JP2004149017A - プラットホームフェンス、可動柵後付型固定柵、ならびにプラットホームフェンスの施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】とりあえず固定柵のみを設置して転落防止策をある程度施しておき、後に費用等の問題が解決した後等、必要に応じて可動柵を追加するといったユーザーニーズにも対応できるようにする。
【解決手段】固定柵1に、可動柵装置を後付けする後付部2S,2U,2B,2Mを設けるとともに、この後付部2S,2U,2B,2Mを隠蔽する隠蔽手段6,7を用い、固定柵単体で使用する際には隠蔽手段6,7により後付部部2S,2U,2B,2Mを隠蔽し、可動柵装置を設置する場合には固定柵1に隠蔽手段6,7を取り付けず又は隠蔽手段6,7を取り外し、可動柵装置を取り付けるようにする。
【選択図】図2
【解決手段】固定柵1に、可動柵装置を後付けする後付部2S,2U,2B,2Mを設けるとともに、この後付部2S,2U,2B,2Mを隠蔽する隠蔽手段6,7を用い、固定柵単体で使用する際には隠蔽手段6,7により後付部部2S,2U,2B,2Mを隠蔽し、可動柵装置を設置する場合には固定柵1に隠蔽手段6,7を取り付けず又は隠蔽手段6,7を取り外し、可動柵装置を取り付けるようにする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道駅のプラットホームにおける乗降客の転落防止を図るプラットホームフェンス、これに用いる可動柵後付型固定柵、ならびにプラットホームフェンスの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鉄道駅のプラットホームにおける乗降客の転落防止を図るため、プラットホームにおける列車のドア開口部と対応しない位置に固定柵を設けるとともに、ドア開口部と対応する位置には開閉可能な可動柵を設けるプラットホームフェンスが提案され、一部の駅では実用に供されている。
【0003】
従来の可動柵タイプのプラットホームフェンスとしては、可動柵全体が一体的に開閉方向にスライド移動するもの(特許文献1参照)や、幅方向に実質的な連続状をなす複数枚の柵体からなり、且つ柵体相互の相対的な幅方向スライドにより伸縮するように構成されたスライド伸縮型可動柵を有するもの(特許文献2参照。)、可動柵を折り畳みにより開閉するもの(特許文献3参照)等があり、いずれにせよ固定柵および可動柵を一式施工するタイプのものであった。
【特許文献1】
特開平6−239223号公報
【特許文献2】
特開平2000−108890号公報
【特許文献3】
特開平2002−145047号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例のように固定柵及び可動柵を一式施工するものでは、とりあえず固定柵のみを設置して転落防止策をある程度施しておき、後に費用等の問題が解決した後等、必要に応じて可動柵を追加するといったユーザーニーズに対応できない点が問題であった。
【0005】
また、可動柵が伸縮するものは収納のための戸袋をより小さくできるメリットがあるが、従来の可動柵は伸縮する継目が戸袋外に位置するため、その伸縮部分に乗客の手や衣服、手荷物のほか、ゴミ等の異物が巻き込まれるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、ユーザーニーズに柔軟に対応できるようにすることにある。また、他の課題は、伸縮型可動柵における乗客等巻込みのおそれを低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
固定柵と、この固定柵の側方を開閉する可動柵を有する可動柵装置とを備えた、プラットホームフェンスであって、
前記固定柵は、前記可動柵装置を後付けする後付部を有するものとされている、ことを特徴とするプラットホームフェンス。
【0008】
(作用効果)
このように固定柵に、可動柵装置を後付けする後付部を設けることにより、固定柵および可動柵装置の両方を設置する場合のみならず、とりあえず固定柵のみを設置して転落防止策をある程度施しておき、後に費用等の問題が解決した後等、必要に応じて可動柵を追加するといったユーザーニーズにも対応できるようになる。
【0009】
<請求項2記載の発明>
前記固定柵は戸袋部を有するものであり、
前記可動柵装置は、幅が伸縮するように構成された可動柵と、可動柵を収縮させつつ前記固定柵の戸袋部内に収納する収納動作ならびに可動柵を伸張させつつ前記固定柵の戸袋外へ張り出させる張出動作を行うための駆動手段とを有するものであり、
前記可動柵の伸縮における伸縮する柵体相互の継目が常に戸袋内に位置するように構成されている、請求項1記載のプラットホームフェンス。
【0010】
(作用効果)
このように、前記可動柵の伸縮における伸縮する柵体相互の継目が常に戸袋内に位置するように構成されていると、可動柵の伸縮による乗客等巻込みを防止できる。
【0011】
<請求項3記載の発明>
前記可動柵は、幅方向に実質的な連続状をなす複数枚の柵体からなり、且つ柵体相互の相対的な幅方向スライドにより伸縮するように構成されており、
可動柵を張り出す際には、戸袋内に収納されている柵体のうち最も先端側の柵体から順に張出方向の駆動力を与えてその基端側の柵体に対して前進させ戸袋外へ張り出させるとともに、この戸袋内から戸袋外へ張出中の柵体よりも先端側の柵体は当該張出中の柵体と一体的に前進させるようにすることで、伸張する柵体相互の継目を常に戸袋内に位置させ、
可動柵を収納する際には、可動柵全体に収納方向の駆動力を与えて戸袋内へ向けて後進させるとともに、戸袋内に収納された柵体から順に駆動力を切り、駆動力を切った柵体に対して残りの柵体全体を後進させるようにすることで、収縮する柵体相互の継目を常に戸袋内に位置させる、
請求項2記載のプラットホームフェンス。
【0012】
(作用効果)
幅方向に実質的な連続状をなす複数枚の柵体からなり、且つ柵体相互の相対的な幅方向スライドにより伸縮するように構成されたスライド伸縮型可動柵は、折り畳み伸縮タイプと比べて、更に収納スペースをコンパクトにできるというメリットがあり好ましいものである。本請求項3記載の発明は、かかるスライド伸縮型可動柵において、上記のように非常に特徴的な各柵体への駆動力付与態様を採用することで、伸張する柵体相互の継目を常に戸袋内に位置させるようにしたものである。なお、以下ではこの伸縮形態を戸袋内伸縮ともいう。
【0013】
<請求項4記載の発明>
可動柵装置が取り付けられる後付部と、この後付部を隠蔽する隠蔽手段とを有し、この隠蔽手段を用いて前記後付部を隠蔽することにより可動柵装置を取り付けない状態でも利用可能である、ことを特徴とする可動柵後付型固定柵。
【0014】
(作用効果)
かかる固定柵によれば、単体で利用したときにも可動柵装置の後付部が露出せず、しかも後に隠蔽手段を取り外せば可動柵装置を取り付けることができるようになる。
【0015】
<請求項4記載の発明>
フェンス設置対象となっているプラットホーム全てに固定柵を設置するとともに、
フェンス設置対象となっているプラットホームのうち、可動柵設置対象となっているプラットホームに、前記固定柵とともに固定柵の側方を開閉する可動柵を有する可動柵装置を取り付け、可動柵設置対象となっていないプラットホームには可動柵装置は取り付けないようにし、
固定柵を設けているが可動柵を設けていないプラットホームが後に可動柵設置対象となったときに、当該プラットホームにおける固定柵に可動柵装置を後付けする、
ことを特徴とするプラットホームフェンスの施工方法。
【0016】
(作用効果)
かかる施工方法により、とりあえず固定柵のみを設置して転落防止策をある程度施しておき、後に費用等の問題が解決した後等、必要に応じて可動柵を追加するといったユーザーニーズに対応できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプラットホームフェンスの施工方法の実施形態について詳説し、次にこの施工方法に好適な本発明に係る固定柵および可動柵装置について詳説する。
【0018】
<施工方法>
図1は、本発明に係るプラットホームフェンスの施工方法の施工要領を示している。すなわち、先ずフェンス設置対象のプラットホームP1,P2,P3を決定するとともに、そのなかで可動柵設置対象のプラットホームP2を決定する。フェンス設置対象のプラットホームは、例えばある路線の全プラットホームとすることができる。また、可動柵設置対象のプラットホームは、例えば人身事故等の防止が特に望まれるプラットホームとすることができる。
【0019】
次に、フェンス設置対象となっているプラットホームP1〜P3の全てに固定柵1,1…を設置する。固定柵1は、列車ドア開口部対応位置に乗降スペース分の間隔をおいて並設する。またこの際、可動柵設置対象にもなっているプラットホームP2に、固定柵1,1…とともに固定柵間の列車ドア開口部対応位置を開閉する可動柵を有する可動柵装置10,10を取り付ける。可動柵設置対象となっていないプラットホームP1,P3には可動柵装置は取り付けない。かくして、早期に、対象プラットホームの全てに一応の安全対策を施すことができる。
【0020】
しかる後、必要に応じて、例えば予算の都合が付き次第あるいは可動柵設置対象の見直しにより、固定柵1,1…を設けているが可動柵装置10,10を設けていないプラットホームP1,P3に可動柵装置10,10を後付けする。かくして、随時可動柵を増加させることで、無理のない予算・施工計画で転落防止策の万全化を図ることができるようになる。
【0021】
<プラットホームフェンス>
次に上記施工方向に好適なプラットホームフェンスについて詳説する。
(可動柵後付型固定柵)
図2〜図5は、本発明に係る可動柵後付型固定柵1を示している。本例の固定柵1は、中空棒材から構成されており、上枠部1U・下枠部1B・両側の縦枠部1S,1Sからなる外周枠部と、その高さ方向中間に配置され、幅方向(図中左右方向)に延在する横桟部1Mと、幅方向に多数並設された縦桟部1Lとから構成されている。
【0022】
本例では、図3〜図5に示すように、固定柵1の幅方向両側部、図示例では縦枠部1Sと側端の縦桟部1Lとの間の部分が可動柵を収納しうるように切り欠かれ、戸袋2が形成されている。さらに詳細には、縦枠部1Sにおける上枠部1Uから下枠部1Bに至る長さ範囲にわたり、幅方向に貫通するスリット状の貫通孔2Sが形成され、この貫通孔2Sと連続するように、上枠部1Uの下側部分および下枠部1Bの上側部分は側端の縦桟部と対応する位置までの部分2U,2Bがそれぞれ切り欠かれており、また、横桟部1Mは縦枠部1Sから両側端の縦桟部1Lと対応する位置までの部分2Mが切り欠かれている。かくして、これらの切欠部2S,2U,2B,2Mにより戸袋2が形成されるとともに、上枠部1Uおよび下枠部1Bの各両端部3,4内が、後述する可動柵の支持装置取付部となり、横桟部1Mの両端部5,5内が駆動源の取付部となる。これらの部分が本発明の後付部を構成する。
【0023】
かくして構成された固定柵1は、単体で使用する際には、図2に示すように切欠部2S,2U,2B,2Mを隠蔽するように、切欠部に対応する形状の蓋材6やダミー材7を嵌合やネジ止め、ビス止め等により固定することによって、外観的に通常の格子状柵と変わりなくなり、また可動柵後付部が露出することによる危険性もない状態で使用できる。一方、可動柵を取り付ける場合には、図3〜図5に示すように隠蔽手段を6,8を取り付けず或いは取り外すようにする。
【0024】
本発明の可動柵後付型固定柵1としては、上記例のように格子状のものに限られず、両側面に戸袋の開口部が設けられたボックス状(箱状)のものとすることもできる(図示せず)。この場合は、後付部はボックス内に設け、開口部を蓋材で塞ぐことで可動柵後付部を隠蔽することができる。
【0025】
(可動柵装置)
図6は、固定柵1に取り付けられた本発明に係る可動柵装置10を、柵の厚さ方向中心線に沿う断面により示したものであり、図7は可動柵の側面図である。本例の可動柵装置10は、主に、スライド伸縮型可動柵11と、可動柵11に一体化された支持材12と、支持材12をスライド自在に支持する支持装置13と、可動柵11に駆動力を与える駆動源14等を含む駆動手段とから構成されている。
【0026】
本実施形態の支持装置13は、図8にも示すように、中央に貫通スペース13Sを空けて上下左右に配置された複数のローラ装置13R,13R…から構成されており、固定柵1の上枠部1Uおよび下枠部1Bの両側部内に、長手方向に間隔を空けて複数配置固定されるものである。支持材12は棒状(図示例はH鋼を採用している)をなし、上枠部1U及び下枠部1Bと対応して上下一対備え付けられており、それぞれ、縦枠部1Sの切欠き部2Sを通して各枠部1U,1Bの支持装置13,13に挿通された状態で、周囲のローラ装置13R,13R…により上下左右から挟持され、柵幅方向(図中左右方向)にスライド自由とされる。
【0027】
支持材12の先端部は、図9及び図10にも示すように可動柵11に連結される。よって、可動柵11は支持材12を介して固定柵1により支持され、かつ柵幅方向にスライド自由となる。
【0028】
本実施形態の可動柵11は、複数枚の矩形板状柵体A〜Dからなり、先端側の柵体が基端側の柵体内に(例えば柵体Aが柵体B内に)出し入れ自在となるテレスコピック型の伸縮構造を有するものである。図示例では、基端側のものほど外形が大きくなるとともに、少なくとも最先端の柵体Aを除く各柵体B〜Dは中空とされ、且つ自身よりも先端側の柵体を受け入れるため及び支持材12を挿通させるために両側面が開口されている。
【0029】
特に、本実施形態の可動柵11では、最先端の柵体Aも中空とされるとともに基端側面が開口されており、基端側の柵体内および当該基端側側面の開口を通じて支持材12の先端部が挿入され、内空上面および底面に対して固定されている。
【0030】
また図9、図10及び図11に示すように、最先端の柵体Aを除く各柵体B〜Dには、内面基端部の先端側柵体と重ならない部分において、各上下支持材12と対応する高さ位置(上下2箇所)に、厚さ方向に沿う軸周りに回転するローラ15,15…がそれぞれ突設されており、上下ローラ15間に上下支持材12を挟持するように構成されている。なお、支持材12が図示例のH鋼のように柵厚さ方向に張出す部分12Sを高さ方向に間隔をおいて複数有するものであるときには、図示のように各柵体B〜Dのローラ15,15…が張出し部12S,12S間を走行するように構成するのが望ましい。かくして最先端柵体A以外の柵体B〜Dは、ローラ15,15…を介した支持材12により支持されつつ、支持材12に対してスライド可能となる。
【0031】
柵体A〜Dを薄肉鋼板や樹脂等の比較的軽い材料で形成する場合には、柵体A〜Dの外面・内面相互が摺動接触するようになし、これにより柵体A〜D相互のスライドが可能とされるとともに、最先端柵体Aによる基端側柵体B〜Dの支持がなされる簡易な構成を採ることもできる。
【0032】
他方、本実施形態の可動柵11では、本発明の戸袋内伸縮を可能とするべく、図11〜図16(これらの図では理解を容易にするために柵体が1枚減り、3枚(柵体A〜C)となっているが、それ以外は図2〜図10までに示したものと同じ構成となっている)に概略的に示された駆動機構を採用している。すなわち先ず、可動柵11の開閉駆動源となるモータ14を固定柵1の横桟部4M内に配置固定し(図6参照)、モータ14の回転軸に駆動軸16を直列連結し、駆動軸16を戸袋2内の所定位置まで柵幅方向に水平に延在させ、更にこの駆動軸16の先端側部分にのみ、柵体一枚当りの伸縮長さ分の範囲にわたり若干大径の雄ネジ部Mを設けている。これに対して可動柵11の各柵体A〜D内の基端部には、駆動軸16の雄ネジ部Mと螺合するが雄ネジ部を有しない基部16Pが遊びをもって挿し通されるサイズのナット部材Nを、相互に同軸をなすようにそれぞれ固定している。
【0033】
また図11に示すように、各柵体A〜Cには、伸張した先端側柵体をその基端側の柵体と着脱自在に連結するための連結部17,18が設けられている。より詳細には、図17に示すように、最基端の柵体Cを除く各柵体A,Bの外面基端部に外面係合部17Aを突設し且つその先端面に連結凸部17Bを設ける一方、最先端の柵体Aを除く各柵体B,Cの内面先端部に内面係合部18Aを突設し且つその基端面に連結凹部18Bを設けている。そして、先端側の柵体A(またはB。以下同。)を基端側の柵体B(またはC。以下同。)に対して前進させたときに、先端側の柵体Aの外面係合部17Aの先端面が基端側の柵体Bの内面係合部18Aと当接すると、連結凸部17Bと連結凹部18Bとが連結するように構成している。この連結は、連結凸部17Bの突出方向中間部の外周面に嵌合凹部17Cを設けるとともに、連結凹部18Bの深さ方向中間部の内周面にバネ等の弾性部材18Dにより付勢された嵌合凸部18Cを設けることで達成できる。この場合、連結凸部17Bを連結凹部18B内に一定力以上の力で押し入れることにより前者の外周面の嵌合凹部17C内に後者の内周面の凸部18Cが嵌合して連結がなされ、反対に一定力以上の力で引き抜くと連結が解除される。
【0034】
そして本実施形態では、これらの構成を備えることにより伸縮継目を戸袋2内に位置した状態での可動柵の伸縮が可能となる。ここでは、理解を容易にするために、図11〜図16に示す三段スライド伸縮型可動柵11の動作態様に基づいて説明するが、柵体の枚数が異なる場合も同様である。
【0035】
可動柵11を構成する各柵体A〜Cを先端側から順に先端柵体A、中間柵体B及び基端柵体Cということにすると、先ず図11(a)に示すように、可動柵11は戸袋2内に収納された状態では、各柵体A〜Cのナット部材N,N…に駆動軸16が挿し通されるとともに、先端柵体Aのナット部材Nのみが駆動軸の雄ネジ部Mと螺合されている。
【0036】
この状態で可動柵11を張出させるべく、モータ14により駆動軸16を所定方向に回転させると、駆動軸16のネジ部Mと螺合関係にあるナット部材N及びこれが固定された先端柵体Aのみが前進される。他の柵体B,Cは、そのナット部材N,Nが駆動軸のネジ部Mと螺合していないため、前進されない。かくして、図12に示すように先端柵体Aのみが前進し戸袋外2に伸出し、可動柵11全体としては伸張される。この際、先端柵体Aと他の柵体B,Cとの伸張継目Xは戸袋2内の位置に保たれる。
【0037】
図12に示すように、先端柵体Aのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M先端(以下、単に前進限界という)の近傍に位置するまで先端柵体Aが前進すると、先端柵体Aの基端部に設けられた連結部17が中間柵体Bの連結部18と連結され、先端柵体Aの前進に引っ張られて中間柵体Bが前進を開始する。そしてこの前進により、図13に示すように中間柵体Bのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部Mと螺合した後に、先端柵体Aのナット部材Nが前進限界を超え、駆動軸の雄ネジ部Mから外れる。かくして、伸張駆動力が付与される柵体が先端柵体Aから中間柵体Bに切り替わる。
【0038】
その後、図14に示すように、中間柵体Bが駆動軸16との螺合により前進して戸袋2外に伸出し、これに連結された先端柵体Aが中間柵体Bにより押し進められる一方、基端柵体Cは戸袋2内に保持される。よって、可動柵11全体としては更に伸張する。この際、先端柵体Aと中間柵体Bとは連結一体化され相互にスライドせず、また中間柵体Bと基端柵体Cとの伸張継目Yは戸袋2内の位置に保たれる。
【0039】
図14に示すように、中間柵体Bが前進限界近傍に至ると、上記先端柵体Aの場合と同様に、基端部に設けられた連結部17が基端柵体Cの連結部18と連結され、中間柵体Bの前進に引っ張られて基端柵体Cが前進を開始し、図15に示すように基端柵体Cのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部Mと螺合した後に、中間柵体Bのナット部材Nが前進限界を超え、駆動軸の雄ネジ部Mから外れる。かくして、伸張駆動力が付与される柵体が中間柵体Bから基端柵体Cに切り替わり、その後、基端柵体Cが駆動軸16との螺合により前進し、これに連結された中間柵体Bおよび先端柵体Aが基端柵体Cにより押し進められる。そしてこの際にも、戸袋2外で前進を続ける先端柵体A、中間柵体B及び基端柵体Cは連結一体化されており、相互にスライドしない。この状態で、基端柵体Cの前進限界まで可動柵11全体を一体的に前進させることで、可動柵11を固定柵1の側方に最大限張り出させ、固定柵1,1間を閉状態とすることができる(図6参照)。なお、基端柵体Cは前進限界を超えるまで、すなわち駆動軸の雄ネジ部Mから外れるまで前進させない。
【0040】
他方、可動柵11を固定柵1内に収納する場合には、ほぼ反対の動作になる。すなわち、図16に示す状態から張出し時と反対向きに駆動軸16を回転させると、駆動軸16と螺合関係にある基端柵体Cが後進され戸袋2内に順次収納されるとともに、基端柵体Cに対して連結された中間柵体Bおよび先端柵体Aも、基端柵体Cにより引っ張られ、一体的に収納方向に移動される。
【0041】
図15に示すように、基端柵体Cのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部Nの基端(以下、単に後進限界という)の近傍に位置するまで基端柵体Cが後進すると、図14に示すように、中間柵体Bのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M先端に螺合し、中間柵体Bにも駆動軸16の後進駆動力が与えられるようになった後に、基端柵体Cのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M基端から外れ、基端柵体Cが戸袋2内に収容される。しかる後、中間柵体Bが先端柵体Aを引っ張り且つ基端柵体Cを押し入れつつ後進を開始するが、基端柵体Cは戸袋2内に収納されているため、直後にそれ以上後進できなくなるため、基端柵体Cに対して中間柵体Bを押し込む力が両柵体B,Cの連結部17,18にかかり、この力により連結が解除される。
【0042】
かかる連結の解除により、戸袋2内に位置する基端柵体Cに対する駆動力が切られ、これに代わって駆動力が伝達されるようになった中間柵体Bは先端柵体Aを伴って後進され、戸袋2内へ順次収納されるようになる。かくして、可動柵11の収縮を伴う収納動作が開始される。この際、基端柵体Cと中間柵体Bとの収縮継目Yは戸袋2内に位置するとともに、中間柵体Bと先端柵体Aとは連結一体化され相互にスライドしない。
【0043】
次いで図13に示すように、中間柵体Bのナット部材Nが後進限界近傍に位置するまで中間柵体Bが後進すると、図12に示すように、先端柵体Aのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M先端に螺合し、先端柵体Aにも駆動軸16の後進駆動力が与えられるようになった後に、中間柵体Bのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M基端から外れ、中間柵体Bが戸袋2内に収容される。この状態で、中間柵体Bはそれ以上後進できないため、先端柵体Aに対する後進力が中間柵体Bとの連結部17,18にかかり、連結が解除される。
【0044】
かかる連結の解除により、戸袋2内に位置する中間柵体Bに対する駆動力が切られ、これに代わって駆動力が伝達されるようになった先端柵体Aのみが後進され、図11に示すように、可動柵11が更に収縮されながら戸袋2内へ収納される。この際、中間柵体Bと先端柵体Aとの収縮継目Xは戸袋2内に位置する。かくして、可動柵11を収縮を伴って固定柵1の戸袋2内に収納することができる。なお、収納状態では、先端柵体Aのナット部材Nは駆動軸の雄ネジ部Mに螺合しており他の柵体B,Cのように螺合が外れない。
【0045】
以上の説明からも判るように、上記可動柵11の張出動作および収納動作においては、可動柵11の伸縮が、柵体相互の伸縮継目X,Yが戸袋2内に位置する状態でのみなされる。よって、伸縮する継目X,Yによる乗客等巻き込みのおそれを防止できる。特に本実施形態のように、可動柵収納時に、基端側の柵体Cから順に駆動力を与え、これに着脱可能に連結一体化された先端側の柵体A,Bを引っ張るようにすると、当該先端側の柵体A,Bに乗客の衣服・鞄等が引っ掛っても、その基端側の柵体Cと先端側の柵体A,Bとの間にかかる引張力がある一定以上になると、それら柵体相互の連結部17,18が外れ、先端側の柵体A,Bはそれ以上引き込まれなくなるため、非常に安全性が高くなる。
【0046】
上記実施形態では、テレスコピック型の伸縮構造を有する可動柵11を例示したが、本発明では、例えば2枚程度の少数の柵体により構成する場合等、必要に応じて、柵体の外部に他の柵体を重ね合わせて配置する簡素な構造を採用することもできる(図示せず)。また、上記実施形態のテレスコピック構造では、先端側の柵体になるほど外形が小さくなるように構成されているが、反対でも良い。
【0047】
また上記可動柵11は、例えば、固定柵1の設置後に、固定柵1の隠蔽手段6,7を取り外し又は取り付けずに、上枠部1U及び下枠部1Bの両側に支持装置13をそれぞれ内装するとともに、駆動モータ14を横桟部1M内に配置し、駆動モータ14の回転軸に連結された駆動軸16を戸袋2内の所定位置に突出させた状態した後、別途組み立てた可動柵11の支持材12,12を縦枠部1Sの開口を通じて上枠部1Uおよび下枠部1B内にそれぞれ挿入し、可動柵11に駆動軸16を螺合接続するといった手順により設置できる(図6参照)。
【0048】
上記実施形態では図6に示されるように、固定柵1の両側に可動柵11,11を設け、固定柵1,1間を対向する一対の可動柵11,11により開閉する構成を採っているが、一方の固定柵1にのみ可動柵11を設け、この一方の可動柵11のみで固定柵1,1間を開閉する構造を採ることもできる(図示せず)。
【0049】
(その他)
(イ)上記施工方法においては、上記固定柵及び可動柵装置を用いるのが好ましいが、公知の固定柵および可動柵を用いることもできる。
【0050】
(ロ)上記可動柵の開閉機構は、固定柵の形状等に応じて適宜変更できる。
【0051】
(ハ)本発明における可動柵としては、上記例のような戸袋内でスライド伸縮するタイプのみならず、前述の折り畳み式のもの、戸袋外でスライド伸縮するタイプのものも採用できる。
【0052】
(ニ)本発明で折り畳み式可動柵を採用する場合にも、本発明の戸袋内伸縮機構を応用できる。
【0053】
(ホ)上記実施形態では、ネジ部Mを有する駆動軸16を戸袋2内に設け、各柵体A〜Cにナット部材Nをそれぞれ設けているが、これに代えて、戸袋2内に回転駆動されるピニオンを配置し、これと噛合うように各柵体A〜Cにラックをそれぞれ設け、ピニオンと噛合う柵体A〜Cが順次切り換わるように構成しても良い(図示せず)。なお、このことからも判るように、上記実施形態の駆動力付与においては、駆動力伝達部材を戸袋内に設け、この伝達部材に対して係脱自在の駆動力受け部を各柵体に設け、伝達部材と係合し駆動力を受ける柵体が切り換わることにより達成されているものである。
【0054】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、とりあえず固定柵のみを設置して転落防止策をある程度施しておき、後に費用等の問題が解決した後等、必要に応じて可動柵を追加するといったユーザーニーズにも対応できるようになる。また戸袋内で伸縮する可動柵にあっては、可動柵伸縮時における乗客等巻込みのおそれが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る施工要領図である。
【図2】本発明に係る可動柵後付型固定柵(隠蔽手段を取り付けた状態)を示す正面図である。
【図3】本発明に係る可動柵後付型固定柵(隠蔽手段を取り付けていない状態)を示す正面図である。
【図4】本発明に係る可動柵後付型固定柵(隠蔽手段を取り付けていない状態)を示す平面図である。
【図5】本発明に係る可動柵後付型固定柵(隠蔽手段を取り付けていない状態)を示す側面図である。
【図6】本発明に係るプラットホームフェンスを示す縦断面図である。
【図7】プラットホームフェンスの側面図である。
【図8】上枠部の断面図である。
【図9】要部拡大縦断面図である。
【図10】要部拡大横断面図である。
【図11】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図12】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図13】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図14】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図15】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図16】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図17】連結部の具体例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…固定柵、2…戸袋、10…可動柵装置、11…可動柵。
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道駅のプラットホームにおける乗降客の転落防止を図るプラットホームフェンス、これに用いる可動柵後付型固定柵、ならびにプラットホームフェンスの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鉄道駅のプラットホームにおける乗降客の転落防止を図るため、プラットホームにおける列車のドア開口部と対応しない位置に固定柵を設けるとともに、ドア開口部と対応する位置には開閉可能な可動柵を設けるプラットホームフェンスが提案され、一部の駅では実用に供されている。
【0003】
従来の可動柵タイプのプラットホームフェンスとしては、可動柵全体が一体的に開閉方向にスライド移動するもの(特許文献1参照)や、幅方向に実質的な連続状をなす複数枚の柵体からなり、且つ柵体相互の相対的な幅方向スライドにより伸縮するように構成されたスライド伸縮型可動柵を有するもの(特許文献2参照。)、可動柵を折り畳みにより開閉するもの(特許文献3参照)等があり、いずれにせよ固定柵および可動柵を一式施工するタイプのものであった。
【特許文献1】
特開平6−239223号公報
【特許文献2】
特開平2000−108890号公報
【特許文献3】
特開平2002−145047号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例のように固定柵及び可動柵を一式施工するものでは、とりあえず固定柵のみを設置して転落防止策をある程度施しておき、後に費用等の問題が解決した後等、必要に応じて可動柵を追加するといったユーザーニーズに対応できない点が問題であった。
【0005】
また、可動柵が伸縮するものは収納のための戸袋をより小さくできるメリットがあるが、従来の可動柵は伸縮する継目が戸袋外に位置するため、その伸縮部分に乗客の手や衣服、手荷物のほか、ゴミ等の異物が巻き込まれるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、ユーザーニーズに柔軟に対応できるようにすることにある。また、他の課題は、伸縮型可動柵における乗客等巻込みのおそれを低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
固定柵と、この固定柵の側方を開閉する可動柵を有する可動柵装置とを備えた、プラットホームフェンスであって、
前記固定柵は、前記可動柵装置を後付けする後付部を有するものとされている、ことを特徴とするプラットホームフェンス。
【0008】
(作用効果)
このように固定柵に、可動柵装置を後付けする後付部を設けることにより、固定柵および可動柵装置の両方を設置する場合のみならず、とりあえず固定柵のみを設置して転落防止策をある程度施しておき、後に費用等の問題が解決した後等、必要に応じて可動柵を追加するといったユーザーニーズにも対応できるようになる。
【0009】
<請求項2記載の発明>
前記固定柵は戸袋部を有するものであり、
前記可動柵装置は、幅が伸縮するように構成された可動柵と、可動柵を収縮させつつ前記固定柵の戸袋部内に収納する収納動作ならびに可動柵を伸張させつつ前記固定柵の戸袋外へ張り出させる張出動作を行うための駆動手段とを有するものであり、
前記可動柵の伸縮における伸縮する柵体相互の継目が常に戸袋内に位置するように構成されている、請求項1記載のプラットホームフェンス。
【0010】
(作用効果)
このように、前記可動柵の伸縮における伸縮する柵体相互の継目が常に戸袋内に位置するように構成されていると、可動柵の伸縮による乗客等巻込みを防止できる。
【0011】
<請求項3記載の発明>
前記可動柵は、幅方向に実質的な連続状をなす複数枚の柵体からなり、且つ柵体相互の相対的な幅方向スライドにより伸縮するように構成されており、
可動柵を張り出す際には、戸袋内に収納されている柵体のうち最も先端側の柵体から順に張出方向の駆動力を与えてその基端側の柵体に対して前進させ戸袋外へ張り出させるとともに、この戸袋内から戸袋外へ張出中の柵体よりも先端側の柵体は当該張出中の柵体と一体的に前進させるようにすることで、伸張する柵体相互の継目を常に戸袋内に位置させ、
可動柵を収納する際には、可動柵全体に収納方向の駆動力を与えて戸袋内へ向けて後進させるとともに、戸袋内に収納された柵体から順に駆動力を切り、駆動力を切った柵体に対して残りの柵体全体を後進させるようにすることで、収縮する柵体相互の継目を常に戸袋内に位置させる、
請求項2記載のプラットホームフェンス。
【0012】
(作用効果)
幅方向に実質的な連続状をなす複数枚の柵体からなり、且つ柵体相互の相対的な幅方向スライドにより伸縮するように構成されたスライド伸縮型可動柵は、折り畳み伸縮タイプと比べて、更に収納スペースをコンパクトにできるというメリットがあり好ましいものである。本請求項3記載の発明は、かかるスライド伸縮型可動柵において、上記のように非常に特徴的な各柵体への駆動力付与態様を採用することで、伸張する柵体相互の継目を常に戸袋内に位置させるようにしたものである。なお、以下ではこの伸縮形態を戸袋内伸縮ともいう。
【0013】
<請求項4記載の発明>
可動柵装置が取り付けられる後付部と、この後付部を隠蔽する隠蔽手段とを有し、この隠蔽手段を用いて前記後付部を隠蔽することにより可動柵装置を取り付けない状態でも利用可能である、ことを特徴とする可動柵後付型固定柵。
【0014】
(作用効果)
かかる固定柵によれば、単体で利用したときにも可動柵装置の後付部が露出せず、しかも後に隠蔽手段を取り外せば可動柵装置を取り付けることができるようになる。
【0015】
<請求項4記載の発明>
フェンス設置対象となっているプラットホーム全てに固定柵を設置するとともに、
フェンス設置対象となっているプラットホームのうち、可動柵設置対象となっているプラットホームに、前記固定柵とともに固定柵の側方を開閉する可動柵を有する可動柵装置を取り付け、可動柵設置対象となっていないプラットホームには可動柵装置は取り付けないようにし、
固定柵を設けているが可動柵を設けていないプラットホームが後に可動柵設置対象となったときに、当該プラットホームにおける固定柵に可動柵装置を後付けする、
ことを特徴とするプラットホームフェンスの施工方法。
【0016】
(作用効果)
かかる施工方法により、とりあえず固定柵のみを設置して転落防止策をある程度施しておき、後に費用等の問題が解決した後等、必要に応じて可動柵を追加するといったユーザーニーズに対応できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプラットホームフェンスの施工方法の実施形態について詳説し、次にこの施工方法に好適な本発明に係る固定柵および可動柵装置について詳説する。
【0018】
<施工方法>
図1は、本発明に係るプラットホームフェンスの施工方法の施工要領を示している。すなわち、先ずフェンス設置対象のプラットホームP1,P2,P3を決定するとともに、そのなかで可動柵設置対象のプラットホームP2を決定する。フェンス設置対象のプラットホームは、例えばある路線の全プラットホームとすることができる。また、可動柵設置対象のプラットホームは、例えば人身事故等の防止が特に望まれるプラットホームとすることができる。
【0019】
次に、フェンス設置対象となっているプラットホームP1〜P3の全てに固定柵1,1…を設置する。固定柵1は、列車ドア開口部対応位置に乗降スペース分の間隔をおいて並設する。またこの際、可動柵設置対象にもなっているプラットホームP2に、固定柵1,1…とともに固定柵間の列車ドア開口部対応位置を開閉する可動柵を有する可動柵装置10,10を取り付ける。可動柵設置対象となっていないプラットホームP1,P3には可動柵装置は取り付けない。かくして、早期に、対象プラットホームの全てに一応の安全対策を施すことができる。
【0020】
しかる後、必要に応じて、例えば予算の都合が付き次第あるいは可動柵設置対象の見直しにより、固定柵1,1…を設けているが可動柵装置10,10を設けていないプラットホームP1,P3に可動柵装置10,10を後付けする。かくして、随時可動柵を増加させることで、無理のない予算・施工計画で転落防止策の万全化を図ることができるようになる。
【0021】
<プラットホームフェンス>
次に上記施工方向に好適なプラットホームフェンスについて詳説する。
(可動柵後付型固定柵)
図2〜図5は、本発明に係る可動柵後付型固定柵1を示している。本例の固定柵1は、中空棒材から構成されており、上枠部1U・下枠部1B・両側の縦枠部1S,1Sからなる外周枠部と、その高さ方向中間に配置され、幅方向(図中左右方向)に延在する横桟部1Mと、幅方向に多数並設された縦桟部1Lとから構成されている。
【0022】
本例では、図3〜図5に示すように、固定柵1の幅方向両側部、図示例では縦枠部1Sと側端の縦桟部1Lとの間の部分が可動柵を収納しうるように切り欠かれ、戸袋2が形成されている。さらに詳細には、縦枠部1Sにおける上枠部1Uから下枠部1Bに至る長さ範囲にわたり、幅方向に貫通するスリット状の貫通孔2Sが形成され、この貫通孔2Sと連続するように、上枠部1Uの下側部分および下枠部1Bの上側部分は側端の縦桟部と対応する位置までの部分2U,2Bがそれぞれ切り欠かれており、また、横桟部1Mは縦枠部1Sから両側端の縦桟部1Lと対応する位置までの部分2Mが切り欠かれている。かくして、これらの切欠部2S,2U,2B,2Mにより戸袋2が形成されるとともに、上枠部1Uおよび下枠部1Bの各両端部3,4内が、後述する可動柵の支持装置取付部となり、横桟部1Mの両端部5,5内が駆動源の取付部となる。これらの部分が本発明の後付部を構成する。
【0023】
かくして構成された固定柵1は、単体で使用する際には、図2に示すように切欠部2S,2U,2B,2Mを隠蔽するように、切欠部に対応する形状の蓋材6やダミー材7を嵌合やネジ止め、ビス止め等により固定することによって、外観的に通常の格子状柵と変わりなくなり、また可動柵後付部が露出することによる危険性もない状態で使用できる。一方、可動柵を取り付ける場合には、図3〜図5に示すように隠蔽手段を6,8を取り付けず或いは取り外すようにする。
【0024】
本発明の可動柵後付型固定柵1としては、上記例のように格子状のものに限られず、両側面に戸袋の開口部が設けられたボックス状(箱状)のものとすることもできる(図示せず)。この場合は、後付部はボックス内に設け、開口部を蓋材で塞ぐことで可動柵後付部を隠蔽することができる。
【0025】
(可動柵装置)
図6は、固定柵1に取り付けられた本発明に係る可動柵装置10を、柵の厚さ方向中心線に沿う断面により示したものであり、図7は可動柵の側面図である。本例の可動柵装置10は、主に、スライド伸縮型可動柵11と、可動柵11に一体化された支持材12と、支持材12をスライド自在に支持する支持装置13と、可動柵11に駆動力を与える駆動源14等を含む駆動手段とから構成されている。
【0026】
本実施形態の支持装置13は、図8にも示すように、中央に貫通スペース13Sを空けて上下左右に配置された複数のローラ装置13R,13R…から構成されており、固定柵1の上枠部1Uおよび下枠部1Bの両側部内に、長手方向に間隔を空けて複数配置固定されるものである。支持材12は棒状(図示例はH鋼を採用している)をなし、上枠部1U及び下枠部1Bと対応して上下一対備え付けられており、それぞれ、縦枠部1Sの切欠き部2Sを通して各枠部1U,1Bの支持装置13,13に挿通された状態で、周囲のローラ装置13R,13R…により上下左右から挟持され、柵幅方向(図中左右方向)にスライド自由とされる。
【0027】
支持材12の先端部は、図9及び図10にも示すように可動柵11に連結される。よって、可動柵11は支持材12を介して固定柵1により支持され、かつ柵幅方向にスライド自由となる。
【0028】
本実施形態の可動柵11は、複数枚の矩形板状柵体A〜Dからなり、先端側の柵体が基端側の柵体内に(例えば柵体Aが柵体B内に)出し入れ自在となるテレスコピック型の伸縮構造を有するものである。図示例では、基端側のものほど外形が大きくなるとともに、少なくとも最先端の柵体Aを除く各柵体B〜Dは中空とされ、且つ自身よりも先端側の柵体を受け入れるため及び支持材12を挿通させるために両側面が開口されている。
【0029】
特に、本実施形態の可動柵11では、最先端の柵体Aも中空とされるとともに基端側面が開口されており、基端側の柵体内および当該基端側側面の開口を通じて支持材12の先端部が挿入され、内空上面および底面に対して固定されている。
【0030】
また図9、図10及び図11に示すように、最先端の柵体Aを除く各柵体B〜Dには、内面基端部の先端側柵体と重ならない部分において、各上下支持材12と対応する高さ位置(上下2箇所)に、厚さ方向に沿う軸周りに回転するローラ15,15…がそれぞれ突設されており、上下ローラ15間に上下支持材12を挟持するように構成されている。なお、支持材12が図示例のH鋼のように柵厚さ方向に張出す部分12Sを高さ方向に間隔をおいて複数有するものであるときには、図示のように各柵体B〜Dのローラ15,15…が張出し部12S,12S間を走行するように構成するのが望ましい。かくして最先端柵体A以外の柵体B〜Dは、ローラ15,15…を介した支持材12により支持されつつ、支持材12に対してスライド可能となる。
【0031】
柵体A〜Dを薄肉鋼板や樹脂等の比較的軽い材料で形成する場合には、柵体A〜Dの外面・内面相互が摺動接触するようになし、これにより柵体A〜D相互のスライドが可能とされるとともに、最先端柵体Aによる基端側柵体B〜Dの支持がなされる簡易な構成を採ることもできる。
【0032】
他方、本実施形態の可動柵11では、本発明の戸袋内伸縮を可能とするべく、図11〜図16(これらの図では理解を容易にするために柵体が1枚減り、3枚(柵体A〜C)となっているが、それ以外は図2〜図10までに示したものと同じ構成となっている)に概略的に示された駆動機構を採用している。すなわち先ず、可動柵11の開閉駆動源となるモータ14を固定柵1の横桟部4M内に配置固定し(図6参照)、モータ14の回転軸に駆動軸16を直列連結し、駆動軸16を戸袋2内の所定位置まで柵幅方向に水平に延在させ、更にこの駆動軸16の先端側部分にのみ、柵体一枚当りの伸縮長さ分の範囲にわたり若干大径の雄ネジ部Mを設けている。これに対して可動柵11の各柵体A〜D内の基端部には、駆動軸16の雄ネジ部Mと螺合するが雄ネジ部を有しない基部16Pが遊びをもって挿し通されるサイズのナット部材Nを、相互に同軸をなすようにそれぞれ固定している。
【0033】
また図11に示すように、各柵体A〜Cには、伸張した先端側柵体をその基端側の柵体と着脱自在に連結するための連結部17,18が設けられている。より詳細には、図17に示すように、最基端の柵体Cを除く各柵体A,Bの外面基端部に外面係合部17Aを突設し且つその先端面に連結凸部17Bを設ける一方、最先端の柵体Aを除く各柵体B,Cの内面先端部に内面係合部18Aを突設し且つその基端面に連結凹部18Bを設けている。そして、先端側の柵体A(またはB。以下同。)を基端側の柵体B(またはC。以下同。)に対して前進させたときに、先端側の柵体Aの外面係合部17Aの先端面が基端側の柵体Bの内面係合部18Aと当接すると、連結凸部17Bと連結凹部18Bとが連結するように構成している。この連結は、連結凸部17Bの突出方向中間部の外周面に嵌合凹部17Cを設けるとともに、連結凹部18Bの深さ方向中間部の内周面にバネ等の弾性部材18Dにより付勢された嵌合凸部18Cを設けることで達成できる。この場合、連結凸部17Bを連結凹部18B内に一定力以上の力で押し入れることにより前者の外周面の嵌合凹部17C内に後者の内周面の凸部18Cが嵌合して連結がなされ、反対に一定力以上の力で引き抜くと連結が解除される。
【0034】
そして本実施形態では、これらの構成を備えることにより伸縮継目を戸袋2内に位置した状態での可動柵の伸縮が可能となる。ここでは、理解を容易にするために、図11〜図16に示す三段スライド伸縮型可動柵11の動作態様に基づいて説明するが、柵体の枚数が異なる場合も同様である。
【0035】
可動柵11を構成する各柵体A〜Cを先端側から順に先端柵体A、中間柵体B及び基端柵体Cということにすると、先ず図11(a)に示すように、可動柵11は戸袋2内に収納された状態では、各柵体A〜Cのナット部材N,N…に駆動軸16が挿し通されるとともに、先端柵体Aのナット部材Nのみが駆動軸の雄ネジ部Mと螺合されている。
【0036】
この状態で可動柵11を張出させるべく、モータ14により駆動軸16を所定方向に回転させると、駆動軸16のネジ部Mと螺合関係にあるナット部材N及びこれが固定された先端柵体Aのみが前進される。他の柵体B,Cは、そのナット部材N,Nが駆動軸のネジ部Mと螺合していないため、前進されない。かくして、図12に示すように先端柵体Aのみが前進し戸袋外2に伸出し、可動柵11全体としては伸張される。この際、先端柵体Aと他の柵体B,Cとの伸張継目Xは戸袋2内の位置に保たれる。
【0037】
図12に示すように、先端柵体Aのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M先端(以下、単に前進限界という)の近傍に位置するまで先端柵体Aが前進すると、先端柵体Aの基端部に設けられた連結部17が中間柵体Bの連結部18と連結され、先端柵体Aの前進に引っ張られて中間柵体Bが前進を開始する。そしてこの前進により、図13に示すように中間柵体Bのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部Mと螺合した後に、先端柵体Aのナット部材Nが前進限界を超え、駆動軸の雄ネジ部Mから外れる。かくして、伸張駆動力が付与される柵体が先端柵体Aから中間柵体Bに切り替わる。
【0038】
その後、図14に示すように、中間柵体Bが駆動軸16との螺合により前進して戸袋2外に伸出し、これに連結された先端柵体Aが中間柵体Bにより押し進められる一方、基端柵体Cは戸袋2内に保持される。よって、可動柵11全体としては更に伸張する。この際、先端柵体Aと中間柵体Bとは連結一体化され相互にスライドせず、また中間柵体Bと基端柵体Cとの伸張継目Yは戸袋2内の位置に保たれる。
【0039】
図14に示すように、中間柵体Bが前進限界近傍に至ると、上記先端柵体Aの場合と同様に、基端部に設けられた連結部17が基端柵体Cの連結部18と連結され、中間柵体Bの前進に引っ張られて基端柵体Cが前進を開始し、図15に示すように基端柵体Cのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部Mと螺合した後に、中間柵体Bのナット部材Nが前進限界を超え、駆動軸の雄ネジ部Mから外れる。かくして、伸張駆動力が付与される柵体が中間柵体Bから基端柵体Cに切り替わり、その後、基端柵体Cが駆動軸16との螺合により前進し、これに連結された中間柵体Bおよび先端柵体Aが基端柵体Cにより押し進められる。そしてこの際にも、戸袋2外で前進を続ける先端柵体A、中間柵体B及び基端柵体Cは連結一体化されており、相互にスライドしない。この状態で、基端柵体Cの前進限界まで可動柵11全体を一体的に前進させることで、可動柵11を固定柵1の側方に最大限張り出させ、固定柵1,1間を閉状態とすることができる(図6参照)。なお、基端柵体Cは前進限界を超えるまで、すなわち駆動軸の雄ネジ部Mから外れるまで前進させない。
【0040】
他方、可動柵11を固定柵1内に収納する場合には、ほぼ反対の動作になる。すなわち、図16に示す状態から張出し時と反対向きに駆動軸16を回転させると、駆動軸16と螺合関係にある基端柵体Cが後進され戸袋2内に順次収納されるとともに、基端柵体Cに対して連結された中間柵体Bおよび先端柵体Aも、基端柵体Cにより引っ張られ、一体的に収納方向に移動される。
【0041】
図15に示すように、基端柵体Cのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部Nの基端(以下、単に後進限界という)の近傍に位置するまで基端柵体Cが後進すると、図14に示すように、中間柵体Bのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M先端に螺合し、中間柵体Bにも駆動軸16の後進駆動力が与えられるようになった後に、基端柵体Cのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M基端から外れ、基端柵体Cが戸袋2内に収容される。しかる後、中間柵体Bが先端柵体Aを引っ張り且つ基端柵体Cを押し入れつつ後進を開始するが、基端柵体Cは戸袋2内に収納されているため、直後にそれ以上後進できなくなるため、基端柵体Cに対して中間柵体Bを押し込む力が両柵体B,Cの連結部17,18にかかり、この力により連結が解除される。
【0042】
かかる連結の解除により、戸袋2内に位置する基端柵体Cに対する駆動力が切られ、これに代わって駆動力が伝達されるようになった中間柵体Bは先端柵体Aを伴って後進され、戸袋2内へ順次収納されるようになる。かくして、可動柵11の収縮を伴う収納動作が開始される。この際、基端柵体Cと中間柵体Bとの収縮継目Yは戸袋2内に位置するとともに、中間柵体Bと先端柵体Aとは連結一体化され相互にスライドしない。
【0043】
次いで図13に示すように、中間柵体Bのナット部材Nが後進限界近傍に位置するまで中間柵体Bが後進すると、図12に示すように、先端柵体Aのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M先端に螺合し、先端柵体Aにも駆動軸16の後進駆動力が与えられるようになった後に、中間柵体Bのナット部材Nが駆動軸の雄ネジ部M基端から外れ、中間柵体Bが戸袋2内に収容される。この状態で、中間柵体Bはそれ以上後進できないため、先端柵体Aに対する後進力が中間柵体Bとの連結部17,18にかかり、連結が解除される。
【0044】
かかる連結の解除により、戸袋2内に位置する中間柵体Bに対する駆動力が切られ、これに代わって駆動力が伝達されるようになった先端柵体Aのみが後進され、図11に示すように、可動柵11が更に収縮されながら戸袋2内へ収納される。この際、中間柵体Bと先端柵体Aとの収縮継目Xは戸袋2内に位置する。かくして、可動柵11を収縮を伴って固定柵1の戸袋2内に収納することができる。なお、収納状態では、先端柵体Aのナット部材Nは駆動軸の雄ネジ部Mに螺合しており他の柵体B,Cのように螺合が外れない。
【0045】
以上の説明からも判るように、上記可動柵11の張出動作および収納動作においては、可動柵11の伸縮が、柵体相互の伸縮継目X,Yが戸袋2内に位置する状態でのみなされる。よって、伸縮する継目X,Yによる乗客等巻き込みのおそれを防止できる。特に本実施形態のように、可動柵収納時に、基端側の柵体Cから順に駆動力を与え、これに着脱可能に連結一体化された先端側の柵体A,Bを引っ張るようにすると、当該先端側の柵体A,Bに乗客の衣服・鞄等が引っ掛っても、その基端側の柵体Cと先端側の柵体A,Bとの間にかかる引張力がある一定以上になると、それら柵体相互の連結部17,18が外れ、先端側の柵体A,Bはそれ以上引き込まれなくなるため、非常に安全性が高くなる。
【0046】
上記実施形態では、テレスコピック型の伸縮構造を有する可動柵11を例示したが、本発明では、例えば2枚程度の少数の柵体により構成する場合等、必要に応じて、柵体の外部に他の柵体を重ね合わせて配置する簡素な構造を採用することもできる(図示せず)。また、上記実施形態のテレスコピック構造では、先端側の柵体になるほど外形が小さくなるように構成されているが、反対でも良い。
【0047】
また上記可動柵11は、例えば、固定柵1の設置後に、固定柵1の隠蔽手段6,7を取り外し又は取り付けずに、上枠部1U及び下枠部1Bの両側に支持装置13をそれぞれ内装するとともに、駆動モータ14を横桟部1M内に配置し、駆動モータ14の回転軸に連結された駆動軸16を戸袋2内の所定位置に突出させた状態した後、別途組み立てた可動柵11の支持材12,12を縦枠部1Sの開口を通じて上枠部1Uおよび下枠部1B内にそれぞれ挿入し、可動柵11に駆動軸16を螺合接続するといった手順により設置できる(図6参照)。
【0048】
上記実施形態では図6に示されるように、固定柵1の両側に可動柵11,11を設け、固定柵1,1間を対向する一対の可動柵11,11により開閉する構成を採っているが、一方の固定柵1にのみ可動柵11を設け、この一方の可動柵11のみで固定柵1,1間を開閉する構造を採ることもできる(図示せず)。
【0049】
(その他)
(イ)上記施工方法においては、上記固定柵及び可動柵装置を用いるのが好ましいが、公知の固定柵および可動柵を用いることもできる。
【0050】
(ロ)上記可動柵の開閉機構は、固定柵の形状等に応じて適宜変更できる。
【0051】
(ハ)本発明における可動柵としては、上記例のような戸袋内でスライド伸縮するタイプのみならず、前述の折り畳み式のもの、戸袋外でスライド伸縮するタイプのものも採用できる。
【0052】
(ニ)本発明で折り畳み式可動柵を採用する場合にも、本発明の戸袋内伸縮機構を応用できる。
【0053】
(ホ)上記実施形態では、ネジ部Mを有する駆動軸16を戸袋2内に設け、各柵体A〜Cにナット部材Nをそれぞれ設けているが、これに代えて、戸袋2内に回転駆動されるピニオンを配置し、これと噛合うように各柵体A〜Cにラックをそれぞれ設け、ピニオンと噛合う柵体A〜Cが順次切り換わるように構成しても良い(図示せず)。なお、このことからも判るように、上記実施形態の駆動力付与においては、駆動力伝達部材を戸袋内に設け、この伝達部材に対して係脱自在の駆動力受け部を各柵体に設け、伝達部材と係合し駆動力を受ける柵体が切り換わることにより達成されているものである。
【0054】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、とりあえず固定柵のみを設置して転落防止策をある程度施しておき、後に費用等の問題が解決した後等、必要に応じて可動柵を追加するといったユーザーニーズにも対応できるようになる。また戸袋内で伸縮する可動柵にあっては、可動柵伸縮時における乗客等巻込みのおそれが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る施工要領図である。
【図2】本発明に係る可動柵後付型固定柵(隠蔽手段を取り付けた状態)を示す正面図である。
【図3】本発明に係る可動柵後付型固定柵(隠蔽手段を取り付けていない状態)を示す正面図である。
【図4】本発明に係る可動柵後付型固定柵(隠蔽手段を取り付けていない状態)を示す平面図である。
【図5】本発明に係る可動柵後付型固定柵(隠蔽手段を取り付けていない状態)を示す側面図である。
【図6】本発明に係るプラットホームフェンスを示す縦断面図である。
【図7】プラットホームフェンスの側面図である。
【図8】上枠部の断面図である。
【図9】要部拡大縦断面図である。
【図10】要部拡大横断面図である。
【図11】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図12】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図13】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図14】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図15】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図16】戸袋内伸縮機構を示す概略断面図である。
【図17】連結部の具体例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…固定柵、2…戸袋、10…可動柵装置、11…可動柵。
Claims (5)
- 固定柵と、この固定柵の側方を開閉する可動柵を有する可動柵装置とを備えた、プラットホームフェンスであって、
前記固定柵は、前記可動柵装置を後付けする後付部を有するものとされている、ことを特徴とするプラットホームフェンス。 - 前記固定柵は戸袋部を有するものであり、
前記可動柵装置は、幅が伸縮するように構成された可動柵と、可動柵を収縮させつつ前記固定柵の戸袋部内に収納する収納動作ならびに可動柵を伸張させつつ前記固定柵の戸袋外へ張り出させる張出動作を行うための駆動手段とを有するものであり、
前記可動柵の伸縮における伸縮する柵体相互の継目が常に戸袋内に位置するように構成されている、請求項1記載のプラットホームフェンス。 - 前記可動柵は、幅方向に実質的な連続状をなす複数枚の柵体からなり、且つ柵体相互の相対的な幅方向スライドにより伸縮するように構成されており、
可動柵を張り出す際には、戸袋内に収納されている柵体のうち最も先端側の柵体から順に張出方向の駆動力を与えてその基端側の柵体に対して前進させ戸袋外へ張り出させるとともに、この戸袋内から戸袋外へ張出中の柵体よりも先端側の柵体は当該張出中の柵体と一体的に前進させるようにすることで、伸張する柵体相互の継目を常に戸袋内に位置させ、
可動柵を収納する際には、可動柵全体に収納方向の駆動力を与えて戸袋内へ向けて後進させるとともに、戸袋内に収納された柵体から順に駆動力を切り、駆動力を切った柵体に対して残りの柵体全体を後進させるようにすることで、収縮する柵体相互の継目を常に戸袋内に位置させる、
請求項2記載のプラットホームフェンス。 - 可動柵装置が取り付けられる後付部と、この後付部を隠蔽する隠蔽手段とを有し、この隠蔽手段を用いて前記後付部を隠蔽することにより可動柵装置を取り付けない状態でも利用可能である、ことを特徴とする可動柵後付型固定柵。
- フェンス設置対象となっているプラットホーム全てに固定柵を設置するとともに、
フェンス設置対象となっているプラットホームのうち、可動柵設置対象となっているプラットホームに、前記固定柵とともに固定柵の側方を開閉する可動柵を有する可動柵装置を取り付け、可動柵設置対象となっていないプラットホームには可動柵装置は取り付けないようにし、
固定柵を設けているが可動柵を設けていないプラットホームが後に可動柵設置対象となったときに、当該プラットホームにおける固定柵に可動柵装置を後付けする、
ことを特徴とするプラットホームフェンスの施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002317338A JP2004149017A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | プラットホームフェンス、可動柵後付型固定柵、ならびにプラットホームフェンスの施工方法 |
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JP2002317338A JP2004149017A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | プラットホームフェンス、可動柵後付型固定柵、ならびにプラットホームフェンスの施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004149017A true JP2004149017A (ja) | 2004-05-27 |
Family
ID=32460762
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004149017A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011116280A (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-16 | Mitsubishi Heavy Industries Transportation Equipment Engineering & Service Co Ltd | ホームドア装置 |
JP5863779B2 (ja) * | 2011-04-29 | 2016-02-17 | 三菱電機株式会社 | ホームドア装置 |
KR101966119B1 (ko) * | 2018-02-07 | 2019-08-13 | 이승빈 | 지하철 승강장에 설치되는 사다리용 안전 펜스 |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002317338A patent/JP2004149017A/ja active Pending
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