JP2004149872A - メッキ処理装置およびメッキ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被処理基板に対して均一なメッキ膜厚のメッキ膜を成膜することができるメッキ処理装置を提供する。
【解決手段】被処理基板1の外周縁部と接触するカソード電極5とメッキ液槽3内に配設されているアノード電極6との間に電圧を印加してメッキ処理を施すフェイスダウン方式メッキ処理装置において、前記被処理基板1のメッキ処理状況に応じて、前記アノード電極6を上下方向に駆動させるアノード電極駆動装置13を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】被処理基板1の外周縁部と接触するカソード電極5とメッキ液槽3内に配設されているアノード電極6との間に電圧を印加してメッキ処理を施すフェイスダウン方式メッキ処理装置において、前記被処理基板1のメッキ処理状況に応じて、前記アノード電極6を上下方向に駆動させるアノード電極駆動装置13を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、メッキ処理装置およびメッキ処理方法に係る発明であって、特に、処理液に浸漬した被処理基板に電圧を印加しながらメッキ処理を行う電解型のメッキ処理装置およびメッキ処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シリコンウエハなどの被処理基板上にCu(銅)等のメッキ膜を成膜するメッキ処理装置として、底部にアノード電極を配置したメッキ液槽内にメッキ液を満たしておき、当該メッキ液液面に対して被処理基板を下向きにして浸漬し、当該状態で被処理基板とアノード電極との間に電圧を印加するフェイスダウン方式のメッキ処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来のメッキ処理装置では、被処理基板の外周縁部にカソード電極をコンタクトさせ、当該カソード電極を介して被処理基板に電圧を印加し、アノード電極と対面する側の被処理基板面(以下、被メッキ面とする。)をカソード電極として機能させている。
【0004】
ところで、被メッキ面内で均一な膜厚のメッキ膜が成膜されることが重要である。これは、メッキ処理を施した結果、被メッキ面内に不均一な膜厚のメッキ膜が成膜され、これにより様々な不具合が生じる可能性があるからである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−316885号公報(第17図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のメッキ処理装置では、被処理基板に対して均一な膜厚のメッキ膜を成膜することは不可能であった。これは、以下の理由に基づくからである。
【0007】
フェイスダウン方式のメッキ処理装置では、被処理基板の外周縁部でカソード電極と接触させ電圧を印加させる構造を取っているため、被処理基板において、カソード電極に近い外周縁部近傍では電圧が高くなり、カソード電極から離れて中心部に近づくに連れて電圧が低くなっていた。
【0008】
したがって、被処理基板の中心部に比べて外周縁部の方がメッキ速度が速くなる傾向にあり、被処理基板の中心付近ではメッキ膜厚が薄く、被処理基板の外周縁部に近づくに連れてメッキ膜厚が厚く成膜されるため、最終的に、被処理基板の被メッキ面には不均一な膜厚のメッキ膜が成膜されていた。
【0009】
さらに、最近適用が開始されつつある、300mmへのウエハの大口径化が実施されると、被処理基板の外周縁部と中心部との距離がより長くなるため、被処理基板面内での電位差がより大きくなり、膜厚の不均一性がさらに悪化する傾向にある。
【0010】
よって、被処理基板面内での電位差を抑制し、膜厚の不均一性を改善することが、メッキプロセスの重要な開発項目となっている。
【0011】
そこで、この発明は、被処理基板に対して均一な膜厚のメッキ膜を成膜することができるメッキ処理装置およびメッキ処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のメッキ処理装置は、メッキ液が満たされているメッキ液槽と、前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極と、前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて、前記アノード電極を駆動させるアノード電極駆動装置とを備えている。
【0013】
なお、アノード電極を駆動させるアノード電極駆動装置の代わりに、前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて前記保持手段を駆動させる保持手段駆動装置、前記被処理基板のメッキ状況に応じて前記整流板を駆動させる整流板駆動装置、または前記被処理基板のメッキ状況に応じて前記インサートリングの内径を変化させるインサートリング内径駆動装置のいずれかを備えていてもよい。
【0014】
また、請求項5に記載のメッキ処理装置では、メッキ液が満たされているメッキ液槽と、前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極とを備え、前記カソード電極は、前記被処理基板上に形成されているチップパターンに応じて、前記被処理基板の外周縁部および内部において前記被処理基板と接触している。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0016】
<実施の形態1>
図1に、本実施の形態に係るメッキ処理装置の構成を示す概略図である。
【0017】
図1において、被処理基板1は、保持手段2により当該被処理基板1の被メッキ面1aがメッキ液槽3内に満たされているメッキ液面4に対面するように、保持されている。被処理基板1は、その外周縁部を保持手段2により保持されており、被処理基板1と保持手段2との接触部にはカソード電極5が配設されている。
【0018】
また、メッキ液槽3の内部には、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6が配設されている。また、メッキ液槽3の底部3aには、メッキ液を供給するための供給口7が設けられており、また、当該メッキ液槽3の底部3aからアノード電極6、フィルタ9とを貫通して噴出ノズル8が設けられている。
【0019】
当該噴出ノズル8は、当該供給口7から供給されるメッキ液をメッキ液槽3の底部3aからメッキ液面4に向かって吹き上げることにより、メッキ液のオーバフロー循環を発生させている。
【0020】
またフィルタ9は、メッキ処理時に、アノード電極6の表面に発生するアノードスライム(銅メッキの場合は、銅の微粒子)、アノード電極6の近傍に発生する添加剤の分解副生成物および異物等が、メッキ反応に影響を与えない、あるいは被処理基板1の被メッキ面1aに付着しないように、上記物質が被処理基板1の近傍に混入するのを防止している。
【0021】
また、メッキ液槽3のフィルタ9の上方には整流板10が設けられており、噴出ノズル8から吹き上げられるメッキ液が当該整流板10を通過することにより、当該メッキ液の液流を制御している。
【0022】
ところで、メッキ処理を行うためには、保持手段2をメッキ液面4に向かって可動させ、被処理基板1を保持した状態で当該被処理基板1をメッキ液槽3内のメッキ液内に浸漬させる。この様子を図2で示す。
【0023】
当該浸漬状態において、メッキ処理時に噴出ノズル8から吹き上げられるメッキ液の流れを、被処理基板1の被メッキ面1a近傍にて制御するために、インサートリング11が保持手段2に配設されているカソード電極5のメッキ液面4側に設けられている。
【0024】
また、メッキ液槽3の外側には外槽12が設けられており、メッキ液のオーバフロー循環により溢れたメッキ液を回収しており、当該回収されたメッキ液は、図示していない循環経路によりメッキ液の清浄化が行われた後に、再び、供給口7から供給される。
【0025】
さらに、本実施の形態のメッキ処理装置では、アノード電極6の位置を上下方向に、すなわちメッキ液の深さ方向に駆動させることができるアノード電極駆動装置13が設けられている。
【0026】
さて、上記記載のメッキ処理装置を用いてメッキ処理を施す場合には、まず、図2に示すように、保持手段2で保持された被処理基板1をメッキ液槽3内のメッキ液に浸漬させる。次に、当該浸漬状態にて保持手段2を、回転軸がメッキ液面4の法線方向となるように、回転させる。
【0027】
次に、カソード電極5とアノード電極6との間に電圧を印加することにより、被処理基板1の被メッキ面1aへのメッキ処理が開始される。
【0028】
ところで、カソード電極5は被処理基板1の外周縁部において被メッキ面1aと接触しているため、従来の技術の問題点として指摘したように、カソード電極5に近い外周縁部近傍では電圧が高くなり、カソード電極5から離れて中心部に近づくに連れて電圧が低くなる。
【0029】
しかし、本実施の形態のメッキ処理装置では、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用しているため、被処理基板1の中心部と当該アノード電極6との距離が、被処理基板1の外周縁部と当該アノード電極6との距離より短くなるので、被処理基板1の外周縁部と当該アノード電極6との間のメッキ液の抵抗値よりも、被処理基板1の中心部と当該アノード電極6との間でのメッキ液の抵抗値の方が相対的に低くなる。
【0030】
したがって、上記電位差と上記抵抗差とのバランスが図れるように、つまり上記電位差が上記抵抗差により相殺されるように、アノード電極6の形状を予め設定しておくことにより、メッキ処理の初期段階では、被処理基板1の被メッキ面1aには、均一なメッキ膜が形成される。
【0031】
ここで、図3で示すように、カソード電極5と接触している被処理基板1の外周縁部とアノード電極6との間のメッキ液の抵抗値をRle、被処理基板1の中心部とアノード電極6との間のメッキ液の抵抗値をRlc、被処理基板1の外周縁部と中心部との間の当該被処理基板1の被メッキ面1aに成膜されているシード膜の抵抗値をRs、また初期段階においてインサートリング11および整流板10により被処理基板1の中心部が外周縁部より(1+k)倍電流が流れやすいように設定(以下、インサートリング11等の初期設定をハード設定と称する)したとすると、アノード電極6の厚さ寸法は、メッキ処理の初期段階において抵抗値Rleと抵抗値Rlcとが以下の関係となるように設定される。
【0032】
V(1+k)/(Rlc+Rs)=V/Rle (1)
ここで、式(1)の左辺は被処理基板1の中心部に流れる電流値を示しており、右辺は被処理基板1の外周縁部に流れる電流値を示している。なお、Vはアノード電極6−カソード電極5間の電位差である。
【0033】
すると、式(1)より次式を得る。
【0034】
Rlc=Rle(1+k)−Rs (2)
したがって、式(2)の関係が成立するように、被処理基板被1の中心部とアノード電極6との距離が、処理基板1の外周縁部とアノード電極6との距離より短くなるように、アノード電極6の厚みを決定するのである。
【0035】
なお、被処理基板1の外周縁部から中心部に近づくにつれて、抵抗値Rsは通常連続的に増加していくので、式(2)より、アノード電極6の厚みは、当該アノード電極6の外周縁部から中心部に近づくにつれて、なめらかに厚くなっていく。
【0036】
さて、メッキ処理に話を戻して、初期段階では被メッキ面1aに均一なメッキ膜が成膜されるが、メッキ処理が進行すると被処理基板1に対する上記抵抗値Rsの値が低下していくため、当該メッキ処理が進行するにつれて式(2)の均衡が崩れるため、被処理基板1の中央部の方がメッキの成膜速度が速くなる。つまり、被処理基板1上におけるメッキ液の電流分布が中央部において密となり、他の箇所に比べて中央部でのメッキ膜が厚く成膜されてしまう。
【0037】
したがって、メッキ膜が薄く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が密になる制御をし、他方メッキ膜が厚く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が疎になる制御をする必要がある。
【0038】
そこで、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、アノード電極6をメッキ液槽3の底部3aからメッキ面4に向かって駆動させるアノード電極駆動装置13が設けられている。
【0039】
つまり、メッキ膜の成膜が進むに連れて抵抗値Rsが低下するので、当該抵抗値Rsの低下に応じて、当該アノード電極駆動装置13によりアノード電極6を駆動させ当該アノード電極6と被処理基板1との距離を短く変化させる必要がある。このことは、式(2)より明らかである。
【0040】
具体的に、被処理基板1の外周縁部とアノード電極6との距離をLとし、アノード電極6の中心部と外周縁部との厚さの差をlとし、メッキ膜の電気抵抗率に関する定数をρ1とし、メッキ液の電気抵抗率に関する定数をρ2とすると、式(2)は、次のようになる。
【0041】
ρ2(L−l)=ρ2L(1+k)−ρ1/d (3)
ここで、dはメッキ膜厚(シード膜厚+メッキ処理により成膜されるメッキ膜厚)である。すると、式(3)より、被処理基板1の外周縁部とアノード電極6との距離Lとして、次の関係が得られる。
【0042】
L=α/d−β (4)
ここで、αは定数ρ1/kρ2であり、βは定数l/kである。
【0043】
式(4)から分かるように、メッキ膜厚dが厚くなるに連れて距離Lは小さくなる。よって、図4に示すように、メッキ処理が進むに連れて、式(4)の関係が成立するように距離Lを短く、つまりアノード電極駆動装置13によりアノード電極6を非処理基板1に近づけるように駆動制御するのである。
【0044】
なお、メッキ膜厚dは、例えば次のようにして求めることができる。
【0045】
一例として、直径200mmの円盤の被処理基板1において直径190mm以内の範囲に銅メッキ処理を施す場合を想定する。この場合、ファラデーの電気分解の法則より、被処理基板1に銅メッキ膜を厚さ1.0μm成膜するのに765.7Cの電荷量が必要である。これは、
1.0μm×(π×952mm2)×8.9g/cm3×96500C/mol×2/63.57g/mol=756.7C/μm
から導出した。
【0046】
ここで、π×952mm2は、被処理基板1の被メッキ面1aの面積であり、8.9g/cm3は、銅の比重であり、96500C/molは、ファラデー定数であり、2は、銅1原子に対して成膜反応に必要な電子数であり、63.57g/molは、銅の原子量である。
【0047】
したがって、メッキ処理中の電流値と当該電流値が流れる時間とを観測することにより累積電荷量が求まり、当該累積電荷量を765.7Cで割ることにより、成膜される銅メッキの膜厚d’が求まる。よって、合計の膜厚dは、シード膜の膜厚と当該d’を加えることにより得られる。
【0048】
よって、当該求められた膜厚dより式(4)に従ってアノード電極6を、アノード電極駆動装置13により被処理基板1に近づく方向に駆動させることにより、メッキ初期段階だけでなくメッキ処理の終始に渡って、被処理基板1に均一な膜厚のメッキ膜を成膜させることができる。
【0049】
なお、本実施の形態での説明では、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用したが、アノード電極6は平板であってもよい。ことときは、初期段階において式(2)の「k」が以下の値となるように、ハード設定を行う。
【0050】
k=Rs/Rle (5)
そして、メッキ処理が進むに連れて、式(5)から導かれる次式(6)の関係に基づいて、アノード電極駆動装置13によりアノード電極6を駆動させることにより、上記と同様、被処理基板1に均一な膜圧のメッキ膜を成膜させることができる。
【0051】
L=α/d (6)
ただし、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用することによりハード設定の自由度が増えるので、均一なメッキ膜を成膜させるためにより木目の細かいハード設定を行うことができる。
【0052】
<実施の形態2>
本実施の形態に係るメッキ処理装置では、被処理基板を保持している保持手段を、メッキの処理状況に応じて上下方向に駆動させる保持手段駆動装置が設けられている。
【0053】
実施の形態1で説明したように、メッキ処理が進行すると被処理基板1に対する上記抵抗値Rsの値が低下していくため、当該メッキ処理が進行するにつれて初期のハード設定の均衡が崩れるため、被処理基板1上における電流分布が変化し、最終的には不均一な膜厚のメッキ膜が成膜されてしまう。
【0054】
したがって、メッキ膜が薄く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が密になる制御をし、他方メッキ膜が厚く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が疎になる制御をする必要がある。
【0055】
そこで実施の形態1では、アノード電極6を駆動させるアノード電極駆動装置13が設けられていたが、図5に示すように本実施の形態では、被処理基板1を保持している保持手段2を上下方向に駆動させる保持手段駆動装置21が設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0056】
本実施の形態に係るメッキ処理装置において、実施の形態1と同様にメッキ処理中の電流値と当該電流値が流れる時間とを観測することによりメッキの膜厚d’を求める。よって、当該d’とシード膜厚とを加えた膜厚dと式(4)とに基づいて、図5に示す状態から図6に示す状態へ、メッキ処理が進行するに連れて被処理基板1がアノード電極6に近づくように保持手段駆動装置21により保持手段2を駆動させることにより、実施の形態1と同様、メッキ初期段階だけでなくメッキ処理の終始に渡って、被処理基板1に均一な膜厚のメッキ膜を成膜させることができる。
【0057】
なお、本実施の形態においても、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用したが、アノード電極6は平板であってもよいことは言うまでもない。
【0058】
<実施の形態3>
本実施の形態に係るメッキ処理装置では、メッキ液流の制御をしている整流板を、メッキの処理状況に応じて上下方向に駆動させる整流板駆動装置が設けられている。
【0059】
実施の形態1で説明したように、メッキ処理が進行すると被処理基板1に対する上記抵抗値Rsの値が低下していくため、当該メッキ処理が進行するにつれて初期のハード設定の均衡が崩れるため、被処理基板1上における電流分布が変化し、最終的には不均一な膜厚のメッキ膜が成膜されてしまう。
【0060】
したがって、メッキ膜が薄く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が密になる制御をし、他方メッキ膜が厚く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が疎になる制御をする必要がある。
【0061】
そこで、図7に示すように本実施の形態では、メッキ液流の制御をしている整流板10を上下方向に駆動させる整流板駆動装置31が設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0062】
メッキ初期段階では、被処理基板1の外周縁部と中心部との間の当該被処理基板1の大きな抵抗値をRsを相殺するため、図7に示すように整流板10を被処理基板1に近づけ配置する。すると、噴出ノズル8から噴出されるメッキ液は被処理基板1の中央部に集中するので、メッキ初期段階において均一なメッキ膜の成膜処理を施すことができる。
【0063】
しかし、メッキ処理が進むに連れて抵抗値Rsが低下するので、これに応じてメッキ液の流れを変化させる必要がある。
【0064】
そこで、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、図8に示すように、メッキ処理が進むに連れて整流板10と被処理基板1との間隔が広がるように、整流板駆動装置31により当該整流板10を下方向に駆動させる。
【0065】
整流板10と被処理基板1との間隔が広がると、整流板10の整流作用によりメッキ液が被処理基板1の被メッキ面1aに対して均等に流れるので、メッキ初期段階で被処理基板1の中心部にメッキ液を集中させていた流れを、メッキ処理が進むに連れて、被処理基板1の被メッキ面1a全体に拡散させることができる。
【0066】
このように、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、被処理基板1の外周縁部の成膜速度が速くなる傾向にあるメッキ初期段階には、当該被処理基板1中央部にメッキ液流を集中させるように設定されている整流板10を、メッキ処理が進むに連れてメッキ液流が被メッキ面1aに対して均等に流れるように、整流板駆動装置31により整流板10を下方向に駆動させることにより、実施の形態1と同様、メッキ初期段階だけでなくメッキ処理の終始に渡って、被処理基板1に均一な膜厚のメッキ膜を成膜させることができる。
【0067】
なお、本実施の形態においても、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用したが、アノード電極6は平板であってもよいことは言うまでもない。
【0068】
<実施の形態4>
本実施の形態に係るメッキ処理装置では、被処理基板近傍のメッキ液流の制御をしているインサートリングの内径の大きさを、メッキの処理状況に応じて変化させるインサートリング内径駆動装置が設けられている。
【0069】
実施の形態1で説明したように、メッキ処理が進行すると被処理基板1に対する上記抵抗値Rsの値が低下していくため、当該メッキ処理が進行するにつれて初期のハード設定の均衡が崩れるため、被処理基板1上における電流分布が変化し、最終的には不均一な膜厚のメッキ膜が成膜されてしまう。
【0070】
したがって、メッキ膜が薄く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が密になる制御をし、他方メッキ膜が厚く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が疎になる制御をする必要がある。
【0071】
そこで、図9に示すように本実施の形態では、メッキ液流の制御をしているインサートリング11の内径の大きさを駆動させるインサートリング内径駆動装置41が設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0072】
インサートリング11は、その内径を大きくした場合、被処理基板1の中心部におけるメッキ膜厚が薄くなる傾向にある。
【0073】
そこで、メッキ初期段階では、被処理基板1の外周縁部と中心部との間の当該被処理基板1の大きな抵抗値をRsを相殺するため、インサートリング11の内径を小さくする。これにより、メッキ初期段階において均一なメッキ膜の成膜処理を施すことができる。
【0074】
しかし、メッキ処理が進むに連れて抵抗値Rsが低下するので、これに応じてメッキ液の流れを変化させる必要がある。
【0075】
そこで、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、メッキ処理が進むに連れてインサートリング11の内径を、インサートリング内径駆動装置41により大きくする。
【0076】
このように、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、メッキ処理の状況に応じてインサートリング11の内径を、インサートリング内径駆動装置41により拡大させることにより、実施の形態1と同様、メッキ初期段階だけでなくメッキ処理の終始に渡って、被処理基板1に均一な膜厚のメッキ膜を成膜させることができる。
【0077】
なお、本実施の形態においても、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用したが、アノード電極6は平板であってもよいことは言うまでもない。
【0078】
<実施の形態5>
本実施の形態に係るメッキ処理装置では、被処理基板に電圧を印加するカソード電極として、被処理基板に形成されているチップパターンに応じて当該被処理基板の外周縁部および内部においても接触するような形状のカソード電極が用いられている。
【0079】
図10に示すように、従来では被処理基板1の外周縁部に沿って点在するようにカソード電極とのコンタクト部50を取っていた。
【0080】
しかし、本実施の形態では、図11に示すように、被処理基板1の外周縁部だけでなく、例えばパターンの形成されていないチップなどの境界においても、カソード電極とのコンタクト部50,51が取れるように、カソード電極として、当該被処理基板1に形成されているチップパターンに応じた形状のものを用意する。ここで、被処理基板1とカソード電極とのコンタクトは、メッキ液中で行うウエットコンタクトとなる。
【0081】
このようにすることにより、被処理基板1の外周辺部と内部との電位差を抑制することができ、一様な電流分布を確保することができる。
【0082】
なお、インサートリングと接している部分のカソード電極はリング状であり、当該リング状のカソード電極に、図11で示す網目状のカソード電極の端部を接続することにより、本実施の形態のカソード電極を形成することができる。
【0083】
したがって、本実施の形態に係るメッキ処理装置として、被処理基板1に形成されているチップパターンに応じた形状のカソード電極を採用し、メッキ処理を行うことにより、被処理基板1に均一なメッキ膜の成膜を行うことができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のメッキ処理装置は、メッキ液が満たされているメッキ液槽と、前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極と、前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて、前記アノード電極を駆動させるアノード電極駆動装置とを備えているので、メッキの処理が進むに連れて、アノード電極駆動装置によりアノード電極をカソード側に近づけることができ、メッキ処理の終始に渡って均一なメッキ膜を成幕することができる。
【0085】
なお、アノード電極を駆動させるアノード電極駆動装置の代わりに、前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて前記保持手段を駆動させる保持手段駆動装置、前記被処理基板のメッキ状況に応じて前記整流板を駆動させる整流板駆動装置、または前記被処理基板のメッキ状況に応じて前記インサートリングの内径を変化させるインサートリング内径駆動装置のいずれかを備えることにより、上記と同様に、膜厚の均一なメッキ膜厚を形成することができるメッキ処理装置を提供することができる。
【0086】
本発明の請求項5に記載のメッキ処理装置は、メッキ液が満たされているメッキ液槽と、前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極とを備え、前記カソード電極は、前記被処理基板上に形成されているチップパターンに応じて、前記被処理基板の外周縁部および内部において前記被処理基板と接触しているので、当該カソード電極により被処理基板に対して電圧を印加することにより、被処理基板の外周辺部と内部との電位差を抑制することができ、一様な電流分布を確保することができる。したがって、被処理基板に均一なメッキ膜の成膜を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るメッキ処理装置の構成を示す概略図である。
【図2】メッキ初期段階における実施の形態1に係るメッキ処理装置の様子を示す概略図である。
【図3】アノード電極−カソード電極間の各抵抗を回路図で示した図である。
【図4】メッキ処理が進むに連れてアノード電極の位置が変化する様子を示す図である。
【図5】メッキ初期段階における実施の形態2に係るメッキ処理装置の様子を示す概略図である。
【図6】メッキ処理が進むに連れて保持手段の位置が変化する様子を示す図である。
【図7】メッキ初期段階における実施の形態3に係るメッキ処理装置の様子を示す概略図である。
【図8】メッキ処理が進むに連れて整流板の位置が変化する様子を示す図である。
【図9】実施の形態4に係るメッキ処理装置の構成を示す概略図である。
【図10】従来技術による、被処理基板におけるカソード電極とのコンタクト位置を示す図である。
【図11】実施の形態5に係るメッキ処理装置が有するカソード電極とのコンタクト位置を示す図である。
【符号の説明】
1 被処理基板、1a 被メッキ面、2 保持手段、3 メッキ液槽、3a 底部、4 メッキ液面、5 カソード電極、6 アノード電極、7 供給口、8噴出ノズル、9 フィルタ、10 整流板、11 インサートリング、12 外槽、13 アノード電極駆動装置、21 保持手段駆動装置、31 整流板駆動装置、41 インサートリン内径駆動装置、50,51 コンタクト部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、メッキ処理装置およびメッキ処理方法に係る発明であって、特に、処理液に浸漬した被処理基板に電圧を印加しながらメッキ処理を行う電解型のメッキ処理装置およびメッキ処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シリコンウエハなどの被処理基板上にCu(銅)等のメッキ膜を成膜するメッキ処理装置として、底部にアノード電極を配置したメッキ液槽内にメッキ液を満たしておき、当該メッキ液液面に対して被処理基板を下向きにして浸漬し、当該状態で被処理基板とアノード電極との間に電圧を印加するフェイスダウン方式のメッキ処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来のメッキ処理装置では、被処理基板の外周縁部にカソード電極をコンタクトさせ、当該カソード電極を介して被処理基板に電圧を印加し、アノード電極と対面する側の被処理基板面(以下、被メッキ面とする。)をカソード電極として機能させている。
【0004】
ところで、被メッキ面内で均一な膜厚のメッキ膜が成膜されることが重要である。これは、メッキ処理を施した結果、被メッキ面内に不均一な膜厚のメッキ膜が成膜され、これにより様々な不具合が生じる可能性があるからである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−316885号公報(第17図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のメッキ処理装置では、被処理基板に対して均一な膜厚のメッキ膜を成膜することは不可能であった。これは、以下の理由に基づくからである。
【0007】
フェイスダウン方式のメッキ処理装置では、被処理基板の外周縁部でカソード電極と接触させ電圧を印加させる構造を取っているため、被処理基板において、カソード電極に近い外周縁部近傍では電圧が高くなり、カソード電極から離れて中心部に近づくに連れて電圧が低くなっていた。
【0008】
したがって、被処理基板の中心部に比べて外周縁部の方がメッキ速度が速くなる傾向にあり、被処理基板の中心付近ではメッキ膜厚が薄く、被処理基板の外周縁部に近づくに連れてメッキ膜厚が厚く成膜されるため、最終的に、被処理基板の被メッキ面には不均一な膜厚のメッキ膜が成膜されていた。
【0009】
さらに、最近適用が開始されつつある、300mmへのウエハの大口径化が実施されると、被処理基板の外周縁部と中心部との距離がより長くなるため、被処理基板面内での電位差がより大きくなり、膜厚の不均一性がさらに悪化する傾向にある。
【0010】
よって、被処理基板面内での電位差を抑制し、膜厚の不均一性を改善することが、メッキプロセスの重要な開発項目となっている。
【0011】
そこで、この発明は、被処理基板に対して均一な膜厚のメッキ膜を成膜することができるメッキ処理装置およびメッキ処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のメッキ処理装置は、メッキ液が満たされているメッキ液槽と、前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極と、前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて、前記アノード電極を駆動させるアノード電極駆動装置とを備えている。
【0013】
なお、アノード電極を駆動させるアノード電極駆動装置の代わりに、前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて前記保持手段を駆動させる保持手段駆動装置、前記被処理基板のメッキ状況に応じて前記整流板を駆動させる整流板駆動装置、または前記被処理基板のメッキ状況に応じて前記インサートリングの内径を変化させるインサートリング内径駆動装置のいずれかを備えていてもよい。
【0014】
また、請求項5に記載のメッキ処理装置では、メッキ液が満たされているメッキ液槽と、前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極とを備え、前記カソード電極は、前記被処理基板上に形成されているチップパターンに応じて、前記被処理基板の外周縁部および内部において前記被処理基板と接触している。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0016】
<実施の形態1>
図1に、本実施の形態に係るメッキ処理装置の構成を示す概略図である。
【0017】
図1において、被処理基板1は、保持手段2により当該被処理基板1の被メッキ面1aがメッキ液槽3内に満たされているメッキ液面4に対面するように、保持されている。被処理基板1は、その外周縁部を保持手段2により保持されており、被処理基板1と保持手段2との接触部にはカソード電極5が配設されている。
【0018】
また、メッキ液槽3の内部には、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6が配設されている。また、メッキ液槽3の底部3aには、メッキ液を供給するための供給口7が設けられており、また、当該メッキ液槽3の底部3aからアノード電極6、フィルタ9とを貫通して噴出ノズル8が設けられている。
【0019】
当該噴出ノズル8は、当該供給口7から供給されるメッキ液をメッキ液槽3の底部3aからメッキ液面4に向かって吹き上げることにより、メッキ液のオーバフロー循環を発生させている。
【0020】
またフィルタ9は、メッキ処理時に、アノード電極6の表面に発生するアノードスライム(銅メッキの場合は、銅の微粒子)、アノード電極6の近傍に発生する添加剤の分解副生成物および異物等が、メッキ反応に影響を与えない、あるいは被処理基板1の被メッキ面1aに付着しないように、上記物質が被処理基板1の近傍に混入するのを防止している。
【0021】
また、メッキ液槽3のフィルタ9の上方には整流板10が設けられており、噴出ノズル8から吹き上げられるメッキ液が当該整流板10を通過することにより、当該メッキ液の液流を制御している。
【0022】
ところで、メッキ処理を行うためには、保持手段2をメッキ液面4に向かって可動させ、被処理基板1を保持した状態で当該被処理基板1をメッキ液槽3内のメッキ液内に浸漬させる。この様子を図2で示す。
【0023】
当該浸漬状態において、メッキ処理時に噴出ノズル8から吹き上げられるメッキ液の流れを、被処理基板1の被メッキ面1a近傍にて制御するために、インサートリング11が保持手段2に配設されているカソード電極5のメッキ液面4側に設けられている。
【0024】
また、メッキ液槽3の外側には外槽12が設けられており、メッキ液のオーバフロー循環により溢れたメッキ液を回収しており、当該回収されたメッキ液は、図示していない循環経路によりメッキ液の清浄化が行われた後に、再び、供給口7から供給される。
【0025】
さらに、本実施の形態のメッキ処理装置では、アノード電極6の位置を上下方向に、すなわちメッキ液の深さ方向に駆動させることができるアノード電極駆動装置13が設けられている。
【0026】
さて、上記記載のメッキ処理装置を用いてメッキ処理を施す場合には、まず、図2に示すように、保持手段2で保持された被処理基板1をメッキ液槽3内のメッキ液に浸漬させる。次に、当該浸漬状態にて保持手段2を、回転軸がメッキ液面4の法線方向となるように、回転させる。
【0027】
次に、カソード電極5とアノード電極6との間に電圧を印加することにより、被処理基板1の被メッキ面1aへのメッキ処理が開始される。
【0028】
ところで、カソード電極5は被処理基板1の外周縁部において被メッキ面1aと接触しているため、従来の技術の問題点として指摘したように、カソード電極5に近い外周縁部近傍では電圧が高くなり、カソード電極5から離れて中心部に近づくに連れて電圧が低くなる。
【0029】
しかし、本実施の形態のメッキ処理装置では、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用しているため、被処理基板1の中心部と当該アノード電極6との距離が、被処理基板1の外周縁部と当該アノード電極6との距離より短くなるので、被処理基板1の外周縁部と当該アノード電極6との間のメッキ液の抵抗値よりも、被処理基板1の中心部と当該アノード電極6との間でのメッキ液の抵抗値の方が相対的に低くなる。
【0030】
したがって、上記電位差と上記抵抗差とのバランスが図れるように、つまり上記電位差が上記抵抗差により相殺されるように、アノード電極6の形状を予め設定しておくことにより、メッキ処理の初期段階では、被処理基板1の被メッキ面1aには、均一なメッキ膜が形成される。
【0031】
ここで、図3で示すように、カソード電極5と接触している被処理基板1の外周縁部とアノード電極6との間のメッキ液の抵抗値をRle、被処理基板1の中心部とアノード電極6との間のメッキ液の抵抗値をRlc、被処理基板1の外周縁部と中心部との間の当該被処理基板1の被メッキ面1aに成膜されているシード膜の抵抗値をRs、また初期段階においてインサートリング11および整流板10により被処理基板1の中心部が外周縁部より(1+k)倍電流が流れやすいように設定(以下、インサートリング11等の初期設定をハード設定と称する)したとすると、アノード電極6の厚さ寸法は、メッキ処理の初期段階において抵抗値Rleと抵抗値Rlcとが以下の関係となるように設定される。
【0032】
V(1+k)/(Rlc+Rs)=V/Rle (1)
ここで、式(1)の左辺は被処理基板1の中心部に流れる電流値を示しており、右辺は被処理基板1の外周縁部に流れる電流値を示している。なお、Vはアノード電極6−カソード電極5間の電位差である。
【0033】
すると、式(1)より次式を得る。
【0034】
Rlc=Rle(1+k)−Rs (2)
したがって、式(2)の関係が成立するように、被処理基板被1の中心部とアノード電極6との距離が、処理基板1の外周縁部とアノード電極6との距離より短くなるように、アノード電極6の厚みを決定するのである。
【0035】
なお、被処理基板1の外周縁部から中心部に近づくにつれて、抵抗値Rsは通常連続的に増加していくので、式(2)より、アノード電極6の厚みは、当該アノード電極6の外周縁部から中心部に近づくにつれて、なめらかに厚くなっていく。
【0036】
さて、メッキ処理に話を戻して、初期段階では被メッキ面1aに均一なメッキ膜が成膜されるが、メッキ処理が進行すると被処理基板1に対する上記抵抗値Rsの値が低下していくため、当該メッキ処理が進行するにつれて式(2)の均衡が崩れるため、被処理基板1の中央部の方がメッキの成膜速度が速くなる。つまり、被処理基板1上におけるメッキ液の電流分布が中央部において密となり、他の箇所に比べて中央部でのメッキ膜が厚く成膜されてしまう。
【0037】
したがって、メッキ膜が薄く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が密になる制御をし、他方メッキ膜が厚く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が疎になる制御をする必要がある。
【0038】
そこで、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、アノード電極6をメッキ液槽3の底部3aからメッキ面4に向かって駆動させるアノード電極駆動装置13が設けられている。
【0039】
つまり、メッキ膜の成膜が進むに連れて抵抗値Rsが低下するので、当該抵抗値Rsの低下に応じて、当該アノード電極駆動装置13によりアノード電極6を駆動させ当該アノード電極6と被処理基板1との距離を短く変化させる必要がある。このことは、式(2)より明らかである。
【0040】
具体的に、被処理基板1の外周縁部とアノード電極6との距離をLとし、アノード電極6の中心部と外周縁部との厚さの差をlとし、メッキ膜の電気抵抗率に関する定数をρ1とし、メッキ液の電気抵抗率に関する定数をρ2とすると、式(2)は、次のようになる。
【0041】
ρ2(L−l)=ρ2L(1+k)−ρ1/d (3)
ここで、dはメッキ膜厚(シード膜厚+メッキ処理により成膜されるメッキ膜厚)である。すると、式(3)より、被処理基板1の外周縁部とアノード電極6との距離Lとして、次の関係が得られる。
【0042】
L=α/d−β (4)
ここで、αは定数ρ1/kρ2であり、βは定数l/kである。
【0043】
式(4)から分かるように、メッキ膜厚dが厚くなるに連れて距離Lは小さくなる。よって、図4に示すように、メッキ処理が進むに連れて、式(4)の関係が成立するように距離Lを短く、つまりアノード電極駆動装置13によりアノード電極6を非処理基板1に近づけるように駆動制御するのである。
【0044】
なお、メッキ膜厚dは、例えば次のようにして求めることができる。
【0045】
一例として、直径200mmの円盤の被処理基板1において直径190mm以内の範囲に銅メッキ処理を施す場合を想定する。この場合、ファラデーの電気分解の法則より、被処理基板1に銅メッキ膜を厚さ1.0μm成膜するのに765.7Cの電荷量が必要である。これは、
1.0μm×(π×952mm2)×8.9g/cm3×96500C/mol×2/63.57g/mol=756.7C/μm
から導出した。
【0046】
ここで、π×952mm2は、被処理基板1の被メッキ面1aの面積であり、8.9g/cm3は、銅の比重であり、96500C/molは、ファラデー定数であり、2は、銅1原子に対して成膜反応に必要な電子数であり、63.57g/molは、銅の原子量である。
【0047】
したがって、メッキ処理中の電流値と当該電流値が流れる時間とを観測することにより累積電荷量が求まり、当該累積電荷量を765.7Cで割ることにより、成膜される銅メッキの膜厚d’が求まる。よって、合計の膜厚dは、シード膜の膜厚と当該d’を加えることにより得られる。
【0048】
よって、当該求められた膜厚dより式(4)に従ってアノード電極6を、アノード電極駆動装置13により被処理基板1に近づく方向に駆動させることにより、メッキ初期段階だけでなくメッキ処理の終始に渡って、被処理基板1に均一な膜厚のメッキ膜を成膜させることができる。
【0049】
なお、本実施の形態での説明では、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用したが、アノード電極6は平板であってもよい。ことときは、初期段階において式(2)の「k」が以下の値となるように、ハード設定を行う。
【0050】
k=Rs/Rle (5)
そして、メッキ処理が進むに連れて、式(5)から導かれる次式(6)の関係に基づいて、アノード電極駆動装置13によりアノード電極6を駆動させることにより、上記と同様、被処理基板1に均一な膜圧のメッキ膜を成膜させることができる。
【0051】
L=α/d (6)
ただし、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用することによりハード設定の自由度が増えるので、均一なメッキ膜を成膜させるためにより木目の細かいハード設定を行うことができる。
【0052】
<実施の形態2>
本実施の形態に係るメッキ処理装置では、被処理基板を保持している保持手段を、メッキの処理状況に応じて上下方向に駆動させる保持手段駆動装置が設けられている。
【0053】
実施の形態1で説明したように、メッキ処理が進行すると被処理基板1に対する上記抵抗値Rsの値が低下していくため、当該メッキ処理が進行するにつれて初期のハード設定の均衡が崩れるため、被処理基板1上における電流分布が変化し、最終的には不均一な膜厚のメッキ膜が成膜されてしまう。
【0054】
したがって、メッキ膜が薄く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が密になる制御をし、他方メッキ膜が厚く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が疎になる制御をする必要がある。
【0055】
そこで実施の形態1では、アノード電極6を駆動させるアノード電極駆動装置13が設けられていたが、図5に示すように本実施の形態では、被処理基板1を保持している保持手段2を上下方向に駆動させる保持手段駆動装置21が設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0056】
本実施の形態に係るメッキ処理装置において、実施の形態1と同様にメッキ処理中の電流値と当該電流値が流れる時間とを観測することによりメッキの膜厚d’を求める。よって、当該d’とシード膜厚とを加えた膜厚dと式(4)とに基づいて、図5に示す状態から図6に示す状態へ、メッキ処理が進行するに連れて被処理基板1がアノード電極6に近づくように保持手段駆動装置21により保持手段2を駆動させることにより、実施の形態1と同様、メッキ初期段階だけでなくメッキ処理の終始に渡って、被処理基板1に均一な膜厚のメッキ膜を成膜させることができる。
【0057】
なお、本実施の形態においても、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用したが、アノード電極6は平板であってもよいことは言うまでもない。
【0058】
<実施の形態3>
本実施の形態に係るメッキ処理装置では、メッキ液流の制御をしている整流板を、メッキの処理状況に応じて上下方向に駆動させる整流板駆動装置が設けられている。
【0059】
実施の形態1で説明したように、メッキ処理が進行すると被処理基板1に対する上記抵抗値Rsの値が低下していくため、当該メッキ処理が進行するにつれて初期のハード設定の均衡が崩れるため、被処理基板1上における電流分布が変化し、最終的には不均一な膜厚のメッキ膜が成膜されてしまう。
【0060】
したがって、メッキ膜が薄く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が密になる制御をし、他方メッキ膜が厚く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が疎になる制御をする必要がある。
【0061】
そこで、図7に示すように本実施の形態では、メッキ液流の制御をしている整流板10を上下方向に駆動させる整流板駆動装置31が設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0062】
メッキ初期段階では、被処理基板1の外周縁部と中心部との間の当該被処理基板1の大きな抵抗値をRsを相殺するため、図7に示すように整流板10を被処理基板1に近づけ配置する。すると、噴出ノズル8から噴出されるメッキ液は被処理基板1の中央部に集中するので、メッキ初期段階において均一なメッキ膜の成膜処理を施すことができる。
【0063】
しかし、メッキ処理が進むに連れて抵抗値Rsが低下するので、これに応じてメッキ液の流れを変化させる必要がある。
【0064】
そこで、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、図8に示すように、メッキ処理が進むに連れて整流板10と被処理基板1との間隔が広がるように、整流板駆動装置31により当該整流板10を下方向に駆動させる。
【0065】
整流板10と被処理基板1との間隔が広がると、整流板10の整流作用によりメッキ液が被処理基板1の被メッキ面1aに対して均等に流れるので、メッキ初期段階で被処理基板1の中心部にメッキ液を集中させていた流れを、メッキ処理が進むに連れて、被処理基板1の被メッキ面1a全体に拡散させることができる。
【0066】
このように、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、被処理基板1の外周縁部の成膜速度が速くなる傾向にあるメッキ初期段階には、当該被処理基板1中央部にメッキ液流を集中させるように設定されている整流板10を、メッキ処理が進むに連れてメッキ液流が被メッキ面1aに対して均等に流れるように、整流板駆動装置31により整流板10を下方向に駆動させることにより、実施の形態1と同様、メッキ初期段階だけでなくメッキ処理の終始に渡って、被処理基板1に均一な膜厚のメッキ膜を成膜させることができる。
【0067】
なお、本実施の形態においても、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用したが、アノード電極6は平板であってもよいことは言うまでもない。
【0068】
<実施の形態4>
本実施の形態に係るメッキ処理装置では、被処理基板近傍のメッキ液流の制御をしているインサートリングの内径の大きさを、メッキの処理状況に応じて変化させるインサートリング内径駆動装置が設けられている。
【0069】
実施の形態1で説明したように、メッキ処理が進行すると被処理基板1に対する上記抵抗値Rsの値が低下していくため、当該メッキ処理が進行するにつれて初期のハード設定の均衡が崩れるため、被処理基板1上における電流分布が変化し、最終的には不均一な膜厚のメッキ膜が成膜されてしまう。
【0070】
したがって、メッキ膜が薄く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が密になる制御をし、他方メッキ膜が厚く成膜される傾向にある被処理基板の箇所に対して電流分布が疎になる制御をする必要がある。
【0071】
そこで、図9に示すように本実施の形態では、メッキ液流の制御をしているインサートリング11の内径の大きさを駆動させるインサートリング内径駆動装置41が設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0072】
インサートリング11は、その内径を大きくした場合、被処理基板1の中心部におけるメッキ膜厚が薄くなる傾向にある。
【0073】
そこで、メッキ初期段階では、被処理基板1の外周縁部と中心部との間の当該被処理基板1の大きな抵抗値をRsを相殺するため、インサートリング11の内径を小さくする。これにより、メッキ初期段階において均一なメッキ膜の成膜処理を施すことができる。
【0074】
しかし、メッキ処理が進むに連れて抵抗値Rsが低下するので、これに応じてメッキ液の流れを変化させる必要がある。
【0075】
そこで、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、メッキ処理が進むに連れてインサートリング11の内径を、インサートリング内径駆動装置41により大きくする。
【0076】
このように、本実施の形態に係るメッキ処理装置では、メッキ処理の状況に応じてインサートリング11の内径を、インサートリング内径駆動装置41により拡大させることにより、実施の形態1と同様、メッキ初期段階だけでなくメッキ処理の終始に渡って、被処理基板1に均一な膜厚のメッキ膜を成膜させることができる。
【0077】
なお、本実施の形態においても、中心部の厚みが外周縁部の厚みより厚い形状のアノード電極6を採用したが、アノード電極6は平板であってもよいことは言うまでもない。
【0078】
<実施の形態5>
本実施の形態に係るメッキ処理装置では、被処理基板に電圧を印加するカソード電極として、被処理基板に形成されているチップパターンに応じて当該被処理基板の外周縁部および内部においても接触するような形状のカソード電極が用いられている。
【0079】
図10に示すように、従来では被処理基板1の外周縁部に沿って点在するようにカソード電極とのコンタクト部50を取っていた。
【0080】
しかし、本実施の形態では、図11に示すように、被処理基板1の外周縁部だけでなく、例えばパターンの形成されていないチップなどの境界においても、カソード電極とのコンタクト部50,51が取れるように、カソード電極として、当該被処理基板1に形成されているチップパターンに応じた形状のものを用意する。ここで、被処理基板1とカソード電極とのコンタクトは、メッキ液中で行うウエットコンタクトとなる。
【0081】
このようにすることにより、被処理基板1の外周辺部と内部との電位差を抑制することができ、一様な電流分布を確保することができる。
【0082】
なお、インサートリングと接している部分のカソード電極はリング状であり、当該リング状のカソード電極に、図11で示す網目状のカソード電極の端部を接続することにより、本実施の形態のカソード電極を形成することができる。
【0083】
したがって、本実施の形態に係るメッキ処理装置として、被処理基板1に形成されているチップパターンに応じた形状のカソード電極を採用し、メッキ処理を行うことにより、被処理基板1に均一なメッキ膜の成膜を行うことができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のメッキ処理装置は、メッキ液が満たされているメッキ液槽と、前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極と、前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて、前記アノード電極を駆動させるアノード電極駆動装置とを備えているので、メッキの処理が進むに連れて、アノード電極駆動装置によりアノード電極をカソード側に近づけることができ、メッキ処理の終始に渡って均一なメッキ膜を成幕することができる。
【0085】
なお、アノード電極を駆動させるアノード電極駆動装置の代わりに、前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて前記保持手段を駆動させる保持手段駆動装置、前記被処理基板のメッキ状況に応じて前記整流板を駆動させる整流板駆動装置、または前記被処理基板のメッキ状況に応じて前記インサートリングの内径を変化させるインサートリング内径駆動装置のいずれかを備えることにより、上記と同様に、膜厚の均一なメッキ膜厚を形成することができるメッキ処理装置を提供することができる。
【0086】
本発明の請求項5に記載のメッキ処理装置は、メッキ液が満たされているメッキ液槽と、前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極とを備え、前記カソード電極は、前記被処理基板上に形成されているチップパターンに応じて、前記被処理基板の外周縁部および内部において前記被処理基板と接触しているので、当該カソード電極により被処理基板に対して電圧を印加することにより、被処理基板の外周辺部と内部との電位差を抑制することができ、一様な電流分布を確保することができる。したがって、被処理基板に均一なメッキ膜の成膜を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るメッキ処理装置の構成を示す概略図である。
【図2】メッキ初期段階における実施の形態1に係るメッキ処理装置の様子を示す概略図である。
【図3】アノード電極−カソード電極間の各抵抗を回路図で示した図である。
【図4】メッキ処理が進むに連れてアノード電極の位置が変化する様子を示す図である。
【図5】メッキ初期段階における実施の形態2に係るメッキ処理装置の様子を示す概略図である。
【図6】メッキ処理が進むに連れて保持手段の位置が変化する様子を示す図である。
【図7】メッキ初期段階における実施の形態3に係るメッキ処理装置の様子を示す概略図である。
【図8】メッキ処理が進むに連れて整流板の位置が変化する様子を示す図である。
【図9】実施の形態4に係るメッキ処理装置の構成を示す概略図である。
【図10】従来技術による、被処理基板におけるカソード電極とのコンタクト位置を示す図である。
【図11】実施の形態5に係るメッキ処理装置が有するカソード電極とのコンタクト位置を示す図である。
【符号の説明】
1 被処理基板、1a 被メッキ面、2 保持手段、3 メッキ液槽、3a 底部、4 メッキ液面、5 カソード電極、6 アノード電極、7 供給口、8噴出ノズル、9 フィルタ、10 整流板、11 インサートリング、12 外槽、13 アノード電極駆動装置、21 保持手段駆動装置、31 整流板駆動装置、41 インサートリン内径駆動装置、50,51 コンタクト部。
Claims (7)
- メッキ液が満たされているメッキ液槽と、
前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、
被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、
前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極と、
前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて、前記アノード電極を駆動させるアノード電極駆動装置とを、
備えることを特徴とするメッキ処理装置。 - メッキ液が満たされているメッキ液槽と、
前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、
被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、
前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極と、
前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて、前記保持手段を駆動させる保持手段駆動装置とを、
備えることを特徴とするメッキ処理装置。 - メッキ液が満たされているメッキ液槽と、
前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、
被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、
前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極と、
前記メッキ液を前記メッキ液槽の下方から上方に向けて吹き上げる噴出ノズルと、
前記噴出ノズルの液流を制御する整流板と、
前記被処理基板のメッキ状況に応じて、前記整流板を駆動させる整流板駆動装置とを、
備えることを特徴とするメッキ処理装置。 - メッキ液が満たされているメッキ液槽と、
前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、
被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、
前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極と、
前記メッキ液を前記メッキ液槽の下方から上方に向けて吹き上げる噴出ノズルと、
前記噴出ノズルからの吹き上げられるメッキ液を前記被処理基板表面付近で制御するインサートリングと、
前記被処理基板のメッキ状況に応じて、前記インサートリングの内径を変化させるインサートリング内径駆動装置とを、
備えることを特徴とするメッキ処理装置。 - メッキ液が満たされているメッキ液槽と、
前記メッキ液槽内に配設されているアノード電極と、
被処理基板を保持し、メッキ処理時には当該被処理基板を前記メッキ液に浸漬させる保持手段と、
前記保持手段の前記被処理基板との接触部に配設されており、前記被処理基板に対して電圧を印加するカソード電極とを備え、
前記カソード電極は、
前記被処理基板上に形成されているチップパターンに応じて、前記被処理基板の外周縁部および内部において前記被処理基板と接触している、
ことを特徴とするメッキ処理装置。 - 前記アノード電極は、中央部の厚みが外周縁部の厚みより厚くなっている、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のメッキ処理装置。 - メッキ液が満たされているメッキ液槽内に、アノード電極とカソード電極に接している被処理基板とを対向配置させ、当該アノード電極と当該カソード電極との間に電圧を印加することにより、当該被処理基板にメッキ処理を施すメッキ処理方法であって、
前記被処理基板のメッキ処理状況に応じて、前記アノード電極と前記被処理基板との対向間隔を変化させる、
ことを特徴とするメッキ処理方法。
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