JP2004149432A - 脱共役蛋白質発現誘導剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】UCPを活性化することにより、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させることができる、脱共役蛋白質発現誘導剤を提供すること。
【解決手段】脂質および炭水化物の代謝改善剤として有用な脱共役蛋白質発現誘導剤が開示されている。本発明の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ミカン科植物抽出物を有効成分として含有するか、あるいは以下の式(I):
【化1】
(ここで、R1は水素原子、あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基であり、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルコキシ基であり、そしてR5は、分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基である)で表されるポリアルコキシフラボノイドを有効成分として含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】脂質および炭水化物の代謝改善剤として有用な脱共役蛋白質発現誘導剤が開示されている。本発明の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ミカン科植物抽出物を有効成分として含有するか、あるいは以下の式(I):
【化1】
(ここで、R1は水素原子、あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基であり、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルコキシ基であり、そしてR5は、分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基である)で表されるポリアルコキシフラボノイドを有効成分として含有する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱共役蛋白質の発現を誘導するための組成物に関し、より詳細には、脱共役蛋白質を活性化させることにより、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させることのできる、脱共役蛋白質発現誘導剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体内の酸化的リン酸化において、電子伝達で得られたエネルギーがATP合成反応に共役することが阻害される場合がある。このような阻害を一般に脱共役という。
【0003】
脱共役は、ATP合成に共役される化学エネルギーを熱エネルギーに変換する点で重要な生体機能の1つである。脱共役蛋白質(以下、UCPという)は、脂肪組織、骨格筋、肝臓などの中のミトコンドリアに存在し、生体内の酸化的リン酸化において電子伝達で得られたエネルギーがATP合成反応に共役することを阻害して、ATP合成に共役する化学エネルギーを熱エネルギーに変換するプロトンチャンネル蛋白質として機能する。このようなUCPを活性化することができれば、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が向上すると考えられる。
【0004】
しかし、従来、このようなUCPの活性化に寄与するUCP発現誘導剤はほとんど知られておらず、そのような薬剤の開発が所望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、UCPを活性化することにより、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させることができる、脱共役蛋白質発現誘導剤を提供することにある。
【0006】
本発明は、ミカン科植物抽出物を有効成分として含有する、脱共役蛋白質発現誘導剤である。
【0007】
本発明はまた、以下の式(I):
【0008】
【化3】
【0009】
(ここで、R1は水素原子、あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基であり、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルコキシ基であり、そしてR5は、分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基である)で表されるポリアルコキシフラボノイドを有効成分として含有する、脱共役蛋白質発現誘導剤である。
【0010】
好ましい実施態様では、上記ポリアルコキシフラボノイドは、以下の式(II):
【0011】
【化4】
【0012】
で表されるノビレチンである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述するにあたり、まず本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤について説明する。
【0014】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ミカン科植物抽出物を有効成分として含有する。
【0015】
従来、ミカン科植物の抽出物またはその成分は、脂肪分解促進剤(特開平08−081382号公報)、抗菌効果(特開平09−188610号公報)、ヒアルロン酸産生促進剤(特開2000−096050号公報)などを有することが知られている。しかし、このようなミカン科植物に脱共役蛋白発現誘導効果があることは知られていなかった。
【0016】
本発明に用いられるミカン科植物は、シトラス(Citrus)属の植物である。シトラス属植物の具体的な例としては、ヒラミレモン(Citrus depressa)、オオベニミカン(Citrus tangerina)、コベニミカン(Citrus erythrosa)、ダイダイ(Citrus aurantium)、ナツミカン(Citrus Natsudaidai)、ザボン(Citrus grandis)、ユズ(Citrus Junos)、ポンカン(Citrus rericulata)、レモン(Citrus limon)、カラタチ(Citrus trifoliata)、およびマルブシュカン(Citrus mediaca L.)が挙げられる。特に、ヒラミレモン、ウンシュウミカン、ダイダイおよびポンカンが好ましい。本発明においては、上記ミカン科植物を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
本発明に用いられるミカン科植物抽出物は、例えば、以下のようにして得ることができる。
【0018】
まず、上記ミカン科植物は、好ましくは所望のサイズに裁断または粉砕される。用いられるミカン科植物は、採取後の生の状態のものであっても、乾燥された状態のものであってもよい。さらに使用される植物の部位の例としては、成熟したまたは未成熟の、果実、果皮、種子、葉、葉柄、枝、根および花、これらの組合せが挙げられる。特に、後述するポリアルコキシフラボノイドをより多く含有する点から、果実および果皮が好ましい。
【0019】
次いで、このミカン科植物は適切な溶媒に浸漬されることにより、ミカン科植物抽出物を得ることができる。
【0020】
上記ミカン科植物の浸漬に使用され得る溶媒は、通常の植物からの抽出に使用されるものであれば特に限定されないが、具体的な例としては、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどの低級アルコール類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルエステルなどのエステル類;
ジエチルエーテル、石油エーテルなどのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどの塩素系有機溶媒;ならびにこれらの組合せが挙げられる。特に、本発明に用いられるミカン科植物抽出物を効率的に得るためには、メタノール、エタノールまたは酢酸エチルエステル、あるいはこれら溶媒と水との組合せが好ましく、毒性が低いという生体内での安全性を考慮すれば、エタノール、またはエタノールと水との混合溶媒を用いることがさらに好ましい。
【0021】
使用される溶媒の量は、浸漬されるべきミカン科植物が完全に浸る程度の量であればよく、好ましくは浸漬されるべきミカン科植物の重量に対して、2倍量から100倍量の量が選択される。
【0022】
上記浸漬(抽出)は室温で行うこともできるが、好ましくは、4℃〜120℃、より好ましくは、40℃〜100℃にて行われる。抽出時間は、設定される抽出温度によって変化するが、例えば、室温付近の抽出温度下では1日〜10日であり、50℃以上の抽出温度下では1時間〜96時間である。
【0023】
次いで、当業者に公知の手段を用いて、上記混合物から浸漬されたミカン科植物が濾別され、抽出液が取り出される。取り出された抽出液はそのまま本発明に用いられるミカン科植物抽出物として使用することができるが、この抽出液を濃縮してもよく、あるいは生体にとって安全な(すなわち、毒性の低い)適切な溶媒(例えば、エタノールなどの低級アルコール類;水;またはこれらの組合せ)を用いて希釈してもよい。あるいは、この抽出液を蒸発乾固して、残存した固形分を取り出してもよい。
【0024】
このようにして、本発明に用いられるミカン科抽出物を得ることができる。
【0025】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、経口投与または非経口投与の目的で、任意の形態に調製され得る。経口投与のために用いられる形態の例としては、医薬品ならびに飲食物(例えば、液体飲料および加工食品)の形態が挙げられる。非経口投与のために用いられる形態の例としては、化粧料、医薬部外品および医薬品の形態が挙げられる。上記形態のうち、特に加工食品のより具体的な例としては、顆粒、錠菓、ゼリー、およびキャンディーが挙げられる。また、特に化粧料のより具体的な例としてはジェル状クリーム、洗顔クリーム、化粧水、乳液、およびパックが挙げられる。
【0026】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤において、その他の投与剤形もまた特に限定されず、日本薬局方にしたがって適切な剤形に加工され得る。具体的には、経口投与を目的とする場合には、カプセル剤、錠剤、粉剤、除法剤などの剤形に加工されてもよい。非経口投与を目的とする場合には、注射剤、輸液剤などの剤形に加工されてもよい。
【0027】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導は、上記ミカン科植物抽出物を有効成分として含有するものであれば、上記経口投与または非経口投与のための形態に応じて、任意の他の成分を含有していてもよい。
【0028】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤を経口投与の目的で用いる場合に含有していてもよい他の成分としては、特に限定されないが、例えば、水、油、果汁、甘味料、香味料、増粘剤、防腐剤、乳化剤、着色料、pH調整剤、当業者に周知の任意の他の有効成分(例えば、水溶性ビタミン類および油溶性ビタミン類を包含する)、抗酸化剤、アルコールおよび香料、ならびにこれらの組合せが挙げられる。加工食品の形態が用いられる場合の、上記他の成分のより具体的な例としては、特に限定されないが、米、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、スイートポテト、大豆、昆布、ワカメ、テングサなどの粉類;水飴;乳糖;グルコース;果糖;スクロース;マンニトール;ならびにこれらの組合せが挙げられる。医薬品の形態が用いられる場合の、上記他の成分のより具体的な例としては、特に限定されないが、ラクトース、デキストリン、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ソルビトール、結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0029】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤を非経口投与の目的で用いる場合に含有していてもよい他の成分としては、特に限定されないが、例えば、界面活性剤、油剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、色剤、粉体、pH調整剤、当業者に周知の任意の薬効成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料、アルコール、および水、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0030】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、全量に対し、上記ミカン科抽出物を、好ましくは0.0001重量%〜100重量%、より好ましくは0.01重量%〜100重量%の割合で含有する。ミカン科植物抽出物の含有量が0.0001重量%を下回ると、UCPを充分に活性化するには困難となり、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させることができない恐れがある。
【0031】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、その形態に応じた方法で適切に使用者に投与される。その際の用量もまた、使用者の体重、当該脱共役蛋白質発現誘導剤の形態等によって変化するため、特に限定されず、任意に設定され得る。
【0032】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、上記ミカン科植物抽出物および必要に応じて添加される他の成分を、乳鉢のような手段を用いて混合することにより製造されてもよく;一旦各成分を適切な溶媒に溶解させて溶液とし、次いで、これらを合わせて濃縮乾燥させることにより製造されてもよく;あるいはV型混合機を用いて混合することにより製造されてもよい。このような混合において用いられる条件は、当業者によって適切に選択され得る。
【0033】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ATP合成に共役される化学エネルギーを熱エネルギーに変換することができ、UCP−1、UCP−2、UCP−3、UCP−4などのいずれのUCPに対しても有効である。本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、脂質および炭水化物の代謝改善剤として特に有効に使用され得る。
【0034】
次に、本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤について説明する。
【0035】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、以下の式(I):
【0036】
【化5】
【0037】
(ここで、R1は水素原子、あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基であり、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルコキシ基であり、そしてR5は、分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基である)で表されるポリアルコキシフラボノイドを有効成分として含有する。本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤においては、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドが単数種類で含有されていてもよく、あるいは少なくとも2種類が組み合わされて含有されていてもよい。
【0038】
ここで、本明細書中に用いられる用語「分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基」とは、1個〜6個の炭素数を有する、直鎖、分岐鎖および環状アルキル基を包含していい、例えば、メチル、エチル、ブチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、およびイソヘキシルが挙げられる。本発明においては、上記のうち、直鎖のアルキル基が好ましい。また、本明細書中に用いられる用語「分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルコキシ基」とは、1個〜6個の炭素数を有する、直鎖、分岐鎖および環状アルコキシ基を包含していい、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシが挙げられる。本発明においては、上記のうち、直鎖のアルコキシ基が好ましい。
【0039】
本発明においては、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドのうち、R1およびR5がメチルであり、そしてR2、R3およびR4がそれぞれメトキシである、以下の式(II):
【0040】
【化6】
【0041】
で表される化合物(ノビレチン)、およびR1およびR5がメチルであり、R2およびR3おがそれぞれメトキシであり、そしてR4が水素原子である、以下の式(III):
【0042】
【化7】
【0043】
で表される化合物(タンゲレチン)が好ましく、特に式(II)で表されるノビレチンがより好ましい。
【0044】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤に用いられる上記式(I)のポリアルコキシフラボノイドは、当業者に公知の方法を用いて化学的に合成可能であり、市販により入手可能であり、かつ植物抽出物(例えば、上記ミカン科植物抽出物)から単離かつ精製して得ることができる。
【0045】
上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドを、ミカン科植物抽出物から単離する場合、例えば、上記と同様にして得られたミカン科植物抽出物を、適切な溶離液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて分離することにより、得ることができる。このようなミカン科植物抽出物のクロマトグラフィーに使用される適切な溶離液の例としては、酢酸エチル、メタノール、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、またはキシレンのような溶媒と;ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、またはジクロロメタンのような溶媒と;の混合溶媒を使用することが好ましい。上記クロマトグラフィーにより得られた物質は、例えば、1H−NMR、13C−NMRなどの当業者に周知の手段を用いることにより、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラノイドであることが容易に同定され得る。
【0046】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、上記第一の脱共役蛋白質発現誘導剤と同様に、経口投与または非経口投与の目的で、任意の形態に調製され得る。経口投与のために用いられる形態の例としては、医薬品ならびに飲食物(例えば、液体飲料および加工食品)の形態が挙げられる。非経口投与のために用いられる形態の例としては、化粧料、医薬部外品および医薬品の形態が挙げられる。上記形態のうち、特に加工食品のより具体的な例としては、顆粒、錠菓、ゼリー、およびキャンディーが挙げられる。また、特に化粧料のより具体的な例としてはジェル状クリーム、洗顔クリーム、化粧水、乳液、およびパックが挙げられる。
【0047】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤において、その他の投与剤形もまた特に限定されず、日本薬局方にしたがって適切な剤形に加工され得る。具体的には、経口投与を目的とする場合には、カプセル剤、錠剤、粉剤、除法剤などの剤形に加工されてもよい。非経口投与を目的とする場合には、注射剤、輸液剤などの剤形に加工されてもよい。
【0048】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導は、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドを有効成分として含有するものであれば、上記経口投与または非経口投与のための形態に応じて、任意の他の成分を含有していてもよい。
【0049】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤を経口投与の目的で用いる場合に含有していてもよい他の成分としては、特に限定されないが、例えば、水、油、果汁、甘味料、香味料、増粘剤、防腐剤、乳化剤、着色料、pH調整剤、当業者に周知の任意の他の有効成分(例えば、水溶性ビタミン類および油溶性ビタミン類を包含する)、抗酸化剤、アルコールおよび香料、ならびにこれらの組合せが挙げられる。加工食品の形態が用いられる場合の、上記他の成分のより具体的な例としては、特に限定されないが、米、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、スイートポテト、大豆、昆布、ワカメ、テングサなどの粉類;水飴;乳糖;グルコース;果糖;スクロース;マンニトール;ならびにこれらの組合せが挙げられる。医薬品の形態が用いられる場合の、上記他の成分のより具体的な例としては、特に限定されないが、ラクトース、デキストリン、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ソルビトール、結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0050】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤を非経口投与の目的で用いる場合に含有していてもよい他の成分としては、特に限定されないが、例えば、界面活性剤、油剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、色剤、粉体、pH調整剤、当業者に周知の任意の薬効成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料、アルコール、および水、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0051】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、全量に対し、上記式(I)のポリアルコキシフラボノイドを、好ましくは0.0001重量%〜100重量%、より好ましくは0.01重量%〜100重量%の割合で含有する。式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドの含有量が0.0001重量%を下回ると、UCPを充分に活性化するには困難となり、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させることができない恐れがある。
【0052】
さらに、本発明の脱共役蛋白質発現誘導剤においては、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドとともに、上記ミカン科植物抽出物を混合して用いてもよい。この場合の混合比は当業者に必要に応じて選択され得る。
【0053】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、その形態に応じた方法で適切に使用者に投与される。その際の用量もまた、使用者の体重、当該脱共役蛋白質発現誘導剤の形態等によって変化するため、特に限定されず、任意に設定され得る。
【0054】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイド、ならびに必要に応じて添加される他の成分および/または上記ミカン科植物抽出物を、乳鉢のような手段を用いて混合することにより製造されてもよく;一旦各成分を適切な溶媒に溶解させて溶液とし、次いで、これらを合わせて濃縮乾燥させることにより製造されてもよく;あるいはV型混合機を用いて混合することにより製造されてもよい。このような混合において用いられる条件は、当業者によって適切に選択され得る。
【0055】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ATP合成に共役される化学エネルギーを熱エネルギーに変換することができ、UCP−1、UCP−2、UCP−3、UCP−4などのいずれのUCPに対しても有効である。本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤もまた、脂質および炭水化物の代謝改善剤として特に有効に使用され得る。
【0056】
【実施例】
以下、本発明を具体的に記述するために実施例を記載する。しかし、これによって本発明は特に限定されない。
【0057】
<実施例1:ダイダイ抽出物でなる脱共役蛋白質誘導発現剤の製造>
ダイダイ(Citrus aurantium)の乾燥した未熟果皮500gを、70(V/V)%エタノール中に浸漬し、70℃にて1時間抽出した。次いで、この混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、20.6gでなる残渣(ダイダイ抽出物)を得た。得られたダイダイ抽出物をそのまま用いて、脱共役蛋白質発現誘導剤とした。
【0058】
<実施例2:ポンカン抽出物でなる脱共役蛋白質誘導発現剤の製造>
ポンカン(Citrus rericulata)の乾燥した未熟果皮500gを、70(V/V)%エタノール中に浸漬し、70℃にて1時間抽出した。次いで、この混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、25.2gでなる残渣(ポンカン抽出物)を得た。得られたポンカン抽出物をそのまま用いて、脱共役蛋白質発現誘導剤とした。
【0059】
<実施例3:ヒラミレモン抽出物でなる脱共役蛋白質誘導発現剤の製造>
ヒラミレモン(Citrus depressa)の乾燥した未熟果皮500gを、70(V/V)%エタノール中に浸漬し、70℃にて1時間抽出した。次いで、この混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、18.7gでなる残渣(ヒラミレモン抽出物)を得た。得られたヒラミレモン抽出物をそのまま用いて、脱共役蛋白質発現誘導剤とした。
【0060】
<実施例4>
実施例2で得られたポンカン抽出物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、酢酸エチル:n−ヘキサン(容量比1:1)を使用)にかけ、TLC(展開溶媒として、クロロホルム:メタノール(容量比20:0.5)を使用)でモニターしながら分取を行った。得られた分画を濃縮乾固した後、ジエチルエーテルで結晶化させ、2種類の物質AおよびBを得た。
【0061】
得られた物質Aの融点は137℃〜138℃であり、そして得られた物質Bの融点は156℃〜157℃であった。さらに、得られた物質Aおよび物質Bの13C−NMRおよび1H−NMRの測定結果を表1および表2にそれぞれ示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
上記で得られた各物質の融点およびNMRスペクトルの結果を、J.Agric.Food.Chem.1997,45,p364−368に記載の数値と比較したところ、上記で得られた物質Aがノビレチンであり、かつ上記で得られた物質Bがタンゲレチンであることが同定された。得られたノビレチンおよびタンゲレチンをそれぞれそのまま用いて、脱共役蛋白質発現誘導剤とした。
【0065】
なお、実施例1から3で得られた各抽出物について、表3に記載の条件でHPLC分析を行ったところ、ノビレチンおよびタンゲレチンに相当するピークがそれぞれ保持時間27.7分および30.1分に認められた。
【0066】
【表3】
【0067】
以上のことから、実施例1から3で製造された脱共役蛋白質発現誘導剤のいずれにおいても、ノビレチンおよびタンゲレチンを含有することが見出された。
【0068】
<実施例5>
ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)を、以下のようにして培養した:細胞数が2.5×102個/cm2密度となるように、平底6ウェルプレート(CORNING社製)に播種し、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)で70%〜90%コンフルエンスになるまで、当該キットに付属の増殖培地中で培養した。
【0069】
次いで、上記培地を、当該キットに付属の分化誘導培地に交換し、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)で48時間培養した後、当該キットに付属の維持培地に交換し、さらにCO2インキュベーター(37℃、5%CO2)で4日間培養した。
【0070】
上記4日間の培養後、実施例1で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ダイダイ抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地(上記ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)に付属の培地に上記ダイダイ抽出物を含有させたもの)に交換し、さらに6時間培養し、その後、細胞を回収した。回収した細胞から、UCP−1のmRNA発現量およびアクチン蛋白質のmRNA発現量を、RT−PCR法によって解析した。後述の比較例1(コントロール)のUCP−1のmRNA発現量を100としたときの、本実施例でのUCP−1のmRNAの発現量を相対値として、表4に示す。
【0071】
<比較例1>
実施例1で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ダイダイ抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地を用いる代わりに、当該誘導剤を添加していない維持培地(上記ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)に付属の培地のみ)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、細胞を培養し、回収した細胞から、UCP−1のmRNA発現量およびアクチン蛋白質のmRNA発現量をRT−PCR法によって解析した。得られたUCP−1のmRNA発現量を100とした(表4に示す)。
【0072】
<実施例6>
実施例1で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ダイダイ抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地を用いる代わりに、実施例2で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ポンカン抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地(上記ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)に付属の培地に上記ポンカン抽出物を含有させたもの)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、細胞を培養し、回収した細胞から、UCP−1のmRNA発現量およびアクチン蛋白質のmRNA発現量をRT−PCR法によって解析した。比較例1(コントロール)のUCP−1のmRNA発現量を100としたときの、本実施例でのUCP−1のmRNAの発現量を相対値として、表4に示す。
【0073】
<実施例7>
実施例1で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ダイダイ抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地を用いる代わりに、実施例4で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ノビレチン)(100μM)を含有する維持培地(上記ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)に付属の培地に上記ノビレチンを含有させたもの)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、細胞を培養し、回収した細胞から、UCP−1のmRNA発現量およびアクチン蛋白質のmRNA発現量をRT−PCR法によって解析した。比較例1(コントロール)のUCP−1のmRNA発現量を100としたときの、本実施例でのUCP−1のmRNAの発現量を相対値として、表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】
表4に示されるように、無添加の維持培地を用いて培養した細胞(比較例1)と比較して、ダイダイ抽出物、ポンカン抽出物またはノビレチンを含有する維持培地を用いて培養した細胞(実施例5、実施例6および実施例7)は、いずれもUCP−1のmRNA発現量が著しく増大していることがわかる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、UCPを有効に発現することができる。本発明の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ATP合成に共役される化学エネルギーを熱エネルギーに変換することができ、脂質および炭水化物の代謝改善剤として特に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱共役蛋白質の発現を誘導するための組成物に関し、より詳細には、脱共役蛋白質を活性化させることにより、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させることのできる、脱共役蛋白質発現誘導剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体内の酸化的リン酸化において、電子伝達で得られたエネルギーがATP合成反応に共役することが阻害される場合がある。このような阻害を一般に脱共役という。
【0003】
脱共役は、ATP合成に共役される化学エネルギーを熱エネルギーに変換する点で重要な生体機能の1つである。脱共役蛋白質(以下、UCPという)は、脂肪組織、骨格筋、肝臓などの中のミトコンドリアに存在し、生体内の酸化的リン酸化において電子伝達で得られたエネルギーがATP合成反応に共役することを阻害して、ATP合成に共役する化学エネルギーを熱エネルギーに変換するプロトンチャンネル蛋白質として機能する。このようなUCPを活性化することができれば、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が向上すると考えられる。
【0004】
しかし、従来、このようなUCPの活性化に寄与するUCP発現誘導剤はほとんど知られておらず、そのような薬剤の開発が所望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、UCPを活性化することにより、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させることができる、脱共役蛋白質発現誘導剤を提供することにある。
【0006】
本発明は、ミカン科植物抽出物を有効成分として含有する、脱共役蛋白質発現誘導剤である。
【0007】
本発明はまた、以下の式(I):
【0008】
【化3】
【0009】
(ここで、R1は水素原子、あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基であり、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルコキシ基であり、そしてR5は、分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基である)で表されるポリアルコキシフラボノイドを有効成分として含有する、脱共役蛋白質発現誘導剤である。
【0010】
好ましい実施態様では、上記ポリアルコキシフラボノイドは、以下の式(II):
【0011】
【化4】
【0012】
で表されるノビレチンである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述するにあたり、まず本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤について説明する。
【0014】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ミカン科植物抽出物を有効成分として含有する。
【0015】
従来、ミカン科植物の抽出物またはその成分は、脂肪分解促進剤(特開平08−081382号公報)、抗菌効果(特開平09−188610号公報)、ヒアルロン酸産生促進剤(特開2000−096050号公報)などを有することが知られている。しかし、このようなミカン科植物に脱共役蛋白発現誘導効果があることは知られていなかった。
【0016】
本発明に用いられるミカン科植物は、シトラス(Citrus)属の植物である。シトラス属植物の具体的な例としては、ヒラミレモン(Citrus depressa)、オオベニミカン(Citrus tangerina)、コベニミカン(Citrus erythrosa)、ダイダイ(Citrus aurantium)、ナツミカン(Citrus Natsudaidai)、ザボン(Citrus grandis)、ユズ(Citrus Junos)、ポンカン(Citrus rericulata)、レモン(Citrus limon)、カラタチ(Citrus trifoliata)、およびマルブシュカン(Citrus mediaca L.)が挙げられる。特に、ヒラミレモン、ウンシュウミカン、ダイダイおよびポンカンが好ましい。本発明においては、上記ミカン科植物を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
本発明に用いられるミカン科植物抽出物は、例えば、以下のようにして得ることができる。
【0018】
まず、上記ミカン科植物は、好ましくは所望のサイズに裁断または粉砕される。用いられるミカン科植物は、採取後の生の状態のものであっても、乾燥された状態のものであってもよい。さらに使用される植物の部位の例としては、成熟したまたは未成熟の、果実、果皮、種子、葉、葉柄、枝、根および花、これらの組合せが挙げられる。特に、後述するポリアルコキシフラボノイドをより多く含有する点から、果実および果皮が好ましい。
【0019】
次いで、このミカン科植物は適切な溶媒に浸漬されることにより、ミカン科植物抽出物を得ることができる。
【0020】
上記ミカン科植物の浸漬に使用され得る溶媒は、通常の植物からの抽出に使用されるものであれば特に限定されないが、具体的な例としては、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどの低級アルコール類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルエステルなどのエステル類;
ジエチルエーテル、石油エーテルなどのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどの塩素系有機溶媒;ならびにこれらの組合せが挙げられる。特に、本発明に用いられるミカン科植物抽出物を効率的に得るためには、メタノール、エタノールまたは酢酸エチルエステル、あるいはこれら溶媒と水との組合せが好ましく、毒性が低いという生体内での安全性を考慮すれば、エタノール、またはエタノールと水との混合溶媒を用いることがさらに好ましい。
【0021】
使用される溶媒の量は、浸漬されるべきミカン科植物が完全に浸る程度の量であればよく、好ましくは浸漬されるべきミカン科植物の重量に対して、2倍量から100倍量の量が選択される。
【0022】
上記浸漬(抽出)は室温で行うこともできるが、好ましくは、4℃〜120℃、より好ましくは、40℃〜100℃にて行われる。抽出時間は、設定される抽出温度によって変化するが、例えば、室温付近の抽出温度下では1日〜10日であり、50℃以上の抽出温度下では1時間〜96時間である。
【0023】
次いで、当業者に公知の手段を用いて、上記混合物から浸漬されたミカン科植物が濾別され、抽出液が取り出される。取り出された抽出液はそのまま本発明に用いられるミカン科植物抽出物として使用することができるが、この抽出液を濃縮してもよく、あるいは生体にとって安全な(すなわち、毒性の低い)適切な溶媒(例えば、エタノールなどの低級アルコール類;水;またはこれらの組合せ)を用いて希釈してもよい。あるいは、この抽出液を蒸発乾固して、残存した固形分を取り出してもよい。
【0024】
このようにして、本発明に用いられるミカン科抽出物を得ることができる。
【0025】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、経口投与または非経口投与の目的で、任意の形態に調製され得る。経口投与のために用いられる形態の例としては、医薬品ならびに飲食物(例えば、液体飲料および加工食品)の形態が挙げられる。非経口投与のために用いられる形態の例としては、化粧料、医薬部外品および医薬品の形態が挙げられる。上記形態のうち、特に加工食品のより具体的な例としては、顆粒、錠菓、ゼリー、およびキャンディーが挙げられる。また、特に化粧料のより具体的な例としてはジェル状クリーム、洗顔クリーム、化粧水、乳液、およびパックが挙げられる。
【0026】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤において、その他の投与剤形もまた特に限定されず、日本薬局方にしたがって適切な剤形に加工され得る。具体的には、経口投与を目的とする場合には、カプセル剤、錠剤、粉剤、除法剤などの剤形に加工されてもよい。非経口投与を目的とする場合には、注射剤、輸液剤などの剤形に加工されてもよい。
【0027】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導は、上記ミカン科植物抽出物を有効成分として含有するものであれば、上記経口投与または非経口投与のための形態に応じて、任意の他の成分を含有していてもよい。
【0028】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤を経口投与の目的で用いる場合に含有していてもよい他の成分としては、特に限定されないが、例えば、水、油、果汁、甘味料、香味料、増粘剤、防腐剤、乳化剤、着色料、pH調整剤、当業者に周知の任意の他の有効成分(例えば、水溶性ビタミン類および油溶性ビタミン類を包含する)、抗酸化剤、アルコールおよび香料、ならびにこれらの組合せが挙げられる。加工食品の形態が用いられる場合の、上記他の成分のより具体的な例としては、特に限定されないが、米、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、スイートポテト、大豆、昆布、ワカメ、テングサなどの粉類;水飴;乳糖;グルコース;果糖;スクロース;マンニトール;ならびにこれらの組合せが挙げられる。医薬品の形態が用いられる場合の、上記他の成分のより具体的な例としては、特に限定されないが、ラクトース、デキストリン、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ソルビトール、結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0029】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤を非経口投与の目的で用いる場合に含有していてもよい他の成分としては、特に限定されないが、例えば、界面活性剤、油剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、色剤、粉体、pH調整剤、当業者に周知の任意の薬効成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料、アルコール、および水、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0030】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、全量に対し、上記ミカン科抽出物を、好ましくは0.0001重量%〜100重量%、より好ましくは0.01重量%〜100重量%の割合で含有する。ミカン科植物抽出物の含有量が0.0001重量%を下回ると、UCPを充分に活性化するには困難となり、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させることができない恐れがある。
【0031】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、その形態に応じた方法で適切に使用者に投与される。その際の用量もまた、使用者の体重、当該脱共役蛋白質発現誘導剤の形態等によって変化するため、特に限定されず、任意に設定され得る。
【0032】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、上記ミカン科植物抽出物および必要に応じて添加される他の成分を、乳鉢のような手段を用いて混合することにより製造されてもよく;一旦各成分を適切な溶媒に溶解させて溶液とし、次いで、これらを合わせて濃縮乾燥させることにより製造されてもよく;あるいはV型混合機を用いて混合することにより製造されてもよい。このような混合において用いられる条件は、当業者によって適切に選択され得る。
【0033】
本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ATP合成に共役される化学エネルギーを熱エネルギーに変換することができ、UCP−1、UCP−2、UCP−3、UCP−4などのいずれのUCPに対しても有効である。本発明の第一の脱共役蛋白質発現誘導剤は、脂質および炭水化物の代謝改善剤として特に有効に使用され得る。
【0034】
次に、本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤について説明する。
【0035】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、以下の式(I):
【0036】
【化5】
【0037】
(ここで、R1は水素原子、あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基であり、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子あるいは分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルコキシ基であり、そしてR5は、分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基である)で表されるポリアルコキシフラボノイドを有効成分として含有する。本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤においては、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドが単数種類で含有されていてもよく、あるいは少なくとも2種類が組み合わされて含有されていてもよい。
【0038】
ここで、本明細書中に用いられる用語「分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルキル基」とは、1個〜6個の炭素数を有する、直鎖、分岐鎖および環状アルキル基を包含していい、例えば、メチル、エチル、ブチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、およびイソヘキシルが挙げられる。本発明においては、上記のうち、直鎖のアルキル基が好ましい。また、本明細書中に用いられる用語「分岐鎖または環を形成していてもよいC1〜C6のアルコキシ基」とは、1個〜6個の炭素数を有する、直鎖、分岐鎖および環状アルコキシ基を包含していい、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシが挙げられる。本発明においては、上記のうち、直鎖のアルコキシ基が好ましい。
【0039】
本発明においては、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドのうち、R1およびR5がメチルであり、そしてR2、R3およびR4がそれぞれメトキシである、以下の式(II):
【0040】
【化6】
【0041】
で表される化合物(ノビレチン)、およびR1およびR5がメチルであり、R2およびR3おがそれぞれメトキシであり、そしてR4が水素原子である、以下の式(III):
【0042】
【化7】
【0043】
で表される化合物(タンゲレチン)が好ましく、特に式(II)で表されるノビレチンがより好ましい。
【0044】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤に用いられる上記式(I)のポリアルコキシフラボノイドは、当業者に公知の方法を用いて化学的に合成可能であり、市販により入手可能であり、かつ植物抽出物(例えば、上記ミカン科植物抽出物)から単離かつ精製して得ることができる。
【0045】
上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドを、ミカン科植物抽出物から単離する場合、例えば、上記と同様にして得られたミカン科植物抽出物を、適切な溶離液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて分離することにより、得ることができる。このようなミカン科植物抽出物のクロマトグラフィーに使用される適切な溶離液の例としては、酢酸エチル、メタノール、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、またはキシレンのような溶媒と;ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、またはジクロロメタンのような溶媒と;の混合溶媒を使用することが好ましい。上記クロマトグラフィーにより得られた物質は、例えば、1H−NMR、13C−NMRなどの当業者に周知の手段を用いることにより、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラノイドであることが容易に同定され得る。
【0046】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、上記第一の脱共役蛋白質発現誘導剤と同様に、経口投与または非経口投与の目的で、任意の形態に調製され得る。経口投与のために用いられる形態の例としては、医薬品ならびに飲食物(例えば、液体飲料および加工食品)の形態が挙げられる。非経口投与のために用いられる形態の例としては、化粧料、医薬部外品および医薬品の形態が挙げられる。上記形態のうち、特に加工食品のより具体的な例としては、顆粒、錠菓、ゼリー、およびキャンディーが挙げられる。また、特に化粧料のより具体的な例としてはジェル状クリーム、洗顔クリーム、化粧水、乳液、およびパックが挙げられる。
【0047】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤において、その他の投与剤形もまた特に限定されず、日本薬局方にしたがって適切な剤形に加工され得る。具体的には、経口投与を目的とする場合には、カプセル剤、錠剤、粉剤、除法剤などの剤形に加工されてもよい。非経口投与を目的とする場合には、注射剤、輸液剤などの剤形に加工されてもよい。
【0048】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導は、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドを有効成分として含有するものであれば、上記経口投与または非経口投与のための形態に応じて、任意の他の成分を含有していてもよい。
【0049】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤を経口投与の目的で用いる場合に含有していてもよい他の成分としては、特に限定されないが、例えば、水、油、果汁、甘味料、香味料、増粘剤、防腐剤、乳化剤、着色料、pH調整剤、当業者に周知の任意の他の有効成分(例えば、水溶性ビタミン類および油溶性ビタミン類を包含する)、抗酸化剤、アルコールおよび香料、ならびにこれらの組合せが挙げられる。加工食品の形態が用いられる場合の、上記他の成分のより具体的な例としては、特に限定されないが、米、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、スイートポテト、大豆、昆布、ワカメ、テングサなどの粉類;水飴;乳糖;グルコース;果糖;スクロース;マンニトール;ならびにこれらの組合せが挙げられる。医薬品の形態が用いられる場合の、上記他の成分のより具体的な例としては、特に限定されないが、ラクトース、デキストリン、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ソルビトール、結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0050】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤を非経口投与の目的で用いる場合に含有していてもよい他の成分としては、特に限定されないが、例えば、界面活性剤、油剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、色剤、粉体、pH調整剤、当業者に周知の任意の薬効成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料、アルコール、および水、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0051】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、全量に対し、上記式(I)のポリアルコキシフラボノイドを、好ましくは0.0001重量%〜100重量%、より好ましくは0.01重量%〜100重量%の割合で含有する。式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドの含有量が0.0001重量%を下回ると、UCPを充分に活性化するには困難となり、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させることができない恐れがある。
【0052】
さらに、本発明の脱共役蛋白質発現誘導剤においては、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイドとともに、上記ミカン科植物抽出物を混合して用いてもよい。この場合の混合比は当業者に必要に応じて選択され得る。
【0053】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、その形態に応じた方法で適切に使用者に投与される。その際の用量もまた、使用者の体重、当該脱共役蛋白質発現誘導剤の形態等によって変化するため、特に限定されず、任意に設定され得る。
【0054】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、上記式(I)で表されるポリアルコキシフラボノイド、ならびに必要に応じて添加される他の成分および/または上記ミカン科植物抽出物を、乳鉢のような手段を用いて混合することにより製造されてもよく;一旦各成分を適切な溶媒に溶解させて溶液とし、次いで、これらを合わせて濃縮乾燥させることにより製造されてもよく;あるいはV型混合機を用いて混合することにより製造されてもよい。このような混合において用いられる条件は、当業者によって適切に選択され得る。
【0055】
本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ATP合成に共役される化学エネルギーを熱エネルギーに変換することができ、UCP−1、UCP−2、UCP−3、UCP−4などのいずれのUCPに対しても有効である。本発明の第二の脱共役蛋白質発現誘導剤もまた、脂質および炭水化物の代謝改善剤として特に有効に使用され得る。
【0056】
【実施例】
以下、本発明を具体的に記述するために実施例を記載する。しかし、これによって本発明は特に限定されない。
【0057】
<実施例1:ダイダイ抽出物でなる脱共役蛋白質誘導発現剤の製造>
ダイダイ(Citrus aurantium)の乾燥した未熟果皮500gを、70(V/V)%エタノール中に浸漬し、70℃にて1時間抽出した。次いで、この混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、20.6gでなる残渣(ダイダイ抽出物)を得た。得られたダイダイ抽出物をそのまま用いて、脱共役蛋白質発現誘導剤とした。
【0058】
<実施例2:ポンカン抽出物でなる脱共役蛋白質誘導発現剤の製造>
ポンカン(Citrus rericulata)の乾燥した未熟果皮500gを、70(V/V)%エタノール中に浸漬し、70℃にて1時間抽出した。次いで、この混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、25.2gでなる残渣(ポンカン抽出物)を得た。得られたポンカン抽出物をそのまま用いて、脱共役蛋白質発現誘導剤とした。
【0059】
<実施例3:ヒラミレモン抽出物でなる脱共役蛋白質誘導発現剤の製造>
ヒラミレモン(Citrus depressa)の乾燥した未熟果皮500gを、70(V/V)%エタノール中に浸漬し、70℃にて1時間抽出した。次いで、この混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、18.7gでなる残渣(ヒラミレモン抽出物)を得た。得られたヒラミレモン抽出物をそのまま用いて、脱共役蛋白質発現誘導剤とした。
【0060】
<実施例4>
実施例2で得られたポンカン抽出物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、酢酸エチル:n−ヘキサン(容量比1:1)を使用)にかけ、TLC(展開溶媒として、クロロホルム:メタノール(容量比20:0.5)を使用)でモニターしながら分取を行った。得られた分画を濃縮乾固した後、ジエチルエーテルで結晶化させ、2種類の物質AおよびBを得た。
【0061】
得られた物質Aの融点は137℃〜138℃であり、そして得られた物質Bの融点は156℃〜157℃であった。さらに、得られた物質Aおよび物質Bの13C−NMRおよび1H−NMRの測定結果を表1および表2にそれぞれ示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
上記で得られた各物質の融点およびNMRスペクトルの結果を、J.Agric.Food.Chem.1997,45,p364−368に記載の数値と比較したところ、上記で得られた物質Aがノビレチンであり、かつ上記で得られた物質Bがタンゲレチンであることが同定された。得られたノビレチンおよびタンゲレチンをそれぞれそのまま用いて、脱共役蛋白質発現誘導剤とした。
【0065】
なお、実施例1から3で得られた各抽出物について、表3に記載の条件でHPLC分析を行ったところ、ノビレチンおよびタンゲレチンに相当するピークがそれぞれ保持時間27.7分および30.1分に認められた。
【0066】
【表3】
【0067】
以上のことから、実施例1から3で製造された脱共役蛋白質発現誘導剤のいずれにおいても、ノビレチンおよびタンゲレチンを含有することが見出された。
【0068】
<実施例5>
ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)を、以下のようにして培養した:細胞数が2.5×102個/cm2密度となるように、平底6ウェルプレート(CORNING社製)に播種し、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)で70%〜90%コンフルエンスになるまで、当該キットに付属の増殖培地中で培養した。
【0069】
次いで、上記培地を、当該キットに付属の分化誘導培地に交換し、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)で48時間培養した後、当該キットに付属の維持培地に交換し、さらにCO2インキュベーター(37℃、5%CO2)で4日間培養した。
【0070】
上記4日間の培養後、実施例1で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ダイダイ抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地(上記ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)に付属の培地に上記ダイダイ抽出物を含有させたもの)に交換し、さらに6時間培養し、その後、細胞を回収した。回収した細胞から、UCP−1のmRNA発現量およびアクチン蛋白質のmRNA発現量を、RT−PCR法によって解析した。後述の比較例1(コントロール)のUCP−1のmRNA発現量を100としたときの、本実施例でのUCP−1のmRNAの発現量を相対値として、表4に示す。
【0071】
<比較例1>
実施例1で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ダイダイ抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地を用いる代わりに、当該誘導剤を添加していない維持培地(上記ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)に付属の培地のみ)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、細胞を培養し、回収した細胞から、UCP−1のmRNA発現量およびアクチン蛋白質のmRNA発現量をRT−PCR法によって解析した。得られたUCP−1のmRNA発現量を100とした(表4に示す)。
【0072】
<実施例6>
実施例1で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ダイダイ抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地を用いる代わりに、実施例2で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ポンカン抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地(上記ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)に付属の培地に上記ポンカン抽出物を含有させたもの)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、細胞を培養し、回収した細胞から、UCP−1のmRNA発現量およびアクチン蛋白質のmRNA発現量をRT−PCR法によって解析した。比較例1(コントロール)のUCP−1のmRNA発現量を100としたときの、本実施例でのUCP−1のmRNAの発現量を相対値として、表4に示す。
【0073】
<実施例7>
実施例1で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ダイダイ抽出物)(50μh/mL)を含有する維持培地を用いる代わりに、実施例4で得られた脱共役蛋白質発現誘導剤(ノビレチン)(100μM)を含有する維持培地(上記ラット褐色脂肪細胞培養キット(宝酒造(株)製)に付属の培地に上記ノビレチンを含有させたもの)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、細胞を培養し、回収した細胞から、UCP−1のmRNA発現量およびアクチン蛋白質のmRNA発現量をRT−PCR法によって解析した。比較例1(コントロール)のUCP−1のmRNA発現量を100としたときの、本実施例でのUCP−1のmRNAの発現量を相対値として、表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】
表4に示されるように、無添加の維持培地を用いて培養した細胞(比較例1)と比較して、ダイダイ抽出物、ポンカン抽出物またはノビレチンを含有する維持培地を用いて培養した細胞(実施例5、実施例6および実施例7)は、いずれもUCP−1のmRNA発現量が著しく増大していることがわかる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、UCPを有効に発現することができる。本発明の脱共役蛋白質発現誘導剤は、ATP合成に共役される化学エネルギーを熱エネルギーに変換することができ、脂質および炭水化物の代謝改善剤として特に有用である。
Claims (3)
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-
2002
- 2002-10-29 JP JP2002314939A patent/JP2004149432A/ja active Pending
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US7887851B2 (en) * | 2004-06-07 | 2011-02-15 | Kao Corporation | Aromatase activator |
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