JP2004147837A - 食器洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン交換樹脂を用いた軟水生成手段と、洗浄水の電気分解手段を有する食器洗浄装置において、イオン交換樹脂の再生に用いた食塩を有効利用し、また、電気分解の効率を上昇させることが可能な食器洗浄装置を提供する。
【解決手段】食器を収納する洗浄槽と、前記洗浄槽に洗浄水を供給する給水路と、前記洗浄槽に貯められた洗浄水を食器へ向けて送水する送水手段と、を備え、前記洗浄槽に貯められた洗浄水をこの洗浄槽内で循環させながら食器を洗浄する食器類洗浄装置において、少なくとも一対の電極を有する食塩水を電気分解する手段と、イオン交換樹脂を用いた軟水生成手段と、食塩水を用いてイオン交換樹脂中の二価イオンをナトリウムイオンに置換することでイオン交換樹脂を再生する手段を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】食器を収納する洗浄槽と、前記洗浄槽に洗浄水を供給する給水路と、前記洗浄槽に貯められた洗浄水を食器へ向けて送水する送水手段と、を備え、前記洗浄槽に貯められた洗浄水をこの洗浄槽内で循環させながら食器を洗浄する食器類洗浄装置において、少なくとも一対の電極を有する食塩水を電気分解する手段と、イオン交換樹脂を用いた軟水生成手段と、食塩水を用いてイオン交換樹脂中の二価イオンをナトリウムイオンに置換することでイオン交換樹脂を再生する手段を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食器類洗浄装置に関するものである。より具体的にはイオン交換樹脂を用いた軟水生成手段とイオン交換樹脂の再生手段と洗浄水の電気分解手段を設けた食器類洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気分解手段を設けた食器洗浄機は、食塩水供給装置により洗浄槽に飽和食塩水と水道水を供給し、洗浄槽に設置された電極に電流を流し、次亜塩素酸イオンを生成し、食器の漂白を行う(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の軟水生成装置を設けた食器洗浄機は、給水路または循環路にイオン交換装置を設け、洗浄水中に含まれる金属イオンにより洗剤と金属イオンが結合し、洗浄力を低下させるのを防止したり、すすぎ終了後に食器表面に炭酸カルシウムの汚れが残ることを防止している(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−137689号公報
【特許文献2】
特開2000−300494号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1記載の洗浄水の電気分解手段を持つ食器洗浄機においては、電気分解により生成された次亜塩素酸イオンが洗浄水中の有機物により分解してしまい、充分な次亜塩素酸イオンを生成するためには電極に流れる電流を大きくするか、電解時間を長くしなければならないという課題があった。これにより、ランニングコストが高くなり、電気を浪費していた。
また、特許文献2記載のイオン交換樹脂により金属イオンを除去する食器洗浄機においてはイオン交換樹脂には金属イオンを除去する効果に限りがあり、イオン交換樹脂を経由しない給水経路を設けていた。イオン交換樹脂の効果を長く保つには、食塩水でイオン交換樹脂を再生する方法があるが、そこで用いられた食塩水は排水され、資源の無駄になり、コストがかかるといった課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題に対し、本発明は食器を収納する洗浄槽と、前記洗浄槽に洗浄水を供給する給水路と、前記洗浄槽に貯められた洗浄水を食器へ向けて送水する送水手段と、を備え、前記洗浄槽に貯められた洗浄水をこの洗浄槽内で循環させながら食器を洗浄する食器類洗浄装置において、少なくとも一対の電極を有する食塩水を電気分解する手段と、イオン交換樹脂を用いた軟水生成手段と、食塩水を用いてイオン交換樹脂中の二価イオンをナトリウムイオンに置換することでイオン交換樹脂を再生する手段を備えたことを特徴とする食器洗浄装置を提供する。
ここで二価イオンとは、例えばCa2+、Mg2+などのアルカリ土類金属のイオンである。
【0006】
本発明は、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を電気分解し、生成された次亜塩素酸で食器の洗浄、漂白を行い、再生されたイオン交換樹脂で軟水を生成し、すすぎに用いることを特徴とする。電気分解により生成された次亜塩素酸は高い漂白性能を持つが、洗浄水中の有機物により分解される。次亜塩素酸が食器に作用するためには大きな電流を流すか、長時間電流を流さなければならない。イオン交換樹脂を再生に用いた後の食塩水には硬度成分(Ca2+,Mg2+)が多量に含まれており、有機物を吸着する。この作用により、電気分解で生成した次亜塩素酸が有機物により分解されることがなくなり、少ない電力で次亜塩素酸を生成することができる。また、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を利用することで、食塩水を無駄にすることがなくなり、資源の無駄を省くとともにランニングコストの抑制にもつながる。すすぎに軟水を用いることで、乾燥後の食器への水垢付着を防止することができ、食器を清浄に保つことができる。
【0007】
本発明の好ましい態様においては、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を貯留する貯留部を備えたことを特徴とする。これにより、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を、ただちに電気分解に使用しない場合でも食塩水を無駄にすることがない。また、電気分解を行いたいが、イオン交換樹脂が再生済みであり、樹脂内に硬度成分を含んでいない場合でも、貯留してあるイオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水により電気分解を行うことができ、硬度成分が洗浄水中の有機物を吸着することから次亜塩素酸を効率よく食器に作用させることができる。
【0008】
本発明の好ましい態様においては、再生水貯留部に水位センサーを備えたことを特徴とする。貯留部の再生水の有無を検知することで、イオン交換樹脂の再生の必要性を知ることができ、無駄にイオン交換樹脂の再生を行うことがなくなり、食塩の浪費を防止することができ、ランニングコストの削減につながる。
【0009】
本発明の好ましい態様においては、洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段を備え、推定された硬度成分量に基づいて前記電気分解手段の電解時間を制御することを特徴とする。
電気分解はイオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を用いて行う。イオン交換樹脂は軟水生成の際にNa+を放出する代わりに、Ca2+、Mg2+を吸着し、再生の際は逆にCa2+、Mg2+を放出するため、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水はこれらの硬度成分を多く含んでいる。これらのイオンは有機物を吸着するため、食塩水に硬度成分が多く含まれていると、電気分解により生成された次亜塩素酸が有機物で分解されることがなく、効率よく食器に作用させることができる。したがって、食塩水中に硬度成分が多い際は電気分解の時間を短くすることで、電力の浪費や電極の劣化を抑えることができる。逆に硬度成分が少ない際は、電気分解時間を長くすることで、次亜塩素酸濃度が低くなっても充分な漂白性能を得ることができる。
【0010】
本発明の好ましい態様においては、洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段を備え、推定された硬度成分量に応じて前記電気分解手段の電極に流れる電流値を制御することを特徴とする。電気分解時の電流を制御することによっても上記と同様の効果を得ることができる。
【0011】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段が、イオン交換樹脂による軟水生成回数をカウントする手段であることを特徴とする。食器洗浄装置の1回の洗浄、すすぎに用いる水量は一定であるため、軟水による洗浄、すすぎ回数をカウントすることで、前回イオン交換樹脂の再生からの軟水生成量の積算値がわかる。食器洗浄装置に給水する水道水は地域によって、含まれる硬度成分量は異なるが、一定量の水道水に含まれる硬度成分量を地域ごとにあらかじめ設定しておくことで1回の洗浄、すすぎに用いる水の中にどれだけの硬度成分が含まれているかを知ることができる。以上のことから、洗浄水中の硬度成分量を計測するなどの複雑なセンサーを用いることなく、軟水洗浄、すすぎ回数を調べることで、イオン交換樹脂にどれだけの硬度成分が吸着されているかを知ることができ、前述した再生水中の硬度成分濃度による電解時間、電流値の制御を行ったり、イオン交換樹脂の再生のタイミングを推定したりすることができる。
【0012】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段が、イオン交換樹脂による軟水生成量を計測する手段であることを特徴とする。上述のように、地域ごとに一定量の水に含まれる硬度成分量を設定しておき、前回のイオン交換樹脂再生からの軟水生成量の積算値を測定することで、簡単に前回再生後からのイオン交換樹脂が除去した硬度成分量を知ることができ、イオン交換樹脂に吸着している硬度成分量を知ることが可能となり、前述した再生水中の硬度成分濃度による電解時間、電流値の制御を行ったり、イオン交換樹脂の再生のタイミングを推定したりすることができる。
【0013】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段が、前記電極間の電気抵抗値を測定する手段であることを特徴とする。洗浄水中に設けた電極に電流を流し、その抵抗値を測定することで、洗浄水に含まれるイオンの量を知ることができる。イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を洗浄水とする際、洗浄水中には、Na+、Ca2+、Mg2+等が存在する。この中のCa2+、Mg2+が洗浄水中の有機物を吸着すると、洗浄水の電気伝導度が低下する。このことから、Na+の濃度が一定であれば洗浄水の抵抗値を測定することで、洗浄水中の硬度成分量を知ることが可能となり、電解時間の制御や、電極間の電流値の最適値を決定することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の第一の実施形態を、添付図面により詳細に説明する。
図1は本発明の食器洗浄装置であり、軟水生成手段を給水経路に有し、電気分解手段を循環系路上に設置してある。図1において1は洗浄槽で、2は給水切替え弁であり、水道水を軟水生成器9、または、洗浄槽1へ通水する。3は給水を開閉する給水弁、4は食器を洗浄する洗浄水を噴射する洗浄ノズルであり、噴射口5を設けている。また6は洗浄水の送水手段である洗浄ポンプであり、7は洗浄水を排水する排水ポンプであり、8は洗浄槽の水が貯まっている洗浄水貯水部である。9は軟水生成装置であり、給水された湯水の硬度成分を除去し、軟水にするイオン交換樹脂が内包されている。10はイオン交換樹脂の再生に用いる食塩水を生成する食塩添加部であり、11に再生に用いた後の食塩水を貯留する再生剤貯留部を示す。12は洗浄槽貯水部に貯まった水を電気分解する電解槽である。13は電解用電源であり、14は軟水切替え弁であり、軟水生成装置9から流入した軟水、もしくは再生水を再生水貯留部11、洗浄槽1、排水管のいずれかに通水する。15は貯留水切替え弁であり、貯留水を洗浄槽、もしくは、排水管に通水する。洗浄水貯水部8に貯まった洗浄水は洗浄ポンプ6により吸引されノズル4へ達し、食器に向けて噴射された洗浄水は再び洗浄槽貯水部8に戻るように循環路が構成されている。16はご飯粒、野菜くず等の大きな汚れを除去する残菜フィルタ、20は食器を収納する籠、30は食器である。
【0015】
本実施形態の動作の説明をする。利用者は洗浄、漂白したい食器30を食器籠20にセット後、洗浄槽内に設置し、食塩を食塩添加部10に投入する。その後、図示されていない運転開始スイッチを押すと、給水弁3が作動し、洗浄水が、給水切替え弁2を経て食塩添加部10により食塩を添加され食塩水となり、軟水生成装置9内に流入する。そこで内部のイオン交換樹脂の再生を行い、再生に用いた後の食塩水が切替え弁14を通り洗浄槽1に供給される。この洗浄水はイオン交換樹脂で(1)、(1)’ 式の反応が起き、硬度成分(Ca2+、Mg2+)を多く含んだ洗浄水となる。
(R−SO3)2Ca+2Na+→2R−SO3Na+Ca2+ …(1)
(R−SO3)2Mg+2Na+→2R−SO3Na+Mg2+ …(1)’
その後、図示されていない水位センサーが洗浄槽の水位を検知し、規定水位に達すると、再び給水弁3、切替え弁14が作動し、給水を停止する。洗浄水給水後、洗浄ポンプ6が作動し、洗浄水を循環する。その時ノズル4に設けられた噴射口から洗浄水が噴射され、食器30を漂白洗浄する。漂白洗浄中、電解槽10に電圧を印可し、陽極では(2)、(2)’ 式の反応が起き、陰極では(3)式の反応が起こるため、洗浄水は弱アルカリ性の洗浄水となる。
2Cl−→Cl2+2e− …(2)
Cl2+H2O→HClO+HCl …(2)’
2H2O+2e−→H2+2OH− …(3)
この結果、次亜塩素酸の作用により、茶渋等により汚れた食器の漂白あるいは、殺菌をすることができる。また、硬度成分(Ca2+、Mg2+)が、食器に付着していたり洗浄水中に含まれていたりする有機物を吸着するので、有機物により次亜塩素酸が分解されるのを抑制することができる。次亜塩素酸による漂白洗浄が終了すると、電解槽12への電圧の印可と洗浄ポンプ6の動作が停止するとともに、排水ポンプ7が作動し、次亜塩素酸洗浄水を排水する。その後、数回のすすぎ工程では給水切替え弁2より、水道水が洗浄槽に給水され水道水によってすすぎが行われる。最後のすすぎ工程では再び給水切替え弁2から軟水生成装置9に通水を行い、内部のイオン交換樹脂で(4)、(4)’式の反応が起き、硬度成分を除去した軟水が生成される。軟水は軟水切替え弁14を通り洗浄槽に給水され、洗浄ポンプ6により循環され食器の最終すすぎを行う。一定時間の最終すすぎを行った後、排水ポンプ7により軟水を排水し、洗浄を終了する。最終すすぎ工程に軟水を用いることで乾燥後の食器への水垢付着を抑制することができる。
2R−SO3Na+Ca2+→(R−SO3)2Ca+2Na+ …(4)
2R−SO3Na+Mg2+→(R−SO3)2Mg+2Na+ …(4)’
【0016】
図2は本発明の食器洗浄装置の第二の実施形態を示し、軟水生成手段と、電気分解手段が給水経路上に設置されている。運転が開始されると、給水弁3が作動し、食器洗浄装置内に給水が行われる。給水切替え弁2によって給水された水道水が食塩添加部10を通り、食塩水となり軟水生成装置9内に流入する。軟水生成装置9内のイオン交換樹脂は食塩水により硬度成分とナトリウムイオンの交換が行われ再生するとともに、硬度成分を多く含んだ食塩水が軟水切替え弁14により再生水貯留部11内に入る。電気分解を行わない洗浄モードではこのままイオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を貯留するが、電気分解を行う際は貯留部切替え弁15を電解槽側に切替え、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を電気分解し、洗浄槽に供給する。洗浄槽内の次亜塩素酸を含んだ洗浄水が規定水位に達すると、洗浄ポンプが作動し、食器の洗浄漂白を行う。一定時間の洗浄漂白後、排水ポンプが作動し、洗浄水を排水する。その後、数回のすすぎ工程を行う際は給水切り替え弁2を切替え、水道水を直接、洗浄槽に給水する。最終すすぎ工程では、給水切替え弁2を軟水生成装置に切替え、水道水を再生済みの軟水生成装置内のイオン交換樹脂に通水し、軟水を生成し、軟水切替え弁14を切替え、洗浄槽1に軟水を給水して最終すすぎを行う。
【0017】
図3は本発明の食器洗浄装置の第三の実施形態を示し、軟水生成手段と、電気分解手段が循環経路上に設置されている。運転が開始されると、給水弁3が作動し食器洗浄装置内に給水が行われる。電気分解洗浄漂白を行う際は、給水切替え弁2を切替えて食塩添加部10に通水を行う。食塩水は洗浄槽1内に給水され、洗浄ポンプ6が作動し、洗浄が開始する。洗浄水は循環経路上の軟水生成手段内部のイオン交換樹脂が再生されることで、硬度成分を多く含んだ食塩水となる。また、循環経路内には電解槽12も設置されており、洗浄開始時に電解槽内の電極に電圧が印可され、電気分解が開始する。充分な次亜塩素酸が生成されると電気分解を終了し、その後、一定時間洗浄が行われ、洗浄ポンプ6が停止し、排水され洗浄漂白工程が終了する。その後のすすぎ工程においては、すすぎ水が循環経路内の軟水生成装置を通過し、硬度成分が除去された水ですすぎを行う。
【0018】
図4に軟水生成装置の例1を示す。軟水を生成する際、水道水通水管54より水道水が流入する。流入した水道水は軟水生成装置9内のイオン交換樹脂50により、硬度成分であるCa2+、Mg2+が吸着され、代わりにNa+が放出される。こうして硬度成分が除去された軟水はフィルタ53を通り、軟水切替え弁14により、洗浄工程に応じて軟水排水管56、または、軟水洗浄槽通水管58に通水される。イオン交換樹脂は上述のようにCa2+、Mg2+とNa+の交換を行うが、樹脂内のすべてのNa+を放出するとその交換性能を失う。その場合、食塩水を通水することで軟水生成とは逆の交換、つまり、Na+を吸着し、Ca2+、Mg2+を放出させることで、硬度成分を吸着する機能を再生できる。イオン交換樹脂の再生を行う際は、食塩水通水管55から食塩水の通水が行われ、流入した食塩水がイオン交換樹脂50の再生を行い、フィルタ53を通過して、軟水切替え弁14により、洗浄工程に応じて貯留部通水管57、または、軟水洗浄槽通水管58に通水される。水道水通水管54、食塩水通水管55にはカウンタ51が設けられており、水道水通水回数、つまり、軟水生成回数をカウントする。このカウンタは食塩水通水管55に通水が行われるとカウント回数がリセットされる。1回の洗浄に用いる水の量は一定であるので、水道水の硬度をあらかじめ調べておけば、軟水生成回数をカウントすることでイオン交換樹脂50がどれだけの硬度成分を交換したかを知ることが可能であり、イオン交換樹脂の再生タイミングを知ることができる。また、再生に用いた後の食塩水にどれだけの硬度成分が含まれているかを知ることも可能となり、電気分解を行う際に、電解時間、電流値を制御する指標になる。
【0019】
図5に軟水生成装置の例2を示す。軟水を生成する際、水道水が水道水通水管54を通り、軟水生成装置9内に流入する。また、イオン交換樹脂の再生を行う際には食塩水通水管55に食塩の通水が行われる。水道水通水管54には流量計52が設置されており、生成した軟水の量を検知する。また、流量は食塩水通水管55に通水が行われた際にリセットされる。水道水の硬度をあらかじめ調べておけば、軟水生成量を知ることでイオン交換樹脂がどれだけの硬度成分を吸着しているかがわかり、イオン交換樹脂再生のタイミングを知ることができるとともに、再生に用いた後の食塩水を電気分解する際の硬度成分量による電解時間、電流値制御の指標となる。軟水生成装置9出口には3本の弁を有する水路が設置されており、洗浄工程に応じて軟水排水管56、貯留部通水管57、軟水洗浄槽通水管58へそれぞれ通水される。
【0020】
図6に再生水貯留部の例1を示す。軟水生成装置9により生成された硬度成分を多く含む食塩水が貯留部通水管57を通り、再生水貯留部11に流入する。貯留された再生水は洗浄条件に応じて、貯留部切替え弁15により洗浄槽1、または電解槽12へつながる貯留部洗浄槽通水管62、排水管へとつながる貯留部排水管61へと流入する。また、再生水貯留部には水位センサー60が設けられ、貯留部内の再生水の有無を検知し、洗浄手段を決定する指針となる。
【0021】
図7に電解槽の例1を示す。電解槽12内には電極40が流路と平行に設置されており、電解用電源13により電極間に電流が流れ、流路を通る食塩水を電気分解し、次亜塩素酸を生成する。電解用電源13には電解時間制御装置41が設けられており、軟水生成装置9から得られた食塩水中の硬度成分量に応じて電解時間を制御する。硬度成分は有機物を吸着するため、次亜塩素酸が有機物により分解されるのを防止することができる。そのため、硬度成分が多く含まれている食塩水を電気分解する際は電解時間を短く、硬度成分が少ない場合には電解時間を長くすることにより、食器に作用する次亜塩素酸を一定量とし、漂白性能を一定に保つことが可能となる。
【0022】
図8に電解槽の例2を示す。この例は電解槽12を食器洗浄装置の循環経路内に設置する場合である。電解槽12内には電極40が食塩水の流れと平行に設置されており、この電極に電解用電源13から電流を流す。電解用電源13には電流制御装置42が設けられており、食塩水の硬度成分量によって電極間に流れる電流値を制御する。硬度成分量の検知は電極間の電気抵抗値を測定することで行う。食塩水中の硬度成分が有機物を吸着すると、その電気伝導性を失うので、有機物と硬度成分量により電極間の電気抵抗値は変化する。硬度成分が少なく、有機物が多い場合には電気伝導度が小さくなり、電極間の抵抗が大きくなる。硬度成分が多く、有機物量が少ない場合には電気伝導度が大きくなり、電極間の抵抗が小さくなる。このような電極間の電気抵抗値に応じて電極間に流れる電流の大きさを変化させることにより、食器に作用する次亜塩素酸の量を一定にし、有機物の多い食器、洗浄水においても一定の漂白性能を得ることが可能となる。
【0023】
本発明においては、軟水によるすすぎと、Ca2+,Mg2+を多く含んだ食塩水を電気分解して得られる次亜塩素酸水による漂白を行うことを目的としており、上述のように、これらの工程を組み合わせての食器洗浄、漂白を行うことも可能であるが、軟水すすぎ、電解次亜塩素酸漂白を独立した工程で行うことも可能である。次に、これらの洗浄モードの洗浄工程を説明する。
【0024】
まず、第一の実施形態における電解と軟水を両方用いた際の洗浄モードの例を図9のフローチャートを用いて説明する。利用者が図示されていない洗浄開始スイッチを押し、洗浄工程が開始(S1)すると、洗浄工程1回目が開始する(S2)。ここで、軟水生成装置内のカウンタ51、または、流量計52により、イオン交換樹脂の再生が必要であると判断されるとき(S3Yes)、給水切替え弁2が作動し、食塩添加部10に通水を行い、水道水に食塩が添加される(S4)。食塩水は軟水生成装置9に通水され、イオン交換樹脂の再生が行われる(S5)。再生に用いた後の硬度成分を多く含む食塩水は軟水切替え弁14により洗浄槽に給水される(S6)。一方、イオン交換樹脂が再生済み(S3No)であって、水位センサー60により再生水貯留部11に再生水が貯留されていると判断されるとき(S7Yes)、貯留部の貯留部切替え弁15が開き(S8)、洗浄槽に再生水が給水される(S6)。また、イオン交換樹脂が再生済で(S3No)、再生水貯留部11に再生水がない時(S7No)は、給水切替え弁2を切替え水道水をイオン交換樹脂に通水し(S9)、軟水切替え弁14を排水管に開放し、軟水の排水を行う(S10)。その後、給水切替え弁2を切替え、食塩添加部10より水道水に食塩を添加し(S4)、イオン交換樹脂を再生する(S5)。再生水給水終了後、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S11)、それと同時に電極40に電流を流し、電気分解を開始する(S12)。所定時間の洗浄後、洗浄ポンプ6の動作が終了し(S13)、電気分解が終了する(S14)。その後、洗浄水を排水し(S15)、すすぎ工程に入る(S16)。すすぎ時は給水切替え弁2を水道水通水に切替え、数回のすすぎ工程を水道水により行う。すすぎ工程の終了後(S17)、最終すすぎが開始すると(S18)、給水切替え弁2を切替え、イオン交換樹脂に水道水が通水され(S19)、軟水切替え弁14を洗浄槽通水路側に開放し、軟水が洗浄槽に供給される(S20)。洗浄工程と同様に、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S21)、所定時間のすすぎ後、洗浄ポンプ6の動作が停止し(S22)、排水が行われ(S23)、洗浄が終了する。このような工程を行うことで、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩を無駄にすることなく、かつ、電解漂白時の次亜塩素酸を効果的に働かせることができる。
【0025】
次に、図1に示す第一の実施形態における電解漂白を行わず、軟水すすぎだけを行う際の洗浄モードの例について図10のフローチャートを用いて説明する。洗浄工程が開始(S31)すると、軟水生成装置のカウンタ51または流量計52と、再生水貯留部11の水位センサー60により、イオン交換樹脂の再生の必要性と再生水の貯留状態をチェックする。イオン交換樹脂の再生が必要であり(S32Yes)、再生水貯留部11に再生水が貯留されている場合(S33Yes)、再生水貯留部11の貯留部切替え弁15を排水管へ開放し、再生水を排水する(S34)。次に、給水切替え弁2を切替え、食塩添加部10により水道水に食塩が添加される(S35)。食塩水は軟水生成装置9に流入し、イオン交換樹脂の再生が行われる(S36)。ここで用いた再生水は電気分解を行わないため、軟水切替え弁14を再生水貯留部11に開放し、再生水が再生水貯留部11に貯留される(S37)。その後第1回の洗浄が開始される(S38)。イオン交換樹脂の再生が必要であり(S32Yes)、再生水が貯留されていない時(S33No)、食塩添加部10により水道水に食塩が添加され(S35)食塩水がイオン交換樹脂に通水され、イオン交換樹脂が再生される(S36)。ここで用いた再生水は電気分解を行わないため、再生水貯留装置11に貯留され(S37)、第1回洗浄工程が開始される(S38)。また、イオン交換樹脂が再生済みのとき(S32No)、第1回洗浄工程が開始される(S38)。数回の洗浄と数回のすすぎ工程終了後、最終すすぎ工程に入り(S39)、給水切替え弁2により水道水が軟水生成装置9内のイオン交換樹脂に通水され(S40)、軟水が生成される。生成された軟水は軟水切替え弁14により洗浄槽1に給水され(S41)、洗浄ポンプ6が作動し(S42)、最終すすぎが行われる。所定時間後、洗浄ポンプ6の動作が停止し(S43)、排水を行い(S44)、洗浄工程が終了する。電解漂白を行う必要がない汚れでも、水道水で洗浄を行うと、洗浄終了後のガラスコップ等には水垢が付着する。水垢の成分である硬度成分を除去した軟水ですすぎを行えば、水垢が付着することなく、洗浄を行うことができる。
【0026】
図1に示す第一の実施形態において、軟水によるすすぎを行わず、電解漂白のみを行う際の洗浄モードについて図11のフローチャートを用いて説明する。洗浄が開始(S51)し、洗浄工程1回目が開始する(S52)と再生水貯留部11の水位センサー60により再生水の貯留状態をチェックする。再生水が貯留されている場合(S53Yes)、貯留部切替え弁15が洗浄槽側に開放し、貯留された再生水が洗浄槽1に給水される(S54)。給水終了後、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S55)、それと同時に電気分解を開始する(S56)。所定時間の洗浄後、洗浄ポンプ6の動作を終了し(S57)、電気分解が終了する(S58)。一方、再生水貯留部11に再生水が貯留されていない場合(S53No)、イオン交換樹脂の再生が必要かどうかを軟水生成装置9のカウンタ51または流量計52によりチェックする。イオン交換樹脂の再生が必要な場合(S59Yes)、給水切替え弁2を切替え、食塩添加部10により食塩が添加され(S60)、食塩水によりイオン交換樹脂が再生される(S61)。その後、イオン交換樹脂の再生に用いた再生水を洗浄槽1に給水する(S62)。給水終了後、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S55)、それと同時に電気分解を開始する(S56)。所定時間の洗浄後、洗浄ポンプの動作が終了し(S57)、電気分解が終了する(S58)。また、再生水貯留部11に再生水が貯留されておらず(S53No)、イオン交換樹脂が再生済みのとき(S59No)、給水切替え弁2によりイオン交換樹脂に水道水を通水し(S63)、軟水切替え弁14を排水管に開放して排水する(S64)。その後、給水切替え弁2を切替え、食塩添加部10により食塩が添加され(S60)、食塩水によりイオン交換樹脂が再生され(S61)、イオン交換樹脂の再生に用いた食塩水が洗浄槽1に給水される(S62)。給水終了後、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S55)、それと同時に電気分解を開始する(S56)。所定時間の洗浄後、洗浄ポンプ6の動作が終了し(S57)、電気分解が終了する(S58)。
電気分解終了後、排水が行われ(S65)その後、すすぎ工程が開始し(S66)、数回のすすぎ工程の後、最終すすぎが行われ、最終すすぎが終了後(S67)、排水され(S68)、洗浄工程が終了する。このように、電気分解漂白のみを行う際でも、硬度成分が多く含まれるイオン交換樹脂の再生水を用いることにより、漂白の効率をより大きくすることができる。
【0027】
図2に示す第二の実施形態においては、第一の実施形態が軟水生成装置9が給水経路にあり、電解槽12が循環経路にあるのに対し、軟水生成装置9、電解槽12ともに給水経路に設置することを特徴としている。洗浄工程は図1の第一の実施形態の場合とほぼ同じである。洗浄工程の異なる点は、第一の実施形態では再生水を給水した後、洗浄中に循環経路上で電気分解を行うのに対し、第二の実施形態では再生水が洗浄槽に給水される前の給水経路上で電気分解を行い、給水後、洗浄を行う点だけであり、その他は図9、10、11に示すフローチャートと同様に洗浄を行う。電解槽が給水経路にあるため、食器に付着した汚れが電極に付着することがなく、電気分解の効率が落ちることを防止することができる。
【0028】
図3に示す第三の実施形態は、軟水生成装置9、電解槽12ともに循環経路上に設置されていることを特徴とする。洗浄モードについては、軟水生成装置9が循環経路上にあることから、イオン交換樹脂再生時に食塩水を通水するとき以外は、すべての洗浄工程で軟水を用いることとなる。電気分解を行う際は、給水切替え弁2により食塩添加部10に通水が行われ、洗浄槽1内に食塩水が給水される。洗浄ポンプ6が作動し、循環経路上に設置された軟水生成装置9内のイオン交換樹脂の再生が行われ、硬度成分を多く含む食塩水が生成される。この食塩水を循環経路上に設置された電解槽12により電気分解する。このとき電極間の抵抗を検知することで、洗浄水中の硬度成分量を知ることができ、電解の電解時間または、電流値を制御し、食器に作用する次亜塩素酸量を一定にすることが可能となる。電解終了後に排水した後は、給水切替え弁2を切替え、水道水を給水し、循環すすぎ中に洗浄水内の硬度成分を循環経路上に設置した軟水生成装置9により除去し、軟水ですすぎを行うことにより、乾燥後の食器の水垢付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態の正面断面図
【図2】第二の実施形態の正面断面図
【図3】第三の実施形態の正面断面図
【図4】軟水生成装置例1の断面図
【図5】軟水生成装置例2の断面図
【図6】再生水貯留部例の断面図
【図7】電解槽例1の断面図
【図8】電解槽例2の断面図
【図9】洗浄モード(軟水すすぎ+電気分解漂白)のフローチャート
【図10】洗浄モード(軟水すすぎのみ)のフローチャート
【図11】洗浄モード(電気分解漂白のみ)のフローチャート
【符号の説明】
1…洗浄槽、2…給水切替え弁、3…給水弁、4…洗浄ノズル、5…噴射口、6…洗浄ポンプ、7…排水ポンプ、8…洗浄水貯水部、9…軟水生成装置、10…食塩添加部、11…再生水貯留部、12…電解槽、13…電解用電源、14…軟水切替え弁、15…貯留部切替え弁、16…残菜フィルタ、20…籠、30…食器、40…電極、41…電解時間制御装置、42…電流制御装置、43…電気伝導度測定装置、50…イオン交換樹脂、51…カウンタ、52…流量計、53…フィルタ、54…水道水給水管、55…食塩水通水管、56…軟水排水管、57…貯留部通水管、58…軟水洗浄槽通水管、60…水位センサー、61…貯留部排水管、62…貯留部洗浄槽通水管
【発明の属する技術分野】
本発明は、食器類洗浄装置に関するものである。より具体的にはイオン交換樹脂を用いた軟水生成手段とイオン交換樹脂の再生手段と洗浄水の電気分解手段を設けた食器類洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気分解手段を設けた食器洗浄機は、食塩水供給装置により洗浄槽に飽和食塩水と水道水を供給し、洗浄槽に設置された電極に電流を流し、次亜塩素酸イオンを生成し、食器の漂白を行う(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の軟水生成装置を設けた食器洗浄機は、給水路または循環路にイオン交換装置を設け、洗浄水中に含まれる金属イオンにより洗剤と金属イオンが結合し、洗浄力を低下させるのを防止したり、すすぎ終了後に食器表面に炭酸カルシウムの汚れが残ることを防止している(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−137689号公報
【特許文献2】
特開2000−300494号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1記載の洗浄水の電気分解手段を持つ食器洗浄機においては、電気分解により生成された次亜塩素酸イオンが洗浄水中の有機物により分解してしまい、充分な次亜塩素酸イオンを生成するためには電極に流れる電流を大きくするか、電解時間を長くしなければならないという課題があった。これにより、ランニングコストが高くなり、電気を浪費していた。
また、特許文献2記載のイオン交換樹脂により金属イオンを除去する食器洗浄機においてはイオン交換樹脂には金属イオンを除去する効果に限りがあり、イオン交換樹脂を経由しない給水経路を設けていた。イオン交換樹脂の効果を長く保つには、食塩水でイオン交換樹脂を再生する方法があるが、そこで用いられた食塩水は排水され、資源の無駄になり、コストがかかるといった課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題に対し、本発明は食器を収納する洗浄槽と、前記洗浄槽に洗浄水を供給する給水路と、前記洗浄槽に貯められた洗浄水を食器へ向けて送水する送水手段と、を備え、前記洗浄槽に貯められた洗浄水をこの洗浄槽内で循環させながら食器を洗浄する食器類洗浄装置において、少なくとも一対の電極を有する食塩水を電気分解する手段と、イオン交換樹脂を用いた軟水生成手段と、食塩水を用いてイオン交換樹脂中の二価イオンをナトリウムイオンに置換することでイオン交換樹脂を再生する手段を備えたことを特徴とする食器洗浄装置を提供する。
ここで二価イオンとは、例えばCa2+、Mg2+などのアルカリ土類金属のイオンである。
【0006】
本発明は、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を電気分解し、生成された次亜塩素酸で食器の洗浄、漂白を行い、再生されたイオン交換樹脂で軟水を生成し、すすぎに用いることを特徴とする。電気分解により生成された次亜塩素酸は高い漂白性能を持つが、洗浄水中の有機物により分解される。次亜塩素酸が食器に作用するためには大きな電流を流すか、長時間電流を流さなければならない。イオン交換樹脂を再生に用いた後の食塩水には硬度成分(Ca2+,Mg2+)が多量に含まれており、有機物を吸着する。この作用により、電気分解で生成した次亜塩素酸が有機物により分解されることがなくなり、少ない電力で次亜塩素酸を生成することができる。また、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を利用することで、食塩水を無駄にすることがなくなり、資源の無駄を省くとともにランニングコストの抑制にもつながる。すすぎに軟水を用いることで、乾燥後の食器への水垢付着を防止することができ、食器を清浄に保つことができる。
【0007】
本発明の好ましい態様においては、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を貯留する貯留部を備えたことを特徴とする。これにより、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を、ただちに電気分解に使用しない場合でも食塩水を無駄にすることがない。また、電気分解を行いたいが、イオン交換樹脂が再生済みであり、樹脂内に硬度成分を含んでいない場合でも、貯留してあるイオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水により電気分解を行うことができ、硬度成分が洗浄水中の有機物を吸着することから次亜塩素酸を効率よく食器に作用させることができる。
【0008】
本発明の好ましい態様においては、再生水貯留部に水位センサーを備えたことを特徴とする。貯留部の再生水の有無を検知することで、イオン交換樹脂の再生の必要性を知ることができ、無駄にイオン交換樹脂の再生を行うことがなくなり、食塩の浪費を防止することができ、ランニングコストの削減につながる。
【0009】
本発明の好ましい態様においては、洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段を備え、推定された硬度成分量に基づいて前記電気分解手段の電解時間を制御することを特徴とする。
電気分解はイオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を用いて行う。イオン交換樹脂は軟水生成の際にNa+を放出する代わりに、Ca2+、Mg2+を吸着し、再生の際は逆にCa2+、Mg2+を放出するため、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水はこれらの硬度成分を多く含んでいる。これらのイオンは有機物を吸着するため、食塩水に硬度成分が多く含まれていると、電気分解により生成された次亜塩素酸が有機物で分解されることがなく、効率よく食器に作用させることができる。したがって、食塩水中に硬度成分が多い際は電気分解の時間を短くすることで、電力の浪費や電極の劣化を抑えることができる。逆に硬度成分が少ない際は、電気分解時間を長くすることで、次亜塩素酸濃度が低くなっても充分な漂白性能を得ることができる。
【0010】
本発明の好ましい態様においては、洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段を備え、推定された硬度成分量に応じて前記電気分解手段の電極に流れる電流値を制御することを特徴とする。電気分解時の電流を制御することによっても上記と同様の効果を得ることができる。
【0011】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段が、イオン交換樹脂による軟水生成回数をカウントする手段であることを特徴とする。食器洗浄装置の1回の洗浄、すすぎに用いる水量は一定であるため、軟水による洗浄、すすぎ回数をカウントすることで、前回イオン交換樹脂の再生からの軟水生成量の積算値がわかる。食器洗浄装置に給水する水道水は地域によって、含まれる硬度成分量は異なるが、一定量の水道水に含まれる硬度成分量を地域ごとにあらかじめ設定しておくことで1回の洗浄、すすぎに用いる水の中にどれだけの硬度成分が含まれているかを知ることができる。以上のことから、洗浄水中の硬度成分量を計測するなどの複雑なセンサーを用いることなく、軟水洗浄、すすぎ回数を調べることで、イオン交換樹脂にどれだけの硬度成分が吸着されているかを知ることができ、前述した再生水中の硬度成分濃度による電解時間、電流値の制御を行ったり、イオン交換樹脂の再生のタイミングを推定したりすることができる。
【0012】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段が、イオン交換樹脂による軟水生成量を計測する手段であることを特徴とする。上述のように、地域ごとに一定量の水に含まれる硬度成分量を設定しておき、前回のイオン交換樹脂再生からの軟水生成量の積算値を測定することで、簡単に前回再生後からのイオン交換樹脂が除去した硬度成分量を知ることができ、イオン交換樹脂に吸着している硬度成分量を知ることが可能となり、前述した再生水中の硬度成分濃度による電解時間、電流値の制御を行ったり、イオン交換樹脂の再生のタイミングを推定したりすることができる。
【0013】
本発明の好ましい態様においては、前記洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段が、前記電極間の電気抵抗値を測定する手段であることを特徴とする。洗浄水中に設けた電極に電流を流し、その抵抗値を測定することで、洗浄水に含まれるイオンの量を知ることができる。イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を洗浄水とする際、洗浄水中には、Na+、Ca2+、Mg2+等が存在する。この中のCa2+、Mg2+が洗浄水中の有機物を吸着すると、洗浄水の電気伝導度が低下する。このことから、Na+の濃度が一定であれば洗浄水の抵抗値を測定することで、洗浄水中の硬度成分量を知ることが可能となり、電解時間の制御や、電極間の電流値の最適値を決定することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の第一の実施形態を、添付図面により詳細に説明する。
図1は本発明の食器洗浄装置であり、軟水生成手段を給水経路に有し、電気分解手段を循環系路上に設置してある。図1において1は洗浄槽で、2は給水切替え弁であり、水道水を軟水生成器9、または、洗浄槽1へ通水する。3は給水を開閉する給水弁、4は食器を洗浄する洗浄水を噴射する洗浄ノズルであり、噴射口5を設けている。また6は洗浄水の送水手段である洗浄ポンプであり、7は洗浄水を排水する排水ポンプであり、8は洗浄槽の水が貯まっている洗浄水貯水部である。9は軟水生成装置であり、給水された湯水の硬度成分を除去し、軟水にするイオン交換樹脂が内包されている。10はイオン交換樹脂の再生に用いる食塩水を生成する食塩添加部であり、11に再生に用いた後の食塩水を貯留する再生剤貯留部を示す。12は洗浄槽貯水部に貯まった水を電気分解する電解槽である。13は電解用電源であり、14は軟水切替え弁であり、軟水生成装置9から流入した軟水、もしくは再生水を再生水貯留部11、洗浄槽1、排水管のいずれかに通水する。15は貯留水切替え弁であり、貯留水を洗浄槽、もしくは、排水管に通水する。洗浄水貯水部8に貯まった洗浄水は洗浄ポンプ6により吸引されノズル4へ達し、食器に向けて噴射された洗浄水は再び洗浄槽貯水部8に戻るように循環路が構成されている。16はご飯粒、野菜くず等の大きな汚れを除去する残菜フィルタ、20は食器を収納する籠、30は食器である。
【0015】
本実施形態の動作の説明をする。利用者は洗浄、漂白したい食器30を食器籠20にセット後、洗浄槽内に設置し、食塩を食塩添加部10に投入する。その後、図示されていない運転開始スイッチを押すと、給水弁3が作動し、洗浄水が、給水切替え弁2を経て食塩添加部10により食塩を添加され食塩水となり、軟水生成装置9内に流入する。そこで内部のイオン交換樹脂の再生を行い、再生に用いた後の食塩水が切替え弁14を通り洗浄槽1に供給される。この洗浄水はイオン交換樹脂で(1)、(1)’ 式の反応が起き、硬度成分(Ca2+、Mg2+)を多く含んだ洗浄水となる。
(R−SO3)2Ca+2Na+→2R−SO3Na+Ca2+ …(1)
(R−SO3)2Mg+2Na+→2R−SO3Na+Mg2+ …(1)’
その後、図示されていない水位センサーが洗浄槽の水位を検知し、規定水位に達すると、再び給水弁3、切替え弁14が作動し、給水を停止する。洗浄水給水後、洗浄ポンプ6が作動し、洗浄水を循環する。その時ノズル4に設けられた噴射口から洗浄水が噴射され、食器30を漂白洗浄する。漂白洗浄中、電解槽10に電圧を印可し、陽極では(2)、(2)’ 式の反応が起き、陰極では(3)式の反応が起こるため、洗浄水は弱アルカリ性の洗浄水となる。
2Cl−→Cl2+2e− …(2)
Cl2+H2O→HClO+HCl …(2)’
2H2O+2e−→H2+2OH− …(3)
この結果、次亜塩素酸の作用により、茶渋等により汚れた食器の漂白あるいは、殺菌をすることができる。また、硬度成分(Ca2+、Mg2+)が、食器に付着していたり洗浄水中に含まれていたりする有機物を吸着するので、有機物により次亜塩素酸が分解されるのを抑制することができる。次亜塩素酸による漂白洗浄が終了すると、電解槽12への電圧の印可と洗浄ポンプ6の動作が停止するとともに、排水ポンプ7が作動し、次亜塩素酸洗浄水を排水する。その後、数回のすすぎ工程では給水切替え弁2より、水道水が洗浄槽に給水され水道水によってすすぎが行われる。最後のすすぎ工程では再び給水切替え弁2から軟水生成装置9に通水を行い、内部のイオン交換樹脂で(4)、(4)’式の反応が起き、硬度成分を除去した軟水が生成される。軟水は軟水切替え弁14を通り洗浄槽に給水され、洗浄ポンプ6により循環され食器の最終すすぎを行う。一定時間の最終すすぎを行った後、排水ポンプ7により軟水を排水し、洗浄を終了する。最終すすぎ工程に軟水を用いることで乾燥後の食器への水垢付着を抑制することができる。
2R−SO3Na+Ca2+→(R−SO3)2Ca+2Na+ …(4)
2R−SO3Na+Mg2+→(R−SO3)2Mg+2Na+ …(4)’
【0016】
図2は本発明の食器洗浄装置の第二の実施形態を示し、軟水生成手段と、電気分解手段が給水経路上に設置されている。運転が開始されると、給水弁3が作動し、食器洗浄装置内に給水が行われる。給水切替え弁2によって給水された水道水が食塩添加部10を通り、食塩水となり軟水生成装置9内に流入する。軟水生成装置9内のイオン交換樹脂は食塩水により硬度成分とナトリウムイオンの交換が行われ再生するとともに、硬度成分を多く含んだ食塩水が軟水切替え弁14により再生水貯留部11内に入る。電気分解を行わない洗浄モードではこのままイオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を貯留するが、電気分解を行う際は貯留部切替え弁15を電解槽側に切替え、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を電気分解し、洗浄槽に供給する。洗浄槽内の次亜塩素酸を含んだ洗浄水が規定水位に達すると、洗浄ポンプが作動し、食器の洗浄漂白を行う。一定時間の洗浄漂白後、排水ポンプが作動し、洗浄水を排水する。その後、数回のすすぎ工程を行う際は給水切り替え弁2を切替え、水道水を直接、洗浄槽に給水する。最終すすぎ工程では、給水切替え弁2を軟水生成装置に切替え、水道水を再生済みの軟水生成装置内のイオン交換樹脂に通水し、軟水を生成し、軟水切替え弁14を切替え、洗浄槽1に軟水を給水して最終すすぎを行う。
【0017】
図3は本発明の食器洗浄装置の第三の実施形態を示し、軟水生成手段と、電気分解手段が循環経路上に設置されている。運転が開始されると、給水弁3が作動し食器洗浄装置内に給水が行われる。電気分解洗浄漂白を行う際は、給水切替え弁2を切替えて食塩添加部10に通水を行う。食塩水は洗浄槽1内に給水され、洗浄ポンプ6が作動し、洗浄が開始する。洗浄水は循環経路上の軟水生成手段内部のイオン交換樹脂が再生されることで、硬度成分を多く含んだ食塩水となる。また、循環経路内には電解槽12も設置されており、洗浄開始時に電解槽内の電極に電圧が印可され、電気分解が開始する。充分な次亜塩素酸が生成されると電気分解を終了し、その後、一定時間洗浄が行われ、洗浄ポンプ6が停止し、排水され洗浄漂白工程が終了する。その後のすすぎ工程においては、すすぎ水が循環経路内の軟水生成装置を通過し、硬度成分が除去された水ですすぎを行う。
【0018】
図4に軟水生成装置の例1を示す。軟水を生成する際、水道水通水管54より水道水が流入する。流入した水道水は軟水生成装置9内のイオン交換樹脂50により、硬度成分であるCa2+、Mg2+が吸着され、代わりにNa+が放出される。こうして硬度成分が除去された軟水はフィルタ53を通り、軟水切替え弁14により、洗浄工程に応じて軟水排水管56、または、軟水洗浄槽通水管58に通水される。イオン交換樹脂は上述のようにCa2+、Mg2+とNa+の交換を行うが、樹脂内のすべてのNa+を放出するとその交換性能を失う。その場合、食塩水を通水することで軟水生成とは逆の交換、つまり、Na+を吸着し、Ca2+、Mg2+を放出させることで、硬度成分を吸着する機能を再生できる。イオン交換樹脂の再生を行う際は、食塩水通水管55から食塩水の通水が行われ、流入した食塩水がイオン交換樹脂50の再生を行い、フィルタ53を通過して、軟水切替え弁14により、洗浄工程に応じて貯留部通水管57、または、軟水洗浄槽通水管58に通水される。水道水通水管54、食塩水通水管55にはカウンタ51が設けられており、水道水通水回数、つまり、軟水生成回数をカウントする。このカウンタは食塩水通水管55に通水が行われるとカウント回数がリセットされる。1回の洗浄に用いる水の量は一定であるので、水道水の硬度をあらかじめ調べておけば、軟水生成回数をカウントすることでイオン交換樹脂50がどれだけの硬度成分を交換したかを知ることが可能であり、イオン交換樹脂の再生タイミングを知ることができる。また、再生に用いた後の食塩水にどれだけの硬度成分が含まれているかを知ることも可能となり、電気分解を行う際に、電解時間、電流値を制御する指標になる。
【0019】
図5に軟水生成装置の例2を示す。軟水を生成する際、水道水が水道水通水管54を通り、軟水生成装置9内に流入する。また、イオン交換樹脂の再生を行う際には食塩水通水管55に食塩の通水が行われる。水道水通水管54には流量計52が設置されており、生成した軟水の量を検知する。また、流量は食塩水通水管55に通水が行われた際にリセットされる。水道水の硬度をあらかじめ調べておけば、軟水生成量を知ることでイオン交換樹脂がどれだけの硬度成分を吸着しているかがわかり、イオン交換樹脂再生のタイミングを知ることができるとともに、再生に用いた後の食塩水を電気分解する際の硬度成分量による電解時間、電流値制御の指標となる。軟水生成装置9出口には3本の弁を有する水路が設置されており、洗浄工程に応じて軟水排水管56、貯留部通水管57、軟水洗浄槽通水管58へそれぞれ通水される。
【0020】
図6に再生水貯留部の例1を示す。軟水生成装置9により生成された硬度成分を多く含む食塩水が貯留部通水管57を通り、再生水貯留部11に流入する。貯留された再生水は洗浄条件に応じて、貯留部切替え弁15により洗浄槽1、または電解槽12へつながる貯留部洗浄槽通水管62、排水管へとつながる貯留部排水管61へと流入する。また、再生水貯留部には水位センサー60が設けられ、貯留部内の再生水の有無を検知し、洗浄手段を決定する指針となる。
【0021】
図7に電解槽の例1を示す。電解槽12内には電極40が流路と平行に設置されており、電解用電源13により電極間に電流が流れ、流路を通る食塩水を電気分解し、次亜塩素酸を生成する。電解用電源13には電解時間制御装置41が設けられており、軟水生成装置9から得られた食塩水中の硬度成分量に応じて電解時間を制御する。硬度成分は有機物を吸着するため、次亜塩素酸が有機物により分解されるのを防止することができる。そのため、硬度成分が多く含まれている食塩水を電気分解する際は電解時間を短く、硬度成分が少ない場合には電解時間を長くすることにより、食器に作用する次亜塩素酸を一定量とし、漂白性能を一定に保つことが可能となる。
【0022】
図8に電解槽の例2を示す。この例は電解槽12を食器洗浄装置の循環経路内に設置する場合である。電解槽12内には電極40が食塩水の流れと平行に設置されており、この電極に電解用電源13から電流を流す。電解用電源13には電流制御装置42が設けられており、食塩水の硬度成分量によって電極間に流れる電流値を制御する。硬度成分量の検知は電極間の電気抵抗値を測定することで行う。食塩水中の硬度成分が有機物を吸着すると、その電気伝導性を失うので、有機物と硬度成分量により電極間の電気抵抗値は変化する。硬度成分が少なく、有機物が多い場合には電気伝導度が小さくなり、電極間の抵抗が大きくなる。硬度成分が多く、有機物量が少ない場合には電気伝導度が大きくなり、電極間の抵抗が小さくなる。このような電極間の電気抵抗値に応じて電極間に流れる電流の大きさを変化させることにより、食器に作用する次亜塩素酸の量を一定にし、有機物の多い食器、洗浄水においても一定の漂白性能を得ることが可能となる。
【0023】
本発明においては、軟水によるすすぎと、Ca2+,Mg2+を多く含んだ食塩水を電気分解して得られる次亜塩素酸水による漂白を行うことを目的としており、上述のように、これらの工程を組み合わせての食器洗浄、漂白を行うことも可能であるが、軟水すすぎ、電解次亜塩素酸漂白を独立した工程で行うことも可能である。次に、これらの洗浄モードの洗浄工程を説明する。
【0024】
まず、第一の実施形態における電解と軟水を両方用いた際の洗浄モードの例を図9のフローチャートを用いて説明する。利用者が図示されていない洗浄開始スイッチを押し、洗浄工程が開始(S1)すると、洗浄工程1回目が開始する(S2)。ここで、軟水生成装置内のカウンタ51、または、流量計52により、イオン交換樹脂の再生が必要であると判断されるとき(S3Yes)、給水切替え弁2が作動し、食塩添加部10に通水を行い、水道水に食塩が添加される(S4)。食塩水は軟水生成装置9に通水され、イオン交換樹脂の再生が行われる(S5)。再生に用いた後の硬度成分を多く含む食塩水は軟水切替え弁14により洗浄槽に給水される(S6)。一方、イオン交換樹脂が再生済み(S3No)であって、水位センサー60により再生水貯留部11に再生水が貯留されていると判断されるとき(S7Yes)、貯留部の貯留部切替え弁15が開き(S8)、洗浄槽に再生水が給水される(S6)。また、イオン交換樹脂が再生済で(S3No)、再生水貯留部11に再生水がない時(S7No)は、給水切替え弁2を切替え水道水をイオン交換樹脂に通水し(S9)、軟水切替え弁14を排水管に開放し、軟水の排水を行う(S10)。その後、給水切替え弁2を切替え、食塩添加部10より水道水に食塩を添加し(S4)、イオン交換樹脂を再生する(S5)。再生水給水終了後、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S11)、それと同時に電極40に電流を流し、電気分解を開始する(S12)。所定時間の洗浄後、洗浄ポンプ6の動作が終了し(S13)、電気分解が終了する(S14)。その後、洗浄水を排水し(S15)、すすぎ工程に入る(S16)。すすぎ時は給水切替え弁2を水道水通水に切替え、数回のすすぎ工程を水道水により行う。すすぎ工程の終了後(S17)、最終すすぎが開始すると(S18)、給水切替え弁2を切替え、イオン交換樹脂に水道水が通水され(S19)、軟水切替え弁14を洗浄槽通水路側に開放し、軟水が洗浄槽に供給される(S20)。洗浄工程と同様に、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S21)、所定時間のすすぎ後、洗浄ポンプ6の動作が停止し(S22)、排水が行われ(S23)、洗浄が終了する。このような工程を行うことで、イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩を無駄にすることなく、かつ、電解漂白時の次亜塩素酸を効果的に働かせることができる。
【0025】
次に、図1に示す第一の実施形態における電解漂白を行わず、軟水すすぎだけを行う際の洗浄モードの例について図10のフローチャートを用いて説明する。洗浄工程が開始(S31)すると、軟水生成装置のカウンタ51または流量計52と、再生水貯留部11の水位センサー60により、イオン交換樹脂の再生の必要性と再生水の貯留状態をチェックする。イオン交換樹脂の再生が必要であり(S32Yes)、再生水貯留部11に再生水が貯留されている場合(S33Yes)、再生水貯留部11の貯留部切替え弁15を排水管へ開放し、再生水を排水する(S34)。次に、給水切替え弁2を切替え、食塩添加部10により水道水に食塩が添加される(S35)。食塩水は軟水生成装置9に流入し、イオン交換樹脂の再生が行われる(S36)。ここで用いた再生水は電気分解を行わないため、軟水切替え弁14を再生水貯留部11に開放し、再生水が再生水貯留部11に貯留される(S37)。その後第1回の洗浄が開始される(S38)。イオン交換樹脂の再生が必要であり(S32Yes)、再生水が貯留されていない時(S33No)、食塩添加部10により水道水に食塩が添加され(S35)食塩水がイオン交換樹脂に通水され、イオン交換樹脂が再生される(S36)。ここで用いた再生水は電気分解を行わないため、再生水貯留装置11に貯留され(S37)、第1回洗浄工程が開始される(S38)。また、イオン交換樹脂が再生済みのとき(S32No)、第1回洗浄工程が開始される(S38)。数回の洗浄と数回のすすぎ工程終了後、最終すすぎ工程に入り(S39)、給水切替え弁2により水道水が軟水生成装置9内のイオン交換樹脂に通水され(S40)、軟水が生成される。生成された軟水は軟水切替え弁14により洗浄槽1に給水され(S41)、洗浄ポンプ6が作動し(S42)、最終すすぎが行われる。所定時間後、洗浄ポンプ6の動作が停止し(S43)、排水を行い(S44)、洗浄工程が終了する。電解漂白を行う必要がない汚れでも、水道水で洗浄を行うと、洗浄終了後のガラスコップ等には水垢が付着する。水垢の成分である硬度成分を除去した軟水ですすぎを行えば、水垢が付着することなく、洗浄を行うことができる。
【0026】
図1に示す第一の実施形態において、軟水によるすすぎを行わず、電解漂白のみを行う際の洗浄モードについて図11のフローチャートを用いて説明する。洗浄が開始(S51)し、洗浄工程1回目が開始する(S52)と再生水貯留部11の水位センサー60により再生水の貯留状態をチェックする。再生水が貯留されている場合(S53Yes)、貯留部切替え弁15が洗浄槽側に開放し、貯留された再生水が洗浄槽1に給水される(S54)。給水終了後、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S55)、それと同時に電気分解を開始する(S56)。所定時間の洗浄後、洗浄ポンプ6の動作を終了し(S57)、電気分解が終了する(S58)。一方、再生水貯留部11に再生水が貯留されていない場合(S53No)、イオン交換樹脂の再生が必要かどうかを軟水生成装置9のカウンタ51または流量計52によりチェックする。イオン交換樹脂の再生が必要な場合(S59Yes)、給水切替え弁2を切替え、食塩添加部10により食塩が添加され(S60)、食塩水によりイオン交換樹脂が再生される(S61)。その後、イオン交換樹脂の再生に用いた再生水を洗浄槽1に給水する(S62)。給水終了後、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S55)、それと同時に電気分解を開始する(S56)。所定時間の洗浄後、洗浄ポンプの動作が終了し(S57)、電気分解が終了する(S58)。また、再生水貯留部11に再生水が貯留されておらず(S53No)、イオン交換樹脂が再生済みのとき(S59No)、給水切替え弁2によりイオン交換樹脂に水道水を通水し(S63)、軟水切替え弁14を排水管に開放して排水する(S64)。その後、給水切替え弁2を切替え、食塩添加部10により食塩が添加され(S60)、食塩水によりイオン交換樹脂が再生され(S61)、イオン交換樹脂の再生に用いた食塩水が洗浄槽1に給水される(S62)。給水終了後、洗浄ポンプ6の動作が開始し(S55)、それと同時に電気分解を開始する(S56)。所定時間の洗浄後、洗浄ポンプ6の動作が終了し(S57)、電気分解が終了する(S58)。
電気分解終了後、排水が行われ(S65)その後、すすぎ工程が開始し(S66)、数回のすすぎ工程の後、最終すすぎが行われ、最終すすぎが終了後(S67)、排水され(S68)、洗浄工程が終了する。このように、電気分解漂白のみを行う際でも、硬度成分が多く含まれるイオン交換樹脂の再生水を用いることにより、漂白の効率をより大きくすることができる。
【0027】
図2に示す第二の実施形態においては、第一の実施形態が軟水生成装置9が給水経路にあり、電解槽12が循環経路にあるのに対し、軟水生成装置9、電解槽12ともに給水経路に設置することを特徴としている。洗浄工程は図1の第一の実施形態の場合とほぼ同じである。洗浄工程の異なる点は、第一の実施形態では再生水を給水した後、洗浄中に循環経路上で電気分解を行うのに対し、第二の実施形態では再生水が洗浄槽に給水される前の給水経路上で電気分解を行い、給水後、洗浄を行う点だけであり、その他は図9、10、11に示すフローチャートと同様に洗浄を行う。電解槽が給水経路にあるため、食器に付着した汚れが電極に付着することがなく、電気分解の効率が落ちることを防止することができる。
【0028】
図3に示す第三の実施形態は、軟水生成装置9、電解槽12ともに循環経路上に設置されていることを特徴とする。洗浄モードについては、軟水生成装置9が循環経路上にあることから、イオン交換樹脂再生時に食塩水を通水するとき以外は、すべての洗浄工程で軟水を用いることとなる。電気分解を行う際は、給水切替え弁2により食塩添加部10に通水が行われ、洗浄槽1内に食塩水が給水される。洗浄ポンプ6が作動し、循環経路上に設置された軟水生成装置9内のイオン交換樹脂の再生が行われ、硬度成分を多く含む食塩水が生成される。この食塩水を循環経路上に設置された電解槽12により電気分解する。このとき電極間の抵抗を検知することで、洗浄水中の硬度成分量を知ることができ、電解の電解時間または、電流値を制御し、食器に作用する次亜塩素酸量を一定にすることが可能となる。電解終了後に排水した後は、給水切替え弁2を切替え、水道水を給水し、循環すすぎ中に洗浄水内の硬度成分を循環経路上に設置した軟水生成装置9により除去し、軟水ですすぎを行うことにより、乾燥後の食器の水垢付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態の正面断面図
【図2】第二の実施形態の正面断面図
【図3】第三の実施形態の正面断面図
【図4】軟水生成装置例1の断面図
【図5】軟水生成装置例2の断面図
【図6】再生水貯留部例の断面図
【図7】電解槽例1の断面図
【図8】電解槽例2の断面図
【図9】洗浄モード(軟水すすぎ+電気分解漂白)のフローチャート
【図10】洗浄モード(軟水すすぎのみ)のフローチャート
【図11】洗浄モード(電気分解漂白のみ)のフローチャート
【符号の説明】
1…洗浄槽、2…給水切替え弁、3…給水弁、4…洗浄ノズル、5…噴射口、6…洗浄ポンプ、7…排水ポンプ、8…洗浄水貯水部、9…軟水生成装置、10…食塩添加部、11…再生水貯留部、12…電解槽、13…電解用電源、14…軟水切替え弁、15…貯留部切替え弁、16…残菜フィルタ、20…籠、30…食器、40…電極、41…電解時間制御装置、42…電流制御装置、43…電気伝導度測定装置、50…イオン交換樹脂、51…カウンタ、52…流量計、53…フィルタ、54…水道水給水管、55…食塩水通水管、56…軟水排水管、57…貯留部通水管、58…軟水洗浄槽通水管、60…水位センサー、61…貯留部排水管、62…貯留部洗浄槽通水管
Claims (8)
- 食器を収納する洗浄槽と、前記洗浄槽に洗浄水を供給する給水路と、前記洗浄槽に貯められた洗浄水を食器へ向けて送水する送水手段と、を備え、前記洗浄槽に貯められた洗浄水をこの洗浄槽内で循環させながら食器を洗浄する食器類洗浄装置において、少なくとも一対の電極を有する食塩水を電気分解する手段と、イオン交換樹脂を用いた軟水生成手段と、食塩水を用いてイオン交換樹脂中の二価イオンをナトリウムイオンに置換することでイオン交換樹脂を再生する手段を備えたことを特徴とする食器洗浄装置。
- 請求項1記載の食器洗浄装置において、前記イオン交換樹脂の再生に用いた後の食塩水を貯留する貯留部を備えたことを特徴とする食器洗浄装置。
- 請求項2記載の食器洗浄装置において、前記貯留部に水位センサーを備えたことを特徴とする食器洗浄装置。
- 請求項1記載の食器洗浄装置において、洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段を備え、推定された硬度成分量に基づいて前記電気分解手段の電解時間を制御することを特徴とする食器洗浄装置。
- 請求項1記載の食器洗浄装置において、洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段を備え、推定された硬度成分量に応じて前記電気分解手段の電極に流れる電流値を制御することを特徴とする食器洗浄装置。
- 請求項4または5記載の食器洗浄装置において、前記洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段が、イオン交換樹脂による軟水生成回数をカウントする手段であることを特徴とする食器洗浄装置。
- 請求項4または5記載の食器洗浄装置において、前記洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段が、イオン交換樹脂による軟水生成量を計測する手段であることを特徴とする食器洗浄装置。
- 請求項4または5記載の食器洗浄装置において、前記洗浄水に含まれる硬度成分量を推定する手段が、前記電極間の電気抵抗値を測定する手段であることを特徴とする食器洗浄装置。
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WO2021218757A1 (zh) * | 2020-04-30 | 2021-11-04 | 三花亚威科电器设备(芜湖)有限公司 | 洗碗机的控制方法和控制装置 |
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2002
- 2002-10-30 JP JP2002315595A patent/JP2004147837A/ja active Pending
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