JP2004149667A - 研磨液及びそれを用いた金属の研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディッシング及びエロージョンの発生を抑制しながら、高い研磨速度を得ることができる研磨液及びそれを用いた金属の研磨方法を提供する。
【解決手段】アセチルアセトン、過酸化水素、コロイダルシリカ、クエン酸銅及びBTAを含有する研磨液を使用してCMPを行う。アセチルアセトンは、CuとOを介して結合して錯体を生成する。この錯体を、研磨布及び砥粒により除去することにより、CMPが可能となる。クエン酸銅から電離するCuイオンは、研磨速度を向上させる。また、過酸化水素が酸化剤として作用し、ディッシングが抑制される。更に、BTAが銅の腐食を抑制して、CMPでのディッシングがより一層抑制される。
【選択図】 図3
【解決手段】アセチルアセトン、過酸化水素、コロイダルシリカ、クエン酸銅及びBTAを含有する研磨液を使用してCMPを行う。アセチルアセトンは、CuとOを介して結合して錯体を生成する。この錯体を、研磨布及び砥粒により除去することにより、CMPが可能となる。クエン酸銅から電離するCuイオンは、研磨速度を向上させる。また、過酸化水素が酸化剤として作用し、ディッシングが抑制される。更に、BTAが銅の腐食を抑制して、CMPでのディッシングがより一層抑制される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造に当たり利用される化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)に好適な研磨液及びそれを用いた金属の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高集積化及び高性能化に伴い、多層配線形成技術の一つとして、CMPが利用されている。CMPは、特に、ダマシンプロセスにおいて、配線金属材料としてCuを用いる場合に有効である。ダマシンプロセスでは、絶縁膜に配線溝のみ又は配線溝及びビアホールを形成し、これらの内側面上にCuの絶縁膜中への拡散を防止するためのバリアメタル膜を堆積し、配線溝やビアホール内にCu膜を埋め込む。その後、不要なバリアメタル膜及びCu膜をCMPにより除去することにより、配線溝やビアホール内のみにこれらの膜を残存させる。このような技術は、D. Edelstein et al., IEDM Tech. Dig., P.773 (1997)に記載されている。
【0003】
金属のCMPでは、金属用研磨液が用いられる。この金属用研磨液には、一般的には、金属酸化物及び砥粒が含まれており、更に、必要に応じて金属溶解剤や保護膜形成剤が含まれている。
【0004】
金属のCMPの一般的な方法は、次のとおりである。先ず、研磨パッドが貼り付けられた回転可能な円形の研磨定盤上に研磨液を供給し、ここに、研磨ヘッドに保持されたウェハの研磨面を押し付ける。そして、ウェハの裏面から所定の圧力(以下、加工圧という。)を印加し、研磨液の化学作用並びに研磨パッド及び研磨液に含まれる砥粒の機械的作用によって金属材を研磨する。従って、金属表面の酸化物や保護膜を研磨パッドや砥粒の機械的作用で除去することは、研磨の基本的なメカニズムである。
【0005】
そして、このCMPでは、配線パターンの凹部には研磨パッドが届きにくいため、凸部が優先的に研磨され平坦化される。このようなメカニズムは、例えば応用物理 第68巻 第11号 1243 (1999)に記載されている。
【0006】
半導体装置において、CMPを用いて形成された配線には、例えば5×105A/cm2程度の電流が流され、配線の形成に当たっては、設計どおりの配線断面積を保証する加工を行う必要があるが、従来の研磨液を使用した研磨方法では、十分に良好な加工を行うのは困難である。CMPにおいて問題視される現象としてディッシング及びエロージョンが挙げられ、これらを可能な限り抑制する必要がある。
【0007】
ディッシングとは、研磨パッドの変形に起因として金属表面が皿状に窪む現象をいい、幅が広い配線で発生しやすい。一方、エロージョンとは、配線間を絶縁分離する絶縁膜の幅が狭い場合に、そこに加工圧が集中して、この部分が速く研磨されて、配線断面積が減少してしまう現象である。従って、これらの原因を考慮すれば、これらを防止するために、研磨パッドの粘弾性変形を抑制すること及び加工圧を下げることが有効である。また、砥粒の使用量を可能な限り低減するか、砥粒を全く使用しないことで、機械的作用を抑制することも有効である。
【0008】
また、CMPにおける他の問題点として、多層配線構造の絶縁膜に、誘電率が低い膜を使用した場合に、この絶縁膜の強度が低いために、高い加工圧で研磨を行うと絶縁膜が破壊されて配線間のリークが発生することもある。
【0009】
しかし、一般に使用されている研磨液には、キナルジン酸やグリシンが含有されており、これらとCuとでは、夫々8−キリノラト錯体、グリシナト錯体が生成される。但し、これらの錯体では、有機物とCuとがNを介して結合されており、低い加工圧で速やかに除去することは極めて困難である。
【0010】
また、砥粒を含有せず、ベンゾトリアゾール(BTA)でCu表面にBTA−Cuの保護膜を生成する研磨液もある。しかし、この研磨液を使用した場合、平坦化がある程度進行した後には、加工圧を上げなければBTA−Cuを効率的に除去できなくなる。
【0011】
そこで、特開2000−1667号公報には、砥粒としてビニル化合物重合体樹脂粒子を含有すると共に、Cuとの錯体を生成する化合物としてβジケトン化合物及び過酸化水素を含む研磨液が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−1667号公報
【特許文献2】
特開2000−252243号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−1667号公報に記載された研磨液を使用してCMPを行っても、十分な研磨速度が得られない。
【0014】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、ディッシング及びエロージョンの発生を抑制しながら、高い研磨速度を得ることができる研磨液及びそれを用いた金属の研磨方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、鋭意検討の結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0016】
本発明に係る研磨液は、βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る金属の研磨方法は、βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有する研磨液を用いて金属材を研磨することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る研磨液及びそれを使用した研磨方法について添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
−本発明の基本的原理−
先ず、本発明の基本的原理について説明する。本発明に係る研磨液には、少なくとも、βジケトン化合物と、Cuイオンとが含有され、適宜、Cuの防食剤が含有される。
【0020】
βジケトン化合物は、CuとOを介して結合して錯体を生成する。この錯体は難溶性であるが、これを、例えば研磨布及び/又は砥粒により除去することにより、CMPが可能となる。βジケトン化合物には、例えばアセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びベンゾイルトリフルオロアセトンがある。但し、これらのうちでもアセチルアセトンが最も望ましい。
【0021】
このとき、アセチルアセトンの含有量が0.5質量%未満であると、アセチルアセトンとCuとの錯体であるアセチルアセトナト銅錯体が十分に生成されず、研磨速度が低下する場合がある。一方、アセチルアセトンの含有量が1.0質量%を超えると、十分な加工速度が得られない場合がある。従って、アセチルアセトンの含有量は、0.5乃至1.0質量%であることが望ましい。
【0022】
Cuイオンは、研磨速度を向上させる。Cuイオンの供給源としては、例えばCuの化合物からなる酸化剤及びCuの化合物からなるキレート剤が挙げられる。このうち、前者の酸化剤としては、例えば硝酸銅が挙げられる。一方、後者のキレート剤としては、例えばクエン酸銅が挙げられる。また、Cuイオンの供給源として、酢酸銅又は蓚酸銅を使用してもよい。
【0023】
Cuの防食剤は、銅の腐食を抑制して、CMPでのディッシングを低下させる。銅の腐食剤としては、例えばベンゾトリアゾール(BTA)、ナフトトリアゾール、ベンズオキサゾールオール(BOT)、インドール及びインズイミダゾール(BIA)が挙げられる。なお、BTAを使用する場合には、その含有量を0.1乃至1.0質量%とすることが望ましい。BTAの含有量が0.1質量%未満であると、腐食を抑制する効果が十分に得られない虞がある。そして、BTAの含有量が0.1質量%の場合、硝酸銅の含有量は1質量%以下であることが望ましい。また、硝酸銅の含有量が多いほど、BTAの含有量を増加させて銅のエッチングを抑制することが望ましい。
【0024】
なお、研磨液には、Cuイオンの供給源とならない酸化剤が含有されていてもよい。このような酸化剤としては、例えば過酸化水素が挙げられる。但し、過酸化水素の含有量が高すぎると、製造コストが高くなってしまう。また、砥粒として、シリカ粒子が含まれていてもよい。
【0025】
また、本発明に係る研磨液を使用して金属材、例えばCu又はCu合金膜を研磨する際には、加工圧を21kPa(3psi)以下とすることが望ましい。この研磨液を使用すれば、印加する加工圧を21kPa以下としても、速い加工速度が得られ、また、加工圧を低くすることにより、エロージョンを抑制することができる。
【0026】
ここで、本発明に係る研磨液を使用した研磨方法の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る金属の研磨方法を適用した半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0027】
先ず、図1(a)に示すように、層間絶縁膜2中に埋め込まれたCu配線1上に、キャップ膜3、層間絶縁膜4、エッチストッパ膜5及び層間絶縁膜6を順次堆積する。次に、配線溝のパターンが形成されたマスク(図示せず)を使用して、層間絶縁膜6をエッチングすることにより、層間絶縁膜6に配線溝11を形成する。
【0028】
次いで、図1(b)に示すように、ビアホールのパターンが形成されたマスク(図示せず)を使用して、エッチストッパ膜5及び層間絶縁膜4をビアホールの平面形状にエッチングする。
【0029】
続いて、図1(c)に示すように、エッチストッパ膜5及び層間絶縁膜4をマスクとして、キャップ膜3のエッチングを行うことにより、ビアホール10を形成する。その後、配線溝11及びビアホール10の底面及び側面上にバリアメタル膜(図示せず)を形成し、配線溝11及びビアホール10内に配線材料を埋め込む。そして、この配線材料をCMPにより平坦化することにより、Cu配線7を形成する。このCMPにおいて、本発明に係る研磨剤を使用する。この研磨剤を使用することにより、ディッシング及びエロージョンを抑制しながら、速い速度で研磨を行うことができる。このときの加工圧は、例えば21kPa(3psi)以下とする。
【0030】
次に、図1(d)に示すように、上層のキャップ膜8及び層間絶縁膜9を更に順次堆積する。そして、適宜、上層配線及びカバー膜等を形成して半導体装置を完成させる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、比較例と比較しながら説明する。
【0032】
(第1実験例)
先ず、下記表1に示す組成の研磨液を作製した。なお、比較例5は、日立化成工業株式会社製のHC430A3に過酸化水素を10質量%含有させたものである。
【0033】
【表1】
【0034】
次に、これらの研磨液を使用し、下記表2の条件の下で、Cu配線のCMPを行った。図2は、CMP装置を示す模式図である。このCMP装置では、その表面に研磨パッド14が貼り付けられた回転可能な定盤(プラテン)11、ウェハ15を固定する研磨ヘッド12、研磨パッド14の状態を調整するパッドコンディショナ13が設けられており、定盤18の中央部に、ノズル16から研磨液(スラリー)17が供給される。研磨ヘッド12及びパッドコンディショナ13は、回転可能であると共に、定盤18の半径方向に移動可能である。Cu配線のCMPでは、図2に示すCMP装置を使用した。なお、研磨パッド14としては、ロデール社のPad IC100を使用した。また、CMPの終了条件としては、エンドポイントを採用した。
【0035】
【表2】
【0036】
そして、このCMPの際に加工速度(研磨速度)を測定した。また、CMPの終了後に、日立精機社製のAFMを使用して、1辺の長さが100μmの正方形状のCuパッドのディッシングを測定し、1辺の長さが100μmの正方形領域内に形成され、線幅が0.15μmのライン・アンド・スペース(L/S)パターンのエロージョンを測定した。これらの結果を下記表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
表3に示すように、本発明の実施例1乃至実施例4では、加工速度が320(nm/m)と速いと共に、ディッシングとエロージョンとの和が60nm以下と良好であった。特に、防食剤が含有されている実施例2及び4では、ディッシングとエロージョンとの和が40nm以下と極めて良好であった。
【0039】
一方、比較例1及び4では、十分な加工速度が得られなかった。比較例2及び3では、高い加工速度が得られているが、過酸化水素の含有量が10質量%と、実施例1乃至4と比較すると過酸化水素の含有量が極めて高く、コストが上昇するため好ましくない。
【0040】
また、これらの結果から、酸化剤である過酸化水素の含有量が増加するほど、加工速度が上昇するが、その一方で、ディッシングが増加することが分かる(比較例1及び2参照)。防食剤が含有されると、ディッシングが抑制されることも分かる(実施例1及び2、実施例3及び4、比較例2及び3参照)。Cuイオンが含有されると、加工速度が上昇することも分かる(実施例1、比較例1及び比較例4参照)。
【0041】
図3に、実施例2の研磨液及び市販されているキナルジン酸を含む従来の研磨液を使用して歩留りを測定した結果を示す。この歩留りの測定では、層間絶縁膜としてダウ・ケミカル社製のSiLK(登録商標)からなる膜を形成し、この層間絶縁膜に、線幅が0.14μmで、長さが34.8mのL/Sパターンを形成し、この配線の抵抗を測定した。L/Sパターンの形成時に、上述の研磨液を使用したCMPを行った。図3中の「□」は実施例2の研磨液を使用した結果を示し、「△」、「◇」、「+」及び「×」は従来の研磨液を使用した結果を示す。
【0042】
図3に示すように、実施例2の研磨液を使用した場合には、抵抗のばらつきが少ない。即ち、高い歩留りが得られた。これに対し、従来の研磨液を使用した場合には、層間絶縁膜がCMP中に破壊され、抵抗が大きくばらついた。即ち、歩留りが低かった。
【0043】
(第2実験例)
先ず、下記表4に示す組成の研磨液を作製した。次に、これらの研磨液を使用し、表2の条件の下で、Cu配線のCMPを行った。そして、このCMPの際に加工速度(研磨速度)を測定した。この結果を下記表4に併せて示す。
【0044】
【表4】
【0045】
表4に示すように、アセチルアセトンの含有量を0.5乃至1.0質量%とした場合に、特に高い加工速度が得られた。
【0046】
(第3実験例)
先ず、下記表5に示す組成の研磨液を作製した。次に、これらの研磨液を使用し、表2の条件の下で、Cu配線のCMPを行った。そして、このCMPの際に加工速度(研磨速度)を測定した。この結果を下記表5に併せて示す。
【0047】
【表5】
【0048】
表5に示すように、クエン酸銅の含有量が高いほど、高い加工速度が得られた。
【0049】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0050】
(付記1) βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有することを特徴とする研磨液。
【0051】
(付記2) 更に、Cuの防食剤を含有することを特徴とする付記1に記載の研磨液。
【0052】
(付記3) 前記Cuイオンの供給源として、Cuの化合物からなる酸化剤を含有することを特徴とする付記1又は2に記載の研磨液。
【0053】
(付記4) 前記Cuイオンの供給源として、Cuの化合物からなるキレート剤を含有することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の研磨液。
【0054】
(付記5) 前記βジケトン化合物として、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びベンゾイルトリフルオロアセトンからなる群から選択された少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の研磨液。
【0055】
(付記6) 前記βジケトン化合物として、アセチルアセトンを含有し、その含有量は0.5乃至1.0質量%であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の研磨液。
【0056】
(付記7) 前記Cuの防食剤として、ベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、ベンズオキサゾールオール、インドール及びインズイミダゾールからなる群から選択された少なくとも1種の防食剤を含有することを特徴とする付記2乃至6のいずれか1項に記載の研磨液。
【0057】
(付記8) 更に、酸化剤を含有することを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の研磨液。
【0058】
(付記9) 前記酸化剤として、過酸化水素を含有することを特徴とする付記8に記載の研磨液。
【0059】
(付記10) 更に、砥粒としてシリカ粒子を含有することを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の研磨液。
【0060】
(付記11) Cuを含有する部材の研磨に使用されることを特徴とする付記1乃至10のいずれか1項に記載の研磨液。
【0061】
(付記12) βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有する研磨液を用いて金属材を研磨することを特徴とする金属の研磨方法。
【0062】
(付記13) 前記研磨液として、更に、Cuの防食剤を含有するものを使用することを特徴とする付記12に記載の金属の研磨方法。
【0063】
(付記14) 前記研磨液として、前記Cuイオンの供給源としてCuの化合物からなる酸化剤を含有するものを使用することを特徴とする付記12又は13に記載の金属の研磨方法。
【0064】
(付記15) 前記研磨液として、前記Cuイオンの供給源としてCuの化合物からなるキレート剤を含有するものを使用することを特徴とする付記12乃至14のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0065】
(付記16) 前記研磨液として、前記βジケトン化合物として、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びベンゾイルトリフルオロアセトンからなる群から選択された少なくとも1種の化合物を含有するものを使用することを特徴とする付記12乃至15のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0066】
(付記17) 前記研磨液として、前記βジケトン化合物として、アセチルアセトンを含有し、その含有量は0.5乃至1.0質量%であるものを使用することを特徴とする付記12乃至15のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0067】
(付記18) 前記研磨液として、前記Cuの防食剤として、ベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、ベンズオキサゾールオール、インドール及びインズイミダゾールからなる群から選択された少なくとも1種の防食剤を含有するものを使用することを特徴とする付記13乃至17のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0068】
(付記19) 前記研磨液として、更に、酸化剤を含有するものを使用することを特徴とする付記12乃至18のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0069】
(付記20) 前記研磨液として、前記酸化剤として過酸化水素を含有するものを使用することを特徴とする付記19に記載の金属の研磨方法。
【0070】
(付記21) 前記研磨液として、更に、砥粒としてシリカ粒子を含有するものを使用することを特徴とする付記12乃至20のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0071】
(付記22) 前記金属材として、Cuを含有する部材を研磨することを特徴とする付記12乃至21のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0072】
(付記23) 21kPa以下の圧力を印加しながら前記金属材を研磨することを特徴とする付記12乃至22のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ディッシング及びエロージョンの発生を抑制しながら、高い研磨速度を得ることができる。従って、機械的強度が弱い層間絶縁膜を使用した場合であっても、高い歩留りで配線材料のCMPを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る金属の研磨方法を適用した半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図2】CMP装置を示す模式図である。
【図3】横軸に抵抗をとり、縦軸に累積確率をとって種々の例における両者の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、7;Cu配線
2、4、6;層間絶縁膜
3、8、9;キャップ膜
5;エッチストッパ膜
10;ビアホール
11;配線溝
12;研磨ヘッド
13;パッドコンディショナ
14;研磨パッド
15;ウェハ
16;ノズル
17;研磨液
18;定盤
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造に当たり利用される化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)に好適な研磨液及びそれを用いた金属の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高集積化及び高性能化に伴い、多層配線形成技術の一つとして、CMPが利用されている。CMPは、特に、ダマシンプロセスにおいて、配線金属材料としてCuを用いる場合に有効である。ダマシンプロセスでは、絶縁膜に配線溝のみ又は配線溝及びビアホールを形成し、これらの内側面上にCuの絶縁膜中への拡散を防止するためのバリアメタル膜を堆積し、配線溝やビアホール内にCu膜を埋め込む。その後、不要なバリアメタル膜及びCu膜をCMPにより除去することにより、配線溝やビアホール内のみにこれらの膜を残存させる。このような技術は、D. Edelstein et al., IEDM Tech. Dig., P.773 (1997)に記載されている。
【0003】
金属のCMPでは、金属用研磨液が用いられる。この金属用研磨液には、一般的には、金属酸化物及び砥粒が含まれており、更に、必要に応じて金属溶解剤や保護膜形成剤が含まれている。
【0004】
金属のCMPの一般的な方法は、次のとおりである。先ず、研磨パッドが貼り付けられた回転可能な円形の研磨定盤上に研磨液を供給し、ここに、研磨ヘッドに保持されたウェハの研磨面を押し付ける。そして、ウェハの裏面から所定の圧力(以下、加工圧という。)を印加し、研磨液の化学作用並びに研磨パッド及び研磨液に含まれる砥粒の機械的作用によって金属材を研磨する。従って、金属表面の酸化物や保護膜を研磨パッドや砥粒の機械的作用で除去することは、研磨の基本的なメカニズムである。
【0005】
そして、このCMPでは、配線パターンの凹部には研磨パッドが届きにくいため、凸部が優先的に研磨され平坦化される。このようなメカニズムは、例えば応用物理 第68巻 第11号 1243 (1999)に記載されている。
【0006】
半導体装置において、CMPを用いて形成された配線には、例えば5×105A/cm2程度の電流が流され、配線の形成に当たっては、設計どおりの配線断面積を保証する加工を行う必要があるが、従来の研磨液を使用した研磨方法では、十分に良好な加工を行うのは困難である。CMPにおいて問題視される現象としてディッシング及びエロージョンが挙げられ、これらを可能な限り抑制する必要がある。
【0007】
ディッシングとは、研磨パッドの変形に起因として金属表面が皿状に窪む現象をいい、幅が広い配線で発生しやすい。一方、エロージョンとは、配線間を絶縁分離する絶縁膜の幅が狭い場合に、そこに加工圧が集中して、この部分が速く研磨されて、配線断面積が減少してしまう現象である。従って、これらの原因を考慮すれば、これらを防止するために、研磨パッドの粘弾性変形を抑制すること及び加工圧を下げることが有効である。また、砥粒の使用量を可能な限り低減するか、砥粒を全く使用しないことで、機械的作用を抑制することも有効である。
【0008】
また、CMPにおける他の問題点として、多層配線構造の絶縁膜に、誘電率が低い膜を使用した場合に、この絶縁膜の強度が低いために、高い加工圧で研磨を行うと絶縁膜が破壊されて配線間のリークが発生することもある。
【0009】
しかし、一般に使用されている研磨液には、キナルジン酸やグリシンが含有されており、これらとCuとでは、夫々8−キリノラト錯体、グリシナト錯体が生成される。但し、これらの錯体では、有機物とCuとがNを介して結合されており、低い加工圧で速やかに除去することは極めて困難である。
【0010】
また、砥粒を含有せず、ベンゾトリアゾール(BTA)でCu表面にBTA−Cuの保護膜を生成する研磨液もある。しかし、この研磨液を使用した場合、平坦化がある程度進行した後には、加工圧を上げなければBTA−Cuを効率的に除去できなくなる。
【0011】
そこで、特開2000−1667号公報には、砥粒としてビニル化合物重合体樹脂粒子を含有すると共に、Cuとの錯体を生成する化合物としてβジケトン化合物及び過酸化水素を含む研磨液が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−1667号公報
【特許文献2】
特開2000−252243号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−1667号公報に記載された研磨液を使用してCMPを行っても、十分な研磨速度が得られない。
【0014】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、ディッシング及びエロージョンの発生を抑制しながら、高い研磨速度を得ることができる研磨液及びそれを用いた金属の研磨方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、鋭意検討の結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0016】
本発明に係る研磨液は、βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る金属の研磨方法は、βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有する研磨液を用いて金属材を研磨することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る研磨液及びそれを使用した研磨方法について添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
−本発明の基本的原理−
先ず、本発明の基本的原理について説明する。本発明に係る研磨液には、少なくとも、βジケトン化合物と、Cuイオンとが含有され、適宜、Cuの防食剤が含有される。
【0020】
βジケトン化合物は、CuとOを介して結合して錯体を生成する。この錯体は難溶性であるが、これを、例えば研磨布及び/又は砥粒により除去することにより、CMPが可能となる。βジケトン化合物には、例えばアセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びベンゾイルトリフルオロアセトンがある。但し、これらのうちでもアセチルアセトンが最も望ましい。
【0021】
このとき、アセチルアセトンの含有量が0.5質量%未満であると、アセチルアセトンとCuとの錯体であるアセチルアセトナト銅錯体が十分に生成されず、研磨速度が低下する場合がある。一方、アセチルアセトンの含有量が1.0質量%を超えると、十分な加工速度が得られない場合がある。従って、アセチルアセトンの含有量は、0.5乃至1.0質量%であることが望ましい。
【0022】
Cuイオンは、研磨速度を向上させる。Cuイオンの供給源としては、例えばCuの化合物からなる酸化剤及びCuの化合物からなるキレート剤が挙げられる。このうち、前者の酸化剤としては、例えば硝酸銅が挙げられる。一方、後者のキレート剤としては、例えばクエン酸銅が挙げられる。また、Cuイオンの供給源として、酢酸銅又は蓚酸銅を使用してもよい。
【0023】
Cuの防食剤は、銅の腐食を抑制して、CMPでのディッシングを低下させる。銅の腐食剤としては、例えばベンゾトリアゾール(BTA)、ナフトトリアゾール、ベンズオキサゾールオール(BOT)、インドール及びインズイミダゾール(BIA)が挙げられる。なお、BTAを使用する場合には、その含有量を0.1乃至1.0質量%とすることが望ましい。BTAの含有量が0.1質量%未満であると、腐食を抑制する効果が十分に得られない虞がある。そして、BTAの含有量が0.1質量%の場合、硝酸銅の含有量は1質量%以下であることが望ましい。また、硝酸銅の含有量が多いほど、BTAの含有量を増加させて銅のエッチングを抑制することが望ましい。
【0024】
なお、研磨液には、Cuイオンの供給源とならない酸化剤が含有されていてもよい。このような酸化剤としては、例えば過酸化水素が挙げられる。但し、過酸化水素の含有量が高すぎると、製造コストが高くなってしまう。また、砥粒として、シリカ粒子が含まれていてもよい。
【0025】
また、本発明に係る研磨液を使用して金属材、例えばCu又はCu合金膜を研磨する際には、加工圧を21kPa(3psi)以下とすることが望ましい。この研磨液を使用すれば、印加する加工圧を21kPa以下としても、速い加工速度が得られ、また、加工圧を低くすることにより、エロージョンを抑制することができる。
【0026】
ここで、本発明に係る研磨液を使用した研磨方法の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る金属の研磨方法を適用した半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0027】
先ず、図1(a)に示すように、層間絶縁膜2中に埋め込まれたCu配線1上に、キャップ膜3、層間絶縁膜4、エッチストッパ膜5及び層間絶縁膜6を順次堆積する。次に、配線溝のパターンが形成されたマスク(図示せず)を使用して、層間絶縁膜6をエッチングすることにより、層間絶縁膜6に配線溝11を形成する。
【0028】
次いで、図1(b)に示すように、ビアホールのパターンが形成されたマスク(図示せず)を使用して、エッチストッパ膜5及び層間絶縁膜4をビアホールの平面形状にエッチングする。
【0029】
続いて、図1(c)に示すように、エッチストッパ膜5及び層間絶縁膜4をマスクとして、キャップ膜3のエッチングを行うことにより、ビアホール10を形成する。その後、配線溝11及びビアホール10の底面及び側面上にバリアメタル膜(図示せず)を形成し、配線溝11及びビアホール10内に配線材料を埋め込む。そして、この配線材料をCMPにより平坦化することにより、Cu配線7を形成する。このCMPにおいて、本発明に係る研磨剤を使用する。この研磨剤を使用することにより、ディッシング及びエロージョンを抑制しながら、速い速度で研磨を行うことができる。このときの加工圧は、例えば21kPa(3psi)以下とする。
【0030】
次に、図1(d)に示すように、上層のキャップ膜8及び層間絶縁膜9を更に順次堆積する。そして、適宜、上層配線及びカバー膜等を形成して半導体装置を完成させる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、比較例と比較しながら説明する。
【0032】
(第1実験例)
先ず、下記表1に示す組成の研磨液を作製した。なお、比較例5は、日立化成工業株式会社製のHC430A3に過酸化水素を10質量%含有させたものである。
【0033】
【表1】
【0034】
次に、これらの研磨液を使用し、下記表2の条件の下で、Cu配線のCMPを行った。図2は、CMP装置を示す模式図である。このCMP装置では、その表面に研磨パッド14が貼り付けられた回転可能な定盤(プラテン)11、ウェハ15を固定する研磨ヘッド12、研磨パッド14の状態を調整するパッドコンディショナ13が設けられており、定盤18の中央部に、ノズル16から研磨液(スラリー)17が供給される。研磨ヘッド12及びパッドコンディショナ13は、回転可能であると共に、定盤18の半径方向に移動可能である。Cu配線のCMPでは、図2に示すCMP装置を使用した。なお、研磨パッド14としては、ロデール社のPad IC100を使用した。また、CMPの終了条件としては、エンドポイントを採用した。
【0035】
【表2】
【0036】
そして、このCMPの際に加工速度(研磨速度)を測定した。また、CMPの終了後に、日立精機社製のAFMを使用して、1辺の長さが100μmの正方形状のCuパッドのディッシングを測定し、1辺の長さが100μmの正方形領域内に形成され、線幅が0.15μmのライン・アンド・スペース(L/S)パターンのエロージョンを測定した。これらの結果を下記表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
表3に示すように、本発明の実施例1乃至実施例4では、加工速度が320(nm/m)と速いと共に、ディッシングとエロージョンとの和が60nm以下と良好であった。特に、防食剤が含有されている実施例2及び4では、ディッシングとエロージョンとの和が40nm以下と極めて良好であった。
【0039】
一方、比較例1及び4では、十分な加工速度が得られなかった。比較例2及び3では、高い加工速度が得られているが、過酸化水素の含有量が10質量%と、実施例1乃至4と比較すると過酸化水素の含有量が極めて高く、コストが上昇するため好ましくない。
【0040】
また、これらの結果から、酸化剤である過酸化水素の含有量が増加するほど、加工速度が上昇するが、その一方で、ディッシングが増加することが分かる(比較例1及び2参照)。防食剤が含有されると、ディッシングが抑制されることも分かる(実施例1及び2、実施例3及び4、比較例2及び3参照)。Cuイオンが含有されると、加工速度が上昇することも分かる(実施例1、比較例1及び比較例4参照)。
【0041】
図3に、実施例2の研磨液及び市販されているキナルジン酸を含む従来の研磨液を使用して歩留りを測定した結果を示す。この歩留りの測定では、層間絶縁膜としてダウ・ケミカル社製のSiLK(登録商標)からなる膜を形成し、この層間絶縁膜に、線幅が0.14μmで、長さが34.8mのL/Sパターンを形成し、この配線の抵抗を測定した。L/Sパターンの形成時に、上述の研磨液を使用したCMPを行った。図3中の「□」は実施例2の研磨液を使用した結果を示し、「△」、「◇」、「+」及び「×」は従来の研磨液を使用した結果を示す。
【0042】
図3に示すように、実施例2の研磨液を使用した場合には、抵抗のばらつきが少ない。即ち、高い歩留りが得られた。これに対し、従来の研磨液を使用した場合には、層間絶縁膜がCMP中に破壊され、抵抗が大きくばらついた。即ち、歩留りが低かった。
【0043】
(第2実験例)
先ず、下記表4に示す組成の研磨液を作製した。次に、これらの研磨液を使用し、表2の条件の下で、Cu配線のCMPを行った。そして、このCMPの際に加工速度(研磨速度)を測定した。この結果を下記表4に併せて示す。
【0044】
【表4】
【0045】
表4に示すように、アセチルアセトンの含有量を0.5乃至1.0質量%とした場合に、特に高い加工速度が得られた。
【0046】
(第3実験例)
先ず、下記表5に示す組成の研磨液を作製した。次に、これらの研磨液を使用し、表2の条件の下で、Cu配線のCMPを行った。そして、このCMPの際に加工速度(研磨速度)を測定した。この結果を下記表5に併せて示す。
【0047】
【表5】
【0048】
表5に示すように、クエン酸銅の含有量が高いほど、高い加工速度が得られた。
【0049】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0050】
(付記1) βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有することを特徴とする研磨液。
【0051】
(付記2) 更に、Cuの防食剤を含有することを特徴とする付記1に記載の研磨液。
【0052】
(付記3) 前記Cuイオンの供給源として、Cuの化合物からなる酸化剤を含有することを特徴とする付記1又は2に記載の研磨液。
【0053】
(付記4) 前記Cuイオンの供給源として、Cuの化合物からなるキレート剤を含有することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の研磨液。
【0054】
(付記5) 前記βジケトン化合物として、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びベンゾイルトリフルオロアセトンからなる群から選択された少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の研磨液。
【0055】
(付記6) 前記βジケトン化合物として、アセチルアセトンを含有し、その含有量は0.5乃至1.0質量%であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の研磨液。
【0056】
(付記7) 前記Cuの防食剤として、ベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、ベンズオキサゾールオール、インドール及びインズイミダゾールからなる群から選択された少なくとも1種の防食剤を含有することを特徴とする付記2乃至6のいずれか1項に記載の研磨液。
【0057】
(付記8) 更に、酸化剤を含有することを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の研磨液。
【0058】
(付記9) 前記酸化剤として、過酸化水素を含有することを特徴とする付記8に記載の研磨液。
【0059】
(付記10) 更に、砥粒としてシリカ粒子を含有することを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の研磨液。
【0060】
(付記11) Cuを含有する部材の研磨に使用されることを特徴とする付記1乃至10のいずれか1項に記載の研磨液。
【0061】
(付記12) βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有する研磨液を用いて金属材を研磨することを特徴とする金属の研磨方法。
【0062】
(付記13) 前記研磨液として、更に、Cuの防食剤を含有するものを使用することを特徴とする付記12に記載の金属の研磨方法。
【0063】
(付記14) 前記研磨液として、前記Cuイオンの供給源としてCuの化合物からなる酸化剤を含有するものを使用することを特徴とする付記12又は13に記載の金属の研磨方法。
【0064】
(付記15) 前記研磨液として、前記Cuイオンの供給源としてCuの化合物からなるキレート剤を含有するものを使用することを特徴とする付記12乃至14のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0065】
(付記16) 前記研磨液として、前記βジケトン化合物として、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びベンゾイルトリフルオロアセトンからなる群から選択された少なくとも1種の化合物を含有するものを使用することを特徴とする付記12乃至15のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0066】
(付記17) 前記研磨液として、前記βジケトン化合物として、アセチルアセトンを含有し、その含有量は0.5乃至1.0質量%であるものを使用することを特徴とする付記12乃至15のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0067】
(付記18) 前記研磨液として、前記Cuの防食剤として、ベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、ベンズオキサゾールオール、インドール及びインズイミダゾールからなる群から選択された少なくとも1種の防食剤を含有するものを使用することを特徴とする付記13乃至17のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0068】
(付記19) 前記研磨液として、更に、酸化剤を含有するものを使用することを特徴とする付記12乃至18のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0069】
(付記20) 前記研磨液として、前記酸化剤として過酸化水素を含有するものを使用することを特徴とする付記19に記載の金属の研磨方法。
【0070】
(付記21) 前記研磨液として、更に、砥粒としてシリカ粒子を含有するものを使用することを特徴とする付記12乃至20のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0071】
(付記22) 前記金属材として、Cuを含有する部材を研磨することを特徴とする付記12乃至21のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0072】
(付記23) 21kPa以下の圧力を印加しながら前記金属材を研磨することを特徴とする付記12乃至22のいずれか1項に記載の金属の研磨方法。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ディッシング及びエロージョンの発生を抑制しながら、高い研磨速度を得ることができる。従って、機械的強度が弱い層間絶縁膜を使用した場合であっても、高い歩留りで配線材料のCMPを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る金属の研磨方法を適用した半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図2】CMP装置を示す模式図である。
【図3】横軸に抵抗をとり、縦軸に累積確率をとって種々の例における両者の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、7;Cu配線
2、4、6;層間絶縁膜
3、8、9;キャップ膜
5;エッチストッパ膜
10;ビアホール
11;配線溝
12;研磨ヘッド
13;パッドコンディショナ
14;研磨パッド
15;ウェハ
16;ノズル
17;研磨液
18;定盤
Claims (10)
- βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有することを特徴とする研磨液。
- 更に、Cuの防食剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の研磨液。
- 前記Cuイオンの供給源として、Cuの化合物からなる酸化剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨液。
- 前記Cuイオンの供給源として、Cuの化合物からなるキレート剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の研磨液。
- 前記βジケトン化合物として、アセチルアセトンを含有し、その含有量は0.5乃至1.0質量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の研磨液。
- 更に、酸化剤を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の研磨液。
- 更に、砥粒としてシリカ粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の研磨液。
- βジケトン化合物と、Cuイオンと、を含有する研磨液を用いて金属材を研磨することを特徴とする金属の研磨方法。
- 前記研磨液として、更に、Cuの防食剤を含有するものを使用することを特徴とする請求項8に記載の金属の研磨方法。
- 21kPa以下の圧力を印加しながら前記金属材を研磨することを特徴とする請求項8又は9に記載の金属の研磨方法。
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