JP2004151658A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】映像の投射表示に必要とされる各種の設定操作を暗闇の中でも容易に行い得るプロジェクタを提供する。
【解決手段】複数の操作ボタンが配列された操作部15と、操作ボタンの操作に応じてプロジェクタ1の動作を制御する主制御部17とを備え、操作部15は、その操作ボタンの近傍または操作ボタン内に各操作ボタンに対応して配設されて主制御部17の制御に従って点灯する操作ボタン案内用点灯手段を備え、主制御部17は、プロジェクタ1の動作状態に応じて、各操作ボタンのうちから所定の条件を満たす操作ボタンを特定して、特定した操作ボタンに対応して配設された操作ボタン案内用点灯手段を点灯させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の操作ボタンが配列された操作部と、操作ボタンの操作に応じてプロジェクタの動作を制御する制御部とを備えたプロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のプロジェクタとして、特開平11−109214号公報に開示されている液晶プロジェクタが従来から知られている。この液晶プロジェクタは、高輝度光源(1)から光を射出して集光レンズ部(2)によって平行光線に変換した後に、LCD(3)で光変調して投射レンズ(4)から射出することによってスクリーン(S)に各種映像を投射表示する。この液晶プロジェクタの使用に際しては、まず、操作部(9)のソフト電源スイッチ(9a)を操作することにより、液晶プロジェクタを起動させる。この際に、一般的なプロジェクタでは、高輝度光源に対する通電が開始され、その後にプレヒートが完了した時点で高輝度光源が点灯させられる。次に、操作部の設定入力部(9b)を操作してスクリーンにメニュー画面を投射表示させる。次いで、設定入力部の各操作ボタンを操作することにより、フォーカス位置やズームレンズ焦点などを設定する。この後、信号入力部に接続された外部装置によって映像信号が出力されることにより、その映像信号に対応する映像がスクリーンに投射表示される。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−109214号公報(第2−3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の液晶プロジェクタには、以下の問題点がある。すなわち、従来のプロジェクタでは、ソフト電源スイッチを操作して起動させた後に、設定入力部の各操作ボタンを操作してスクリーンにメニュー画面を投射表示させ、そのメニュー画面を参照しつつ各種の設定操作を行う必要がある。この場合、今日のプロジェクタは、複数の映像信号入力チャネルを備えているため、投射表示させる映像についての映像信号が入力されている映像信号入力チャネル(入力ソース)を選択操作する必要がある。また、今日のプロジェクタは、プロジェクタとスクリーンとの位置関係に起因してスクリーンに投射表示されている表示画面が台形状に歪んでいるときに、この表示画面を矩形状に補正する台形歪み補正機能を備えている。したがって、この種のプロジェクタには、前述したフォーカス位置やズームレンズ焦点などの設定操作を行うための操作ボタンに加えて、入力ソースの切り替えの操作や、台形歪み補正処理の設定に関する操作などの各種の設定操作を行うための多数の操作ボタンが配設されている。このため、従来のプロジェクタには、操作に不慣れな者にとっては、これらの多数の操作ボタンのうちから操作すべき操作ボタンを特定するのが極めて困難であるという問題点が存在する。
【0005】
また、この種のプロジェクタによってスクリーンにメニュー画面を投射表示させるには、周囲をある程度暗くする必要がある。このため、従来のプロジェクタには、操作方法に精通している者であったとしても、操作すべき操作ボタンの位置を暗闇の中で特定するのが困難であるという問題点も存在する。さらに、従来のプロジェクタでは、電源投入時点から映像投射表示の開始までの間に上記の各種設定操作(初期設定操作)を予め決められた順序に従って行う必要がある。したがって、操作に不慣れな者は、例えば操作マニュアル等を参照しつつ設定操作を行う必要があり、暗闇の中でこの作業を行うのが極めて困難であるという問題点が存在する。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、各種映像の投射表示に必要とされる各種の設定操作を暗闇の中でも容易に行い得るプロジェクタを提供することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るプロジェクタは、複数の操作ボタンが配列された第1の操作部と、前記操作ボタンの操作に応じて当該プロジェクタの動作を制御する制御部とを備えたプロジェクタであって、前記第1の操作部は、その操作ボタンの近傍または当該操作ボタン内に当該各操作ボタンに対応して配設されて前記制御部の制御に従って点灯する操作ボタン案内用点灯手段を備え、前記制御部は、当該プロジェクタの動作状態に応じて、前記各操作ボタンのうちから所定の条件を満たす前記操作ボタンを特定して、当該特定した操作ボタンに対応して配設された前記操作ボタン案内用点灯手段を点灯させる。なお、本発明における「点灯」とは、所定時間の連続点灯だけでなく、所定時間間隔で点灯および消灯を繰り返す点滅も含む概念である。
【0008】
また、本発明に係るプロジェクタは、上記のプロジェクタにおいて、前記制御部は、予め決められた操作手順情報に従い、電源投入時点から映像投射表示の開始までの間において次に操作されるべき前記操作ボタンを前記所定の条件を満たす操作ボタンとして順に特定して当該各操作ボタンに対応して配設された前記操作ボタン案内用点灯手段をその操作されるべき順序に従って点灯させる。
【0009】
さらに、本発明に係るプロジェクタは、上記のプロジェクタにおいて、当該プロジェクタの本体部とは別体に構成されて前記第1の操作部における前記各操作ボタンと同等の機能をそれぞれ割り当てた複数の操作ボタンが配列された第2の操作部を備え、当該第2の操作部は、その操作ボタンの近傍または当該操作ボタン内に当該各操作ボタンに対応して配設されて前記制御部の制御に従って点灯する操作ボタン案内用点灯手段を備え、前記制御部は、前記所定の条件を満たす操作ボタンを特定した際に、前記第1および第2の操作部における当該特定した各操作ボタンに対応して配設された前記各操作ボタン案内用点灯手段を点灯させる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るプロジェクタの好適な発明の実施の形態について説明する。
【0011】
最初に、プロジェクタ1の構成について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すプロジェクタ1は、ビデオテープデッキおよびDVDプレーヤ等の各種映像機器やパーソナルコンピュータなどの外部装置(以下、「入力ソース」ともいう)によって出力される映像信号に基づく各種映像を投射表示可能に構成された装置であって、プロジェクタ本体2およびリモートコントローラ3を備えている。プロジェクタ本体2は、映像信号入力部11、投射機構12、フォーカス状態検出部13、傾き検出部14、操作部15、通信部16、主制御部17および記憶部18を備えている。映像信号入力部11は、一例として、複数のアナログ映像信号入力チャネルと、複数のディジタル映像信号入力チャネルとを備え(以下、「入力チャネル」ともいう)、各入力チャネル毎に信号ケーブル等を介して入力ソースをそれぞれ接続可能に構成されている。また、映像信号入力部11は、信号ケーブル等を介して入力された映像信号S1を投射機構12に出力すると共に、映像信号S1が入力されている入力チャネルを特定可能な情報を主制御部17に出力する。
【0013】
投射機構12は、画像表示光学部21、駆動機構22、表示制御部23を備えている。画像表示光学部21は、光源ランプ24と、光源ランプ24によって射出された白色光を陰影や着色が施された投射光Lに変調する変調手段25(一例として、液晶パネル、入射側偏光板および射出側偏光板を備えた液晶ライトバルブ)と、投射光Lを拡大して投射する投射レンズ26とを備えている。この場合、図2に示すように、投射レンズ26は、フォーカスレンズ26aおよびズームレンズ26bなどの複数のレンズを備えている。駆動機構22は、表示制御部23の制御下でフォーカスレンズ26aおよびズームレンズ26bを移動させることにより、スクリーンに投射表示される映像のフォーカシングおよびズーミングを実行する。表示制御部23は、光源ランプ24の点灯および消灯についての制御、変調手段25による光変調についての制御、および駆動機構22によるフォーカシングおよびズーミングについての制御を実行する。また、表示制御部23は、光源ランプ24を点灯させた際に、主制御部17に点灯完了信号S2を出力する。さらに、表示制御部23は、主制御部17の制御下で変調手段25による光変調をプロジェクタ本体2の傾き度合いに応じて補正することにより、スクリーンに投射表示される映像を矩形状に補正する既知の台形歪み補正処理を実行する。
【0014】
フォーカス状態検出部13は、スクリーンに投射表示された映像のフォーカスが合っているか否かを検出して、フォーカスが合っているときに合焦信号S3を出力する。傾き検出部14は、プロジェクタ本体2の傾きを検出して傾き検出信号S4を出力する。操作部15は、本発明における第1の操作部に相当し、図3に示すように、ランプONボタン31、ソース切替ボタン32、フォーカスボタン33、キーストーンボタン34、メニューボタン35、カーソル移動ボタン36a〜36d、OKボタン37およびキャンセルボタン38などの複数の操作ボタンを備えている。この場合、操作部15の各操作ボタンには、本発明における操作ボタン案内用点灯手段に相当する発光素子(図示せず)が内蔵されている。この場合、各発光素子は、暗闇の中であっても操作ボタンの位置をオペレータに対して認識可能とするものであって、その点灯および消灯が主制御部17によって制御される。また、操作部15は、各操作ボタンが操作されたときに、いずれの操作ボタンが操作されたかを特定する操作信号S5aを主制御部17に出力する。通信部16は、リモートコントローラ3との間で一例として赤外線通信等によって操作信号S5bおよび点灯制御信号S6bを送受信可能に構成されている。
【0015】
主制御部17は、本発明における制御部に相当し、プロジェクタ本体2およびリモートコントローラ3を統括的に制御する。具体的には、主制御部17は、ランプONボタン31が操作された際に表示制御部23に対して光源ランプ24を点灯させる制御、フォーカス状態検出部13によって出力された合焦信号S3に基づいて表示制御部23に対して駆動機構22を駆動させる制御、傾き検出部14によって出力された傾き検出信号S4に基づいて表示制御部23に対して台形歪み補正処理を実行させる制御などの各種の制御を実行する。また、主制御部17は、プロジェクタ1の動作状態(一例として、電源投入直後で初期設定を要する状態や、投射機構12によって映像を投射表示している状態などの各動作状態)に応じて、操作部15に対して点灯制御信号S6aを出力することによって各操作ボタンに内蔵されている発光素子を点灯させる制御を実行する。さらに主制御部17は、通信部16によるリモートコントローラ3との間の通信の制御を実行する。記憶部18は、主制御部17の動作プログラムや、プロジェクタ1の操作手順に関する操作手順データD(本発明における操作手順情報)を記憶する。この場合、操作手順データDには、プロジェクタ本体2の電源投入時からスクリーンに対する映像の投射表示の開始までの間に必要な各種の設定操作の手順を特定可能なデータが含まれている。
【0016】
リモートコントローラ3は、本発明における第2の操作部に相当し、図4に示すように、操作部45、通信部46および制御部47を備えている。操作部45は、図5に示すように、ランプONボタン51、ソース切替ボタン52、フォーカスボタン53、キーストーンボタン54、メニューボタン55、カーソル移動ボタン56a〜56d、OKボタン57およびキャンセルボタン58などの複数の操作ボタンを備えている。この場合、操作部45の各操作ボタンには、プロジェクタ本体2における操作部15の各操作ボタンと同等の機能がそれぞれ割り当てられている。また、操作部45の各操作ボタンには、操作部15における各操作ボタンと同様にして、本発明における操作ボタン案内用点灯手段に相当する発光素子(図示せず)が内蔵されている。この場合、各発光素子は、その点灯および消灯が主制御部17の制御下で制御部47によって実行される。通信部46は、プロジェクタ本体2における通信部16との間で赤外線通信等によって操作信号S5bおよび点灯制御信号S6bを送受信可能に構成されている。制御部47は、操作部45の操作ボタンが操作されたときに、通信部46に対していずれの操作ボタンが操作されたかを特定可能な操作信号S5bをプロジェクタ本体2に向けて送信させると共に、プロジェクタ本体2によって送信された点灯制御信号S6bが通信部46によって受信されたときに、その点灯制御信号S6bに従って操作部45の各操作ボタン内の発光素子を点灯または消灯させる。
【0017】
次に、プロジェクタ1の使用方法について、図面を参照して説明する。
【0018】
前述したように、このプロジェクタ1を含む一般的なプロジェクタでは、スクリーンに各種の映像を投射表示するために、電源の投入後に各種の設定操作(初期設定操作)を所定の順序で実行する必要がある。具体的には、例えばこのプロジェクタ1では、プロジェクタ本体2を設置して電源を投入した後に、光源ランプ24を点灯させ、入力ソース(投射表示する映像信号S1を出力している外部装置が接続された入力チャネル)を選択し、スクリーンに投射表示される映像のフォーカスを合わせ、必要に応じて台形歪みを補正するという一連の設定操作を行うことによって映像の投射表示についての準備が整う。この場合、プロジェクタ1の操作に不慣れな者にとっては、この一連の設定操作がやや困難のため、このプロジェクタ1では、主制御部17が、記憶部18に記憶されている操作手順データDに基づいて、設定操作を行うための操作ボタンを順に特定して、その操作ボタン内の発光素子を点灯させることによって操作手順を案内する。
【0019】
具体的には、まず、図示しない電源スイッチを操作することによってプロジェクタ1を起動させる。この際に、起動直後のプロジェクタ1では、操作部15の各操作ボタン内の発光素子、およびリモートコントローラ3における操作部45の各操作ボタン内の発光素子が消灯している。また、電源の投入に伴い、主制御部17が投射機構12に対して初期画面(図示せず)をスクリーンに投射表示させる。次に、主制御部17は、図6に示す初期設定時ボタン操作案内処理60を開始する。この初期設定時ボタン操作案内処理60では、主制御部17は、まず、表示制御部23によって点灯完了信号S2が出力されているか否かに基づき、光源ランプ24の点灯が完了しているか否かを判別する(ステップ61)。この際に、プロジェクタ1が起動直後で光源ランプ24が点灯させられていないため、主制御部17は、光源ランプ24の点灯が完了していないと判別して、次に操作すべき操作ボタン(本発明における「所定の条件を満たす操作ボタン」)として操作部15,45のランプONボタン31,51を特定し、両ボタン31,51内の発光素子をそれぞれ点灯させる(ステップ62)。なお、以下の説明では、主制御部17によって各操作ボタン内の発光素子が点灯または消灯させられることを操作ボタンの点灯または消灯ともいう。
【0020】
より具体的には、主制御部17は、ランプONボタン31を点灯させる旨を指示する点灯制御信号S6aを操作部15に出力する。同時に、主制御部17は、通信部16に対して、ランプONボタン51を点灯させる旨を指示する点灯制御信号S6bをリモートコントローラ3に向けて送信させる。これに応じて、リモートコントローラ3では、制御部47が通信部46を介して受信した点灯制御信号S6bに基づき、操作部45のランプONボタン51を点灯させる。これにより、ランプONボタン31,51が暗闇の中で点灯させられる。この際に、オペレータは、ランプONボタン31,51の点灯によって操作を促されている操作ボタンの位置を暗闇の中であっても正確かつ容易に特定できるため、ランプONボタン31,51のいずれかを操作する。この際に、例えばランプONボタン31が操作されたときには、操作部15によって所定の操作信号S5aが出力され、これに応じて、主制御部17が表示制御部23に対して光源ランプ24を点灯させる。また、表示制御部23は、光源ランプ24を点灯させた後に、主制御部17に点灯完了信号S2を出力する。なお、以下の説明においては、操作信号S5a,S5bおよび点灯制御信号S6a,S6bの出力に関する説明を省略する。
【0021】
一方、主制御部17は、ステップ61に戻り、光源ランプ24の点灯が完了したと判別して、ランプONボタン31,51を消灯させると共に(ステップ63)、入力ソースの選択が完了しているか否かを判別する(ステップ64)。この際に、主制御部17は、入力ソースの選択が完了していないと判別して、次に操作すべき操作ボタン(本発明における「所定の条件を満たす操作ボタン」)としてソース切替ボタン32,52およびOKボタン37,57の4つのボタンを特定して各操作ボタンをそれぞれ点灯させる(ステップ65)。この場合、このプロジェクタ1では、映像信号入力部11のいずれかの入力チャネルに映像信号S1が既に入力されているときには、主制御部17が、映像信号入力部11によって出力された情報に基づき、その入力チャネルを暫定的に自動選択すると共に、その自動選択の確定を促すために、ソース切替ボタン32,52を点灯させたままでOKボタン37,57を点滅させる。この際に、OKボタン37,57のいずれかが操作されたときには、主制御部17は、自動選択の結果(映像信号S1が入力されている入力チャネル)を映像表示用の入力ソースとして確定する。
【0022】
また、各入力チャネルに映像信号S1が入力されていないとき、または上記の例において主制御部17による自動選択以外の入力ソースを選択する際には、オペレータは、ソース切替ボタン32,52のいずれかを操作することにより、所望の入力ソース(入力チャネル)を選択する。この際には、ソース切替ボタン32,52の操作に伴い、主制御部17は、投射機構12に対して、例えば「入力ソース1」、「入力ソース2」・・「入力ソース4」との文字列をスクリーンに投射表示させる。また、オペレータは、所望する入力ソースを表す文字列がスクリーンに投射表示された際に、OKボタン37,57のいずれかを操作する。これにより、入力ソースの選択が完了する。
【0023】
次に、主制御部17は、ステップ64に戻って入力ソースの選択が完了したと判別して、ソース切替ボタン32,52およびOKボタン37,57の4つのボタンをそれぞれ消灯させる(ステップ66)。次いで、主制御部17は、フォーカス状態検出部13による合焦信号S3の出力の有無を判別する(ステップ67)。この場合、このプロジェクタ1では、フォーカス状態検出部13がスクリーンに投射表示されている初期画面についてフォーカスを起動直後から所定時間おきにセンシングして、フォーカスが合っているときには主制御部17に合焦信号S3を出力する。この場合、フォーカスが合っていないときには、フォーカス状態検出部13によって合焦信号S3が出力されないため、主制御部17は、合焦信号S3の出力がないと判別して、次に操作されるべき操作ボタン(本発明における「所定の条件を満たす操作ボタン」)としてフォーカスボタン33,53を特定して点灯させる(ステップ68)。また、オペレータによってフォーカスボタン33,53のいずれかが操作されたときには、主制御部17は、表示制御部23に対して駆動機構22を駆動させる。この際に、駆動機構22は、表示制御部23の制御下でフォーカスレンズ26aを移動させてフォーカスを合わせる。
【0024】
次いで、主制御部17は、ステップ67に戻って合焦信号S3の出力有りと判別してフォーカスボタン33,53を消灯させると共に(ステップ69)、台形補正歪みの実行の要否を判別する(ステップ70)。この場合、このプロジェクタ1では、傾き検出部14が起動直後からプロジェクタ本体2の傾きの有無を検出して傾き検出信号S4を主制御部17に出力している。したがって、主制御部17は、傾き検出部14によって出力された傾き検出信号S4に基づき、台形歪み補正処理の実行を必要と判別したとき(プロジェクタ本体2が傾いていると判別したとき)には、次に操作すべき操作ボタン(本発明における「所定の条件を満たす操作ボタン」)としてキーストーンボタン34,54およびキャンセルボタン38,58の4つの操作ボタンを特定して点灯させる(ステップ71)。同時に、主制御部17は、投射機構12に対して「台形歪み補正処理を実行しますか?」とのメッセージをスクリーンに投射表示させる。この際に、オペレータによってキーストーンボタン34,54のいずれかが操作されたときには、主制御部17は、表示制御部23に対して台形歪み補正処理を実行させる。
【0025】
また、オペレータによってキャンセルボタン38,58のいずれかが操作されたとき(台形補正処理の必要なしと指示されたとき)、または、上記の例において表示制御部23による台形歪み補正処理が完了したときには、主制御部17は、ステップ70に戻って台形補正補正処理の実行を不要と判別する。この際に、主制御部17は、その時点で点灯している操作ボタンのすべてを消灯し(ステップ72)、その後に、プロジェクタ1の動作中(映像の投射表示中)に操作される可能性の高い操作ボタン(使用頻度の高い操作ボタン:一例として、メニューボタン35,55およびランプONボタン31,51)を本発明における「所定の条件を満たす操作ボタンとして特定して点灯させる(ステップ73)。これにより、プロジェクタ1によって映像を投射表示する準備(初期設定)を完了して、この処理を終了する。
【0026】
この後、入力ソースによって映像信号S1が出力されると、表示制御部23が映像信号S1に基づいて変調手段25に対して投射光Lを光変調させる。これにより、光源ランプ24によって射出された投射光に陰影や着色が施された投射光Lが投射レンズ26によって投射され、映像信号S1に基づく映像がスクリーンに投射表示される。また、映像の投射表示中に例えばメニューボタン35,55のいずれかが操作されたときには、主制御部17は、メニュー画面(図示せず)中において所望の設定項目を選択させるためのカーソル移動ボタン36a〜36d,56a〜56d、OKボタン37,57およびキャンセルボタン38,58を本発明における所定の条件を満たす操作ボタンとして特定して点灯させる。これにより、暗闇の中であっても各種の調整(一例として、画質調整や明るさ調整)を容易に行うことができる。
【0027】
このように、このプロジェクタ1によれば、主制御部17が、各操作ボタンのうちから例えばプロジェクタ1の動作中において操作される可能性の高い操作ボタンを所定の条件を満たす操作ボタンとして特定して、その操作ボタン内の発光素子を点灯させることにより、暗闇の中であっても操作に必要な操作ボタンの位置を正確かつ容易に認識させることができる。これにより、各種映像の投射表示に必要な各種の設定操作を暗闇の中であっても容易に行うことができる。
【0028】
また、このプロジェクタ1によれば、電源投入時点から映像投射表示の開始までの間において主制御部17が次に操作されるべき操作ボタンを順に特定してその操作ボタンに対応して配設された発光素子を操作されるべき順序に従って点灯させることにより、プロジェクタ1の操作に不慣れな者であっても暗闇の中において迅速かつ容易に各種の設定操作を実行することができる。
【0029】
さらに、このプロジェクタ1によれば、主制御部17が所定の条件を満たす操作ボタンを特定した際に、操作部15,45の双方の各操作ボタン内の発光素子をそれぞれ点灯させることにより、プロジェクタ本体2の操作部15のみならず、リモートコントローラ3の操作部45を操作することによる設定操作を暗闇の中であっても容易に行うことができる。したがって、オペレータがプロジェクタ本体2から遠く離れていたとしてもリモートコントローラ3を用いて設定操作を容易に行うことができるため、プロジェクタ1の利便性を飛躍的に向上させることができる。
【0030】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、各操作ボタンを順に点灯させることによって電源投入後の初期設定に関する操作方法の一例を案内する初期設定時ボタン操作案内処理60を実行する例について説明したが、本発明は、初期設定時における操作手順の案内のみならず、各種設定操作時における設定手順の案内に適用することができる。また、発光素子の点灯によって案内する操作ボタン(本発明における「所定の条件を満たす操作ボタン」)についても、上記本発明の実施の形態に例示した操作ボタンに限定されず、任意の操作ボタンを案内対象とすることができる。さらに、本発明の実施の形態で例示した初期設定時ボタン操作案内処理60では、ステップ65,68,71において操作ボタンを点灯させた後にステップ64,67,70にそれぞれ戻って処理を続行しているが、本発明はこれに限定されず、ステップ65,68,71において操作ボタンを点灯させた後に一旦ステップ61に戻ってステップ63,64・・を順次実行する構成を採用することもできる。この構成によれば、例えば入力ソースの選択が完了した後に誤ってランプONボタン31,51のいずれかが操作されたとき(光源ランプ24を消灯させられたとき)であっても、ステップ61に戻った際に光源ランプ24の点灯が完了していないと判別してランプONボタン31,51を点灯させることができる。これにより、オペレータに対して光源ランプ24の点灯を指示する操作を促して光源ランプ24を点灯させることができる。
【0031】
また、本発明における操作ボタン案内用点灯手段は、本発明の実施の形態に例示した発光素子のみならず、電球などの各種の点灯手段で構成することができる。さらに、本発明の実施の形態では、各操作ボタン内に発光素子を内蔵させた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、各操作ボタンの周囲に操作ボタンとは別個独立して発光素子を配設することもできる。また、本発明の実施の形態では、プロジェクタ本体2とリモートコントローラ3との間で操作信号S5bおよび点灯制御信号S6bを赤外線通信によって送受信する構成を例に挙げて説明したが、無線通信や有線通信等の各種の通信手段によって両者間の通信を可能に構成することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るプロジェクタによれば、制御部が、各操作ボタンのうちから所定の条件を満たす操作ボタンを特定して、特定した操作ボタンに対応して配設された操作ボタン案内用点灯手段を点灯させることにより、
暗闇の中であっても操作に必要な操作ボタンの位置を正確かつ容易に認識させることができる。これにより、各種映像の投射表示に必要な各種の設定操作を暗闇の中であっても容易に行うことができる。
【0033】
また、本発明に係るプロジェクタによれば、電源投入時点から映像投射表示の開始までの間において制御部が次に操作されるべき操作ボタンを順に特定して各操作ボタンに対応して配設された操作ボタン案内用点灯手段をその操作されるべき順序に従って点灯させることにより、プロジェクタの操作に不慣れな者であっても暗闇の中において迅速かつ容易に各種の設定操作を実行することができる。
【0034】
さらに、本発明に係るプロジェクタによれば、制御部が、所定の条件を満たす操作ボタンを特定した際に、第1および第2の操作部における特定した各操作ボタンに対応して配設された各操作ボタン案内用点灯手段を点灯させることにより、本体部に配設された第1の操作部のみならず、第2の操作部を操作することによる設定操作を暗闇の中であっても容易に行うことができる。したがって、オペレータが本体部から遠く離れていたとしても第2の操作部を用いて設定操作を容易に行うことができるため、プロジェクタの利便性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプロジェクタ1の構成を示すブロック図である。
【図2】プロジェクタ1を上方から示す平面図である。
【図3】プロジェクタ本体2における操作部15のボタン配列図である。
【図4】プロジェクタ1におけるリモートコントローラ3の構成を示すブロック図である。
【図5】リモートコントローラ3における操作部45のボタン配列図である。
【図6】プロジェクタ1の主制御部17によって実行される初期設定時ボタン操作案内処理60のフローチャートである。
【符号の説明】
1 プロジェクタ
2 プロジェクタ本体
3 リモートコントローラ
15,45 操作部
17 主制御部
18 記憶部
31,51 ランプONボタン
32,52 ソース切替ボタン
33,53 フォーカスボタン
34、54 キーストーンボタン
35,55 メニューボタン
36a〜36d,56a〜56d カーソル移動ボタン
37,57 OKボタン
38,58 キャンセルボタン
47 制御部
60 初期設定時ボタン操作案内処理
D 操作手順データ
S5a,S5b 操作信号
S6a,S6b 点灯制御信号

Claims (3)

  1. 複数の操作ボタンが配列された第1の操作部と、前記操作ボタンの操作に応じて当該プロジェクタの動作を制御する制御部とを備えたプロジェクタであって、
    前記第1の操作部は、その操作ボタンの近傍または当該操作ボタン内に当該各操作ボタンに対応して配設されて前記制御部の制御に従って点灯する操作ボタン案内用点灯手段を備え、
    前記制御部は、当該プロジェクタの動作状態に応じて、前記各操作ボタンのうちから所定の条件を満たす前記操作ボタンを特定して、当該特定した操作ボタンに対応して配設された前記操作ボタン案内用点灯手段を点灯させるプロジェクタ。
  2. 前記制御部は、予め決められた操作手順情報に従い、電源投入時点から映像投射表示の開始までの間において次に操作されるべき前記操作ボタンを前記所定の条件を満たす操作ボタンとして順に特定して当該各操作ボタンに対応して配設された前記操作ボタン案内用点灯手段をその操作されるべき順序に従って点灯させる請求項1記載のプロジェクタ。
  3. 当該プロジェクタの本体部とは別体に構成されて前記第1の操作部における前記各操作ボタンと同等の機能をそれぞれ割り当てた複数の操作ボタンが配列された第2の操作部を備え、
    当該第2の操作部は、その操作ボタンの近傍または当該操作ボタン内に当該各操作ボタンに対応して配設されて前記制御部の制御に従って点灯する操作ボタン案内用点灯手段を備え、
    前記制御部は、前記所定の条件を満たす操作ボタンを特定した際に、前記第1および第2の操作部における当該特定した各操作ボタンに対応して配設された前記各操作ボタン案内用点灯手段を点灯させる請求項1または2記載のプロジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008236595A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Seiko Epson Corp プロジェクタ、リモコン装置、プロジェクタシステム、プロジェクタの制御方法及びリモコン装置の制御方法

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