JP2004150736A - Pdp用基板冷却装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】揺動ローラ204、揺動ローラユニット250、冷却プレート206、冷却プレート前後往復部290を備え、揺動ローラ204に載置されたPDP用基板10を搬送方向に揺動しながら冷却用ガスを供給する冷却部材206を搬送方向と直交した方向に往復運動させる。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイ用基板(以下PDP用基板)の製造において、ガラス基板上に形成された電極、透明誘電体層、リブ、又は、蛍光体層等の膜を乾燥及び冷却させるPDP用基板乾燥装置においてPDP用基板を冷却させるPDP用基板冷却装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のPDP用基板乾燥装置は、PDP用の前面基板上に形成された電極の膜を乾燥し、上記前面基板上に形成された透明誘電体層等の膜を乾燥させるようにしている。また、PDP用基板乾燥装置は、PDP用の背面基板上に形成されたリブの膜を乾燥し、上記背面基板上に形成された蛍光体層等の膜を乾燥させるようにしている。上記各乾燥終了後、上記各種膜が形成されたPDP用の基板を冷却装置にて冷却する。ここで、乾燥装置内で完全に乾燥させてはいけない材料として電極がある。よって、冷却装置に搬入された当初、電極が形成されたPDP用基板において、蒸発しなかった溶剤が膜内に残っており、冷却装置内でその膜内に残った溶剤が蒸発し続ける。冷却用ガスをそのような膜に直接強く吹付けると、ガスが当たっている膜の一部は温度が下がり、ガスが当たっていない膜の一部は温度が高いままとなる。よって、ガスが当たっていない膜の一部は、温度が高いままとなって、膜内の溶剤を蒸発し続け、ガスが当たっている膜の一部は、温度が下がって、溶剤の蒸発が抑制される。このように膜の場所によって蒸発状態が違うことになって乾燥ムラが生じる。よって、基板上に形成された膜にガスが直接強く当たらないように、ガスの吹き出し口を基板からできるだけ上方に配置した冷却装置となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特願2001−314623号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構造のものでは、基板からできるだけ上方に離した位置に冷却用ガス吹き出し口を設けているため、冷却装置の天井が高くなり、その結果、冷却装置の容積が大きくなる。冷却装置の容積が大きくなると、冷却するための冷却用ガスの消費量が増え、また冷却用ガスが直接強く当たらないように冷却させているため冷却するのにも時間を要する。
【0005】
そこで、複数のローラで基板を保持して、冷却用ガスを基板の下方からローラの間を抜けて基板の下面に直接吹付けるように、冷却用ガス吹き出し口を基板より下に設けた冷却装置が提案されている。
【0006】
冷却用ガスを基板の下面に吹付けている間、複数のローラを正逆回転することで基板を搬送方向に揺動し、ローラの下から冷却用ガスを吹付けても、ローラで冷却用ガスが遮られる部分がなくなるようになっている。また、冷却用ガスを吹き出す穴が基板の搬送方向に直交して複数設けられて、その穴より冷却用ガスが基板下面に吹付けられるようになっている。よって、この冷却装置は冷却用ガスが強く基板下面に当たっても、基板上の膜に直接当たる事は無いので、冷却用ガス吹き出し口を基板に近づけることが可能となる。その結果、冷却装置の高さを小さくできるため冷却装置の容積を小さくできる。冷却装置の容積を小さくすることで、冷却用ガスの消費量が軽減でき、また冷却用ガスが基板の下面に直接吹付けられるので冷却時間も短縮できるようになっている。
【0007】
しかしながら、上記構造のものでは、基板の搬送方向と直交して複数個独立して設けられた穴より吹き出される冷却用ガスは、基板の揺動により基板の搬送方向には均一に吹付けられるが、基板の搬送方向と直交方向に所定間隔あけて配設されている穴から冷却用ガスが吹き出されているため、基板の搬送方向に直交する方向に均一に吹付けられず、基板の搬送方向に沿って帯状の乾燥ムラが生じるといった問題がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、基板の下面全体に、かつ、均一に冷却用ガスが吹付けられ、基板の搬送方向に沿って生じる帯状の乾燥ムラを軽減することができるPDP用基板冷却装置及び方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0010】
本発明の第1態様によれば、PDP用基板を乾燥部内で加熱により上記PDP用基板上の被乾燥物を乾燥させた後、搬入された上記PDP用基板を搬送方向に揺動しながら上記PDP用基板に対して下方から冷却用ガスを供給することで上記PDP用基板上の上記被乾燥物の冷却を行うPDP用基板冷却装置において、
上記PDP用基板を支持しかつ上記搬送方向に揺動可能な2個のローラと、
上記各ローラを回転させる回転駆動部と、
上記隣接するローラの隙間の下方に配置され、かつ、上記冷却用ガスを上記PDP用基板の下面に向かって供給する給気穴を有する冷却部材と、
上記冷却部材を上記搬送方向に直交する方向に往復運動させる往復運動駆動部と、
上記回転駆動部による上記各ローラの回転と上記往復運動駆動部による上記冷却部材の往復運動とを同時的に行うように動作制御させる制御部とを備えることを特徴とするPDP用基板冷却装置を提供する。
【0011】
本発明の第2態様によれば、循環する冷却媒体の通路を有し、上記冷却部材の下面に密着して設けられた冷却媒体循環部材と、
上記隣接するローラの隙間で上記PDP用基板の下面に上記冷却部材の上面が接触して上記PDP用基板の熱を上記冷却媒体循環部材を介して上記冷却媒体循環部材の上記冷却媒体に移動可能な上昇位置と、上記冷却部材が上記PDP用基板から下方に離れてかつ、上記冷却部材の上記給気穴からの上記冷却用ガスが上記PDP用基板の下面に達する下降位置との間で昇降する昇降部とを備えて、
上記制御部は、上記昇降部による上記冷却部材と上記冷却媒体循環部材の上記昇降を上記各ローラによる上記PDP用基板の上記揺動停止後に動作制御する第1の態様に記載のPDP用基板冷却装置を提供する。
【0012】
本発明の第3態様によれば、上記制御部は、上記PDP用基板の上記搬送方向と直交する方向に上記冷却部材を往復させる上記往復運動の速度を上記PDP用基板を上記搬送方向に揺動させる速度より速くするように上記回転駆動部と上記往復運動駆動部とを動作制御する第1または2の態様に記載のPDP用基板冷却装置を提供する。
【0013】
本発明の第4態様によれば、上記制御部は、上記PDP用基板の上記搬送方向と直交する方向に上記冷却部材を往復させる上記往復運動の速度を上記PDP用基板を上記搬送方向に揺動させる速度より速くするように上記回転駆動部と上記往復運動駆動部とを動作制御する第1〜3の態様のいずれか1つに記載のPDP用基板冷却装置を提供する。
【0014】
本発明の第5態様によれば、上記往復運動駆動部は、
上記往復運動の駆動源であるモータと、クランク機構と、スライダー部とを備えており、
上記クランク機構は、
上記モータの出力軸に一端部が設けられたクランク腕と、
上記クランク腕の他端部から上記出力軸の軸心に向かって上記出力軸の軸方向と直交方向に上記クランク腕に形成された溝内に上下方向に沿って一端部のみが上記溝内を移動可能に設けられ、上記一端部に上記溝部の長手方向に沿って穴が形成され、上記穴の内面にメネジが形成されているクランクピンと、
上記クランク腕の両端部を貫通して上記クランクピンの上記メネジにねじ込まれている位置調整用ネジと、
上記位置調整用ネジの少なくとも一端部にねじ込むことで上記クランクピンを上記溝内に位置調整可能に固定するナットと、
両端に軸受けを有して、その一端の軸受けを介して上記クランクピンに対して回転自在に設けられた連接棒とを備え、
上記スライダ部は、上記冷却部材に接続されてかつ、上記連接棒に上記連接棒の他端の上記軸受けを介して接続されて、上記モータの回転力を上記クランク機構により上記冷却部材を上記搬送方向に直交する方向に移動可能に設けられており、
上記クランク機構において、上記ナットを緩めて、上記位置調整用ネジを上記クランクピンに対して正逆回転することで、上記クランクピンを上記溝内で上記出力軸に対して進退させて上記クランクピンの位置調整を行うことにより、上記搬送方向に直交して上記往復運動する上記冷却部材の往復ストロークを変えることができる第4の態様に記載のPDP用基板冷却装置を提供する。
【0015】
本発明の第6態様によれば、上記給気穴が、上記冷却部材上面に上記搬送方向に直交した方向に並んで2個形成され、その搬送方向に直交した方向に並んで形成された給気穴を1列とし、さらに上記PDP用基板の搬送方向に上記列をなす上記給気穴を2列上記冷却部材に形成し、上記2列のうちの1つの列に上記搬送方向に直交した方向で並んでいる上記給気穴と、その隣の列に上記搬送方向に直交した方向に並んでいる給気穴とが上記搬送方向に直交した方向で位相が異なっている第1〜5の態様のいずれか1つに記載のPDP用基板冷却装置を提供する。
【0016】
本発明の第7態様によれば、給気穴が、上記冷却部材上面に上記搬送方向に直交した方向に並んで2個形成され、その上記搬送方向に直交した方向に並んで形成された上記給気穴を1列とし、さらに上記PDP用基板の上記搬送方向に上記列をなす上記給気穴を2列上記冷却部材に形成し、上記2列のうちの1つの列に上記搬送方向に直交した方向で並んでいる上記給気穴と、その隣の列に上記搬送方向に直交した方向に並んでいる上記給気穴とが上記搬送方向に直交した方向で位相が異なっていて、かつその上記搬送方向に直交した方向に重なるようにそれぞれ上記搬送方向に直交した方向に長く形成されている第1〜5の態様のいずれか1つに記載のPDP用基板冷却装置を提供する。
【0017】
本発明の第8態様によれば、上記PDP用基板の冷却において、上記PDP用基板冷却装置内部の各壁面に結露防止用のヒータを設ける第1〜7の態様のいずれか1つに記載のPDP用基板冷却装置を提供する。
【0018】
本発明の第9態様によれば、PDP用基板を乾燥部内で加熱により上記PDP用基板上の被乾燥物を乾燥させた後、搬入された上記PDP用基板を2個のローラ上に載置して搬送方向に揺動しながら、隣接する上記ローラの隙間の下方から冷却用ガスを供給することで上記PDP用基板上の上記被乾燥物の冷却を行うPDP用基板冷却方法において、
上記各ローラ上に載置された上記PDP用基板を上記搬送方向に揺動させるのと同時的に、上記冷却用ガスを供給する冷却部材を上記搬送方向に直交した方向に往復運動させながら上記PDP用基板の下面全体に上記冷却用ガスを吹付けて行うPDP用基板冷却方法を提供する。
【0019】
本発明の第10態様によれば、最初の冷却段階として、上記PDP用基板の下面全体に上記冷却用ガスを吹付けて空冷による冷却を行った後、
次の冷却段階として、上記搬送方向の上記PDP用基板の上記揺動を止めて、隣接する上記ローラの隙間の上記PDP用基板の下面に上記冷却部材を直接接触させて伝熱による冷却を行うような2段階の冷却を伴う第9の態様に記載のPDP用基板冷却方法を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
本発明の第1の実施形態にかかる冷却装置200を備えたPDP用基板乾燥装置500は、図1に示すように、直方体形状の乾燥室502の下面全体に配置された基台501上において、図1の左半分に直方体形状の上下移載空間506内に配置された上下移載部300と、図1の右半分の下部に配置された排気部400と、その排気部400の上に配置されたPDP用基板冷却装置200と、そのPDP用基板冷却装置200の上に4段に積み重ねられた乾燥部100と、乾燥部100を動作制御している制御部600と、4段に積み重ねられた乾燥部100及びPDP用基板冷却装置200にガスを給気している給気部420とを備えている。
【0022】
乾燥室502の外側で図1の左側下部に炉外排気口503と、その炉外排気口503の上方に配置された搬入・搬出口505と、図1の右側に上下に沿ってそれぞれ配置された排出管404及び乾燥部用ガス給気管423及び冷却部用ガス給気管424と、上下移載空間506の天井に配置されたフィルターユニット504とを備えている。
【0023】
搬入・搬出口505は、PDP用基板乾燥装置500外においてガラス基板10上に被乾燥物の一例として電極又は透明誘電体層又はリブ又は蛍光体層等の膜が形成されたPDP用基板10を上記乾燥室502内に搬入する搬入口であり、かつ、PDP用基板乾燥装置500内で乾燥後のPDP用基板10をPDP用基板乾燥装置500外に搬出する搬出口である。
【0024】
上下移載部300は、PDP用基板10を出し入れする基板移載部310と、基板移載部310を昇降させる上下駆動部320を備えている。
【0025】
基板移載部310は、四角筒の形状しており、搬入・搬出口505と、4段の各乾燥部100と、PDP用基板冷却装置200とに対してPDP用基板10を出し入れするように駆動する。
【0026】
上下駆動部320は、基板移載部310を、乾燥部100の4段それぞれに対向する4つの位置と、PDP用基板冷却装置200かつ搬入・搬出口505に対向する位置とに適宜上昇下降して、位置決めして停止する。尚、PDP用基板冷却装置200かつ搬入・搬出口505に対向する基板移載部310の位置を基準位置20とする。
【0027】
上下駆動部320は、上下方向に平行に配設された上下駆動軸321aと321bと、制御部600に接続されかつ上下駆動軸321aと321bとを同期して上下に移動させるように駆動する上下駆動モータ322aと322bとを備えている。よって、上下駆動モータ322aと322bとを駆動することにより基準位置20を含む上記5つの位置に位置決めして停止することができる。上下駆動軸321aと321bの各上端に基板移載部310の底面が取り付けられ、各下端はフリーとなっていて、上下駆動軸321aと321bとの上下軸の途中に上下駆動モータ322aと322bが乾燥室502に固定されている。2つの上下駆動モータ322aと322bとを、制御部600の制御の下に正逆同期回転させて上下駆動軸321aと321bとを昇降させることにより、基板移載部310を上記所定位置に位置決め停止可能としている。
【0028】
以下、図1において左側を正面側とし、右側を背面側とする。
【0029】
基板移載部310は、筐体315と、搬入・搬出口側受け渡し口312と、乾燥部側受け渡し口313と、ローラ311と、ヒータ314とを備えている。
【0030】
筐体315は、四角筒の形状でありかつ正面側と背面側に開口があり、正面側開口部に搬入・搬出口側受け渡し口312と、背面側開口部に乾燥部側受け渡し口313とを備えている。
【0031】
ローラ311は、筐体315内部において上記両側の受け渡し口312、313間の下方に等間隔で横方向に平行にかつPDP用基板10が入ってくる方向に直交して複数本、例えば4本設けられ、PDP用基板10を両側の上記受け渡し口312、313へそれぞれ移動させるように制御部600の制御の下で例えば、図示しないモータにより正逆同期回転可能となっている。尚、ローラ311の一方の端部に設けた図示しない歯車に図示しないチェーンベルトを渡し掛け、チェーンベルトに図示しないモータから動力を伝達することによって、一斉に駆動されて回転するようになっている。
【0032】
ヒータ314は、筐体315内部を一定温度に加熱して保持するために、筐体315内側上面のほぼ全体に設けられている。
【0033】
一方、上下移載空間506の天井にはフィルターユニット504が設けられ、フィルターユニット504を通った清浄なエアーが、上下移載空間506を通って、乾燥室502の下部に設けられた排気口503より排気されることで、乾燥室502内を清浄に保つようにしている。
【0034】
上記乾燥部100は、上下移載部300から送られてくるPDP用基板10上の電極又は透明誘電体層又はリブ又は蛍光体層等を、乾燥させるためにそれぞれ適した温度を維持するようにそれぞれ異なる温度、電極の場合、例えば大略120℃前後、透明誘電体層の場合、大略160℃前後、リブまたは蛍光体層の場合、大略100℃前後にそれぞれ温度管理された室であり、独立した各室は、断熱材108を介して重ねて配置されている。
【0035】
各乾燥部100は、筐体101と、正面扉102と、背面メンテナンス用扉103と、揺動ローラ104と、正面ヒータ105と、背面ヒータ106と、側面ヒータ107と、上部ヒータユニット110と、下ヒータユニット120とを備えている。
【0036】
筐体101は、四角筒の形状でありかつ正面側と背面側にそれぞれ正面側開口101aと背面側開口101bとを備えており、正面側開口101aに配置された正面扉102と、背面側開口101bに配置された背面メンテナンス用扉103とを備えている。
【0037】
正面扉102は基板移載部310よりPDP用基板10を出し入れするために、正面側開口101aの下端縁部に配置されたヒンジ161により開閉可能かつ密閉可能に正面側開口に配置されている。PDP用基板10を出し入れするときのみ正面扉102が開閉することで、乾燥部100内の熱量が逃げることを最小限に抑えることが可能となっている。正面ヒータ105は、正面扉102の内側に溶剤の結露が生じないように正面扉102の内側を一定温度、例えば、大略80℃前後に保持するために、正面扉102の内側のほぼ全体に設けられている。
【0038】
背面メンテナンス用扉103は、乾燥部100のメンテナンスを行うために、背面側開口101bの上端縁部に配置されたヒンジ162により開閉可能かつ密閉可能に背面側開口101bに配置される。背面ヒータ106は、背面扉103の内側に溶剤の結露が生じないように背面扉103の内側を一定温度例えば、大略80℃前後に保持するために、背面扉103の内側のほぼ全体に設けられている。
【0039】
揺動ローラ104は、筐体101の内部において、上記両側の扉102、103の間の下方に等間隔で横方向に平行にかつPDP用基板10が入ってくる方向に直交して複数本、例えば4本設けられ、上下移載部300に対してPDP用基板10を出し入れしかつ筐体内で図1の左右に揺動させるように制御部600の制御の下で例えば図示しないモータにより正逆同期回転可能となっている。尚、揺動ローラ104の一方の端部に設けた図示しない歯車に図示しないチェーンベルトを渡し掛け、チェーンベルトに図示しないモータから動力を伝達することによって、一斉に駆動されて回転するようになっている。また、 PDP用基板10を左右に揺動するストロークは、ローラ104が停止した位置から例えば左に1/2ピッチと、右に1/2ピッチとの間の範囲とすることができる。ここで、ピッチとは、等間隔に配置された揺動ローラ104の配置ピッチを表す。
【0040】
上部ヒータユニット110は、膜乾燥用として筐体101内部を加熱して一定温度に保持するために、筐体101内側上面のほぼ全体に設けられ、上部ヒータユニット110に相対するように揺動ローラ104の下方に、下ヒータユニット120が設けられている。
【0041】
側面ヒータ107も、筐体101内部の相対する両側面側に溶剤の結露が生じないように筐体101内部の両側面を一定温度に保持するために、筐体101内部の両側面のほぼ全体にそれぞれ設けられている。
【0042】
また、上部ヒータユニット110には、給気管112と排気管113とが上記両側の扉102、103の間の上方に等間隔で交互に横方向に平行にかつPDP用基板10が入ってくる方向に直交して複数本設けられ、それぞれが乾燥部用ガス給気管423と排出管404とに連通している。上記連通することにより、乾燥部用ガス給気管423から各給気管112を通じてガスを各乾燥部100内に給気可能となり、また、各乾燥部100内のガスを各排気管113から排出管404へ排気可能となっている。上部ヒータユニット110及び下ヒータユニット120に関しては、詳細を後述する。ここで、ガスとは乾燥部に供給される冷却用のガスとは別のガスである。
【0043】
給気部420は、PDP用基板乾燥装置500の装置外に配設されるガスを送り出す装置、例えば、ポンプであるガス給気源421と、そのガスを加熱する予熱ヒータ438とを備えている。
【0044】
ガス給気源421は、各乾燥部100内の各給気管112と連通している乾燥部用ガス給気管423に接続して配置される。予熱ヒータ438は、乾燥部用ガス給気管423に配置される。このように配置されたガス給気源421は、例えば、乾燥部100内の設定温度が100℃のときは、予熱ヒータ438によって熱せられた大略80℃〜100℃前後のガスを各乾燥部100内に、各給気管112を通じて給気することが可能となっている。
【0045】
このような乾燥部100の構成は、4段における他の段の乾燥部100の構成と同一である。
【0046】
4段の乾燥部100の最下部に配置されている乾燥部100のさらに下方に断熱材108を介して配置されたPDP用基板冷却装置200は、筐体201と、正面扉202と、背面メンテナンス用扉203と、正面ヒ−タ205と、背面ヒータ236と、側面ヒータ207と、上部ヒータ211と、揺動ローラユニット250と、冷却プレート昇降部270と、冷却プレート前後往復部290とを備えている。ここで、揺動ローラユニット250は回転駆動部の一例であり、冷却プレート前後往復部290は往復運動駆動部の一例であり、冷却プレート昇降部270は昇降部の一例であり、正面ヒ−タ205と背面ヒータ236と側面ヒータ207と上部ヒータ211とは結露防止用のヒータの一例である。
【0047】
筐体201は、四角筒の形状でありかつ正面側と背面側にそれぞれ正面側開口201aと背面側開口201bとを備えており、正面側開口201aに配置された正面扉202と、背面側開口201bに配置された背面メンテナンス用扉203とを備えている。
【0048】
正面扉202は基板移載部310よりPDP用基板10を出し入れするために、正面側開口201aの下端縁部に配置されたヒンジ261により開閉可能かつ密閉可能に正面側開口に配置されている。PDP用基板10を出し入れするときのみ正面扉202が開閉することで、PDP用基板冷却装置200内の熱量が逃げることを最小限に抑えることが可能となる。正面ヒータ205は、正面扉202内側に溶剤の結露が生じないように正面扉202内側を一定温度、例えば、大略80℃前後に保持するために、正面扉202内側のほぼ全体に設けられている。
【0049】
背面メンテナンス用扉203は、PDP用基板冷却装置200のメンテナンスを行うために、背面側開口201bの上端縁部に配置されたヒンジ262により開閉可能かつ密閉可能に背面側開口201bに配置される。背面ヒータ236は、背面扉203の内側に溶剤の結露が生じないように背面扉203の内側を一定温度例えば、大略80℃前後に保持するために、背面扉203の内側のほぼ全体に設けられている。
【0050】
上部ヒータ211は、筐体201内部の上面に溶剤の結露が生じないように筐体201内部の上面を一定温度、例えば、大略80℃前後に保持するために、筐体201内部の上面のほぼ全体に設けられている。
【0051】
側面ヒータ207も、筐体201内部の相対する両側面側に溶剤の結露が生じないように筐体201内部の両側面を一定温度に保持するために、筐体201内部の両側面のほぼ全体にそれぞれ設けらている。
【0052】
このような正面ヒータ205、背面ヒータ236、上部ヒータ211、側面ヒータ207は少なくとも冷却工程中は大略80℃前後に保たれている。ここで、冷却工程とは、PDP基板10をPDP用基板冷却装置200内で冷却している間をいい、後述する空冷による冷却段階と伝熱による冷却段階を併せた間である。
【0053】
図2の上記冷却工程を行うPDP用基板冷却装置200内の模式図に基づいて揺動ローラユニット250と冷却プレート前後往復部290と冷却プレート昇降部270とを以下に概略説明する。
【0054】
PDP用基板冷却装置200内において、揺動ローラユニット250と冷却プレート昇降部270と冷却プレート前後往復部290とユニット取り付けプレート281とがこの順で上から下に配置されている。
【0055】
まず、揺動ローラユニット250の概略を以下説明する。
【0056】
揺動ローラ204は、筐体201の内部において、上記両側の扉202、203の間に等間隔で横方向に平行にかつPDP用基板10が入ってくる方向に直交して複数本、例えば4本設けられている。その4本の揺動ローラの端部にローラ側歯車254がそれぞれ固定して設けられている。ここで、揺動ローラ204はローラの一例である。
【0057】
一方、揺動用モータ251が筐体201外に設けられ、その揺動用モータ251のモータ出力軸256にモータ側歯車252が固定して設けられている。そのモータ側歯車252と4本のローラ側歯車254とにそれぞれ歯付きベルト253を渡し掛けることで、揺動用モータ251の回転を同時に4本の揺動ローラ204に伝達するようになっている。よって、揺動用モータ251を正逆回転させることで、各揺動ローラ204を同時に正逆回転し、PDP用基板10は搬送方向に揺動するようになっている。
【0058】
以上のような各揺動ローラ204に載置されたPDP用基板10は、各揺動ローラ204によって左右に揺動されている間、各揺動ローラ204間の隙間の下方から冷却用ガスをPDP用基板10の下面に吹付ける複数の給気穴241を設けた冷却プレート206が、基板の搬送方向と直交する方向に往復運動しながらPDP用基板10を空冷にて冷却する。ここで、冷却プレート206は冷却部材の一例である。さらに、冷却プレート206の空冷による冷却が終了するとともにPDP用基板10の揺動を停止した後、冷却プレート206を支持する水冷プレート291が上昇して、冷却プレート206をPDP用基板10の下面に直接押し当てることで伝熱により熱を奪い冷却する。このように2段階の冷却方法を行う。ここで、水冷プレート291は冷却媒体循環部材の一例である。
【0059】
以下、冷却プレート前後往復部290の概略を説明する。
【0060】
冷却プレート前後往復部290は、PDP用基板10の搬送方向と直交して、搬送方向に直交する方向にに冷却プレート206を往復運動させる装置であり、往復用モータ278とクランク機構部91とスライダー部92とを備えている。往復用モータ278がユニット取り付けプレート281に固定して設けられている。往復用モータ278はモータの一例である。スライダー部92に備えられているシリンダ取り付けプレート282はユニット取り付けプレート281の上方に配置されており、往復用モータ278によってシリンダ取り付けプレート282がユニット取り付けプレート281に対して搬送方向に直交する方向に往復運動するようになっている。
【0061】
以下、冷却プレート昇降部270の概略を説明する。
【0062】
冷却プレート昇降部270は、冷却プレート前後往復部290の上方に配置された冷却プレート206と水冷プレート291を昇降させる装置であり、昇降シリンダ271が搬送方向に直交する方向に往復運動するシリンダ取り付けプレート282に、固定して設けられている。昇降シリンダ271の上下方向に移動するシリンダ出力軸288の上に水冷プレート291が固定して設けられており、水冷プレート291はシリンダ取り付けプレート282の上方でPDP用基板10が載置される面とほぼ平行を保って、かつ、シリンダ取り付けプレート282に対して昇降するようになっている。PDP用基板10の下面に冷却用ガスを吹付けるための3個の冷却プレート206が昇降する水冷プレート291の上面に固定して設けられている。また、水冷プレート291は水冷用ポンプ292に接続されている。水冷プレート291内に形成された図示しない冷却水通路と水冷用ポンプ292との間に水を循環させることで、水冷プレート291とその上面に設けられている冷却プレート206は常に冷却されている。ここで、上記の冷却水は、冷却媒体の一例であり、冷却水通路は循環する冷却媒体の通路の一例である。冷却工程中、少なくとも、PDP用基板10がPDP用基板冷却装置200に搬入されてから冷却終了してPDP用基板10がPDP用基板冷却装置200より搬出されるまでの間、水冷プレート291と水冷用ポンプ292との間の水の循環は行われている。
【0063】
次に図3、図4に基づいて、揺動ローラユニット250の詳細を以下に説明する。上記図2に基づいての概略説明では揺動ローラ204を4本としたが、以下5本の場合で説明する。
【0064】
まず、揺動ローラユニット250は、揺動ローラ204と、揺動用モータ251と、モータ側歯車252と、歯付きベルト253と、ローラ側歯車254と、案内ローラ255と、モータ取り付けブラケット257と、軸受け259a、259bとを備えている。揺動ローラ204は、筐体201の内部において、上記両側の扉202、203の間に等間隔で横方向に平行にかつPDP用基板10が入ってくる方向に直交して複数本、例えば5本設けられている。ここで、PDP用基板10が各揺動ローラ204に載置されて搬送される際、PDP用基板10が損傷せず、また塵埃が生じないように、図3において各揺動ローラ204の軸の長手方向においてPDP用基板10と接触可能な部分全部で、その外周に揺動ローラ204の外径より少し大きい筒状の基板保護部材258が全周に渡ってそれぞれ設けられている。基板保護部材258の材質は、耐熱性に優れ、かつPDP用基板10を傷付けないような例えば、テフロン(登録商標)のようなフッ素樹脂、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、またはシリコンゴムのような耐熱性樹脂が望ましい。また、各基板保護部材258のそれぞれの上側の接線を含む面、即ち、PDP用基板10が載置される面と、PDP用基板冷却装置200の底部でPDP用基板乾燥装置500の設置面とほぼ平行に設けられたユニット取り付けプレート281とがほぼ平行になるように、5本の揺動ローラ204は設けられている。
【0065】
各揺動ローラ204を支持するために、図3における筐体201の右側の側面に形成された穴に軸受け259aが設けられており、軸受け259aに相対する左側の側面に形成された穴に軸受け259bが設けられている。また、各揺動ローラ204の左端部は軸受け259bに支持され、各揺動ローラ204の右端部近傍は軸受け259aに支持されており、各揺動ローラ204の右端部である軸端部192が筐体201よりそれぞれ突出して設けられている。各軸端部192にローラ側歯車254がそれぞれ固定して設けられている。
【0066】
一方、揺動用モータ251は、筐体201の右側の側面の外で、揺動用モータ251のモータ出力軸256が揺動ローラ204の軸方向に平行かつ搬送方向に直交するようにかつ、揺動ローラ204より下方でモータ取り付けブラケット257によって筐体201の右側の側面に固定して設けられている。そのモータ出力軸256にはモータ側歯車252が固定して設けられている。
【0067】
モータ側歯車252と各ローラ側歯車254とに1本の歯付きベルト253の歯が噛み合うように渡し掛けられている。歯付きベルト253がモータ側歯車252と各ローラ側歯車254とに十分に巻き付いて歯が噛み合うように、各ローラ側歯車254間及び、モータ側歯車252とローラ側歯車254との間に回転自在の案内ローラ255が、例えば6個、筐体201の右側の側面に配置されている。
【0068】
よって、揺動用モータ251が正逆回転すると、モータ出力軸265とモータ側歯車252も同時に正逆回転する。モータ側歯車252の正逆回転を歯付きベルト253を介してかつ、各案内ローラ255の案内で全てのローラ側歯車254に伝達する。各ローラ歯車254の正逆回転は各ローラ歯車254に連結されている各揺動ローラ204に伝達され、各揺動ローラ204は正逆同期回転するようになっている。
【0069】
その揺動用モータ251は制御部600に接続されている。よって、上下移載部300に対してPDP用基板10を出し入れする一方、筐体201内でPDP用基板10の搬送方向(例えば、図1の左右方向)に揺動させるように、制御部600の制御の下で揺動用モータ251により5本の揺動ローラ204は正逆同期回転可能となっている。
【0070】
また、PDP用基板10の揺動停止位置70の位置を検出できるように、基板検出センサ(図示せず)が、筐体201内の背面側に設けられ、制御部600と接続されている。よって、制御部600の制御の下、基板検出センサ(図示せず)でPDP用基板10を検出して揺動モータ251を停止させることにより、PDP用基板10を揺動停止位置70で停止できるようになっている。
【0071】
また、PDP用基板10を左右に揺動するストロークは、移載部300よりPDP用基板冷却装置200にPDP用基板10が搬入し終わって揺動ローラ204が停止したときのPDP用基板10の揺動停止位置70から例えば左に1/2ピッチの左端位置80と、右に1/2ピッチの右端位置90との間の範囲とすることができる。ここで、ピッチとは、等間隔に配置された揺動ローラ204の配置ピッチを表す。
【0072】
また、揺動用モータ251内に設けられている図示しない回転角度検出センサ、例えばエンコーダによって、揺動用モータ251の回転を検出し、制御部600によって、揺動停止位置70から左端位置80までの距離と揺動停止位置70から右端位置90までの距離を回転制御できるようになっている。
【0073】
この左端位置80から右端位置90までの揺動ストロークS0は揺動ローラ204の配置ピッチとに関係がある。PDP用基板10の下面に給気される冷却用ガスが揺動ローラ204により遮られる部分が無いようにするため、揺動ストロークS0は揺動ローラ204の配置ピッチ以上あるとより好ましい。しかし、後述する伝熱による冷却を行うとき、左端位置80及び右端位置90を用いて冷却するため、揺動ストロークS0は揺動ローラ204の配置ピッチと同じ距離にする。なお、揺動ストロークS0を揺動ローラ204の配置ピッチと等しくする理由は、伝熱による冷却を説明する際に述べる。
【0074】
また、制御部600内に格納された図示しないインバータと揺動用モータ251と制御部600とが接続されていて、制御部600により揺動用モータ251の回転速度を変化させることで、PDP用基板10の揺動運動の速度を変えることができるようになっている。PDP用基板10を揺動させる速度は、その速度が速すぎることによりPDP用基板10が載置されている各基板保護部材258上をPDP用基板10が滑ったり、逆に遅すぎることにより冷却用ガスがPDP用基板10の下面の同じ部分に吹付けられるということが無い程度の速度で良く、この実施例における揺動速度は、例えば、大略20mm/sと設定している。
【0075】
次に図5〜図9に基づいて、冷却プレート前後往復部290と冷却プレート昇降部270の詳細を以下に説明する。
【0076】
まず、冷却プレート前後往復部290の詳細について説明する。
【0077】
ユニット取り付けプレート281は長方形状の板材で、PDP用基板冷却装置200の筐体201の底部を形成するように固定して設けられており、PDP用基板乾燥装置500の設置面とほぼ平行になっている。LMガイドレール280aと280bとがPDP用基板10の搬送方向に直交する方向にかつ、2本離れて平行に、ユニット取り付けプレート281上面に長手方向に沿って固定して設けられている。一方のLMガイドレール280a上には2個のLMガイドブロック283aと283bとが滑動可能に設けられ、他方のLMガイドレール280b上には2個のLMガイドブロック283cと283dとが滑動可能に設けられている。それら4つのLMガイドブロック283a、283b、283c、283dの上面が、長方形状の板材のシリンダ取り付けプレート282の大略4隅に位置するように、シリンダ取り付けプレート282の下面に固定されている。よって、シリンダ取り付けプレート282は、LMガイドレール280aと280bの軸方向に沿って、即ち搬送方向に直交する方向にかつ各基板保護部材258のそれぞれの上側の接線を含む面とほぼ平行を保って滑動できるようになっている。このようなシリンダ取り付けプレート282とLMガイドブロック283a〜283dとLMガイドレール280a、280bとは、スライダー部92を構成するようになっている。
【0078】
シリンダ取り付けプレート282を搬送方向に直交する方向に往復運動させる往復用モータ278は、往復用モータ278の往復用モータ出力軸285が上向きに突出しているように、ユニット取り付けプレート281の搬送方向に直交する方向の長手方向の端部に固定して設けられている。その往復用モータ出力軸285の上端部に円形の板状の出力軸フランジ293の中心が固定して設けられている。往復用モータ出力軸285の回転と共に、出力軸フランジ293の面はその往復用モータ出力軸285の軸心回りをその往復用モータ出力軸285の軸方向に直交した面で回転するようになっている。長方形の板状のモータ側クランクプレート276の長手方向の下面を長手方向の一端部がその出力軸フランジ293の中心を通り、他端部がその往復用モータ出力軸285の軸心から離れるようにかつ、出力軸フランジ293の上面に固定して設けられており、モータ側クランクプレート276の他端部は往復用モータ出力軸285の回転と共にその往復用モータ出力軸285の軸心回りをその往復用モータ出力軸285の軸方向に直交した面で回転するようになっている。クランクプレート276はクランク腕の一例である。
【0079】
そのモータ側クランクプレート276には他端部側、即ち往復用モータ出力軸285から離れた側から往復用モータ出力軸285の軸心にまっすぐに向かって細長い溝部295が往復用モータ出力軸285の軸方向と直交方向に両端部を残して形成されている。溝部295は溝の一例である。モータ側ピン286が上下方向に沿って下端部側のみが、その溝部295内を滑動可能に設けられ、その溝部295内に入っている下端部にはモータ側ピン286の軸方向に直交してかつ、溝部295の長手方向に沿ってメネジ部296が貫通して形成されている。一方、モータ側ピン286の上端部側はモータ側クランクプレート276の上面より上方に出ている。メネジ部296はメネジの一例であり、モータ側ピン286はクランクピンの一例である。
【0080】
モータ側ピン286に形成されているメネジ部296と同じネジ径かつ同じピッチのオネジ部191が軸の外周に形成され、その一端部に六角頭部297を備えたピン固定用ネジ軸289が、モータ側クランクプレート276の他端側から他端部側に形成された他端部側穴299aを通って溝部295内に貫通している。ピン固定用ネジ軸289は位置調整用ネジの一例である。そして、ピン固定用ネジ軸289は、溝部295内に設けれているモータ側ピン286の下部に形成されたメネジ部296にねじ込まれ、さらにモータ側クランクプレート276の一端部側に形成された一端部側穴299bを貫通し、六角頭部297がモータ側クランクプレート276の他端部側になるように設けられている。尚、他端部側穴299aと一端部側穴299bは、いわゆるばか穴であり、ピン固定用ネジ軸289はそのばか穴内で自在に回転できるようになっている。
【0081】
よって、ピン固定用ネジ軸289をモータ側クランクプレート276に対して正逆回転させると、モータ側ピン286は溝部295によりピン固定ネジ軸289の軸心まわりの回転を規制されていため、モータ側ピン286はピン固定用ネジ軸289に対して溝部295内で進退するようになっている。
【0082】
このような状態において、ピン固定用ネジ軸289は回転可能な状態にあり、またピン固定用ネジ軸289にねじ込まれているモータ側ピン286とピン固定用ネジ軸289とは溝部295の長手方向に沿って移動可能な状態である。
【0083】
モータ側ピン286を溝部295内で固定するために、モータ側クランクプレート276の一端側で貫通しているピン固定用ネジ軸289のオネジ部191に、そのオネジ部191に形成されているネジと同じネジ径かつピッチのナットメネジ部298が形成されている固定用ナット294をねじ込むようにする。固定用ナット294をピン固定用ネジ軸289にねじ込むことで、モータ側クランクプレート276の両端に配置された六角頭部297と固定用ナット294とによってモータ側クランクプレート276を挟みこむように、ピン固定用ネジ軸289をモータ側クランクプレート276に対して固定されるようになる。固定用ナット294はナットの一例である。このように、ピン固定用ネジ軸289がモータ側クランクプレート276に対して固定、即ちピン固定用ネジ軸289の軸心まわりの回転と溝部295の長手方向に沿っての移動が規制されることによって、それにねじ込まれているモータ側ピン286は溝部295内の任意の位置で固定される。
【0084】
上記のように溝部295の長手方向の任意の位置で固定されたモータ側ピン286をさらに溝部295の長手方向に沿って異なる位置で固定させたい場合、以下のように調整する。溝部295の長手方向沿いのモータ側ピン286の位置が果たす役割は後述する。
【0085】
まず、モータ側クランクプレート276の一端側で締結されている固定用ナット294をピン固定用ネジ軸289から緩める。そして、ピン固定用ネジ軸289をモータ側ピン286に対してねじ込むように回転させることで、モータ側ピン286は他端側に近づき、即ち往復用モータ出力軸285の軸心から離れるようになっている。逆に、ピン固定用ネジ軸289をモータ側ピン286に対して緩めるように回転させることで、モータ側ピン286は他端側から離れ、即ち往復用モータ出力軸285の軸心に近づくようになっている。
【0086】
このように、固定用ナット294を緩めた状態で、ピン固定用ネジ軸289をモータ側クランクプレート276に対して正逆回転することにより、モータ側ピン286の軸心と往復用モータ出力軸285の軸心との距離をかえることができるようになっている。モータ側ピン286の軸心と往復用モータ出力軸285の軸心との距離を例えば10mm〜30mmの間で、モータ側ピン286を任意の位置に変更できるようになっている。モータ側ピン286の軸心と往復用モータ出力軸285の軸心との距離を10mm〜30mmとしたが、これに限定されるものではなく、PDP用基板10の大きさ、PDP用基板10上に形成された膜の種類、後述する冷却プレート206に形成された給気穴の配置ピッチによって変更する必要がある。つまり、モータ側ピン286の軸心と往復用モータ出力軸285の軸心との距離を変えることで、後述するクランクスライダ機構のスライダー部92に接続された冷却プレート206が往復するストロークを変更できるようになっていて、その往復ストロークとPDP用基板10の大きさ等と関連がある。なお、往復ストロークとPDP用基板10の大きさ等との関連性については後述する。
【0087】
また、往復用モータ278が設けられている側に位置するシリンダ取り付けプレート282の下面の後部に長方形の板状の往復側クランクプレート274の前部が固定して、往復側クランクプレート274の後部がシリンダ取り付けプレート282から往復用モータ278側に出るように設けられている。その往復側クランクプレート274の後部には往復側ピン287が上下方向に固定して設けられている。上記の前部は図5において左側で、後部は右側を表す。
【0088】
一方、長方形状の板状の中間クランクプレート275の長手方向両端部に穴が板の厚み方向に貫通してそれぞれ形成されており、一端部に形成された穴に玉軸受け279aが取り付けられ、他端部に形成された穴に玉軸受け279bが取り付けられている。中間クランクプレート275は連接棒の一例である。玉軸受け279aと279bとが、モータ側ピン286と往復側ピン287とに嵌合されており、中間クランクプレート275はモータ側ピン286と往復側ピン287とに対して玉軸受け279aと279bとを介してそれぞれ回転自在に取り付けられている。
【0089】
このように往復用モータ出力軸285に設けられたモータ側クランクプレート276と中間クランクプレート275と往復側クランクプレート274とモータ側ピン286と往復側ピン287とにより、その往復用モータ出力軸285の軸方向に直交した面内、即ち上述したスライダー部92の移動面でクランク機構部91を構成している。よって、上述したスライダー部92を構成しているシリンダ取り付けプレート282とクランク機構部91とを往復側クランクプレート274を介して連結することで、クランクスライダー機構を構成するようになっている。
【0090】
クランクスライダー機構によって、以下のように動作を行うことができる。まず、往復用モータ278を回転させることで往復用モータ出力軸285が回転し、往復用モータ出力軸285の回転により、モータ側クランクプレート276が往復用モータ出力軸285に軸心の回りに回転する。モータ側クランクプレート276の回転により、モータ側クランクプレート276に上下方向に沿って設けられたモータ側ピン286が、往復用モータ出力軸285の軸心の回りに回転する。そのモータ側ピン286の回転により、中間クランクプレート275の一端部に設けられた玉軸受け279aを介して、中間クランクプレート275の一端部が往復用モータ出力軸285の軸心の回りに回転する。その中間クランクプレート275の一端部の回転により、中間クランクプレート275の他端部に設けられた玉軸受け279bを介して往復側クランクプレート274に設けられた往復側ピン287とともにシリンダ取り付けプレート282を搬送方向に直交する方向に往復運動させる。
【0091】
また、図7〜図9に示すように、シリンダ取り付けプレート282に昇降シリンダ271と水冷プレート291とを介して取り付けられている冷却プレート206は前端位置50と後端位置60との間を搬送方向に直交する方向に往復するようになっていて、前端位置50と後端位置60の中間の位置を中間位置55とする。このような3つの位置で位置決め停止可能となっている。往復用モータ出力軸285に設けられた出力軸フランジ293には、その半径方向に突出するように、板状の往復位置決め用ドグ277が1箇所取り付けられている。
【0092】
往復回数計数用センサ284aと中間位置決め用センサ284bとがユニット取り付けプレート281上で往復用モータ出力軸285の回りに90度間隔で配置されている。冷却プレート206が前端位置50のとき、往復位置決め用ドグ277は往復回数計数用センサ284aを遮光するように取り付けられている。また、冷却プレート206が中間位置55のとき、往復位置決め用ドグ277は中間位置決め用センサ284bを遮光するように取り付けられている。
【0093】
制御部600は、往復用モータ278と往復回数計数用センサ284aと中間位置決め用センサ284bとにそれぞれ接続されている。なお、上記の2位置即ち、前端位置50、中間位置55でそれぞれのセンサが往復位置決め用ドグ277に遮光されたとき、各センサから制御部600に向かって信号が送られるようになっている。よって、制御部600の制御の下、中間位置決め用センサ284bからの信号を受けて往復用モータ278の回転停止を行うことにより、冷却プレート206を中間位置55で停止することができるようになる。また、往復回数計数用センサ284aからの信号を制御部600で受けることにより、制御部600は冷却プレート206の往復回数を認識できるようになっている。また、往復用モータ278を一方向に回転させることで、連続して冷却プレート206を前端位置50と後端位置60との間を往復運動することができるようになっている。また、制御部600内に格納された図示しないインバータと往復用モータ278と制御部600とが接続されていて、制御部600により往復用モータ278の回転速度を変化させることで、冷却プレート206の往復運動の速度を変えることができるようになっている。PDP用基板10の下面全体に均一に冷却用ガスを吹付けるためには、冷却プレート206の往復運動の速度は以下の式(1)に示すように設定すると好ましい。
【0094】
【数1】
往復運動の速度≧揺動速度×1.5 ・・・・(1)
ここで、往復運動の速度とは冷却プレート206を搬送方向に直交する方向に往復運動する平均速度(mm/s)、揺動速度とはPDP用基板10を搬送方向に揺動する平均速度(mm/s)を表す。
【0095】
上記の式(1)のように揺動速度に対して往復運動の速度を1.5倍より高くしているのは、揺動速度と往復運動の速度が同一に近い場合は、冷却プレート206からPDP用基板10の下面に吹付けられる冷却用ガスが繰り返し同じ部分になり、PDP用基板10の温度が均一にならない場合があるからである。また、PDP用基板10の揺動速度よりも冷却プレート206の往復運動の速度を速くするのは、PDP用基板10の揺動速度を高くすると、PDP用基板10が揺動ローラ204上で滑るためである。
【0096】
よって、この実施例では、PDP用基板10の揺動速度を例えば、20mm/sとしているので冷却プレート206の往復運動の速度は35mm/sと設定している。
【0097】
また、前端位置50と後端位置60との距離は、ピン固定用ネジ軸289を調節することにより、即ちモータ側ピン286の中心と往復用モータ出力軸285の中心との距離Lを変えることで変更することができる。ここで、前端位置50と後端位置60との距離を往復ストロークとする。例えば、モータ側ピン286の中心と往復用モータ出力軸285の中心との距離Lを10mmに設定した場合、冷却プレート206は、中間位置55を基準に中間位置55から前端位置50まで10mm移動し、中間位置55から後端位置60まで10mm移動することとなり、往復ストロークは20mmとすることができる。次に、Lを30mmに設定した場合、冷却プレート206は、中間位置55を基準に中間位置55から前端位置50まで30mm移動し、中間位置55から後端位置60まで30mm移動することとなり、往復ストロークは60mmとすることができる。このように、往復ストロークを変更した場合、所望のストロークになったかどうかを確認するために、実際に冷却プレート206の前端位置50と後端位置60との距離を例えばスケールなどで計測する必要がある。
【0098】
次に、図5〜図7に基づいて、冷却プレート昇降部270について詳細に説明する。
【0099】
搬送方向に直交する方向に往復運動が可能なシリンダ取り付けプレート282の下面中心あたりに昇降シリンダ271のシリンダ出力軸288が上向きに突出しているようにして、かつシリンダ出力軸288の上端部が、上下方向に移動可能にシリンダ取り付けプレート282を貫通し、上方に位置するようにして昇降シリンダ271が固定して設けられている。シリンダ取り付けプレート282の上方で、シリンダ出力軸288の上端に長方形状の板状の水冷プレート291の下面の中心あたりが固定して設けられている。
【0100】
また、上下滑動軸受け273aと273bとが、昇降シリンダ271を搬送方向に直交する方向に挟むように大略等間隔に離れて、シリンダ取り付けプレート282に固定して設けられている。各上下滑動軸受け273aと273bとには、上下滑動軸272aと272bとが上下移動可能にそれぞれ支持されている。各上下滑動軸272aと272bの上端は水冷プレート291の下面にそれぞれ固定して設けられ、その下端はそれぞれ自由端となっている。よって、水冷プレート291の上面はシリンダ取り付けプレート282に対してほぼ平行即ち、各基板保護部材258のそれぞれの上側の接線を含む面とほぼ平行を保って昇降することができるようになる。
【0101】
尚、水冷プレート291に形成されている図示しない冷却水通路には例えば、大略23℃前後の冷却水が循環されており、水冷プレート291の材質は伝熱性の高い、例えばアルミニウムが使用されている。その水冷プレート291の上面に長方形状の板材の冷却プレート206が、上方に配置されている6本(図2では簡略化のため揺動ローラ204は4本になっており、また図4の揺動ローラユニット250の詳細説明では、揺動ローラ204が5本の場合である。)の揺動ローラ204の隙間に配置されるように5個(図2では簡略化のため3個になっている。)密着して設けられている。なお、各冷却プレート206の材質は伝熱性の高い材質、例えばアルミニウムであり、図12に示すように、冷却用ガスを給気する複数の給気穴241がその上面に搬送方向にa1の間隔で並んで形成され、その搬送方向に並んで形成された給気穴241を1列とし、さらにその1列が搬送方向に直交する方向にa2の間隔で複数列形成されている。また、冷却プレート206に形成された複数の給気穴241は図示しない給気通路に通じており、その給気通路に冷却用ガス給気管424が連通している。よって、冷却部用ガス給気管424から図示しない給気通路と複数の給気穴241を通じて冷却用ガスを、揺動ローラ204上に載置されたPDP用基板10の下面に給気して冷却できるようになっている。
【0102】
このように、水冷プレート291上面に設けられた冷却プレート206は、昇降シリンダ271によって、下降位置30から上昇位置40までの間をシリンダ取り付けプレート282に対して上下方向に移動できるようになっている。また、下降位置30と上昇位置40の位置決めは、例えば、昇降シリンダ271の内部に設けられている図示しないストッパにより位置決めされている。
【0103】
下降位置30は、揺動ローラ204上に載置されたPDP用基板10下面から離れ過ぎないで冷却用ガスがその下面に吹付けられる程度の位置とし、上昇位置40は、揺動ローラ204上に載置されたPDP用基板10の下面を、若干、例えば10mm程度持ち上げるくらいの位置とする。この揺動ローラ204からPDP用基板10を持ち上げる距離は、10mmに限定するものでなく、各冷却プレート206の上面のほぼ全てがPDP用基板10の下面に接触すれば良い。即ち、各冷却プレート206の上面は同一平面を構成し、好ましくは各揺動ローラ204の各基板保護部材258のそれぞれの上側の接線を含む面と各冷却プレート206の上面により形成される面とが、ほぼ平行であれば良い。
【0104】
また、昇降シリンダ271は図示しない電磁バルブに接続されて、その図示しない電磁バルブは制御部600に接続されることで、制御部600の制御の下、冷却プレート206は自在に上昇と下降をすることができるようになっている。
【0105】
ここで、冷却プレート206を上昇位置40まで上昇させて、PDP用基板10の下面に接触させた場合、PDP用基板10の揺動ローラ204が接してる周辺部は冷却プレート206が無いため、冷却プレート206がPDP用基板10に接触できない部分が生じる。そこで、PDP用基板10の揺動ローラ204が接している周辺部にも冷却プレート206が接触できるように、一度、冷却プレート206を下降位置30まで下降してPDP用基板10を各揺動ローラ204上に載置させる。そして、PDP用基板10の揺動ローラ204に接している周辺部が、冷却プレート206に接触できるようにPDP用基板10を搬送方向にある距離S1だけ移動させて、再び冷却プレート206を上昇位置40まで上昇させてPDP用基板10に接触させるようにする。その搬送方向に移動する距離S1は揺動ローラ204のローラ径と揺動ローラ204の配置ピッチとに関係がある。例えば、揺動ローラ204のローラ径に対して揺動ローラ204の配置ピッチが2倍以上ある場合、以下の条件を満たすことが好ましい。
【0106】
【数2】
P−D≧S1≧D ・・・・(2)
ここで、Pは揺動ローラ204の配置ピッチ(mm)、Dは揺動ローラ204のローラ径(mm)を表す。この式(2)を満たした距離S1だけ揺動方向にPDP用基板10を移動させた後、冷却プレート206をPDP用基板下面に接触させることで、冷却プレート206がPDP用基板10の下面に接触できない部分にも冷却プレート206を接触することができるようになる。ここで、接触できない部分とは、PDP用基板10が揺動ローラ204に載置されているため、各揺動ローラ204の隙間に配置されている各冷却プレート206の搬送方向沿いの生じる隙間である。
【0107】
また、揺動ローラ204のローラ径に対して揺動ローラ204の配置ピッチが2倍に満たない場合、以下の条件を満たすことが好ましい。
【0108】
【数3】
S1=P/2 ・・・・(3)
この式を満たすことで、PDP用基板10が揺動ローラ204に載置されているため接触できない部分の1部にも冷却プレート206を接触することができるようになる。
【0109】
以上の式(2)、(3)より、揺動ローラ径や揺動ローラの配置ピッチを考慮せずに適用できる式(3)をこの実施例では使用する。つまり、冷却プレート206を上昇させる場合のPDP用基板10の揺動方向の2位置の距離S1は、揺動ローラ204の配置ピッチの1/2に設定している。ここで、空冷による冷却を行う際に、PDP用基板10を揺動方向に揺動ローラ204により揺動する距離S0を揺動ローラ204の配置ピッチPとしていたため、冷却プレート206を上昇させる際の2位置の距離は、S0の1/2にすることができる。すなわち、揺動停止位置70と左端位置80または、右端位置90の間で、冷却プレート206を上昇させる2位置とすることができる。
【0110】
このように、空冷による冷却時に行うPDP用基板10の揺動ストロークS0を揺動ローラ204の配置ピッチに設定し、伝熱による冷却時の2位置の距離S1を揺動ローラの配置ピッチの1/2に設定することで、揺動ストロークS0は左端位置80と右端位置90との間、2位置の距離S1は左端位置80と揺動停止位置70との間または、右端位置90と揺動停止位置70との間とすることができる。よって、揺動方向は3位置、即ち右端位置90と揺動停止位置70と左端位置80のみ制御部600の図示しない記憶部に格納しておけば良い。
【0111】
また、上記の3位置に限定するものではなく、記憶部に3つ以上の位置情報を格納する余裕がある場合、揺動ストロークS0を揺動ローラ204の配置ピッチ以上、例えば揺動ローラ204の配置ピッチの2倍にして右端位置90と左端位置80を設定し、S1を式(3)または、式(4)を満たす距離にして左端位置80と右端位置90とは違う位置を2箇所設定しても良い。
【0112】
以下、往復ストロークと給気穴241の配置ピッチとの関連性、往復ストロークと搬送方向に直交する方向のPDP用基板10の大きさ、往復ストロークとPDP用基板10上に形成される膜の種類等との関連性についてこの順で説明する。
【0113】
まず、図12に示す揺動方向と直交方向に冷却プレート206に形成されている給気穴241の配置ピッチa2と冷却プレート206の往復ストロークとに関連性があり、以下の式(2)のように往復ストロークを設定するのが好ましい。
【0114】
【数4】
往復ストローク≒a2 ・・・・(4)
ここで、往復ストロークとは冷却プレート206前端位置50から後端位置60までの距離(mm)を表す。
【0115】
上記の式(2)に示すようように、冷却プレート206の往復ストロークを往復ストロークの方向に形成されている給気穴241の配置ピッチa2に大略等しくすることでPDP用基板10の下面に冷却用ガスを往復運動方向に均一に吹付けることが可能となるからである。
【0116】
また、上述した冷却プレート206の前端位置50は、揺動ローラ204上に載置されているPDP用基板10に対向している後端側の冷却プレート206から給気される冷却用ガスがPDP用基板10の後端側から少し外れるくらいの位置で良い。一方、冷却プレート206の後端位置60は、各冷却プレート206が後端位置60にあるとき、揺動ローラ204上に載置されているPDP用基板10に対向している前端側の冷却プレート206から給気される冷却用ガスがPDP用基板10の前端側から少し外れるくらいの位置で良い。
【0117】
また、往復ストロークと給気穴241の配置ピッチとの関係、往復ストロークと搬送方向に直交する方向のPDP用基板10の大きさとの関係を満たした上で、さらにPDP用基板10上に形成される膜の種類やその厚みによって、また乾燥後の膜内に含まれる溶剤の量によって、往復ストロークを変えることもできる。即ち、その膜の種類や膜の厚みや膜内に含まれる溶剤の量によって、冷却速度を高くしたい場合は、冷却プレート206の往復ストロークを小さくすることで、冷却プレート206の往復する速度を低くすることができ、逆に冷却速度を低くしたい場合は、冷却プレート206の往復ストロークを大きくすることで、冷却プレート206の往復する速度を高くすることができる。
【0118】
また、PDP用基板10上に形成される膜の種類やその厚みによって、また乾燥後の膜内に含まれる溶剤の量によって、冷却プレート206とPDP用基板10との距離を変えることができるようにしても良い。例えば、厚みの異なる冷却プレート206を使用したり、冷却プレート206と水冷プレート291との間に伝熱性の良いプレート等を挟んで冷却プレート206とPDP用基板10との距離を変えても良い。本実施例では、上記の往復ストロークを30mmに設定する。
【0119】
また、PDP用基板冷却装置200の下部に排気管213が設けられ、排出管404と接続している。排気管213には複数の排気穴242が形成されており、排気管213と排出管404とが連通することにより、冷却部内の冷却用ガスを各排気穴242から排気管213を経て排出管404へ排気可能となっている。排気穴242の形状は、円形に限らず、細長いスリット形状の開口を設けても良い。
【0120】
以上のように、PDP用基板冷却装置200において、揺動ローラ204によるPDP用基板10の搬送方向の揺動とその搬送方向に直交する方向に往復運動している冷却プレート206によって、揺動ローラ204上に載置されたPDP用基板10の下面全体に均一に冷却用ガスを給気できるようになっている。
【0121】
一方、PDP用基板冷却装置200内の下部冷却プレート206の各給気穴241と連通している冷却部用ガス給気管424は、乾燥部用ガス給気管423に配置されている予熱ヒータ438の手前で分岐した管であり、ガス給気源421は、熱せられていない冷却用ガス、例えば常温の冷却用ガスをPDP用基板冷却装置200内の下部冷却プレート206の各給気穴241を通じて給気することが可能となっている。
【0122】
乾燥部100及びPDP用基板冷却装置200に給気されるガス及び冷却用ガスの一例としては空気を用いることができ、被乾燥物に応じてO2の多く含まれた空気や、N2の多く含まれた不活性ガス等を用いる。
【0123】
上記被乾燥物とは、背面基板用のPDP用基板上10に形成された電極、透明誘電体層、リブ、又は、蛍光体層等の膜のことをいい、また前面基板用のPDP用基板上10に形成された電極または透明誘電体層の膜のことをいう。このため、排気部400は、各乾燥部100及びPDP用基板冷却装置200の排気管113及び213と連通している上記排出管404を通って運ばれるガス及び冷却用ガスを1箇所に集め、それらのガス中に含まれる溶剤を分離し、溶剤の含まれないガスを炉外に排気する装置である。
【0124】
排気部400は、溶剤ガス結露用熱交換器401と、結露収集容器402と、熱排気ファン403と、接続排気管405とを備えている。
【0125】
排気部400の背面側に配置された溶剤ガス結露用熱交換器401の一端が排出管404と接続し、他端が接続排気管405を介して熱排気ファン403の一端と接続し、熱排気ファン403の他端は外部排気管406と接続している。
【0126】
溶剤ガス結露用熱交換器401と一端にて接続している熱排気ファン403は、各乾燥部100内部とPDP用基板冷却装置200内部より排気管113及び213と排出管404と溶剤ガス結露用熱交換器401とを通じて熱排気ファン403内にガス及び冷却用ガスを吸い込むようにしている。そのガス及び冷却用ガスが溶剤ガス結露用熱交換器401を通過するときに、ガス及び冷却用ガスに含まれている溶剤が、溶剤ガス結露用熱交換器401により冷却されて液化し、溶剤ガス結露用熱交換器401の下方に配置された結露収集容器402に溜められるようにしている。よって、熱排気ファン403の他端に連通している外部排気管406より、溶剤の含まれてない冷却用ガスが排気されるようになっている。
【0127】
以上のように構成されたPDP用基板乾燥装置500の各乾燥部100、PDP用基板冷却装置200、上下移載部300、排気部400、給気部420のそれぞれの動作は、制御部600に格納されている動作制御プログラムによって動作制御されている。
【0128】
上記のように構成された、上記PDP用基板乾燥装置500は、以下の如く動作する。
【0129】
まず、乾燥及び冷却対象のPDP用基板10が、本PDP用基板乾燥装置500内に搬入される前の動作について以下に述べる。
【0130】
4段の各乾燥部100において、乾燥部100内の温度があらかじめ定められた温度となるように、各乾燥部100に設けられた上ヒータ111と下ヒータ121とにより、乾燥部100内のガスを加熱する。
【0131】
また、上下移載部300上方に設けられたフィルターユニット504から清浄なエアーが、上下移載空間506を通って、下部の炉外排気口503より排気されて、乾燥室502内が清浄に保たれている。
【0132】
一方、上下移載部300は基準位置20に待機している。ここで、PDP用基板冷却装置200のローラ上面の流れ面高さと、搬入・搬出口505の搬入、及び搬出高さ即ち、基準位置20の高さは、同一である。4段の乾燥部100の全ての正面扉102及びメンテナンス用扉103は閉じた状態であり、またPDP用基板冷却装置200の正面扉202も閉じた状態である。
【0133】
次に、例えば、制御部600の制御の下で行われる乾燥部100とPDP用基板冷却装置200の一例として、PDP用基板10上の電極の乾燥と冷却について順次説明する。
【0134】
PDP用基板乾燥装置500外において背面基板としてのPDP用基板10上に例えば電極が形成されたPDP用基板10が搬入・搬出口505より搬入される。そして、基準位置20で停止している基板移載部310の全てのローラ311が時計方向に同期回転することで、PDP用基板10はローラ311上に乗り移らされ、PDP用基板10が該ローラ311上に安定して載置されるまで、ローラ311は回転する。ここで、時計方向及び反時計方向とは、図1においての時計方向及び反時計方向である。
【0135】
その後、PDP用基板10がローラ311に安定して載置されると、ローラ311は回転を停止する。一方、制御部600によって所望の温度に設定されたある1つの乾燥部100例えば、最上段の乾燥部100における正面扉102が該正面側開口の下端縁部の支点を軸に開く。
【0136】
上記正面扉102が開いた後、ローラ311上にPDP用基板10を載置した基板移載部310は、正面扉102が開いている乾燥部100に対向する位置まで、上下駆動モータ322aと322bとの同期回転により、PDP用基板10をローラ311上に安定して載置したままの状態で上昇して、最上段の乾燥部100に対向する位置に位置決めして停止される。
【0137】
上記位置決めが完了すると、正面扉102が開いている乾燥部100の全てのローラ104が時計方向に同期回転し続け、基板移載部310の全てのローラ311も時計方向に同期回転を行う。ローラ104とローラ311とが各々同期回転することで、PDP用基板10はローラ104上に乗り移らされ、PDP用基板10がローラ104に安定して載置されるまで、ローラ104及びローラ311は回転する。
【0138】
その後、PDP用基板10がローラ104に安定して載置されると、ローラ104及びローラ311は回転を停止し、基板移載部310は基準位置20まで上下駆動モータ322aと322bとの同期回転により下降し、次に搬入・搬出口505より搬入されるPDP用基板10に備える。
【0139】
上記基板移載部310が基準位置20まで下降した後、ローラ104に安定してPDP用基板10を載置している乾燥部100の正面扉102が閉じる。
【0140】
上記乾燥部100の正面扉102が閉じられた後、乾燥部100内の温度があらかじめ定められた温度(例えば大略120℃前後の温度)になるように、各乾燥部100に設けられた上ヒータ111と下ヒータ121とを制御部600によって温度制御する。
【0141】
また、上記乾燥部100内の温度を大略120℃前後に維持している間、ガスが各給気管112に形成された各給気穴141より上ヒータ111に向かって給気されることで、PDP用基板10上の電極にガスが直接当たることなく、また、電極上方の溶剤濃度を大略均一に保ちながら乾燥部100内を流れ、ガスがPDP用基板10の電極より蒸発した溶剤を同伴して各排気穴142を通って各排気管113へ吸い込まれ、排出管404を通って、乾燥部100内より排気される。ガスは乾燥部用ガス給気管423の上流側に設けられた予熱ヒータ438によって、あらかじめ熱せられたガスであり、例えば、ガスの温度は80℃〜100℃である。
【0142】
また、上述したように、乾燥部100内において、正面扉102内側に取り付けられたヒータ105と、背面メンテナンス用扉103の内側に取り付けられた背面ヒータ106と、側面ヒータ107は例えば80度に加熱され、PDP用基板10の電極より蒸発した溶剤の結露発生を予防する。
【0143】
このように、大略120℃前後に温度設定された乾燥部100内において、全てのローラ104が正逆同期回転を周期的に繰り返すことにより、ローラ104に安定して載置されているPDP用基板10は、搬送方向(図1における左右方向)に揺動する。よって、給気管112に斜め上向きに形成された各給気穴141より給気されるガスが乾燥部100内を流れ、流出したガスがPDP用基板10上の電極の同じ個所に当たらないように、PDP用基板10を搬送方向に揺動することで、PDP用基板10上の電極を均一に乾燥することが可能となり、乾燥ムラを軽減できる。この揺動は乾燥工程の間行われている。
【0144】
上記のように、一定温度で管理された乾燥部100内において、一定周期で左右に揺動されたPDP用基板10の電極は、所定時間が経過すると乾燥工程を終了し、正面扉102が開く。
【0145】
PDP用基板10の電極の乾燥が終了して正面扉102が開くと、ローラ311上にPDP用基板10を載置していない基板移載部310は、基準位置20から正面扉102が開いている乾燥部100に対向する位置まで、上下駆動モータ322aと322bとの同期回転により上昇して、乾燥部100に対向する位置に位置決めして停止される。上記位置決めが完了すると、基板移載部310の全てのローラ311が反時計方向に同期回転し続け、正面扉102が開いている乾燥部100の全てのローラ104も時計方向に同期回転を行う。ローラ104とローラ311とが各々同期回転することで、PDP用基板10はローラ311上に乗り移らされ、PDP用基板10がローラ311に安定して載置されるまで、ローラ104及びローラ311は回転する。
【0146】
PDP用基板10がローラ311に安定して載置されると、該ローラ104及びローラ311は回転を停止し、基板移載部310は乾燥部100から基準位置20まで上下駆動モータ322aと322bとの同期回転により下降し、基準位置20、即ちPDP用基板冷却装置200に対向する位置に位置決めして停止される。
【0147】
正面扉202が開いているPDP用基板冷却装置200の全ての揺動ローラ204が時計方向に同期回転し、基板移載部310の全てのローラ311も時計方向に同期回転を行う。
【0148】
上記揺動ローラ204とローラ311とが各々同期回転することで、PDP用基板10は揺動ローラ204上に乗り移らされ、PDP用基板10が揺動ローラ204に安定して載置されるまで、揺動ローラ204及びローラ311は回転する。
【0149】
PDP用基板10が揺動ローラ204に安定して載置されると、揺動ローラ204及びローラ311は回転を停止し、基板移載部310はPDP用基板冷却装置200の上方の位置であって正面扉202の開閉に支障の無い位置まで上下駆動モータ322aと322bとの同期回転により上昇した後、PDP用基板冷却装置200の正面扉202が閉じられる。PDP用基板冷却装置200の正面扉202が閉じられた後、基板移載部310は乾燥部100から基準位置20まで上下駆動モータ322aと322bとの同期回転により下降し、基準位置20で再び搬入・搬出口505より搬入されるPDP用基板10に備える。
【0150】
以下、PDP用基板冷却装置200内において、制御部600によって、空冷による冷却段階と伝熱による冷却段階の2段階の冷却により最適に冷却工程を行う一例を説明する。ここで、空冷による冷却段階とは、最初の冷却段階の一例であり、伝熱による冷却段階とは、次の冷却段階の一例である。
【0151】
まず、揺動ローラ204によるPDP用基板10の搬送方向の揺動とともに、冷却プレート206を搬送方向に直交する方向に往復運動させて行う空冷による冷却段階の動作について説明する。
【0152】
PDP用基板冷却装置200内にPDP用基板10が搬入されると、搬入のために回転していた揺動ローラ204の回転が停止し、PDP用基板10は揺動停止位置70で停止する。ここで、PDP用基板冷却装置200内に搬入されたPDP用基板10上に形成された電極は、乾燥部100で完全に乾燥しきっておらず、電極内に溶剤がまだ残っている状態である。揺動ローラ204の回転停止後、揺動用モータ251に取り付けられている図示しないエンコーダによる回転角度の検出結果に基づいて制御部600の制御の下で、揺動用モータ251を正逆回転させる。揺動用モータ251を正逆回転させることで、モータ側歯車252とローラ側歯車254と歯付きベルト253とを介して、6本の全ての揺動ローラ204を同時に正逆回転する。よって、揺動ローラ204上に載置されたPDP用基板10は揺動停止位置70から左へ揺動ローラ204の配置ピッチの半分の距離、例えば、大略80〜120mmの左端位置80と右に揺動ローラ204の配置ピッチの半分の距離、例えば、80〜120mmの右端位置90とに繰り返し移動することで、搬送方向に揺動する。
【0153】
揺動ローラ204によるPDP用基板10の搬送方向の揺動運動が開始後、冷却プレート206の複数の給気穴241からPDP用基板10の下面に向かって冷却用ガスが給気される。また、給気穴241から冷却用ガスが給気後、往復用モータ278の往復用モータ出力軸285を1方向に連続回転させる。往復用モータ出力軸285が回転すると、往復側クランクプレート274と中間クランクプレート275とモータ側クランクプレート276とシリンダ取り付けプレート282とモータ側ピン286と往復側ピン287とLMレール280a、280bとLMガイドブロック283a〜283dとにより構成されるクランクスライダー機構によってシリンダ取り付けプレート282を搬送方向に直交する方向に往復運動させる。シリンダ取り付けプレート282が搬送方向に直交する方向に往復運動することで、そのシリンダ取り付けプレート282に取り付けられた昇降シリンダ271と水冷プレート291とを介して5個の冷却プレート206が、揺動ローラ204によるPDP用基板10の搬送方向に直交する方向にそれぞれ往復運動する。よって、揺動ローラ204によるPDP用基板10の搬送方向の揺動と、搬送方向に直交する方向の冷却プレート206の往復運動を伴う冷却用ガスの吹付けが組み合わさって、PDP用基板10の下面全体に均一に冷却用ガスを吹き付けるようになる。
【0154】
なお、5個の冷却プレート206は各揺動ローラ204の各隙間にそれぞれ配置されているため、各揺動ローラ204の各隙間に沿って搬送方向に直交する方向に冷却用ガスは吹付けられる。
【0155】
この場合の冷却プレート206の搬送方向に直交する方向への往復運動の速度は例えば35mm/sとし、揺動ローラ204によるPDP用基板10の搬送方向への揺動速度は例えば20mm/sである。
【0156】
また、冷却プレート206の搬送方向に直交する方向に往復運動する距離、即ち冷却プレート206の前端位置50から後端位置60までの往復ストロークを例えば、30mmにする。この場合、ピン固定用ネジ軸289を回してモータ側ピン286の軸心と往復用モータ出力軸285の軸心との距離Lを15mmに設定する。即ち、必要な往復ストロークに対してモータ側ピン286の軸心と往復用モータ出力軸285の軸心との距離を1/2に設定する。
【0157】
以上のように、PDP用基板10の下面全体に均一に冷却用ガスを吹付けることで、PDP用基板10上の電極は、PDP用基板10の全体に渡って温度差の小さい状態で冷却される。即ち、電極内に含まれている溶剤は、PDP用基板10の全体に渡って大略均一に蒸発し、乾燥ムラの発生を軽減しながら冷却できる。
【0158】
また、PDP用基板10の下面に吹付けられた冷却用ガスは、電極内から蒸発した溶剤を同伴して、PDP用基板冷却装置200内に設けられている排気管213に形成されている複数の排気穴242を通ってPDP用基板冷却装置200の外に排気される。このように、PDP用基板冷却装置200内における冷却用ガスの循環により、電極から蒸発した溶剤の濃度をPDP用基板冷却装置200内において大略一定に保つようになっている。PDP用基板冷却装置200内の溶剤濃度を大略一定に保つことにより、電極内の溶剤の蒸発も促進できる。
【0159】
以上のように、冷却用ガスをPDP用基板10の下面全体に均一に吹付けて行う空冷による冷却段階は、PDP用基板10上に形成された電極に含まれる溶剤が完全に蒸発した後に終了する。この冷却段階は電極の場合、例えば、大略2分前後である。なお、上記の大略2分前後という時間は、PDP用基板10上の電極の温度、例えば大略50℃前後に下がるまでの時間であり、電極の温度が大略50℃前後まで下がると電極内の溶剤は完全に蒸発しきるようになる。
【0160】
よって、冷却用ガスを吹付けて行う空冷による冷却段階が所定時間例えば、大略2分前後の経過後に終了すると、空冷によって、PDP用基板10の温度を例えば50℃から常温に冷却するには時間を要するので、さらにPDP用基板10の温度を短時間で常温に下げるために、伝熱による冷却段階に入る。
【0161】
以下、冷却プレート206を直接PDP用基板10に当てて行う伝熱による冷却段階の動作について説明する。
【0162】
PDP用基板10がPDP用基板冷却装置200内に搬入されて、PDP用基板10上の電極内の溶剤が完全に蒸発した後、即ち、空冷による冷却段階終了後、揺動用モータ251に取り付けられた図示しないエンコーダによる回転角度の検出結果により、制御部600の制御の下で揺動用モータ251の回転は、PDP用基板10が揺動停止位置70に停止するように停止する。
【0163】
一方、往復用モータ278の回転は、往復用モータ出力軸285に設けられた往復位置決め用ドグ277が中間位置決め用センサ284bを遮光した位置で停止する。即ち冷却プレート206が中間位置55で停止する。往復用モータ278が回転停止後、冷却プレート206から給気されていた冷却用ガスは給気部420により停止する。
【0164】
次に、昇降シリンダ271の駆動によりシリンダ出力軸288を上方向に移動させ、水冷プレート291を上方に持ち上げる。水冷プレート291が上方に移動することで、6本の揺動ローラ204の各隙間に配置されるように水冷プレート291上に設けられている5個の冷却プレート206のそれぞれの上面が、PDP用基板10の下面にほぼ同時に接触して、PDP用基板10を揺動ローラ204上から若干、例えば10mm程度浮かした状態とする。
【0165】
また、水冷プレート291内の図示しない冷却水通路に循環されている水温は大略23℃前後である。水冷プレート291と冷却プレート206の材質は伝熱性の高い材質、例えばアルミニウムを使用し、かつ水冷プレート291と冷却プレート206は密着して設けられているため、各冷却プレート206の上面も大略水温と同じになっている。
【0166】
5個の冷却プレート206の各上面に接触して保持されているPDP用基板10の熱は、PDP用基板10の下面から冷却プレート206の上面へ移動し、冷却プレート206の上面から下面に向かって移動する。さらに、冷却プレート206の下面の熱は、水冷プレート291の上面を通って水冷プレート291内の冷却水へ移動する。冷却プレート206内の冷却水へ移動した熱は、冷却水が冷却プレート206とPDP用基板冷却装置200外との間を循環しているため、循環されている冷却水とともに冷却プレート206からPDP用基板冷却装置200外へ移動する。なお、熱を含んだ冷却水は、PDP用基板冷却装置200外で例えば、図示しない放熱板に形成された通路を通って冷却された後、水冷用ポンプ292へ移動し、再び水冷用ポンプ292から水冷プレート内へ冷却された冷却水を水冷用ポンプ292によって送り出す。このように、PDP用基板10の熱を冷却プレート206を介して水冷プレート291内の冷却水へ移動させて、水冷プレート291内の冷却水を循環させることで逐次に冷却水内の熱を奪っていき、効率的にPDP用基板10を冷却することができる。
【0167】
次に、冷却プレート206が上昇してから所定の時間例えば、20〜30秒前後が経過すると、昇降シリンダ271の駆動によりシリンダ出力軸288が下降して、冷却プレート206も下降することで、再びPDP用基板10は揺動ローラ204上に載置される。
【0168】
シリンダ出力軸288が下降し終わると、PDP用基板10の揺動停止位置70から左端位置80へ向かって例えば、揺動ローラの配置ピッチの半分の距離だけ移動するように、揺動用モータ251を回転させる。PDP用基板10が左端位置80へ移動したことを、揺動用モータ251内に設けられた図示しないエンコーダによって検出すると、制御部600により揺動用モータ251の回転を停止する。この場合、左端位置80としたが右端位置90でも良く、左右どちらか端の位置で停止すれば良い。
【0169】
揺動用モータ251の回転が停止すると、再び昇降シリンダ271の駆動によりシリンダ出力軸288を上昇させて、6個の冷却プレート206の上面をPDP用基板10の下面に接触させて持ち上げる。上記と同様に所定時間経過後、昇降シリンダ271の駆動によりシリンダ出力軸288を下降させた後、PDP用基板10を左端位置80から揺動停止位置70に向かって移動させる。
【0170】
このように、PDP用基板10の左右の移動と冷却プレート206の上昇、下降を繰り返すことで、揺動ローラ204が接しているPDP用基板10の下面も交互に冷却プレート206によって冷却することができる。
【0171】
以上のように、冷却プレート206の上下を繰り返して行う伝熱による冷却段階はPDP用基板10が大略常温まで下がると終了する。この終了するまでの所定時間は電極の場合、例えば、大略3分前後である。なお、上述したように、空冷による冷却時間の終了時と伝熱による冷却時間の終了時とを制御部600に含まれる図示しない例えば、タイマ等で検出しても良いが、往復回数計数用センサ284aにより空冷による冷却時間の終了時を冷却プレート206の往復する回数で検出しても良い。また、上記で伝熱による冷却段階の冷却時間を大略3分前後としたが、伝熱による冷却の目的は、PDP用基板10を常温近くまで冷却することで次工程で扱い易くすることであり、伝熱による冷却段階の冷却時間は、大略3分前後に限らず、生産サイクルタイムの中で冷却にかける時間が十分にある場合は大略3分以上としても良いし、生産効率を上げるために冷却にかける時間があまり取れない場合は大略3分以下としても良い。但し,PDP用基板10の温度が常温近くまで下がると、PDP用基板10の温度と大略常温に保たれている冷却プレート206との温度差が小さくなることで、PDP用基板10の冷却される速度が遅くなり、PDP用基板10の温度が常温になるまでに長い時間を要するようになる。そのため、生産サイクルタイムの中で冷却にかける時間が十分にある場合は、長めに伝熱による冷却時間を取った方が好ましい。なお、空冷による冷却が終了した後の伝熱による冷却において、PDP用基板10を均一に同時に冷却しなくても、空冷後の電極の温度が大略50℃前後まで下がっており電極内に溶剤が残ってないため、乾燥ムラは発生しない。また、一例として、電極の場合の空冷による冷却時間を大略2分前後、伝熱による冷却時間を大略3分前後と説明したが、透明誘電体層及び蛍光体層も同様の冷却時間で良い。
【0172】
なお、PDP用基板冷却装置200内において、正面扉202内側に取り付けられたヒータ205と、背面メンテナンス用扉203の内側に取り付けられた背面ヒータ236と、側面ヒータ207と上部ヒータ211とは例えば80度に加熱され、PDP用基板10の電極より蒸発した溶剤の結露発生を予防する。
【0173】
以上の空冷による冷却段階及び、伝熱による冷却段階も終了すると、即ち冷却工程を終了すると、基板移載部310がPDP用基板冷却装置200の上方の位置であって正面扉202の開閉に支障の無い位置まで上昇した後、基板正面扉202が開く。
【0174】
PDP用基板10の電極の冷却工程が終了して、正面扉202が開くと、ローラ311上にPDP用基板10を載置していない基板移載部310は、正面扉202が開いているPDP用基板冷却装置200に対向する位置即ち、基準位置20まで、上下駆動モータ322aと322bとの同期回転により下降して、基準位置20に対向する位置に位置決めして停止される。上記位置決めが完了すると、基板移載部310の全てのローラ311が反時計方向に同期回転し、正面扉202が開いているPDP用基板冷却装置200の全ての揺動ローラ204も時計方向に同期回転を行う。上記ローラ204とローラ311とが各々同期回転することで、PDP用基板10はローラ311上に乗り移らされ、PDP用基板10が基板移載部310内を通過して搬入・搬出口505から搬出されるまで、揺動ローラ204及びローラ311は回転する。ここで、PDP用基板冷却装置200のローラ上面の流れ面高さと、搬入・搬出口505の搬入及び搬出高さ即ち、基準位置20の高さは、同一である。
【0175】
以上のように、PDP用基板乾燥装置500は、PDP用基板10上の電極をある温度設定された最上段の乾燥部100内で乾燥し、その後、PDP用基板冷却装置200内で空冷による冷却を行った後、伝熱による冷却を行い、最後に、搬入・搬出口505より搬出するという動作を、あらかじめ制御部600内に格納された動作プログラムにより実行する。
【0176】
上記第1実施形態によれば、PDP用基板10を支持しかつ搬送方向に揺動可能な各揺動ローラ204と、各揺動ローラ204を回転させる揺動ユニット250と、隣接する揺動ローラ204の隙間の下方に配置され、かつ、冷却用ガスをPDP用基板10の下面に向かって給気する給気穴241を有する冷却プレート206と、上記冷却プレート206を搬送方向に直交する方向に往復運動させる冷却プレート前後往復部290とを備え、揺動ユニット250による各揺動ローラ203を正逆回転させてPDP用基板10を搬送方向に動かす揺動運動と、冷却プレート前後往復部290による冷却プレート206を搬送方向に直交する方向に動かす往復運動とを同時的に行うように制御部600によって動作制御させることで、揺動ローラ204に載置されたPDP用基板10の下面の全体に均一に冷却用ガスを吹付けることができる。よって、PDP用基板10の全体に渡って温度分布が均一な状態で冷却されることになり、PDP用基板10上の電極に含まれる溶剤もPDP用基板10の全体に渡って大略均一に蒸発して、乾燥ムラを軽減しながら冷却することができる。以上のように、PDP用基板10を搬送方向に揺動させながら、冷却プレート206を搬送方向に直交する方向に往復運動して冷却させることにより、乾燥ムラが減少している例を図11に示す。図に示す2つの曲線の下側のハッチング部は乾燥ムラが発生する領域である。図に示すように、同じ流量で比較すると、冷却プレート206を往復運動しない場合に比べて、冷却プレート206を往復運動する場合の方がPDP用基板10と冷却プレート206との距離を短くしても乾燥ムラは発生しにくくなっている。即ち、往復運動しない場合に乾燥ムラが生じるPDP用基板10と冷却プレート206との距離においても、冷却プレート206を往復運動することにより乾燥ムラがなくなっている領域がある。
【0177】
一方、図10に示すように、冷却速度において、同じ流量で比較すると、PDP用基板10と冷却プレート206との距離を小さくしたほうが平均冷却速度を上げることができる。このように、PDP用基板10の平均冷却速度を上げるべく、冷却プレート206をPDP用基板10に近づける場合は、乾燥ムラの発生を抑制するために冷却プレート206を搬送方向に直交する方向に往復運動して冷却することがより効果的である。即ち、PDP用基板10を搬送方向に揺動させながら、冷却プレート206を搬送方向に直交する方向に往復運動してPDP用基板10を冷却させることにより、PDP用基板10の品質を保ったまま冷却時間の短縮が可能となる。
【0178】
また上記した効果以外に以下の効果がある。
【0179】
循環する冷却水の図示しない通路を有し、冷却プレート206の下面に密着して設けられた水冷プレート291と、隣接する揺動ローラ204の隙間でPDP用基板10の下面に冷却プレート206の上面が接触してPDP用基板10の熱を冷却水を介して水冷プレート291の冷却水に移動可能な上昇位置40と、冷却プレート206がPDP用基板10から下方に離れてかつ、冷却プレート206の給気穴241からの冷却用ガスがPDP用基板10の下面に達する下降位置30との間で昇降する冷却プレート昇降部270とを備えており、PDP用基板10の搬送方向への揺動停止後、隣接する揺動ローラ204の隙間でPDP用基板10の下面に冷却プレート206の上面が接触することで、PDP用基板10の熱を冷却プレート206の下面に密着して設けられた水冷プレート291を介し、水冷プレート291内に設けられた循環する冷却水に移動させることができる。よって、PDP用基板10の熱を直接的、かつ効率的に奪うことによって冷却することで、冷却用ガスをPDP用基板10の下面に吹付けて行う冷却よりも短時間での冷却が可能となって生産性の向上に貢献することが可能となる。
【0180】
また、制御部600は、PDP用基板10の搬送方向と直交する方向に冷却プレート206を往復させる往復運動の速度をPDP用基板10を搬送方向に揺動させる速度より速くするように揺動ローラユニット250と冷却プレート前後往復部290とを動作制御することにより、冷却プレート206からPDP用基板10の下面に向かって吹付けられる冷却用ガスが、PDP用基板10の下面の同じ場所に繰り返し当たることなくPDP用基板10の下面の全体にさらに均一に吹付けることができるようになる。よって、さらに乾燥ムラを一層軽減しながら冷却することができる。
【0181】
また、PDP用基板10の搬送方向と直交する方向に冷却プレート206を往復させる往復運動のストロークが、冷却プレート206に形成される複数の給気穴241の往復運動方向のピッチに大略等しくなるように冷却プレート前後往復部290を調整することで、給気穴241から供給される冷却用ガスが、往復運動方向で途切れることなく連続してPDP用基板10に吹付けられるようになり、PDP用基板10の下面の全体にさらに均一に吹付けることができるようになる。よって、さらに乾燥ムラを一層軽減しながら冷却することができる。
【0182】
また、冷却プレート前後往復部290は、往復運動の駆動源である往復用モータ278とクランク機構部91とスライダー部92とを備えて、上記クランク機構部91に接続された往復用モータ278の回転運動は、クランク機構部91とスライダー部92との接続により、スライダー部92に案内される搬送方向と直交する方向の往復運動に変換されるようになっている。即ち、クランク機構部91は、往復用モータ278の往復用モータ出力軸285に一端部が設けられたモータ側クランクプレート276と、モータ側クランクプレート276の他端部から往復用モータ出力軸285の軸心に向かって往復用モータ出力軸285の軸方向と直交方向にモータ側クランクプレート276に形成された溝部295内に上下方向に沿って一端部のみが溝部295内を移動可能に設けられ、下端部に溝部295の長手方向に沿って穴が形成され、穴の内面にメネジ部296が形成されているモータ側ピン286と、モータ側クランクプレート276の両端部を貫通してモータ側ピン286のメネジ部296にねじ込まれているピン固定用ネジ軸289と、ピン固定用ネジ軸289の一端部にねじ込むことでモータ側ピン286を溝部295内に位置調整可能に固定する固定用ナット294と、両端に軸受け279a、279bを有して、その一端の軸受け279aを介してモータ側ピン286に対して回転自在に設けられた中間クランクプレート275とを備えている。クランク機構部91において、固定用ナット294を緩めて、ピン固定用ネジ軸289をモータ側ピン286に対して正逆回転することで、モータ側ピン286を溝部295内で往復用モータ出力軸285に対して進退させてモータ側ピン286の位置調整を行うことにより、搬送方向に直交して往復運動する冷却プレート206の往復ストロークを変えることができる。この結果、搬送方向に直交する方向に冷却プレート206に形成された給気穴241の配置ピッチや、搬送方向に直交する方向のPDP用基板10の大きさによって、往復ストロークを変更することによって、PDP用基板10の搬送方向に直交する方向に均一に、かつ、その方向沿いのPDP用基板10の全部に冷却用ガスを吹付けることができ、またPDP用基板10上に形成されている膜の種類やその厚みや膜内に含まれる溶剤の量によって、往復ストロークを変更することによって、冷却速度を変えることができるようになる。よって、さらに乾燥ムラを一層軽減しながら冷却することができる。
【0183】
また、本発明のPDP用基板冷却方法によれば、PDP用基板10を少なくとも2個の揺動ローラ204上に載置して搬送方向に揺動しながら、隣接する揺動ローラ204の隙間の下方から冷却用ガスを給気することでPDP用基板10上の被乾燥物の冷却を行う際、各揺動ローラ204上に載置されたPDP用基板10を上記搬送方向に揺動させるのと同時的に、冷却用ガスを給気する冷却プレート206を搬送方向に直交した方向に往復運動させながらPDP用基板10の下面全体に冷却用ガスを吹付けて行う。この結果、PDP用基板10の全体に渡って温度分布が均一な状態で空冷により冷却されることになり、電極に含まれる溶剤もPDP用基板10の全体に渡って大略均一に蒸発して、乾燥ムラを軽減しながら冷却することができる。
【0184】
また、最初の冷却段階として、PDP用基板10の下面全体に冷却用ガスを吹付けて空冷による冷却を行った後、すなわちPDP用基板10上の電極の溶剤が完全に蒸発しきった後、次の冷却段階として、搬送方向のPDP用基板10の揺動を止めて、隣接する揺動ローラ204の隙間のPDP用基板10の下面に冷却プレート206を直接接触させて伝熱による冷却を行うような2段階の冷却行う。この結果、PDP用基板10の熱を直接的、かつ効率的に奪うことによって冷却することで、空冷のみで冷却を行うよりも短時間での冷却が可能となり、生産性の向上に貢献することが可能となる。
【0185】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0186】
例えば、図13にその第1変形例である冷却プレート206に形成される給気穴241を示す。冷却用ガスを給気する複数の給気穴241が冷却プレート206上面に搬送方向に直交する方向にa2の間隔で並んで形成され、その搬送方向に直交する方向に並んで形成された給気穴241を1列とし、さらに基板の搬送方向にa1の間隔で複数列形成され、列に搬送方向に直交する方向に並んでいる給気穴241と、その隣りの列に搬送方向に直交する方向に並んでいる給気穴241とが搬送方向に直交する方向で位相が1/2ピッチ分ずれている。ここで、ピッチとは搬送方向に直交する方向にa2の間隔で並んで形成されている給気穴241のピッチである。このように、冷却プレート206上に千鳥状に給気穴241を形成することで、搬送方向に直交する方向に密に給気穴が形成されているのと同様の効果があり、搬送方向沿いに生じる帯状の乾燥ムラを防ぐためにする搬送方向に直交する方向の往復運動のストロークも小さくすることが可能となる。例えば、図14、図15は上記の第1変形例である冷却プレート206上に千鳥状に給気穴241を形成した場合において、冷却プレート206を搬送方向に直交する方向に往復運動しなかったとき、即ち、PDP用基板10の搬送方向の揺動のみ行ったときのPDP用基板10の下面に吹付けられる冷却用ガスの範囲を表す。図15に示すようにPDP用基板10の搬送方向への揺動により、搬送方向沿いに冷却用ガスが吹付けられる部分と吹付けられない部分とが1/2×a2の間隔で生じる。ここで、ハッチング部は冷却用ガスが吹付けられる部分を示す。
【0187】
また、第2の変形例として、図14に示す千鳥上に配置された円形である給気穴241を図16のように、1つの円形である給気穴241の面積と等しく、かつ搬送方向に直交する方向に円を変形させたような楕円状の1つの給気穴243を千鳥状に形成する。さらに、その楕円状の給気穴243は、搬送方向に直交する方向沿いに並んでいる給気穴243と、その隣の列に搬送方向に直交する方向沿いに並んでいる給気穴243とは搬送方向に直交する方向で重なるようにそれぞれ搬送方向に直交する方向に長く形成されている。このような、隣り合う列で搬送方向に直交する方向に重なるように形成された楕円状の給気穴243を形成した冷却プレート206は、PDP用基板10の搬送方向に直交する方向には往復運動せずに、PDP用基板10を搬送方向に揺動のみ行った場合の冷却用ガスが吹付けられる範囲は、図17のハッチング部になる。よって、隣り合う列で搬送方向に直交する方向に重なるように形成された楕円状の給気穴243により、冷却プレート206を搬送方向に直交する方向に往復運動せずに、搬送方向の揺動のみでPDP用基板10の下面全体に均一に冷却用ガスを吹付けることができるようになる。よって、冷却プレート前後往復部290を必要としないで、搬送方向沿いに生じる帯状の乾燥ムラを軽減でき、かつ部品点数の削減できコストダウンを図ることができる。
【0188】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0189】
【発明の効果】
本発明のPDP用基板PDP用基板冷却装置よれば、上記PDP用基板を支持しかつ上記搬送方向に揺動可能な少なくとも2個のローラと、上記各ローラを回転させる回転駆動部と、上記隣接するローラの隙間の下方に配置され、かつ、上記冷却用ガスを上記PDP用基板の下面に向かって供給する給気穴を有する冷却部材と、上記冷却部材を上記搬送方向に直交する方向に往復運動させる往復運動駆動部とを備え、上記回転駆動部による上記各ローラを正逆回転させて上記PDP用基板を搬送方向に動かす揺動運動と、上記往復運動駆動部による上記冷却部材を搬送方向に直交する方向に動かす往復運動とを同時的に行うように上記制御部によって動作制御させることで、上記ローラに載置された上記PDP用基板の下面の全体に均一に冷却用ガスを吹付けることができる。よって、PDP用基板の全体に渡って温度分布が均一な状態で冷却されることになり、上記PDP用基板上の被乾燥物に含まれる溶剤もPDP用基板の全体に渡って大略均一に蒸発して、乾燥ムラを軽減しながら冷却することができる。
【0190】
また、循環する冷却媒体の通路を有し、上記冷却部材の下面に密着して設けられた冷却媒体循環部材と、上記隣接するローラの隙間で上記PDP用基板の下面に上記冷却部材の上面が接触して上記PDP用基板の熱を上記冷却媒体循環部材を介して上記冷却媒体循環部材の上記冷却媒体に移動可能な上昇位置と、上記冷却部材が上記PDP用基板から下方に離れてかつ、上記冷却部材の上記給気穴からの上記冷却用ガスが上記PDP用基板の下面に達する下降位置との間で昇降する昇降部とを備える場合には、上記PDP用基板の搬送方向への揺動停止後、上記隣接するローラの隙間で上記PDP用基板の下面に上記冷却部材の上面が直接接触することで、上記PDP用基板の熱を上記冷却部材の下面に密着して設けられた上記冷却媒体循環部材を介し、上記冷却媒体部材内に設けられた循環する冷却媒体に直接移動させることができる。よって、上記PDP用基板の熱を直接的、かつ効率的に奪うことによって冷却することで、短時間での冷却が可能となって生産性の向上に貢献することが可能となる。
【0191】
また、上記制御部は、上記PDP用基板の上記搬送方向と直交する方向に上記冷却部材を往復させる上記往復運動の速度を上記PDP用基板を上記搬送方向に揺動させる速度より速くするように上記回転駆動部と上記往復運動駆動部とを動作制御するように構成する場合には、冷却部材からPDP用基板の下面に向かって吹付けられる冷却用ガスが、上記PDP用基板の下面の同じ場所に繰り返し当たることなく上記PDP用基板の下面の全体にさらに均一に吹付けることができるようになる。よって、さらに乾燥ムラを一層軽減しながら冷却することができる。
【0192】
また、上記PDP用基板の上記搬送方向と直交する方向に上記冷却部材を往復させる上記往復運動のストロークが、上記冷却部材に形成される複数の上記給気穴の上記往復運動方向のピッチに大略等しくなるように上記冷却部材を動作制御するように構成する場合には、上記給気穴から供給される冷却用ガスが、上記往復運動方向で途切れることなく連続してPDP用基板に吹付けられるようになり、上記PDP用基板の下面の全体にさらに均一に吹付けることができるようになる。よって、さらに乾燥ムラを一層軽減しながら冷却することができる。
【0193】
また、上記往復運動駆動部は、往復運動の駆動源であるモータと上記モータに接続されたクランク機構部と上記クランク機構に接続されて上記モータの回転運動を上記クランク機構を介して直線運動に変換するスライダー部とを備える場合には、上記クランク機構に接続された上記モータの回転運動は、クランク機構部とスライダー部との接続により、スライダー部に案内される搬送方向と直交する方向の往復運動に変換されるようになっている。即ち、上記クランク機構は、上記モータの出力軸に一端部が設けられたクランク腕と、上記クランク腕の他端部から上記出力軸の軸心に向かって上記出力軸の軸方向と直交方向に上記クランク腕に形成された溝内に上下方向に沿って一端部のみが上記溝内を移動可能に設けられ、上記一端部に上記溝部の長手方向に沿って穴が形成され、上記穴の内面にメネジが形成されているクランクピンと、上記クランク腕の両端部を貫通して上記クランクピンの上記メネジにねじ込まれている位置調整用ネジと、上記位置調整用ネジの少なくとも一端部にねじ込むことで上記クランクピンを上記溝内に位置調整可能に固定するナットと、両端に軸受けを有して、その一端の軸受けを介して上記クランクピンに対して回転自在に設けられた連接棒とを備えている。上記クランク機構において、上記ナットを緩めて、上記位置調整用ネジを上記クランクピンに対して正逆回転することで、上記クランクピンを上記溝内で上記出力軸に対して進退させて上記クランクピンの位置調整を行うことにより、上記搬送方向に直交して上記往復運動する上記冷却部材の往復ストロークを変えることができる。この結果、被乾燥物の種類やその厚みや被乾燥物内に含まれる溶剤の量によって、冷却速度を高くしたい場合は、冷却部材の往復ストロークを小さくすることで、冷却部材の往復する速度を低くすることができ、逆に冷却速度を低くしたい場合は、冷却部材の往復ストロークを大きくすることで、冷却部材の往復する速度を高くすることができる。
【0194】
また、上記冷却部材に形成された上記給気穴が、上記冷却部材上面に上記搬送方向に直交した方向に並んで2個形成され、その搬送方向に直交した方向に並んで形成された給気穴を1列とし、さらに上記PDP用基板の搬送方向に上記列をなす上記給気穴を2列上記冷却部材に形成し、上記2列のうちの1つの列に上記搬送方向に直交した方向で並んでいる上記給気穴と、その隣の列に上記搬送方向に直交した方向に並んでいる給気穴とが上記搬送方向に直交した方向で位相が異なっているように構成する場合には、上記搬送方向に直交した方向で上記給気穴が密に形成されているのと同様とすることができる。よって、さらに乾燥ムラを一層軽減しながら冷却することができる。
【0195】
また、上記給気穴が、上記冷却部材上面に上記搬送方向に直交した方向に並んで2個形成され、その上記搬送方向に直交した方向に並んで形成された上記給気穴を1列とし、さらに上記PDP用基板の上記搬送方向に上記列をなす上記給気穴を2列上記冷却部材に形成し、上記2列のうちの1つの列に上記搬送方向に直交した方向で並んでいる上記給気穴と、その隣の列に上記搬送方向に直交した方向に並んでいる上記給気穴とが上記搬送方向に直交した方向で位相が異なっていて、かつその上記搬送方向に直交した方向に重なるようにそれぞれ上記搬送方向に直交した方向に長く形成されている場合には、上記搬送方向に直交した方向に冷却部材を往復運動させたことと同じになる。よって、上記往復運動駆動部が不要となり、部品点数を削減できコストダウンを図ることができるようになる。
【0196】
また、上記PDP用基板の冷却において、上記PDP用基板冷却装置内部の各壁面に結露防止用のヒータを設ける場合には、被乾燥物より蒸発する溶剤が各壁面に結露するのを防ぐことができる。よって、結露が上記PDP用基板上に落ちて品質が悪くなることを防ぐことができる。
【0197】
また、本発明のPDP用基板冷却方法によれば、上記PDP用基板を少なくとも2個のローラ上に載置して搬送方向に揺動しながら、隣接する上記ローラの隙間の下方から冷却用ガスを供給することで上記PDP用基板上の上記被乾燥物の冷却を行う際、上記各ローラ上に載置された上記PDP用基板を上記搬送方向に揺動させるのと同時的に、上記冷却用ガスを供給する冷却部材を上記搬送方向に直交した方向に往復運動させながら上記PDP用基板の下面全体に上記冷却用ガスを吹付けて行う。この結果、PDP用基板の全体に渡って温度分布が均一な状態で空冷により冷却されることになり、被乾燥物に含まれる溶剤もPDP用基板の全体に渡って大略均一に蒸発して、乾燥ムラを軽減しながら冷却することができる。
【0198】
また、最初の冷却段階として、上記PDP用基板の下面全体に上記冷却用ガスを吹付けて空冷による冷却を行った後、すなわちPDP用基板上の被乾燥物内の溶剤が完全に蒸発しきった後、次の冷却段階として、上記搬送方向の上記PDP用基板の上記揺動を止めて、隣接する上記ローラの隙間の上記PDP用基板の下面に上記冷却部材を直接接触させて伝熱による冷却を行うような2段階の冷却行う場合には、上記PDP用基板の熱を直接的、かつ効率的に奪うことによって冷却することで、空冷のみで冷却を行うよりも短時間での冷却が可能となり、生産性の向上に貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるPDP用基板乾燥装置の構成を示す一部断面、右側面図である。
【図2】上記第1の実施形態にかかるPDP用基板乾燥装置内のPDP用基板冷却装置の構成を示す模式図である。
【図3】上記第1の実施形態にかかるPDP用基板乾燥装置内のPDP用基板冷却装置の揺動ユニットの駆動部を示す正面図及び一部断面図である。
【図4】上記第1の実施形態にかかるPDP用基板乾燥装置内のPDP用基板冷却装置の揺動ローラユニットにおける揺動ローラと揺動用モータの配置を表す図である。
【図5】上記第1の実施形態にかかるPDP用基板乾燥装置内のPDP用基板冷却装置の冷却プレート前後往復部と冷却プレート昇降部を示す右側面図である。
【図6】上記第1の実施形態にかかるPDP用基板乾燥装置内のPDP用基板冷却装置の冷却プレート前後往復部と冷却プレート昇降部を示す図5におけるA−A矢視図である。
【図7】上記第1の実施形態にかかるPDP用基板乾燥装置内のPDP用基板冷却装置の冷却プレート前後往復部と冷却プレート昇降部を示す図6におけるB−B矢視図である。
【図8】上記第1の実施形態にかかるPDP用基板乾燥装置内のPDP用基板冷却装置の冷却プレート前後往復部を示す図7におけるC−C矢視図である。
【図9】上記第1の実施形態にかかるPDP用基板乾燥装置内のPDP用基板冷却装置の冷却プレート前後往復部を示す図6におけるD部拡大図である。
【図10】従来の平均冷却速度と冷却用ガス給気量とPDP用基板−冷却プレート間との関係を表すグラフである。
【図11】上記第1の実施形態にかかる冷却プレートを搬送方向に直交する方向に往復運動する場合と、従来の冷却プレートを往復運動しない場合の2種類の冷却用ガス給気量とPDP用基板−冷却プレート間と乾燥ムラの関係を表すグラフである。
【図12】上記第1の実施形態にかかる冷却プレートに形成される給気穴の配置を表す図である。
【図13】上記第1の実施形態の第1変形例にかかる冷却プレートに形成される給気穴の配置を表す図である。
【図14】従来の冷却プレートに形成される給気穴の配置を表す図である。
【図15】図12の給気穴の配置で従来の冷却方法によって生じるPDP用基板上の乾燥ムラを表す図である。
【図16】第2の変形例である冷却プレートに形成される給気穴を表す図である。
【図17】第2の変形例である冷却プレートに形成される給気穴で従来の冷却方法によって冷却用ガスが吹付けられる範囲を表す図である。
【符号の説明】
10…PDP用基板、30…下降位置、40…上昇位置、50…前端位置、55…中間位置、60…後端位置、70…揺動停止位置、80…左端位置、90…右端位置、91…クランク機構部、92…スライダー部、100…乾燥部、111…上ヒータ、112…給気管、113…排気管、120…下ヒータユニット、141…給気穴、142…排気穴、191…オネジ部、192…軸端部、200…PDP用基板冷却装置、204…揺動ローラ、241…給気穴、242…排気穴、243…楕円給気穴、250…揺動ローラユニット、251…揺動用モータ、252…モータ側歯車、253…歯付きベルト、254…ローラ側歯車、255…案内ローラ、256…モータ側出力軸、257…モータ取り付けブラケット、258…基板保護部材、259a…軸受け、259b…軸受け、270…冷却プレート昇降部、271…昇降シリンダ、272a…上下滑動軸、272b…上下滑動軸、273a…上下滑動軸受け、273b…上下滑動軸受け、274往復側クランクプレート…、275…中間クランクプレート、276…モータ側クランクプート、277…往復位置決め用ドグ、278…往復用モータ、279a…玉軸受け、279b…玉軸受け、280a…LMレール、280b…LMレール、281…ユニット取り付けプレート、282…シリンダ取り付けプレート、283a〜283d…LMガイドブロック、284a…往復回数計数用センサ、284b…中間位置決め用センサ、285…往復用モータ出力軸、286…モータ側ピン、287…往復側ピン、288…シリンダ出力軸、289…ピン固定用ネジ軸、290…冷却プレート前後往復部、291…水冷プレート、292…水冷用ポンプ、293…出力軸フランジ、294…固定用ナット、295…溝部、296…メネジ部、297…六角頭部、298…ナットメネジ部、299a…他端部側穴、299b…一端部側穴。
Claims (10)
- PDP用基板を乾燥部内で加熱により上記PDP用基板上の被乾燥物を乾燥させた後、搬入された上記PDP用基板を搬送方向に揺動しながら上記PDP用基板に対して下方から冷却用ガスを供給することで上記PDP用基板上の上記被乾燥物の冷却を行うPDP用基板冷却装置において、
上記PDP用基板を支持しかつ上記搬送方向に揺動可能な2個のローラと、
上記各ローラを回転させる回転駆動部と、
上記隣接するローラの隙間の下方に配置され、かつ、上記冷却用ガスを上記PDP用基板の下面に向かって供給する給気穴を有する冷却部材と、
上記冷却部材を上記搬送方向に直交する方向に往復運動させる往復運動駆動部と、
上記回転駆動部による上記各ローラの回転と上記往復運動駆動部による上記冷却部材の往復運動とを同時的に行うように動作制御させる制御部とを備えることを特徴とするPDP用基板冷却装置。 - 循環する冷却媒体の通路を有し、上記冷却部材の下面に密着して設けられた冷却媒体循環部材と、
上記隣接するローラの隙間で上記PDP用基板の下面に上記冷却部材の上面が接触して上記PDP用基板の熱を上記冷却媒体循環部材を介して上記冷却媒体循環部材の上記冷却媒体に移動可能な上昇位置と、上記冷却部材が上記PDP用基板から下方に離れてかつ、上記冷却部材の上記給気穴からの上記冷却用ガスが上記PDP用基板の下面に達する下降位置との間で昇降する昇降部とを備えて、
上記制御部は、上記昇降部による上記冷却部材と上記冷却媒体循環部材の上記昇降を上記各ローラによる上記PDP用基板の上記揺動停止後に動作制御する請求項1に記載のPDP用基板冷却装置。 - 上記制御部は、上記PDP用基板の上記搬送方向と直交する方向に上記冷却部材を往復させる上記往復運動の速度を上記PDP用基板を上記搬送方向に揺動させる速度より速くするように上記回転駆動部と上記往復運動駆動部とを動作制御する請求項1または2に記載のPDP用基板冷却装置。
- 上記往復運動駆動部は、上記PDP用基板の上記搬送方向と直交する方向に上記冷却部材を往復させる上記往復運動のストロークが、上記冷却部材に形成される複数の上記給気穴の上記往復運動方向のピッチに大略等しくなるように上記冷却部材を動作制御する請求項1〜3のいずれか1つに記載のPDP用基板冷却装置。
- 上記往復運動駆動部は、
上記往復運動の駆動源であるモータと、上記モータに接続されたクランク機構と、上記クランク機構に接続されて上記モータの回転運動を上記クランク機構を介して直線運動に変換するスライダー部とを備えており、
上記クランク機構は、
上記モータの出力軸に長手方向の一端部が設けられたクランク腕と、
上記クランク腕の長手方向の他端部から上記出力軸の軸心に向かって上記出力軸の軸方向と直交方向に上記クランク腕に形成された溝内に上下方向に沿って一端部が上記溝内を移動可能に設けられ、上記一端部に上記溝部の長手方向に沿って形成された穴の内面にメネジが形成されているクランクピンと、
上記クランク腕の両端部を貫通して上記クランクピンの上記メネジにねじ込まれている位置調整用ネジと、
上記位置調整用ネジの少なくとも一端部にねじ込むことで上記クランクピンを上記溝内に位置調整可能に固定するナットと、
両端に軸受けを有して、上記両端の内の一端の軸受けを介して上記クランクピンに対して回転自在に設けられた連接棒とを備え、
上記スライダ部は、上記冷却部材に接続されてかつ、上記連接棒の他端の上記軸受けを介して上記連接棒に接続されて、上記モータの回転力を上記クランク機構により直線運動に変換して、上記冷却部材を上記搬送方向に直交する方向に移動可能に設けられており、
上記クランク機構において、上記ナットを緩めて、上記位置調整用ネジを上記クランクピンに対して正逆回転することで、上記クランクピンを上記溝内で上記出力軸に対して進退させて上記クランクピンの位置調整を行うことにより、上記搬送方向に直交して上記往復運動する上記冷却部材の往復ストロークを変えることができる請求項4に記載のPDP用基板冷却装置。 - 上記給気穴が、上記冷却部材上面に上記搬送方向に直交した方向に並んで2個形成され、その搬送方向に直交した方向に並んで形成された給気穴を1列とし、さらに上記PDP用基板の搬送方向に上記列をなす上記給気穴を2列上記冷却部材に形成し、上記2列のうちの1つの列に上記搬送方向に直交した方向で並んでいる上記給気穴と、その隣の列に上記搬送方向に直交した方向に並んでいる給気穴とが上記搬送方向に直交した方向で位相が異なっている請求項1〜5のいずれか1つに記載のPDP用基板冷却装置。
- 給気穴が、上記冷却部材上面に上記搬送方向に直交した方向に並んで2個形成され、その上記搬送方向に直交した方向に並んで形成された上記給気穴を1列とし、さらに上記PDP用基板の上記搬送方向に上記列をなす上記給気穴を2列上記冷却部材に形成し、上記2列のうちの1つの列に上記搬送方向に直交した方向で並んでいる上記給気穴と、その隣の列に上記搬送方向に直交した方向に並んでいる上記給気穴とが上記搬送方向に直交した方向で位相が異なっていて、かつその上記搬送方向に直交した方向に重なるようにそれぞれ上記搬送方向に直交した方向に長く形成されている請求項1〜5のいずれか1つに記載のPDP用基板冷却装置。
- 上記PDP用基板の冷却において、上記冷却装置内部の各壁面に結露防止用のヒータを設ける請求項1〜7のいずれか1つに記載のPDP用基板冷却装置。
- PDP用基板を乾燥部内で加熱により上記PDP用基板上の被乾燥物を乾燥させた後、搬入された上記PDP用基板を2個のローラ上に載置して搬送方向に揺動しながら、隣接する上記ローラの隙間の下方から冷却用ガスを供給することで上記PDP用基板上の上記被乾燥物の冷却を行うPDP用基板冷却方法において、
上記各ローラ上に載置された上記PDP用基板を上記搬送方向に揺動させるのと同時的に、上記冷却用ガスを供給する冷却部材を上記搬送方向に直交した方向に往復運動させながら上記PDP用基板の下面全体に上記冷却用ガスを吹付けて行うPDP用基板冷却方法。 - 最初の冷却段階として、上記PDP用基板の下面全体に上記冷却用ガスを吹付けて空冷による冷却を行った後、
次の冷却段階として、上記搬送方向の上記PDP用基板の上記揺動を止めて、隣接する上記ローラの隙間の上記PDP用基板の下面に上記冷却部材を直接接触させて伝熱による冷却を行うような2段階の冷却を伴う請求項9に記載のPDP用基板冷却方法。
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