JP2004152587A - セラミックヒータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】窒化物セラミックスからなる基体5中に発熱抵抗体7を埋設し、該発熱抵抗体7の両端に一部が基体5の表面に露出する1対の電極引出部9を形成し、該電極引出部9の露出部にメタライズ層を介して電極金具3を接続してなるセラミックヒータであって、上記電極金具3がコイル状金具3aと、該コイル状金具3aを覆う筒状金具3bとからなる。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼式車載暖房装置の点火あるいは炎検知用ヒータ、自動車用グロープラグ、石油ファンヒータ等の各種燃焼機器の点火用ヒータ、酸素センサ等の各種センサの各種センサや測定機器の加熱用ヒータなどに利用されるセラミックヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
寒冷地においてエンジンの始動を短期間に可能とするための熱源または車両室内暖房の補助熱源として、液体燃料を用いる車載暖房機が使用されている。また、電気自動車においてはバッテリの容量の制限により電力消費を少なくすることが要求されており、暖房装置の熱源としてこの液体燃料を用いた車載暖房機の利用が見込まれている。
【0003】
図4に示すように、液体燃料は図示していない燃料ポンプにより燃料タンクから点火栓30の周囲に供給される。支持部材31は燃焼筒32に固定されており、その中央には燃焼温度検知サーミスタ33が設置されており、上部には点火栓30を挿通させる孔が設けられている。更に支持部材31には液体燃料を保持する蒸発媒体34が嵌着されており、燃料の着火は、円筒形のステンレスで被覆された金属製の発熱部35を有する点火栓30により行われる。すなわち、点火栓30の抵抗体に一定時間通電することにより発熱部35が高温に赤熱される。その後、燃料ポンプから点火栓30の周りに液体燃料が供給され蒸発媒体34に浸透される。同時に空気供給ブロア36から空気が送られ燃焼用空気が送り込まれる。そして、点火栓30の周りに浸透した燃料が蒸発して赤熱した発熱部35で着火される。点火栓30で発生した炎は蒸発媒体34の全面を覆うようになる。この火炎により蒸発媒体34の表面から燃料蒸発量が増大し燃焼量が増大するがその燃焼量に見合うように供給燃料および燃焼用空気量が増やされる。
【0004】
定常燃焼状態でコントローラー37は車両からの操作信号および燃焼温度検知サーミスタ33の信号により、燃料ポンプ、空気供給ブロア36の動作を制御する。燃焼筒32内の燃焼室で発生したガスは熱交換部38で冷却水を加熱する。この熱交換部で加熱される水はエンジン冷却水であるがその水は図示していない熱交換器で空気を加熱する。その加熱された空気は車両室内に送られ車内の暖房が行われる。
【0005】
図5は、セラミックヒータ1を車載暖房機に用いた場合のセラミックヒータの装着部分の拡大断面図である。
【0006】
図5に示すように、窒化物セラミックスからなる基体25中に図2に示すように発熱抵抗体7、電極引出部9及び発熱抵抗体7と電極引出部9が導通するようにリードピン8を埋設し、基体25から露出した電極引出部9の上にガラス、Niを主成分としたメタライズ層を形成し、その上にNiメッキを施した鉄あるいはステンレス材からなり、筒状の電極金具23をロウ付けしてなる。
【0007】
また、車載暖房装置の配線と電極金具23とを接合するにはスポット溶接が用いられている。
【0008】
上記セラミックヒータ21の外表面にロウ付けされた保持金具22で、該セラミックヒータ21を外部装置に固定するため支持部材31に設けられた固定用金具24にネジ33により固定されている。固定用金具24の先端部にはセラミックヒータ21の位置決めのために、段部が形成されており、該段部に保持金具22を当てて位置合わせをしネジ33で固定するようにしている。
【0009】
このようにしてガス流中の最適位置で燃焼ガスが着火するようなシステムが組まれている(特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−173511号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車載暖房機の小型化及び着火速度の早急化が望まれており、それに伴いセラミックヒータの小型化、電力の増大、すなわち発熱部体積の増大が必要となってきている。
【0012】
セラミックヒータを小型化して、発熱部の体積を大きくするとメタライズ部が高温になり、従来の組成であるガラス、Niを主成分としたメタライズ部では、接合力が弱いため、電極引出部とメタラズ部との間の導通がとれなくなる問題があった。
【0013】
そこで、メタライズ部に活性金属を含有した金属を用いることにより高温耐久性を良好にしている。
【0014】
ところが、このようなメタライズを使用した場合、上記従来の筒状の電極金具23を用いると、セラミックヒータ21の基体25と電極金具23との熱膨張差により発生する応力のため、基体25にクラックが生じるという問題があった。
【0015】
本発明は、小型化されたセラミックヒータにおける電極金具が長期間高温に曝されても、抵抗値が安定し、安定した着火が可能となるセラミックヒータを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミックヒータは、窒化物セラミックスからなる基体中に発熱抵抗体を埋設し、該発熱抵抗体の両端に一部が基体の表面に露出する1対の電極引出部を形成し、該電極引出部の露出部にメタライズ層を介して電極金具を接続してなるセラミックヒータであって、上記電極金具がコイル状金具と、該コイル状金具を覆う筒状金具とからなることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のセラミックヒータは、上記筒状金具の厚みが0.1mm〜0.5mmであることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明のセラミックヒータは、上記筒状金具がスリットを有することを特徴とする。
【0019】
またさらに、本発明のセラミックヒータは、エンジンの始動用熱源または車両室内暖房の補助熱源として用いられる燃焼式車戴暖房機にて点火または災検知に用いることを特徴とする。
【0020】
本発明のセラミックヒータによれば、電極引出部に活性金属を含有するメタライズ層を介してコイル状金具及び筒状金具を接続することから、金具とセラミックヒータの熱膨張差により発生する応力を緩和することができ、電極金具が長期間に渡り高温に曝されても抵抗値が変化せず、安定した着火性能が維持できる。
【0021】
また、セラミックヒータを車載暖房機に組み付けるときに電を供給するための配線との接合はスポット溶接にて接合されるため、このスポット溶接面にロウ材の付着があると安定した溶接ができず、強度にばらつきが生じるが、コイル状金具の上に筒状金具を設置することにより、表面がロウ材の付着していない状態にできスポット溶接を容易に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミックヒータの実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0023】
図1(a)は、本発明のセラミックヒータを車載暖房用セラミックヒータとして用いた際の断面図であり、(b)は同図(a)のセラミックヒータを示す斜視図であり、図2はセラミックヒータにおける基体部分の製造工程段階の分解斜視図である。
【0024】
図1、図2に示すように本発明のセラミックヒータ1は、窒化物セラミックスからなる基体5中に発熱抵抗体7を埋設し、該発熱抵抗体7の両端に一部が基体5の表面に露出する1対の電極引出部9を形成し、該電極引出部9の露出部にメタライズ層を介して電極金具3を接続してなるものである。
【0025】
このセラミックヒータ1の外周に保持金具2をロウ付けし、車載暖房機の燃焼筒12の支持部材11に形成されたホルダ4にネジ13により固定し、車載暖房機の着火あるいは上記発熱抵抗体7を温度センサとして使用し、燃焼時の温度を発熱抵抗体7の抵抗値から判断するものである。
【0026】
このセラミックヒータ1の製造方法を図2の展開斜視図を用いて説明する。
【0027】
ここでは2層の発熱抵抗体7を有するものであり、先ず各セラミック成形体6の上に発熱抵抗体7と電極引出部9をプリント法により形成する。その後、上記発熱抵抗体7と電極引出部9の間に両者が導通するようにリードピン8を設置し、セラミック成形体6とこれらの蓋となるセラミック成形体6を重ねて密着させ、ホットプレスにより焼成する。しかる後、得られた焼結体を円柱状に加工し、図1に示すように表面に露出した電極引出部9に不図示のメタライズ層を形成し、その上面に電極金具3をロウ付けしてセラミックヒータ1が得られる。
【0028】
上記基体5は、窒化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体等の窒化物セラミックスからなり、中でも、窒化珪素質焼結体が高強度、高靱性、高絶縁性、耐熱性の観点で一番優れている。
【0029】
窒化珪素質焼結体としては、主成分の窒化珪素に対し焼結助剤として3〜12重量%の希土類元素酸化物と0.5〜3重量%のAl2O3、さらに焼結体に含まれるSiO2量として1.5〜5重量%となるようにSiO2を混合し、1650〜1750℃でホットプレス焼成することにより焼結体を得ることができる。ここで示すSiO2量とは、窒化珪素原料中に含まれる不純物酸素から生成するSiO2と、他の添加物に含まれる不純物としてのSiO2と、意図的に添加したSiO2の総和である。
【0030】
また、母材の窒化珪素にMoSi2やWSi2を分散させることにより、母材の熱膨張率を発熱抵抗体7の熱膨張率に近づけることにより、発熱抵抗体7の耐久性を向上させることが可能である。
【0031】
さらに、上記基体5として窒化アルミニウムを用いる場合は、窒化アルミニウムに対して、焼結助剤としてY2O3等の希土類元素酸化物やCaOを2〜8重量%添加したものを使用する。
【0032】
上記基体5に埋設された発熱抵抗体7は、無機導電体のWCを主成分とし、これに添加するBNの比率が4重量%以上となるように調整することが好ましい。窒化珪素セラミックス中で、発熱抵抗体7となる導体成分は窒化珪素に較べて熱膨張率が大きいため、通常は引張応力が掛かった状態にある。これに対して、BNは、窒化珪素に較べて熱膨張率が小さく、また発熱抵抗体7の導体成分とは不活性であり、セラミックヒータ1の昇温降温時の熱膨張差による応力を緩和するのに適している。また、BNの添加量が20重量%を越えると抵抗値が安定しなくなるので、20重量%が上限である。さらに好ましくは、BNの添加量は、4〜10重量%とすることが良い。
【0033】
さらに、発熱抵抗体7への添加物として、BNの代わりに窒化珪素を10〜40重量%添加することも可能である。窒化珪素の添加量を増すにつれ、発熱抵抗体7の熱膨張率を母材の窒化珪素に近づけることができる。
【0034】
また、上記リードピン8については、耐熱性のある材質であれば他の材質を用いることも可能であるが、特にセラミック基材が窒化珪素の場合、Wを用いるのが望ましい。
【0035】
ここで、本発明のセラミックヒータ1は、図3(a)、(b)に示すように上記発熱抵抗体7を埋設した基体5の表面に露出した電極引出部9にメタライズ層を介してロウ付けによって接合された電極金具3は、コイル状金具3aと、該コイル状金具3aを覆う筒状金具3bとからなることが重要である。
【0036】
上記コイル状金具3aを電極引出部9に接合することにより、セラミックヒータ1が発熱、冷却され、それに伴い電極金具3とセラミックヒータ1の基体5との熱膨張差により発生する繰り返し応力を緩和することができる。
【0037】
コイル状金具3aの材質としては、例えばFe−Ni−Co合金や4−2アロイ、インコロイ、インコネル、ステンレス、Ni等の熱膨張係数の小さい金属が好ましいが、車載暖房機に用いられるセラミックヒータ1には腐食耐性の良好なNiが多用されている。また、線径は発生する応力を小さくするため細い方が良く0.6mm〜1.2mmとすることが好ましい。
【0038】
電極引出部9に接合するメタライズ層は、高温耐性を増すために活性金属を含むAg、Cuを主成分とする金属主成分のメタライズ層を用いることが好ましい。一方、活性金属含まないガラスを主成分としたメタライズ層を使用すると、応力は緩和されるが高温になると接合力が弱いため電極引出部9とメタライズ層との間に隙間が生じて抵抗変化が生じやすい。
【0039】
なお、Ag−Cu合金を主成分とする場合、Cuの比率はメタライズ層が硬くならないように5〜20%とすることが好ましい。
【0040】
上記コイル状金具3aの上には、該コイル状金具3aと同時に筒状金具3bがロウ材を用いて同時に接合されており、この筒状金具3bを接合することによって、ロウ材がコイル状金具3aの表面に露出せずに車載暖房機等の配線と接続する際のスポット溶接が容易となる。
【0041】
また、上記筒状金具3bは、その厚みが0.1mm〜0.5mmであることが好ましく、さらには0.1〜0.3mmが好ましい。厚みが0.1mm未満となると、車載暖房機の配線とのスポット溶接部が破れる、あるいは強度が劣化する可能性がある。一方、0.5mmを超えると筒状金具3bによる応力が大きくなりすぎ、ロウ付けしているコイル状金具3aに大きな影響を与えて、コイル状金具3aが応力緩和のための作用をなさなくなる。さらに、筒状金具3bの材質としては、熱膨張係数がコイル状金具3aに近いもの、かつロウ材が流れにくいものが好ましく、Fe−Ni−Co合金、4−2アロイ、インコロイ、インコネル、ステンレス材等をもちいることが好ましい。
【0042】
さらに、上記筒状金具3bにはスリット3cを形成することが好ましく、基体5と筒状金具3bとの熱膨張差による応力を緩和するために効果的である。また、筒状金具3bはスポット溶接を容易にすることが目的であり、溶接が可能であれば半円筒のような形状で構わない。
【0043】
また、上記電極金具3は、1対の電極引出部9にそれぞれ接合されるため、電極金具3も同様に1対からなり、各電極金具3の距離は0.5〜5mm、更に好ましくは2〜5mmとすることが好ましい。この距離が0.5mm未満では、電極金具3をロウ付けした際にロウ材が広がって短絡する可能性があり、一方、距離が5mmを越えると、性能上は問題がないが、セラミックヒータ1の全長が長くなり、セラミックヒータ1を装着する装置全体の大きさに影響するので好ましくない。
【0044】
そして、このセラミックヒータ1を保持するための保持金具2としては、ステンレス鋼、耐熱鋼、Fe−Ni−Cr合金、インコネル等の耐熱性に優れたものが好適である。
【0045】
上記セラミックヒータ1は、エンジンの始動用熱源または車両室内暖房の補助熱源として用いられる燃焼式車戴暖房機にて点火または炎検知として好適に用いられる。上記セラミックヒータ1は、電極金具3としてコイル状金具3a、筒状金具3bを用いたことから、使用中の熱サイクルにより電極引出部9付近の抵抗値が増加したり、周辺の基体5にクラックが発生したりすることを防止することが可能となる。
【0046】
また、通常、セラミックヒータ1を車載暖房機に組み付けるときは、電力を供給する配線と電極金具3との接合はスポット溶接にて接合されるため、このスポット溶接面にロウ材の付着があると安定した溶接ができず、強度にばらつきが生じるが、コイル状金具3aの上に筒状金具3bを設置することにより、表面がロウ材の付着していない状態にできスポット溶接を容易に行うことができる。
【0047】
なお、上述の実施形態では、円柱状のセラミックヒータ1を用いて説明したが、四角柱状等、種々の形状のセラミックヒータでもよく、電極金具3として基体の形状に沿うようにコイル状金具3a、筒状金具3bを接合すればよい。
【0048】
【実施例】
本発明の有効性を確認するためにテスト品を作製し、下記試験を実施して従来の構造のものと比較した。
【0049】
先ず、図3に示すセラミックヒータを作製するため、窒化珪素(Si3N4)粉末にイッテリビウム(Yb)やイットリウム(Y)等の希土類元素の酸化物からなる焼結助剤を添加したセラミック原料粉末をプレス成形法によってセラミック生成形体を得、セラミック生成形体の上面にWCとBNを主成分とするペーストを用いて発熱抵抗体と電極引出部をプリント法により形成した。
【0050】
その後、リードピンを上記発熱抵抗体と電極引出部が導通するように設置し、上記セラミック生成形体を2層とこれらの蓋となるセラミック生成形体を重ねて密着させ、これを円筒のカーボン型に入れた後、還元雰囲気下、1650℃〜1750℃の温度でホットプレスにより焼成した。
【0051】
しかる後、焼結体を円柱状に加工し、表面に露出した1対の電極引出部にAgを主成分とするメタラズ層を形成し、Niからなるコイル状金具をロウ付けし、その上からSUS材からなる筒状金具を同時にロウ付けしてセラミックヒータの試料を作製した。
【0052】
また、比較例として上述のセラミックヒータにおける電極金具として図6に示すような従来の筒状の電極金具を用いた試料を作製した。
【0053】
各試料の寸法は、基体の外径を4.2mm、全長を40mmとし、電極金具の形状は表1に示す如くである。
【0054】
得られたセラミックヒータ試料の電極部の高温耐熱性を冷熱サイクル炉を用いて評価した。セラミックヒータを冷熱サイクル炉に入れてそれぞれの筒状の電極金具が2分間で300℃になるように設定し、その時点で炉から出して2分間冷却ファンを用いて100℃未満にする。これを1サイクルとして30000サイクル実施した。そして耐久試験後の抵抗値を4端子のマルチメーターを用いて測定し抵抗変化量を調査した。
【0055】
これらの結果を表に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
表1に示す通り、電極金具がコイル状金具及び筒状金具からなる試料(No.1〜11)は、サイクル試験後の抵抗値増加量が小さく良好な耐久性を示した。
【0058】
特に、筒状金具の厚みが0.5mm以下である試料(No.1〜10)は、サイクル試験後の抵抗値増加量が23mΩ以下と小さくすることができた。
【0059】
また、試料(No.4)と試料(No.5)との比較、および試料(No.12)と試料(No.13)との比較から判るように、筒状金具にスリットを形成することにより、基体と電極金具の熱膨張差を緩和し、さらに抵抗値増加量を小さくできることが判った。
【0060】
これに対し、電極金具が筒状金具のみからなる試料(No.12、13)は、サイクル試験後の抵抗値増加量が80mΩ以上と大きくなることが判った。
【0061】
従来のリング状の金具33に対し、本発明に示す形状の電極金具3は抵抗変化量が少なく、高温耐久性に優れていることが確認できた。
【0062】
【発明の効果】
本発明のセラミックヒータによれば、窒化物セラミックスからなる基体中に発熱抵抗体を埋設し、該発熱抵抗体の両端に一部が基体の表面に露出する1対の電極引出部を形成し、該電極引出部の露出部にメタライズ層を介して電極金具を接続してなるセラミックヒータであって、上記電極金具がコイル状金具と、該コイル状金具を覆う筒状金具とからなることから、セラミックヒータ1が発熱、冷却され、それに伴い電極金具と基体との熱膨張差により発生する繰り返し応力を緩和することができ、コイル状金具の上面にさらに筒状金具3bを接合することによって、ロウ材がコイル状金具の表面に露出せずに車載暖房機等の配線と接続する際のスポット溶接を容易に行なうことができる。
【0063】
また、筒状金具の厚みを0.1mm〜0.5mmとし、さらにスリットを形成することによって、セラミックヒータと筒状金具との熱膨張差による応力を効果的に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車載暖房機用のセラミックヒータを示す断面図である。
【図2】本発明のセラミックヒータの製造方法を説明するための基体部分の展開斜視図である。
【図3】(a)は本発明のセラミックヒータの斜視図であり、(b)は電極金具の部分拡大断面図である。
【図4】従来の車載暖房機を示す断面図である。
【図5】従来の車載暖房機用のセラミックヒータを示す断面図である。
【符号の説明】
1:セラミックヒータ
2:保持金具
3:電極金具
4:固定用金具
5:基体
6:セラミック生成形体
7:発熱抵抗体
8:リードピン
9:取出電極
10:点火栓
11:支持部材
12:燃焼筒
13:ネジ
Claims (4)
- 窒化物セラミックスからなる基体中に発熱抵抗体を埋設し、該発熱抵抗体の両端に一部が基体の表面に露出する1対の電極引出部を形成し、該電極引出部の露出部にメタライズ層を介して電極金具を接続してなるセラミックヒータであって、上記電極金具がコイル状金具と、該コイル状金具を覆う筒状金具とからなることを特徴とするセラミックヒータ。
- 上記筒状金具の厚みが0.1mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
- 上記筒状金具がスリットを有することを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックヒータ。
- 請求項1乃至3の何れかに記載のセラミックヒータをエンジンの始動用熱源または車両室内暖房の補助熱源として用いられる燃焼式車戴暖房機にて点火または災検知に用いることを特徴とするセラミックヒータ。
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