに使用されるスピーカは、一般的に、小型・薄型であることが求められるので、ポットヨーク、焼結マグネットならびにポールピースからなる内磁型磁気回路が採用されているが、この焼結マグネットを用いた磁気回路では、ポットヨークを使用しないと磁気回路を形成することができないという最大の課題があった。
【0003】
特に、磁気回路の薄型化を実現するためには、ポットヨーク、焼結マグネットとポールピースの全ての部品を薄型にする必要があるので、焼結マグネットの体積も減らさざるを得ず、例えば、焼結マグネットの体積を一定にして、ポットヨークとポールピースのみを薄くした場合には、磁気回路の性能が前記2つの部材の厚みによって左右されるので、磁気回路が飽和され、十分な性能が取れず、複数のボイスコイルを使用した場合には、各々のボイスコイルに対して磁気回路が必要である。
【0004】
一方、半径方向に異方性を有する一体環状焼結マグネットを使用して、ヨークと一体化を図ることにより、スピーカの薄型化と磁石の効率化を図ることが、知られている。(特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−99700号公報(特許請求の範囲、発明の効果の欄)
【0006】
この特許文献1に記載されたスピーカ用磁気回路は、センターポール部、センターポール部底面から外周方向に向けて形成されたつば部、つば部のセンターポールから所要の距離をもった位置にセンターポールと逆方向に設けられた段部4a、つば部外周部においてセンターポールと同一方向に形成された段部4bとを備えたヨークと、前記ヨークのつば部上に設置された、内周は上記ヨークのセンターポール外周と焼結一体化され、外周は上記段部4aより大きく、段部4bと所要のギャップ空間を形成するよう構成された半径方向に異方性を有する一体環状焼結磁石とから構成されたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に開示されている磁気回路は、焼結磁石の上方に配置されるポールピースを無くすことによって、スピーカの薄型化をできる点では、効果が認められるものの、磁気回路で最もスペースを占めるヨークは依然として存在するため、スピーカの薄型化においては、余り効果的とは言い得ない。
【0008】
また、この磁気回路は、ヨークの形状が、前記のように、センターポール部底面から外周方向に向けて形成されたつば部、このつば部のセンターポールから所要の距離をもった位置にセンターポールと逆方向に設けられた段部、つば部外周部においてセンターポールと同一方向に形成された段部とを備える極めて特殊なもので、このつば部上に焼結磁石を焼結一体化させているので、必ずしも磁気回路の組立てコストを軽減させるものではない。
【0009】
この発明はかかる現状に鑑み、ポットヨークを必要としない新しい機構を有する磁気回路について鋭意研究の結果、ポールピースとマグネットのみで磁気回路を構成することに成功し、この発明を完成させたものである。
【0010】
この発明の最大の目的は、プレート及びマグネットの厚みを変えることなく、磁気回路自体を薄型とするとともに、従来の磁気回路と同じ厚みとした場合、ポットヨークを無くした分だけ、実質的にマグネット材料の体積を増やし、従来の磁気回路と同じ厚さで音圧の上昇を得ることを可能とすることにある。
【0011】
また、一つのマグネットの数箇所で、違う磁束の配列を保持することを可能とすることによって、複数のボイスコイルを一つのマグネットで駆動させ、マグネットの薄型化による音圧の減少をカバーすることを可能とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
矩形状のボンド磁石組成物の表面に、複数のスリットを、相対する側縁の一端から他端に所要間隔を存して平行に形成するとともに、各スリットの磁束が、常に逆方向とになるようにボンド磁石組成物を着磁してボンド磁石を形成し、
このボンド磁石の表面に、前記各スリットに沿って、両側から平板状のポールピースをそれぞれ配置固定し、隣接するポールピース間に形成される空隙部を、各スリットの中心上に位置させて磁気ギャップとしたこと
を特徴とするスピーカ用磁気回路である。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のスピーカ用磁気回路において、
前記ボンド磁石組成物は、
希土類元素を含む磁石粉末と、樹脂バインダとを混合し、成形手段によって矩形状に成型されたものであること
を特徴とするものである。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載のスピーカ用磁気回路において、
前記ボンド磁石組成物への着磁は、
1本の着磁コイルを前記各スリット内に順次配置し、この着磁コイルの一方から他方に電流を流し、各スリットの磁束が常に逆方向となるようにして行なうこと
を特徴とするものである。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、
表面部に複数のスリットを、相対する側縁の一端から他端に所要間隔を存して平行に形成して矩形状のボンド磁石組成物を得る工程と、
前記複数のスリット内に1本の着磁コイルを引き回し、この着磁コイルの一方から他方に電流を流し、各スリットの磁束が常に逆方向となるようにして着磁する工程と、
前記各スリットに沿って、両側から平板状のポールピースをそれぞれ配置固定し、隣接するポールピース間に形成される空隙部を、各スリットの中心上に位置させて磁気ギャップを形成する工程からなること
を特徴とするスピーカ用磁気回路の製造方法である。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、
請求項4に記載のスピーカ用磁気回路の製造方法において、
前記ボンド磁石組成物を得る工程は、
射出成型によって行なうこと
を特徴とするものである。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、
矩形状のボンド磁石組成物の表面に、複数のスリットを、相対する側縁の一端から他端に間隔を存して平行に配置するとともに、各スリットの磁束が、常に逆方向になるよう着磁したボンド磁石の表面に、前記各スリットに沿って、両側から平板状のポールピースをそれぞれ配置して、隣接するポールピース間に形成される空隙部を、各スリットの中心上に位置させて磁気ギャップとした磁気回路を構成し、
この磁気回路の磁気ギャップ内に、平面視矩形状乃至トラック状のボイスコイルの直線部を配置したこと
を特徴とするスピーカである。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、
矩形状のボンド磁石組成物の表面に、複数のスリットを、相対する側縁の一端から他端に間隔を存して平行に配置するとともに、各スリットの磁束が、常に逆方向になるよう着磁したボンド磁石の表面に、前記各スリットに沿って、両側から平板状のポールピースをそれぞれ配置して、隣接するポールピース間に形成される空隙部を、各スリットの中心上に位置させて磁気ギャップとした磁気回路を構成し、
この磁気回路の磁気ギャップ内に、平面視矩形状乃至トラック状のボイスコイルの直線部を配置するとともに、このボイスコイルの上端部に平板の振動板を直付けしてダンパーを無くしたこと
を特徴とするスピーカである。
【0019】
さらに、請求項8に記載の発明は、
請求項6又は7に記載のスピーカにおいて、
前記ボンド磁石は、
その厚みを可及的に薄くし、ボイスコイルの数を増やすことによって、音圧の低下を防止すること
を特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のスピーカ用磁気回路及びその製造法、ならびにこの磁気回路を用いたスピーカの、一実施の形態の構成を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、この発明のスピーカ用磁気回路の一部切欠き斜視図であって、スピーカ用磁気回路1は、所要の厚みを有する矩形状のボンド磁石組成物2と、このボンド磁石組成物2の上面に載置固定され、磁気ギャップ8,9を形成する複数の平板状のポールピース5,6,7とから構成されるものであるが、この発明において、矩形状とは、長方形以外に正方形も含む意味で使用される。
【0022】
前記ボンド磁石組成物2は、ネオジウムで代表される希土類元素、鉄、ボロンを主成分とした磁性粉末を、ナイロン6、ナイロン12などのポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ポリエチレンなどのポリオレフィンもしくは変性ポリオレフィンなどの樹脂バインダで結合したもので、射出成型によって、所定の厚みでかつ平面視が矩形状となるよう成型して得られたものである。
【0023】
なお、前記希土類元素としては、Sm−Co合金、Nd−Fe−B合金、Ce−Co合金などがあるが、特に限定はなく、合金中の希土類の含有割合は、50〜98%、好ましくは80〜98%で、その配合量は求められる磁極の強さに応じて適宜選択されるもので、一般的には、ボンド磁石組成物全体の60〜90重量%である。
【0024】
このボンド磁石組成物2の表面には、所定の間隔を存して複数、少なくとも2つの断面U字状のスリット3,4を、長手方向に沿って短手方向において相対する側縁の一端から他端に至るまで形成するとともに、図2に示すように、着磁コイル10を一方のスリット3から他方のスリット4に引き回し、着磁コイル10に直流電流iを流すことによって、スリット3内では時計方向に、スリット4内では反時計方向に着磁されたボンド磁石を得ることができる。
【0025】
なお、ボンド磁石組成物2への着磁に際しては、図示しないが、充電制御回路とコンデンサ及び放電回路で着磁電源装置を構成し、交流電圧を充電制御回路で制御し、トランスで昇圧したのちに整流回路で直流に変換し、コンデンサに蓄えるとともに、蓄えられた電荷を放電回路でONにすると、着磁コイル(前記着磁コイル10に相当)に大きな電流が流れ、この電流が着磁に必要な高磁界を発生させることができる。
【0026】
前記図1に示すボンド磁石組成物の着磁は、着磁電源装置として、SCB−4030MD(日本電磁測器株式会社製)を使用し、Φ1.6mmの着磁コイルを用い、着磁電流20,000A、着磁電圧2,000V、コンデンサ容量1,000μAの条件で行なった。
【0027】
また、ボンド磁石組成物2を着磁するに際し、直流電流を逆方向に流せば、図1におけるスリット4の磁束を時計方向に、スリット3の磁束を反時計方向に着磁に着磁することができる。
【0028】
さらに、ボンド磁石組成物2の表面への複数のスリット3,4の形成は、矩形状のボンド磁石組成物2を得たのちに行なってもよいが、射出成型によるボンド磁石組成物の成型時に同時に行なうことが好ましい。
【0029】
前記手段で着磁させたボンド磁石は、その表面に、図1で示すように、所定の幅(具体的には、ボンド磁石の長手方向の側縁からスリット3(4)内に一方の側縁が突出するのに十分な幅)の平板状のポールピース5と、幅の異(具体的には、長手方向の一方の側縁がスリット3内に、他方の側縁がスリット4内に突出するのに十分な幅)なるポールピース6の、各長手方向の一方側の側縁がそれぞれスリット3内に突出し、かつ互いのポールピース5,6間に形成される空隙の中心部が、スリット3の軸線上に位置するようにして配置する。また、スリット4内には、平板状のポールピース7と前記ポールピース6の、各長手方向の一方側の側縁をそれぞれ突出させ、かつ互いのポールピース7,6間に形成される空隙の中心部が、スリット4の軸線上に位置するように配置し、各スリット3,4上に磁気ギャップ8及び9を形成し、スピーカ用磁気回路1を構成するものである。
【0030】
かくして得たスピーカ用磁気回路1は、図4に示すように、左右のポールピース5,7上に平面視が方形のフレーム11を配置固定し、前記磁気ギャップ8,9内に平面視が正方形のボイスコイル14の相対する直線部をそれぞれ配置し、このボイスコイル14の上端部を平面状の振動板12の裏面部に直付けするとともに、振動板12の外周部に連設したエッジ13の外周部を、前記フレーム11の上面に固着してスピーカ15を構成することができる。(図4,5参照)
【0031】
このスピーカ15において、使用するボイスコイル14は平面視が方形のものを使用したが、相対する直線部以外の部分を緩やかな円弧で接続する平面視がトラック状のものも使用することができる。
【0032】
また、このタイプのスピーカ15は、使用するフレーム11の厚さを可及的に薄く設定することによって、スピーカ全体の高さを低くし、薄型とすることができるとともに、ボイスコイル14を振動板12に直付けすることによってダンパーも不要とすることが可能となる。
【0033】
図6乃至図7に示すスピーカ20は、この発明にかかる他の実施の形態における構成を示すもので、横長のボンド磁石組成物21の表面に、短手方向において相対する側縁の一端から他端に至る、U字状の8つのスリット22,23,24,25,26,27,28,29を所要間隔毎に平行に形成し、前記図2で示す着磁方法と同様に、スリット22の一方の開口部から1本の着磁コイルの先端部を引き込み、順次スリット23〜29に引き回した後、スリット29の開口部から引き出し、しかるのち着磁コイルに直流電流を流し、各スリットにおける磁束が常に逆方向になるようにボンド磁石組成物21を着磁してボンド磁石とし、このボンド磁石の各スリット22〜29の軸線上に、所要幅の磁気ギャップが形成されるよう、9枚のポールピース30,31,32,33,34,35,36,37,38を、図示のごとく配置固定して磁気回路40を構成する。
【0034】
そして、得た磁気回路40の左右に位置するポールピース30,38上に平面視が横長のフレーム41を配置固定したのち、隣接するスリット22と23、24と25、26と27及び28と29とでユニットA,B,C,Dを構成し、各ユニットA〜Dに、平面視が矩形状のボイスコイル42,43,44,45の相対する直線部をそれぞれ配置し、このボイスコイル42〜45の上端部を平面状の振動板46の裏面部に直付けするとともに、振動板46の外周部に連設したエッジ47の外周部を、前記フレーム41の上面に固着してスピーカ20としたものである。
【0035】
このようにボンド磁石組成物21に、多くのスリットを所要間隔で平行に形成した磁気回路40は、マグネットとなるボンド磁石組成物21の厚みを最少とすることができ、その結果、音圧低下が発生するおそれがあるものの、複数のボイスコイルで振動板を駆動させることによって音圧低下を防ぐことができるので、高音圧でかつ薄型のスピーカを可能にすることができる。
【0036】
【発明の効果】
この発明のスピーカ用磁気回路は、複数のポールピースと、表面に複数のスリットを形成し、隣接するスリット同士が常に逆方向となるよう磁束配列させたボンド磁石とで構成されるので、構成がきわめて簡単でかつ組立てが容易となるとともに、従来の磁気回路のようにポットヨークを必要としないので、薄型のスピーカを容易に得ることができる。
【0037】
特に、この発明においては、従来の磁気回路と同じ厚みにした場合、ポットヨークをなくした分だけ実質的にマグネット材料の体積が増加し、音圧の上昇を得ることが可能で、同時にポットヨークをなくした分だけ、確実に磁気回路の厚みを薄くすることができる。
【0038】
さらに、ボンド磁石は、表面に複数のスリットを形成し、隣接するスリット同士が常に逆方向となるよう磁束配列させて着磁しているので、複数のボイスコイルを一つのマグネット(ボンド磁石)で駆動させることができ、その結果、ボンド磁石組成物の厚みを最少としても、音圧の低下を来たさないなど優れた効果を奏するものである。
【0039】
この発明のスピーカ用磁気回路の製造法は、表面部に複数のスリットを、相対する側縁の一端から他端に所要間隔を存して平行に形成して矩形状のボンド磁石組成物を得る工程と、前記複数のスリット内に1本の着磁コイルを引き回し、この着磁コイルの一方から他方に電流を流し、各スリットの磁束が常に逆方向となるようにして着磁する工程と、前記各スリットに沿って両側からポールピースをそれぞれ配置固定し、隣接するポールピース間に形成される空隙部を、各スリットの中心上に位置させて磁気ギャップを形成する工程からなるので、スピーカ用磁気回路の製造がきわめて容易となって、大幅なコストダウンが図れる。
【0040】
また、この発明のスピーカ用磁気回路を使用したスピーカは、従来のようにポットヨークを有しないので、その分確実に薄型とすることができ、マグネットとなるボンド磁石組成物の厚みを最少とすることができ、複数のボイスコイルで一つの振動板を駆動させることによって、高音圧でかつ薄型のスピーカを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるスピーカ用磁気回路の一例を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】着磁方法の一例を示す説明図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図1に示すスピーカ用磁気回路を用いたスピーカの一例を示す一部切欠き平面図である。
【図5】図4におけるA−A線に沿った断面図である。
【図6】この発明にかかるスピーカの他の例を示す一部切欠き平面図である。
【図7】図6におけるA−A線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 スピーカ用磁気回路
2 ボンド磁石組成物
3,4 スリット
5,6,7 ポールピース
8,9 磁気ギャップ
11 フレーム
12 振動板
13 エッジ
14 ボイスコイル
15 スピーカ
Claims (8)
- 矩形状のボンド磁石組成物の表面に、複数のスリットを、相対する側縁の一端から他端に所要間隔を存して平行に形成するとともに、各スリットの磁束が、常に逆方向となるようにボンド磁石組成物を着磁してボンド磁石を形成し、
このボンド磁石の表面に、前記各スリットに沿って、両側から平板状のポールピースをそれぞれ配置固定し、隣接するポールピース間に形成される空隙部を、各スリットの中心上に位置させて磁気ギャップとしたこと
を特徴とするスピーカ用磁気回路。 - 前記ボンド磁石組成物は、
希土類元素を含む磁石粉末と、樹脂バインダとを混合し、成形手段によって矩形状に成型されたものであること
を特徴とする請求項1に記載のスピーカ用磁気回路。 - 前記ボンド磁石組成物への着磁は、
1本の着磁コイルを前記各スリット内に順次配置し、この着磁コイルの一方から他方に電流を流し、各スリットの磁束が常に逆方向となるようにして行なうこと
を特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ用磁気回路。 - 表面部に複数のスリットを、相対する側縁の一端から他端に所要間隔を存して平行に形成して矩形状のボンド磁石組成物を得る工程と、
前記複数のスリット内に1本の着磁コイルを引き回し、この着磁コイルの一方から他方に電流を流し、各スリットの磁束が常に逆方向となるようにして着磁する工程と、
前記各スリットに沿って、両側から平板状のポールピースをそれぞれ配置固定し、隣接するポールピース間に形成される空隙部を、各スリットの中心上に位置させて磁気ギャップを形成する工程からなること
を特徴とするスピーカ用磁気回路の製造方法。 - 前記ボンド磁石組成物を得る工程は、
射出成型によって行なうこと
を特徴とする請求項4に記載のスピーカ用磁気回路の製造方法。 - 矩形状のボンド磁石組成物の表面に、複数のスリットを、相対する側縁の一端から他端に間隔を存して平行に配置するとともに、各スリットの磁束が、常に逆方向になるよう着磁したボンド磁石の表面に、前記各スリットに沿って、両側から平板状のポールピースをそれぞれ配置して、隣接するポールピース間に形成される空隙部を、各スリットの中心上に位置させて磁気ギャップとした磁気回路を構成し、
この磁気回路の磁気ギャップ内に、平面視矩形状乃至トラック状のボイスコイルの直線部を配置したこと
を特徴とするスピーカ。 - 矩形状のボンド磁石組成物の表面に、複数のスリットを、相対する側縁の一端から他端に間隔を存して平行に配置するとともに、各スリットの磁束が、常に逆方向になるよう着磁したボンド磁石の表面に、前記各スリットに沿って、両側から平板状のポールピースをそれぞれ配置して、隣接するポールピース間に形成される空隙部を、各スリットの中心上に位置させて磁気ギャップとした磁気回路を構成し、
この磁気回路の磁気ギャップ内に、平面視矩形状乃至トラック状のボイスコイルの直線部を配置するとともに、このボイスコイルの上端部に平板の振動板を直付けしてダンパーを無くしたこと
を特徴とするスピーカ。 - 前記ボンド磁石は、
その厚みを可及的に薄くし、ボイスコイルの数を増やすことによって、音圧の低下を防止すること
を特徴とする請求項6又は7に記載のスピーカ。
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