JP2004150635A - 蒸気タービンダイアフラムの水平接合面用の複合管状ウーブンシール - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、ダイアフラム内部の通路をシールして蒸気を蒸気流路内に閉じ込める上部及び下部ダイアフラム間に配置された複合管状ウーブンシールに関する。
【解決手段】 蒸気タービン(10)の上部及び下部ダイアフラム(16、18)は、水平中心線接合面を形成するフランジ(21)を有する。フランジは、反対側フランジの対応する溝と整合した溝(40)を有する。複合ウーブン管状シール(43)が、対をなす溝の中に配置される。シールは、環状のシリカ繊維層(48)により巻かれた内側ウーブンメタルコア(46)を含む。該シリカ繊維層(48)は、次にブレーデッドステンレス鋼(52)の外側保護被覆を備える金属箔(50)により巻かれる。ダイアフラムが互いに結合されると、コンプライアントシールは、全体的に溝の形状に一致して、水平中心線接合部に沿ってダイアフラム間のシールを維持する。
【選択図】 図1
【解決手段】 蒸気タービン(10)の上部及び下部ダイアフラム(16、18)は、水平中心線接合面を形成するフランジ(21)を有する。フランジは、反対側フランジの対応する溝と整合した溝(40)を有する。複合ウーブン管状シール(43)が、対をなす溝の中に配置される。シールは、環状のシリカ繊維層(48)により巻かれた内側ウーブンメタルコア(46)を含む。該シリカ繊維層(48)は、次にブレーデッドステンレス鋼(52)の外側保護被覆を備える金属箔(50)により巻かれる。ダイアフラムが互いに結合されると、コンプライアントシールは、全体的に溝の形状に一致して、水平中心線接合部に沿ってダイアフラム間のシールを維持する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上部及び下部ダイアフラム間の水平中心線接合部にシールを有する蒸気タービンに関し、具体的には、ダイアフラム内部の通路をシールして蒸気を蒸気流路内に閉じ込めるように上部及び下部ダイアフラム間に配置された複合管状ウーブンシールに関する。
蒸気タービンは、一般的に水平中心線接合部においてフランジを有する上部及び下部ダイアフラムを有し、これらフランジは、水平中心線接合部位置においてダイアフラム間をシールするためのシールを備える。従来は、棒状のキーを水平中心線接合面において使用して、該接合面間のシールを行う。これらの形式の金属シールは、一般的に上部及び下部ダイアフラムの中心線フランジ内の整合したスロットと該スロット内で延びてダイアフラム間をシールする1つ又はそれ以上のキーとを含む。棒状のキーは、金属で形成された剛性のある細長い要素であり、この要素は、上部及び下部ダイアフラムのスロット内に締まり嵌めされることによってシーリング効果を生じる。これらの締まり嵌めにおいて、棒状のキーは、しばしばダイアフラムの組立ての間に互いに絡まって、ダイアフラム接合面における水平接合部を僅かに開いた状態にし、蒸気漏洩通路を生じる場合がある。ボルト止めされていない状態でのダイアフラム組立体において、これらの間隙を測定すると、5ミルから10ミルもの大きさであった。キーにおける締まり嵌めはまた、上部と下部との軸方向蒸気面の不整合を引き起こし、更にその蒸気接合面において円周方向の漏洩通路を形成する可能性もある。棒状のキーは直線状の要素であるために、非直線状の漏洩通路をシールするには、キー間に間隙を備えた一連の個別のキーを必要とし、付加的な漏洩通路を形成することになる。一般に、製造のばらつきを含む多数の異なる原因から生じるキーとスロットとの間の不整合は、ダイアフラム接合面において著しい蒸気漏洩を招き、機械性能を低下させていた。
従って、蒸気タービンのダイアフラム用の、該ダイアフラムの水平中心線接合部における改良されたシールシステムに対する必要性がある。
本発明の好ましい実施形態によると、上部及び下部ダイアフラムを有する蒸気タービンが提供され、各ダイアフラムは、互いに整合しており、かつ該ダイアフラム間をシールするようにその間に複合ウーブン管状シールが配置された水平フランジを有する。シールは、全体として性質がコンプライアント(compliant)であり、ダイアフラムフランジの接合を妨げない。更に、シールは、圧縮されたとき、スロットの形状に変形して、潜在的な漏洩通路を阻止する。シールはまた、必要に応じて該シールがその異なる幾何学形状を形成することを可能にするような柔軟性を有する。
具体的には、管状ウーブン(woven)シールは、内側ウーブンメタルコア、繊維材料、金属箔、及び金属製外側被覆を含む。内側メタルコアは、シリカ繊維により取り巻かれたウーブンステンレス鋼で形成されるのが好ましい。該繊維は、次にステンレス鋼の金属箔により取り巻かれ、また外側カバーは、例えばHaynes188のようなブレーデッド(braided)材料で形成される。メタルコア及び周囲のシリカ繊維の弾力性故に、ウーブンシールはコンプライアントである(コンプライアンス性がある)。その上に、繊維を取り巻く金属箔層は、水平中心線に沿ったダイアフラムフランジの縁部間の漏洩を防止し、蒸気流路に沿って蒸気流を閉じ込める。ブレーデッド外側被覆は、摩耗保護表面として機能する。内側メタルコア及びシリカ繊維は、それらのほぼ円形の断面形状を保とうとする傾向を有しており、従って、シールは、ダイアフラムフランジの縁部間で圧縮されたとき、その円形の断面形状に戻るような予荷重が加えられた又はバイアスが加えられた状態になる。従って、さもないと蒸気タービン作動時にダイアフラムの水平中心線において形成されることになった間隙を通り抜けるいかなる漏洩流も、複合管状ウーブンシールによってシールされる。
本発明による好ましい実施形態では、蒸気タービンが提供され、該蒸気タービンは、外側シェルと、水平接合部中心線に沿って互いに隣接しかつ該接合部中心線における整合フランジと該フランジ内の互いに整合した溝とを有する上部及び下部ダイアフラムを含む、外側シェル内部に配置された内側ケーシングと、整合した溝の各々内にその一部を配置された、シール本体を含むコンプライアントシールとを含み、シール本体は、異なる材料の多重層で形成されて、水平接合部中心線に沿って上部及び下部ダイアフラムの整合したフランジを互いにコンプライアントにシールするようになっている。
本発明に別の好ましい実施形態では、蒸気タービンが提供され、該蒸気タービンは、複数の円周方向に間隔を置いて配置されたバケットを含むロータと、ロータを囲む外側シェルと、タービンを通る蒸気流路の一部を形成するタービン段をバケットと共に形成する複数のステータブレードを支持する上部及び下部ダイアフラムを含む、外側シェル内部に配置された内側ケーシングとを含み、上部及び下部ダイアフラムは、水平接合部中心線に沿って互いに隣接しかつ該接合部中心線における整合フランジと該フランジ内の互いに整合した溝とを有し、該溝は流路の半径方向外側に配置されており、整合した溝の各々内にその一部を配置された、シール本体を含むコンプライアントシールが設けられ、シール本体は、異なる材料の多重層で形成されて、水平接合部中心線に沿って上部及び下部ダイアフラムの整合したフランジを互いにコンプライアントにシールするようになっている。
ここで図面、特に図1を参照すると、内側ケーシング14を囲む外側シェル12を有する全体を符号10で表した蒸気タービンが示されており、該内側ケーシング14は、上部及び下部ダイアフラム16及び18(図1及び図3)を含み、下部ダイアフラムのみが図1に示されている。外側シェルは、同様に、タービンの水平中心線において例えばボルトにより互いに結合された上部及び下部ケーシングで形成されることが分かるであろう。上部及び下部ダイアフラムは、蒸気タービンホイールを有する蒸気タービンロータ20を囲み、蒸気タービンホイールの1つが符号22で示され、バケット24を支持している。バケット24は、図示するように、ステータブレード28を越える流れを含む、全体を矢印26により表した蒸気流路内に支持される。上部及び下部ダイアフラム16及び18は、ほぼ180度延び、それぞれ水平中心線接合部に沿って互いに整合したフランジ19及び21を有しており、中心線における下部ダイアフラムの面30が示されていることが分かるであろう。従来と同様に、ダイアフラムは、ロータ20の周りをシールするためのラビリンス歯状突起34を有するパッキンリングセグメント32を支持する。ダイアフラムはまた、バケット24の先端に取付けられたカバー38との間をシールするための歯状突起36を支持する。上部及び下部ダイアフラムは、蒸気流路26に沿って流れるように蒸気を閉じ込め、従って、上部及び下部ダイアフラム間のそれらの接合フランジ30における水平接合部は、シールされて、蒸気流路26からの蒸気漏洩流がダイアフラムと外側シェル12との間の空間に入るのを阻止することが分かるであろう。
従来の蒸気タービン構成におけるような、水平中心線接合部に沿ったダイアフラムの両側のフランジ19及び21間をシールする棒状のキーの代わりに、本発明では、上部及び下部ダイアフラムのフランジ間をシールする、全体を符号43で表した複合管状ウーブンシールを用いる。このシールを設けるために、溝又はスロット40及び42が、それぞれ上部及び下部ダイアフラムのフランジ19及び21の整合した面30に沿って形成される。図3に示すように、溝は、断面がほぼ直線で囲まれている。図1に示すように、溝40は、ロータ20の回転軸線に対してほぼ平行に延びるが、溝42は、ほぼ半径方向に延びている。
しかしながら、図4に示すように、シール及び溝は、タービンの回転軸線に対して傾斜され、すなわち半径方向及び軸方向の両方の成分を有する方向に延びることができる。従って、溝140及びシール143は、直線状に延びてロータの回転軸線との間で鋭角αを形成する。
図2に最も良く示されるように、シール43は、圧縮されていない状態で、断面がほぼ円形の形状を有するシール本体44を含む。シール本体44は、材料の多重層で形成される。最内部層は、ステンレス鋼材料で形成されたウーブンメタルコア46を含むのが好ましい。メタルコア46を取り巻いているのは、環状の繊維層48、好ましくはシリカ繊維48である。シリカ繊維48を取り巻いているのは、好ましくはステンレス鋼で形成された金属箔50である。最後に、シール本体44の外側被覆は、金属ブレーデッド材料52、好ましくはHaynes188のようなブレーデッド鋼材料を含む。複合管状ウーブンシールは、横方向にコンプライアントであり、すなわち、圧縮された場合にその円形の断面形状に戻るようなバイアスが加えられるか又は予荷重が加えられた状態になる。
図2及び図3を比較すると、上部及び下部ダイアフラムの各々に形成された溝40及び42は、各々がシール本体44の直径にほぼ対応する幅を有することが分かるであろう。しかしながら、各溝40及び42の深さは、シール本体44の直径に達しない、すなわち該直径より小さい。その結果、シール本体44を取付けると、複合管状ウーブンシールは、ダイアフラムのフランジ面の上方に突出する。ダイアフラムのフランジを互いに整合させると、シールのコンプライアントな性質(コンプライアンス性)により、該シールは、上部及び下部ダイアフラムの溝を実質的に埋めるように断面形状が変形することが可能になる。つまり、ダイアフラムフランジが互いに向けて移動されて面接触すると、シール本体44は、整合した溝の容積を実質的に埋めるようにコンプライアントに圧縮される。従って、細長い押し潰されたシール本体44の表面部分は、溝の縁部と連続して接触した状態になり、該溝の縁部との間にシールを形成する。ダイアフラムフランジの溝間に何らかの整合不良がある場合にも、シールのコンプライアンス性は、該シールがダイアフラム半体間を連続的にシールして水平中心線接合部における漏洩通路を最小にし又は防止することを可能にする。更に、フランジのうちの一方にただ1つの溝だけを設け、本発明のシールをその1つの溝内に配置して反対側フランジの対向する面に対してシールするようにすることもできることが分かるであろう。
本発明を、現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して説明してきたが、本発明は、開示した実施形態に限定されるべきものではなく、また、特許請求の範囲に記載された符号は、理解容易のためであってなんら発明の技術的範囲を実施例に限縮するものではない。
10 蒸気タービン
12 外側シェル
14 内側ケーシング
16 上部ダイアフラム
18 下部ダイアフラム
20 ロータ
21 フランジ
22 タービンホイール
24 バケット
26 蒸気流路
28 ステータブレード
30 下部ダイアフラム接合面
32 パッキンリングセグメント
34 ラビリンス歯状突起
36 シール歯状突起
38 バケット先端のカバー
40、42 スロット
12 外側シェル
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32 パッキンリングセグメント
34 ラビリンス歯状突起
36 シール歯状突起
38 バケット先端のカバー
40、42 スロット
Claims (8)
- 外側シェル(12)と、
水平接合部中心線に沿って互いに隣接しかつ該接合部中心線における整合フランジ(19、21)と該フランジ内の互いに整合した溝(40)とを有する上部及び下部ダイアフラム(16、18)を含む、前記外側シェル内部に配置された内側ケーシング(14)と、
前記整合した溝の各々内にその一部を配置された、シール本体(44)を含むコンプライアントシール(43)と、を含み、
前記シール本体(44)は、異なる材料の多重層(46、48、50、52)で形成されて、前記水平接合部中心線に沿って前記上部及び下部ダイアフラムの前記整合したフランジを互いにコンプライアントにシールするようになっている、
ことを特徴とする蒸気タービン(10)。 - 前記シール本体の材料は、ウーブンメタルコア(46)、繊維(48)、金属箔(50)、及び保護層(52)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の蒸気タービン。
- 前記シール本体の材料は、内側ウーブンメタルコア(46)、シリカ繊維(48)、金属箔(50)、及びブレーデッド金属製外側保護層(52)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の蒸気タービン。
- 前記溝の各々はほぼ直線で囲まれた断面を有し、圧縮されていない状態の前記コンプライアントシールはほぼ円形の断面を有しており、前記シールは、前記上部及び下部ダイアフラムを互いに固定したとき、前記溝を実質的にコンプライアントに埋めることを特徴とする、請求項1に記載の蒸気タービン。
- 複数の円周方向に間隔を置いて配置されたバケットを含むロータと、
前記ロータを囲む外側シェルと、
前記タービンを通る蒸気流路の一部を形成するタービン段を前記バケットと共に形成する複数のステータブレードを支持する上部及び下部ダイアフラムを含む、前記外側シェル内部に配置された内側ケーシングと、を含み、
前記上部及び下部ダイアフラムは、水平接合部中心線に沿って互いに隣接しかつ該接合部中心線における整合フランジと該フランジ内の互いに整合した溝とを有し、前記溝は前記流路の半径方向外側に配置されており、
前記整合した溝の各々内にその一部を配置された、シール本体を含むコンプライアントシールが設けられ、
前記シール本体は、異なる材料の多重層で形成されて、前記水平接合部中心線に沿って前記上部及び下部ダイアフラムの前記整合したフランジを互いにコンプライアントにシールするようになっている、
ことを特徴とする蒸気タービン。 - 前記シール本体の材料は、ウーブンメタルコア、繊維、金属箔、及び保護層を含むことを特徴とする、請求項5に記載の蒸気タービン。
- 前記シール本体の材料は、内側ウーブンメタルコア、シリカ繊維、金属箔、及びブレーデッド金属製外側保護層を含むことを特徴とする、請求項5に記載の蒸気タービン。
- 前記溝の各々はほぼ直線で囲まれた断面を有し、圧縮されていない状態の前記コンプライアントシールはほぼ円形の断面を有しており、前記シールは、前記上部及び下部ダイアフラムを互いに固定したとき、前記溝を実質的にコンプライアントに埋めることを特徴とする、請求項5に記載の蒸気タービン。
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