JP2004151195A - 通信装置、通信方法、プログラム、記憶媒体、端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザにとって利用価値の高いコンテンツ配信システムを実現する。
【解決手段】コンテンツサーバからコンテンツを配信するのにあたり、先ず、原コンテンツデータを利用してベースデータを生成し送信出力するようにされる。また、履歴情報を参照して、既に、そのコンテンツに応じたベースデータを送信していることを認識したとされる場合には、この送信済みのベースデータのフォーマットと、今回指定されたフォーマットとの差分に応じた差分データを有して成るアップグレードデータを生成し、コンテンツとして配信するようにされる。このような構成であれば、コンテンツ配信システムを利用する端末装置のユーザにとっては、既にコンテンツとして、単独でデコード再生出力可能なベースデータを取得した後において、同じコンテンツを、より高品位で再生出力したいと思った場合には、その差分データのみを取得できることになる。
【選択図】 図4
【解決手段】コンテンツサーバからコンテンツを配信するのにあたり、先ず、原コンテンツデータを利用してベースデータを生成し送信出力するようにされる。また、履歴情報を参照して、既に、そのコンテンツに応じたベースデータを送信していることを認識したとされる場合には、この送信済みのベースデータのフォーマットと、今回指定されたフォーマットとの差分に応じた差分データを有して成るアップグレードデータを生成し、コンテンツとして配信するようにされる。このような構成であれば、コンテンツ配信システムを利用する端末装置のユーザにとっては、既にコンテンツとして、単独でデコード再生出力可能なベースデータを取得した後において、同じコンテンツを、より高品位で再生出力したいと思った場合には、その差分データのみを取得できることになる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオーディオデータなどのコンテンツデータをアップロードするサーバとしての通信装置と、この通信装置からコンテンツデータをダウンロードする端末装置に関わる。また、上記通信装置に対応する通信方法、上記通信装置が実行するプログラム、及びこのようなプログラムが記憶される記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば楽曲としてのオーディオデータや、映像ソースとしてのビデオデータ等のコンテンツをインターネット等のネットワークを介して配信し、その対価をユーザーに課金して徴収する、コンテンツ配信サービスのシステムが存在する。
このようなコンテンツ配信サービスでは、ユーザーは、例えばパーソナルコンピュータ等のネットワーク接続機能を有した、個人端末装置としての機器によってコンテンツを配信するサーバにアクセスする。そして、このアクセスしたサーバから、所望のコンテンツをダウンロードして、例えばHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶媒体に保存しておくようにされる。そして、このようにして保存したコンテンツを再生して楽しむことができる。
【0003】
ところで、オーディオデータやビデオデータはフォーマットにより区別することができる。なお、ここでいうフォーマットとは、サンプリング周波数/サンプリングビット数(量子化語長)であることとする。
例えばオーディオデータを例に挙げれば、広く知られているCD−DA(Compact Disc−Digital Audio)に記録される信号は、サンプリング周波数44.1KHz、サンプリングビット数16bitによるフォーマットを有する。また、サンプリング周波数192KHz、サンプリングビット数24bitというフォーマットも存在する。
さらには、所定のオーディオ圧縮方式により圧縮されたフォーマットのオーディオデータも存在する。例えば、広く知られているオーディオ圧縮方式の1つには、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Cording)方式が知られている。
【0004】
このようなフォーマットの相違は、オーディオデータの音源に対する忠実性の相違となる。例えばサンプリング周波数が高くなり、また、サンプリングビット数が多くなるほど、音源としての信号波形を損なわないことになる。従って、同じコンテンツ内容であるとしても、異なるフォーマットのものを、同じ再生条件の下で再生したとすれば、サンプリング周波数が高くなるほど、また、サンプリングビット数が多くなるほど、再生される音質は良好なものとなる。つまり、より高品位な再生出力を得ることが可能になる。
なお、ビデオデータについても同様であり、フォーマットとしてサンプリング周波数、サンプリングビット数が増加するほど、再生される画像の品位は高くなる。つまり、より向上された画質となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記のようにして個人端末装置によりユーザがダウンロードして取得したコンテンツデータを再生して視聴してみたところ、気に入ったので、より高品位に再生して楽しみたいと思ったとする。
しかしながら、このようにして、既にダウンロードによって取得したコンテンツデータをより高品位で再生したいと思った場合、現状では、ユーザーは例えばサーバから、既に取得しているコンテンツと同じコンテンツ内容を有する、より高品位なフォーマットのコンテンツデータを改めてダウンロードしなければならないことになる。そしてユーザは、このダウンロードしたコンテンツデータについての料金を支払う必要があることとなる。
あるいは、或いは、同一内容を有するより高品位なコンテンツが記録されるパッケージメディアを改めて購入しなければならない。この場合にも、ユーザは、既に取得している同じ内容のコンテンツデータについて、さらに、対価を支払って購入することになる。
【0006】
このようにして、従来においては、ユーザーが一旦取得したコンテンツデータをより高品位で再生したいと思った場合、既にこのコンテンツ購入のために料金を支払っているにも関わらず、さらにより高品位なコンテンツそのものについての料金を支払わなければならないことになる。つまり、ユーザーにとっては、単に、既に所有しているはずのコンテンツを高品位なものに変えたいだけであり、実質的には1曲分を所有できればよいのにも関わらず、結果的には上記のようにして、複数曲分の料金を支払うことになってしまうという不合理な面を有しているものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、通信装置として次のように構成することとした。
つまり、所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積する蓄積手段と、外部から取得したデータ識別情報に対応する上記原データを上記蓄積手段から検索する検索手段と、この検索手段により検索された原データを利用して、原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成するものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による低品位データを生成するデータ生成手段と、このデータ生成手段により生成した低品位データを外部に送信出力する送信手段と、この送信手段によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶する履歴情報記憶手段とを備えるものとする。
そして、上記データ生成手段は、上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、上記送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、上記検索手段により検索された原データを利用して生成し、上記送信手段は、データ生成手段により生成された差分データを送信出力するように構成することとした。
【0008】
また、通信方法としては次のように構成することとした。
つまり、所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積手段に蓄積させて管理する原データ記憶管理手順と、外部から取得したデータ識別情報が指定する上記原データを蓄積手段から検索する検索手順と、この検索手順により検索された原データを利用して、原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成させるものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による上記低品位データを生成させるデータ生成手順と、このデータ生成手順により生成した上記低品位データを外部に送信出力させる送信制御手順と、この送信制御手順によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶して管理する履歴情報記憶管理手順とを実行するものとされる。
そして、上記データ生成手順は、上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、検索手順により検索された原データを利用して生成させ、上記送信制御手順は、データ生成手順により生成された差分データを送信出力させるように構成することとした。
【0009】
また、プログラムとしては、次のように構成することとした。
本発明のプログラムは、所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積手段に蓄積させて管理する原データ記憶管理手順と、外部から取得したデータ識別情報が指定する原データを蓄積手段から検索する検索手順と、この検索手順により検索された原データを利用して、上記原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成させるものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による低品位データを生成させるデータ生成手順と、このデータ生成手順により生成した低品位データを外部に送信出力させる送信制御手順と、この送信制御手順によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶して管理する履歴情報記憶管理手順とを通信装置に実行させるものとされる。
そのうえで、上記データ生成手順は、上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、上記送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、上記検索手順により検索された原データを利用して生成させ、上記送信制御手順は、上記データ生成手順により生成された差分データを送信出力させるものであることとした。
【0010】
また、上記プログラムを記憶して記憶媒体を構成することとした。
【0011】
また、端末装置としては、次のように構成することとした。
つまり、データ識別情報及び品位識別情報と共に、外部通信装置に対してデータ要求を送信する送信手段と、データ要求に応じて外部通信装置から送信された上記データ識別情報及び品位識別情報に対応するベースデータが受信されるのに応じて、この受信されたベースデータを記憶する記憶手段と、送信手段により、上記記憶手段に記憶されたベースデータに対応するデータ識別情報と、このベースデータとは異なる品位を示す品位識別情報と共に送信したデータ要求に応じて、外部通信装置から送信された、このベースデータと品位識別情報が示す品位によるデータとの差分に応じた差分データを受信取得する取得手段と、記憶手段に記憶されたベースデータと、取得手段により受信取得された差分データとについて合成処理を行ってデータ再生を行うデータ再生手段とを備えることとした。
【0012】
上記各構成によれば、通信装置側では、外部から取得したデータ識別情報に応じて送信出力すべきデータとして、データ識別情報に対応する原データを利用して、この原データよりも低い品位の低品位データを生成するようにされる。この際の低品位データの品位は、外部から取得した品位識別情報により指定される。また、通信装置側では、データを送信すべき場合に、送信出力したデータの履歴を参照する。そして、参照結果として、この送信すべきデータが、既に送信出力した低品位データと同じデータ識別情報により指定されるデータであって、品位識別情報により要求されるデータの品位が、既に送信出力された低品位データとは異なる場合には、既に送信出力された低品位データと品位識別情報が示す品位データとの差分となる差分データを生成して送信するようにされる。
また、個人端末装置側では、データ識別情報と品位識別情報により、データとその品位を指定して、外部の通信装置からデータの送信を要求することができる。そして、この要求に応じては、外部通信装置から低品位データが送信されてくる。また、受信した低品位データを記憶保存した後においては、要求に応じて、この低品位データの品位と品位識別情報が示す品位によるデータとの差分に応じた差分データが送信されてくるので、これを受信取得する。そして、これら低品位データと、これに対応する差分データとを合成することで、例えばベースデータよりも高品位となるデータ再生を行うことができる。
【0013】
このような構成では、個人端末装置は、通信装置(外部通信装置)から、データ内容(データ識別情報)とその品位(品位識別情報)を指定して、データをダウンロードして取得することが可能とされていることになる。
そして、一旦、ベースデータをダウンロードして取得した後において、個人端末装置が、このベースデータと同じデータ識別情報が指定するデータであり、かつ、ベースデータとは異なる品位のデータのダウンロードを要求した場合には、通信装置では、ベースデータと品位識別情報が示す品位によるデータとの差分に応じた差分データを、その都度生成して、送信することになる。
これは即ち、個人端末装置が、既に取得したベースデータと同じデータ内容で、ベースデータとは異なる品位のデータを要求した場合の通信装置の応答として、その要求された品位のデータそのものをダウンロードすることはせず、代わりに、その差分データを提供するというデータ配信の形態が可能とされていることを意味する。
また、通信装置としては、低品位データ又は差分データをデータ識別情報に対応して蓄積しておく必要は必ずしもなく、少なくとも、これら低品位データ又は差分データの生成元である原データのみを記憶しておけば、低品位データ及び差分データをアップロードすることが可能とされる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。説明は次の順序で行う。
1.コンテンツ配信システムの構成
1−1.全体構成
1−2.コンテンツサーバ
1−3.個人端末装置
2.コンテンツ配信システムの利用例
3.コンテンツサーバにおけるコンテンツ配信のための構成
3−1.コンテンツデータの構造
3−2.コンテンツ関連情報
3−3.ユーザ関連情報
3−4.課金関連情報
3−5.ベースデータ生成部
3−6.アップグレードデータ生成部
4.コンテンツ配信のための実行処理
5.個人端末装置におけるコンテンツデータの信号処理
【0015】
1.コンテンツ配信システムの構成
1−1.全体構成
図1は本実施の形態としてのコンテンツ配信システムの構成例を示している。このコンテンツ配信システムは、図示するようにして、コンテンツサーバ1と、個人端末装置2とをネットワーク3により接続して成る。
この場合のコンテンツサーバ1は、楽曲としてのオーディオデータをコンテンツデータとして配信するものとされる。詳しいことは後述するが、ここで配信されるコンテンツデータの種類は、ベースデータとアップグレードデータの2種類となる。コンテンツサーバ1は、個人端末装置2からの要求に応じて、コンテンツデータをアップロードするようにして送信出力する。
【0016】
個人端末装置2は、例えば本実施の形態のコンテンツ配信システムを利用するユーザごとに所有する端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)などとされる。
アップロードされたコンテンツデータをダウンロードする。つまり、個人端末装置2はコンテンツデータを受信取得し、この受信したコンテンツデータを記憶して保存しておくことが可能とされる。
そして、個人端末装置2においては、上記のようにして受信取得したコンテンツデータをオーディオ信号として再生出力可能とされている。
【0017】
また、この場合のネットワーク3の実際としては特に限定されるものではないが、現状であればインターネットのグローバルなネットワークとすることができる。また、実際には、個人端末装置2が、LAN(Local Area Network)などを経由してネットワーク3と接続される形態とされていてもよいものである。
【0018】
1−2.コンテンツサーバ
図2は、コンテンツサーバ1の内部構成例を示している。このコンテンツサーバ1は、図示するように、制御部11、記憶部12,ベースデータ生成部13、アップグレードデータ生成部14、暗号化処理部15、インターフェイス部16をシステムバス17により接続して成る。
【0019】
制御部11は、例えばCPU、RAM、ROMなどを備えたコンピュータシステムとして構成され、コンテンツサーバ1における動作制御を実行する。
【0020】
記憶部12は、大容量のデータを記憶可能とされており、例えば現状であれば、HDD(ハードディスクドライブ)などによって構成することができる。この記憶部12に記憶されるべきデータの具体例については後述するが、例えば、配信のためのコンテンツデータ、コンテンツ配信システムの利用者であるユーザに関する各種ユーザ関連情報、及びコンテンツ配信に伴う課金処理に用いる課金関連情報などが記憶される。また、例えば制御部11(CPU)が実行すべきプログラムも記憶される。
記憶部12に対するデータの書込及び読み出しは、例えばファイルシステムに基づいて、制御部11が実行する。
【0021】
ここで、コンテンツサーバ1が配信のために送信するコンテンツデータの種類としては、ベースデータとアップグレードデータとの2種類がある。
ベースデータは、所定のフォーマットによるオーディオデータである。なお、ここでいうフォーマットとは、サンプリング周波数、及びサンプリングビット数(量子化語長)によって決定されるデータ形式をいうこととする。
そして、このベースデータとしてのオーディオデータは、1つのオーディオデータとして完結している。つまり、このベースデータのみをデコード処理すれば、通常のオーディオ音声として聴ける状態で再生出力することができる。
これに対して、アップグレードデータは、ベースデータが有しているフォーマットを、目的とするフォーマットにグレードアップするために必要な情報によって生成される差分データである。
ここで、フォーマットがグレードアップされるということは、例えば、サンプリング周波数及びサンプリングビット数の少なくともいずれか一方が増加した形式のデータとなることを指す。そして、このようにしてフォーマットがグレードアップされることによっては、それだけ原信号から失われる情報量が少なくなるから、一定の再生環境において再生出力される音声は、より高音質なものとなる。つまり、フォーマットのグレードアップによっては、コンテンツデータが高品位化されることになる。
【0022】
ベースデータ生成部13は、上記ベースデータを生成するための信号処理を実行する機能部位とされる。
本実施の形態においては、記憶部12に記憶されるコンテンツデータは、配信されるベースデータとしての各種フォーマットに対して、その何れよりも高音質とされる、最高音質のオーディオデータとされている。なお、以降においては、この記憶部12に記憶される最高音質のオーディオデータとしてのコンテンツデータについては、原コンテンツデータということにする。
そして、ベースデータ生成部13は、この原コンテンツデータとしてのオーディオデータについて、サンプリング周波数の変換、ダウンサンプリング(デシメーション)などの信号処理を実行することによって、必要とされるフォーマットによるオーディオデータを生成する。このようにして生成されたオーディオデータがベースデータとなる。
【0023】
アップグレードデータ生成部14は、上記したアップグレードデータを生成するための機能部位とされる。このアップグレードデータ生成部14は、例えば制御部11の制御に従って、ベースデータ生成部13により生成される複数の異なるフォーマットによるベースデータを利用して、これらのデータの差分を抽出する処理を実行し、必要とされる差分データを生成する。そして、この差分データをアップグレードデータとして出力する。
なお、上記ベースデータ生成部13、及びアップグレードデータ生成部14の具体的な信号処理の構成については後述する。
【0024】
暗号化処理部15は、コンテンツサーバ1から送信出力するコンテンツデータ(ベースデータ及びアップグレードデータ)について暗号化処理を施す。なお、この場合の暗号化処理の方式については特に限定はしないが、例えば、現状においてデータ配信などで広く使用される公開鍵方式に基づいた暗号化処理が実行されればよい。また、ここでの暗号化処理は、ネットワーク3を介したデータ通信が例えばパケット伝送であるとすれば、コンテンツデータをこのパケット単位により分割したうえで、分割したデータ単位ごとに行うことも可能とされる。
【0025】
インターフェイス部16は、ネットワーク3を介したデータ送受信のために設けられる。
コンテンツサーバ1からコンテンツデータ等のデータを送信する場合には、制御部11の制御によってシステムバス17を介して送信データがインターフェイス部16に転送されてくる。インターフェイス部16では、例えば送信データについてパケット化などをはじめとする、ネットワーク3によるデータ伝送に適合したデータ形式へのエンコードを行い、例えば個人端末装置2等のネットワーク3上に接続された所要のデバイスに対して送信出力する。
また、インターフェイス部16は、ネットワーク3を介して送信された受信すると、例えばアンパケット化などの所要のデコード処理を実行する。そして、制御部11の制御に応じて、デコードして取得したデータをシステムバス17から所要の機能部に対して転送する。
【0026】
1−3.個人端末装置
図3は、個人端末装置2の内部構成例を示している。
この図に示すようにして、個人端末装置2は、CPU21、ROM22、RAM23、暗号解読処理部24、記憶部25、コンテンツデータ合成処理部26、オーディオ信号処理部27、表示部29、入力デバイス30、及びインターフェイス部31をデータバス32により接続して構成される。
【0027】
CPU21は、個人端末装置2における動作制御を実行する。CPU21が実行すべきプログラムは、例えばROM22又は記憶部25に記憶される。
ROM22には、上記のようにしてCPU21が実行すべきプログラムを記憶しておくことができる。また、CPU21が処理を実行する際に必要となる各種設定情報なども記憶しておくことができる。
RAM23は、CPU21が処理を実行する際の作業領域として利用される。
【0028】
図2にても説明したように、コンテンツサーバ1からは、暗号化されたコンテンツデータが送信出力される。暗号解読処理部24には、CPU21の制御によって、後述するインターフェイス部31により受信されたコンテンツデータがデータバス32を介して入力される。暗号解読処理部24は、入力されたコンテンツデータに施されている暗号を復号して平文化するための処理を実行する。暗号化が解かれたコンテンツデータは、CPU21の制御によって記憶部25に転送され、ここに書き込まれて記憶される。
なお、受信取得したコンテンツデータについては、暗号化されたまま記憶部25に記憶させておき、例えば再生時などの暗号解読が必要なときに応じて、記憶部25から読み出されたコンテンツデータについて、暗号解読処理部24により復号処理を実行するようにしてもよい。
【0029】
記憶部25は、上記もしたように、主としてコンテンツデータ(ベースデータ及びアップグレードデータ)が記憶される。また、コンテンツデータ以外の他のファイルなどが、ユーザ操作などに応じて記憶されていてもよい。さらには、前述もしたように、CPU21が実行すべきプログラムが格納されていてもよい。この記憶部25としては、例えばパーソナルコンピュータなどであれば、HDDなどされればよい。この記憶部25には、必要最小限として、ダウンロードしたコンテンツデータが記憶されればよいから、例えば記録可能なリムーバブルメディアと、これに対応するメディアドライブから成るものとしてもよい。
【0030】
コンテンツデータ合成処理部26には、例えばCPU21の制御によって、同じコンテンツ内容とされる(同一のコンテンツIDにより示される)ベースデータと、アップグレードデータが入力される。コンテンツデータ合成処理部26は、入力されたベースデータとアップグレードデータとについて合成を行うことで、ベースデータよりも高いグレードのコンテンツデータ(オーディオデータ)を生成する。
上記のようにしてアップグレードされたオーディオデータは、オーディオ信号処理部27において、フォーマットに対応したデコード処理が施されて、所定のサンプリング周波数及びサンプリングビットによるオーディオデータに変換され、オーディオ出力端子28から出力される。
このオーディオ出力端子28から出力されたオーディオデータは、例えばオーディオアンプなどによってD/A変換されてアナログオーディオ信号に変換されたうえで、スピーカなどから音声として出力させることが可能である。
なお、例えばオーディオ信号処理部27の構成として、D/A変換、及び出力信号のボリューム調整、さらには音質調整なども行えるように構成して、オーディオ出力端子28からはアナログオーディオ信号を出力可能なように構成してもよい。この場合には、オーディオ出力端子28に対してスピーカ、又はヘッドフォンなどを接続することができる。
さらには、個人端末装置2に対して、オーディオ信号処理部27と接続されるスピーカを備え、このスピーカからコンテンツデータを再生した音声が出力されるように構成してもよい。
【0031】
表示部29には、CPU21による表示制御処理によって、所要の画像が表示される。
また、入力デバイス30は、例えば個人端末装置2に備えられる操作子等から成る。あるいは、パーソナルコンピュータなどであれば、キーボード、マウス、トラックパッドなどの各種操作情報を入力するデバイスから成るものとされてよい。
この入力デバイス30に対して行われた操作に応じた操作情報は、データバス32を介してCPU21に入力される。CPU21では、入力された操作情報に応じた個人端末装置2としての動作が得られるように、所要の制御処理を実行する。
【0032】
インターフェイス部31は、CPU21の制御に従って、ネットワーク3を介したデータの送受信を実行する。なお、送受信データのエンコード処理、デコード処理の動作は、図2において説明したインターフェイス部16と同様となる。
【0033】
2.コンテンツ配信システムの利用例
続いては、図4を参照して、個人端末装置2のユーザによる本実施の形態のコンテンツ配信システムの利用の仕方について、ユーザの利用に応じたコンテンツサーバ1と個人端末装置2の動作と共に説明する。
なお、ここで説明する動作は、あくまでも概略的なものである。より詳しい動作の説明は、後述する、個人端末装置2及びコンテンツサーバ1がプログラムに従って実行する処理動作の流れにおいて行う。
また、以降において図4の説明は、図中において○内に示される、システムにおける動作の手順1〜14に従って行う。
【0034】
手順1:先ず、個人端末装置2のユーザは、個人端末装置2を、ネットワーク3を経由してコンテンツサーバ1に接続させる。そして、個人端末装置2に対する所定操作を行うことで、ダウンロードすべきコンテンツデータと、そのフォーマットを指定し、ダウンロード要求を送信させるようにする。なお、個人端末装置2に対するユーザの操作は、例えば例えば表示部29に表示されるユーザインターフェイス画像に対して、入力デバイス30を用いて入力操作を行うものとされればよい。
このような操作に応じて、個人端末装置2からコンテンツサーバ1に対して、コンテンツデータのダウンロード要求が送信される。
なお、この手順1において、ユーザは、新規なコンテンツデータをダウンロードするための操作を行っていることとする。つまり、未だダウンロードしていないコンテンツ(楽曲)をダウンロードするものである。また、ここでは、ダウンロードすべきコンテンツとして、コンテンツAを選択指定したこととする。また、実際においては、コンテンツAであることの特定は、コンテンツデータごとに与えられるコンテンツIDによって行われる。
【0035】
手順2:上記手順1により送信されたダウンロード要求は、コンテンツサーバ1にて受信されることになる。この手順2〜手順4は、このダウンロード要求に応じたコンテンツサーバの動作となる。この場合のダウンロード要求は、新規なコンテンツのダウンロードとされる。コンテンツの新規ダウンロードの要求に応じては、指定されたコンテンツのベースデータを送信するようにされる。
このために、先ず手順2として、コンテンツサーバ1では、ダウンロード要求として指定されたコンテンツAとしての原コンテンツデータを、記憶部12から検索して読み出す。
【0036】
手順3:上記手順2により記憶部から読み出したコンテンツAのコンテンツデータをベースデータ生成部13に入力する。そして、ベースデータ生成部13により、ダウンロード要求と共に指定されたフォーマットによるオーディオデータを生成する。このオーディオデータが、コンテンツAのベースデータとなる。
手順4:上記のようにして生成されたコンテンツAのベースデータを、ダウンロード要求の送信元である個人端末装置2に対して送信する。
手順5:また、上記のようにしてコンテンツAを送信したことに応じて、ユーザに関する情報の1つであり、記憶部12に記憶されている利用履歴情報へ、追加、又は更新すべき情報の記録を行う。この利用履歴情報に記録する情報内容としては、ユーザに対して配信したコンテンツが新規(ベースデータ)であり、また、そのコンテンツデータはコンテンツAであることや、そのコンテンツのフォーマットが何であるかなどを示すものとなる。
手順6:また、このようにしてコンテンツAを送信した後においては、コンテンツサーバ1側では、このコンテンツAの配信に対して設定された料金がユーザにより支払われるように、所要の課金処理を行うことになる。
【0037】
手順7:個人端末装置2では、上記手順4により送信されたコンテンツAのベースデータを受信すると、記憶部25に記憶させる。
手順8:前述したように、ベースデータは、再生信号処理を行って出力すれば、単独でオーディオ音声として聴くことのできるデータである。従って、一旦、記憶部25に記憶保存された、このコンテンツAのベースデータは、ユーザが再生操作を行えば、この手順8として示すように、任意のときに再生出力することができる。
【0038】
手順9:上記のようにしてコンテンツAのベースデータをダウンロードした後の或る機会において、ユーザは、このコンテンツAについて、より高音質で聴きたいと思ったとする。本実施の形態のコンテンツデータ配信システムでは、このような需要に対応して、一旦ユーザがダウンロードしたコンテンツを高音質化するデータであるアップグレードデータを配信するサービスも行う。手順9以降は、このようなアップグレードデータの配信に関する動作となる。
この手順9としては次のようになる。
ユーザは、所定操作によって、コンテンツとしてコンテンツAを指定すると共に、アップグレードにより得るべきフォーマットを指定したうえで、アップグレード要求を送信させる。当然のことであるが、このアップグレードとして指定するフォーマットは、既にダウンロードしたコンテンツAのベースデータが有するフォーマットよりも高品位とされるものを選択すべきこととなる。
【0039】
手順10:コンテンツサーバ1では、上記手順9によるアップグレード要求を受信することになる。そして、先ず、今回のアップグレード要求により指定されたコンテンツAの原コンテンツデータを記憶部12から検索して読み出す。この手順によって読み出される原コンテンツデータは、アップグレードデータ(差分データ)を生成するのに利用される。
手順11:続いては、今回のアップグレード要求を行ったユーザの利用履歴情報を参照することで、このユーザに既に配信したコンテンツAのコンテンツデータのフォーマットについて認識する。
手順12:ここで、手順9に対応して受信したアップグレード要求により指定されたアップグレードのフォーマットをaとし、手順11により認識された配信済みのコンテンツA(この場合はベースデータ)のフォーマットをbとすれば、概念的には、a−bにより、既に配信しているコンテンツAのベースデータのフォーマットと、今回要求されたアップグレードのフォーマットの差分が得られることになる。
そして、手順12では、コンテンツAのアップグレードデータとして、上記したフォーマットの差分(a−b)に相当する差分データを生成する。詳細は後述するが、差分データは、先ず、ベースデータ生成部13によって、上記フォーマットa,bに相当するオーディオデータを生成するようにされる。そして、これらのオーディオデータを利用して、アップグレードデータ生成部14が差分データを生成する。
手順13:上記のようにして生成されたアップグレードデータを、個人端末装置2に対して送信する。
手順14:そして、上記のようにしてコンテンツAのアップグレードデータを送信したことに対応しても、追加、更新すべき内容を、利用履歴情報に記録する。この結果、利用履歴情報には、このユーザに対して、コンテンツAとして、フォーマットaのベースデータと、フォーマットbにアップグレードするためのアップグレードデータを配信したことが示されることになる。
手順15:また、このアップグレードデータを送信したことに伴い、このアップグレードデータに対して設定された料金がユーザにより支払われるように、所要の課金処理を行う。
【0040】
手順16:個人端末装置2は、上記のようにして送信されたコンテンツAのアップグレードデータを受信し、記憶部25に記憶する。
手順17:上記のようにして記憶部25にコンテンツAのアップグレードデータが記憶される結果、記憶部25には、コンテンツAとして、そのベースデータと、アップグレードデータとが記憶されたこととなる。そして、以降においては、記憶部25からこれらコンテンツデータとアップグレードデータとを読み出して、コンテンツデータ合成処理部26により合成したうえで再生出力することが可能となる。このようにして合成して得られるオーディオデータは、ユーザが指定したアップグレードのフォーマットbを有するものとなる。つまり、ベースデータを単独で再生する場合より、高音質で再生される。
【0041】
このようにして本実施の形態のコンテンツ配信システムでは、新規にコンテンツデータをダウンロードする場合には、コンテンツデータとして、単独で再生可能なベースデータとしてのオーディオデータをダウンロードするようにされる。そして、この後において、一旦ベースデータとしてダウンロードしたコンテンツについて、より高品位なフォーマットで再生したいとユーザが思った場合には、ベースデータを、ユーザが指定したより高品位なフォーマットに変換することのできるアップグレードデータをダウンロードすることができるようになっている。個人端末装置2側では、このようにしてダウンロードしたベースデータとアップグレードデータとを合成して、ベースデータを単独で再生する場合よりも高品位で再生することができるようになっている。
このような構成とすることで、個人端末装置2を所有するユーザとしては、既に或るフォーマットのベースデータとしてのコンテンツを所有している場合において、このコンテンツをより高品位で再生したいと思った場合には、その差分としてのアップグレードデータをダウンロードすればよいことになる。換言すれば、既に所有しているコンテンツについてより高品位で再生する目的で、改めて、高品位のフォーマットのオーディオデータ(単独で再生可能な形式である)を購入し直す必要がない。
そして、本実施の形態のコンテンツ配信システムの運用にあたり、例えばアップグレードデータをダウンロードするための料金として、例えば、高品位のフォーマットのオーディオデータを購入する場合よりも低額に設定し、また、フォーマットの差分に応じた適切な金額を設定すればよい。このようにすれば、ユーザは、フォーマット(品位)の差分に対応した対価を支払っているということになり、高品位のコンテンツデータを改めて購入する場合よりも、経済的負担が軽減され、また、その料金体系にも納得ができることになる。
【0042】
さらに、本実施の形態としては、図4の説明からも理解されるように、1つのコンテンツのベースデータ及びアップグレードデータについて、その原コンテンツデータを元として生成するようにしている。
これにより、コンテンツサーバ1では、配信のために、原コンテンツデータとしての1種類のフォーマットによるコンテンツデータを記憶部25に蓄積させておけばよく、コンテンツごとにベースデータ及びアップグレードデータの各データを記憶させておく必要は無いということになる。これにより、記憶部25の記憶容量を節約して使用することが可能となる。また、記憶部25に記憶されるコンテンツデータの管理もそれだけ複雑になることがないため、記憶部25の管理や、検索、データ書込、読み出しなどのための処理負担もそれだけ軽いものとなる。
図4でも説明したように、ユーザは、個人端末装置2に対する操作によって、ダウンロードするベースデータのフォーマット、およびアップグレードのフォーマットを所定の選択範囲の中から選択することができる。つまり、コンテンツ1つあたりのベースデータのフォーマットは複数存在し、また、アップグレードデータがカバーすべき差分のパターンも、ベースデータのフォーマットと、ユーザが選択したアップグレードのフォーマットに応じて、相当数が存在することになる。そのうえで、配信すべきコンテンツ数も、相当に多い。
このようなことを考慮すると、上記したように原コンテンツデータのみを記憶することによる、記憶部25の記憶容量の節約、及び記憶部25の記憶データを管理するための処理負担の軽減の効果は、相当に顕著なものとなる。
【0043】
3.コンテンツサーバにおけるコンテンツ配信のための構成
3−1.コンテンツデータの構造
続いては、上記図4に示したような、個人端末装置2の要求に応じたコンテンツサーバ1によるコンテンツ配信を実現するための技術的な構成について、説明を行っていくこととする。
先ずは、コンテンツ配信に関連して必要とされる各種データ、情報について説明する。
【0044】
図5には、本実施の形態において配信されるコンテンツデータとして、ベースデータの構造例が示されている。ベースデータは、図5(a)に示すようにして、ヘッダと、これに続くオーディオデータとから成る。なお、ここでのオーディオデータは、これまでの説明から理解されるように、或るフォーマットによるオーディオデータとなる。
【0045】
ヘッダには、現ベースデータに関して必要とされる各種の情報が、それぞれ所定のデータサイズにより格納される。例えば図5(b)に示すようにして、ヘッダには、先ずコンテンツIDが格納される。コンテンツIDは、コンテンツサーバ1側でコンテンツごとに固有となるように与えられる、コンテンツを識別するための情報である。なお、コンテンツIDは、例えば同じコンテンツであれば、ベースデータとアップグレードデータとで、そのコンテンツを示す同じコンテンツIDが格納されることになる。
また、この場合には、コンテンツIDに続けて、コンテンツグレード識別情報が格納される。このコンテンツグレード識別情報は、ベースデータであれば、そのフォーマットを識別するための情報が格納される。
データサイズは、ベースデータのデータサイズを示す。
【0046】
この場合、さらにデータサイズに続けては、ベースデータのコンテンツとしての各種情報内容が示される。ここでは、例えば図示するようにして、再生時間、タイトル、アーティスト(演奏者)、作曲者、作詞者、ジャンル1、ジャンル2、ジャンル3などの情報が格納されることとしている。なお、ジャンルの情報が3つ設けられているのは、楽曲などによっては、複数のジャンルに含まれるような場合もあることを考慮しているものである。これらの情報は、例えば個人端末装置2側において、表示部29にコンテンツ再生リストなどを表示させるときに、コンテンツの内容を示す情報として表示させたり、また、再生リストをソートする場合などに利用することができる。
なお、ヘッダの情報内容としては、図5(b)に示したものに限定されず、必要に応じて変更されて構わない。
【0047】
また、図6に、アップグレードデータの構造を示す。
アップグレードデータは、図6(a)に示すようにしてヘッダと、これに続く差分データの実体とから成る。
また、ヘッダの構造としては、例えば図6(b)に示すように、コンテンツID、コンテンツグレード識別情報、データサイズであることとしている。
このヘッダ内容によると、ベースデータのヘッダ内に格納されていた、再生時間、タイトル、アーティスト(演奏者)、作曲者、作詞者、ジャンル1〜3等の各情報は省略されていることが分かる。これらの情報は、コンテンツ内容に関する情報であり、従って、このような情報は、単独で音声として再生出力されるベースデータのみに付加すればその機能が充分に果たされる。従って、アップグレードデータにおいては、これらの情報は格納しないこととしている。
【0048】
アップグレードデータの場合のコンテンツIDには、上記もしたように、同じコンテンツのベースデータと同じ値が格納されることになる。
また、アップグレードデータの場合のコンテンツグレード識別情報は、アップグレード種別を示す識別情報が格納される。アップグレード種別とは、そのアップグレードデータが、ベースとなるフォーマットからどのフォーマットにアップグレードするものであるのかという種別を示す。
【0049】
3−2.コンテンツ関連情報
続いては、コンテンツサーバ1の記憶部12にて記憶管理されるデータ内容について説明する。
図7に示すように、記憶部12には、大きく分けて、コンテンツ関連情報12A、ユーザ関連情報12B、課金関連情報12C、及び実行プログラム12Dが記憶される。
先ず、ユーザ関連情報12Bについて説明することとし、続けて、ユーザ関連情報12B、課金関連情報12Cについて説明していくこととする。
また、実行プログラム12Dは、このコンテンツサーバ1としての動作が得られるように、制御部11を形成するとされるCPUが実行するプログラムとされる。
【0050】
コンテンツ関連情報12Aは、配信すべきコンテンツに関連する情報から成るものとされ、例えば図示するようにして、コンテンツデータ群12A−1、コンテンツデータベース12A−2、フォーマット変換データベース12A−3を有する。
コンテンツデータ群12A−1は、コンテンツサーバ1が配信すべきコンテンツの原コンテンツデータの集合として形成されるデータ群である。原コンテンツデータは、先にも述べたように、ベースデータとしての全種類のフォーマットよりも高品位とされる所定のフォーマットによる、例えば1楽曲分のオーディオデータである。つまり、ベースデータと比較した場合には最高音質による再生出力が行われるオーディオデータである。
【0051】
そして、本実施の形態では、この原コンテンツデータのフォーマットとしては、ΔΣ変調を用いた1ビットデジタルオーディオ信号(DSD:Direct Stream Digital)であることとする。このDSD信号のサンプリング周波数は、例えばCD−DAに記録されるデジタルオーディオ信号のサンプリング周波数fs(fs=44.1KHz)の64倍である2.8224MHzとされ、ΔΣ変調された1ビット量子化のデジタルオーディオ信号である。周波数帯域はDC成分〜100KHzの広範囲であり、可聴周波数帯域を越えた信号再生を可能としている。また、ダイナミックレンジはオーディオ帯域全体で120(dB)を実現できるデータ形式である。この説明からも、例えばCD−DAに記録されるデジタルオーディオ信号を挙げて比較しても、はるかに高品位(高音質)なデータであることが分かる。
【0052】
コンテンツデータベース12A−2は、上記コンテンツデータ群12A−1を成す原コンテンツデータについて構築されたデータベースであり、例えば原コンテンツデータごとに、コンテンツIDや記憶部25における記録位置の情報をはじめとする所要の情報により形成される。原コンテンツデータの検索などは、このコンテンツデータベース12A−2を参照して行われる。
【0053】
フォーマット変換データベース12A−3は、ベースとなるフォーマットと、差分データを用いたアップグレードが可能なフォーマットとの関係を示すテーブル形式のデータである。
このフォーマット変換データベース12A−3の構造は、概念的には、図8に示すものとなる。
【0054】
この図8の各欄においては、本実施の形態におけるコンテンツデータのフォーマットの具体例が示されているので、この点について説明しておく。
先ず、本実施の形態では、図9に示すようにして、コンテンツデータのフォーマットをフォーマット番号により管理することとする。
例えばフォーマット番号0は、192KHz/24bitによるフォーマットであることを示す。ここで、「192KHz/24bit」という表記は、サンプリング周波数が192KHzで、サンプリングビット数(量子化語長)が24ビットであることを示している。
【0055】
以下、図9に示されるフォーマット番号1〜7とフォーマットとの対応は次のようになっている。
フォーマット番号1 : 96KHz/24bit
フォーマット番号2 : 88.2KHz/24bit
フォーマット番号3 : 48KHz/16bit
フォーマット番号4 : 44.1KHz/20bit
フォーマット番号5 : 44.1KHz/16bit
フォーマット番号6 : ATRAC
フォーマット番号7 : 22.05KHz/8bit
ちなみに、ここでのフォーマット番号とフォーマットの対応は、フォーマット番号の昇順に従って、フォーマットが高品位となるように対応付けられている。つまり、フォーマット番号0〜7については、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のフォーマットが最も高品位であり、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]が最も低品位となる。
また、フォーマット番号6のATRAC(Adaptive Transform Acoustic Cording)は、オーディオデータの圧縮方式の1つである。ここでは、フォーマットを示す名称として使用している。
【0056】
説明を図8に戻す。
図8に示すフォーマット変換データベース12A−3は、縦の欄にベースとなるフォーマットをフォーマット番号順に示し、また、横の欄にもアップグレードフォーマットをフォーマット番号順により示したマトリクスとされている。
そして、このマトリクスにおいて、[○]により示されるベースフォーマットとアップグレードフォーマットとの対応が、アップグレード可能(上位互換性有り)な関係にあることを示している。これに対して、[−]により示されるベースフォーマットとアップグレードフォーマットとの対応は、アップグレードができない関係にあることを示している。
例えば、ベースフォーマットがフォーマット番号1[96KHz/24bit]である場合には、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のフォーマットへのみアップグレード可能であることが示されている。
また、ベースフォーマットがフォーマット番号6[ATRAC]である場合には、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]の3つのフォーマットのうちであれば、何れのフォーマットにもアップグレード可能であることが示される。
【0057】
そして本実施の形態では、上記図9に示したアップグレード可能なベースフォーマットとアップグレードフォーマットとの組み合わせ関係に対して、図10に示すようにして、アップグレード種別を割り当てることとする。アップグレード種別は、例えば先に図6により説明したように、アップグレードデータのヘッダにおけるコンテンツグレード識別情報としても用いられる。
例えば図10には、アップグレード種別[1−0]は、ベースフォーマットがフォーマット番号1[96KHz/24bit]で、アップグレードフォーマットがフォーマット番号0[192KHz/24bit]の組み合わせを示すこととしている。
つまり、ここでのアップグレード種別の表記は、ベースフォーマットのフォーマット番号をm、アップグレードフォーマットのフォーマット番号をnとして、[m−n]となるように対応付けて示しているものである。
【0058】
なお、先に図9に示したフォーマット番号0〜7の8種類のフォーマットは、あくまでも一例であって、コンテンツサーバ1が配信可能なベースデータのフォーマットは、適宜変更されて構わないものである。また、フォーマット番号0〜7の8種類のフォーマット以外にも、さらに多くの種類のフォーマットのベースデータを生成して配信可能に構成されて構わない。
また、これに伴って、図10に示したアップグレード種別も変更されてよい。また、ベースデータのフォーマットが多くなるのに応じて、アップグレード種別も増加するものである。
【0059】
3−3.ユーザ関連情報
続いては、記憶部12に記憶される情報として、ユーザ関連情報12Bについて説明する。
ユーザ関連情報12Bは、本実施の形態のコンテンツ配信システムを利用するユーザに関連する情報とされ、ここでは、図7に示すようにして、利用履歴情報12B−1とユーザデータベース12B−2から成るものとしている。
ここで、また、記憶部12において、利用履歴情報12B−1の記憶に関連する記憶領域としては、図示するように、仮記憶領域Ar1と、主記憶領域Ar2とが割り当てられる。
仮記憶領域Ar1は、後述するようにして、個人端末装置2からのダウンロード要求に応じてコンテンツ配信のための処理を実行しているときに、この今回のダウンロード要求のみに関しての仮の利用履歴情報が作成されて一時的に保持される領域である。
主記憶領域Ar2には、上記したコンテンツ配信のため処理が完了した時点に対応して、上記仮記憶領域Ar1に保持されていた仮の利用履歴情報に基づいて作成された本登録用の利用履歴情報が追加されるようにして書き込まれ、記憶される。この結果、主記憶領域Ar2においては、これまでにコンテンツ配信システムを利用したユーザごとの利用履歴情報が記憶保持されることになる。
【0060】
ユーザ一人あたりについての主記憶領域Ar2に記憶される利用履歴情報は、例えば図11に示す構造を有する。
この図に示すように、利用履歴情報には、先ず、そのユーザがこれまでにダウンロードしたとされるコンテンツデータを示すコンテンツIDのリストが保持される。このコンテンツIDごとに、1つのベースフォーマットと、1以上のアップグレードフォーマットを示す情報が対応付けられて保持される。
この利用履歴情報におけるベースフォーマットは、最初(1回目)の新規ダウンロード時にダウンロードされたベースデータのフォーマットを示す情報であり、例えば図9により説明したフォーマット番号を示す所要の値を格納するようにされる。
また、アップグレードフォーマットは、そのコンテンツについての2回目以降のダウンロードによりダウンロードされた、アップグレードデータのフォーマットを示す情報である。例えばこのアップグレードフォーマットの情報としては、図10に示したアップグレード種別を示す所要の値を格納するようにされる。
【0061】
また、同じユーザ関連情報12Bに属するユーザデータベース12B−2は、例えば図12に示す構造を有する。
この図に示すようにして、ユーザデータベース12B−2は、ユーザIDごとに、パスワード、履歴情報ポインタ、最高利用ジャンル、月別利用料金などの情報を対応付けて形成される。
ユーザIDは、ユーザごとに固有となるようにしてコンテンツサーバ1側で割り当てた識別情報であり、このユーザIDによりユーザを特定することができる。
また、パスワードは、例えばユーザが任意に設定して、個人端末装置2から送信したことで得られる情報であり、例えば認証処理に用いられる。
履歴情報ポインタは、主記憶領域Ar2に記憶されている利用履歴情報のうちで、対応するユーザIDが示すユーザの利用履歴情報の記憶位置を示すポインタの情報とされる。つまり、或るユーザの利用履歴情報を参照する必要のある場合には、先ず、ユーザデータベース12B−2を参照して、そのユーザのユーザIDに対応付けられている履歴情報ポインタを認識する。続いて、主記憶領域Ar2から、この履歴情報ポインタが示す位置にアクセスして、利用履歴情報を読み出して取得するようにされる。
最高利用ジャンルは、このユーザIDに対応するユーザのこれまでのダウンロード履歴として、最も利用頻度の高いコンテンツのジャンルを示す情報が示される。
また、月別利用料金は、このユーザIDに対応するユーザがコンテンツデータをダウンロードしたことに応じて支払うべき料金として、月ごとにより管理された料金の情報が示される。ここで、月ごとに利用料金を管理するようにしているのは、実際の課金処理として、決済が月ごとに行われることに依る。
【0062】
3−4.課金関連情報
続いては、記憶部12に記憶される情報として、課金関連情報12Cについて説明する。
課金関連情報は、コンテンツ配信に伴う課金処理に必要とされる情報とされ、ここでは、料金情報12C−1及び料金データベース12C−2を含むものとされる。
料金情報12C−1は、例えば図13に示すようにして、コンテンツIDに対応させて、各フォーマットの利用料金の情報が示されるものとなる。そして、本実施の形態としては、コンテンツごとに対応付けて、例えば、少なくとも、図9に示したベースデータのフォーマットごとの料金の情報を格納するようにされる。
【0063】
また、アップグレードデータの料金の情報については、次のようにして得るようにすることが考えられる。
1つには、コンテンツIDごとに対応させて、ベースデータの料金だけではなく、アップグレードデータの料金もアップグレード種別ごとに料金情報12C−1に格納するようにする。この場合には、料金情報12C−1を参照すれば、各アップグレード種別ごとのアップグレードデータの料金が認識できることになる。
また、1つには、料金情報12C−1に対しては、アップグレードデータの料金を格納せずに、ベースデータのフォーマットごとの料金のみを格納することとする。
そのうえで、アップグレードデータの料金の情報が必要となったときは、実際に過去に配信したベースデータのフォーマットに対応する料金と、アップグレード後のフォーマットに対応する料金とを料金情報12C−1から取得する。そして、これらの1つの料金情報を利用して、所定の規則に従った演算処理を実行することで、アップグレードデータそのものの料金を求めるようにすることも考えられる。
料金データベース12C−2は、上記料金情報12C−1に対応して構築されるデータベースである。例えば料金情報12C−1から必要な情報を取得する必要のある場合には、この料金データベース12C−2を利用するようにされる。
【0064】
3−5.ベースデータ生成部
続いては、コンテンツサーバ1において、ベースデータを生成するために設けられる、ベースデータ生成部13の回路構成例について、図14を参照して説明する。なお、図14においては、説明を簡単なものとするために、ベースデータ生成部13が生成するベースデータとして、図9に示したフォーマット番号0〜7までの8種類のフォーマットに限定した構成を示している。
【0065】
図14に示すベースデータ生成部13において、ベースデータの生成元である原コンテンツデータとしてのオーディオデータは、入力端子41に対して供給される。この原コンテンツデータとしてのオーディオデータは、図7により説明したように、DSD(Direct Stream Digital)信号といわれるものであり、CD−DAのデジタルオーディオ信号のサンプリング周波数fs=44.1KHzとすると、64fs=2.8224MHzのサンプリング周波数を有する、ΔΣ変調による1ビットのデジタルオーディオ信号とされる。
入力端子41に入力されたDSD信号は、図示するようにして、分岐して所要の回路ブロックに入力される。
【0066】
先ず、分岐されたDSD信号の1つは、インターポレーション回路42に入力される。インターポレーション回路42は、オーバーサンプリングの前処理としての補間処理(インターポレーション)を施して、オーバーサンプリングフィルタ(OFS:Over Sampling Filter)43に出力する。
オーバーサンプリングフィルタ43では、入力信号に対して、10倍のオーバーサンプリング処理を行ってダウンサンプリングフィルタ(DSF:Down Sampling Filter)44に出力する。
【0067】
ダウンサンプリングフィルタ44は、入力された信号に対して1/147倍のダウンサンプリング処理を実行し、デシメーション回路45に出力する。デシメーション回路45では、入力信号に対してダウンサンプリング処理の後処理である間引き処理(デシメーション)を行ってビット制限(語長制限)回路46に出力する。
ビット制限回路46では、これまでの処理によって得られた信号のサンプリングビット数を24bitに制限する。
そして、このビット制限回路46から出力される信号は、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のフォーマットによるオーディオデータとなっている。つまり、インターポレーション回路42〜ビット制限回路46から成る信号処理系によって、DSD信号は192KHz/24bitのオーディオデータに変換される。
【0068】
また、[インターポレーション回路47→オーバーサンプリングフィルタ48(5倍)→ダウンサンプリングフィルタ49(1/147倍)→デシメーション回路50→ビット制限回路(24bit)51]の信号処理系に入力されたDSD信号は、フォーマット番号1[94KHz/24bit]のオーディオデータに変換される。
【0069】
また、[ダウンサンプリングフィルタ52(1/32倍)→デシメーション回路53→ビット制限回路(24bit)54]の信号処理系に入力されたDSD信号は、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータに変換される。
【0070】
[インターポレーション回路55→オーバーサンプリングフィルタ56(5倍)→ダウンサンプリングフィルタ57(1/294倍)→デシメーション回路58→ビット制限回路(16bit)59]の信号処理系に入力されたDSD信号は、フォーマット番号3[48KHz/16bit]のオーディオデータに変換される。
【0071】
また、[ダウンサンプリングフィルタ60(1/64倍)→デシメーション回路61]の系によりダウンサンプリングされたDSD信号は、分岐してビット制限回路(20bit)62、ビット制限回路(16bit)63、及びATRACエンコーダ64に入力される。
ビット制限回路(20bit)62から出力される信号は、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のフォーマットによるオーディオデータとなる。また、ビット制限回路(16bit)63の出力は、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータとなる。
また、ATRACエンコーダ64では、入力された信号(オーディオデータ)について、ATRAC方式にしたがったオーディオデータ圧縮処理を施す。これにより、ATRACエンコーダ64から出力される信号は、フォーマット番号6[ATRAC]のオーディオデータとなる。つまり、ATRAC方式による圧縮オーディオデータとなる。
【0072】
また、[ダウンサンプリングフィルタ65(1/128倍)→デシメーション回路66→ビット制限回路(8bit)67]の信号処理系に入力されたDSD信号は、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータに変換される。
【0073】
そして、上記のようにして各信号処理系を経由して生成された、フォーマット番号0〜7としての各オーディオデータは、セレクタ68に対して入力される。ここで、セレクタ68に対しては、フォーマット番号n(ここではn=0〜7の整数となる)を示すセレクト信号が入力される。そして、セレクタ68は、上記のようにして入力されるフォーマット番号0〜7のオーディオデータのうちから、このセレクト信号が示すフォーマット番号に一致するとされるオーディオデータを選択して出力する。例えばフォーマット番号n=5を示すセレクト信号が入力されたのであれば、セレクタ68は、ビット制限回路(16bit)63から入力された、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータを出力することになる。
【0074】
上記のようにしてセレクタ68から出力されるオーディオデータが、ベースデータに相当する。
セレクタ68から出力されたオーディオデータは、制御部11の制御によって、所要の内容のヘッダが付加されることで、図5に示したベースデータの構造を有することになる。そして、このベースデータを、ベースデータ生成部13からシステムバス17を経由して暗号化処理部15に転送し、ここで暗号化を施すようにされる。そして、このようにして暗号化を施したベースデータを、インターフェイス部16からネットワーク3を経由して、コンテンツの要求元である特定の個人端末装置2に対して送信することができる。
また、コンテンツデータとして、アップグレードデータを送信する場合には、先ず、アップグレードデータの生成に必要とされる、所要のフォーマットの2つのベースデータを生成し、アップグレードデータ生成部14に対して出力するようにされる。
【0075】
3−6.アップグレードデータ生成部
続いては、図15を参照して、アップグレードデータ生成部14の回路構成について説明する。なお、この図において、○内に示す0〜7の数値は、入力されるオーディオデータのフォーマット番号を示す。このようにして入力されるオーディオデータは、上述もしているように、ベースデータ生成部13によりDSD信号を元に生成されるものである。
また、フォーマット番号0〜7の7種類のベースデータに対応して形成されるべきアップグレードデータとしては、図10にアップグレード種別として示したようにして、アップグレード種別[1−0]〜[7−6]までの13種となる。図15に示すアップグレードデータ生成部14は、これら13種のアップグレード種別に対応するアップグレードデータを生成する構成となっている。
【0076】
先ず、アップグレード種別[1−0]のアップグレードデータは、次のようにして生成する。図10からも分かるように、アップグレード種別[1−0]のアップグレードデータは、フォーマット番号1[96KHz/24bit]のオーディオデータと、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータとの差分データとなる。
そこで、アップグレード種別[1−0]のアップグレードデータを生成するのにあたっては、先ず、ベースデータ生成部13により、フォーマット番号1[96KHz/24bit]のオーディオデータと、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータを生成させ、これらの生成されたオーディオデータを利用することになる。
【0077】
そして、フォーマット番号1[96KHz/24bit]のオーディオデータは、図15に示すインターポレーション回路71→オーバーサンプリングフィルタ72(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理を施す。これにより、オーバーサンプリングフィルタ72から出力される信号のサンプリング周波数としては、192KHzとなり、フォーマット番号0のオーディオデータと同等となる。この信号は、減算器74に対して入力される。
また、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータは、先ず、バッファ73において一時蓄積されたうえで、減算器74に入力される。このバッファ73は、次に説明する減算器74により減算処理を行うのにあたり、減算される2つの信号の時間差を吸収して、その入力タイミングを同期させるために設けられる。後述するバッファ81,85,86,95,103,107,109,115,117,121,129についても同様のことを目的として備えられる。
【0078】
減算器74では、バッファ73から入力される信号(フォーマット番号0のオーディオデータ)について、オーバーサンプリングフィルタ72から入力される信号(フォーマット番号1のオーディオデータ)により減算する。これにより、実質的に、フォーマット番号1のデータに対するフォーマット番号0のデータの差分としての情報が得られる。
【0079】
減算器74の出力は、ダウンサンプリングフィルタ75(1/2倍)→デシメーション回路76により1/2倍のダウンサンプリング処理が施される。このダウンサンプリング処理により得られた信号が、アップグレード種別[1−0]に対応する、フォーマット番号1のデータに対するフォーマット番号0のデータの差分データとなる。つまり、アップグレードデータの実体である。このアップグレード種別[1−0]のアップグレードデータは、セレクタ128の入力端子0に対して入力される。
【0080】
また、アップグレード種別[3−0]のアップグレードデータは、フォーマット番号3[48KHz/16bit]のオーディオデータと、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータの差分データであり、これらのデータを元に次のようにして生成する。
先ず、フォーマット番号3[48KHz/16bit]のオーディオデータは、インターポレーション回路77→オーバーサンプリングフィルタ78(2倍)→インターポレーション回路79(2倍)→オーバーサンプリングフィルタ80(2倍)の信号処理系により2段階による2倍のオーバーサンプリング処理が施されて、フォーマット番号0[192KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数の信号に変換されたうえで、減算器82に入力される。
また、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ81により一時保持されたうえで、減算器82に入力される。
【0081】
減算器82では、オーバーサンプリングフィルタ80から入力された信号(フォーマット番号3)について、バッファ81から入力された信号(フォーマット番号0)により減算する。これにより、アップグレード種別[3−0]のアップグレードデータ(差分データ)が得られる。このアップグレードデータはセレクタ128の入力端子1に入力される。
【0082】
また、アップグレード種別[3−1]のアップグレードデータは、次のようにして形成する。
フォーマット番号3[48KHz/16bit]のオーディオデータは、インターポレーション回路77→オーバーサンプリングフィルタ78(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理が施されて、フォーマット番号1[96KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数の信号に変換されたうえで、減算器87に入力される。
また、フォーマット番号1[96KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ85から減算器87に入力される。減算器87により減算処理が行われることで、フォーマット番号3のデータに対するフォーマット番号1のデータの差分の情報が得られる。そして、この減算器87の出力は、ダウンサンプリングフィルタ89(1/2倍)→デシメーション回路90により1/2倍のダウンサンプリング処理が施される。これにより得られたデータが、アップグレード種別[3−1]に対応するアップグレードデータ(差分データ)となる。このアップグレードデータはセレクタ128の入力端子2に入力される。
【0083】
また、アップグレード種別[4−2]のアップグレードデータを生成するには、先ず、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のオーディオデータについて、インターポレーション回路83→オーバーサンプリングフィルタ84(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理を施して、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数の信号に変換し、減算器88に出力する。
また、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータをバッファ86に一時蓄積させたうえで、減算器88に入力する。減算器88の減算処理によって、フォーマット番号4のデータに対するフォーマット番号2のデータの差分が得られる。
この減算器88の出力は、ダウンサンプリングフィルタ91(1/2倍)→デシメーション回路92により1/2倍のダウンサンプリング処理が施され、アップグレード種別[4−2]に対応するアップグレードデータ(差分データ)が得られる。このアップグレードデータはセレクタ128の入力端子3に入力される。
【0084】
また、アップグレード種別[5−2]のアップグレードデータを生成するには、先ず、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータについて、インターポレーション回路93→オーバーサンプリングフィルタ94(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理を施して、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数の信号に変換し、減算器96に入力する。
また、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ95に一時蓄積させたうえで減算器96に入力する。
そして、減算器96により減算して得た信号を、ダウンサンプリングフィルタ97(1/2倍)→デシメーション回路98により1/2倍のダウンサンプリング処理を施して、アップグレード種別[5−2]のアップグレードデータ(差分データ)を得て、セレクタ128の入力端子4に入力する。
【0085】
また、アップグレード種別[5−4]のアップグレードデータを生成する場合は、次のようになる。
フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータと、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のオーディオデータは、同等のサンプリング周波数を有する。そこで、この場合には、フォーマット番号5のデータとフォーマット番号4のデータについて、減算器99により減算するようにしている。そして、この減算器99の出力が、アップグレード種別[5−4]のアップグレードデータ(差分データ)となり、セレクタ128の入力端子5に入力される。
【0086】
また、アップグレード種別[6−2]のアップグレードデータは次のようにして生成する。
先ず、フォーマット番号6[ATRAC]のオーディオデータは、ATRAC方式による圧縮オーディオデータである。そこで、フォーマット番号6[ATRAC]のオーディオデータをATRACデコーダ100に入力してデコード処理を行う。この場合、ATRACデコーダ100によってデコードして得られる信号は、サンプリング周波数44.1KHzのオーディオデータとなる。
ATRACデコーダ100によりデコードして得られた信号は、さらに、インターポレーション回路101→オーバーサンプリングフィルタ102(2倍)により2倍のオーバーサンプリングが施されて、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数による信号とされて、減算器104に入力される。
フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ103にて一時保持された上で、減算器104に入力される。
減算器104により減算を行って得られた信号は、ダウンサンプリングフィルタ105(1/2倍)→デシメーション回路106により1/2倍のダウンサンプリング処理が施され、アップグレード種別[6−2]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子6に入力される。
【0087】
また、アップグレード種別[6−4]のアップグレードデータを生成するのには、ATRACデコーダ100によりフォーマット番号6[ATRAC]のデータをデコードし、このデコードして得た信号を、減算器108に入力するようにされる。また、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のデータを、バッファ107により一時蓄積させた上で、減算器108に入力する。
そして、減算器108により減算を行って得られた出力を、アップグレード種別[6−4]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子7に対して入力する。
【0088】
また、アップグレード種別[6−5]のアップグレードデータを生成する場合にも、ATRACデコーダ100によりフォーマット番号6[ATRAC]のデータをデコードして得た信号を、減算器110に入力する。また、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のデータを、バッファ109により一時蓄積させた上で、減算器110に入力する。
そして、減算器110により減算を行って得られた出力を、アップグレード種別[6−5]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子8に対して入力する。
【0089】
また、アップグレード種別[7−2]のアップグレードデータを生成する場合には、次のようになる。
この場合には、先ず、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータを、インターポレーション回路111→オーバーサンプリングフィルタ112(2倍)→インターポレーション回路113→オーバーサンプリングフィルタ114(2倍)による信号処理系に入力する。これにより、オーバーサンプリングフィルタ114から出力される信号は、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数となる。そして、このオーバーサンプリングフィルタ114から出力される信号を、減算器116に入力する。
フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ115により一時保持させたうえで、減算器116に入力する。
そして、減算器116による減算出力を、アップグレード種別[7−2]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子9に対して入力する。
【0090】
また、アップグレード種別[7−4]のアップグレードデータを生成する場合には、先ず、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータを、インターポレーション回路111→オーバーサンプリングフィルタ112(2倍)の信号処理系によって、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]と同等のサンプリング周波数による信号に変換し、減算器118に入力する。
フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のオーディオデータは、バッファ117により一時保持させたうえで、減算器118に入力する。
減算器104により減算した信号を、ダウンサンプリングフィルタ119(1/2倍)→デシメーション回路120により1/2倍のダウンサンプリング処理を施す。そして、このデシメーション回路120の出力を、アップグレード種別[7−4]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子10に入力する。
【0091】
アップグレード種別[7−5]のアップグレードデータを生成するのにあたっても、先ず、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータを、インターポレーション回路111→オーバーサンプリングフィルタ112(2倍)の信号処理系によって、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]と同等のサンプリング周波数による信号に変換する。そして、この信号を減算器122に入力する。
フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータは、バッファ121により一時保持させたうえで、減算器122入力する。
減算器122により減算した信号を、ダウンサンプリングフィルタ123(1/2倍)→デシメーション回路124により1/2倍のダウンサンプリング処理を施す。そして、このデシメーション回路124の出力を、アップグレード種別[7−5]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子11に入力する。
【0092】
アップグレード種別[7−6]のアップグレードデータを生成するのにあたっては、先ず、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータを、インターポレーション回路111→オーバーサンプリングフィルタ112(2倍)の信号処理系によって、ATRACデコード処理後のオーディオデータと同等のサンプリング周波数44.1KHzの信号に変換する。そして、この場合には、このオーバーサンプリングフィルタ112の出力を、バッファ129に入力して一時保持させ、減算器126に入力する。
フォーマット番号6[ATRAC]のオーディオデータは、この場合にも、ATRACデコーダ125によって、デコード処理される。そして、このデコード処理によって得られたオーディオデータを、減算器126に入力する。
減算器127により得られた差分の情報信号は、非圧縮のオーディオデータ成分となるが、アップグレード種別[7−6]のアップグレードデータは、ATRACデータにアップグレードするためのデータであるから、このアップグレードデータとしては、ATRAC方式によるフォーマットとする必要がある。
そこで、この場合には、減算器126から出力した信号を、ATRACエンコーダ127によって、ATRAC方式による圧縮オーディオデータとしてのフォーマットに変換するようにしている。そして、このATRACエンコーダ127の出力を、アップグレード種別[7−6]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子12に対して入力する。
【0093】
セレクタ128には、上記のようにして、入力端子0〜12に対してアップグレードデータが入力される。
そして、セレクタ128では、入力端子0〜12に入力されたアップグレードデータのうちから、アップグレード種別を示すアップグレード種別情報に基づいて生成されるセレクト信号に応じてアップグレードデータを選択して出力するようにされる。
セレクタ128から出力されたアップグレードデータも、制御部11の制御によってヘッダが付加された上で暗号化処理部15に転送され、暗号化が施される。そして、この暗号化を施したアップグレードデータを、インターフェイス部16からネットワーク3を経由して、コンテンツの要求元である特定の個人端末装置2に対して送信するようにされる。
【0094】
なお、上記図14及び図15に示したベースデータ生成部13及びアップグレードデータ生成部14の回路構成としては、各図に示したものに限定されるものではない。例えば、各種のベースデータ、アップグレードデータを生成するのにあたり、同じ機能の回路部が用いられている場合も多いことから、これらの回路部を共通に使用できるような回路構成とすることが考えられる。このようにすれば、ベースデータ生成部13、アップグレードデータ生成部14としての回路規模が縮小されるから、小型化及び低コスト化などの点で有利となる。
また、上記ベースデータ生成部13及びアップグレードデータ生成部14としての信号処理を、例えば制御部11が実行するソフトウェア処理によって行う構成とすることも考えられる。
【0095】
4.コンテンツ配信のための実行処理
続いては、コンテンツサーバ1と個人端末装置2が、本実施の形態のコンテンツ配信に応じて実行すべき処理動作について、図16及び図17の処理遷移図(アローチャート)を参照して説明する。なお、これらの図に示す処理は、コンテンツサーバ1側では、制御部11を形成するCPUが、記憶部12に記憶される実行プログラム12D(図7参照)に従って実行する。また、個人端末装置2の処理は、記憶部25又はROM22に記憶されるプログラムに従って、CPU21が実行するものとされる。
【0096】
先ず、個人端末装置2のユーザが、コンテンツデータのダウンロードを開始するためのログイン操作を行ったとする。これに応じて、個人端末装置2では、ステップS101の処理としてコンテンツサーバ1に対して、接続要求を送信する。
コンテンツサーバ1では、ステップS201の処理により上記接続要求を受信すると、ステップS202の処理によって、この接続要求を行った個人端末装置2に対して、ユーザ認証情報の送信を要求するためのユーザ認証情報要求を送信する。
【0097】
上記ユーザ認証情報要求は、個人端末装置2におけるステップS102の処理として受信される。そして、個人端末装置2は、ユーザ認証情報要求に応じて、ユーザ認証情報を送信する。ここでのユーザ認証情報とは、ユーザIDと、パスワードとなる。
本実施の形態のコンテンツ配信システムでは、個人端末装置2を所有するユーザは、コンテンツサーバ1(配信側)に対して予めユーザ登録を行うようにされる。上記ユーザIDは、このユーザ登録時において、コンテンツデータ1側(配信側)で、ユーザごとに固有となるようにして、ユーザに割り当てて付与する識別情報である。ユーザは、このユーザIDを個人端末装置2に記憶させておくようにされる。また、パスワードは、同じく、ユーザ登録時において、ユーザが任意に設定してコンテンツサーバ1に対して登録するものである。また、コンテンツサーバ1側では、このようにしてユーザ登録時に得られるユーザIDとパスワードを、図12に示したユーザデータベース12B−2におけるユーザごとの情報項目の一部として記憶するようにされる。
そして、上記ステップS102によりユーザ認証情報を送信するのにあたっては、個人端末装置2では、記憶部25に保存してあるユーザIDを読み出すようにされる。また、パスワードについては、ユーザが入力デバイス30を操作して入力するようにされる。
【0098】
コンテンツサーバ1では、ステップS203の処理としてユーザ認証情報を受信すると、ステップS204のユーザ認証処理を実行する。
このステップS204のユーザ認証処理としては、先ず、記憶部12に記憶されているユーザデータベース12B−2から、今回受信したユーザ認証情報におけるユーザIDと一致するユーザIDを検索する。そして、検索したユーザIDに対応付けられているパスワードと、今回受信したユーザ認証情報としてのパスワードが一致しているか否かについての判別を行う。
ここで、パスワードが一致するとの判別結果が得られれば、ユーザ認証が成立したとして、ステップS205以降の処理を実行することになる。これに対して、ステップS203により受信したユーザ認証情報としてのユーザIDが、ユーザデータベース12B−2に登録されていないために、検索結果が得られない、若しくは、ユーザIDが検索されたとしても、パスワードが一致しないとの判別結果が得られた場合には、ユーザ認証が不成立となる。ユーザ認証が不成立である場合には、ステップS205以降のコンテンツデータ配信のための処理は実行しないことになる。また、この図には示していないが、個人端末装置2に対しては、認証が不成立であったことを通知するようにされる。
【0099】
また、ユーザ認証が成立した場合、コンテンツサーバ1は、ステップS205の処理によって、コンテンツデータダウンロードのためのメニュー画面として、第1メニュー画面の表示を要求するための要求情報を送信する。
【0100】
個人端末装置2では、ステップS104の処理により第1メニュー画面表示のための要求情報を受信すると、ステップS105により表示部29に対して第1メニュー画面を表示させるための表示制御を実行する。第1メニュー画面は、今回のコンテンツデータのダウンロードについて、新規なコンテンツのダウンロードである新規ダウンロードであるのか、または、既に取得しているベースデータとしてのコンテンツをアップグレードするためのアップグレードダウンロードであるのかの選択を行うためのGUI画面である。
そして、次のステップS106においては、ユーザの入力デバイス30を使用した上記第1メニュー画面へのGUI操作に応じて、新規ダウンロード又はアップグレードダウンローであることを選択設定するようにされる。
そして、例えばユーザによる選択決定操作に応じて、個人端末装置2は、ステップS107の処理として、新規ダウンロードであることの通知情報、又はアップグレードダウンロードであることの通知情報を送信するようにされる。
【0101】
上記新規ダウンロードであることの通知情報、又はアップグレードダウンロードであることの通知情報は、コンテンツサーバ1において、ステップS206の処理として受信される。なお、ここでは図示していないが、ステップS206により受信した新規ダウンロードの通知情報、又はアップグレードダウンロードの通知情報は、制御部11内のRAMに一時保持しておくようにされる。
そして、コンテンツサーバ1では、次のステップS207により、第2メニュー画面の表示を要求する要求情報を送信する。
【0102】
個人端末装置2は、ステップS108により第2メニュー画面表示のための要求を受信すると、これに応じた処理として、ステップS109により、第2メニュー画面を表示部29に対して表示させるための制御処理を実行する。
第2メニュー画面は、ダウンロードすべきコンテンツを選択するためのメニューが提示されるGUI画面である。そして、ステップS110の処理によっては、この第2メニュー画面に対するユーザの操作に応じて、コンテンツの選択設定が行われる。そして、例えばユーザによる選択決定操作に応じて、ステップS111の処理によって選択したコンテンツを通知するための通知情報を送信する。このコンテンツの通知情報は、コンテンツIDを送信することによって行われる。コンテンツIDは、配信側でコンテンツごとに固有となるようにしてコンテンツに対して付与した識別子である。そして、個人端末装置2において、第2メニュー画面上でコンテンツが選択することに応じては、実際にはコンテンツIDが選択されることになるものである。
【0103】
コンテンツサーバ1では、上記コンテンツの通知情報をステップS208の処理として受信すると、例えば、コンテンツの通知情報としてのコンテンツIDを、例えば制御部11内部のRAMに保持しておくようにされる。そして、さらに続くステップS209の処理によって、第3メニュー画面の表示を要求するための要求情報を送信する。
【0104】
個人端末装置2は、ステップS112の処理として第3メニュー画面表示のための要求情報を受信したのに応じて、ステップS113の処理によって、第3メニュー画面を表示部29に表示させるための制御処理を実行する。
第3メニュー画面は、ダウンロードするコンテンツのフォーマットを選択するためのGUI画面である。そして、ステップS113の処理によっては、ユーザによる操作に応じて、フォーマットの選択指定が行われる。
なお、このフォーマットの選択指定にあたり、先のステップS106の処理によって、新規ダウンロードを選択した場合には、ベースデータとしてのフォーマットを選択指定することになる。これに対して、ステップS106の処理によってアップグレードダウンロードを選択した場合には、アップグレードデータとベースデータを合成再生した結果として得られるフォーマットとなる。つまり、アップグレードフォーマット(図8参照)を選択指定することになる。
そして、ステップS113によりフォーマットの選択指定が行われたうえで、決定操作が行われたとすると、ステップS114により、この最終的に選択指定されたフォーマットの通知情報を送信する。
【0105】
コンテンツサーバ1では、ステップS210により上記のようにしてフォーマットの通知情報を受信して、例えば制御部11内のRAMに保持する。
これまでの処理によって、コンテンツサーバ1の制御部11内のRAMには、今回のコンテンツデータのダウンロードに関する情報として、新規ダウンロード/アップグレードダウンロードの区別を示す情報(新規/アップグレード情報)と、ダウンロードすべきコンテンツを示すコンテンツID、及びダウンロードすべきコンテンツのフォーマットを示すフォーマット情報とが保持されることになる。
コンテンツサーバ1では、ステップS211により、上記新規/アップグレード情報、コンテンツID、及びフォーマット情報を、例えばユーザIDに対応させて、記憶部25の仮記憶領域Ar1に対して、仮の利用履歴情報として書き込んで記憶させる。
【0106】
続いて、コンテンツサーバ1は、図17のステップS212の処理を実行する。ステップS212では、上記ステップS211の処理によって仮記憶領域Ar1に記憶された仮の利用履歴情報に基づいて、配信のためのコンテンツデータを生成する。
ここで、仮記憶領域Ar1に記憶された新規/アップグレード情報が、新規ダウンロードを指定している場合には、ステップS212により生成される配信用コンテンツデータとしては、ベースデータとなる。
このためには、先ず、制御部11は、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDを有する原コンテンツデータを、記憶部25から検索する。つまり、制御部11は、コンテンツ関連情報12Aの1つであるコンテンツデータベース12A−2を利用して、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDが示す原コンテンツデータをコンテンツデータ群12A−1から検索する。
そして、制御部11は、この検索された原コンテンツデータをベースデータ生成部13に対して入力すると共に、ベースデータ生成部13に対して、仮記憶領域Ar1に記憶されたフォーマット情報を示すフォーマット番号に対応するセレクト信号を出力する。
これにより、ベースデータ生成部13によっては、仮記憶領域Ar1に記憶されたフォーマット情報に対応するフォーマット番号のベースデータが生成されることになる。このようにして生成されたベースデータが、今回の配信用コンテンツデータとなる。
【0107】
これに対して、仮記憶領域Ar1に記憶された新規/アップグレード情報が、アップグレードダウンロードを指定している場合には、ステップS212により生成されるべきデータは、アップグレードデータとなる。
この場合には、制御部11は、先ず、今回アップグレード要求を行ったとされるユーザのユーザIDを利用して、ユーザデータベース12B−2にアクセスする。そして、ユーザデータベース12B−2から、このユーザIDと対応付けられた履歴情報ポインタ(図12参照)を認識し、この履歴情報ポインタが示す主記憶領域Ar2内の利用履歴情報における情報内容(図11参照)を参照するようにされる。
図12によっても説明したように、ユーザごとの利用履歴情報12B−1には、これまでに、そのユーザがダウンロードしたベースデータ、アップグレードデータのフォーマットが、コンテンツIDに対応付けられるようにして示されている。
そして、制御部11は、利用履歴情報12B−1において、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDと一致するコンテンツIDと対応付けられている、コンテンツデータについての情報を認識する。この場合には、アップグレードダウンロードであるから、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDが示すコンテンツデータについての情報としては、既にダウンロードされているベースデータのフォーマット(ベースフォーマット)が何であるのかを認識できることとなる。つまり、今回ダウンロードの要求が行われたコンテンツとして、個人端末装置2側に既に配信したベースデータのフォーマットを認識する。
【0108】
制御部11は、上記のようにして、認識した配信済みのベースデータのフォーマット(ベースフォーマット)の情報と、今回要求されたアップグレードフォーマットの情報(仮記憶領域Ar1に記憶されたフォーマット情報)とを取得していることになる。
そして、制御部11は、先ず、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDと一致する原コンテンツデータを検索して、ベースデータ生成部13に入力させる。そして、ベースデータ生成部13により、入力された原コンテンツデータに基づいて、上記のようにして取得した、ベースフォーマットのフォーマット番号となるオーディオデータと、アップグレードフォーマットのフォーマット番号となるオーディオデータとの2つのオーディオデータを生成させる。これら2つのコンテンツデータは、同じコンテンツであるが、フォーマットは互いに異なるものとなる。
そして、この場合には、生成されたこれら2つのオーディオデータを、アップグレードデータ生成部14に対して入力する。
【0109】
アップグレードデータ生成部14では、制御部11の制御に応じて、上記のようにして入力された2つのオーディオデータの差分データを生成する。このようにして生成された差分データは、既にダウンロードされたベースデータのフォーマットと、今回のダウンロード要求により指定されたアップグレードフォーマットとの差分に対応する差分データ、つまりアップグレードデータとされる。そして、この場合には、上記のようにして生成されたアップグレードデータが配信用コンテンツデータとなるものである。
【0110】
これまでの説明のようにして、ステップS212においては、仮記憶領域Ar1に記憶された情報に応じて、指定されたコンテンツIDが示すコンテンツ内容に対応し、また、指定されたフォーマットに対応するベースデータ又はアップグレードデータが配信用コンテンツデータとして生成される。
コンテンツサーバ1では、次のステップS213の処理によって、上記のようにして生成された配信用コンテンツデータについて、暗号化処理部15によって暗号化処理を実行させる。そして、暗号化が施された配信用コンテンツデータを、ステップS214の処理によって、要求元の個人端末装置2に対して送信する。
【0111】
個人端末装2では、ステップS115の処理として、送信されてきた配信用コンテンツデータを受信すると、例えばステップS116としての処理によって、受信した配信用コンテンツデータについて暗号解読を行う。このためには、受信した配信用コンテンツデータを暗号解読処理部14に対して転送し、この暗号解読処理部14により暗号解読処理を実行させる。そして、暗号が解読されて平文化された配信用コンテンツデータを、記憶部25に転送してコンテンツデータの1つとして記憶する。
個人端末装置2において、例えば上記ステップS116による、受信したコンテンツデータの暗号解読処理、及び記憶部25への保存が完了したとされると、今回のダウンロードは成功し、適正に終了したということになる。
そこで、個人端末装置2は、ステップS116の処理が正常に終了した場合においては、ステップS117の処理によって、コンテンツサーバ1に対して完了通知を送信する。
【0112】
コンテンツサーバ1では、ステップS215の処理によって上記完了通知を受信する。この完了通知の受信によっては、今回送信したコンテンツデータが個人端末装置2側でダウンロードが正常に終了したことをコンテンツサーバ1側が認識できることになる。そこで、コンテンツサーバ1側としては、以降のダウンロード、及び課金処理などのために、今回のダウンロード内容が反映されるように、利用履歴情報及びユーザデータベースの内容を更新しておく必要があることになる。
【0113】
そこで、先ずステップS216においては、先のステップS211の処理によって仮記憶領域Ar1に保持されている情報に基づいて、主記憶領域Ar2に記憶される利用履歴情報12B−1のうちで、今回コンテンツ配信サービスを利用したユーザのユーザIDに対応付けられて記憶されている利用履歴情報12B−1を更新する。
このとき、仮記憶領域Ar1に保持されている情報を参照することによっては、今回配信したコンテンツデータのコンテンツIDが認識される。また、配信したコンテンツデータがベースデータであれば、そのベースフォーマットが認識され、アップグレードデータであれば、アップグレードフォーマットが認識される。
そして、制御部11は、例えば配信したコンテンツデータがベースデータである場合には、認識したコンテンツIDを、利用履歴情報12B−1に対して新規に記録した上で、今回配信したベースデータのフォーマット(ベースフォーマット)を、このコンテンツIDに対応付けて記録する。
また、配信したコンテンツデータがアップグレードデータである場合には、認識したコンテンツIDと一致するコンテンツIDが、既に利用履歴情報12B−1に登録されているから、このコンテンツIDに対応付けて、今回配信したアップグレードデータによりアップグレードされるフォーマット(アップグレードフォーマット)を記録する。
そして、この処理が終了すれば、ステップS211にて仮記憶領域Ar1に記憶させた情報は不要となるから、ステップS217において、仮記憶領域Ar1に記憶された情報を消去するようにされる。
【0114】
そして、次のステップS218においては、ユーザデータベース12B−2において、今回のコンテンツ配信に応じて変更すべき内容について更新するようにされる。
つまり、ユーザデータベース12B−2においては、ユーザIDごとに対応する情報として、利用ジャンル履歴と、月別利用料金の情報が格納されることになっている。
そこで、例えば制御部11は、今回の配信したコンテンツデータのジャンルを、例えば記憶部25に記憶されるコンテンツデータベース12A−2を参照して認識する。そして、この認識結果に応じて利用ジャンル履歴の情報を更新するようにされる。
また、今回配信したコンテンツデータについての料金を、記憶部25に記憶される課金情報12C−1を参照して認識し、この認識した料金に基づいて、月別利用料金の情報も更新するようにされる。そして、ここでは図示していないが、コンテンツサーバ1では、例えばこの月別利用料金の情報を利用して、所要の機会、タイミングで、課金のための処理も実行するようにされる。
【0115】
5.個人端末装置におけるコンテンツデータの信号処理
上記図16及び図17により示した処理が実行される結果、個人端末装置2では、先ず、ベースデータとしてのコンテンツデータをダウンロードして記憶部25に保存することができる。さらには、既にダウンロードしたベースデータと同じコンテンツのアップグレードデータもダウンロードして記憶することができる。
そして、個人端末装置2では、上記のようにしてダウンロードして保存しているコンテンツデータとして、ベースデータについては、単独でオーディオ音声として再生出力することができる。また、ベースデータとアップグレードデータとを合成することで、元のベースデータのフォーマットよりも高い品位のフォーマットによりオーディオ音声として再生出力することができる。
そして、上記したベースデータとアップグレードデータとを合成して、或るアップグレードされたフォーマットのオーディオデータを生成するための信号処理は、コンテンツデータ合成処理部26において実行される。
【0116】
そこで、続いては、コンテンツデータ合成処理部26の回路構成例について、図18を参照して説明する。
図18に示すコンテンツデータ合成処理部26は、大きくは第1信号処理部130と第2信号処理部140とに分けられる。ここでは、第1信号処理部130は、記憶部25から転送されてくるベースデータについて処理を実行する部位とされる。また、第2信号処理部140は、記憶部25から転送されてくるアップグレードデータについて処理を実行する部位とされる。
【0117】
記憶部25から第1信号処理部130に対して転送されるベースデータは、先ず、データ分離部131に対して入力される。記憶部25に記憶されるベースデータは、図5に示したようにして、ヘッダとオーディオデータとから成るが、データ分離部131においては、入力されたベースデータについて、このヘッダとオーディオデータとに分離する。そして、分離して得られたオーディオデータは、セレクタ138の端子0、ATRACデコーダ132、インターポレーション回路133に対して分岐して入力される。
また、ヘッダの情報は、セレクト信号発生回路137に対して入力される。
【0118】
ATRACデコーダ132では、入力されたオーディオデータがATRAC方式により圧縮された圧縮オーディオデータである場合に、ATRAC方式によるデコード処理(伸長処理)を施して、例えばサンプリング周波数44.1KHzのオーディオデータに変換し、セレクタ138の端子1に入力する。
また、インターポレーション回路133に入力されたオーディオデータは、ここで補間処理が行われたうえで、後段のオーバーサンプリングフィルタ134(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理が施される。
このオーバーサンプリングフィルタ134から出力された信号は、セレクタ138の端子2と、インターポレーション回路135に分岐して入力される。
インターポレーション回路135→オーバーサンプリングフィルタ136(2倍)によっては、オーバーサンプリングフィルタ134から出力された信号に対して、さらに2倍のオーバーサンプリング処理を施すことになる。そして、オーバーサンプリングフィルタ136から出力された信号は、セレクタ138の端子3に入力される。
【0119】
セレクト信号発生回路137では、入力されたヘッダにおけるコンテンツグレード識別情報を抽出して、その内容を解析することで、第1信号処理部130に入力されたベースデータのフォーマット(フォーマット番号)を認識する。そして、認識したフォーマットに応じたセレクト信号Sel1をセレクタ138の端子SELに出力する。
【0120】
セレクタ138では、端子SELに入力されたセレクト信号Sel1に応じて、端子0〜3のうちのいずれかを択一的に選択する。そして、選択した端子に入力された信号をバッファ139に対して出力する。バッファ139では、入力された信号を一時保持してか合成器150に出力する。
このバッファ139は、第1信号処理部130から出力される信号について、第2信号処理部140から出力される信号と同期した出力タイミングとするために、時間調整を行うことを目的として設けられる。
【0121】
第2信号処理部140は、データ分離部141、ATRACデコーダ142、インターポレーション回路143、オーバーサンプリングフィルタ144(2倍)、インターポレーション回路145、オーバーサンプリングフィルタ146(2倍)、セレクト信号発生回路147、セレクタ148、及びバッファ149を、上記第1信号処理部130の場合と同様にして接続して構成されている。
アップグレードデータは、図6に示したようにヘッダと差分データとから成る。従って、第2信号処理部140のデータ分離部141によっては、差分データとヘッダとに分離が行われる。そして、差分データについては、第1信号処理部140と同じ信号処理が行われ、セレクタ148の端子0〜3に入力されることになる。
また、第2信号処理部140のセレクト信号発生回路147では、入力されたたヘッダに格納されるコンテンツグレード識別情報を抽出して、その内容を解析することで、そのアップグレードデータのアップグレード種別を認識する。そして、認識したアップグレード種別に応じたセレクト信号Sel2をセレクタ148の端子SELに出力するようにされる。
また、第2信号処理部140のバッファ149も、第1信号処理部130のバッファ139と同様にして、この第2信号処理部140から出力すべき信号について、第1信号処理部130から出力される信号と同期した出力タイミングとするために、その時間差を吸収することを目的として設けられる。
【0122】
ここで、セレクト信号発生回路137、147においては、上述したようにして認識したコンテンツグレード識別情報(ベースデータのフォーマット番号及びアップグレードデータのアップグレード種別)に応じて、図20に示すようにしてセレクト信号Sel1,Sel2を生成する。
図20においては、縦方向において、コンテンツグレードとして、先ず、上段側にフォーマット番号0〜7が示されている。そして、このフォーマット番号0〜7に対応させて、セレクト信号Sel1により選択すべきセレクタ138の端子番号が示されている。これは、ベースデータのみを再生する場合に対応している。再生出力すべきコンテンツデータがベースデータのみである場合には、第1信号処理部130のみが動作する。
そして、このコンテンツグレード(フォーマット番号0〜7)に対応するセレクト信号Sel1としては、フォーマット番号6[ATRAC]のときには、端子1を選択するものとなり、それ以外のフォーマット番号のときには、端子0を選択するものとなっている。
このようにして、セレクト信号Sel1が生成されることで、ベースデータのみを再生する場合には、第1信号処理部130にて適切な信号処理系が選択されて、最終的には合成器150を介して、オーディオ信号処理部27に供給すべき再生信号が出力されることになる。
【0123】
また、コンテンツグレードとして、上記フォーマット番号0〜7の下段には、アップグレード種別[1−0]〜[7−6]までが示されており、これに対応させて、セレクト信号Sel1,Sel2により選択されるセレクタ138,148の端子番号が示されている。
例えば、アップグレード種別[1−0]である場合、第1信号処理部130には、ベースデータとしてフォーマット番号1のオーディオデータが入力され、第2信号処理部140には、アップグレード種別[1−0]に対応するアップグレードデータが入力される。
そして、図20によると、上記アップグレード種別[1−0]に対応するアップグレードにより再生出力を行う場合には、第1信号処理部130内のセレクト信号発生回路137は、端子0を選択するためのセレクト信号Sel1を生成するようにされる。また、第2信号処理部140内のセレクト信号発生回路147は、端子2を選択するためのセレクト信号Sel2を生成するようにされる。そして、実際においては、このようにして生成されたセレクト信号Sel1,Sel2によってセレクタ138,148にて選択された信号が、バッファ139,149を介して合成器150に出力される。合成器150にて合成出力された再生信号は、フォーマット番号1のベースデータから、フォーマット番号0のフォーマットにアップグレードされたデジタルオーディオ信号とされていることになる。
つまり、セレクト信号発生回路137、138は、入力されるデータのフォーマットに応じて、この図20に示す通りに、セレクタを切り換えるようにされ、これによって、コンテンツ合成処理部26からは、適正に合成処理された再生信号(デジタルオーディオ信号)が出力されることになる。また、ベースデータのみを再生出力する場合にも、適正なフォーマットの再生信号(デジタルオーディオ信号)として、オーディオ信号処理部27に出力することができる。
【0124】
なお、上記図18に示したコンテンツ合成処理部26の構成は、ベースデータに対して、1つのアップグレードデータによりアップグレードを行うようにして生成されたデジタルオーディオ信号を出力する構成とされている。
しかしながら、このような図18に示したコンテンツ合成処理部26の構成は、本実施の形態としてのコンテンツ合成処理のための構成を分かりやすく説明するためのものである。
例えば、ベースデータに対して、或るアップグレード種別による1つのアップグレードデータによりアップグレードしたデジタルオーディオ信号を生成したとして、このデジタルオーディオ信号に対して、さらに高品位なフォーマットにアップグレードするためのアップグレードデータによりアップグレードのための合成処理を行えば、より高品位なフォーマットのデジタルオーディオ信号が得られることになる。つまり、1つのベースデータに対して、複数のアップグレードデータ(差分データ)によりアップグレードすることは、技術的に可能であり、実際のコンテンツ合成処理部26としても、これに対応する構成を採ってよいものである。
【0125】
そして、1つのベースデータに対して、複数のアップグレードデータ(差分データ)によりアップグレードすることを可能とする構成として、図18に示したコンテンツ合成処理部26の構成を基とする場合には、次のようにすればよい。つまり、図18に示す第1信号処理部130及び第2信号処理部140の各信号処理部に加えて、さらに多くの所要数の信号処理部を設けるようにされる。なお、追加して設ける信号処理部は、例えば第1信号処理部130及び第2信号処理部140と同等の構成とされればよい。
例えば、1つのベースデータに対して、3つのアップグレードデータによりアップグレードを行う構成とするのであれば、ベースデータの信号処理に対応する第1信号処理部130と、1つのアップグレードデータの信号処理に対応する第2信号処理部140とに加えて、残る2つのアップグレードデータに対応する2つの信号処理部を設ける。
また、各信号処理部のセレクト信号発生回路としては、ベースデータとアップグレードデータのコンテンツグレード(フォーマット及びアップグレード種別)に応じて、適切なセレクタの端子を選択するセレクト信号を発生して出力するように設定を行っておけばよいものとされる。
そして、そして、これら信号処理部により適正に信号処理された信号を、最終的に1つのデジタルオーディオ信号となるように合成器によって合成して出力するように構成するものである。
【0126】
また、本実施の形態におけるコンテンツデータ合成処理部26の他の構成として、信号処理対象となるベースデータ及び所要数のアップグレードデータに対して、信号処理部を共通とした上で、この信号処理部によって、信号処理対象となるデータ(ベースデータ及び所要数のアップグレードデータ)を時分割処理する構成とすることも可能である。このような構成の一具体例を、図19に示す。
【0127】
この図に示すコンテンツデータ合成処理部26は、例として、1つのベースデータに対して、最大で2つのアップグレードデータ1,2を合成してコンテンツデータをアップグレード可能な構成を採っている。なお、確認のために述べておくと、このコンテンツデータ合成処理部26においては、例えばベースデータについて、1つのアップグレードデータ1のみを合成することによるアップグレードも可能とされる。しかしながら、以下の動作としては、ベースデータについて、2つのアップグレードデータ1,2によりアップグレードする場合について説明する。
【0128】
この場合には、記憶部25から、1つのベースデータを読み出すとともに、このベースデータと同じコンテンツであるアップグレードデータとして、2つのアップグレードデータ1,2を読み出すようにされる。
記憶部25から読み出されたデータのうち、ベースデータはバッファ171に対して転送される。また、アップグレードデータ1は、バッファ172に対して転送される。さらに、アップグレードデータ2は、バッファ173に対して転送される。
セレクタ174は、上記各バッファ171,172,173に保持されているベースデータ、及びアップグレードデータ1,2のうちから、信号処理部160に対して入力すべきデータを時分割的に切り換えるために設けられている。つまり、例えばセレクタ174では、切り換えタイミング発生回路175から出力されるセレクト信号に応じて、所要のタイミングで、端子0,1,2を選択する。これにより、セレクタ174から信号処理部160に対しては、所要のタイミングで時分割的に、ベースデータ、アップグレードデータ1,2が順次入力されることになる。また、この場合においては、ベースデータ、アップグレードデータ1,2は、例えば所要のデータ単位ごとに順次入力されるようにしている。
【0129】
信号処理部160は、図示するようにして、データ分離部161、ATRACデコーダ162、インターポレーション回路163、オーバーサンプリングフィルタ164、インターポレーション回路165、オーバーサンプリングフィルタ166、セレクト信号発生回路167、セレクタ168を、図示するようにして接続して構成される。つまり、図18に示した第1信号処理部130及び第2信号処理部140と同等の構成を採る。
そして、この場合には、時分割的に入力されてくるベースデータ、アップグレードデータ1,2について、先に図18にて説明した信号処理部と同様の動作によって信号処理を実行し、セレクタ168を介して出力するようにされる。
【0130】
セレクタ168から出力された信号は、さらに、セレクタ176に対して入力される。セレクタ176では、切り換えタイミング発生回路175から入力されるセレクト信号に応じて、セレクタ168から入力された信号を端子0,1,2の何れか1つから出力させる。この場合のセレクタ176の動作としては、信号処理部160にて処理された信号が、ベースデータのオーディオデータであるのならば、この信号を端子0から出力してバッファ177に転送する。また、アップグレードデータ1の差分データであれば、端子1を選択してバッファ178に転送する。また、アップグレードデータ2の差分データであれば、端子2を選択してバッファ179に転送する。
【0131】
バッファ177,178,179は、上記のようにして転送されてきた信号を一時保持するようにして蓄積する。そして、バッファ177,178,179からは、それぞれ、ベースデータ、アップグレードデータ1,2の各データの再生時間軸を同期させるようにして、読み出しが行われ、合成器180に対して出力される。
そして、合成器180により、これらの入力信号が合成されて出力されることで、ベースデータについてアップグレードデータ1,2によりアップグレードされたデジタルオーディオ信号が得られることとなる。
【0132】
このような構成であれば、例えばベースデータ及び所要数のアップグレードデータの入出力に対応して設けるべき信号処理部としては、1つに共通化することができる。従って、コンテンツデータ合成処理部26としての回路規模を縮小して、その分のコストダウンや、物理的な回路のサイズの小型化を図ることが可能になる。
なお、図18及び図19に示したようなコンテンツデータ合成処理部26としての信号処理は、ソフトウェアによって実現されるように構成してもよい。つまり、CPU21がプログラムに基づいて、ベースデータ及びアップグレードデータについてRAM23を作業領域として利用して信号処理を実行することで、アップグレードされたデジタルオーディオ信号を生成するものである。
【0133】
ところで、本実施の形態において、先に図16及び図17に示した処理を実現するためのプログラムは、前述もしたように、コンテンツサーバ1では、例えば記憶部12に実行プログラム12Dとして予め記憶して格納しておくものである。
また、個人端末装置2であれば、そのためのプログラムが、ROM22又は記憶部25に対して記憶されることになる。
また、プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、プログラムが記憶されたいわゆるパッケージメディアとして提供することができる。そして、コンテンツサーバ1及び個人端末装置2として、このようなパッケージメディアからデータを読み出し可能な構成を採るようにすれば、コンテンツサーバ1及び個人端末装置2では、このパッケージメディアからプログラムを読み出して、記憶部12,25などにインストールすることができる。或いは、上記のようなリムーバブルな記録媒体からインストールする他、プログラムを記憶しているサーバなどから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してプログラムをダウンロードし、このダウンロードしたプログラムをインストールするようにすることも可能である。
【0134】
また、本発明としてはこれまでに説明した構成に限定されるものではない。例えば、コンテンツサーバ1において、図7〜図13を参照して説明した、コンテンツ配信のために記憶部12に記憶しておくべき各種情報及びその構造などはあくまでも一例であって、必要に応じて変更されるべきものである。
また、本発明としては、コンテンツサーバ1は、配信すべきコンテンツ素材として、原コンテンツデータのみを記憶して保持していればよく、これにより、記憶部12の記憶容量節約などの効果も得られる。しかしながら、例えば、これまでに配信したコンテンツデータの全てではなくとも、配信頻度が高いフォーマット、又はアップグレード種別のベースデータ、アップグレードデータを記憶部12内に、コンテンツ関連情報12Aの1種として記憶しておくようにすることも考えられる。このようにすれば、配信頻度が高いコンテンツについては、記憶部12から読み出して、ベースデータ生成処理又はアップグレードデータ生成処理を経ることなく、送信出力できることになるから、コンテンツサーバ1における処理負担はそれだけ軽減される。
さらに、上記実施の形態において配信対象となるコンテンツデータは、オーディオデータとされているが、本発明としては、オーディオデータに限定されるものではなく、例えばビデオデータなども配信対象のコンテンツデータとしてよいものである。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、コンテンツサーバ(通信装置)からコンテンツを配信するのにあたり、先ず、原コンテンツデータ(原データ)を利用してベースデータ(低品位データ)を生成し、この生成したベースデータをコンテンツデータとして送信出力することが可能とされている。
また、コンテンツの配信にあたり、履歴情報を参照して、既に、そのコンテンツに応じたベースデータ(低品位データ)を送信していることを認識したとされる場合には、既に送信済みのベースデータのフォーマット(品位)と、今回指定された品位との差分に応じた差分データ(アップグレードデータ)を生成するようにされる。そして、この生成されたアップグレードデータをコンテンツとして配信するようにされる。
【0136】
このような構成であれば、本発明により実現されるコンテンツ配信システムとしては、ベースデータの配信後においては、アップグレード用の差分データが配信されることになる。
これは、コンテンツ配信システムを利用する端末装置のユーザから見れば、既にコンテンツとして、単独でデコード再生出力可能なベースデータを取得した後において、同じコンテンツを、より高品位で再生出力したいと思った場合には、その差分データのみを取得することができるということになる。
【0137】
例えば、従来においては、既に入手しているコンテンツについて、より高品位で楽しみたいと思った場合に、改めて、高品位なフォーマットの単独でデコード再生出力可能なデータを、ダウンロードによる購入や、パッケージメディアによる購入などによって、入手しなければならなかった。この場合には、ユーザにとっては、同じコンテンツ内容でありながら、複数の独立したコンテンツ分の料金をその都度支払っていることになり、1つのコンテンツを単にアップグレードしたいというユーザの意図からすれば、合理的でないということになる。
これに対して本実施の形態であれば、コンテンツとして差分データとしてのアップグレードデータを配信する場合には、その品位の差分に応じた適切な料金設定を行って課金することが可能である。このようにすれば、ユーザにとっても、その料金の金額は、自分の意図に見合った合理的なものとなるわけであり、結果的に、ユーザにとっても、より利用しやすいコンテンツ配信システムを提供することが可能になる。
【0138】
また、上記した本発明のコンテンツサーバ(通信装置)の構成であれば、多様なフォーマットのコンテンツを配信するのに関わらず、コンテンツサーバでは、少なくとも、コンテンツ内容に応じて、或る高品位の1種類のフォーマットによる原コンテンツデータ(原データ)を記憶して蓄積しておきさえすればよいということになる。これにより、コンテンツサーバにおいては、コンテンツデータを蓄積しておくための記憶容量を節約することが可能となるものである。
【0139】
また、本発明の端末装置は、上記のようにしてコンテンツサーバからダウンロードして取得したベースデータとアップグレードデータを合成して、コンテンツデータを再生出力することが可能に構成されている。
つまり、本発明により実現されるコンテンツ配信システムを形成する端末装置として、ベースデータとアップグレードデータを受信取得するだけではなく、ベースデータとアップグレードデータを利用して、ベースデータについてより高品位化したコンテンツデータの再生出力を行う機能を備えるものである。従って、ユーザは、本発明による個人端末装置を所有して使用することで、コンテンツ配信システムを高い利便性で利用できることになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのコンテンツ配信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】コンテンツサーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】個人端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態のコンテンツ配信システムの利用の仕方を、個人端末装置とコンテンツサーバの動作の流れとして示す説明図である。
【図5】ベースデータの構造例を示すデータ構造図である。
【図6】アップグレードデータの構造例を示す構造図である。
【図7】コンテンツサーバの記憶部に記憶される情報内容を示す説明図である。
【図8】コンテンツサーバの記憶部に記憶されるフォーマット変換データベースの内容を模式的に説明する説明図である。
【図9】実施の形態におけるコンテンツデータのフォーマットとフォーマット番号との対応を示す説明図である。
【図10】実施の形態におけるアップグレード種別の内容を示す説明図である。
【図11】コンテンツサーバの記憶部に記憶される利用履歴情報の構造例を示す構造図である。
【図12】コンテンツサーバの記憶部に記憶されるユーザデータベースの構造例を示す構造図である。
【図13】コンテンツサーバの記憶部に記憶される料金情報の構造例を示す構造図である。
【図14】コンテンツサーバに備えられるベースデータ生成部の構成例を示すブロック図である。
【図15】コンテンツサーバに備えられるアップグレードデータ生成部の構成例を示すブロック図である。
【図16】実施の形態のコンテンツ配信時における個人端末とコンテンツサーバの処理を示すアローチャートである。
【図17】実施の形態のコンテンツ配信時における個人端末とコンテンツサーバの処理を示すアローチャートである。
【図18】個人端末装置に備えられるコンテンツデータ合成処理部の構成例を示すブロック図である。
【図19】個人端末装置に備えられるコンテンツデータ合成処理部の構成例を示すブロック図である。
【図20】コンテンツデータ合成処理部のセレクト信号発生回路において発生されるセレクト信号と、入力されたデータのコンテンツグレードとの対応を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コンテンツサーバ、2 個人端末装置、3 ネットワーク、11 制御部、12 記憶部、12A コンテンツ関連情報、12A−1 コンテンツデータ群、12A−2 コンテンツデータベース、12A−3 フォーマット変換データベース、12B ユーザ関連情報、12B−1 ユーザ関連情報、12B−2ユーザデータベース、12C 課金関連情報、12C−1 料金情報、12C−2 料金データベース、12D 実行プログラム、13 ベースデータ生成部、14 アップグレードデータ生成部、15 暗号化処理部、16 インターフェイス部、17 システムバス、21 CPU、22 ROM、23 RAM、24 暗号解読処理部、25 記憶部、26 コンテンツデータ合成処理部、27 オーディオ信号処理部、29 表示部、30 入力デバイス、31 インターフェイス部、32 データバス、Ar1 仮記憶領域、Ar2 主記憶領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオーディオデータなどのコンテンツデータをアップロードするサーバとしての通信装置と、この通信装置からコンテンツデータをダウンロードする端末装置に関わる。また、上記通信装置に対応する通信方法、上記通信装置が実行するプログラム、及びこのようなプログラムが記憶される記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば楽曲としてのオーディオデータや、映像ソースとしてのビデオデータ等のコンテンツをインターネット等のネットワークを介して配信し、その対価をユーザーに課金して徴収する、コンテンツ配信サービスのシステムが存在する。
このようなコンテンツ配信サービスでは、ユーザーは、例えばパーソナルコンピュータ等のネットワーク接続機能を有した、個人端末装置としての機器によってコンテンツを配信するサーバにアクセスする。そして、このアクセスしたサーバから、所望のコンテンツをダウンロードして、例えばHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶媒体に保存しておくようにされる。そして、このようにして保存したコンテンツを再生して楽しむことができる。
【0003】
ところで、オーディオデータやビデオデータはフォーマットにより区別することができる。なお、ここでいうフォーマットとは、サンプリング周波数/サンプリングビット数(量子化語長)であることとする。
例えばオーディオデータを例に挙げれば、広く知られているCD−DA(Compact Disc−Digital Audio)に記録される信号は、サンプリング周波数44.1KHz、サンプリングビット数16bitによるフォーマットを有する。また、サンプリング周波数192KHz、サンプリングビット数24bitというフォーマットも存在する。
さらには、所定のオーディオ圧縮方式により圧縮されたフォーマットのオーディオデータも存在する。例えば、広く知られているオーディオ圧縮方式の1つには、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Cording)方式が知られている。
【0004】
このようなフォーマットの相違は、オーディオデータの音源に対する忠実性の相違となる。例えばサンプリング周波数が高くなり、また、サンプリングビット数が多くなるほど、音源としての信号波形を損なわないことになる。従って、同じコンテンツ内容であるとしても、異なるフォーマットのものを、同じ再生条件の下で再生したとすれば、サンプリング周波数が高くなるほど、また、サンプリングビット数が多くなるほど、再生される音質は良好なものとなる。つまり、より高品位な再生出力を得ることが可能になる。
なお、ビデオデータについても同様であり、フォーマットとしてサンプリング周波数、サンプリングビット数が増加するほど、再生される画像の品位は高くなる。つまり、より向上された画質となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記のようにして個人端末装置によりユーザがダウンロードして取得したコンテンツデータを再生して視聴してみたところ、気に入ったので、より高品位に再生して楽しみたいと思ったとする。
しかしながら、このようにして、既にダウンロードによって取得したコンテンツデータをより高品位で再生したいと思った場合、現状では、ユーザーは例えばサーバから、既に取得しているコンテンツと同じコンテンツ内容を有する、より高品位なフォーマットのコンテンツデータを改めてダウンロードしなければならないことになる。そしてユーザは、このダウンロードしたコンテンツデータについての料金を支払う必要があることとなる。
あるいは、或いは、同一内容を有するより高品位なコンテンツが記録されるパッケージメディアを改めて購入しなければならない。この場合にも、ユーザは、既に取得している同じ内容のコンテンツデータについて、さらに、対価を支払って購入することになる。
【0006】
このようにして、従来においては、ユーザーが一旦取得したコンテンツデータをより高品位で再生したいと思った場合、既にこのコンテンツ購入のために料金を支払っているにも関わらず、さらにより高品位なコンテンツそのものについての料金を支払わなければならないことになる。つまり、ユーザーにとっては、単に、既に所有しているはずのコンテンツを高品位なものに変えたいだけであり、実質的には1曲分を所有できればよいのにも関わらず、結果的には上記のようにして、複数曲分の料金を支払うことになってしまうという不合理な面を有しているものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、通信装置として次のように構成することとした。
つまり、所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積する蓄積手段と、外部から取得したデータ識別情報に対応する上記原データを上記蓄積手段から検索する検索手段と、この検索手段により検索された原データを利用して、原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成するものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による低品位データを生成するデータ生成手段と、このデータ生成手段により生成した低品位データを外部に送信出力する送信手段と、この送信手段によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶する履歴情報記憶手段とを備えるものとする。
そして、上記データ生成手段は、上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、上記送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、上記検索手段により検索された原データを利用して生成し、上記送信手段は、データ生成手段により生成された差分データを送信出力するように構成することとした。
【0008】
また、通信方法としては次のように構成することとした。
つまり、所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積手段に蓄積させて管理する原データ記憶管理手順と、外部から取得したデータ識別情報が指定する上記原データを蓄積手段から検索する検索手順と、この検索手順により検索された原データを利用して、原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成させるものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による上記低品位データを生成させるデータ生成手順と、このデータ生成手順により生成した上記低品位データを外部に送信出力させる送信制御手順と、この送信制御手順によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶して管理する履歴情報記憶管理手順とを実行するものとされる。
そして、上記データ生成手順は、上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、検索手順により検索された原データを利用して生成させ、上記送信制御手順は、データ生成手順により生成された差分データを送信出力させるように構成することとした。
【0009】
また、プログラムとしては、次のように構成することとした。
本発明のプログラムは、所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積手段に蓄積させて管理する原データ記憶管理手順と、外部から取得したデータ識別情報が指定する原データを蓄積手段から検索する検索手順と、この検索手順により検索された原データを利用して、上記原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成させるものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による低品位データを生成させるデータ生成手順と、このデータ生成手順により生成した低品位データを外部に送信出力させる送信制御手順と、この送信制御手順によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶して管理する履歴情報記憶管理手順とを通信装置に実行させるものとされる。
そのうえで、上記データ生成手順は、上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、上記送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、上記検索手順により検索された原データを利用して生成させ、上記送信制御手順は、上記データ生成手順により生成された差分データを送信出力させるものであることとした。
【0010】
また、上記プログラムを記憶して記憶媒体を構成することとした。
【0011】
また、端末装置としては、次のように構成することとした。
つまり、データ識別情報及び品位識別情報と共に、外部通信装置に対してデータ要求を送信する送信手段と、データ要求に応じて外部通信装置から送信された上記データ識別情報及び品位識別情報に対応するベースデータが受信されるのに応じて、この受信されたベースデータを記憶する記憶手段と、送信手段により、上記記憶手段に記憶されたベースデータに対応するデータ識別情報と、このベースデータとは異なる品位を示す品位識別情報と共に送信したデータ要求に応じて、外部通信装置から送信された、このベースデータと品位識別情報が示す品位によるデータとの差分に応じた差分データを受信取得する取得手段と、記憶手段に記憶されたベースデータと、取得手段により受信取得された差分データとについて合成処理を行ってデータ再生を行うデータ再生手段とを備えることとした。
【0012】
上記各構成によれば、通信装置側では、外部から取得したデータ識別情報に応じて送信出力すべきデータとして、データ識別情報に対応する原データを利用して、この原データよりも低い品位の低品位データを生成するようにされる。この際の低品位データの品位は、外部から取得した品位識別情報により指定される。また、通信装置側では、データを送信すべき場合に、送信出力したデータの履歴を参照する。そして、参照結果として、この送信すべきデータが、既に送信出力した低品位データと同じデータ識別情報により指定されるデータであって、品位識別情報により要求されるデータの品位が、既に送信出力された低品位データとは異なる場合には、既に送信出力された低品位データと品位識別情報が示す品位データとの差分となる差分データを生成して送信するようにされる。
また、個人端末装置側では、データ識別情報と品位識別情報により、データとその品位を指定して、外部の通信装置からデータの送信を要求することができる。そして、この要求に応じては、外部通信装置から低品位データが送信されてくる。また、受信した低品位データを記憶保存した後においては、要求に応じて、この低品位データの品位と品位識別情報が示す品位によるデータとの差分に応じた差分データが送信されてくるので、これを受信取得する。そして、これら低品位データと、これに対応する差分データとを合成することで、例えばベースデータよりも高品位となるデータ再生を行うことができる。
【0013】
このような構成では、個人端末装置は、通信装置(外部通信装置)から、データ内容(データ識別情報)とその品位(品位識別情報)を指定して、データをダウンロードして取得することが可能とされていることになる。
そして、一旦、ベースデータをダウンロードして取得した後において、個人端末装置が、このベースデータと同じデータ識別情報が指定するデータであり、かつ、ベースデータとは異なる品位のデータのダウンロードを要求した場合には、通信装置では、ベースデータと品位識別情報が示す品位によるデータとの差分に応じた差分データを、その都度生成して、送信することになる。
これは即ち、個人端末装置が、既に取得したベースデータと同じデータ内容で、ベースデータとは異なる品位のデータを要求した場合の通信装置の応答として、その要求された品位のデータそのものをダウンロードすることはせず、代わりに、その差分データを提供するというデータ配信の形態が可能とされていることを意味する。
また、通信装置としては、低品位データ又は差分データをデータ識別情報に対応して蓄積しておく必要は必ずしもなく、少なくとも、これら低品位データ又は差分データの生成元である原データのみを記憶しておけば、低品位データ及び差分データをアップロードすることが可能とされる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。説明は次の順序で行う。
1.コンテンツ配信システムの構成
1−1.全体構成
1−2.コンテンツサーバ
1−3.個人端末装置
2.コンテンツ配信システムの利用例
3.コンテンツサーバにおけるコンテンツ配信のための構成
3−1.コンテンツデータの構造
3−2.コンテンツ関連情報
3−3.ユーザ関連情報
3−4.課金関連情報
3−5.ベースデータ生成部
3−6.アップグレードデータ生成部
4.コンテンツ配信のための実行処理
5.個人端末装置におけるコンテンツデータの信号処理
【0015】
1.コンテンツ配信システムの構成
1−1.全体構成
図1は本実施の形態としてのコンテンツ配信システムの構成例を示している。このコンテンツ配信システムは、図示するようにして、コンテンツサーバ1と、個人端末装置2とをネットワーク3により接続して成る。
この場合のコンテンツサーバ1は、楽曲としてのオーディオデータをコンテンツデータとして配信するものとされる。詳しいことは後述するが、ここで配信されるコンテンツデータの種類は、ベースデータとアップグレードデータの2種類となる。コンテンツサーバ1は、個人端末装置2からの要求に応じて、コンテンツデータをアップロードするようにして送信出力する。
【0016】
個人端末装置2は、例えば本実施の形態のコンテンツ配信システムを利用するユーザごとに所有する端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)などとされる。
アップロードされたコンテンツデータをダウンロードする。つまり、個人端末装置2はコンテンツデータを受信取得し、この受信したコンテンツデータを記憶して保存しておくことが可能とされる。
そして、個人端末装置2においては、上記のようにして受信取得したコンテンツデータをオーディオ信号として再生出力可能とされている。
【0017】
また、この場合のネットワーク3の実際としては特に限定されるものではないが、現状であればインターネットのグローバルなネットワークとすることができる。また、実際には、個人端末装置2が、LAN(Local Area Network)などを経由してネットワーク3と接続される形態とされていてもよいものである。
【0018】
1−2.コンテンツサーバ
図2は、コンテンツサーバ1の内部構成例を示している。このコンテンツサーバ1は、図示するように、制御部11、記憶部12,ベースデータ生成部13、アップグレードデータ生成部14、暗号化処理部15、インターフェイス部16をシステムバス17により接続して成る。
【0019】
制御部11は、例えばCPU、RAM、ROMなどを備えたコンピュータシステムとして構成され、コンテンツサーバ1における動作制御を実行する。
【0020】
記憶部12は、大容量のデータを記憶可能とされており、例えば現状であれば、HDD(ハードディスクドライブ)などによって構成することができる。この記憶部12に記憶されるべきデータの具体例については後述するが、例えば、配信のためのコンテンツデータ、コンテンツ配信システムの利用者であるユーザに関する各種ユーザ関連情報、及びコンテンツ配信に伴う課金処理に用いる課金関連情報などが記憶される。また、例えば制御部11(CPU)が実行すべきプログラムも記憶される。
記憶部12に対するデータの書込及び読み出しは、例えばファイルシステムに基づいて、制御部11が実行する。
【0021】
ここで、コンテンツサーバ1が配信のために送信するコンテンツデータの種類としては、ベースデータとアップグレードデータとの2種類がある。
ベースデータは、所定のフォーマットによるオーディオデータである。なお、ここでいうフォーマットとは、サンプリング周波数、及びサンプリングビット数(量子化語長)によって決定されるデータ形式をいうこととする。
そして、このベースデータとしてのオーディオデータは、1つのオーディオデータとして完結している。つまり、このベースデータのみをデコード処理すれば、通常のオーディオ音声として聴ける状態で再生出力することができる。
これに対して、アップグレードデータは、ベースデータが有しているフォーマットを、目的とするフォーマットにグレードアップするために必要な情報によって生成される差分データである。
ここで、フォーマットがグレードアップされるということは、例えば、サンプリング周波数及びサンプリングビット数の少なくともいずれか一方が増加した形式のデータとなることを指す。そして、このようにしてフォーマットがグレードアップされることによっては、それだけ原信号から失われる情報量が少なくなるから、一定の再生環境において再生出力される音声は、より高音質なものとなる。つまり、フォーマットのグレードアップによっては、コンテンツデータが高品位化されることになる。
【0022】
ベースデータ生成部13は、上記ベースデータを生成するための信号処理を実行する機能部位とされる。
本実施の形態においては、記憶部12に記憶されるコンテンツデータは、配信されるベースデータとしての各種フォーマットに対して、その何れよりも高音質とされる、最高音質のオーディオデータとされている。なお、以降においては、この記憶部12に記憶される最高音質のオーディオデータとしてのコンテンツデータについては、原コンテンツデータということにする。
そして、ベースデータ生成部13は、この原コンテンツデータとしてのオーディオデータについて、サンプリング周波数の変換、ダウンサンプリング(デシメーション)などの信号処理を実行することによって、必要とされるフォーマットによるオーディオデータを生成する。このようにして生成されたオーディオデータがベースデータとなる。
【0023】
アップグレードデータ生成部14は、上記したアップグレードデータを生成するための機能部位とされる。このアップグレードデータ生成部14は、例えば制御部11の制御に従って、ベースデータ生成部13により生成される複数の異なるフォーマットによるベースデータを利用して、これらのデータの差分を抽出する処理を実行し、必要とされる差分データを生成する。そして、この差分データをアップグレードデータとして出力する。
なお、上記ベースデータ生成部13、及びアップグレードデータ生成部14の具体的な信号処理の構成については後述する。
【0024】
暗号化処理部15は、コンテンツサーバ1から送信出力するコンテンツデータ(ベースデータ及びアップグレードデータ)について暗号化処理を施す。なお、この場合の暗号化処理の方式については特に限定はしないが、例えば、現状においてデータ配信などで広く使用される公開鍵方式に基づいた暗号化処理が実行されればよい。また、ここでの暗号化処理は、ネットワーク3を介したデータ通信が例えばパケット伝送であるとすれば、コンテンツデータをこのパケット単位により分割したうえで、分割したデータ単位ごとに行うことも可能とされる。
【0025】
インターフェイス部16は、ネットワーク3を介したデータ送受信のために設けられる。
コンテンツサーバ1からコンテンツデータ等のデータを送信する場合には、制御部11の制御によってシステムバス17を介して送信データがインターフェイス部16に転送されてくる。インターフェイス部16では、例えば送信データについてパケット化などをはじめとする、ネットワーク3によるデータ伝送に適合したデータ形式へのエンコードを行い、例えば個人端末装置2等のネットワーク3上に接続された所要のデバイスに対して送信出力する。
また、インターフェイス部16は、ネットワーク3を介して送信された受信すると、例えばアンパケット化などの所要のデコード処理を実行する。そして、制御部11の制御に応じて、デコードして取得したデータをシステムバス17から所要の機能部に対して転送する。
【0026】
1−3.個人端末装置
図3は、個人端末装置2の内部構成例を示している。
この図に示すようにして、個人端末装置2は、CPU21、ROM22、RAM23、暗号解読処理部24、記憶部25、コンテンツデータ合成処理部26、オーディオ信号処理部27、表示部29、入力デバイス30、及びインターフェイス部31をデータバス32により接続して構成される。
【0027】
CPU21は、個人端末装置2における動作制御を実行する。CPU21が実行すべきプログラムは、例えばROM22又は記憶部25に記憶される。
ROM22には、上記のようにしてCPU21が実行すべきプログラムを記憶しておくことができる。また、CPU21が処理を実行する際に必要となる各種設定情報なども記憶しておくことができる。
RAM23は、CPU21が処理を実行する際の作業領域として利用される。
【0028】
図2にても説明したように、コンテンツサーバ1からは、暗号化されたコンテンツデータが送信出力される。暗号解読処理部24には、CPU21の制御によって、後述するインターフェイス部31により受信されたコンテンツデータがデータバス32を介して入力される。暗号解読処理部24は、入力されたコンテンツデータに施されている暗号を復号して平文化するための処理を実行する。暗号化が解かれたコンテンツデータは、CPU21の制御によって記憶部25に転送され、ここに書き込まれて記憶される。
なお、受信取得したコンテンツデータについては、暗号化されたまま記憶部25に記憶させておき、例えば再生時などの暗号解読が必要なときに応じて、記憶部25から読み出されたコンテンツデータについて、暗号解読処理部24により復号処理を実行するようにしてもよい。
【0029】
記憶部25は、上記もしたように、主としてコンテンツデータ(ベースデータ及びアップグレードデータ)が記憶される。また、コンテンツデータ以外の他のファイルなどが、ユーザ操作などに応じて記憶されていてもよい。さらには、前述もしたように、CPU21が実行すべきプログラムが格納されていてもよい。この記憶部25としては、例えばパーソナルコンピュータなどであれば、HDDなどされればよい。この記憶部25には、必要最小限として、ダウンロードしたコンテンツデータが記憶されればよいから、例えば記録可能なリムーバブルメディアと、これに対応するメディアドライブから成るものとしてもよい。
【0030】
コンテンツデータ合成処理部26には、例えばCPU21の制御によって、同じコンテンツ内容とされる(同一のコンテンツIDにより示される)ベースデータと、アップグレードデータが入力される。コンテンツデータ合成処理部26は、入力されたベースデータとアップグレードデータとについて合成を行うことで、ベースデータよりも高いグレードのコンテンツデータ(オーディオデータ)を生成する。
上記のようにしてアップグレードされたオーディオデータは、オーディオ信号処理部27において、フォーマットに対応したデコード処理が施されて、所定のサンプリング周波数及びサンプリングビットによるオーディオデータに変換され、オーディオ出力端子28から出力される。
このオーディオ出力端子28から出力されたオーディオデータは、例えばオーディオアンプなどによってD/A変換されてアナログオーディオ信号に変換されたうえで、スピーカなどから音声として出力させることが可能である。
なお、例えばオーディオ信号処理部27の構成として、D/A変換、及び出力信号のボリューム調整、さらには音質調整なども行えるように構成して、オーディオ出力端子28からはアナログオーディオ信号を出力可能なように構成してもよい。この場合には、オーディオ出力端子28に対してスピーカ、又はヘッドフォンなどを接続することができる。
さらには、個人端末装置2に対して、オーディオ信号処理部27と接続されるスピーカを備え、このスピーカからコンテンツデータを再生した音声が出力されるように構成してもよい。
【0031】
表示部29には、CPU21による表示制御処理によって、所要の画像が表示される。
また、入力デバイス30は、例えば個人端末装置2に備えられる操作子等から成る。あるいは、パーソナルコンピュータなどであれば、キーボード、マウス、トラックパッドなどの各種操作情報を入力するデバイスから成るものとされてよい。
この入力デバイス30に対して行われた操作に応じた操作情報は、データバス32を介してCPU21に入力される。CPU21では、入力された操作情報に応じた個人端末装置2としての動作が得られるように、所要の制御処理を実行する。
【0032】
インターフェイス部31は、CPU21の制御に従って、ネットワーク3を介したデータの送受信を実行する。なお、送受信データのエンコード処理、デコード処理の動作は、図2において説明したインターフェイス部16と同様となる。
【0033】
2.コンテンツ配信システムの利用例
続いては、図4を参照して、個人端末装置2のユーザによる本実施の形態のコンテンツ配信システムの利用の仕方について、ユーザの利用に応じたコンテンツサーバ1と個人端末装置2の動作と共に説明する。
なお、ここで説明する動作は、あくまでも概略的なものである。より詳しい動作の説明は、後述する、個人端末装置2及びコンテンツサーバ1がプログラムに従って実行する処理動作の流れにおいて行う。
また、以降において図4の説明は、図中において○内に示される、システムにおける動作の手順1〜14に従って行う。
【0034】
手順1:先ず、個人端末装置2のユーザは、個人端末装置2を、ネットワーク3を経由してコンテンツサーバ1に接続させる。そして、個人端末装置2に対する所定操作を行うことで、ダウンロードすべきコンテンツデータと、そのフォーマットを指定し、ダウンロード要求を送信させるようにする。なお、個人端末装置2に対するユーザの操作は、例えば例えば表示部29に表示されるユーザインターフェイス画像に対して、入力デバイス30を用いて入力操作を行うものとされればよい。
このような操作に応じて、個人端末装置2からコンテンツサーバ1に対して、コンテンツデータのダウンロード要求が送信される。
なお、この手順1において、ユーザは、新規なコンテンツデータをダウンロードするための操作を行っていることとする。つまり、未だダウンロードしていないコンテンツ(楽曲)をダウンロードするものである。また、ここでは、ダウンロードすべきコンテンツとして、コンテンツAを選択指定したこととする。また、実際においては、コンテンツAであることの特定は、コンテンツデータごとに与えられるコンテンツIDによって行われる。
【0035】
手順2:上記手順1により送信されたダウンロード要求は、コンテンツサーバ1にて受信されることになる。この手順2〜手順4は、このダウンロード要求に応じたコンテンツサーバの動作となる。この場合のダウンロード要求は、新規なコンテンツのダウンロードとされる。コンテンツの新規ダウンロードの要求に応じては、指定されたコンテンツのベースデータを送信するようにされる。
このために、先ず手順2として、コンテンツサーバ1では、ダウンロード要求として指定されたコンテンツAとしての原コンテンツデータを、記憶部12から検索して読み出す。
【0036】
手順3:上記手順2により記憶部から読み出したコンテンツAのコンテンツデータをベースデータ生成部13に入力する。そして、ベースデータ生成部13により、ダウンロード要求と共に指定されたフォーマットによるオーディオデータを生成する。このオーディオデータが、コンテンツAのベースデータとなる。
手順4:上記のようにして生成されたコンテンツAのベースデータを、ダウンロード要求の送信元である個人端末装置2に対して送信する。
手順5:また、上記のようにしてコンテンツAを送信したことに応じて、ユーザに関する情報の1つであり、記憶部12に記憶されている利用履歴情報へ、追加、又は更新すべき情報の記録を行う。この利用履歴情報に記録する情報内容としては、ユーザに対して配信したコンテンツが新規(ベースデータ)であり、また、そのコンテンツデータはコンテンツAであることや、そのコンテンツのフォーマットが何であるかなどを示すものとなる。
手順6:また、このようにしてコンテンツAを送信した後においては、コンテンツサーバ1側では、このコンテンツAの配信に対して設定された料金がユーザにより支払われるように、所要の課金処理を行うことになる。
【0037】
手順7:個人端末装置2では、上記手順4により送信されたコンテンツAのベースデータを受信すると、記憶部25に記憶させる。
手順8:前述したように、ベースデータは、再生信号処理を行って出力すれば、単独でオーディオ音声として聴くことのできるデータである。従って、一旦、記憶部25に記憶保存された、このコンテンツAのベースデータは、ユーザが再生操作を行えば、この手順8として示すように、任意のときに再生出力することができる。
【0038】
手順9:上記のようにしてコンテンツAのベースデータをダウンロードした後の或る機会において、ユーザは、このコンテンツAについて、より高音質で聴きたいと思ったとする。本実施の形態のコンテンツデータ配信システムでは、このような需要に対応して、一旦ユーザがダウンロードしたコンテンツを高音質化するデータであるアップグレードデータを配信するサービスも行う。手順9以降は、このようなアップグレードデータの配信に関する動作となる。
この手順9としては次のようになる。
ユーザは、所定操作によって、コンテンツとしてコンテンツAを指定すると共に、アップグレードにより得るべきフォーマットを指定したうえで、アップグレード要求を送信させる。当然のことであるが、このアップグレードとして指定するフォーマットは、既にダウンロードしたコンテンツAのベースデータが有するフォーマットよりも高品位とされるものを選択すべきこととなる。
【0039】
手順10:コンテンツサーバ1では、上記手順9によるアップグレード要求を受信することになる。そして、先ず、今回のアップグレード要求により指定されたコンテンツAの原コンテンツデータを記憶部12から検索して読み出す。この手順によって読み出される原コンテンツデータは、アップグレードデータ(差分データ)を生成するのに利用される。
手順11:続いては、今回のアップグレード要求を行ったユーザの利用履歴情報を参照することで、このユーザに既に配信したコンテンツAのコンテンツデータのフォーマットについて認識する。
手順12:ここで、手順9に対応して受信したアップグレード要求により指定されたアップグレードのフォーマットをaとし、手順11により認識された配信済みのコンテンツA(この場合はベースデータ)のフォーマットをbとすれば、概念的には、a−bにより、既に配信しているコンテンツAのベースデータのフォーマットと、今回要求されたアップグレードのフォーマットの差分が得られることになる。
そして、手順12では、コンテンツAのアップグレードデータとして、上記したフォーマットの差分(a−b)に相当する差分データを生成する。詳細は後述するが、差分データは、先ず、ベースデータ生成部13によって、上記フォーマットa,bに相当するオーディオデータを生成するようにされる。そして、これらのオーディオデータを利用して、アップグレードデータ生成部14が差分データを生成する。
手順13:上記のようにして生成されたアップグレードデータを、個人端末装置2に対して送信する。
手順14:そして、上記のようにしてコンテンツAのアップグレードデータを送信したことに対応しても、追加、更新すべき内容を、利用履歴情報に記録する。この結果、利用履歴情報には、このユーザに対して、コンテンツAとして、フォーマットaのベースデータと、フォーマットbにアップグレードするためのアップグレードデータを配信したことが示されることになる。
手順15:また、このアップグレードデータを送信したことに伴い、このアップグレードデータに対して設定された料金がユーザにより支払われるように、所要の課金処理を行う。
【0040】
手順16:個人端末装置2は、上記のようにして送信されたコンテンツAのアップグレードデータを受信し、記憶部25に記憶する。
手順17:上記のようにして記憶部25にコンテンツAのアップグレードデータが記憶される結果、記憶部25には、コンテンツAとして、そのベースデータと、アップグレードデータとが記憶されたこととなる。そして、以降においては、記憶部25からこれらコンテンツデータとアップグレードデータとを読み出して、コンテンツデータ合成処理部26により合成したうえで再生出力することが可能となる。このようにして合成して得られるオーディオデータは、ユーザが指定したアップグレードのフォーマットbを有するものとなる。つまり、ベースデータを単独で再生する場合より、高音質で再生される。
【0041】
このようにして本実施の形態のコンテンツ配信システムでは、新規にコンテンツデータをダウンロードする場合には、コンテンツデータとして、単独で再生可能なベースデータとしてのオーディオデータをダウンロードするようにされる。そして、この後において、一旦ベースデータとしてダウンロードしたコンテンツについて、より高品位なフォーマットで再生したいとユーザが思った場合には、ベースデータを、ユーザが指定したより高品位なフォーマットに変換することのできるアップグレードデータをダウンロードすることができるようになっている。個人端末装置2側では、このようにしてダウンロードしたベースデータとアップグレードデータとを合成して、ベースデータを単独で再生する場合よりも高品位で再生することができるようになっている。
このような構成とすることで、個人端末装置2を所有するユーザとしては、既に或るフォーマットのベースデータとしてのコンテンツを所有している場合において、このコンテンツをより高品位で再生したいと思った場合には、その差分としてのアップグレードデータをダウンロードすればよいことになる。換言すれば、既に所有しているコンテンツについてより高品位で再生する目的で、改めて、高品位のフォーマットのオーディオデータ(単独で再生可能な形式である)を購入し直す必要がない。
そして、本実施の形態のコンテンツ配信システムの運用にあたり、例えばアップグレードデータをダウンロードするための料金として、例えば、高品位のフォーマットのオーディオデータを購入する場合よりも低額に設定し、また、フォーマットの差分に応じた適切な金額を設定すればよい。このようにすれば、ユーザは、フォーマット(品位)の差分に対応した対価を支払っているということになり、高品位のコンテンツデータを改めて購入する場合よりも、経済的負担が軽減され、また、その料金体系にも納得ができることになる。
【0042】
さらに、本実施の形態としては、図4の説明からも理解されるように、1つのコンテンツのベースデータ及びアップグレードデータについて、その原コンテンツデータを元として生成するようにしている。
これにより、コンテンツサーバ1では、配信のために、原コンテンツデータとしての1種類のフォーマットによるコンテンツデータを記憶部25に蓄積させておけばよく、コンテンツごとにベースデータ及びアップグレードデータの各データを記憶させておく必要は無いということになる。これにより、記憶部25の記憶容量を節約して使用することが可能となる。また、記憶部25に記憶されるコンテンツデータの管理もそれだけ複雑になることがないため、記憶部25の管理や、検索、データ書込、読み出しなどのための処理負担もそれだけ軽いものとなる。
図4でも説明したように、ユーザは、個人端末装置2に対する操作によって、ダウンロードするベースデータのフォーマット、およびアップグレードのフォーマットを所定の選択範囲の中から選択することができる。つまり、コンテンツ1つあたりのベースデータのフォーマットは複数存在し、また、アップグレードデータがカバーすべき差分のパターンも、ベースデータのフォーマットと、ユーザが選択したアップグレードのフォーマットに応じて、相当数が存在することになる。そのうえで、配信すべきコンテンツ数も、相当に多い。
このようなことを考慮すると、上記したように原コンテンツデータのみを記憶することによる、記憶部25の記憶容量の節約、及び記憶部25の記憶データを管理するための処理負担の軽減の効果は、相当に顕著なものとなる。
【0043】
3.コンテンツサーバにおけるコンテンツ配信のための構成
3−1.コンテンツデータの構造
続いては、上記図4に示したような、個人端末装置2の要求に応じたコンテンツサーバ1によるコンテンツ配信を実現するための技術的な構成について、説明を行っていくこととする。
先ずは、コンテンツ配信に関連して必要とされる各種データ、情報について説明する。
【0044】
図5には、本実施の形態において配信されるコンテンツデータとして、ベースデータの構造例が示されている。ベースデータは、図5(a)に示すようにして、ヘッダと、これに続くオーディオデータとから成る。なお、ここでのオーディオデータは、これまでの説明から理解されるように、或るフォーマットによるオーディオデータとなる。
【0045】
ヘッダには、現ベースデータに関して必要とされる各種の情報が、それぞれ所定のデータサイズにより格納される。例えば図5(b)に示すようにして、ヘッダには、先ずコンテンツIDが格納される。コンテンツIDは、コンテンツサーバ1側でコンテンツごとに固有となるように与えられる、コンテンツを識別するための情報である。なお、コンテンツIDは、例えば同じコンテンツであれば、ベースデータとアップグレードデータとで、そのコンテンツを示す同じコンテンツIDが格納されることになる。
また、この場合には、コンテンツIDに続けて、コンテンツグレード識別情報が格納される。このコンテンツグレード識別情報は、ベースデータであれば、そのフォーマットを識別するための情報が格納される。
データサイズは、ベースデータのデータサイズを示す。
【0046】
この場合、さらにデータサイズに続けては、ベースデータのコンテンツとしての各種情報内容が示される。ここでは、例えば図示するようにして、再生時間、タイトル、アーティスト(演奏者)、作曲者、作詞者、ジャンル1、ジャンル2、ジャンル3などの情報が格納されることとしている。なお、ジャンルの情報が3つ設けられているのは、楽曲などによっては、複数のジャンルに含まれるような場合もあることを考慮しているものである。これらの情報は、例えば個人端末装置2側において、表示部29にコンテンツ再生リストなどを表示させるときに、コンテンツの内容を示す情報として表示させたり、また、再生リストをソートする場合などに利用することができる。
なお、ヘッダの情報内容としては、図5(b)に示したものに限定されず、必要に応じて変更されて構わない。
【0047】
また、図6に、アップグレードデータの構造を示す。
アップグレードデータは、図6(a)に示すようにしてヘッダと、これに続く差分データの実体とから成る。
また、ヘッダの構造としては、例えば図6(b)に示すように、コンテンツID、コンテンツグレード識別情報、データサイズであることとしている。
このヘッダ内容によると、ベースデータのヘッダ内に格納されていた、再生時間、タイトル、アーティスト(演奏者)、作曲者、作詞者、ジャンル1〜3等の各情報は省略されていることが分かる。これらの情報は、コンテンツ内容に関する情報であり、従って、このような情報は、単独で音声として再生出力されるベースデータのみに付加すればその機能が充分に果たされる。従って、アップグレードデータにおいては、これらの情報は格納しないこととしている。
【0048】
アップグレードデータの場合のコンテンツIDには、上記もしたように、同じコンテンツのベースデータと同じ値が格納されることになる。
また、アップグレードデータの場合のコンテンツグレード識別情報は、アップグレード種別を示す識別情報が格納される。アップグレード種別とは、そのアップグレードデータが、ベースとなるフォーマットからどのフォーマットにアップグレードするものであるのかという種別を示す。
【0049】
3−2.コンテンツ関連情報
続いては、コンテンツサーバ1の記憶部12にて記憶管理されるデータ内容について説明する。
図7に示すように、記憶部12には、大きく分けて、コンテンツ関連情報12A、ユーザ関連情報12B、課金関連情報12C、及び実行プログラム12Dが記憶される。
先ず、ユーザ関連情報12Bについて説明することとし、続けて、ユーザ関連情報12B、課金関連情報12Cについて説明していくこととする。
また、実行プログラム12Dは、このコンテンツサーバ1としての動作が得られるように、制御部11を形成するとされるCPUが実行するプログラムとされる。
【0050】
コンテンツ関連情報12Aは、配信すべきコンテンツに関連する情報から成るものとされ、例えば図示するようにして、コンテンツデータ群12A−1、コンテンツデータベース12A−2、フォーマット変換データベース12A−3を有する。
コンテンツデータ群12A−1は、コンテンツサーバ1が配信すべきコンテンツの原コンテンツデータの集合として形成されるデータ群である。原コンテンツデータは、先にも述べたように、ベースデータとしての全種類のフォーマットよりも高品位とされる所定のフォーマットによる、例えば1楽曲分のオーディオデータである。つまり、ベースデータと比較した場合には最高音質による再生出力が行われるオーディオデータである。
【0051】
そして、本実施の形態では、この原コンテンツデータのフォーマットとしては、ΔΣ変調を用いた1ビットデジタルオーディオ信号(DSD:Direct Stream Digital)であることとする。このDSD信号のサンプリング周波数は、例えばCD−DAに記録されるデジタルオーディオ信号のサンプリング周波数fs(fs=44.1KHz)の64倍である2.8224MHzとされ、ΔΣ変調された1ビット量子化のデジタルオーディオ信号である。周波数帯域はDC成分〜100KHzの広範囲であり、可聴周波数帯域を越えた信号再生を可能としている。また、ダイナミックレンジはオーディオ帯域全体で120(dB)を実現できるデータ形式である。この説明からも、例えばCD−DAに記録されるデジタルオーディオ信号を挙げて比較しても、はるかに高品位(高音質)なデータであることが分かる。
【0052】
コンテンツデータベース12A−2は、上記コンテンツデータ群12A−1を成す原コンテンツデータについて構築されたデータベースであり、例えば原コンテンツデータごとに、コンテンツIDや記憶部25における記録位置の情報をはじめとする所要の情報により形成される。原コンテンツデータの検索などは、このコンテンツデータベース12A−2を参照して行われる。
【0053】
フォーマット変換データベース12A−3は、ベースとなるフォーマットと、差分データを用いたアップグレードが可能なフォーマットとの関係を示すテーブル形式のデータである。
このフォーマット変換データベース12A−3の構造は、概念的には、図8に示すものとなる。
【0054】
この図8の各欄においては、本実施の形態におけるコンテンツデータのフォーマットの具体例が示されているので、この点について説明しておく。
先ず、本実施の形態では、図9に示すようにして、コンテンツデータのフォーマットをフォーマット番号により管理することとする。
例えばフォーマット番号0は、192KHz/24bitによるフォーマットであることを示す。ここで、「192KHz/24bit」という表記は、サンプリング周波数が192KHzで、サンプリングビット数(量子化語長)が24ビットであることを示している。
【0055】
以下、図9に示されるフォーマット番号1〜7とフォーマットとの対応は次のようになっている。
フォーマット番号1 : 96KHz/24bit
フォーマット番号2 : 88.2KHz/24bit
フォーマット番号3 : 48KHz/16bit
フォーマット番号4 : 44.1KHz/20bit
フォーマット番号5 : 44.1KHz/16bit
フォーマット番号6 : ATRAC
フォーマット番号7 : 22.05KHz/8bit
ちなみに、ここでのフォーマット番号とフォーマットの対応は、フォーマット番号の昇順に従って、フォーマットが高品位となるように対応付けられている。つまり、フォーマット番号0〜7については、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のフォーマットが最も高品位であり、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]が最も低品位となる。
また、フォーマット番号6のATRAC(Adaptive Transform Acoustic Cording)は、オーディオデータの圧縮方式の1つである。ここでは、フォーマットを示す名称として使用している。
【0056】
説明を図8に戻す。
図8に示すフォーマット変換データベース12A−3は、縦の欄にベースとなるフォーマットをフォーマット番号順に示し、また、横の欄にもアップグレードフォーマットをフォーマット番号順により示したマトリクスとされている。
そして、このマトリクスにおいて、[○]により示されるベースフォーマットとアップグレードフォーマットとの対応が、アップグレード可能(上位互換性有り)な関係にあることを示している。これに対して、[−]により示されるベースフォーマットとアップグレードフォーマットとの対応は、アップグレードができない関係にあることを示している。
例えば、ベースフォーマットがフォーマット番号1[96KHz/24bit]である場合には、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のフォーマットへのみアップグレード可能であることが示されている。
また、ベースフォーマットがフォーマット番号6[ATRAC]である場合には、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]の3つのフォーマットのうちであれば、何れのフォーマットにもアップグレード可能であることが示される。
【0057】
そして本実施の形態では、上記図9に示したアップグレード可能なベースフォーマットとアップグレードフォーマットとの組み合わせ関係に対して、図10に示すようにして、アップグレード種別を割り当てることとする。アップグレード種別は、例えば先に図6により説明したように、アップグレードデータのヘッダにおけるコンテンツグレード識別情報としても用いられる。
例えば図10には、アップグレード種別[1−0]は、ベースフォーマットがフォーマット番号1[96KHz/24bit]で、アップグレードフォーマットがフォーマット番号0[192KHz/24bit]の組み合わせを示すこととしている。
つまり、ここでのアップグレード種別の表記は、ベースフォーマットのフォーマット番号をm、アップグレードフォーマットのフォーマット番号をnとして、[m−n]となるように対応付けて示しているものである。
【0058】
なお、先に図9に示したフォーマット番号0〜7の8種類のフォーマットは、あくまでも一例であって、コンテンツサーバ1が配信可能なベースデータのフォーマットは、適宜変更されて構わないものである。また、フォーマット番号0〜7の8種類のフォーマット以外にも、さらに多くの種類のフォーマットのベースデータを生成して配信可能に構成されて構わない。
また、これに伴って、図10に示したアップグレード種別も変更されてよい。また、ベースデータのフォーマットが多くなるのに応じて、アップグレード種別も増加するものである。
【0059】
3−3.ユーザ関連情報
続いては、記憶部12に記憶される情報として、ユーザ関連情報12Bについて説明する。
ユーザ関連情報12Bは、本実施の形態のコンテンツ配信システムを利用するユーザに関連する情報とされ、ここでは、図7に示すようにして、利用履歴情報12B−1とユーザデータベース12B−2から成るものとしている。
ここで、また、記憶部12において、利用履歴情報12B−1の記憶に関連する記憶領域としては、図示するように、仮記憶領域Ar1と、主記憶領域Ar2とが割り当てられる。
仮記憶領域Ar1は、後述するようにして、個人端末装置2からのダウンロード要求に応じてコンテンツ配信のための処理を実行しているときに、この今回のダウンロード要求のみに関しての仮の利用履歴情報が作成されて一時的に保持される領域である。
主記憶領域Ar2には、上記したコンテンツ配信のため処理が完了した時点に対応して、上記仮記憶領域Ar1に保持されていた仮の利用履歴情報に基づいて作成された本登録用の利用履歴情報が追加されるようにして書き込まれ、記憶される。この結果、主記憶領域Ar2においては、これまでにコンテンツ配信システムを利用したユーザごとの利用履歴情報が記憶保持されることになる。
【0060】
ユーザ一人あたりについての主記憶領域Ar2に記憶される利用履歴情報は、例えば図11に示す構造を有する。
この図に示すように、利用履歴情報には、先ず、そのユーザがこれまでにダウンロードしたとされるコンテンツデータを示すコンテンツIDのリストが保持される。このコンテンツIDごとに、1つのベースフォーマットと、1以上のアップグレードフォーマットを示す情報が対応付けられて保持される。
この利用履歴情報におけるベースフォーマットは、最初(1回目)の新規ダウンロード時にダウンロードされたベースデータのフォーマットを示す情報であり、例えば図9により説明したフォーマット番号を示す所要の値を格納するようにされる。
また、アップグレードフォーマットは、そのコンテンツについての2回目以降のダウンロードによりダウンロードされた、アップグレードデータのフォーマットを示す情報である。例えばこのアップグレードフォーマットの情報としては、図10に示したアップグレード種別を示す所要の値を格納するようにされる。
【0061】
また、同じユーザ関連情報12Bに属するユーザデータベース12B−2は、例えば図12に示す構造を有する。
この図に示すようにして、ユーザデータベース12B−2は、ユーザIDごとに、パスワード、履歴情報ポインタ、最高利用ジャンル、月別利用料金などの情報を対応付けて形成される。
ユーザIDは、ユーザごとに固有となるようにしてコンテンツサーバ1側で割り当てた識別情報であり、このユーザIDによりユーザを特定することができる。
また、パスワードは、例えばユーザが任意に設定して、個人端末装置2から送信したことで得られる情報であり、例えば認証処理に用いられる。
履歴情報ポインタは、主記憶領域Ar2に記憶されている利用履歴情報のうちで、対応するユーザIDが示すユーザの利用履歴情報の記憶位置を示すポインタの情報とされる。つまり、或るユーザの利用履歴情報を参照する必要のある場合には、先ず、ユーザデータベース12B−2を参照して、そのユーザのユーザIDに対応付けられている履歴情報ポインタを認識する。続いて、主記憶領域Ar2から、この履歴情報ポインタが示す位置にアクセスして、利用履歴情報を読み出して取得するようにされる。
最高利用ジャンルは、このユーザIDに対応するユーザのこれまでのダウンロード履歴として、最も利用頻度の高いコンテンツのジャンルを示す情報が示される。
また、月別利用料金は、このユーザIDに対応するユーザがコンテンツデータをダウンロードしたことに応じて支払うべき料金として、月ごとにより管理された料金の情報が示される。ここで、月ごとに利用料金を管理するようにしているのは、実際の課金処理として、決済が月ごとに行われることに依る。
【0062】
3−4.課金関連情報
続いては、記憶部12に記憶される情報として、課金関連情報12Cについて説明する。
課金関連情報は、コンテンツ配信に伴う課金処理に必要とされる情報とされ、ここでは、料金情報12C−1及び料金データベース12C−2を含むものとされる。
料金情報12C−1は、例えば図13に示すようにして、コンテンツIDに対応させて、各フォーマットの利用料金の情報が示されるものとなる。そして、本実施の形態としては、コンテンツごとに対応付けて、例えば、少なくとも、図9に示したベースデータのフォーマットごとの料金の情報を格納するようにされる。
【0063】
また、アップグレードデータの料金の情報については、次のようにして得るようにすることが考えられる。
1つには、コンテンツIDごとに対応させて、ベースデータの料金だけではなく、アップグレードデータの料金もアップグレード種別ごとに料金情報12C−1に格納するようにする。この場合には、料金情報12C−1を参照すれば、各アップグレード種別ごとのアップグレードデータの料金が認識できることになる。
また、1つには、料金情報12C−1に対しては、アップグレードデータの料金を格納せずに、ベースデータのフォーマットごとの料金のみを格納することとする。
そのうえで、アップグレードデータの料金の情報が必要となったときは、実際に過去に配信したベースデータのフォーマットに対応する料金と、アップグレード後のフォーマットに対応する料金とを料金情報12C−1から取得する。そして、これらの1つの料金情報を利用して、所定の規則に従った演算処理を実行することで、アップグレードデータそのものの料金を求めるようにすることも考えられる。
料金データベース12C−2は、上記料金情報12C−1に対応して構築されるデータベースである。例えば料金情報12C−1から必要な情報を取得する必要のある場合には、この料金データベース12C−2を利用するようにされる。
【0064】
3−5.ベースデータ生成部
続いては、コンテンツサーバ1において、ベースデータを生成するために設けられる、ベースデータ生成部13の回路構成例について、図14を参照して説明する。なお、図14においては、説明を簡単なものとするために、ベースデータ生成部13が生成するベースデータとして、図9に示したフォーマット番号0〜7までの8種類のフォーマットに限定した構成を示している。
【0065】
図14に示すベースデータ生成部13において、ベースデータの生成元である原コンテンツデータとしてのオーディオデータは、入力端子41に対して供給される。この原コンテンツデータとしてのオーディオデータは、図7により説明したように、DSD(Direct Stream Digital)信号といわれるものであり、CD−DAのデジタルオーディオ信号のサンプリング周波数fs=44.1KHzとすると、64fs=2.8224MHzのサンプリング周波数を有する、ΔΣ変調による1ビットのデジタルオーディオ信号とされる。
入力端子41に入力されたDSD信号は、図示するようにして、分岐して所要の回路ブロックに入力される。
【0066】
先ず、分岐されたDSD信号の1つは、インターポレーション回路42に入力される。インターポレーション回路42は、オーバーサンプリングの前処理としての補間処理(インターポレーション)を施して、オーバーサンプリングフィルタ(OFS:Over Sampling Filter)43に出力する。
オーバーサンプリングフィルタ43では、入力信号に対して、10倍のオーバーサンプリング処理を行ってダウンサンプリングフィルタ(DSF:Down Sampling Filter)44に出力する。
【0067】
ダウンサンプリングフィルタ44は、入力された信号に対して1/147倍のダウンサンプリング処理を実行し、デシメーション回路45に出力する。デシメーション回路45では、入力信号に対してダウンサンプリング処理の後処理である間引き処理(デシメーション)を行ってビット制限(語長制限)回路46に出力する。
ビット制限回路46では、これまでの処理によって得られた信号のサンプリングビット数を24bitに制限する。
そして、このビット制限回路46から出力される信号は、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のフォーマットによるオーディオデータとなっている。つまり、インターポレーション回路42〜ビット制限回路46から成る信号処理系によって、DSD信号は192KHz/24bitのオーディオデータに変換される。
【0068】
また、[インターポレーション回路47→オーバーサンプリングフィルタ48(5倍)→ダウンサンプリングフィルタ49(1/147倍)→デシメーション回路50→ビット制限回路(24bit)51]の信号処理系に入力されたDSD信号は、フォーマット番号1[94KHz/24bit]のオーディオデータに変換される。
【0069】
また、[ダウンサンプリングフィルタ52(1/32倍)→デシメーション回路53→ビット制限回路(24bit)54]の信号処理系に入力されたDSD信号は、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータに変換される。
【0070】
[インターポレーション回路55→オーバーサンプリングフィルタ56(5倍)→ダウンサンプリングフィルタ57(1/294倍)→デシメーション回路58→ビット制限回路(16bit)59]の信号処理系に入力されたDSD信号は、フォーマット番号3[48KHz/16bit]のオーディオデータに変換される。
【0071】
また、[ダウンサンプリングフィルタ60(1/64倍)→デシメーション回路61]の系によりダウンサンプリングされたDSD信号は、分岐してビット制限回路(20bit)62、ビット制限回路(16bit)63、及びATRACエンコーダ64に入力される。
ビット制限回路(20bit)62から出力される信号は、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のフォーマットによるオーディオデータとなる。また、ビット制限回路(16bit)63の出力は、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータとなる。
また、ATRACエンコーダ64では、入力された信号(オーディオデータ)について、ATRAC方式にしたがったオーディオデータ圧縮処理を施す。これにより、ATRACエンコーダ64から出力される信号は、フォーマット番号6[ATRAC]のオーディオデータとなる。つまり、ATRAC方式による圧縮オーディオデータとなる。
【0072】
また、[ダウンサンプリングフィルタ65(1/128倍)→デシメーション回路66→ビット制限回路(8bit)67]の信号処理系に入力されたDSD信号は、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータに変換される。
【0073】
そして、上記のようにして各信号処理系を経由して生成された、フォーマット番号0〜7としての各オーディオデータは、セレクタ68に対して入力される。ここで、セレクタ68に対しては、フォーマット番号n(ここではn=0〜7の整数となる)を示すセレクト信号が入力される。そして、セレクタ68は、上記のようにして入力されるフォーマット番号0〜7のオーディオデータのうちから、このセレクト信号が示すフォーマット番号に一致するとされるオーディオデータを選択して出力する。例えばフォーマット番号n=5を示すセレクト信号が入力されたのであれば、セレクタ68は、ビット制限回路(16bit)63から入力された、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータを出力することになる。
【0074】
上記のようにしてセレクタ68から出力されるオーディオデータが、ベースデータに相当する。
セレクタ68から出力されたオーディオデータは、制御部11の制御によって、所要の内容のヘッダが付加されることで、図5に示したベースデータの構造を有することになる。そして、このベースデータを、ベースデータ生成部13からシステムバス17を経由して暗号化処理部15に転送し、ここで暗号化を施すようにされる。そして、このようにして暗号化を施したベースデータを、インターフェイス部16からネットワーク3を経由して、コンテンツの要求元である特定の個人端末装置2に対して送信することができる。
また、コンテンツデータとして、アップグレードデータを送信する場合には、先ず、アップグレードデータの生成に必要とされる、所要のフォーマットの2つのベースデータを生成し、アップグレードデータ生成部14に対して出力するようにされる。
【0075】
3−6.アップグレードデータ生成部
続いては、図15を参照して、アップグレードデータ生成部14の回路構成について説明する。なお、この図において、○内に示す0〜7の数値は、入力されるオーディオデータのフォーマット番号を示す。このようにして入力されるオーディオデータは、上述もしているように、ベースデータ生成部13によりDSD信号を元に生成されるものである。
また、フォーマット番号0〜7の7種類のベースデータに対応して形成されるべきアップグレードデータとしては、図10にアップグレード種別として示したようにして、アップグレード種別[1−0]〜[7−6]までの13種となる。図15に示すアップグレードデータ生成部14は、これら13種のアップグレード種別に対応するアップグレードデータを生成する構成となっている。
【0076】
先ず、アップグレード種別[1−0]のアップグレードデータは、次のようにして生成する。図10からも分かるように、アップグレード種別[1−0]のアップグレードデータは、フォーマット番号1[96KHz/24bit]のオーディオデータと、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータとの差分データとなる。
そこで、アップグレード種別[1−0]のアップグレードデータを生成するのにあたっては、先ず、ベースデータ生成部13により、フォーマット番号1[96KHz/24bit]のオーディオデータと、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータを生成させ、これらの生成されたオーディオデータを利用することになる。
【0077】
そして、フォーマット番号1[96KHz/24bit]のオーディオデータは、図15に示すインターポレーション回路71→オーバーサンプリングフィルタ72(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理を施す。これにより、オーバーサンプリングフィルタ72から出力される信号のサンプリング周波数としては、192KHzとなり、フォーマット番号0のオーディオデータと同等となる。この信号は、減算器74に対して入力される。
また、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータは、先ず、バッファ73において一時蓄積されたうえで、減算器74に入力される。このバッファ73は、次に説明する減算器74により減算処理を行うのにあたり、減算される2つの信号の時間差を吸収して、その入力タイミングを同期させるために設けられる。後述するバッファ81,85,86,95,103,107,109,115,117,121,129についても同様のことを目的として備えられる。
【0078】
減算器74では、バッファ73から入力される信号(フォーマット番号0のオーディオデータ)について、オーバーサンプリングフィルタ72から入力される信号(フォーマット番号1のオーディオデータ)により減算する。これにより、実質的に、フォーマット番号1のデータに対するフォーマット番号0のデータの差分としての情報が得られる。
【0079】
減算器74の出力は、ダウンサンプリングフィルタ75(1/2倍)→デシメーション回路76により1/2倍のダウンサンプリング処理が施される。このダウンサンプリング処理により得られた信号が、アップグレード種別[1−0]に対応する、フォーマット番号1のデータに対するフォーマット番号0のデータの差分データとなる。つまり、アップグレードデータの実体である。このアップグレード種別[1−0]のアップグレードデータは、セレクタ128の入力端子0に対して入力される。
【0080】
また、アップグレード種別[3−0]のアップグレードデータは、フォーマット番号3[48KHz/16bit]のオーディオデータと、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータの差分データであり、これらのデータを元に次のようにして生成する。
先ず、フォーマット番号3[48KHz/16bit]のオーディオデータは、インターポレーション回路77→オーバーサンプリングフィルタ78(2倍)→インターポレーション回路79(2倍)→オーバーサンプリングフィルタ80(2倍)の信号処理系により2段階による2倍のオーバーサンプリング処理が施されて、フォーマット番号0[192KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数の信号に変換されたうえで、減算器82に入力される。
また、フォーマット番号0[192KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ81により一時保持されたうえで、減算器82に入力される。
【0081】
減算器82では、オーバーサンプリングフィルタ80から入力された信号(フォーマット番号3)について、バッファ81から入力された信号(フォーマット番号0)により減算する。これにより、アップグレード種別[3−0]のアップグレードデータ(差分データ)が得られる。このアップグレードデータはセレクタ128の入力端子1に入力される。
【0082】
また、アップグレード種別[3−1]のアップグレードデータは、次のようにして形成する。
フォーマット番号3[48KHz/16bit]のオーディオデータは、インターポレーション回路77→オーバーサンプリングフィルタ78(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理が施されて、フォーマット番号1[96KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数の信号に変換されたうえで、減算器87に入力される。
また、フォーマット番号1[96KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ85から減算器87に入力される。減算器87により減算処理が行われることで、フォーマット番号3のデータに対するフォーマット番号1のデータの差分の情報が得られる。そして、この減算器87の出力は、ダウンサンプリングフィルタ89(1/2倍)→デシメーション回路90により1/2倍のダウンサンプリング処理が施される。これにより得られたデータが、アップグレード種別[3−1]に対応するアップグレードデータ(差分データ)となる。このアップグレードデータはセレクタ128の入力端子2に入力される。
【0083】
また、アップグレード種別[4−2]のアップグレードデータを生成するには、先ず、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のオーディオデータについて、インターポレーション回路83→オーバーサンプリングフィルタ84(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理を施して、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数の信号に変換し、減算器88に出力する。
また、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータをバッファ86に一時蓄積させたうえで、減算器88に入力する。減算器88の減算処理によって、フォーマット番号4のデータに対するフォーマット番号2のデータの差分が得られる。
この減算器88の出力は、ダウンサンプリングフィルタ91(1/2倍)→デシメーション回路92により1/2倍のダウンサンプリング処理が施され、アップグレード種別[4−2]に対応するアップグレードデータ(差分データ)が得られる。このアップグレードデータはセレクタ128の入力端子3に入力される。
【0084】
また、アップグレード種別[5−2]のアップグレードデータを生成するには、先ず、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータについて、インターポレーション回路93→オーバーサンプリングフィルタ94(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理を施して、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数の信号に変換し、減算器96に入力する。
また、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ95に一時蓄積させたうえで減算器96に入力する。
そして、減算器96により減算して得た信号を、ダウンサンプリングフィルタ97(1/2倍)→デシメーション回路98により1/2倍のダウンサンプリング処理を施して、アップグレード種別[5−2]のアップグレードデータ(差分データ)を得て、セレクタ128の入力端子4に入力する。
【0085】
また、アップグレード種別[5−4]のアップグレードデータを生成する場合は、次のようになる。
フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータと、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のオーディオデータは、同等のサンプリング周波数を有する。そこで、この場合には、フォーマット番号5のデータとフォーマット番号4のデータについて、減算器99により減算するようにしている。そして、この減算器99の出力が、アップグレード種別[5−4]のアップグレードデータ(差分データ)となり、セレクタ128の入力端子5に入力される。
【0086】
また、アップグレード種別[6−2]のアップグレードデータは次のようにして生成する。
先ず、フォーマット番号6[ATRAC]のオーディオデータは、ATRAC方式による圧縮オーディオデータである。そこで、フォーマット番号6[ATRAC]のオーディオデータをATRACデコーダ100に入力してデコード処理を行う。この場合、ATRACデコーダ100によってデコードして得られる信号は、サンプリング周波数44.1KHzのオーディオデータとなる。
ATRACデコーダ100によりデコードして得られた信号は、さらに、インターポレーション回路101→オーバーサンプリングフィルタ102(2倍)により2倍のオーバーサンプリングが施されて、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数による信号とされて、減算器104に入力される。
フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ103にて一時保持された上で、減算器104に入力される。
減算器104により減算を行って得られた信号は、ダウンサンプリングフィルタ105(1/2倍)→デシメーション回路106により1/2倍のダウンサンプリング処理が施され、アップグレード種別[6−2]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子6に入力される。
【0087】
また、アップグレード種別[6−4]のアップグレードデータを生成するのには、ATRACデコーダ100によりフォーマット番号6[ATRAC]のデータをデコードし、このデコードして得た信号を、減算器108に入力するようにされる。また、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のデータを、バッファ107により一時蓄積させた上で、減算器108に入力する。
そして、減算器108により減算を行って得られた出力を、アップグレード種別[6−4]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子7に対して入力する。
【0088】
また、アップグレード種別[6−5]のアップグレードデータを生成する場合にも、ATRACデコーダ100によりフォーマット番号6[ATRAC]のデータをデコードして得た信号を、減算器110に入力する。また、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のデータを、バッファ109により一時蓄積させた上で、減算器110に入力する。
そして、減算器110により減算を行って得られた出力を、アップグレード種別[6−5]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子8に対して入力する。
【0089】
また、アップグレード種別[7−2]のアップグレードデータを生成する場合には、次のようになる。
この場合には、先ず、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータを、インターポレーション回路111→オーバーサンプリングフィルタ112(2倍)→インターポレーション回路113→オーバーサンプリングフィルタ114(2倍)による信号処理系に入力する。これにより、オーバーサンプリングフィルタ114から出力される信号は、フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]と同等のサンプリング周波数となる。そして、このオーバーサンプリングフィルタ114から出力される信号を、減算器116に入力する。
フォーマット番号2[88.2KHz/24bit]のオーディオデータは、バッファ115により一時保持させたうえで、減算器116に入力する。
そして、減算器116による減算出力を、アップグレード種別[7−2]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子9に対して入力する。
【0090】
また、アップグレード種別[7−4]のアップグレードデータを生成する場合には、先ず、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータを、インターポレーション回路111→オーバーサンプリングフィルタ112(2倍)の信号処理系によって、フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]と同等のサンプリング周波数による信号に変換し、減算器118に入力する。
フォーマット番号4[44.1KHz/20bit]のオーディオデータは、バッファ117により一時保持させたうえで、減算器118に入力する。
減算器104により減算した信号を、ダウンサンプリングフィルタ119(1/2倍)→デシメーション回路120により1/2倍のダウンサンプリング処理を施す。そして、このデシメーション回路120の出力を、アップグレード種別[7−4]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子10に入力する。
【0091】
アップグレード種別[7−5]のアップグレードデータを生成するのにあたっても、先ず、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータを、インターポレーション回路111→オーバーサンプリングフィルタ112(2倍)の信号処理系によって、フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]と同等のサンプリング周波数による信号に変換する。そして、この信号を減算器122に入力する。
フォーマット番号5[44.1KHz/16bit]のオーディオデータは、バッファ121により一時保持させたうえで、減算器122入力する。
減算器122により減算した信号を、ダウンサンプリングフィルタ123(1/2倍)→デシメーション回路124により1/2倍のダウンサンプリング処理を施す。そして、このデシメーション回路124の出力を、アップグレード種別[7−5]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子11に入力する。
【0092】
アップグレード種別[7−6]のアップグレードデータを生成するのにあたっては、先ず、フォーマット番号7[22.05KHz/8bit]のオーディオデータを、インターポレーション回路111→オーバーサンプリングフィルタ112(2倍)の信号処理系によって、ATRACデコード処理後のオーディオデータと同等のサンプリング周波数44.1KHzの信号に変換する。そして、この場合には、このオーバーサンプリングフィルタ112の出力を、バッファ129に入力して一時保持させ、減算器126に入力する。
フォーマット番号6[ATRAC]のオーディオデータは、この場合にも、ATRACデコーダ125によって、デコード処理される。そして、このデコード処理によって得られたオーディオデータを、減算器126に入力する。
減算器127により得られた差分の情報信号は、非圧縮のオーディオデータ成分となるが、アップグレード種別[7−6]のアップグレードデータは、ATRACデータにアップグレードするためのデータであるから、このアップグレードデータとしては、ATRAC方式によるフォーマットとする必要がある。
そこで、この場合には、減算器126から出力した信号を、ATRACエンコーダ127によって、ATRAC方式による圧縮オーディオデータとしてのフォーマットに変換するようにしている。そして、このATRACエンコーダ127の出力を、アップグレード種別[7−6]のアップグレードデータ(差分データ)として、セレクタ128の入力端子12に対して入力する。
【0093】
セレクタ128には、上記のようにして、入力端子0〜12に対してアップグレードデータが入力される。
そして、セレクタ128では、入力端子0〜12に入力されたアップグレードデータのうちから、アップグレード種別を示すアップグレード種別情報に基づいて生成されるセレクト信号に応じてアップグレードデータを選択して出力するようにされる。
セレクタ128から出力されたアップグレードデータも、制御部11の制御によってヘッダが付加された上で暗号化処理部15に転送され、暗号化が施される。そして、この暗号化を施したアップグレードデータを、インターフェイス部16からネットワーク3を経由して、コンテンツの要求元である特定の個人端末装置2に対して送信するようにされる。
【0094】
なお、上記図14及び図15に示したベースデータ生成部13及びアップグレードデータ生成部14の回路構成としては、各図に示したものに限定されるものではない。例えば、各種のベースデータ、アップグレードデータを生成するのにあたり、同じ機能の回路部が用いられている場合も多いことから、これらの回路部を共通に使用できるような回路構成とすることが考えられる。このようにすれば、ベースデータ生成部13、アップグレードデータ生成部14としての回路規模が縮小されるから、小型化及び低コスト化などの点で有利となる。
また、上記ベースデータ生成部13及びアップグレードデータ生成部14としての信号処理を、例えば制御部11が実行するソフトウェア処理によって行う構成とすることも考えられる。
【0095】
4.コンテンツ配信のための実行処理
続いては、コンテンツサーバ1と個人端末装置2が、本実施の形態のコンテンツ配信に応じて実行すべき処理動作について、図16及び図17の処理遷移図(アローチャート)を参照して説明する。なお、これらの図に示す処理は、コンテンツサーバ1側では、制御部11を形成するCPUが、記憶部12に記憶される実行プログラム12D(図7参照)に従って実行する。また、個人端末装置2の処理は、記憶部25又はROM22に記憶されるプログラムに従って、CPU21が実行するものとされる。
【0096】
先ず、個人端末装置2のユーザが、コンテンツデータのダウンロードを開始するためのログイン操作を行ったとする。これに応じて、個人端末装置2では、ステップS101の処理としてコンテンツサーバ1に対して、接続要求を送信する。
コンテンツサーバ1では、ステップS201の処理により上記接続要求を受信すると、ステップS202の処理によって、この接続要求を行った個人端末装置2に対して、ユーザ認証情報の送信を要求するためのユーザ認証情報要求を送信する。
【0097】
上記ユーザ認証情報要求は、個人端末装置2におけるステップS102の処理として受信される。そして、個人端末装置2は、ユーザ認証情報要求に応じて、ユーザ認証情報を送信する。ここでのユーザ認証情報とは、ユーザIDと、パスワードとなる。
本実施の形態のコンテンツ配信システムでは、個人端末装置2を所有するユーザは、コンテンツサーバ1(配信側)に対して予めユーザ登録を行うようにされる。上記ユーザIDは、このユーザ登録時において、コンテンツデータ1側(配信側)で、ユーザごとに固有となるようにして、ユーザに割り当てて付与する識別情報である。ユーザは、このユーザIDを個人端末装置2に記憶させておくようにされる。また、パスワードは、同じく、ユーザ登録時において、ユーザが任意に設定してコンテンツサーバ1に対して登録するものである。また、コンテンツサーバ1側では、このようにしてユーザ登録時に得られるユーザIDとパスワードを、図12に示したユーザデータベース12B−2におけるユーザごとの情報項目の一部として記憶するようにされる。
そして、上記ステップS102によりユーザ認証情報を送信するのにあたっては、個人端末装置2では、記憶部25に保存してあるユーザIDを読み出すようにされる。また、パスワードについては、ユーザが入力デバイス30を操作して入力するようにされる。
【0098】
コンテンツサーバ1では、ステップS203の処理としてユーザ認証情報を受信すると、ステップS204のユーザ認証処理を実行する。
このステップS204のユーザ認証処理としては、先ず、記憶部12に記憶されているユーザデータベース12B−2から、今回受信したユーザ認証情報におけるユーザIDと一致するユーザIDを検索する。そして、検索したユーザIDに対応付けられているパスワードと、今回受信したユーザ認証情報としてのパスワードが一致しているか否かについての判別を行う。
ここで、パスワードが一致するとの判別結果が得られれば、ユーザ認証が成立したとして、ステップS205以降の処理を実行することになる。これに対して、ステップS203により受信したユーザ認証情報としてのユーザIDが、ユーザデータベース12B−2に登録されていないために、検索結果が得られない、若しくは、ユーザIDが検索されたとしても、パスワードが一致しないとの判別結果が得られた場合には、ユーザ認証が不成立となる。ユーザ認証が不成立である場合には、ステップS205以降のコンテンツデータ配信のための処理は実行しないことになる。また、この図には示していないが、個人端末装置2に対しては、認証が不成立であったことを通知するようにされる。
【0099】
また、ユーザ認証が成立した場合、コンテンツサーバ1は、ステップS205の処理によって、コンテンツデータダウンロードのためのメニュー画面として、第1メニュー画面の表示を要求するための要求情報を送信する。
【0100】
個人端末装置2では、ステップS104の処理により第1メニュー画面表示のための要求情報を受信すると、ステップS105により表示部29に対して第1メニュー画面を表示させるための表示制御を実行する。第1メニュー画面は、今回のコンテンツデータのダウンロードについて、新規なコンテンツのダウンロードである新規ダウンロードであるのか、または、既に取得しているベースデータとしてのコンテンツをアップグレードするためのアップグレードダウンロードであるのかの選択を行うためのGUI画面である。
そして、次のステップS106においては、ユーザの入力デバイス30を使用した上記第1メニュー画面へのGUI操作に応じて、新規ダウンロード又はアップグレードダウンローであることを選択設定するようにされる。
そして、例えばユーザによる選択決定操作に応じて、個人端末装置2は、ステップS107の処理として、新規ダウンロードであることの通知情報、又はアップグレードダウンロードであることの通知情報を送信するようにされる。
【0101】
上記新規ダウンロードであることの通知情報、又はアップグレードダウンロードであることの通知情報は、コンテンツサーバ1において、ステップS206の処理として受信される。なお、ここでは図示していないが、ステップS206により受信した新規ダウンロードの通知情報、又はアップグレードダウンロードの通知情報は、制御部11内のRAMに一時保持しておくようにされる。
そして、コンテンツサーバ1では、次のステップS207により、第2メニュー画面の表示を要求する要求情報を送信する。
【0102】
個人端末装置2は、ステップS108により第2メニュー画面表示のための要求を受信すると、これに応じた処理として、ステップS109により、第2メニュー画面を表示部29に対して表示させるための制御処理を実行する。
第2メニュー画面は、ダウンロードすべきコンテンツを選択するためのメニューが提示されるGUI画面である。そして、ステップS110の処理によっては、この第2メニュー画面に対するユーザの操作に応じて、コンテンツの選択設定が行われる。そして、例えばユーザによる選択決定操作に応じて、ステップS111の処理によって選択したコンテンツを通知するための通知情報を送信する。このコンテンツの通知情報は、コンテンツIDを送信することによって行われる。コンテンツIDは、配信側でコンテンツごとに固有となるようにしてコンテンツに対して付与した識別子である。そして、個人端末装置2において、第2メニュー画面上でコンテンツが選択することに応じては、実際にはコンテンツIDが選択されることになるものである。
【0103】
コンテンツサーバ1では、上記コンテンツの通知情報をステップS208の処理として受信すると、例えば、コンテンツの通知情報としてのコンテンツIDを、例えば制御部11内部のRAMに保持しておくようにされる。そして、さらに続くステップS209の処理によって、第3メニュー画面の表示を要求するための要求情報を送信する。
【0104】
個人端末装置2は、ステップS112の処理として第3メニュー画面表示のための要求情報を受信したのに応じて、ステップS113の処理によって、第3メニュー画面を表示部29に表示させるための制御処理を実行する。
第3メニュー画面は、ダウンロードするコンテンツのフォーマットを選択するためのGUI画面である。そして、ステップS113の処理によっては、ユーザによる操作に応じて、フォーマットの選択指定が行われる。
なお、このフォーマットの選択指定にあたり、先のステップS106の処理によって、新規ダウンロードを選択した場合には、ベースデータとしてのフォーマットを選択指定することになる。これに対して、ステップS106の処理によってアップグレードダウンロードを選択した場合には、アップグレードデータとベースデータを合成再生した結果として得られるフォーマットとなる。つまり、アップグレードフォーマット(図8参照)を選択指定することになる。
そして、ステップS113によりフォーマットの選択指定が行われたうえで、決定操作が行われたとすると、ステップS114により、この最終的に選択指定されたフォーマットの通知情報を送信する。
【0105】
コンテンツサーバ1では、ステップS210により上記のようにしてフォーマットの通知情報を受信して、例えば制御部11内のRAMに保持する。
これまでの処理によって、コンテンツサーバ1の制御部11内のRAMには、今回のコンテンツデータのダウンロードに関する情報として、新規ダウンロード/アップグレードダウンロードの区別を示す情報(新規/アップグレード情報)と、ダウンロードすべきコンテンツを示すコンテンツID、及びダウンロードすべきコンテンツのフォーマットを示すフォーマット情報とが保持されることになる。
コンテンツサーバ1では、ステップS211により、上記新規/アップグレード情報、コンテンツID、及びフォーマット情報を、例えばユーザIDに対応させて、記憶部25の仮記憶領域Ar1に対して、仮の利用履歴情報として書き込んで記憶させる。
【0106】
続いて、コンテンツサーバ1は、図17のステップS212の処理を実行する。ステップS212では、上記ステップS211の処理によって仮記憶領域Ar1に記憶された仮の利用履歴情報に基づいて、配信のためのコンテンツデータを生成する。
ここで、仮記憶領域Ar1に記憶された新規/アップグレード情報が、新規ダウンロードを指定している場合には、ステップS212により生成される配信用コンテンツデータとしては、ベースデータとなる。
このためには、先ず、制御部11は、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDを有する原コンテンツデータを、記憶部25から検索する。つまり、制御部11は、コンテンツ関連情報12Aの1つであるコンテンツデータベース12A−2を利用して、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDが示す原コンテンツデータをコンテンツデータ群12A−1から検索する。
そして、制御部11は、この検索された原コンテンツデータをベースデータ生成部13に対して入力すると共に、ベースデータ生成部13に対して、仮記憶領域Ar1に記憶されたフォーマット情報を示すフォーマット番号に対応するセレクト信号を出力する。
これにより、ベースデータ生成部13によっては、仮記憶領域Ar1に記憶されたフォーマット情報に対応するフォーマット番号のベースデータが生成されることになる。このようにして生成されたベースデータが、今回の配信用コンテンツデータとなる。
【0107】
これに対して、仮記憶領域Ar1に記憶された新規/アップグレード情報が、アップグレードダウンロードを指定している場合には、ステップS212により生成されるべきデータは、アップグレードデータとなる。
この場合には、制御部11は、先ず、今回アップグレード要求を行ったとされるユーザのユーザIDを利用して、ユーザデータベース12B−2にアクセスする。そして、ユーザデータベース12B−2から、このユーザIDと対応付けられた履歴情報ポインタ(図12参照)を認識し、この履歴情報ポインタが示す主記憶領域Ar2内の利用履歴情報における情報内容(図11参照)を参照するようにされる。
図12によっても説明したように、ユーザごとの利用履歴情報12B−1には、これまでに、そのユーザがダウンロードしたベースデータ、アップグレードデータのフォーマットが、コンテンツIDに対応付けられるようにして示されている。
そして、制御部11は、利用履歴情報12B−1において、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDと一致するコンテンツIDと対応付けられている、コンテンツデータについての情報を認識する。この場合には、アップグレードダウンロードであるから、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDが示すコンテンツデータについての情報としては、既にダウンロードされているベースデータのフォーマット(ベースフォーマット)が何であるのかを認識できることとなる。つまり、今回ダウンロードの要求が行われたコンテンツとして、個人端末装置2側に既に配信したベースデータのフォーマットを認識する。
【0108】
制御部11は、上記のようにして、認識した配信済みのベースデータのフォーマット(ベースフォーマット)の情報と、今回要求されたアップグレードフォーマットの情報(仮記憶領域Ar1に記憶されたフォーマット情報)とを取得していることになる。
そして、制御部11は、先ず、仮記憶領域Ar1に記憶されたコンテンツIDと一致する原コンテンツデータを検索して、ベースデータ生成部13に入力させる。そして、ベースデータ生成部13により、入力された原コンテンツデータに基づいて、上記のようにして取得した、ベースフォーマットのフォーマット番号となるオーディオデータと、アップグレードフォーマットのフォーマット番号となるオーディオデータとの2つのオーディオデータを生成させる。これら2つのコンテンツデータは、同じコンテンツであるが、フォーマットは互いに異なるものとなる。
そして、この場合には、生成されたこれら2つのオーディオデータを、アップグレードデータ生成部14に対して入力する。
【0109】
アップグレードデータ生成部14では、制御部11の制御に応じて、上記のようにして入力された2つのオーディオデータの差分データを生成する。このようにして生成された差分データは、既にダウンロードされたベースデータのフォーマットと、今回のダウンロード要求により指定されたアップグレードフォーマットとの差分に対応する差分データ、つまりアップグレードデータとされる。そして、この場合には、上記のようにして生成されたアップグレードデータが配信用コンテンツデータとなるものである。
【0110】
これまでの説明のようにして、ステップS212においては、仮記憶領域Ar1に記憶された情報に応じて、指定されたコンテンツIDが示すコンテンツ内容に対応し、また、指定されたフォーマットに対応するベースデータ又はアップグレードデータが配信用コンテンツデータとして生成される。
コンテンツサーバ1では、次のステップS213の処理によって、上記のようにして生成された配信用コンテンツデータについて、暗号化処理部15によって暗号化処理を実行させる。そして、暗号化が施された配信用コンテンツデータを、ステップS214の処理によって、要求元の個人端末装置2に対して送信する。
【0111】
個人端末装2では、ステップS115の処理として、送信されてきた配信用コンテンツデータを受信すると、例えばステップS116としての処理によって、受信した配信用コンテンツデータについて暗号解読を行う。このためには、受信した配信用コンテンツデータを暗号解読処理部14に対して転送し、この暗号解読処理部14により暗号解読処理を実行させる。そして、暗号が解読されて平文化された配信用コンテンツデータを、記憶部25に転送してコンテンツデータの1つとして記憶する。
個人端末装置2において、例えば上記ステップS116による、受信したコンテンツデータの暗号解読処理、及び記憶部25への保存が完了したとされると、今回のダウンロードは成功し、適正に終了したということになる。
そこで、個人端末装置2は、ステップS116の処理が正常に終了した場合においては、ステップS117の処理によって、コンテンツサーバ1に対して完了通知を送信する。
【0112】
コンテンツサーバ1では、ステップS215の処理によって上記完了通知を受信する。この完了通知の受信によっては、今回送信したコンテンツデータが個人端末装置2側でダウンロードが正常に終了したことをコンテンツサーバ1側が認識できることになる。そこで、コンテンツサーバ1側としては、以降のダウンロード、及び課金処理などのために、今回のダウンロード内容が反映されるように、利用履歴情報及びユーザデータベースの内容を更新しておく必要があることになる。
【0113】
そこで、先ずステップS216においては、先のステップS211の処理によって仮記憶領域Ar1に保持されている情報に基づいて、主記憶領域Ar2に記憶される利用履歴情報12B−1のうちで、今回コンテンツ配信サービスを利用したユーザのユーザIDに対応付けられて記憶されている利用履歴情報12B−1を更新する。
このとき、仮記憶領域Ar1に保持されている情報を参照することによっては、今回配信したコンテンツデータのコンテンツIDが認識される。また、配信したコンテンツデータがベースデータであれば、そのベースフォーマットが認識され、アップグレードデータであれば、アップグレードフォーマットが認識される。
そして、制御部11は、例えば配信したコンテンツデータがベースデータである場合には、認識したコンテンツIDを、利用履歴情報12B−1に対して新規に記録した上で、今回配信したベースデータのフォーマット(ベースフォーマット)を、このコンテンツIDに対応付けて記録する。
また、配信したコンテンツデータがアップグレードデータである場合には、認識したコンテンツIDと一致するコンテンツIDが、既に利用履歴情報12B−1に登録されているから、このコンテンツIDに対応付けて、今回配信したアップグレードデータによりアップグレードされるフォーマット(アップグレードフォーマット)を記録する。
そして、この処理が終了すれば、ステップS211にて仮記憶領域Ar1に記憶させた情報は不要となるから、ステップS217において、仮記憶領域Ar1に記憶された情報を消去するようにされる。
【0114】
そして、次のステップS218においては、ユーザデータベース12B−2において、今回のコンテンツ配信に応じて変更すべき内容について更新するようにされる。
つまり、ユーザデータベース12B−2においては、ユーザIDごとに対応する情報として、利用ジャンル履歴と、月別利用料金の情報が格納されることになっている。
そこで、例えば制御部11は、今回の配信したコンテンツデータのジャンルを、例えば記憶部25に記憶されるコンテンツデータベース12A−2を参照して認識する。そして、この認識結果に応じて利用ジャンル履歴の情報を更新するようにされる。
また、今回配信したコンテンツデータについての料金を、記憶部25に記憶される課金情報12C−1を参照して認識し、この認識した料金に基づいて、月別利用料金の情報も更新するようにされる。そして、ここでは図示していないが、コンテンツサーバ1では、例えばこの月別利用料金の情報を利用して、所要の機会、タイミングで、課金のための処理も実行するようにされる。
【0115】
5.個人端末装置におけるコンテンツデータの信号処理
上記図16及び図17により示した処理が実行される結果、個人端末装置2では、先ず、ベースデータとしてのコンテンツデータをダウンロードして記憶部25に保存することができる。さらには、既にダウンロードしたベースデータと同じコンテンツのアップグレードデータもダウンロードして記憶することができる。
そして、個人端末装置2では、上記のようにしてダウンロードして保存しているコンテンツデータとして、ベースデータについては、単独でオーディオ音声として再生出力することができる。また、ベースデータとアップグレードデータとを合成することで、元のベースデータのフォーマットよりも高い品位のフォーマットによりオーディオ音声として再生出力することができる。
そして、上記したベースデータとアップグレードデータとを合成して、或るアップグレードされたフォーマットのオーディオデータを生成するための信号処理は、コンテンツデータ合成処理部26において実行される。
【0116】
そこで、続いては、コンテンツデータ合成処理部26の回路構成例について、図18を参照して説明する。
図18に示すコンテンツデータ合成処理部26は、大きくは第1信号処理部130と第2信号処理部140とに分けられる。ここでは、第1信号処理部130は、記憶部25から転送されてくるベースデータについて処理を実行する部位とされる。また、第2信号処理部140は、記憶部25から転送されてくるアップグレードデータについて処理を実行する部位とされる。
【0117】
記憶部25から第1信号処理部130に対して転送されるベースデータは、先ず、データ分離部131に対して入力される。記憶部25に記憶されるベースデータは、図5に示したようにして、ヘッダとオーディオデータとから成るが、データ分離部131においては、入力されたベースデータについて、このヘッダとオーディオデータとに分離する。そして、分離して得られたオーディオデータは、セレクタ138の端子0、ATRACデコーダ132、インターポレーション回路133に対して分岐して入力される。
また、ヘッダの情報は、セレクト信号発生回路137に対して入力される。
【0118】
ATRACデコーダ132では、入力されたオーディオデータがATRAC方式により圧縮された圧縮オーディオデータである場合に、ATRAC方式によるデコード処理(伸長処理)を施して、例えばサンプリング周波数44.1KHzのオーディオデータに変換し、セレクタ138の端子1に入力する。
また、インターポレーション回路133に入力されたオーディオデータは、ここで補間処理が行われたうえで、後段のオーバーサンプリングフィルタ134(2倍)により2倍のオーバーサンプリング処理が施される。
このオーバーサンプリングフィルタ134から出力された信号は、セレクタ138の端子2と、インターポレーション回路135に分岐して入力される。
インターポレーション回路135→オーバーサンプリングフィルタ136(2倍)によっては、オーバーサンプリングフィルタ134から出力された信号に対して、さらに2倍のオーバーサンプリング処理を施すことになる。そして、オーバーサンプリングフィルタ136から出力された信号は、セレクタ138の端子3に入力される。
【0119】
セレクト信号発生回路137では、入力されたヘッダにおけるコンテンツグレード識別情報を抽出して、その内容を解析することで、第1信号処理部130に入力されたベースデータのフォーマット(フォーマット番号)を認識する。そして、認識したフォーマットに応じたセレクト信号Sel1をセレクタ138の端子SELに出力する。
【0120】
セレクタ138では、端子SELに入力されたセレクト信号Sel1に応じて、端子0〜3のうちのいずれかを択一的に選択する。そして、選択した端子に入力された信号をバッファ139に対して出力する。バッファ139では、入力された信号を一時保持してか合成器150に出力する。
このバッファ139は、第1信号処理部130から出力される信号について、第2信号処理部140から出力される信号と同期した出力タイミングとするために、時間調整を行うことを目的として設けられる。
【0121】
第2信号処理部140は、データ分離部141、ATRACデコーダ142、インターポレーション回路143、オーバーサンプリングフィルタ144(2倍)、インターポレーション回路145、オーバーサンプリングフィルタ146(2倍)、セレクト信号発生回路147、セレクタ148、及びバッファ149を、上記第1信号処理部130の場合と同様にして接続して構成されている。
アップグレードデータは、図6に示したようにヘッダと差分データとから成る。従って、第2信号処理部140のデータ分離部141によっては、差分データとヘッダとに分離が行われる。そして、差分データについては、第1信号処理部140と同じ信号処理が行われ、セレクタ148の端子0〜3に入力されることになる。
また、第2信号処理部140のセレクト信号発生回路147では、入力されたたヘッダに格納されるコンテンツグレード識別情報を抽出して、その内容を解析することで、そのアップグレードデータのアップグレード種別を認識する。そして、認識したアップグレード種別に応じたセレクト信号Sel2をセレクタ148の端子SELに出力するようにされる。
また、第2信号処理部140のバッファ149も、第1信号処理部130のバッファ139と同様にして、この第2信号処理部140から出力すべき信号について、第1信号処理部130から出力される信号と同期した出力タイミングとするために、その時間差を吸収することを目的として設けられる。
【0122】
ここで、セレクト信号発生回路137、147においては、上述したようにして認識したコンテンツグレード識別情報(ベースデータのフォーマット番号及びアップグレードデータのアップグレード種別)に応じて、図20に示すようにしてセレクト信号Sel1,Sel2を生成する。
図20においては、縦方向において、コンテンツグレードとして、先ず、上段側にフォーマット番号0〜7が示されている。そして、このフォーマット番号0〜7に対応させて、セレクト信号Sel1により選択すべきセレクタ138の端子番号が示されている。これは、ベースデータのみを再生する場合に対応している。再生出力すべきコンテンツデータがベースデータのみである場合には、第1信号処理部130のみが動作する。
そして、このコンテンツグレード(フォーマット番号0〜7)に対応するセレクト信号Sel1としては、フォーマット番号6[ATRAC]のときには、端子1を選択するものとなり、それ以外のフォーマット番号のときには、端子0を選択するものとなっている。
このようにして、セレクト信号Sel1が生成されることで、ベースデータのみを再生する場合には、第1信号処理部130にて適切な信号処理系が選択されて、最終的には合成器150を介して、オーディオ信号処理部27に供給すべき再生信号が出力されることになる。
【0123】
また、コンテンツグレードとして、上記フォーマット番号0〜7の下段には、アップグレード種別[1−0]〜[7−6]までが示されており、これに対応させて、セレクト信号Sel1,Sel2により選択されるセレクタ138,148の端子番号が示されている。
例えば、アップグレード種別[1−0]である場合、第1信号処理部130には、ベースデータとしてフォーマット番号1のオーディオデータが入力され、第2信号処理部140には、アップグレード種別[1−0]に対応するアップグレードデータが入力される。
そして、図20によると、上記アップグレード種別[1−0]に対応するアップグレードにより再生出力を行う場合には、第1信号処理部130内のセレクト信号発生回路137は、端子0を選択するためのセレクト信号Sel1を生成するようにされる。また、第2信号処理部140内のセレクト信号発生回路147は、端子2を選択するためのセレクト信号Sel2を生成するようにされる。そして、実際においては、このようにして生成されたセレクト信号Sel1,Sel2によってセレクタ138,148にて選択された信号が、バッファ139,149を介して合成器150に出力される。合成器150にて合成出力された再生信号は、フォーマット番号1のベースデータから、フォーマット番号0のフォーマットにアップグレードされたデジタルオーディオ信号とされていることになる。
つまり、セレクト信号発生回路137、138は、入力されるデータのフォーマットに応じて、この図20に示す通りに、セレクタを切り換えるようにされ、これによって、コンテンツ合成処理部26からは、適正に合成処理された再生信号(デジタルオーディオ信号)が出力されることになる。また、ベースデータのみを再生出力する場合にも、適正なフォーマットの再生信号(デジタルオーディオ信号)として、オーディオ信号処理部27に出力することができる。
【0124】
なお、上記図18に示したコンテンツ合成処理部26の構成は、ベースデータに対して、1つのアップグレードデータによりアップグレードを行うようにして生成されたデジタルオーディオ信号を出力する構成とされている。
しかしながら、このような図18に示したコンテンツ合成処理部26の構成は、本実施の形態としてのコンテンツ合成処理のための構成を分かりやすく説明するためのものである。
例えば、ベースデータに対して、或るアップグレード種別による1つのアップグレードデータによりアップグレードしたデジタルオーディオ信号を生成したとして、このデジタルオーディオ信号に対して、さらに高品位なフォーマットにアップグレードするためのアップグレードデータによりアップグレードのための合成処理を行えば、より高品位なフォーマットのデジタルオーディオ信号が得られることになる。つまり、1つのベースデータに対して、複数のアップグレードデータ(差分データ)によりアップグレードすることは、技術的に可能であり、実際のコンテンツ合成処理部26としても、これに対応する構成を採ってよいものである。
【0125】
そして、1つのベースデータに対して、複数のアップグレードデータ(差分データ)によりアップグレードすることを可能とする構成として、図18に示したコンテンツ合成処理部26の構成を基とする場合には、次のようにすればよい。つまり、図18に示す第1信号処理部130及び第2信号処理部140の各信号処理部に加えて、さらに多くの所要数の信号処理部を設けるようにされる。なお、追加して設ける信号処理部は、例えば第1信号処理部130及び第2信号処理部140と同等の構成とされればよい。
例えば、1つのベースデータに対して、3つのアップグレードデータによりアップグレードを行う構成とするのであれば、ベースデータの信号処理に対応する第1信号処理部130と、1つのアップグレードデータの信号処理に対応する第2信号処理部140とに加えて、残る2つのアップグレードデータに対応する2つの信号処理部を設ける。
また、各信号処理部のセレクト信号発生回路としては、ベースデータとアップグレードデータのコンテンツグレード(フォーマット及びアップグレード種別)に応じて、適切なセレクタの端子を選択するセレクト信号を発生して出力するように設定を行っておけばよいものとされる。
そして、そして、これら信号処理部により適正に信号処理された信号を、最終的に1つのデジタルオーディオ信号となるように合成器によって合成して出力するように構成するものである。
【0126】
また、本実施の形態におけるコンテンツデータ合成処理部26の他の構成として、信号処理対象となるベースデータ及び所要数のアップグレードデータに対して、信号処理部を共通とした上で、この信号処理部によって、信号処理対象となるデータ(ベースデータ及び所要数のアップグレードデータ)を時分割処理する構成とすることも可能である。このような構成の一具体例を、図19に示す。
【0127】
この図に示すコンテンツデータ合成処理部26は、例として、1つのベースデータに対して、最大で2つのアップグレードデータ1,2を合成してコンテンツデータをアップグレード可能な構成を採っている。なお、確認のために述べておくと、このコンテンツデータ合成処理部26においては、例えばベースデータについて、1つのアップグレードデータ1のみを合成することによるアップグレードも可能とされる。しかしながら、以下の動作としては、ベースデータについて、2つのアップグレードデータ1,2によりアップグレードする場合について説明する。
【0128】
この場合には、記憶部25から、1つのベースデータを読み出すとともに、このベースデータと同じコンテンツであるアップグレードデータとして、2つのアップグレードデータ1,2を読み出すようにされる。
記憶部25から読み出されたデータのうち、ベースデータはバッファ171に対して転送される。また、アップグレードデータ1は、バッファ172に対して転送される。さらに、アップグレードデータ2は、バッファ173に対して転送される。
セレクタ174は、上記各バッファ171,172,173に保持されているベースデータ、及びアップグレードデータ1,2のうちから、信号処理部160に対して入力すべきデータを時分割的に切り換えるために設けられている。つまり、例えばセレクタ174では、切り換えタイミング発生回路175から出力されるセレクト信号に応じて、所要のタイミングで、端子0,1,2を選択する。これにより、セレクタ174から信号処理部160に対しては、所要のタイミングで時分割的に、ベースデータ、アップグレードデータ1,2が順次入力されることになる。また、この場合においては、ベースデータ、アップグレードデータ1,2は、例えば所要のデータ単位ごとに順次入力されるようにしている。
【0129】
信号処理部160は、図示するようにして、データ分離部161、ATRACデコーダ162、インターポレーション回路163、オーバーサンプリングフィルタ164、インターポレーション回路165、オーバーサンプリングフィルタ166、セレクト信号発生回路167、セレクタ168を、図示するようにして接続して構成される。つまり、図18に示した第1信号処理部130及び第2信号処理部140と同等の構成を採る。
そして、この場合には、時分割的に入力されてくるベースデータ、アップグレードデータ1,2について、先に図18にて説明した信号処理部と同様の動作によって信号処理を実行し、セレクタ168を介して出力するようにされる。
【0130】
セレクタ168から出力された信号は、さらに、セレクタ176に対して入力される。セレクタ176では、切り換えタイミング発生回路175から入力されるセレクト信号に応じて、セレクタ168から入力された信号を端子0,1,2の何れか1つから出力させる。この場合のセレクタ176の動作としては、信号処理部160にて処理された信号が、ベースデータのオーディオデータであるのならば、この信号を端子0から出力してバッファ177に転送する。また、アップグレードデータ1の差分データであれば、端子1を選択してバッファ178に転送する。また、アップグレードデータ2の差分データであれば、端子2を選択してバッファ179に転送する。
【0131】
バッファ177,178,179は、上記のようにして転送されてきた信号を一時保持するようにして蓄積する。そして、バッファ177,178,179からは、それぞれ、ベースデータ、アップグレードデータ1,2の各データの再生時間軸を同期させるようにして、読み出しが行われ、合成器180に対して出力される。
そして、合成器180により、これらの入力信号が合成されて出力されることで、ベースデータについてアップグレードデータ1,2によりアップグレードされたデジタルオーディオ信号が得られることとなる。
【0132】
このような構成であれば、例えばベースデータ及び所要数のアップグレードデータの入出力に対応して設けるべき信号処理部としては、1つに共通化することができる。従って、コンテンツデータ合成処理部26としての回路規模を縮小して、その分のコストダウンや、物理的な回路のサイズの小型化を図ることが可能になる。
なお、図18及び図19に示したようなコンテンツデータ合成処理部26としての信号処理は、ソフトウェアによって実現されるように構成してもよい。つまり、CPU21がプログラムに基づいて、ベースデータ及びアップグレードデータについてRAM23を作業領域として利用して信号処理を実行することで、アップグレードされたデジタルオーディオ信号を生成するものである。
【0133】
ところで、本実施の形態において、先に図16及び図17に示した処理を実現するためのプログラムは、前述もしたように、コンテンツサーバ1では、例えば記憶部12に実行プログラム12Dとして予め記憶して格納しておくものである。
また、個人端末装置2であれば、そのためのプログラムが、ROM22又は記憶部25に対して記憶されることになる。
また、プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、プログラムが記憶されたいわゆるパッケージメディアとして提供することができる。そして、コンテンツサーバ1及び個人端末装置2として、このようなパッケージメディアからデータを読み出し可能な構成を採るようにすれば、コンテンツサーバ1及び個人端末装置2では、このパッケージメディアからプログラムを読み出して、記憶部12,25などにインストールすることができる。或いは、上記のようなリムーバブルな記録媒体からインストールする他、プログラムを記憶しているサーバなどから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してプログラムをダウンロードし、このダウンロードしたプログラムをインストールするようにすることも可能である。
【0134】
また、本発明としてはこれまでに説明した構成に限定されるものではない。例えば、コンテンツサーバ1において、図7〜図13を参照して説明した、コンテンツ配信のために記憶部12に記憶しておくべき各種情報及びその構造などはあくまでも一例であって、必要に応じて変更されるべきものである。
また、本発明としては、コンテンツサーバ1は、配信すべきコンテンツ素材として、原コンテンツデータのみを記憶して保持していればよく、これにより、記憶部12の記憶容量節約などの効果も得られる。しかしながら、例えば、これまでに配信したコンテンツデータの全てではなくとも、配信頻度が高いフォーマット、又はアップグレード種別のベースデータ、アップグレードデータを記憶部12内に、コンテンツ関連情報12Aの1種として記憶しておくようにすることも考えられる。このようにすれば、配信頻度が高いコンテンツについては、記憶部12から読み出して、ベースデータ生成処理又はアップグレードデータ生成処理を経ることなく、送信出力できることになるから、コンテンツサーバ1における処理負担はそれだけ軽減される。
さらに、上記実施の形態において配信対象となるコンテンツデータは、オーディオデータとされているが、本発明としては、オーディオデータに限定されるものではなく、例えばビデオデータなども配信対象のコンテンツデータとしてよいものである。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、コンテンツサーバ(通信装置)からコンテンツを配信するのにあたり、先ず、原コンテンツデータ(原データ)を利用してベースデータ(低品位データ)を生成し、この生成したベースデータをコンテンツデータとして送信出力することが可能とされている。
また、コンテンツの配信にあたり、履歴情報を参照して、既に、そのコンテンツに応じたベースデータ(低品位データ)を送信していることを認識したとされる場合には、既に送信済みのベースデータのフォーマット(品位)と、今回指定された品位との差分に応じた差分データ(アップグレードデータ)を生成するようにされる。そして、この生成されたアップグレードデータをコンテンツとして配信するようにされる。
【0136】
このような構成であれば、本発明により実現されるコンテンツ配信システムとしては、ベースデータの配信後においては、アップグレード用の差分データが配信されることになる。
これは、コンテンツ配信システムを利用する端末装置のユーザから見れば、既にコンテンツとして、単独でデコード再生出力可能なベースデータを取得した後において、同じコンテンツを、より高品位で再生出力したいと思った場合には、その差分データのみを取得することができるということになる。
【0137】
例えば、従来においては、既に入手しているコンテンツについて、より高品位で楽しみたいと思った場合に、改めて、高品位なフォーマットの単独でデコード再生出力可能なデータを、ダウンロードによる購入や、パッケージメディアによる購入などによって、入手しなければならなかった。この場合には、ユーザにとっては、同じコンテンツ内容でありながら、複数の独立したコンテンツ分の料金をその都度支払っていることになり、1つのコンテンツを単にアップグレードしたいというユーザの意図からすれば、合理的でないということになる。
これに対して本実施の形態であれば、コンテンツとして差分データとしてのアップグレードデータを配信する場合には、その品位の差分に応じた適切な料金設定を行って課金することが可能である。このようにすれば、ユーザにとっても、その料金の金額は、自分の意図に見合った合理的なものとなるわけであり、結果的に、ユーザにとっても、より利用しやすいコンテンツ配信システムを提供することが可能になる。
【0138】
また、上記した本発明のコンテンツサーバ(通信装置)の構成であれば、多様なフォーマットのコンテンツを配信するのに関わらず、コンテンツサーバでは、少なくとも、コンテンツ内容に応じて、或る高品位の1種類のフォーマットによる原コンテンツデータ(原データ)を記憶して蓄積しておきさえすればよいということになる。これにより、コンテンツサーバにおいては、コンテンツデータを蓄積しておくための記憶容量を節約することが可能となるものである。
【0139】
また、本発明の端末装置は、上記のようにしてコンテンツサーバからダウンロードして取得したベースデータとアップグレードデータを合成して、コンテンツデータを再生出力することが可能に構成されている。
つまり、本発明により実現されるコンテンツ配信システムを形成する端末装置として、ベースデータとアップグレードデータを受信取得するだけではなく、ベースデータとアップグレードデータを利用して、ベースデータについてより高品位化したコンテンツデータの再生出力を行う機能を備えるものである。従って、ユーザは、本発明による個人端末装置を所有して使用することで、コンテンツ配信システムを高い利便性で利用できることになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのコンテンツ配信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】コンテンツサーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】個人端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態のコンテンツ配信システムの利用の仕方を、個人端末装置とコンテンツサーバの動作の流れとして示す説明図である。
【図5】ベースデータの構造例を示すデータ構造図である。
【図6】アップグレードデータの構造例を示す構造図である。
【図7】コンテンツサーバの記憶部に記憶される情報内容を示す説明図である。
【図8】コンテンツサーバの記憶部に記憶されるフォーマット変換データベースの内容を模式的に説明する説明図である。
【図9】実施の形態におけるコンテンツデータのフォーマットとフォーマット番号との対応を示す説明図である。
【図10】実施の形態におけるアップグレード種別の内容を示す説明図である。
【図11】コンテンツサーバの記憶部に記憶される利用履歴情報の構造例を示す構造図である。
【図12】コンテンツサーバの記憶部に記憶されるユーザデータベースの構造例を示す構造図である。
【図13】コンテンツサーバの記憶部に記憶される料金情報の構造例を示す構造図である。
【図14】コンテンツサーバに備えられるベースデータ生成部の構成例を示すブロック図である。
【図15】コンテンツサーバに備えられるアップグレードデータ生成部の構成例を示すブロック図である。
【図16】実施の形態のコンテンツ配信時における個人端末とコンテンツサーバの処理を示すアローチャートである。
【図17】実施の形態のコンテンツ配信時における個人端末とコンテンツサーバの処理を示すアローチャートである。
【図18】個人端末装置に備えられるコンテンツデータ合成処理部の構成例を示すブロック図である。
【図19】個人端末装置に備えられるコンテンツデータ合成処理部の構成例を示すブロック図である。
【図20】コンテンツデータ合成処理部のセレクト信号発生回路において発生されるセレクト信号と、入力されたデータのコンテンツグレードとの対応を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コンテンツサーバ、2 個人端末装置、3 ネットワーク、11 制御部、12 記憶部、12A コンテンツ関連情報、12A−1 コンテンツデータ群、12A−2 コンテンツデータベース、12A−3 フォーマット変換データベース、12B ユーザ関連情報、12B−1 ユーザ関連情報、12B−2ユーザデータベース、12C 課金関連情報、12C−1 料金情報、12C−2 料金データベース、12D 実行プログラム、13 ベースデータ生成部、14 アップグレードデータ生成部、15 暗号化処理部、16 インターフェイス部、17 システムバス、21 CPU、22 ROM、23 RAM、24 暗号解読処理部、25 記憶部、26 コンテンツデータ合成処理部、27 オーディオ信号処理部、29 表示部、30 入力デバイス、31 インターフェイス部、32 データバス、Ar1 仮記憶領域、Ar2 主記憶領域
Claims (8)
- 所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積する蓄積手段と、
外部から取得したデータ識別情報に対応する上記原データを上記蓄積手段から検索する検索手段と、
上記検索手段により検索された原データを利用して、上記原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成するものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による上記低品位データを生成するデータ生成手段と、
上記データ生成手段により生成した上記低品位データを外部に送信出力する送信手段と、
上記送信手段によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶する履歴情報記憶手段とを備え、
上記データ生成手段は、
上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、上記品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、上記送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、上記検索手段により検索された原データを利用して生成し、
上記送信手段は、上記データ生成手段により生成された差分データを送信出力するようにされている、
ことを特徴とする通信装置。 - 上記データ生成手段は、
上記検索手段により検索された原データを利用して、上記送信済みの低品位データを生成するとともに、上記品位識別情報が示す品位によるデータを生成し、これらの生成された上記品位識別情報が示す品位によるデータと、上記送信済みの低品位データとについての差分としての情報を生成することで、上記差分データを生成するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積手段に蓄積させて管理する原データ記憶管理手順と、
外部から取得したデータ識別情報が指定する上記原データを上記蓄積手段から検索する検索手順と、
上記検索手順により検索された原データを利用して、上記原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成させるものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による上記低品位データを生成させるデータ生成手順と、
上記データ生成手順により生成した上記低品位データを外部に送信出力させる送信制御手順と、
上記送信制御手順によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶して管理する履歴情報記憶管理手順とを実行するものとされ、
上記データ生成手順は、
上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、上記品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、上記送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、上記検索手順により検索された原データを利用して生成させ、
上記送信制御手順は、上記データ生成手順により生成された差分データを送信出力させるようにされている、
ことを特徴とする通信方法。 - 所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積手段に蓄積させて管理する原データ記憶管理手順と、
外部から取得したデータ識別情報が指定する上記原データを上記蓄積手段から検索する検索手順と、
上記検索手順により検索された原データを利用して、上記原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成させるものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による上記低品位データを生成させるデータ生成手順と、
上記データ生成手順により生成した上記低品位データを外部に送信出力させる送信制御手順と、
上記送信制御手順によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶して管理する履歴情報記憶管理手順とを通信装置に実行させるものとされ、
上記データ生成手順は、
上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、上記品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、上記送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、上記検索手順により検索された原データを利用して生成させ、
上記送信制御手順は、上記データ生成手順により生成された差分データを送信出力させるようにされている、
ことを特徴とするプログラム。 - 所定の品位を有するとされる複数の原データを蓄積手段に蓄積させて管理する原データ記憶管理手順と、
外部から取得したデータ識別情報が指定する上記原データを上記蓄積手段から検索する検索手順と、
上記検索手順により検索された原データを利用して、上記原データよりも低い品位を有するとされる低品位データを生成させるものとされ、外部から取得した品位識別情報に応じた品位による上記低品位データを生成させるデータ生成手順と、
上記データ生成手順により生成した上記低品位データを外部に送信出力させる送信制御手順と、
上記送信制御手順によりデータを送信出力したことを、履歴情報として記憶して管理する履歴情報記憶管理手順とを通信装置に実行させるものとされ、
上記データ生成手順は、
上記履歴情報により送信済みとされる低品位データと同じデータ識別情報により指定され、かつ、上記品位識別情報がこの送信済みとされる低品位データとは異なる品位を示す場合には、この品位識別情報が示す品位によるデータと、上記送信済みの低品位データとの差分となる差分データを、上記検索手順により検索された原データを利用して生成させ、
上記送信制御手順は、上記データ生成手順により生成された差分データを送信出力させるようにされたプログラムを、
記憶したことを特徴とする記憶媒体。 - データ識別情報及び品位識別情報と共に、外部通信装置に対してデータ要求を送信する送信手段と、
上記データ要求に応じて外部通信装置から送信された上記データ識別情報及び品位識別情報に対応するベースデータが受信されるのに応じて、この受信されたベースデータを記憶する記憶手段と、
上記送信手段により、上記記憶手段に記憶されたベースデータに対応するデータ識別情報と、このベースデータとは異なる品位を示す品位識別情報と共に送信した上記データ要求に応じて、外部通信装置から送信された、このベースデータと品位識別情報が示す品位によるデータとの差分に応じた差分データを受信取得する取得手段と、
上記記憶手段に記憶されたベースデータと、上記取得手段により受信取得された差分データとについて合成処理を行ってデータ再生を行うデータ再生手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。 - 上記データ再生手段は、
上記ベースデータ及び必要数の差分データに応じた数が備えられ、それぞれが、入力されたベースデータ又は差分データに応じて、合成処理に適合した信号処理を実行する、複数の信号処理手段と、
上記複数の信号処理手段から出力された信号を合成して出力することで、上記合成処理を実行する合成手段とを備えて構成される、
ことを特徴とする請求項6に記載の端末装置。 - 上記データ再生手段は、
上記ベースデータ及び必要数の差分データを時分割的に順次選択して出力する選択手段と、
上記選択手段により出力されたデータを入力して、合成処理に適合した信号処理を実行する信号処理手段と、
上記信号処理手段から出力された上記ベースデータ又は上記必要数の差分データに対応する信号を一時蓄積したうえで、再生時間的に同期した状態で、上記ベースデータ及び上記必要数の差分データに対応する信号を出力する出力手段と、上記出力手段により出力された上記ベースデータ及び上記必要数の差分データに対応する信号を合成して出力することで、上記合成処理を実行する合成手段とを備えて構成される、
ことを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
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