JP2004150752A - 選択性ガス富化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒の流れ方向に応じた膨張機を用いることで、密度比一定の制約を最大限回避し、幅広い運転範囲の中で高い動力回収効果を得ること。
【解決手段】所定のガス成分の濃度を高める機能を有するガス富化ユニットと、前記ガス成分を送出するポンプと、前記ポンプから送出した前記ガス成分を吐出する吐出口とを備えた選択性ガス富化装置であって、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路の一部にトラップを設けたことを特徴とする選択性ガス富化装置
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定のガス成分の濃度を高める機能を備えた選択性ガス富化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、選択性ガス透過膜を用いてする酸素富化装置や窒素富化装置など特定のガス濃度を相対的に向上させる装置については医療用の酸素富化装置、空気調和機、空気清浄機などの機器について種々の提案がなされている。
例えば酸素濃度を向上させるものとして、分離型空気調和機の室外機に酸素富化手段を設け、その酸素が富化された空気を、送出配管を介して室内機に送り、室内側に放出して被空調空間である室内の酸素濃度を向上させて、居住者の快適性の用に供するものがある(例えば特許文献1)。
一方、特許文献1においても課題として取り上げられているように、選択性ガス透過膜のひとつである酸素富化膜を用いてする酸素富化装置では、酸素富化膜は空気成分の大半を占める窒素と分離させ選択的に酸素を透過させるものの、現在実用化されている酸素富化膜は酸素と同時に少なくとも空気中の水分も透過させる特徴を持っている。
即ち、酸素富化膜の1次側の空気に対して、膜を透過した2次側では窒素が分離された分だけ相対的に湿度が高くなり露点が1次側の空気に比べて上昇するため、膜の2次側配管中でしばしば結露水を発生させてしまうことが知られている。
上記結露水が空気調和機の室内機で放散されて、室内を濡らしたり、ユーザに降りかかって不快感を与えたりしないように特許文献1では、室内機において、酸素富化空気の輸送流路に酸素富化空気を冷却して含有水分を結露させる熱交換器とその後流側に水分離器を介装して、水分が室内に飛散するのを未然に防止している。
このように選択性ガス透過膜や、PSA法など吸着材を用いてする選択性ガス富化装置では、分離装置の2次側では必然的に相対湿度が上がり、空気の露点が上昇するために結露を発生しやすい。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−113227号公報(図1等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、次のような課題が発生する可能性がある。
即ち、まず第一に少なくとも選択性ガス透過膜の2次側において富化空気の輸送流路が低温雰囲気に暴露される場合(例えば、輸送流路が屋外大気に暴露されており、大気温度が低くなる場合)輸送流路の内部で結露水が凍結して酸素富化した空気が室内に搬送できなくなる可能性がある。また、第二には輸送流路中に結露水が発生し、それが富化空気の流れによって室内に運ばれる際に「コポコポ」や「コンコン」というような空気脈動や破裂音が発生することがあり、それがユーザの居住する室内側に伝播してユーザに不快感を与える可能性がある。更にはこの結露水が減圧ポンプに逆流すると、内部部品の寿命に影響を及ぼすと共に、万一ポンプが結露水を多量に圧縮すれば、液圧縮により圧縮機構が破損する可能性もある。
【0005】
そこで本発明は、ポンプへの結露水の逆流を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の選択性ガス富化装置は、所定のガス成分の濃度を高める機能を有するガス富化ユニットと、前記ガス成分を送出するポンプと、前記ポンプから送出した前記ガス成分を吐出する吐出口とを備えた選択性ガス富化装置であって、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路の一部にトラップを設けたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明の選択性ガス富化装置は、所定のガス成分の濃度を高める機能を有するガス富化ユニットと、前記ガス成分を送出するポンプと、前記ポンプから送出した前記ガス成分を吐出する吐出口とを備えた選択性ガス富化装置であって、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路の一部に結露水を溜める容積部を設けたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の選択性ガス富化装置において、前記容積部を、前記ポンプよりも低い位置に設けたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項2に記載の選択性ガス富化装置において、前記容積部の容積を、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路の容積以上としたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明の選択性ガス富化装置は、所定のガス成分の濃度を高める機能を有するガス富化ユニットと、前記ガス成分を送出するポンプと、前記ポンプから送出した前記ガス成分を吐出する吐出口とを備えた選択性ガス富化装置であって、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路に逆止弁を設けたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の選択性ガス富化装置において、前記逆止弁を、前記ポンプ側に設けたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の選択性ガス富化装置において、前記ガス富化ユニットを、空気中の酸素を優先的に通過させる酸素富化膜によって構成したことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の選択性ガス富化装置において、前記ガス富化ユニットと前記ポンプとを室外空間に配置し、前記吐出口を室内空間に配置したことを特徴とする。
請求項9記載の本発明の空気調和装置は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の選択性ガス富化装置を備え、室外ユニットと室内ユニットから構成される空気調和装置であって、前記ガス富化ユニットと前記ポンプとを前記室外ユニットに配置し、前記吐出口を前記室内ユニットに配置したことを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項9に記載の空気調和装置において、前記トラップ、前記容積部、又は前記逆止弁を前記室外ユニット内部に設けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による選択性ガス富化装置は、ポンプから前記吐出口に至る通風路の一部にトラップを設けたものである。本実施の形態によれば、通風路で発生した結露水はトラップに貯留してポンプには逆流して浸入しないため、結露水によるポンプへの影響をなくすることができる。
本発明の第2の実施の形態による選択性ガス富化装置は、ポンプから前記吐出口に至る通風路の一部に結露水を溜める容積部を設けたものである。本実施の形態によれば、通風路で発生した結露水は容積部に貯留してポンプには逆流して浸入しないため、結露水によるポンプへの影響をなくすることができる。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による選択性ガス富化装置において、容積部を、前記ポンプよりも低い位置に設けたものである。本実施の形態によれば、ポンプには逆流して浸入しないため、結露水によるポンプへの影響をなくすることができる。
本発明の第4の実施の形態は、第2の実施の形態による選択性ガス富化装置において、容積部の容積を、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路の容積以上としたものである。本実施の形態によれば、通風路で発生した結露水を確実に容積部で貯留することができる。
本発明の第5の実施の形態による選択性ガス富化装置は、ポンプから前記吐出口に至る通風路に逆止弁を設けたものである。本実施の形態によれば、通風路で発生した結露水は逆止弁によってポンプには逆流して浸入しないため、結露水によるポンプへの影響をなくすることができる。
本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態による選択性ガス富化装置において、逆止弁を、前記ポンプ側に設けたものである。本実施の形態によれば、この逆止弁によって、より確実に結露水によるポンプへの影響をなくすることができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1から第6の実施の形態による選択性ガス富化装置において、ガス富化ユニットを、空気中の酸素を優先的に通過させる酸素富化膜によって構成したものである。本実施の形態によれば、他の方式に比較してポンプへの負担が小さく、低コストで酸素富化の空気を取り出すことができる。
本発明の第8の実施の形態は、第1から第6の実施の形態による選択性ガス富化装置において、ガス富化ユニットとポンプとを室外空間に配置し、吐出口を室内空間に配置したものである。本実施の形態によれば、室外から酸素富化の空気を取り出し、室内にこの酸素富化の空気を放出することができるので室内を酸素富化の状態とすることができる。
本発明の第9の実施の形態は、第1から第6の実施の形態による選択性ガス富化装置を備え、室外ユニットと室内ユニットから構成される空気調和装置であって、ガス富化ユニットとポンプとを室外ユニットに配置し、吐出口を室内ユニットに配置したものである。本実施の形態によれば、空気調和機能に酸素富化の機能を追加した空気調和装置を実現することができる。
本発明の第10の実施の形態は、第9の実施の形態による空気調和装置において、トラップ、前記容積部、又は前記逆止弁を前記室外ユニット内部に設けたものである。本実施の形態によれば、室外ユニット内部に、トラップ、前記容積部、又は前記逆止弁を設けることで、これらの保護を図ることができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例による選択性ガス富化装置を、室外ユニットと室内ユニットから構成される空気調和装置に適用した場合について説明する。
図1は本実施例による空気調和装置の構成図である。
同図において、空気調和装置は室外ユニット10と室内ユニット20から構成され、冷媒ガスが循環するように接続配管(図示せず)で接続されている。室外ユニット10は、圧縮機11、熱交換器12、及びファン13を有するとともに、一室を隔してガス富化ユニット31、減圧ポンプ32等の選択性ガス富化装置の主な構成部材が設けられている。室内ユニット20は、ファン21や熱交換器22を有するとともに、選択性ガス富化装置の吐出口33が設けられている。
【0009】
選択性ガス富化装置は、選択性ガス透過膜である酸素富化膜を備えたガス富化ユニット31と、ガス富化ユニット31の二次側を減圧する減圧ポンプ32と、ガス富化ユニット31と減圧ポンプ32とを通気可能に連結する酸素供給主管34と、減圧ポンプ32の吐出側に連結された吐出主管36を備えている。
送風管40は、吐出主管36と吐出口33とを接続する配管であり、室外ユニット10から導出し室内ユニット20内に導入されている。また送風管40の一部はトラップ部41を構成している。このトラップ部41は、吐出主管36との連結部に構成され、室外ユニット10の内部に配置されている。
なお、ガス富化ユニット31の1次側(大気側)には、滞留する窒素富化空気を掃気するためのファン(図示せず)を配置しておき、選択性ガス富化装置の運転に連動して動作させるとよい。また、ガス富化ユニット31を、室外ユニット10のファン13を有する送風回路内に配置し、ファン13の送風によってガス富化ユニット31の1次側の窒素富化空気を掃気するようにしてもよい。またガス富化ユニット31、減圧ポンプ32、酸素供給主管34及び吐出主管36は、独立したユニットとして構成して、室外ユニット10の枠体に装着する構成としてもよい。
【0010】
一方、吐出口33は、室内ユニット20の筐体内部またはその付近に配置され、室内ユニット20内の送風回路中に配置される場合には、ファン21の動作により吹き出される送風に酸素富化空気が添加されて吹き出し口より室内空間に送出される。また吐出口33は、その近傍に拡管部を有することが好ましく、本実施例では吐出口33を拡管部とした構成を示している。このように拡管部を設けることで、押し出された氷結や結露水を吐出口33からまき散らすことなく、拡管部で一旦受けることで融解・蒸発を促すことができる。なお本実施例に示すように、熱交換器22の風回路の上流側で、熱交換器22の上方に吐出口33を設けることでも結露水などの飛散を防止することができる。
【0011】
次に、本発明の他の実施例による空気調和装置について説明する。
図2は本実施例による空気調和装置の要部構成図である。なお同一機能同一構成の部材には同一番号を付して説明を省略する。
本実施例においては、送風管40の一部に結露水を溜める容積部42を設けている。容積部42の容積は、減圧ポンプ32から吐出口33に至る通風路の容積以上とすることが好ましい。また容積部42は、減圧ポンプ32よりも低い位置に設けることが好ましく、トラップ41に設けている。
本実施例のように容積部42を設けることで、結露水が多量に発生してもこの容積部42内に溜められることで、減圧ポンプ32に逆流することがない。
【0012】
次に、本発明の他の実施例による空気調和装置について説明する。
図3は本実施例による空気調和装置の要部構成図である。なお同一機能同一構成の部材には同一番号を付して説明を省略する。
本実施例においては、送風管40の一部に結露水の逆流を防止する逆止弁43を設けている。この逆止弁43は、減圧ポンプ32側に設けることが好ましく、本実施例ではトラップ41に設けている。
本実施例のように逆止弁43を設けることで、結露水が多量に発生してもこの逆止弁43によって逆流することがなく、減圧ポンプ32内への結露水が浸入することがない。
【0013】
上記構成において、減圧ポンプ32が運転されると、ガス富化ユニット31内で酸素富化膜を通過した空気は、酸素供給主管34を通過して減圧ポンプ32に吸い込まれ、酸素富化された空気が吐出主管36、送風管40を順次通過して吐出口33から室内ユニット20内に送出される。
なお、本実施例では、選択性ガス富化装置を居住空間の空気調和に用いる分離型の空気調和装置に適用した場合について説明したが、例えば車両用空気調和装置、一体形空気調和装置に用いてもよく、その他空気清浄機や医療用酸素富化装置、携帯用酸素富化装置、燃焼機器用酸素富化装置、冷蔵庫など鮮度保持に用いる窒素富化装置などに適用してもよい。
また、本実施例では酸素富化膜を用いたガス富化ユニットを用いて説明したが、例えば中空糸膜などの酸素富化を実現できる機能を有すればよく、この場合には、減圧ポンプに代えて加圧ポンプを用い、又は送風装置をポンプとして用いることもできる。
【0014】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、減圧ポンプからの騒音や吐出口に至る通風路で発生する結露水による騒音を防止することができる。
また本発明によれば、減圧ポンプへの結露水の逆流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による空気調和装置の構成図
【図2】本発明の他の実施例による空気調和装置の要部構成図
【図3】本発明の他の実施例による空気調和装置の要部構成図
【符号の説明】
10 室外ユニット
20 室内ユニット
31 ガス富化ユニット
32 減圧ポンプ
33 吐出口
34 酸素供給主管
36 吐出主管
40 送風管
41 トラップ
42 容積部
43 逆止弁

Claims (10)

  1. 所定のガス成分の濃度を高める機能を有するガス富化ユニットと、前記ガス成分を送出するポンプと、前記ポンプから送出した前記ガス成分を吐出する吐出口とを備えた選択性ガス富化装置であって、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路の一部にトラップを設けたことを特徴とする選択性ガス富化装置。
  2. 所定のガス成分の濃度を高める機能を有するガス富化ユニットと、前記ガス成分を送出するポンプと、前記ポンプから送出した前記ガス成分を吐出する吐出口とを備えた選択性ガス富化装置であって、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路の一部に結露水を溜める容積部を設けたことを特徴とする選択性ガス富化装置。
  3. 前記容積部を、前記ポンプよりも低い位置に設けたことを特徴とする請求項2に記載の選択性ガス富化装置。
  4. 前記容積部の容積を、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路の容積以上としたことを特徴とする請求項2に記載の選択性ガス富化装置。
  5. 所定のガス成分の濃度を高める機能を有するガス富化ユニットと、前記ガス成分を送出するポンプと、前記ポンプから送出した前記ガス成分を吐出する吐出口とを備えた選択性ガス富化装置であって、前記ポンプから前記吐出口に至る通風路に逆止弁を設けたことを特徴とする選択性ガス富化装置。
  6. 前記逆止弁を、前記ポンプ側に設けたことを特徴とする請求項5に記載の選択性ガス富化装置。
  7. 前記ガス富化ユニットを、空気中の酸素を優先的に通過させる酸素富化膜によって構成したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の選択性ガス富化装置。
  8. 前記ガス富化ユニットと前記ポンプとを室外空間に配置し、前記吐出口を室内空間に配置したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の選択性ガス富化装置。
  9. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の選択性ガス富化装置を備え、室外ユニットと室内ユニットから構成される空気調和装置であって、前記ガス富化ユニットと前記ポンプとを前記室外ユニットに配置し、前記吐出口を前記室内ユニットに配置したことを特徴とする空気調和装置。
  10. 前記トラップ、前記容積部、又は前記逆止弁を前記室外ユニット内部に設けたことを特徴とする請求項9に記載の空気調和装置。
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