JP2001216418A - 音楽データ販売方法、および著作物データ販売方法 - Google Patents

音楽データ販売方法、および著作物データ販売方法

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JP2001216418A
JP2001216418A JP2000028022A JP2000028022A JP2001216418A JP 2001216418 A JP2001216418 A JP 2001216418A JP 2000028022 A JP2000028022 A JP 2000028022A JP 2000028022 A JP2000028022 A JP 2000028022A JP 2001216418 A JP2001216418 A JP 2001216418A
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JP
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music data
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music
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JP2000028022A
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Satoru Kamiya
了 神谷
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Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
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  • Reverberation, Karaoke And Other Acoustics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音楽データの著作権を有効に保護する。 【解決手段】 新CD21には、音楽データDwavを圧
縮して得た第2圧縮音楽データと暗号化付加データDad
d'とを合成した付加音楽データDwav'が記録されてい
る。この新CD21は販売店22を経由してユーザーに
販売される。一方、復号鍵KEYはインターネット23を
経由する第2の販売ルートによって販売される。復号鍵
KEYを入手したユーザーは暗号化付加データDadd'を復
号して、付加データDaddを生成し、これを利用するこ
とが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、著作物の著作権を
有効に保護するのに好適な音楽データ販売方法、および
著作物データ販売方法に関する。
【0002】
【従来の技術】音楽信号を記録した記録媒体として、C
D(Compact Disk)が広く普及しており、CDの販売方
法を含めて音楽配信システムは完成している。CDに記
録されるデータは、まず、Lチャンネル、Rチャンネル
の音楽信号を、44.1KHzで各々サンプリングして
16ビットの標本化データを2系統生成し、これらの標
本化データに誤り訂正符号等を付加した後、EFM(Ei
ght to Fourteen Modulation)方式で変調して生成され
る。また、CDプレーヤでは、CDから再生した標本化
データをD/A変換してアナログ音楽信号として出力す
る。CDに記録される標本化データは、標本化周波数が
44.1KHzで16ビットのデータ幅を有することか
ら、再生音楽信号の周波数帯域は20Hz〜20KHz
となり、そのダイナミックレンジは90dB以上を確保
することができる。このため、高品質の音楽信号を再生
することが可能である。一方、音楽をユーザーに届ける
別のルートとして、音楽データをインターネット等の通
信網を介して配信するシステムが知られている。この配
信システムは、音楽配布者のサーバー、ユーザーのパー
ソナルコンピュータ、及び鍵の管理を行う登録センター
から構成されており、各構成部分は通信網を介して接続
されている。サーバーには、圧縮されるとともに暗号化
された暗号化圧縮音楽データが記憶されており、ユーザ
ーはこの暗号化圧縮音楽データとこれに付随する金額デ
ータを自由にダウンロードできるようになっている。暗
号化圧縮音楽データは直ちに復号することはできず、こ
れを利用可能にするためには、復号鍵を入手する必要が
ある。ユーザーが復号鍵を入手するには、まず、ユーザ
ーは登録センターにクレジットカード番号を伝えユーザ
ー登録をする必要がある。次に、ユーザーが金額データ
によって提示された金額を了承する場合には、ダウンロ
ードされた圧縮暗号化データを識別するための識別番号
を登録センターに伝える。これにより、ユーザーは登録
センターから復号鍵を入手することができる。ユーザー
のパーソナルコンピュータでは復号鍵を用いて圧縮音楽
データを生成し、これを伸長するとともにDA変換を行
い音楽信号を再生する。あるいは、圧縮音楽データをパ
ーソナルコンピュータから携帯型専用プレーヤーに転送
し、これを用いて音楽信号を再生する。登録センターは
鍵の配信に応じて、音楽配布者に著作料を支払い、音楽
配布者は管理料を登録センターに支払う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コンピュー
タシステムの一部として用いられるCDプレーヤは、デ
ジタル音楽信号を出力可能な端子を備えている。このた
めCDから再生したデータに基づいてデジタル的にその
複製を作成することが可能である。デジタル音楽信号に
よるダビングでは音質が劣化しないので、複製されたC
Dは元のCDと同等の価値を有する。このため、音楽の
著作権を保護する上で問題となっている。また、上述し
た音楽データの配信システムでは、登録センターで復号
鍵を管理する必要があるため、復号鍵の管理が複雑であ
る。また、この配信システムでは、圧縮音楽データをダ
ウンロードする必要があるので、ユーザーはその通信費
用を負担しなければならず、さらに、復号鍵を入手する
ために登録センターにアクセスする必要がある。
【0004】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、ユーザーの負担を軽減しつつ、著作権の管
理を容易かつ適切に行うことができる音楽データ販売方
法および著作物データ販売方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明の音楽データ販売方法は、音楽データを第
1の圧縮率で圧縮するとともに暗号化した暗号化圧縮音
楽データを生成し、前記音楽データを第2の圧縮率で圧
縮してユーザーが再生可能な圧縮音楽データを生成し、
前記暗号化圧縮音楽データと前記圧縮音楽データとを合
成して1つの記録媒体に記録して記録済記録媒体を作成
し、前記記録済記録媒体を第1の販売ルートを介してユ
ーザーに販売する一方、前記暗号化圧縮音楽データを復
号するために用いられる復号鍵を第2の販売ルートを介
してユーザーに販売することを特徴とする。ここで、前
記第1の圧縮率は前記第2の圧縮率より高いことが望ま
しい。また、前記記録済記録媒体の販売開始当初は、前
記第1の圧縮率を前記第2の圧縮率より高く設定し、前
記記録済記録媒体の普及に伴って、前記第1の圧縮率を
次第に低下させる一方、前記第2の圧縮率を次第に高く
することが望ましい。また、前記第1の販売ルートは、
小売店販売または通信販売であることが望ましい。さら
に、前記第2の販売ルートは、インターネットを用いた
電子商取引であることが望ましい。くわえて、前記記録
済記録媒体には、前記暗号化圧縮音楽データと前記圧縮
音楽データとが、前記音楽データを記録する既存の記録
媒体の記録フォーマットと同一のファーマットを用いて
記録されていることが好ましい。また、前記音楽データ
のデータ値に応じて特定されるLSB側のビットを前記
音楽データから削除することによって、前記圧縮音楽デ
ータを生成し、削除されたビットに前記暗号化圧縮音楽
データを順次埋め込むことによって前記暗号化圧縮音楽
データと前記圧縮音楽データとを合成するものであって
もよい。
【0006】次に、本発明の著作物データ販売方法は、
ユーザーに著作物データを販売する方法であって、第1
の著作物に係る著作物データをユーザーが伸長可能な第
1の圧縮方法で圧縮して圧縮著作物データを生成し、第
2の著作物に係る著作物データを第2の圧縮方法で圧縮
するとともに暗号化して暗号化圧縮著作物データを生成
し、前記圧縮著作物データと前記暗号化圧縮著作物デー
タとを1つの記録媒体に記録して記録済記録媒体を作成
し、前記記録済記録媒体を第1の販売ルートを介してユ
ーザーに販売する一方、前記暗号化圧縮著作物データを
復号するために用いられる復号鍵を第2の販売ルートを
介してユーザーに販売することを特徴とする。
【0007】また、本発明の著作物データ販売方法は、
ユーザーに著作物データを販売する方法であって、ある
著作物に係る著作物データをユーザーが伸長可能な第1
の圧縮方法で圧縮して圧縮著作物データを生成し、前記
著作物に係る著作物データを第2の圧縮方法で圧縮する
とともに暗号化して暗号化圧縮著作物データを生成し、
前記圧縮著作物データと前記暗号化圧縮著作物データと
を1つの記録媒体に記録して記録済記録媒体を作成し、
前記記録済記録媒体を第1の販売ルートを介してユーザ
ーに販売する一方、前記暗号化圧縮著作物データを復号
するために用いられる復号鍵を第2の販売ルートを介し
てユーザーに販売することを特徴とする。
【0008】また、本発明の著作物データ販売方法は、
ユーザーに著作物データを販売する著作物データ販売方
法であって、ある著作物に係る著作物データをユーザー
が伸長可能な第1の圧縮方法で圧縮して圧縮著作物デー
タを生成し、前記著作物または他の著作物に係る著作物
データを複数の圧縮方法で圧縮するとともに暗号化して
複数の暗号化圧縮著作物データを生成し、前記圧縮著作
物データと前記複数の暗号化圧縮著作物データとを1つ
の記録媒体に記録して記録済記録媒体を作成し、前記記
録済記録媒体を第1の販売ルートを介してユーザーに販
売する一方、前記各暗号化圧縮著作物データを復号する
ために用いられる各復号鍵を第2の販売ルートを介して
ユーザーに販売することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】<A.第1実施形態> <1.著作物販売システム>以下、本発明の一実施形態
である著作物販売システムを説明する。この例では、著
作物として、音楽データを一例として取り挙げるが、本
発明はこれに限定する趣旨ではなく、写真やコンピュー
タグラフィック、あるいは映画等の画像データの他、著
作権に係るデータであればどのようなものであっても適
用できる。図1は、著作物販売システムを説明するため
の概念図である。この図に示すように著作権者たる音楽
家から最終消費者であるユーザーに商品としての音楽が
配給されるまでには、プロオーディオR1、販売ルート
R2、ユーザーオーディオR3といった3つの過程があ
る。
【0010】<1−1.プロオーディオ>プロオーディ
オR1では、音楽家が作成した音楽データDwavに所定
の処理を施して、ユーザーに配給されるデータが作成さ
れる。図1に示されるようにプロオーディオR1は、第
1エンコーダ11、第2エンコーダ12、付加データ生
成装置13、付加音楽データ生成装置14、記録装置1
5、およびサーバー16等の機器を備えている。
【0011】まず、第1エンコーダ11は音楽家から提
供される音楽データDwavを第1の圧縮方式で圧縮して
第1圧縮音楽データDwav1を生成する。この圧縮方式と
しては各種のものを適用することができ、例えば、MP
3(Moving Picture ExpertsGroup 3)方式を採用する
ことができる。また、第2エンコーダ12は、画像デー
タDav、およびテキストデータDtxtを圧縮して、圧縮
画像データDcav、圧縮テキストデータDctxt等を生成
する。画像データDavは、例えば、歌手の静止画像・動
画像であったり、あるいは、曲の雰囲気に合わせた背景
の静止画像・動画像を表示させるデータである。また、
テキストデータDtxtは、例えば、歌手からのメッセー
ジであったり、あるいは歌詞を表示させるデータであ
る。
【0012】次に、付加データ生成装置13は、第1圧
縮音楽データDwav1、圧縮画像データDcav、および圧
縮テキストデータDctxtを適宜組み合わせてデジタル的
に合成して付加データDaddを生成する。さらに、付加
データDaddを暗号鍵を用いて暗号化して暗号化付加デ
ータDadd'を生成する。暗号化付加データDadd'は、暗
号鍵に対応する復号鍵KEYを用いて復号しない限り利用
することはできない。
【0013】次に、付加音楽データ生成装置14は、音
楽データDwavを第2の圧縮方式で圧縮して第2圧縮音
楽データDwav2を生成し、これと暗号化付加データDad
d'とを合成して付加音楽データDwav'を生成する。具体
的には、音楽データDwavの一部を暗号化付加データDa
dd'に置換して付加音楽データDwav'を生成する。付加
データ生成装置13の詳細については後述するが、この
装置は、あるレベル以下の音を人が検知できなかった
り、妨害音があると人の検知レベルが低下するといった
聴覚特性を利用して、音楽データDwavを構成するビッ
トのうち下位のビットを暗号化付加データDadd'に置換
することによって付加音楽データDwav'を生成してい
る。したがって、付加音楽データDwav'をDA変換して
音楽信号を再生しても、音楽データDwavを再生したと
きと殆ど変わらない品質で音楽を聴くことができる。な
お、この例では、第1圧縮音楽データDwav1は、第2圧
縮音楽データDwav2と比較して、圧縮率が高いものとす
る。
【0014】次に、記録装置15は、記録媒体に音楽デ
ータDwavや付加音楽データDwav'データを記録してC
Dを作成する装置である。以下の説明においては、音楽
データDwavを記録したCDを旧CD20、付加音楽デ
ータDwav'を記録したCDを新CD21と称することに
する。旧CD20には既存のCDと同一のフォーマット
で音楽データDwavが記録されており、既存の再生装置
で再生可能である。また、新CD21には付加音楽デー
タDwav'が記録されているが、上述したように付加音楽
データDwav'は、音楽データDwavの下位ビットを付加
データDaddに置換して生成されるものであるため、新
CD21を既存の再生装置で再生して音楽を聴くことが
可能である。ただし、既存の再生装置では暗号化付加デ
ータDaddを利用することはできない。
【0015】次に、サーバー16は、付加データDad
d、第1圧縮音楽データDwav1の他、暗号化付加データ
Dadd'を復号するために用いる復号鍵KEYを記憶してい
る。これらの情報は、課金を条件にユーザーがダウンロ
ードすることが可能なようになっている。
【0016】<1−2.販売ルート>販売ルートR2に
は、第1の販売ルートと第2の販売ルートがある。第1
の販売ルートは、販売店22を経由して旧CD20およ
び新CD21をユーザーに販売するルートである。一
方、第2の販売ルートは、インターネット23を経由し
て付加データDadd、第1圧縮音楽データDwav1、およ
び復号鍵KEYをユーザーに販売するルートであり、そこ
では電子商取引が行われる。この具体的態様としては以
下のようなものがある。まず、ユーザーがインターネッ
ト23を経由してサーバー16が管理するサイトにアク
セスし、そこにアップロードされている各種データや鍵
を検索し、所望のデータや鍵を特定する。次に、ユーザ
ーが、特定したデータや鍵を購入する旨を入力すると、
購入金額とクレジットカード番号の入力を促す画面が表
示される。ユーザーは、購入金額を了承するのであれば
クレジットカード番号を入力し、了承しないのであれば
未入力のまま他の画面に移る指示を入力する。クレジッ
トカード番号を入力した場合には、特定されたデータや
鍵がダウンロードされることになる。すなわち、この例
では、第1の販売ルートを介して新CD21をユーザー
に販売する一方、暗号化付加データDadd'の復号鍵KEY
を第2の販売ルートを介してユーザーに販売することに
なる。このため、新CD21を購入したユーザーは、暗
号化付加データDadd'を入手するのに何らの負担もな
い。
【0017】<1−3.ユーザーオーディオ>次に、ユ
ーザーオーディオR3について説明する。ユーザーオー
ディオR3を構成する主要な機器としては、図に示すよ
うに、旧再生装置30、新再生装置31、パーソナルコ
ンピュータ32、および携帯再生装置33がある。ま
ず、旧再生装置30は、旧CD20を再生するための装
置であり、既存のCDプレーヤーが該当する。なお、旧
再生装置30には、音楽データDwavを出力するデジタ
ル出力端子を備えているものがある。一方、新再生装置
31は新CD21を再生するための装置であり、表示部
とデジタル出力端子を備えている。そして、新再生装置
31は、パーソナルコンピュータ32から供給される復
号鍵KEYを用いて、暗号化付加データDadd'を復号して
付加データDaddを生成する。ここで、付加データDadd
が、第1圧縮音楽データDwav1と圧縮画像データDcav
とから構成されているとすれば、新再生装置31は、圧
縮画像データDcavを伸長して画像データDavを生成
し、これを用いてその表示部に歌手の画像等を表示する
一方、第1圧縮音楽データDwav1をデジタル出力端子か
ら出力する。すなわち、新再生装置31は、第1圧縮音
楽データDwav1をデジタル出力端子から出力するが、音
楽データDwavを当該デジタル出力端子から出力できな
いようになっている。これにより、音楽データDwavの
不正なコピーを防止することができる。
【0018】次に、パーソナルコンピュータ32は、本
体の他、モニタやスピーカを備えている。また、パーソ
ナルコンピュータ32は、その本体に、インターネット
23を経由してダウンロードした付加データDadd、第
1圧縮音楽データDwav1、復号鍵KEYを記憶しており、
必要に応じてこれらを出力できるようになっている。ま
た、パーソナルコンピュータ32は第1圧縮音楽データ
Dwav1を伸長したり、付加データDaddを伸長できるソ
フトウエアを備えている。このため、画像データDavに
基づく画像をモニタに表示したり、第1圧縮音楽データ
Dwav1を再生してスピーカに発音させることができる。
また、復号鍵KEYは、暗号化付加データDadd'を復号す
るために用いられるので、新再生装置31に出力される
ことになる。
【0019】次に、携帯再生装置33は、ユーザーが携
帯可能なように小型化されており、本体とイヤホーンと
を備えている。本体は、メモリ、伸長回路、表示部、入
力部、デジタル入力端子、およびアナログ出力端子等を
備えている。そして、携帯再生装置33は、新再生装置
31やパーソナルコンピュータ32から出力される第1
圧縮音楽データDwav1や付加データDaddをデジタル入
力端子を介して取り込み、メモリに記憶し、ユーザーが
入力部を操作することによって入力される指示に従っ
て、メモリから所定のデータを読み出し、これを伸長回
路にて伸長して、音楽信号や画像信号を再生し、音楽信
号はアナログ出力端子を介してイヤホーンに出力する一
方、画像信号を表示部に供給して画像表示を行うように
なっている。
【0020】この著作物販売システムには、以下の特徴
がある。第1に、新CD21には新旧いずれの再生装置
でも再生可能な付加音楽データDwav'が記録されてお
り、さらに新CD21の再生品質は既存の音楽データD
wavと殆ど同じである。したがって、旧再生装置20の
みを所有しているユーザーであっても、新CD21を購
入して旧CD20と変わらず音楽を聴くことができる。
すなわち、新CD21には旧再生装置30との間で互換
性があるため、新CD21を容易に普及させることがで
きる。
【0021】第2に、復号鍵KEYは第1圧縮音楽データ
Dwav1や付加データDaddと比較して、データ量が極め
て小さい。このため、復号鍵KEYのダウンロードは短時
間で終了するので、ユーザーは通信費用を節約すること
ができる。つまり、第1の販売ルートから新CD21を
購入するとともに第2の販売ルートから復号鍵KEYを購
入する方が、第2の販売ルートから第1圧縮音楽データ
Dwav1や付加データDaddを直接購入するよりも費用を
節約でき、ユーザーにメリットが大きい。
【0022】第3に、上述した特徴により、新CD21
の普及が進んでいった場合、新再生装置31がこれに伴
って普及していくことになる。新再生装置31は、上述
したように音楽データDwavをデジタル信号の形式で出
力できないないように構成されているから、ユーザーオ
ーディオR1全体における音楽データDwavの不正コピ
ーを次第に減らすことができ、その著作権を間接的に保
護することができる。
【0023】<2.付加音楽データ生成装置>次に、付
加音楽データ生成装置14について詳細に説明する。 <2−1.音楽データの圧縮原理>上述したように付加
音楽データ生成装置14は、音楽データDwavを第2の
圧縮方式で圧縮して第2圧縮音楽データDwav2を生成す
るが、まず、第2の圧縮方式の原理について説明する。
【0024】人の耳の構造は、外耳、中耳、内耳に大別
される。音が、耳の穴を通って鼓膜を振動させると、鼓
膜と内耳を連結する耳小骨が振動し、これが内耳にある
蝸牛管に伝えられる。蝸牛管の内部には聴神経と繋がっ
た内有毛細胞と外有毛細胞とがある。これらの有毛細胞
には短い毛が生えており、この毛を覆うように蓋膜と呼
ばれる器官がある。音が機械的な振動として蝸牛管に伝
えられると有毛細胞が押し上げられ蓋膜に押し当てられ
る。内有毛細胞の場合、毛が曲がると細胞内に化学変化
が起こり神経パルスが発生する。神経パルスは一瞬時の
電流である。聴神経の90%は内有毛細胞に繋がってお
り、内有毛細胞はいわば聴覚センサの役割を果たしてい
る。
【0025】一方、外有毛細胞は、10%の聴神経と繋
がっているものの、神経パルスを発生しない。しかし、
外有毛細胞は、入ってきた振動に応じて伸縮し、振動を
力学的に増幅する役割を果たしている。この機能は、微
弱な音に対しては大きく働く一方、強い音に対してはほ
とんど働かない。換言すれば、外有毛細胞は、微弱な音
が入力したとき振幅を増幅し、内有毛細胞の感度を高め
るといった役割を担っている。
【0026】このように、空気の振動であった音は、中
耳で鼓膜や耳小骨による機械的な振動となり、さらに内
耳で振動が神経パルスに変換されて、脳に伝えられる。
この際、微弱な音に対しては人が大きく感じられるよう
に増幅され、強い音に対しては、さほど増幅されない。
【0027】また、マスキングと呼ばれる聴覚現象が知
られている。これは、ある音が別の音によって妨害さ
れ、聞き取りにくくなるという現象である。例えば、雑
踏の中では、電話の音がなかなか聞き取れない、などと
いうのがこれである。逆に考えれば、目的音が強く妨害
音が微弱であれば、人は妨害音を検知することができな
い。ただし、上述したように人の耳は微弱な音に対して
は感度が高いので、目的音が弱くなるにつれ、妨害音を
検知できる音の強さが大きくなる。すなわち、目的音の
強さに応じて、人が検知することができる音の大きさが
定まる。さらに、聴覚特性には、音がごく微弱になると
音を検知することができない領域がある。図2は、検知
可能絶対レベルを示したグラフであり、縦軸には音圧レ
ベル、横軸には周波数を取ってある。この図からもわか
るように、音圧レベルが閾値Xを下回ると、人は全周波
数帯域において音を検知することができない。
【0028】本発明は、以上の聴覚特性に着目してなさ
れたものであり、第1に音楽データDwavのうち閾値を
下回る所定の下位ビットを暗号化付加データDadd'に置
換する。この場合、暗号化付加データDadd'は、人が音
を検知することができないレベルで音楽データDwavに
付加されているので、付加音楽データDwav'を再生した
としても、人は、暗号化付加データDadd'を検知するこ
とができない。第2に音楽データDwavのデータ値に応
じて、音楽データDwavのうち暗号化付加データDadd'
に置換するビット数を定める。人の耳はデータ値が大き
くなるほど妨害音を検知することができないので、デー
タ値に応じて置換ビットの数を変更することにより、よ
り多くの暗号化付加データDadd'を重畳させることがで
きる。
【0029】<2−2.付加音楽データ生成装置のハー
ドウエア>次に、付加音楽データ生成装置14のハード
ウエアについて、記録装置15と併せて説明する。図3
は、付加音楽データ生成装置14と記録装置15の全体
構成を示すブロック図である。付加音楽データ生成装置
14は、コンピュータシステムで構成されており、CP
U110、ハードディスク120、RAM130、ディ
スプレイ140、キーボード150を備えており、各構
成部分はバスを介して接続されている。また、バスには
記録装置15が接続されている。まず、CPU110
は、付加音楽データ生成装置14全体を制御するととも
に、各種のアプリケーションプログラムを実行する。
【0030】次に、ハードディスク120には、音楽デ
ータDwavや暗号化付加データDadd'が格納されてい
る。さらに、ハードディスク20には、音楽データDwa
vを分析して各曲毎に圧縮量を算出するアプリケーショ
ンプログラムや音楽データDwavの一部を付加データDa
ddに置換して付加音楽データDwav'を生成するためのア
プリケーションプログラム、生成された付加音楽データ
Dwav'を新旧CD21、20に書き込むためのアプリケ
ーションプログラム等が格納されている。
【0031】次に、RAM130はCPU110の作業
領域として機能し、音楽データDwavの一部を暗号化付
加データDadd'に置換する際に、付加音楽データDwav'
を一時記憶するために用いられたり、あるいは、曲の先
頭部分に書き込むヘッダー部HDを一時記憶するのに用
いられる。
【0032】次に、ディスプレイ140は、処理結果を
表示する表示部として機能する。オペレータはディスプ
レイ140の画面によって、処理の進行状況や処理結果
を知ることができ、例えば、ある曲に付加することがで
きる暗号化付加データDadd'のデータ量を知ることがで
きる。また、キーボード150は、オペレータが指示を
入力するための入力手段として機能する。次に、記録装
置15は、新CD21に付加音楽データDwav'を記録し
たり、あるいは、旧CD20に音楽データDwavを記録
するための装置であり、例えば、CD−RやCD−R
W、もしくはCDを大量に製造する場合の原盤となるマ
スターCDを作成する専用装置が該当する。
【0033】この以上の構成により、CPU110は、
曲単位で音楽データDwavを分析し、その分析結果に基
づいて暗号化付加データDadd'のデータ量を求める。そ
して、CPU110は、予め定められた規則に従って、
音楽データDwavのLSB側のビット(置換ビット)を
上記データ量に見合うように用意された暗号化付加デー
タDadd'に置換して付加音楽データDwav'を生成する。
さらに、CPU110は各曲の先頭部分にどのような規
則に従って置換を行ったかを示す情報等を付加して1曲
のデータを完成させる。こうして得られた記録データRE
Cは、記録装置15に転送され、記録装置15は旧再生
装置20で再生可能なCD−DA形式で記録データREC
を新CD21に記録する。
【0034】<2−3:付加音楽データ生成装置のソフ
トウエア>まず、音楽データDwavを分析する分析プロ
グラムについて説明する。この分析プログラムは、曲単
位で音楽データDwavを分析して圧縮可能なデータ量、
換言すれば暗号化付加データDadd'の量を算出するため
に用いる。図4は分析プログラムのフローチャートであ
る。
【0035】まず、ハードディスク120に格納されて
いる音楽データDwavを曲単位でRAM130に読み込
む(ステップSa1)。次に、音楽データDwavを各サ
ンプリング毎に有効ビットが何ビットであるかを特定す
る(ステップSa2)。具体的には、16ビットの音楽
データDwavのうちMSB側から調べて初めて値が変化
する最上位のビットを特定する。例えば、音楽データD
wavが“0001010000100100(LSB)”であるとすれば、MS
Bから数えて第3番目、第6番目、第11番目、および
第13番目のビットについてデジットが“1”となって
いるから、この音楽データDwavの有効ビットは13ビ
ットである。この処理は曲の開始から曲の終了まで行わ
れる。これにより、1曲の有効ビットの分布を知ること
ができる。この分析結果は、図5に示す有効ビット分布
テーブルTBLAとしてRAM130に記憶される。
【0036】次に、1曲中に使用している楽器を曲の進
行に関連付けて分析する(ステップSa3)。この処理
は、音楽データDwavに基づいてソフトウエアで分析し
てもよいし、あるいは人がキーボードを操作して入力し
てもよい。図6は、分析結果の一例を示す図である。こ
の例では、時刻t0から時刻t1までの期間において
は、ピアノのみの演奏となっており、時刻t1から時刻
t2までの期間においては、ピアノにドラムとギターの
演奏が加わっており、さらに時刻t2以降はボーカルが
加わっている。
【0037】次に、ステップSa3の分析結果に基づい
て、置換ビット数テーブルTBLBを選択する(ステップS
a4)。置換ビット数テーブルTBLBは、有効ビット数と
置換ビット数とを対応付けるものである。ここで、置換
ビットとは、音楽データDwavの各ビットのうち置換の
対象となるビットである。置換ビット数テーブルTBLB
は、上述したマスキング効果を考慮して、音楽データD
wavの置換ビットを暗号化付加データDadd'に置換して
も人がノイズとして検知できないように、有効ビット数
と置換ビット数との関係を定めてある。
【0038】付加音楽データDwav'が記録された新CD
21を旧再生装置30(既存のCDプレーヤ)で再生す
ると、暗号化付加データDadd'はノイズとして再生され
る。しかしながら、上述したように置換ビット数テーブ
ルTBLBはマスキング効果を考慮して作成されているの
で、置換ビット数テーブルTBLBに従って生成された付加
音楽データDwav'を再生しても、人はノイズを検知する
ことができない。
【0039】くわえて、置換ビット数テーブルTBLBは、
ピアノやギターといった楽器の種類、ポップスやクラシ
ックといった曲のジャンルに応じて複数用意されてい
る。図7(a)はピアノに対応する置換ビット数テーブ
ルTBLB1の内容を示したものであり、図7(b)はギタ
ーに対応する置換ビット数テーブルTBLB2の内容を示し
たものであり、図7(c)はクラッシックに対応する置
換ビット数テーブルTBLB3の内容を示したものであり、
図7(d)はポップスに対応する置換ビット数テーブル
TBLB4の内容を示したものである。これらの図に示すよ
うに、楽器の種類や曲のジャンルによって、置換ビット
数は異なる。これは、楽器の種類や曲のジャンルによっ
て、人がノイズと感ずる置換ビット数が異なるからであ
る。
【0040】例えば、ピアノに対応する置換ビット数テ
ーブルTBLB1とギターに対応する置換ビット数テーブルT
BLB2とを比較すると、TBLB1では有効ビット数が“1
5”のとき置換ビット数が“2”であるのに対し、TBLB
2では有効ビット数が“15”のとき置換ビット数が
“5”となっている。これは、人は、ギターの演奏と比
較してピアノの演奏の方がノイズを低い音圧レベルで検
知するからである。また、クラッシックに対応する置換
ビット数テーブルTBLB3とポップスに対応する置換ビッ
ト数テーブルTBLB4の内容を比較すると、TBLB3では有効
ビット数が“13”のとき置換ビット数が“2”である
のに対し、TBLB4では有効ビット数が“13”のとき置
換ビット数が“4”である。これは、人は、クラッシッ
クの演奏と比較してポップスの演奏の方がノイズを検知
しにくいからである。
【0041】ステップSa4の処理では、上述した各種
の置換ビット数テーブルTBLBの選択を行う。この選択の
態様としては、第1に曲毎に1つの置換ビット数テーブ
ルTBLBを選択する場合と、第2に1曲の中で複数の置換
ビット数テーブルTBLBを切り替えて選択する場合とがあ
る。いずれの態様を取るかは、個々の曲毎にオペレータ
が定める。
【0042】ここでは、第2の選択態様について、具体
的に説明する。例えば、対象となる曲のジャンルがポッ
プスであり、曲の分析結果が図6に示すものとなってい
るものとする。この曲のジャンルはポップスであるか
ら、ポップスに対応する置換ビット数テーブルTBLB4を
曲全体で選択することも考えられる。しかし、この曲で
は、図6に示すように時刻t0から時刻t1までの期間
においては、演奏楽器がピアノのみとなっていることか
ら、イントロの部分でピアノの独奏があると考えられ
る。このような場合に、曲全体で置換ビット数テーブル
TBLB4を選択すると、イントロ部分でノイズが検知され
る可能性がある。そこで、図6に示すように時刻t0か
ら時刻t1までの期間では、ピアノに対応する置換ビッ
ト数テーブルTBLB2を選択し、時刻t1以降では、ポッ
プスに対応する置換ビット数テーブルTBLB4を選択す
る。この選択は、ステップSa3による分析結果をディ
スプレイに表示させ、オペレータがキーボード150を
操作することにより行う。すると、CPU110は、曲
の進行時間と選択された置換ビット数テーブルTBLBの名
称を対応付けた選択テーブルTBLCをRAM30に記憶す
る。図8は、図6に示すように置換ビット数テーブルTB
LBの選択が行われた場合の選択テーブルTBLCの内容を示
したものである。
【0043】次に、CPU110は、ステップSa1で
得た有効ビット分布テーブルTBLA、選択テーブルTBLC、
および各種の置換ビット数テーブルTBLBを参照して、1
つの曲に付加できる暗号化付加データDadd'のデータ量
を算出する(ステップSa5)。このようにして、暗号
化付加データDadd'のデータ量が求められると、この条
件を満たす暗号化付加データDadd'を用意する。この場
合、暗号化付加データDadd'は、ブロック毎に生成す
る。ここでブロックとは、1種類の置換ビット数テーブ
ルTBLBを連続して使用する暗号化付加データDadd'の単
位である。図9は暗号化付加データDadd'のフォーマッ
トを示す図であり、同図(a)は第1番目のブロック、
同図(b)は2番目以降のブロックのフォーマットであ
る。
【0044】第1番目のブロックにおいては、データ量
情報、継続情報、付加情報の順にデータを配置してあ
る。データ量情報は当該ブロックのデータ量を示す情報
である。継続情報は当該ブロックに続くブロックの有無
を示す情報である。付加情報は、テキストや画像、ある
いは圧縮された音楽情報といった暗号化付加データDad
d'の本体となる情報である。第2番目以降のブロックに
おいては継続情報と付加情報との間に置換ビット数情報
tblbが介挿されている。置換ビット数情報tblbは、当該
ブロックで使用する置換ビット数テーブルTBLBと同一の
内容である。したがって、新再生装置31では、置換ビ
ット数情報tblbを再生することによって、付加音楽デー
タDwav'から音楽データDwavと付加情報とを分離する
ことが可能となる。なお、第1番目のブロックに置換ビ
ット数情報tblbが入っていないのは、曲の開始部分に挿
入するヘッダー部に第1番目のブロックに用いる置換ビ
ット数情報tblbを配置するためである。
【0045】次に、付加音楽データDwav'の記録に用い
る記録データRECを生成するデータ生成プログラムにつ
いて説明する。ここでは、データ生成プログラムによる
処理について説明する前に、まず、記録データRECのフ
ォーマットについて説明する。図10に1曲の記録デー
タRECのフォーマットを示す。この図に示すように記録
データRECは、ヘッダー部HDとこれに続く付加音楽デ
ータDwav'から構成される。ヘッダー部HDは、SYN
C、暗号化情報Z、および置換ビット数情報tblbを備え
ている。SYNCは、暗号化情報Z以下の部分で取り得
ないビットパターンで構成されており、同期情報として
機能するとともに、以下の情報に付加音楽データDwav'
が介挿されていること示す情報として機能する。換言す
れば、従来の音楽データDwavと付加音楽データDwav'
を識別するための識別データとして機能する。次に、暗
号化情報Zは、付加音楽データDwav'中のデータおよび
置換ビット数情報tblbが暗号化されているか否かを示す
情報である。
【0046】暗号化情報Zをヘッダー部HDに含めるよ
うにしたのは、以下の理由による。付加データDadd
は、上述したように歌詞のテキストや歌い手の画像とい
った有用な情報であるため、暗号化して著作権を保護す
るのが原則である。しかし、付加データDaddの中に
は、著作権者が公開する意向のデータもある。そこで、
記録データRECを再生したときに、新再生装置31が付
加データDaddが暗号化されている否かを認識可能とす
るために暗号化情報Zをヘッダー部HDに含ませたので
ある。
【0047】ところで、記録データRECを記録した新C
D21を旧再生装置20で再生すると、旧再生装置20
は、ヘッダー部HDを含む全てのデータを音楽データD
wavとして取り扱う。付加音楽データDwav'が音楽デー
タDwavとして取り扱われても問題とならないのは、上
述したようにマスキング効果を考慮して置換ビット数を
定めたからであった。しかし、ヘッダー部HDは曲の先
頭に配置されるため、音楽データDwavによるマスキン
グ効果は期待できない。このため、ヘッダー部HDは1
6ビットのLSBまたはLSBから2ビットを用いて構
成する。換言すれば、ヘッダー部HDを構成するSYN
C、暗号化情報Z、置換ビット数情報tblbといった各デ
ータを生成する際に、各データの1サンプリング当たり
のビット数を、音楽データDwavの1サンプリング当た
りのビット数(16ビット)と等しくなるように生成
し、かつ、各データの有効ビットをLSB側の所定ビッ
トに制限している。
【0048】図11は、CD−DA形式にした記録デー
タRECとその再生波形を示した図である。ここでは、ヘ
ッダー部HDを16ビットのデータのLSBで構成した
例を示す。このようにヘッダー部HDをLSBで構成す
ると、ヘッダー部HDを再生する期間において、再生波
形は殆ど変化しないため、当該期間は無音に近い状態と
して再生される。さらに、ヘッダー部HDをLSBで構
成したとしても、当該期間は略十数msecで終了するた
め、人がヘッダー部HDの再生音を聴いてもノイズと感
じることは殆どない。
【0049】以上説明したしたように、付加音楽データ
生成装置14によれば、第2圧縮音楽データDwav2と暗
号化付加データDadd'とを合成して、旧再生装置30で
再生可能なCD−DA形式でフォーマットされた記録デ
ータRECを生成することができる。これにより、記録デ
ータRECを記録装置15を用いて記録媒体に記録して新
CD21を作成できる。
【0050】<3.新再生装置>次に新再生装置31に
ついて説明する。図12は、新再生装置31のブロック
図である。新再生装置31は、光ピックアップ210、
音楽データ再生部220を備えている。光ピックアップ
210は、レーザ光を照射する半導体レーザ、および半
導体レーザが照射したレーザ光がCDで反射された反射
光を受光して、反射光の光量に応じたレベルの再生信号
を出力する受光器の他、半導体レーザおよび受光器の位
置決めを行うサーボ機構等から構成されている。
【0051】また、音楽データ再生部220は、光ピッ
クアップ210からの再生信号に基づいて、再生データ
PBを生成するようになっている。なお、再生データPB
は、仮に再生するCDが旧CD20であるならば音楽デ
ータDwavであり、新CD21であるならばヘッダー部
HDを有する記録データRECである。すなわち、音楽デ
ータ再生部220までの構成は、旧再生装置30と同様
である。この例の音楽データ再生部220は、再生信号
を所定レベルまで増幅するプリアンプ、プリアンプの出
力信号に対して波形整形を行う波形等化回路、波形整形
された再生信号からクロック信号を抽出するクロック再
生回路、クロック信号に同期して波形整形された再生信
号に対して“1”、“0”の判定を行って再生デジタル
信号を出力するコンパレータ、再生デジタル信号に対し
て誤り訂正を施して再生データPBを出力する誤り訂正回
路等を備えている。
【0052】さらに、新再生装置31は、バッファ23
0、SYNC検出器240、置換ビット数情報検出部2
50、および付加データ分離部260を備えている。ま
ず、バッファ230は、少なくともSYNCのデータ容
量だけ再生データPBを遅延させるFIFOメモリで構成
される。
【0053】次にSYNC検出器240は、再生データ
PBのビットパターンとSYNCのビットパターンが一致
するか否かを判定し、両者が一致したときHレベル(ア
クティブ)となる同期検出信号SSを生成する。バッフ
ァ230は再生データPBを遅延させるので、同期検出信
号SSは、バッファ230から遅延された再生データPB
が出力される前に当該再生データPBが付加音楽データD
wav'であるか否かを各部に知らせることができる。
【0054】次に、置換ビット数情報検出部250は、
メモリ等によって構成されており、同期検出信号SSが
アクティブとなった場合に、バッファ230の出力デー
タから置換ビット数情報tblbを抽出し、これを記憶す
る。この置換ビット数情報tblbによって付加音楽データ
Dwav'を音楽データDwavと付加データDaddまたは暗号
化付加データDadd'に分離することが可能となる。
【0055】次に、付加データ分離部260は、同期検
出信号SSがアクティブの場合には、再生データPBから
ヘッダ部HDを削除して付加音楽データDwav'を抽出
し、さらに、置換ビット数情報tblbに基づいて、付加音
楽データDwav'を音楽データDwavと付加データDaddま
たは暗号化付加データDadd'とに分離する。一方、同期
検出信号SSが非アクティブの場合には、再生データPB
を音楽データDwavとして出力する。付加音楽データDw
av'から付加データDaddまたは暗号化付加データDadd'
を分離する処理では、第1に、有効ビット数を検知す
る。具体的には付加音楽データDwav'の各サンプリング
毎に、16ビットの付加音楽データDwav'のうちMSB
側から調べて初めて値が変化する最上位のビットを特定
することにより、有効ビット数を検知する。第2に置換
ビット数情報tblbに基づいて、有効ビット数に対応する
置換ビット数を求める。具体的には、有効ビット数を読
出アドレスとして置換ビット数検出部250を構成する
メモリにアクセスして、これに対応する置換ビット数を
取得する。第3に各サンプリング毎に、付加音楽データ
Dwavから取得した置換ビット数に対応するビットを分
離して付加データDadd、または暗号化付加データDad
d'を再生する一方、付加音楽データDwavの置換ビット
のデジットを“0”にして音楽データDwavを再生す
る。
【0056】くわえて、新再生装置31は、暗号化情報
検出部270、ビットレート平均化バッファ280、暗
号解読部290、復号鍵記憶部300、音楽・画像情報
分離部310、アナログ透かし発生回路330、ユーザ
特定データ記憶部340、合成器350、D/A変換器
360、画像情報伸長部370、および表示部380を
備えている。
【0057】まず、暗号化情報検出部270は、同期検
出信号SSがアクティブの場合に再生データPBから暗号
化情報Zを抽出する。これにより、付加されているデー
タが付加データDaddか暗号化付加データDadd'である
かを知ることができる。
【0058】次に、ビットレート平均化バッファ280
は、メモリ等から構成され、付加データ分離部260か
ら供給される付加データDaddまたは暗号化付加データ
Dadd'をメモリに一旦格納し、これを一定の読出速度で
読み出す。付加音楽データDwav'中の置換ビット数は、
音楽データDwavの有効ビット数によって変化するの
で、再生された付加データDaddまたは暗号化付加デー
タDadd'のビットレートは変動している。ビットレート
平均化バッファ280には、付加データDaddまたは暗
号化付加データDadd'のビットレートを平均化して、一
定の速度とする機能がある。これにより、後段の暗号解
読部290等を安定して動作させることができる。
【0059】次に、暗号化解読部290は、暗号化情報
検出部270によって再生された暗号化情報Zのデジッ
トが“1”である場合、すなわち、暗号化されている場
合には、復号鍵KEYを用いて、暗号化付加データDadd'
を解読して付加データDaddを生成する。一方、再生さ
れた暗号化情報Zのデジットが“0”である場合、すな
わち、暗号化されていない場合には、付加データDadd
をそのまま出力する。この復号鍵KEYは、復号鍵記憶部
300に記憶されている。復号鍵KEYは、上述したよう
にインターネット23とパーソナルコンピュータ32を
介して取得される。
【0060】次に、音楽・画像情報分離部310は、付
加データDaddを音楽情報と画像情報に分離して、第1
圧縮音楽データDwav1をデジタル出力端子320を介し
て出力する。
【0061】次に、アナログ透かし発生回路330は、
ユーザ特定データ記憶部340に記憶されているユーザ
特定データIDに基づいて、透かしデータDXを発生す
る。透かしデータDXは、これをアナログ信号に変換し
たとき、ユーザ特定データIDに対応した複数のスペク
トル周波数を示すように生成される。したがって、透か
しデータDXを合成した音楽信号を周波数分析すると、
スペクトル周波数からユーザ特定データIDを知ること
ができる。ただし、透かしデータDXのスペクトルレベ
ルは、図2に示す検知可能絶対レベルを下回るようにな
っている。このため、人が透かしデータDXを合成した
音楽信号を聴いても、透かしデータDXをノイズとして
検知することはない。
【0062】合成器350は、音楽データDwavと透か
しデータDXとを合成して再生音楽データDPBを生成す
る。D/A変換器360は、再生音楽データDPBをデジ
タル信号からアナログ信号に変換して再生音楽信号SPB
を出力する。この再生音楽信号SPBには、透かし信号が
合成されているので、再生音楽信号SPBをダビングして
もダビングに用いられた新再生装置31を特定すること
ができる。この結果、不正なダビングを防止して著作権
を有効に保護することができる。
【0063】次に、伸長部370は、圧縮画像データD
cavや圧縮テキストデータDctxtを伸長して画像データ
DavやテキストデータDtxtを生成する。表示部380
は、画像データDavやテキストデータDtxtに基づい
て、画像を表示する。
【0064】<4.携帯再生装置>次に、携帯再生装置
33について説明する。なお、携帯再生装置33は、上
述したように付加データDaddを利用する装置であるか
ら、画像データDav等も取り扱うことができるが、ここ
では、画像処理の機能を省略したものを一例として説明
する。
【0065】図13は、携帯再生装置33とその周辺機
器の構成を示すブロック図である。この図に示すように
携帯再生装置33は、外部機器との間でデータの授受を
行うインターフェース部400、携帯再生装置33の各
部を制御するCPU410、第1圧縮音楽データDwav1
を記憶する第1メモリ420、制御プログラム等を記憶
する第2メモリ430、曲名や動作状態を表示する表示
部440、ユーザーが指示を入力する入力部450、圧
縮データを伸長する伸長回路460、透かしデータDX
を発生する透かし発生器470、加算器480、および
D/A変換器490を備えている。
【0066】以上の構成において、携帯再生装置33
は、アナログモデム34やISDNルータ35を介して
インターネット23から第1圧縮音楽データDwav1を直
接ダウンロードすることができる。この場合には、ダウ
ンロードに伴う課金が所定の方法によってなされること
になる。アナログモデム34やISDNルータ35に対
応するインターフェース部400は、例えば、RS23
2C形式で通信可能なものにすればよい。さらに、携帯
再生装置33は、新再生装置31やパーソナルコンピュ
ータ32から出力される第1圧縮音楽データDwav1を、
インターフェース部400を介して取り込むことができ
る。このようにして取り込まれた第1圧縮音楽データD
wav1は、CPU410の制御の下、第1メモリ420に
記憶される。ここで、第1メモリ420は、例えば、半
導体メモリで構成されており、本体から取り出して別の
携帯再生装置33に装着可能なリムーバルタイプのもの
であってもよい。
【0067】音楽信号SPBを再生する際には、表示部4
40に表示される曲名を入力部450(例えば、ジョグ
ダイヤル)によって特定する。すると、CPU410は
特定された曲に該当する第1圧縮音楽データDwav1を第
1メモリ420から読み出して、伸長回路460に転送
する。伸長回路460は、読み出されたデータを伸長し
て、音楽データDwavを出力する。音楽データDwavは加
算器480によって、透かし発生器470から供給され
る透かしデータDXと混合され、D/A変換器490を
介して再生音楽信号SPBとして出力される。
【0068】このように、携帯再生装置33は、新CD
21に記録されている暗号化付加データDadd'を復号し
た付加データDaddのうち、第1圧縮音楽データDwav1
をインターフェース部400を介して入力できるように
なっているので、インターネット23を介して第1圧縮
音楽データDwav1をダウンロードする必要がなく、ユー
ザーは通信費用を節約することができる。しかも、再生
音楽信号SPBには透かしデータDXが混入されているの
で、不正なダビングを防止することができる。
【0069】<B.第2実施形態>上述した第1実施形
態の著作物販売システム(図1参照)では、新再生装置
31はデジタル出力端子から暗号化されていない第1圧
縮音楽データDwav1を出力でき、また、パーソナルコン
ピュータ32や携帯再生装置33はインターネット23
を介して暗号化されていない付加データDaddや第1圧
縮音楽データDwav1を取得することができた。しかしな
がら、暗号化されていないデータは、不正ダビングに使
用されるおそれがあり、著作権保護の観点から望ましく
ない。そこで、第2実施形態の著作物販売システムは、
この点に鑑みてなされたものであり、著作権をより一層
保護することができるシステムを提供するものである。
【0070】<1.著作物販売システム>図14は、第
2実施形態に係る著作物販売システムのブロック図であ
る。この図に示す著作物販売システムは、以下の点を除
いて、第1実施形態の著作物販売システム(図1参照)
と同様に構成されている。
【0071】まず、プロオーディオR1においては、付
加データ生成装置13は、付加データDaddの替わりに
暗号化付加データDadd'をサーバー15に供給する。ま
た、サーバー15は、第1圧縮音楽データDwav1を暗号
化して暗号化第1圧縮音楽データDwav1'を生成し、こ
の暗号化第1圧縮音楽データDwav1'と暗号化付加デー
タDadd'とがインターネット23を介して供給されるこ
とになる。次に、ユーザーオーディオR3においては、
復号鍵KEYを用いて第1圧縮音楽データDwav1を生成出
力する新再生装置31の替わりに、暗号化第1圧縮音楽
データDwav1'を出力する新再生装置31’が用いられ
る。また、付加データDaddや第1圧縮音楽データDwav
1を取り込むことができる携帯再生装置33の替わり
に、これらのデータは使用できず暗号化付加データDad
d'や暗号化第1圧縮音楽データDwav1'を取り込むこと
ができる携帯再生装置33'が用いられる。この著作権
販売システムによれば、各機器の外部に出力されるデー
タは、総て暗号化されている。したがって、これをダビ
ングしたとしても、復号鍵KEYを取得しない限り利用す
ることができないので、音楽等の著作権の保護をより一
層厚くできる。
【0072】<2.新再生装置>次に、第2実施形態で
用いる新再生装置31'について説明する。図15は第
2実施形態の新再生装置31'の構成を示すブロック図
である。この新再生装置31'が図12に示す新再生装
置31と相違するのは、暗号化情報検出部270および
暗号解読部290の後段の構成部分を省略し、ビットレ
ート平均化バッファ280から、暗号化付加データDad
d'をデジタル出力端子320を介して直接出力するよう
にした点である。暗号化付加データDadd'は、復号鍵KE
Yを用いなければ復号できない。したがって、暗号化付
加データDadd'をパーソナルコンピュータ32等を用い
てCD−R等の記録媒体にコピーしたとしても、復号鍵
KEYを入手しない限り、これを利用して音楽を聴くこと
ができないので、音楽の著作権を有効に保護することが
可能となる。
【0073】<3.携帯再生装置>次に、第2実施形態
で用いる携帯再生装置33'について説明する。図16
は第2実施形態の携帯再生装置33'の構成を示すブロ
ック図である。なお、携帯再生装置33'は、暗号化付
加データDadd'を利用する装置であるから、画像データ
Davも取り扱うことができるが、ここでは、画像処理の
機能を省略したものを一例として説明する。
【0074】この携帯再生装置33'が図13に示す携
帯再生装置33と相違するのは、CPU410と伸長回
路460との間に暗号解読部500を設けた点と、一点
鎖線で囲んだ部分Aを1チップのICで構成した点、イ
ンターネット23経由で復号鍵KEYを取得可能にした点
である。携帯再生装置33'は、アナログモデム34や
ISDNルータ35を介してインターネット23から暗
号化第1圧縮音楽データDwav1'や復号鍵KEYを直接ダウ
ンロードすることができる。また、携帯再生装置33'
は、パーソナルコンピュータ32を介して暗号化第1圧
縮音楽データDwav1'や復号鍵KEYを取得することも可能
である。
【0075】取得された第1圧縮音楽データDwav1'や
復号鍵KEYは、第1メモリ420に記憶され、必要に応
じて読み出される。暗号解読部500は、復号鍵KEYを
用いて第1圧縮音楽データDwav1'を復号し、圧縮音楽
データDwav1を生成する。この例にあっては、暗号解読
部500からD/A変換器490までの部分が1チップ
のICで構成されているので、第1圧縮音楽データDwa
v1や、これを伸長した音楽データDwavを取り出して、
不正なコピーを作成することができない。したがって、
この携帯再生装置33'によれば、音楽の著作権をより
一層厚く保護することが可能となる。
【0076】<C.変形例>以上、本発明に係わる各実
施形態を説明したが、本発明は上述した各実施形態に限
定されるものではなく、以下に述べる各種の変形が可能
である。 (1)上述した各実施形態にあっては、音楽データDwa
vの販売方法を一例として説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、著作物に係る著作物データを
販売する方法であってもよいことは勿論である。著作物
データの種類としては、上述した音楽データDwavの他
に、例えば、ゲームデータや、他のアプリケーション等
のコンピュータプログラム、小説や新聞記事等のテキス
トデータ、写真や映画等の画像データが該当する。ま
た、上述した各実施形態にあっては、記録媒体の一例と
してCDを取り上げて説明したが、本発明は著作物デー
タを記録できるのであれば、どのような記録媒体であっ
てもよく、その種類を問わない。記録媒体としては、例
えば、DVD(Digital Video Disc)、MD(Mini-Dis
k)、半導体メモリ、ハードディスク等が該当する。さ
らに、第1の販売ルートは、小売店22経由のものに限
定されるものではなく、記録媒体としての新CD21を
販売できるのであれば、どのようなものであってもよ
い。例えば、カタログやインターネットによって発注を
行う通信販売、あるいは、放送によって商品の説明を行
い受注を電話で行うテレホンショッピング等であっても
よい。
【0077】(2)上述した各実施形態において、CD
等の記録媒体に記録するデータは、第2圧縮音楽データ
Dwav2と暗号化された暗号化付加データDadd'として説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユ
ーザーが利用可能な第1の著作物データ(圧縮されてい
るかいなかを問わない)と、暗号化された第2の著作物
データ(圧縮されているかいなかを問わない)とを、1
枚の記録媒体に記録し、これを第1の販売ルートで販売
する一方、復号鍵KEYを第2の販売ルートで販売するも
のであってもよい。要は、ユーザーが利用可能な第1の
データと、暗号化されていてユーザーが復号鍵KEYを購
入しなければ利用できない第2のデータとを1枚の記録
媒体に記録してこれを第1の販売ルートによってユーザ
ーに提供する一方、復号鍵KEYを第2の販売ルートによ
って提供するのであればどのようなものであってもよ
い。この場合には、第2のデータをユーザーの負担にな
ることなく供給することができ、ユーザーは第2の販売
ルートから復号鍵KEYを入手することによって、第2の
データを利用することが可能となる。
【0078】(3)また、上述した各実施形態では、暗
号化された第2のデータとして、暗号化付加データDad
d'を一例として説明した。ここで、暗号化付加データD
add'は、音楽データDwavを圧縮したDwav1、画像デー
タDavを圧縮したDcav、テキストデータDtxtを圧縮し
たDctxtから構成され、一方、第2圧縮音楽データDwa
v2は、音楽データDwavを第2の圧縮方式で圧縮したも
のであった。すなわち、第1圧縮音楽データDwav1と第
2圧縮音楽データDwav2とは、ともに1つの音楽データ
Dwavを異なる圧縮方式で圧縮することによって得られ
るものであったが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、異なる著作物に関する各著作物データを圧縮して
えられたものを、1枚の記録媒体に記録してもよい。換
言すれば、第1の著作物に係る著作物データをユーザー
が伸長可能な第1の圧縮方法で圧縮して圧縮著作物デー
タを生成し、第2の著作物に係る著作物データを第2の
圧縮方法で圧縮するとともに暗号化して暗号化圧縮著作
物データを生成し、前記圧縮著作物データと前記暗号化
圧縮著作物データとを1つの記録媒体に記録して記録済
記録媒体を作成し、前記記録済記録媒体を第1の販売ル
ートを介してユーザーに販売する一方、前記暗号化圧縮
著作物データを復号するために用いられる復号鍵を第2
の販売ルートを介してユーザーに販売するものであって
もよい。
【0079】(4)また、上述した各実施形態では、1
つの復号鍵KEYで暗号化付加データDadd'の総てを復号
化して利用可能になることを前提として説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、暗号化付加デ
ータDadd'を構成する各データを異なる暗号化方法、ま
たは、異なる暗号鍵を用いて暗号化するようにしてもよ
い。この場合、第2の販売ルートを介して各復号鍵を別
個に販売することによって、各データの著作権を個別に
管理することが可能になる。すなわち、本発明は、ある
著作物に係る著作物データをユーザーが伸長可能な第1
の圧縮方法で圧縮して圧縮著作物データを生成し、前記
著作物または他の著作物に係る著作物データを複数の圧
縮方法で圧縮するとともに暗号化して複数の暗号化圧縮
著作物データを生成し、前記圧縮著作物データと前記複
数の暗号化圧縮著作物データとを1つの記録媒体に記録
して記録済記録媒体を作成し、前記記録済記録媒体を第
1の販売ルートを介してユーザーに販売する一方、前記
各暗号化圧縮著作物データを復号するために用いられる
各復号鍵を第2の販売ルートを介してユーザーに販売す
るものであってもよい。
【0080】(5)また、上述した各実施形態にあって
は、第1圧縮音楽データDwav1の第1圧縮率が第2圧縮
音楽データDwav2の第2圧縮率より高いこととして説明
したが、新CD21の普及に伴い、第1圧縮率を次第に
下げる一方、第2圧縮率を次第に上げるようにしてもよ
い。この場合には、暗号化されていない第2圧縮音楽デ
ータDwav2の第2圧縮率が次第に高くなるので、その再
生品質は次第に劣化することになるが、暗号化される第
1圧縮音楽データDwav1の第1圧縮率は次第に低下する
ので、その再生品質を次第に高品質のものにすることが
できる。すなわち、新CD21に記録される暗号化され
ていないデータの価値を次第に下げる一方、暗号化され
ているデータの価値を次第に上げることができる。暗号
化されたデータは、復号鍵KEYによって著作権を厳重に
管理することができるので、音楽データ等の著作物デー
タの著作権を有効に保護することが可能となる。
【0081】(6)また、上述した各実施形態では、置
換ビット数を音楽データDwavの有効ビット数、すなわ
ち、音楽データDwavのデータ値に応じて、可変した
が、図1に示すように閾値X以下の音圧レベルは、人の
耳で検知することができない。そこで、置換ビット数を
上記閾値Xを越えない範囲で固定してしてもよい。ま
た、暗号化情報Zをヘッダー部HDに含ませるようにし
たが、付加データDaddを必ず暗号化するのであれば、
暗号化情報Zは不要である。また、逆に付加データDad
dを必ず公開する場合にも暗号化情報Zは不要である。
くわえて、上述した各実施形態にあっては、置換ビット
数をサンプリング単位で決定した、本発明はこれに限定
されるものではなく、複数のサンプリング単位で行って
もよく、さらに、ある置換ビット数を用いるサンプリン
グ数を可変するようにしてもよい。
【0082】
【発明の効果】上述したように本発明に係る発明特定事
項によれば、第1の販売ルートを介してユーザーが利用
可能な著作物データと、ユーザーが復号鍵を入手しなけ
れば利用できない暗号化された著作物データを1枚の記
録媒体に記録して第1の販売ルートを経由してユーザー
に提供するようにしたので、ユーザーは暗号化された著
作物データを何ら負担なく入手することができる。ま
た、復号鍵は第2の販売ルートによって販売されるか
ら、暗号化された著作物データの著作権を有効に保護す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る著作物販売シス
テムを説明するための概念図である。
【図2】 人の検知可能絶対レベルを示したグラフであ
る。
【図3】 同実施形態に用いる付加音楽データ生成装置
14と記録装置15の全体構成を示すブロック図であ
る。
【図4】 同付加音楽データ生成装置14で用いる分析
プログラムのフローチャートである。
【図5】 同付加音楽データ生成装置14で用いる有効
ビット分布テーブルの一例を示す図である。
【図6】 同付加音楽データ生成装置14における曲の
分析結果の一例を示す図である。
【図7】 (a)はピアノに対応する置換ビット数テー
ブルの内容を示した図であり、(b)はギターに対応す
る置換ビット数テーブルの内容を示した図であり、
(c)はクラッシックに対応する置換ビット数テーブル
の内容を示した図であり、(d)はポップスに対応する
置換ビット数テーブルの内容を示した図である。
【図8】 同付加音楽データ生成装置14で用いる選択
テーブルの内容の一例を示した図である。
【図9】 同付加音楽データ生成装置14で用いる付加
データのフォーマットを示す図であり、(a)は第1番
目のブロック、(b)は2番目以降のブロックのフォー
マットである。
【図10】 同付加音楽データ生成装置14で生成する
1曲の記録データのフォーマットを示した図である。
【図11】 CD−DA形式にした記録データとその再
生波形を示した図である。
【図12】 同実施形態で用いる新再生装置31のブロ
ック図である。
【図13】 同実施形態で用いる携帯再生装置33とそ
の周辺機器の構成を示すブロック図である。
【図14】 本発明の第2実施形態に係る著作物販売シ
ステムを説明するための概念図である。
【図15】 同実施形態で用いる新再生装置31'のブ
ロック図である。
【図16】 同実施形態で用いる携帯再生装置33'と
その周辺機器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
R1……プロオーディオ、R2……販売ルート、R3…
…ユーザーオーディオ、20……旧CD、21……新C
D(記録済記録媒体)、22……販売店、23……イン
ターネット、30……旧再生装置、31……新再生装
置、Dwav…音楽データ、Dadd…付加データ、Dadd'…
…暗号化付加データ、Dwav'…付加音楽データ、Dwav1
……第1圧縮音楽データ、Dwav1'……暗号化第1圧縮
音楽データ(暗号化圧縮音楽データ、暗号化圧縮著作物
データ)、KEY……復号鍵。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音楽データを第1の圧縮率で圧縮すると
    ともに暗号化した暗号化圧縮音楽データを生成し、 前記音楽データを第2の圧縮率で圧縮してユーザーが再
    生可能な圧縮音楽データを生成し、 前記暗号化圧縮音楽データと前記圧縮音楽データとを合
    成して1つの記録媒体に記録して記録済記録媒体を作成
    し、 前記記録済記録媒体を第1の販売ルートを介してユーザ
    ーに販売する一方、前記暗号化圧縮音楽データを復号す
    るために用いられる復号鍵を第2の販売ルートを介して
    ユーザーに販売することを特徴とする音楽データ販売方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1の圧縮率は前記第2の圧縮率よ
    り高いことを特徴とする請求項1に記載の音楽データ販
    売方法。
  3. 【請求項3】 前記記録済記録媒体の販売開始当初は、
    前記第1の圧縮率を前記第2の圧縮率より高く設定し、
    前記記録済記録媒体の普及に伴って、前記第1の圧縮率
    を次第に低下させる一方、前記第2の圧縮率を次第に高
    くすることを特徴とする請求項1に記載の音楽データ販
    売方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の販売ルートは、小売店販売ま
    たは通信販売であることを特徴とする請求項1に記載の
    音楽データ販売方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の販売ルートは、インターネッ
    トを用いた電子商取引であることを特徴とする請求項1
    に記載の音楽データ販売方法。
  6. 【請求項6】 前記記録済記録媒体には、前記暗号化圧
    縮音楽データと前記圧縮音楽データとが、前記音楽デー
    タを記録する既存の記録媒体の記録フォーマットと同一
    のファーマットを用いて記録されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の音楽データ販売方法。
  7. 【請求項7】 前記音楽データのデータ値に応じて特定
    されるLSB側のビットを前記音楽データから削除する
    ことによって、前記圧縮音楽データを生成し、 削除されたビットに前記暗号化圧縮音楽データを順次埋
    め込むことによって前記暗号化圧縮音楽データと前記圧
    縮音楽データとを合成することを特徴とする請求項1に
    記載の音楽データ販売方法。
  8. 【請求項8】 ユーザーに著作物データを販売する著作
    物データ販売方法であって、 第1の著作物に係る著作物データをユーザーが伸長可能
    な第1の圧縮方法で圧縮して圧縮著作物データを生成
    し、 第2の著作物に係る著作物データを第2の圧縮方法で圧
    縮するとともに暗号化して暗号化圧縮著作物データを生
    成し、 前記圧縮著作物データと前記暗号化圧縮著作物データと
    を1つの記録媒体に記録して記録済記録媒体を作成し、 前記記録済記録媒体を第1の販売ルートを介してユーザ
    ーに販売する一方、前記暗号化圧縮著作物データを復号
    するために用いられる復号鍵を第2の販売ルートを介し
    てユーザーに販売することを特徴とする著作物データ販
    売方法。
  9. 【請求項9】 ユーザーに著作物データを販売する著作
    物データ販売方法であって、 ある著作物に係る著作物データをユーザーが伸長可能な
    第1の圧縮方法で圧縮して圧縮著作物データを生成し、 前記著作物に係る著作物データを第2の圧縮方法で圧縮
    するとともに暗号化して暗号化圧縮著作物データを生成
    し、 前記圧縮著作物データと前記暗号化圧縮著作物データと
    を1つの記録媒体に記録して記録済記録媒体を作成し、 前記記録済記録媒体を第1の販売ルートを介してユーザ
    ーに販売する一方、前記暗号化圧縮著作物データを復号
    するために用いられる復号鍵を第2の販売ルートを介し
    てユーザーに販売することを特徴とする著作物データ販
    売方法。
  10. 【請求項10】 ユーザーに著作物データを販売する著
    作物データ販売方法であって、 ある著作物に係る著作物データをユーザーが伸長可能な
    第1の圧縮方法で圧縮して圧縮著作物データを生成し、 前記著作物または他の著作物に係る著作物データを複数
    の圧縮方法で圧縮するとともに暗号化して複数の暗号化
    圧縮著作物データを生成し、 前記圧縮著作物データと前記複数の暗号化圧縮著作物デ
    ータとを1つの記録媒体に記録して記録済記録媒体を作
    成し、 前記記録済記録媒体を第1の販売ルートを介してユーザ
    ーに販売する一方、前記各暗号化圧縮著作物データを復
    号するために用いられる各復号鍵を第2の販売ルートを
    介してユーザーに販売することを特徴とする著作物デー
    タ販売方法。
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