JP2004148237A - 二軸剪断破砕機およびその制御装置 - Google Patents
二軸剪断破砕機およびその制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004148237A JP2004148237A JP2002317786A JP2002317786A JP2004148237A JP 2004148237 A JP2004148237 A JP 2004148237A JP 2002317786 A JP2002317786 A JP 2002317786A JP 2002317786 A JP2002317786 A JP 2002317786A JP 2004148237 A JP2004148237 A JP 2004148237A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotation
- driving
- rotation axis
- control device
- workpiece
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Crushing And Pulverization Processes (AREA)
Abstract
【課題】被処理物の性状に応じた剪断破砕を行うことができ、被処理物の処理時間を大幅に低減することができる二軸剪断破砕機の制御装置を提供する。
【解決手段】それぞれが切断刃15、16を備える2つの回転軸11、12が、両回転軸11、12の切断刃15、16が噛み合うように平行に配置され、各回転軸11、12に設けられた駆動機2によって両回転軸11、12をそれぞれ駆動し、被処理物Wを剪断破砕する二軸剪断破砕機の制御装置において、被処理物Wの種類に応じて予め設定された駆動機2の複数の駆動パターンの中から、被処理物Wの種類に応じた駆動パターンを選択する選択手段を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】それぞれが切断刃15、16を備える2つの回転軸11、12が、両回転軸11、12の切断刃15、16が噛み合うように平行に配置され、各回転軸11、12に設けられた駆動機2によって両回転軸11、12をそれぞれ駆動し、被処理物Wを剪断破砕する二軸剪断破砕機の制御装置において、被処理物Wの種類に応じて予め設定された駆動機2の複数の駆動パターンの中から、被処理物Wの種類に応じた駆動パターンを選択する選択手段を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック、木片、紙、金属、ゴム、繊維および皮革など固形処理物を剪断破砕する二軸剪断破砕機およびその制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の二軸剪断破砕機では、平行に配されかつギアによって連結された二軸のうちの一軸(主軸)に装着された単一の駆動機が主軸を回転することにより他軸(従軸)を回転するようになっている。しかし、大型または大量の被処理物を処理するためにはより大きな出力の駆動機が必要となり、装置の大型化およびコストアップが避けられない。そこで、主軸および従軸それぞれに駆動機を設けて駆動機の大型化を回避する場合がある。
【0003】
いずれの二軸剪断破砕機も使用時には、各軸に設けられ互いに噛合する切断刃はともに内方に向かって回転(正転)している。すなわち、両軸が互いに逆方向に回転している。被処理物が投入口に投入されると切断刃が被処理物を剪断破砕して排出口に排出する。ところが、被処理物の性状によっては切断刃が被処理物を切断せずに咬み込み、駆動機が過負荷状態となる場合がある。この場合、駆動機の回転方向を制御して被処理物の咬み込みを解消する方法が一般的に使用されている。具体的には、駆動機の電流値若しくは電力値またはこれらの時間変化に基づいて駆動機を正転および逆転する。これによって両軸の切断刃がともに内方(正転)または外方(逆転)に向かって回転し、切断刃が被処理物を咬み込むことを解消するとともに被処理物を徐々に細かく剪断破砕し排出口に排出する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2655816号明細書(第2−3、第1図))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の二軸剪断破砕機では、両軸の切断刃が被処理物を咬み込み過負荷状態になったときに両軸を同時に逆転して過負荷状態を解消しようとするものであるので、被処理物の性状により両軸の切断刃が被処理物を一気に咬み込むような場合には過負荷状態を避けることができない。その結果、両軸の正転および逆転の回数が多くなり処理時間が長くなる。また、被処理物の性状により両軸の切断刃が被処理物を引き込みにくい場合には被処理物がほぐれず多くの処理時間を要する。
【0006】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、被処理物の性状に応じた剪断破砕を行うことができ、被処理物の処理時間を大幅に低減することができる二軸剪断破砕機およびその制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、それぞれが切断刃を備える2つの回転軸が両回転軸の切断刃が噛み合うように平行に配置され、各回転軸に設けられた駆動機によって両回転軸をそれぞれ駆動し、被処理物を剪断破砕する二軸剪断破砕機の制御装置において、被処理物の種類に応じて予め設定された駆動機の複数の駆動パターンの中から、被処理物の種類に応じた駆動パターンを選択する選択手段を備えることを特徴とする。
【0008】
以上の構成によれば、本発明に係る二軸剪断破砕機の制御装置は、被処理物の性状に適した駆動機の駆動パターンを選択する選択手段を備えているので、両回転軸の切断刃が被処理物を咬み込まず破砕することができなかったり、切断刃が一気に被処理物を咬み込み過負荷状態になったりすることを防止することができる。これにより、切断刃が被処理物を処理する時間を大幅に短縮する。具体的には、以下のような作用を奏する。
【0009】
まず、被処理物に応じた駆動パターンが制御装置に入力され、制御装置がこの入力を受け付ける。この入力結果に基づいて、制御装置は予め設定された駆動パターンの中から被処理物に応じた駆動パターンを選択する。制御装置はこの選択された駆動パターンに従って両回転軸を回転させる。そして、二軸剪断破砕機に投入された被処理物が切断刃によって剪断破砕される。
【0010】
上記駆動パターンが、被処理物の種類に応じて回転軸ごとに回転速度、回転方向、並びに、回転時間および回転停止時間を設定した駆動パターンであってもよい。
【0011】
この構成によれば、本発明の駆動パターンが、従来のように両回転軸が略同じ速度で互いに正転または逆転するのではなく、種々の被処理物の各性状に適合するように回転速度、回転方向並びに回転時間および回転停止時間が適宜組み合わされた駆動パターンであるので、被処理物に対応して効率よく処理することができる。
【0012】
より具体的には、上記駆動パターンが、一の回転軸の回転速度が他の回転軸の回転速度より小さくなるように設定された駆動パターン、一の回転軸が一方に回転している場合に他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すように設定された駆動パターン、または一の回転軸が正転するときに他の回転軸が逆転するように設定された駆動パターンであっても良い。また、一の回転軸の回転速度が他の回転軸の回転速度より小さくなるように設定された駆動パターンが、一の回転軸が一方に回転している場合に他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すように設定された駆動パターン、または、一の回転軸が正転するときに他の回転軸が逆転するように設定された駆動パターンに組み合わされた駆動パターンであっても構わない。
【0013】
以上の構成によれば、一の回転軸の回転速度が他の回転軸の回転速度より小さくなるように設定された駆動パターンでは、この回転速度差を利用して被処理物を回転させる。すなわち、切断刃が被処理物を削り取り剪断破砕する位置が変わる。これにより、二軸剪断破砕機が過負荷状態とならずに被処理物を剪断破砕し、被処理物の処理を効果的に行うことができる。
【0014】
また、一の回転軸が一方に回転している場合に他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すように設定された駆動パターンでは、他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すので、複数の細長い袋状の被処理物を一つずつ処理するような場合に有効である。すなわち、他の回転軸が正転するときに複数の被処理物が切断刃に導かれるが、他の回転軸を逆転させることによりその他の被処理物が切断刃に引き込まれる方向と反対側に移動する。これにより、切断刃が被処理物を一気に引き込むことを抑制しつつ、確実に被処理物を処理することができる。その結果、被処理物の処理時間を短縮することができる。なお、この場合、両回転軸の回転速度およびその回転角度は実験などで適宜設定される。
【0015】
また、一の回転軸が正転するときに他の回転軸が逆転するように設定された駆動パターンでは、同一方向から見ると両回転軸が同一方向に回転しているので、被処理物はこれを投入するホッパなどの片側に偏る。これにより、切断刃に近い被処理物から徐々に剪断破砕する。これにより、切断刃が被処理物を一気に引き込むことを抑制しつつ、確実に被処理物を処理することができる。その結果、被処理物の処理時間を短縮することができる。この駆動パターンは、例えば、ビニールシートなどを渦巻き状に捲いて圧密した塊状の被処理物が複数切断刃に投入される場合に有効である。なお、この場合、両回転軸の回転速度は実験などで適宜設定される。
【0016】
さらに、上記駆動パターンにおいて、所定時間経過ごとに両回転軸の回転方向をもとの回転方向と反対方向に切り換えることにより、切断刃が被処理物に当接する場所を変えて、切断刃が被処理物を剪断破砕し易くする。特に、被処理物が回転する場合に同一方向に回転していると切断刃が被処理物を削り取る場所が固定化されて処理が進まず、却って被処理物の処理時間が長くなるが、この状態を防止することができる。
【0017】
なお、以上の駆動パターンは一例でありこれらに限定するものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る二軸剪断破砕機の構成を示す縦断面図である。二軸剪断破砕機は、本体部1と、本体部1の回転軸11、12に連結される駆動機2と、駆動機2に配線3aを介して接続される制御装置3とを備える。さらに、詳細に説明する。
【0020】
(1)本体部
本体部1には、所定間隔をおいて平行に並設された回転軸11、12が設けられ、各回転軸11、12の両軸端は軸受13を介して回転自在に箱形のケーシング14に支承されている。一の回転軸11の軸端には、駆動機2の駆動軸2aが連結されている。駆動機2が連結されている軸端と反対側の、他の回転軸12の軸端には、駆動機2の駆動軸2aが連結されている。
【0021】
上記の回転軸11、12には、略円盤状をなし、その外周部に複数の爪(図示せず)を一定間隔で設けた切断刃15、16が、スペーサ17を密着状態で挟んで回転軸11、12の軸方向に交互にその側面同士が互いに密接ラップした状態で嵌合装着されている。これにより、両切断刃15、16が回転時に被処理物を引き込む作用と、相対するスペーサ17の外周面に摺接するように接近(接近時の隙間は0.5〜1mm程度)して剪断作用により被処理物を破砕する作用を果たす。相対向する一対の切断刃15、16の側面同士が常時密接ラップしてスリットカッタを形成しており、ケーシング14の上方から投入された被処理物は、両切断刃15、16によって引き込まれ、スリットカッタの剪断作用によって破砕され、下方に排出されるようになっている。また、上記切断刃15、16およびスペーサ17に対向する位置にスクレーパ18がケーシング14の側部から切断刃15、16とケーシング14内面との隙間を埋めるように突設している。このスクレーパ18は、両切断刃15、16に挟まった被処理物をかき取る働きをする。
【0022】
(2)駆動機
駆動機2は、回転軸11、12の回転速度および回転方向を変えられるように構成されている。図2は、駆動機2の構成の一例を示す系統図である。図示するように駆動機2は上記の回転軸11、12を駆動する油圧モータ20と、これと同軸的に連結される油圧ポンプ21と、油圧モータ20および油圧ポンプ21に同軸的に連結される電動機22を備える。油圧ポンプ21は、油圧モータ20と接続回路23、24を介して油圧的に接続されている。また、油圧ポンプ21には、斜板21aが設けられており、この斜板21aを傾転させることにより油圧ポンプ21から吐出する圧油の流れ方向を変えるとともに圧油の吐出流量も変えることができるようになっている。その結果、油圧モータ20の回転速度は可変となり、さらには油圧モータ20を正転させたり逆転させたりすることが可能となる。なお、ここでは、油圧モータ20を用いて二軸剪断破砕機の回転軸11、12の回転方向および回転速度を変えているが、これに代えて電動機で直に回転軸11、12を回転させても構わない。
【0023】
(3)制御装置
制御装置3は、図示してはいないが中央処理装置(CPU)並びにこれに接続されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)やROM(リード・オンリ・メモリ)などの記憶部および入出力装置などを備える公知の制御装置である。記憶部には、被処理物の種類に応じた駆動機2の複数の駆動パターンが記憶されている。これらの駆動パターンの中から、被処理物の種類に応じた駆動パターンを選択することができるようになっている。これらが、選択手段を構成する。
【0024】
以上の構成により以下のような作用を奏する。まず、オペレータが被処理物の種類に応じた駆動パターンを入力装置によって入力する。この入力に基づいて制御装置3の中央処理装置が記憶部内の駆動パターンを選択する。この選択結果に基づいて中央処理装置は出力装置および配線3aを介して駆動機2に回転信号を送る。そして、この回転信号に基づいて各駆動機2およびこれらにそれぞれ連結する回転軸11、12の駆動が制御される。なお、ここではオープンループ制御を採用しているが、各駆動機2または各回転軸11、12に回転速度計、回転角度計、電流計、電力計などを設け、これらの計測結果に基づいて駆動機2への回転信号を補正するフィードバック制御を採用しても良い。
【0025】
さらに、上記駆動パターンに対応する被処理物の処理工程について詳しく説明する。図3乃至図5は図1のA−A線断面図であり、本発明の実施の形態に係る二軸剪断破砕機の駆動パターンに対応する被処理物の処理工程を示している。図3は、被処理物がペットボトルなど比較的小さいものを圧縮成型した廃プラスチックベーラ品(寸法:1mx1mx1m程度)である場合(以下、駆動パターンAと称する)を示している。図4は、被処理物が樹脂製の細長い袋状のフレコンバックのようなものを折り畳んで複数枚重ね合わせた圧密状のベーラ品(寸法:1mx1mx1m程度)である場合(以下、駆動パターンBと称する)を示している。また、図5は、被処理物がビニールシートなど帯状の樹脂を渦巻状に捲回したようなもの(径500mmx幅200mm程度)である場合(以下、駆動パターンCと称する)を示している。なお、これらの駆動パターンは一例であって、これに限定されるものではない。
【0026】
駆動パターンAでは、切断刃15、16が回転速度N1、N2でそれぞれ正転および逆転、つまり両切断刃15、16の断面視同じ方向(図3(a)において時計回り方向)に回転している。さらに、この場合、一方の切断刃15の回転速度N1は、他方の切断刃16の回転速度N2より大きい(N1>N2)。両切断刃15、16の上方より被処理物Wが投入されると、被処理物Wは図3(a)の矢符AR1のように両切断刃15、16の回転方向に対して反対方向に回転させられる。これにより、両切断刃15、16が被処理物Wの外周部を削り取る。削り取られた被処理物Wは両切断刃15、16に引き込まれ剪断破砕される。そして、剪断破砕された被処理物W1は両切断刃15、16の下方に排出される。
【0027】
上記の状態が所定時間経過した後、両切断刃15、16の回転方向を正転および逆転からこれと反対方向の回転(逆転および正転)にそれぞれ切り換える。すなわち、両切断刃15、16が図3(b)において反時計回り方向にそれぞれ回転する。このとき、両切断刃15、16の回転速度N1、N2の大小関係もそれぞれ切り換えられる(N1<N2)。これにより、被処理物Wの回転方向が従前の回転方向とは逆方向になる。その結果、両切断刃15、16が被処理物Wを削り取る部分が変わる。そして、削り取られた被処理物Wは上述の通り両切断刃15、16に引き込まれて剪断破砕され、両切断刃15、16の下方に排出される。
【0028】
以上の工程を繰り返し行うことにより、両切断刃15、16が徐々に被処理物Wの外周部を削り取り、剪断破砕する。この駆動パターンAは、特に、被処理物Wが圧密された大きな塊からなり、両切断刃15、16が被処理物Wを引き込みにくい場合に有効である。なお、上記回転速度N1、N2は、実験などによって予め設定される。
【0029】
駆動パターンBでは、図4に示すように切断刃15が回転速度N1で正転している。一方、切断刃16は回転速度N2で逆転と正転とを繰り返している。この場合、回転速度N1、N2は略同一である。図4(a)に示すように切断刃15は被処理物Wを引き込む方向に回転(正転)し、切断刃16は被処理物Wを引き込まない方向に回転(逆転)している。この作用により、複数枚の被処理物Wのうち切断刃15に近い被処理物WOは切断刃15、16の間に引き込まれ、その他の被処理物Wは図中の矢符AR2に示すように切断刃16の回転方向と同じ方向に押し戻され、両切断刃15、16には引き込まれない。その後、切断刃16の回転方向を逆転から正転に切り換えると、図4(b)に示すように切断刃15に近い被処理物WOはさらに両切断刃15、16の間に引き込まれる。この際、両切断刃15、16が正転しているので、上記の切断刃16が逆転している場合よりも多く前記被処理物WOを引き込み剪断破砕する。このとき残りの被処理物Wは図中矢符AR2に示すように両切断刃15、16に引き込まれる方向に移動する。しかし、残りの被処理物Wが両切断刃15、16の間に引き込まれる前に切断刃16の回転方向を図4(c)に示すように正転から逆転に切り換える。これにより、両切断刃15、16が複数の被処理物Wを引き込み過負荷状態になることを防止している。
【0030】
以上の工程を繰り返し行うことにより、切断刃15、16は被処理物Wを徐々に剪断破砕する。駆動パターンBは、特に、被処理物Wが重ね合わされた複数枚の袋状のものからなり、両切断刃15、16が被処理物Wを一気に引き込みやすい場合に有効である。なお、ここでは、両切断刃15、16の回転速度N1、N2が互いに略同一となるようにしているが、異なっても構わない。実際には、切断刃15の回転速度N1、および切断刃16の正転および逆転の回転速度N2は、切断刃16の正転および逆転の回転角度などとの関係を考慮して実験などによって予め設定される。ここでは、切断刃16が正転と逆転とを繰り返すようにしているが、切断刃16を正転させ、切断刃15が正転と逆転とを繰り返すようにしても構わない。
【0031】
駆動パターンCでは、図5に示すように切断刃15、16が回転速度N1、N2でそれぞれ正転および逆転している。すなわち、両切断刃15、16は、図5(a)において、時計回り方向に回転している。この場合、回転速度N1、N2は略同一である。図5(a)に示すように両切断刃15、16の上方に配設されたホッパHに投入された複数の被処理物Wのうち両切断刃15、16に近い被処理物Wが剪断破砕され、残りの被処理物Wは切断刃16の回転作用によりホッパH側に押し戻される。そして、剪断破砕された被処理物W1は両切断刃15、16の下方に排出される。すなわち、両切断刃15、16に接触した被処理物Wが優先的に剪断破砕され、これが完全に剪断破砕されたあと次の被処理物Wが自重により両切断刃15、16に接触し剪断破砕される。この工程を繰り返し行うことにより両切断刃15、16が複数の被処理物Wを順次剪断破砕する。これにより、複数の被処理物Wの咬み込みによる過負荷状態になることを防止することができる。
【0032】
さらに、図5(b)に示すように、この状態が所定時間経過した後、両切断刃15、16の回転方向を図4(b)に示すように正転および逆転から逆転および正転にそれぞれ切り換えてもよい。これにより、両切断刃15、16の摩耗を均等化することも可能になる。この駆動パターンCは、特に、被処理物Wが複数の圧密の渦巻き状の塊からなり、両切断刃15、16が被処理物Wを一気に引き込みやすい場合に有効である。なお、ここでは、切断刃15、16の回転速度N1、N2を略同一としているが、両回転速度N1、N2が異なる場合であっても構わない。実際には、これらの回転速度N1、N2は実験などによって予め設定される。
【0033】
以上の駆動パターンA、B、Cを被処理物Wの性状に適合するように選択することにより、従来の駆動パターンに比べて5倍以上の処理能力が得られることがわかった。具体的には、従来の駆動パターンでは被処理物の処理能力が略0.5トン/時であったが、本発明の駆動パターンを採用することによって被処理物の処理能力が略3トン/時まで向上した。なお、従来の駆動パターンとは、両切断刃15、16が通常運転において同一回転速度で正転しており、両切断刃15、16が被処理物Wを咬み込んだときに互いに同時に逆転する駆動パターンをいう。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る二軸剪断破砕機は、被処理物の性状に応じた剪断破砕を行うことができ、被処理物の処理時間を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る二軸剪断破砕機の構成を示す縦断面図である。
【図2】駆動機2の構成の一例を示す系統図である。
【図3】図1のA−A線断面図であり、被処理物がペットボトルなど比較的小さいものを圧縮成型した廃プラスチックベーラ品である場合の処理工程を概略的に示している。
【図4】図1のA−A線断面図であり、被処理物が樹脂製の細長い袋状のフレコンバックのようなものを折り畳んで複数枚重ね合わせた圧密状のベーラ品である場合の処理工程を概略的に示している。
【図5】図1のA−A線断面図であり、被処理物が帯状の樹脂を渦巻状に捲回したようなものである場合の処理工程を示している。
【符号の説明】
1 本体部
2 駆動機
3 制御装置
11、12 回転軸
15、16 切断刃
W 被処理物
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック、木片、紙、金属、ゴム、繊維および皮革など固形処理物を剪断破砕する二軸剪断破砕機およびその制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の二軸剪断破砕機では、平行に配されかつギアによって連結された二軸のうちの一軸(主軸)に装着された単一の駆動機が主軸を回転することにより他軸(従軸)を回転するようになっている。しかし、大型または大量の被処理物を処理するためにはより大きな出力の駆動機が必要となり、装置の大型化およびコストアップが避けられない。そこで、主軸および従軸それぞれに駆動機を設けて駆動機の大型化を回避する場合がある。
【0003】
いずれの二軸剪断破砕機も使用時には、各軸に設けられ互いに噛合する切断刃はともに内方に向かって回転(正転)している。すなわち、両軸が互いに逆方向に回転している。被処理物が投入口に投入されると切断刃が被処理物を剪断破砕して排出口に排出する。ところが、被処理物の性状によっては切断刃が被処理物を切断せずに咬み込み、駆動機が過負荷状態となる場合がある。この場合、駆動機の回転方向を制御して被処理物の咬み込みを解消する方法が一般的に使用されている。具体的には、駆動機の電流値若しくは電力値またはこれらの時間変化に基づいて駆動機を正転および逆転する。これによって両軸の切断刃がともに内方(正転)または外方(逆転)に向かって回転し、切断刃が被処理物を咬み込むことを解消するとともに被処理物を徐々に細かく剪断破砕し排出口に排出する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2655816号明細書(第2−3、第1図))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の二軸剪断破砕機では、両軸の切断刃が被処理物を咬み込み過負荷状態になったときに両軸を同時に逆転して過負荷状態を解消しようとするものであるので、被処理物の性状により両軸の切断刃が被処理物を一気に咬み込むような場合には過負荷状態を避けることができない。その結果、両軸の正転および逆転の回数が多くなり処理時間が長くなる。また、被処理物の性状により両軸の切断刃が被処理物を引き込みにくい場合には被処理物がほぐれず多くの処理時間を要する。
【0006】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、被処理物の性状に応じた剪断破砕を行うことができ、被処理物の処理時間を大幅に低減することができる二軸剪断破砕機およびその制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、それぞれが切断刃を備える2つの回転軸が両回転軸の切断刃が噛み合うように平行に配置され、各回転軸に設けられた駆動機によって両回転軸をそれぞれ駆動し、被処理物を剪断破砕する二軸剪断破砕機の制御装置において、被処理物の種類に応じて予め設定された駆動機の複数の駆動パターンの中から、被処理物の種類に応じた駆動パターンを選択する選択手段を備えることを特徴とする。
【0008】
以上の構成によれば、本発明に係る二軸剪断破砕機の制御装置は、被処理物の性状に適した駆動機の駆動パターンを選択する選択手段を備えているので、両回転軸の切断刃が被処理物を咬み込まず破砕することができなかったり、切断刃が一気に被処理物を咬み込み過負荷状態になったりすることを防止することができる。これにより、切断刃が被処理物を処理する時間を大幅に短縮する。具体的には、以下のような作用を奏する。
【0009】
まず、被処理物に応じた駆動パターンが制御装置に入力され、制御装置がこの入力を受け付ける。この入力結果に基づいて、制御装置は予め設定された駆動パターンの中から被処理物に応じた駆動パターンを選択する。制御装置はこの選択された駆動パターンに従って両回転軸を回転させる。そして、二軸剪断破砕機に投入された被処理物が切断刃によって剪断破砕される。
【0010】
上記駆動パターンが、被処理物の種類に応じて回転軸ごとに回転速度、回転方向、並びに、回転時間および回転停止時間を設定した駆動パターンであってもよい。
【0011】
この構成によれば、本発明の駆動パターンが、従来のように両回転軸が略同じ速度で互いに正転または逆転するのではなく、種々の被処理物の各性状に適合するように回転速度、回転方向並びに回転時間および回転停止時間が適宜組み合わされた駆動パターンであるので、被処理物に対応して効率よく処理することができる。
【0012】
より具体的には、上記駆動パターンが、一の回転軸の回転速度が他の回転軸の回転速度より小さくなるように設定された駆動パターン、一の回転軸が一方に回転している場合に他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すように設定された駆動パターン、または一の回転軸が正転するときに他の回転軸が逆転するように設定された駆動パターンであっても良い。また、一の回転軸の回転速度が他の回転軸の回転速度より小さくなるように設定された駆動パターンが、一の回転軸が一方に回転している場合に他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すように設定された駆動パターン、または、一の回転軸が正転するときに他の回転軸が逆転するように設定された駆動パターンに組み合わされた駆動パターンであっても構わない。
【0013】
以上の構成によれば、一の回転軸の回転速度が他の回転軸の回転速度より小さくなるように設定された駆動パターンでは、この回転速度差を利用して被処理物を回転させる。すなわち、切断刃が被処理物を削り取り剪断破砕する位置が変わる。これにより、二軸剪断破砕機が過負荷状態とならずに被処理物を剪断破砕し、被処理物の処理を効果的に行うことができる。
【0014】
また、一の回転軸が一方に回転している場合に他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すように設定された駆動パターンでは、他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すので、複数の細長い袋状の被処理物を一つずつ処理するような場合に有効である。すなわち、他の回転軸が正転するときに複数の被処理物が切断刃に導かれるが、他の回転軸を逆転させることによりその他の被処理物が切断刃に引き込まれる方向と反対側に移動する。これにより、切断刃が被処理物を一気に引き込むことを抑制しつつ、確実に被処理物を処理することができる。その結果、被処理物の処理時間を短縮することができる。なお、この場合、両回転軸の回転速度およびその回転角度は実験などで適宜設定される。
【0015】
また、一の回転軸が正転するときに他の回転軸が逆転するように設定された駆動パターンでは、同一方向から見ると両回転軸が同一方向に回転しているので、被処理物はこれを投入するホッパなどの片側に偏る。これにより、切断刃に近い被処理物から徐々に剪断破砕する。これにより、切断刃が被処理物を一気に引き込むことを抑制しつつ、確実に被処理物を処理することができる。その結果、被処理物の処理時間を短縮することができる。この駆動パターンは、例えば、ビニールシートなどを渦巻き状に捲いて圧密した塊状の被処理物が複数切断刃に投入される場合に有効である。なお、この場合、両回転軸の回転速度は実験などで適宜設定される。
【0016】
さらに、上記駆動パターンにおいて、所定時間経過ごとに両回転軸の回転方向をもとの回転方向と反対方向に切り換えることにより、切断刃が被処理物に当接する場所を変えて、切断刃が被処理物を剪断破砕し易くする。特に、被処理物が回転する場合に同一方向に回転していると切断刃が被処理物を削り取る場所が固定化されて処理が進まず、却って被処理物の処理時間が長くなるが、この状態を防止することができる。
【0017】
なお、以上の駆動パターンは一例でありこれらに限定するものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る二軸剪断破砕機の構成を示す縦断面図である。二軸剪断破砕機は、本体部1と、本体部1の回転軸11、12に連結される駆動機2と、駆動機2に配線3aを介して接続される制御装置3とを備える。さらに、詳細に説明する。
【0020】
(1)本体部
本体部1には、所定間隔をおいて平行に並設された回転軸11、12が設けられ、各回転軸11、12の両軸端は軸受13を介して回転自在に箱形のケーシング14に支承されている。一の回転軸11の軸端には、駆動機2の駆動軸2aが連結されている。駆動機2が連結されている軸端と反対側の、他の回転軸12の軸端には、駆動機2の駆動軸2aが連結されている。
【0021】
上記の回転軸11、12には、略円盤状をなし、その外周部に複数の爪(図示せず)を一定間隔で設けた切断刃15、16が、スペーサ17を密着状態で挟んで回転軸11、12の軸方向に交互にその側面同士が互いに密接ラップした状態で嵌合装着されている。これにより、両切断刃15、16が回転時に被処理物を引き込む作用と、相対するスペーサ17の外周面に摺接するように接近(接近時の隙間は0.5〜1mm程度)して剪断作用により被処理物を破砕する作用を果たす。相対向する一対の切断刃15、16の側面同士が常時密接ラップしてスリットカッタを形成しており、ケーシング14の上方から投入された被処理物は、両切断刃15、16によって引き込まれ、スリットカッタの剪断作用によって破砕され、下方に排出されるようになっている。また、上記切断刃15、16およびスペーサ17に対向する位置にスクレーパ18がケーシング14の側部から切断刃15、16とケーシング14内面との隙間を埋めるように突設している。このスクレーパ18は、両切断刃15、16に挟まった被処理物をかき取る働きをする。
【0022】
(2)駆動機
駆動機2は、回転軸11、12の回転速度および回転方向を変えられるように構成されている。図2は、駆動機2の構成の一例を示す系統図である。図示するように駆動機2は上記の回転軸11、12を駆動する油圧モータ20と、これと同軸的に連結される油圧ポンプ21と、油圧モータ20および油圧ポンプ21に同軸的に連結される電動機22を備える。油圧ポンプ21は、油圧モータ20と接続回路23、24を介して油圧的に接続されている。また、油圧ポンプ21には、斜板21aが設けられており、この斜板21aを傾転させることにより油圧ポンプ21から吐出する圧油の流れ方向を変えるとともに圧油の吐出流量も変えることができるようになっている。その結果、油圧モータ20の回転速度は可変となり、さらには油圧モータ20を正転させたり逆転させたりすることが可能となる。なお、ここでは、油圧モータ20を用いて二軸剪断破砕機の回転軸11、12の回転方向および回転速度を変えているが、これに代えて電動機で直に回転軸11、12を回転させても構わない。
【0023】
(3)制御装置
制御装置3は、図示してはいないが中央処理装置(CPU)並びにこれに接続されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)やROM(リード・オンリ・メモリ)などの記憶部および入出力装置などを備える公知の制御装置である。記憶部には、被処理物の種類に応じた駆動機2の複数の駆動パターンが記憶されている。これらの駆動パターンの中から、被処理物の種類に応じた駆動パターンを選択することができるようになっている。これらが、選択手段を構成する。
【0024】
以上の構成により以下のような作用を奏する。まず、オペレータが被処理物の種類に応じた駆動パターンを入力装置によって入力する。この入力に基づいて制御装置3の中央処理装置が記憶部内の駆動パターンを選択する。この選択結果に基づいて中央処理装置は出力装置および配線3aを介して駆動機2に回転信号を送る。そして、この回転信号に基づいて各駆動機2およびこれらにそれぞれ連結する回転軸11、12の駆動が制御される。なお、ここではオープンループ制御を採用しているが、各駆動機2または各回転軸11、12に回転速度計、回転角度計、電流計、電力計などを設け、これらの計測結果に基づいて駆動機2への回転信号を補正するフィードバック制御を採用しても良い。
【0025】
さらに、上記駆動パターンに対応する被処理物の処理工程について詳しく説明する。図3乃至図5は図1のA−A線断面図であり、本発明の実施の形態に係る二軸剪断破砕機の駆動パターンに対応する被処理物の処理工程を示している。図3は、被処理物がペットボトルなど比較的小さいものを圧縮成型した廃プラスチックベーラ品(寸法:1mx1mx1m程度)である場合(以下、駆動パターンAと称する)を示している。図4は、被処理物が樹脂製の細長い袋状のフレコンバックのようなものを折り畳んで複数枚重ね合わせた圧密状のベーラ品(寸法:1mx1mx1m程度)である場合(以下、駆動パターンBと称する)を示している。また、図5は、被処理物がビニールシートなど帯状の樹脂を渦巻状に捲回したようなもの(径500mmx幅200mm程度)である場合(以下、駆動パターンCと称する)を示している。なお、これらの駆動パターンは一例であって、これに限定されるものではない。
【0026】
駆動パターンAでは、切断刃15、16が回転速度N1、N2でそれぞれ正転および逆転、つまり両切断刃15、16の断面視同じ方向(図3(a)において時計回り方向)に回転している。さらに、この場合、一方の切断刃15の回転速度N1は、他方の切断刃16の回転速度N2より大きい(N1>N2)。両切断刃15、16の上方より被処理物Wが投入されると、被処理物Wは図3(a)の矢符AR1のように両切断刃15、16の回転方向に対して反対方向に回転させられる。これにより、両切断刃15、16が被処理物Wの外周部を削り取る。削り取られた被処理物Wは両切断刃15、16に引き込まれ剪断破砕される。そして、剪断破砕された被処理物W1は両切断刃15、16の下方に排出される。
【0027】
上記の状態が所定時間経過した後、両切断刃15、16の回転方向を正転および逆転からこれと反対方向の回転(逆転および正転)にそれぞれ切り換える。すなわち、両切断刃15、16が図3(b)において反時計回り方向にそれぞれ回転する。このとき、両切断刃15、16の回転速度N1、N2の大小関係もそれぞれ切り換えられる(N1<N2)。これにより、被処理物Wの回転方向が従前の回転方向とは逆方向になる。その結果、両切断刃15、16が被処理物Wを削り取る部分が変わる。そして、削り取られた被処理物Wは上述の通り両切断刃15、16に引き込まれて剪断破砕され、両切断刃15、16の下方に排出される。
【0028】
以上の工程を繰り返し行うことにより、両切断刃15、16が徐々に被処理物Wの外周部を削り取り、剪断破砕する。この駆動パターンAは、特に、被処理物Wが圧密された大きな塊からなり、両切断刃15、16が被処理物Wを引き込みにくい場合に有効である。なお、上記回転速度N1、N2は、実験などによって予め設定される。
【0029】
駆動パターンBでは、図4に示すように切断刃15が回転速度N1で正転している。一方、切断刃16は回転速度N2で逆転と正転とを繰り返している。この場合、回転速度N1、N2は略同一である。図4(a)に示すように切断刃15は被処理物Wを引き込む方向に回転(正転)し、切断刃16は被処理物Wを引き込まない方向に回転(逆転)している。この作用により、複数枚の被処理物Wのうち切断刃15に近い被処理物WOは切断刃15、16の間に引き込まれ、その他の被処理物Wは図中の矢符AR2に示すように切断刃16の回転方向と同じ方向に押し戻され、両切断刃15、16には引き込まれない。その後、切断刃16の回転方向を逆転から正転に切り換えると、図4(b)に示すように切断刃15に近い被処理物WOはさらに両切断刃15、16の間に引き込まれる。この際、両切断刃15、16が正転しているので、上記の切断刃16が逆転している場合よりも多く前記被処理物WOを引き込み剪断破砕する。このとき残りの被処理物Wは図中矢符AR2に示すように両切断刃15、16に引き込まれる方向に移動する。しかし、残りの被処理物Wが両切断刃15、16の間に引き込まれる前に切断刃16の回転方向を図4(c)に示すように正転から逆転に切り換える。これにより、両切断刃15、16が複数の被処理物Wを引き込み過負荷状態になることを防止している。
【0030】
以上の工程を繰り返し行うことにより、切断刃15、16は被処理物Wを徐々に剪断破砕する。駆動パターンBは、特に、被処理物Wが重ね合わされた複数枚の袋状のものからなり、両切断刃15、16が被処理物Wを一気に引き込みやすい場合に有効である。なお、ここでは、両切断刃15、16の回転速度N1、N2が互いに略同一となるようにしているが、異なっても構わない。実際には、切断刃15の回転速度N1、および切断刃16の正転および逆転の回転速度N2は、切断刃16の正転および逆転の回転角度などとの関係を考慮して実験などによって予め設定される。ここでは、切断刃16が正転と逆転とを繰り返すようにしているが、切断刃16を正転させ、切断刃15が正転と逆転とを繰り返すようにしても構わない。
【0031】
駆動パターンCでは、図5に示すように切断刃15、16が回転速度N1、N2でそれぞれ正転および逆転している。すなわち、両切断刃15、16は、図5(a)において、時計回り方向に回転している。この場合、回転速度N1、N2は略同一である。図5(a)に示すように両切断刃15、16の上方に配設されたホッパHに投入された複数の被処理物Wのうち両切断刃15、16に近い被処理物Wが剪断破砕され、残りの被処理物Wは切断刃16の回転作用によりホッパH側に押し戻される。そして、剪断破砕された被処理物W1は両切断刃15、16の下方に排出される。すなわち、両切断刃15、16に接触した被処理物Wが優先的に剪断破砕され、これが完全に剪断破砕されたあと次の被処理物Wが自重により両切断刃15、16に接触し剪断破砕される。この工程を繰り返し行うことにより両切断刃15、16が複数の被処理物Wを順次剪断破砕する。これにより、複数の被処理物Wの咬み込みによる過負荷状態になることを防止することができる。
【0032】
さらに、図5(b)に示すように、この状態が所定時間経過した後、両切断刃15、16の回転方向を図4(b)に示すように正転および逆転から逆転および正転にそれぞれ切り換えてもよい。これにより、両切断刃15、16の摩耗を均等化することも可能になる。この駆動パターンCは、特に、被処理物Wが複数の圧密の渦巻き状の塊からなり、両切断刃15、16が被処理物Wを一気に引き込みやすい場合に有効である。なお、ここでは、切断刃15、16の回転速度N1、N2を略同一としているが、両回転速度N1、N2が異なる場合であっても構わない。実際には、これらの回転速度N1、N2は実験などによって予め設定される。
【0033】
以上の駆動パターンA、B、Cを被処理物Wの性状に適合するように選択することにより、従来の駆動パターンに比べて5倍以上の処理能力が得られることがわかった。具体的には、従来の駆動パターンでは被処理物の処理能力が略0.5トン/時であったが、本発明の駆動パターンを採用することによって被処理物の処理能力が略3トン/時まで向上した。なお、従来の駆動パターンとは、両切断刃15、16が通常運転において同一回転速度で正転しており、両切断刃15、16が被処理物Wを咬み込んだときに互いに同時に逆転する駆動パターンをいう。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る二軸剪断破砕機は、被処理物の性状に応じた剪断破砕を行うことができ、被処理物の処理時間を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る二軸剪断破砕機の構成を示す縦断面図である。
【図2】駆動機2の構成の一例を示す系統図である。
【図3】図1のA−A線断面図であり、被処理物がペットボトルなど比較的小さいものを圧縮成型した廃プラスチックベーラ品である場合の処理工程を概略的に示している。
【図4】図1のA−A線断面図であり、被処理物が樹脂製の細長い袋状のフレコンバックのようなものを折り畳んで複数枚重ね合わせた圧密状のベーラ品である場合の処理工程を概略的に示している。
【図5】図1のA−A線断面図であり、被処理物が帯状の樹脂を渦巻状に捲回したようなものである場合の処理工程を示している。
【符号の説明】
1 本体部
2 駆動機
3 制御装置
11、12 回転軸
15、16 切断刃
W 被処理物
Claims (6)
- それぞれが切断刃を備える2つの回転軸が、両回転軸の切断刃が噛み合うように平行に配置され、各回転軸に設けられた駆動機によって両回転軸をそれぞれ駆動し、被処理物を剪断破砕する二軸剪断破砕機の制御装置において、
被処理物の種類に応じて予め設定された駆動機の複数の駆動パターンの中から、被処理物の種類に応じた駆動パターンを選択する選択手段を備えてなることを特徴とする二軸剪断破砕機の制御装置。 - 前記駆動パターンが、前記回転軸ごとに回転速度、回転方向、並びに、回転時間および回転停止時間を設定した駆動パターンである請求項1記載の二軸剪断破砕機の制御装置。
- 前記駆動パターンが、一の回転軸の回転速度が他の回転軸の回転速度より小さくなるように設定された駆動パターン、一の回転軸が一方に回転している場合に他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すように設定された駆動パターン、または一の回転軸が正転するときに他の回転軸が逆転するように設定された駆動パターンである請求項2記載の二軸剪断破砕機の制御装置。
- 前記駆動パターンが、一の回転軸の回転速度が他の回転軸の回転速度より小さくなるように設定された駆動パターンと、
一の回転軸が一方に回転している場合に他の回転軸が正転と逆転とを繰り返すように設定された駆動パターン、または、一の回転軸が正転するときに他の回転軸が逆転するように設定された駆動パターンと
を組合せた駆動パターンである請求項3記載の二軸剪断破砕機の制御装置。 - 前記駆動パターンが、所定時間経過ごとに両回転軸の回転方向をもとの回転方向と反対方向に切り換え可能に構成されている請求項3または4記載の二軸剪断破砕機の制御装置。
- それぞれが切断刃を備える2つの回転軸が平行に配置され、それぞれの回転軸に設けられた駆動機によって両回転軸をそれぞれ駆動し、被処理物を剪断破砕する二軸剪断破砕機において、
請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置を備えてなることを特徴とする二軸剪断破砕機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002317786A JP2004148237A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 二軸剪断破砕機およびその制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002317786A JP2004148237A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 二軸剪断破砕機およびその制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004148237A true JP2004148237A (ja) | 2004-05-27 |
Family
ID=32461090
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002317786A Pending JP2004148237A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 二軸剪断破砕機およびその制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004148237A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007014882A (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Nikka Techno Kk | 破砕機とその制御方法 |
JP2010234565A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 破砕機 |
JP2015112551A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 株式会社キンキ | 2軸式破袋装置 |
KR102350470B1 (ko) * | 2021-07-16 | 2022-01-11 | 손동현 | 파쇄기 |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002317786A patent/JP2004148237A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007014882A (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Nikka Techno Kk | 破砕機とその制御方法 |
JP2010234565A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 破砕機 |
JP2015112551A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 株式会社キンキ | 2軸式破袋装置 |
KR102350470B1 (ko) * | 2021-07-16 | 2022-01-11 | 손동현 | 파쇄기 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3909341B2 (ja) | 剪断式破砕機と剪断式破砕方法 | |
US4529134A (en) | Self-clearing shredding apparatus and method of operation thereof | |
EP3705183B1 (en) | Crusher for grinding and crushing materials | |
US8807468B2 (en) | Controlled feed-rate shredding | |
KR20060127942A (ko) | 전단식 파쇄기 및 전단식 파쇄 방법 | |
JP2004148237A (ja) | 二軸剪断破砕機およびその制御装置 | |
JP4870405B2 (ja) | 剪断式破砕機 | |
JP4574604B2 (ja) | 剪断式破砕装置 | |
JP4453102B2 (ja) | 破砕機 | |
JP2004267944A (ja) | 二軸剪断式破砕機 | |
JP2001293389A (ja) | 破砕装置 | |
KR101279902B1 (ko) | Epe 감용기 | |
KR101628618B1 (ko) | Tmr사료 세절 혼합 방법 및 세절 믹서 | |
WO1996004075A1 (fr) | Procede d'entrainement d'un dechiqueteur et appareil associe | |
JP5261944B2 (ja) | 細断処理装置および搬送部材 | |
JP2540723B2 (ja) | 破砕機 | |
JP4578306B2 (ja) | 剪断式破砕装置 | |
JP4133439B2 (ja) | 廃プラスチックの処理装置 | |
JP2001293388A (ja) | 破砕装置 | |
JP2003260378A (ja) | 破砕機および破砕方法 | |
JP4162529B2 (ja) | 一軸破砕機 | |
JPH07845A (ja) | 二軸剪断式破砕装置 | |
CN216704621U (zh) | 一种切胶溶胶装置 | |
JPH07251094A (ja) | 破砕装置 | |
JP2542325B2 (ja) | 粗大物破砕装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050725 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081008 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20081104 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090310 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |