JP2004151112A - 抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体及びこれを産生するハイブリドーマ - Google Patents

抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体及びこれを産生するハイブリドーマ Download PDF

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Abstract

【課題】 ヒトチミジル酸シンターゼの免疫学的測定試薬の提供。
【解決手段】 ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から187番目〜313番目のアミノ酸の領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体と、ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から61番目のアミノ酸までの領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体とを含有するヒトチミジル酸シンターゼの免疫学的測定試薬。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒトチミジル酸シンターゼに対する新規なモノクローナル抗体及びこれを産生するハイブリドーマに関する。
チミジル酸シンターゼ(thymidylate synthase;EC2.1.1.45、以下「TS」と称する)は、デオキシウリジル酸からチミジル酸を生成する反応を触媒する酵素で、DNAに特異的な塩基であるチミンを供給する役割をもち、かつDNA前駆体供給経路の主要な律速酵素の一つである。従って、細胞増殖の盛んな胸腺や腫瘍組織中でその活性が高くなることが知られている。
一方、5-フルオロウラシル、5-フルオロデオキシウリジン等のフルオロピリミジン系の抗ガン剤は、このTSを標的酵素とするものであり、例えば5-フルオロデオキシウリジンは生体内でフルオロデオキシウリジル酸に変化してTSを阻害する。特に、フルオロピリミジン系抗ガン剤は、腫瘍細胞中のTS量が少ない患者に対してはその投与効果が大きく、顕著な延命効果が見られるのに対し、TS量が多い患者に対しては投与効果が小さいことが知られている(非特許文献1)。従って、例えば腫瘍患者の治療を行うに際し、予め摘出腫瘍中のTS量を測定することは、治療方法の決定や投与する抗ガン剤の選定の指標となるなど、その重要度は高い。
癌と化学療法,24(6):705-712,1997
従って本発明は、ヒトTSの免疫学的測定に有用な、抗ヒトTSモノクローナル抗体及びこれを産生するハイブリドーマを提供することを目的とする。
かかる実情において本発明者らは、種々検討を重ねた結果、新規な抗ヒトTSモノクローナル抗体を得、このものがヒトTSの免疫学的測定に有用であることを確認し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、ヒトTSのN末端から187番目〜313番目のアミノ酸の領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトTSモノクローナル抗体、ヒトTSのN末端から61番目のアミノ酸までの領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトTSモノクローナル抗体、及びこれらのモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを提供するものである。
なお、本発明のヒトTSモノクローナル抗体の認識領域は、例えばNucleic Acids Research, Vol.13, No.6, 1985, 2035-2043等に記載のヒトTSのアミノ酸配列に従って、決定した。
本発明の抗ヒトTSモノクローナル抗体は、ヒトTSの免疫学的測定に有用であり、これを利用して被検体(例えば胃組織抽出液)のヒトTSを定量することで、癌の有無の判断、治療効果確認等だけでなく、治療方法の選定、抗ガン剤投与の可否を決定しうる指標とすることもできる。
ヒトTSのN末端から187番目〜313番目のアミノ酸の領域に存在するエピトープを認識する本発明の抗ヒトTSモノクローナル抗体としては、免疫原として以下に示すrhTSを用いて得られたマウス・ハイブリドーマRTSMA1(FERM BP-6404)又はRTSMA2(FERM BP-6402)により産生されるものが挙げられる。
上記rhTSは、以下のようにして製造することができる。すなわち、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)-TS融合蛋白を発現するようにデザインされたプラスミドにヒトTSのcDNAの制限酵素認識部位MunIからHindIIIまでを組み込み、イソプロピル-1-チオ-β-D-ガラクトシド(以下「IPTG」と称する)によりGSTーTS融合蛋白が誘導されるプラスミドを作製する。このプラスミドをトランスフォームした大腸菌をIPTG存在下で大量培養し、グルタチオン−アガロースカラムにかけて吸着したGSTーTS融合蛋白を適当な緩衝液で溶出させ、トロンビンと塩化カルシウム存在下で加温し、ヒトTSとGSTを切断する。これを更にGST-アガロースカラムにかけることにより高純度のrhTSを得ることができる。
また、ヒトTSのN末端から61番目のアミノ酸までの領域に存在するエピトープを認識する本発明の抗ヒトTSモノクローナル抗体としては、免疫原として生体中から抽出、精製することにより得られたnhTSを用いて得られたマウス・ハイブリドーマNTSMA1(FERM BP-6401)又はNTSMA2(FERM BP-6403)により産生されるものが挙げられる。
上記nhTSは、Rodeらの方法(Rode et al., Biochemical Pharmacology 1980 29:723)に基づいて、以下のようにして製造することができる。すなわち、ヒト肺癌株Lu-99の培養細胞又は皮下にLu-99を移植したヌードマウスやヌードラットから摘出した腫瘍のホモジネートを、10-ホルミル-5,8-ジデアザ葉酸エチルをリガンドにしたカラムにかけた後、dUMPを含む緩衝液で溶出させることにより高純度のnhTSを得ることができる。
本発明のハイブリドーマは、このrhTS又はnhTSをマウス、ラット等の哺乳動物又は鳥類に免役し、その脾臓細胞とマウス、ラット等の哺乳動物のミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを、Kohler及びMilsteinの基本方法〔Nature,第256巻,495項(1975年) 参照〕に従って細胞融合し、選択用培地中で培養することにより得られ、免疫原としてrhTSを用いた場合にはハイブリドーマRTSMA1及びRTSMA2が、免疫原としてnhTSを用いた場合にはハイブリドーマNTSMA1及びNTSMA2が得られる。
免疫方法としては特に限定されず、例えば、rhTS又はnhTSをリン酸緩衝液、生理食塩水等に溶解し、必要に応じアジュバントを混合し、動物の皮下、脾臓内、腹腔、静脈等に1〜3週ごとに数回投与することにより行われる。細胞融合に用いられるミエローマ細胞としては、マウスP3-NS-1/1Ag4.1、P3-X63-Ag8.653、SP2/OAg14、ラットYB2/0等が挙げられる。細胞融合の際には、融合促進剤としてポリエチレングリコール、センダイウィルス等を用いることができ、また電気パルスを用いてもよい。
本発明の抗ヒトTSモノクローナル抗体は、上記ハイブリドーマを、適当な培地又は哺乳動物(例えばマウス)の腹腔内で培養することにより製造することができる。ハイブリドーマの培養に使用できる培地としては、好適にはダルベッコ氏変法イーグル氏最小必須培地(Dulbeccos modified Eeagle's minimum essential medium)に、ウシ胎児血清、L-グルタミン、L-ピルビン酸、及び抗生物質(ペニシリンGとストレプトマイシン)を含む培地が挙げられる。ハイブリドーマの培養は、培地中で行う場合には、例えば5%CO2濃度、37℃で約3日間、またマウスの腹腔内で行う場合には、例えば14日間程度行う。このようにして得られた培養液又は哺乳動物の腹水から、蛋白質の単離・精製に一般的に用いられている方法により、それぞれ対応する本発明の抗ヒトTSモノクローナル抗体RTSMA1、RTSMA2、NTSMA1及びNTSMA2を分離・精製することができる。そのような方法としては、例えば、硫安塩析、イオン交換セルロースを用いるイオン交換カラムクロマトグラフィー、分子篩ゲルを用いる分子篩カラムクロマトグラフィー、プロテインA結合多糖類を用いる親和性カラムクロマトグラフィー、透析、凍結乾燥等を挙げることができる。
このようにして得られる本発明の抗ヒトTSモノクローナル抗体は、ヒトTSの免疫学的測定に有用であり、例えばサンドイッチ法、競合法によるラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイや、イムノクロマトグラフ法に適用することができる。これらの測定法において、複数の本発明のモノクローナル抗体を併用する場合には、エピトープの離れた抗体同士を組み合わせるのが高い吸光度を得る上で好ましく、従って、RTSMA1又はRTSMA2と、NTSMA1又はNTSMA2とを組み合わせるのが好ましい。
また、不溶性担体に固定化した抗ヒトTSポリクローナル抗体と併用して測定を行えば、簡便かつ高い精度のヒトTSの測定が可能となる。このような抗ヒトTSポリクローナル抗体は、nhTS又はrhTSをマウス、ラット、ウサギ、ヒツジ等の適当な哺乳動物に投与し、公知の方法に従って得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
A.rhTSの製造
ヒトTS cDNAの制限酵素認識部位MunIからHindIIIまでを組み込み、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)とヒトTSの融合タンパクを発現するように作製されたプラスミドを導入した大腸菌株NM522を、50μg/mlのアンピシリン存在下、200mlのLB培地(和光純薬工業社製)中で37℃にて一晩振盪培養した。その培養液を100mlずつアンピシリンを含む1リットルのLB培地の入った2本の三角フラスコに分注し、25℃で3時間振盪培養し、40mg/mlのイソプロピル-1-チオ-β-D-ガラクトシド(IPTG)を0.6mlずつ加え、更に25℃で20時間培養した。遠心による集菌後、100mlの破菌用バッファー(50mM Tris,pH7.5,25%シュークロース)に菌体を懸濁し、5mlの10%Nonidet P-40(界面活性剤,ナカライテスク社製)と0.5mlの1M塩化マグネシウムを加え、ソニケーターにより破菌して10,000rpmで15分間遠心した。その上清を14mlのグルタチオン(GSH)−アガロース(シグマ社製)を充填したカラムに通し(20ml/時間)、100mlの洗浄液(20mM Tris,pH7.5,2mM塩化マグネシウム,1mM DTT)でカラムを洗浄後、50mlの溶出液(50mM Tris,pH9.6,5mM GSH)で3mlずつチューブに溶出し、ブラッドフォード法でタンパク分画を確認してピーク分画9ml(タンパク濃度は7mg/ml)を得た。それを直ちに1リットルの洗浄液で透析してpH7.5に戻した後、600ユニットのトロンビンを加え、1mM塩化カルシウムの存在下に37℃で2時間処理して、GST−TS融合タンパクの結合部位を切断した。GSTとTSの混合物は、再びGSH−アガロースカラムに通し(20ml/時間)、洗浄液でカラムから溶出させて、ブラッドフォード法によりタンパク分画を確認し、rhTS溶液を9ml得た。0.2、0.4、0.6、0.8及び1.0mg/mlのBSA溶液100μlを5mlのブラッドフォード液に加え595nmの吸光度を測定し、標準曲線を作成した。蒸留水で5倍に希釈したrhTS溶液100μlを5mlのブラッドフォード液に加え、595nmの吸光度を測定した結果、rhTS溶液のタンパク濃度は、3.5mg/mlであった。
B.nhTSの製造
nhTSの精製は、Rodeらの方法に基づいて行った(Rode et al., Biochemical Pharmacology 1980 29:723)。50匹の雄性BALB/c-nu/nuマウスの背部皮下に移植したヒト肺癌株Lu-99を摘出し、50gの腫瘍を得た。この腫瘍に100mlの10mMリン酸緩衝液(pH7.5,100mM塩化カリウム,10mM 2-メルカプトエタノール)を加えホモジナイズ後、4℃にて10,000rpmで1時間遠心後の上清から30〜70%飽和硫安で沈殿を得た。沈殿を10mMのリン酸緩衝液(pH7.5,0.1%トリトンX-100,10mM 2-メルカプトエタノール,20μM dUMP)に溶解し、10-ホルミル-5,8-ジデアザ葉酸エチルをリガンドにしたカラムにかけ、200mMのリン酸緩衝液(pH7.5,0.1%トリトンX-100,10mM 2-メルカプトエタノール,20μM dUMP)でカラムを洗浄後、200mMのリン酸緩衝液(pH7.5,0.1%トリトンX-100,10mM 2-メルカプトエタノール,20μM dUMP)で溶出し、nhTS溶液を4ml得た。0.2、0.4、0.6、0.8及び1.0mg/mlのBSA溶液100μlを5mlのブラッドフォード液に加え595nmの吸光度を測定し、標準曲線を作成した。nhTS溶液100μlを5mlのブラッドフォード液に加え、595nmの吸光度を測定した結果、nhTS溶液のタンパク濃度は0.3mg/mlであった。
実施例1 モノクローナル抗体RTSMA1及びRTSMA2の製造
雌性BALB/cマウス(8週齢)に、参考例1Aで得られたrhTSを1匹当たり20μg腹腔内注入した。これらのTSタンパクは、予めフロイントの完全アジュバント中で乳化したものを用いた。このマウスに、14日の間隔をおいて、予めフロイントの不完全アジュバント中で乳化したrhTSを20μg/匹の量で続けて4度の追加腹腔内注射を行った。融合の3日前に0.5mlのリン酸緩衝化生理食塩水に含まれるrhTS100μgを尾静脈から注射した。免疫化したマウスからの脾臓細胞(1×108)と、2×107のP3-X63-Ag8.653骨髄腫細胞を、融合試薬として50%(V/V)のポリエチレングリコール4000(メルク社製)を使用して、Galfre及びMilsteinの融合方法(Galfre et al., Nature 1977 266:550)に従って融合させた。
融合後の細胞は、1×106cells/mlの細胞濃度となるように10%ウシ胎児血清を含むHAT培地(1×10-4Mヒポキサンチン,4×10-7Mアミノプテリン及び1.6×10-5Mチミジンを含むRPMI1640培地)に懸濁し、96ウェルのマイクロプレートに1ウェルあたり200μlずつ分注した。
融合細胞はCO2インキュベーター(5%CO2,37℃)中で培養し、10%ウシ胎児血清を含むHAT培地で培地交換を行い増殖させて、脾臓細胞と骨髄種細胞からなるハイブリドーマのスクリーニングを行い、次いで10%ウシ胎児血清を含むHT培地(1×10-4Mヒポキサンチン及び1.6×10-5Mチミジンを含むRPMI1640培地)中で馴化した。
ハイブリドーマ培養上清中の抗体は、rhTSを感作したマイクロプレートを用いてELISA法により検出した。陽性となったウェルに対しては、10%ウシ胎児血清及び5%ブライクローン(大日本製薬社製)を含むHT培地を用いて限界希釈法によるクローニングを2回繰り返し、rhTSに対する反応性を有するクローンを2種類選出し、RTSMA1(FERM BP-6404)及びRTSMA2(FERM BP-6402)と名付けた。
0.5mlのプリスタン(大日本製薬社製)をヌードマウスの腹腔内に注入し、更に7日後に0.5ml腹腔内投与後、1×107個の上記ハイブリドーマRTSMA1及びRTSMA2を腹腔内移植して増殖させ、2〜3週間後に腹水を得た。その腹水をプロテインGセファロース4FFカラム(ファルマシア社製)に通し、洗浄液(20mMリン酸ナトリウム,pH7.0)でカラムを洗浄後、溶出液(0.1Mグリシン,pH2.7)で溶出して、各クローンの産生するモノクローナル抗体RTSMA1及びRTSMA2を得、直ちに洗浄液で透析を行った。
実施例2 モノクローナル抗体NTSMA1及びNTSMA2の製造
免疫原として、rhTSの代わりに参考例1Bで得られたnhTSを用いるほかは実施例1と同様の方法でnhTSに対する反応性を有するクローンを2種類選出し、NTSMA1(FERM BP-6401)及びNTSMA2(FERM BP-6403)と名付けた。その後、これらのハイブリドーマから実施例1と同様にしてモノクローナル抗体NTSMA1及びNTSMA2を得た。
試験例1 本発明モノクローナル抗体の認識部位の同定
ヒトTS cDNAの制限酵素認識部位MunIからSphIまで(ヒトTSのN末端から61番目のアミノ酸までをコード)、MunIからBglIIまで(TSのN末端から186番目のアミノ酸までをコード)及びMunIからHindIIIまで(TSのN末端から313番目のアミノ酸までをコード)をそれぞれ組み込み、GSTとヒトTSの融合タンパクを発現するように作製されたプラスミドを大腸菌株NM522に導入した。それぞれの大腸菌を50μg/mlのアンピシリン及び1mMのIPTGの存在下、5mlのLB培地(和光純薬工業社製)中で37℃にて一晩振盪培養した。
その培養液を100μlずつ1.5mlの遠心チューブに移し、12000r.p.m.で5分間遠心後上清を取り除き、ペレットに電気泳動用試料調製液(4%SDS,10%β-メルカプトエタノール,20%グリセロール,125mM Tris,pH6.8)を100μl加えて懸濁し、15分間沸騰水中で加熱した後、10μlを電気泳動に使用した。試料は12.5%ポリアクリルアミドゲルを用いて泳動した後、PVDFフィルター上に電気的に転写し、ブロックエース(ブロッキング剤、大日本製薬社製)に浸してブロッキングを行った。
20mM PBS(pH7.0)で5μg/mlに調整した各モノクローナル抗体を一次抗体に用い1時間の反応を行い、500mM塩化ナトリウム及び0.05%ツイーン20を含む20mM Tris pH7.0(洗浄液)でフィルターを洗浄後、ビオチン化ヤギ抗マウスIgG抗体(VECTASTAIN社製)を二次抗体として1時間反応した。次いで、洗浄液でフィルターを洗浄し、ABC試薬(アルカリフォスファターゼ標識アビジン−ビオチンcomplex溶液,VECTASTAIN社製)を反応させた。洗浄液で洗浄後、Alkaline phospatase substrate KIT II(VECTASTAIN社製)を使用して酵素反応を行い、TSの検出を行った。
その結果、図1に示すように、モノクローナル抗体RTSMA1及びRTSMA2は、全長のTSタンパクを認識したが、N末端から186番目のアミノ酸までの再構成TSタンパクを認識せず、この両抗体の抗原認識部位(エピトープ)はアミノ酸187〜313の領域に存在することが判った。他方、モノクローナル抗体NTSMA1及びNTSMA2は、N末端から61番目のアミノ酸まで、N末端から186番目のアミノ酸まで及び全長の再構成TSタンパクのいずれも認識したことから、これらの抗体のエピトープはアミノ酸1〜61の領域に存在することが判った。
試験例2 ウエスタンブロット法による本発明モノクローナル抗体の特異性の確認
ヒト白血病由来細胞CCRF-CEMの細胞のホモジネート(タンパク濃度10mg/ml)に電気泳動用試料調製液(4%SDS,10%β−メルカプトエタノール,20%グリセロール、125mM Tris,pH6.8)を等量混合し、2分間沸騰水中で加熱した後、10μlを電気泳動に使用した。試料は12.5%ポリアクリルアミドゲルを用いて泳動した後、PVDFフィルター上に電気的に転写し、ブロックエース(ブロッキング剤,大日本製薬社製)に浸してブロッキングを行った。
20mM PBS(pH7.0)で5μg/mlに調整した各モノクローナル抗体を一次抗体に用いて1時間の反応を行い、500mM塩化ナトリウム及び0.05%ツイーン20を含む20mM Tris pH7.0(洗浄液)でフィルターを洗浄後、ビオチン化ヤギ抗マウスIgG抗体(VECTASTAIN社製)を二次抗体として1時間反応した。次いで、洗浄液でフィルターを洗浄し、ABC試薬(VECTASTAIN製)を反応させた。洗浄液で洗浄後、Alkaline phosphatase substrate KIT II(VECTASTAIN社製)を使用して酵素反応を行い、TSの検出を行った。
その結果、図2に示すように、本発明のモノクローナル抗体はいずれもTSのみを特異的に認識することが確認された。
試験例3 rhTSに対する本発明モノクローナル抗体の反応性
96穴プレート(イムノプレートIIマキシソープ,Nunc社製)に50mM炭酸緩衝液(pH9.5)で10μg/mlに調整したrhTS溶液を各穴に0.1mlずつ分注し、シールをして1時間コーティングを行い、抗原を固定化した。96穴プレートを洗浄液(0.05%ツイーン20を含む生理食塩水)で2回洗浄し、ブロックエース(ブロッキング液、大日本製薬社製)200μlを各穴に分注し、1時間プレート上の抗体の非特異的吸着部位のブロッキングを行った。
次いで、ブロッキング液を除き、一次抗体として、20mM PBS(pH7.0)で5μg/mlを希釈開始濃度として2倍希釈し0.00244〜5μg/mlに調整した各モノクローナル抗体0.1mlをそれぞれ加え、1時間反応した。洗浄液で2回洗浄後、ビオチン化ヤギ抗マウスIgG抗体(VECTASTAIN社製)を100μl加え、一次抗体と同様に1時間反応した。反応終了後、洗浄液で2回洗浄し、ABC試薬(VECTASTAIN社製)を100μl加え、1時間の反応終了後、洗浄液で4回洗浄した。1mg/mlパラニトロフェニルフォスフェートを含むジエタノールアミン緩衝液(Kirkegaard & Perry Laboratories 社製)0.1mlを加え室温にて10分間酵素反応を行い、0.1N水酸化ナトリウム溶液0.1mlを加えて反応を停止し、ELISA用プレートリーダーの測定波長を405nmに設定し、測定を行った。
この結果、図3に示すように、モノクローナル抗体RTSMA1、RTSMA2、NTSMA1及びNTSMA2は、それぞれ0.08、0.08、0.02及び0.16μg/mlの濃度で用いた場合、吸光度が0.3以上であり(バックグラウンド0.08)、これらの濃度においてもrhTSの検出が可能であった。
試験例4 サンドイッチ法における抗体の組み合わせの比較
モノクローナル抗体RTSMA1及びRTSMA2を50mM炭酸緩衝液pH9.5で2μg/mlに調整して96穴のELISA用プレートに0.1ml分注し、シールをして37℃のインキュベーターで2時間コーティングを行い、抗体固定化担体を得た。96穴プレートを洗浄液(0.05%ツイーン20を含む生理食塩水)で2回洗浄後、0.05%ツイーン20を含む20mM PBS(希釈液)で10μg/mlに調整したrhTSを0.1mlずつ抗体固定化プレートに分注し、37℃で1時間静置反応した。
洗浄液で2回洗浄後、モノクローナル抗体RTSMA1、RTSMA2、NTSMA1及びNTSMA2の酵素標識物を1μg/mlに希釈液で調整して0.1mlずつ分注し、37℃で1時間静置反応した。洗浄液で4回洗浄後、3mg/mlオルトフェニレンジアミンと0.75mM過酸化水素水を含む0.1M酢酸緩衝液pH5.5(発色液)0.1mlを加え、室温暗所にて30分間酵素反応を行った。最後に、0.1M硫酸0.1mlを加えて反応を停止してELISA用プレートリーダーの測定波長を490nmに設定し、測定を行った。この結果を表1に示す。
Figure 2004151112
表1から明らかなように、エピトープの近いモノクローナル抗体を固定化抗体及び酵素標識抗体に用いた場合、吸光度は低く、一方エピトープの離れたモノクローナル抗体を組み合わせた場合、高い吸光度が得られ、エピトープの離れた抗TSモノクローナル抗体を組み合わせることでサンドイッチ法によるTS検出が可能となった。
本発明モノクローナル抗体のTSの認識領域を示す図である。 ウエスタンブロット法による本発明モノクローナル抗体を用いたヒトTSの検出結果を示す図である。 ELISA法による本発明モノクローナル抗体を用いたヒトTSの測定結果を示す図である。

Claims (6)

  1. ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から187番目〜313番目のアミノ酸の領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体と、ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から61番目のアミノ酸までの領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体とを含有するヒトチミジル酸シンターゼの免疫学的測定試薬。
  2. ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から187番目〜313番目のアミノ酸の領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体が、マウス・ハイブリドーマRTSMA1(FERM BP-6404)又はRTSMA2(FERM BP-6402)により産生されるものである請求項1記載のヒトチミジル酸シンターゼの免疫学的測定試薬。
  3. ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から61番目のアミノ酸までの領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体が、マウス・ハイブリドーマNTSMA1(FERM BP-6401)又はNTSMA2(FERM BP-6403)により産生されるものである請求項1又は2記載のヒトチミジル酸シンターゼの免疫学的測定試薬。
  4. ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から187番目〜313番目のアミノ酸の領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体と、ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から61番目のアミノ酸までの領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体とを組み合わせて使用するヒトチミジル酸シンターゼの免疫学的測定法。
  5. ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から187番目〜313番目のアミノ酸の領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体が、マウス・ハイブリドーマRTSMA1(FERM BP-6404)又はRTSMA2(FERM BP-6402)により産生されるものである請求項4記載のヒトチミジル酸シンターゼの免疫学的測定法。
  6. ヒトチミジル酸シンターゼのN末端から61番目のアミノ酸までの領域に存在するエピトープを認識し、IgGに属する抗ヒトチミジル酸シンターゼモノクローナル抗体が、マウス・ハイブリドーマNTSMA1(FERM BP-6401)又はNTSMA2(FERM BP-6403)により産生されるものである請求項4又は5記載のヒトチミジル酸シンターゼの免疫学的測定法。

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