JP2003163991A - スピーカ - Google Patents

スピーカ

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JP2003163991A
JP2003163991A JP2001358725A JP2001358725A JP2003163991A JP 2003163991 A JP2003163991 A JP 2003163991A JP 2001358725 A JP2001358725 A JP 2001358725A JP 2001358725 A JP2001358725 A JP 2001358725A JP 2003163991 A JP2003163991 A JP 2003163991A
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yoke
gap
magnet
magnetic
voice coil
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JP2001358725A
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Hisayoshi Sugawara
久芳 菅原
Naoki Shimamura
直樹 島村
Motoyasu Asami
元保 淺見
Akira Tanabe
景 田辺
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Alpine Electronics Inc
Original Assignee
Alpine Electronics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁界発生部での磁気飽和の発生を防止し、ボ
イスコイルに対してリニアな駆動力を与えるスピーカを
提供する。 【解決手段】 磁石Mで発生した磁束は、内部ヨーク2
2の外周面から第1のギャップG1を経て第1の凸部2
1aに至る第1の磁路L1と、磁石Mの外周面Mbから
第2のギャップG2を経て第2の凸部21bに至る第2
の磁路L2を形成するため、内部ヨーク22内での磁気
飽和を生じにくくできる。また内部ヨーク22の外周
と、磁石Mの外周にそれぞれ第1、第2のギャップG
1,G2が形成されているため、両ギャップG1,G2
での磁束密度の差を少なくでき、ボイスコイルVCに対
してリニアな駆動力を与えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイスコイルを駆
動する方式のスピーカに係わり、特に磁界発生部での磁
気飽和の発生を防止し、ボイスコイルへ磁界を効果的に
与えることができるスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】図5は従来のスピーカの一例を示す断面
図、図6は従来のスピーカの他の例を示す断面図であ
る。
【0003】図5に示すスピーカは、コーン型ダイナミ
ック・スピーカであり、その磁気駆動部はいわゆる2ギ
ャップ−1ボイスコイル方式である。
【0004】上記スピーカでは、フレーム1の内部側の
底部にカップ形状の外部ヨーク(継鉄)2が設けられ、
その底部中心に円柱形状の内部ヨーク3Aが設けられて
いる。内部ヨーク3Aの上方(Z1方向)の外周面(対
向面)には高さ方向に一定の間隔を置いて設けられた2
つのリング形状の磁石M1,M2が固着されている。前
記2つの磁石M1,M2は、例えば外周側の側面がN極
に、内周側の側面がS極に着磁されており、磁石M1,
M2の外周面と前記磁石M1,M2と向き合う外部ヨー
クの内面(対向面)との対向領域に一定の隙間寸法の2
つのギャップG1,G2が形成されている。
【0005】前記ギャップG1,G2の間には、円筒形
状のボビン6が設けられており、このボビン6にはボイ
スコイルVCが巻き付けられている。前記ボビン6の上
端はフレーム1の開口端から下方に延びる振動板7の下
端部に接続されており、振動板7およびボビン6は図示
Z方向に振動できるように支持されている。
【0006】一方、図6に示すスピーカは、上記同様の
カップ形状の外部ヨーク2の底部中央に円柱形状の磁石
Mが設けられており、例えば前記磁石Mの上面はN極
に、下面はS極に着磁されている。磁石Mの上面には内
部ヨーク3Bが固着されている。前記内部ヨーク3Bの
上部外周面および下部外周面には、外側方向に突出する
リング形状の凸部3a,3bが一体に形成されている。
そして、前記内部ヨーク3Bの凸部3a,3bと外部ヨ
ーク2の内面(対向面)との対向する領域に、上下に2
つのギャップG1,ギャップG2が形成されており、こ
のギャップG1,G2内に上記図5と同様のボイスコイ
ルVCを有するボビン6が挿入されている。
【0007】上記図5に示すスピーカでは、磁石M1,
M2のN極→ギャップG1,G2→外部ヨーク2→内部
ヨーク3A→磁石M1,M2のS極の経路で磁気回路
(磁路)が形成される。また図6に示すスピーカでは、
磁石MのN極→内部ヨーク3Bの凸部3a,3b→ギャ
ップG1,G2→外部ヨーク2→磁石MのS極の経路で
磁気回路(磁路)が形成される。
【0008】図5および図6に示すスピーカでは、前記
ボイスコイルVCに音声信号(電流)が与えられると、
ボイスコイルVCと鎖交する磁束との関係からボイスコ
イルVCに図示Z方向の電磁力が生じるため、ボビン6
が振動させられ、振動板7から音声信号に応じた音が発
せられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般に、スピーカーで
応答性に優れた密度の濃い音楽再生を行うためには、ボ
イスコイルと鎖交する磁束密度Bを密にする必要があ
り、このためには磁気エネルギー(B・H)maxの大き
な磁石が使用される。なお、ここでのHは磁界である。
【0010】しかし、図5に示すスピーカでは、磁石M
1が作る磁路と磁石M2が作る磁路が、内部ヨーク3A
および外部ヨーク2の下部を共有する構成であるため、
磁石M1,M2が発生した磁束は前記磁路が重なる部分
に集中しやすい。
【0011】よって、磁気エネルギーの大きな磁石M
1,M2を使用しても、前記磁路が重なる内部ヨーク3
Aや外部ヨーク2の下部で磁気飽和が起こり、漏洩磁束
が発生する。したがって、結局はギャップG1,G2の
磁束密度はさほど増加せず、またスピーカーの出力音に
歪みが生じるという問題がある。
【0012】ここで、前記外部ヨーク2では、外側の肉
厚寸法や底部の肉厚寸法を厚めに形成して断面積を広く
することによって、磁気飽和を起こり難くすることが可
能である。
【0013】しかし、内部ヨーク3Aは、前記外部ヨー
ク2の内部に設けられているため、内部ヨーク3Aの断
面積を広くすると必然的に外部ヨーク2の径寸法を大き
くする必要が生じるため、磁界発生部全体が大型化す
る。よって、内部ヨーク3Aの断面積だけを広く形成す
ることができず、やはり外部ヨーク2に比べると磁気飽
和が起こり易い。
【0014】一方、図6に示すスピーカは、内部ヨーク
2の図示Z方向の高さ寸法が短く、凸部3aを通る磁路
と凸部3bを通る磁路とが重なる部分が少ない。すなわ
ち、磁石MのN極から発せられた磁束は直ぐにギャップ
G1,G2方向に分散させられるため、内部ヨーク3B
での磁気飽和は生じ難い構成である。
【0015】しかし、磁束は最短の磁路長で磁路を形成
するという性質を有するため、磁石Mに近い凸部3b側
のギャップG2内の磁束密度が密であるのに対し、磁石
Mから遠い凸部3a側のギャップG1内の磁束密度は粗
となりやすい。すなわち、両ギャップG1,G2間の磁
束密度に粗密差が生じやすい。このため、凸部3a側の
ギャップG1と凸部3b側のギャップG2で発生する電
磁力に差が生じ、Z1−Z2方向でボビン6を均等(リ
ニア)に駆動させることができないという問題がある。
磁気駆動のリニアリティが低下すると、発音の歪みなど
の原因になりやすい。
【0016】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、内部ヨークを大型化することなく、内部ヨ
ークで起こりやすい磁気飽和を解消でき、しかも2つの
ギャップでの磁束密度を均一化してリニアな磁気駆動を
実現できるようにしたスピーカを提供することを目的と
している。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、振動体とこの
振動体に振動を与えるボイスコイルと、前記ボイスコイ
ルを横断する磁界を与える磁界発生部が設けられている
スピーカにおいて、前記磁界発生部は、前記ボイスコイ
ルの外周に対向する外部ヨークと、前記外部ヨークの底
部に位置する底部ヨークと、前記外部ヨークの内側で前
記底部ヨーク上に設けられた磁石と、前記磁石の上に設
けられた内部ヨークとを有しており、前記内部ヨークと
前記外部ヨークとの間に第1のギャップが、前記磁石と
前記外部ヨークとの間に第2のギャップが形成されてお
り、前記ボイスコイルは、前記第1のギャップ内と第2
のギャップ内のそれぞれに位置していることを特徴とす
るものである。
【0018】このスピーカは、底部ヨーク上に磁石と内
部ヨークとが重ねられた構造であり、且つ内部ヨークの
外周と、磁石の外周にそれぞれギャップが形成されてい
るため、ヨーク内に磁気飽和が生じにくく、ギャップに
集中する磁気エネルギーを大きくできる。また2つのギ
ャップでの磁束密度の差を少なくでき、ボイスコイルに
対してリニアな駆動力を与えることができるようにな
る。
【0019】例えば、前記外部ヨークの内面に、前記磁
石に向かう凸部および前記内部ヨークに向かう凸部が形
成されて、前記凸部と前記内部ヨークとの間に前記第1
のギャップが形成され、前記凸部と前記磁石との間に前
記第2のギャップが形成されているものとして構成でき
る。
【0020】あるいは、前記内部ヨークの外面と前記磁
石の外面にそれぞれ外側へ向く凸部が形成されており、
前記凸部と前記外部ヨークとの間、および前記凸部と前
記外部ヨークとの間に、前記第1のギャップと第2のギ
ャップが形成されているものであってもよい。
【0021】また、前記底部ヨークの上面は平面であ
り、この平面上に前記磁石が位置しているものが好まし
い。
【0022】この構造では底部ヨークに段差が存在しな
いために、底部ヨーク内で磁気飽和が生じにくくなる。
【0023】また、前記外部ヨークと前記底部ヨークは
一体に形成されていることが好ましい。外部ヨークと底
部ヨークが一体化されていると両ヨーク間に接着剤等の
磁気抵抗部が形成されなくなり、外部ヨークと底部ヨー
クでの磁束の漏れを防止できる。
【0024】ただし本発明では、外部ヨークと底部ヨー
クが別体に形成された後に接合されたものであってもよ
い。
【0025】さらに、前記ボイルコイルは1つであり、
このボイスコイルが前記第1のギャップ内と第2のギャ
ップ内の双方に位置しているものとすることができる。
【0026】この構造では、ボイスコイルの移動領域を
長く確保でき、ボビンをロングストロークで振動させる
ことが可能である。
【0027】ただし、ボイスコイルが2つ設けられ、一
方のボイスコイルが第1のギャップ内に位置し、他方の
ボイスコイルが第2のギャップ内に位置しているもので
あってもよい。
【0028】また、本発明では、前記磁石は、Feを主
体とし、これにAl−Ni−Coを含ませたアルニコ磁
石であることが好ましい。
【0029】アルニコ磁石は保磁力が比較的小さく、し
かも高い磁気エネルギーを有するものであるため、底部
ヨーク側と内部ヨーク側で異なる磁極に着磁して磁界発
生方向を垂直方向にしても、磁石の外周に形成された第
2のギャップに比較的高い密度の磁束を与えることがで
き、第1のギャップと第2のギャップとの磁束密度の差
を小さくしやすい。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
であるスピーカを示す断面図、図2は前記第1の実施の
形態のスピーカの磁界発生部の磁束密度を示す説明図、
図3は本発明の第2の実施の形態であるスピーカを示す
断面図、図4は磁石の特性を示すグラフである。なお図
4では、横軸が保磁力Hc[kA/m]を、縦軸が磁気エ
ネルギー(B・H)max[kJ/m3]を示している。
【0031】図1に示すスピーカは、フレーム11がア
ルミニウムのダイキャスト成型、あるいは合成樹脂によ
る射出成型で形成されており、図示Z1方向の大きくコ
ーン形状に開口した部分が発音部11Aであり、図示Z
2側のフレーム11が閉じた部分が磁気駆動部11Bで
ある。
【0032】前記発音部11Aでは、フレーム11の開
口端11aに、シリコンゴムなどの部材で断面円弧形状
に形成されたエッジダンパー12が取り付けられ、前記
エッジダンパー12の内周側にコーン形状の振動板13
が接続されており、その中心には紙材などで形成された
ボビン16が設けられている。このボビン16と、前記
フレーム11に形成された段差部分11bは、蛇腹状の
ダンパー部材14で連結されている。前記ボビン16の
下部外周面には、ボイスコイルVCが設けられている。
この実施の形態では、ボビン16に1つのボイスコイル
VCが設けられており、ボイスコイルVCは銅線がボビ
ン16の外周に巻かれることにより形成されている。
【0033】前記磁気駆動部11Bは、前記ボイスコイ
ルVCと、このボイスコイルVCに磁束を横断させる磁
界発生部11Cとで構成されている。
【0034】前記磁界発生部11Cは、パーマロイ、フ
ェライトなどの軟磁性材料で形成された外部ヨーク2
1、内部ヨーク22および底部ヨーク23を有してい
る。外部ヨーク21がリング状であり、この外部ヨーク
21の底部に前記底部ヨーク23が設けられている。こ
の実施の形態では、外部ヨーク21と底部ヨーク23と
が一体に形成されている。
【0035】前記外部ヨーク21の開口端側(図示Z1
側)の内面(対向面)には、リング状に形成され且つ内
部方向に突出する第1の凸部21aが形成され、前記第
1の凸部21aよりも下側に間隔を開けて同じくリング
状に形成された第2の凸部21bが形成されている。
【0036】前記底部ヨーク23は、その上面23aが
平坦面であり、この上面23aの上に、円柱形状の磁石
(永久磁石)Mが固着されている。前記磁石Mは、例え
ば図示Z1側がN極に、Z2側がS極に着磁されてお
り、磁界の発生方向が図示上下方向である。前記磁石M
のN極である上面Maに前記内部ヨーク22が固着され
ている。前記内部ヨーク22は円柱形状であり、前記磁
石Mと内部ヨーク22は同じ直径で形成されている。
【0037】前記上部ヨーク22の外周面に、前記外部
ヨーク21の第1の凸部21aが対向して、両者が対向
する領域に第1のギャップG1が形成されている。また
磁石Mの上部側の外周面に、前記第2の凸部21bが対
向して、その対向領域に第2のギャップG2が形成され
ている。そして前記ボイスコイルVCは、前記第1のギ
ャップG1内と第2のギャップG2内の双方に跨った状
態に位置している。
【0038】図1に示すように、前記磁界発生部11C
では、外部ヨーク21の第1の凸部21aが内部ヨーク
22の外周面に向く方向に突設されているため、磁石M
のN極から出力された磁束が内部ヨーク22内で外周方
向に曲げられ、前記内部ヨーク22の外周面から第1の
ギャップG1を経て第1の凸部21aに至る。さらに磁
束は外部ヨーク21から底部ヨーク23を経て磁石Mの
S極に至る第1の磁気回路(磁路)L1を形成する。
【0039】また磁石Mの上部側の外周面Mbに対し、
外部ヨーク21の第2の凸部21bが接近して対向して
いるため、磁石Mの上部の外周面Mbからの磁束が側方
へ向けられ、磁束が前記ギャップG2を介して第2の凸
部21bに入り込む。さらに前記磁束は、外部ヨーク2
1および底部ヨーク23を経て磁石MのS極に至る第2
の磁気回路(磁路)L2を形成する。
【0040】このように、内部ヨーク22の上部から第
1の凸部21aに磁束が曲げられて向けられるととも
に、磁石Mの外周面から第2の凸部21bに磁束を向け
させているため、第1のギャップG1と第2のギャップ
G2での磁束密度の差を少なくできる。
【0041】図2は、前記第1のギャップG1と第2の
ギャップG2での磁束の密度を示すシミュレーション結
果であり、中心線O−Oの右半分を示すものである。
【0042】図2に示すように、磁石Mは下面と上面が
異なる磁極に着磁され、磁化方向が上下方向であるた
め、N極である上面Maから内部ヨーク22へ磁束が供
給され、この内部ヨーク22内で磁束の向きが曲げられ
て第1のギャップG1へ向けられる。一方、磁石Mの外
周面Mbは直接第2の凸部21bと対向しているため、
磁石Mから内部ヨーク22を通過することなくその外周
面Mbから第2のギャップG2へ向かう磁束が発生す
る。このように、磁石MのN極側から発生する磁束を、
第1と第2のギャップG1,G2に効率良く分散できる
ので、図6に示すスピーカの様に、磁石Mからの磁束を
すべて内部ヨーク3Bを経由させて各ギャップG1,G
2へ振り分けるものに比べ、第1のギャップG1内と第
2のギャップG2内を横断する磁束密度の差を少なくで
き、またその差をほとんど無くすことが可能である。
【0043】また上記したように、内部ヨーク22内を
磁石Mから発せられる全ての磁束が通過することがな
く、磁石Mから直接第2のギャップG2に磁束が振り分
けられる構造であるため、内部ヨーク22内での磁束飽
和(漏洩磁束)が生じにくい。したがって、前記第1の
ギャップG1と第2のギャップG2に与えられる磁束量
は多くなり、従来よりも高い磁束密度で磁束を集中させ
ることができる。
【0044】また、内部ヨーク22の高さ寸法H1、第
1および第2の凸部21a、21bの高さ寸法h1,h
2、および第1の凸部21aと第2の凸部21bとの間
の距離Wの各寸法、さらには第1の凸部21aと第2の
凸部21bの内方への突出寸法を適切に設定することに
より、第1のギャップG1の磁束密度と、第2のギャッ
プG2の磁束密度を、さらに最適に設定でき、両ギャッ
プG1,G2内の磁束密度の差も小さくすることが可能
である。
【0045】また、この磁界発生部11Cに設けられる
磁石Mは、磁化状態での磁気エネルギーが高く、しかも
着磁方向(図示上下方向)への保磁力があまり高くない
ものが好ましい。このような磁石Mを使用すると、磁石
Mの外周面Mbから直接第2のギャップG2内に磁束を
向けやすくなる。すなわち着磁方向と直行する向きの磁
束密度を高くできる。しかも磁石Mの磁気エネルギーが
高いため、前記第2のギャップG2に集中させる磁束密
度そのものを高くできる。よって第1のギャップG1で
の磁束密度を、第2のギャップG2での磁束密度に合わ
せて高くするように、前記各寸法を設定すれば、第1の
ギャップG1と第2のギャップG2に高い磁束密度で磁
束を集中させることができる。
【0046】図4は、磁石を形成する硬磁性材料の保磁
力Hcと磁気エネルギーとの関係を示している。保磁力
Hcが100[kA/m]以下で、例えば希土類磁石又は
フェライト磁石よりも保磁力が小さく、しかも磁気エネ
ルギーの高い磁性材料として、本発明の磁石を、Feを
主体としてこれにAl−Ni−Coを含ませたアルニコ
磁石とすることが好ましい。
【0047】上記磁界発生部11Cを備えたスピーカで
は、ボイスコイルVCに音声信号(交流電流)が与えら
れると、第1,第2のギャップG1,G2内のボイスコ
イルVCを鎖交する磁束と前記音声信号によって、前記
ボイスコイルVCを図示Z方向に駆動する電磁力が発生
する。よって、ボビン16が駆動されて振動板13がZ
方向に振動させられるため、前記振動板13から音声信
号に応じた音が発生する。
【0048】なお、ボイスコイルVCを静止状態で第1
のギャップG1と第2のギャップG2の各々に対し高さ
方向の半分づつ侵入した状態に配置することで、このボ
イスコイルVCをZ1−Z2方向へ同じ駆動力で長いス
トローク移動させることができる。
【0049】上記スピーカでは、第1のギャップG1と
第2のギャップG2の磁束密度の差が小さいため、ボイ
スコイルVCに与えられる電磁力のリニアリティを高く
維持でき、その結果、発音の歪みの発生などを防止でき
る。
【0050】図3に示す第2の実施の形態のスピーカ
は、発音部11Aが図1に示したスピーカと同じ構成で
あるが、磁気駆動部11B1および磁界発生部11C1
の構造が前記図1のスピーカと相違している。
【0051】前記磁界発生部11C1では、外部ヨーク
21の内周面(対向面)は平滑な曲面(円筒面)で形成
されている。一方、内部ヨーク22は断面T形状に形成
されており、上部側の外周面(対向面)から外側方向に
リング状に突出する第1の凸部22aが形成されてい
る。
【0052】また磁石MのN極側の外周面(対向面)に
は、外側方向にリング状に突出する第2の凸部24が形
成されている。前記第2の凸部24は、磁石Mを断面T
形状に形成することによって一体に形成したものが好ま
しい。なお、磁石MのN極側の外周面(対向面)にリン
グ形状のヨーク(環状ヨーク)を接着剤などで固着させ
た構造であってもよい。また前記磁石Mは、第1の実施
の形態のスピーカと同様の材質で形成されたものが好ま
しい。
【0053】第2の実施の形態のスピーカでは、前記第
1の凸部22aおよび第2の凸部24と外部ヨーク21
の内面(対向面)との間に第1,第2のギャップG1,
G2が形成されており、この両ギャップG1,G2間に
ボイスコイルVCを有するボビン16が図示Z方向に振
動自在に支持されている。
【0054】前記磁界発生部11C1では、磁石MのN
極から出力された磁束は、内部ヨーク22で外側方向に
曲げられ、第1の凸部22a→第1のギャップG1→外
部ヨーク21→底部ヨーク23→磁石MのS極へ至る第
1の磁路L1を形成する。と同時に、磁石MのN極→第
2の凸部24→第2のギャップG2→外部ヨーク21→
底部ヨーク23→磁石MのS極へ至る第2の磁路L2を
形成する。
【0055】よって、磁界発生部11C1は、図1に示
す磁界発生部11Cと同様に、第1のギャップG1と第
2のギャップG2の磁束密度の差を小さくできる。さら
に、内部ヨーク22内での磁気飽和(漏洩磁束)が起こ
り難く、第1のギャップG1と第2のギャップG2に高
い密度で磁束を集中させることができる。
【0056】なお、前記実施の形態では、第1のギャッ
プG1と第2のギャップG2内に1つのボイスコイルV
Cが位置しているが、ボビン16に2つのボイスコイル
VCが設けられ、一方のボイスコイルVCが第1のギャ
ップG1内に位置し、他方のボイスコイルVCが第2の
ギャップG2内に位置しているものであっても前記と同
等の効果を期待できる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明では、磁気駆動部を
構成する内部ヨークでの磁気飽和の発生を防止できる。
また、2つのギャップにおける磁束密度の粗密差を小さ
くすることが可能となるため、磁気駆動のリニアリティ
を高く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるスピーカを示
す断面図、
【図2】第1の実施の形態のスピーカの磁界発生部の磁
束密度を示す説明図、
【図3】本発明の第2の実施の形態であるスピーカを示
す断面図、
【図4】磁石の特性を示すグラフ、
【図5】従来の一例を示すスピーカの断面図、
【図6】従来の他の例を示すスピーカの断面図、
【符号の説明】
11 フレーム 11A 発音部 11B 磁気駆動部 11C,11C1 磁界発生部 16 ボビン 21 外部ヨーク 22 内部ヨーク 23 底部ヨーク 21a,22a 第1の凸部 21b,24 第2の凸部 G1 第1のギャップ G2 第2のギャップ M 磁石 Ma 上面 Mb 外周面 L1 第1の磁路 L2 第2の磁路 VC ボイスコイル
フロントページの続き (72)発明者 淺見 元保 東京都品川区西五反田1丁目1番8号 ア ルパイン株式会社内 (72)発明者 田辺 景 東京都品川区西五反田1丁目1番8号 ア ルパイン株式会社内 Fターム(参考) 5D012 BA03 BB04 BB05 FA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体とこの振動体に振動を与えるボイ
    スコイルと、前記ボイスコイルを横断する磁界を与える
    磁界発生部が設けられているスピーカにおいて、 前記磁界発生部は、前記ボイスコイルの外周に対向する
    外部ヨークと、前記外部ヨークの底部に位置する底部ヨ
    ークと、前記外部ヨークの内側で前記底部ヨーク上に設
    けられた磁石と、前記磁石の上に設けられた内部ヨーク
    とを有しており、 前記内部ヨークと前記外部ヨークとの間に第1のギャッ
    プが、前記磁石と前記外部ヨークとの間に第2のギャッ
    プが形成されており、前記ボイスコイルは、前記第1の
    ギャップ内と第2のギャップ内のそれぞれに位置してい
    ることを特徴とするスピーカ。
  2. 【請求項2】 前記外部ヨークの内面に、前記磁石に向
    かう凸部および前記内部ヨークに向かう凸部が形成され
    て、前記凸部と前記内部ヨークとの間に前記第1のギャ
    ップが形成され、前記凸部と前記磁石との間に前記第2
    のギャップが形成されている請求項1記載のスピーカ。
  3. 【請求項3】 前記内部ヨークの外面と前記磁石の外面
    にそれぞれ外側へ向く凸部が形成されており、前記凸部
    と前記外部ヨークとの間、および前記凸部と前記外部ヨ
    ークとの間に、前記第1のギャップと第2のギャップが
    形成されている請求項1記載のスピーカ。
  4. 【請求項4】 前記底部ヨークの上面は平面であり、こ
    の平面上に前記磁石が位置している請求項1ないし3の
    いずれかに記載のスピーカ。
  5. 【請求項5】 前記外部ヨークと前記底部ヨークは一体
    に形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の
    スピーカ。
  6. 【請求項6】 前記ボイルコイルは1つであり、このボ
    イスコイルが前記第1のギャップ内と第2のギャップ内
    の双方に位置している請求項1ないし5のいずれかに記
    載のスピーカ。
  7. 【請求項7】 前記磁石は、Feを主体とし、これにA
    l−Ni−Coを含ませたアルニコ磁石である請求項1
    ないし6のいずれかに記載のスピーカ。
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