JP2004148899A - ウォッシャー連動型ワイパー制御方法およびその装置 - Google Patents

ウォッシャー連動型ワイパー制御方法およびその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学式レインセンサを用いて、汚れの付着を推定し、ウォッシャーおよびワイパーの動作を制御する方法および装置を提供する。
【解決手段】発光素子から発せられた光を、車両のウインドシールドのワイパー払拭領域の一部に設けられた検知面で反射させ、反射光を受光素子で受光して検知面の状態を検出するレインセンサと、ウインドシールドへのウォッシャー液の吐出を要求し、ワイパーの駆動を要求する制御手段と、受光素子の出力信号の中から、ワイパーブレードが検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンを識別し、検知面への汚れの付着を推定する汚れ検出手段とを備え、検知面への汚れの付着を推定した場合には、ウォッシャー液の吐出を要求し、ワイパーの払拭とウォッシャー液の吐出とを連動させるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両におけるウォッシャー連動型ワイパー制御方法、およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年乗用車においては、レインセンサを用いたオートワイパーが採用されてきている。そのレインセンサの多くは、光学的に雨滴等の検出を行うものである。
【0003】
図19を参照して、レインセンサの基本的な光学機構について説明する。図19に示すように、例えばLED等の発光素子10から発せられた光は、プリズムガラス11等を通じて、水滴の検出を行うべき透明性基板であるガラス基板(ウインドシールドガラス)2に導かれる。導かれた光は、検出対象面3にて全反射し、前記プリズムガラス11を通じて、例えばフォトダイオード(以下「PD」という)等の受光素子12に入射する。この図のレインセンサでは、水滴等の付着のない状態で、受光素子12には最大の出力が発生するように配置構成されている。このとき、検出面に水滴等の付着13があると、受光素子の出力は低下する。
【0004】
レインセンサの多くは、受光素子12の出力の変化に基づいて検知面の状態を判別し、光学的に雨滴等の検出を行う。このようなレインセンサを用いる技術としては、ワイパーの払拭にてかき集められ検知面を通過する水の量を検出する方法(特許文献1)、本発明者等による受光素子の出力信号のゆらぎに基づいて雨滴の大きさ等を推定する方法(特許文献2)が存在する。
【特許文献1】
国際公開第WO91/03393号パンフレット
【特許文献2】
特開2002−277386号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両の実走行時における状況は、非常に多岐に亘っている。例えば降雪時では、降った雪は路面の泥やほこりと混じり合って泥水状態となり、路面に存在する。雪道を車両が走行すると、それを巻き上げることになる。先行する車両に追従して走行すると、自車のウインドシールドには、このような泥水が付着することになり、運転者の視界を悪化させてしまう。
【0006】
泥水がウインドシールドに付着した場合、ワイパーを払拭させることには注意を要する。特に、降雨等によりウインドシールドへ水が十分に供給されていない場合には注意を要する。すなわち、ただ単に払拭しただけでは、付着している泥水をワイパーブレードによってウインドシールド上に塗り広げることになり、却って視界を悪化させてしまう。これを避けるためには、ウォッシャー液を噴射させながら、ワイパー払拭を行うことが好ましい。一方、視界が悪化することを畏れて、ワイパー払拭を行わないと、付着した泥水が走行風などによって乾燥してしまい、さらに払き取りにくくなってしまう。
【0007】
また雪道では、路面の凍結を防止するために、凍結防止剤が散布されることが多い。このような凍結防止剤の混じった水も、車両の走行によって巻き上げられることになる。凍結防止剤には、岩塩など塩化ナトリウムや塩化カリウムなどが広く用いられている。
【0008】
凍結防止剤の混じった水が、ウインドシールドに付着した場合も、ただ単に払拭しただけでは、視界を悪化させてしまう。さらに、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどは乾燥してしまうと、ウインドシールドが真っ白になってしまい、視界の確保が困難になってしまう。このため、ウォッシャー液を噴射しながらワイパー払拭することが必要となる。
【0009】
ウォッシャー液を噴射させることが必要とされるこのような状況下では、運転者がウォッシャー液の噴射スイッチの操作を行っていた。特に、凍結防止剤が散布された道路を走行するときには、頻繁にウォッシャー液を噴射させなければならないことが多い。このため、操作が煩雑になり、運転者への負荷が増大する嫌いがあった。
【0010】
また乗用車等では、ウォッシャー液の噴射ノズルは、通常ボンネット上に設けられることが多い。このような噴射ノズルは、ワイパーの払拭範囲の広い領域に、ウォッシャー液を噴射散布する。噴射された直後のウォッシャー液は、含まれる洗剤成分で白っぽくなり、またウインドシールドの広い領域に散布されるので、一時的に視界を妨げる傾向にある。
【0011】
そこで本発明は、上述した状況を鑑み、主として雨滴の検出のために設けられたレインセンサにより、汚れの付着を推定することができ、ウォッシャーの動作を連動させることのできるウォッシャー連動型ワイパー制御方法、およびその装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によるウォッシャー連動型ワイパー制御方法およびその装置は、以下のような状況において特に有用である。すなわち、雪道や泥水で路面が濡れている道路の走行時で、雨が降っていないか小雨の状況である。
【0013】
このような場合、ウインドシールドには、汚れ混じりの水が供給されるだけで、水分そのものの供給は少ない。したがって、このような状況でワイパーの払拭を行うと、汚れを広げるだけで却って視界を悪化させてしまう。また走行風により汚れが乾燥してしまうと、ますます拭き取りにくくなってしまう。
【0014】
そこで本発明では、汚れの付着を推定し、ウォッシャーを連動させ、汚れを拭き取りやすくするものである。
【0015】
より具体的には、本発明は、発光素子から発せられた光を、車両のウインドシールドのワイパー払拭領域の一部に設けられた検知面で反射させ、前記反射光を受光素子で受光して前記検知面の状態を検出するレインセンサと、前記ウインドシールドへのウォッシャー液の吐出を要求し、前記ワイパーの駆動を要求する制御手段とを備えるウォッシャー連動型ワイパー制御装置であって、前記受光素子の出力信号の中から、ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンを識別し、前記検知面への汚れの付着を推定する汚れ検出手段を備え、前記検知面への汚れの付着を推定した場合には、前記ウォッシャー液の吐出を要求し、前記ワイパーの払拭と前記ウォッシャー液の吐出とを連動させることを特徴とする。
【0016】
さらに、前記ワイパーの払拭動作によって運ばれて前記検知面を通過する水の量を検出する手段と、前記検知面を通過する水の量が所定の閾値より大きいか否か判断し、前記検知面を通過する水の量が所定の閾値より大きい場合には、前記ウォッシャー液の吐出を中止する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、前記検知面への汚れの付着を複数回連続して推定することを条件として、前記ウォッシャー液の吐出を要求することを特徴とする。
【0018】
そして、前記ウォッシャー連動型ワイパー制御装置は、ワイパーブレードの近傍にウォッシャー液を吐出する機構を制御し、前記ワイパーブレードの近傍にウォッシャー液を吐出する機構に対して、前記ウォッシャー液の吐出を要求することを特徴とする。
【0019】
さらに、上記制御装置の発明は、方法の発明としても成立する。また、上記発明は、ワイパーの制御装置やコンピュータやマイクロコンピュータに所定の機能を実現させるプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体としても成立する。
【0020】
また、本明細書における手段は、ハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現可能である。ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによる実行は、例えば、所定のプログラムを有するコンピュータにおける実行が該当する。
【0021】
そして、1つの手段が有する機能が2つ以上のハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現されても、2つ以上の手段の機能が1つのハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現されても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、以下の説明においては自動車のウインドシールドを例として用いるが、本発明をこれに限定する意図ではない。本発明は、自動車に使用される他のガラス、例えばリアガラスにも適用可能である。さらには、自動車以外の車両、例えば電車等にも適用可能である。
【0023】
(ワイパー装置の構成)
まず、本発明を適用可能なワイパー装置の全体構成について図1を参照して説明する。図1は、ワイパー装置の構成を説明する図である。図1に示すように、ワイパー装置は、ウォッシャー連動型ワイパー制御装置1と、ワイパー5と、図示しないウォッシャー吐出機構とを備える。
【0024】
ウォッシャー連動型ワイパー制御装置1は、自動車のウインドシールド2の車内側に図示しない接着剤等によって取り付けられている。つまりウインドシールド2の外面を検出対象面3とし、その検出対象面3の一部を検知面4として設定している。
【0025】
ワイパー5は、図示しないワイパー駆動用モータによって駆動される。ワイパー駆動用モータは、ウォッシャー連動型ワイパー制御装置1によって直接制御されてもよい。あるいは、ワイパー駆動用モータは、図示しない自動車制御用コンピュータによって制御されてもよい。後者の場合には、ウォッシャー連動型ワイパー制御装置1は、自動車制御用コンピュータにワイパー払拭要求信号を送信し、ワイパー5を間接的に制御する。
【0026】
ウォッシャー液の吐出6は、後述するようなウォッシャー液吐出機構によって行われる。具体的には、図示しないウォッシャーポンプ(以下「ポンプ」)を駆動することにより、ウォッシャー液がノズルから噴射される。ポンプは、ウォッシャー連動型ワイパー制御装置1によって直接制御されてもよい。あるいは、ポンプは、図示しない自動車制御用コンピュータによって制御されてもよい。後者の場合には、ウォッシャー連動型ワイパー制御装置1は、自動車制御用コンピュータにウォッシャー液吐出要求信号を送信し、ポンプを間接的に制御する。
【0027】
なお、図1は、ワイパーブレードに設けられたノズルからウォッシャー液が噴射されている例を示しているが、本発明はこれに限られるものではない。ノズルは、ワイパーアームの一部に設けられてもよく、ボンネット上に設けられてもよい。
【0028】
ウォッシャー連動型ワイパー制御装置1は、検知面4の状態、特に、検知面4への雨滴の付着,汚れの付着等を検出し、ワイパーの払拭動作とウォッシャー液の吐出動作とを制御する。
【0029】
(ウォッシャー連動型ワイパー制御装置の構成)
次に、ウォッシャー連動型ワイパー制御装置の構成を図2を参照して説明する。図2はウォッシャー連動型ワイパー制御装置全体の構成を示した図である。便宜上、ハードウェア部分20とソフトウェア部分21とに分けている。ウォッシャー連動型ワイパー制御装置は、例えばレインセンサを利用して実現することができる。なお、本発明のウォッシャー連動型ワイパー制御装置に用いられる光学機構は、図19に示された機構と同様のものを用いることができるので、説明を省略する。
【0030】
発光素子10は、500Hz以上の周波数(キャリア周波数)のパルス波形で駆動されているとよい。また発光素子10は温度により発光特性が変化するので、実際の発光光量を、モニター用受光素子23とモニター用検出回路24を用いてモニターしておくことが好ましい。さらにモニター結果をフィードバックしながら、発光素子10を駆動回路22で駆動することが好ましい。
【0031】
PD等の受光素子12に光が入射することによって、出力信号が発生する。このとき信号は、発光素子を駆動時のキャリア波形を含んでいるので、まず信号検出回路25にかけて、実信号のみを取り出す。
【0032】
また通常得られる受光素子では、あまり大きな出力の信号を得ることができないことが多いので、受光素子からの信号は増幅回路26にて増幅されることが好ましい。
【0033】
続いて当該信号は、A/Dコンバータ27に入力されて、デジタル変換される。このとき、A/Dコンバータ27のダイナミックレンジは、上述した光学機構の出力から適宜定められるとよい。
【0034】
A/Dコンバータ27の出力信号を検出部28に入力する。当該検出部28は、入力された信号から、以下の事項を検出する。
1:ワイパー払拭後の受光素子出力値
2:ワイパー払拭後の受光素子出力値の増加方向の変化(例えば所定期間当たりの受光素子出力値の傾きを算出し、この傾きに基づいて受光素子出力値の増加方向の変化を検出する。)
3:ワイパー払拭後、受光素子出力値の増加時における増加時間
4:ワイパー払拭後、受光素子出力値が安定した状態、およびこの状態における受光素子出力値
5:ワイパー払拭後、受光素子出力値の増加時における受光素子出力信号のゆらぎ
6:ワイパーによって運ばれ検知面を通過する水の量(例えば、ワイパーが検知面を通過する際の受光素子出力低下のピーク値に基づいて検知面を通過する水の量を検出する。)
【0035】
すなわち、検出部28は、以下の手段を有する。
1:ワイパー払拭後の受光素子出力値を検出する手段
2:ワイパー払拭後の受光素子出力値の増加方向の変化を検出する手段
3:ワイパー払拭後、受光素子出力値の増加時における増加時間を検出する手段
4:ワイパー払拭後、受光素子出力値が安定した状態を検出し、この状態における受光素子出力値を検出する手段
5:ワイパー払拭後、受光素子出力値の増加時における受光素子出力信号のゆらぎを検出する手段
6:ワイパーによって運ばれ検知面を通過する水の量を検出する手段
【0036】
次に、検出部28からの出力信号は判断部29に入力される。判断部29は、検出部28が検出した検出結果に基づいて検知面への汚れの付着を推定し、ウォッシャー液吐出動作とワイパー払拭動作とを適切に制御する。
【0037】
より具体的には、判断部29は、検出部28が検出したワイパー払拭後の受光素子出力値が所定の基準値よりも低いか否か判断する。また、判断部29は、検出部28が検出したワイパー払拭後の受光素子出力値の増加方向の変化に基づいて受光素子出力の増加があるか否か判断する。そして、判断部29は、検出部28が検出した、ワイパー払拭後受光素子出力の増加時における増加時間が所定の基準期間より短いか否か判断し、ワイパー払拭後受光素子出力値が安定した状態における受光素子出力値が所定の基準値より低いか否か判断する。そして、ワイパー払拭後受光素子出力の増加時において受光素子出力信号にゆらぎが認められないか否か判断する。さらに、判断部29は、検出部28が検出したワイパーによって運ばれ検知面を通過する水の量が所定の閾値より小さいか否か判断する。これらの判断が肯定される場合には、判断部29は、ウォッシャー液を吐出させる制御を行い、ウォッシャー液の吐出とワイパーの払拭動作とを連動させる。
【0038】
判断部29は、自動車制御用コンピュータ(図示しない)へ要求信号を送信して、自動車制御用コンピュータを介してウォッシャー液吐出動作とワイパー払拭動作とを制御してもよい。また、ポンプまたは/およびワイパー駆動用モータを直接制御してもよい。
【0039】
なお、上記の検出部28および判断部29は、ソフトウエアにて構成することが可能である。
【0040】
(汚れの付着の検出方法)
次に、汚れの付着の検出方法について説明する。本発明の特徴である汚れの検出は、以下のようにして行うことができる。なお以下の説明では、降雨はほとんどなく、ウインドシールドには、汚れ混じりの水だけが付着しており、ワイパーは、比較的長い間欠時間、例えば10秒以上の間隔で間欠動作しているものとする。
【0041】
まず図3に、ウインドシールドに汚れ混じりの水が付着し、それをワイパーブレードで払拭したときの受光素子出力の模式的チャートを示す。また比較のために図4に、ウインドシールドに所定量の雨が付着し、それをワイパーブレードで払拭したときの受光素子出力の模式的チャートを示す。なお、図中の横軸は時間軸であり、1ドットあたり64msに相当する。また、図中A/Sで示されるのは、ワイパーの動作を示すON/OFF信号である。ワイパーの通過と雨滴等の付着とを混同しないようにするため、信号がONを示す区間は、受光素子出力がマスクされるようにしてもよい。
【0042】
図4において、Aは検知面に何も付着していない場合の受光素子出力基準値を示している。ワイパーブレード払拭前の領域Bは、雨の付着により受光素子出力が低下していることを示している。ワイパーブレード払拭後の領域Dは、付着していた雨が拭い去られ、受光素子出力が基準値(あるいはその近傍)に回復する様子を示している。
【0043】
一方図3は、ウインドシールドに付着した汚れ混じりの水が、ワイパーブレードの払拭によって検知面に広げられたときの受光素子出力のチャートである。ワイパーブレード払拭前の領域Bは、汚れ混じりの水が付着し、受光素子出力が低下していることを示している。ワイパーブレード払拭後の領域CおよびDは、汚れ混じりの水が検知面に広げられ、そのために受光素子出力が低下している様子を示している。このときの受光素子出力の低下は、本発明者の調査分析では、基準値の10%の程度までであった。
【0044】
さらに領域C部分は、走行風による水分の蒸発に伴う受光素子出力の増加を示している。水分が乾燥してしまうと、その後の受光素子出力値(領域D)は、安定していることがわかる。このときの受光素子出力値は、基準値よりも低い値である。
【0045】
このように、ワイパーブレード払拭の前後における受光素子出力のチャートを分析することによって、検知面の汚れを推定することができる。つまり、ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が、払拭前の受光素子出力より低下しており、さらに水分の乾燥に伴う出力の増加が認められ、その後安定した値を示す場合に、検知面に汚れが付着していることが推定される。
【0046】
また、本発明者らは、このような分析により、検知面に汚れが付着した場合には、ワイパーブレードが検知面を通過した後の受光素子出力に特徴的なパターンが現れることを見出した。つまり、ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が、払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う出力の増加が認められ、その後安定した値を示すというパターンである。
【0047】
したがって、ワイパーブレードが検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンを識別することにより、検知面への汚れの付着を推定することができる。図5に、汚れの推定および具体的な制御のフロー図を示す。
【0048】
図5に示されるように、まず、判断部29は、検出部28が検出したワイパー払拭後の受光素子出力値が所定の基準値よりも低いか否か判断する(ステップ101)。具体的には、ワイパー払拭前の受光素子出力値を基準値として記憶しておき、ワイパー払拭後の受光素子出力値と比較する。なお、ワイパー払拭後の受光素子出力値は、マスク区間終了時(図3中のaM)の値としてもよい。
【0049】
ワイパー払拭後の受光素子出力値が所定の基準値よりも低いと判断された場合には、次に判断部29は、検出部28が検出したワイパー払拭後の受光素子出力値の増加方向の変化に基づいて受光素子出力の増加があるか否か判断する(ステップ102)。具体的には、例えば検出部28は、ワイパー払拭後の所定期間(図3中のC)当たりの受光素子出力値の傾きを算出し、判断部29は、この傾きに基づいて受光素子出力値の増加方向の変化を判断する。
【0050】
そして、ワイパー払拭後の受光素子出力の増加があると判断された場合には、判断部29は、受光素子出力の増加後に受光素子出力値が安定した状態を検出部28が検出したか否か判断する(ステップ103)。例えば、受光素子出力値の傾きが所定期間の間ほぼ水平である場合を安定した状態として判断してもよい。
【0051】
ワイパー払拭後受光素子出力値が安定した状態を検出部28が検出している場合には、検知面への汚れの付着が推定できるので、判断部29は、ウォッシャー液を吐出させる制御を行い、ウォッシャー液の吐出と連動させてワイパーの払拭動作を制御する(ステップ110)。
【0052】
このような方法により、ワイパー払拭前後の受光素子出力信号に基づいて、ウインドシールドに対する汚れの付着を精度良く推定することができる。また、ウインドシールドに対して汚れが付着した場合に、このような状況を検出し、ウインドシールドへウォッシャー液を自動的に噴射させてワイパーを動作させることができ、ドライバーの手を煩わせることなく視界を確保することができる。
【0053】
なおワイパーブレードが劣化している場合には、図3に類似した受光素子出力のチャートが得られることがある。図6に、ワイパーブレードが劣化している場合における、ワイパー払拭時の受光素子出力の模式的チャートを示す。
【0054】
以下に図6のチャートを分析する。ワイパーブレードが劣化している場合、払拭しきれない水が検知面に残るので、払拭直後の出力は、基準値より数%低下していることが多い。さらに劣化しているワイパーブレードで払拭すると、検知面には薄い水膜が残ることになるので、それが走行風などによって乾燥し、それに伴って受光素子出力が増加して行く(図中Cを参照)。このとき、水分乾燥後の受光素子出力値は、基準値の近傍にまで回復し安定する(図中Dを参照)。
【0055】
以上の分析に示したように、検知面に汚れが広げられた場合と、ワイパーブレードが劣化している場合とでは、類似の受光素子出力のチャートが得られる。しかしながら、受光素子出力が増加(または回復)していく期間(図中のC)に注目すると、ワイパーブレード劣化に比べて汚れの付着の方が増加時間が短い。これは、ワイパーブレード劣化により生じる水膜よりもワイパーによって塗り広げられた汚れの方が乾きやすいためである。したがって、ワイパー払拭後受光素子出力が増加する期間の長さを所定の基準期間と比較することによって、汚れの付着とワイパーブレード劣化とを区別することができる。すなわち、増加時間が基準期間よりも短い場合には汚れの付着であり、基準期間より長い場合にはワイパーブレード劣化であると区別できる。
【0056】
また、受光素子出力が増加後安定した状態での出力値(図中のD)を対比してみると、ワイパーブレード劣化が基準値近傍であるのに対して汚れの付着はそれよりも低い。したがって、ワイパー払拭後に安定した際の受光素子出力値を基準値と比較することによって、上述した2つの場合を区別することができる。すなわち、安定した後の受光素子出力値が、基準値よりも低い場合には汚れの付着であり、基準値近傍の場合にはワイパーブレード劣化であると区別できる。
【0057】
以上のような分析により、受光素子出力に基づいて検知面への汚れの付着を推定することができる。図7に、汚れの推定および具体的な制御のフロー図を示す。
【0058】
図7に示されるように、まず、判断部29は、検出部28が検出したワイパー払拭後の受光素子出力値が所定の基準値よりも低いか否か判断する(ステップ101)。
【0059】
ワイパー払拭後の受光素子出力値が所定の基準値よりも低いと判断された場合には、次に判断部29は、検出部28が検出したワイパー払拭後の受光素子出力値の増加方向の変化に基づいて受光素子出力の増加があるか否か判断する(ステップ102)。
【0060】
そして、ワイパー払拭後の受光素子出力の増加があると判断された場合には、判断部29は、受光素子出力の増加後に受光素子出力値が安定したか否か判断する(ステップ103)。受光素子出力値が安定した場合には、判断部29は、ワイパー払拭後受光素子出力値が安定した状態における受光素子出力値が所定の基準値より低いか否か判断する(ステップ104)。
【0061】
安定した状態における受光素子出力値が所定の基準値より低い場合には、検知面への汚れの付着が推定できるので、判断部29は、ウォッシャー液を吐出させる制御を行い、ウォッシャー液の吐出と連動させてワイパーの払拭動作を制御する(ステップ110)。
【0062】
このような方法により、ワイパーブレードが劣化している場合であっても、ワイパー払拭前後の受光素子出力信号に基づいて、ウインドシールドに対する汚れの付着を精度良く推定することができる。また、ワイパーブレードが劣化している場合であっても、ウインドシールドに対して汚れが付着した場合に、このような状況を検出し、ウインドシールドへ自動的にウォッシャー液を噴射させてワイパーを動作させることができる。
【0063】
また、図8に示すように、ワイパーブレードの劣化と汚れの付着とをさらに確実に区別するために、以下のステップをステップ104の後にあるいはステップ104に代えて加えると好適である。すなわち、ワイパー払拭後受光素子出力の増加時における増加時間が所定の基準期間より短いか否か判断するステップである。増加時間が基準期間より短い場合には、汚れの付着が推定され、そうでない場合には汚れの付着が否定される。なお、図8は、汚れの推定および具体的な制御のフロー図である。
【0064】
さらに、ワイパーブレードが劣化している場合の他にも、汚れの付着に類似した受光素子出力のチャートが得られることがある。図9に、ワイパー払拭直後に雨滴が検知面に付着した場合における、受光素子出力の模式的チャートを示す。
【0065】
以下に図9のチャートを分析する。ワイパー払拭直後に雨滴が検知面に付着した場合、マスク期間(A/S)直後(図中のaM)の出力は、基準値より低下していることが多い。さらに付着している雨滴が走行風などによって乾燥し、それに伴って受光素子出力が増加して行く(図中Cを参照)。このとき、水分乾燥後の受光素子出力値は、基準値の近傍にまで回復する(図中Dを参照)。
【0066】
以上説明したように、検知面に汚れが広げられた場合と、ワイパー払拭直後に雨滴が検知面に付着した場合とでは、類似の受光素子出力のチャートが得られる。しかしながら受光素子出力が増加していく期間(図中C)に注目してみると、汚れの付着の場合は直線的な増加を示すのに対して、雨滴が付着した場合は受光素子出力信号にゆらぎが発生している。
【0067】
したがって、受光素子出力増加時の信号のゆらぎの有無を判定することによって、上述した2つの場合を区別することができる。すなわち、増加時の受光素子出力信号にゆらぎが無い場合には汚れの付着であり、ゆらぎが生じている場合には雨滴の付着であると区別できる。
【0068】
なお、検知面へ雨滴が衝突するイベントを契機として受光素子出力信号にゆらぎが発生すること、そして受光素子出力信号のゆらぎによって雨滴を検出する方法については、先に示した特許文献2において詳細な分析および説明が開示されている。
【0069】
以上のような分析により、受光素子出力に基づいて検知面への汚れの付着を推定することができる。図10および11に、汚れの推定および具体的な制御のフロー図を示す。
【0070】
図10に示されるように、まず、判断部29は、検出部28が検出したワイパー払拭後の受光素子出力値が所定の基準値よりも低いか否か判断する(ステップ101)。
【0071】
ワイパー払拭後の受光素子出力値が所定の基準値よりも低いと判断された場合には、次に判断部29は、検出部28が検出したワイパー払拭後の受光素子出力値の増加方向の変化に基づいて受光素子出力の増加があるか否か判断する(ステップ102)。
【0072】
そして、ワイパー払拭後の受光素子出力の増加があると判断された場合には、判断部29は、受光素子出力の増加後に受光素子出力値が安定したか否か判断する(ステップ103)。受光素子出力が安定した場合には、判断部29は、受光素子出力増加時に信号のゆらぎがあったか否か判断する(ステップ106)。
【0073】
受光素子出力増加時に信号のゆらぎが認められない場合には、検知面への汚れの付着が推定できるので、判断部29は、ウォッシャー液を吐出させる制御を行い、ウォッシャー液の吐出と連動させてワイパーの払拭動作を制御する(ステップ110)。
【0074】
このような方法により、ワイパー払拭直後に雨滴が検知面に付着した場合に、ワイパー払拭前後の受光素子出力信号に基づいて、ウインドシールドに対する汚れの付着との相違を精度良く区別することができる。したがって、ワイパー払拭直後に雨滴が検知面に付着した場合に、誤ってウォッシャー液を噴射させることを防止することができる。
【0075】
さらに、図11に示すように、上述のステップ106の判断処理を、先に説明したワイパーブレード劣化の場合の判断フローのステップ104または/およびステップ105の後に加えてもよい。この場合には、1度のフロー処理によって、ワイパーブレード劣化およびワイパー払拭直後の雨滴の付着からウインドシールドに対する汚れの付着を区別することができる。
【0076】
上述したように、ワイパーブレード払拭の前後における受光素子出力のチャートを分析することによって、検知面の汚れを推定することができるが、さらにワイパーブレードの払拭にてかき集める水の量を評価することによって、検知面の汚れの推定をより確かなものにすることができる。
【0077】
すなわち、検知面に汚れが広げられたと思われる状況が推定された場合に、ワイパーブレードの払拭にてかき集められた水の量が、ほとんどないあるいは少ないときには、先の推定を肯定することができる。かき集める水の量が多いときには、先の推定を否定すればよい。ここで、かき集められた水の量が多い場合には、ウインドシールドには水分が供給されるので、付着した汚れはワイパーの払拭により拭き取られ、ウォッシャー液の噴射を必要とする状況になりにくいことが本発明者らによって確認されている。なお図12にかき集める水の量の違いによる受光素子出力の模式的チャートを示す。
【0078】
図12のEは、ワイパーの払拭にてかき集められ検知面を通過する水の量がほとんどない場合の信号値を示し、Fは、ワイパーの払拭にてかき集められ検知面を通過する水が所定量ある場合の信号値を示す。検出部28は、上記図12に例示する信号が得られると、ワイパーが検知面を通過するタイミングを特定し、そのタイミングでのデータに基づいて検知面を通過する水の量を検出する。つまり、ワイパーが検知面を通過するときの受光素子の出力情報に基づいて、水の量を検出する。例えば、上記通過のタイミングでのピーク値(信号変化としてのピーク値)から水の量を判断して、判断部29に送信する。
【0079】
このようにして、検知面の汚れをより確実に推定することができる。検知面の汚れが推定された場合、レインセンサーは車両側に対して、ウォッシャー液を吐出するように要求信号を出せばよい。車両側は、この要求に応じてポンプを作動させて、ウォッシャー液を吐出させる。
【0080】
具体的な制御としては、図13に示されるように、ステップ104の後に、さらに、判断部29は、検出部28が検出したワイパーによって運ばれ検知面を通過する水の量が所定の閾値より小さいか否か判断する(ステップ107)。ワイパーによって運ばれ検知面を通過する水の量が所定の閾値より小さい場合には、判断部29は、ウォッシャー液を吐出させる制御を行い、ウォッシャー液の吐出と連動させてワイパーの払拭動作を制御する(ステップ110)。一方、検知面を通過する水の量が所定の閾値より大きい場合には、ウォッシャー液吐出の要求を中止する。さらに、ステップ107の判断は、図14に示されるようにステップ106の後に設けるようにしてもよい。なお、図13および14は、汚れの推定および具体的な制御のフロー図である。
【0081】
このような制御によって、ウォッシャー液の噴射の必要性をより確実に判断することができ、ウォッシャー液を節約することができる。
【0082】
なお、1回の汚れの推定でウォッシャー液を吐出すると、不必要と思われる場合にまでウォッシャー液を吐出することになる場合がある。これを防ぐために、本発明のウォッシャー連動型ワイパー制御方法においては、複数回(または複数回連続して)検知面の汚れが推定された場合に、ウォッシャー液を吐出するようにしてもよい。
【0083】
(ウォッシャー液吐出機構)
次に、本発明において好適なウォッシャー液吐出機構について説明する。本発明を適用できるウォッシャー液吐出機構は、特に限定されず、ボンネット上にウォッシャーノズルが設けられるタイプのものであってもよい。しかしながら本発明においては、ワイパーブレード近傍にウォッシャー液を吐出する機構を備えることが好ましい。このような機構では、ウインドシールドの視界に関わる広い面積に、ウォッシャー液を噴射する必要がない。このため、ウインドシールドにおいて、ウォッシャー液の噴射による視界の悪化を防ぐことができ、視界確保の観点から好ましい。また、ウインドシールド上の、ワイパーブレードで払拭する進行方向前方の領域にウォッシャー液を吐出する機構を備えることが好ましい。
【0084】
具体的な機構の例を図面を用いて説明する。ここで、図15および16は、ウォッシャー液吐出機構の構成を説明する図である。本発明において好適なウォッシャー液吐出機構は、例えば図15に示されるように、ワイパーアーム32とワイパーブレード34とを備える。ワイパーアーム32の内部にはホース36が通過している。ホース36の一端は、ワイパーアーム32内を通りワイパーアーム32上に設けられたウォッシャーノズル38に接続されている。そして、ホース36の他端は、図示されないポンプへ接続されている。
【0085】
このウォッシャー液吐出機構の動作を説明する。ポンプによってウォッシャータンクから供給されたウォッシャー液は、ホース36内を経てウォッシャーノズル38へ供給される。そして、ウォッシャーノズル38から噴射され、ワイパーブレード34近傍に供給される。また、休止位置にあるワイパーが払拭を開始する際の進行方向を前方とした場合に、ウォッシャーノズル38は、例えば、ワイパーブレードの前方側のウインドシールド上にウォッシャー液を供給するようにしてもよい。そして、ワイパーブレードが反転して休止位置へ向かって払拭する場合には、ウォッシャー液の供給は停止するようにしてもよい。
【0086】
本発明において好適なウォッシャー液吐出機構は、例えば図16に示されるようなものであってもよい。図16に示されるウォッシャー液吐出機構は、ワイパーアーム42とワイパーブレード44とを備える。ワイパーアーム42の内部にはホース46が通過している。ホース46は、ワイパーアーム42内を通り、ワイパーアーム42とワイパーブレード44との接続部でワイパーブレード44の長手方向に分岐されてワイパーブレード44の背面に配置されている。そして、複数箇所でさらに分岐されて、ワイパーブレード44の移動方向の前後両側に設けられたノズル45に接続される。
【0087】
このウォッシャー液吐出機構の動作を説明する。ポンプによってウォッシャータンクから供給されたウォッシャー液は、ホース46内を経てノズル45へ供給される。そして、ノズル45からワイパーブレード44の移動方向の前後に供給される。なお、ワイパーの往復運動に従ってワイパーブレード44の進行方向は反転するので、例えば実開平4−134775号公報に記載されているように、進行方向の後側になるノズル45を閉じ、絶えず進行方向の前方のみにウォッシャー液を吐出するようにすると好適である。
【0088】
以上のように、ワイパーブレード近傍にウォッシャー液を吐出する機構を備えている場合には、以下のような制御も可能である。すなわち、汚れの付着が疑われる状況であると推定された段階で、ウォッシャー液を吐出する制御方法である。さらに、この吐出に連動してワイパー払拭を行うとよい。
【0089】
ワイパーブレード近傍にウォッシャー液を吐出する機構を備えていると、ウォッシャー液を吐出しても、視界を悪化させることがないので、早めにウォッシャー液を吐出することができる。もし実際に検知面に汚れが付着していた場合には、先の推定の確からしさを検証している場合に比べて、より早く良好な視界を確保することができるので、好ましい。
【0090】
汚れの付着が疑われる状況とは、ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が、払拭前の受光素子出力より低下しており、さらに水分の乾燥に伴う出力の増加が認められた段階とすればよい。つまり、その後の出力の安定を見極める時間を待たずに、ウォッシャー液を吐出するものである。
【0091】
具体的な制御としては、図17に示されるように、判断部29は、ステップ102においてワイパー払拭後の受光素子出力の増加があると判断された場合には、ウォッシャー液を吐出させる制御を行い、ウォッシャー液の吐出と連動させてワイパーの払拭動作を制御する(ステップ110)。
【0092】
また、図18に示されるように、ステップ102の後に、判断部29は、検出部28が検出したワイパーによって運ばれ検知面を通過する水の量が所定の閾値より小さいか否か判断するようにしてもよい(ステップ107)。そして、ワイパーによって運ばれ検知面を通過する水の量が所定の閾値より小さい場合には、判断部29は、ウォッシャー液を吐出させる制御を行い、ウォッシャー液の吐出と連動させてワイパーの払拭動作を制御する(ステップ110)。ここで、図17および18は、汚れの推定および具体的な制御のフロー図である。
【0093】
以上の説明では、降雨はほとんどなく、ワイパーが比較的長い間欠時間で間欠動作しているものとしたが、降雨があれば、ウインドシールドには随時水分が供給されワイパーの払拭により、付着した汚れは拭き取られることになる。このため、降雨時には、本発明が前提とした状況にならないと考えられる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ウインドシールドへの汚れの付着を精度良く推定することができる。
【0095】
また、検知面への汚れの付着を検出して自動的にウォッシャー液を吐出させることができる。さらに、ウォッシャー液の吐出とワイパーの払拭とを連動させることができるので、汚れが付着した場合に、運転者の手を煩わせることなく視界を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるウォッシャー連動型ワイパー装置の概略構成図である。
【図2】本発明によるウォッシャー連動型ワイパー制御装置の構成を示す図である。
【図3】汚れ付着時にワイパーブレードで検知面を払拭したときの受光素子出力のチャートである。
【図4】雨滴付着時にワイパーブレードで検知面を払拭したときの受光素子出力のチャートである。
【図5】検知面の汚れを推定するフロー図である。
【図6】劣化したワイパーブレードで検知面を払拭したときの受光素子出力のチャートである。
【図7】検知面の汚れを推定するフロー図である。
【図8】検知面の汚れを推定するフロー図である。
【図9】ワイパー払拭直後に検知面に雨滴が付着したときの受光素子出力のチャートである。
【図10】検知面の汚れを推定するフロー図である。
【図11】検知面の汚れを推定するフロー図である。
【図12】かき集めた水の有無による受光素子出力のチャートである。
【図13】検知面の汚れを推定するフロー図である。
【図14】検知面の汚れを推定するフロー図である。
【図15】ワイパーブレード近傍にウォッシャー液を吐出する機構を説明する図である。
【図16】ワイパーブレード近傍にウォッシャー液を吐出する機構を説明する図である。
【図17】検知面の汚れを推定するフロー図である。
【図18】検知面の汚れを推定するフロー図である。
【図19】レインセンサの基本構造を説明する図である。
【符号の説明】
1 ウォッシャー連動型ワイパー制御装置
2 ウインドシールドガラス
3 検出対象面
4 検知面
5 ワイパー
6 ウォッシャー液
10 発光素子
11 プリズムガラス
12 受光素子
13 水滴
20 ハードウェア部分
21 ソフトウェア部分
22 駆動回路
23 モニター用受光素子
24 モニター用検出回路
25 信号検出回路
26 増幅回路
27 A/Dコンバータ
28 検出部
29 判断部
32 ワイパーアーム
34 ワイパーブレード
36 ホース
38 ウォッシャーノズル
42 ワイパーアーム
44 ワイパーブレード
45 ノズル
46 ホース

Claims (18)

  1. 発光素子から発せられた光を、車両のウインドシールドのワイパー払拭領域の一部に設けられた検知面で反射させ、前記反射光を受光素子で受光して前記検知面の状態を検出するレインセンサと、前記ウインドシールドへのウォッシャー液の吐出を要求し、前記ワイパーの駆動を要求する制御手段とを備えるウォッシャー連動型ワイパー制御装置であって、
    前記受光素子の出力信号の中から、ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンを識別し、前記検知面への汚れの付着を推定する汚れ検出手段を備え、
    前記検知面への汚れの付着を推定した場合には、前記ウォッシャー液の吐出を要求し、前記ワイパーの払拭と前記ウォッシャー液の吐出とを連動させるウォッシャー連動型ワイパー制御装置。
  2. さらに、前記ワイパーの払拭動作によって運ばれて前記検知面を通過する水の量を検出する手段と、
    前記検知面を通過する水の量が所定の閾値より大きいか否か判断し、前記検知面を通過する水の量が所定の閾値より大きい場合には、前記ウォッシャー液の吐出を中止する手段とを備える、請求項1に記載のウォッシャー連動型ワイパー制御装置。
  3. 前記検知面への汚れの付着を複数回連続して推定することを条件として、前記ウォッシャー液の吐出を要求する請求項1または2に記載のウォッシャー連動型ワイパー制御装置。
  4. 前記ウォッシャー連動型ワイパー制御装置は、ワイパーブレードの近傍にウォッシャー液を吐出する機構を制御し、
    前記ワイパーブレードの近傍にウォッシャー液を吐出する機構に対して、前記ウォッシャー液の吐出を要求する請求項1〜3のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御装置。
  5. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められるというパターンである請求項4に記載のウォッシャー連動型ワイパー制御装置。
  6. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められ、その後安定した値を示すというパターンである請求項1〜4のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御装置。
  7. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められ、その後安定した値を示し、前記安定した値が前記払拭前の受光素子出力より低いというパターンである請求項1〜4のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御装置。
  8. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められ、その後安定した値を示し、前記水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加の時間が所定の基準期間より短いというパターンである請求項1〜4のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御装置。
  9. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められ、その後安定した値を示し、前記水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加時に受光素子出力信号のゆらぎが認められないというパターンである請求項1〜4のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御装置。
  10. 発光素子から発せられた光を、車両のウインドシールドのワイパー払拭領域の一部に設けられた検知面で反射させ、前記反射光を受光素子で受光して前記検知面の状態を検出するレインセンサを用いて、前記ウインドシールドへのウォッシャー液の吐出と、前記ワイパーの駆動とを制御する方法であって、
    前記受光素子の出力信号の中から、ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンを識別し、前記検知面への汚れの付着を推定する汚れ検出ステップと、
    前記検知面への汚れの付着を推定した場合には、前記ウォッシャー液の吐出を要求し、前記ワイパーの払拭と前記ウォッシャー液の吐出とを連動させるステップとを含むウォッシャー連動型ワイパー制御方法。
  11. さらに、前記ワイパーの払拭動作によって運ばれて前記検知面を通過する水の量を検出するステップと、
    前記検知面を通過する水の量が所定の閾値より大きいか否か判断し、前記検知面を通過する水の量が所定の閾値より大きい場合には、前記ウォッシャー液の吐出を中止するステップとを含む、請求項10に記載のウォッシャー連動型ワイパー制御方法。
  12. 前記検知面への汚れの付着を複数回連続して推定したか否か判断し、複数回連続して推定した場合には、前記ウォッシャー液の吐出を要求するステップをさらに含む請求項10または11に記載のウォッシャー連動型ワイパー制御方法。
  13. 前記ウォッシャー連動型ワイパー制御方法は、ワイパーブレードの近傍にウォッシャー液を吐出する機構を制御し、
    前記ワイパーブレードの近傍にウォッシャー液を吐出する機構に対して、前記ウォッシャー液の吐出を要求する請求項10〜12のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御方法。
  14. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められるというパターンである請求項13に記載のウォッシャー連動型ワイパー制御方法。
  15. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められ、その後安定した値を示すというパターンである請求項10〜13のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御方法。
  16. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められ、その後安定した値を示し、前記安定した値が前記払拭前の受光素子出力より低いというパターンである請求項10〜13のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御方法。
  17. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められ、その後安定した値を示し、前記水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加の時間が所定の基準期間より短いというパターンである請求項10〜13のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御方法。
  18. 前記ワイパーブレードが前記検知面を通過した後の出力の特徴的なパターンは、前記ワイパーブレード払拭後の受光素子出力が払拭前の受光素子出力より低下しており、水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加が認められ、その後安定した値を示し、前記水分の乾燥に伴う受光素子出力の増加時に受光素子出力信号のゆらぎが認められないというパターンである請求項10〜13のいずれかに記載のウォッシャー連動型ワイパー制御方法。
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