JP2004152153A - 標準装備切り替え予測システムと標準装備切り替え予測プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ある製品に対してオプションとして販売されていた付属部品を準装備化するようなときの、生産体制の切り替え計画を支援する。
【解決手段】データ取得手段41は、製品管理データベース20から、製品の販売数量と、当該製品の所定の付属部品の販売数量を取得する。予測演算手段42は、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求める。この比の時間的推移を、予め用意した標準パタン15と比較して、付属部品の増産タイミングと、付属部品を製品に標準装備するタイミングとを予測演算する。
【選択図】 図1
【解決手段】データ取得手段41は、製品管理データベース20から、製品の販売数量と、当該製品の所定の付属部品の販売数量を取得する。予測演算手段42は、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求める。この比の時間的推移を、予め用意した標準パタン15と比較して、付属部品の増産タイミングと、付属部品を製品に標準装備するタイミングとを予測演算する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品やその付属部品の生産体制の切り替え計画を支援する、標準装備切り替え予測システムと、標準装備切り替え予測プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、パーソナルコンピュータの製造販売について考える。発売当初は、CD−ROMドライブを標準装備とし、CD−RやDVDドライブをオプションとしていたとする。しかしながら、CD−Rの需要が高まり、非常に多くのユーザがCD−Rのオプションを購入するようになると、CD−Rを標準装備した他社製品にシェアを奪われることがある。そこで、状況を見ながら、CD−Rを標準装備品に切り替えていく。さらに、CD−Rと同じ機能を持つ上に、より高度な機能を持つDVDが出現し、その価格が低下してくると、DVDを標準装備化する検討を始める。従来は、マーケティング情報の収集等により、生産体制の切り替え計画を立てる技術が紹介されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平第9−64510号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
オプションとして販売をしている状態から標準装備品として販売をする状態への生産体制の切り替えには、増産計画と製品の製造ラインの見直し等、各種の作業が伴う。これらの作業手順を誤ると、標準装備化のタイミングが遅れて,他社に製品のシェアを奪われたり、在庫が急増するといった弊害が生じる。
本発明は以上の点に着目してなされたもので、ある製品に対してオプションとして販売されていた付属部品を、その売れ行き等を考慮して標準装備化するようなときに必要な、生産体制の切り替え計画を支援する、標準装備切り替え予測システムと、標準装備切り替え予測プログラムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の構成により上記の課題を解決する。
〈構成1〉
製品の販売数量と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する手段と、上記製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求める手段と、上記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品の増産タイミングと、上記付属部品を上記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する手段と、予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0005】
この発明では、製品の付属部品として製品とは別に販売されている物の、販売量が増えたとき、その付属部品を製品に標準装備として組み込んでしまう場合に、標準装備化のタイミングを予測する。過去の実績等に基づいて作成された標準パタンに当てはめて予測演算をし、その結果を表示するので、生産計画の最適化等に利用できる。付属部品が製品の専用品であれば、付属部品のニーズが高まると、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比の値は1に近づく。もちろん、この付属部品は、製品の専用品でなくても構わない。従って、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比は任意の数値になって構わない。製品の種類は問わない。付属部品の種類も問わない。付属部品は、ソフトウエアでもハードウエアでも構わない。標準パタンは、任意の方法で作成されればよい。一般の商品は、販売量が増加しピークに達してその後、生産停止まで次第に減少するというライフサイクルになる。標準パタンは、このライフサイクルの一部を取りだしたものでもよいし、全体を取りだしたものでもよい。付属部品の増産タイミングとは、需要増大に応えるための生産能力整備のタイミングである。例えば、標準パタン中にそのタイミングをマークしておく。比の時間的推移が、標準パタン中のどの部分に合致するかを判断して、その部分にマークがあれば、「増産」とか「標準装備」という指示をだす。また、「標準装備」を開始する時期とともに、標準装備のための準備開始時期等を表示することが好ましい。これにより、生産計画全体の最適化を図ることができる。予測演算の結果表示出力の方法は任意である。
【0006】
〈構成2〉
製品の販売価格と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する手段と、上記製品の販売価格と付属部品の販売価格の比を求める手段と、上記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品の増産タイミングと、上記付属部品を上記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する手段と、予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0007】
製品の販売価格とは、製品の単価等である。付属部品の販売価格とは、付属部品の単価等である。製品の販売価格が次第に下がってきたときに、製品の販売価格の推移と付属部品の販売価格の推移とを比較する。両者の推移は、生産数量や競争価格によりそれぞれ特徴的なパタンを描く。そのパタンと経験値に基づいて、前記付属部品の増産タイミングと、前記付属部品を前記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する。予測演算の根拠に、他のパラメータを含めても構わない。
【0008】
〈構成3〉
製品の販売数量と、当該製品の、複数の付属部品の販売数量とを取得する手段と、上記製品の販売数量の時間的推移と、上記各付属部品の販売数量の時間的推移とを、予め用意した両者の相関関係を含む標準パタンと比較して、上記付属部品のうちいずれかを上記製品に標準装備するタイミングを予測演算する手段と、予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0009】
複数の付属部品の販売実績を、予測計算に採り入れる。製品の販売数量の時間的推移と、各付属部品の販売数量の時間的推移を、標準パタンと比較する。標準パタンには、製品の販売数量と各付属部品の販売数量の時間的推移の相関関係を含む。例えば、同様の機能を持つ2種の付属部品を全製品の2分の1にそれぞれ標準装備するといったケースの生産タイミング予測をすることもできる。各付属部品の標準装備率は任意に決めて構わない。
【0010】
〈構成4〉
製品の販売価格と、当該製品の、複数の付属部品の販売価格とを取得する手段と、上記製品の販売価格の時間的推移と、上記各付属部品の販売価格の時間的推移とを、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品のうちいずれかを上記製品に標準装備するタイミングを予測演算する手段と、予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0011】
複数の付属部品の販売実績を、予測計算に採り入れる。製品の販売価格の時間的推移と、各付属部品の販売価格の時間的推移を、標準パタンと比較する。
【0012】
〈構成5〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、標準装備化に伴う、生産体制の切り替え計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0013】
予測演算の結果は、例えば、現在の状態は標準パタンのどの位置にあるという内容になる。標準パタンの該当する位置で、過去の実績では増産準備を開始しているという結果がでたときは、例えば、「○○台の増産準備開始」という生産計画を出力する。生産体制の切り替え計画とは、製品や付属部品の増産計画や減産計画等の指示である。この指示を適切なタイミングで出力することで、付属部品の標準装備化処理の最適化ができる。
【0014】
〈構成6〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、標準装備化に伴う、ユーザへの告知計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0015】
標準装備化が開始されるときは、カタログ等にその旨の表示が必要になる。生産体制の切り替えと同時に、ユーザへの告知計画を明確化することで,的確な体制づくりができる。この告知用の文書等は、自動的に生成されて出力されることが好ましい。
【0016】
〈構成7〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、標準装備化された付属部品に対応する、代替え用付属部品の販売数量の時間的推移を取得して、標準装備化後の標準装備廃止タイミングを演算処理する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0017】
代替え品の出現等で、標準装備を止めて他の付属部品に置き換える場合がある。このタイミングを予測するには、代替え用付属部品の販売数量の時間的推移に関するデータを取得する。標準パタンから経験則に基づいて判断するのは、他の例と同様である。
【0018】
〈構成8〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、生産停止計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0019】
増産すべき場合がある一方で、売れ行きが不振な場合には、生産の停止も計画しなければならない。標準装備化される前でも標準装備化された後でも構わない。標準装備を止めたあとでも構わない。これも、標準パタンから経験則に基づいてタイミングを判断できる。そこで、そのタイミングを算出して出力することにした。
【0020】
〈構成9〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、標準装備化前の仕様で受注済みの商品の生産確保計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0021】
標準装備化前の仕様で受注済みのものがあるときに、標準装備化を進めてしまうと、受注時の仕様と異なる仕様で出荷をすることになるおそれがある。そこで標準装備計画と受注済みの商品の生産確保計画を合わせて生成して出力するようにした。
【0022】
〈構成10〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、他社製品の各付属部品の標準装備化時期データを合わせて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0023】
他社製品の各付属部品の標準装備化時期を示すデータは、他社との競合品の生産計画に重要な影響を及ぼす。標準装備化に伴う、生産体制の切り替え計画を、自社の経験値から得た基本パタンに基づいて決定するだけでなく、他社の動向を示す情報を合わせて出力することで、より現実的な対応が可能になる。他社製品の各付属部品の標準装備化時期データは、結果でもよいし、予測でもよい。参考情報として合わせて表示するだけでもよいし、予測演算の結果得られる標準装備時期を、所定期間、早めたり遅らせたりするようにしても構わない。
【0024】
〈構成11〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、各付属部品の標準装備化優先度データを合わせて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0025】
標準装備化優先度データとは、複数の付属部品について標準装備化を検討する場合に、いずれを優先するかを相対的に比較できるような数値データ等である。優先度は例えば政策的に決めて構わない。優先度の高い付属部品があれば、標準パタンで判定した結果よりも早いタイミングで標準装備化をすすめてよい。標準装備化優先度データの出力方法は任意である。付属部品名を優先順位に合わせて並べて表示するようにしても構わない。
【0026】
〈構成12〉
製品の販売数量と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する処理と、上記製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求める処理と、上記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品の増産タイミングと、上記付属部品を上記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する処理と、予測演算の結果を表示出力する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする標準装備切り替え予測プログラム。
【0027】
構成1のシステムを実現するコンピュータプログラムの発明である。
【0028】
〈構成13〉
製品の販売価格と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する処理と、上記製品の販売価格と付属部品の販売価格の比を求める処理と、上記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品の増産タイミングと、上記付属部品を上記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する処理と、予測演算の結果を表示出力する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする標準装備切り替え予測プログラム。
【0029】
構成2のシステムを実現するコンピュータプログラムの発明である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
図1は、標準装備切り替え予測システムの具体例を示すブロック図である。
図に示すコンピュータ11は、標準装備切り替えタイミング等の予測演算を行うための演算処理機能を持つ。コンピュータ11には、記憶装置10と演算処理装置40とが設けられている。コンピュータ11は、パーソナルコンピュータあるいはワークステーション等から成る。記憶装置10はや演算処理装置40は、コンピュータ11に内蔵されていても外付けされていても構わない。
【0031】
記憶装置10には、製品管理データベース20と付属部品管理データベース30と標準パタン15とが記憶されている。製品管理データベース20は、生産管理の対象になる製品の製品コード21と、その販売価格22と販売数量23とを、機種ごとに例えば毎日記録したデータベースである。この記録により、任意の期間での製品の販売数量の時間的推移を確認できる。生産計画24は、例えば、その製品の向こう1月間の毎日の生産予定数を記録したデータである。この生産計画24のデータに従って、各製品が生産される。
【0032】
付属部品管理データベース30は、生産管理の対象になる製品の付属部品、例えば、製品がパーソナルコンピュータとすれば、CD−Rや電子カメラといった付属部品の、製品コード31と販売価格32と販売数量33と組込み製品コード34と生産計画35などを、機種ごとに例えば毎日記録したデータベースである。この記録により、任意の期間での付属部品の販売数量の時間的推移を確認できる。生産計画35は、例えば、その付属部品の向こう1月間の毎日の生産予定数を記録したデータである。組込み製品コード34というのは、各付属部品を組込む製品の製品コードである。組込み製品コード34に例えば、「op」という記号が付加されている場合には、この付属部品はオプションとして販売されている。
【0033】
標準パタン15は、過去の実績に基づいて、例えば、製品の販売価格の時間的推移、製品の販売数量の時間的推移、付属部品の販売価格の時間的推移、付属部品の販売数量の時間的推移、製品の販売数量と付属品の販売数量の比の時間的推移、製品の販売価格と付属部品の販売価格の比の時間的推移、といった様々なデータを取得して、標準化をしたものである。なお、この中には、過去の実績から最適と判断される、生産体制の切り替えタイミング等がマークされているものとする。この標準パタン15を用いて、各製品や付属部品の、将来の販売計画の予測演算処理がされる。
【0034】
演算処理装置40には、データ取得手段41と予測演算手段42と出力制御手段43とが設けられている。データ取得手段41は、記憶装置10から、生産管理の対象となる製品や付属部品の販売実績データを取得し、予測演算手段42に渡す機能を持つ。予測演算手段42は、データ取得手段41から渡されたデータと標準パタン15を利用して、例えば、ある付属部品の販売価格の時間的推移に基づいて、その付属部品に関する生産体制の切り替えタイミング等などを予測演算する機能を持つ。出力制御手段43は、予測演算手段42の演算処理結果をコンピュータ11のディスプレイなどに表示する機能を持つ。
【0035】
また、コンピュータ11は、ネットワーク1に接続されている。ネットワーク1は、インターネットやイントラネット(LAN、WAN)、などの各種の任意の情報通信用ネットワークである。有線ネットワークでも無線ネットワークでも構わない。このネットワーク1には、ネットワークプリンタ13が接続されている。出力制御手段43は、要求に従って、ネットワークプリンタ13に対し、予測演算処理結果を出力する機能を持つ。また、ネットワーク1には、営業部門等の端末装置12が接続されている。この端末装置12は、記憶装置16に、他社製品情報17を記憶している。他社製品情報17は、例えば、他社の製品に標準装備された付属部品のリストを含み、常に最新の情報により書き換えられているものとする。製品や付属部品に関する生産体制の切り替えタイミング等は、過去の自社の実績に基づいて予測演算される。しかしながら、この情報により、他社の動向もあわせて判断の参考にする。
【0036】
図2は、製品の販売数量や付属品の販売数量の時間的変化とその傾向を説明するグラフである。
図のグラフの縦軸は販売数量、横軸は経過時間を表す。また、曲線Aは製品の販売数量の時間的推移を示す。曲線Bは付属部品Xの販売数量の時間的推移を示す。曲線Cは、付属部品Yの販売数量の時間的推移を示す。いずれも、過去の実績の例である。例えばここでは、精査管理の対象となる製品をパーソナルコンピュータとし、付属部品XはCD−R、付属部品YはDVDとする。
【0037】
図のグラフにおいて、D1〜D4は、生産計画の切り替えタイミング時期を示す。D1は、付属部品Xの販売開始時期である。D2は、付属部品Xの製品への標準装備化時期である。D3は、付属部品Yの販売開始時期である。D4は、付属部品Yの標準装備化時期である。曲線Aに示すように、製品は、販売開始から次第に生産数が増加し、販売数量が増加していく。一方、付属部品Xは、曲線Bのように、当初オプションとしてごく少数生産されていたが、次第に販売数が増え、D2に近づにつれて、多くのユーザがこの付属部品Xを装備することを望んでいることがわかる。
【0038】
そこで、タイミングT1で標準装備化用ラインの整備を開始し、D2の部分で標準装備化した製品の生産を開始する。その後は、製品に付属部品Xが組込まれた状態で製品の販売数量が増加していく。D3の部分で、付属部品Xと同じか、あるいは、より高い機能の代替部品である付属部品Yが登場する。D3の後、次第に付属部品Xの代わりに付属部品Yを装着して製品を購入するユーザが増加していく。そこで、タイミングT2の部分で、付属部品Xを標準装備化した状態からオプションの状態に戻す処理が実行される。付属部品Yの販売数が増加し、付属部品Xがこれと反対に販売数量を減少させていくと、タイミングT3で付属部品Xの販売停止を検討する。そして、例えば、ユーザ告知等の一定の準備を終えた後、タイミングT4で付属部品Xの販売を停止する。もちろん、その後、保守交換用などに必要な数量だけ生産をするようにしてもよい。一方、付属部品Yについては、その後順調に売上が伸び、D4のタイミングで製品に標準装備化される。
【0039】
このグラフは、製品と、そのオプションである2種の付属部品の販売数量の時間的な変化の例で、コピー機やプリンタといった、よく似た性格の製品の場合には、販売数量変化のパタンが類似する。即ち、生産開始や増産の開始、あるいは標準装備化などの時期的なタイミングが、直前の製品や付属部品の販売数量等の時間的な推移から推測できる。従って、この図に示すような傾向パタンをそのまま標準パタンとして図1に示した記憶装置10に記憶させておく。そして、製品や付属部品の生産や販売が開始されると、その販売数量の増加率や減少率を算出して、現状はパタン上のどの位置にあるかを数値比較によりチェックする。そして、例えば、これから何日後に標準装備化を検討しなければいけないか、何日後に増産を開始しなければいけないかといった判断を行う。
【0040】
図3(a)は、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比と、生産計画の切り替えタイミングの関係を示した説明図である。
図の縦軸は、付属部品の販売数量Bと製品の販売数量Aの比を示す。横軸は時間の経過を示す。図の(a)のグラフを見てわかるように、B/Aは1以下の値になっている。B/A=1のときは、製品に付属部品が標準装備として組み込まれた時である。生産計画上、常に、付属部品の販売数量を、製品の販売数量に対して、一定の割合に設定している。付属部品の売れ行きを見て、この割合を増やしていく。付属部品の生産量は、図のタイミングT5と、次のタイミングT6と、タイミングT7で、増産している。また、タイミングT7では、増産をすると同時に標準装備化をしている。タイミングT7で標準装備化ラインをスタートさせるには、タイミングT8でその準備作業を開始しなければならない。予測演算処理では、このタイミングT7とタイミングT8の時期をできるだけ早期に予測する。
【0041】
図3(b)は、製品の販売価格と付属部品の販売価格との時間的推移を示すグラフである。縦軸は販売価格、横軸は時間を示す。図のEは、製品の販売価格を示し、Fは付属部品の販売価格を示す。図のように、製品の販売価格Eは、製品の生産数が増大しあるいは競合製品が増えるにつれて次第に低下していく。ところが、オプション用の付属部品の販売価格は、当初は比較的高く設定されていて、需要がある程度増大するまで、ぞの状態を保持する。しかしながら、生産数が急増すると、タイミングT8付近で急激に販売価格が低下する。タイミングT9では、付属部品の販売競争が激化してきている。一方、タイミングT9では、製品の販売競争の激化に伴ない製品の販売価格が急激に下がろうとしている。タイミングT10では、製品の販売価格が大幅に低下した。このような段階で、付属部品を製品に組み込んで標準装備化してしまうことによって、製品の機能を向上させ、製品の価格下落を抑えることができる。
【0042】
付属部品の価格が高い時期に、その付属部品を標準装備化すると、製品の価格を押し上げてしまい、競争価格を維持できない。しかしながら、付属部品の販売価格が充分低下し、さらに製品の販売価格も低下してしまった時期で、両者を一体にした標準装備化された製品を市場に出す。このタイミング次第で、利益が大幅に増減する。標準装備化のタイミングは、経験値によって決定することができる。実際に製品の販売価格と付属部品の販売価格の変化率をこのグラフと比較することによって、現在どの段階にあるかなどがかなり正確に判断できる。
【0043】
図4は予測演算処理結果の出力例説明図で、(a)は製品、(b)は付属部品に関する生産計画を示す説明図である。
図1に示した予測演算手段42は、上記のような標準パタン15を利用して予測演算をする。出力制御手段43は、その予測演算結果を出力する。図4(a)は、製品の生産開始からある付属部品の標準装備までの生産計画例を示すデータである。例えば、図に示すようにある製品が××/××/××日に生産を開始されたとする。ここで、例えば、図2に示すタイミングT1の直前で製品の販売数量と付属部品の販売数量の時間的推移を調べたとする。この傾向が、ちょうど図2に示したタイミングT1の直前と合致すれば、図4(a)に示す結果が出力される。即ち、タイミングT1で標準装備化の準備をし、ユーザに対して仕様変更の告知をし、同時期に標準装備用のラインを整備するという、スケジュールを出力する。生産管理担当者はこれを見て、製品や付属部品の生産計画をたてればよい。こうした準備をして、××/××/××日(D2に相当する日)に標準装備を開始する。
【0044】
これらの生産計画切り替えタイミングを図に示すような形式で出力すれば、生産管理担当者はほぼこの指示にそった生産管理を進めることができる。なお、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求めて標準パタンと比較する場合には、図3(a)を利用するとよい。ユーザへの告知というのは、これまでオプションとして生産されていた付属部品を製品に標準品として組込む、という案内をユーザに示すことである。
【0045】
図4(b)は、ある付属部品の生産計画の出力例である。例えば、図3(a)に示すように、付属部品をある時期生産開始し、タイミングT5で第一次の増産をし、タイミングT6で第二次の増産をしたとする。ここで、予測演算手段42を起動する。その結果、タイミングT8で標準装備化の準備始め、ユーザへの仕様変更の告知をし、標準化ラインの整備をするという、生産計画を出力する。また、タイミングT7で標準装備を行うという計画を出力する。また、図2に示したように、タイミングT2では、D3でその付属部品の標準装備を停止し、その後付属部品の減産を行い、タイミングT4で生産を停止するといった予測結果も出力する。こうした予測は、最新に取得した実績データを利用して、標準パタンと比較することにより行える。期日がくるまで、毎日予測を繰り返してよい。時間が経過すると共に予測精度は高まっていく。こうした出力が図1に示したコンピュータ11のディスプレイに表示されると、生産管理担当者は、この予測に伴なって、ラインの設計や設備計画、あるいは部品調達計画などを確定して実行する。
【0046】
図5は、上記システムによる予測演算処理の動作を示すフローチャートである。
この演算処理は、例えば、一日一回実行される。その結果は、生産管理担当者の業務の重要な資料として利用される。まず、ステップS1において、データ取得手段41は、記憶装置10から製品の販売数量Aを取得する。時間的推移を調べるために、例えば、直近の数週間あるいは過去の全てのデータを取得する。ステップS2で、同様の要領で、付属部品の販売数量Bを取得する。ステップS3において、B/Aの演算処理を実行する。こうして両者の比を求める。この計算も、時間的推移を調べるために十分な期間について行なわれる。さらに、ステップS4で、Aの変化率を計算する。例えば、Aが、直近の数週間でどの程度増加したか、減少したかといった変化率計算をする。
【0047】
ステップS5では、Bの変化率計算を行う。次のステップS6では、B/Aの変化率計算を行う。これだけのデータを取得した上で、予測演算手段42は、記憶装置10から標準パタン15を取得する。この標準パタン15は、図3(a)に示すような販売数量の比の変化である。ステップS8において、標準パタン中で、B/Aの値と、A、Bの変化率、B/Aの変化率がほぼ等しい値を示す部分を検出する。該当する部分がみつかったら、その部分の直後の数週間程度の範囲に、生産体制を切り替えるべき旨のマークがあるかどうかを判断する。ステップS9でマークが見つかれば、ステップS10で、生産体制切り替え計画の編集を行う。その内容は、図4に示したような内容になる。また、ステップS11で、ユーザに対する告知データの編集を行なう。カタログやホームページで、該当する付属部品の標準装備化の予告をする。
【0048】
次のステップS12では、受注済み生産計画を取得する。付属部品がオプションの時期に受注した旧仕様の製品の受注残の分だけ、製品の生産を継続させ在庫を引き当てておく。即ち、ステップS13で、生産を確保する計画を立てて、ぞの出力を編集する。実際には、ステップS10で編集した生産体制切り替え計画のうち、標準装備開始日の調整を行なってその結果を出力に反映させる。以上の結果を、ステップS14において、コンピュータ11のディスプレイに表示出力する。なお、これは、プリンタ13などに印刷出力することもできる。
【0049】
以上のフローチャートの例では、製品の販売数と付属部品の販売数が順調に増加をしたときに、その付属部品を製品に標準装備化する時期を自動的にコンピュータに判断させて、生産体制切り替えタイミングの最適化を図った。さらに、ある付属部品について、他の代替部品の生産が増加した場合に、代替部品の販売数量の増加傾向を取得し、製品の生産計画の見直しを行い、古い付属部品の生産を停止し、新しい付属部品を標準装備化するといった時期の判断も可能になる。
【0050】
これまで、オプションとして販売されていた付属部品が、標準装備化されると、オプションとして製品とは別に販売されるよりも一般に価格が安くなる。しかしながら、その付属部品が多くのユーザにとって無用なものであれば、ユーザは無理に高いものを買わされることになる。もし、その付属部品を標準装備化していない他社製品があれば、そちらを購入するユーザが増え、売り上げ数の減少につながる。一方、その付属部品が相当数のユーザにとって有用なものであれば、ユーザは、標準装備化により、購入後にオプション品を本体に組み込むための作業が不要になる上に、同時に購入した本体と一体にメーカのサポートを受けることができるという効果がある。
【0051】
メーカにとっては、これまでより標準品に装着される付属部品が増えるから、より高価な製品を販売することができて、付加価値が上がる。また、標準品に一体に組み込む方が、オプションとして別々に販売するよりも商品管理が楽で、性能維持や技術的なサポートが容易になる。また、自社のパーソナルコンピュータに他社のDVDを装着されるといったケースもあるから、常に自社の製品に自社のオプションを装着してもらうという顧客確保上の利点もある。故に、過去の実績に基づいて、現在の製品と付属部品の販売傾向から、具体的に何をいつ、どのようにすれば、生産計画の最適化が可能かという情報を、このシステムにより取得することができる。なお、生産の停止時の処理も同様の要領であるから、その説明を省略する。また、パーソナルコンピュータの生産計画を例にとって説明したが、プリンタ、コピー機、その他、付属部品をオプションとして販売する各種の製品についても、同様のことができる。
【0052】
なお、上記の演算処理装置にインストールされたコンピュータプログラムは、それぞれ独立したプログラムモジュールを組み合わせて構成してもよいし、全体を一体化したプログラムにより構成してもよい。コンピュータプログラムにより制御される処理の全部または一部を同等の機能を備えるハードウエアで構成しても構わない。また、上記のコンピュータプログラムは、既存のアプリケーションプログラムに組み込んで使用してもよい。上記のような本発明を実現するためのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、任意の情報処理装置にインストールして利用することができる。また、ネットワークを通じて任意のコンピュータのメモリ中にダウンロードして利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準装備切り替え予測システムの具体例を示すブロック図である。
【図2】製品や付属品の販売数量の時間的変化等を説明するグラフである。
【図3】生産計画切り替えタイミングと製品販売価格等の推移説明図である。
【図4】予測演算処理結果の出力例説明図である。
【図5】システムによる予測演算処理の動作を示すフローチャートである。
1 ネットワーク、 10 記憶装置、 11 コンピュータ、 12 端末装置、 13 プリンタ、 15 標準パタン、 16 記憶装置、 17 他社製品情報、 20 製品管理データベース、 21 製品コード、 22 販売価格、 23 販売数量、 24 生産計画、 30 付属部品管理データベース、 31 部品コード、 32 販売価格、 33 販売数量、 34 組込み製品コード、 35 生産計画、 40 演算処理装置、 41 データ取得手段、 42 予測演算手段、 43 出力制御手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品やその付属部品の生産体制の切り替え計画を支援する、標準装備切り替え予測システムと、標準装備切り替え予測プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、パーソナルコンピュータの製造販売について考える。発売当初は、CD−ROMドライブを標準装備とし、CD−RやDVDドライブをオプションとしていたとする。しかしながら、CD−Rの需要が高まり、非常に多くのユーザがCD−Rのオプションを購入するようになると、CD−Rを標準装備した他社製品にシェアを奪われることがある。そこで、状況を見ながら、CD−Rを標準装備品に切り替えていく。さらに、CD−Rと同じ機能を持つ上に、より高度な機能を持つDVDが出現し、その価格が低下してくると、DVDを標準装備化する検討を始める。従来は、マーケティング情報の収集等により、生産体制の切り替え計画を立てる技術が紹介されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平第9−64510号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
オプションとして販売をしている状態から標準装備品として販売をする状態への生産体制の切り替えには、増産計画と製品の製造ラインの見直し等、各種の作業が伴う。これらの作業手順を誤ると、標準装備化のタイミングが遅れて,他社に製品のシェアを奪われたり、在庫が急増するといった弊害が生じる。
本発明は以上の点に着目してなされたもので、ある製品に対してオプションとして販売されていた付属部品を、その売れ行き等を考慮して標準装備化するようなときに必要な、生産体制の切り替え計画を支援する、標準装備切り替え予測システムと、標準装備切り替え予測プログラムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の構成により上記の課題を解決する。
〈構成1〉
製品の販売数量と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する手段と、上記製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求める手段と、上記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品の増産タイミングと、上記付属部品を上記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する手段と、予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0005】
この発明では、製品の付属部品として製品とは別に販売されている物の、販売量が増えたとき、その付属部品を製品に標準装備として組み込んでしまう場合に、標準装備化のタイミングを予測する。過去の実績等に基づいて作成された標準パタンに当てはめて予測演算をし、その結果を表示するので、生産計画の最適化等に利用できる。付属部品が製品の専用品であれば、付属部品のニーズが高まると、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比の値は1に近づく。もちろん、この付属部品は、製品の専用品でなくても構わない。従って、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比は任意の数値になって構わない。製品の種類は問わない。付属部品の種類も問わない。付属部品は、ソフトウエアでもハードウエアでも構わない。標準パタンは、任意の方法で作成されればよい。一般の商品は、販売量が増加しピークに達してその後、生産停止まで次第に減少するというライフサイクルになる。標準パタンは、このライフサイクルの一部を取りだしたものでもよいし、全体を取りだしたものでもよい。付属部品の増産タイミングとは、需要増大に応えるための生産能力整備のタイミングである。例えば、標準パタン中にそのタイミングをマークしておく。比の時間的推移が、標準パタン中のどの部分に合致するかを判断して、その部分にマークがあれば、「増産」とか「標準装備」という指示をだす。また、「標準装備」を開始する時期とともに、標準装備のための準備開始時期等を表示することが好ましい。これにより、生産計画全体の最適化を図ることができる。予測演算の結果表示出力の方法は任意である。
【0006】
〈構成2〉
製品の販売価格と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する手段と、上記製品の販売価格と付属部品の販売価格の比を求める手段と、上記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品の増産タイミングと、上記付属部品を上記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する手段と、予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0007】
製品の販売価格とは、製品の単価等である。付属部品の販売価格とは、付属部品の単価等である。製品の販売価格が次第に下がってきたときに、製品の販売価格の推移と付属部品の販売価格の推移とを比較する。両者の推移は、生産数量や競争価格によりそれぞれ特徴的なパタンを描く。そのパタンと経験値に基づいて、前記付属部品の増産タイミングと、前記付属部品を前記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する。予測演算の根拠に、他のパラメータを含めても構わない。
【0008】
〈構成3〉
製品の販売数量と、当該製品の、複数の付属部品の販売数量とを取得する手段と、上記製品の販売数量の時間的推移と、上記各付属部品の販売数量の時間的推移とを、予め用意した両者の相関関係を含む標準パタンと比較して、上記付属部品のうちいずれかを上記製品に標準装備するタイミングを予測演算する手段と、予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0009】
複数の付属部品の販売実績を、予測計算に採り入れる。製品の販売数量の時間的推移と、各付属部品の販売数量の時間的推移を、標準パタンと比較する。標準パタンには、製品の販売数量と各付属部品の販売数量の時間的推移の相関関係を含む。例えば、同様の機能を持つ2種の付属部品を全製品の2分の1にそれぞれ標準装備するといったケースの生産タイミング予測をすることもできる。各付属部品の標準装備率は任意に決めて構わない。
【0010】
〈構成4〉
製品の販売価格と、当該製品の、複数の付属部品の販売価格とを取得する手段と、上記製品の販売価格の時間的推移と、上記各付属部品の販売価格の時間的推移とを、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品のうちいずれかを上記製品に標準装備するタイミングを予測演算する手段と、予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0011】
複数の付属部品の販売実績を、予測計算に採り入れる。製品の販売価格の時間的推移と、各付属部品の販売価格の時間的推移を、標準パタンと比較する。
【0012】
〈構成5〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、標準装備化に伴う、生産体制の切り替え計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0013】
予測演算の結果は、例えば、現在の状態は標準パタンのどの位置にあるという内容になる。標準パタンの該当する位置で、過去の実績では増産準備を開始しているという結果がでたときは、例えば、「○○台の増産準備開始」という生産計画を出力する。生産体制の切り替え計画とは、製品や付属部品の増産計画や減産計画等の指示である。この指示を適切なタイミングで出力することで、付属部品の標準装備化処理の最適化ができる。
【0014】
〈構成6〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、標準装備化に伴う、ユーザへの告知計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0015】
標準装備化が開始されるときは、カタログ等にその旨の表示が必要になる。生産体制の切り替えと同時に、ユーザへの告知計画を明確化することで,的確な体制づくりができる。この告知用の文書等は、自動的に生成されて出力されることが好ましい。
【0016】
〈構成7〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、標準装備化された付属部品に対応する、代替え用付属部品の販売数量の時間的推移を取得して、標準装備化後の標準装備廃止タイミングを演算処理する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0017】
代替え品の出現等で、標準装備を止めて他の付属部品に置き換える場合がある。このタイミングを予測するには、代替え用付属部品の販売数量の時間的推移に関するデータを取得する。標準パタンから経験則に基づいて判断するのは、他の例と同様である。
【0018】
〈構成8〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、生産停止計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0019】
増産すべき場合がある一方で、売れ行きが不振な場合には、生産の停止も計画しなければならない。標準装備化される前でも標準装備化された後でも構わない。標準装備を止めたあとでも構わない。これも、標準パタンから経験則に基づいてタイミングを判断できる。そこで、そのタイミングを算出して出力することにした。
【0020】
〈構成9〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、標準装備化前の仕様で受注済みの商品の生産確保計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0021】
標準装備化前の仕様で受注済みのものがあるときに、標準装備化を進めてしまうと、受注時の仕様と異なる仕様で出荷をすることになるおそれがある。そこで標準装備計画と受注済みの商品の生産確保計画を合わせて生成して出力するようにした。
【0022】
〈構成10〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、他社製品の各付属部品の標準装備化時期データを合わせて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0023】
他社製品の各付属部品の標準装備化時期を示すデータは、他社との競合品の生産計画に重要な影響を及ぼす。標準装備化に伴う、生産体制の切り替え計画を、自社の経験値から得た基本パタンに基づいて決定するだけでなく、他社の動向を示す情報を合わせて出力することで、より現実的な対応が可能になる。他社製品の各付属部品の標準装備化時期データは、結果でもよいし、予測でもよい。参考情報として合わせて表示するだけでもよいし、予測演算の結果得られる標準装備時期を、所定期間、早めたり遅らせたりするようにしても構わない。
【0024】
〈構成11〉
構成1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、予測演算の結果に、各付属部品の標準装備化優先度データを合わせて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。
【0025】
標準装備化優先度データとは、複数の付属部品について標準装備化を検討する場合に、いずれを優先するかを相対的に比較できるような数値データ等である。優先度は例えば政策的に決めて構わない。優先度の高い付属部品があれば、標準パタンで判定した結果よりも早いタイミングで標準装備化をすすめてよい。標準装備化優先度データの出力方法は任意である。付属部品名を優先順位に合わせて並べて表示するようにしても構わない。
【0026】
〈構成12〉
製品の販売数量と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する処理と、上記製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求める処理と、上記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品の増産タイミングと、上記付属部品を上記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する処理と、予測演算の結果を表示出力する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする標準装備切り替え予測プログラム。
【0027】
構成1のシステムを実現するコンピュータプログラムの発明である。
【0028】
〈構成13〉
製品の販売価格と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する処理と、上記製品の販売価格と付属部品の販売価格の比を求める処理と、上記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、上記付属部品の増産タイミングと、上記付属部品を上記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する処理と、予測演算の結果を表示出力する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする標準装備切り替え予測プログラム。
【0029】
構成2のシステムを実現するコンピュータプログラムの発明である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
図1は、標準装備切り替え予測システムの具体例を示すブロック図である。
図に示すコンピュータ11は、標準装備切り替えタイミング等の予測演算を行うための演算処理機能を持つ。コンピュータ11には、記憶装置10と演算処理装置40とが設けられている。コンピュータ11は、パーソナルコンピュータあるいはワークステーション等から成る。記憶装置10はや演算処理装置40は、コンピュータ11に内蔵されていても外付けされていても構わない。
【0031】
記憶装置10には、製品管理データベース20と付属部品管理データベース30と標準パタン15とが記憶されている。製品管理データベース20は、生産管理の対象になる製品の製品コード21と、その販売価格22と販売数量23とを、機種ごとに例えば毎日記録したデータベースである。この記録により、任意の期間での製品の販売数量の時間的推移を確認できる。生産計画24は、例えば、その製品の向こう1月間の毎日の生産予定数を記録したデータである。この生産計画24のデータに従って、各製品が生産される。
【0032】
付属部品管理データベース30は、生産管理の対象になる製品の付属部品、例えば、製品がパーソナルコンピュータとすれば、CD−Rや電子カメラといった付属部品の、製品コード31と販売価格32と販売数量33と組込み製品コード34と生産計画35などを、機種ごとに例えば毎日記録したデータベースである。この記録により、任意の期間での付属部品の販売数量の時間的推移を確認できる。生産計画35は、例えば、その付属部品の向こう1月間の毎日の生産予定数を記録したデータである。組込み製品コード34というのは、各付属部品を組込む製品の製品コードである。組込み製品コード34に例えば、「op」という記号が付加されている場合には、この付属部品はオプションとして販売されている。
【0033】
標準パタン15は、過去の実績に基づいて、例えば、製品の販売価格の時間的推移、製品の販売数量の時間的推移、付属部品の販売価格の時間的推移、付属部品の販売数量の時間的推移、製品の販売数量と付属品の販売数量の比の時間的推移、製品の販売価格と付属部品の販売価格の比の時間的推移、といった様々なデータを取得して、標準化をしたものである。なお、この中には、過去の実績から最適と判断される、生産体制の切り替えタイミング等がマークされているものとする。この標準パタン15を用いて、各製品や付属部品の、将来の販売計画の予測演算処理がされる。
【0034】
演算処理装置40には、データ取得手段41と予測演算手段42と出力制御手段43とが設けられている。データ取得手段41は、記憶装置10から、生産管理の対象となる製品や付属部品の販売実績データを取得し、予測演算手段42に渡す機能を持つ。予測演算手段42は、データ取得手段41から渡されたデータと標準パタン15を利用して、例えば、ある付属部品の販売価格の時間的推移に基づいて、その付属部品に関する生産体制の切り替えタイミング等などを予測演算する機能を持つ。出力制御手段43は、予測演算手段42の演算処理結果をコンピュータ11のディスプレイなどに表示する機能を持つ。
【0035】
また、コンピュータ11は、ネットワーク1に接続されている。ネットワーク1は、インターネットやイントラネット(LAN、WAN)、などの各種の任意の情報通信用ネットワークである。有線ネットワークでも無線ネットワークでも構わない。このネットワーク1には、ネットワークプリンタ13が接続されている。出力制御手段43は、要求に従って、ネットワークプリンタ13に対し、予測演算処理結果を出力する機能を持つ。また、ネットワーク1には、営業部門等の端末装置12が接続されている。この端末装置12は、記憶装置16に、他社製品情報17を記憶している。他社製品情報17は、例えば、他社の製品に標準装備された付属部品のリストを含み、常に最新の情報により書き換えられているものとする。製品や付属部品に関する生産体制の切り替えタイミング等は、過去の自社の実績に基づいて予測演算される。しかしながら、この情報により、他社の動向もあわせて判断の参考にする。
【0036】
図2は、製品の販売数量や付属品の販売数量の時間的変化とその傾向を説明するグラフである。
図のグラフの縦軸は販売数量、横軸は経過時間を表す。また、曲線Aは製品の販売数量の時間的推移を示す。曲線Bは付属部品Xの販売数量の時間的推移を示す。曲線Cは、付属部品Yの販売数量の時間的推移を示す。いずれも、過去の実績の例である。例えばここでは、精査管理の対象となる製品をパーソナルコンピュータとし、付属部品XはCD−R、付属部品YはDVDとする。
【0037】
図のグラフにおいて、D1〜D4は、生産計画の切り替えタイミング時期を示す。D1は、付属部品Xの販売開始時期である。D2は、付属部品Xの製品への標準装備化時期である。D3は、付属部品Yの販売開始時期である。D4は、付属部品Yの標準装備化時期である。曲線Aに示すように、製品は、販売開始から次第に生産数が増加し、販売数量が増加していく。一方、付属部品Xは、曲線Bのように、当初オプションとしてごく少数生産されていたが、次第に販売数が増え、D2に近づにつれて、多くのユーザがこの付属部品Xを装備することを望んでいることがわかる。
【0038】
そこで、タイミングT1で標準装備化用ラインの整備を開始し、D2の部分で標準装備化した製品の生産を開始する。その後は、製品に付属部品Xが組込まれた状態で製品の販売数量が増加していく。D3の部分で、付属部品Xと同じか、あるいは、より高い機能の代替部品である付属部品Yが登場する。D3の後、次第に付属部品Xの代わりに付属部品Yを装着して製品を購入するユーザが増加していく。そこで、タイミングT2の部分で、付属部品Xを標準装備化した状態からオプションの状態に戻す処理が実行される。付属部品Yの販売数が増加し、付属部品Xがこれと反対に販売数量を減少させていくと、タイミングT3で付属部品Xの販売停止を検討する。そして、例えば、ユーザ告知等の一定の準備を終えた後、タイミングT4で付属部品Xの販売を停止する。もちろん、その後、保守交換用などに必要な数量だけ生産をするようにしてもよい。一方、付属部品Yについては、その後順調に売上が伸び、D4のタイミングで製品に標準装備化される。
【0039】
このグラフは、製品と、そのオプションである2種の付属部品の販売数量の時間的な変化の例で、コピー機やプリンタといった、よく似た性格の製品の場合には、販売数量変化のパタンが類似する。即ち、生産開始や増産の開始、あるいは標準装備化などの時期的なタイミングが、直前の製品や付属部品の販売数量等の時間的な推移から推測できる。従って、この図に示すような傾向パタンをそのまま標準パタンとして図1に示した記憶装置10に記憶させておく。そして、製品や付属部品の生産や販売が開始されると、その販売数量の増加率や減少率を算出して、現状はパタン上のどの位置にあるかを数値比較によりチェックする。そして、例えば、これから何日後に標準装備化を検討しなければいけないか、何日後に増産を開始しなければいけないかといった判断を行う。
【0040】
図3(a)は、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比と、生産計画の切り替えタイミングの関係を示した説明図である。
図の縦軸は、付属部品の販売数量Bと製品の販売数量Aの比を示す。横軸は時間の経過を示す。図の(a)のグラフを見てわかるように、B/Aは1以下の値になっている。B/A=1のときは、製品に付属部品が標準装備として組み込まれた時である。生産計画上、常に、付属部品の販売数量を、製品の販売数量に対して、一定の割合に設定している。付属部品の売れ行きを見て、この割合を増やしていく。付属部品の生産量は、図のタイミングT5と、次のタイミングT6と、タイミングT7で、増産している。また、タイミングT7では、増産をすると同時に標準装備化をしている。タイミングT7で標準装備化ラインをスタートさせるには、タイミングT8でその準備作業を開始しなければならない。予測演算処理では、このタイミングT7とタイミングT8の時期をできるだけ早期に予測する。
【0041】
図3(b)は、製品の販売価格と付属部品の販売価格との時間的推移を示すグラフである。縦軸は販売価格、横軸は時間を示す。図のEは、製品の販売価格を示し、Fは付属部品の販売価格を示す。図のように、製品の販売価格Eは、製品の生産数が増大しあるいは競合製品が増えるにつれて次第に低下していく。ところが、オプション用の付属部品の販売価格は、当初は比較的高く設定されていて、需要がある程度増大するまで、ぞの状態を保持する。しかしながら、生産数が急増すると、タイミングT8付近で急激に販売価格が低下する。タイミングT9では、付属部品の販売競争が激化してきている。一方、タイミングT9では、製品の販売競争の激化に伴ない製品の販売価格が急激に下がろうとしている。タイミングT10では、製品の販売価格が大幅に低下した。このような段階で、付属部品を製品に組み込んで標準装備化してしまうことによって、製品の機能を向上させ、製品の価格下落を抑えることができる。
【0042】
付属部品の価格が高い時期に、その付属部品を標準装備化すると、製品の価格を押し上げてしまい、競争価格を維持できない。しかしながら、付属部品の販売価格が充分低下し、さらに製品の販売価格も低下してしまった時期で、両者を一体にした標準装備化された製品を市場に出す。このタイミング次第で、利益が大幅に増減する。標準装備化のタイミングは、経験値によって決定することができる。実際に製品の販売価格と付属部品の販売価格の変化率をこのグラフと比較することによって、現在どの段階にあるかなどがかなり正確に判断できる。
【0043】
図4は予測演算処理結果の出力例説明図で、(a)は製品、(b)は付属部品に関する生産計画を示す説明図である。
図1に示した予測演算手段42は、上記のような標準パタン15を利用して予測演算をする。出力制御手段43は、その予測演算結果を出力する。図4(a)は、製品の生産開始からある付属部品の標準装備までの生産計画例を示すデータである。例えば、図に示すようにある製品が××/××/××日に生産を開始されたとする。ここで、例えば、図2に示すタイミングT1の直前で製品の販売数量と付属部品の販売数量の時間的推移を調べたとする。この傾向が、ちょうど図2に示したタイミングT1の直前と合致すれば、図4(a)に示す結果が出力される。即ち、タイミングT1で標準装備化の準備をし、ユーザに対して仕様変更の告知をし、同時期に標準装備用のラインを整備するという、スケジュールを出力する。生産管理担当者はこれを見て、製品や付属部品の生産計画をたてればよい。こうした準備をして、××/××/××日(D2に相当する日)に標準装備を開始する。
【0044】
これらの生産計画切り替えタイミングを図に示すような形式で出力すれば、生産管理担当者はほぼこの指示にそった生産管理を進めることができる。なお、製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求めて標準パタンと比較する場合には、図3(a)を利用するとよい。ユーザへの告知というのは、これまでオプションとして生産されていた付属部品を製品に標準品として組込む、という案内をユーザに示すことである。
【0045】
図4(b)は、ある付属部品の生産計画の出力例である。例えば、図3(a)に示すように、付属部品をある時期生産開始し、タイミングT5で第一次の増産をし、タイミングT6で第二次の増産をしたとする。ここで、予測演算手段42を起動する。その結果、タイミングT8で標準装備化の準備始め、ユーザへの仕様変更の告知をし、標準化ラインの整備をするという、生産計画を出力する。また、タイミングT7で標準装備を行うという計画を出力する。また、図2に示したように、タイミングT2では、D3でその付属部品の標準装備を停止し、その後付属部品の減産を行い、タイミングT4で生産を停止するといった予測結果も出力する。こうした予測は、最新に取得した実績データを利用して、標準パタンと比較することにより行える。期日がくるまで、毎日予測を繰り返してよい。時間が経過すると共に予測精度は高まっていく。こうした出力が図1に示したコンピュータ11のディスプレイに表示されると、生産管理担当者は、この予測に伴なって、ラインの設計や設備計画、あるいは部品調達計画などを確定して実行する。
【0046】
図5は、上記システムによる予測演算処理の動作を示すフローチャートである。
この演算処理は、例えば、一日一回実行される。その結果は、生産管理担当者の業務の重要な資料として利用される。まず、ステップS1において、データ取得手段41は、記憶装置10から製品の販売数量Aを取得する。時間的推移を調べるために、例えば、直近の数週間あるいは過去の全てのデータを取得する。ステップS2で、同様の要領で、付属部品の販売数量Bを取得する。ステップS3において、B/Aの演算処理を実行する。こうして両者の比を求める。この計算も、時間的推移を調べるために十分な期間について行なわれる。さらに、ステップS4で、Aの変化率を計算する。例えば、Aが、直近の数週間でどの程度増加したか、減少したかといった変化率計算をする。
【0047】
ステップS5では、Bの変化率計算を行う。次のステップS6では、B/Aの変化率計算を行う。これだけのデータを取得した上で、予測演算手段42は、記憶装置10から標準パタン15を取得する。この標準パタン15は、図3(a)に示すような販売数量の比の変化である。ステップS8において、標準パタン中で、B/Aの値と、A、Bの変化率、B/Aの変化率がほぼ等しい値を示す部分を検出する。該当する部分がみつかったら、その部分の直後の数週間程度の範囲に、生産体制を切り替えるべき旨のマークがあるかどうかを判断する。ステップS9でマークが見つかれば、ステップS10で、生産体制切り替え計画の編集を行う。その内容は、図4に示したような内容になる。また、ステップS11で、ユーザに対する告知データの編集を行なう。カタログやホームページで、該当する付属部品の標準装備化の予告をする。
【0048】
次のステップS12では、受注済み生産計画を取得する。付属部品がオプションの時期に受注した旧仕様の製品の受注残の分だけ、製品の生産を継続させ在庫を引き当てておく。即ち、ステップS13で、生産を確保する計画を立てて、ぞの出力を編集する。実際には、ステップS10で編集した生産体制切り替え計画のうち、標準装備開始日の調整を行なってその結果を出力に反映させる。以上の結果を、ステップS14において、コンピュータ11のディスプレイに表示出力する。なお、これは、プリンタ13などに印刷出力することもできる。
【0049】
以上のフローチャートの例では、製品の販売数と付属部品の販売数が順調に増加をしたときに、その付属部品を製品に標準装備化する時期を自動的にコンピュータに判断させて、生産体制切り替えタイミングの最適化を図った。さらに、ある付属部品について、他の代替部品の生産が増加した場合に、代替部品の販売数量の増加傾向を取得し、製品の生産計画の見直しを行い、古い付属部品の生産を停止し、新しい付属部品を標準装備化するといった時期の判断も可能になる。
【0050】
これまで、オプションとして販売されていた付属部品が、標準装備化されると、オプションとして製品とは別に販売されるよりも一般に価格が安くなる。しかしながら、その付属部品が多くのユーザにとって無用なものであれば、ユーザは無理に高いものを買わされることになる。もし、その付属部品を標準装備化していない他社製品があれば、そちらを購入するユーザが増え、売り上げ数の減少につながる。一方、その付属部品が相当数のユーザにとって有用なものであれば、ユーザは、標準装備化により、購入後にオプション品を本体に組み込むための作業が不要になる上に、同時に購入した本体と一体にメーカのサポートを受けることができるという効果がある。
【0051】
メーカにとっては、これまでより標準品に装着される付属部品が増えるから、より高価な製品を販売することができて、付加価値が上がる。また、標準品に一体に組み込む方が、オプションとして別々に販売するよりも商品管理が楽で、性能維持や技術的なサポートが容易になる。また、自社のパーソナルコンピュータに他社のDVDを装着されるといったケースもあるから、常に自社の製品に自社のオプションを装着してもらうという顧客確保上の利点もある。故に、過去の実績に基づいて、現在の製品と付属部品の販売傾向から、具体的に何をいつ、どのようにすれば、生産計画の最適化が可能かという情報を、このシステムにより取得することができる。なお、生産の停止時の処理も同様の要領であるから、その説明を省略する。また、パーソナルコンピュータの生産計画を例にとって説明したが、プリンタ、コピー機、その他、付属部品をオプションとして販売する各種の製品についても、同様のことができる。
【0052】
なお、上記の演算処理装置にインストールされたコンピュータプログラムは、それぞれ独立したプログラムモジュールを組み合わせて構成してもよいし、全体を一体化したプログラムにより構成してもよい。コンピュータプログラムにより制御される処理の全部または一部を同等の機能を備えるハードウエアで構成しても構わない。また、上記のコンピュータプログラムは、既存のアプリケーションプログラムに組み込んで使用してもよい。上記のような本発明を実現するためのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、任意の情報処理装置にインストールして利用することができる。また、ネットワークを通じて任意のコンピュータのメモリ中にダウンロードして利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準装備切り替え予測システムの具体例を示すブロック図である。
【図2】製品や付属品の販売数量の時間的変化等を説明するグラフである。
【図3】生産計画切り替えタイミングと製品販売価格等の推移説明図である。
【図4】予測演算処理結果の出力例説明図である。
【図5】システムによる予測演算処理の動作を示すフローチャートである。
1 ネットワーク、 10 記憶装置、 11 コンピュータ、 12 端末装置、 13 プリンタ、 15 標準パタン、 16 記憶装置、 17 他社製品情報、 20 製品管理データベース、 21 製品コード、 22 販売価格、 23 販売数量、 24 生産計画、 30 付属部品管理データベース、 31 部品コード、 32 販売価格、 33 販売数量、 34 組込み製品コード、 35 生産計画、 40 演算処理装置、 41 データ取得手段、 42 予測演算手段、 43 出力制御手段
Claims (13)
- 製品の販売数量と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する手段と、
前記製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求める手段と、
前記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、前記付属部品の増産タイミングと、前記付属部品を前記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する手段と、
予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 製品の販売価格と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する手段と、
前記製品の販売価格と付属部品の販売価格の比を求める手段と、
前記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、前記付属部品の増産タイミングと、前記付属部品を前記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する手段と、
予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 製品の販売数量と、当該製品の、複数の付属部品の販売数量とを取得する手段と、
前記製品の販売数量の時間的推移と、前記各付属部品の販売数量の時間的推移とを、予め用意した両者の相関関係を含む標準パタンと比較して、前記付属部品のうちいずれかを前記製品に標準装備するタイミングを予測演算する手段と、
予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 製品の販売価格と、当該製品の、複数の付属部品の販売価格とを取得する手段と、
前記製品の販売価格の時間的推移と、前記各付属部品の販売価格の時間的推移とを、予め用意した標準パタンと比較して、前記付属部品のうちいずれかを前記製品に標準装備するタイミングを予測演算する手段と、
予測演算の結果を表示出力する手段とを備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、
予測演算の結果に、標準装備化に伴う、生産体制の切り替え計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、
予測演算の結果に、標準装備化に伴う、ユーザへの告知計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、
標準装備化された付属部品に対応する、代替え用付属部品の販売数量の時間的推移を取得して、標準装備化後の標準装備廃止タイミングを演算処理する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、
予測演算の結果に、生産停止計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、
予測演算の結果に、標準装備化前の仕様で受注済みの商品の生産確保計画を含めて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、
予測演算の結果に、他社製品の各付属部品の標準装備化時期データを合わせて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の標準装備切り替え予測システムにおいて、
予測演算の結果に、各付属部品の標準装備化優先度データを合わせて出力する手段を備えたことを特徴とする標準装備切り替え予測システム。 - 製品の販売数量と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する処理と、
前記製品の販売数量と付属部品の販売数量の比を求める処理と、
前記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、前記付属部品の増産タイミングと、前記付属部品を前記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する処理と、
予測演算の結果を表示出力する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする標準装備切り替え予測プログラム。 - 製品の販売価格と、当該製品の、所定の付属部品の販売数量を取得する処理と、
前記製品の販売価格と付属部品の販売価格の比を求める処理と、
前記比の時間的推移を、予め用意した標準パタンと比較して、前記付属部品の増産タイミングと、前記付属部品を前記製品に標準装備するタイミングとを予測演算する処理と、
予測演算の結果を表示出力する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする標準装備切り替え予測プログラム。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013504818A (ja) * | 2009-09-11 | 2013-02-07 | アリババ グループ ホールディング リミテッド | Eコマースにおける製品の発売および撤去のための最適時間のシステムおよび方法 |
JP6245588B1 (ja) * | 2016-11-17 | 2017-12-13 | 株式会社セブンティーン | 営業支援システム |
JP6288747B1 (ja) * | 2017-10-16 | 2018-03-07 | 株式会社セブンティーン | 営業支援システム |
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2002
- 2002-10-31 JP JP2002318640A patent/JP2004152153A/ja not_active Withdrawn
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